JP2013131854A - パッケージの製造方法、パッケージ、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計 - Google Patents

パッケージの製造方法、パッケージ、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計 Download PDF

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Abstract

【課題】キャビティの内部と外部との導通性を確保することができるとともに、研磨時において第1基板での傷の発生を抑制して、機械的強度を確保できるパッケージの製造方法、パッケージ、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計を提供する。
【解決手段】貫通孔21,22と金属ピン37の芯材部31との間にガラスフリット38を充填する充填工程と、貫通孔21,22内に充填されたガラスフリット38を焼成して、硬化させる焼成工程と、粒径が0.5μm〜5μmの砥粒が分散された研磨剤を用いて、ベース基板用ウエハ40におけるガラスフリット38の充填領域を研磨して、金属ピン37の芯材部31を露出させる研磨工程と、を有し、焼成工程では、ガラスフリット38の焼成温度を結晶化温度以上であって、580℃以下に設定することを特徴とする。
【選択図】図10

Description

本発明は、パッケージの製造方法、パッケージ、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計に関する。
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等として水晶等を利用した圧電振動子(パッケージ)が用いられている。この種の圧電振動子は様々なものが知られているが、その1つとして、表面実装(SMD)型の圧電振動子が知られている。この種の圧電振動子は、例えば互いに接合されたガラス材料からなるベース基板及びリッド基板と、両基板の間に形成されたキャビティと、キャビティ内に気密封止された状態で収納された圧電振動片(電子部品)と、を備えている。
このような圧電振動子では、ベース基板に形成された貫通孔に貫通電極を形成し、この貫通電極によってキャビティ内の圧電振動片と、キャビティ外の外部電極とを電気的に接続している(例えば、特許文献1参照)。具体的に、特許文献1では、まずベース基板に貫通孔を形成し、ベース基板を熱軟化させた状態で貫通孔内に金属ピンを打ち込む方法が記載されている。しかしながら、この方法では、金属ピンと貫通孔との間隙を完全に塞ぐのが困難であり、キャビティ内の気密性を確保できないという問題がある。また、ベース基板上の全ての貫通孔に位置決めして金属ピンを打ち込むのは煩雑である。
そこで、近時では、貫通孔と金属ピンとの間隙にガラスフリットを充填し、このガラスフリットを焼成することで、ベース基板と金属ピンとを一体化させる技術が開発されている。
この場合、図15(a)に示すように、まず平板状の土台部201と、土台部201の表面から法線方向に沿って立設される芯材部202と、を有する鋲体型の金属ピン203の芯材部202を、ベース基板204の貫通孔205内に挿入する。続いて、図15(b)に示すように、貫通孔205と芯材部202との間隙にペースト状のガラスフリット206を充填した後、充填したガラスフリット206を焼成する。これにより、図15(c)に示すように、ガラスフリット206が焼成されてなるガラス体207と、ベース基板204(貫通孔205)及び金属ピン203とが一体化する。その後、ベース基板204のうち、少なくとも土台部201側の表面を破線部Hまで研磨して土台部201を除去することで、貫通電極210を形成できる。よって、貫通孔205を塞ぐとともに、圧電振動片と外部電極との安定した導電性を確保することができると考えられる。
特開2002−124845号公報
ところで、上述した研磨時には、ベース基板204、及びガラス体207を一括して研磨する場合が生じる。この場合、ベース基板204、及びガラス体207はそれぞれ硬度が異なるため、ベース基板204の表面において、ベース基板204、及びガラス体207の間でそれぞれ研磨レートが異なる。具体的に、ガラス体207は、ベース基板204に比べて硬度が低く、研磨レートが大きいため、ベース基板204に比べて積極的に研磨されてしまう。その結果、図15(d)に示すように、ガラス体207の表面に凹み208が生じ、貫通電極210とベース基板204との間に段差が生じるという問題がある。
この場合には、貫通電極210の形成後、凹み208を有する貫通電極210を覆うように形成される電極膜に段切れ等が発生し、圧電振動片と電極膜との導通性が損なわれる可能性がある。なお、図15(d)ではベース基板204の土台部201側の面に凹み208が生じているが、凹み208はベース基板204における金属ピン203先端側の面にも生じ得る。すなわち、ベース基板204における金属ピン203先端側の面では、金属ピン203の先端面を露出させるために、ベース基板204及びガラス体207を一括して研磨するからである。
これに対して、ガラスフリット206を結晶化温度以上で焼成し、ガラス体207を結晶化させることが検討されている。この構成によれば、ガラス体207の硬度を高くできるので、ガラス体207とベース基板204との間で研磨レートのばらつきを抑えることができると考えられる。
しかしながら、上述した方法を採用した場合、ガラス体207を構成する結晶粒が研磨時に脱落し、研磨剤に混入される。そして、脱落した結晶粒が研磨剤の粒径(一般的に平均粒径が0.5μm〜5μm程度)よりも大きい場合には、研磨中に結晶粒がベース基板204等に接触してベース基板204等に傷が発生する虞がある。このような場合には、後工程において、ベース基板204の傷を起点にしてベース基板204の割れやクラックに繋がる虞がある。
そこで本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、キャビティの内部と外部との導通性を確保することができるとともに、研磨時において第1基板への傷の発生を抑制して、機械的強度を確保できるパッケージの製造方法、パッケージ、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計を提供することを目的とする。
上述した課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のパッケージの製造方法は、互いに接合された複数の基板の間に形成されたキャビティ内に、電子部品を封入可能なパッケージの製造方法であって、前記複数の基板のうち、ガラス材料からなる第1基板を厚さ方向に貫通し、前記キャビティの内側と前記複数の基板の外側とを導通させる貫通電極を形成する貫通電極形成工程を有し、前記貫通電極形成工程は、前記第1基板に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記貫通孔内に金属ピンを挿入する金属ピン配置工程と、前記貫通孔と前記金属ピンとの間にガラスフリットを充填する充填工程と、前記貫通孔内に充填された前記ガラスフリットを焼成して、硬化させる焼成工程と、粒径が0.5μm〜5μmの砥粒が分散された研磨剤を用いて、前記第1基板表面における少なくとも前記ガラスフリットの充填領域を研磨して、前記金属ピンを露出させる研磨工程と、を有し、前記焼成工程では、前記ガラスフリットの焼成温度を結晶化温度以上であって、580℃以下に設定することを特徴としている。
この構成によれば、まずガラスフリットを結晶化させることで、第1基板におけるガラスフリットの充填領域と、第1基板と、の硬度の差を縮小させることができるため、後の研磨工程において、ガラスフリットが焼成されてなるガラス体、及び第1基板の間での研磨レートの差を縮小できる。その結果、研磨工程後のガラス体に上述した凹みが発生するのを抑制できる。したがって、貫通電極を覆うように形成される電極膜に段切れが発生するのを抑制し、キャビティの内部と外部との導通性を確保できる。
特に、本発明の構成によれば、ガラスフリットの焼成温度を結晶化温度以上であって、580℃以下に設定することで、結晶粒の粗大化を抑え、結晶粒を後の研磨工程で用いる研磨剤の砥粒の粒径(0.5μmから5μm)と同等に形成することができる。そのため、研磨工程時において、仮にガラス体を構成する結晶粒が脱落したとしても、ガラス体に大きな凹部が生じるのを抑制できる。また、脱落した研磨粒が研磨剤に混入されたとしても、結晶粒と第1基板との接触による第1基板への傷の発生を抑制できる。したがって、第1基板の傷を起点とした割れやクラックの発生を抑制でき、機械的強度が確保された信頼性の高いパッケージを提供できる。
また、前記焼成工程では、前記焼成温度を高くするに従い前記ガラスフリットの焼成時間を短縮することを特徴としている。
この構成によれば、焼成温度を高くするに従いガラスフリットの焼成時間を短縮するため、結晶粒の粗大化を確実に抑え、ガラスフリットの結晶粒を後の研磨工程で用いる研磨剤の砥粒の粒径(0.5μm〜5μm)と同等に形成することができる。
また、本発明のパッケージは、上記本発明のパッケージの製造方法を用いて製造されたパッケージであって、前記貫通電極は、前記第1基板を厚さ方向に貫通する貫通孔内に配置された前記金属ピンと、前記貫通孔と前記金属ピンとの間に形成されたガラス体と、を有し、前記ガラス体は、ガラスフリットが結晶化されてなることを特徴としている。
この構成によれば、上記本発明のパッケージの製造方法を用いて製造されているため、キャビティの内部と外部との導通性、及び機械的強度が確保された信頼性の高いパッケージを提供できる。
また、本発明に係る圧電振動子は、上記本発明のパッケージの前記キャビティ内に、圧電振動片が気密封止されてなることを特徴としている。
この構成によれば、上記本発明のパッケージを備えているので、キャビティの内部と外部との導通性及び機械的強度を確保して、特性及び信頼性に優れた圧電振動子を提供することができる。
また、本発明の発振器は、上記本発明の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴としている。
また、本発明の電子機器は、上記本発明の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴としている。
また、本発明の電波時計は、上記本発明の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴としている。
本発明に係る発振器、電子機器及び電波時計においては、上記本発明の圧電振動子を備えているので、特性及び信頼性に優れた製品を提供できる。
本発明のパッケージの製造方法及びパッケージによれば、キャビティの内部と外部との導通性を確保することができるとともに、研磨時において第1基板への傷の発生を抑制して、機械的強度を確保できる。
また、本発明に係る圧電振動子によれば、上記本発明のパッケージを備えているので、キャビティの内部と外部との導通性及び機械的強度を確保して、特性及び信頼性に優れた圧電振動子を提供することができる。
本発明に係る発振器、電子機器及び電波時計においては、上記本発明の圧電振動子を備えているので、特性及び信頼性に優れた製品を提供できる。
本発明の実施形態における圧電振動子の外観斜視図である。 図1に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図である。 図2に示すA−A線に沿った圧電振動子の断面図である。 図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。 圧電振動子の製造方法を示すフローチャートである。 圧電振動子の製造方法を説明するための工程図であって、ウエハ接合体の分解斜視図である。 ベース基板用ウエハの断面図であって、貫通孔形成工程及び金属ピン配置工程を説明するための工程図である。 金属ピンの斜視図である。 ベース基板用ウエハの断面図であって、充填工程を説明するための工程図である。 ベース基板用ウエハの断面図であって、仮乾燥工程以降の工程を説明するための工程図である。 ベース基板用ウエハの断面図であって、研磨工程を説明するための工程図である。 本発明の一実施形態を示す図であって、発振器の構成図である。 本発明の一実施形態を示す図であって、電子機器の構成図である。 本発明の一実施形態を示す図であって、電波時計の構成図である。 ベース基板の断面図であって、従来の貫通電極の形成方法を説明するための工程図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
(圧電振動子)
図1は、本実施形態における圧電振動子をリッド基板側から見た外観斜視図である。また図2は圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図ある。また、図3は図2に示すA−A線に沿った圧電振動子の断面図であり、図4は圧電振動子の分解斜視図である。
図1〜図4に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、ベース基板(第1基板)2及びリッド基板3が接合材23を介して陽極接合された箱状のパッケージ10と、パッケージ10のキャビティC内に収納された圧電振動片(電子部品)5と、を備えた表面実装型の圧電振動子1である。そして、圧電振動片5とベース基板2の第1面2a(図3中下面)に設置された外部電極6,7とが、ベース基板2を貫通する一対の貫通電極8,9によって電気的に接続されている。
ベース基板2は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明な絶縁基板で板状に形成されている。ベース基板2には、一対の貫通電極8,9が形成される一対の貫通孔21,22が形成されている。貫通孔21,22は、ベース基板2の第1面2aから第2面2b(図3中上面)に向かって漸次径が縮径した断面テーパ形状をなしている。
リッド基板3は、ベース基板2と同様に、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板であり、ベース基板2に重ね合わせ可能な大きさの板状に形成されている。そして、リッド基板3の内面3b(図3中下面)側には、圧電振動片5が収容される矩形状の凹部3aが形成されている。この凹部3aは、ベース基板2及びリッド基板3が重ね合わされたときに、圧電振動片5を収容するキャビティCを形成する。そして、リッド基板3は、凹部3aをベース基板2側に対向させた状態でベース基板2に対して接合材23を介して陽極接合されている。すなわち、リッド基板3の内面3b側は、中央部に形成された凹部3aと、凹部3aの周囲に形成され、ベース基板2との接合面となる額縁領域3cとを構成している。
圧電振動片5は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
この圧電振動片5は、平行に配置された一対の振動腕部24,25と、一対の振動腕部24,25の基端側を一体的に固定する基部26と、からなる音叉型に形成されている。圧電振動片5の外表面上のうち、振動腕部24,25には、振動腕部24,25を振動させる図示しない一対の第1の励振電極と第2の励振電極とからなる励振電極が形成され、基部26には第1の励振電極及び第2の励振電極と後述する引き回し電極27,28とを電気的に接続する一対のマウント電極が形成されている(何れも不図示)。
このように構成された圧電振動片5は、図2,図3に示すように、金等のバンプBを利用して、ベース基板2の第2面2bに形成された引き回し電極27,28上にバンプ接合されている。より具体的には、圧電振動片5の第1の励振電極が、一方のマウント電極及びバンプBを介して一方の引き回し電極27上にバンプ接合され、第2の励振電極が他方のマウント電極及びバンプBを介して他方の引き回し電極28上にバンプ接合されている。これにより、圧電振動片5は、ベース基板2の第2面2bから浮いた状態で支持されるとともに、各マウント電極と引き回し電極27,28とがそれぞれ電気的に接続された状態となる。
外部電極6,7は、ベース基板2の第1面2aにおける長手方向の両側に設置されており、各貫通電極8,9及び各引き回し電極27,28を介して圧電振動片5に電気的に接続されている。より具体的には、一方の外部電極6は、一方の貫通電極8及び一方の引き回し電極27を介して圧電振動片5の一方のマウント電極に電気的に接続されている。また、他方の外部電極7は、他方の貫通電極9及び他方の引き回し電極28を介して、圧電振動片5の他方のマウント電極に電気的に接続されている。
貫通電極8,9は、焼成によって貫通孔21,22に対して一体的に固定されたガラス体32及び芯材部31によって形成されたものであり、貫通孔21,22を完全に塞いでキャビティC内の気密を維持しているとともに、外部電極6,7と引き回し電極27,28とを導通させる役割を担っている。具体的に、一方の貫通電極8は、外部電極6と基部26との間で引き回し電極27の下方に位置しており、他方の貫通電極9は、外部電極7と振動腕部25との間で引き回し電極28の下方に位置している。
ガラス体32は、ペースト状のガラスフリット38(図9参照)が焼成されたものである。具体的に、ガラス体32は、平均粒径が3μm程度の結晶粒からなり、両端が平坦で且つベース基板2と略同じ厚みの円筒状に形成されている。そして、ガラス体32の中心には、芯材部31がガラス体32の中心孔を貫通するように配されている。また、本実施形態では貫通孔21,22の形状に合わせて、ガラス体32の外形が円錐台状(断面テーパ状)となるように形成されている。そして、このガラス体32は、貫通孔21,22内に埋め込まれた状態で焼成されており、これら貫通孔21,22に対して強固に固着されている。
上述した芯材部31は、金属材料により円柱状に形成された導電性の芯材であり、ガラス体32と同様に両端が平坦で、かつベース基板2の厚みと略同じ厚さとなるように形成されている。なお、貫通電極8,9が完成品として形成された場合には、上述したように芯材部31は、円柱状でベース基板2の厚さと同じ厚さとなるように形成されているが、製造過程では、後述する図8に示すように、芯材部31の一方の端部に連結された平板状の土台部36とともに鋲体型の金属ピン37を形成している。
リッド基板3の内面3b全体には、陽極接合用の接合材23が形成されている。具体的に、接合材23は、額縁領域3c及び凹部3aの内面全体に亘って形成されている。本実施形態の接合材23はSi膜で形成されているが、接合材23をAlで形成することも可能である。なお接合材23として、ドーピング等により低抵抗化したSiバルク材を可能することも可能である。そして後述するように、この接合材23とベース基板2とが陽極接合され、キャビティCが真空封止されている。
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極6,7に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片5の各励振電極に電流を流すことができ、一対の振動腕部24,25を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部24,25の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
(圧電振動子の製造方法)
次に、上述した圧電振動子の製造方法について説明する。図5は、本実施形態に係る圧電振動子の製造方法のフローチャートである。図6は、ウエハ接合体の分解斜視図である。以下には、複数のベース基板2が連なるベース基板用ウエハ40と、複数のリッド基板3が連なるリッド基板用ウエハ50と、の間に複数の圧電振動片5を封入してウエハ接合体60を形成し、ウエハ接合体60を切断することにより複数の圧電振動子1を同時に製造する方法について説明する。なお、図6に示す破線Mは、切断工程で切断する切断線を図示したものである。
図5に示すように、本実施形態に係る圧電振動子の製造方法は、主に、圧電振動片作製工程(S10)と、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)と、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)と、組立工程(S51以下)と、を有している。そのうち、圧電振動片作製工程(S10)、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)及びベース基板用ウエハ作製工程(S30)は、並行して実施することが可能である。
初めに、圧電振動片作製工程(S10)を行って図1〜図4に示す圧電振動片5を作製する。また、圧電振動片5を作製した後、共振周波数の粗調を行っておく。なお、共振周波数をより高精度に調整する微調に関しては、マウント後に行う。
(リッド基板用ウエハ作製工程)
次に、図5,図6に示すように、後にリッド基板3となるリッド基板用ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態まで作製するリッド基板用ウエハ作製工程を行う(S20)。具体的には、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のリッド基板用ウエハ50を形成する(S21)。次いで、リッド基板用ウエハ50の第1面50a(図6における下面)に、エッチング等により行列方向にキャビティC用の凹部3aを複数形成する凹部形成工程を行う(S22)。
そして、後述するベース基板用ウエハ40との間の気密性を確保するために、ベース基板用ウエハ40との接合面となるリッド基板用ウエハ50の第1面50a側を少なくとも研磨する研磨工程(S23)を行い、第1面50aを鏡面加工する。
次に、リッド基板用ウエハ50の第1面50a全体(ベース基板用ウエハ40との接合面及び凹部3aの内面)に接合材23を形成する接合材形成工程(S24)を行う。なお、接合材23の形成は、スパッタやCVD等の成膜方法によって行うことができる。
以上により、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)が終了する。
(ベース基板用ウエハ作製工程)
上述した工程と同時或いは前後のタイミングで、後にベース基板2となるベース基板用ウエハ40を、陽極接合を行う直前の状態まで作製するベース基板用ウエハ作製工程を行う(S30)。まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のベース基板用ウエハ40を形成する(S31)。
(貫通電極形成工程)
次いで、ベース基板用ウエハ40を厚さ方向に貫通し、キャビティCの内側と圧電振動子1の外側とを導通する貫通電極8,9(図3参照)を形成する貫通電極形成工程(S32)を行う。以下に、貫通電極形成工程(S32)について詳細を説明する。図7はベース基板用ウエハの断面図であって、貫通孔形成工程及び金属ピン配置工程を説明するための工程図である。
貫通電極形成工程(S32)では、まず図7に示すように、ベース基板用ウエハ40を貫通する一対の貫通孔21,22を複数形成する貫通孔形成工程(S33)を行う。具体的には、プレス加工等によりベース基板用ウエハ40の第1面40aから凹部を形成した後、少なくともベース基板用ウエハ40の第2面40b側から破線部T1まで研磨することで、凹部を貫通させ、貫通孔21,22を形成することができる。これにより、ベース基板用ウエハ40(ベース基板2)の第2面40b側から第1面40a側に向かって漸次内径が大きくなるように貫通孔21,22を形成することができる。
続いて、貫通孔形成工程(S33)で形成された複数の貫通孔21,22内に、金属ピン37の芯材部31を配置する金属ピン配置工程を行う(S34)。図8は金属ピンの斜視図である。
図8に示すように、金属ピン37は、平板状の土台部36と、土台部36上から土台部36の表面に略直交する方向に沿ってベース基板用ウエハ40の厚さよりも僅かに短い長さで形成されるとともに、先端が平坦に形成された芯材部31と、を有している。
そして、図7(b)に示すように、貫通孔21,22の小径側(ベース基板用ウエハ40の第2面40b側)から金属ピン37の芯材部31を挿入する。この時、上述した金属ピン37の土台部36の表面がベース基板用ウエハ40の第2面40bに接触するまで、芯材部31を挿入する。ここで、芯材部31の軸方向と貫通孔21,22の軸方向とを略一致するように金属ピン37を貫通孔21,22内に配置する必要がある。しかしながら、土台部36上に芯材部31が形成された金属ピン37を利用するため、土台部36をベース基板用ウエハ40に接触させるまで押し込むだけの簡単な作業で、芯材部31の軸方向と貫通孔21,22の軸方向とを略一致させることができる。したがって、金属ピン配置工程(S34)時における作業性を向上することができる。
(充填工程)
図9はベース基板用ウエハの断面図であって、充填工程を説明するための工程図である。
図9(a)に示すように、金属ピン37がセットされたベース基板用ウエハ40を真空印刷装置内に搬送し、貫通孔21,22内にペースト状のガラスフリット38を充填する充填工程(S35)を行う。なお、本実施形態で用いるガラスフリット38は、粉末状のガラス粒子と、有機溶剤とエチルセルロース等からなるバインダと、が主に配合されてなるペースト材である。
充填工程(S35)では、ベース基板用ウエハ40を表裏反転して第1面40aを上向きにし、スキージ45を第1面40aに沿って走査して、ガラスフリット38をベース基板用ウエハ40の第1面40a側から塗布する。このとき、本実施形態では、貫通孔21,22の大径側からガラスフリット38を充填することで、貫通孔21,22と金属ピン37との間隙に容易にガラスフリット38を充填できる(図9(b)参照)。
これにより、ガラスフリット38は、貫通孔21,22の第1面40a側から進入し、貫通孔21,22と金属ピン37の芯材部31との間隙に充填される。
図10は、ベース基板用ウエハの断面図であって、仮乾燥工程から焼成工程までを説明するための工程図である。
次に、図10(a)に示すように、充填工程(S35)で埋め込んだガラスフリット38を仮乾燥させる(S36:仮乾燥工程)。具体的には、ガラスフリット38が充填されたベース基板用ウエハ40を、乾燥炉内に搬送する。そして、乾燥炉内を例えば大気圧雰囲気下で80℃程度に保持し、ベース基板用ウエハ40を30分程度乾燥させる。
ここで、ガラスフリット38に配合されている有機溶剤の沸点は85℃より低い。したがって、仮乾燥工程(S36)において、ガラスフリット38に配合される有機溶剤が蒸発して除去される。一方、ガラスフリット38に含まれるガラス粒子の軟化点は、一般的に約500℃程度であり、仮乾燥工程(S36)の温度である85℃よりもはるかに高い。そのため、仮乾燥工程(S36)ではガラスフリット38は溶融しない。また、ガラスフリット38に配合されたバインダ(エチルセルロース)の沸点は約350℃程度と仮乾燥工程(S36)での温度よりもはるかに高い。そのため、仮乾燥工程(S36)においてバインダが蒸発することもない。
上述したように、この時点では、ガラスフリット38のガラス粒子は溶融していないので、ガラス粒子間には間隙が存在している。そのため、有機溶剤が蒸発することにより発生したガスは、ガラス粒子間の間隙を流通してガラスフリット38外へ放出されることになる(図10(a)中矢印参照)。よって、焼成工程(S38)時前に有機溶剤を効果的に除去できるため、焼成工程(S38)時に有機溶剤が蒸発して発生するガスを抑制できる。
次に、図10(b)に示すように、ガラスフリット38内に含まれるバインダを除去する脱バインダ工程を行う(S37)。具体的には、仮乾燥工程(S36)を終えたベース基板用ウエハ40を加熱炉のチャンバー内に移し、加熱炉内を例えば大気雰囲気下で420℃程度に保持し、ベース基板用ウエハ40を1時間程度加熱する。このように、脱バインダ工程(S37)において、加熱炉内の温度をバインダの沸点よりも高く、ガラス粒子の軟化点よりも低く設定することで、ガラス粒子を溶融させずにバインダを蒸発させることができる。これにより、バインダが蒸発して発生するガスが、ガラス粒子間の間隙を流通してガラスフリット38外へ効率的に放出される(図10(b)中矢印参照)。このように、後述する焼成工程(S38)時前にバインダを効果的に除去できるため、焼成工程(S38)時にバインダが蒸発して発生するガスを抑制できる。
そして、図10(c)に示すように、最後に脱バインダ工程(S37)を終えたベース基板用ウエハ40を焼成炉のチャンバー内に移し、ガラスフリット38中に含まれるガラス粒子を焼成してガラス体32(図3参照)を形成する焼成工程(S38)を行う。
本実施形態の焼成工程(S38)では、焼成炉内を減圧した状態でガラスフリット38を焼成する減圧焼成を行う。本実施形態の焼成工程では、ガラスフリット38(ガラス粒子)の焼成温度を、結晶化温度(本実施形態の場合は550℃程度)以上であって580℃以下に設定し、ガラスフリット38を結晶化させる。また、焼成工程(S38)におけるガラスフリット38の焼成時間は、例えば焼成温度が550℃の場合に180分、焼成温度が580℃の場合に130分に設定しており、焼成温度を高くするに従い焼成時間を短縮するように設定している。なお、本実施形態では、焼成温度を580℃程度、焼成時間を130分程度に設定して焼成工程(S38)を行った。
ところで、焼成温度を580℃よりも高く設定する場合には、それに応じて焼成時間を短縮することができるものの、ガラスフリット38の結晶粒同士が結合して粗大化するという問題がある。具体的に、焼成温度を610℃程度、焼成時間を30分程度に設定した場合には、ガラスフリット38の結晶粒は最大粒径で30μm程度まで粗大化する。すると、後の研磨工程(S39)において、結晶粒が脱落した場合にガラス体32に大きな凹部が生じる虞がある。また、脱落した結晶粒が研磨剤内に混入された場合に、ベース基板用ウエハ40に接触してベース基板用ウエハ40に傷が発生する虞がある。
これに対して、本実施形態のようにガラスフリット38の焼成温度を580℃以下に設定することで、ガラスフリット38の結晶粒の粗大化を抑えることができる。その結果、平均粒径が3μm程度の結晶粒が、貫通孔21,22内に均一に充填されてなるガラス体32を得ることができる。
また、焼成温度を580℃よりも高温(例えば、610℃程度)に設定すると、ベース基板用ウエハ40が屈伏点に到達し、ベース基板用ウエハ40が変形する虞があるため好ましくない。
これに対して、本実施形態によれば、ベース基板用ウエハ40の屈伏点(例えば、610℃程度)以下に焼成温度を設定することで、ベース基板用ウエハ40の変形を抑えた上でガラスフリット38を結晶化できる。
さらに、焼成時において、貫通孔21,22内部に充填されたガラスフリット38は、外側から温度が上昇するため、ガラスフリット38の外側(貫通孔21,22の開口部側)から内部に向かって焼成が進行する。この場合、焼成温度を580℃よりも高温(例えば、610℃程度)に設定すると、ガラスフリット38のガラス粒子間に混入している空気等が放出される前に、ガラスフリット38の外側が焼成されてしまう。その結果、ガラスフリット38の外部へ放出されなかった空気等が、焼成されたガラス体32内に比較的大きなボイドとなって残存する虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、結晶化温度のうち、比較的低い温度範囲で焼成を行うので、ガラスフリット38の外側が焼成される前に、ガラスフリット38内のガラス粒子間に混入している空気を放出しながらガラスフリット38を焼成できる。したがって、ガラス体32内におけるボイドを縮小することができ、貫通孔21,22と芯材部31との間に緻密なガラス体32を形成できる。
図11は、ベース基板用ウエハの断面図であって、研磨工程を説明するための工程図である。
次に、図11(a)に示すように、焼成後にベース基板用ウエハ40の第2面40b側を研磨して金属ピン37の土台部36を除去する研磨工程を行う(S39)。これにより、ガラス体32及び芯材部31を位置決めさせる役割を果たしていた土台部36を除去することができ、芯材部31のみをガラス体32の内部に取り残すことができる。
続いて、土台部36が除去されたベース基板用ウエハ40の第1面40a側を研磨して芯材部31の先端を露出させる。その結果、ガラス体32と芯材部31とが一体的に固定された一対の貫通電極8,9を複数得ることができる(図11(b)参照)。なお、土台部36を除去した後、ベース基板用ウエハ40を両面研磨しても構わない。
ここで、上述した研磨工程(S39)で用いる研磨剤としては、ガラス面の研磨に一般的に使用される酸化セリウム等の砥粒(例えば、平均粒径が0.5μm〜5μm程度)を水中に分散させたスラリー状のものが好適に用いられている。また、研磨パッドとしては、例えば不織布やスエード状の研磨布であるセリウムパッド等が好適に用いられる。
そして、研磨工程(S39)では、研磨パッドとベース基板用ウエハ40との間に研磨剤を供給しながら、研磨パッドとベース基板用ウエハ40とを相対的に回転、移動させることで、ベース基板用ウエハ40を研磨する。
ところで、上述した研磨工程(S39)では、第1面40a側及び第2面40b側のそれぞれで、ベース基板用ウエハ40と、ベース基板用ウエハ40のうちガラスフリット38(ガラス体32)の充填領域(例えば貫通孔21,22に位置する部分)と、が同一の研磨面に配置され、両者を一括して研磨する場合が生じる。
このような場合に、本実施形態では、上述したように焼成工程(S38)において、ガラスフリット38を結晶化させているため、ベース基板用ウエハ40におけるガラスフリット38(ガラス体32)の充填領域と、ベース基板用ウエハ40と、の硬度の差を縮小させることができる。そのため、研磨工程(S39)において、ガラス体32、及びベース基板用ウエハ40の間での研磨レートの差を縮小して、ガラス体32、及びベース基板用ウエハ40を同等の研磨レートで均一に研磨できる。
次に、ベース基板用ウエハ40の第2面40bに導電性材料をパターニングして、引き回し電極形成工程を行う(S40)。このようにして、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)が終了する。
(組立工程)
次に、図5,6に示すように、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)で作製されたベース基板用ウエハ40の各引き回し電極27,28上に、圧電振動片作製工程(S10)で作製された圧電振動片5を、それぞれ金等のバンプBを介してマウントする(S51)。そして、上述した各ウエハ40,50の作製工程で作製されたベース基板用ウエハ40及びリッド基板用ウエハ50を重ね合わせる、重ね合わせ工程を行う(S52)。具体的には、図示しない基準マーク等を指標としながら、両ウエハ40,50を正しい位置にアライメントする。これにより、マウントされた圧電振動片5が、リッド基板用ウエハ50に形成された凹部3aとベース基板用ウエハ40とで囲まれるキャビティC内に収納された状態となる。
重ね合わせ工程(S52)後、重ね合わせた2枚のウエハ40,50を図示しない陽極接合装置に入れ、図示しない保持機構によりウエハの外周部分をクランプした状態で、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽極接合する接合工程を行う(S53)。
その後、一対の貫通電極8,9にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極6,7を形成し(S54)、圧電振動子1の周波数を微調整する(S55)。そして、接合されたウエハ接合体60を切断線Mに沿って切断する個片化工程(S56)を行う。
そして、電気特性検査工程(S57)では、圧電振動子1の共振周波数や共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等も併せてチェックする。最後に、圧電振動子1の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチェックする。
以上により、圧電振動子1が完成する。
このように、本実施形態では、焼成工程(S38)において、ガラスフリット38を結晶化させる構成とした。
この構成によれば、ガラスフリット38を結晶化させることで、ベース基板用ウエハ40との硬度の差を縮小させることができるため、後の研磨工程(S39)において、ガラス体32、及びベース基板用ウエハ40の間での研磨レートの差を縮小できる。その結果、研磨工程(S39)後のガラス体32に凹み208(図15参照)が発生するのを抑制できる。したがって、貫通電極8,9を覆うように形成される電極膜(外部電極6,7や引き回し電極27,28)に段切れが発生するのを抑制し、キャビティCの内部と外部との導通性を確保できる。
特に、本実施形態では、ガラスフリット38の焼成温度を結晶化温度以上であって、580℃以下に設定することで、結晶粒の粗大化を抑え、結晶粒を後の研磨工程(S39)で用いる研磨剤の砥粒の粒径(0.5μmから5μm)と同等に形成することができる。そのため、研磨工程(S39)時において、仮にガラス体32を構成する結晶粒が脱落したとしても、ガラス体32に大きな凹部が生じるのを抑制できる。また、脱落した研磨粒が研磨剤に混入されたとしても、結晶粒とベース基板用ウエハ40との接触によるベース基板用ウエハ40への傷の発生を抑制できる。したがって、ベース基板用ウエハ40の傷を起点とした割れやクラックの発生を抑制でき、機械的強度が確保された信頼性の高いパッケージ10を提供できる。なお、ガラス体32の結晶粒は、全体が研磨剤の砥粒の粒径よりも小さい方が好ましいが、一部が多少大きくても影響はない。
また、本実施形態では、焼成温度を高くするに従いガラスフリット38の焼成時間を短縮するため、結晶粒の粗大化を確実に抑えることができる。
このように、キャビティCの内部と外部との導通性、及び機械的強度が確保された信頼性の高いパッケージ10を備えているので、特性及び信頼性の高い圧電振動子1を提供することができる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図12を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器100は、図12に示すように、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の上述した集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1の圧電振動片5が実装されている。これら電子部品102、集積回路101及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器100において、圧電振動子1に電圧を印加すると、この圧電振動子1内の圧電振動片5が振動する。この振動は、圧電振動片5が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
上述したように、本実施形態の発振器100によれば、上述した圧電振動子1を備えているので、特性及び信頼性に優れた発振器100を提供できる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な周波数信号を得ることができる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図13を参照して説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。始めに本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
(携帯情報機器)
次に、本実施形態の携帯情報機器110の構成について説明する。この携帯情報機器110は、図13に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部111とを備えている。電源部111は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部111には、各種制御を行う制御部112と、時刻等のカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列に接続されている。そして、電源部111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、このROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、このCPUのワークエリアとして使用されるRAM等と、を備えている。
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片5が振動し、この振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。さらに、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
上述したように、本実施形態の携帯情報機器110によれば、上述した圧電振動子1を備えているので、特性及び信頼性に優れた携帯情報機器110を提供できる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な時計情報を表示することができる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図14を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図14に示すように、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計130の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。 本実施形態における圧電振動子1は、上述した搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
上述したように、本実施形態の電波時計130によれば、上述した圧電振動子1を備えているので、特性及び信頼性に優れた電波時計130を提供できる。さらにこれに加え、長期にわたって安定して高精度に時刻をカウントすることができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、本発明に係るパッケージの製造方法を使用しつつ、パッケージの内部に圧電振動片を封入して圧電振動子を製造したが、パッケージの内部に圧電振動片以外の電子部品を封入して、圧電振動子以外のデバイスを製造することも可能である。
また、上述した実施形態では、音叉型の圧電振動片を用いた圧電振動子を例に挙げて本発明のパッケージの製造方法を説明したが、これに限らず、例えばATカット型の圧電振動片(厚み滑り振動片)を用いた圧電振動子等に、本発明を適用しても構わない。
また、上述した実施形態では、貫通孔21,22内に土台部36から立設された金属ピン37を配置し、その後、土台部36を研磨して除去することにより貫通電極8,9を形成する場合について説明したが、これに限られない。
また、上述した実施形態では、ガラス材料からなるベース基板2とリッド基板3との二枚の基板が接合されたパッケージ10について説明したが、二枚以上の複数の基板でパッケージ10を形成してもよく、また少なくともベース基板2がガラス材料により構成されていれば他の基板はガラス材料に限られない。
さらに、上述した実施形態では、ベース基板用ウエハ40とガラスフリット38(ガラス体32)の充填領域との双方を一括して研磨する場合について説明したが、研磨工程(S39)において、ベース基板用ウエハ40における少なくともガラスフリット38の充填領域を研磨する場合に本発明を適用することができる。
2…ベース基板(第1基板) 3…リッド基板(基板) 5…圧電振動片(電子部品) 8,9…貫通電極 21,22…貫通孔 31…芯材部(金属ピン) 32…ガラス体 37…金属ピン 38…ガラスフリット 40a…第1面 40b…第2面 100…発振器 101…発振器の集積回路 110…携帯情報機器(電子機器) 113…電子機器の計時部 130…電波時計 131…電波時計のフィルタ部 C…キャビティ

Claims (7)

  1. 互いに接合された複数の基板の間に形成されたキャビティ内に、電子部品を封入可能なパッケージの製造方法であって、
    前記複数の基板のうち、ガラス材料からなる第1基板を厚さ方向に貫通し、前記キャビティの内側と前記複数の基板の外側とを導通させる貫通電極を形成する貫通電極形成工程を有し、
    前記貫通電極形成工程は、
    前記第1基板に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記貫通孔内に金属ピンを挿入する金属ピン配置工程と、
    前記貫通孔と前記金属ピンとの間にガラスフリットを充填する充填工程と、
    前記貫通孔内に充填された前記ガラスフリットを焼成して、硬化させる焼成工程と、
    粒径が0.5μm〜5μmの砥粒が分散された研磨剤を用いて、前記第1基板表面における少なくとも前記ガラスフリットの充填領域を研磨して、前記金属ピンを露出させる研磨工程と、を有し、
    前記焼成工程では、前記ガラスフリットの焼成温度を結晶化温度以上であって、580℃以下に設定することを特徴とするパッケージの製造方法。
  2. 前記焼成工程では、前記焼成温度を高くするに従い前記ガラスフリットの焼成時間を短縮することを特徴とする請求項1記載のパッケージの製造方法。
  3. 請求項1記載のパッケージの製造方法を用いて製造されたパッケージであって、
    前記貫通電極は、
    前記第1基板を厚さ方向に貫通する貫通孔内に配置された前記金属ピンと、
    前記貫通孔と前記金属ピンとの間に形成されたガラス体と、を有し、
    前記ガラス体は、ガラスフリットが結晶化されてなることを特徴とするパッケージ。
  4. 請求項3記載のパッケージの前記キャビティ内に圧電振動片が気密封止されてなることを特徴とする圧電振動子。
  5. 請求項4記載の前記圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  6. 請求項4記載の前記圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  7. 請求項4記載の前記圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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