JP2013161671A - 絶縁塗料の塗布装置および絶縁塗料の塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】平角導体に塗布された絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができる、絶縁塗料の塗布装置および絶縁塗料の塗布方法を提供する。
【解決手段】絶縁塗料の塗布装置100は、塗布部12と、搬送部13と、測定部14とを備えている。塗布部12は、断面が矩形である導体11に絶縁塗料を塗布するためのものである。搬送部13は、導体11が塗布部12を通るように導体を搬送するためのものである。測定部14は、搬送部13によって搬送される導体11のねじれを測定するためのものである。
【選択図】図1
【解決手段】絶縁塗料の塗布装置100は、塗布部12と、搬送部13と、測定部14とを備えている。塗布部12は、断面が矩形である導体11に絶縁塗料を塗布するためのものである。搬送部13は、導体11が塗布部12を通るように導体を搬送するためのものである。測定部14は、搬送部13によって搬送される導体11のねじれを測定するためのものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、絶縁塗料の塗布装置および絶縁塗料の塗布方法に関し、より特定的には、断面が四角形である導体に絶縁塗料を塗布するための絶縁塗料の塗布装置および絶縁塗料の塗布方法に関するものである。
従来、導体上に絶縁塗料を被覆したエナメル線が知られている。エナメル線は、たとえば各種電気機器の配線、モータや変圧器などの巻線として広く利用されている。
従来は、断面が略円形状の導体上に絶縁皮膜が形成されたエナメル線が使用されていたが、占積率が高く、各種電気機器の小型化を図ることができる観点から、断面が略四角形状の導体(以下、「平角導体」とも称す)と、当該平角導体に絶縁皮膜が形成された絶縁電線が広く使用されるようになっている。
平角導体に絶縁塗料を形成する技術として、塗布部において平角導体に絶縁塗料を塗布した後に、ダイスに形成された略四角形状の開口部に平角導体を通すことによって、平角導体に塗布される絶縁塗料の厚みを調整する方法が、特開2008−123759号公報(特許文献1)に記載されている。ダイスの開口部は平角導体の断面と略相似形である。そのため、平角導体がダイスを通過することで余分な絶縁塗料が除去されて、平角導体の外周に形成される絶縁塗料が均一な厚みに調整される。
当該絶縁塗料の厚みは、ダイスと導体との間隙によって決まる。そのため、均一な厚みの絶縁塗料を得るためには、ダイスと導体との位置関係を良好に保ちながら導体を搬送する必要がある。断面が略円形状の導体の場合、導体がねじれても導体とダイスとの間隙の長さは変化しないので絶縁塗料の厚みには影響を与えない。しかしながら、平角導体の場合、導体がねじれると図12に示すように導体11に塗布される絶縁塗料24の厚みが不均一になり膜厚のばらつきが生じる。
特開2008−123759号公報に記載の技術では、塗布中にインラインで平角導体に塗布された絶縁塗料の厚みを観察する手段がなかったため、平角導体に塗布された絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することが困難であった。
本発明は、上記のような課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、平角導体に塗布された絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができる、絶縁塗料の塗布装置および絶縁塗料の塗布方法を提供することである。
本発明に係る絶縁塗料の塗布装置は、塗布部と、搬送部と、測定部とを備えている。塗布部は、断面が四角形である導体に絶縁塗料を塗布するためのものである。搬送部は、導体が塗布部を通るように導体を搬送するためのものである。測定部は、搬送部によって搬送される導体のねじれを測定するためのものである。
本発明に係る絶縁塗料の塗布装置は、導体のねじれを測定するための測定部を有している。このため、測定部で導体のねじれを測定することで、導体に塗布される絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができる。
上記の絶縁塗料の塗布装置において好ましくは、測定部は、塗布部に対して導体の進行方向における上流側に配置されている。
これにより、絶縁塗料が塗布される前の導体のねじれを測定することで、その後塗布される絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができる。
上記の絶縁塗料の塗布装置において好ましくは、測定部は、光学的な手段によって導体の進行方向に対して垂直な方向の寸法を測定することで導体のねじれを測定可能に構成されている。これにより、簡易な方法で導体のねじれを測定可能である。
本発明に係る絶縁塗料の塗布方法は、以下の工程を備えている。絶縁塗料を塗布するための塗布部に断面が四角形である導体が通され導体に絶縁塗料が塗布される。導体が塗布部に対して移動されることで絶縁塗料を導体に塗布しながら導体のねじれが測定される。
本発明に係る絶縁塗料の塗布方向によれば、絶縁塗料を導体に塗布しながら導体のねじれが測定されるので、リアルタイムで導体に塗布される絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができる。
上記の絶縁塗料の塗布方法において好ましくは、導体のねじれを測定する工程は、導体に絶縁塗料を塗布する工程の前に行われる。
これにより、絶縁塗料が塗布される前の導体のねじれを測定することで、その後塗布される絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができる。なお、塗布工程後に導体のねじれを測定すると、導体そのもののねじれではなく、絶縁塗料が塗布された導体のねじれを測定することになる。結果として、塗布工程後のねじれ測定は、不均一に塗布された絶縁塗料の影響を受けてしまう。そのため、絶縁塗料が塗布される前の導体のねじれを測定することが好ましい。
上記の絶縁塗料の塗布方法において好ましくは、導体のねじれを測定する工程では、光学的な手段によって導体の進行方向に対して垂直な方向の寸法を測定することで導体のねじれを測定する。これにより、簡易な方法で導体のねじれを測定可能である。
以上説明したように本発明によれば、平角導体に塗布された絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。なお本発明はこの形態に限定されるものではない。
図1を参照して、本実施の形態の絶縁塗料の塗布装置100は、断面形状が四角形である導体11に絶縁塗料を塗布するためのものであって、複数の塗布部12と、複数のダイス1と、複数の乾燥用加熱装置16と、複数の硬化用加熱装置17と、搬送部13と、測定部14とを主に有している。乾燥用加熱装置16と硬化用加熱装置17とは一体となっていても良い。
ここで、断面形状が四角形である導体11とは、断面において対向する二組の辺を有する形状であればよく、角部が丸まっている場合を含む。断面形状が四角形である導体11の具体例としては、長方形や正方形が挙げられる。
複数の塗布部12の各々は、たとえばポリアミドイミド樹脂ワニス、ポリイミド樹脂ワニスなどの絶縁塗料が充填されるものであり、導体11が塗布部12内を通過することで導体11の外周面に絶縁塗料を塗布できるように構成されている。
複数のダイス1の各々は、導体11がダイス1を通過することで導体11の外周面に塗布される絶縁塗料の厚みを一定厚みに制御できるように構成されている。図11に示すように、複数のダイス1の各々には、断面が長方形状の導体11が通過できるように略長方形状の開口部1aが形成されている。略長方形状の開口部1aの角部は丸くなっていてもよい。
複数の乾燥用加熱装置16は、導体11上に塗布された絶縁塗料を主に乾燥させるために導体11および絶縁塗料を加熱するためのものである。ここで絶縁塗料の乾燥とは、絶縁塗料に含まれる溶剤を気化させる温度であって、絶縁塗料が硬化しない温度に加熱することを意味する。この乾燥用加熱装置16の各々は、誘導加熱コイルであってもよい。硬化用加熱装置17は、導体11上にて絶縁塗料を主に硬化させるために導体11および絶縁塗料を加熱するためのものである。ここで絶縁塗料を硬化させるとは、絶縁塗料を硬化させる温度以上に加熱することを意味する。この硬化用加熱装置17は、誘導加熱コイルであってもよい。
塗布部12によって、導体11に対して絶縁塗料が塗布され、ダイス1によって絶縁塗料の厚みが制御され、乾燥用加熱装置16によって絶縁塗料が乾燥され、硬化用加熱装置17によって絶縁塗料が硬化されるという一連の動作が行われる。塗布部12と、ダイス1と、乾燥用加熱装置16と、硬化用加熱装置17とを一組の塗布ユニットとした場合、本実施の形態の絶縁塗料の塗布装置100は、複数組の塗布ユニットを有している。これにより、導体11に対して絶縁塗料を複数回塗布することができる。
搬送部13は、導体11を上流側から下流側に搬送するためのものである。搬送部13によって、導体11が塗布部12や硬化用加熱装置17などを通過することができる。
複数の測定部14は、搬送部13によって搬送される導体11のねじれを測定するためのものである。好ましくは、測定部14は塗布部12に対して導体11の進行方向Xにおける上流側に配置されている。好ましくは、測定部14は、光学的な手段によって導体11の進行方向に対して垂直な方向(四角形の長辺の長さ方向)の寸法を測定することで導体11のねじれを測定可能である。
本実施の形態の絶縁塗料の塗布装置100は複数の測定部14を有しているが、測定部14は1つだけでもよい。測定部14を1つだけ設ける場合には、測定部14は導体の進行方向Xにおける最上流側に配置されている塗布部12に対して上流側に配置されていてもよい。これにより、第1層目の絶縁塗料が塗布される前の導体11のねじれ角度を測定することができる。
図2に示すように、測定部14はPC(Personal Computer)30と接続されており、測定部14で測定したデータをPCへ転送可能に構成されている。測定部14は、導体11の進行方向Xに対して垂直な方向の寸法を測定可能に配置されている。
図3を参照して、測定部14の構成について説明する。測定部14は、発光部31と受光部32とを有している。発光部31は、発光素子33とコリメータレンズユニット34とを有している。発光素子33は、たとえば高輝度窒化ガリウム(GaN)グリーンLED(Light Emitting Diode)である。当該LEDは波長が短く信頼性が高い。コリメータレンズユニット34は、発光素子33から発せられた光を均一な平行光にするためのものである。受光部32は、テレセントリック光学系35と、CCD(図示せず)と、カメラ36とを有している。テレセントリック光学系35は、不要な光をカットし、必要な平行光のみを結像することができる。CCD(Charge Coupled Device)は、測定対象物である導体11によって生じる影と透過光との明暗を電荷の量に光電変換し、それを順次読み出して電気信号に変換することができる。カメラ36は、たとえばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)モニタカメラである。CMOSモニタカメラは測定ポイントをリアルに映しだすことが可能である。
当該測定部14により、発光部31から受光部32に向かう方向Aに直交する方向Bの導体11の寸法が測定される。
図4を参照して、ねじれていない導体11を測定部14によって測定した場合の寸法について説明する。図4に示すように、測定部14によって測定される導体11の寸法はW1である。導体11がねじれていない場合、寸法W1は導体11の断面における長辺の寸法と同じである。
図5および図6を参照して、ねじれている導体11を測定部14によって測定した場合の寸法について説明する。図5に示すように、導体11が導体の進行方向Xを軸としてある方向にねじれている場合(つまり進行方向Xに延びる軸線を中心として図中反時計方向に回転している場合)、測定部14によって測定される導体11の寸法はW2である。また、図6に示すように、導体11が導体11の進行方向Xを軸として図5の方向と反対の方向にねじれている場合(進行方向Xに延びる軸線を中心として図中時計方向に回転している場合)、測定部14によって測定される導体11の寸法はW3である。導体11がねじれている場合、寸法W2および寸法W3は導体11の長辺の寸法L(=W1)よりも大きい寸法として測定される。上記のように、導体11の進行方向Xに対して垂直な方向の寸法を測定し、導体の長辺方向の寸法と比較することで、導体11がねじれているかどうかを判別することができる。なお、本実施の形態では、導体11の長辺の寸法L(=W1)を測定する場合を説明したが、導体11の短辺の寸法を測定してもよい。
次に、導体11のねじれ角度について説明する。
図7を参照して、四角形の導体11の長辺の長さをL(=W1)、短辺の長さをSとする。導体11が導体11の進行方向Xに対してねじれ角度θだけねじれていた場合を想定する。測定部14によって測定される導体11の進行方向Xに対して垂直な方向の寸法W3が測定される。ねじれ角度θは、以下の式で求められる。
図7を参照して、四角形の導体11の長辺の長さをL(=W1)、短辺の長さをSとする。導体11が導体11の進行方向Xに対してねじれ角度θだけねじれていた場合を想定する。測定部14によって測定される導体11の進行方向Xに対して垂直な方向の寸法W3が測定される。ねじれ角度θは、以下の式で求められる。
図8および図9を参照して、導体11のねじれ角度について説明する。図8に示すように、導体11が導体11の進行方向Xを軸としてある方向にねじれた状態で絶縁塗料24が塗布され、その後、略長方形状の開口部を有するダイス1の開口部を通過すると絶縁塗料24の厚みが不均一になる。つまり、絶縁塗料24の厚みが厚い部分bと、絶縁塗料24の厚みが薄い部分aとが生じる。また、図9に示すように、図8の場合と反対方向に導体11がねじれる場合もある。図9に示す場合も、図8の場合と同様に、絶縁塗料24の厚みが厚い部分bと、絶縁塗料24の厚みが薄い部分aが生じる。導体11のねじれ角度θは、以下の式により定義される。
上記式2によれば、ねじれ角度θが大きい場合、導体11に塗布された絶縁塗料の厚みのばらつきが大きくなる。後述するように、測定部14によって測定された導体11のねじれ角度と、導体11を導体11の進行方向と垂直な面によって切断された断面から測定されたねじれ角度とは同じであることが確認されている。つまり、測定部14によって導体11の進行方向Xに対して垂直な方向の寸法を測定して、ねじれ角度θを得ることで、導体11に塗布された絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができる。
なお、本実施の形態に用いられる絶縁塗料24としては、たとえばエナメル被覆の構成樹脂を溶剤で溶解したものが用いられる。この構成樹脂は、絶縁性が高く、耐熱性が高い樹脂であれば特に限定されない。具体的には、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂などが好適に使用され得る。また溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドンやクレゾールを利用することができる。
また、導体11の具体例としては、たとえば銅線、銅合金線、錫めっき銅線、アルミニウム線、アルミニウム合金線、鋼心アルミニウム線、カッパーフライ線、ニッケルめっき銅線、銀めっき銅線、銅覆アルミニウム線などが挙げられる。
次に、本実施の形態の絶縁塗料の塗布装置100の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る絶縁塗料の塗布装置100は、導体11のねじれを測定するための測定部14を有している。この測定部14により導体11のねじれを測定することで、導体11に塗布される絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができる。
本実施の形態に係る絶縁塗料の塗布装置100は、導体11のねじれを測定するための測定部14を有している。この測定部14により導体11のねじれを測定することで、導体11に塗布される絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができる。
また、測定部14は、塗布部12に対して導体11の進行方向Xにおける上流側に配置されている。これにより、絶縁塗料が塗布される前の導体11のねじれを測定することができ、その後塗布される絶縁塗料の厚みのばらつきを推定することができる。
さらに、測定部14は、光学的な手段によって導体11の進行方向Xに対して垂直な方向の寸法を測定することで導体11のねじれを測定可能に構成されているので、簡易な方法で導体11のねじれを測定可能である。
次に、本実施の形態における絶縁塗料の塗布方法について説明する。
図1を参照して、まず導体11は、導体11の移動経路の最上流に位置する塗布部12を通過することにより、導体11の外周面に第1層目の絶縁塗料が塗布される。その後、第1層目の絶縁塗料が塗布された導体11が、ダイス1に設け形成された略長方形状の開口部を通過することにより、第1層目の絶縁塗料の厚みが一定に制御される。ダイス1に設けられた開口部の内側面は、導体11に塗布された絶縁塗料と接する。導体11が駆動装置である搬送部13により上流側から下流側に移動すると、ダイス1に対して導体11の進行方向(すなわち図中上方向であって、重力と反対の方向)へ引き上げる力がかかる。同時に、ダイス1はダイス1自身の質量を有しているため、ダイス1に対して重力がかかっている。つまり、ダイス1は、ダイス1にかかる重力と、ダイス1にかかる当該引き上げる力とがつりあった状態で浮いた状態にある。その後、ダイス1の開口部を通過した導体11は、乾燥用加熱装置16に移動する。乾燥用加熱装置16において、導体11上に塗布された絶縁塗料が乾燥される。その後、導体11は硬化用加熱装置17へ移動する。硬化用加熱装置17では、導体11に塗布された絶縁塗料が硬化される。
図1を参照して、まず導体11は、導体11の移動経路の最上流に位置する塗布部12を通過することにより、導体11の外周面に第1層目の絶縁塗料が塗布される。その後、第1層目の絶縁塗料が塗布された導体11が、ダイス1に設け形成された略長方形状の開口部を通過することにより、第1層目の絶縁塗料の厚みが一定に制御される。ダイス1に設けられた開口部の内側面は、導体11に塗布された絶縁塗料と接する。導体11が駆動装置である搬送部13により上流側から下流側に移動すると、ダイス1に対して導体11の進行方向(すなわち図中上方向であって、重力と反対の方向)へ引き上げる力がかかる。同時に、ダイス1はダイス1自身の質量を有しているため、ダイス1に対して重力がかかっている。つまり、ダイス1は、ダイス1にかかる重力と、ダイス1にかかる当該引き上げる力とがつりあった状態で浮いた状態にある。その後、ダイス1の開口部を通過した導体11は、乾燥用加熱装置16に移動する。乾燥用加熱装置16において、導体11上に塗布された絶縁塗料が乾燥される。その後、導体11は硬化用加熱装置17へ移動する。硬化用加熱装置17では、導体11に塗布された絶縁塗料が硬化される。
本実施の形態の絶縁塗料の塗布方法は、導体11を塗布部12に対して移動させることで絶縁塗料を導体11に塗布しながら、リアルタイムで導体11のねじれを測定する。好ましくは、導体11のねじれの測定は、導体11に絶縁塗料を塗布する前に行われる。さらに好ましくは、導体11のねじれの測定は、光学的な手段によって行われる。上述した様に、四角形の導体11が進行方向Xを軸としてねじれている場合、導体11の進行方向Xと垂直な方向の寸法が導体11の一辺の長さよりも長くなり、四角形の導体11が進行方向Xを軸としてねじれていない場合、導体11の進行方向Xと垂直な方向の寸法は導体11の一辺の長さと同じである。このように、導体11の進行方向Xと垂直な方向の寸法を測定することにより、導体11が進行方向Xを軸としてねじれているかどうかを判別することができる。
1層目の絶縁塗料が塗布された導体11は、2つ目の塗布部12へと移動する。2つ目の塗布部では、第1層目の絶縁塗料の上に第2層目の絶縁塗料が塗布される。第1層目の絶縁塗料とその上に第2層目の絶縁塗料が塗布された導体11は、2つ目のダイス1の開口部を通過する。2つ目のダイス1の開口部のサイズは、1つ目のダイス1の開口部のサイズよりも大きくなっている。導体11が2つ目のダイス1の開口部を通過することで、第2層目の絶縁塗料の厚みが一定に制御される。
この後、第1層目の絶縁塗料とその上に第2層目の絶縁塗料が塗布された導体11は、乾燥用加熱装置16および硬化用加熱装置17を通り、2層目の絶縁塗料が乾燥、硬化される。上記の塗布、乾燥、硬化が所定回数(n回:たとえば10回)繰り返されることにより、導体11の外周面にn層の絶縁塗料が塗布される。
導体11のねじれの測定は、第1層目の絶縁塗料を塗布する前に行うことが好ましいが、第m層目(mは2以上の整数)の絶縁塗料を塗布する前に行われてもよい。また、導体11の外周部にn回の絶縁塗料が塗布される場合、絶縁塗料が塗布されるすべての工程の前に、導体11のねじれの測定が行われてもよい。
次に、本実施の形態の絶縁塗料の塗布方法の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る絶縁塗料の塗布方法によれば、絶縁塗料を導体11に塗布しながら導体11のねじれが測定される。それゆえ、リアルタイムで導体11に塗布される絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができる。
本実施の形態に係る絶縁塗料の塗布方法によれば、絶縁塗料を導体11に塗布しながら導体11のねじれが測定される。それゆえ、リアルタイムで導体11に塗布される絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができる。
また、導体11のねじれを測定する工程は、導体11に絶縁塗料を塗布する工程の前に行われる。それゆえ、絶縁塗料が塗布される前の導体11のねじれを測定することで、その後塗布される絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができる。
さらに、導体11のねじれを測定する工程では、光学的な手段によって導体11の進行方向Xに対して垂直な方向の寸法を測定することで導体11のねじれが測定される。これにより、簡易な方法で導体11のねじれを測定可能である。
次に、本発明者らが行った検討について説明する。
実施の形態に示された絶縁塗料の塗布装置100を使用して、導体11に絶縁塗料を塗布した。導体11として平角導体を使用した。測定部14を、塗布部12に対して導体11の進行方向Xの上流側に配置した。絶縁塗料が塗布される前における、導体11のねじれ角度θ1を測定部14により測定した。測定部14として、図3で示した測定器を用いた。
実施の形態に示された絶縁塗料の塗布装置100を使用して、導体11に絶縁塗料を塗布した。導体11として平角導体を使用した。測定部14を、塗布部12に対して導体11の進行方向Xの上流側に配置した。絶縁塗料が塗布される前における、導体11のねじれ角度θ1を測定部14により測定した。測定部14として、図3で示した測定器を用いた。
一方、導体11に絶縁塗料が塗布された後に、絶縁塗料が塗布された導体11を導体11の進行方向Xに対して垂直な面で切断して、導体11の断面を観察した。図8および図9に示された方法により、当該位置における導体11のねじれ角度θ2を測定した。発明者らは、ねじれ角度θ1とねじれ角度θ2は同じであることを確認した。
上述した様に、ねじれ角度θ2が大きいことは、導体11に塗布された絶縁塗料の厚みのばらつきが大きいことを意味する。つまり、測定部14によって導体11の進行方向Xに対して垂直な方向の寸法を測定することで、ねじれ角度θ1を測定することで、導体11に塗布された絶縁塗料の厚みのばらつきを検知することができることが確認された。
次に、導体11の進行方向Xにおける位置と導体11のねじれ角度θ1との関係を調べた。その結果について、図10を参照して説明する。
図10に示すように、導体11のねじれ角度は導体11の長さ方向の位置によって変化する。ねじれ角度は、2つの破線で囲まれる一定の周期D(4〜5m)で変化することが分かった。このように、平角導体のねじれ角度を導体11の長さ方向に沿って測定することで、ねじれ角度が周期的に変化していることが確認された。そして、導体11のねじれ角度をモニタリングすることで、導体11に塗布された絶縁塗料のばらつきを検知できることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ダイス、11 導体、12 塗布部、13 搬送部、14 測定器、16 乾燥用加熱装置、17 硬化用加熱装置、24 絶縁塗料、30 PC、31 発光部、32 受光部、33 発光素子、34 コリメータレンズユニット、35 テレセントリック光学系、36 カメラ、100 塗布装置。
Claims (6)
- 断面が四角形である導体に絶縁塗料を塗布するための塗布部と、
前記導体が前記塗布部を通るように前記導体を搬送するための搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記導体のねじれを測定するための測定部とを備えた、絶縁塗料の塗布装置。 - 前記測定部は、前記塗布部に対して前記導体の進行方向における上流側に配置されている、請求項1に記載の絶縁塗料の塗布装置。
- 前記測定部は、光学的な手段によって前記導体の進行方向に対して垂直な方向の寸法を測定することで前記導体のねじれを測定可能に構成されている、請求項1または2に記載の絶縁塗料の塗布装置。
- 絶縁塗料を塗布するための塗布部に断面が四角形である導体を通して前記導体に絶縁塗料を塗布する工程と、
前記絶縁塗料を前記導体に塗布しながら前記導体のねじれを測定する工程とを備えた、絶縁塗料の塗布方法。 - 前記導体のねじれを測定する工程は、前記導体に前記絶縁塗料を塗布する工程の前に行われる、請求項4に記載の絶縁塗料の塗布方法。
- 前記導体のねじれを測定する工程では、光学的な手段によって前記導体の進行方向に対して垂直な方向の寸法を測定することで前記導体のねじれを測定する、請求項4または5に記載の絶縁塗料の塗布方法。
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JP2012023012A JP2013161671A (ja) | 2012-02-06 | 2012-02-06 | 絶縁塗料の塗布装置および絶縁塗料の塗布方法 |
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JP2012023012A JP2013161671A (ja) | 2012-02-06 | 2012-02-06 | 絶縁塗料の塗布装置および絶縁塗料の塗布方法 |
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JP2017170442A (ja) * | 2017-06-07 | 2017-09-28 | 日立金属株式会社 | 塗料塗布装置、塗料塗布方法及びエナメル線の製造方法 |
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CN105080784A (zh) * | 2015-08-23 | 2015-11-25 | 春宾电缆集团有限公司 | 一种电线注胶装置的操作方法 |
CN105080784B (zh) * | 2015-08-23 | 2018-05-25 | 春宾电缆集团有限公司 | 一种电线注胶装置的操作方法 |
JP2017170442A (ja) * | 2017-06-07 | 2017-09-28 | 日立金属株式会社 | 塗料塗布装置、塗料塗布方法及びエナメル線の製造方法 |
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