JP2013161670A - 表示装置およびその製造方法、電子機器、装置ならびに転写印刷方法 - Google Patents

表示装置およびその製造方法、電子機器、装置ならびに転写印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板上に形成される複数の転写層の間での混合を防ぐ。
【解決手段】基板上の第1の領域に転写される第1の発光層と、上記基板上の第2の領域に転写される第2の発光層と、上記第1の領域と上記第2の領域との間に、上記第1の発光層が転写されるときに上記第2の領域に付着することを防ぐ段差を形成する段差形成部材とを含む表示装置を提供する。
【選択図】図4

Description

本開示は、表示装置およびその製造方法、電子機器、装置ならびに転写印刷方法に関する。
近年、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイの発光層(有機層)を、印刷法によって形成することが提案されている。印刷法は、真空蒸着法に比べてプロセスコストが低く、また装置の大型化も容易であるという利点を有する。
この印刷法は、非接触方式と接触方式とに大別される。非接触方式の方法としては、例えばインクジェット法やノズルプリンティング法が知られている。これらの方法は、装置の大型化が容易であり、また材料利用効率が高いという利点を有する。しかし、これらの方法では、インクの塗布位置を規定するためにバンク(隔壁)を設けなければならず、バンクへのインクの濡れ上がり等によって画素内で膜厚にむらが生じる場合がある。
一方、接触方式の方法としては、例えばフレキソ印刷法や、グラビアオフセット印刷法、反転オフセット印刷法などが知られている。フレキソ印刷法は、基板上での膜厚精度が比較的高く、印刷に要する時間が短く、また印刷機の大型化が可能であるといった利点を有するが、版の精度が低く、表示装置の高精細化や大型化に対応することは難しい。グラビアオフセット印刷法は、版の精度が高く、高精細化や大型化に対応可能であるが、画素内の膜厚分布が山型になり、発光輝度にむらが生じる場合がある。
そのような中で注目されているのが、反転オフセット印刷法である。反転オフセット印刷法は、転写体上にインクを均一に成膜したものを版に加圧接触させて非印刷部分のインクを取り除き、転写体上に残ったパターンを転写パターンとして被印刷体に転写する方法である。この反転オフセット印刷法では、膜厚分布がより均一になるのに加えて、高精細なパターニングも可能である。
それゆえ、反転オフセット印刷法は、有機ELディスプレイの発光層の印刷のみならず、いわゆるプリンテッドエレクトロニクスの分野全体での適用が期待されている。具体的には、例えば、プリント基板の配線/絶縁パターン、フォトリソグラフィ工程で用いられるフォトレジスト、ディスプレイ用のカラーフィルタ、および有機薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)の有機層などの印刷に、反転オフセット印刷法を適用することが検討されている。かかる反転オフセット印刷法を用いた技術の例は、例えば特許文献1に記載されている。
特開2010−158799号公報
しかし、上記のような反転オフセット印刷法を用いて、基板上に複数の転写層を形成する場合、転写層の間で混合が生じる場合がある。反転オフセット印刷法によって形成される転写層の厚みは、多くの場合非常に薄いため、ある転写層を転写するときに、例えば転写体上の転写パターン以外の部分に浸透または残留したインクが、別の転写層が転写される領域にも付着し、別の転写層のインクと混合してしまう場合がある。
そこで、本開示では、基板上に形成される複数の転写層の間での混合を防ぐことが可能な、新規かつ改良された表示装置およびその製造方法、電子機器、装置ならびに転写印刷方法を提案する。
本開示によれば、基板上の第1の領域に転写される第1の発光層と、上記基板上の第2の領域に転写される第2の発光層と、上記第1の領域と上記第2の領域との間に、上記第1の発光層が転写されるときに上記第2の領域に付着することを防ぐ段差を形成する段差形成部材とを含む表示装置が提供される。
また、本開示によれば、基板上の第1の領域に第1の発光層を転写しつつ、上記第1の領域と上記基板上の第2の領域との間に形成された段差によって上記第1の発光層が上記第2の領域に付着することを防ぐ工程と、上記第2の領域に第2の発光層を転写する工程とを含む表示装置の製造方法が提供される。
また、本開示によれば、基板上の第1の領域に転写される第1の発光層と、上記基板上の第2の領域に転写される第2の発光層と、上記第1の領域と上記第2の領域との間に、上記第1の発光層が転写されるときに上記第2の領域に付着することを防ぐ段差を形成する段差形成部材とを含む表示装置を有する電子機器が提供される。
また、本開示によれば、基板上の第1の領域に転写される第1の転写層と、上記基板上の第2の領域に形成される第2の転写層と、上記第1の領域と上記第2の領域との間に、上記第1の転写層が転写されるときに上記第2の領域に付着することを防ぐ段差を形成する段差形成部材とを含む装置が提供される。
また、本開示によれば、基板上の第1の領域に第1の転写層を転写しつつ、上記基板上に形成された段差によって上記第1の転写層が上記基板上の第2の領域に付着することを防ぐ工程と、上記第2の領域に第2の転写層を転写する工程とを含む転写印刷方法が提供される。
上記のような構成によれば、基板上で複数の転写層がそれぞれ転写される領域の間に段差が形成され、この段差によって、段差の上段に位置する転写層が下段に位置する転写層の領域に付着することが防止される。従って、上段の転写層が下段の転写層に混合することを防ぐことができる。
以上説明したように本開示によれば、基板上に形成される複数の転写層の間での混合を防ぐことができる。
本開示の第1の実施形態に係る表示装置の全体構成の例を示す図である。 本開示の第1の実施形態に係る表示装置の画素駆動回路の構成例を示す図である。 本開示の第1の実施形態に係る表示装置の表示領域の平面構成の例を示す図である。 図3のI−I断面図である。 本開示の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を示すフローチャートである。 図5の製造方法の各工程での表示装置の状態を示す図である。 図5の製造方法における発光層の転写について説明するための図である。 本開示の第1の実施形態に係る表示装置を有する電子機器の構成を示す概略的なブロック図である。 本開示の第2の実施形態に係る表示装置の表示領域の断面図である。 本開示の第2の実施形態に係る表示装置の製造方法を示すフローチャートである。 図10の製造方法の各工程での表示装置の状態を示す図である。 本開示の第2の実施形態の変形例を示す図である。 本開示の第2の実施形態の別の変形例を示す図である。 本開示の第3の実施形態に係る表示装置の表示領域の断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態(赤色、緑色、および青色の発光層をそれぞれ転写する例)
1−1.表示装置の構成
1−2.表示装置の製造方法
1−3.電子機器への適用
1−4.変形例
2.第2の実施形態(青色の発光層を共通層とする例)
2−1.表示装置の構成
2−2.表示装置の製造方法
2−3.変形例
3.第3の実施形態(黄色および青色の発光層をそれぞれ転写する例)
3−1.表示装置の構成
3−2.変形例
4.補足
(1.第1の実施形態)
(1−1.表示装置の構成)
まず、図1〜図4を参照して、本開示の第1の実施形態に係る表示装置の構成について説明する。図1および図2は、表示装置の全体構成を説明するための図である。図3および図4は、表示装置の表示領域についてより詳しく説明するための図である。
(全体構成)
図1は、本開示の第1の実施形態に係る表示装置の構成の例を示す図である。本実施形態に係る表示装置は、有機ELディスプレイ100である。
図1を参照すると、有機ELディスプレイ100は、基板11上に、赤色発光素子10R、緑色発光素子10G、および青色発光素子10Bがマトリクス状に配列された表示領域110を有する。一組の赤色発光素子10R、緑色発光素子10G、および青色発光素子10Bによって、画素10が構成される。表示領域110の周辺には、映像表示用のドライバとして、信号線駆動回路120および走査線駆動回路130が設けられる。
また、表示領域110には、赤色発光素子10R、緑色発光素子10G、および青色発光素子10Bにそれぞれ接続される画素駆動回路140が設けられる。この画素駆動回路140の構成について、以下で図2を参照してさらに説明する。
(画素駆動回路の構成)
図2は、有機ELディスプレイ100に設けられる画素駆動回路140の構成例を示す図である。本実施形態において、画素駆動回路140は、後述する発光素子の下部電極の下層に形成されるアクティブ型の駆動回路である。
図2を参照すると、画素駆動回路140には、駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2が設けられ、駆動トランジスタTr1と書き込みトランジスタTr2との間にはキャパシタCsが接続される。赤色発光素子10R、緑色発光素子10G、または青色発光素子10Bは、第1の電源ラインVccと第2の電源ラインGNDとの間で駆動トランジスタTr1に直列に接続される。
ここで、駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2は、一般的な薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)である。TFTの構造としては、例えば逆スタガ構造(ボトムゲート型)、またはスタガ構造(トップゲート型)など、各種の構造が用いられうる。
また、画素駆動回路140では、列方向の信号線120Aと行方向の走査線130Aとが、それぞれ複数配列される。信号線120Aと走査線130Aとの交点は、それぞれが赤色発光素子10R、緑色発光素子10G、または青色発光素子10Bのいずれかに対応する。それぞれの信号線120Aは上記の信号線駆動回路120に接続され、信号線駆動回路120は信号線120Aを介して書き込みトランジスタTr2のソース電極に画像信号を供給する。同様に、それぞれの走査線130Aは上記の走査線駆動回路130に接続され、走査線駆動回路130は走査線130Aを介して書き込みトランジスタTr2のゲート電極に走査信号を順次供給する。
(表示領域の構成)
図3は、有機ELディスプレイ100における表示領域110の平面構成の例を示す図である。図4は、図3のI−I断面図である。図3に示すように、表示領域110には、赤色発光素子10R、緑色発光素子10G、および青色発光素子10Bがマトリクス状に配列される。一組の赤色発光素子10R、緑色発光素子10G、および青色発光素子10Bは、画素10を構成する。
図4に示すように、基板11上には、基板11側から順に、TFT層13、平坦化絶縁膜14、下部電極15、開口絶縁膜16、有機層17、上部電極18、接着層22、および封止用基板21が設けられる。このうち、下部電極15、開口絶縁膜16、有機層17、上部電極18によって、赤色発光素子10R、緑色発光素子10G、および青色発光素子10B(以下、「発光素子」として総称する場合がある)がそれぞれ構成される。なお、有機ELディスプレイ100は、発光素子の光が基板11側から取り出されるボトムエミッション型である。
(基板〜平坦化絶縁膜)
基板11は、平坦面を有する支持体である。基板11としては、例えば、石英、ガラス、金属箔、または樹脂製のフィルムやシートなどが用いられる。樹脂製のフィルムやシートを用いる場合、その材質としては、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)などのメタクリル樹脂類、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBT)などのポリエステル類、またはポリカーボネート樹脂などが用いられうる。この場合、透水性や透ガス性を抑えるために、基板11を積層構造にして表面処理をすることが望ましい。
TFT層13は、上記で図2を参照して説明した画素駆動回路140が形成される層である。画素駆動回路140に設けられる駆動トランジスタTr1は、下部電極15に電気的に接続される。
平坦化絶縁膜14は、TFT層13の表面を平坦化するために設けられる。平坦化絶縁膜14には、TFT層13の駆動トランジスタTr1と下部電極15とを接続するための接続孔14Hが形成される。そのため、平坦化絶縁膜14は、例えばポリイミド系の有機材料、または酸化ケイ素(SiO)などの無機材料のような、パターン精度がよい材料によって形成されることが望ましい。
本実施形態において、平坦化絶縁膜14の厚みdは、赤色発光素子10Rが形成される第1の領域R1と、緑色発光素子10Gが形成される第2の領域R2と、青色発光素子10Bが形成される第3の領域R3との間で、それぞれ異なる。より具体的には、第1の領域R1での厚みd1は、第2の領域R2での厚みd2よりも大きい。また、第2の領域R2での厚みd2は、第3の領域R3での厚みd3よりも大きい。
これによって、基板11上で、第1の領域R1と第2の領域R2との間、および第2の領域R2と第3の領域R3との間には、段差が形成される。つまり、本実施形態では、平坦化絶縁膜14が、段差形成部材として機能する。後述するように、この段差は、第1の領域R1に転写される赤色発光層173Rが第2の領域R2および第3の領域R3に付着すること、および第2の領域R2に転写される緑色発光層173Gが第3の領域R3に付着することを防ぐ。
ここで、第1の領域R1と第2の領域R2との間の段差の大きさ(d1−d2)、および第2の領域R2と第3の領域R3との間の段差の大きさ(d2−d3)は、例えば発光層の転写に用いられる転写体の材質や、転写体の押し付け圧力などに応じて、適宜設定されうる。1つの設定例として、段差の大きさ(d1−d2)および(d2−d3)は、それぞれの段差で下段にあたる第2の領域R2または第3の領域R3の幅の1/100以上であることが望ましく、500nm以上であることがさらに望ましい。
有機ELディスプレイの解像度は、携帯電話などのモバイル機器から大型テレビまで含め、一般に300ppiから20ppi程度である。それゆえ、例えば、図3に示す画素10のピッチW10は、84μm〜1270μm程度である。従って、第1の領域R1、第2の領域R2、および第3の領域R3の幅WR1,WR2,WR3は、それぞれ28μm〜420μm程度になる。この場合、段差の大きさ(d1−d2)および(d2−d3)は、1μm〜10μm程度あれば十分である。
なお、図示されていないが、基板11と平坦化絶縁膜14との間には、カラーフィルタが設けられてもよい。カラーフィルタは、例えば、赤色フィルタ、緑色フィルタ、および青色フィルタを含みうる。赤色フィルタは赤色発光素子10Rが形成される第1の領域R1に、緑色フィルタは緑色発光素子10Gが形成される第2の領域R2に、青色フィルタは青色発光素子10Bが形成される第3の領域R3に、それぞれ配置される。赤色フィルタ、緑色フィルタ、および青色フィルタは、それぞれ例えば顔料を含む樹脂によって形成される。顔料を適宜選択することによって、それぞれ赤色、緑色、または青色の波長域の光の透過率が他の波長域よりも高くなるように調整することが可能である。
カラーフィルタには、赤色フィルタ、緑色フィルタ、または青色フィルタとともに、ブラックマトリクスとしての遮光膜が設けられてもよい。これによって、各発光素子で発生した光が取り出されるとともに、各発光素子またはその間の配線部分で反射した外光が吸収され、コントラストが向上する。遮光膜は、例えば黒色の着色剤を含み、光学濃度が1以上の黒色の樹脂膜または薄膜フィルタによって形成される。黒色の樹脂膜は、比較的安価であり、容易に形成できる。一方、薄膜フィルタは、例えば、金属、金属窒化物、または金属酸化物の薄膜を少なくとも1層有し、薄膜の干渉を利用して光を減衰させる。薄膜フィルタは、例えば、クロム(Cr)と酸化クロム(Cr)とを交互に積層することによって形成されうる。
なお、本実施形態では、赤色、緑色、および青色についてそれぞれ発光素子が設けられるため、赤色フィルタ、緑色フィルタ、および青色フィルタのうちのいずれか、またはすべてが設けられなくてもよい。
(発光素子)
下部電極15は、発光素子の陽極であり、上述のようにTFT層13の駆動トランジスタTr1に接続される。下部電極15は、発光素子ごとに設けられ、例えばクロム(Cr)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、タングステン(W)、または銀(Ag)などの金属元素の単体または合金の透明材料によって形成される。あるいは、上記の金属材料で形成される金属膜と透明導電膜とを積層して下部電極15を形成してもよい。この場合、透明導電膜としては、例えば酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化インジウム亜鉛(InZnO)、または酸化亜鉛(ZnO)とアルミニウム(Al)との合金などが用いられうる。
開口絶縁膜16は、下部電極15と上部電極18との間の絶縁性を確保するとともに、発光領域を所望の形状に成形するための開口を形成する。開口絶縁膜16の上に設けられる有機層17および上部電極18は、開口の部分以外の開口絶縁膜16の上に形成されてもよいが、発光が生じるのは開口の部分である。開口絶縁膜16は、例えば酸化ケイ素などの無機絶縁材料によって形成されてもよい。あるいは、開口絶縁膜16は、上記の無機絶縁材料の上に、ポジ型感光性ポリベンゾオキサゾールまたはポジ型感光性ポリイミドなどの感光性樹脂を積層して形成されてもよい。
ここで、図3に示されるように、各発光素子の発光領域に対応して開口絶縁膜16によって形成される開口は、幅W、長さDである。一例として、画素10のピッチW10が360μm、第1の領域R1、第2の領域R2、および第3の領域R3の幅WR1,WR2,WR3がいずれも120μmである場合、幅Wは60μm、長さDは280μmに設定されうる。
有機層17は、基板11側から順に、正孔注入層(HIL:Hole Injection Layer)171、正孔輸送層(HTL:Hole Transport Layer)172、発光層(EML:Emitting Layer)173、および電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)175を含む。発光層173として、赤色発光素子10Rでは赤色発光層173Rが、緑色発光素子10Gでは緑色発光層173Gが、青色発光素子10Bでは青色発光層173Bが、それぞれ設けられる。
正孔注入層171は、各発光素子に共通して設けられる。正孔注入層171は、正孔注入効率を向上させるとともに、正孔のリークを防止するバッファ層として機能する。正孔注入層171の材料は、電極や隣接する層の材料との関係に応じて適宜選択されうるが、例えば、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体等の導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニン等)、またはカーボンなどが用いられうる。正孔注入層171の厚みは、例えば5nm〜100nm程度であり、8nm〜50nm程度であることがより望ましい。
ここで、正孔注入層171が高分子材料によって形成される場合、重量平均分子量(Mw)は、例えば2000〜300000程度であり、5000〜200000程度であることがより望ましい。Mwが5000未満である場合、正孔輸送層172以降の層を形成するときに溶解する可能性がある。また、Mwが300000を超える場合、材料のゲル化によって成膜が困難になる可能性がある。なお、重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒として、GPC(Gel Permeation Chromatography)によって、ポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた値である。
上記の場合、正孔注入層171は、例えば、ポリアニリン、オリゴアニリン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などのポリジオキシチオフェンのような高分子材料によって形成されてもよい。かかる材料として、より具体的には、エイチ・シー・スタルク製の商品名Nafion(登録商標)および商品名Liquion(登録商標)、日産化学製の商品名エルソース(登録商標)および綜研化学製の導電性ポリマーベラゾールなどが用いられうる。
なお、下部電極15を発光素子の陽極として用いる場合、正孔注入性の高い材料で形成することが望ましいが、例えばアルミニウム合金のような仕事関数の大きさが比較的小さい材料も、正孔注入層171を適切に形成することによって陽極として用いることが可能である。
正孔輸送層172は、各発光素子に共通して設けられる。正孔輸送層172は、発光層173への正孔輸送効率を向上させる機能を有する。正孔輸送層172を形成する材料としては、有機溶媒に可溶な発光材料、例えば、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、またはポリピロールなどが用いられうる。正孔輸送層172の厚みは、例えば10nm〜200nm程度であり、15nm〜150nm程度であることがより望ましい。
ここで、正孔輸送層172が高分子材料によって形成される場合、重量平均分子量(Mw)は、例えば50000〜300000程度であり、100000〜200000程度であることがより望ましい。Mwが50000未満である場合、発光層173を形成するときに高分子材料中の低分子成分が脱落して正孔注入層171および正孔輸送層172にドットが生じ、発光素子の初期性能が低下したり素子の劣化を引き起こしたりする可能性がある。また、Mwが300000を超える場合、材料のゲル化によって成膜が困難になる可能性がある。
発光層173、すなわち赤色発光層173R、緑色発光層173G、および青色発光層173Bは、電界がかけられることによって電子と正孔との再結合を生じて発光する。赤色発光層173Rは、基板11上の第1の領域R1に設けられる。緑色発光層173Gは、基板11上の第2の領域R2に設けられる。青色発光層173Bは、基板11上の第3の領域R3に設けられる。赤色発光層173Rは、例えば620nm〜750nmの範囲に少なくとも1つのピーク波長を有する発光材料で形成される。緑色発光層173Gは、例えば495nm〜570nmの範囲に少なくとも1つのピーク波長を有する発光材料で形成される。また、青色発光層173Bは、例えば450nm〜495nmの範囲に少なくとも1つのピーク波長を有する発光材料で形成される。
より具体的には、発光層173は、高分子(発光)材料に低分子材料(モノマーまたはオリゴマー)を添加した混合材料によって形成されうる。例えば、発光層173は、ポリフルオレン系高分子誘導体、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、または上記の高分子材料に、有機EL材料をドープすることによって形成される。ドープ材料としては、例えば、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、またはクマリン6などが用いられうる。発光層173の厚みは、例えば10nm〜200nm程度であり、15nm〜100nmであることがより望ましい。
本実施形態において、赤色発光層173R、緑色発光層173G、および青色発光層173Bは、いずれも、転写体上の転写パターンを基板11上の所定の領域に転写することによって形成される。このとき、上記のように、平坦化絶縁膜14によって形成される段差によって、第1の領域R1に転写される赤色発光層173Rが第2の領域R2および第3の領域R3に付着すること、および第2の領域R2に転写される緑色発光層173Gが第3の領域R3に付着することが防止される。
電子注入層175は、各発光素子に共通して設けられる。電子注入層175は、電子注入効率を向上させる機能を有する。電子注入層175の材料としては、例えば、リチウム(Li)の酸化物である酸化リチウム(LiO)や、セシウム(Cs)の複合酸化物である炭酸セシウム(CsCO)、またはこれらの混合物が用いられうる。また、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)などのアルカリ土類金属、リチウム、セシウムなどのアルカリ金属、インジウム(In)、またはマグネシウム(Mg)などの仕事関数の小さい金属が、単体あるいは合金で用いられてもよい。さらに、これらの金属の酸化物、複合酸化物、フッ化物が、単体あるいは混合物として用いられてもよい。
上部電極18は、発光素子の陰極であり、各発光素子に共通して電子注入層175上に設けられる。つまり、上部電極18は、赤色発光素子10R、緑色発光素子10G、および青色発光素子10Bの共通電極である。上述のように、上部電極18と下部電極15とは絶縁されている。上部電極18は、例えば200nmの厚みでアルミニウム(Al)によって形成されうる。
(接着層および封止基板)
上部電極18上には、熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂などの接着層22が形成され、接着層22上にガラスなどの封止用基板21が接着される。上記のように、有機ELディスプレイ100はボトムエミッション型であるが、これをトップエミッション型とすることも可能である。その場合、カラーフィルタ基板が封止用基板21として用いられてもよい。
なお、図示されていないが、上部電極18と接着層22との間には、各発光素子に共通して保護層が設けられてもよい。保護層は、例えば、アモルファスシリコン(α−シリコン)、アモルファス炭化シリコン(α−SiC)、アモルファス窒化シリコン(α−Si1−xNx)あるいはアモルファスカーボン(α−C)などの無機アモルファス性の絶縁性材料で形成されうる。上記の材料で保護層を形成した場合、グレインが構成されないため、保護層の透水性が低くなり、保護膜としての特性が向上する。なお、保護層は、他の絶縁性材料または導電性材料で形成されてもよい。
(1−2.表示装置の製造方法)
次に、図5〜図7を参照して、本開示の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法について説明する。図5は、製造方法のフローチャートである。図6は、製造方法の各工程での表示装置の状態を示す図である。図7は、製造方法における発光層の転写についてより詳しく説明するための図である。以下では、図5に沿って製造方法を説明しつつ、図6および図7を適宜参照する。
(TFT基板工程〜正孔輸送層の形成)
図5を参照すると、本実施形態に係る表示装置である有機ELディスプレイ100の製造方法では、まず、TFT基板工程が実行される(ステップS101)。TFT基板工程は、基板11上にTFT層13、平坦化絶縁膜14、下部電極15、および開口絶縁膜16を形成する処理である。
このうち、平坦化絶縁膜14は、例えば感光性ポリイミドを用いて形成される。この場合、まず、感光性ポリイミドで形成された絶縁膜をTFT層13上に配置し、接続孔14Hに対応する部分に開口を有するマスクを用いて露光する。次に、第2の領域R2および第3の領域R3に対応する部分に開口を有するマスクを用いてハーフ露光する。次に、第3の領域R3に対応する部分に開口を有するマスクを用いてさらにハーフ露光する。これによって、接続孔14Hが形成され、第1の領域R1での厚みd1が第2の領域R2での厚みd2よりも大きく、第2の領域R2での厚みd2が第3の領域R3での厚みd3よりも大きい平坦化絶縁膜14が形成される。
また、下部電極15は、例えば、基板11上に形成されたITOなどの透明導電膜をパターニングすることによって形成される。このとき、下部電極15は、平坦化絶縁膜14の接続孔14Hを介して、TFT層13にある駆動トランジスタTr1のドレイン電極に接続される。
また、開口絶縁膜16は、例えば、基板11上に化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)によって酸化ケイ素などの無機絶縁材料を成膜した後、これに感光性樹脂を積層させてパターニングすることによって形成される。
開口絶縁膜16の形成後、基板11の表面、つまり下部電極15および開口絶縁膜16が形成された側の面を酸素プラズマ処理する。これによって、基板11の表面に付着した不要な有機物などが除去され、濡れ性が向上する。酸素プラズマ処理では、例えば、基板11を70℃〜80℃程度の所定の温度に加熱し、大気圧下で酸素を反応ガスとしてプラズマ処理する(Oプラズマ処理)。以上で、ステップS101のTFT基板工程が終了する。
次に、基板11上に正孔注入層(HIL)171を形成する(ステップS103)。ここで、正孔注入層171は、例えばスピンコート法によって上記の材料を下部電極15および開口絶縁膜16の上に成膜し、大気中で1時間ベークすることによって形成される。
次に、基板11上に正孔輸送層(HTL)172を形成する(ステップS105)。ここで、正孔輸送層172は、例えばスピンコート法によって上記の材料を正孔注入層171上に成膜し、窒素(N)雰囲気下、180℃で1時間ベークすることによって形成される。
図6の(a)には、以上のステップS105までの工程が終了した状態が示されている。上記のように、ここまでの工程では、段差形成部材である平坦化絶縁膜14によって各領域の間に段差が形成され、その上に下部電極15、開口絶縁膜16、正孔注入層171、および正孔輸送層172が各領域に共通して形成される。
それゆえ、基板11上の正孔輸送層172の表面は、平坦化絶縁膜14によって形成された段差に対応した段差を有する。つまり、第1の領域R1の正孔輸送層172の表面は、第2の領域R2の正孔輸送層172の表面よりも(d1−d2)だけ高い。また、第2の領域R2の正孔輸送層172の表面は、第3の領域R3の正孔輸送層172の表面よりも(d2−d3)だけ高い。
(赤色発光層の形成)
次に、赤色発光層173Rを、基板11上に転写する(ステップS107)。本実施形態では、発光層173の転写に反転オフセット印刷法が用いられる。
図7には、反転オフセット印刷法を用いて赤色発光層173Rを基板11上に転写する工程の例が示されている。なお、緑色発光層173G、および青色発光層173Bも、同様の工程によって基板11上に転写される。
まず、(a)に示されるように、転写体であるブランケット41の表面に赤色発光層173Rを塗布したものを、基板11上の第1の領域R1に対応する転写パターンが凹部として形成された版49に加圧接触させる。これによって、転写パターン以外の部分の赤色発光層173Rが版49に転移して取り除かれ、ブランケット41の表面には、赤色発光層173Rの転写パターンが形成される。
ここで、ブランケット41は、表面がシリコンゴム(例えばSTD700:藤倉ゴム工業)で形成され、円筒状のロール42に巻回されている。赤色発光層173Rの材料は、有機溶媒に溶解され、スリットコートダイ43を用いてブランケット41の表面に均一に塗布される。
次に、(b)に示されるように、ブランケット41の表面に形成された赤色発光層173Rの転写パターンを、基板11上の第1の領域R1に対応するようにアライメントさせた後、基板11上でロール42を転動させ、赤色発光層173Rの転写パターンを基板11上に転写する。
一方、版49には、(a)でブランケット41の表面から取り除いた赤色発光層173Rが付着しているため、図示しない版洗浄装置を用いて洗浄および乾燥させることによって、赤色発光層173Rを取り除く。版洗浄装置としては、例えば、スピン式洗浄機、ディップ式洗浄機、スプレー式洗浄機などが用いられうる。
図6の(b)には、ステップS107で赤色発光層173Rが転写されているときの状態が示されている。上記のように、赤色発光層173Rは、ブランケット41上に形成された転写パターンによって第1の領域R1の正孔輸送層172上に転写される。このとき、正孔輸送層172の表面に形成されている段差のために、第1の領域R1は、他の領域に比べて凸になっている。そのため、第2の領域R2および第3の領域R3では、ブランケット41が正孔輸送層172に接触しない。
上述のように、ブランケット41上の赤色発光層173Rの転写パターンは、ブランケット41の表面全体に赤色発光層173Rを塗布した後、版49への加圧接触によって転写パターン以外の部分を取り除くことによって形成される。つまり、ブランケット41の表面では、転写パターン以外の部分にも、一旦は赤色発光層173Rが塗布されている。それゆえ、版49を用いて赤色発光層173Rが取り除かれた部分、すなわち基板11上の第2の領域R2および第3の領域R3に対応する部分でも、ブランケット41に赤色発光層173Rが浸透または残留している可能性がある。
この浸透または残留した赤色発光層173Rが、基板11上の第2の領域R2や第3の領域R3に付着した場合、その後に形成される緑色発光層173Gや青色発光層173Bとの間で混色が発生する。発光層173として複数の発光材料が存在する場合、励起エネルギー準位の低い長波長側の発光材料から発光する確率が高くなる。つまり、赤色発光層173Rは、緑色発光層173Gや青色発光層173Bよりも発光しやすい。それゆえ、赤色発光層173Rが緑色発光層173Gや青色発光層173Bに混色すると、緑色発光層173Gや青色発光層173Bの発光色度が変わったり、発光効率が低下したりする可能性が高い。
ここで、赤色発光層173Rの厚みは、例えば10nm〜200nm程度であり、非常に薄い。従って、ブランケット41上に形成された転写パターンによって赤色発光層173Rを基板11上に転写するときには、ブランケット41上の転写パターン以外の部分も、転写パターンが形成された部分とほぼ同程度まで基板11に接近することになる。そのため、正孔輸送層172の表面に段差が形成されておらず、全体が平坦な状態である場合、第2の領域R2や第3の領域R3で、ブランケット41が正孔輸送層172の表面に接触し、ブランケット41に浸透または残留した赤色発光層173Rの一部が正孔輸送層172上に付着する可能性がある。
それゆえ、本実施形態では、上記のように段差形成部材である平坦化絶縁膜14を用いて正孔輸送層172の表面に段差を形成する。この段差によって、第1の領域R1への赤色発光層173Rの転写時に、ブランケット41が第2の領域R2や第3の領域R3に接触して、これらの領域に赤色発光層173Rが付着することが防止される。
(緑色発光層の形成)
次に、緑色発光層173Gを、赤色発光層173Rと同様にして基板11上に転写する(ステップS109)。
図6の(c)には、ステップS109で緑色発光層173Gが転写されているときの状態が示されている。緑色発光層173Gは、赤色発光層173Rと同様に、ブランケット41上に形成された転写パターンによって第2の領域R2の正孔輸送層172上に転写される。このとき、正孔輸送層172の表面に形成される段差のために、第2の領域R2は、第3の領域R3に比べて高くなっている。そのため、第3の領域R3では、ブランケット41が正孔輸送層172に接触しない。従って、ブランケット41の転写パターン以外の部分に緑色発光層173Gが浸透または残留していたとしても、第3の領域R3に緑色発光層173Gが付着することが防止される。
一方、正孔輸送層172の表面に形成される段差のために、第2の領域R2は、第1の領域R1に比べて低くなっている。そのため、緑色発光層173Gを転写によって形成する工程では、ブランケット41上の転写パターンが、第1の領域R1と第2の領域R2との間の段差を越えて第2の領域R2の正孔輸送層172に接触するように、ブランケット41の基板11への接触圧力を調整する。より具体的には、緑色発光層173Gを転写するときのブランケット41の接触圧力は、赤色発光層173Rを転写するときの接触圧力よりも大きくなるように調整される。
なお、このとき、ブランケット41は、当然に、第1の領域R1に既に形成された赤色発光層173R(または、赤色発光層173Rが後で形成される場合には第1の領域R1の正孔輸送層172)に接触する。それゆえ、第1の領域R1には、ブランケット41に浸透または残留した緑色発光層173Gが付着する可能性がある。しかしながら、上述のように、赤色発光層173Rは、緑色発光層173Gよりも光の波長が長く、発光しやすい。従って、赤色発光層173Rが設けられる第1の領域R1に緑色発光層173Gが付着しても、混色が発生する可能性は低い。
このように、本実施形態では、基板11上に形成される段差の下段にあたる領域に、より発光波長が短く、発光しにくい発光層173が形成される。本実施形態の例でいえば、第2の領域R2に形成される緑色発光層173Gの発光波長は、第1の領域R1に形成される赤色発光層173Rの発光波長よりも短い。また、第3の領域R3に形成される青色発光層173Bの発光波長は、第2の領域に形成される緑色発光層173Gの発光波長よりも短い。
これによって、より発光しにくい発光層173が形成される領域に、より発光しやすい別の発光層173が付着して混色が発生することが防止される。また、段差の下段にあたる領域に発光層173を転写するときには、段差を越えてブランケット41上の転写パターンを下段側の領域に接触させることになるが、段差の上段にあたる領域に形成される別の発光層173がより発光しやすいものであれば、上段側にブランケット41が接触することで混色が発生する可能性が低くなる。
(青色発光層の形成)
次に、青色発光層173Bを、赤色発光層173Rおよび緑色発光層173Gと同様に基板11上に転写する(ステップS111)。
図6の(d)には、ステップS111で青色発光層173Bが転写されているときの状態が示されている。青色発光層173Bも、赤色発光層173Rおよび緑色発光層173Gと同様に、ブランケット41上に形成された転写パターンによって第3の領域R3の正孔輸送層172上に転写される。
ここで、正孔輸送層172の表面に形成される段差のために、第3の領域R3は、他の領域に比べて凹になっている。そのため、青色発光層173Bを転写によって形成する工程では、ブランケット41上の転写パターンが、第1の領域R1と第2の領域R2との間の段差、および第2の領域R2と第3の領域R3との間の段差を越えて第3の領域R3の正孔輸送層172に接触するように、ブランケット41の接触圧力を調整する。より具体的には、青色発光層173Bを転写するときのブランケット41の接触圧力は、緑色発光層173Gを転写するときの接触圧力よりもさらに大きくなるように調整される。
次に、ステップS107〜S111でそれぞれ転写された赤色発光層173R、緑色発光層173G、および青色発光層173Bを、例えば窒素雰囲気下、130℃で2時間ベークすることによって乾燥させる(ステップS113)。
(共通層の形成〜封止)
次に、発光層173が形成された基板11上に、共通層を蒸着する(ステップS115)。本実施形態において、共通層は、電子注入層175および上部電極18である。これらの共通層は、同一の成膜装置内で連続して形成されることが望ましい。それぞれの層の形成の間に基板11が大気に曝露されると、大気中の水分によって材料の劣化が生じる可能性があるためである。なお、この工程で、上部電極18の上に保護層が形成されてもよい。
次に、上記の工程によって形成された各層を、封止用基板21によって封止する(ステップS117)。より具体的には、ステップS115で形成された共通層の上に、接着層22の樹脂などを塗布した後、封止用基板21をアライメントして貼り合わせ、接着層22を硬化させる。
以上の工程によって、有機ELディスプレイ100が完成する。
(1−3.電子機器への適用)
次に、図8を参照して、本開示の第1の実施形態に係る表示装置を有する電子機器の構成について説明する。図8は、電子機器の構成を示す概略的なブロック図である。
図8を参照すると、電子機器1000は、有機ELディスプレイ100、制御回路500、操作部600、記憶部700、および通信部800を含む。電子機器1000は、例えば、テレビジョン、携帯電話(スマートフォン)、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータなど、表示部として有機ELディスプレイ100を有する何らかの機器である。
制御回路500は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read Only Memory)などによって構成され、電子機器1000の各部を制御する。有機ELディスプレイ100も、この制御回路500によって制御される。
操作部600は、例えばタッチパッド、ボタン、キーボード、またはマウスなどによって構成され、電子機器1000に対するユーザの操作入力を受け付ける。制御回路500は、操作部600が取得した操作入力に従って電子機器1000を制御する。
記憶部700は、例えば半導体メモリ、磁気ディスク、または光ディスクなどによって構成され、電子機器1000が機能するために必要な各種のデータを格納する。制御回路500は、記憶部700に格納されたプログラムを読み出して実行することによって動作してもよい。
通信部800は、付加的に設けられる。通信部800は、有線または無線のネットワーク900に接続される通信インターフェースであり、例えばモデムやポート、またはアンテナなどによって構成される。制御回路500は、通信部800を介して、ネットワーク900からデータを受信し、またネットワーク900にデータを送信する。
上記で説明した有機ELディスプレイ100だけではなく、これを有する電子機器1000もまた、本開示の実施形態に含まれる。
(1−4.変形例)
以上で説明した本開示の第1の実施形態の変形例について説明する。
例えば、上述したように、有機ELディスプレイ100は、図示されていないカラーフィルタや保護層など、他の構成要素を含んで構成されてもよい。有機ELディスプレイ100は、図示された例のようなボトムエミッション型には限られず、トップエミッション型であってもよい。また、画素駆動回路140は、アクティブ型の駆動回路には限られず、パッシブ型の駆動回路であってもよい。
また、上記の例では、発光層173が、赤色発光層173R、緑色発光層173G、青色発光層173Bの順で形成されたが、この順序は任意である。すなわち、赤色発光層173Rよりも先に緑色発光層173Gが形成されてもよく、また緑色発光層173Gよりも先に青色発光層173Bが形成されてもよい。本実施形態において、発光層173が転写時に他の領域に付着することを防止するという作用は、発光層173の形成順序には依存しない。
また、上記の例では、第1の領域R1に形成される赤色発光層173Rが、ブランケット41上に形成された転写パターンによって転写されるが、赤色発光層173Rに限って、転写パターンを形成しなくてもよい。上述のように、第1の領域R1は、他の領域に比べて凸になっている。そのため、例えば赤色発光層173Rがブランケット41上にべた塗りされたままの状態でも、ブランケット41の接触圧力を適切に調整すれば、赤色発光層173Rを第1の領域R1だけに転写することが可能である。この場合、赤色発光層173Rの形成工程では、版49を用いなくてもよく、版49の洗浄工程も不要である。
また、上記の例では、段差形成部材として平坦化絶縁膜14が用いられたが、他の部材が段差形成部材として用いられてもよい。例えば、基板11上にカラーフィルタが設けられる場合、カラーフィルタの有無、または厚みの差によって上記の段差が形成されてもよい。また、TFT層13の表面の凹凸が、上記の段差として利用されてもよい。さらに、正孔注入層171もしくは正孔輸送層172の厚みの差、または開口絶縁膜16のリブによって上記の段差が形成されてもよい。つまり、段差形成部材としては、発光層173よりも基板11側に位置するあらゆる構成要素を利用することが可能である。なお、カラーフィルタを利用する例、およびTFT層13を利用する例については、続く第2の実施形態の変形例としてより詳しく説明する。
(2.第2の実施形態)
(2−1.表示装置の構成)
次に、図9を参照して、本開示の第2の実施形態に係る表示装置の構成について説明する。図9は、表示装置の表示領域について説明するための図である。
本実施形態に係る表示装置は、有機ELディスプレイ200である。なお、表示装置の全体構成、および表示領域の平面構成について、本実施形態における構成は上記の第1の実施形態で図1〜図3を参照して説明した構成とほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。
図9に示すように、基板11上には、基板11側から順に、TFT層13、平坦化絶縁膜14、下部電極15、開口絶縁膜16、有機層27、上部電極18、接着層22、および封止用基板21が設けられる。このうち、有機層27以外について、本実施形態における構成は上記の第1の実施形態で図4を参照して説明した構成とほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。
有機層27は、基板11側から順に、正孔注入層(HIL)171、正孔輸送層(HTL)172、発光層(EML)273、電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)274、および電子注入層(EIL)175を含む。発光層273として、赤色発光素子10Rでは赤色発光層273Rが、緑色発光素子10Gでは緑色発光層273Gがそれぞれ設けられる。また、青色発光素子10Bを含む各発光素子に共通して、青色発光層273Bが設けられる。
なお、正孔注入層171、正孔輸送層172、および電子注入層175については、上記の第1の実施形態とほぼ同様の構成要素であるため、詳細な説明を省略する。また、赤色発光層273Rおよび緑色発光層273Gは、第1の実施形態の赤色発光層173Rおよび緑色発光層173Gとほぼ同様の構成要素であるため、これらについても詳細な説明を省略する。
青色発光層273Bは、他の発光層と同様に、電界がかけられることによって電子と正孔との再結合を生じて発光する。青色発光層273Bは、例えば450nm〜495nmの範囲に少なくとも1つのピーク波長を有する発光材料で形成される。より具体的には、青色発光層273Bは、ホスト材料としてのアントラセン化合物に、ゲスト材料として青色もしくは緑色の低分子蛍光性色素、りん光色素、または金属錯体などの有機発光材料をドーピングすることによって形成されうる。
本実施形態では、赤色発光層273Rおよび緑色発光層273Gが転写によって形成されるのに対し、青色発光層273Bは、例えば蒸着などによって、第1の領域R1、第2の領域R2、および第3の領域R3に共通して形成される。つまり、本実施形態では、基板11上の第3の領域R3には、発光層273が転写ではなく蒸着によって形成される。このような場合でも、第1の実施形態の場合と同様に、第3の領域R3に赤色発光層273Rや緑色発光層273Gが付着すると、混色が発生する可能性がある。
それゆえ、本実施形態でも、段差形成部材である平坦化絶縁膜14を用いて正孔輸送層172の表面に段差を形成し、第1の領域R1への赤色発光層273Rの転写時や、第2の領域R2への緑色発光層273Gの転写時に、ブランケット41が第3の領域R3に接触して第3の領域R3にこれらの発光層が付着することを防止する。
電子輸送層274は、各発光素子に共通して設けられる。電子輸送層274は、発光層273への電子輸送効率を向上させる機能を有する。電子輸送層274の材料としては、例えば、キノリン、ペリレン、フェナントロリン、フェナントレン、ピレン、ビススチリル、ピラジン、トリアゾール、オキサゾール、フラーレン、オキサジアゾール、フルオレノン、アントラセン、ナフタレン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン、またはこれらの誘導体や金属錯体、例えばトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)などが用いられうる。
(2−2.表示装置の製造方法)
次に、図10および図11を参照して、本開示の第2の実施形態に係る表示装置の製造方法について説明する。図10は、製造方法のフローチャートである。図11は、製造方法の各工程での表示装置の状態を示す図である。以下では、図10に沿って製造方法を説明しつつ、図11を適宜参照する。
(TFT基板工程〜正孔輸送層の形成)
図10を参照すると、本実施形態に係る表示装置である有機ELディスプレイ200の製造方法では、ステップS101〜S105として、上記の第1の実施形態で図5を参照して説明した工程と同様にして、基板11上にTFT層13、平坦化絶縁膜14、下部電極15、開口絶縁膜16、正孔注入層(HIL)171、および正孔輸送層(HTL)172が形成される。
図11の(a)には、以上のステップS105までの工程が終了した状態が示されている。ここまでの工程では、第1の実施形態と同様に、段差形成部材である平坦化絶縁膜14によって各領域の間に段差が形成され、その上に下部電極15、開口絶縁膜16、正孔注入層171、および正孔輸送層172が各領域に共通して形成される。
(赤色発光層および緑色発光層の形成)
次に、赤色発光層273R、および緑色発光層273Gを、それぞれ基板11上に転写して形成する(ステップS107,S109)。これらの工程も、第1の実施形態と同様である。
図11の(b)には、ステップS107で赤色発光層173Rが転写されているときの状態が示され、(c)には、ステップS109で緑色発光層173Gが転写されているときの状態が示されている。本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、平坦化絶縁膜14によって基板11上に形成される段差によって、第2の領域R2に赤色発光層273Rが付着することが防止され、また第3の領域R3に赤色発光層273Rや緑色発光層273Gが付着することが防止される。
次に、ステップS107,S109でそれぞれ転写された赤色発光層273Rおよび緑色発光層273Gを、例えば、窒素雰囲気下、130℃で2時間ベークすることによって乾燥させる(ステップS113)。
(共通層の形成〜封止)
次に、赤色発光層273Rおよび緑色発光層273Gが形成された基板11上に、共通層を蒸着する(ステップS215)。本実施形態において、共通層は、青色発光層273B、電子輸送層274、電子注入層175、および上部電極18である。図11の(d)には、ステップS215で青色発光層273Bを蒸着したときの状態が示されている。第1の実施形態と同様に、これらの共通層は、同一の成膜装置内で連続して形成されることが望ましい。また、この工程で、上部電極18の上に保護層が形成されてもよい。
次に、上記の工程によって形成された各層を、第1の実施形態と同様に、封止用基板21によって封止する(ステップS117)。以上の工程によって、有機ELディスプレイ200が完成する。
なお、上記の第1の実施形態の場合と同様に、有機ELディスプレイ200を有する電子機器もまた、本開示の実施形態に含まれる。
(2−3.変形例)
以上で説明した本開示の第2の実施形態の変形例について説明する。
(段差形成部材としてカラーフィルタを用いる例)
図12は、本実施形態において、段差形成部材として平坦化絶縁膜14に代えてカラーフィルタ12を用いる変形例を示す図である。
図12を参照すると、カラーフィルタ12は、例えばTFT層13と平坦化絶縁膜14との間に設けられるオンチップカラーフィルタである。カラーフィルタ12は、赤色発光素子10Rに対応する赤色フィルタ12R、緑色発光素子10Gに対応する緑色フィルタ12G、および青色発光素子10Bに対応する青色フィルタ12Bを含む。ここで、第1の領域R1に設けられる赤色フィルタ12Rの厚みt1は、第2の領域R2に設けられる緑色フィルタ12Gの厚みよりも大きい。また、第2の領域R2に設けられる緑色フィルタ12Gの厚みt2は、第3の領域R3に設けられる青色フィルタ12Bの厚みt3よりも大きい。
これによって、第1の領域R1と第2の領域R2との間には、大きさが(t1−t2)の段差が形成される。また、第2の領域R2と第3の領域R3との間には、大きさが(t2−t3)の段差が形成される。つまり、本変形例では、カラーフィルタ12が、段差形成部材として機能する。
なお、上記の例では、赤色フィルタ12R、緑色フィルタ12G、および青色フィルタ12Bのすべてが設けられるが、例えばこのうち青色フィルタ12Bが設けられなくてもよい。この場合、第2の領域R2と第3の領域R3との間には、大きさがt2の段差が形成される。このように、カラーフィルタ12は、それぞれの領域における厚みが異なることによって段差を形成してもよいし、段差の上段にあたる領域に限って設けられることによって段差を形成してもよい。
このように、段差形成部材としてカラーフィルタ12を用いる場合、平坦化絶縁膜14に段差を形成する工程が不要になる。また、カラーフィルタが必要な場合に、カラーフィルタ基板のような別途のカラーフィルタを設けなくてもよい。
(段差形成部材としてTFT層を用いる例)
図13は、本実施形態において、段差形成部材として平坦化絶縁膜14に代えてTFT層13を用いる変形例を示す図である。
図13を参照すると、本変形例では、TFT層13の表面の凹凸が、基板11上に段差を形成するために利用される。この凹凸は、例えば、TFT層13に形成される画素駆動回路140に含まれるトランジスタやキャパシタによって形成される。この凹凸が、基板11上に所望の段差を形成するように画素駆動回路140を設計すれば、TFT層13を段差形成部材として用いることも可能である。
このように、段差形成部材としてTFT層13を用いる場合、平坦化絶縁膜14に段差を形成する工程が不要になる。また、カラーフィルタは任意の形状で設けてもよいし設けなくてもよい、といったように、他の構成要素の設計の自由度が向上する。
なお、この他に、上記で第1の実施形態の変形例として説明されたそれぞれの構成も、本実施形態に適用することが可能である。
(3.第3の実施形態)
(3−1.表示装置の構成)
次に、図14を参照して、本開示の第3の実施形態に係る表示装置の構成について説明する。図14は、表示装置の表示領域について説明するための図である。
本実施形態に係る表示装置は、有機ELディスプレイ300である。なお、表示装置の全体構成、および表示領域の平面構成について、本実施形態における構成は上記の第1の実施形態で図1〜図3を参照して説明した構成とほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。
図14に示すように、基板11上には、基板11側から順に、TFT層13、平坦化絶縁膜34、下部電極15、開口絶縁膜16、有機層37、上部電極18、接着層22、および封止用基板21が設けられる。このうち、平坦化絶縁膜34および有機層37以外について、本実施形態における構成は上記の第1の実施形態で図4を参照して説明した構成とほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。
有機層37は、基板11側から順に、正孔注入層(HIL)171、正孔輸送層(HTL)172、発光層(EML)373、および電子注入層(EIL)175を含む。発光層373として、赤色発光素子10Rおよび緑色発光素子10Gでは黄色発光層373Yが、青色発光素子10Bでは青色発光層373Bが、それぞれ設けられる。
なお、正孔注入層171、正孔輸送層172、および電子注入層175については、上記の第1の実施形態とほぼ同様の構成要素であるため、詳細な説明を省略する。また、青色発光層373Bは、第1の実施形態の青色発光層173Bとほぼ同様の構成要素であるため、これについても詳細な説明を省略する。
黄色発光層373Yは、電界がかけられることによって電子と正孔との再結合を生じて発光する。黄色発光層373Yは、赤色発光素子10Rおよび緑色発光素子10Gが形成される基板11上の第1の領域R1に設けられる。なお、本実施形態では、発光層373が黄色発光層373Yおよび青色発光層373Bの2種類しか設けられないため、基板11上で黄色発光層373Yが設けられる領域を第1の領域R1、青色発光層373Bが設けられる領域を第2の領域R2とする。
なお、黄色発光層373Yは、例えば500nm〜750nmの範囲に少なくとも1つのピークを有する発光材料で形成される。黄色発光層373Yの具体的な材料は、第1の実施形態の発光層173と同様である。また、黄色発光層373Yは、発光層173と同様に、ブランケット上の転写パターンを基板11上の所定の領域に転写することによって形成される。黄色発光層373Yの光は、基板11上に設けられるカラーフィルタ(図示せず)、例えば赤色発光素子10Rに対応して設けられる赤色カラーフィルタ、および緑色発光素子10Gに対応して設けられる緑色カラーフィルタを透過することによって、赤色または緑色の光として取り出される。
平坦化絶縁膜34は、第1の実施形態の平坦化絶縁膜14と同様に、TFT層13の表面を平坦化し、また基板11上に段差を形成する。黄色発光層373Yが形成される第1の領域R1での平坦化絶縁膜34の厚みd1は、青色発光層373Bが形成される第2の領域R2での平坦化絶縁膜34の厚みd2よりも大きい。これによって、第1の領域R1と第2の領域R2との間には、大きさが(d1−d2)の段差が形成される。この段差によって、第1の領域R1に転写される黄色発光層373Yが第2の領域R2に付着することが防止される。
上述のように、本実施形態では、発光層373が2種類しか設けられない。そのため、段差生成部材である平坦化絶縁膜34によって形成される基板11上の段差も、第1の実施形態では3段であったのに対して本実施形態では2段である。このように、本開示の実施形態では、基板上に形成される段差の数は、発光層の種類の数に対応する。かかる段差を、より発光波長が長く発光しやすい発光層がより上の段に配置されるように形成することによって、発光層の間での混色を効果的に防ぐことができる。
なお、有機ELディスプレイ300は、上記で図5を参照して説明された第1の実施形態の製造方法のうち、赤色発光層および緑色発光層を形成するステップS107,S109の2つの工程を、黄色発光層373Yを形成する1つの工程に置き換えた製造方法によって製造される。
また、上記の第1の実施形態の場合と同様に、有機ELディスプレイ300を有する電子機器もまた、本開示の実施形態に含まれる。
(3−2.変形例)
以上で説明した本開示の第3の実施形態の変形例について説明する。
例えば、上述したように、有機ELディスプレイ300は、図示されていないカラーフィルタや保護層など、他の構成要素を含んで構成されてもよい。なお、本実施形態のように黄色発光層373Yを設ける場合、上記の例のように赤色、緑色、青色の3原色表示をするためには、赤色および緑色についてカラーフィルタが必要である。しかし、例えば黄色、青色の2原色表示をする場合であれば、カラーフィルタを設けずに黄色発光層373Yの光をそのまま取り出してもよい。
また、上記の例では、青色発光層373Bが転写によって形成されたが、青色発光層373Bは、第2の実施形態の青色発光層273Bのように、共通層として蒸着などによって形成されてもよい。
なお、この他に、上記で第1の実施形態または第2の実施形態の変形例として説明されたそれぞれの構成も、本実施形態に適用することが可能である。
(4.補足)
以上で説明した実施形態は、いずれも、表示装置である有機ELディスプレイ、およびそれを有する電子機器に係る実施形態であったが、本開示の実施形態は、表示装置や電子機器に係るものには限られない。上述のように、反転オフセット印刷法のような印刷法は、有機ELディスプレイの発光層の印刷のみならず、いわゆるプリンテッドエレクトロニクスの分野全体に適用されうる。それゆえ、本開示の技術も、例えば、プリント基板の配線/絶縁パターン、フォトリソグラフィ工程で用いられるフォトレジスト、ディスプレイ用のカラーフィルタ、および有機TFTの有機層などの印刷に応用することが可能である。
この場合、例えば、基板上に転写されるのは発光層には限らない。発光層でなくても、複数の転写層の間での材料の混合は、例えば装置の性能に影響を及ぼしうる。従って、基板上に形成される複数の転写層の間での混合を防ぐことが可能な本開示の技術は、例えば上記のような装置、およびかかる装置を製造するための転写印刷方法としても実施されうる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)基板上の第1の領域に転写される第1の発光層と、
前記基板上の第2の領域に転写される第2の発光層と、
前記第1の領域と前記第2の領域との間に、前記第1の発光層が転写されるときに前記第2の領域に付着することを防ぐ段差を形成する段差形成部材と
を備える表示装置。
(2)前記第2の発光層の発光波長は、前記第1の発光層の発光波長よりも短い、前記(1)に記載の表示装置。
(3)前記段差形成部材は、前記第2の領域と基板上の第3の領域との間に、前記第2の発光層が転写されるときに前記第3の領域に付着することを防ぐ段差を形成する、前記(1)または(2)に記載の表示装置。
(4)前記第3の領域に形成される第3の発光層をさらに備える、前記(3)に記載の表示装置。
(5)前記第3の発光層は、前記第3の領域に転写される、前記(4)に記載の表示装置。
(6)前記第3の発光層は、前記第1の領域、前記第2の領域、および前記基板上の第3の領域に共通して形成される、前記(4)に記載の表示装置。
(7)前記第3の発光層の発光波長は、前記第2の発光層の発光波長よりも短い、前記(4)〜(6)のいずれか1項に記載の表示装置。
(8)前記段差形成部材は、前記基板と前記第1の発光層および前記第2の発光層との間に設けられる平坦化絶縁膜である、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の表示装置。
(9)前記段差は、前記平坦化絶縁膜の前記第1の領域での厚みが前記第2の領域での厚みよりも大きいことによって形成される、前記(8)に記載の表示装置。
(10)前記段差形成部材は、前記基板と前記第1の発光層との間に設けられる第1のカラーフィルタ、および前記基板と前記第2の発光層との間に設けられる第2のカラーフィルタであり、
前記段差は、前記第1のカラーフィルタの厚みが前記第2のカラーフィルタの厚みよりも大きいことによって形成される、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の表示装置。
(11)前記段差形成部材は、前記基板と第1の発光層との間に設けられるカラーフィルタである、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の表示装置。
(12)前記段差形成部材は、前記基板と前記第1の発光層および前記第2の発光層との間に設けられる薄膜トランジスタ層であり、
前記段差は、前記薄膜トランジスタ層の表面の凹凸によって形成される、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の表示装置。
(13)前記段差の高さは、前記第2の領域の幅の1/100以上、または500nm以上である、前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の表示装置。
(14)基板上の第1の領域に第1の発光層を転写しつつ、前記第1の領域と前記基板上の第2の領域との間に形成された段差によって前記第1の発光層が前記第2の領域に付着することを防ぐ工程と、
前記第2の領域に第2の発光層を転写する工程と、
を含む表示装置の製造方法。
(15)前記第2の発光層は、転写体上に形成された転写パターンによって前記第2の領域に転写され、
前記第2の発光層を転写するときに、前記転写パターンが前記第2の領域に接触するように前記転写体の接触圧力を調整する
前記(14)に記載の表示装置の製造方法。
(16)前記第2の発光層を転写するときに、前記第2の領域と前記基板上の第3の領域との間に形成された段差によって前記第2の発光層が前記第3の領域に付着することを防ぐ、前記(14)または(15)に記載の表示装置の製造方法。
(17)前記第3の領域に第3の発光層を形成する工程をさらに含む、前記(16)に記載の表示装置の製造方法。
(18) 基板上の第1の領域に転写される第1の発光層と、
前記基板上の第2の領域に転写される第2の発光層と、
前記第1の領域と前記第2の領域との間に、前記第1の発光層が転写されるときに前記第2の領域に付着することを防ぐ段差を形成する段差形成部材と
を含む表示装置
を備える電子機器。
(19)基板上の第1の領域に転写される第1の転写層と、
前記基板上の第2の領域に形成される第2の転写層と、
前記第1の領域と前記第2の領域との間に、前記第1の転写層が転写されるときに前記第2の領域に付着することを防ぐ段差を形成する段差形成部材と
を備える装置。
(20)基板上の第1の領域に第1の転写層を転写しつつ、前記基板上に形成された段差によって前記第1の転写層が前記基板上の第2の領域に付着することを防ぐ工程と、
前記第2の領域に第2の転写層を転写する工程と
を含む転写印刷方法。
100,200,300 表示装置(有機ELディスプレイ)
11 基板
12 カラーフィルタ
13 TFT層
14 平坦化絶縁膜
15 下部電極
16 開口絶縁膜
17,27,37 有機層
171 正孔注入層(HIL)
172 正孔輸送層(HTL)
173,273,373 発光層(EML)
274 電子輸送層(ETL)
175 電子注入層(EIL)
18 上部電極
21 封止用基板
41 ブランケット
1000 電子機器

Claims (20)

  1. 基板上の第1の領域に転写される第1の発光層と、
    前記基板上の第2の領域に転写される第2の発光層と、
    前記第1の領域と前記第2の領域との間に、前記第1の発光層が転写されるときに前記第2の領域に付着することを防ぐ段差を形成する段差形成部材と
    を備える表示装置。
  2. 前記第2の発光層の発光波長は、前記第1の発光層の発光波長よりも短い、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記段差形成部材は、前記第2の領域と基板上の第3の領域との間に、前記第2の発光層が転写されるときに前記第3の領域に付着することを防ぐ段差を形成する、請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記第3の領域に形成される第3の発光層をさらに備える、請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記第3の発光層は、前記第3の領域に転写される、請求項4に記載の表示装置。
  6. 前記第3の発光層は、前記第1の領域、前記第2の領域、および前記基板上の第3の領域に共通して形成される、請求項4に記載の表示装置。
  7. 前記第3の発光層の発光波長は、前記第2の発光層の発光波長よりも短い、請求項4に記載の表示装置。
  8. 前記段差形成部材は、前記基板と前記第1の発光層および前記第2の発光層との間に設けられる平坦化絶縁膜である、請求項1に記載の表示装置。
  9. 前記段差は、前記平坦化絶縁膜の前記第1の領域での厚みが前記第2の領域での厚みよりも大きいことによって形成される、請求項8に記載の表示装置。
  10. 前記段差形成部材は、前記基板と前記第1の発光層との間に設けられる第1のカラーフィルタ、および前記基板と前記第2の発光層との間に設けられる第2のカラーフィルタであり、
    前記段差は、前記第1のカラーフィルタの厚みが前記第2のカラーフィルタの厚みよりも大きいことによって形成される、請求項1に記載の表示装置。
  11. 前記段差形成部材は、前記基板と第1の発光層との間に設けられるカラーフィルタである、請求項1に記載の表示装置。
  12. 前記段差形成部材は、前記基板と前記第1の発光層および前記第2の発光層との間に設けられる薄膜トランジスタ層であり、
    前記段差は、前記薄膜トランジスタ層の表面の凹凸によって形成される、請求項1に記載の表示装置。
  13. 前記段差の高さは、前記第2の領域の幅の1/100以上、または500nm以上である、請求項1に記載の表示装置。
  14. 基板上の第1の領域に第1の発光層を転写しつつ、前記第1の領域と前記基板上の第2の領域との間に形成された段差によって前記第1の発光層が前記第2の領域に付着することを防ぐ工程と、
    前記第2の領域に第2の発光層を転写する工程と
    を含む表示装置の製造方法。
  15. 前記第2の発光層は、転写体上に形成された転写パターンによって前記第2の領域に転写され、
    前記第2の発光層を転写するときに、前記転写パターンが前記第2の領域に接触するように前記転写体の接触圧力を調整する
    請求項14に記載の表示装置の製造方法。
  16. 前記第2の発光層を転写するときに、前記第2の領域と前記基板上の第3の領域との間に形成された段差によって前記第2の発光層が前記第3の領域に付着することを防ぐ、請求項14に記載の表示装置の製造方法。
  17. 前記第3の領域に第3の発光層を形成する工程をさらに含む、請求項16に記載の表示装置の製造方法。
  18. 基板上の第1の領域に転写される第1の発光層と、
    前記基板上の第2の領域に転写される第2の発光層と、
    前記第1の領域と前記第2の領域との間に、前記第1の発光層が転写されるときに前記第2の領域に付着することを防ぐ段差を形成する段差形成部材と
    を含む表示装置
    を備える電子機器。
  19. 基板上の第1の領域に転写される第1の転写層と、
    前記基板上の第2の領域に形成される第2の転写層と、
    前記第1の領域と前記第2の領域との間に、前記第1の転写層が転写されるときに前記第2の領域に付着することを防ぐ段差を形成する段差形成部材と
    を備える装置。
  20. 基板上の第1の領域に第1の転写層を転写しつつ、前記基板上に形成された段差によって前記第1の転写層が前記基板上の第2の領域に付着することを防ぐ工程と、
    前記第2の領域に第2の転写層を転写する工程と
    を含む転写印刷方法。
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