JP2013161635A - 端子接続部材、端子接続部材の製造方法及び蓄電装置並びに移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄電装置内部の温度上昇を抑制可能な放熱性を有し、しかも、蓄電装置の温度変化による伸縮が電極端子の耐久性を低下させるほど大きくない端子接続部材を提供する。
【解決手段】端子接続部材13は、電極端子(正極端子11p及び負極端子11n)に締結手段(雄ねじ部14a及びナット16)を介して固定される板状の本体部15が、金属とセラミックスとの複合材17で形成されるとともに、本体部15の少なくとも表裏両面に金属からなる金属層18が形成されている。金属の熱伝導率は、200W/m・K以上かつ500W/m・K以下であり、線膨張率は、15×10−6/℃以上かつ25×10−6/℃以下である。セラミックスの熱伝導率は、20W/m・K以上かつ350W/m・K以下であり、前記セラミックスの線膨張率は、3×10−6/℃以上かつ8×10−6/℃以下である。
【選択図】図1
【解決手段】端子接続部材13は、電極端子(正極端子11p及び負極端子11n)に締結手段(雄ねじ部14a及びナット16)を介して固定される板状の本体部15が、金属とセラミックスとの複合材17で形成されるとともに、本体部15の少なくとも表裏両面に金属からなる金属層18が形成されている。金属の熱伝導率は、200W/m・K以上かつ500W/m・K以下であり、線膨張率は、15×10−6/℃以上かつ25×10−6/℃以下である。セラミックスの熱伝導率は、20W/m・K以上かつ350W/m・K以下であり、前記セラミックスの線膨張率は、3×10−6/℃以上かつ8×10−6/℃以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の蓄電体の電極端子を端子接続部材で電気的に直列又は並列に接続した蓄電装置に使用される端子接続部材、端子接続部材の製造方法及びその端子接続部材を使用した蓄電装置並びにその蓄電装置を搭載した移動体に関する。
二次電池やキャパシタのような蓄電装置は再充電が可能であり、繰り返し使用することができるため電源として広く利用されている。また、電気自動車やハイブリッド自動車のように走行モータの電源として二次電池を使用する場合は、大電流充電や大電流放電及び大容量化が要求されるため、複数個の二次電池の電極端子を導電部材(端子接続部材)で電気的に直列又は並列に接続した組電池として使用する(例えば、特許文献1参照)。
しかし、大電流での充・放電は電池内部の大きな発熱を伴い、また組電池では限られたスペースに多数の電池を収納することから電池温度が上昇し易い。そのため、電池の劣化防止あるいは抑制のために電池の冷却が必要とされる。また、電池は所定温度以上でないと、充・放電が円滑に行われないため、冬季や寒冷地等、使用環境が低温の場合は加熱が必要となる。即ち、電池を適正に使用するためには温度調整が必要になる。
従来、組電池を構成する複数の二次電池の電極端子を電気的に接続する端子接続部材は、放熱性を考慮して熱伝導率が大きな銅系やアルミニウム系の金属材料で形成されていた。
熱伝導率が大きな銅系やアルミニウム系の金属材料で端子接続部材を形成することは、端子接続部材の放熱性が高くなるため、電極端子を介して端子接続部材に接続されている二次電池の内部温度の上昇抑制に有効である。しかし、熱伝導率が大きな銅系やアルミニウム系の金属材料は熱膨張係数(線膨張係数)が大きく、端子接続部材は二次電池の温度の上昇、下降に伴う伸縮が大きくなる。その結果、端子接続部材に連結されている電極端子は端子接続部材の伸縮により曲げ力を繰り返し受ける状態になり、電極端子の耐久性が低下する。この問題は、二次電池に限らず、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等のようなキャパシタにおいても同様である。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、蓄電装置内部の温度上昇を抑制可能な放熱性を有し、しかも、蓄電装置の温度変化による伸縮が電極端子の耐久性を低下させるほど大きくない端子接続部材及び端子接続部材の製造方法を提供することにある。また、他の目的は前記端子接続部材を使用した蓄電装置並びにその蓄電装置を搭載した移動体を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、複数の蓄電体の電極端子を電気的に接続する端子接続部材であって、前記電極端子が締結手段を介して固定される板状の本体部が、金属とセラミックスとの複合材で形成されるとともに、前記本体部の少なくとも表裏両面に前記金属からなる金属層が形成されている。前記金属の熱伝導率は、200W/m・K以上かつ500W/m・K以下であり、前記金属の線膨張率は、15×10−6/℃以上かつ25×10−6/℃以下である。前記セラミックスの熱伝導率は、20W/m・K以上かつ350W/m・K以下であり、前記セラミックスの線膨張率は、3×10−6/℃以上かつ8×10−6/℃以下である。ここで、「蓄電体」とは、複数の二次電池あるいはキャパシタが直列又は並列に接続されて構成される組電池やキャパシタモジュール等の蓄電装置を構成する単体の二次電池あるいはキャパシタを意味する。
端子接続部材を熱伝導率が大きな銅系やアルミニウム系の金属材料で形成した場合は、蓄電装置の温度の上昇、下降に伴う端子接続部材の伸縮が大きくなる。そして、端子接続部材に連結されている電極端子は端子接続部材の伸縮により曲げ力を繰り返し受ける状態になり、電極端子の耐久性が低下する。しかし、この発明では、端子接続部材は、本体部が金属とセラミックスとの複合材で形成され、その金属及びセラミックスの線膨張率は、前記の範囲のため、蓄電装置の温度変化による端子接続部材の伸縮が電極端子の耐久性を低下させるほど大きくない。また、複合材を構成する金属及びセラミックスの熱伝導率が前記の範囲であることで、蓄電装置内部の温度上昇を抑制可能な放熱性を有する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記金属層は前記複合材を構成する金属部分と一体に繋がっている。端子接続部材は、電極端子に締結手段によって締め付け固定されて電極端子を電気的に接続する。本体部の少なくとも表裏両面に形成されている金属層は、その形成条件によっては、複合材を構成する金属部分との間に微小な隙間が存在する状態となり、隙間がない場合に比べて、電気的抵抗が大きくなる。この発明では、金属層は複合材を構成する金属部分と一体に繋がっているため、電気抵抗が大きくならず、発熱が抑制される。そのため、端子接続部材の放熱性が向上する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記セラミックスの体積率は60〜70%である。セラミックスの体積率が60%より小さいと、セラミックスの量が少なくなって、複合材の線膨張率が大きくなる。そのため、端子接続部材が電極端子に接続されて使用される際、温度の上昇、下降の繰り返しにより端子接続部材の伸縮量が大きくなり、電極端子が損傷し、結果として蓄電装置の寿命が短くなる。また、体積率が70%より大きいと、端子接続部材を高圧鋳造で製造する際に、本体部の表裏両面の一部にしか金属層が形成されなくなる。しかし、この発明では、セラミックスの体積率が60〜70%であるため、そのような支障は生じない。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記金属層は厚さが10〜500μmである。金属層の厚さが10μm未満であると、端子接続部材を締結手段によって締め付け固定して電極端子を電気的に接続した場合、電極端子との接触面の接触抵抗が、金属層がない場合とあまり変わらない。また、金属層の厚さが500μmより大きいと、効果は変わらず、端子接続部材を形成する金属の量が増えるだけで無駄になる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記金属はアルミニウム又はアルミニウム合金である。アルミニウム及びアルミニウム合金は銅と同様に導電性が高く導電性金属として好ましく、しかも、銅に比べて比重が小さいため、軽量化に寄与する。また、溶融温度が銅に比べて400℃程度低いため、端子接続部材を製造する際に、金属の溶融に要するエネルギーが少なくてよく好ましい。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明において、前記セラミックスは炭化ケイ素(SiC)である。炭化ケイ素は、セラミックスの中では熱伝導率が比較的高く、線膨張係数が比較的小さいので、端子接続部材を形成する複合材の材料として好ましい。
請求項7に記載の発明は、複数の蓄電体の電極端子を電気的に接続する端子接続部材の製造方法である。そして、キャビティ内に前記端子挿入孔に対応する凸部又は中子が設けられた第1の金型に、セラミックスの粒子又は繊維を、充填率が体積%で60〜70%で充填した後、前記第1の金型のキャビティを覆うように前記第1の金型と第2の金型とを閉じた状態に保持し、前記第1の金型及び前記第2の金型を前記セラミックスと複合材を構成する金属の溶融温度以上に加熱した状態で、前記金属を前記キャビティ内に高圧鋳造により、溶融金属が少なくとも金型に充填された前記セラミックスと金型との境界に沿って流れた後、前記キャビティに充填されているセラミックスの粒子あるいは繊維間に含浸するように流し込む。
この発明では、キャビティ内にセラミックスが、充填率が体積%で60〜70%で充填された状態で、溶融金属が高圧鋳造(例えば、数十MPa〜数百MPa)で金型内に加圧状態で注入される。そして、溶融金属は金型と充填されたセラミックスとの間を金型内面に沿って、注入口から遠い箇所まで流れた後、キャビティに充填されているセラミックスの粒子あるいは繊維間に良好に含浸してボイドの少ない複合材からなる本体部が形成され、本体部の少なくとも表裏両面に金属層が形成された端子接続部材を製造することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記金属はアルミニウム又はアルミニウム合金である。アルミニウム及びアルミニウム合金は銅と同様に導電性が高く導電性金属として好ましく、しかも、銅に比べて比重が小さいため、軽量化に寄与する。また、融点が銅に比べて400℃程度低いため、端子接続部材を製造する際に、金属の溶融に要するエネルギーが少なくてよく、製造コストを低くすることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は請求項8に記載の発明において、前記セラミックスは炭化ケイ素(SiC)である。炭化ケイ素は、セラミックスの中では熱伝導率が比較的高く、線膨張係数が比較的小さいので、端子接続部材を形成する複合材の材料として好ましい。また、炭化ケイ素は安価で製造コストを低くすることができる。
請求項10に記載の発明は、複数の蓄電体を、各蓄電体の電極端子を端子接続部材で電気的に直列又は並列に接続した蓄電装置であって、前記端子接続部材として請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の端子接続部材を使用している。この発明の蓄電装置は、前記端接続部材の効果を得ることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の蓄電装置を搭載した移動体である。ここで、「移動体」とは、車両に限らず船舶やロボット、あるいは人が押したり引いたりして移動させるものも含む。この発明の移動体は、搭載した蓄電装置が前記蓄電装置の効果を有する。
請求項1〜請求項9に記載の発明によれば、蓄電装置内部の温度上昇を抑制可能な放熱性を有し、しかも、蓄電装置の温度変化による伸縮が電極端子の耐久性を低下させるほど大きくない端子接続部材を提供することができる。また、請求項10に記載の発明によれば、前記端子接続部材を使用した蓄電装置を提供することができ、請求項11に記載の発明によれば、前記蓄電装置を搭載した移動体を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1(a)に示すように、蓄電装置としての組電池10は、複数の蓄電体としての単電池11が直列に接続されて構成されている。各単電池11は、直方体状の電池本体部12の同じ側に電極端子としての正極端子11p及び負極端子11nが突出するように形成されている。詳述すると、直方体状の各単電池11は互いに平行に、かつ隣り合う単電池11の正極端子11pと負極端子11nとが対向する状態に位置決めされて、一体的に移動可能に図示しないケース内に収容、あるいは図示しない支持フレームで固定されている。この実施形態では隣り合う単電池11は互いに側面が当接する状態で固定されている。各単電池11は、正極端子11pが隣り合う単電池11の負極端子11nに、負極端子11nが隣り合う単電池11の正極端子11pにそれぞれ端子接続部材(バスバー)13を介して接続され、端子接続部材13は千鳥状に配置されている。ただし、互いに平行に配置された単電池11の列の両端に位置する単電池11のうち、一方の端部に位置する単電池11の正極端子11pと、他方の端部に位置する単電池11の負極端子11nは端子接続部材13に接続されない状態にある。
図1(a)に示すように、蓄電装置としての組電池10は、複数の蓄電体としての単電池11が直列に接続されて構成されている。各単電池11は、直方体状の電池本体部12の同じ側に電極端子としての正極端子11p及び負極端子11nが突出するように形成されている。詳述すると、直方体状の各単電池11は互いに平行に、かつ隣り合う単電池11の正極端子11pと負極端子11nとが対向する状態に位置決めされて、一体的に移動可能に図示しないケース内に収容、あるいは図示しない支持フレームで固定されている。この実施形態では隣り合う単電池11は互いに側面が当接する状態で固定されている。各単電池11は、正極端子11pが隣り合う単電池11の負極端子11nに、負極端子11nが隣り合う単電池11の正極端子11pにそれぞれ端子接続部材(バスバー)13を介して接続され、端子接続部材13は千鳥状に配置されている。ただし、互いに平行に配置された単電池11の列の両端に位置する単電池11のうち、一方の端部に位置する単電池11の正極端子11pと、他方の端部に位置する単電池11の負極端子11nは端子接続部材13に接続されない状態にある。
図1(b)に示すように、正極端子11p及び負極端子11nは、台座部14から突出する雄ねじ部14aを有するように形成されている。端子接続部材13は、板状の本体部15に雄ねじ部14aが遊挿される挿入孔15aが一対形成されている。そして、端子接続部材13は、挿入孔15aに挿入された雄ねじ部14aに螺合するナット16により正極端子11p及び負極端子11nの台座部14に締め付け固定されている。ナット16は端子接続部材13の表面に接触している。雄ねじ部14a及びナット16は、本体部15を電極端子(正極端子11p及び負極端子11n)に締め付け固定する締結手段を構成する。即ち、この実施形態では電極端子の一部である雄ねじ部14aが、端子接続部材13を電極端子に固定する締結手段の一部を構成する。
図2に示すように、端子接続部材13は、本体部15が、金属とセラミックスとの複合材17で形成されるとともに、本体部15の表裏両面及び挿入孔15aの壁面に複合材17を構成する金属からなる金属層18が形成されている。金属としては、熱伝導率が、200W/m・K以上かつ500W/m・K以下であり、線膨張率が、15×10−6/℃以上かつ25×10−6/℃以下のものが使用される。セラミックスとしては、熱伝導率が、20W/m・K以上かつ350W/m・K以下であり、線膨張率が、3×10−6/℃以上かつ8×10−6/℃以下のものが使用される。
この実施形態では、金属としてアルミニウム合金が使用され、セラミックスとして炭化ケイ素(SiC)の粉末が使用されている。SiC粉末として粒子径が10μmのものと100μmのものとの3:7の混合物が使用されている。また、体積率は60〜70%程度となっている。
次に前記のように構成された端子接続部材13の製造方法を図3に基づいて説明する。
端子接続部材13は、高圧鋳造により製造される。図3(a)に示すように、高圧鋳造に使用される第1の金型21は、キャビティ22内に端子接続部材13の本体部15に形成される複数の挿入孔15aに対応する凸部21aが設けられている。また、第1の金型21にはキャビティ22の長手方向の端部に溶融金属(溶湯)の注入口21bが形成され、他端側に排出口21cが形成されている。
端子接続部材13は、高圧鋳造により製造される。図3(a)に示すように、高圧鋳造に使用される第1の金型21は、キャビティ22内に端子接続部材13の本体部15に形成される複数の挿入孔15aに対応する凸部21aが設けられている。また、第1の金型21にはキャビティ22の長手方向の端部に溶融金属(溶湯)の注入口21bが形成され、他端側に排出口21cが形成されている。
この第1の金型21に、セラミックスの粒子としてのSiC粉末31が予め設定された充填率(体積%で60〜70%)で充填されて、図3(b)に示す状態になる。
次に、第1の金型21のキャビティ22を覆うように、第1の金型21と第2の金型23とを閉じた状態に保持する。そして、第1の金型21及び第2の金型23を、複合材17を構成する金属(アルミニウム合金)の溶融温度以上に加熱した状態で、溶融金属をキャビティ22内に加圧状態で注入する。キャビティ22の内にはSiC粉末31が充填されており、溶融金属がSiC粉末31の隙間を通過する際の抵抗に比べて、SiC粉末31と第1の金型21及び第2の金型23との境界(SiC粉末31と凸部21aとの境界を含む)を通過する際の抵抗が小さい。そのため、溶融金属は先ずに充填されたSiC粉末31と第1の金型21及び第2の金型23との境界に沿って流れた後、キャビティに充填されているSiC粉末31の隙間に含浸、流入する。SiC粉末31の隙間をほぼ満たす所定量の溶融金属が第1及び第2の金型21,23内に注入された後、押湯圧としてダイカスト成形と同程度の圧力(例えば、数十MPa〜百MPa)が加えられる。即ち、所謂高圧鋳造が行われる。その結果、図3(c)に示すように、複合材17の表面全体に金属層18が形成された状態になる。端子接続部材13が高圧鋳造で形成されるため、金属層18は複合材17で形成された本体部15の外面全体に密着した状態で形成される。
次に、第1の金型21のキャビティ22を覆うように、第1の金型21と第2の金型23とを閉じた状態に保持する。そして、第1の金型21及び第2の金型23を、複合材17を構成する金属(アルミニウム合金)の溶融温度以上に加熱した状態で、溶融金属をキャビティ22内に加圧状態で注入する。キャビティ22の内にはSiC粉末31が充填されており、溶融金属がSiC粉末31の隙間を通過する際の抵抗に比べて、SiC粉末31と第1の金型21及び第2の金型23との境界(SiC粉末31と凸部21aとの境界を含む)を通過する際の抵抗が小さい。そのため、溶融金属は先ずに充填されたSiC粉末31と第1の金型21及び第2の金型23との境界に沿って流れた後、キャビティに充填されているSiC粉末31の隙間に含浸、流入する。SiC粉末31の隙間をほぼ満たす所定量の溶融金属が第1及び第2の金型21,23内に注入された後、押湯圧としてダイカスト成形と同程度の圧力(例えば、数十MPa〜百MPa)が加えられる。即ち、所謂高圧鋳造が行われる。その結果、図3(c)に示すように、複合材17の表面全体に金属層18が形成された状態になる。端子接続部材13が高圧鋳造で形成されるため、金属層18は複合材17で形成された本体部15の外面全体に密着した状態で形成される。
そして、所定時間経過後、第1及び第2の金型21,23が冷却されて溶融金属が凝固、冷却された後、第1及び第2の金型21,23が開かれキャビティ22内から製品である端子接続部材13が取り出される。なお、溶融金属の注入は、図3(c)に示すように、第1及び第2の金型21,23が、その境界面が水平な状態でも、境界面が鉛直状態あるいは傾いた状態のいずれであってもよい。
次に前記のように構成された端子接続部材13及び端子接続部材13が使用された組電池10の作用を説明する。
組電池10は種々の用途に使用されるが、例えば、移動体としての車両に搭載されて、走行用モータの電源として使用される。組電池10が使用される場合、急速充電時や急速放電時に発熱が大きくなる。そのため、組電池10は車両に装備された送風ファンの駆動によって流体(例えば、空気)が流れる収容部に搭載され、流れる流体により組電池10の温度調整が行われる。
組電池10は種々の用途に使用されるが、例えば、移動体としての車両に搭載されて、走行用モータの電源として使用される。組電池10が使用される場合、急速充電時や急速放電時に発熱が大きくなる。そのため、組電池10は車両に装備された送風ファンの駆動によって流体(例えば、空気)が流れる収容部に搭載され、流れる流体により組電池10の温度調整が行われる。
単電池11の内部に収容されている電極の活物質が、充電時や放電時に発熱するため、組電池10が発熱する。単電池11の電池本体部12を構成するケースは電気的絶縁材製のため、電池本体部12の外側を冷却しても冷却効率は悪い。一方、正極端子11p、負極端子11n及び端子接続部材13は導電性で熱伝導性も高いため、正極端子11p、負極端子11n及び端子接続部材13を介して単電池11内部の熱が単電池11の外部に効率良く放熱されて、単電池11内部の冷却効率が向上する。
しかし、導電材として一般に使用される熱伝導率が大きな銅系やアルミニウム系の金属は、熱膨張係数(線膨張係数)が大きく、端子接続部材13を銅系やアルミニウム系の金属で形成した場合は、単電池11の温度の上昇、下降に伴う伸縮が大きくなる。その結果、端子接続部材13に連結されている電極端子(正極端子11p及び負極端子11n)は端子接続部材13の伸縮により曲げ力を繰り返し受ける状態になり、電極端子の耐久性が低下する。
しかし、この実施形態では、端子接続部材13は、正極端子11p及び負極端子11nが挿入される挿入孔15aが複数形成された板状の本体部15が、金属とセラミックスとの複合材17で形成されるとともに、本体部15の少なくとも表裏両面に金属からなる金属層18が形成されている。そして、金属の熱伝導率は、200W/m・K以上かつ500W/m・K以下であり、線膨張率は、15×10−6/℃以上かつ25×10−6/℃以下である。また、セラミックスの熱伝導率は、20W/m・K以上かつ350W/m・K以下であり、線膨張率は、3×10−6/℃以上かつ8×10−6/℃以下である。したがって、組電池10の温度変化による端子接続部材13の伸縮により正極端子11p及び負極端子11nに加わる曲げ力は、正極端子11p及び負極端子11nの耐久性を低下させるほど大きくない。また、複合材17を構成する金属及びセラミックスの熱伝導率が前記の範囲であるため、端子接続部材13は組電池10の内部の温度上昇を抑制することに寄与する。
また、冬季や寒冷地等、組電池10の使用環境が低温の場合は、加熱用の流体が供給されるが、その流体によって正極端子11p、負極端子11n及び端子接続部材13が加熱されるとともに、その熱が単電池11の内部の電極に伝達されて、活物質が発電を効率良く行う状態になる。
仮に、端子接続部材13がSiC粉末31と金属の複合材17で形成され、外面に金属層18が存在しない場合は、図4(a)に示すように、端子接続部材13の外面にはSiC粉末31が露出した状態の部分が多く存在する。そのため、端子接続部材13が正極端子11p及び負極端子11nにナット16で締結されて固定された状態では、正極端子11p及び負極端子11nとSiC粉末31が接触する面積が多くなり、金属同士が接触する状態に比べて接触面での電気抵抗が大きくなる。しかし、この実施形態では、端子接続部材13は、複合材17で形成された本体部15の外面に金属層18が形成されているため、図4(b)に示すように、端子接続部材13の外面にはSiC粉末31が露出した状態の部分がない。そのため、端子接続部材13が正極端子11p及び負極端子11nにナット16で締結されて固定された状態では、正極端子11p及び負極端子11nと端子接続部材13は金属同士のみが接触する状態となり、端子接続部材13の外面にSiC粉末31が露出している場合に比べて接触面での電気抵抗が小さくなる。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)端子接続部材13は、電極端子(正極端子11p及び負極端子11n)に締結手段(雄ねじ部14a及びナット16)を介して固定される板状の本体部15が、金属とセラミックスとの複合材17で形成されるとともに、本体部15の少なくとも表裏両面に金属からなる金属層18が形成されている。そして、金属の熱伝導率は、200W/m・K以上かつ500W/m・K以下であり、線膨張率は、15×10−6/℃以上かつ25×10−6/℃以下である。また、セラミックスの熱伝導率は、20W/m・K以上かつ350W/m・K以下であり、前記セラミックスの線膨張率は、3×10−6/℃以上かつ8×10−6/℃以下である。したがって、組電池10の温度上昇を抑制可能な放熱性を有し、しかも、組電池10の温度変化による伸縮が電極端子の耐久性を低下させるほど大きくない端子接続部材13を提供することができる。
(1)端子接続部材13は、電極端子(正極端子11p及び負極端子11n)に締結手段(雄ねじ部14a及びナット16)を介して固定される板状の本体部15が、金属とセラミックスとの複合材17で形成されるとともに、本体部15の少なくとも表裏両面に金属からなる金属層18が形成されている。そして、金属の熱伝導率は、200W/m・K以上かつ500W/m・K以下であり、線膨張率は、15×10−6/℃以上かつ25×10−6/℃以下である。また、セラミックスの熱伝導率は、20W/m・K以上かつ350W/m・K以下であり、前記セラミックスの線膨張率は、3×10−6/℃以上かつ8×10−6/℃以下である。したがって、組電池10の温度上昇を抑制可能な放熱性を有し、しかも、組電池10の温度変化による伸縮が電極端子の耐久性を低下させるほど大きくない端子接続部材13を提供することができる。
(2)端子接続部材13の本体部15を構成する複合材17は金属層18で覆われ、金属層18は複合材17を構成する金属部分と一体に繋がっている。本体部15が金属層18で覆われた構成であっても、金属層18をメッキで形成した場合等のように、金属層18の形成条件によっては、金属層18は複合材17を構成する金属との間に微小な隙間が存在する状態となり、隙間がない場合に比べて、電気抵抗が大きくなる。しかし、この実施形態では、金属層18は複合材17を構成する金属部分と一体に繋がっているため、電気抵抗が大きくならず、発熱が抑制されて、端子接続部材13の放熱性が向上する。
(3)複合材17を構成するセラミックスの体積率は60〜70%である。セラミックスの体積率が60%より小さいと、セラミックスの量が少なくなって、複合材17の線膨張率が大きくなる。そのため、端子接続部材13が正極端子11p及び負極端子11nに接続されて使用される際、温度の上昇、下降の繰り返しにより端子接続部材13の伸縮量が大きくなり、正極端子11p及び負極端子11nが損傷し、結果として組電池10の寿命が短くなる。また、体積率が70%より大きいと、端子接続部材13を高圧鋳造で製造する際に、金型に充填されたセラミックスと金型内面との間を溶融金属が通りにくく、本体部15の表裏両面の一部にしか金属層18が形成されなくなる。しかし、この実施形態では、セラミックスの体積率が60〜70%であるため、そのような支障は生じない。
(4)金属層18は厚さが10〜500μmである。金属層18は厚さが10μm未満であると、端子接続部材13を締結手段(雄ねじ部14a及びナット16)によって締め付けて固定して電極端子(正極端子11p及び負極端子11n)に接続した場合、電極端子との接触面の接触抵抗が、金属層18がない場合とあまり変わらない。また、金属層18の厚さが500μmより大きいと、効果は変わらず、端子接続部材13を形成する金属の量が増えるだけで無駄になる。
(5)複合材17を構成する金属はアルミニウム又はアルミニウム合金である。アルミニウム及びアルミニウム合金は銅と同様に導電性が高く導電性金属として好ましく、しかも銅に比べて比重が小さいため、軽量化に寄与する。また、融点が銅に比べて400℃程度低いため、端子接続部材13を製造する際に、金属の溶融に要するエネルギーが少なくてよく、製造コストを低くすることができる。
(6)複合材17を構成するセラミックスは炭化ケイ素(SiC)である。炭化ケイ素は、セラミックスの中では熱伝導率が比較的高く、線膨張係数が比較的小さいので、端子接続部材13を形成する複合材17の材料として好ましい。また、炭化ケイ素は比較的安価で製造コストを低くすることができる。
(7)端子接続部材13の製造方法は、複数の単電池11の電極端子(正極端子11p及び負極端子11n)の一部を構成する雄ねじ部14aが挿入される挿入孔15aが複数形成され、複数の単電池11の電極端子を電気的に接続する端子接続部材13の製造方法である。そして、キャビティ22内に挿入孔15aに対応する凸部21aが設けられた第1の金型21に、セラミックスの粒子又は繊維(SiC粉末31)を、充填率が体積%で60〜70%で充填した後、第1の金型21のキャビティ22を覆うように第1の金型21と第2の金型23とを閉じた状態に保持する。次いで、第1の金型21及び第2の金型23をSiC粉末31と複合材17を構成する金属の溶融温度以上に加熱した状態で、金属をキャビティ22内に高圧鋳造により、溶融金属が少なくとも金型に充填されたSiC粉末31と金型との境界に沿って流れた後、キャビティ22に充填されているSiC粉末31間に含浸するように流し込む。したがって、キャビティ22に充填されているSiC粉末31間に良好に含浸してボイドの少ない複合材17からなる本体部15が形成され、本体部15の少なくとも表裏両面に金属層18が形成された端子接続部材13を製造することができる。
(8)組電池10は、複数の単電池11を電気的に直列又は並列に接続するために、単電池11の電極端子(正極端子11p及び負極端子11n)接続する端子接続部材13として前記構成の端子接続部材13を使用している。したがって、前記端子接続部材13が有する効果を有する。
(9)組電池10は、移動体としての車両に搭載されて、走行用モータの電源として使用される。車両の走行用モータの電源として組電池10が使用される場合、急速充電時や急速放電時に発熱が大きくなる。しかし、組電池10は前記構成の端子接続部材13で複数の単電池11が電気的に接続されているため、組電池10の温度調整が良好に行われるとともに端子接続部材13が導電性金属で形成された場合に比べて、組電池10の寿命が延びる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ アルミニウム又はアルミニウム合金とSiC粉末31で端子接続部材13を高圧鋳造で製造する場合、アルミニウム又はアルミニウム合金の温度が700℃より低いと溶湯の凝固が始まり、900℃より高いと酸化が始まり、熱伝導率が低下するため、700℃〜900℃で金型に注入を行えばよい。溶融温度を変更してアルミニウム又はアルミニウム合金とSiC粉末で形成した複合材の熱伝導率と溶融温度との関係を図5に示す。図5から、端子接続部材13をアルミニウム又はアルミニウム合金とSiC粉末で形成する場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金の溶融温度を750℃〜800℃で行うのが最適である。
○ アルミニウム又はアルミニウム合金とSiC粉末31で端子接続部材13を高圧鋳造で製造する場合、アルミニウム又はアルミニウム合金の温度が700℃より低いと溶湯の凝固が始まり、900℃より高いと酸化が始まり、熱伝導率が低下するため、700℃〜900℃で金型に注入を行えばよい。溶融温度を変更してアルミニウム又はアルミニウム合金とSiC粉末で形成した複合材の熱伝導率と溶融温度との関係を図5に示す。図5から、端子接続部材13をアルミニウム又はアルミニウム合金とSiC粉末で形成する場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金の溶融温度を750℃〜800℃で行うのが最適である。
○ 端子接続部材13は、平板状に形成された本体部15に形成された挿入孔15aに挿入された、電極端子(正極端子11p及び負極端子11n)の一部を構成する雄ねじ部14aと、雄ねじ部14aに螺合するナット16で本体部15が締め付けられて電極端子に固定される構成に限らない。例えば、図6に示すように、電極端子(正極端子11p及び負極端子11n)を、ボルト19が螺合するねじ穴20aを有し、かつねじ穴20aの外側に円環状の溝20bを有する円柱状に形成する。そして、端子接続部材13の本体部15の一方の面(裏面)にはボルト19が挿入(遊挿)される挿入孔15aを中心とする円環状の凸条15bを形成する。そして、ボルト19がねじ穴20aに螺合することで端子接続部材13を電極端子(正極端子11p及び負極端子11n)に締め付け固定するようにしてもよい。この場合、ボルト19及びねじ穴20aを有する正極端子11p及び負極端子11nが端子接続部材13を電極端子に固定する締結手段を構成する。なお、凸条15b及び溝20bを設けずに、端子接続部材13をボルト19で正極端子11p及び負極端子11nに締め付け固定する構成にしてもよい。
○ 複数の単電池11が端子接続部材13により直列に接続された組電池10に限らず、図7に示すように、複数の単電池11が並列に接続され構成の組電池10に適用してもよい。この場合、組電池10は、複数の単電池11が2個の端子接続部材33p,33nにより電気的に並列に接続されている。各単電池11は互いに平行に、かつ隣り合う単電池11の正極端子11p同士、負極端子11n同士がそれぞれ対向する状態で配置されている。一方の端子接続部材33pは各単電池11の正極端子11p同士を接続するように設けられ、他方の端子接続部材33nは各単電池11の負極端子11n同士を接続するように設けられている。端子接続部材33p,33nには、正極端子11pあるいは負極端子11nの雄ねじ部14aが遊挿される挿入孔15aが形成され、端子接続部材33p,33nは、挿入孔15aに挿入された雄ねじ部14aに螺合するナット16により正極端子11pあるいは負極端子11nの台座部14に締め付け固定される。この実施形態の組電池10は、例えば、フォークリフト等の産業車両に使用される。産業車両は一般の車両のように高速で走行する必要はないが、作業を行う際に高速走行時より低電圧で大きな電力を必要とする。そのため、単電池11を並列に接続した組電池10を複数直列に接続して電源として使用することにより、必要な電力を得ることができる。
○ 端子接続部材13の本体部15を形成する複合材17のマトリックスとなる金属は、熱伝導率が200W/m・K以上かつ500W/m・K以下であり、線膨張率が15×10−6/℃以上かつ25×10−6/℃以下であればよく、アルミニウム又はアルミニウム合金に限らない。例えば、銅やその合金を使用してもよい。
○ 端子接続部材13の本体部15を形成する複合材17を構成するセラミックスは、熱伝導率が20W/m・K以上かつ350W/m・K以下であり、線膨張率が3×10−6/℃以上かつ8×10−6/℃以下であればよく、SiC粉末31に限らない。例えば、窒化ケイ素やアルミナを使用してもよい。
○ 複合材17を構成するセラミックスの体積率は60〜70%に限らない。セラミックスの種類によっても異なるが、例えば、50%以上あればよい。
○ 複合材17を構成するセラミックスはとして、粒子状のもの(粉末)を使用する場合、粒径(平均粒径)が異なる二つのものを混合せずに、一つの粒径(平均粒径)のものを使用したり、粒径(平均粒径)が異なる三つ以上のものを混合して使用したりしてもよい。
○ 複合材17を構成するセラミックスはとして、粒子状のもの(粉末)を使用する場合、粒径(平均粒径)が異なる二つのものを混合せずに、一つの粒径(平均粒径)のものを使用したり、粒径(平均粒径)が異なる三つ以上のものを混合して使用したりしてもよい。
○ 複合材17を構成するセラミックスは、粒子状のものに限らず、繊維状のものを使用したり、粒子状のものと繊維状のものを混在させたりしてもよい。
○ 複合材17を構成するセラミックスとして、種類の異なるセラミックスを混合して使用してもよい。
○ 複合材17を構成するセラミックスとして、種類の異なるセラミックスを混合して使用してもよい。
○ 端子接続部材13,33p,33nは、金属とセラミックスとの複合材で形成された本体部15の少なくとも表裏両面に金属層18が形成されていればよく、必ずしも挿入孔15aの壁面には金属層18が形成されずに、本体部15の表裏両面にのみ金属層18が形成されたものでもよい。
○ 端子接続部材13,33p,33nの本体部15に形成される金属層18は、必ずしも端子接続部材13,33p,33nを高圧鋳造で製造する際に、同時に形成されたものに限らない。例えば、複合材17で形成された本体部15にメッキ処理で金属層18を形成してもよい。しかし、メッキ処理で金属層18を形成した場合は、高圧鋳造により複合材17と同時に金属層18が形成されものと異なり、本体部15の外面と金属層18とが完全に密着された状態にするのが難しく、本体部15の外面と金属層18との間に隙間が存在する部分が多くなる。
○ 組電池10を構成する複数の単電池11の全てを並列に接続する場合、複数の単電池11の正極端子11p同士あるいは負極端子11n同士をそれぞれ1個の端子接続部材33p,33nで接続する代わりに、複数の端子接続部材33p,33nを使用して接続してもよい。この場合、台座部14との間に他の端子接続部材33p,33nの端部が介在する状態で正極端子11pあるいは負極端子11nにナット16によって固定された端子接続部材33p,33nの中間部は、導電性のリング部材が台座部14との間に介装された状態で正極端子11pあるいは負極端子11nにナット16より締め付け固定される。この場合、組電池10を構成する単電池11の数が多くても、比較的短い端子接続部材33p,33nを用いて全ての単電池11を並列に接続することができる。
○ 組電池10は、組電池10を構成する全ての単電池11が端子接続部材13により電気的に直列に接続された構成や、組電池10を構成する全ての単電池11が端子接続部材33p,33nにより電気的に並列に接続された構成に限らない。例えば、並列に接続された複数の単電池11の組が直列に接続された構成であってもよい。
○ 移動体は走行用モータを備えた一般の車両やフォークリフトに限らず、例えば、ショベルローダーやトーイングトラクター等の他の産業車両であってもよい。また、運転者を必要とする車両に限らず無人搬送車でもあってもよい。
○ 移動体は、車両に限らず、充電時以外は給電側設備から離れて移動するもの、例えば、ロボットであってもよい。
○ 蓄電装置は、複数の単電池11が端子接続部材13,33p,33nにより電気的に直列又は並列に接続された組電池10に限らず、例えば、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等のようなキャパシタ(蓄電体)が端子接続部材13,33p,33nにより電気的に直列又は並列に接続されたキャパシタモジュールであってもよい。
○ 蓄電装置は、複数の単電池11が端子接続部材13,33p,33nにより電気的に直列又は並列に接続された組電池10に限らず、例えば、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等のようなキャパシタ(蓄電体)が端子接続部材13,33p,33nにより電気的に直列又は並列に接続されたキャパシタモジュールであってもよい。
10…蓄電装置としての組電池、11…蓄電体としての単電池、13,33n,33p…端子接続部材、15…本体部、15a…挿入孔、17…複合材、18…金属層、21…第1の金型、21a…凸部、22…キャビティ、23…第2の金型。
Claims (11)
- 複数の蓄電体の電極端子を電気的に接続する端子接続部材であって、
前記電極端子に締結手段を介して固定される板状の本体部が、金属とセラミックスとの複合材で形成されるとともに、前記本体部の少なくとも表裏両面に前記金属からなる金属層が形成されており、
前記金属の熱伝導率は、200W/m・K以上かつ500W/m・K以下であり、
前記金属の線膨張率は、15×10−6/℃以上かつ25×10−6/℃以下であり、
前記セラミックスの熱伝導率は、20W/m・K以上かつ350W/m・K以下であり、
前記セラミックスの線膨張率は、3×10−6/℃以上かつ8×10−6/℃以下であることを特徴とする端子接続部材。 - 前記金属層は前記複合材を構成する金属部分と一体に繋がっている請求項1に記載の端子接続部材。
- 前記セラミックスの体積率は60〜70%である請求項1又は請求項2に記載の端子接続部材。
- 前記金属層は厚さが10〜500μmである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の端子接続部材。
- 前記金属はアルミニウム又はアルミニウム合金である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の端子接続部材。
- 前記セラミックスは炭化ケイ素(SiC)である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の端子接続部材。
- 複数の蓄電体の電極端子を電気的に接続する端子接続部材の製造方法であって、
キャビティ内に挿入孔に対応する凸部又は中子が設けられた第1の金型に、セラミックスの粒子又は繊維を、充填率が体積%で60〜70%で充填した後、前記第1の金型のキャビティを覆うように前記第1の金型と第2の金型とを閉じた状態に保持し、前記第1の金型及び前記第2の金型を前記セラミックスと複合材を構成する金属の溶融温度以上に加熱した状態で、前記金属を前記キャビティ内に高圧鋳造により、溶融金属が少なくとも金型に充填された前記セラミックスと金型との境界に沿って流れた後、前記キャビティに充填されているセラミックスの粒子あるいは繊維間に含浸するように流し込むことを特徴とする端子接続部材の製造方法。 - 前記金属はアルミニウム又はアルミニウム合金である請求項7に記載の端子接続部材の製造方法。
- 前記セラミックスは炭化ケイ素(SiC)である請求項7又は請求項8に記載の端子接続部材の製造方法。
- 複数の蓄電体を、各蓄電体の電極端子を端子接続部材で電気的に直列又は並列に接続した蓄電装置であって、前記端子接続部材として請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の端子接続部材を使用している蓄電装置。
- 請求項10に記載の蓄電装置を搭載した移動体。
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