JP2013160072A - ウォーターポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化を図りつつ内燃機関の吸入負圧を利用せずにインペラの回転数を調整することができるウォーターポンプを提供する。
【解決手段】ウォーターポンプ(60)は、内燃機関(10)の動力が伝達されて回転するプーリ(100)と、回転することで内燃機関の冷媒を圧送するインペラ(110)と、プーリの内部に配置されてプーリと一体となって回転するモータ(120)と、プーリの内部に配置され、モータの出力軸(121)の回転をインペラ回転軸(111)に伝達する回転伝達機構(130)と、を備え、回転伝達機構は、モータの出力軸に接続したウォームギヤ(131)と、ウォームギヤに噛み合うウォームホイール(132)と、ウォームホイールの回転をインペラ回転軸に伝達する歯車機構(133)と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ウォーターポンプ、特に内燃機関に用いられるウォーターポンプに関する。
従来、内燃機関において、内燃機関の冷媒を内燃機関に圧送するためにウォーターポンプが用いられている。ウォーターポンプは、内燃機関の動力が伝達されて回転するプーリの回転をインペラに伝達することでインペラを回転させて、内燃機関の冷媒を圧送している。このようなウォーターポンプは、ウォーターポンプの搭載性の観点から小型であることが好ましい。そこで特許文献1には、プーリの回転をインペラへ伝達する機構として、磁石による磁力を利用した機構を採用することでウォーターポンプの小型化を図る技術が開示されている。さらに特許文献1に係るウォーターポンプは、内燃機関の吸入負圧を利用して磁石を移動させることでインペラの単位時間当たりの回転数(以下、本願において回転数とは単位時間当たりの回転数をいうものとする)を調整し、以って冷媒の圧送量を調整している。
国際公開WO2008/078774号公報
ところで、内燃機関の吸入負圧は内燃機関の運転状態に応じて変動する。そのため、特許文献1に係る技術では、内燃機関の運転状態によっては吸入負圧を利用してウォーターポンプのインペラの回転数を調整することが困難になる場合がある。
本発明は、小型化を図りつつ内燃機関の吸入負圧を利用せずにインペラの回転数を調整することができるウォーターポンプを提供することを目的とする。
本発明に係るウォーターポンプは、内燃機関の動力が伝達されて回転するプーリと、回転することで前記内燃機関の冷媒を圧送するインペラと、前記プーリの内部に配置されて前記プーリと一体となって回転するモータと、前記プーリの内部に配置され、前記モータの出力軸の回転を前記インペラの回転軸であるインペラ回転軸に伝達する回転伝達機構と、を備え、前記回転伝達機構は、前記モータの前記出力軸に接続したウォームギヤと、前記ウォームギヤに噛み合うウォームホイールと、前記ウォームホイールの回転を前記インペラ回転軸に伝達する歯車機構と、を備えている。
本発明に係るウォーターポンプによれば、モータおよび回転伝達機構がプーリの内部に配置されていることから、ウォーターポンプの小型化を図ることができる。また、ウォーターポンプによれば、プーリの回転を、プーリと一体となって回転するモータ、モータの出力軸、ウォームギヤ、ウォームホイール、歯車機構、インペラ回転軸およびインペラの順に伝達させることができる。ここで、ウォームギヤおよびウォームホイールは、ウォームギヤ側からウォームホイール側への動力伝達は許容するが、ウォームホイール側からウォームギヤ側への動力伝達は禁止するという性質を有している。したがって、本発明に係るウォーターポンプによれば、モータの駆動が停止してモータの出力軸の回転が停止した状態において、インペラが冷媒から受ける反力によってインペラがプーリに対して相対的に回転することを抑制することができる。それにより、本発明に係るウォーターポンプによれば、モータの駆動が停止してモータの出力軸の回転が停止した場合には、インペラをプーリの回転方向と同じ方向に、プーリと同じ回転数で回転させることができる。また、モータが駆動してモータの出力軸が回転した場合には、インペラをプーリに対して相対的に回転させることができる。その結果、モータの出力軸の回転数を調整することで、インペラの回転数を調整することができる。よって、本発明に係るウォーターポンプによれば、小型化を図りつつ内燃機関の吸入負圧を利用せずにインペラの回転数を調整することができる。
上記構成において、前記歯車機構は、前記ウォームホイールに噛み合うとともに前記インペラ回転軸と一体となって回転するように前記インペラ回転軸に接続されたギヤを備えていてもよい。
この構成によれば、例えば歯車機構として、このようなギヤにさらにスパーギヤを組み合わせたもの、遊星歯車機構を備えたもの等を用いる場合に比較して、少ない部品点数でインペラの回転数を調整することができる。それにより、ウォーターポンプの小型化を効果的に実現することができる。
上記構成において、前記回転伝達機構は、前記モータが駆動して前記モータの前記出力軸が一方向に回転した場合において、前記インペラ回転軸が前記プーリの回転方向とは反対方向に回転するように前記モータの前記出力軸の回転を前記インペラ回転軸に伝達してもよい。
この構成によれば、モータが駆動してモータの出力軸が一方向に回転した場合には、インペラをプーリの回転方向とは反対方向に回転させることができる。その結果、インペラの回転数をプーリの回転数に対して減少させることができる。またモータの出力軸の回転数を上げるほど、インペラの回転数のプーリの回転数に対する減少量を大きくすることができる。
上記構成は、前記内燃機関の前記冷媒の温度に基づいて、前記モータの前記出力軸の回転数を制御する制御装置をさらに備えていてもよい。この構成によれば、内燃機関の冷媒の温度に応じてインペラによる冷媒の圧送量を制御することができる。
本発明によれば、小型化を図りつつ内燃機関の吸入負圧を利用せずにインペラの回転数を調整することができるウォーターポンプを提供することができる。
図1は実施例1に係る内燃機関システムを示す模式図である。 図2(a)および図2(b)は、実施例1に係るウォーターポンプを示す模式図である。 図3は、モータの出力軸が一方向に回転した場合における実施例1に係るウォーターポンプを示す模式図である。 図4は、実施例1に係る制御装置がモータを制御する際のフローチャートの一例を示す図である。 図5(a)は、図4のフローチャートが実行された場合における冷媒温度の時間変化を模式的に示すグラフである。図5(b)は、実施例1に係るウォーターポンプにおける内燃機関の始動開始からの経過時間と冷媒温度とプーリ回転数とモータ回転数とインペラ回転数とインペラによる冷媒圧送量との関係の一例を、具体的な数値を例に挙げて示した表である。 図6は、実施例2に係るウォーターポンプを示す模式図である。 図7は、実施例3に係るウォーターポンプを示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明の実施例1に係るウォーターポンプ60について説明する。まず、ウォーターポンプ60が用いられる内燃機関システム5の全体構成について説明し、次いでウォーターポンプ60の詳細について説明する。図1は、内燃機関システム5を示す模式図である。内燃機関システム5の使用用途は特に限定されるものではないが、本実施例に係る内燃機関システム5は、一例として車両に搭載されて用いられるものとする。内燃機関システム5は、内燃機関10と、冷媒が通過する通路である冷媒通路30およびバイパス通路35と、ラジエータ40と、三方弁50と、ウォーターポンプ60と、各種センサ(クランクポジションセンサ70、温度センサ71等)と、制御装置80とを備えている。
本実施例に係る内燃機関10は、一例としてガソリンエンジンを用いる。但し内燃機関10の種類は、これに限定されるものではない。例えば内燃機関10は、ディーゼルエンジンその他のエンジンであってもよい。内燃機関10は、シリンダブロック11と、シリンダヘッド12と、ピストン13と、吸気弁14と、排気弁15と、コンロッド16と、クランクシャフト17と、クランクプーリ18と、ベルト19とを備えている。シリンダブロック11には気筒が形成されている。本実施例に係る気筒の数は一つである。但し、気筒の数はこれに限定されるものではなく、複数であってもよい。
シリンダヘッド12は、シリンダブロック11の上方に配置されている。ピストン13は、気筒に配置されている。シリンダブロック11とシリンダヘッド12とピストン13とによって囲まれた領域に、燃焼室20が形成されている。燃焼室20は、混合気(空気と内燃機関10の燃料噴射弁から噴射された燃料とが混合した気体)が燃焼するための空間である。シリンダヘッド12には、燃焼室20に導入される吸気が通過する穴である吸気ポートと、燃焼室20から排出される排気が通過する穴である排気ポートとが形成されている。吸気弁14は吸気ポートを開閉する弁である。排気弁15は排気ポートを開閉する弁である。なお、本実施例における上方および下方は、必ずしも重力方向における上方および下方と一致している必要はない。例えば、本実施例における上方および下方は水平方向であってもよい。
またシリンダブロック11およびシリンダヘッド12には、ウォータージャケット21が形成されている。ウォータージャケット21は、内燃機関10内に形成された冷媒通路である。冷媒の種類は、内燃機関10を冷却可能な液体であれば、特に限定されるものではない。冷媒として、水、LLC(Long−Life Coolant)等を用いることができる。本実施例においては、冷媒としてLLCを用いる。
コンロッド16は、ピストン13とクランクシャフト17とを連結している。具体的には、コンロッド16は、ピストン13が気筒内を上下動した場合にクランクシャフト17が一方向に回転するように、ピストン13とクランクシャフト17とを連結している。クランクプーリ18は、クランクシャフト17と一体となって回転するように、クランクシャフト17に接続されている。
ベルト19は、内燃機関10の動力をウォーターポンプ60に伝達する部材である。本実施例に係るベルト19は、内燃機関10のクランクプーリ18とウォーターポンプ60の後述するプーリ100とに巻き掛けられている。このようにしてベルト19は、内燃機関10の動力をウォーターポンプ60のプーリ100に伝達している。すなわちベルト19は、内燃機関10の動力をウォーターポンプ60のプーリ100に伝達する動力伝達手段としての機能を有している。なお、内燃機関10の動力をウォーターポンプ60に伝達できるものであれば、動力伝達手段は、ベルト19以外の部材であってもよい。例えば動力伝達手段は、チェーンであってもよい。
冷媒通路30は、冷媒が内燃機関10(具体的には内燃機関10のウォータージャケット21)とウォーターポンプ60との間を循環するための通路である。バイパス通路35は、内燃機関10を経由した冷媒をラジエータ40をバイパスさせるための通路である。本実施例に係るバイパス通路35は、冷媒通路30のラジエータ40よりも冷媒の流動方向上流側とラジエータ40よりも冷媒の流動方向下流側とを連通している。ラジエータ40は、ラジエータ40に導入された冷媒の熱を放熱させる装置である。ラジエータ40を通過することで冷媒の温度は低下する。
三方弁50は、制御装置80によって制御されることで、冷媒の流動先をラジエータ40とバイパス通路35との間で切り替えている。本実施例に係る三方弁50は、バイパス通路35の冷媒通路30への接続点のうち上流側の接続点に配置されているが、これに限定されるものではない。例えば三方弁50は、バイパス通路35の冷媒通路30への接続点のうち、下流側の接続点に配置されていてもよい。
制御装置80がバイパス通路35が開になるように三方弁50を制御した場合、内燃機関10を経由後の冷媒はラジエータ40をバイパスして通過する。制御装置80がバイパス通路35が閉になるように三方弁50を制御した場合、内燃機関10を経由後の冷媒はラジエータ40を通過する。すなわち、本実施例に係るバイパス通路35および三方弁50は、内燃機関10を経由後の冷媒をラジエータ40をバイパスさせて通過させるバイパス手段としての機能を有している。また三方弁50は、バイパス通路35を開閉する開閉手段としての機能も有している。このような機能を有するものであれば、バイパス手段および開閉手段は、上述した構成に限定されるものではない。例えば内燃機関システム5は、三方弁50を備える構成に代えて、または三方弁50を備える構成とともに、バイパス通路35に開閉弁を備える構成を採用してもよい。この場合、制御装置80は開閉弁を制御することでバイパス通路35を開閉する。この構成の場合、開閉弁が開閉手段としての機能を有することになる。
ウォーターポンプ60は、内燃機関10の冷媒を圧送する装置である。具体的には、本実施例に係るウォーターポンプ60は、ウォーターポンプ60の後述するインペラ110が冷媒通路30に配置されており、ウォーターポンプ60は、インペラ110が回転することによって冷媒通路30の冷媒を圧送している。本実施例に係るウォーターポンプ60は、冷媒通路30のラジエータ40よりも冷媒の流動方向下流側且つ内燃機関10よりも冷媒の流動方向上流側に配置されている。より具体的にはウォーターポンプ60は、冷媒通路30のラジエータ40よりも冷媒の流動方向下流側であってバイパス通路35の冷媒通路30への接続点よりもさらに冷媒の流動方向下流側、且つ内燃機関10よりも冷媒の流動方向上流側に配置されている。但し、ウォーターポンプ60の冷媒通路30への配置箇所はこれに限定されるものではない。例えばウォーターポンプ60は、冷媒通路30の内燃機関10よりも冷媒の流動方向下流側且つラジエータ40よりも冷媒の流動方向上流側に配置されていてもよい。
ウォーターポンプ60のインペラ110が回転した場合、ウォーターポンプ60から圧送された冷媒は、冷媒通路30を通過してウォータージャケット21に流入する。冷媒は、ウォータージャケット21を通過する際に内燃機関10の熱を吸収する。それにより冷媒は、内燃機関10を冷却する。ウォータージャケット21を通過した冷媒は、制御装置80が三方弁50を制御することでバイパス通路35が閉にされた場合、冷媒通路30を通過してラジエータ40に流入し、ラジエータ40において熱を放熱して冷却され、再びウォーターポンプ60によって内燃機関10に圧送される。一方、制御装置80が三方弁50を制御することでバイパス通路35が開にされた場合、ウォータージャケット21を通過した冷媒は、ラジエータ40をバイパスして流動し、その後ウォーターポンプ60によって内燃機関10に圧送される。このように冷媒は、内燃機関システム5内を流通しながら内燃機関10を冷却している。
各種センサは、制御装置80の制御に必要な情報を検出するセンサである。図1においては、各種センサの一例として、クランクポジションセンサ70および温度センサ71が図示されている。なお図1において図示はされていないが、内燃機関システム5は、内燃機関10が搭載された車両に搭載されたアクセルの開度(以下、アクセル開度と称する場合がある)を検出するアクセルポジションセンサも備えている。
クランクポジションセンサ70は、クランクシャフト17の位置を検出し、検出結果を制御装置80に伝える。それより、制御装置80は内燃機関10のクランク角を取得する。また制御装置80は、クランクポジションセンサ70の検出結果に基づいて内燃機関10のクランクシャフト17の回転数(以下、内燃機関10のクランクシャフト17の回転数を内燃機関10の回転数と称する場合がある)を取得する。すなわち、クランクポジションセンサ70は、内燃機関10の回転数を検出する回転数検出手段としての機能を有している。但し、内燃機関10の回転数を検出可能なものであれば、回転数検出手段はクランクポジションセンサ70に限定されるものではない。なお、本実施例および後述する実施例2および実施例3において、回転数とは単位時間当たりの回転数、具体的には一分間当たりの回転数(rpm)をいう。
温度センサ71は、内燃機関10の冷媒の温度(以下、冷媒温度と称する場合がある)を検出して、検出結果を制御装置80に伝える。すなわち温度センサ71は、冷媒温度を検出する温度検出手段としての機能を有している。本実施例に係る温度センサ71は、一例として内燃機関10のウォータージャケット21の冷媒温度を検出している。但し、温度センサ71の冷媒温度検出箇所は、これに限定されるものではない。例えば温度センサ71は、冷媒通路30の冷媒温度を検出してもよい。また制御装置80は、温度センサ71の検出結果に基づいて冷媒温度を取得する手法に代えて、冷媒温度と相関を有する指標に基づいて冷媒温度を推定することで、冷媒温度を取得してもよい。冷媒温度と相関を有する指標としては、例えば内燃機関10の負荷(具体的には、内燃機関10の燃料噴射量、内燃機関10の回転数、アクセル開度、吸入空気量等)を用いることができる。
制御装置80は、各種センサの検出結果に基づいて内燃機関10、三方弁50およびウォーターポンプ60を制御する制御部と、制御部の動作に必要な情報を記憶する記憶部とを有している。制御装置80として、電子制御装置(Electronic Control Unit)を用いることができる。本実施例においては、制御装置80の一例として、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82およびRAM(Random Access Memory)83を備える電子制御装置を用いる。制御部の機能は、CPU81によって実現される。記憶部の機能は、ROM82およびRAM83によって実現される。
制御装置80の制御部は、クランクポジションセンサ70およびアクセルポジションセンサの検出結果に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御する。具体的には制御部は、クランクポジションセンサ70の検出結果に基づいて取得したクランク角に基づいて、所定のタイミングで内燃機関10に燃料が噴射されるように燃料噴射手段(例えば燃料噴射弁)を制御することで、内燃機関10の運転状態を制御している。また制御部は、アクセルポジションセンサの検出結果に基づいて取得したアクセル開度に基づいて、内燃機関10に要求される負荷を取得し、取得した要求負荷に応じて内燃機関10の燃料噴射量、内燃機関10への吸入空気量等を制御することで内燃機関10の運転状態を制御している。
また制御部は、温度センサ71の検出結果に基づいて取得した冷媒温度に基づいて三方弁50を制御する。具体的には制御部は、冷媒温度が所定の基準温度より低い場合、バイパス通路35が開になるように三方弁50を制御し、冷媒温度が基準温度以上の場合、バイパス通路35が閉になるように三方弁50を制御する。本実施例においては、この基準温度として、後述する図4のステップS6で用いられる第2温度を用いるものとする。この場合、制御部は、冷媒温度が第2温度より低い場合、バイパス通路35が開になるように三方弁50を制御することで、冷媒通路30の冷媒をラジエータ40をバイパスさせて流動させ、冷媒温度が第2温度以上の場合にバイパス通路35が閉になるように三方弁50を制御することで、冷媒通路30の冷媒をラジエータ40を通過させる。なお、制御部によるウォーターポンプ60の制御の詳細は後述する。
続いてウォーターポンプ60の詳細について説明する。図2(a)および図2(b)は、ウォーターポンプ60を示す模式図である。図2(a)および図2(b)に示すように、ウォーターポンプ60は、内燃機関10の動力が伝達されて回転するプーリ100と、回転することで内燃機関10の冷媒を圧送するインペラ110と、プーリ100の内部に配置されてプーリ100と一体となって回転するモータ120と、プーリ100の内部に配置され、モータ120の出力軸121の回転をインペラ110の回転軸であるインペラ回転軸111に伝達する回転伝達機構130とを備えている。なお図2(a)は、ウォーターポンプ60をインペラ110の軸方向とは垂直な方向から視認した模式図となっており、図2(b)はウォーターポンプ60のプーリ100の内部をインペラ110側から視認した模式図となっている。
また回転伝達機構130は、モータ120の出力軸121に接続したウォームギヤ131と、ウォームギヤ131に噛み合うウォームホイール132と、ウォームホイール132の回転をインペラ回転軸111に伝達する歯車機構とを備えている。本実施例において歯車機構は、ギヤ133である。また、ウォーターポンプ60は、モータ120に電気を供給する給電装置(後述するスリップリング140、ブラシ141、ハウジング142、スリップリング電線143およびモータ電線144)を備えている。なお、図2(a)および図2(b)において、モータ120の出力軸121の回転は停止されている。また各構成部材の理解を容易にするために、図2(a)において、モータ120、出力軸121およびウォームホイール132は点線で図示されている。
プーリ100の具体的な構成は、内燃機関10の動力が伝達されて回転可能であり且つ内部にモータ120および回転伝達機構130を配備可能な構成であれば、特に限定されるものではない。本実施例に係るプーリ100は、一例として、円板101aと円板101bとが円筒形状の側板102によって接続された構成を有している。なお円板101aは、円板101bよりもインペラ110側に配置されている。このような構成を備えることにより、プーリ100は、プーリ100の内部(円板101aと円板101bと側板102とによって区画された空間)にモータ120および回転伝達機構130を配備している。またプーリ100は、プーリ100の側板102の外周側面にベルト19が巻き掛けられ、このベルト19を介して内燃機関10の動力が伝達されることで回転する。なお図2(b)に示すように、インペラ110側からプーリ100を視認した場合、本実施例に係るプーリ100の回転方向は、反時計回りの方向となっている。
またプーリ100は、プーリ100の内部に回転軸103を備えている。回転軸103は、その軸方向がインペラ回転軸111と同じ方向に延伸するように、円板101aと円板101bとに接続されている。回転軸103はウォームホイール132を軸支している。それにより回転軸103は、ウォームホイール132の回転軸としての機能を有している。
インペラ110は、インペラ回転軸111の一端に接続された羽根である。図1において前述したように、インペラ110は冷媒通路30内に配置されている。インペラ110は、インペラ回転軸111が回転することで回転する。インペラ110が回転することで、インペラ110は、冷媒通路30の冷媒を圧送する。
モータ120は、給電装置から電気を供給されることで回転する電動モータである。モータ120の種類は特に限定されるものではないが、本実施例においてはモータ120として、DCブラシレスモータを用いる。また本実施例に係るモータ120は、一例として、プーリ100の円板101aのインペラ110とは反対側の面に固定されている。このようにして本実施例に係るモータ120は、プーリ100と一体となって回転するようにプーリ100の内部に配置されている。但し、モータ120のプーリ100内部における配置箇所は、これに限定されるものではない。例えばモータ120は、円板101bのインペラ110側の面に固定されていてもよい。
本実施例に係るウォームギヤ131は、モータ120の出力軸121と一体となって回転するようにモータ120の出力軸121に接続している。但し、ウォームギヤ131の出力軸121への接続態様は、出力軸121が回転した場合にウォームギヤ131が回転するような接続態様であれば、このようにウォームギヤ131が出力軸121に直接的に接続された構成に限定されるものではない。例えば、ウォームギヤ131は出力軸121に間接的に接続されていてもよい。
ウォームギヤ131が出力軸121に間接的に接続された構成の一例として、回転伝達機構130は、出力軸121に第1の歯車(例えばスパーギヤ)を備え、ウォームギヤ131は回転軸(ウォームギヤ回転軸と称する)を備え、ウォームギヤ回転軸は第1の歯車に噛み合う第2の歯車(例えばスパーギヤ)を備えた構成を採用することができる。この場合、ウォームギヤ131は、ウォーム回転軸、第2の歯車および第1の歯車を介して間接的に出力軸121に接続されることになる。この場合にも、出力軸121の回転を第1の歯車、第2の歯車、ウォームギヤ回転軸およびウォームギヤ131の順に伝達することができ、それにより出力軸121が回転した場合にウォームギヤ131は回転することができる。但し、本実施例のようにウォームギヤ131を出力軸121に直接的に接続した構成の方が、間接的に接続した構成に比較して、回転伝達機構130の部品点数を少なくできる点で好ましい。
ウォームホイール132は、ウォームギヤ131に噛み合うようにプーリ100の内部に配置されている。具体的にはウォームホイール132は、ウォームギヤ131に噛み合うとともに、回転軸103によって軸支されるようにしてプーリ100の内部に配置されている。ギヤ133は、ウォームホイール132に噛み合うとともにインペラ回転軸111と一体となって回転するようにインペラ回転軸111に接続されている。それによりギヤ133は、ウォームホイール132の回転をインペラ回転軸111に伝達している。ギヤ133の種類は特に限定されるものではないが、本実施例においてはギヤ133として、ピニオンギヤを用いる。
本実施例に係るウォーターポンプ60によれば、プーリ100の回転を、プーリ100と一体となって回転するモータ120、モータ120の出力軸121、ウォームギヤ131、ウォームホイール132、ギヤ133、インペラ回転軸111およびインペラ110の順に伝達させることができる。ここで、ウォームギヤ131およびウォームホイール132は、ウォームギヤ131側からウォームホイール132側への動力伝達は許容するが、ウォームホイール132側からウォームギヤ131側への動力伝達は禁止するという性質を有している。したがってウォーターポンプ60によれば、図2(b)に示すように、モータ120の駆動が停止してモータ120の出力軸121の回転が停止した状態において、インペラ110が冷媒から受ける反力によってインペラ110がプーリ100に対して相対的に回転することを抑制することができる。それにより、ウォーターポンプ60によれば、モータ120の駆動が停止してモータ120の出力軸121の回転が停止した場合には、インペラ110をプーリ100の回転方向と同じ方向に、プーリ100と同じ回転数で回転させることができる。
図3は、モータ120の出力軸121が一方向に回転した場合におけるウォーターポンプ60を示す模式図である。ここで、本実施例に係る回転伝達機構130は、モータ120が駆動してモータ120の出力軸121が一方向に回転した場合において、インペラ回転軸111がプーリ100の回転方向とは反対方向に回転するように出力軸121の回転をインペラ回転軸111に伝達している。
具体的には本実施例に係る回転伝達機構130は、ウォームギヤ131およびウォームホイール132の歯の傾斜角度が調整されることで、モータ120の出力軸121が一方向に回転した場合においてインペラ回転軸111がプーリ100の回転方向とは反対方向に回転するように出力軸121の回転をインペラ回転軸111に伝達している。より具体的には、本実施例に係るモータ120の出力軸121の回転方向である一方向は、出力軸121をモータ120側から視認した場合に、反時計回りの方向である。また前述したようにプーリ100の回転方向は、プーリ100をインペラ110側から視認した場合、反時計回りの方向である。この場合、出力軸121が一方向に回転してウォームギヤ131が一方向に回転した場合に、ウォームホイール132が回転軸103の回りをインペラ110側から視認して反時計方向に回転するように、ウォームギヤ131の歯の傾斜角度およびウォームギヤ131の歯の傾斜角度が設定されている。この構成により、モータ120の出力軸121が一方向に回転した場合において、インペラ回転軸111はプーリ100の回転方向とは反対方向に回転することができる。
図2(a)および図2(b)に示すように、本実施例に係る給電装置は、電気を供給する側の端子である給電端子と、電気を受電する側の端子である受電端子とが摺接することで、給電端子側から受電端子側へ電気を伝導する給電装置である。このような給電装置の一例として本実施例においては、スリップリングシステムを用いている。この場合、給電装置は、給電端子であるスリップリング140と、受電端子であるブラシ141と、スリップリング140を支持するハウジング142と、スリップリング140に電気を伝導するスリップリング電線143と、ブラシ141からモータ120へ電気を伝導するモータ電線144とを備えている。
ブラシ141は、プーリ100と一体となって回転するように、プーリ100の外側に配置されている。具体的にはブラシ141は、プーリ100の円板101aの外側、すなわち円板101aのインペラ110側の面に固定されている。またブラシ141は、インペラ回転軸111との間に所定間隔を有するようにして、インペラ回転軸111の周囲を囲むように配置されている。それによりブラシ141がインペラ回転軸111に接触することが抑制されている。プーリ100が回転した場合、ブラシ141はプーリ100とともに回転しながらスリップリング140に摺接することで、スリップリング140から電気を受け取る。
スリップリング140は、環状電路構造を有しており、スリップリング電線143から伝導した電気をブラシ141に供給する。なお、プーリ100が回転した場合であっても、スリップリング140およびハウジング142は回転しない。スリップリング電線143は、スリップリング電線143に電気を供給する電気供給装置(図示せず)に接続されている。電気供給装置の動作は、制御装置80が制御する。
具体的には制御装置80の制御部は、電気供給装置を制御することで、スリップリング140への電気供給量を制御し、それによりモータ120への電気供給量を制御している。このようにして制御部は、モータ120の出力軸121の回転開始、回転停止および回転数の増減等、モータ120の運転状態を制御している。なお、制御部の電気供給装置の制御によるモータ120の出力軸121の具体的な制御手法は、リニア制御手法、PWM制御手法等、公知のモータ回転数制御手法を応用できるため、詳細な説明は省略する。また給電装置の構成は、プーリ100のような回転体とともに回転するモータ120に回転体の外部から電気を給電可能な装置であれば、本実施例に係るスリップリングシステムに限定されるものではない。
本実施例に係るウォーターポンプ60によれば、モータ120および回転伝達機構130(ウォームギヤ131、ウォームホイール132およびギヤ133)がプーリ100の内部に配置されていることから、モータ120または回転伝達機構130がプーリ100の外部に配置されている場合に比較して、ウォーターポンプ60の小型化を図ることができる。具体的には、モータ120および回転伝達機構130がプーリ100の内部に配置されていることから、モータ120または回転伝達機構130が例えばウォーターポンプ60の外部であってインペラ回転軸111方向に配置されている場合に比較して、ウォーターポンプ60のインペラ回転軸111方向の長さを小さくすることができる。それにより、ウォーターポンプ60の小型化を図ることができる。
またウォーターポンプ60によれば、モータ120の駆動が停止してモータ120の出力軸121の回転が停止した状態においては(図2(b))、インペラ110をプーリ100の回転方向と同じ方向に、プーリ100と同じ回転数で回転させることができる。また、モータ120が駆動してモータ120の出力軸121が回転した場合には(図3)、インペラ110をプーリ100に対して相対的に回転させることができる。したがって、モータ120の出力軸121の回転数を調整することで、インペラ110の回転数を調整することができる。
よって、ウォーターポンプ60によれば、小型化を図りつつ内燃機関10の吸入負圧を利用せずにインペラ110の回転数を調整することができる。内燃機関10の吸入負圧を利用せずにインペラ110の回転数を調整できることで、内燃機関10の運転状態が吸入負圧を利用してインペラ110の回転数を調整することが困難になる場合であっても、インペラ110の回転数を調整することができる。それにより、内燃機関10の運転状態にかかわらず、インペラ110の回転数を調整することができる。またウォーターポンプ60の小型化が図れることによって、ウォーターポンプ60の内燃機関10および車両への搭載の自由度を大きくすることができ、その結果、内燃機関10および車両への搭載性を向上させることができる。
また、図3において説明したように本実施例に係る回転伝達機構130は、モータ120が駆動してモータ120の出力軸121が一方向に回転した場合において、インペラ回転軸111がプーリ100の回転方向とは反対方向に回転するように出力軸121の回転をインペラ回転軸111に伝達していることから、モータ120が駆動してモータ120の出力軸121が一方向に回転した場合には、インペラ110をプーリ100の回転方向とは反対方向に回転させることができる。その結果、インペラ110の回転数をプーリ100の回転数に対して減少させることができる。またモータ120の出力軸121の回転数を上げるほど、インペラ110の回転数のプーリ100の回転数に対する減少量を大きくすることができる。
またウォーターポンプ60によれば、制御装置80がモータ120の出力軸121の回転数を無段階に制御(段階的に制御するのではなく、連続的に制御するということ)することで、インペラ110のプーリ100に対する回転数を無段階に変更することができる。この場合、ウォーターポンプ60は、無段階可変容量ウォーターポンプとして機能することができる。またウォーターポンプ60によれば、仮にモータ120が故障してモータ120の回転が不能となった場合であっても、インペラ110を回転させることができるため、モータ120が故障した場合であっても、内燃機関10に冷媒を圧送し続けることができる。それにより、モータ120が故障した場合に内燃機関10への冷媒圧送が停止して内燃機関10が故障に至ることを抑制することができる。
また、モータ120としてDCブラシレスモータを用いていることから、モータ120がブラシレスモータでない場合に比較してモータ120の寿命を向上させることができる。またモータ120がDCモータであることにより、モータ120の出力軸121の回転数を検出するためのセンサを別途設けることなく、モータ120への通電量を制御することでモータ120の出力軸121の回転数を制御することができる。その結果、ウォーターポンプ60はモータ120の出力軸121の回転数を検出するセンサまたはインペラ110の回転数を検出するセンサを別途備えることなく、モータ120の出力軸121の回転数を制御してインペラ110の回転数を制御することができる。それにより、ウォーターポンプ60のコストを低減させることができる。また、モータ120の駆動に必要なトルクは、ウォームギヤ131、ウォームホイール132およびギヤ133の摩擦力に打ち勝つのに必要なトルクで足りる。その結果、モータ120として最大出力の小さなモータを用いることができる。それにより、モータ120の大きさを小さくすることができ、またモータ120のコストを低く抑えることができる。その結果、ウォーターポンプ60の小型化およびコスト低減を図ることができる。
さらにウォーターポンプ60によれば、ウォームホイール132の回転をインペラ回転軸111に伝達する歯車機構として、ギヤ133を用いていることから、歯車機構として、ギヤ133にさらにスパーギヤを組み合わせたもの、遊星歯車機構を備えたもの等を用いる場合に比較して、少ない部品点数でインペラ110の回転数を制御することができる。それにより、ウォーターポンプの小型化を効果的に実現することができる。
続いて制御装置80によるウォーターポンプ60の制御の詳細について説明する。本実施例に係る制御装置80の制御部は、内燃機関10の冷媒の温度に基づいてモータ120の出力軸121の回転数(以下、これをモータ120の回転数と略称する場合がある)を制御する。この制御装置80によるモータ120の制御をフローチャートを用いてさらに詳細に説明する。
図4は、制御装置80がモータ120を制御する際のフローチャートの一例を示す図である。制御装置80の制御部は、図4のフローチャートを所定時間毎に繰り返し実行する。なお、図4のフローチャートのスタート時点において、バイパス通路35が開になるように三方弁50が制御され、その結果、冷媒通路30の冷媒はラジエータ40をバイパスして流通しているものとする。
まず制御部は、冷媒温度およびプーリ100の回転数を取得する(ステップS1)。本実施例に係る制御部は、冷媒温度を、温度センサ71の検出結果に基づいて取得する。また制御部は、プーリ100の回転数を、クランクポジションセンサ70の検出結果に基づいて取得したクランクシャフト17の回転数に基づいて取得する。具体的には制御装置80の記憶部は、クランクシャフト17とプーリ100との減速比を予め記憶しておき、制御部は、クランクポジションセンサ70の検出結果に基づいて取得したクランクシャフト17の回転数と記憶部の減速比とを用いてプーリ100の回転数を算出することで、プーリ100の回転数を取得する。
次いで制御部は、ステップS1で取得した冷媒温度が所定の温度(以下、第1温度と称する)より低いか否かを判定する(ステップS2)。第1温度の値は特に限定されるものではないが、本実施例においては、第1温度として、内燃機関10の暖機が終了していない状態(すなわち暖機中)における冷媒の温度を用いる。この第1温度は、予め適当な値を記憶部に記憶させておく。制御部はステップS1で取得した冷媒温度と記憶部の第1温度とを比較することで、ステップS2を実行する。
ステップS2において冷媒温度が第1温度より低いと判定された場合、制御部は極低速回転が必要か否かを判定する(ステップS3)。極低速回転とは、インペラ110によって僅かな量(以下、極少量流量と称する)の冷媒を圧送できるインペラ110の回転数をいう。この極少量流量の冷媒が圧送されることで、内燃機関10に局所沸騰が生じることを効果的に抑制することができる。本実施例においては、インペラ110の極低速回転時におけるインペラ110の回転数の一例として、0rpmより大きく且つ50rpm以下の値を用いる。また制御部は極低速回転が必要か否かを、冷媒の温度に基づいて判定する。この場合、記憶部は第1温度よりさらに低い第3温度を予め記憶しておく。制御部はステップS1において取得した冷媒温度が記憶部の第3温度より高いと判定した場合に、極低速回転が必要と判定し、冷媒温度が第3温度より高いと判定しなかった場合(すなわち冷媒温度が第3温度以下の場合)に、極低速回転は必要でないと判定する。
ステップS3において極低速回転が必要と判定された場合、制御部は要求流量に極少量流量をセットする(ステップS4)。一方、ステップS3において極低速回転が必要と判定されなかった場合、制御部は要求流量に0をセットする(ステップS5)。ここで要求流量とは、内燃機関10の冷却のためにウォーターポンプ60に要求される冷媒の圧送量をいい、これはウォーターポンプ60が圧送する冷媒の目標流量でもある。
ステップS2において冷媒温度が第1温度より低いと判定されなかった場合、制御部はステップS1で取得した冷媒温度が第2温度より低いか否かを判定する(ステップS6)。第2温度は、第1温度より高い値であれば特に限定されるものではない。本実施例においては第2温度の一例として、冷媒温度が第2温度以上となった場合に内燃機関10の暖機が終了したと判定できる温度を用いる。この場合、ステップS6において冷媒温度が第2温度より低いと判定された場合、暖機が終了していない、すなわち暖機中であると判定でき、冷媒温度が第2温度より低いと判定されなかった場合、暖機が終了していると判定することができる。第2温度は予め記憶部が記憶しておき、制御部はステップS1で取得した冷媒温度と記憶部の第2温度とを比較することで、ステップS6を実行する。
ステップS6において冷媒温度が第2温度より低いと判定された場合、制御部は、内燃機関10の回転数に対応する冷媒の流量をマップから抽出し、抽出された冷媒の流量を要求流量にセットする(ステップS7)。ここでマップには、内燃機関10の暖機中に内燃機関10を冷却するのに必要な冷媒の流量が内燃機関10の回転数に関連付けて規定されている。なお本実施例において、この内燃機関10の暖機中に内燃機関10を冷却するのに必要な冷媒の流量は、ステップS4における極少量流量よりも多い値であり、後述するステップS8においてモータ120が停止した場合における冷媒の流量よりも少ない値である。ステップS7で用いられるマップは、記憶部が予め記憶しておく。制御部は、クランクポジションセンサ70の検出結果に基づいて取得した内燃機関10の回転数に対応する冷媒の流量をマップから抽出し、抽出された冷媒の流量を要求流量にセットする。
ステップS6において冷媒温度が第2温度より低いと判定されなかった場合、制御部は、モータ120を停止させる(ステップS8)。それにより、モータ120の出力軸121の回転も停止する。モータ120の出力軸121が停止した場合、図2(b)において説明したように、インペラ110はプーリ100の回転方向と同じ方向にプーリ100と同じ回転数で回転する。その結果、インペラ110の回転数に応じた流量(以下、これを通常流量と称する)の冷媒がウォーターポンプ60によって圧送されることになる。なお、図1において前述したように、冷媒温度が第2温度より低いと判定されなかった場合、制御部は、バイパス通路35が閉になるように三方弁50を制御する。それにより、冷媒通路30の冷媒は、ラジエータ40を通過するようになる。ステップS8の後、制御部はフローチャートの実行を終了する。
ステップS4、ステップS5およびステップS7の後に制御部は、ステップS4、ステップS5およびステップS7においてセットされた要求流量とステップS1において取得したプーリ100の回転数とに基づいて、モータ120の回転数を算出する(ステップS9)。具体的には制御部は、ステップS4、ステップS5およびステップS7においてセットされた要求流量が得られるようなインペラ110の回転数を算出し、算出されたインペラ110の回転数とステップS1で取得したプーリ100の回転数とに基づいて、以下の式(1)に基づいてモータ120の回転数を算出する。
=(N−N)×減速比・・・(1)
式(1)において、Nはモータ120の回転数(rpm)である。Nはプーリ100の回転数(rpm)である。Nはインペラ110の回転数(rpm)である。なお、インペラ110の回転数を算出するにあたり、記憶部は要求流量とインペラ110の回転数との関係を規定したマップを予め記憶しておく。制御部は、ステップS4、ステップS5およびステップS7においてセットされた要求流量に対応するインペラ110の回転数を記憶部のマップから抽出することで、インペラ110の回転数(N)を取得する。減速比は、プーリ100の回転数とインペラ110の回転数との差に対するモータ120の回転数の比率(N/(N−N))を示す定数であり、記憶部が予め記憶しておく。制御部は、ステップS1取得したプーリ100の回転数と、上述した手法で取得したインペラ110の回転数と、記憶部の減速比とを用いて、式(1)に基づいてモータ120の回転数を算出する。
次いで制御部は、ステップS9で算出されたモータ120の回転数になるようにモータ120を制御する(ステップS10)。具体的には制御部は、ステップS9で算出されたモータ120の回転数になるようにモータ120への電気供給量を制御する。この場合、記憶部は、モータ120の回転数をモータ120への電気供給量に関連付けて規定したマップを記憶しておく。制御部は、ステップS9で算出されたモータ120の回転数に対応する電気供給量をマップから抽出し、抽出された電気供給量がモータ120に供給されるように、スリップリング140に電気を供給する電気供給装置を制御することで、ステップS10を実行する。
なお、本実施例に係るモータ120はDCモータ(具体的にはDCブラシレスモータ)であるが、仮にモータ120がDCモータでない場合には、ウォーターポンプ60はモータ120の回転数を検出する回転数検出センサを備えていてもよい。この場合、ステップS10において制御部は、この回転数検出センサの検出結果に基づいて電気供給装置をフィードバック制御することでステップS10を実行してもよい。あるいは、本実施例のようにモータ120がDCモータの場合であっても、ウォーターポンプ60はモータ120の回転数を検出する回転数検出センサを備え、制御部はこの回転数検出センサの検出結果に基づいて電気供給装置をフィードバック制御することでステップS10を実行してもよい。但し、回転数検出センサを用いずにモータ120を制御する方が、ウォーターポンプ60のコストを削減できる点において好ましい。次いで制御部はフローチャートの実行を終了する。
以上のように本実施例に係る制御装置80は、冷媒温度が第1温度より低い場合にはゼロ〜極少量流量の冷媒が圧送されるようにモータ120の回転数を制御し(ステップS4、ステップS5、ステップS9、ステップS10)、冷媒温度が第1温度以上の場合には、極少量流量よりも多い流量がインペラ110によって圧送されるようにモータ120の回転数を制御している(ステップS7またはステップS8、ステップS9、ステップS10)。それにより、制御装置80によれば、内燃機関10の暖機を促進させることができる。
また制御装置80は、冷媒温度が第1温度以上の場合において、さらに冷媒温度が第2温度より低い場合には、通常流量よりも低い流量の冷媒がインペラ110によって圧送されるようにモータ120の回転数を制御している(ステップS7、ステップS9、ステップS10)。それにより、制御装置80によれば、内燃機関10の暖機を効果的に促進させている。
また制御装置80は、冷媒温度が第1温度より低い場合において、さらに冷媒温度が第3温度以下の場合には、インペラ110によって圧送される冷媒の流量が0となるようにモータ120の回転数を制御し(ステップS5、ステップS9、ステップS10)、冷媒温度が第3温度より高い場合に極少量流量の冷媒がインペラ110によって圧送されるようにモータ120の回転数を制御している(ステップS4、ステップS9、ステップS10)。それにより、制御装置80によれば、内燃機関10において局所沸騰が生じることを抑制しつつ暖機を効果的に促進させている。
続いて、図4のフローチャートが実行された場合における冷媒温度の時間変化を、グラフを用いて説明する。図5(a)は、図4のフローチャートが実行された場合における冷媒温度の時間変化を模式的に示すグラフである。縦軸は冷媒温度を示し、横軸は内燃機関10の始動開始からの経過時間を示している。なお、図5(a)において実線が本実施例に係るウォーターポンプ60による冷媒温度の時間変化を示し、破線が比較例に係るウォーターポンプによる冷媒温度の時間変化を示している。比較例に係るウォーターポンプは、本実施例のように冷媒温度に基づいてモータ120を制御せずに、冷媒温度に関係なく、通常流量の冷媒を内燃機関10の始動開始から圧送している点において、本実施例に係るウォーターポンプ60と異なっている。
図5(a)から分るように、本実施例に係るウォーターポンプ60によれば、冷媒温度は内燃機関10の始動開始から時間Aにおいて第1温度に到達し、その後時間Bにおいて第2温度に到達している。これに対して、比較例に係るウォーターポンプの冷媒温度が第1温度および第2温度に到達するまでの時間は、それぞれ本実施例に係る第1温度および第2温度に到達するまでの時間よりも長くなっている。このように本実施例に係るウォーターポンプ60によれば、比較例に係るウォーターポンプに比較して、早期に冷媒の温度を上昇させることができる。
図5(b)は、本実施例に係るウォーターポンプ60における内燃機関10の始動開始からの経過時間と、冷媒温度と、プーリ100の回転数と、モータ120の回転数と、インペラ110の回転数と、インペラ110による冷媒の圧送量との関係の一例を、具体的な数値を例に挙げて示した表である。なお実際には、プーリ100の回転数は内燃機関10の回転数に応じて変化するため、図5(b)におけるプーリ100の回転数の数値は一例である。また、モータ120の回転数は、ウォームギヤ131とウォームホイール132との減速比を20と仮定し、ギヤ133の減速比を4と仮定した場合(すなわち回転伝達機構130全体の減速比を5と仮定した場合)の値である。
図5(b)において内燃機関10の始動からの時間が時間A未満の場合、冷媒温度は第1温度未満であり、インペラ110による冷媒の圧送量はゼロから極少量流量までの範囲となっている。内燃機関10の始動からの時間が時間A以上時間B未満の場合、冷媒温度は第1温度以上第2温度未満であり、インペラ110による冷媒の圧送量はステップS7においてマップから抽出された要求流量となっている。なお、このマップから抽出された要求流量は、極少量流量よりも多い値である。内燃機関10の始動からの時間が時間B以後の場合、冷媒温度は第2温度以上であり、インペラ110による冷媒の圧送量は通常流量となっている。
以上のように本実施例に係るウォーターポンプ60によれば、制御装置80が冷媒温度に基づいてモータ120の回転数を制御することで、冷媒温度に応じてインペラ110による冷媒の圧送量を制御することができ、以って暖機を促進させて早期に暖機を完了させることができる。暖機を早期に完了させることができることで、ウォーターポンプ60によれば、内燃機関10の燃費を向上させることができる。
なお、本実施例においてモータ120の出力軸121が回転した場合、インペラ110の回転数をプーリ100の回転数に対して減少させているが、これに限定されるものではない。例えば、モータ120の出力軸121が回転した場合に、インペラ110の回転数をプーリ100の回転数に対して増加させてもよい。この場合、モータ120として逆回転可能なモータを用いる場合、制御装置80の制御部は、図3に係るウォーターポンプ60において、モータ120の出力軸121が図3とは反対方向に回転するようにモータ120を制御すればよい。この場合、モータ120の出力軸121を図3に示す一方向とは反対の方向に回転させることができ、その結果、インペラ回転軸111をプーリ100と同じ方向に回転させることができる。それにより、インペラ110の回転数をプーリ100の回転数に対して増加させることができる。
また、モータ120の出力軸121の回転方向を図3と同じ一方向に回転させつつ、出力軸121が一方向に回転した場合にインペラ110の回転数をプーリ100の回転数に対して増加させる場合には、ウォームギヤ131およびウォームホイール132の歯の傾斜角度を、図3の構成とは反対方向に設定すればよい。この場合、回転伝達機構130は、モータ120が駆動してモータ120の出力軸121が一方向に回転した場合において、インペラ回転軸111をプーリ100の回転方向と同じ方向に回転するようにモータ120の出力軸121の回転をインペラ回転軸111に伝達することになる。それにより、出力軸121が一方向に回転した場合に、インペラ110の回転数をプーリ100の回転数に対して増加させることができる。
続いて本発明の実施例2に係るウォーターポンプ(以下、ウォーターポンプ60aと称する)について説明する。ウォーターポンプ60aが用いられる内燃機関システム5は、ウォーターポンプ60に代えてウォーターポンプ60aを備えている点において、図1に示す実施例1に係る内燃機関システム5と同じである。そのため、本実施例においてウォーターポンプ60a以外の構成の説明は省略する。
図6は、ウォーターポンプ60aを示す模式図である。ウォーターポンプ60aは、回転伝達機構130に代えて回転伝達機構130aを備えている点において、図2(a)に示す実施例1に係るウォーターポンプ60と異なっている。回転伝達機構130aは、ウォームホイール132の回転をインペラ回転軸111に伝達する歯車機構として、インペラ回転軸111と一体となって回転するようにインペラ回転軸111に接続されたギヤ133に加えて、ウォームホイール132の回転をギヤ133に伝達するスパーギヤ134をさらに備えている点において、実施例1に係る回転伝達機構130と異なっている。
スパーギヤ134は、回転軸103によって軸支されることでプーリ100の内部に配置されている。またスパーギヤ134は、ウォームホイール132の側面(具体的にはインペラ110側の面)に接続されている。それにより、スパーギヤ134は、ウォームホイール132と一体となって回転する。またスパーギヤ134は、ギヤ133に噛み合っている。それにより、スパーギヤ134は、ウォームホイール132の回転をギヤ133に伝達している。なおモータ120は、円板101aに代えて円板101bのインペラ110側の面に固定されている点においても、実施例1に係るウォーターポンプ60と異なっている。但し、モータ120のプーリ100内部における配置箇所は、これに限定されるものではない。
本実施例においても回転伝達機構130aは、モータ120が駆動してモータ120の出力軸121が一方向に回転した場合において、インペラ回転軸111がプーリ100の回転とは反対方向に回転するように出力軸121の回転をインペラ回転軸111に伝達している。
本実施例に係るウォーターポンプ60aにおいても、モータ120および回転伝達機構130aがプーリ100の内部に配置されていることから、ウォーターポンプ60aの小型化を図ることができる。また、ウォーターポンプ60aによれば、モータ120の駆動が停止してモータ120の出力軸121の回転が停止した状態においては、プーリ100の回転は、プーリ100と一体となって回転するモータ120、出力軸121、ウォームギヤ131、ウォームホイール132、スパーギヤ134、ギヤ133、インペラ回転軸111およびインペラ110の順に伝達する。この場合、インペラ110をプーリ100の回転方向と同じ方向に、プーリ100と同じ回転数で回転させることができる。また、モータ120が駆動してモータ120の出力軸121が回転した場合には、インペラ110をプーリ100に対して相対的に回転させることができる。したがって、モータ120の出力軸121の回転数を調整することで、インペラ110の回転数を調整することができる。よって、ウォーターポンプ60aによれば、小型化を図りつつ内燃機関10の吸入負圧を利用せずにインペラ110の回転数を調整することができる。
また本実施例に係るウォーターポンプ60aにおいても、実施例1と同様に、モータ120が駆動してモータ120の出力軸121が一方向に回転した場合には、インペラ110をプーリ100とは反対方向に回転させることができる。その結果、インペラ110の回転数をプーリ100の回転数に対して減少させることができる。またモータ120の出力軸121の回転数を上げるほど、インペラ110の回転数のプーリ100の回転数に対する減少量を大きくすることができる。
またウォーターポンプ60aにおいても、実施例1と同様に、制御装置80がモータ120の回転数を無段階に制御することで、インペラ110のプーリ100に対する回転数を無段階に変更することができる。この場合、ウォーターポンプ60aは、無段階可変容量ウォーターポンプとして機能することができる。またウォーターポンプ60aによれば、仮にモータ120が故障してモータ120の回転が不能となった場合であっても、インペラ110を回転させることができるため、モータ120が故障した場合であっても、内燃機関10に冷媒を圧送し続けることができる。それにより、モータ120が故障した場合に内燃機関10への冷媒圧送が停止して内燃機関10が故障に至ることを抑制することができる。また、モータ120としてDCブラシレスモータを用いていることから、モータ120の寿命を向上させることができるとともにウォーターポンプ60aのコストを低減させることができる。また、モータ120の駆動に必要なトルクは、ウォームギヤ131、ウォームホイール132、スパーギヤ134およびギヤ133の摩擦力に打ち勝つのに必要なトルクで足りる。その結果、モータ120として最大出力の小さなモータを用いることができる。その結果、ウォーターポンプ60aの小型化およびコスト低減を図ることができる。
また本実施例に係る制御装置80は、実施例1と同様に、内燃機関10の冷媒温度に基づいてモータ120の回転数を制御する。この制御処理の内容は、実施例1に係る図4のフローチャートで説明した内容と同様であるため、説明を省略する。本実施例に係る制御装置80が内燃機関10の冷媒温度に基づいてモータ120の回転数を制御することで、内燃機関10の冷媒温度に応じてインペラ110による冷媒の圧送量を制御することができるとともに、暖機を早期に完了させて内燃機関10の燃費を向上させることができる。
なお、本実施例においてモータ120の出力軸121が回転した場合、インペラ110の回転数をプーリ100の回転数に対して減少させているが、これに限定されるものではない。例えば、モータ120の出力軸121が回転した場合に、インペラ110の回転数をプーリ100の回転数に対して増加させてもよい。この具体的な手法は、実施例1において説明した手法と同様であるため、説明を省略する。
続いて本発明の実施例3に係るウォーターポンプ(以下、ウォーターポンプ60bと称する)について説明する。ウォーターポンプ60bが用いられる内燃機関システム5は、ウォーターポンプ60に代えてウォーターポンプ60bを備えている点において、図1に示す実施例1に係るウォーターポンプ60と同じである。そのため、本実施例においてウォーターポンプ60b以外の構成の説明は省略する。
図7は、ウォーターポンプ60bを示す模式図である。ウォーターポンプ60bは、回転伝達機構130に代えて回転伝達機構130bを備えている点において、図2(a)に示す実施例1に係るウォーターポンプ60と異なっている。回転伝達機構130bは、ギヤ133に代えて、ウォームホイール132の回転をインペラ回転軸111に伝達する遊星歯車機構150を備えている点において、実施例1に係る回転伝達機構130と異なっている。
遊星歯車機構150の具体的構成は、ウォームホイール132の回転をインペラ回転軸111に伝達可能なものであれば特に限定されるものではない。本実施例に係る遊星歯車機構150は、一例として、インペラ回転軸111と一体となって回転するようにインペラ回転軸111に接続されたサンギヤ151と、プーリ100の側板102の内面に配置されたアウターギヤ152と、サンギヤ151とアウターギヤ152とに噛み合うとともに、ウォームホイール132の回転が伝達されることで自転しながらサンギヤ151の回りを公転するプラネタリーギヤ153とを備えている。また、本実施例に係る遊星歯車機構150は、ウォームホイール132の回転をプラネタリーギヤ153に伝達する構成の一例として、ウォームホイール132の回転をプラネタリーギヤ153に伝達するようにウォームホイール132とプラネタリーギヤ153とを連結する連結部材154を備えている。
本実施例に係る連結部材154は、ウォームホイール132の中心とプラネタリーギヤ153の中心とを連結している。具体的には連結部材154の一端にはウォームホイール132の中心が接続され、連結部材154の他端にはプラネタリーギヤ153の中心が接続されている。また連結部材154は、ウォームホイール132側からプラネタリーギヤ153側へ向かってインペラ回転軸111の方向に沿って延伸した後に、略90度屈曲して所定距離延伸した後に、再び略90度屈曲してインペラ回転軸111の方向に延伸してプラネタリーギヤ153の中心に接続している。また本実施例に係るウォームホイール132の回転中心軸はサンギヤ151の回転中心軸と一致しており、その結果、ウォームホイール132の回転中心軸はインペラ回転軸111とも一致している。
連結部材154が上記構成を有することで、ウォームホイール132が回転した場合、連結部材154の一端はウォームホイール132と一体となって回転し、その結果、連結部材154の他端はウォームホイール132の回転中心の回りを公転するように回転する。その結果、連結部材154の他端に接続されたプラネタリーギヤ153は、ウォームホイール132の回転中心(これはサンギヤ151の回転中心でもある)を中心として公転する。その結果、プラネタリーギヤ153は自転しながら、サンギヤ151の回りを公転する。このようにして連結部材154は、ウォームホイール132の回転をプラネタリーギヤ153に伝達している。
なお本実施例にウォーターポンプ60bは、モータ120が円板101aに代えて円板101bのインペラ110側の面に固定されている点においても、実施例1に係るウォーターポンプ60と異なっている。但し、モータ120のプーリ100内部における配置箇所は、これに限定されるものではない。またアウターギヤ152には、モータ電線144が挿通するための穴が形成されており、モータ電線144はこの穴を挿通している。
また本実施例においても、回転伝達機構130bは、モータ120が駆動してモータ120の出力軸121が一方向に回転した場合において、インペラ回転軸111がプーリ100の回転方向とは反対方向に回転するように出力軸121の回転をインペラ回転軸111に伝達している。
本実施例に係るウォーターポンプ60bにおいても、モータ120および回転伝達機構130bがプーリ100の内部に配置されていることから、ウォーターポンプ60bの小型化を図ることができる。またウォーターポンプ60bによれば、モータ120の駆動が停止してモータ120の出力軸121の回転が停止した状態においては、プーリ100の回転は、プーリ100と一体となって回転するモータ120、出力軸121、ウォームギヤ131、ウォームホイール132、遊星歯車機構150、インペラ回転軸111およびインペラ110の順に伝達する。この場合、インペラ110をプーリ100の回転方向と同じ方向に、プーリ100と同じ回転数で回転させることができる。また、モータ120が駆動してモータ120の出力軸121が回転した場合には、インペラ110をプーリ100に対して相対的に回転させることができる。したがって、モータ120の出力軸121の回転数を調整することで、インペラ110の回転数を調整することができる。よって、ウォーターポンプ60bによれば、小型化を図りつつ内燃機関10の吸入負圧を利用せずにインペラ110の回転数を調整することができる。
また本実施例に係るウォーターポンプ60bにおいても、実施例1と同様に、モータ120が駆動してモータ120の出力軸121が一方向に回転した場合には、インペラ110をプーリ100の回転方向とは反対方向に回転させることができる。その結果、インペラ110の回転数をプーリ100の回転数に対して減少させることができる。またモータ120の出力軸121の回転数を上げるほど、インペラ110の回転数のプーリ100の回転数に対する減少量を大きくすることができる。
またウォーターポンプ60bにおいても、実施例1と同様に、制御装置80がモータ120の回転数を無段階に制御することで、インペラ110のプーリ100に対する回転数を無段階に変更することができる。この場合、ウォーターポンプ60bは、無段階可変容量ウォーターポンプとして機能することができる。またウォーターポンプ60bによれば、仮にモータ120が故障してモータ120の回転が不能となった場合であっても、インペラ110を回転させることができるため、モータ120が故障した場合であっても、内燃機関10に冷媒を圧送し続けることができる。それにより、モータ120が故障した場合に内燃機関10への冷媒圧送が停止して内燃機関10が故障に至ることを抑制することができる。また、モータ120としてDCブラシレスモータを用いていることから、モータ120の寿命を向上させることができるとともにウォーターポンプ60bのコストを低減させることができる。また、モータ120の駆動に必要なトルクは、ウォームギヤ131、ウォームホイール132および遊星歯車機構150の摩擦力に打ち勝つのに必要なトルクで足りる。その結果、モータ120として最大出力の小さなモータを用いることができる。その結果、ウォーターポンプ60bの小型化およびコスト低減を図ることができる。
また本実施例に係る制御装置80は、実施例1と同様に、内燃機関10の冷媒温度に基づいてモータ120の回転数を制御する。この制御処理の内容は、実施例1に係る図4のフローチャートで説明した内容と同様であるため、説明を省略する。本実施例に係る制御装置80が内燃機関10の冷媒温度に基づいてモータ120の回転数を制御することで、内燃機関10の冷媒温度に応じてインペラ110による冷媒の圧送量を制御することができるとともに、暖機を早期に完了させて内燃機関10の燃費を向上させることができる。
なお、本実施例においてモータ120の出力軸121が回転した場合、インペラ110の回転数をプーリ100の回転数に対して減少させているが、これに限定されるものではない。例えば、モータ120の出力軸121が回転した場合に、インペラ110の回転数をプーリ100の回転数に対して増加させてもよい。この具体的な手法は、実施例1において説明した手法と同様であるため、説明を省略する。
また実施例1〜実施例3に係るウォーターポンプの構成は、内燃機関10に用いられるエアコンプレッサ、オルタネータ等のプーリにも適用することができる。また、コンベアに用いられるポンプのように、内燃機関以外に用いられるポンプにも適用することができる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
5 内燃機関システム
10 内燃機関
19 ベルト
40 ラジエータ
60 ウォーターポンプ
80 制御装置
100 プーリ
110 インペラ
111 インペラ回転軸
120 モータ
121 出力軸
130 回転伝達機構
131 ウォームギヤ
132 ウォームホイール
133 ギヤ
134 スパーギヤ
140 スリップリング
141 ブラシ
142 ハウジング
150 遊星歯車機構

Claims (4)

  1. 内燃機関の動力が伝達されて回転するプーリと、回転することで前記内燃機関の冷媒を圧送するインペラと、前記プーリの内部に配置されて前記プーリと一体となって回転するモータと、前記プーリの内部に配置され、前記モータの出力軸の回転を前記インペラの回転軸であるインペラ回転軸に伝達する回転伝達機構と、を備え、
    前記回転伝達機構は、前記モータの前記出力軸に接続したウォームギヤと、前記ウォームギヤに噛み合うウォームホイールと、前記ウォームホイールの回転を前記インペラ回転軸に伝達する歯車機構と、を備えるウォーターポンプ。
  2. 前記歯車機構は、前記ウォームホイールに噛み合うとともに前記インペラ回転軸と一体となって回転するように前記インペラ回転軸に接続されたギヤを備える請求項1記載のウォーターポンプ。
  3. 前記回転伝達機構は、前記モータが駆動して前記モータの前記出力軸が一方向に回転した場合において、前記インペラ回転軸が前記プーリの回転方向とは反対方向に回転するように前記モータの前記出力軸の回転を前記インペラ回転軸に伝達する請求項1または2に記載のウォーターポンプ。
  4. 前記内燃機関の前記冷媒の温度に基づいて、前記モータの前記出力軸の回転数を制御する制御装置をさらに備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のウォーターポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018145825A (ja) * 2017-03-02 2018-09-20 トヨタ自動車株式会社 車載内燃機関の冷却液循環システム

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