JP2013158853A - バンドソー装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バンドソー装置1であって、ワークWを支持するバイスベッド2と、バイスベッド2に傾動自在に連結され、環状のバンドソー4が装着されるバンドソーヘッド3と、バンドソーヘッド3の傾動に連動して移動する可動部10と、筒状体21がバイスベッド2に連結され、ロッド22の先端部22aが可動部10に当接している液圧シリンダ20と、ロッド22を可動部10側に付勢する弾性部材30と、を備え、バンドソーヘッド3を降下させたときに、可動部10が筒状体21側に移動して、ロッド22の先端部22aを筒状体21側に移動させ、バンドソーヘッド3を起こしたときに、可動部10はロッド22の先端部22aよりも先行して、筒状体21から離れる方向に移動する。
【選択図】図1
Description
このようなバンドソー装置を用いてワークを切断する場合には、バンドソーヘッドを起こして、バイスにワークを支持させた後に、バンドソーを回転駆動させながら、バンドソーヘッドを降下させ、バンドソーをワークに切り込ませて切断する。
このように、油圧シリンダを用いることで、バンドソーヘッドの降下速度の変動を小さく抑えることができるという切削荷重の自動制御機能を有しているため、ワークを効率よく切断することができる。
また、ワークの肉厚が極めて薄い場合には、バンドソーヘッドの降下速度を抑えることで、バンドソーの鋸歯の間にワークが深く入り込むのを防ぐことができ、鋸歯が欠けるのを防ぐことができる。
なお、前記特許文献1のように、逆止弁を用いてバンドソーヘッドの持ち上げ荷重を小さくしようとしても、油圧シリンダの粘性抵抗によって、バンドソーヘッドを速やかに起こすことが難しい。
また、前記特許文献2のように、駆動モータを用いて油圧によってバンドソーヘッドを起こす構造では、バンドソー装置の重量が大きく、大型になり、さらに、製造コストが高くなる。
このように、本発明では、バンドソーヘッドの降下速度を一定にする弾性部材の復元力を利用して、液圧シリンダのロッドを可動部側に移動させることができるので、製造コストを低減することができる。
この構成では、縦型バンドソーとしての機能であるコンター作業を行うために、バンドソーヘッドをバイスベッドに対して垂直に起こしたときには、可動部とロッドとが離れた状態となるため、バンドソーヘッドに連動した可動部のみを大きく移動させ、可動部を固定することで、バンドソーヘッドを固定することができる。このように、ロッドの先端部を可動部に追従させて大きく移動させる必要がないため、ロッドのストロークを短くすることができ、液圧シリンダを小型化することができる。
この構成では、バイスベッド内にスライドブロックや液圧シリンダなどを収容することができるため、バンドソーヘッドとバイスベッドとの連結部や液圧シリンダなどを保護するとともに、装置の外観を良くすることができる。
この構成では、バンドソーヘッドとバイスベッドとの連結部の部品点数を低減することができる。
また、開閉弁を開弁させるためのスイッチが、把持部または把持部の近傍に配置されているので、バンドソーヘッドを起こすために把持部を把持した手で、スイッチを操作することができる。したがって、バンドソーヘッドを片手で簡単に昇降させることができる。
また、バンドソーヘッドをバイスベッドに対して垂直に起こすコンター機能を有する場合でも、液圧シリンダを小型化することができる。
各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
なお、以下の説明において、左右方向とは各図に示した左右方向である。この左右方向は、バンドソー装置の構造を説明する上で便宜上設定したものであり、バンドソー装置の構造を特定するものではない。
第一実施形態のバンドソー装置1は、図1に示すように、丸棒やパイプの鋼材などのワークWを切断するものである。バンドソー装置1は、バイス5が設けられたバイスベッド2と、バイスベッド2に傾動自在に連結されたバンドソーヘッド3と、を備え、バンドソーヘッド3にバンドソー4が装着されている。
可動板5bは、送りねじ5cによって左右方向にスライド自在となっている。そして、固定板5aおよび可動板5bによって、ワークWを挟み込むことで上面2aにワークWを支持することができる。
バンドソーヘッド3には、凹部3bを囲むように、環状のバンドソー4が収容されている。バンドソー4の一部は、凹部3bの下部領域を左右方向に通過しており、その部位の鋸歯は下方に向けられている。
スライドブロック11は、バンドソーヘッド3の左端部にリンク機構を介して連結されている。リンク機構は、一端がバンドソーヘッド3に回動自在に連結され、他端がスライドブロック11に回動自在に連結されたリンクバー13によって構成されている。
図3(a)に示すように、バンドソーヘッド3を起こしたときには、バンドソーヘッド3によってリンクバー13が筒状体21から離れる方向に引き込まれることで、スライドブロック11が筒状体21から離れる方向に移動する。
ロック機構としては、例えば、スライドブロック11に設けられたピンを、バイスベッド2に設けられた溝や穴に係合させることで、スライドブロック11をバイスベッド2に固定する構造がある。
第一開閉弁25bは、常閉型の電磁弁であり、駆動モータ6の起動、停止に連動して開閉するように構成されている。
駆動モータ6が停止しているときは、第一開閉弁25bが閉弁し、駆動モータ6を起動したときは、第一開閉弁25bが開弁する(図4(b)参照)。
第二開閉弁25cは、常閉型の電磁弁であり、バンドソーヘッド3の把持部3c(図1参照)または把持部3cの近傍に配置されたスイッチ3dのON、OFFに連動して開閉するように構成されている。
スイッチ3dがOFFの状態では、第二開閉弁25cが閉弁し、スイッチ3dがONの状態では、第二開閉弁25cが開弁する(図4(c)参照)。
まず、図1に示すように、バンドソーヘッド3をバイスベッド2の上面2aに対して約40度傾斜させた位置で、スライドブロック11をロック機構によって、バイスベッド2に固定する。このとき、ロッド22の先端部22aはスライドブロック11に当接している。また、図4(a)に示すように、第一開閉弁25b、第二開閉弁25cおよび逆止弁25dは閉弁している。
作業者がバンドソーヘッド3の把持部3cを把持して、スイッチ3d(図4(a)参照)を押し込むことにより(スイッチ3dがON)、第二開閉弁25cが開弁し、ロッド22が移動可能となる。そして、スライドブロック11のロック機構を解除し、バンドソーヘッド3を降下させてバンドソー4をワークWに近づけて、作業者は把持部3cおよびスイッチ3dから手を離す(スイッチ3dがOFF)。
図4(a)に示すように、スイッチ3dをOFFにすることで、第二開閉弁25cが閉弁し、さらに、第一開閉弁25bおよび逆止弁25dも閉弁しているので、ロッド22が固定され、図1に示すバンドソーヘッド3も固定される。
このように、バンドソーヘッド3を降下や固定するときに作業者が把持する把持部3cまたは把持部3cの近傍にスイッチ3dが配置されているため、作業者はバンドソーヘッド3を片手で簡単に降下および固定することができる。
そして、駆動モータ6を起動させ(駆動モータ6がON)、バンドソー4を回転駆動させる。これにより、図4(b)に示すように、第一開閉弁25bが開弁し、ロッド22が移動可能となるため、図2に示すように、バンドソーヘッド3は自重によって降下方向に傾動する。また、バンドソーヘッド3に連動してスライドブロック11が筒状体21側に移動し、スライドブロック11によってロッド22が基端側に押し出される。
このとき、図4(b)に示すように、第二貯留室23cから流出したオイルは、絞り弁25aを通過して第一貯留室23bに流入する。このとき、ロッド22にオイルの粘性抵抗が作用し、図2に示すバンドソーヘッド3に対して反力が作用する。これにより、バンドソーヘッド3は反力を受けながらゆっくりと降下する。
ワークWの切断終了時にバンドソーヘッド3が最も降下した状態になると、バイスベッド2に設置された駆動モータ6のスイッチ(図示せず)のレバーにバンドソーヘッド3の突起部(図示せず)が接触して、駆動モータ6のスイッチがOFFとなり、駆動モータ6が停止する。
このとき、スライドブロック11は、バンドソーヘッド3に連動して筒状体21から離れる方向に移動する。また、ロッド22は弾性部材30の復元力によってスライドブロック11側に移動するが、ロッド22にはオイルの粘性抵抗が作用しているため、スライドブロック11がロッド22よりも先行して移動する。
この状態でも、弾性部材30の復元力によってピストン23aが第一貯留室23b側に押され続けるので、逆止弁25dは開弁した状態を保っている。これにより、第一貯留室23bから流出したオイルは、第三流路24cを通じて第二貯留室23cに流入し、ロッド22はスライドブロック11に当接する位置まで移動する。
これにより、バンドソーヘッド3を起こしたときに、バンドソーヘッド3に対して、液圧シリンダ20のオイルの粘性抵抗が作用しないため、バンドソーヘッド3を小さい力で速やかに起こすことができる。
このように、バンドソー装置1では、バンドソーヘッド3の降下速度を一定にする弾性部材30の復元力を利用して、液圧シリンダ20のロッド22をスライドブロック11側に移動させることができるので、製造コストを低減することができる。
このように、ロッド22の先端部22aをスライドブロック11に追従させて大きく移動させる必要がないため、ロッド22のストロークを短くすることができ、液圧シリンダ20を小型化することができる。
また、コンター作業を行うために、バンドソーヘッド3をバイスベッド2の上面2aに対して垂直に起こすためには、ガイドレール12の長さを、コンター作業以外の切削作業において必要なガイドレール12の長さよりも少し長くすればよいので、コンター機能を設けても製造コストを抑えることができる。
第一実施形態では、図1に示すように、弾性部材30はコイルばねであるが、弾性部材の構成は限定されるものではなく、例えば、ゴムなどの樹脂材料を用いてもよい。
また、弾性部材30は、一つに限定されるものではなく、複数の弾性部材を並列または直列に配置してもよい。
この構成では、スライドブロック11によってロッド22が筒状体21に押し込まれたときには、各弾性部材30が伸長する。また、スライドブロック11が筒状体21から離れる方向に移動したときには、各弾性部材30が収縮することで、各弾性部材30からロッド22に復元力が作用する。
次に、第二実施形態のバンドソー装置1Aについて説明する。
第二実施形態のバンドソー装置1Aは、前記第一実施形態のバンドソー装置1(図1参照)と略同じ構成であり、図6(a)に示すように、可動部10がガイド板14に形成されたガイド溝14aの上側の端部14bである点が異なっている。
ガイド板14は、バンドソーヘッド3の左端部において、回動軸3aよりも筒状体21側に固着されており、回動軸3aの中心を円中心とする円弧状のガイド溝14aが形成されている。
筒状体21は、バイスベッド2に対して、図6(a)の紙面に垂直な方向の軸回りに回動自在に連結されている。
このとき、ロッド22の移動に対してオイルの粘性抵抗が作用し、バンドソーヘッド3の降下速度が調整される。また、各弾性部材30の復元力がバンドソーヘッド3に作用するため、バンドソーヘッド3の降下速度を一定にすることができる。
これにより、バンドソーヘッド3を起こしたときに、バンドソーヘッド3に対して、液圧シリンダ20のオイルの粘性抵抗が作用しないため、バンドソーヘッド3を小さい力で速やかに起こすことができる。
このように、バンドソー装置1Aでは、バンドソーヘッド3の降下速度を一定にする弾性部材30の復元力を利用して、液圧シリンダ20のロッド22をガイド溝14aの上側の端部14b側に移動させることができるので、製造コストを低減することができる。
また、コンター作業を行うために、バンドソーヘッド3をバイスベッド2の上面2aに対して垂直に起こすには、円弧溝14aの長さを、コンター作業以外の切削作業において必要な円弧溝14aの長さよりも少し長くすればよいので、コンター機能を設けても、製造コストを抑えるとともに、構造を簡略化することができる。
1A バンドソー装置(第二実施形態)
2 バイスベッド
2a 上面
3 バンドソーヘッド
3c 把持部
3d スイッチ
4 バンドソー
5 バイス
6 駆動モータ
10 可動部
11 スライドブロック
12 ガイドレール
13 リンクバー
14 ガイド板
14a ガイド溝
20 液圧シリンダ
21 筒状体
22 ロッド
22a 先端部
23a ピストン
23b 第一貯留室
23c 第二貯留室
24a 第一流路
24b 第二流路
24c 第三流路
25a 絞り弁
25b 第一開閉弁
25c 第二開閉弁
25d 逆止弁
30 弾性部材
W ワーク
Claims (5)
- ワークを支持するバイスベッドと、
前記バイスベッドに傾動自在に連結され、環状のバンドソーが装着されるバンドソーヘッドと、
前記バンドソーヘッドの傾動に連動して移動する可動部と、
筒状体が前記バイスベッドに連結され、ロッドの先端部が前記可動部に当接している液圧シリンダと、
前記ロッドを前記可動部側に付勢する弾性部材と、を備え、
前記バンドソーヘッドを降下させたときに、前記可動部が前記筒状体側に移動して、前記ロッドの先端部を前記筒状体側に移動させ、
前記バンドソーヘッドを起こしたときに、前記可動部は前記ロッドの先端部よりも先行して、前記筒状体から離れる方向に移動することを特徴とするバンドソー装置。 - 前記バンドソーヘッドを前記バイスベッドに対して垂直に起こしたときに、前記可動部が前記ロッドから離れた状態に配置されることを特徴とする請求項1に記載のバンドソー装置。
- 前記可動部は、前記バイスベッドにスライド自在に取り付けられたスライドブロックであり、
前記スライドブロックは、前記バンドソーヘッドにリンク機構を介して連結され、
前記スライドブロックの側面に前記ロッドの先端部が当接していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバンドソー装置。 - 前記可動部は、前記バンドソーヘッドに取り付けられたガイド板に形成されたガイド溝の端部であり、
前記ガイド溝は、前記バンドソーヘッドの回動中心を円中心とする円弧状に形成され、
前記ガイド溝に前記ロッドの先端部がスライド自在に挿入されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバンドソー装置。 - 前記液圧シリンダは、
前記ロッドに連結されたピストンによって、前記筒状体内が第一貯留室と第二貯留室とに区画されるとともに、前記第一貯留室と前記第二貯留室とを連通させる第一流路および第二流路が設けられ、
前記第一流路には絞り弁が設けられるとともに、前記第二流路には常閉型の開閉弁が設けられており、
前記バンドソーヘッドの把持部または前記把持部の近傍に配置されたスイッチを操作することで、前記開閉弁が開弁することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のバンドソー装置。
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