JP2013158741A - 流体混合装置、および、触媒ペーストの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の流体に対してせん断力を作用させつつ複数の流体を混合する流体混合装置において、複数の流体に作用するせん断力を柔軟に制御する。
【解決手段】流体混合装置100は、凹凸面を有する第1の混合エレメント20と、凹凸面を有する第2の混合エレメント30であって、第1の混合エレメント20における凹凸面と第2の混合エレメント30における凹凸面とが互いに対向するように配置された第2の混合エレメント30と、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との間に形成される流路の形状を変更する流路形状可変機構としてのシャフト40およびアクチュエーター50と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】流体混合装置100は、凹凸面を有する第1の混合エレメント20と、凹凸面を有する第2の混合エレメント30であって、第1の混合エレメント20における凹凸面と第2の混合エレメント30における凹凸面とが互いに対向するように配置された第2の混合エレメント30と、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との間に形成される流路の形状を変更する流路形状可変機構としてのシャフト40およびアクチュエーター50と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数の流体に対してせん断力を作用させつつ、複数の流体を混合する流体混合装置、および、燃料電池に用いられる触媒ペーストの製造方法に関するものである。
燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。この燃料電池には、電解質膜として、固体高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池がある。そして、固体高分子型燃料電池では、一般に、電解質膜の両面に、それぞれ、電極(触媒層)を接合してなる膜電極接合体が用いられる。この膜電極接合体において、電極は、電解質膜の表面に、触媒ペーストを塗布して乾燥させることによって形成される。
触媒ペーストは、例えば、触媒インクと、アイオノマーを含むゲルと、を混合することによって製造される。ここで、触媒インクは、触媒を担持した導電性粒子である触媒担持粒子と、プロトン伝導性を有するアイオノマーとを、分散溶媒に分散させた分散液である。この分散液(触媒インク)とゲルとの混合は、流体混合装置によって行われる。流体混合装置は、流体としての分散液とゲルに対してせん断力を作用させつつ、分散液とゲルとを混合する。そして、このような流体混合装置について、従来、種々の技術が提案されている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
ところで、上述した分散液とゲルとを混合して触媒インクを製造する際には、分散液およびゲルに作用するせん断力を柔軟に制御することが求められる。せん断力が弱い場合には、分散液とゲルとが十分に分散・混合されず、また、せん断力が強い場合には、ゲルが分解してしまい、電極形成時に、電極に過剰なひび割れが生じる。しかし、上記特許文献に記載された流体混合装置では、流体に作用するせん断力を柔軟に制御することができなかった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、複数の流体に対してせん断力を作用させつつ複数の流体を混合する流体混合装置において、複数の流体に作用するせん断力を柔軟に制御することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
複数の流体に対してせん断力を作用させつつ、前記複数の流体を混合する流体混合装置であって、
凹凸面を有する第1の混合エレメントと、
凹凸面を有する第2の混合エレメントであって、前記第1の混合エレメントにおける凹凸面と前記第2の混合エレメントにおける凹凸面とが互いに対向するように配置された第2の混合エレメントと、
前記複数の流体が流れる流路であって、前記第1の混合エレメントと前記第2の混合エレメントとの間に形成される前記流路の形状を変更する流路形状可変機構と、
を備える流体混合装置。
複数の流体に対してせん断力を作用させつつ、前記複数の流体を混合する流体混合装置であって、
凹凸面を有する第1の混合エレメントと、
凹凸面を有する第2の混合エレメントであって、前記第1の混合エレメントにおける凹凸面と前記第2の混合エレメントにおける凹凸面とが互いに対向するように配置された第2の混合エレメントと、
前記複数の流体が流れる流路であって、前記第1の混合エレメントと前記第2の混合エレメントとの間に形成される前記流路の形状を変更する流路形状可変機構と、
を備える流体混合装置。
流路混合装置において、複数の流体には、第1の混合エレメントと第2の混合エレメントとの間に形成される流路を通過するときに、せん断力が作用する。そして、このせん断力は、上記流路の形状によって変化する。
適用例1の流体混合装置では、流路形状可変機構によって、第1の混合エレメントと第2の混合エレメントとの間に形成される流路の形状を変更することができる。したがって、複数の流体に作用するせん断力を柔軟に制御することができる。
[適用例2]
適用例1記載の流体混合装置であって、
前記流路形状可変機構は、前記第1の混合エレメントと、前記第2の混合エレメントとの相対的な配置を変更することによって、前記流路の形状を変更する、
流体混合装置。
適用例1記載の流体混合装置であって、
前記流路形状可変機構は、前記第1の混合エレメントと、前記第2の混合エレメントとの相対的な配置を変更することによって、前記流路の形状を変更する、
流体混合装置。
適用例2の流体混合装置では、第1の混合エレメントと、第2の混合エレメントとの相対的な配置を変更することによって、第1の混合エレメントと第2の混合エレメントとの間に形成される流路の形状を変更することができる。
[適用例3]
適用例1または2記載の流体混合装置であって、
前記流路形状可変機構は、前記第1の混合エレメントと前記第2の混合エレメントとのギャップを変更するギャップ変更部を備える、
流体混合装置。
適用例1または2記載の流体混合装置であって、
前記流路形状可変機構は、前記第1の混合エレメントと前記第2の混合エレメントとのギャップを変更するギャップ変更部を備える、
流体混合装置。
適用例3の流体混合装置では、第1の混合エレメントと第2の混合エレメントとのギャップを変更することによって、第1の混合エレメントと第2の混合エレメントとの間に形成される流路の形状を変更することができる。
[適用例4]
適用例1ないし3のいずれかに記載の流体混合装置であって、
前記流路形状変更機構は、前記第1の混合エレメントと前記第2の混合エレメントとの対向面に対して垂直な中心軸を中心とする相対的な回転角度を変更する回転角度変更部を備える、
流体混合装置。
適用例1ないし3のいずれかに記載の流体混合装置であって、
前記流路形状変更機構は、前記第1の混合エレメントと前記第2の混合エレメントとの対向面に対して垂直な中心軸を中心とする相対的な回転角度を変更する回転角度変更部を備える、
流体混合装置。
適用例4の流体混合装置では、第1の混合エレメントと第2の混合エレメントとの対向面に対して垂直な中心軸を中心とする相対的な回転角度を変更することによって、第1の混合エレメントと第2の混合エレメントとの間に形成される流路の形状を変更することができる。
[適用例5]
適用例1ないし4記載の流体混合装置であって、さらに、
前記第1の混合エレメントおよび前記第2の混合エレメントの少なくとも一方を、前記第1の混合エレメントと前記第2の混合エレメントとの対向面に対して垂直な中心軸を回転中心として、連続的に回転させる回転部を備える、
流体混合装置。
適用例1ないし4記載の流体混合装置であって、さらに、
前記第1の混合エレメントおよび前記第2の混合エレメントの少なくとも一方を、前記第1の混合エレメントと前記第2の混合エレメントとの対向面に対して垂直な中心軸を回転中心として、連続的に回転させる回転部を備える、
流体混合装置。
適用例5流体混合装置では、第1の混合エレメントおよび第2の混合エレメントの少なくとも一方を、第1の混合エレメントと第2の混合エレメントとの対向面に対して垂直な中心軸を回転中心として連続的に回転させることによって、回転させない場合よりも、複数の流体の混合状態を均一化することができる。
[適用例6]
適用例1ないし5のいずれかに記載の流体混合装置であって、
前記第1の混合エレメントにおける凹凸面と、前記第2の混合エレメントにおける凹凸面とは、互いに嵌合可能な形状を有している、
流体混合装置。
適用例1ないし5のいずれかに記載の流体混合装置であって、
前記第1の混合エレメントにおける凹凸面と、前記第2の混合エレメントにおける凹凸面とは、互いに嵌合可能な形状を有している、
流体混合装置。
[適用例7]
触媒ペーストの製造方法であって、
燃料電池の電極に用いられる触媒を担持した導電性粒子と、プロトン伝導性を有するアイオノマーとを、分散溶媒に分散させた分散液を用意する工程と、
プロトン伝導性を有するアイオノマーを含むゲルを用意する工程と、
前前記分散液および前記ゲルを複数の流体として、適用例1ないし6のいずれかに記載の流体混合装置に投入して、前記分散液と前記ゲルとを混合する工程と、
を備える製造方法。
触媒ペーストの製造方法であって、
燃料電池の電極に用いられる触媒を担持した導電性粒子と、プロトン伝導性を有するアイオノマーとを、分散溶媒に分散させた分散液を用意する工程と、
プロトン伝導性を有するアイオノマーを含むゲルを用意する工程と、
前前記分散液および前記ゲルを複数の流体として、適用例1ないし6のいずれかに記載の流体混合装置に投入して、前記分散液と前記ゲルとを混合する工程と、
を備える製造方法。
適用例7の製造方法では、分散液およびゲルに作用するせん断力を柔軟に制御することができる。したがって、ゲルを分解させることなく、分散液とゲルとを分散・混合することができる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。
A.触媒ペーストの製造工程:
図1は、燃料電池の電極を形成するための触媒ペーストの製造工程を示す説明図である。まず、触媒インクとゲルとを用意する(ステップS100)。
A.触媒ペーストの製造工程:
図1は、燃料電池の電極を形成するための触媒ペーストの製造工程を示す説明図である。まず、触媒インクとゲルとを用意する(ステップS100)。
本実施例では、触媒インクは、燃料電池の電極に用いられる触媒を担持した導電性粒子を、超音波分散機を用いて、水およびアイオノマー分散溶液に分散させることによって作製される。本実施例では、触媒として、白金を用いるものとした。また、導電性粒子として、カーボンブラックを用いるものとした。また、アイオノマーとして、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーを用いるものとした。なお、このアイオノマーのイオン交換当量(EW;Equivalent Weight)は、EW=600〜900であるものとした。本実施例では、白金を担持したカーボンブラック(白金担持カーボン)の粒径が10(μm)以下になるまで分散させるものとした。この触媒インクは、[課題を解決するための手段]における分散液に相当する。
また、本実施例では、ゲルは、上記アイオノマー分散溶液と、水、エタノール、プロパノールとの混合液を、70〜120(℃)に加温し、攪拌してゲル化することによって作製される。本実施例では、ゲルの動的粘弾性が210(Pa)(歪み1%)になるまで攪拌するものとした。
次に、触媒インクとゲルとを流体混合装置に投入して、触媒インクとゲルとを混合する(ステップS110)。この流体混合装置については、後から詳しく説明する。
次に、触媒インクとゲルとの混合物を乳化する(ステップS120)。本実施例では、流体混合装置によって混合された触媒インクとゲルとの混合物を、フィルミックスと呼ばれる高速攪拌機によって、ペースト状になるまで攪拌するものとした。
そして、このペースト状の混合物を減圧環境下に置き、脱泡する(ステップS130)。以上の製造工程によって、触媒ペーストは製造される。この触媒ペーストを、例えば、電解質膜の表面に塗布して乾燥させることによって、燃料電池に用いられる膜電極接合体が製造される。
B.流体混合装置(第1実施例):
図2は、本発明の第1実施例としての流体混合装置100の概略構成を示す説明図である。この流体混合装置100は、複数の流体としての上述した触媒インクおよびゲルに対してせん断力を作用させつつ、触媒インクとゲルとを混合するための装置である。
図2は、本発明の第1実施例としての流体混合装置100の概略構成を示す説明図である。この流体混合装置100は、複数の流体としての上述した触媒インクおよびゲルに対してせん断力を作用させつつ、触媒インクとゲルとを混合するための装置である。
図2(a)に示したように、本実施例の流体混合装置100は、流体導入口12および流体排出口14を有するケーシング10と、ケーシング10内に設けられた複数組の第1の混合エレメント20および第2の混合エレメント30と、各第2の混合エレメント30に接続されたシャフト40と、シャフト40を駆動するアクチュエーター50と、を備えている。ケーシング10は、略円筒形状を有している。また、第1の混合エレメント20、および、第2の混合エレメント30は、それぞれ、略円盤形状を有している。ケーシング10の内径と第1の混合エレメント20の直径とは、ほぼ等しい。また、第2の混合エレメント30の直径は、第1の混合エレメント20の直径よりも小さい。なお、図2では、図示の都合上、2組の第1の混合エレメント20および第2の混合エレメント30が描かれているが、流体混合装置100は、実際には、3組以上の第1の混合エレメント20および第2の混合エレメント30を備えている。
第1の混合エレメント20、および、第2の混合エレメント30は、それぞれ、凹凸面を有している。また、第1の混合エレメント20、および、第2の混合エレメント30は、各凹凸面が互いに対向するように配置されている。そして、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との間には、流体(触媒インクおよびゲル)が流れる流路が形成される。流体には、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との間に形成される流路を通過するときに、せん断力が作用する。
なお、第1の混合エレメント20の凹凸面には、例えば、図2(b)に示したように、4回対称のパターンを有する凸部22が形成されている。また、第1の混合エレメント20の中心には、流体が貫通する貫通孔24が形成されている。また、第2の混合エレメント30の凹凸面にも、図2(c)に示したように、第1の混合エレメント20と同じパターンを有する凸部32が形成されている。第2の混合エレメント30の中心には、シャフト40が接続されている。なお、第1の混合エレメント20における凸部22、および、第2の混合エレメント30における凸部32のパターンは、それぞれ、適宜、変更可能である。
アクチュエーター50は、シャフト40を、シャフト40の軸方向に移動させることができる。シャフト40の軸方向に移動させることによって、後述するように、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30とのギャップを変更することができる。また、アクチュエーター50は、シャフト40の回転角度を変更することができる。シャフト40の回転角度を変更することによって、後述するように、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との対向面に対して垂直な中心軸を中心とする相対的な回転角度を変更することができる。また、アクチュエーター50は、シャフト40を連続的に回転させることもできる。アクチュエーター50、および、シャフト40は、[課題を解決するための手段]における流路形状可変機構、ギャップ変更部、回転角度変更部、回転部に相当する。
この流体混合装置100において、触媒インクおよびゲルは、流体導入口12から導入される。流体導入口12から導入された触媒インクおよびゲルは、第1の混合エレメント20における貫通孔24を通って、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との間に形成された流路に流入する。そして、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との間に形成された流路に流入した触媒インクおよびゲルは、第1の混合エレメント20および第2の混合エレメント30の中心から外側に向かって通過する。このとき、触媒インクおよびゲルには、第1の混合エレメント20における凸部22、および、第2の混合エレメント30における凸部32によって、せん断力が作用しつつ、触媒インクとゲルとが混合される。そして、触媒インクおよびゲルは、ケーシング10と第2の混合エレメント30の周側面部との間を通って、次段の第1の混合エレメント20における貫通孔24から第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との間に形成された流路に流入する。これが複数回繰り返された後、触媒インクとゲルとの混合物は、流体排出口14から排出される。
図3は、流体混合装置100における流路の形状を示す説明図である。図3(a)に、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30とのギャップが5(mm)である場合の流路の形状を示した。また、図3(b)に、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30とのギャップが1(mm)である場合の流路の形状を示した。また、図3(c)に、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30とのギャップが0(mm)である場合の流路の形状を示した。なお、本実施例では、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30とのギャップは、第1の混合エレメント20における凸部22と第2の混合エレメント30における凸部32とのギャップである。
図3から、アクチュエーター50が、シャフト40および第2の混合エレメント30を、シャフト40の軸方向に移動させることによって、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30とのギャップを変更し、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との間に形成される流路の形状を変更することができることが分かる。第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30とのギャップが狭いほど、触媒インクおよびゲルに作用するせん断力は大きくなる。なお、図3(c)に、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30とのギャップが0(mm)である状態を示したが、この場合であっても、アクチュエーター50が、シャフト40を連続的に回転させることによって、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との間には、間欠的に流路が形成され、触媒インクおよびゲルは、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との間を通過することができる。
図4は、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30とを重ねて、中心軸方向から見た第1の混合エレメント20および第2の混合エレメント30を示す説明図である。図4(a)に、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との対向面に対して垂直な中心軸を中心とする相対的な回転角度(以下、「第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との回転角度」とも言う)が0度である状態、すなわち、第1の混合エレメント20における凸部22と、第2の混合エレメント30における凸部32とが完全に向かい合っている状態を示した。また、図4(b)に、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との回転角度が45度である状態を示した。図4から、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との回転角度を変更することによって、第1の混合エレメントと第2の混合エレメントとの間に形成される流路の形状を変更することができることが分かる。
以上説明した第1実施例の流体混合装置100では、シャフト40および第2の混合エレメント30を、シャフト40の軸方向に移動させることによって、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30とのギャップを変更し、第1の混合エレメントと第2の混合エレメントとの間に形成される流路の形状を変更することができる。また、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との回転角度を変更することによって、第1の混合エレメントと第2の混合エレメントとの間に形成される流路の形状を変更することができる。したがって、複数の流体(触媒インクおよびゲル)に作用するせん断力を柔軟に制御することができる。そして、ゲルを分解させることなく、触媒インクとゲルとを分散・混合することができる。
また、第1実施例の流体混合装置100では、シャフト40および第2の混合エレメント30を連続的に回転させることによって、回転させない場合よりも、触媒インクとゲルとの混合状態を均一化することができる。
C.流体混合装置(第2実施例):
図5は、本発明の第2実施例としての流体混合装置100Aの概略構成を示す説明図である。この流体混合装置100Aは、複数の流体としての上述した触媒インクおよびゲルに対してせん断力を作用させつつ、触媒インクとゲルとを混合するための装置である。
図5は、本発明の第2実施例としての流体混合装置100Aの概略構成を示す説明図である。この流体混合装置100Aは、複数の流体としての上述した触媒インクおよびゲルに対してせん断力を作用させつつ、触媒インクとゲルとを混合するための装置である。
第2実施例の流体混合装置100Aは、第1実施例の流体混合装置100における第1の混合エレメント20、および、第2の混合エレメント30の代わりに、第1の混合エレメント20A、および、第2の混合エレメント30Aを備えている。また、第2実施例の流体混合装置100Aは、第1実施例の流体混合装置100におけるアクチュエーター50の代わりに、アクチュエーター50Aを備えている。これ以外の構成は、第1実施例の流体混合装置100と同じである。
第1の混合エレメント20A、および、第2の混合エレメント30Aは、それぞれ、第1実施例における第1の混合エレメント20、および、第2の混合エレメント30と同様に、略円盤形状を有している。そして、ケーシング10の内径と第1の混合エレメント20Aの直径とは、ほぼ等しい。また、第2の混合エレメント30Aの直径は、第1の混合エレメント20Aの直径よりも小さい。また、アクチュエーター50Aは、第1実施例におけるアクチュエーター50と同様に、シャフト40を、シャフト40の軸方向に移動させることができる。ただし、アクチュエーター50Aは、第1実施例におけるアクチュエーター50とは異なり、シャフト40を回転させることはできない。
また、第2実施例の流体混合装置100Aにおいても、第1実施例における第1の混合エレメント20、および、第2の混合エレメント30と同様に、第1の混合エレメント20A、および、第2の混合エレメント30Aは、それぞれ、凹凸面を有している。ただし、第2実施例では、第1の混合エレメント20Aの凹凸面に形成された凸部22Aの形状が、第1実施例における第1の混合エレメント20Aの凹凸面に形成された凸部22の形状と異なっている。また、第2の混合エレメント30Aの凹凸面に形成された凸部32Aの形状が、第1実施例における第2の混合エレメント30の凹凸面に形成された凸部32の形状と異なっている。具体的には、第1の混合エレメント20Aの凹凸面には、図5(b)に示したように、複数の四角柱状の凸部22Aが形成されている。また、第2の混合エレメント30Aの凹凸面には、図5(c)に示したように、複数の四角柱状の凸部32Aが形成されている。そして、第1の混合エレメント20Aにおける複数の凸部22Aと、第2の混合エレメント30Aにおける複数の凸部32Aとは、互いに嵌合可能に配置されている。なお、本実施例では、第1の混合エレメント20Aにおける凸部22Aの高さと、第2の混合エレメント30Aにおける凸部32Aの高さとは、同じであるものとした。第1の混合エレメント20Aにおける複数の凸部22、および、第2の混合エレメント30Aにおける複数の凸部32の形状は、互いに嵌合可能であればよく、適宜、変更可能である。
図6は、第1の混合エレメント20Aと第2の混合エレメント30Aとを重ねて、中心軸方向から見た第1の混合エレメント20Aおよび第2の混合エレメント30Aを示す説明図である。図6から、第2の混合エレメント30Aにおける複数の凸部32Aと、第2の混合エレメント30Aにおける複数の凸部32Aとが、互いに嵌合可能に配置されていることが分かる。
図7は、流体混合装置100Aにおける流路の形状を示す説明図である。図7(a)に、第1の混合エレメント20Aと第2の混合エレメント30Aとのギャップが5(mm)である場合の流路の形状を示した。また、図7(b)に、第1の混合エレメント20Aと第2の混合エレメント30Aとのギャップが1(mm)である場合の流路の形状を示した。また、図7(c)に、第1の混合エレメント20Aと第2の混合エレメント30Aとのギャップが0(mm)である場合の流路の形状を示した。なお、本実施例では、第1の混合エレメント20Aと第2の混合エレメント30Aとのギャップは、第1の混合エレメント20Aにおける凹部の底部(凸部22Aの根元部)と第2の混合エレメント30における凸部32Aとのギャップである。
図7から、アクチュエーター50Aが、シャフト40および第2の混合エレメント30Aを、シャフト40の軸方向に移動させることによって、第1の混合エレメント20Aと第2の混合エレメント30Aとのギャップを変更し、第1の混合エレメント20Aと第2の混合エレメント30Aとの間に形成される流路の形状を変更することができることが分かる。第1の混合エレメント20Aと第2の混合エレメント30Aとのギャップが狭いほど、触媒インクおよびゲルに作用するせん断力は大きくなる。
以上説明した第2実施例の流体混合装置100Aによっても、第1実施例の流体混合装置100と同様に、シャフト40および第2の混合エレメント30Aを、シャフト40の軸方向に移動させることによって、第1の混合エレメント20Aと第2の混合エレメント30Aとのギャップを変更し、第1の混合エレメント20Aと第2の混合エレメント30Aとの間に形成される流路の形状を変更することができる。したがって、複数の流体(触媒インクおよびゲル)に作用するせん断力を柔軟に制御することができる。
D.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
D1.変形例1:
上記実施例の流体混合装置100,100Aでは、シャフト40および第2の混合エレメント30,30Aを、シャフト40の軸方向に移動させることによって、第1の混合エレメント20,20Aと、第2の混合エレメント30,30Aとのギャップを変更するものとしたが、本発明は、これに限られない。第1の混合エレメント20,20Aと、第2の混合エレメント30,30Aとの少なくとも一方を移動させることによって、第1の混合エレメント20,20Aと、第2の混合エレメント30,30Aとのギャップを変更するようにすればよい。
上記実施例の流体混合装置100,100Aでは、シャフト40および第2の混合エレメント30,30Aを、シャフト40の軸方向に移動させることによって、第1の混合エレメント20,20Aと、第2の混合エレメント30,30Aとのギャップを変更するものとしたが、本発明は、これに限られない。第1の混合エレメント20,20Aと、第2の混合エレメント30,30Aとの少なくとも一方を移動させることによって、第1の混合エレメント20,20Aと、第2の混合エレメント30,30Aとのギャップを変更するようにすればよい。
D2.変形例2:
上記第1実施例の流体混合装置100では、シャフト40を回転させることによって、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との回転角度を変更可能としたが、本発明は、これに限られない。第1の混合エレメント20と、第2の混合エレメント30との少なくとも一方を回転させることによって、第1の混合エレメント20と、第2の混合エレメント30との回転角度を変更するようにすればよい。
上記第1実施例の流体混合装置100では、シャフト40を回転させることによって、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との回転角度を変更可能としたが、本発明は、これに限られない。第1の混合エレメント20と、第2の混合エレメント30との少なくとも一方を回転させることによって、第1の混合エレメント20と、第2の混合エレメント30との回転角度を変更するようにすればよい。
D3.変形例3:
第1実施例の流体混合装置100において、アクチュエーター50は、シャフト40を、シャフト40の軸方向に移動させることも、回転させることもできるものとしたが、いずれか一方ができないものとしてもよい。
第1実施例の流体混合装置100において、アクチュエーター50は、シャフト40を、シャフト40の軸方向に移動させることも、回転させることもできるものとしたが、いずれか一方ができないものとしてもよい。
D4.変形例4:
上記実施例の流体混合装置100,100Aでは、第1の混合エレメント20,20Aと、第2の混合エレメント30,30Aとのギャップを変更したり、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との回転角度を変更したりすることによって、流体が流れる流路の形状を変更するものとしたが、本発明は、これに限られない。例えば、流体混合装置100が、第1の混合エレメント20における凸部22や、第2の混合エレメント30における凸部32の形状を変更可能な可変機構を備えるようにしてもよい。また、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との間に、他のエレメントを挿入したり、抜き出したりすることによって、流体が流れる流路の形状を変更可能な可変機構を備えるようにしてもよい。
上記実施例の流体混合装置100,100Aでは、第1の混合エレメント20,20Aと、第2の混合エレメント30,30Aとのギャップを変更したり、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との回転角度を変更したりすることによって、流体が流れる流路の形状を変更するものとしたが、本発明は、これに限られない。例えば、流体混合装置100が、第1の混合エレメント20における凸部22や、第2の混合エレメント30における凸部32の形状を変更可能な可変機構を備えるようにしてもよい。また、第1の混合エレメント20と第2の混合エレメント30との間に、他のエレメントを挿入したり、抜き出したりすることによって、流体が流れる流路の形状を変更可能な可変機構を備えるようにしてもよい。
D5.変形例5:
上記実施例では、流体混合装置100,100Aは、複数の流体としての触媒インクとゲルとを混合する流体混合装置であるものとしたが、他の複数の流体を混合する流体混合装置としてもよい。
上記実施例では、流体混合装置100,100Aは、複数の流体としての触媒インクとゲルとを混合する流体混合装置であるものとしたが、他の複数の流体を混合する流体混合装置としてもよい。
100,100A…流体混合装置
10…ケーシング
12…流体導入口
14…流体排出口
20,20A…第1の混合エレメント
22,22A…凸部
24…貫通孔
30,30A…第2の混合エレメント
32,32A…凸部
40…シャフト
50,50A…アクチュエーター
10…ケーシング
12…流体導入口
14…流体排出口
20,20A…第1の混合エレメント
22,22A…凸部
24…貫通孔
30,30A…第2の混合エレメント
32,32A…凸部
40…シャフト
50,50A…アクチュエーター
Claims (7)
- 複数の流体に対してせん断力を作用させつつ、前記複数の流体を混合する流体混合装置であって、
凹凸面を有する第1の混合エレメントと、
凹凸面を有する第2の混合エレメントであって、前記第1の混合エレメントにおける凹凸面と前記第2の混合エレメントにおける凹凸面とが互いに対向するように配置された第2の混合エレメントと、
前記複数の流体が流れる流路であって、前記第1の混合エレメントと前記第2の混合エレメントとの間に形成される前記流路の形状を変更する流路形状可変機構と、
を備える流体混合装置。 - 請求項1記載の流体混合装置であって、
前記流路形状可変機構は、前記第1の混合エレメントと、前記第2の混合エレメントとの相対的な配置を変更することによって、前記流路の形状を変更する、
流体混合装置。 - 請求項1または2記載の流体混合装置であって、
前記流路形状可変機構は、前記第1の混合エレメントと前記第2の混合エレメントとのギャップを変更するギャップ変更部を備える、
流体混合装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の流体混合装置であって、
前記流路形状変更機構は、前記第1の混合エレメントと前記第2の混合エレメントとの対向面に対して垂直な中心軸を中心とする相対的な回転角度を変更する回転角度変更部を備える、
流体混合装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の流体混合装置であって、さらに、
前記第1の混合エレメントおよび前記第2の混合エレメントの少なくとも一方を、前記第1の混合エレメントと前記第2の混合エレメントとの対向面に対して垂直な中心軸を回転中心として、連続的に回転させる回転部を備える、
流体混合装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の流体混合装置であって、
前記第1の混合エレメントにおける凹凸面と、前記第2の混合エレメントにおける凹凸面とは、互いに嵌合可能な形状を有している、
流体混合装置。 - 触媒ペーストの製造方法であって、
燃料電池の電極に用いられる触媒を担持した導電性粒子と、プロトン伝導性を有するアイオノマーとを、分散溶媒に分散させた分散液を用意する工程と、
プロトン伝導性を有するアイオノマーを含むゲルを用意する工程と、
前前記分散液および前記ゲルを複数の流体として、請求項1ないし6のいずれかに記載の流体混合装置に投入して、前記分散液と前記ゲルとを混合する工程と、
を備える製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012024623A JP2013158741A (ja) | 2012-02-08 | 2012-02-08 | 流体混合装置、および、触媒ペーストの製造方法 |
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ID=49171456
Family Applications (1)
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JP2012024623A Pending JP2013158741A (ja) | 2012-02-08 | 2012-02-08 | 流体混合装置、および、触媒ペーストの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2013158741A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019087306A (ja) * | 2017-11-01 | 2019-06-06 | 凸版印刷株式会社 | 触媒インク及びその製造方法 |
DE102022119224A1 (de) | 2021-08-31 | 2023-03-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Verfahren zur herstellung von katalysatortinte für eine brennstoffzellen-elektrode |
-
2012
- 2012-02-08 JP JP2012024623A patent/JP2013158741A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019087306A (ja) * | 2017-11-01 | 2019-06-06 | 凸版印刷株式会社 | 触媒インク及びその製造方法 |
JP7020061B2 (ja) | 2017-11-01 | 2022-02-16 | 凸版印刷株式会社 | 触媒インク |
DE102022119224A1 (de) | 2021-08-31 | 2023-03-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Verfahren zur herstellung von katalysatortinte für eine brennstoffzellen-elektrode |
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