JP2013157729A - 画像処理装置、撮像装置及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、撮像装置及び画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】既存の撮像システムを大きく変更することなくマルチバンドの撮像システムを実現可能な画像処理装置、撮像装置及び画像処理方法等を提供すること。
【解決手段】画像処理装置は、第1〜第3色フィルタを含む撮像素子に依って撮像された画像を取得する画像取得部と、第1透過率特性Fの非重なり部分に対応する第1バンドBD1と、第1、第2透過率特性F、Fの重なり部分に対応する第2バンドBD2と、第2透過率特性Fの非重なり部分に対応する第3バンドBD3と、第2、第3透過率特性F、Fの重なり部分に対応する第4バンドBD4と、第3透過率特性Fの非重なり部分に対応する第5バンドBD5とを設定し、第1〜第3色の画素値に基づいて第1〜第5バンドBD1〜BD5の成分値b(1)、b(2)、g、r(1)、r(2)を推定するマルチバンド推定部と、を含む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像処理装置、撮像装置及び画像処理方法等に関する。
カメラや顕微鏡、内視鏡などの撮影装置のデジタル化により、各種撮像機能の向上・拡張には目覚しいものがある。色空間の拡張もその一つであり、一般的な3原色のRGBカラー撮影に加え、多くの分割波長帯域による撮影を可能にする。例えば、色空間の拡張により、きめ細かい色の違いを取得し表現する技術の開発が取り組まれている。
特許文献1には、分光透過率特性の平均波長が異なる5種類以上の色フィルタを配置した撮像装置が開示されている。特許文献1では、6種類のフィルタ、即ち第1の青色フィルタ、第2の青色フィルタ、第1の緑色フィルタ、第2の緑色フィルタ、第1の赤色フィルタ、及び第2の赤色フィルタが、撮像センサの画素に対応して設けられており、マルチバンドの画像を同時に撮像することが可能である。
特許文献2には、結像光学系と撮像センサの間に分岐光学系を設け、その分岐光学系を用いて4バンド以上の波長帯域に分離する手法が開示されている。この手法では、分岐された各色の画像は、撮像センサ上の分離された領域に結像される。各色の画像は、まとまった領域に像が生成されるため、マルチバンドの画像を同時に撮像することが可能である。
非特許文献1には、回転式のマルチバンドフィルタを用いて、撮像する画像の通過波長域を順次入れ替えて撮像することにより、マルチバンドの画像を取得する手法が開示されている。この手法では、取得できない波長帯域の情報を、自然界の被写体の分光反射率が滑らかであるとの先見情報を用いて推定する処理が行われている。
特開2005−286649号公報 特開2005−260480号公報
電子情報通信学会誌Vol.88,No.6,2005,東京工業大学
さて、既存の撮像システムを大きく変更することなくマルチバンドの撮像システムを実現することが望ましいという課題がある。
例えば、上述の特許文献1では、撮像素子のカラーフィルタに6種類のカラーフィルタを用いる。そのため、通常のRGB3原色のカラーフィルタを用いた場合に比べて、1種類のカラーフィルタに対して半分の画素しか割当てることができない。割り当てられず情報として欠落している画素値は、補間処理により求めることになるため、解像度の低下は免れない。
また、特許文献2では、分岐光学系により、各色の画像が撮像センサ上の分離された領域に結像される。そのため、各色の画像に割当てられる画素数は、通常のRGB3原色撮影に比べて少なくなり、解像度が低下してしまう。
また、非特許文献1では、回転式のマルチバンドフィルタを用いている。動きのある被写体の場合、フィルタの高速回転とそれに同期した高速撮影が必要となるので、特殊な追加機構が必要である。また、先見情報に基づく推定処理は、自然界の被写体ではない人工的なものを撮影する場合、成立しない可能性がある。
本発明の幾つかの態様によれば、既存の撮像システムを大きく変更することなくマルチバンドの撮像システムを実現可能な画像処理装置、撮像装置及び画像処理方法等を提供できる。
本発明の一態様は、第1透過率特性を有する第1色フィルタと第2透過率特性を有する第2色フィルタと第3透過率特性を有する第3色フィルタとを含む撮像素子によって撮像された画像を取得する画像取得部と、前記第1透過率特性の非重なり部分に対応する第1バンドと、前記第1透過率特性と前記第2透過率特性との重なり部分に対応する第2バンドと、前記第2透過率特性の非重なり部分に対応する第3バンドと、前記第2透過率特性と前記第3透過率特性との重なり部分に対応する第4バンドと、前記第3透過率特性の非重なり部分に対応する第5バンドとを設定し、前記画像を構成する第1〜第3色の画素値に基づいて前記第1〜第5バンドの成分値を推定するマルチバンド推定部と、を含む画像処理装置に関係する。
本発明の一態様によれば、撮像素子の第1〜第3色フィルタが有する第1〜第3透過率特性の重なり部分、非重なり部分に対応して、第1〜第5バンドが設定され、その第1〜第5バンドの成分値が第1〜第3色の画素値に基づいて推定される。これにより、既存の撮像システムを大きく変更することなくマルチバンドの撮像システムを実現することが可能になる。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第1、第2バンドの成分値を加算した値である前記第1色の画素値と、前記第2〜第4バンドの成分値を加算した値である前記第2色の画素値とに基づいて、前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第3、第4バンドの成分値を加算した値である第1加算値との間の関係式を求め、前記関係式に基づいて、前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第1加算値とを推定してもよい。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第1バンドの成分値を未知数として前記関係式を求め、前記関係式で表した前記第1、第2バンドの成分値及び前記第1加算値と、前記第1、第2色の画素値との間の誤差を表す誤差評価値を求め、前記誤差評価値を最小にする前記未知数を決定し、決定した前記未知数及び前記関係式に基づいて、前記第1、第2バンドの成分値及び前記第1加算値を決定してもよい。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第2〜第4バンドの成分値を加算した値である前記第2色の画素値と、前記第4、第5バンドの成分値を加算した値である前記第3色の画素値とに基づいて、前記第2、第3バンドの成分値を加算した値である前記第2加算値と、前記第4バンドの成分値と、前記第5バンドの成分値との間の関係式を求め、前記関係式に基づいて、前記第2加算値と、前記第4バンドの成分値と、前記第5バンドの成分値とを推定し、前記第1加算値と前記第4バンドの成分値から、又は前記第2加算値と前記第2バンドの成分値から前記第3バンドの成分値を求めてもよい。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第1バンドの成分値を未知数として前記関係式を求め、前記未知数の候補として、複数の候補値を生成し、前記複数の候補値の中から、前記第1、第2色の画素値の定義域に基づく選択条件を満たす候補値を、前記関係式に基づいて選択し、選択した前記候補値に基づいて、前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第1加算値とを求めてもよい。
また本発明の一態様では、前記選択条件は、前記関係式に前記候補値を代入して求めた前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第1加算値とが、前記第1、第2色の画素値の定義域に矛盾しないという条件であってもよい。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第1、第2色の画素値の前記定義域に基づいて前記第1バンドの成分値が取り得る範囲内の値を、前記複数の候補値として生成してもよい。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第1、第2色フィルタの透過率特性に基づいて、前記第1色の画素値と前第2色の画素値との間の相対的なゲイン比を補正し、補正後の前記第1、第2色の画素値を用いて前記第1〜第5バンドの成分値を推定してもよい。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第2バンドでの前記第2色フィルタの透過率と、前記第2バンドでの前記第1色フィルタの透過率との比を、前記第1色の画素値に乗じて、前記ゲイン比を補正してもよい。
また本発明の一態様では、前記第1〜第3色は、それぞれ青色、緑色、赤色であり、前記マルチバンド推定部は、前記第1〜第5バンドの成分値を、それぞれ第1青色成分値、第2青色成分値、緑色成分値、第1赤色成分値、第2赤色成分値として求めてもよい。
また本発明の一態様では、前記撮像素子には、撮像光学系の瞳を第1瞳と第2瞳に分割する光学フィルタを透過した光が結像され、前記第1瞳は、前記第1、第2バンドの一方と、前記第3バンドと、前記第4、第5バンドの一方とを透過し、前記第2瞳は、前記第1、第2バンドの他方と、前記第3バンドと、前記第4、第5バンドの他方とを透過し、前記マルチバンド推定部は、前記第1瞳及び前記第2瞳の透過光が撮像された前記画像に基づいて、前記第1〜第5バンドの成分値を推定してもよい。
また本発明の一態様では、前記第1〜第3色フィルタは、それぞれ青色、緑色、赤色の波長帯域を透過する青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタであり、前記マルチバンド推定部は、前記青色の画素値を構成する前記第1、第2バンドの成分値を、それぞれ第1、第2青色成分値として求め、前記緑色の画素値を構成する前記第2〜第4バンドの成分値を、それぞれ第1〜第3緑色成分値として求め、前記赤色の画素値を構成する前記第4、第5バンドの成分値を、それぞれ第1、第2赤色成分値として求めてもよい。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第1青色成分値と、前記第2青色成分値と、前記第1〜第3緑色成分値の加算値である緑色成分値と、前記第1赤色成分値と、前記第2赤色成分値とで、5バンドの成分値を構成してもよい。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載された画像処理装置と、前記撮像素子と、を含む撮像装置に関係する。
また本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載された画像処理装置と、前記撮像素子と、前記光学フィルタが設けられた前記撮像光学系と、を含む撮像装置に関係する。
また本発明の更に他の態様は、第1透過率特性を有する第1色フィルタと、第2透過率特性を有する第2色フィルタと、第3透過率特性を有する第3色フィルタとを含む撮像素子によって撮像された画像を取得し、前記第1透過率特性の非重なり部分に対応する第1バンドと、前記第1透過率特性と前記第2透過率特性との重なり部分に対応する第2バンドと、前記第2透過率特性の非重なり部分に対応する第3バンドと、前記第2透過率特性と前記第3透過率特性との重なり部分に対応する第4バンドと、前記第3透過率特性の非重なり部分に対応する第5バンドとを設定し、前記画像を構成する第1〜第3色の画素値に基づいて前記第1〜第5バンドの成分値を推定する画像処理方法に関係する。
デモザイキング処理についての説明図。 バンド分割手法についての説明図。 第1のマルチバンド推定処理における未知数推定処理についての説明図。 第1のマルチバンド推定処理における未知数推定処理についての説明図。 第2のマルチバンド推定処理における撮像装置の基本構成例。 第2のマルチバンド推定処理におけるバンド分割手法についての説明図。 図7(A)〜図7(F)は、ゲイン補正処理についての説明図。 第2のマルチバンド推定処理における未知数推定処理についての説明図。 図9(A)〜図9(F)は、ゲイン補正処理についての説明図。 第2のマルチバンド推定処理における未知数推定処理についての説明図。 第3のマルチバンド推定処理におけるバンド成分値についての説明図。 ルックアップテーブルの第1設定例。 ルックアップテーブルの第2設定例。 本実施形態の撮像装置の構成例。 本実施形態の画像処理装置の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.第1のマルチバンド推定処理
1.1.概要
高付加価値のマルチバンド撮影を実用性の高い撮像システムとして提供するためには、既存性能を踏襲でき且つ撮像システムを大きく変更することなく機能実現できることが望ましい。
従来から、マルチバンド撮影の手法として種々の手法(例えば特許文献1、2、非特許文献1)が提案されているが、これら従来の手法では、特殊な撮像センサ(撮像素子)や分光フィルタの交換機構などを必要とし、既存の撮像システムの撮像解像度や動画特性を損なわずに実用性の高い手法の提案には至っていない。
そこで、本実施形態では、RGB3原色の撮像素子を用いてRGB画像を撮影し、RGBカラーフィルタの透過率特性の重なりを利用してRGB画像から5バンドのマルチバンド画像を推定する。これにより、従来のRGB3原色の撮像素子による撮像方式を変更せずにマルチバンド撮影を行うことができる。また、特殊な撮像センサや分光フィルタの交換機構などが不要となるため、解像度を犠牲にすることなく、動く被写体にも十分対応できるマルチバンド同時撮影が可能となる。
1.2.バンド分割手法
以下に、RGB画像から5バンドのマルチバンド画像を推定する処理について詳細に説明する。なお、以下ではRGBベイヤ配列の撮像素子を例に説明するが、本実施形態はこれに限定されず、カラーフィルタの透過率特性に重なり部分がある撮像素子でさえあればよい。
図1に示すように、RGBのベイヤ画像を撮像し、ベイヤ画像に対してデモザイキング処理を行ってRGB毎の3画像を生成する。デモザイキング処理により得られた各画素の赤色、緑色、青色の画素値をそれぞれR、G、Bとし、画素値R、G、Bと5バンドの波長成分b(1)、b(2)、g、r(1)、r(2)との関係を下式(1)に示すようにモデル化して考える。
=b(1)+b(2)
=r(1)+g+b(2)
=r(1)+r(2) (1)
図2に示すように、5バンドの波長成分b(1)、b(2)、g、r(1)、r(2)は、カラーフィルタの透過率特性F(λ)、F(λ)、F(λ)および撮像センサの分光特性に応じて定まる成分である。なお本実施形態では説明を簡単にするため、撮像センサの分光特性が、図2に示すカラーフィルタの透過率特性F(λ)、F(λ)、F(λ)に含まれるものとして説明することにする。即ち、青色フィルタの透過率特性F(λ)と緑色フィルタの透過率特性F(λ)との重なり部分に対応するバンドの成分がb(2)であり、青色フィルタの透過率特性F(λ)の非重なり部分に対応するバンドの成分がb(1)である。また、赤色フィルタの透過率特性F(λ)と緑色フィルタの透過率特性F(λ)との重なり部分に対応するバンドの成分がr(1)であり、赤色フィルタの透過率特性F(λ)の非重なり部分に対応するバンドの成分がr(2)である。また、緑色フィルタの透過率特性F(λ)の非重なり部分に対応するバンドの成分がgである。ここで、非重なり部分とは、他の色フィルタの透過率特性と重なっていない部分のことである。
5バンドの帯域BD1〜BD5は、透過率特性F(λ)、F(λ)、F(λ)の形状や重なり具合などに応じて決定すればよく、透過率特性の帯域や重なり部分の帯域そのものである必要はない。例えば、透過率特性F(λ)、F(λ)の重なり部分の帯域は、およそ450nm〜550nmであるが、帯域BD2は重なり部分に対応するものであればよく、450nm〜550nmである必要はない。
1.3.{r(1),r(2),g+b(2)}の推定処理
次に、上式(1)を用いて、{R,G}から{r(1),r(2),g+b(2)}の関係式を下式(2)のように求める。また、上式(1)より下式(3)が成り立つ。なお以下では、R、G、BをR、G、Bと省略して表記する。
R−G=[r(1)+r(2)]−[r(1)+g+b(2)
=r(2)−[g+b(2)] (2)
(1)=R−r(2) (3)
(2)を未知数(支配変数)とすると、上式(1)〜(3)より{r(1),r(2),g+b(2)}の関係式を下式(4)のように求められる。
(2)=未知数(支配変数),
(1)=R−r(2)
g+b(2)=r(2)−[R−G] (4)
{R,G}は検出された既知の値であるので、上式(4)に基づき未知数r(2)が決まれば、{r(1),r(2),g+b(2)}が全て決まることになる。即ち、{r(1),r(2),g+b(2)}の尤度パターンを特定することができる。
図3に、この関係を原理的に表した図を示す。図3に示すように、未知数r(2)として、{r(1),r(2),g+b(2)}と{αR,αGrG}の誤差が最小になる値を求める。
ここで、α,αGrは、下式(5)を満たす値である。αは、Rに対する{r(1),r(2)}の平均的な値を算出したものであり、αGrは、Gに対する{r(1),g+b(2)}の平均的な値を算出したものである。これらは、図2に示すように撮像素子のカラーフィルタ特性から{r(1),r(2)}及び{r(1),g+b(2)}の成分比を考慮して決定すればよい。
0<α≦1,0<αGr≦1 (5)
{r(1),r(2),g+b(2)}と{αR,αGrG}の誤差を評価する値Ergは、下式(6)により求める。そして、評価値Ergが最小になる場合のr(2)を求め、求めたr(2)を上式(4)に代入することにより、{r(1),r(2),g+b(2)}の3つの値を決定する。
=[αR−r(1)+[αR−r(2)
=[αGrG−r(1)+[αGrG−(g+b(2))]
rg=e+e (6)
1.4.{b(1),b(2),g+r(1)}の推定処理
同様にして、上式(1)を用いて、{B,G}から{b(1),b(2),g+r(1)}の関係式を下式(7)のように求める。また、上式(1)より下式(8)が成り立つ。
B−G=[b(1)+b(2)]−[r(1)+g+b(2)
=b(1)−[g+r(1)] (7)
(2)=B−b(1) (8)
(1)を未知数(支配変数)とすると、上式(1)、(7)、(8)より{b(1),b(2),g+r(1)}の関係式を下式(9)のように求められる。
(1)=未知数(支配変数)
(2)=B−b(1)
g+r(1)=b(1)−[B−G] (9)
{B,G}は検出された既知の値であるので、上式(9)に基づき未知数b(1)が決まれば、{b(1),b(2),g+r(1)}が全て決まることになる。即ち、{b(1),b(2),g+r(1)}の尤度パターンを特定することができる。
図4に、この関係を原理的に表した図を示す。図4に示すように、未知数b(1)として、{b(1),b(2),g+r(1)}と{αB,αGbG}の誤差が最小になる値を求める。
ここで、α,αGbは、下式(10)を満たす値である。αは、Bに対する{b(1),b(2)}の平均的な値を算出したものであり、αGbは、Gに対する{b(2),g+r(1)}の平均的な値を算出したものである。これらは、図2に示すように撮像素子のカラーフィルタ特性から{r(1),r(2)}及び{r(1),g+b(2)}の成分比を考慮して決定すればよい。
0<α≦1,0<αGb≦1 (10)
{b(1),b(2),g+r(1)}と{αB,αGbG}の誤差を評価する値Ebgは、下式(11)により求める。そして、評価値Ebgが最小になる場合のb(1)を求め、求めたb(1)を上式(9)に代入することにより、{r(1),r(2),g+b(2)}の3つの値を決定する。
=[αB−b(1)+[αB−b(2)
=[αGbG−b(2)+[αGbG−(g+r(1))]
bg=e+e (11)
次に、上式(1)より下式(12)が成り立つから、上式(4)、(9)で求めたr(1)、b(2)を下式(12)に代入し、gを算出する。
g=G−(r(1)+b(2)) (12)
以上のようにして、デモザイキング処理により得られた各画素の3バンド画素値{R,G,B}から、図2に示すような5バンド画素値{b(1),b(2),g,r(1),r(2)}を推定することができる。
以上の実施形態によれば、画像処理装置は画像取得部とマルチバンド推定部を含む。図2で説明したように、画像取得部は、撮像素子によって撮像された画像を取得する。撮像素子は、第1透過率特性F(λ)を有する第1色フィルタと、第2透過率特性F(λ)を有する第2色フィルタと、第3透過率特性F(λ)を有する第3色フィルタとを有する。図2〜図4で説明したように、マルチバンド推定部は、画像を構成する第1〜第3色の画素値{B,G,R}に基づいて、第1〜第5バンドBD1〜BD5の成分値{b(1),b(2),g,r(1),r(2)}を推定する。図2で説明したように、第1バンドBD1は第1透過率特性F(λ)の非重なり部分に対応する。第2バンドBD2は、第1透過率特性F(λ)と第2透過率特性F(λ)との重なり部分に対応する。第3バンドBD3は、第2透過率特性F(λ)の非重なり部分に対応する。第4バンドBD4は、第2透過率特性F(λ)と第3透過率特性F(λ)との重なり部分に対応する。第5バンドは、第3透過率特性F(λ)の非重なり部分に対応する。
本実施形態では、画像処理装置は、図14に示す撮像装置の中の画像処理装置25、あるいは、図15に示す、撮像装置とは別体に構成された画像処理装置に対応する。また、画像取得部は、図14のRGB画像生成部30、あるいは図15の選択フレーム記憶部260に対応する。マルチバンド推定部は、図14のマルチバンド推定部70、あるいは図15のマルチバンド推定部270に対応する。
ここで、透過率特性の重なり部分とは、図2に示すように波長軸に対して透過率特性を表した場合に、波長軸上で隣り合う透過率特性が重なっている領域のことである。重なり部分は、透過率特性が重なっている領域そのもの、あるいは透過率特性の帯域が重なっている帯域で表される。また、透過率特性の非重なり部分とは、他の透過率特性と重なっていない部分のことである。即ち、透過率特性から重なり部分を除いた部分のことである。なお、重なり部分又は非重なり部分に対応するバンドは、重なり部分又は非重なり部分の帯域そのものに限定されず、重なり部分又は非重なり部分に対応して設定されたバンドであればよい。例えば、所定の透過率と透過率特性が交わる波長でバンドを分割し、第1〜第5バンドを設定してもよい。
このようにすれば、既存の撮像システムを大きく変更することなくマルチバンドの撮像システムを実現することが可能となる。即ち、従来の撮像装置に用いられてきたRGB撮像素子を他の特殊な撮像素子(例えばマルチバンドカラーフィルタを備えた撮像素子)に変更することなく、マルチバンド撮影を行うことができる。また、特殊な追加機構(例えば回転式のマルチバンドカラーフィルタ、分岐光学系)を用いることなく、マルチバンド撮影を行うことができる。特殊な撮像素子や追加機構が不要なため、解像度の低下や、コスト増大を避けることが可能である。
また本実施形態では、上式(1)で説明したように、第1色の画素値Bは、第1、第2バンドの成分値b(1)、b(2)を加算した値であり、第2色の画素値Gは、第2〜第4バンドの成分値b(2)、g、r(1)を加算した値である。上式(9)で説明したように、マルチバンド推定部は、この第1、第2色の画素値B、Gに基づいて、第1バンドの成分値b(1)と、第2バンドの成分値b(2)と、第3、第4バンドの成分値g、r(1)を加算した値である第1加算値r(1)+gとの間の関係式を求める。そして、マルチバンド推定部は、その関係式に基づいて、第1バンドの成分値b(1)と、第2バンドの成分値b(2)と、第1加算値r(1)+gとを推定する。
このようにすれば、隣り合った透過率特性が重なっている状態を、バンド成分値の加算式(上式(1))として表すことができる。そして、その加算式からバンド成分値間の関係式を求め、その関係式からバンド成分値を推定することが可能となる。
また本実施形態では、上式(9)で説明したように、マルチバンド推定部は、第1バンドの成分値b(1)を未知数として関係式を求める。図4及び上式(11)で説明したように、マルチバンド推定部は、関係式で表した第1、第2バンドの成分値及び第1加算値{b(1),b(2),g+r(1)}と、第1、第2色の画素値{B,G}との間の誤差を表す誤差評価値Ebgを求め、その誤差評価値Ebgを最小にする未知数b(1)を決定し、その決定した未知数b(1)及び関係式(上式(9))に基づいて、第1、第2バンドの成分値及び第1加算値{b(1),b(2),g+r(1)}を決定する。
このようにすれば、2つの画素値{B,G}から3つの変数{b(1),b(2),g+r(1)}を決定する際に必要な1つの未知数b(1)を、誤差評価値Ebgに基づいて決定でき、決定した未知数によりバンド成分値{b(1),b(2),g+r(1)}を決定できる。
また本実施形態では、上記と同様にして、マルチバンド推定部は、関係式(上式(4))を求め、その関係式に基づいて、第2、第3バンドの成分値b(2)、gを加算した値である第2加算値g+b(2)と、第4バンドの成分値r(1)と、第5バンドの成分値r(2)とを推定する(上式(1)〜(6))。そして、第1加算値g+r(1)と第4バンドの成分値r(1)から、又は第2加算値g+b(2)と第2バンドの成分値b(2)から第3バンドの成分値gを求める。
このようにすれば、バンド成分値{r(1),r(2),g+b(2)}を関係式で表し、その関係式を用いてバンド成分値{r(1),r(2),g+b(2)}を推定できる。そして、求めたバンド成分値{b(1),b(2),g+r(1)}及び{r(1),r(2),g+b(2)}を用いて、第1〜第5バンドの成分値{b(1),b(2),g,r(1),r(2)}を求めることができる。
また本実施形態では、第1〜第3色は、それぞれ青色(B)、緑色(G)、赤色(R)である。マルチバンド推定部は、第1〜第5バンドの成分値{b(1),b(2),g,r(1),r(2)}を、それぞれ第1青色成分値b(1)、第2青色成分値b(2)、緑色成分値g、第1赤色成分値r(1)、第2赤色成分値r(2)として求める。
このようにすれば、例えばベイヤ配列等の既存のカメラシステムに搭載されたRGB撮像素子をそのまま利用して、5バンドのマルチバンド撮影を行うことが可能となる。なお、本実施形態では、第1〜第3色はRGBに限定されず、波長軸上において隣り合う透過率特性が重なり部分を有する3つのカラーフィルタに対応した色であればよい。
2.第2のマルチバンド推定処理
2.1.基本構成例
次に、第2のマルチバンド推定処理について説明する。図5に、本処理における基本構成例を示す。図5に示すように、撮像光学系は、撮像素子のセンサ面に被写体を結像させる結像レンズLNSと、第1瞳と第2瞳で帯域を分離する光学フィルタFLTと、を含む。
なお以下では、第1瞳を右瞳とし、第2瞳を左瞳として説明するが、本実施形態ではこれに限定されない。即ち、瞳の分離方向は左右に限定されず、撮像光学系の光軸に対して垂直な任意の方向に第1瞳と第2瞳が分離されていればよい。
光学フィルタFLTは、波長分割光{b,g,r}を透過する特性の右瞳フィルタFL1(広義には第1フィルタ)と、波長分割光{b,g,r}を透過する特性の左瞳フィルタFL2(広義には第2フィルタ)とを有する。光学フィルタFLTは、撮像光学系の瞳位置(例えば絞りの設置位置)に設けられ、フィルタFL1、FL2がそれぞれ右瞳、左瞳に相当する。
図6に示すように、右瞳フィルタFL1は、図2で説明した成分{b(1),g,r(1)}に対応する帯域BD1、BD3、BD4を透過するフィルタである。即ち、波長分割光{b,g,r}は、成分{b(1),g,r(1)}に対応する透過光である。また、左瞳フィルタFL2は、図2で説明した成分{b(2),g,r(2)}に対応する帯域BD2、BD3、BD5を透過するフィルタである。即ち、波長分割光{b,g,r}は、成分{b(2),g,r(2)}に対応する透過光である。
図5に示すように、結像レンズLNS及び光学フィルタFLTを透過した結像光は、RGBベイヤ配列の撮像素子に入力され、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光強度として信号に変換されデータとして取得される。図6に示すように、右瞳を通過した波長分割光{b,g,r}と、左瞳を通過した波長分割光{b,g,r}は、波長帯域が明確に分離されている。一方、撮像素子のカラーフィルタの分光特性{F,F,F}は、隣接する分光特性の波長帯域が重複した特性となっている。この重複状態を考慮すると、デモザイキング処理後の各画素における赤色、緑色、青色の画素値R、G、Bを、下式(13)のようにモデル化することができる。
R=g+r +r
G=b +g+r
B=b +b +g (13)
ここで、図7(C)に示すように、成分{b ,b ,g}は、分光特性Fの青色フィルタを通過した波長分割光{b,b,g}に対応する。図7(D)に示すように、成分{b ,g,r }は、分光特性Fの緑色フィルタを通過した波長分割光{b,g,r}に対応する。また、図9(D)に示すように、成分{g,r ,r }は、分光特性Fの赤色フィルタを通過した波長分割光{g,r,r}に対応する。各成分を表す符号の上付きサフィックスは、右瞳「R」及び左瞳「L」のいずれを通過したかを表し、下付サフィックスは、赤色フィルタ「R」、緑色フィルタ「G」、青色フィルタ「B」のいずれを通過したかを表している。
なお、{F,F,F}、{r,g,b}、{r,g,b}は、いずれも波長λの関数であるが、表記を簡単にするために波長λを省略した。
2.2.{b,b,(g+r)}の推定処理
次に、図7(A)〜図10を用いて、画素値{R,G,B}から成分{b ,b ,g}、{b ,g,r }、{g,r ,r }を推定する処理について説明する。なお以下では、波長分割光{b,b,g,r,r}に対応する帯域や成分を、適宜、同一の符号{b,b,g,r,r}で表す。
まず上式(13)を用いて、画素値{B,G}で重複している波長帯域{b,g}を、画素値{B,G}の差分に基づいて取り除き、成分bと成分[g+r]の関係を求めることにより成分{b,b,(g+r)}の関係式を導き出す処理を行う。
ここで注意しなければならないのは、図7(A)〜図7(D)に示すように、波長帯域bに対応するのは画素値Bの成分b 及び画素値Gの成分b であるが、成分b 、b には、分光特性F、Fの相対ゲインが乗じられていることである。そのため、成分b 、b は、相対ゲインの分だけ異なる値であり、成分b 、b が等しくなるように補正する必要がある。
図7(C)、図7(D)に示すように、画素値Gを基準(例えば「1」)として、(b +g)の成分比をkB1とし、b の成分比をkB2とすると、下式(14)が成り立つ。kB1/kB2は、例えば帯域bにおける分光特性F、Fのゲイン比である。
+g=(kB1/kB2)×b (14)
帯域b、gにおける分光特性Fのゲインを考慮すると、成分gは成分b よりも十分小さいと考えられるため、成分b 、b を等しくするためには、成分(b +g)と成分b がほぼ等しくなればよい。成分(b +g)を補正した値を(b ’+g’)とすると、上式(14)を用いて下式(15)に示す補正を行えばよい。
’+g’≒b =(kB2/kB1)×(b +g) (15)
成分(b +g)は画素値Bに含まれるため、成分(b +g)を補正するためには、結局、画素値Bを補正することになる。この補正後のBをB’とすると、下式(16)の関係が得られる。
B’=(kB2/kB1)B (16)
上式(16)より、B’の成分{b ’,b ’,g’}は下式(17)となる。
’=(kB2/kB1)×b
’+g’≒b (17)
上式(13)、(17)より、画素値B’と画素値Gを成分{b ’,b ,g,r }を用いて表すと、下式(18)のようになる。
B’=b ’+(b ’+g’)=b ’+b
G =b +(g+r ) (18)
次に、下式(19)に示すように、補正後の画素値B’と画素値Gの差分を取ることにより、重複した成分bを取り除く。また上式(18)より下式(20)が成り立つ。
B’−G=[b ’+b ]−[b +g+r
=b ’−(g+r ) (19)
=B’−b ’ (20)
’を未知数(支配変数)とすると、上式(19)、(20)より{b ’,b ,(g+r )}の関係式を下式(21)のように求められる。
’=未知数(支配変数)
=B’−b
+r =b ’−(B’−G) (21)
{B’,G}は検出された既知の値であるので、上式(21)に基づき未知数b ’が決まれば、{b ’,b ,(g+r )}が全て決まることになる。即ち、{b ’,b ,(g+r )}の尤度パターンを特定することができる。
図8に、この関係を原理的に表した図を示す。図8に示すように、未知数b ’として、{b ’,b ,(g+r )}と{B’/2,G/2}の誤差が最小になる値を求める。即ち、下式(22)に示す誤差の評価値EBGが最小になる場合のb ’を求め、求めたb ’を上式(21)に代入することにより、{b ’,b ,(g+r )}の値を決定する。
=(B’/2−b ’)+(B’/2−b
=(G/2−b +(G/2−(g+r ))
BG=e+e (22)
以上のようにして、各画素の2バンド画素値{B’,G}から成分{b ’,b ,(g+r )}を推定することができる。
2.3.{(b+g),r,r}の推定処理
次に、画素値{G,R}から成分{(b+g),r,r}を推定する。具体的には、上式(13)を用いて、画素値{G,R}で重複している波長帯域{g,r}を、画素値{G,R}の差分に基づいて取り除き、成分[b+g]と成分rの関係を求めることにより成分{(b+g),r,r}の関係式を導き出す処理を行う。
図9(A)〜図9(D)に示すように、波長帯域rに対応するのは画素値Gの成分r 及び画素値Rの成分r であるが、成分r 、r には、分光特性F、Fの相対ゲインが乗じられている。そのため、成分r 、r は、相対ゲインの分だけ異なる値であり、成分r 、r が等しくなるように補正する必要がある。
図9(C)、図9(D)に示すように、画素値Gを基準(例えば「1」)として、(g+r )の成分比をkR1とし、r の成分比をkR2とすると、下式(23)が成り立つ。kR1/kR2は、例えば帯域rにおける分光特性F、Fのゲイン比である。
+r =(kR2/kR1)×r (23)
帯域g、rにおける分光特性Fのゲインを考慮すると、成分gは成分r よりも十分小さいと考えられるため、成分r 、r を等しくするためには、成分(g+r )と成分r がほぼ等しくなればよい。成分(g+r )を補正した値を(g’+r ’)とすると、上式(23)を用いて下式(24)に示す補正を行えばよい。
’+r ’≒r =(kR2/kR1)×(g+r ) (24)
成分(g+r )は画素値Rに含まれるため、成分(g+r )を補正するためには、結局、画素値Rを補正することになる。この補正後のRをR’とすると、下式(25)の関係が得られる。
R’=(kR2/kR1)R (25)
上式(25)より、R’の成分{g’,r ’,r ’}は下式(26)となる。
’+r ’≒r
’=(kR2/kR1)×r (26)
上式(13)、(26)より、画素値Gと画素値R’を成分{b ,g,r ,r ’}を用いて表すと、下式(27)のようになる。
G =b +(g+r ),
R’=(g’+r ’)+r ’=r +r ’ (27)
次に、下式(28)に示すように、画素値Gと補正後の画素値R’の差分を取ることにより、重複した成分rを取り除く。また上式(27)より下式(29)が成り立つ。
G−R’=[b +g+r )]−[r +r ’]
=(b +g)−r ’ (28)
=R’−r ’ (29)
’を未知数(支配変数)とすると、上式(28)、(29)より{r ’,r ,(b +g)}の関係式を下式(30)のように求められる。
’=未知数(支配変数),
=R’−r ’ ,
+g=r ’+(G−R’) (30)
{G,R’}は検出された既知の値であるので、上式(30)に基づき未知数r ’が決まれば、{r ’,r ,(b +g)}が全て決まることになる。即ち、{r ’,r ,(b +g)}の尤度パターンを特定することができる。
図10に、この関係を原理的に表した図を示す。図10に示すように、未知数r ’として、{r ’,r ,(b +g)}と{G/2,R’/2}の誤差が最小になる値を未知数r ’として求める。即ち、下式(31)に示す誤差の評価値EGRが最小になる場合のr ’を求め、求めたr ’を上式(30)に代入することにより、{r ’,r ,(b +g)}の値を決定する。
=(G/2−(b +g))+(G/2−r
=(R’/2−r +(R’/2−(r ’))
GR=e+e (31)
以上のようにして、各画素の2バンド画素値{G,R’}から成分{r ’,r ,(b +g)}を推定することができる。
なお、上式(22)、(31)では画素値{B’,G}、{G,R’}に対して係数1/2を掛けて評価値を算出したが、係数は1/2に限定されない。第1のマルチバンド推定処理で説明(例えば上式(10))したように、係数は0より大きく1以下であればよい。
また、評価値EBG、EGRの算出手法は上記手法に限定されず、種々の方法が考えられることは言うまでもない。例えば、評価値EBGを例にとれば、予め対象とする被写体(例えば、自然被写体あるいは医療用の生体内被写体など)を多数撮像し、取得された{R,G,B}により得られる{B’,G}から、{b ’,b ,(g+r )}の値の生起パターンを上記のようにして求める。そして、{b ’,b ,(g+r )}の生起パターンの確率分布において、局所的に生起確率が高いピークを示すパターンか、または部分的な確率分布領域を設定し、その中のパターン群の平均パターンを示すパターン{b ’,b ,(g+r )}を代表パターンとして定める。このようにして、予め定めた複数の代表パターンを設定しておく。そして、改めて(実際の撮影で)取得された{B,G}から推定を行う際には、取得された{B,G}から上記のように{b ’,b ,(g+r )}を計算し、その計算により求めた{b ’,b ,(g+r )}と、予め設定した代表パターンとのユークリッド距離を評価値として求める。予め設定された代表パターンのうち最もユークリッド距離が小さい、即ち最も類似する代表パターンを推定パターンとし、{b ’,b ,(g+r )}の値として特定してもよい。なお、予め代表パターンを設定する際に、対象被写体の{B’,G}の生起パターンから{B’,G}の代表パターンを求めてもよい。そして、実際に撮影した{B’,G}から推定する際に、撮影で取得した{B’,G}と、代表パターンとのユークリッド距離を評価値として求め、評価値の最も小さい{B’,G}の代表パターンに対して上記の推定処理を行い、最終的な推定パターン{b ’,b ,(g+r )}を特定してもよい。
2.4.成分値の算出処理
次に、上記で求めた値{b ’,b ,(g+r )}、{r ’,r ,(b +g)}を用いて、画素値Bを構成する成分{b ,b }の値、画素値Gを構成する成分{b ,g,r }の値、画素値Rを構成する成分{r ,r }の値を算出する。
上式(17)、(26)より、b ,r は、下式(32)により求められる。
=(kB1/kB2)×b ’ ,
=(kR1/kR2)×r ’ (32)
≪b ,g≪r であることを用いて、上式(13)より、b ,r は、下式(33)により求められる。
=B−(b +g)≒B−b
=R−(r +g)≒R−r (33)
上式(13)より、b ,r は、下式(34)により求められる。
=G−(g+r ),
=G−(g+b ) (34)
上式(13)、(34)より、gは、下式(35)により求められる。
=G−(b +r ) (35)
2.5.マルチバンド画像の取得処理
図5に示すように、光学フィルタFLTの透過光を撮像することで、右瞳を通過した被写体像Iと、左瞳を通過した被写体像Iが得られる。図5では、撮像素子のセンサ面がデフォーカス位置PDにある場合を例に、I、Iを図示しており、hは水平方向(広義には瞳の分離方向)に沿った軸である。像IのR、G、B成分は、それぞれ(r ,g)、(g,r )、(b ,g)であり、像IのR、G、B成分は、それぞれ(r ,g)、(g,r )、(b ,g)である。
撮像素子のセンサ面がフォーカス位置PFにあるフォーカス時では、像I、Iのずれは無くなる。即ち、同一画素におけるr とr 、r とb 、b とb 、gは、全て被写体の同一微小領域からの反射光の色光を表している。即ち、結像時の撮像素子の任意の画素のR、G、B値から、下式(36)に示す5バンド{R,R,G,B,B}の色画像(マルチバンド画像)を得ることができる。
=r ,R=r ,G=r +g+b ,B=b ,B=b (36)
以上の実施形態によれば、図7(A)〜図7(F)で説明したように、マルチバンド推定部は、第1、第2色フィルタの透過率特性F、Fに基づいて、第1色の画素値Bと第2色の画素値Gとの間の相対的なゲイン比kB1/kB2を補正し、補正後の第1、第2色の画素値B’、Gを用いて第1〜第5バンドの成分値を推定する。
より具体的には、上式(14)〜(17)で説明したように、マルチバンド推定部は、第2バンド(b)での第2色フィルタ(F)の透過率kB2と、第2バンド(b)での第1色フィルタ(F)の透過率kB1との比kB1/kB2を、第1色の画素値Bに乗じて、ゲイン比を補正する。
撮像素子のカラーフィルタでは、一般的に色に依って透過率特性が異なるため、色に依ってゲインが異なっている。本実施形態によれば、透過率特性の重なり部分に対応するバンドが存在するため、そのバンドにおける相対的なゲイン比kB1/kB2を求めることができ、そのゲイン比を用いて、色に依って異なるゲインを補正できる。
また本実施形態では、図5で説明したように、撮像素子(撮像素子のセンサ面)には、撮像光学系の瞳を第1瞳(例えば右瞳)と第2瞳(左瞳)に分割する光学フィルタFLTを透過した光が結像される。図6で説明したように、第1瞳(第1瞳フィルタFL1)は、第1、第2バンドの一方b=b(1)と、第3バンドgと、第4、第5バンドの一方r=r(1)とを透過する。第2瞳(第2瞳フィルタFL2)は、第1、第2バンドの他方b=b(2)と、第3バンドgと、第4、第5バンドの他方r=r(2)とを透過する。マルチバンド推定部は、第1瞳及び第2瞳の透過光が撮像された画像に基づいて、第1〜第5バンドの成分値を推定する。
このようにすれば、第1瞳、第2瞳に対応するバンド成分値を、それぞれ求めることができる。これにより、瞳分割を利用した種々の応用処理が可能となる。また、第1瞳、第2瞳にそれぞれRGB成分が含まれるため、撮像画像のピンぼけ領域においても色ずれが生じにくい。なお、上記の実施形態では、b(1)、r(1)が第1瞳に割り当てられる場合を例に説明したが、本実施形態ではこれに限定されず、b(1)、b(2)のいずれが第1瞳に割り当てられてもよいし、r(1)、r(2)のいずれが第1瞳に割り当てられてもよい。
また本実施形態では、上式(32)〜(35)に示すように、マルチバンド推定部は、青色の画素値Bを構成する第1、第2バンドの成分値{b ,b }を、それぞれ第1、第2青色成分値として求め、緑色の画素値Gを構成する第2〜第4バンドの成分値{b ,g,r }を、それぞれ第1〜第3緑色成分値として求め、赤色の画素値Rを構成する第4、第5バンドの成分値{r ,r }を、それぞれ第1、第2赤色成分値として求める。
より具体的には、上式(36)で説明したように、マルチバンド推定部は、第1、第2青色成分値B=b 、B=b と、第1〜第3緑色成分値{b ,g,r }の加算値である緑色成分値Gと、第1、第2赤色成分値R=r 、R=r とで、5バンドの成分値を構成する。
このようにすれば、第1〜第5バンドの成分値を、第1瞳の通過光に対応する成分値B=b 、G、R=r と、第2瞳の通過光に対応する成分値B=b 、G、R=r とに分離して求めることができる。なお、緑色成分値Gの構成手法は、上記に限定されず、例えば各瞳の緑色成分値を分離して構成してもよい。
3.第3のマルチバンド推定処理
3.1.候補発生による推定処理
次に、第3のマルチバンド推定処理について説明する。
図11に示すように、ゲイン補正を行った5バンドの成分の関係式を第2のマルチバンド推定処理と同様にして求める。下記に、第2のマルチバンド推定処理で説明した式(21)、(30)を再掲する。
’=未知数(支配変数),
=B’−b ’ ,
+r =b ’−(B’−G) (21)
’=未知数(支配変数),
=R’−r ’ ,
+g=r ’+(G−R’) (30)
’、r ’は、検出されるはずの分割帯域成分b 、r の補正値であり、第2のマルチバンド推定処理で説明した式(17)、(26)より、下式(37)で表される。
’=(kB2/kB1)×b
’=(kR2/kR1)×r (37)
さて、{b ’,b ,(g+r )}及び{r ’,r ,(b +g)}のそれぞれのパターンの成分値は、正の値であってかつ取り得る値の範囲に制限があることに注目する。
具体的には、撮像画像として取得する補正前の3原色画素値を、B(青)、G(緑)、R(赤)とし、センサ飽和値以下に設定される最大値の量子化ステップ数をN(Nは自然数)とする。例えば、8ビット画像として扱うときは、N=256である。このとき、画素値R、G、Bは下式(38)の範囲を取り得る。
0≦B<N,0≦G<N,0≦R<N (38)
なお、R、G、Bの量子化ステップ数は一般的に同一とすると扱いやすいので共通のN値としているが、意図的に各色ごとに量子化ステップ数を異ならせても構わない。
B及びRの補正前の検出成分は{b ,b }、{r ,r }であり、それぞれ2成分を加算した値が、B及びRになると定義しているので、下式(39)が成り立つ。
0≦B(=b +b )<N,0≦R(=r +r )<N (39)
とb が独立した変数であり、r とr が独立した変数であると仮定すれば、b 、r は下式(40)の範囲を取り得る。
0≦b <N,0≦r <N (40)
上式(37)、(40)より、b ’、r ’は下式(41)の範囲を取り得る。
0≦b ’<N×(kB2/kB1),
0≦r ’<N×(kR2/kR1) (41)
また、Gの検出成分は{b ,g,r }であり、これら3成分を加算した値が、Gになると定義しているので、下式(42)が成り立つ。
0≦G(=b +g+r )<N (42)
、g、r が独立した変数であると仮定すれば、b 、g、r は下式(43)の範囲を取り得る。
0≦b <N,0≦g<N,0≦r <N (43)
上式(43)より、(g+r )及び(b +g)は、下式(44)の範囲を取り得る。
0≦(g+r )<2N,0≦(b +g)<2N (44)
上式(41)、(43)、(44)の制限条件を、上式(21)、(30)の関係式に適用すると、{b ’,b ,(g+r )}及び{r ’,r ,(b +g)}のパターンの推定候補は限定されることになる。
即ち、上式(41)に示す0≦b ’<N×(kB2/kB1)の範囲内の各値を、未知数b ’の候補として発生する。各候補を上式(21)に代入し、既知の画素値{B,G}を用いて{b ,(g+r )}を求める。各候補から求めた{b ’,b ,(g+r )}のうち、上式(43)、(44)の条件を満たすもののみを残す。同様に、上式(30)についても候補の発生を行い、条件を満たす{r ’,r ,(b +g)}のみを残す。条件を満たす候補は、複数存在する可能性がある。候補が複数残った場合には、例えばそれらの平均値を最終的な値として決定すればよい。
3.2.ルックアップテーブルを用いた推定処理
次に、第3のマルチバンド推定処理の変形例について説明する。
図12に示すように、上式(38)の定義域を満たす{R,G,B}の全ての組み合わせを発生させる。{R,G,B}の各組み合わせについて、上式(41)の定義域を満たす未知数b ’、r ’の候補を発生させる。そして、上式(43)、(44)の制限条件を満たす推定値{b ,(g+r )}及び{r ,(b +g)}を残す。このようにして得られる推定パターン{b ’,b ,(g+r )}及び{r ’,r ,(b +g)}をテーブル化し、図12に示すような尤度パターン決定テーブルを予め作成しておく。
マルチバンド推定を行う際には、撮像画像の画素値{R,G,B}をテーブルから検索して推定パターン{b ’,b ,(g+r )}、{r ’,r ,(b +g)}を決定する。そして、その推定パターンから、画素値Bを構成する成分{b ,b }の値、画素値Gを構成する成分{b ,g,r }の値、画素値Rを構成する成分{r ,r }の値を、最終的に算出する。
なお、図13に示すように、制限条件を満たす推定パターンのうち、{R,G,B}の同一組み合わせパターンから得られる推定パターンは単一とは限らず、複数得られる場合がある。この場合、それら推定パターンの平均をとって尤度パターンとし、予めテーブルを作成しておけばよい。
ここで、上記では定義域に基づく制限条件を用いてテーブルを作成したが、本実施形態のテーブル作成手法はこれに限定されない。例えば、撮像対象となる画像(例えばデジタルカメラの場合は自然画像、内視鏡の場合は生体内画像など)を母集団とする。そして、母集団の統計的な関係に基づいて、画素値{R,G,B}に対して最も発生確率が高い尤度パターン{b ’,b ,r ,r ’,(g+r ),(b +g)}の対応テーブルを、予め作成しておいて参照テーブルとしてもよい。
以上の実施形態によれば、図12又は図13で説明したように、マルチバンド推定部は、第1バンドの成分値b ’を未知数として関係式(上式(21))を求め、未知数b ’の候補として、複数の候補値を生成する。マルチバンド推定部は、その複数の候補値の中から、第1、第2色の画素値B、Gの定義域(上式(38))に基づく選択条件を満たす候補値を、関係式(上式(21))に基づいて選択する。そして、マルチバンド推定部は、選択した候補値に基づいて、第1バンドの成分値と、第2バンドの成分値と、第1加算値と{b ’,b ,(g+r )}を求める。
具体的には、選択条件は、関係式(上式(21))に候補値を代入して求めた第1バンドの成分値と、第2バンドの成分値と、第1加算値と{b ’,b ,(g+r )}が、第1、第2色の画素値B、Gの定義域(上式(38))に矛盾しないという条件(上式(41)、(43)、(44))である。
より具体的には、マルチバンド推定部は、第1、第2色の画素値B、Gの定義域(上式(38))に基づいて第1バンドの成分値b ’が取り得る範囲内の値(上式(41))を、複数の候補値として生成する。
このようにすれば、候補値を関係式に代入して求めたバンドの成分値が、画素値の定義域に基づいて存在し得ないと判断された場合に、その候補値を除外し、画素値の定義域に矛盾しない候補値に基づいて最終的な推定値を決定できる。
4.撮像装置、画像処理装置
図14に、本実施形態のマルチバンド推定処理を行う撮像装置の構成例を示す。図14の撮像装置は、結像レンズLNS、光学フィルタFLT、撮像素子10、撮像処理部20、画像処理装置25(画像処理部)、モニタ表示部40を含む。画像処理装置25は、RGB画像生成部30、RGBフィルタ特性データ記録部50、領域選択部60、マルチバンド推定部70、マルチバンドデータ記録部80、データ圧縮部90、RGBデータ記録部100を含む。
撮像素子10は、結像レンズLNS及び光学フィルタFLTによって結像された被写体を撮像する。光学フィルタFLTは、図5で説明したように右瞳と左瞳の透過帯域が異なる。撮像処理部20は、撮像素子10による撮像動作の制御や、アナログの画素信号をA/D変換する処理などを行う。
RGB画像生成部30は、撮像により得られたRGBベイヤ画像のデモザイキング処理や、高画質化処理などを行い、RGB3板画像(画素値R(i,j)、G(i,j)、B(i,j))を出力する。i,jは、自然数であり、それぞれ画像の水平走査方向、垂直走査方向における位置(座標)を表す。モニタ表示部40は、RGB3板画像をモニタ(表示装置)に表示する。
RGBフィルタ特性データ記録部50は、撮像素子10がもつカラーフィルタの透過率特性(分光特性)F(λ)、F(λ)、F(λ)のデータを記憶しており、そのデータをマルチバンド推定部70に出力する。但し、撮像されるRGB成分は、厳密にはカラーフィルタのみならず撮像素子10の分光感度特性や、結像レンズLNSの分光特性によって決まるものである。上記ではカラーフィルタの透過率特性がRGBフィルタ特性であるものとして説明したが、本実施形態では、当然、撮像素子10や結像レンズLNSの分光特性を含んだ特性データをRGBフィルタ特性データとして定義している。領域選択部60は、図示しないユーザインターフェースを介してユーザが選択した領域の画像を、RGB3板画像から抽出し、その抽出した画像をマルチバンド推定部70に出力する。
マルチバンド推定部70は、ユーザが選択した領域の画像に対して本実施形態のマルチバンド推定処理を行い、5バンドのマルチバンド画像(成分値R(i,j)、R(i,j)、G(i,j)、B(i,j)、B(i,j)、図14では簡単のため(i,j)を省略する)を出力する。なお、領域選択を行わず、RGB3板画像の全体に対してマルチバンド推定処理を行ってもよい。マルチバンドデータ記録部80は、マルチバンド画像のデータを記録する。
データ圧縮部90は、RGB3板画像のデータに対して圧縮処理を行う。RGBデータ記録部100は、圧縮されたRGB3板画像データと、カラーフィルタの透過率特性データとを記録する。これらの記録データは、撮影後の事後処理においてマルチバンド推定処理に用いることが可能である。事後処理は、撮像装置の中の画像処理装置25で行ってもよいし、撮像装置と別体に構成された画像処理装置で行ってもよい。
図15に、撮像装置と別体に構成された画像処理装置の構成例を示す。図15の画像処理装置は、データ記録部200、データ伸張部210、伸張データ記憶部220、モニタ画像生成部230、モニタ画像表示部240、画像データ選択部250、選択フレーム記憶部260、マルチバンド推定部270、マルチバンド処理部280を含む。この画像処理装置としては、例えばPC等の情報処理装置が想定される。
データ記録部200は、例えば外部記憶装置(例えばメモリカード)により構成され、撮像装置により記録されたRGB3板画像データ及び透過率特性データを記憶している。データ伸張部210は、撮像装置により圧縮されたRGB3板画像データを伸張する処理を行う。伸張データ記憶部220は、伸張されたRGB3板画像データを記憶する。
モニタ画像生成部230は、RGB3板画像データからモニタ表示用の画像を生成する。モニタ表示部240は、そのモニタ表示用の画像をモニタに表示する。画像データ選択部250は、図示しないユーザインターフェースを介してユーザ(操作者)が選択したフレームのIDを、伸張データ記憶部220に出力する。伸張データ記憶部220は、複数のRGB3板画像(複数の静止画像、又は動画像)の中から、選択フレームの画像を出力する。選択フレーム記憶部260は、選択フレームの画像を記憶する。
マルチバンド推定部270は、選択フレームの画像(画素値R(i,j)、G(i,j)、B(i,j))と、カラーフィルタの透過率特性F(λ)、F(λ)、F(λ)とに基づいて、マルチバンド画像I(i,j)、I(i,j)を推定する処理を行う。I(i,j)、I(i,j)は、それぞれ右瞳、左瞳を通過した被写体像に対応する。マルチバンド処理部280は、マルチバンド画像I(i,j)、I(i,j)を用いて種々の応用処理を行う。マルチバンド処理部280では、瞳の分離やマルチバンドの色成分などの多次元の情報を利用して、多様な処理を実現可能である。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。またマルチバンド推定部、画像処理装置、撮像光学系、撮像装置等の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 撮像素子、20 撮像処理部、25 画像処理装置、30 RGB画像生成部、
40 モニタ表示部、50 RGBフィルタ特性データ記録部、60 領域選択部、
70 マルチバンド推定部、80 マルチバンドデータ記録部、90 データ圧縮部、
100 RGBデータ記録部、200 データ記録部、210 データ伸張部、
220 伸張データ記憶部、230 モニタ画像生成部、240 モニタ画像表示部、
250 画像データ選択部、260 選択フレーム記憶部、
270 マルチバンド推定部、280 マルチバンド処理部、
B,G,R 画素値、BD1〜BD5 第1〜第5バンド、
,F,F 第1〜第3透過率特性、FL1 右瞳フィルタ、
FL2 左瞳フィルタ、FLT 光学フィルタ、I,I 被写体像、
LNS 結像レンズ、PD デフォーカス位置、PF フォーカス位置、
(1),b(2) 第1、第2青色成分値、g 緑色成分値、
(1),r(2) 第1、第2赤色成分値、kB1/kB2 ゲイン比、λ 波長

Claims (16)

  1. 第1透過率特性を有する第1色フィルタと第2透過率特性を有する第2色フィルタと第3透過率特性を有する第3色フィルタとを含む撮像素子によって撮像された画像を取得する画像取得部と、
    前記第1透過率特性の非重なり部分に対応する第1バンドと、前記第1透過率特性と前記第2透過率特性との重なり部分に対応する第2バンドと、前記第2透過率特性の非重なり部分に対応する第3バンドと、前記第2透過率特性と前記第3透過率特性との重なり部分に対応する第4バンドと、前記第3透過率特性の非重なり部分に対応する第5バンドとを設定し、前記画像を構成する第1〜第3色の画素値に基づいて前記第1〜第5バンドの成分値を推定するマルチバンド推定部と、
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第1、第2バンドの成分値を加算した値である前記第1色の画素値と、前記第2〜第4バンドの成分値を加算した値である前記第2色の画素値とに基づいて、前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第3、第4バンドの成分値を加算した値である第1加算値との間の関係式を求め、
    前記関係式に基づいて、前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第1加算値とを推定することを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項2において、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第1バンドの成分値を未知数として前記関係式を求め、
    前記関係式で表した前記第1、第2バンドの成分値及び前記第1加算値と、前記第1、第2色の画素値との間の誤差を表す誤差評価値を求め、
    前記誤差評価値を最小にする前記未知数を決定し、
    決定した前記未知数及び前記関係式に基づいて、前記第1、第2バンドの成分値及び前記第1加算値を決定することを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項2又は3において、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第2〜第4バンドの成分値を加算した値である前記第2色の画素値と、前記第4、第5バンドの成分値を加算した値である前記第3色の画素値とに基づいて、前記第2、第3バンドの成分値を加算した値である前記第2加算値と、前記第4バンドの成分値と、前記第5バンドの成分値との間の関係式を求め、
    前記関係式に基づいて、前記第2加算値と、前記第4バンドの成分値と、前記第5バンドの成分値とを推定し、
    前記第1加算値と前記第4バンドの成分値から、又は前記第2加算値と前記第2バンドの成分値から前記第3バンドの成分値を求めることを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項2において、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第1バンドの成分値を未知数として前記関係式を求め、
    前記未知数の候補として、複数の候補値を生成し、
    前記複数の候補値の中から、前記第1、第2色の画素値の定義域に基づく選択条件を満たす候補値を、前記関係式に基づいて選択し、
    選択した前記候補値に基づいて、前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第1加算値とを求めることを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項5において、
    前記選択条件は、
    前記関係式に前記候補値を代入して求めた前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第1加算値とが、前記第1、第2色の画素値の定義域に矛盾しないという条件であることを特徴とする画像処理装置。
  7. 請求項5又は6において、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第1、第2色の画素値の前記定義域に基づいて前記第1バンドの成分値が取り得る範囲内の値を、前記複数の候補値として生成することを特徴とする画像処理装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第1、第2色フィルタの透過率特性に基づいて、前記第1色の画素値と前第2色の画素値との間の相対的なゲイン比を補正し、補正後の前記第1、第2色の画素値を用いて前記第1〜第5バンドの成分値を推定することを特徴とする画像処理装置。
  9. 請求項8において、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第2バンドでの前記第2色フィルタの透過率と、前記第2バンドでの前記第1色フィルタの透過率との比を、前記第1色の画素値に乗じて、前記ゲイン比を補正することを特徴とする画像処理装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかにおいて、
    前記第1〜第3色は、それぞれ青色、緑色、赤色であり、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第1〜第5バンドの成分値を、それぞれ第1青色成分値、第2青色成分値、緑色成分値、第1赤色成分値、第2赤色成分値として求めることを特徴とする画像処理装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかにおいて、
    前記撮像素子には、撮像光学系の瞳を第1瞳と第2瞳に分割する光学フィルタを透過した光が結像され、
    前記第1瞳は、前記第1、第2バンドの一方と、前記第3バンドと、前記第4、第5バンドの一方とを透過し、
    前記第2瞳は、前記第1、第2バンドの他方と、前記第3バンドと、前記第4、第5バンドの他方とを透過し、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第1瞳及び前記第2瞳の透過光が撮像された前記画像に基づいて、前記第1〜第5バンドの成分値を推定することを特徴とする画像処理装置。
  12. 請求項11において、
    前記第1〜第3色フィルタは、それぞれ青色、緑色、赤色の波長帯域を透過する青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタであり、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記青色の画素値を構成する前記第1、第2バンドの成分値を、それぞれ第1、第2青色成分値として求め、前記緑色の画素値を構成する前記第2〜第4バンドの成分値を、それぞれ第1〜第3緑色成分値として求め、前記赤色の画素値を構成する前記第4、第5バンドの成分値を、それぞれ第1、第2赤色成分値として求めることを特徴とする画像処理装置。
  13. 請求項12において、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第1青色成分値と、前記第2青色成分値と、前記第1〜第3緑色成分値の加算値である緑色成分値と、前記第1赤色成分値と、前記第2赤色成分値とで、5バンドの成分値を構成することを特徴とする画像処理装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれかに記載された画像処理装置と、
    前記撮像素子と、
    を含むことを特徴とする撮像装置。
  15. 請求項11乃至13のいずれかに記載された画像処理装置と、
    前記撮像素子と、
    前記光学フィルタが設けられた前記撮像光学系と、
    を含むことを特徴とする撮像装置。
  16. 第1透過率特性を有する第1色フィルタと、第2透過率特性を有する第2色フィルタと、第3透過率特性を有する第3色フィルタとを含む撮像素子によって撮像された画像を取得し、
    前記第1透過率特性の非重なり部分に対応する第1バンドと、前記第1透過率特性と前記第2透過率特性との重なり部分に対応する第2バンドと、前記第2透過率特性の非重なり部分に対応する第3バンドと、前記第2透過率特性と前記第3透過率特性との重なり部分に対応する第4バンドと、前記第3透過率特性の非重なり部分に対応する第5バンドとを設定し、
    前記画像を構成する第1〜第3色の画素値に基づいて前記第1〜第5バンドの成分値を推定することを特徴とする画像処理方法。
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