JP2013157623A - 描画方法及び描画装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】より高精度に近接効果を補正した照射量を求めることが可能な描画装置を提供することを目的とする。
【構成】本発明の一態様の描画装置100は、照射量の2次以上の項をもつ多項式で定義される、荷電粒子ビームの後方散乱による蓄積エネルギーの方程式を解いて照射量を求める照射量計算部112と、求めた照射量で電子ビーム200を照射して、試料101にパターンを描画する描画部150と、を備えたことを特徴とする。本発明によれば、より高精度に近接効果を補正した照射量で描画を行なうことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、描画方法及び描画装置に係り、例えば、近接効果補正を行なった照射量を求める電子ビーム描画装置及びその描画方法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図22は、従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
可変成形型電子線(EB:Electron beam)描画装置は以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形開口421の一部を通過して、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、X方向に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。開口411と可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形(VSB:Variable Shaped Beam)方式という。
ここで、レジスト膜が塗布されたマスク等の試料に電子ビームを照射する場合に、近接効果といったレジストパターンの寸法を変動させる要因が存在する。近接効果は照射した電子がマスクで反射し、レジストを再照射する現象で、影響範囲は十数μm程度である。近接効果はレジストを再照射する現象で、従来、前方散乱による蓄積エネルギーと後方散乱の蓄積エネルギーとを用いた閾値モデルを用いて照射後の寸法を予想し、照射量を決定していた。
図23は、従来の閾値モデルとパターン寸法との関係を示す図である。図23(b)に示すレジストの蓄積エネルギー分布が与えられた場合に、所定の閾値とエネルギー分布が交わった2点間の幅を図23(a)に示すようにレジストパターンの寸法と定義していた。そのため、所望の寸法となる閾値を決め、かかる閾値のエネルギーに相当する照射量を決めていた。しかしながら、この閾値モデルが正しいとの保証はない。
図24は、従来の閾値モデルで照射量を決定した場合と実験による最適照射量とのずれの一例を示す図である。ここでは、近接効果補正用の照射量の決定には、パブコビッチ(Pavcobich)の公式を用いた。ここでこの公式は、D(x)=const/(1+ηU(x))で表される。ここで、D(x)は最適照射量、ηは近接効果の大きさを示すパラメータ、ηU(x)はすべてのパターンを強度1の照射量で描画した時の場所xでの後方散乱量である。図24が示すように、従来の閾値モデルで照射量を決定した場合と実験による最適照射量との間では若干のずれが生じてしまう。特に、昨今のパターンの微細化に伴い、かかるずれが大きな問題となってくる。その他、近接効果補正用の照射量を求める手法についての研究がなされている。例えば、パターン寸法を決定する現像後のレジストパターンの形状は荷電粒子ビームの前方散乱による蓄積エネルギーの最大値と後方散乱による蓄積エネルギーの値で決まるとの考え方を提案している文献が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この文献ではパブコビッチ(Pavcobich)の公式を出発点として摂動法で最適照射量を求める方法が記述されている。しかし、この方法は、補正精度や計算速度についてかならずしも、満足いくものではない。
特許第3455048号公報
上述したように、電子ビーム描画に代表される荷電粒子ビーム描画では、レジスト膜が塗布されたマスク等の試料に電子ビームを照射する場合に、近接効果といったレジストパターンの寸法を変動させる要因が存在する。そのため、例えば、ナノメートル(nm)オーダの精度が要求されるパターンの描画の際においては、“近接効果”の影響によって、描画パターンの仕上がり寸法に不均一な分布が生じるという問題が生じてしまう。そして、かかる近接効果を補正する際に、従来の閾値モデルで照射量を決定しても昨今のパターンの微細化に伴い許容限界を超えるずれが生じてしまう。
そこで、本発明は、かかる問題点を克服し、より高精度に近接効果を補正した照射量を求めることが可能な描画方法及び描画装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の描画方法は、
照射量の2次以上の項をもつ多項式で定義される、荷電粒子ビームの後方散乱による蓄積エネルギーの方程式を解いてかかる照射量を求める工程と、
求めた照射量で荷電粒子ビームを照射して、試料にパターンを描画する工程と、
を備えたことを特徴とする。
特許文献1に述べられるように、パターン寸法を決定する現像後のレジストパターンの形状は荷電粒子ビームの前方散乱による蓄積エネルギーの最大値と後方散乱による蓄積エネルギーの値で決まる。本発明では、この概念を利用し、また、前方散乱による蓄積エネルギー関数と後方散乱による蓄積エネルギー関数を用いて、照射量の2次以上の項をもつ多項式で定義される、後方散乱による蓄積エネルギーの方程式を導いた。かかる後方散乱による蓄積エネルギーの方程式を解くことで、より最適な近接効果補正がなされた照射量を求めることができる。
また、パターン密度と照射量との相関関係を予め実験により求め、
上述した方程式は、上述した相関関係に沿うように各項のパラメータが定義されると好適である。
また、所定のパターン密度で図形を繰り返し並べた評価パターンを、照射量を可変にしてそれぞれ描画した際に所望の設計寸法が得られた照射量を所定のパターン密度との相関関係とすると好適である。
本発明の他の態様の描画方法は、
照射量を未知数とする、照射量に関する非線形方程式を解いて前記照射量を求める工程と、
求めた照射量で前記荷電粒子ビームを照射して、試料にパターンを描画する工程と、
を備えたことを特徴とする
本発明の一態様の描画装置は、
照射量の2次以上の項をもつ多項式で定義される、荷電粒子ビームの後方散乱による蓄積エネルギーの方程式を解いて照射量を求める演算部と、
求めた照射量で荷電粒子ビームを照射して、試料にパターンを描画する描画部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様の描画方法は、
パターン密度と照射量との相関関係式を予め求めておいて、相関関係式のパターン密度を荷電粒子ビームの規格化された後方散乱による蓄積エネルギーを照射量で除した量に置き換えた、照射量に関する非線形方程式を解いて照射量を求める工程と、
求めた照射量で荷電粒子ビームを照射して、試料にパターンを描画する工程と、
を備えたことを特徴とする。
また、かかる非線形方程式は、相関関係式が示す相関関係に沿うように各項のパラメータが定義されると好適である。
また、所定のパターン密度で図形を繰り返し並べた評価パターンを、照射量を可変にしてそれぞれ描画した際に所望の設計寸法が得られた照射量を所定のパターン密度との相関関係式が示す相関関係とすると好適である。
本発明の他の態様の描画装置は、
パターン密度と照射量との相関関係式を予め求めておいて、相関関係式のパターン密度を荷電粒子ビームの規格化された後方散乱による蓄積エネルギーを照射量で除した量に置き換えた、照射量に関する非線形方程式を解いてかかる照射量を求める演算部と、
求めた照射量で荷電粒子ビームを照射して、試料にパターンを描画する描画部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、より高精度に近接効果を補正した照射量で描画を行なうことができる。その結果、高精度なパターン寸法を得ることができる。
実施の形態1における描画方法のフローチャートの要部を示す図である。 実施の形態1におけるレジストに蓄積する電子ビームによる前方散乱エネルギーと後方散乱エネルギーの分布の一例を示す図である。 実施の形態1における試料101上のレジストの現像の進み方の一例を示す断面図である。 実施の形態1におけるレジストに蓄積する電子ビームによる前方散乱エネルギーと後方散乱エネルギーの分布の他の例を示す図である。 実施の形態1における方程式で照射量を決定した場合と従来の閾値モデルで照射量を決定した場合と実験による最適照射量とのずれの一例を示す図である。 実施の形態1におけるパターン寸法と近接効果補正係数とパターン密度との関係を示すグラフである。 実施の形態1における描画方法のフローチャートの要部を示す図である。 実施の形態1における並列処理の方法を説明するための概念図である。 実施の形態1における近接効果補正を計算する領域の範囲を示す概念図である。 実施の形態1におけるメッシュ領域を示す図である。 実施の形態1における照射量の補間の手法を説明するための概念図である。 実施の形態2における補正された照射量とパブコビッチの解に基づく補正照射量とを比較したグラフである。 パブコビッチの解に基づく補正照射量の寸法誤差を示すグラフである。 実施の形態2における手法での補正精度を見積もるための評価パターンの一例を示す図である。 図14の評価パターンを用いて、実施の形態2における補正された照射量としきい値モデルの近似式に基づく補正照射量とを比較したグラフである。 図14の評価パターンを用いて、従来のしきい値モデルの近似式を利用した場合の補正誤差の結果を示す図である。 図14の評価パターンを用いて、実施の形態2における非線形方程式を利用した場合の補正誤差の結果を示す図である。 図14の評価パターンを用いて、実施の形態2における非線形方程式を利用した場合の補正誤差の結果を示す図である。 実施の形態3における非線形方程式の係数p(Δl)のΔlに対する変化の一例を示すグラフである。 実施の形態3における非線形方程式の係数q(Δl)のΔlに対する変化の一例を示すグラフである。 実施の形態3における非線形方程式の係数r(Δl)のΔlに対する変化の一例を示すグラフである。 従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。 従来の閾値モデルとパターン寸法との関係を示す図である。 従来の閾値モデルで照射量を決定した場合と実験による最適照射量とのずれの一例を示す図である。
以下、各実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の他の荷電粒子を用いたビームでも構わない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画方法のフローチャートの要部を示す図である。
図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、荷電粒子ビーム描画装置の一例であり電子ビーム描画装置の一例となる。描画部150では、電子鏡筒102と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、ブランキング(BLK)偏向器212、ブランキング(BLK)アパーチャ214、照明レンズ202、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、及び偏向器208が配置される。描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、描画対象となる試料101が配置される。試料101としては、マスク基板が含まれる。例えば、まだパターンが形成されていないマスクブランクスが含まれる。試料101は表面に電子ビームにより感光するレジストが塗布されている。制御部160は、制御計算機ユニット110、偏向制御回路120、磁気ディスク装置140,142を有している。制御計算機ユニット110、偏向制御回路120、及び磁気ディスク装置140,142は図示しないバスを介して互いに接続されている。制御計算機ユニット110内には、照射量計算部112、転送部114、描画データ処理部116、バッファメモリ118,119およびメモリ111が配置される。照射量計算部112、転送部114、及び描画データ処理部116の処理内容は、ソフトウェアによりコンピュータで実行されるようにしてもよい。或いは、電気的な回路によるハードウェアにより実施させても構わない。或いは、電気的な回路によるハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実施させても構わない。或いは、かかるハードウェアとファームウェアとの組合せでも構わない。制御計算機ユニット110内に入力される情報或いは演算処理中及び処理後の各情報はその都度メモリ111に記憶される。図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成部分について記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれても構わないことは言うまでもない。
まず、上述した特許文献1で提案した考え方について説明する。この考え方は、パターン寸法を決定する現像後のレジストパターンの形状は、荷電粒子ビームの前方散乱による蓄積エネルギーの最大値と後方散乱による蓄積エネルギーの値で決まるというものである。これを以下で説明する。
図2は、実施の形態1におけるレジストに蓄積する電子ビームによる前方散乱エネルギーと後方散乱エネルギーの分布の一例を示す図である。図2において、縦軸はレジストに蓄積するエネルギーEを示し、横軸は、位置xを示す。ここで、xは、ベクトルを意味し、位置xの座標(x,y)を示しているものとする(以下、同様である)。また、D(x)を照射量とした場合に、図2では、前方散乱エネルギー分布12の最大値10(トップ位置部分)を関数kD(x)で示す。また、略水平に推移する後方散乱エネルギー分布22の最大値20(トップ位置部分)を関数kB(x)で示す。kは照射量をエネルギーに換算するための係数である。図2では、一例として、1:1ラインアンドスペースパターンにおけるエネルギーの分布を示している。
図3は、実施の形態1における試料101上のレジストの現像の進み方の一例を示す断面図である。図3では、基板上のレジストが示されている。よって、底面が基板面となる。図3(a)では、まだ、現像が進んでいない状態が示されている。レジストは、時間tの経過に伴い、図3(a)に示す状態から、図3(b)、図3(c)、図3(d)の順に現像が進む。そして、レジストと基板との接触面となる図3(d)に示す底面の位置におけるレジスト間の寸法が、パターン寸法となる。
図4は、実施の形態1におけるレジストに蓄積する電子ビームによる前方散乱エネルギーと後方散乱エネルギーの分布の他の例を示す図である。図4(a)では、単独パターンで周囲に他のパターンが無い場合のエネルギー分布を示している。前方散乱エネルギー分布12については、図2と同様である。また、後方散乱エネルギー分布22については、周囲に追加照射して最大値20が一定になる場合を想定している。図4(b)では、幅広の単独パターンで周囲に他のパターンが無い場合のエネルギー分布を示している。前方散乱エネルギー分布12については、図2と同様である。また、後方散乱エネルギー分布22については、周囲に追加照射して最大値20が一定になる場合を想定している。図4(a)(b)いずれの場合においても、レジストの現像の進み方は、図2と同様、図3に示す進み方となる。
ここで、図2〜4において、同じレジスト材を用いて、同じ膜厚で、同じ電子ビーム200のビームプロファイルで、前方散乱エネルギー分布12や電子ビーム200の広がりが他のパターンに届かないといった条件下では、最大値10と最大値20の値によりレジストと基板の接触位置や現像後のレジストの形状が決まることになる。言い換えれば、最大値10と最大値20が決まれば、ビームプロファイルとレジスト厚さから現像後のレジストの傾きが決まる。その結果、レジスト形状が決まることになる。ひいてはレジストパターンの寸法が決まることになる。
以上が、特許文献1で提案されている考え方である。この考え方を実現する本実施の形態の方法を以下で説明する。
実施の形態1では、前方散乱エネルギー分布12の最大値10を示す関数kD(x)と後方散乱エネルギー分布22の最大値20を示す関数kB(x)をつかって、近接効果が補正された照射量D(x)の方程式をつくる。
前方散乱エネルギーの蓄積量は、上述した関数kD(x)で示すことができる。また、後方散乱エネルギーの蓄積量について、近接効果補正係数ηおよび関数g(x)を用いて、上述した関数kB(x)が以下の式(1)で定義される。関数g(x)は例えばガウシアン関数を用いると好適である。
(1) kB(x)=kη∫D(x’)g(x−x’)dx’
ここで、積分は、LSIパターンの図形について取る。以下、特に断らないかぎり同様である。
かかる場合に、パターン寸法G(或いはG’)は、関数kD(x)と関数kB(x)を引数として、関数G(kD(x)+kB(x),kB(x))、或いは、G’(kD(x),kB(x))で定義することができる。よって、近接効果が補正された照射量D(x)の方程式は、定数Cを用いて、以下の式(2−1)或いは式(2−2)で定義される。
(2−1) G(kD(x)+kB(x)=C
(2−2) G’(kD(x),kB(x))=C
式(2−1)と式(2−2)は、表現の仕方が異なるだけなので、以下、式(2−2)を用いて説明する。式(2−2)を変換することで式(3)のように定義することができる。
(3) B(x)=G’(C,kD(x))
また、上述した閾値モデルでは、一定値Eを用いて以下の式(4)が成り立つ。
(4) (1/2)D(x)+η∫D(x’)g(x−x’)dx’=E
式(4)では、第1項が前方散乱エネルギーを示し、第2項が後方散乱エネルギーを示している。係数mと式(3)の関係を使って、かかる閾値モデルでの式(4)を表現すると以下の式(5−1)で表現することができる。また、式(5−1)を変形すると式(5−2)で表現することができる。
(5−1) mkB(x)=−kD(x)+C
(5−2) mB(x)=−D(x)+C’
かかる閾値モデルは、上述したように正確とは限らないが、誤差があるとはいえ、正しい値に近いものではある。そこで、より正確な関係は、式(5−2)から少しだけ違うと仮定することで、以下の式(6)を導くことができる。ここでは、C’を新たにCとする。また、δの絶対値|δ|は1よりも十分小さい値(|δ|<<1)とする。
(6) mB(x)={−D(x)+C}(1+δ)
式(6)は、δについて1次まで展開して、以下の式(7)のように変形することができる。
(7) mB(x)={−D(x)+C}(1+δ)
={−D(x)+C}{−D(x)+C}δ
={−D(x)+C}[1+δ{−D(x)+C}]
={−D(x)+C}+δ{−D(x)+C}
=δD(x)−{2Cδ+1}D(x)+{C+Cδ}
上述した式(1)を用いて式(7)を変形すると以下の式(8−1)で示すことができる。
(8−1) mη∫D(x’)g(x−x’)dx’
=δD(x)−{2Cδ+1}D(x)+{C+Cδ}
或いは、式(8−1)を一般化することで、式(7)は式(8−2)のように示すことができる。
(8−2) η∫D(x’)g(x−x’)dx’
=αD(x)−βD(x)+γ
或いは、図形の寸法l(例えば、200nm)が後方散乱の広がりσ(例えば10μm)よりも十分に小さく(l<<σ)であり、かつ、均一パターンを繰り返すパターン構成の場合には、パターン密度ρを用いて、後方散乱エネルギーの蓄積量B(x)=ηρD(x)で定義することができる。均一パターンの繰り返しなのでかかる場合には、照射量は一定値Dとなる。例えば、1:1ラインアンドスペースパターンにおいて成り立つ。よって、かかる場合に式(8−2)を変形して、式(7)は式(8−3)のように示すことができる。
(8−3) ηρD=αD−βD+γ
以上のようにして、式(8−1)、式(8−2)、或いは式(8−3)に示すように、照射量D(x)の2次以上の項をもつ多項式で定義される、電子ビーム200の後方散乱による蓄積エネルギーの方程式を得ることができる。言い換えれば、式(8−1)、式(8−2)、或いは式(8−3)に示すように、照射量D(x)に関する非線形方程式を得ることができる。
図5は、実施の形態1における方程式で照射量を決定した場合と従来の閾値モデルで照射量を決定した場合と実験による最適照射量とのずれの一例を示す図である。図5において、縦軸は照射量D、横軸はパターン密度ρである。図5では、所定のパターン密度ρで図形を繰り返し並べた評価パターン(例えば、1:1ラインアンドスペースパターン)を、照射量Dを可変にしてそれぞれ描画した際に所望の設計寸法が得られた照射量Dをかかる所定のパターン密度ρとの相関関係とする。このようにして、パターン密度ρと所望の設計寸法が得られた照射量Dとの相関関係を予め実験により求める。また、図5では、従来の閾値モデルとなるパブコビッチ(Pavcobich)の公式(D=1/(1+ηρ))で実験結果にフィッティングした結果を示している。ここで、実施の形態1では、まず、従来のモデルと比較し易いように、式(8−3)を以下の式(9−1)のように定義する。また、式(9−1)を式(9−2)にように変形することで、解(9−3)を得ることができる。
(9−1) ηρD=aD−D/2+1
(9−2) aD−(1/2+ηρ)D+1=0
(9−3) D=[1/2+ηρ−√{(1/2+ηρ)−4a}]/(2a)
式(9−1)では、従来のモデルと比較し易いように、係数aを0にすることで、従来の閾値モデルで用いたパブコビッチ(Pavcobich)の公式(D=1/(1+ηρ))と一致するように各項の係数を設定した。そして、図5に示す実験結果に式(9−3)をフィッティングして、パラメータηとaを求める。このように、パターン密度ρと照射量Dとの相関関係を予め実験により求め、式(9−1)、式(9−2)、或いは式(9−3)に示す方程式は、かかる相関関係に沿うように各項のパラメータが定義される。その結果、従来の閾値モデルでは実験結果に一致させることが困難であったところ、図5に示すように、式(9−3)では、実験結果とほぼ一致させることができる。例えば、図5では、η=0.8で、a=0.02とすることで、実験結果とほぼ一致させることができる。
これは、式(9−1)に示すように、後方散乱量による蓄積エネルギーを照射量Dの2次以上の項をもつ多項式(照射量Dの非線形多項式)とむすびつける方程式によって近似したからである。従来は、パブコビッチの公式が示すように、照射量Dの2次以上の項がない照射量Dの1次の項による多項式で定義されていた。そのため、実験結果に合わせ込むことが困難であった。しかし、実施の形態1では、式(9−1)、式(9−2)、或いは式(9−3)に示すように、照射量Dの2次の項をもつ多項式で近似することで高精度に実験結果に合わせ込むことができる。
さらにさかのぼれば、このようにうまく行く理由は、(本実施の形態において、B(x)=∫D(x’)g(x−x’)dx’であることを考慮すると、)元の方程式(6)が、照射量D(x)に関して非線型の方程式であったことに起因している。すなわち、D(x)について、0次、1次に加え、2次の項が含まれていたことによる。これに対して、従来の方法は、式(4)のように、D(x)について線形の方程式であった。すなわち、D(x)について、0次と1次しかなく、2次以上のものがない。
ここでは、従来のモデルと比較し易いように、一例として、パラメータηとaの2つを用いた方程式としたが、これに限るものではなく、式(8−1)、式(8−2)、或いは式(8−3)に示す各項のパラメータが上述した相関関係に沿うように定義されても構わないことは言うまでもない。
図6は、実施の形態1におけるパターン寸法と近接効果補正係数とパターン密度との関係を示すグラフである。図6において、縦軸はパターン寸法L、横軸は近接効果補正係数ηである。図6では、近接効果補正係数ηを変えながら各パターン密度ρにおけるパターン寸法の変化の様子を示している。図6では、パターン密度ρ=0(0%),0.5(50%),1(100%)の3通りとしている。従来の閾値モデルでは、3つのパターン密度ρの線を1点で交わらすことが困難であった。例えば、パターン密度ρ=0の線Aとパターン密度ρ=0.5の線Bとを一致させるには、A=Bとなることが必要である。また、パターン密度ρ=0.5の線Bとパターン密度ρ=1の線Cとを一致させるには、B=Cとなることが必要である。よって、この2つの式からは2つのパラメータ(η及び例えばa)が求まることになる。よって、本来、a≠0となる場合がほとんどのはずである。しかし、従来の手法では、a=0として1つのパラメータηを求めているのでA=B或いはB=Cの一方だけしか成り立たない。そのため、最適な近接効果補正係数ηが一意に決まらず、その結果、図5に示すように実験結果とのずれを生じさせることになる。これに対し、実施の形態1では、2つのパラメータη,aがあるので3つのパターン密度ρの線を1点で交わらすことが可能である。そのため、最適な近接効果補正係数ηを一意に決めることができ、その結果、図5に示すように実験結果と実質的に一致させることができる。
以上のようにして、まず、各項のパラメータが上述した相関関係に沿った、式(8−3)に示す電子ビーム200の後方散乱による蓄積エネルギーの方程式を用いて、相関関係から各項のパラメータη,α,β,γを求める。ここで、式(8−3)の方程式は、上述したように、図形の寸法l(例えば、200nm)が後方散乱の広がりσ(例えば10μm)よりも十分に小さく(l<<σ)であり、かつ、均一パターンを繰り返すパターン構成の場合に成り立つ。しかし、実際に描画するパターンは、かかる場合に限るものではない。そこで、まず、かかる場合に限定されない一般式となる式(8−2)の解を求める。式(8−2)の解は、以下の式(10−1)及び式(10−2)によってイタレーションを行なうことで求めることができる。
(10−1) D(x)=lim D(x) (但し、n→∞)
(10−2) Dn+1(x)=D(x)+dn+1(x)
まず、最初の項D(x)を求める。nは繰り返し回数(n≧0)を示す。式(8−2)を以下の式(11)のように変形する。
(11) αD(x)−βD(x)
−ηD(x’)∫g(x−x’)dx’+γ=0
ここで、aを以下の式(12−1)、bを以下の式(12−2)、及びcを以下の式(12−3)とする。
(12−1) a=α
(12−2) b=β+ηU(x)
(12−3) c=γ
ここで、関数U(x)は、以下の式(13)とする。
(13) U(x)=∫g(x−x’)dx’
式11はD(x)について、a、b、cを係数とする2次の方程式なので、解くことができる。解は2つあるが、aがゼロとなる極限で無限になる解は物理的に無意味なので、その極限でゼロにならない解をとることにする。すると、最初の項D(x)は、b≧0のとき、以下の式(14−1)で、b<0のとき、以下の式(14−2)で求まる。
(14−1) D(x)={b−√(b−4ac)}/(2a)
(14−2) D(x)={b+√(b−4ac)}/(2a)
そして、2回目以降を考える。n回目まで補正計算量D(x)がわかっているものとする。Dn+1(x)を、上述したように式(10−2)とし、これを式(8−2)のD(x)に代入すると、未知の量d(x)に関する方程式として、次式(15)が得られる。
(15) 0=αD(x)−βD(x)
−η∫D(x’)g(x−x’)dx’
+αdn+1(x)+2αD(x)dn+1(x)−βd(x)
−η{∫g(x−x’)dx’}dn+1(x)+γ
ここで、aを以下の式(16−1)、bを以下の式(16−2)、及びcを以下の式(16−3)とする。
(16−1) a=α
(16−2) b=−2αD(x)+β+ηU(x)
(16−3) c=αD(x)−βD(x)−ηU(x)+γ
ここで、関数U(x)は、上述の式(13)で定義されており、V(x)は以下の式(17)で定義する。
(17) V(x)=∫D(x’)g(x−x’)dx’
式(15)はdn+1(x)について、a、b、cを係数とする2次の方程式なので解くことができる。解は2つあるが、aがゼロとなった極限で無限になる解は物理的に無意味なので、その極限でゼロにならない解をとることにする。すると、dn+1(x)は、b≧0のとき、以下の式(18−1)で、b<0のとき、以下の式(18−2)で求まる。
(18−1) dn+1(x)={b−√(b−4ac)}/(2a)
(18−2) dn+1(x)={b+√(b−4ac)}/(2a)
このようにして求めた、D(x)とd(x)を用いてD(x)を求める。そして、D(x)とd(x)を用いてD(x)を求める。このようにして、順次、D(x)とdn+1(x)を用いて、Dn+1(x)を求めればよい。照射量Dn+1(x)を求めるにあたって、繰り返し数nは大きい方がよいが、D(x)で十分な精度を確保することができる。この繰り返し数は目的とする精度によって調整すれば良い。
描画装置100は、かかる一般式となる式(8−2)を解くことで、近接効果が補正された照射量Dn+1(x)を求める。そして、かかる照射量Dn+1(x)で電子ビーム200を照射して、試料101にパターンを描画する。まず、描画装置100は、パターンデータを含む描画データを装置外部から入力し、磁気ディスク装置140に格納しておく。
図7は、実施の形態1における描画方法のフローチャートの要部を示す図である。
図7において、電子ビーム描画方法は、近接効果が補正された最適な照射量を求める照射量演算工程(S100)と、データ転送工程(S116)と、描画データ処理工程(S120)と、描画工程(S122)という一連の工程を実施する。照射量演算工程(S100)は、その内部工程として、パターン密度ρ(x)計算工程(S102)と、関数U(x)計算工程(S103)と、照射量D(x)計算工程(S104)と、関数Vn+1(x)計算工程(S106)と、関数dn+1(x)計算工程(S108)と、照射量Dn+1(x)計算工程(S110)と、判定工程(S112)と、フィードバック工程(S114)という一連の工程を実施する。
図8は、実施の形態1における並列処理の方法を説明するための概念図である。試料101の描画領域は、例えば、y方向に偏向可能な幅で短冊状に仮想分割される。そして、仮想分割されたストライプ領域30毎に順に描画が行なわれる。よって、各ストライプ領域30が描画単位領域となる。例えば、図8の例では、(l−2)番目のストライプ領域30を描画し、次に(l−1)番目のストライプ領域30を描画する。そして、次に(l)番目のストライプ領域30を描画し、次に(l+1)番目のストライプ領域30を描画する。このように、順に各ストライプ領域30が描画される。
ここで、描画工程(S122)を行うためには、その前提として、描画データ処理工程(S120)において、照射量Dn+1(x)を入力して、かかる照射量Dn+1(x)に設定されたショットデータを生成しておく必要がある。そして、描画データ処理工程(S120)を行うためには、その前提として、照射量演算工程(S100)において、近接効果が補正された最適な照射量Dn+1(x)を求めておく必要がある。よって、いずれかの工程が終了するまで他の工程が処理を待っていては、描画動作が停止してしまうので、実施の形態1では、これらの工程を並列で行う。具体的には、パイプライン処理を行う。すなわち、あるストライプ領域30に対して描画工程(S122)を行う際に、同時に、1つの先のストライプ領域30に対してデータ転送工程(S116)と描画データ処理工程(S120)を行い、同時に、さらに1つ先のストライプ領域30に対して照射量演算工程(S100)を行う。このようにパイプライン処理を行うことで、他の工程の処理を待つために描画動作が停止することを防ぐことができる。その結果、描画時間を短縮し、スループットを向上させることができる。
図9は、実施の形態1における近接効果補正を計算する領域の範囲を示す概念図である。図9において、例えば、(l)番目のストライプ領域30について、照射量Dn+1(x)を演算するにあたり、近接効果は他のストライプ領域30からの影響も受け得るので、前後のストライプ領域30の一部についても計算する際に考慮する。近接効果の影響範囲をσとすると、例えば、片側6σ分ずつ計算領域60に含めるとよい。補正量を計算するにあたっては、この両側6σの領域もあわせて最適照射量を算出し、その後対象とするストライプ領域分の最適照射量を解として利用する。すなわち、両側につけた各6σの領域に対して得られた照射量は利用しない。
図10は、実施の形態1におけるメッシュ領域を示す図である。近接効果を補正するにあたり、まず、試料101の描画領域を所定のメッシュサイズΔでメッシュ状に仮想分割する。図10では、メッシュ分割されたストライプ領域32の一部を示している。そして、メッシュ領域34毎に、近接効果が補正された照射量Dn+1(x)を求める。メッシュ領域34(小領域)のサイズは、後方散乱の広がりσbよりも十分小さく設定すると好適である。例えば、後方散乱の広がりσbの1/10程度が好適である。例えば、σb=10μmとした場合に、Δ=1μmと設定すると好適である。
S(ステップ)100において、照射量演算工程として、照射量計算部112は、パターンデータを磁気ディスク装置140から読み出し、メッシュ領域34毎に、式(8−2)に示した方程式を解いて各メッシュ領域34における照射量Dn+1(x)を求める。式(8−2)に示した方程式は、上述したように、照射量の2次以上の項をもつ多項式で定義される、電子ビーム200の後方散乱による蓄積エネルギーの方程式である。照射量Dn+1(x)を求めるにあたって、以下のような内部工程を実施する。
S102において、パターン密度ρ(x)計算工程として、照射量計算部112は、メッシュ領域34毎に、内部の図形の面積を求め、各メッシュ領域34のパターン密度ρ(x)を計算する。
S103において、関数U(x)計算工程として、照射量計算部112は、メッシュ領域34毎に、関数U(x)を演算する。関数U(x)は、以下の式(19−1)で定義される。そして、式(19−1)の演算は、具体的には、以下の式(19−2)を用いて計算される。
(19−1) U(x)=∫g(x−x’)dx’
(19−2) U(x)=ΣΣg(x−x)ρ(x)Δ
S104において、照射量D(x)計算工程として、照射量計算部112は、メッシュ領域34毎に、式(19−2)で求められた関数U(x)を用いて照射量D(x)を計算する。照射量D(x)は、上述した式(14−1)或いは式(14−2)から求めることができる。
S106において、関数Vn+1(x)計算工程として、照射量計算部112は、メッシュ領域34毎に、そこまでに求められた照射量Dn(x)を用いて関数Vn+1(x)を計算する。関数Vn+1(x)は、以下の式(20−1)で定義される。そして、式(20−1)の演算は、具体的には、以下の式(20−2)を用いて計算される。ここでは、まず、関数V(x)を計算する。
(20−1) Vn+1(x)=∫g(x−x’)D(x)dx’
(20−2) Vn+1(x)=ΣΣg(x−x)D(x)ρ(x)Δ
上述した式(19−2)及び式(20−2)において、xはi番目の小領域の中心座標を示す。そして、例えば、ρ(x)はi番目の小領域でのパターン密度を示す。
S108において、関数dn+1(x)計算工程として、照射量計算部112は、メッシュ領域34毎に、(あ)式(19−2)で求められた関数U(x)と(い)照射量Dn(x)と(う)式(20−2)で求めた関数Vn+1(x)を用いて、関数dn+1(x)を計算する。関数dn+1(x)は、上述した式(18−1)或いは式(18−2)から求めることができる。ここでは、まず、関数d(x)を計算する。
S110において、照射量Dn+1(x)計算工程として、照射量計算部112は、メッシュ領域34毎に、求められた照射量Dn(x)と関数dn+1(x)を用いて、照射量Dn+1(x)を計算する。照射量Dn+1(x)は、上述した式(10−2)から求めることができる。ここでは、まず、照射量D(x)を計算する。
S112において、判定工程として、照射量計算部112は、メッシュ領域34毎に、nが所定の回数kになっているかどうかを判定する。そして、n=kではない場合には、フィードバック工程(S114)に進み、n=kになっている場合には、照射量Dn+1(x)をバッファメモリ118或いはバッファメモリ119に出力する。
S114において、フィードバック工程として、照射量計算部112は、メッシュ領域34毎に、nに1を加算する。そして、S106にフィードバックする。
以上のようにして、n=kになるまで、関数Vn+1(x)計算工程(S106)〜フィードバック工程(S116)を繰り返す。そして、照射量計算部112は、メッシュ領域34毎に、nが所定の回数kになった照射量Dn+1(x)をバッファメモリ118或いはバッファメモリ119に出力する。かかる出力は、ストライプ領域30毎に、バッファメモリ118或いはバッファメモリ119に交互に出力される。すなわち、(l)番目のストライプ領域30用の照射量Dn+1(x)がバッファメモリ118に一時的に格納された場合には、(l+1)番目のストライプ領域30用の照射量Dn+1(x)はバッファメモリ119に一時的に格納される。
S116において、データ転送工程として、転送部114は、バッファメモリ118或いはバッファメモリ119から格納されている1つのストライプ領域30分の照射量Dn+1(x)の情報を読み出し、描画データ処理部116に転送する。すなわち、照射量計算部112が既に計算し終わった1つの前のストライプ領域30分の照射量Dn+1(x)の情報を読み出し、転送する。
S120において、描画データ処理工程として、描画データ処理部116は、パターンデータを磁気ディスク装置140から読み出し、複数段のデータ変換処理を行い、描画動作に使用可能なショットデータを生成する。描画データ処理部116は、照射量計算部112が既に計算し終わった1つの前のストライプ領域30分のパターンデータを磁気ディスク装置140から読み出し、かかるストライプ領域30分のショットデータを生成する。ショットデータには、メッシュ領域34毎の照射量Dn+1(x)の情報も含まれる。ショットデータは、磁気ディスク装置142に格納される。偏向制御回路120は、磁気ディスク装置142から1つのストライプ領域30分のショットデータを読み出し、ショットデータに沿って、各偏向器に偏向電圧を出力する。
S122において、描画工程として、描画部150は、求めた照射量Dn+1(x)で試料101の該当する位置に電子ビーム200を照射して、試料101にパターンを描画する。描画部150の動作について、以下に説明する。
電子銃201から電子ビーム200が放出(照射)される。電子銃201から出た電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形例えば長方形の穴を持つ第1のアパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形例えば長方形に成形する。そして、第1のアパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2のアパーチャ206上に投影される。かかる第2のアパーチャ206上での第1のアパーチャ像の位置は、偏向器205によって偏向制御され、ビーム形状と寸法を変化させることができる。その結果、電子ビーム200は成形される。そして、第2のアパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、偏向器208により偏向される。その結果、連続移動するXYステージ105上の試料101の所望する位置に照射される。
ここで、試料101上の電子ビーム200が、所望する照射量を試料101に入射させる照射時間tに達した場合、以下のようにブランキングする。すなわち、試料101上に必要以上に電子ビーム200が照射されないようにするため、例えば静電型のBLK偏向器212で電子ビーム200を偏向すると共にBLKアパーチャ214で電子ビーム200をカットする。これにより、電子ビーム200が試料101面上に到達しないようにする。BLK偏向器212の偏向電圧は、偏向制御回路120によって制御される。
ビームON(ブランキングOFF)の場合、電子銃201から出た電子ビーム200は、図1における実線で示す軌道を進むことになる。一方、ビームOFF(ブランキングON)の場合、電子銃201から出た電子ビーム200は、BLKアパーチャ214の手前で図1における点線で示す軌道を進むことになる。また、電子鏡筒102内および描画室103内は、図示していない真空ポンプにより真空引きされ、大気圧よりも低い圧力となる真空雰囲気となっている。ブランキングONによってBLKアパーチャ214を通過し始めてからブランキングOFFによって遮断されるまでが1ショット分の電子ビーム200となる。
図11は、実施の形態1における照射量の補間の手法を説明するための概念図である。ショットの中心がメッシュ領域34の中心42にある場合には、求められたメッシュ領域34用の照射量Dn+1(x)で電子ビーム200を照射して内部の図形40を描画すればよい。しかしながら、図11に示すように、ショットの中心がメッシュ領域34の中心からはずれた位置52にある場合、周囲のメッシュ領域34用の照射量Dn+1(x)を用いて、線形補間すると好適である。例えば、2つのメッシュ領域8,9間の境界上にある場合に、かかる位置でのDn+1(x)は、両メッシュ領域8,9用の照射量Dn+1(x)の和の1/2とすると好適である。そしてかかる線形補間された照射量Dn+1(x)を用いて図形50を描画すればよい。
実施の形態2.
実施の形態1では、後方散乱エネルギーB(x)の方程式を解くことで最適な照射量を求めていたが、これに限るものではない。実施の形態2では、照射量とパターン密度との相関関係式を予め求め、かかる相関関係式のパターン密度を、後方散乱エネルギーB(x)を照射量で割った量に置き換えてできる非線形方程式を解くことで最適な照射量を求める方法について説明する。実施の形態2における描画装置の構成は図1と同様である。また、以下に説明する以外の内容は、実施の形態1と同様である。
図形寸法が後方散乱の広がりσよりも充分に小さく、なおかつパターン密度ρが一定の場合に、実験から最適照射量Dを求め、以下の式(21)に示す照射量Dとパターン密度ρとの相関関係式の関数pが実験から得られたとする。
(21) D=p(ρ,Δl)
ここで、Δlは設計寸法と現像後のレジスト寸法(近接効果による誤差を含む実際に得られる寸法)との差である。パターン密度ρが一定の場合、パターン密度ρは以下の式(22)で表すことができる。
(22) ρ=B(x)/D
ここで、Dは照射量であり、B(x)は規格化された後方散乱の蓄積エネルギーであって次の式(23)で表される。
(23) B(x)=∫D(x’)g(x−x’)dx’
ここで、積分は、LSIパターンの図形について取る。以下、特に断らないかぎり同様である。
以下の議論では 関数g(x)は次の条件(式(24))を満たしているものとする。
(24) ∫g(x)dx=1
ここで、積分領域は描画領域全面であり、x及びyについてそれぞれ、−∞から+∞とする。
ここで、上述したような図形寸法が後方散乱の広がりσよりも充分に小さく、なおかつパターン密度ρが一定の場合には、規格化された後方散乱の蓄積エネルギーB(x)と照射量Dは一定の値であり場所に依存しない。かかる場合に、式(22)を用いてパターン密度ρを規格化された後方散乱の蓄積エネルギーB(x)を照射量Dで除した量に置き換えると、式(21)は、以下の式(25)のように変形することができる。
(25) D=p(B(x)/D,Δl)
式(25)は、パターン密度ρが一定である場合に成立するものである。しかし、式(23)が、パターン密度ρが一定の場合でしか成立しないと考えるのは不自然であり、むしろ他の場合でも成立すると考えるのが自然である。そこで、式(25)はパターン密度ρが一定でない一般的な場合でも成立するものと仮定する。これにより以下の式(24)に示す近接効果補正方程式が得られる。
(26) D(x)=p(B(x)/D(x),Δl)
次に、(26)で示す式の一例となるモデルを用いて、照射量D(x)に関する非線形方程式を求める。レジストプロセスの単純なモデルを導入する。このモデルは式(24)の関数pの具体的な項を導入することでおこなわれる。ここで、従来のしきい値モデルは正確でないとしても、これまではマスクの製造に利用できてきたので、その差異は大きなものではない。よって、パターン密度ρが一定の場合、最適照射量Dは次の式(27)のように表されるものとする。
(27) D=1/{p(Δl)+q(Δl)・ρ+r(Δl)・ρ
ここで、p(Δl),q(Δl),r(Δl)は係数である。これらの係数はレジストプロセスの特徴を表すものである。すなわち、係数は、Δl、レジスト、現像条件などに依存する。ここで、もしも、r(Δl)がゼロであれば式(27)は、以下に示す式(28)のようになる。
(28) D=1/{p(Δl)+q(Δl)・ρ}
式(28)の解は、従来のしきい値モデルに基づくパターン密度法の解となる。しかしながら実施の形態1でも説明したように従来のしきい値モデルでは誤差が存在する。すなわち、ρの項がゼロでないことが重要となる。ここで、上述したように、式(27)のパターン密度ρを式(22)で示したように規格化された後方散乱の蓄積エネルギーB(x)を照射量Dで除した量に置き換えると、式(27)は、以下の式(29)のように変形することができる。
(29) D=1/[p(Δl)+q(Δl)・B(x)/D
+r(Δl)・{B(x)/D}
また、上述したように、パターン密度ρが一定でない一般的な場合でも成立すると仮定すると、式(29)から以下の式(28)に示す近接効果補正方程式が得られる。
(30) D(x)=1/[p(Δl)+q(Δl)・B(x)/D(x)
+r(Δl)・{B(x)/D(x)}
式(30)を変形すると、以下の式(31)で示す方程式が得られる。
(31) p(Δl)D(x)+q(Δl)・D(x)・B(x)−D(x)
+r(Δl)・B(x)=0
式(31)は、式(23)を用いて、以下の式(32)に示す照射量D(x)に関する非線形方程式を得ることができる。
(32) p(Δl)D(x)
+q(Δl)・D(x)・∫D(x’)g(x−x’)dx’
−D(x)+r(Δl)・{∫D(x’)g(x−x’)dx’}=0
かかる式(32)に示す照射量D(x)に関する非線形方程式を解くことで、近接効果が補正された最適な照射量D(x)を得ることができる。
ここで、もしも、照射量D(x)が正確でなければ補正誤差ε(x)が生じることになる。式(31)について、補正誤差ε(x)が小さいものとして補正誤差ε(x)を1次までテーラー展開し変形すると、補正誤差ε(x)は以下の式(33)で表すことができる。
(33) ε(x)=−{p(Δl)D(x)+q(Δl)・D(x)・B(x)
−D(x)+r(Δl)・B(x)
/{p’(Δl)D(x)+q’(Δl)・D(x)・B(x)
+r’(Δl)・B(x)
但し、定数p’(Δl),q’(Δl),r’(Δl)は、以下の式(34−1)〜式(34−3)で表される。
(34−1) p’(Δl)=dp(Δl)/dΔl
(34−2) q’(Δl)=dq(Δl)/dΔl
(34−3) r’(Δl)=dr(Δl)/dΔl
補正方程式(31)は、未知の関数D(x)について非線形であるが、補正方程式(31)の解は、上述した式(10−1)〜式(10−2)の形式のイタレーションを行うことで求めることができる。最初の近似照射量D(x)は、以下の式(35)で表される。
(35) D(x)=1/{p(Δl)+q(Δl)U(x)
+r(Δl)・U(x)
ここで、関数U(x)は、上述した式(13)である。また、未知の関数dn+1(x)は、an+1(x)≠0であってbn+1(x)≧0のとき、以下の式(36−1)で、an+1(x)≠0であってbn+1(x)<0のとき、以下の式(36−2)で、また、an+1(x)=0のとき、以下の式(36−3)で求まる。
(36−1) dn+1(x)=[−bn+1(x)+√{bn+1(x)
−4an+1(x)cn+1(x)}]/{2an+1(x)}
(36−2) dn+1(x)=[−bn+1(x)−√{bn+1(x)
−4an+1(x)cn+1(x)}]/{2an+1(x)}
(36−3) dn+1(x)=−cn+1(x)/bn+1(x)
また、an+1(x),bn+1(x),及びcn+1(x)は、以下の式(37−1)〜式(37−3)で定義される。
(37−1) an+1(x)=p(Δl)+q(Δl)U(x)
+r(Δl)・U(x)
(37−2) bn+1(x)=2p(Δl)D(x)−1
+q(Δl)U(x)D(x)
+{q(Δl)+2r(Δl)・U(x)}∫D(x’)g(x−x’)dx’
(37−3) cn+1(x)=p(Δl)D(x)−D(x)
+q(Δl)D(x)∫D(x’)g(x−x’)dx’
+r(Δl){∫D(x’)g(x−x’)dx’}
このようにして求めた、D(x)とd(x)を用いてD(x)を求める。そして、D(x)とd(x)を用いてD(x)を求める。このようにして、順次、D(x)とdn+1(x)を用いて、Dn+1(x)を求めればよい。照射量Dn+1(x)を求めるにあたって、繰り返し数nは大きい方がよいが、例えば後述の例では、D5(x)程度で十分な精度を確保することができる。この繰り返し数は目的とする精度によって調整すれば良い。
ここで、実施の形態2においても照射量Dn+1(x)は、上述した図7のS100で説明した各工程を実行することで求めればよい。以降の各工程も実施の形態1と同様である。
以上のように、描画装置100の照射量計算部112は、式(32)に示した照射量D(x)に関する非線形方程式を解くことで、近接効果が補正された照射量Dn+1(x)を求める。そして、描画部150は、かかる照射量Dn+1(x)で試料101に電子ビーム200を照射して、試料101に所望するパターンを描画する。
次に、実施の形態2における非線形方程式で求めた、近接効果が補正された照射量Dn+1(x)の補正精度について説明する。
比較のため、しきい値モデルにもとづく次の方程式(38)を導入する。
(38) D(x)/2+η∫D(x’)g(x−x’)dx’=D
ここで、2Dは孤立パターンの照射量に相当する。また、次の条件を課すことにする。
(39−1) D=1/{2p(Δl)}
(39−2) η={q(Δl)+r(Δl)}/{2p(Δl)}
以上の説明において、実施の形態2では、しきい値モデルは成立せず、式(27)が成立すると仮定したので、式(38)はあくまで近似した方程式にすぎない。
補正精度をみつもるための条件は以下の通りである。後方散乱に関する広がり関数g(x)を次の式(40)のように仮定する。
(40) g(x)={1/(πσ )}exp{−(x−x’)/σ
式(40)の右辺は、2重ガウシアン近似に相当する。後方散乱の広がりσの値は10μmとする。p(Δl),q(Δl),r(Δl)の値は、それぞれ、0.08cm/μC,0.096cm/μC,0.032cm/μCとする。また、p’(Δl),q’(Δl),r’(Δl)の値は−0.001cm/(nm・μC),0.0001cm/(nm・μC),0.0cm/(nm・μC)とする。一般的に言えば、p’(Δl),q’(Δl),r’(Δl)の単位はcm/μCなどのように書くべきである。しかし、これらの量が1/(照射量×寸法誤差)の次元をもつことが容易にわかるように、上のような単位の表し方、cm/(nm・μC)をした。p(Δl),q(Δl),r(Δl)との値を利用すれば、近似した補正方程式のパラメータが式(39−1)と式(39−2)で決まりD=6.25μC/cmおよびη=0.8となる。
なお、これらの量を一般の単位系で表現すれば次のようになる。p(Δl),q(Δl),r(Δl)の値は、それぞれ、8.0m/C,9.6m/C,3.2m/Cと設定することになる。また、p’(Δl),q’(Δl),r’(Δl)の値は−1.0x10m/C,−1.0x10m/C,0.0m/Cに設定することになる。DはD=6.25x10−2C/mという値になる。
まず、パターン密度が一様な場合について説明する。実施の形態2では、しきい値モデルが成立しないが、最適照射量が式(27)で表されると仮定した。実施の形態2の方法では式(27)をそのまま利用するので誤差が発生しない。よって、以下では、しきい値モデルを仮定した方法で発生する誤差のみを求める。また、しきい値モデルを仮定する方程式(38)の解として、以下の式(41)に示すパブコビッチの解を利用する。
(41) D=D/(1/2+ηρ)
もし、しきい値モデルが成立すれば、パターン密度が一様なので、この式(41)は正確である。しかし、上述したように、ここではしきい値モデルが成立せず、式(27)が成立するので、式(41)は、あくまでも近似解にすぎない。
図12は、実施の形態2における補正された照射量とパブコビッチの解に基づく補正照射量とを比較したグラフである。図12において、”T”で示すグラフは、式(41)で求めたパブコビッチの解に基づく補正照射量を示す。また、”R”で示すグラフは、式(25)で求めた実施の形態2における補正照射量と実測値とを示す。
図13は、パブコビッチの解に基づく補正照射量の寸法誤差を示すグラフである。図13では、式(41)で求めた補正照射量の寸法誤差を示している。誤差の計算には式(32)を用いた。図13の例では、従来のしきい値モデルにおいて最大の誤差が8nmに及ぶことがわかる。
次に、パターン密度が急変する場合について説明する。
図14は、実施の形態2における手法での補正精度を見積もるための評価パターンの一例を示す図である。図14において、幅が2Wの評価パターン61を用いる。ここで、寸法Wは後方散乱の広がりσより十分大きい値とする。そして、図14では、評価パターン61の右半分の幅Wの領域についてパターン密度が100%、評価パターン61の左半分の幅Wの領域についてパターン密度が0%となるようにする。よって、右半分の幅Wの領域に全体が位置する領域62ではパターン密度が100%になる。また、領域64は境界を含む ―5σから 5σ の領域であり、その中央部ではパターン密度が100%から0%に急変する。
ここでは、図7で説明した照射量演算工程(S100)に沿って、メッシュ領域毎に、パターンのすべての場所で補正精度を見積もる。これは図形のない領域についても誤差を見積もることに相当する。パターンの内領域での場所xで、補正寸法誤差ε(x)となった場合、この誤差の意味は、場所xに、非常に小さな図形を配置した場合その図形の補正誤差がε(x)になるということを意味する。
図15は、図14の評価パターンを用いて、実施の形態2における補正された照射量としきい値モデルの近似式に基づく補正照射量とを比較したグラフである。図15では、領域64について求めた結果を示している。図15において縦軸は補正照射量、横軸は影響範囲σで規格化した相対位置(x/σ)である。図15において、”Q”で示すグラフは、しきい値モデルの近似式(37)で求めた補正照射量を示す。また、”S”で示すグラフは、式(31)に示した非線形方程式を式(10−1)、式(10−2)、及び式(35)〜式(37−3)で示した各式を用いてイタレーションによって求めた実施の形態2における補正照射量を示す。
図16は、図14の評価パターンを用いて、従来のしきい値モデルの近似式を利用した場合の補正誤差の結果を示す図である。図16では、領域64について求めた結果を示している。図16において縦軸は補正誤差、横軸は影響範囲σで規格化した相対位置(x/σ)である。図16において各グラフに示す数値はイタレーションの回数を示す。図16に示すように、しきい値モデルの近似式(38)で補正照射量を求める際に、イタレーションによる9回の繰り返し演算を行っても8nmの誤差が残ることがわかる。この誤差は補正方程式自身が近似であること、すなわちしきい値モデルを仮定したことによって発生するものである。よって、しきい値モデルが成り立たない状況では原理的に回避不能な誤差である。
図17と図18は、図14の評価パターンを用いて、実施の形態2における非線形方程式を利用した場合の補正誤差の結果を示す図である。
図17と図18では、領域64について求めた結果を示している。図17と図18において縦軸は補正誤差、横軸は影響範囲σで規格化した相対位置(x/σ)である。図17と図18において各グラフに示す数値はイタレーションの回数を示す。図17では、1〜6回までの結果を示す。図18では、5〜10回までの結果を示す。図17と図18に示すように、実施の形態2の手法では、5回および8回のイタレーションで、それぞれ、誤差は1nm以下、および0.3nm以下に抑えられている。以上のように、実施の形態2の手法を用いることで、高い補正精度を得ることができる。
実施の形態3.
実施の形態1,2では、近接効果を補正した補正照射量を求める手法について説明したが、寸法誤差の要因としては、近接効果の他にかぶりやプロセスによるCD変動(例えばローディング効果)も存在する。そこで、実施の形態3では、上述した近接効果の補正と共にこれらかぶりやプロセスによるCD変動の補正も行う場合について説明する。実施の形態3における描画装置の構成は図1と同様である。また、以下に説明する以外の内容は、実施の形態2と同様である。
まず、かぶりの補正に応用する場合について説明する。かぶりと呼ばれる現象は寸法精度を劣化させるが、これは、近接効果同様、不必要な露光によって生じるものである。よって、近接効果補正と同様、かぶりの補正も照射量を場所毎に変化させ補正が行われてきた。従来、かぶりの補正も、しきい値モデルに基づき最適照射量が算出されてきた。このかぶりの現象に、実施の形態2で説明した手法を適用するには次のように行えばよい。
近接効果補正の場合と、近接効果補正に加えてかぶりの補正もおこなう場合との違いは、レジスト内のエネルギー損失の背景となる分が、前者では、電子の後方散乱電子によるもの、後者ではそれに加えてかぶりによる再反射電子によるものの和であることだけである。よって、後方散乱エネルギーB(x)及び規格化された後方散乱エネルギーB(x)を以下の式(42−1)及び式(42−2)のようにすれば良い。
(42−1) B(x)=kη∫D(x’)g(x−x’)dx’
+kθ∫D(x’)g(x−x’)dx’
(42−2) B(x)=∫D(x’)g(x−x’)dx’
+(θ/η)∫D(x’)g(x−x’)dx’
ここで、積分は、LSIパターンの図形について取る。以下、特に断らないかぎり同様である。又θはかぶりのパラメータある。kは係数である。また、式(42−1)及び式(42−2)において、それぞれ第2項を削除した式が、それぞれ近接効果だけを補正する場合の式となる。また、g(x)は、かぶりの場合の広がり関数であり、次の条件(式43))を満たすものとした。
(43) ∫g(x’)dx’=1
ここで、積分は描画領域全面であり、x及びyについてそれぞれ、−∞から+∞とする。
上述した方程式(31)の関数系を近接効果補正用に実験で求めておく。例えば式(31)のように求め、パラメータを決めておけばよい。そして、式(31)におけるB(x)に式(42−2)を用い、例えば、式(10−1)、式(10−2)、式(35)〜式(37−3)を利用して、イタレーションによりこの補正方程式を解いて最適照射量(補正照射量)を求める。そして、求めた補正照射量にしたがって、照射量を制御しながら描画すれば、かぶりの影響も、近接効果補正と同時に、実施の形態3の方式によって高い精度で補正できる。
次に、プロセスによるCD変動(例えばローディング効果)の補正に応用する場合について説明する。マスク製造やウエハプロセスでは寸法誤差をひきおこす現象が数多く存在する。エッチング時に生じる長距離のローディング効果やマイクロローディング効果、リソグラフィ装置で発生するフレアなどである。装置を改良するだけでこれらの誤差を抑制することは困難である。そのため、設計パターン内の図形の寸法などをあらかじめ補正・変更しておき、要因となるプロセス(製造方法)を実施すれば所望の寸法になるようする。
この補正は以下のように行われる。図形の影響が及ぶ範囲を相互作用距離とよぶことにして、σで表すことにする。例えば、ローディング効果の場合はσの値は1cm程度と近接効果の広がり10μmよりもはるかに大きい。LSIパターンをσよりも充分小さな小領域(メッシュ領域)毎(例えばσ/10)に区分し、小領域毎に、最適な寸法補正量を適切な方法を用いて算出し、小領域毎に、内部に存在する図形の寸法をその補正量だけ補正する。このように補正された図形をマスク上に形成、あるいはこのように補正されたパターンでレジストを形成すればその後のプロセス(例えばエッチング)を通すことで、所望の寸法が得られる。
ここで、領域毎に、内部に存在する図形の寸法をその補正量だけ補正するにはふたつの方法がある。ひとつは、CADシステムを利用し、設計パターンそのものをデータのレベルで変更する方法である。もうひとつはEB描画装置で描画する際に、照射量を場所によって変更しながら変動させて描画する方法である。
この後者の方法を行う際に、実施の形態2における方法を利用することができる。すなわち、上述した方程式(24)の関数系を近接効果補正用に実験で求めておく。例えば式(29)のように求め、パラメータを決めておけばよい。ここで、パラメータの寸法変化分Δlの依存性を求めておくことが重要である。
図19は、実施の形態2における非線形方程式の係数p(Δl)のΔlに対する変化の一例を示すグラフである。
図20は、実施の形態2における非線形方程式の係数q(Δl)のΔlに対する変化の一例を示すグラフである。
図21は、実施の形態2における非線形方程式の係数r(Δl)のΔlに対する変化の一例を示すグラフである。
領域毎に適切な方法によって、プロセスによるCD変動(例えばローディング効果)に起因した寸法補正量Δlが決められる。次に、図19〜図21のグラフを参照することで、寸法補正量Δlに対応した近接効果補正のためのパラメータp(Δl),q(Δl),r(Δl)の値も決まる。これによって、小領域毎に、近接効果の非線形方程式(31)がきまるので、小領域毎に、例えば、式(10−1)、式(10−2)、式(35)〜式(37−3)を利用して、イタレーションにより非線形方程式(32)を解いて最適照射量(補正照射量)を求める。そして、求めた補正照射量にしたがって、照射量を制御しながら描画すれば、近接効果と共にプロセスによるCD変動(例えばローディング効果)についても寸法補正されたパターンが形成される。そして、形成されたパターンはプロセスを通すことで、設計寸法に一致することになる。このように、プロセスによるCD変動(例えばローディング効果)に対する寸法補正量Δlに応じた非線形方程式(31)の係数p(Δl),q(Δl),r(Δl)を設定することで、プロセスによるCD変動(例えばローディング効果)の影響も、近接効果補正と同時に、実施の形態3の方式によって高い精度で補正できる。
実施の形態4.
実施の形態4では、実施の形態2で説明した非線形方程式(32)の解法よりも簡易な別の解法について説明する。実施の形態4における描画装置の構成は図1と同様である。また、以下に説明する以外の内容は、実施の形態2と同様である。
この実施例では、r(Dl)が小さい場合について考えるものとし、r(Dl)を微小量として摂動法で式(42)の解を求める。簡単な例として、r(Dl)について1次までを考えることにして、解が次の式(44)のように表されるものとする。
(44) D(x)=D(x)+r(Dl)D(x)
すなわち、r(Dl)について2次以上の項、例えばr(Dl)やr(Dl)のような量は充分小さい量とみなしてゼロであると近似する。
式(44)を方程式(32)に代入し、r(Dl)について2次以上の項をゼロとすると、r(Dl)に関する0次の方程式として式(45−1)、及び、r(Dl)に関する1次の方程式として式(45−2)が得られる。
(45−1) p(Δl)D(x)
+q(Δl)∫D(x’)g(x−x’)dx’−1=0
(45−2) {1−2p(Δl)D(x)
―q(Δl)∫D(x’)g(x−x’)dx’}D(x)
―q(Δl)・D(x)・∫D(x’)g(x−x’)dx’
={∫D(x’)g(x−x’)dx’}
後述する方法によって、式(45−1)を解くことにより、D(x)の解を得ることができる。これによって、D(x)は既知に関数となるので、式(45−2)に含まれる未知の関数はD(x)のみであり、なおかつ方程式はD(x)について線形の方程式である。この方程式も以下で述べる方法によって解くことができる。
次に、方程式(45−1)および(45−2)の数値解を求める方法について説明する。
式(45−1)も式(45−2)も以下の方程式(46)の特殊な場合である。
(46) s(x)f(x)+t(x)∫f(x’)g(x−x’)dx’
=u(x)
ここで、未知数はf(x)である。s(x)をp(Δl)で、t(x)をq(Δl)で、u(x)を1で、f(x)をD(x)で置き換えれば、式(46)は方程式(45−1)になる。よって、以下で示す解で、このような置き換えを行えば、式(45−1)の解が得られ、これを用いて数値計算すれば、式(45−1)の精度の高い数値解を求めることができる。
また、s(x)を以下の式(47)で、t(x)を―q(Δl)・D(x)で、u(x)を{∫D(x’)g(x−x’)dx’}で、f(x)をD(x)で置き換えれば、式(46)は方程式(45−2)になる。
(47) s(x)=1−2p(Δl)D(x)
―q(Δl)∫D(x’)g(x−x’)dx’
よって、以下で示す解で、このような置き換えを行えば、式(45−2)の解が得られ、これを用いて数値計算すれば、式(45−2)の精度の高い数値解を求めることができる。
積分方程式(46)の解、関数f(x)は、以下の式(48−1)及び式(48−2)によってイタレーションを行なうことで求めることができる。
(48−1) f(x)=lim f(x)(但し、n→∞)
(48−2) fn+1(x)=f(x)+tn+1(x)
まず、最初の項f(x)は、以下の式(49)で求める。
(49) f(x)=u(x)/{s(x)+t(x)∫g(x−x’)dx’}
(x)まで求められた後は、式(48−2)に示すように、tn+1(x)を求めてこれをf(x)に加算することによってfn+1(x)を求めるが、このtn+1(x)は次の式(50)で求める。
(50)tn+1(x)=―en+1(x)/{s(x)
+t(x)∫g(x−x’)dx’}
ただし、en+1(x)は次の式(51)で表される。
(51) en+1(x)=f(x)s(x)
+t(x)∫f(x’)g(x−x’)dx’―u(x)
以上のようにして、関数D(x)とD(x)とを求め、このふたつから式(44)によって、式(32)の解D(x)を得ることができる。実施の形態4によれば、実施の形態2で示した解法よりも簡易な解法で補正照射量を得ることができる。
以上の説明において、「〜部」或いは「〜工程」と記載したものの処理内容或いは動作内容は、コンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができる。或いは、ソフトウェアとなるプログラムだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実施させても構わない。或いは、ファームウェアとの組合せでも構わない。また、プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録される。例えば、磁気ディスク装置146に記録される。
また、図1において、制御計算機ユニット110は、さらに、図示していないバスを介して、記憶装置の一例となるRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM、磁気ディスク(HD)装置、入力手段の一例となるキーボード(K/B)、マウス、出力手段の一例となるモニタ、プリンタ、或いは、入力出力手段の一例となる外部インターフェース(I/F)、FD、DVD、CD等に接続されていても構わない。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、かかる近接効果補正の手法は、光リソグラフィにおける補正においても応用が可能である。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての荷電粒子ビーム描画装置、及び荷電粒子ビーム描画方法は、本発明の範囲に包含される。
10,20 最大値
12 前方散乱エネルギー分布
22 後方散乱エネルギー分布
30,32 ストライプ領域
34 メッシュ領域
40,50 図形
42 中心
52 位置
61 評価パターン
62,64 小領域
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110 制御計算機ユニット
111 メモリ
112 照射量計算部
114 転送部
116 描画データ処理部
118,119 バッファメモリ
120 偏向制御回路
140,142 磁気ディスク装置
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
204 投影レンズ
205,208 偏向器
206,420 第2のアパーチャ
207 対物レンズ
212 BLK偏向器
214 BLKアパーチャ
330 電子線
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

Claims (7)

  1. 照射量を未知数とする、前記照射量に関する非線形な、荷電粒子ビームの後方散乱による蓄積エネルギーの方程式を解いて前記照射量を求める工程と、
    求めた照射量で前記荷電粒子ビームを照射して、試料にパターンを描画する工程と、
    を備えたことを特徴とする描画方法。
  2. 照射量を未知数とする、照射量に関する非線形方程式を解いて前記照射量を求める工程と、
    求めた照射量で前記荷電粒子ビームを照射して、試料にパターンを描画する工程と、
    を備えたことを特徴とする描画方法。
  3. 照射量を未知数とする、前記照射量に関する非線形な、荷電粒子ビームの後方散乱による蓄積エネルギーの方程式を解いて前記照射量を求める演算部と、
    求めた照射量で前記荷電粒子ビームを照射して、試料にパターンを描画する描画部と、
    を備えたことを特徴とする描画装置。
  4. パターン密度と照射量との相関関係式を予め求めておいて、前記相関関係式のパターン密度を荷電粒子ビームの規格化された後方散乱による蓄積エネルギーを照射量で除した量に置き換えた、照射量に関する非線形方程式を解いて前記照射量を求める工程と、
    求めた照射量で前記荷電粒子ビームを照射して、試料にパターンを描画する工程と、
    を備えたことを特徴とする描画方法。
  5. 前記非線形方程式は、前記相関関係式が示す相関関係に沿うように各項のパラメータが定義されることを特徴とする請求項記載の描画方法。
  6. 所定のパターン密度で図形を繰り返し並べた評価パターンを、照射量を可変にしてそれぞれ描画した際に所望の設計寸法が得られた照射量を前記所定のパターン密度との前記相関関係式が示す相関関係とすることを特徴とする請求項記載の描画方法。
  7. パターン密度と照射量との相関関係式を予め求めておいて、前記相関関係式のパターン密度を荷電粒子ビームの規格化された後方散乱による蓄積エネルギーを照射量で除した量に置き換えた、照射量に関する非線形方程式を解いて前記照射量を求める演算部と、
    求めた照射量で前記荷電粒子ビームを照射して、試料にパターンを描画する描画部と、
    を備えたことを特徴とする描画装置。
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