<実施例1>
図1(A)は、画像形成装置の一例であるカラーレーザプリンタの概略断面図である。画像形成装置10は、たとえば、印刷装置、プリンタ、複写機、複合機、ファクシミリのいずれであってもよい。画像形成装置10は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の画像形成部を備えている。プロセスカートリッジ1は、画像形成部の主要部であり、各色のトナー画像を形成する。なお、図面においては、担当する色を表すY、M、C、BKを参照番号の末尾に付与しているが、明細書では原則として省略する。プロセスカートリッジ1には、静電潜像やトナー像を担持するドラム状の感光体(感光ドラム2)等の部品が一体化されている。モータ15は対応するプロセスカートリッジ1を駆動する。モータ15は複数の感光ドラムを回転駆動する回転駆動手段の一例である。スキャナユニット18は、入力された画像信号に応じて感光ドラム2の表面(周面)を露光し、感光ドラム2上に静電潜像を形成する。つまり、スキャナユニット18は、帯電手段が複数の感光ドラムの表面を帯電させた後に、複数の感光ドラムの表面に光を照射して静電潜像を形成する露光手段の一例である。転写ベルト23は、感光ドラム2上に形成された各色のトナー画像が一次転写ローラ6によって一次転写される無端状のベルトである。感光ドラム2や転写ベルト23は、像担持体と呼ばれることもある。感光ドラム2Y〜2BKは、それぞれ色の異なるトナー像を担持するために設けられた複数の感光ドラムである。感光ドラム2と一次転写ローラ6は、転写ベルト23を挟んで対向配置されており、ニップ部を形成している。定着器24は用紙に転写されたトナーを溶融して固着させるユニットである。給紙カセット25は、用紙を収納するユニットである。給紙ローラ26は、給紙カセット25から用紙を画像形成装置10の搬送路へ給紙するユニットである。搬送ローラ27は、搬送路において用紙を上流から下流に搬送するユニットである。二次転写ローラ28は、転写ベルト23上に一次転写されたトナー像を用紙に二次転写するユニットである。
図1(B)を用いて制御システムについて説明する。プリンタ制御部11は、画像形成装置10において画像の形成に関与する各種のユニットを制御する。プリンタ制御部11は、図示しないCPU等により構成されており、プリンタ制御部11内の記憶装置20に格納されている各種制御プログラムやデータに従い、各ユニットを制御する。記憶装置20は、揮発性記憶素子と不揮発性記憶素子などで構成されている。低圧電源装置12は、画像形成装置10内の各ユニットへ、たとえば、3.3Vないし24Vの直流電圧を供給する。センサ類13は画像形成装置10内の各ユニットの状況を検知する。モータ制御部14は、プリンタ制御部11の指示によりモータ15を制御する。モータ15は画像形成装置10内の各ユニットの動力源である。高圧電源16は、画像形成に必要な帯電バイアス、現像バイアス、転写バイアスなどの電圧を発生させる。電流検知部17は、感光ドラム2を通じて、帯電ローラ、現像ローラまたは一次転写ローラ6に流れる電流を検知する。前露光装置19は、感光ドラム2の表面を除電する。通信コントローラ21はホストコンピュータ22から印刷ジョブを受信する。
図2(A)を用いてプロセスカートリッジ1の構造について説明する。プロセスカートリッジ1の構造は、Y、M、C、BKで共通とする。プロセスカートリッジ1は、感光ドラム2、感光ドラム2を帯電させる帯電ローラ3、感光ドラム2上の静電潜像をトナー像へ現像する現像ローラ4、および、トナーを収容するトナー容器5を具備している。帯電ローラ3は、複数の感光ドラム2Y〜2BKそれぞれの表面を帯電させる帯電手段として機能する。現像ローラ4は、静電潜像にトナーを付着させて複数の感光ドラム2Y〜2BKそれぞれの表面にトナー像を形成する現像手段として機能する。また、一次転写ローラ6や二次転写ローラ28は、複数の感光ドラム2Y〜2BKそれぞれの表面に形成されたトナー像をベルトまたは用紙に転写する転写手段として機能する。なお、これらのローラは、ブレードなどであってもよい。
帯電ローラ3には、高圧電源16から、高電圧の帯電バイアスが供給される。帯電ローラ3は感光ドラム2と対向しており、ニップ部を形成している。高圧電源16と帯電ローラ3の間には電流検知部17が接続されている。スキャナユニット18が、感光ドラム2の表面にレーザ光を照射することで、静電潜像が形成される。前露光装置19は、トナー像の一次転写を終えた感光ドラム2の表面に一様に光を照射することで、除電を行う。なお、高圧電源16と一次転写ローラ6の間に電流検知部17が接続されていてもよい。現像ローラ4は、感光ドラム2に対して、当接状態と離間状態を切り替えられる構成となっている。高圧電源16と現像ローラ4の間に電流検知部17が接続されていてもよい。
帯電ローラ3には、帯電バイアスVrcとして、たとえば、−1200Vの電圧が印加される。帯電バイアスVrcにより感光ドラム2の表面の電圧Vneは、たとえば、−700Vに帯電される。このように帯電した感光ドラム2の表面に、スキャナユニット18からレーザ光を照射すると、感光ドラム2の表面が露光される。露光された感光ドラム2の表面は、帯電していた電荷が抜けて静電潜像が形成される。露光された箇所(露光部)の電位Veは、たとえば、−100Vとなる。これらの電位の関係を図2(B)に示す。露光部と帯電ローラ3との電位差はVd1であり、図2(B)においては−1100Vである。非露光部と帯電ローラ3との電位差はVd2であり、図2(B)においては−500Vである。Vd1とVd2の差が画像のコントラストや階調に影響する。
図2(C)を用いて高圧電源16と電流検知部17について説明する。ここでは、電流検知部17は、帯電ローラ3に流れ込む電流(帯電電流ic)の大きさを検知するものとする。なお、電流検知部17は、上述したように感光ドラム2および現像ローラ4に流れる現像電流や、感光ドラム2および一次転写ローラ6に流れる転写電流を検知してもよい。本発明の基本原理は、静電潜像がニップ部を通過する際に電流が変化すること、および、ニップ部を静電潜像が通過する際の速度から回転ムラを検知することを利用しているからである。ニップ部を空隙とし、そこの放電電流を検知してもよい。回転ムラは、回転速度(周面の移動速度)が一定にならない現象のことである。
図2(C)で、駆動回路61はトランス60を駆動する。トランス60は、駆動回路61によって生成される交流信号の電圧を数十倍の振幅に昇圧する。ダイオード62、63およびコンデンサ64、65によって構成される整流回路66は、昇圧された交流の出力を整流・平滑する。そして整流・平滑化された出力は、出力端子70に直流電圧として出力される。比較器69は、出力端子70の電圧を検知抵抗67、68によって分圧した電圧と、プリンタ制御部11によって設定された基準電圧71とが等しくなるよう、駆動回路61の出力電圧を制御する。そして、出力端子70の電圧は、帯電ローラ3に印加され、その結果、感光ドラム2および本体フレーム78を経由して帯電電流icが高圧電源16に戻ってくる。
電流検知部17は、高圧電源16と接地点72との間に挿入されている。オペアンプ73の入力端子はインピーダンスが高く、電流が殆ど流れないので、接地点72から電流検知部17へ流れこむ帯電電流icは、ほぼ全て抵抗74に流れる。オペアンプ73の反転入力端子は、抵抗74を介して出力端子と接続されている(負帰還されている)。よって、反転入力端子は、非反転入力端子に接続されている基準電圧75に対して仮想接地される。したがって、オペアンプ73の出力端子には、出力端子70に流れる帯電電流icに比例した検知電圧76が現れる。言い換えれば、出力端子70に流れる帯電電流icが変化すると、オペアンプ73の反転入力端子ではなく、オペアンプ73の出力端子の検知電圧76が変化する形で、抵抗74を介して流れる電流が変化することとなる。コンデンサ77は、オペアンプ73の反転入力端子を安定させるために、設けておくことが望ましい。
図3(A)、図3(B)を用いて、プロセスカートリッジ1を駆動するモータ15について説明する。モータ15の構造は、Y、M、C、BKで共通である。モータ15は、プロセスカートリッジ1内の感光ドラム2、帯電ローラ3、現像ローラ4等の部品を回転駆動するもので、たとえば、DCブラシレスモータが使われる。モータ15は、他の形式の直流モータであってもよい。
モータ15は、U、V、Wの3相をスター結線されたコイル43とロータ44を備える。さらにロータ44の位置検知機構として、ロータ44の磁極を検知する3個のホール素子45を備えている。3個のホール素子45の出力端子はモータドライバ40に接続されている。
モータドライバ40はモータ15を駆動する駆動回路であり、ハイ側トランジスタ41とロー側トランジスタ42が各3個接続されている。ハイ側トランジスタ41と、ロー側トランジスタ42の対には、コイル43のU、V、Wが接続されている。モータドライバ40は、3つのホール素子45が発生するロータ位置信号HU〜HWにより、ロータ44の位置を特定し、相切り替え信号UU〜UWおよびLU〜LWを生成する。相切り替え信号UU〜UWおよびLU〜LWは、モータドライバ40に接続されたハイ側トランジスタ41、ロー側トランジスタ42をオンオフ制御し、励磁する相を順次切り替える。これにより、ロータ44が回転する。モータドライバ40は、PWM信号入力端子を持ち、モータ制御部14から入力されたPWM信号に応じて、例えばオン中のハイ側トランジスタをオンオフすることで、モータ15の駆動電流をチョッピングし、モータ15への投入電力を制御する。
ロータ44の外周上には磁気的パターン46が設けられている。磁気的パターン46がロータ44とともに回転することにより、パターンコイル47が誘起電圧を発生する。つまり、パターンコイル47は、ロータ44の回転速度に応じたパルス(速度パルスFG)を速度パルス出力端子から出力する。磁気的パターン46が回転する際の磁界の変化による、パターンコイル47に誘起される誘起電圧を利用してパルスを生成しているため、所定の回転速度以上にならないと、速度パルスFGが出力されない。速度パルスFGは、モータドライバ40を経由してモータ制御部14に出力される。磁気的パターン46とパターンコイル47の形状によって、ロータ44が1回転するごとに出力されるパルス数が決まる。たとえば、ロータ44が1回転するごとに、48個のパルスからなる速度パルスFGが出力される。したがって、モータ制御部14は、速度パルスFGのパルス数をカウンタでカウントすることで、ロータ44が何回転したかを認識できる。
図3(B)を用いて、モータ15による感光ドラム2の駆動方法について説明する。モータ15の出力軸にはギア50が設けられており、ギア50とギア51が噛み合うことでモータ15の駆動力を感光ドラム2に伝達している。ギア51には位相検知フラグ52が設けられている。位相検知フラグ52は、感光ドラム2の回転に伴い位相センサ53の光路を遮る。ギア51は感光ドラム2と一体に回転するため、位相センサ53の信号により、モータ制御部14は、感光ドラム2の回転位相を取得する。位相検知フラグ52や位相センサ53は、複数の感光ドラムそれぞれの回転位相を検知する回転位相検知手段として機能する。
感光ドラム2とギア51は、着脱可能なカップリングにより結合され、プロセスカートリッジ1と画像形成装置10とを脱着可能としている。また、カップリングにより、感光ドラム2とギア51は、所定の位相で結合するため、プロセスカートリッジ1を脱着しても、感光ドラム2とギア51の位相関係は維持される。
次に、モータ制御部14が実行するモータ制御方法について説明する。モータ制御部14は、プリンタ制御部11からの指令にしたがってモータ15を制御する。モータ15を速度制御する場合は、速度パルスFGからモータ速度を算出し、プリンタ制御部11から指示された目標速度とモータ速度とを比較する。そして、モータ制御部14は、目標速度と実際のモータ速度との誤差が小さくなるように、PWM信号のデューティを調整する。また、モータ制御部14は、モータ15が所定の期間に、所定の角度だけ回転するように、いわゆる位置制御を行う。位置制御は、たとえば、速度パルス数をカウントすることでモータ15が実際に回転した角度を求め、目標角度に対する誤差をフィードバックすることで、実現できる。なお、目標角度は、目標速度からモータ制御部14が生成する。
図4(A)〜図4(D)を用いて感光ドラム2の回転ムラによって静電潜像のピッチムラが発生する現象について説明する。図4(A)に示すように、感光ドラム2を駆動するギア51が偏心していた場合、ギア51の回転速度は周期的な変動を起こす。そして、その周期はギア51の1回転周期となる。したがって、ギア51によって駆動される感光ドラム2の速度も、感光ドラム2の一回転周期で変動する。
図4(B)に示すように、一定の時間間隔で感光ドラム2の回転軸に沿った線(横線)を描画すると仮定する。速度変動がある状態では、一定の時間間隔の間に進む感光ドラム2の表面の距離が感光ドラム2の回転位相に応じて変動する。よって、横線のピッチが変動する。たとえば、1rpsで回転する感光ドラム2の平均周速が120mm/sであり、0.01%の回転ムラを持っていると仮定する。この場合、図4(C)に示すように、1秒周期の周速の変動が生じる。このような周速の変動が生じている感光ドラム2に、0.1秒間隔で横線を描画すると、横線のピッチは、図4(D)に示すように、1秒周期で変化する。
図5(A)〜図5(D)を用いて感光ドラム2上の静電潜像の検知方法について説明する。図5(A)は帯電電流icの波形を示している。感光ドラム2が回転し、帯電ローラ3と感光ドラム2のニップ部を静電潜像が通過することにより、帯電電流icが変化する。すなわち、露光部では感光ドラム2の表面の電位と帯電ローラ3の電位との差が大きいために、帯電電流icが多くなる。一方、非露光部ではこの差が小さいため、帯電電流icが少なくなる。したがって、帯電電流icをモニタすることにより、静電潜像の有無を判断できる。
たとえば、帯電電流icを検知するために、複数の横線の静電潜像(潜像パターンまたは潜像マーク)を感光ドラム2上に形成する。電流検知部17が検知した帯電電流icをある閾値Thで2値化することで2値化信号が得られる。この2値化信号のレベルがH(ハイ)かL(ロー)かで、静電潜像の有無を判断できる。すなわち、2値化信号がHなら「静電潜像有り」を示し、Lなら「静電潜像無し」を示している。あるいは、所定のサンプリング間隔で、帯電電流icをサンプリングし、その波形の変化を監視する方法を用いてもよい。本実施例では、帯電電流icを静電潜像の検知に利用しているが、感光ドラム2を通じて現像ローラ4や一次転写ローラ6に流れる電流値を静電潜像の検知に利用してもよい。
次に、感光ドラムの回転ムラ検知方法について説明する。前述したように、一定の時間間隔で横線を描画すると、その横線のピッチが、感光ドラム2の一回転周期で変動する。そこで、図5(B)に示すように、プリンタ制御部11は、この横線と横線の通過時間間隔の変動を、2値化信号の変化の周期から検知する。こうすることで、プリンタ制御部11は、感光ドラム2の回転速度の変動、すなわち回転ムラの状況を検知することができる。このように、プリンタ制御部11は、複数の感光ドラムのそれぞれに流れる電流から、複数の潜像パターンが帯電手段、現像手段または転写手段を通過するタイミングを検知し、当該タイミングから回転ムラを検知する。換言すれば、プリンタ制御部11は、電流の振幅を2値化して複数の潜像パターンのそれぞれに対応した複数のパルスを生成し、複数のパルスのピッチムラ、ピッチの粗密またはピッチの変動周期から回転ムラを検知する。これ以降、横線と横線の通過時間間隔の変動をピッチ変動と称する。
ピッチの変動の原因は、主に2つある。1つは、露光時の速度変動である。もう1つは、横線の通過タイミングでピッチを検知するときの速度変動である。したがって、検知したピッチ変動の振幅と位相は、実際の回転ムラの振幅と位相に差異を生じることがある。よって、必要であれば、露光位置と回転ムラ(電流)の検知位置との関係に応じて、回転ムラの検知結果を補正する。つまり、プリンタ制御部11は、露光手段の位置と、感光ドラム2に流れる帯電電流(転写電流、現像電流)を検知する位置との位置関係に応じて回転ムラの検知結果を補正する補正手段として機能してもよい。たとえば、露光位置と帯電ローラ3が、感光ドラム2の回転軸を中心として180度ずれている場合、検知時の速度変動によりピッチの振幅は増幅される。つまり、タイミング変動の振幅は元の振幅よりも過剰な大きさで検知されてしまう。
この様子を、図5(C)を用いて説明する。説明を簡単にするために、感光ドラム2の表面の移動速度が1mm/s〜3mm/sで変動し、感光ドラム2の表面に一秒間隔で横線を形成するものと仮定する。図5(C)のA点において、感光ドラム2の表面の移動速度は1mm/sであり、このとき1mmピッチの横線が形成される。B点では、感光ドラム2の表面の移動速度は2mm/sであり、このとき2mmピッチの横線が形成される。C点では、感光ドラム2の表面の移動速度は3mm/sであり、このとき3mmピッチの横線が形成される。C点の反対側であるc点では、A点で形成された横線が検知される。このとき1mmピッチの横線が3mm/sで移動するため、横線は1/3sごとに検知される。d点では、B点で形成された横線が検知される。このとき2mmピッチの横線が2mm/sで移動するため、横線は、1sごとに検知される。e点では、C点で形成された横線が検知される。このとき3mmピッチの横線が1mm/sで移動するため、横線は、3sごとに検知される。
このように、横線の検知タイミングは、1/3s〜3sの変動を持ち、感光ドラム2の表面の移動速度の変動の割合よりも大きくなる。一方、露光位置と検知位置が同じ位置の場合、ピッチの変動は、検知時の速度変動によりキャンセルされ、ピッチ変動としては検知されない。したがって、露光位置と検知位置のずれが180度に近いほど、ピッチ変動を大きく検知することができる。たとえば、露光位置と、帯電ローラ3の配置位置(横線の検知位置)が図2に示すように270度ずれていると仮定する。この場合、図5(D)が示すようなピッチ変動が検知される。感光ドラム2の速度変動に対してピッチ(横線の検知タイミング)の検知結果を比較すると、ピットの位相は約223度遅れており、その振幅差は約1.4倍となる。したがって、必要であれば、露光位置と検知位置に応じて、検知したピッチ変動の振幅と位相とを、実際の回転ムラの振幅と位相に補正する。
これ以降、露光位置と検知位置とに依存した位相と振幅とを補正する前のピッチのデータをピッチ変動データと称し、補正後のデータを感光ドラム2の回転ムラデータと称する。そして、ピッチ変動データまたは感光ドラム2の回転ムラデータを取得することを感光ドラム2の回転ムラ検知と称する。
図6を用いて回転ムラ検知シーケンスの具体的に説明する。S101で、プリンタ制御部11は、モータ制御部14にモータ15の起動を指示する。モータ制御部14は、モータ15を起動する。S102で、プリンタ制御部11は、FG信号に基づいてモータ15の速度を求め、求めた速度が定常速度に達したかどうかを判定する。モータ15の速度が定常速度に達すると、S103に進む。S103で、プリンタ制御部11は、高圧電源16を制御して感光ドラム2を一様に帯電させ、スキャナユニット18を制御して露光を行うことで、感光ドラム2上に静電潜像を形成する。このとき、静電潜像をトナーで現像しないようにするため、プリンタ制御部11は、現像ローラ4を感光ドラム2から離間させる。
ここで、形成する静電潜像パターンについて説明する。静電潜像パターンの一例を図4(B)に示す。静電潜像パターンは、たとえば、数ドット分の連続した露光部と数ドット分の連続した非露光部とを繰り返す横線パターンである。つまり、静電潜像パターンは、感光ドラム2の回転方向において一定の間隔で形成され、かつ、当該回転方向において一定幅の複数の潜像パターンを有している。帯電ローラ3により回転ムラを検知する場合のドット数(横線の幅)は、感光ドラム2と帯電ローラ3との間にできるニップ部の幅以上とする。一次転写ローラ6や現像ローラ4を回転ムラ検知に使用する場合もそれぞれのニップ部の幅以上となるように、横線の幅を決定する。これは、ニップ部が電流の流れる経路になっているためである。横線の幅をニップ幅以上に設定することで、横線を精度よく検知できるようになる。このように、潜像パターンの幅は、帯電手段、現像手段または転写手段のうち電流の検知に使用される手段と、感光ドラムとによって形成されるニップ部の幅以上の幅にすると、検知精度上、有利である。
静電潜像パターンは、感光ドラム2のほぼ一周にわたって形成される。ただし、静電潜像パターンの開始部分と終了部分とが重ならないようにするために、プリンタ制御部11は、感光ドラム2の一周を超えて静電潜像パターンを形成しないようにする。
S104で、プリンタ制御部11は、電流検知部17を用いて帯電ローラ3に流れる帯電電流icを検知し、帯電電流icから感光ドラム2の回転ムラを検知する。帯電電流icの検知方法および感光ドラム2の回転ムラ検知方法は前述した通りである。ただし、本実施例では、複数の感光ドラム2Y〜2BK間での回転ムラの位相差を検知できれば十分である。よって、ピッチ変動の振幅や位相の補正は必須ではなく、これらの補正処理は省略してよい。回転ムラ検知実行時に、プリンタ制御部11は、電流検知部17の出力だけでなく、位相センサ53の出力を同時にモニタする。
S105で、プリンタ制御部11は、感光ドラム2の回転位相差を調整する際の目標値である、位相差目標値を決定する。S106で、プリンタ制御部11は、プリンタ制御部11またはプロセスカートリッジ1が備えるメモリなどの記憶装置20に位相差目標値を記憶させる。
ここで、位相差目標値の決定について、図7(A)〜図7(C)を用いて説明する。プリンタ制御部11は、ピッチ変動の検知結果と位相センサ53の検知結果とから、位相センサ位置とピッチ変動位相との位相差αY〜αKを求める。位相センサ53の出力を基に感光ドラム2の回転位相を調整するため、位相センサ53とピッチ変動位相との位相差αを位相差目標値θに反映させる必要がある。
ピッチ変動位相の基準としては、たとえば、ピッチが最大となる点またはピッチが最小となる点を用いることができる。すなわち、図7(A)に示すように、プリンタ制御部11は、位相センサ53の出力を検知してから、ピッチが最大となるまでの時間t1またはピッチが最小となるまでの時間t2を求める。同様に、プリンタ制御部11は、感光ドラム2が1回転に要する時間Tを求める。さらに、プリンタ制御部11は、t1またはt2と、Tとから位相センサ位置とピッチ変動位相差基準との位相差αを求める。このように、プリンタ制御部11は、回転位相検知手段が検知した回転位相を基準として、回転ムラの振幅が最大または最小となる位相まで位相差を、複数の感光ドラムそれぞれについて、求める位相差決定手段として機能する。
前述したように、静電潜像の開始部と終了部が重ならないようにしているため、一周分のデータがすべて得られないことがある。つまり、データ欠損部ができてしまうことがある。しかし、t1、t2といった、少なくとも2つ以上の基準を設けることで、この課題を解決できる。t1、t2のうち一つの基準がデータ欠損部分に当たったとしても、別の基準を用いて、プリンタ制御部11は、位相差αを正確に求めることができる。
図7(A)では、t1がTの1/4、t2がTの3/4となっている。そのため、ピッチが最大となる点を位相基準とした場合、位相検知フラグの52位置と、ピッチ変動の位相基準との位相差αは90度となる。
次に、プリンタ制御部11は、AC色ずれを最も低減できる、位相差目標値θを求める。たとえば、複数の感光ドラム2C〜2BKが、感光ドラム2の周長の1/2の間隔で配置されていると仮定する。この場合、隣り合う2つの感光ドラム2どうしの回転ムラの位相差は180度となる。したがって、隣り合う2つの感光ドラム2どうしの回転ムラの位相を、図7(B)に示すように、180度ずつずらした位相関係となるように調整すれば、各色の色ずれの位相が一致する。よって、AC色ずれを抑制できる。
図7(B)において、A点をピッチ変動の位相の基準とし、B点を位相検知フラグ52の配置位置とする。位相センサ53の出力が、対応する位相差α分ずらしたタイミングで出力されるように、各感光ドラムどうしの回転位相をプリンタ制御部11が調整すれば、回転ムラの位相を所望の位相差に合わせることができる。つまり、プリンタ制御部11は、複数の感光ドラム間で発生する色ずれの位相が一致するように、回転ムラ検知手段が検知した複数の感光ドラムそれぞれの回転ムラに応じて回転駆動手段を制御する制御手段として機能する。
図7(C)を用いて位相差目標値θの例を説明する。プリンタ制御部11は、Y色用の感光ドラム2Yの回転位相を基準とし、感光ドラム2YとM色用の感光ドラム2Mとの位相差を位相差目標値θMに設定する。たとえば、以下のように位相差目標値θMが算出される。
図7(C)において、αY=30度、αM=30度とする。感光ドラム2Yと感光ドラム2Mとの間で回転ムラの位相を180度ずらすためには、まず、αYを位相目標値θMに反映させる。
θM=180+αY =180+30 =210
さらに、αMを位相目標値θMに反映させる。
θM=210−αM =210−30 =180
したがって、Y基準のM位相差目標値θMは180度に設定される。このように、プリンタ制御部11は、第1感光ドラムと第2感光ドラムとの間の距離に対応した位相差(例:180度)に第1感光ドラムについて位相差決定手段により求められた位相差(例:αY)を加算し、さらに、第2感光ドラムについて位相差決定手段により求められた位相差(例:αM)を減算する。これにより、複数の感光ドラムのうち第1感光ドラムの回転位相に対する第2感光ドラムの回転位相の目標値(例:θM)が決定される。
同様に、プリンタ制御部11は、感光ドラム2Yの回転位相を基準とし、C色用の感光ドラム2CとBK色用の感光ドラム2BKの位相差目標値θC、θKも設定する。αY=30度、αC=60度とする。感光ドラム2Yと感光ドラム2Cとでは、回転ムラの位相差がちょうど0度である。回転ムラの位相差を0度とするためには、Y基準のC位相差目標値θCを次のように算出する。
θC=0+αC−αY= 0+60−30= 30
すなわちθC=30度となる。
次に、αY=30度、αK=60度とする。感光ドラム2Yと感光ドラム2BKとでは、回転ムラの位相差が180度である。よって、回転ムラの位相差を0度とするためには、Y基準のBK位相差目標値θKを次のように算出する。
θK=180+(210−30)=360
すなわちθKは0度である。このように、プリンタ制御部11は、複数の感光ドラムそれぞれについて求められた位相差と、複数の感光ドラムそれぞれが配置されている位置の間の距離に対応した位相差とから、複数の感光ドラムそれぞれの回転位相の目標値を決定する目標値決定手段として機能する。
再び、図6を用いて回転ムラ検知シーケンスについて説明する。S107で、プリンタ制御部11は、帯電ローラ3に対する帯電バイアスの供給を停止するよう高圧電源16に指示する。高圧電源16は、帯電バイアスの供給を停止する。S108で、プリンタ制御部11は、前露光装置19を点灯する。S109で、プリンタ制御部11は、感光ドラム2の全周にわたって電荷を除去するために、前露光を開始してから感光ドラム2が一回転したかどうかを判定する。感光ドラム2が一回転すると、S110に進む。S110で、プリンタ制御部11は、前露光装置19を消灯するとともにモータ制御部14を介してモータ15を停止させる。以上で、回転ムラ検知シーケンスは終了する。プリンタ制御部11は、画像形成装置10の電源投入後や、プロセスカートリッジ1が交換された後などに回転ムラ検知シーケンスを実行する。
図8を用いて画像形成において実行される感光ドラムの位相調整シーケンスについて説明する。位相調整シーケンスは、Y、M、C、BKの各ユニットに共通に適用される。位相調整シーケンスでは、画像形成の前に、感光ドラム2Y〜2BKそれぞれの回転位相が所望の値に調整される。
S201で、プリンタ制御部11は、モータ制御部14にモータ15の起動を指示する。S202で、プリンタ制御部11は、モータ15の回転速度が定常回転速度に達したかどうかを判定する。モータ15の回転速度が定常回転速度に達すると、S203に進む。S203で、プリンタ制御部11は、位相センサ53の出力をモニタし、Y、M、C、BKの各位相センサ53の出力をすべて捕捉する。
S204で、プリンタ制御部11は、各位相センサ53の出力タイミングのずれから、各感光ドラム間の現状での回転位相差φを求める。たとえば、プリンタ制御部11は、感光ドラム2Yを基準とし、感光ドラム2C、2M、2BKについて回転位相差φC、φM、φKを算出する。
S205で、プリンタ制御部11は、現状の回転位相差φと、記憶装置20から読みだした位相差目標値θを比較し、回転位相誤差Δを算出する。S206で、プリンタ制御部11は、算出した回転位相誤差Δをモータ制御部14に送信する。モータ制御部14は、受信した回転位相誤差Δをモータ15の位置制御ループに入力して位置制御機能を動作させ、回転位相誤差を低減する。
たとえば、感光ドラム2Yと感光ドラム2Mの位相差φMが位相差目標値θMに対して10度進み方向に位相誤差を持っていたと仮定する。この場合、プリンタ制御部11およびモータ制御部14は、感光ドラム2Mの回転位相を、10度、遅らせる。つまり、感光ドラム2Mを駆動するモータ15の位置制御ループに、10度進んでいるという角度誤差が入力される。位置制御ループのフィードバック作用により、モータ15の回転速度が一時的に遅くなり、10度分の誤差が解消される。逆に、10度分進ませたい場合、位置制御ループに、10度遅れているという角度誤差が入力される。フィードバック作用により、モータ15の回転速度が一時的に速くなり、10度分の誤差が解消される。このように、プリンタ制御部11は、複数の感光ドラムそれぞれの回転位相の目標値θにしたがって回転駆動手段を制御することで、複数の感光ドラム間で発生する色ずれの位相を一致させることができる。
S207で、プリンタ制御部11は、感光ドラム2Y〜BKの位相調整がすべて終了したかどうかを判定する。位相調整がすべて終了すると、図8に示した感光ドラムの位相調整シーケンスは終了する。その後、プリンタ制御部11は、画像形成を開始する。
次に、画像形成動作について説明する。プリンタ制御部11は、ホストコンピュータ22からプリントすべきデータを受信すると、給紙カセット25から用紙を給紙ローラ26によって搬送路へと給紙する。プリンタ制御部11は、用紙の搬送タイミングに合せて、各色の画像信号を各スキャナユニット18Y〜18BKに出力する。プリンタ制御部11は、帯電ローラ3Y〜3BKを用いて感光ドラム2Y〜2BKを一様に帯電させる。その後、各スキャナユニット18Y〜18BKからレーザ光が照射され、感光ドラム2Y〜2BK上に、各色の静電潜像が形成される。感光ドラム2Y〜2BKの表面に担持されている各色の静電潜像は、現像ローラ4Y〜4BKによって、各色のトナー画像として現像される。各色のトナー画像は、順次、転写ベルト23に一次転写され、二次転写ローラ28で、用紙へ二次転写される。その後、用紙は、定着器24で加圧および加熱され、トナー画像が用紙上に定着する。
このように本実施例では、プリンタ制御部11および電流検知部17は、静電潜像を形成された複数の感光ドラム2のそれぞれに流れる電流の変化を観測することで複数の感光ドラムそれぞれの回転ムラを検知する回転ムラ検知手段として機能する。本実施例によれば、静電潜像を形成された感光ドラム2に流れる電流を検知することで、感光ドラム2の回転ムラを検知できる。これは、感光ドラム2の回転ムラが感光ドラム2に流れる電流の振幅や位相の変化となって表れる現象を利用している。回転ムラを静電潜像から検知できるため、トナーの消費を削減できる。また、トナーパターンを形成するステップを省略できるため、ダウンタイムを削減できる。
<実施例2>
実施例2は、感光ドラム2の回転ムラを検知し、その回転ムラを打ち消すようにモータ15の回転速度を制御する点が実施例1と異なる。なお、実施例2において実施例1と共通する部分には同一の参照符号を付与することで説明を簡潔にする。
まず、プリンタ制御部11は、感光ドラム2の回転ムラ検知シーケンスを実行し、ピッチ変動データを取得する。このとき、プリンタ制御部11は、位相センサ53の出力も同時にモニタしておく。実施例2の回転ムラ検知シーケンスは実施例1と同様である。
回転ムラ検知を行うと、図9に示すような、ピッチ変動データPvが得られる。このとき、位相センサ53の出力Pxをピッチ変動の位相の基準とする。これらのデータを用いて、プリンタ制御部11は、モータ15の速度制御プロファイルPfを決定する。
次に、モータ15の速度制御プロファイルの決定手順について説明する。プリンタ制御部11は、ピッチ変動データPvからピッチ変動の振幅Apを求める。そのためにまず、プリンタ制御部11は、取得したピッチ変動データPvの平均値Aveを算出する。ピッチ変動データPvは感光ドラム2の一周分にわたって取得されたデータではない。そのため、ここで、平均値Aveは正確な値ではないが、ほぼ一周分のピッチ変動データPvがあれば、その誤差は十分に無視できる。次に、プリンタ制御部11は、ピッチ変動データPvの最大値または最小値と、平均値Aveとの差を求める。この差がピッチ変動の振幅Apである。
実施例1で説明したように、検知したピッチ変動データPvの振幅と位相と、実際の回転ムラの振幅と位相には差異が存在する。これは、露光位置と位相の検知位置とが異なっているからである。本実施例では、プリンタ制御部11が、露光位置と検知位置の関係に応じてピッチ変動データPvの位相と振幅とを補正する。
たとえば、露光位置と帯電ローラ3が図2に示すように270度ずれていたと仮定する。この場合、図5(D)に示すように、静電潜像の作成を開始してからの約0.75秒後から、ピッチ変動が検知される。感光ドラム2の実際の回転ムラに対して、ピッチ変動の位相が約223度遅れている。また、回転ムラの振幅のピッチ変動の振幅に対する振幅差(振幅倍率)は約1.4倍である。したがって、プリンタ制御部11は、検知したピッチ変動の位相を約223度進ませ(あるいは約137度遅らせ)かつ振幅を約1/1.4倍する。この位相と、振幅を補正したデータを、補正後ピッチ変動データPv’とする。さらに、ピッチ変動データPvの平均値Aveに対する、補正後ピッチ変動データPv’の振幅Ap’の比βを求める(β=Ap’/Ave)。これ以降、この値βを変動率と称する。
プリンタ制御部11は、変動率βと、位相から、モータ15の回転速度目標プロファイルPfとして、感光ドラム2の一回転周期で正弦波状に変動する波形を生成する。この波形のオフセットγはモータ15の定常回転速度である。プリンタ制御部11は、回転速度目標プロファイルPfの振幅Ap”を、変動率βとオフセットγとを乗算することで取得する。回転速度目標プロファイルPfの位相は、補正後ピッチ変動データPv’の位相を反転させたものである。これにより、回転ムラが相殺されることになる。
次に、プリンタ制御部11は、回転速度目標プロファイルPfから、モータ15の回転速度制御データPf’を生成する。回転速度制御データPf’のデータ数は、モータ制御に最低限必要なデータ数以上とする。本実施例では、回転速度目標プロファイルPfからから、感光ドラム2の一周分で8個のデータを生成している。また、回転速度制御データPf’は、位相センサ53の出力Pxを検知した時点から、再び出力Pxを検知するまでのデータである。つまり、感光ドラム2の一周分のデータとなっている。プリンタ制御部11は、位相センサ53の出力Pxを検知した時点のデータから順番に記憶装置20に記憶しておく。たとえば、アドレス0には1番目のデータを保存し、アドレス7には8番目のデータを保存する。このように、記憶装置20は、画像形成装置が起動したとき、または、複数の感光ドラムが交換されたときに、複数の感光ドラムそれぞれについて目標値決定手段により決定された目標値を記憶する記憶手段として機能する。
図10を用いて画像形成シーケンスについて説明する。S301で、プリンタ制御部11は、モータ制御部14にモータ15の起動を指示し、モータ15を起動する。S302で、プリンタ制御部11は、モータ15の回転速度が定常回転速度に達したかどうかを判定する。モータ15の回転速度が定常回転速度に達すると、S303に進む。S303で、プリンタ制御部11は、アドレスを0にセットする。S304で、プリンタ制御部11は、記憶装置20からアドレスが0番地のデータを読み出す。そして、位相センサ53をモニタし、位相センサ53の出力Pxを検知したかどうかを判定する。位相センサ53の出力Pxが検知されると、S306に進む。S306で、プリンタ制御部11は、読み込んでいたデータをモータ制御部14に指示し、目標速度を更新する。
S307で、プリンタ制御部11は、次に使用するデータを読み出すために、データ読み出しアドレスを更新する。S308で、プリンタ制御部11は、次に使用するデータを記憶装置20から読み出す。なお、アドレスが7に達すると、次は、アドレスを0に戻すように、プリンタ制御部11は、アドレスを更新する。S309で、プリンタ制御部11は、目標速度の更新タイミングが到来したかどうかを判定する。図9に示した例では、感光ドラム2の1周期の1/8の期間ごとに、更新タイミングが到来する。プリンタ制御部11は、カウンタまたはタイマーなどを使用して更新タイミングを監視する。更新タイミングが到来すると、S310に進む。
S310で、プリンタ制御部11は、記憶装置20からRAMに読み込んでおいたデータをモータ制御部14に指示し、目標速度を更新する。S311で、モータ15の駆動を停止するかどうかを判定する。たとえば、画像形成が終了すると、モータ15の駆動を停止すると判定する。モータ15の駆動を停止する場合は、画像形成シーケンスを終了する。一方、モータ15の駆動を継続する場合は、S307に戻り、S307〜S311の動作を繰り返す。
モータ制御部14は、所定の期間ごとに指示される目標速度にしたがって、モータ15の速度を制御する。指示される目標速度は、図9を用いて説明したように、回転ムラを相殺するようにあらかじめ決定されている。よって、感光ドラム2の回転ムラが減少する。感光ドラム2Y〜2BKのそれぞれについて同様に回転ムラを減少させることで、AC色ずれが減少する。
実施例2では、回転ムラ検知手段が検知した複数の感光ドラムそれぞれの回転ムラの位相を反転させることで、複数の感光ドラムそれぞれの回転速度の目標プロファイルを作成し、複数の感光ドラムそれぞれの目標プロファイルにしたがって回転駆動手段を制御する制御手段としてプリンタ制御部11が機能する。これにより、感光ドラム2Y〜2BKのそれぞれについて個別に回転ムラを減少させることで、AC色ずれが減少する。なお、実施例2と実施例1とを併用してもよい。実施例2だけでは感光ドラム2の回転ムラを十分に減少させることができない場合に、実施例1の効果によって、AC色ずれを減少させることができる。