JP2013156085A - 光検出装置、物体検出センサ及び電子機器 - Google Patents

光検出装置、物体検出センサ及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】「被検出物有り」と誤判定されることを完全に防止し、且つ、受光感度、及び、電源ラインノイズに対する耐量の低下を防止する。
【解決手段】信号処理回路8は、第1の発光パルスに同期する第1のゲート信号(H)と、コンパレータ回路7の出力(G)とにより、ノイズパルス検出を行い、第2の発光パルスに同期する第2のゲート信号(I)と、上記コンパレータ回路7の出力(G)とにより、同期光検出を行なう。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子機器の内部で、被検出物の有無、被検出物の厚さ、近接/非近接状態、あるいは被検出物の移動方向を検出するために使用される、同期光パルス検出型の光検出装置及び物体検出センサに関する。
液晶ディスプレイ等の表示画面を備えた電子機器、例えば携帯電話やスマートフォン、タブレット型情報端末、あるいはデジタルカメラ等においては、機器への人体の近接具合を検出して種々の制御が行われている。これらの機器の表示画面はタッチパネルとしての情報入力機能も兼ねており、通話の開始や機器をポケット等に挿入するなど何らかの物体がタッチパネルに近接した際、その機能をオフすることで誤動作を防止することが必要となる場面がある。また、デジタルカメラでは、ユーザが液晶画面からファインダーに目線を移す際に自動的に液晶画面の明るさを落とすといった制御が行われる。
従って、上記のような機器には、自らパルス発光し被検出物から反射した当該パルス光を検出することで被検出物の近接具合を判定する、小型かつ安価な光学式の光検出装置(物体検出センサ)が用いられている。このような目的に使用する光検出装置は、一般的に近接センサと呼ばれる。
また、例えば複写機やプリンター等の事務用電子機器においても、各種可動機構部の回転や原点/終点の検出、あるいは特定箇所での用紙の有無を検知するために、上記近接センサと同様の原理で、光検出装置が自ら発光し、被検出物からの反射光、或いは透過光の有無を検出/判定した結果に基づいて、電子機器内部の各所の制御が行われている。このような目的に使用する光検出装置は、一般的にフォトインタラプタと呼ばれる。
ここで、本発明が対象とするのは、上記光検出装置のなかでも特に、自らパルス発光し被検出物から反射した当該パルス光を検出することで被検出物の有無を検出/判定する光検出装置、及び、発光素子と受光素子の間の透過光により被検出物の有無、或いは、被検出物厚さを検出/判定する光検出装置である。
パルス光を信号として利用することにより、信号光をDC光である場合と比べ、太陽光や白熱灯からインバータ蛍光灯やPWM変調された白色LED光など、あらゆる環境下における外乱光ノイズに対し、耐性が高い設計を行なう自由度が得られることは当業者にとって自明である。また、発光素子をパルス駆動することにより、DC駆動する場合に比べて、消費電力量が削減できることは当業者にとって自明である。
さらに、上記の光検出装置が、複写機、パソコン等のように、家庭用の交流電源に接続される電子機器や、ノイズ発生源となるモーター等を内蔵する電子機器に搭載される場合、電源ラインに重畳する高周波ノイズによる光検出装置の誤動作耐性を高くすることが要求される。
<一般的な光検出装置の構成>
図10は、一般的な光検出装置201の構成例を示す。本発明が対象とする光検出装置201は、図10に示すように、被検出物21の有無を検出するために、受光アンプ回路22、ダミーアンプ回路23、第1ハイパスフィルタ回路24、第2ハイパスフィルタ回路25、差動増幅回路26、コンパレータ回路27、信号処理回路28、出力回路29、タイミング生成回路30、発振回路31、発光素子駆動回路32、発光素子33を備えている。
一般的にはコスト削減のため、上記光検出装置201のうち発光素子33以外の受光素子、及び、回路素子(受光アンプ回路22等)は1つの半導体基板上に集積化されることが多い。
ここで、上記の差動増幅回路26は、電源ラインに重畳する高周波ノイズ等による誤動作耐性ある。この差動増幅回路26の正入力には、受光素子を入力とするIV変換回路からなる受光アンプ回路22の出力が接続され、もう一方の負入力には、受光面をメタル層等で遮光したダミー受光素子を入力とする上記と同一構成のIV変換回路からなるダミーアンプ回路23の出力が接続され、両者の差電圧(=受光アンプ出力電圧−ダミーアンプ出力電圧)が増幅される。
このような差動構成とすることにより、電源ライン等から、受光アンプ回路22とダミーアンプ回路23の信号ラインに同相で重畳する高周波ノイズ等は同相除去されるため、電源ラインノイズの重畳等による光検出装置201の誤動作が抑制される。
さらに、このような差動構成としても、ダミー受光素子の受光面には反射光、または、透過光が入らないため、通常のパルス信号が低減することは無い。このような技術として、例えば特許文献1に開示された光結合装置がある。
また、受光アンプ回路22とダミーアンプ回路23のインピーダンスを合わせるため、上記の受光素子とダミー受光素子は同一の構造(遮光以外)、同一の面積とすることが一般的である。また、上記のダミー受光素子の代わりに容量素子を接続する場合もあり、この場合は、受光アンプ回路22とダミーアンプ回路23のインピーダンスを合わせるため、容量素子の容量値と受光素子の寄生容量値が同等程度になるように設定される。
また、上記のような差動構成にする場合、太陽光や白熱等などのDC光の外乱光ノイズが入射すると、受光アンプ回路の出力バイアス電圧(DC電圧)とダミーアンプ回路の出力バイアス電圧(DC電圧)の差が顕著に現れるため(図10に示す光検出装置201の場合、受光アンプ回路22側だけにDC電流が流れ、IV変換回路出力のDC電圧が上昇する)、受光アンプ回路22の出力、及び、ダミーアンプ回路23の出力と、差動増幅回路26の入力とは、ハイパスフィルタ(HPF)等を介してAC接続することが一般的である。
光検出装置201の動作としては、まず、光検出装置201内の発光素子駆動回路32でLED等の発光素子をパルス発光させ、被検出物21からの反射光、或いは、透過光を、フォトダイオード等の受光素子で受光する。なお、図10では、反射光の場合のみを示している。
受光素子から出力される電流パルス信号は、トランスインピーダンスアンプ等のIV変換回路(電流電圧変換回路)で電圧パルス信号に変換され、前記の電圧パルス信号は差動増幅回路26で増幅され、コンパレータ回路27において、上記の増幅された電圧パルス信号と所定の閾値が比較され、電圧パルス信号振幅値が閾値レベルを上回る場合、コンパレータ回路はパルス信号(デジタル信号)を出力する。
信号処理回路28においては、上記のコンパレータ出力信号が発光パルスのタイミングと一致しているか否かが検出され(同期光検出)、検出結果に応じて被検出物の有無等が判定される。さらに、高い外乱光ノイズ耐性や高い電源ラインノイズ耐性が必要な場合は、発光パルス以外のタイミングでも、コンパレータ出力パルス信号が出力されているか否かが検出され(非同期光検出)、同期光検出結果と非同期光検出結果の組合せにより、被検出物21の有無等が判定される場合もある。
信号処理回路28での判定結果は、出力回路29に送られ外部出力端子に検出/非検出の判定結果が出力されるか、或いは、光検出装置201内部搭載されたレジスタ回路やメモリ素子等に判定結果が保存される。後者の場合は、電子機器(ホストシステム)側から、光検出装置201内部に保存された判定結果を取り出したり、回路動作を制御したりするために、光検出装置201内にI2Cバス等の通信インターフェースを備えることが一般的である。
タイミング生成回路30は、発振回路31からの出力信号(クロック信号)が入力され、論理回路により、各タイミング信号が生成される。具体的には、測定周期(発光/検出/出力等の周期)、発光素子駆動のパルス信号、同期/非同期検出のための発光パルスに同期/非同期したゲート信号、および、各回路素子を初期化するためのリセット信号等が生成される。
<光検出装置201の検出動作の説明(ノイズ無し)>
図11は、図10に示す光検出装置201のノイズ無しの場合の動作波形を示す一例である(反射光検出タイプ)。
図11は、測定期間3周期分の波形を示しており、図左から2周期分までは被検出物有りの場合、図右の1周期は被検出物無しの場合での波形を示している。
ここで、上記測定期間とは、被検出物21の有無を測定するため定期的に発光素子33より光を照射する期間である。具体的には、図11に示すように、リセット信号(J)がHiレベルとなって、次に、Hiレベルになるまでの期間を測定期間としている。
発光素子33は、1測定期間につき少なくとも1回パルス駆動され(A)、被検出物21有りの場合は、被検出物21からの反射光(B)が受光素子で受光される。受光素子からの出力パルス電流信号がIV変換回路に入力される結果受光アンプ出力としては正の電圧パルス信号が出力される(C)。この時、ダミー受光素子の受光面は遮光されているため、ダミーアンプ回路23のダミーアンプ出力には電圧パルス信号が発生しない(D)。
さらに、上記の受光アンプ出力(C)とダミーアンプ出力(D)は、それぞれ、第1ハイパスフィルタ回路24、第2ハイパスフィルタ回路25を介して差動増幅回路26に入力され、受光アンプ出力(C)とダミーアンプ出力(D)の差電圧が増幅され、差動増幅回路出力(E)となる。
ここで、両出力ラインに電源ラインノイズ等の同相ノイズが重畳している場合は、差動増幅回路26にて同相除去される(図示せず)。上記の差動増幅回路26の出力は、コンパレータ回路27で閾値電圧(F)と比較され、差動増幅回路出力(E)のパルス信号が閾値を上回る場合、コンパレータ回路27のコンパレータ出力にパルス信号が出力される(G)。
さらに、信号処理回路28において、上記コンパレータ出力(G)のパルス信号が、発光パルスのタイミングと一致しているか否かが判定され、一致している場合は、被検出物21有りと判定され、判定結果が出力される。
図12に信号処理回路28の構成例を示す。
信号処理回路28は、AND回路とSRラッチ回路で構成され、AND回路の入力には、コンパレータ出力(G)と発光パルスに同期した同期検出ゲート信号(H)が入力される。SRラッチ回路のS入力端子(SET)には、前記のAND回路出力が接続され、R入力端子(RESET)にはリセット信号(J)が接続される。
上記SRラッチ回路のラッチ出力(I)は、コンパレータ出力(G)のパルス信号が、発光パルスのタイミングと一致する場合、すなわち、図11において、コンパレータ出力(G)と同期検出ゲート(H)がともにHiレベルとなる場合のみ、ラッチ出力(I)がHiレベルに反転し、リセットパルス信号(J)の入力により、ラッチ出力(I)はLoレベルに初期化される。
上記のラッチ出力(I)は任意のタイミング(例えば、図12の下向き矢印)で判定が行われ、ラッチ出力(I)がHiレベルの場合は「被検出物有り」と判定され出力(K)がHiレベルに設定され、ラッチ出力(I)がLoレベルの場合は、「被検出物無し」と判定されて出力(K)がLoレベルに設定される。
特開2002−353495号公報(2002年12月6日公開) 特開平9−92874号公報(1997年4月4日公開)
上記のような光検出装置201では、受光アンプ回路22およびダミーアンプ回路23の差動増幅の方式を採用しているため、受光アンプ側、ダミーアンプ側に同相で重畳するノイズに対しては、耐性が高い回路構成となっている。
しかしながら、図13に示すように、発光パルスと同じタイミングで、ダミーアンプ側のみに通常の信号パルスと符号の異なる負(下向き)のノイズパルスが発生する場合、受光アンプ出力(C)とダミーアンプ出力(D)の差電圧が増幅されることから、差動増幅回路出力(E)には、通常の反射光(或いは透過光)によるパルス信号と同様に、正(上向き)の方向にノイズパルスが出力されることになり、このノイズパルスが閾値を上回るとラッチ出力(I)がHiレベルに反転することになるため、被検出物21無しの場合でも、「被検出物有り」と誤判定されることになる。
図13では、ダミーアンプ出力側のみにノイズが発生している場合を図示しているが、勿論、受光アンプ側にも同様のノイズパルスが発生する場合には、差動増幅回路26で同相除去されるため、誤判定となることは無いが、両出力にノイズが発生していたとしても、そのパルス振幅値(の絶対値)がダミーアンプ側>受光アンプ側となり、且つ、その差動増幅回路出力が、閾値を上回る場合は、図13と同様に誤判定が発生する。
ここで、上記のような負のノイズパルス発生要因の一つとして考えられるのは、発光素子駆動回路32で発生する電気的ノイズによるものが考えられる。前述のとおり、一般的な光検出装置201としては、受光素子と、発光素子駆動回路32、受光アンプ回路22、ダミーアンプ回路23、等の回路素子が、同一の半導体基板上に集積化されることが多く、上記の発光素子駆動回路32で発生する電気的ノイズが、半導体基板から受光素子、或いは、回路素子を経由して、受光アンプ出力(C)、または、ダミーアンプ出力(D)に現れる場合がある。例えば、発光素子33の駆動電圧パルスによる半導体基板へのリーク電流や、発光素子33を駆動する駆動電流パルス自体が半導体基板に流れ込むことなどにより、瞬間的に半導体基板電位が上昇する場合があり(通常基板電位はGND電位=0V)、これにより、通常信号の場合とは符号が逆向き(負)のノイズパルスが発生する可能性がある。
通常、光検出装置201における発光素子33の駆動電流パルスとしては数10mA〜数100mAの範囲であり、基板電圧を大きく変動させるほどの電流量ではなく、発光素子33の駆動パルスのみでは、図13のような誤判定に至るほどのノイズパルスが発生する可能性としては少ないが、上記の集積化された半導体チップでは、コスト低減のためチップサイズの縮小が行われる場合があり、その場合、受光素子や各回路素子(特に発光素子駆動回路)との距離も縮小されるため、上記のノイズパルス発生が深刻化する可能性がある。
また、同じくコスト低減のため、半導体プロセス(工程/素子構造)が簡略化される場合もあり、この場合、受光素子、および、各回路素子の間の分離構造が不十分になることにより、発光素子駆動回路32で発生する電気的ノイズが受光素子やアンプ回路に影響しやすくなり、上記のノイズパルス発生が深刻化する可能性がある。
また、太陽光や蛍光灯などの外乱光が半導体基板に入射することにより、半導体基板内に励起されるキャリア数が増大することも、上記のノイズパルス発生を深刻化させる要因となる場合があり、結果として太陽光や蛍光灯等の外乱光に対する誤動作耐量が極端に低下する可能性もある。
また、ノイズパルスがダミーアンプ側のみ発生、或いは、ダミーアンプ側のノイズ振幅が強いなど、受光アンプ出力側ノイズとダミーアンプ出力側ノイズで差が現れる要因としては、発光素子駆動回路32と受光アンプ回路22(または受光素子)、ダミーアンプ回路23(またはダミー受光素子)との半導体チップ上での配置(距離)の違いによるものが考えられ、発光素子駆動回路32から近い距離に配置されたアンプ回路(または受光素子/ダミー受光素子)の方が、発光素子駆動回路32の電気的ノイズの影響を受けやすくなるものと考えられ、上記ノイズパルスの差が発生する要因となる。
また、上述したような光検出装置201の場合、信号光(反射光または透過光)を光学レンズにより受光素子上に集光して使用することが多く、さらに受光素子と各回路素子は同一半導体基板上に形成されるため、太陽光や蛍光灯などの外乱光が、半導体チップ上のある特定の箇所、又は、特定の回路素子上に集光される可能性があり、このような場合も、上記のような受光アンプとダミーアンプでのノイズ振幅の差が発生する要因となりうる。
また、上記、負のノイズパルスは、発光素子駆動回路32の電気的ノイズだけではなく、電源ラインからのスパイクノイズや電磁ノイズ等によっても発生する可能性があり、ダミーアンプ回路23のみ電源ライン近くに配置されている等のチップレイアウト上の不整合等がある場合や、半導体の工程ばらつき等により、両アンプ回路の増幅率が異なるような場合にも、上記のようなノイズパルスの差が発生する要因となりうる。
上記のような誤判定を低減する方法として、特許文献2に提案されている回路構成が考えられる。特許文献2は、フォトカプラで問題となるdV/dtノイズの耐量を向上させることが目的であり、フォトダイオードが接続される第1のアンプ回路と、ダミーフォトダイオードが接続される第2のアンプ回路への、dV/dtノイズの影響の差により、出力が誤動作することを防止するため、第2のアンプ回路の出力に、さらに第3のアンプ回路を設けて、出力誤動作の耐量を向上している。図13の光検出装置201のように、ダミーアンプ出力にのみ発生する負のノイズパルスの影響を低減するためには、第3のアンプの代わりに減衰器(負のゲインを持つアンプと同等)を用いればよく、これにより、上記のような負のノイズパルスの振幅が低減されることから、光検出装置の誤判定の耐量は向上することになる。
しかしながら、上記回路構成の場合は、あくまでも誤動作耐量の向上だけであり、上記のノイズ振幅が大きくなりすぎると、いつかは誤動作が発生することになるため、上記のような誤判定を完全に防止することはできない。
また、受光アンプ回路、及び、ダミーアンプ回路の回路構成が異なり、それぞれの増幅率や入出力インピーダンスが異なるため、電源ラインノイズ等の同相ノイズ除去効率が、同一回路構成の場合と比較して大幅に低下することになる。
本発明の目的は、上記のような受光アンプとダミーアンプとの差動増幅を行なう構成の光検出装置において、発光パルスと同じタイミングで負のノイズパルスがダミーアンプ側に顕著にあらわれる場合に、「被検出物有り」と誤判定されることを完全に防止し、尚且つ、受光感度、及び、電源ラインノイズに対する耐量が低下することのない光検出装置を提供することである。
本発明の光検出装置は、上記の目的を達成するために、
被検出物に光を照射する発光素子と、
上記発光素子をパルス駆動する発光素子駆動回路と、
被検出物からの反射光または透過光を受光し、受光量に応じた電流を発生する受光素子と、
上記受光素子に接続され、当該受光素子が発生した電流を電圧に変換する第1電流・電圧変換回路と、
受光面が遮光された受光素子からなるダミー受光素子と、
上記ダミー受光素子に接続され、当該ダミー受光素子が発生した電流を電圧に変換する第2電流・電圧変換回路と、
上記第1電流・電圧変換回路の出力と、上記第2電流・電圧変換回路の出力との差動電圧を増幅する差動増幅回路と、
上記差動増幅回路によって増幅された差電圧と、予め設定した閾値電圧とを比較し、比較結果に応じたパルス信号を出力するコンパレータ回路と、
上記コンパレータ回路から出力されるパルス信号が、上記発光素子の発光パルスと同期するか否かにより、被検出物の有無を判定する信号処理回路とを備え、
上記発光素子駆動回路は、被検出物の有無を測定するため定期的に上記発光素子より光を照射する期間である測定期間中に、上記発光素子に対して少なくとも2回のパルス駆動を行い、
上記第1電流・電圧変換回路の出力は、第1の発光パルスと同期して非導通状態とする第1のスイッチを介して上記差動増幅回路に接続されると共に、上記第2電流・電圧変換回路の出力は、常に導通状態で上記差動増幅回路に接続され、
上記信号処理回路は、
上記第1の発光パルスに同期する第1のゲート信号と、上記コンパレータ回路の出力とにより、ノイズパルス検出を行い、
上記第1の発光パルスとは異なる第2の発光パルスに同期する第2のゲート信号と、上記コンパレータ回路の出力とにより、同期光検出を行なうことを特徴とする。
上記構成によれば、信号処理回路は、上記第1の発光パルスに同期する第1のゲート信号と、上記コンパレータ回路の出力とにより、ノイズパルス検出を行い、上記第1の発光パルスとは異なる第2の発光パルスに同期する第2のゲート信号と、上記コンパレータ回路の出力とにより、同期光検出を行なうことで、差動増幅回路の出力から、同期光検出とノイズパルス検出とを別々に行なうことになるので、ノイズによる被検出物の有無の誤判定を無くすことができる。
つまり、発光パルスと同じタイミングで負のノイズパルスがダミーアンプ側に顕著にあらわれる場合に、「被検出物有り」と誤判定されることを完全に防止することができる。
このように、ノイズによる誤判定を無くすことで、受光素子における受光感度、及び、電源ラインノイズに対する耐量が低下するといった問題も解決することができる。
上記信号処理回路は、
上記第1のゲート信号と上記コンパレータ回路の出力との論理演算後の出力が接続される第1のラッチ回路と、
上記第2のゲート信号と上記コンパレータ回路の出力との論理演算後の出力が接続される第2のラッチ回路とからなり、
上記第1、第2のラッチ回路出力の論理演算結果により、ノイズパルス検出と同期光検出とを行なうことを特徴とする。
上記構成によれば、一つのコンパレータ回路の出力から、ノイズパルス検出結果、及び、同期光パルス検出結果を抽出することが可能となり、また、第1、第2のラッチ回路出力の論理演算結果により、ノイズパルス検出と同期光検出とを行なうことにより、被検出物の有無を一意的に判定することが可能となる。
上記ダミー受光素子を構成している受光素子は、上記第1電流・電圧変換回路に接続されている受光素子と同一構造、及び同一面積であることを特徴とする。
上記構成によれば、ダミー受光素子を構成している受光素子は、上記第1電流・電圧変換回路に接続されている受光素子と同一構造、及び同一面積であることで、第1電流・電圧変換回路に接続される受光素子、及び、第2電流・電圧変換回路に接続されているダミー受光素子がもつ寄生容量値がほぼ同等の値になるため、第1電流・電圧変換回路、第2電流・電圧変換回路、及び差動増幅回路における同相除去効率が向上し、この結果、電源ラインノイズ耐量が向上することになる。
上記効果を奏するには、上記ダミー受光素子は、容量値が上記第1電流・電圧変換回路に接続されている受光素子の寄生容量値と同じ容量素子からなることが好ましい。
上記第2の電流・電圧変換回路の出力は、被検出物の有無を測定するため定期的に上記発光素子より光を照射する期間である測定期間全てを通して常に導通状態となる第2のスイッチを介して差動増幅回路に接続され、
上記第2のスイッチは、上記第1のスイッチと同じ構造、及び同じ面積で構成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、第2の電流・電圧変換回路の出力に接続されている第2のスイッチは、第1の電流・電圧変換回路の出力に接続されている第1のスイッチと、同一構造、及び同一面積であることで、第1のスイッチと第2のスイッチとがもつ寄生容量値がほぼ同等の値になるため、第1電流・電圧変換回路、第2電流・電圧変換回路、及び差動増幅回路における同相除去効率が向上し、この結果、電源ラインノイズ耐量が向上することになる。
上記第1の発光パルスと同期して、第1のスイッチを非導通状態に駆動するスイッチ駆動信号のパルス幅は、
上記第1のゲート信号のパルス幅よりも広く設定され、且つ、
上記第1のゲート信号の立上り/立下りと、上記スイッチ駆動信号のパルスの立上り/立下りとが重ならないように設定されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、上記第1の発光パルスと同期して、第1のスイッチを非導通状態に駆動するスイッチ駆動信号のパルス幅が、上記第1のゲート信号のパルス幅よりも広く設定され、且つ、上記第1のゲート信号の立上り/立下りと、上記スイッチ駆動パルスの立上り/立下りとが重ならないように設定されていることで、スイッチ駆動時に発生する可能性があるコンパレータ回路の出力でのスパイクノイズやグリッジに起因する信号処理回路における誤動作することを防止することが可能となる。
少なくとも、受光素子、ダミー受光素子、第1電流・電圧変換回路、第2電流・電圧変換回路、差動増幅回路、及びコンパレータ回路を同一の半導体基板上に集積化することを特徴とする。
これにより、光検出装置の小型化を図ることができる。
本発明の光検出装置は、上記の目的を達成するために、
被検出物に光を照射する発光素子と、
上記発光素子をパルス駆動する発光素子駆動回路と、
被検出物からの反射光または透過光を受光し、受光量に応じた電流を発生する受光素子と、
上記受光素子に接続され、当該受光素子が発生した電流を電圧に変換する第1電流・電圧変換回路と、
受光面が遮光された受光素子からなるダミー受光素子と、
上記ダミー受光素子に接続され、当該ダミー受光素子が発生した電流を電圧に変換する第2電流・電圧変換回路と、
上記第1電流・電圧変換回路の出力と、上記第2電流・電圧変換回路の出力との差動電圧を増幅する第1差動増幅回路と、
上記第1差動増幅回路によって増幅された差電圧と、予め設定した閾値電圧とを比較し、比較結果に応じたパルス信号を出力する第1コンパレータ回路と、
上記第2電流・電圧変換回路の出力と、予め設定された基準電圧との差動電圧を増幅する第2差動増幅回路と、
上記第2差動増幅回路によって増幅された差電圧と、予め設定した閾値電圧とを比較し、比較結果に応じたパルス信号を出力する第2コンパレータ回路と、
上記第1コンパレータ回路から出力されるパルス信号が、上記発光素子の発光パルスと同期するか否かにより、被検出物の有無を判定する信号処理回路とを備え、
上記発光素子駆動回路は、被検出物の有無を測定するため定期的に上記発光素子より光を照射する期間である測定期間中に、上記発光素子に対して少なくとも1回のパルス駆動を行い、
上記信号処理回路は、
上記発光パルスに同期するゲート信号と、上記第1コンパレータ回路の出力とにより、ノイズパルス検出を行い、
上記ゲート信号、及び、上記第2コンパレータ回路の出力のパルス信号により、ノイズパルス検出を行なうことを特徴とする。
上記構成によれば、信号処理回路は、上記発光パルスに同期するゲート信号と、上記第1コンパレータ回路の出力とにより、ノイズパルス検出を行い、上記ゲート信号と、上記第2コンパレータ回路の出力とにより、同期光検出を行なうことで、同期光検出とノイズパルス検出とを別々に行なうことになるので、ノイズによる被検出物の有無の誤判定を無くすことができる。
つまり、発光パルスと同じタイミングで負のノイズパルスがダミーアンプ側に顕著にあらわれる場合に、「被検出物有り」と誤判定されることを完全に防止することができる。
このように、ノイズによる誤判定を無くすことで、受光素子における受光感度、及び、電源ラインノイズに対する耐量が低下するといった問題も解決することができる。
上記信号処理回路は、
上記ゲート信号と上記第1コンパレータ回路の出力との論理演算後の出力が接続される第1のラッチ回路と、
上記ゲート信号と上記第2コンパレータ回路の出力との論理演算後の出力が接続される第2のラッチ回路とからなり、
上記第1、第2のラッチ回路出力の論理演算結果により、ノイズパルス検出と同期光検出とを行なうことを特徴とする。
上記構成によれば、一つのゲート信号によって、ノイズパルス検出結果、及び、同期光パルス検出結果を抽出することが可能となり、また、第1、第2のラッチ回路出力の論理演算結果により、ノイズパルス検出と同期光検出とを行なうことにより、被検出物の有無を一意的に判定することが可能となる。
上記ダミー受光素子を構成している受光素子は、上記第1電流・電圧変換回路に接続されている受光素子と同一構造、及び同一面積であることを特徴とする。
上記構成によれば、ダミー受光素子を構成している受光素子は、上記第1電流・電圧変換回路に接続されている受光素子と同一構造、及び同一面積であることで、第1電流・電圧変換回路に接続される受光素子、及び、第2電流・電圧変換回路に接続されているダミー受光素子がもつ寄生容量値がほぼ同等の値になるため、第1電流・電圧変換回路、第2電流・電圧変換回路、及び差動増幅回路における同相除去効率が向上し、この結果、電源ラインノイズ耐量が向上することになる。
上記効果を奏するには、上記ダミー受光素子は、容量値が上記第1電流・電圧変換回路に接続されている受光素子の寄生容量値と同じ容量素子からなることが好ましい。
上記第1電流・電圧変換回路の出力、及び予め設定した基準電圧とが入力される第3差動増幅回路が設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、第1電流・電圧変換回路側、及び、第2電流・電圧変換回路側の出力のインピーダンスを同等にすることが可能となる。これにより、同相除去効率が上昇し、結果として電源ラインノイズ耐量を向上させることが可能となる。
上記第2差動増幅回路に入力される基準電圧は、第2電流・電圧変換回路の出力のバイアス電圧と同電圧に設定されていることを特徴とする。
上記構成によれば、上記第2差動増幅回路に入力される基準電圧は、第2電流・電圧変換回路の出力のバイアス電圧と同電圧に設定されていることで、上記の基準電圧と第2電流・電圧変換回路の出力のバイアス電圧と間に生じる差に起因する問題、すなわち、差電圧の増幅による、パルス信号の差動増幅動作に支障をきたすという問題を生じさせることがない。
上記第2コンパレータ回路のパルス検出感度は、上記第1コンパレータ回路のパルス検出感度と同等、或いは、高く設定されることを特徴とする。
上記の構成によれば、第2コンパレータ回路のパルス検出感度は、第1コンパレータ回路のパルス検出感度と同等、或いは、高く設定されることで、第2コンパレータ回路の方が、第1コンパレータ回路より小さなノイズパルスにより反転出力されることになるため、より確実に誤判定を防止することが可能となる。
少なくとも、受光素子、ダミー受光素子、第1電流・電圧変換回路、第2電流・電圧変換回路、第1差動増幅回路、第2差動増幅回路、第1コンパレータ回路、及び第2コンパレータ回路を同一の半導体基板上に集積化することを特徴とする。
これにより、光検出装置の小型化を図ることができる。
本発明の反射光検出型の物体検出センサ、及び、透過光検出型の物体検出センサは、少なくとも、光検出装置、及び、光学レンズで構成され、上記光検出装置は、上記構成の光検出装置であることを特徴としている。
本発明の電子機器は、上記反射光検出型の物体検出センサ、及び、透過光検出型の物体検出センサを搭載することを特徴としている。
本発明は、被検出物に光を照射する発光素子と、上記発光素子をパルス駆動する発光素子駆動回路と、被検出物からの反射光または透過光を受光し、受光量に応じた電流を発生する受光素子と、上記受光素子に接続され、当該受光素子が発生した電流を電圧に変換する第1電流・電圧変換回路と、受光面が遮光された受光素子からなるダミー受光素子と、上記ダミー受光素子に接続され、当該ダミー受光素子が発生した電流を電圧に変換する第2電流・電圧変換回路と、上記第1電流・電圧変換回路の出力と、上記第2電流・電圧変換回路の出力との差動電圧を増幅する差動増幅回路と、上記差動増幅回路によって増幅された差電圧と、予め設定した閾値電圧とを比較し、比較結果に応じたパルス信号を出力するコンパレータ回路と、上記コンパレータ回路から出力されるパルス信号が、上記発光素子の発光パルスと同期するか否かにより、被検出物の有無を判定する信号処理回路とを備え、上記発光素子駆動回路は、被検出物の有無を測定するため定期的に上記発光素子より光を照射する期間である測定期間中に、上記発光素子に対して少なくとも2回のパルス駆動を行い、上記第1電流・電圧変換回路の出力は、第1の発光パルスと同期して非導通状態とする第1のスイッチを介して上記差動増幅回路に接続されると共に、上記第2電流・電圧変換回路の出力は、常に導通状態で上記差動増幅回路に接続され、上記信号処理回路は、上記第1の発光パルスに同期する第1のゲート信号と、上記コンパレータ回路の出力とにより、ノイズパルス検出を行い、上記第1の発光パルスとは異なる第2の発光パルスに同期する第2のゲート信号と、上記コンパレータ回路の出力とにより、同期光検出を行なうことで、ノイズによる被検出物の有無の誤判定を無くすことができ、且つ、ノイズによる誤判定に起因する、受光素子における受光感度、及び、電源ラインノイズに対する耐量が低下するといった問題も解決することができるという効果を奏する。
本発明の一実施の形態に係る光検出装置の概略構成を示すブロック図である。 (a)は、図1に示す光検出装置に備えられた信号処理回路の概略構成ブロック図、(b)は、上記信号処理回路に備えられたSRラッチ回路における真理値表を示す図である。 図1に示す光検出装置のノイズ無しの場合の動作波形を示す一例である。 図1に示す光検出装置のノイズ有りの場合の動作波形を示す一例である。 本発明の他の実施の形態に係る光検出装置の概略構成を示すブロック図である。 (a)は、図5に示す光検出装置に備えられた信号処理回路の概略構成ブロック図、(b)は、上記信号処理回路に備えられたSRラッチ回路における真理値表を示す図である。 図5に示す光検出装置のノイズ無しの場合の動作波形を示す一例である。 図5に示す光検出装置のノイズ有りの場合の動作波形を示す一例である。 図5に示す光検出装置の変形例の概略構成ブロック図である。 従来の光検出装置の概略構成を示すブロック図である。 図10に示す光検出装置のノイズ無しの場合の動作波形を示す一例である。 図10に示す光検出装置に備えられた信号処理回路の概略構成ブロック図および上記信号処理回路に備えられたSRラッチ回路における真理値表を示す図である。 図10に示す光検出装置のノイズ有りの場合の動作波形を示す一例である。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について説明すれば以下の通りである。
図1は、本実施の形態に係る光検出装置101の概略構成を示すブロック図である。
<光検出装置101の概略説明>
上記光検出装置101は、図1に示すように、被検出物1の有無検出するために、受光アンプ回路2、ダミーアンプ回路3、第1ハイパスフィルタ回路4、第2ハイパスフィルタ回路5、差動増幅回路6、コンパレータ回路7、信号処理回路8、出力回路9、タイミング生成回路10、発振回路11、発光素子駆動回路12、発光素子13を備えている。
上記光検出装置101は、発光素子13をパルス駆動する発光素子駆動回路12を内蔵し、被検出物1からの反射光や透過光を受光するための受光素子と第1のIV変換回路(第1電流・電圧変換回路)からなる受光アンプ回路2の出力(C)と、受光面がメタル配線等で遮光されたダミー受光素子と上記第1のIV変換回路と同一構成の第2のIV変換回路(第2電流・電圧変換回路)からなるダミーアンプ回路3の出力(D)とが、差動増幅回路6の入力に、それぞれ、同一構成の、第1スイッチ回路14、第1ハイパスフィルタ回路4、及び、第2スイッチ回路15、第2ハイパスフィルタ回路5を介して接続されている。
ここで、上記第1スイッチ回路14は、第1の発光パルスのタイミングでのみ非導通状態とし(J)、第2スイッチ回路15は全測定期間を通じて常に導通状態とする(K)。また、第1スイッチ回路14を駆動するスイッチ駆動パルスをS1、第2スイッチ回路15を駆動するスイッチ駆動パルスをS2とする。
ここで、上記測定期間とは、被検出物1の有無を測定するため定期的に上記発光素子13より光を照射する期間である。具体的には、後述するリセット信号(O)(図4)がHiレベルとなって、次に、Hiレベルになるまでの期間を測定期間としている。
上記出力(C)(D)の差電圧は差動増幅回路6で増幅され、差動増幅回路6の出力(E)は、コンパレータ回路7において所定の閾値電圧(F)と比較/出力(G)される。コンパレータ回路7の出力(以下、コンパレータ出力と称する)(G)は信号処理回路8に接続される。
上記信号処理回路8においては、コンパレータ出力(G)、及び、タイミング生成回路10で生成されたゲート信号(H)(I)を用いて信号処理が行われ、被検出物1の有無が判定される。
すなわち、上記構成の光検出装置101は、被検出物1に光を照射する発光素子13と、上記発光素子13をパルス駆動する発光素子駆動回路12と、被検出物1からの反射光または透過光を受光し、受光量に応じた電流を発生する受光素子と、上記受光素子に接続され、当該受光素子が発生した電流を電圧に変換する第1のIV変換回路と、受光面が遮光された受光素子からなるダミー受光素子と、上記ダミー受光素子に接続され、当該ダミー受光素子が発生した電流を電圧に変換する第2のIV変換回路と、上記第1のIV変換回路の出力と、上記第2のIV変換回路の出力との差動電圧を増幅する差動増幅回路6と、上記差動増幅回路6によって増幅された差電圧と、予め設定した閾値電圧とを比較し、比較結果に応じたパルス信号を出力するコンパレータ回路7と、上記コンパレータ回路7から出力されるパルス信号が、上記発光素子13の発光パルスと同期するか否かにより、被検出物1の有無を判定する信号処理回路8とを備えている。
そして、上記発光素子駆動回路12は、上記測定期間中に、上記発光素子13に対して少なくとも2回のパルス駆動を行い、上記第1のIV変換回路の出力は、第1の発光パルスと同期して非導通状態とする第1スイッチ回路14を介して上記差動増幅回路6に接続されると共に、上記第2のIV変換回路の出力は、常に導通状態で上記差動増幅回路6に接続されている。
また、上記信号処理回路8は、上記第1の発光パルスに同期する第1のゲート信号(H)と、上記コンパレータ回路7の出力(G)とにより、ノイズパルス検出を行い、上記第1の発光パルスとは異なる第2の発光パルスに同期する第2のゲート信号(I)と、上記コンパレータ回路7の出力(G)とにより、同期光検出を行なうようになっている。
<信号処理回路8の説明>
図2(a)は、上記光検出装置101に備えられた信号処理回路8の概略構成ブロック図を示し、図2(b)は、上記信号処理回路8に備えられたSRラッチ回路における真理値表を示す。
上記信号処理回路8は、コンパレータ出力(G)と第1の発光パルスと同期したノイズ検出ゲート信号(I)を入力とする第1のAND回路(1)、コンパレータ出力(G)と第2の発光パルスと同期した同期検出ゲート信号(H)を入力とする第2のAND回路(2)、S入力端子に第1のAND回路(1)の出力が接続される第1のSRラッチ回路(ノイズパルス検出)(1)、及び、S入力端子に第2のAND回路(2)の出力が接続される第2のSRラッチ回路(同期光検出)(2)からなり、第1のSRラッチ回路(1)及び第2のSRラッチ回路(2)のR入力端子には、リセット信号(O)が接続される。
上記第1のSRラッチ回路(1)のラッチ出力1(M)がLoレベル、且つ、第2のSRラッチ回路(2)のラッチ出力2(L)がHiレベルの場合のみHiレベルとなるように、両ラッチ出力をNOT回路及び第3のAND回路(3)で構成される論理回路にて論理演算してラッチ出力3(N)を出力する。従って、被検出物1の有無の判定は、ラッチ出力3(N)を用いて判定する。
また、上記のラッチ出力1〜3は、全てリセット信号(O)の入力により初期化される。
すなわち、上記構成の信号処理回路8は、上記第1のゲート信号である同期検出ゲート信号(H)と上記コンパレータ回路7の出力(G)との論理演算後の出力が接続される第1のラッチ回路(第2のSRラッチ回路(2))と、上記第2のゲート信号であるノイズ検出ゲート信号(I)と上記コンパレータ回路7の出力(G)との論理演算後の出力が接続される第2のラッチ回路(第1のSRラッチ回路(1))とからなり、上記第1、第2のラッチ回路出力の論理演算結果により、ノイズパルス検出と同期光検出とを行なうようになっている。
上記構成の信号処理回路8によれば、一つのコンパレータ回路7の出力(コンパレータ出力(G))から、ノイズパルス検出結果、及び、同期光パルス検出結果を抽出することが可能となり、また、ラッチ出力3(N)で被検出物1の有無の判定を行なうことにより、被検出物1の有無を一意的に判定することが可能となる。
<光検出装置101の検出動作の説明(ノイズ無し)>
図3は、図1に示す光検出装置101のノイズ無しの場合の動作波形を示す一例である(反射光検出タイプ)。
図3に示すように、発光パルスは所定の測定期間中に少なくとも2回以上パルス駆動され(A)、被検出物有りで反射光(B)が有りの場合、受光アンプ出力には正(上向き)のパルス信号が出力され(C)、ダミーアンプ出力にはパルス信号は出力されない(D)。ここで、第1スイッチ回路14は第1の発光パルスのタイミングでのみ非導通状態とし(J)、第2スイッチ回路15は全測定期間を通じて常に導通状態とする(K)。
これにより、第1の発光パルスのタイミングにおける差動増幅回路6の入力としては、ダミーアンプ回路3の出力(D)しか入力していないことになるため、通常の反射光では、第1の発光パルスのタイミングにおいて、コンパレータ回路7は決してパルス信号を出力することはない。
また、第2の発光パルスのタイミングにおける差動増幅回路6の入力としては、従来例と同様に、受光アンプ出力(C)、及び、ダミーアンプ出力(D)とも入力されている状態となり、従来例と同様の同期光信号の検出が可能である。
したがって、被検出物有りで反射光有りの場合(ノイズ無し)では、第1の発光パルスのタイミングでラッチ出力1(NG)は反転せずLoレベルのまま(M)であり、第2の発光パルスのタイミングでは、ラッチ出力2(SG)はHiレベルに反転する(L)ことになり、論理処理後のラッチ出力3は、第2の発光パルスのタイミングで反転する(N)ことになり、「被検出物有り」と判定される。
<光検出装置101の検出動作の説明(ノイズ有り)>
図4は、図1に示す光検出装置101のノイズ有りの場合の動作波形を示す一例である(ノイズ有りの場合の検出処理)。
図4に示すように、「被検出物無し」の状況で、ダミーアンプ回路3側に負のノイズパルスが出力されている場合(D)、差動増幅回路6は第1の発光パルスのタイミングで正のノイズパルス信号を出力すること(E)になり、このノイズパルス信号が閾値電圧(F)を上回ると、コンパレータ回路7は第11発光パルスのタイミングで正のパルス信号を出力することになる(G)。
また、同様に第2の発光パルスのタイミングでも、コンパレータ回路7の出力は正のパルス信号が出力されることから、ラッチ出力1(NG)、及び、ラッチ出力2(SG)は、それぞれ第1、第2の発光パルスのタイミングでHiレベルに反転する(M)(L)ことになり、論理処理後のラッチ出力2は、Loレベルのまま反転せず(N)「被検出物無し」と判定され、従来例のような誤判定は発生しない。
図3、及び、図4においては、第1の発光パルスが駆動された後、第2の発光パルスが駆動される場合を図示しているが、第1、及び、第2の発光パルスの駆動順序を逆としても問題は無い。また、第1、第2の発光パルスの駆動回数はともに複数回としてもよく、使用方法や目的に応じて、それぞれ駆動回数を変更しても問題はない(例えば、ノイズ検出効率を上げるため、第1発光パルスのみ2回駆動するなど)。
<実施の形態1の効果>
上記構成の光検出装置101における回路構成、及び、信号処理方法を導入することにより、コンパレータ回路7が出力するパルス信号が、反射光信号(または透過光信号)によるものか、或いは、発光パルスと同期してダミーアンプ回路3側に顕著に現れる負のノイズパルスによるものかを判別することが可能となり、ダミーアンプ出力側のみに負のノイズパルスが発生したとしても、「被検出物有り」と誤判定することを完全に防止することが可能となる。
さらに、上記の負のノイズパルス(駆動回路のノイズ起因)が、太陽光等の外乱光により深刻化している場合は、結果として、外乱光入射による誤動作の耐量を向上させることが可能となる。
また、上記構成の光検出装置101において、受光素子、及び、ダミー受光素子は、同一の構造(遮光は別)、及び、同一面積とすることが重要である。これにより、IV変換回路に接続される受光素子、及び、ダミー受光素子がもつ寄生容量値がほぼ同等の値になるため、アンプ回路、及び、差動増幅回路における同相除去効率が向上するため、電源ラインノイズ耐量が向上することになる。また、ダミー受光素子の代わりに、容量素子を用いてもよく、この場合も上記と同じ理由により、容量値が受光素子の寄生容量と同等になるように設定することが重要である。
また、ダミーアンプ回路3側の第2スイッチ回路15は常に導通状態で使用するため、回路動作としては、当該第2スイッチ回路15は不要であり省略することも可能であるが、上記の理由と同様、受光アンプ側とダミーアンプ側の回路構成(インピーダンス)を同等とすることにより、電源ラインノイズ耐量の向上が見込めるため、第2スイッチ回路15を接続する構成の方が望ましい。
また、第1スイッチ回路14を駆動するスイッチ駆動パルス(スイッチ駆動信号)S1のパルス幅は、図3に示すように、ノイズ検出ゲート信号よりも広く、ゲート信号とスイッチ駆動パルスの立上り/立下りエッジが重ならないよう設定することが望ましい。このように設定することにより、スイッチ駆動時に発生する可能性があるコンパレータ出力でのスパイクノイズやグリッジにより、ノイズ検出用のラッチ出力1が誤動作することを防止することが可能となる。
また、図1に示す光検出装置101の構成とすることにより、受光素子と回路素子を同じ半導体基板上に集積化することにより深刻化する可能性のある、負のノイズパルスによる誤判定を確実に防止することが可能となるため、半導体基板上への集積化、さらには、半導体チップサイズのさらなる縮小が可能となる。
少なくとも、受光素子、ダミー受光素子、第1電流・電圧変換回路、第2電流・電圧変換回路、差動増幅回路、及びコンパレータ回路を同一の半導体基板上に集積化する。
さらに、本実施の形態における光検出装置101の構成は、差動増幅回路6、及び、コンパレータ回路7がそれぞれ一つずつの構成で実現できるため、回路規模の縮小、及び、チップ面積の縮小が可能となり、光検出装置101のコスト低減が可能となる。
本実施の形態1では、2つのスイッチ回路(第1スイッチ回路14、第2スイッチ回路15)を設けることで、一つの差動増幅回路6の出力から、同期光検出に加えて、ノイズパルス検出を行なう構成としたが、以下の実施の形態2では、スイッチ回路を用いずに、同期光検出に加えて、ノイズパルス検出を行なうことを可能とする光検出装置について説明する。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば以下の通りである。
図5は、本実施の形態に係る光検出装置102の概略構成を示すブロック図である。
<光検出装置102の概略説明>
上記光検出装置102は、図5に示すように、前記実施の形態1の光検出装置101とは異なり、2つのスイッチ回路(第1スイッチ回路14、第2スイッチ回路15)の代わりに、2つの差動増幅回路(第1差動増幅回路6a、第2差動増幅回路6b)、2つのコンパレータ回路(第1コンパレータ回路7a、第2コンパレータ回路7b)を備えている。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
上記光検出装置102は、前記実施の形態1の光検出装置101と同様に、発光素子13をパルス駆動する発光素子駆動回路12を内蔵し、被検出物1からの反射光や透過光を受光するための受光素子と第1のIV変換回路からなる受光アンプ回路2の出力(C)と、受光面がメタル配線等で遮光されたダミー受光素子と上記第1のIV変換回路と同一構成の第2のIV変換回路からなるダミーアンプ回路3の出力(D)とが、第1差動増幅回路6aの正/負入力に、それぞれ、同一構成の、第1ハイパスフィルタ回路4、及び、第2ハイパスフィルタ回路5を介して接続されている。
上記出力(C)(D)の差電圧は第1差動増幅回路6aで増幅され、第1差動増幅回路6aの出力(E1)は、第1コンパレータ回路7aにおいて所定の閾値電圧(F1)と比較/出力(G1)される。第1コンパレータ回路7aの出力(以下、コンパレータ出力と称する)(G1)は信号処理回路8に接続される。
さらに、ダミーアンプ回路3のダミーアンプ出力(D)は、第1ハイパスフィルタ回路4を介して第2差動増幅回路6bの負入力に入力され、第2差動増幅回路6bの正入力には所定の基準電圧が入力され、当該第2差動増幅回路6bではその差電圧が増幅され、第2差動増幅回路6bの出力(E2)は、第2コンパレータ回路7bにおいて第2の閾値電圧(F2)と比較/出力され、第2コンパレータ回路7bの出力(G2)は信号処理回路8に接続される。
この時、上記の基準電圧は、ダミーアンプ回路3のダミーアンプ出力(ハイパスフィルタ出力)のバイアス電圧(DC電圧)と同じ電圧に設定する必要がある。これは、上記の基準電圧とダミーアンプ出力(ハイパスフィルタ出力後)のバイアス電圧に差(オフセット)があると、その差電圧が増幅されるため、パルス信号の差動増幅動作に支障があるためである。
上記信号処理回路8においては、第1コンパレータ回路7a及び第2コンパレータ回路7bのコンパレータ出力(G1)(G2)、及び、タイミング生成回路10で生成される発光パルスと同期したゲート信号(H)を用いて信号処理が行われ、被検出物1の有無が判定される。
すなわち、上記構成の光検出装置102は、被検出物1に光を照射する発光素子13と、上記発光素子13をパルス駆動する発光素子駆動回路12と、被検出物1からの反射光または透過光を受光し、受光量に応じた電流を発生する受光素子と、上記受光素子に接続され、当該受光素子が発生した電流を電圧に変換する第1のIV変換回路と、受光面が遮光された受光素子からなるダミー受光素子と、上記ダミー受光素子に接続され、当該ダミー受光素子が発生した電流を電圧に変換する第2のIV変換回路と、上記第1のIV変換回路の出力と、上記第2のIV変換回路の出力との差動電圧を増幅する第1差動増幅回路6aと、上記第1差動増幅回路6aによって増幅された差電圧と、予め設定した閾値電圧とを比較し、比較結果に応じたパルス信号を出力する第1コンパレータ回路7aと、上記第2のIV変換回路の出力と、予め設定された基準電圧との差動電圧を増幅する第2差動増幅回路6bと、上記第2差動増幅回路6bによって増幅された差電圧と、予め設定した閾値電圧とを比較し、比較結果に応じたパルス信号を出力する第2コンパレータ回路7bと、上記第1コンパレータ回路7aから出力されるパルス信号が、上記発光素子13の発光パルスと同期するか否かにより、被検出物1の有無を判定する信号処理回路8とを備えている。
上記発光素子駆動回路12は、被検出物1の有無を測定するため定期的に上記発光素子13より光を照射する期間である測定期間中に、上記発光素子13に対して少なくとも1回のパルス駆動を行なう。
上記信号処理回路8は、上記発光パルスに同期するゲート信号(H)と、上記第1コンパレータ回路7aの出力(G1)とにより、ノイズパルス検出を行い、上記ゲート信号(H)、及び、上記第2コンパレータ回路7bの出力(G2)のパルス信号により、ノイズパルス検出を行なうようになっている。
<信号処理回路8の説明>
図6(a)は、上記光検出装置102に備えられた信号処理回路8の概略構成ブロック図を示し、図6(b)は、上記信号処理回路8に備えられたSRラッチ回路における真理値表を示す。
上記信号処理回路8は、第1コンパレータ回路7aのコンパレータ出力(G1)と発光パルスと同期した同期検出ゲート信号(H)を入力とする第1のAND回路(1)、第2コンパレータ回路7bのコンパレータ出力(G2)と前記の同期検出ゲート信号(H)を入力とする第2のAND回路(2)、S入力端子に第1のAND回路(1)の出力が接続される第1のSRラッチ回路(同期光検出)(1)、及び、S入力端子に第2のAND回路(2)の出力が接続される第2のSRラッチ回路(ノイズパルス検出)(2)からなり、第1及び第2のSRラッチ回路のR入力端子には、リセット信号(L)が接続される。
さらに、第1のSRラッチ回路(1)の出力1(I)がHiレベル、且つ、第2のSRラッチ回路(2)の出力2(J)がLoレベルの場合のみHiレベルとなるように、両ラッチ出力をNOT回路及び第3のAND回路(3)で構成される論理回路にて論理演算してラッチ出力3(K)を出力し、被検出物1の有無の判定はラッチ出力3(K)を用いて判定する。
また、上記のラッチ出力1〜3は全て、リセット信号(L)の入力により初期化される。
すなわち、上記構成の信号処理回路8は、上記ゲート信号である同期検出ゲート信号(H)と上記第1コンパレータ回路7aの出力(G1)との論理演算後の出力が接続される第1のラッチ回路(第1のSRラッチ回路(1))と、上記同期検出ゲート信号(H)と上記第2コンパレータ回路7bの出力(G2)との論理演算後の出力が接続される第2のラッチ回路(第2のSRラッチ回路(2))とからなり、上記第1、第2のSRラッチ回路(1)(2)出力(I)(J)の論理演算結果により、ノイズパルス検出と同期光検出とを行なうようになっている。
上記構成の信号処理回路8によれば、二つのコンパレータ回路(第1コンパレータ回路7a、第2コンパレータ回路7b)のコンパレータ出力(G1、G2)から、ノイズパルス検出結果、及び、同期光パルス検出結果を抽出することが可能となり、また、ラッチ出力3で被検出物1の有無の判定を行なうことにより、被検出物1の有無を一意的に判定することが可能となる。
<光検出装置102の検出動作の説明(ノイズ無し)>
図7は、図5に示す光検出装置102の動作波形を示す一例である(反射光検出タイプ)。
図7に示すように、発光パルスは所定の測定期間中に少なくとも1回以上パルス駆動され(A)、被検出物有りで反射光(B)が有りの場合、受光アンプ出力には正(上向き)のパルス信号が出力され(C)、ダミーアンプ出力にはパルス信号は出力されない(D)。この場合、受光アンプ出力(C)、及び、ダミーアンプ出力(D)を入力とする第1差動増幅回路6aの出力(差動アンプ出力1)としては、正(上向き)のパルス信号が出力され(E1)、閾値(F1)を上回る場合は、第1コンパレータ回路7aのコンパレータ出力1(G1)には正のパルス信号が出力される。
一方、基準電圧とダミーアンプ出力(D)を入力とする第2差動増幅回路6bの出力(差動アンプ出力2)にはパルス信号が出力されず(E2)、第2コンパレータ回路7bのコンパレータ出力2(G2)にもパルス信号は出力されない。
上記第1コンパレータ回路7aのコンパレータ出力1(G1)のパルス信号と同期検出ゲート信号(H)のタイミングが一致するため、ラッチ出力1(I)はHiレベルに反転し、第2コンパレータ回路7bのコンパレータ出力2(G2)にはパルス信号が無いため、ラッチ出力2(J)は反転せずLoレベルのままであるため、論理演算後(論理処理後)のラッチ出力3(K)はHiレベルに反転し、「被検出物有り」と判定される。
<光検出装置102の検出動作の説明(ノイズ有り)>
図8は、図5に示す光検出装置102の動作波形を示す一例である(ノイズ有りの場合の検出処理)。
図8に示すように、「被検出物無し」の状況で、ダミーアンプ回路3側に負のノイズパルスが出力されている場合(D)、第1差動増幅回路6aの出力(差動アンプ出力1)、及び、第2差動増幅回路6bの出力(差動アンプ出力2)には、ともに正(上向き)のノイズパルスが出力され(E1、E2)、それぞれ、第1の閾値(F1)、第2の閾値(F2)を上回る場合、第1、第2のコンパレータ回路は発光パルスのタイミングで正のパルス信号を出力することになり(G1,G2)、ラッチ出力1(I)、及び、ラッチ出力2(J)はともにHiレベルに反転するため、論理処理後のラッチ出力3(K)は、Loレベルのままとなり、「被検出物無し」と判定され、従来例のような誤判定が発生しない。
また、前記実施の形態1と同様に、上記構成の光検出装置102において、受光素子、及び、ダミー受光素子は、同一構造(遮光は別)、及び、同一面積とすることが重要である。これにより、IV変換回路に接続される受光素子、及び、ダミー受光素子がもつ寄生容量値がほぼ同等の値になるため、アンプ回路、及び、差動増幅回路における同相除去効率が向上するため、電源ラインノイズ耐量が向上することになる。また、ダミー受光素子の代わりに、容量素子を用いてもよく、この場合も上記と同じ理由により、容量値が受光素子の寄生容量と同等になるように設定することが重要である。
ここで、本発明の効果を奏するには、図5に示す光検出装置102の回路構成に加えて、図9に示すように、第3差動増幅回路6cを設け、受光アンプ出力を第1ハイパスフィルタ回路4を介して、第3差動増幅回路6cの正入力に接続し、負入力側には前記の基準電圧を接続した光検出装置103であってもよい。
上記光検出装置103の構成によれば、受光アンプ回路2側、及び、ダミーアンプ回路3側の出力のインピーダンスを同等にすることが可能となる。これにより、同相除去効率が上昇し、結果として電源ラインノイズ耐量を向上させることが可能となる。なお、上記第3差動増幅回路6cの出力については信号処理には使用しないため、どこにも接続する必要はない。
また、図5に示す光検出装置102、及び図9に示す光検出装置103の回路構成の場合、第1、第2の閾値電圧(F1、F2)は同じ電圧値に設定しても回路動作に支障はないが、例えば、第1の閾値電圧(F1)よりも第2の閾値電圧(F2)を低く設定することにより(F1>F2)、負のノイズパルスに対するコンパレータ回路の検出感度は、第1コンパレータ回路7aよりも第2コンパレータ回路7bの方が高く設定できるため(つまり、第2のコンパレータ回路の方が、より小さなノイズパルスにより反転出力されることになるため)、より確実に誤判定を防止することが可能となる。
ここで重要なのは、第2コンパレータ回路7bのパルス検出感度を、第1コンパレータ回路7aのパルス検出感度よりも大きく設定することである。これを実現するための一手段として、閾値電圧を、F1>F2の関係となるように設定しいている。
また、本実施の形態に係る光検出装置102の構成を採用することにより、受光素子と回路素子を同じ半導体基板上に集積化することにより深刻化する可能性のある、負のノイズパルスによる誤判定を確実に防止することが可能となるため、半導体基板上への集積化、さらには、半導体チップサイズのさらなる縮小が可能となる。
さらに、本実施の形態に係る光検出装置102の構成とすることにより、測定期間中に発光パルスを1回駆動するだけで実現できるため、光検出装置の消費電力を低減することが可能となる。
また、前記実施の形態1または本実施の形態2の構成の光検出装置101、102と、発光パルス/信号光パルス(反射光または透過光パルス)を集光するための光学レンズを一体化することにより、ダミーアンプ回路出力に発生する負のノイズパルスによる誤動作を防止可能とする、反射光検出型、或いは、透過光検出型の物体検出センサが実現できる。
さらに、前記の物体検出センサを、複写機や携帯端末等の電子機器に搭載することにより、上記の誤動作が防止可能となるため、誤動作耐性の高いセンシング動作が実現可能となる。
なお、各実施の形態において説明した光検出装置101、102、103では、何れも、電子機器の内部で、被検出物の有無を検出する場合を想定して説明したが、この原理を利用することで、被検出物の厚さ、近接/非近接状態、あるいは被検出物の移動方向を検出するも可能である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、被検出物からの反射光あるいは透過光を検出することで、被検出物との近接具合を判定する近接センサを用いる電子機器、例えば液晶ディスプレイ等の表示画面を備えた携帯電話やスマートフォン、タブレット型情報端末、あるいはデジタルカメラ等において好適である。
1 被検出物
2 受光アンプ回路
3 ダミーアンプ回路
4 第1ハイパスフィルタ回路
5 第2ハイパスフィルタ回路
6 差動増幅回路
6a 第1差動増幅回路
6b 第2差動増幅回路
6c 第3差動増幅回路
7 コンパレータ回路
7a 第1コンパレータ回路
7b 第2コンパレータ回路
8 信号処理回路
9 出力回路
10 タイミング生成回路
11 発振回路
12 発光素子駆動回路
13 発光素子
14 第1スイッチ回路
15 第2スイッチ回路
101 光検出装置
102 光検出装置
103 光検出装置

Claims (17)

  1. 被検出物に光を照射する発光素子と、
    上記発光素子をパルス駆動する発光素子駆動回路と、
    被検出物からの反射光または透過光を受光し、受光量に応じた電流を発生する受光素子と、
    上記受光素子に接続され、当該受光素子が発生した電流を電圧に変換する第1電流・電圧変換回路と、
    受光面が遮光された受光素子からなるダミー受光素子と、
    上記ダミー受光素子に接続され、当該ダミー受光素子が発生した電流を電圧に変換する第2電流・電圧変換回路と、
    上記第1電流・電圧変換回路の出力と、上記第2電流・電圧変換回路の出力との差動電圧を増幅する差動増幅回路と、
    上記差動増幅回路によって増幅された差電圧と、予め設定した閾値電圧とを比較し、比較結果に応じたパルス信号を出力するコンパレータ回路と、
    上記コンパレータ回路から出力されるパルス信号が、上記発光素子の発光パルスと同期するか否かにより、被検出物の有無を判定する信号処理回路とを備え、
    上記発光素子駆動回路は、被検出物の有無を測定するため定期的に上記発光素子より光を照射する期間である測定期間中に、上記発光素子に対して少なくとも2回のパルス駆動を行い、
    上記第1電流・電圧変換回路の出力は、第1の発光パルスと同期して非導通状態とする第1のスイッチを介して上記差動増幅回路に接続されると共に、上記第2電流・電圧変換回路の出力は、常に導通状態で上記差動増幅回路に接続され、
    上記信号処理回路は、
    上記第1の発光パルスに同期する第1のゲート信号と、上記コンパレータ回路の出力とにより、ノイズパルス検出を行い、
    上記第1の発光パルスとは異なる第2の発光パルスに同期する第2のゲート信号と、上記コンパレータ回路の出力とにより、同期光検出を行なうことを特徴とする光検出装置。
  2. 上記信号処理回路は、
    上記第1のゲート信号と上記コンパレータ回路の出力との論理演算後の出力が接続される第1のラッチ回路と、
    上記第2のゲート信号と上記コンパレータ回路の出力との論理演算後の出力が接続される第2のラッチ回路とからなり、
    上記第1、第2のラッチ回路出力の論理演算結果により、ノイズパルス検出と同期光検出とを行なうことを特徴とする請求項1に記載の光検出装置。
  3. 上記ダミー受光素子を構成している受光素子は、上記第1電流・電圧変換回路に接続されている受光素子と同一構造、及び同一面積であることを特徴とする請求項1または2に記載の光検出装置。
  4. 上記ダミー受光素子は、容量値が上記第1電流・電圧変換回路に接続されている受光素子の寄生容量値と同じ容量素子からなることを特徴とする請求項1または2に記載の光検出装置。
  5. 上記第2電流・電圧変換回路の出力は、被検出物の有無を測定するため定期的に上記発光素子より光を照射する期間である測定期間全てを通して常に導通状態となる第2のスイッチを介して差動増幅回路に接続され、
    上記第2のスイッチは、上記第1のスイッチと同じ構造、及び同じ面積で構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光検出装置。
  6. 上記第1の発光パルスと同期して、第1のスイッチを非導通状態に駆動するスイッチ駆動信号のパルス幅は、
    上記第1のゲート信号のパルス幅よりも広く設定され、且つ、
    上記第1のゲート信号の立上り/立下りと、上記スイッチ駆動信号のパルスの立上り/立下りとが重ならないように設定されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光検出装置。
  7. 少なくとも、受光素子、ダミー受光素子、第1電流・電圧変換回路、第2電流・電圧変換回路、差動増幅回路、及びコンパレータ回路を同一の半導体基板上に集積化することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の光検出装置。
  8. 被検出物に光を照射する発光素子と、
    上記発光素子をパルス駆動する発光素子駆動回路と、
    被検出物からの反射光または透過光を受光し、受光量に応じた電流を発生する受光素子と、
    上記受光素子に接続され、当該受光素子が発生した電流を電圧に変換する第1電流・電圧変換回路と、
    受光面が遮光された受光素子からなるダミー受光素子と、
    上記ダミー受光素子に接続され、当該ダミー受光素子が発生した電流を電圧に変換する第2電流・電圧変換回路と、
    上記第1電流・電圧変換回路の出力と、上記第2電流・電圧変換回路の出力との差動電圧を増幅する第1差動増幅回路と、
    上記第1差動増幅回路によって増幅された差電圧と、予め設定した閾値電圧とを比較し、比較結果に応じたパルス信号を出力する第1コンパレータ回路と、
    上記第2電流・電圧変換回路の出力と、予め設定された基準電圧との差動電圧を増幅する第2差動増幅回路と、
    上記第2差動増幅回路によって増幅された差電圧と、予め設定した閾値電圧とを比較し、比較結果に応じたパルス信号を出力する第2コンパレータ回路と、
    上記第1コンパレータ回路から出力されるパルス信号が、上記発光素子の発光パルスと同期するか否かにより、被検出物の有無を判定する信号処理回路とを備え、
    上記発光素子駆動回路は、被検出物の有無を測定するため定期的に上記発光素子より光を照射する期間である測定期間中に、上記発光素子に対して少なくとも1回のパルス駆動を行い、
    上記信号処理回路は、
    上記発光パルスに同期するゲート信号と、上記第1コンパレータ回路の出力とにより、ノイズパルス検出を行い、
    上記ゲート信号、及び、上記第2コンパレータ回路の出力のパルス信号により、ノイズパルス検出を行なうことを特徴とする光検出装置。
  9. 上記信号処理回路は、
    上記ゲート信号と上記第1コンパレータ回路の出力との論理演算後の出力が接続される第1のラッチ回路と、
    上記ゲート信号と上記第2コンパレータ回路の出力との論理演算後の出力が接続される第2のラッチ回路とからなり、
    上記第1、第2のラッチ回路出力の論理演算結果により、ノイズパルス検出と同期光検出とを行なうことを特徴とする請求項8に記載の光検出装置。
  10. 上記ダミー受光素子を構成している受光素子は、上記第1電流・電圧変換回路に接続されている受光素子と同一構造、及び同一面積であることを特徴とする請求項8または9に記載の光検出装置。
  11. 上記ダミー受光素子は、容量値が上記第1電流・電圧変換回路に接続されている受光素子の寄生容量値と同じ容量素子からなることを特徴とする請求項8または9に記載の光検出装置。
  12. 上記第1電流・電圧変換回路の出力、及び予め設定した基準電圧とが入力される第3差動増幅回路が設けられていることを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の光検出装置。
  13. 上記第2差動増幅回路に入力される基準電圧は、第2電流・電圧変換回路の出力のバイアス電圧と同電圧に設定されていることを特徴とする請求項8〜12の何れか1項に記載の光検出装置。
  14. 上記第2コンパレータ回路のパルス検出感度は、上記第1コンパレータ回路のパルス検出感度と同等、或いは、高く設定されることを特徴とする請求項8〜13の何れか1項に記載の光検出装置。
  15. 少なくとも、受光素子、ダミー受光素子、第1電流・電圧変換回路、第2電流・電圧変換回路、第1差動増幅回路、第2差動増幅回路、第1コンパレータ回路、及び第2コンパレータ回路を同一の半導体基板上に集積化することを特徴とする請求項8〜14の何れか1項に記載の光検出装置。
  16. 少なくとも、光検出装置、及び、光学レンズで構成され、上記光検出装置は、請求項1〜15の何れか1項に記載の光検出装置であることを特徴とする物体検出センサ。
  17. 請求項16に記載の物体検出センサを搭載したことを特徴とする電子機器。
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