JP2013155725A - 蒸気タービンおよび蒸気タービンの静翼 - Google Patents

蒸気タービンおよび蒸気タービンの静翼 Download PDF

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俊介 水見
Koji Ogata
康二 緒方
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健 工藤
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Abstract

【課題】プラント効率を低下させることなく、タービン翼後縁端から噴出する粗大水滴の発生を低減させ、微細化することによってエロージョンによる動翼の侵食作用を抑制し、信頼性の高い蒸気タービンを提供する。
【解決手段】静翼と、静翼の作動流体流れ方向下流側に設けられた動翼と備える蒸気タービンにおいて、静翼1の後縁側表面に微細な凹凸パターンを有する凹凸面20を形成する。本発明では凹凸面で積極的に液面を波立たせることにより、液膜が大きく成長する前に不安定性を作り出し、微小液滴として飛散させることが可能である。外部からのエネルギー源も必要とせず、溝サイズも小さくでき翼性能には殆ど影響を与えることはないので、上記目的を効果的に達成することが可能となる。
【選択図】 図4

Description

本発明は蒸気タービンに係り、湿り蒸気によって生成される水滴の衝突に基因する動翼エロージョンの低減構造に関する。
低圧タービンの最終段落やその1または2段前の段落では、一般的に圧力が非常に低いため、作動流体である蒸気は液化した微細な水滴(水滴核)を含む湿り蒸気状態となっている。
凝結して翼面に付着した水滴核は、合体して翼面上で液膜を形成する。さらにその液膜は、作動流体主流の蒸気により引きちぎられ、始めの水滴核に比べ遥かに大きな粗大水滴として下流に噴霧される。この粗大水滴はその後、主流蒸気により多少微細化されるものの、ある程度の大きさを保ちながら流下する。そして、粗大水滴はその慣性力のために気体の蒸気のように流路に沿って急激に転向することができず、下流の動翼に高速で衝突し、翼表面を侵食するエロージョンの原因になったり、タービン翼の回転を妨げ損失の原因になったりする。
これに対し従来から、エロージョン現象による侵食作用を防止するため、動翼前縁の先端部をステライト等の硬く強度の高い材料でできたシールド材で被覆している。あるいは、特許文献1のように翼の前縁部表面に様々な凹凸加工をして粗面を形成することにより、液滴衝突時の衝撃力を緩和する方法がある。ただし、その加工性の問題からシールド材を必ず設置できるわけではなく、また、一般に翼面を保護するだけではエロージョン対策として完全ではないため、通常は、他のエロージョン対策方法と併用される。
一般にエロージョンの影響を低減するには、液滴自体を除去することが最も効果的であり、液滴除去目的の技術も多数開発されてはいるが、完全に取り除くことは大変困難である。一方で、たとえ液滴が除去できなくとも、動翼に衝突する液滴がある程度微細化されていれば慣性力も小さくなるため、侵食作用も小さい。
この、液滴を微細化するという目的に関する従来の技術としては、例えば特許文献2記載のように、静翼支持リングから翼後縁部腹側面に高圧蒸気を導いて噴出させる方法がある。また特許文献3記載のように、静翼支持リングの外側に設置した超音波発生器から段落内へ超音波を伝播させる方法や、あるいはまた、特許文献4記載のように静翼後縁端を概略のこぎり歯状にする方法がある。
実開昭61−142102号公報 実公昭56−15363号公報 特公昭54−5444号公報 特公昭63−195302号公報
前記従来技術により、確かに蒸気タービン翼後縁端から噴出する粗大水滴の発生を低減させ、エロージョンによる侵食作用を抑制する効果は期待できる。しかし例えば特許文献2や特許文献3の技術を用いた場合、構造が複雑で加工が困難であるだけでなく、粗大水滴の発生阻止に多大なエネルギーを消費するため、プラント効率を大幅に低下させる可能性がある点については配慮されていない。また特許文献4では、のこぎり歯状の後縁部を持った静翼に対する高性能な翼型設計法が確立されていないため、これもまたプラント効率を低下させる可能性がある。
そこで本発明の目的は、プラント効率の低下を抑制しながら、エロージョンによる動翼の侵食作用を抑制し、信頼性の高い蒸気タービンを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明では、静翼と、該静翼の作動流体流れ方向下流側に設けられた動翼とを備える蒸気タービンにおいて、静翼の後縁側表面に凹凸パターンを有する凹凸面を形成した。
本発明によれば、蒸気タービンにおいて、プラント効率の低下を抑制しながら、エロージョンによる動翼の侵食作用を抑制し、信頼性を高めることができる。
従来の蒸気タービンの段落と、静翼面上を流れる液膜の様子を示す模式図である。 従来の蒸気タービンの静翼面上に発達した液膜から液滴が飛散する様子を摸式的に示す翼間流路断面図である。 本発明の実施形態を概略的に表す説明図である。 図3に示した凹凸面部の断面形状を概略的に表す断面図である。 液膜から液滴が生じる原理を摸式的に示す図である。 本発明に係る蒸気タービンの翼面に形成される凹凸パターンの例を示した模式図である。 本発明に係る蒸気タービンの翼面に形成される凹凸面部の断面形状の例と、そこでの液膜波面の様子を説明した模式図である。 本発明の他の実施形態を概略的に表す説明図である。
まず最初に、タービン翼面上での液膜と液滴発生の様子を図1と図2を用いて簡単に説明する。
図1は従来の蒸気タービンの段落と、その静翼の壁面上に発達した液膜の流れの様子を示す模式図である。蒸気タービンのタービン段落は、外周側ダイヤフラム4と内周側ダイヤフラム6とに固定された静翼1と、静翼1の作動流体流れ方向下流側でロータ軸3に固定された動翼2とを有する。動翼2の先端の外周側には、流路壁面を構成するケーシング7が設けられている。
上記構成により、作動流体である蒸気主流は、静翼1を通過する際に増速され、動翼2にエネルギーを与えロータ軸3を回転させる。
低圧タービン等において、作動流体である蒸気主流が湿り蒸気状態となった場合、蒸気主流中に含まれる液滴が静翼1に付着し、この液滴が翼面上で寄せ集まって液膜が形成される。この液膜は、気体蒸気との界面における圧力とせん断力の合力で決まる力の方向に流れ、翼の後縁端近傍まで移動する。図1に移動する液膜の流れ11を示す。翼の後縁端近傍まで移動した液膜は、液滴13となり蒸気主流と共に動翼2に向かって飛散する。
図2は、静翼1の翼面上に発達した液膜から液滴が飛散する様子を摸式的に示す翼間流路断面図である。気流蒸気10が静翼間を通過する際、静翼1に液滴が付着し、静翼面上で液滴が寄せ集まって液膜12へと発達する。静翼1の翼面上に発達した液膜12は、翼後縁端まで移動し、翼後縁端から液滴13となって飛散する。飛散した液滴13は下流に設けられた動翼に衝突し、動翼表面を侵食するエロージョンの原因になったり、動翼の回転を妨げ損失の原因になったりする。なお、図2では翼の腹側(圧力面側)に液膜12が形成されている様子を示しているが、実際には翼の背側(負圧面側)にも液膜は形成される。ここでは説明を簡単にするため、腹側のみ表示した。
以上を踏まえて、本発明の実施形態について、以下に適宜図を参照して詳細に説明する。なお各図を通して同等の構成には同符号を付している。
本発明に係る第1の実施形態について説明する。
図3は、本発明を静翼1に適用した場合の構成を概略的に表した説明図である。図3の(a)は静翼1の概略斜視図、(b)は凹凸面部20の一部を拡大した図を示す。図3(a)に示すように、本実施形態では、静翼1の後縁側かつタービン径方向先端側の表面の一部に微細な凹凸構造を有する凹凸面部20を設けている。この凹凸面部20は、凹凸構造がパターン化されており、略規則的に同一形状の凹凸が複数繰り返される凹凸パターンを有する。ここで、略規則的にとは、加工精度上の誤差を許容する意味である。
凹凸面部20の一部を拡大したものを図3(b)に示す。凹凸構造は、通常の方法で作成した静翼の表面に微細な溝を彫ることにより形成されており、互いに直交する二方向に直線状に走る複数の溝21(凹部)と、溝21に四辺を囲まれた翼面22(凸部)とからなる格子状の凹凸パターンを構成している。
次に凹凸面部20を設ける位置について説明する。液滴は、気体蒸気の流速が速いほど、また液膜の厚みが厚い程飛散する確率が高くなる。静翼の場合には、翼後縁側の方が圧力が低く、その分湿り度も高く液膜が成長しやすい。また、後縁側の流路を細くして蒸気を加速させているので、より後縁側が飛散しやすくなる。そのため、本実施例では静翼1の後縁側表面、すなわち翼間流路が狭くなり蒸気が加速される領域である静翼の軸方向長さ後半側の表面に凹凸面部20を設けている。具体的な一例としては、凹凸面部20を翼腹側に設置する場合は、翼スロート点(翼後縁端)から軸方向距離3割の領域、翼背側に設置する場合はスロート点より後縁側に設置すれば良い。
図4に凹凸面部20の断面形状を示す。凹凸面部20には微細な凹凸が連続して設けられている。この凹凸の凸部の幅や、凹部底面の幅等の主要寸法は、概ね20μm程度のオーダーであり、翼表面粗さより大きく形成されている。この微細な凹凸の上を液膜12が流下する。
なお、凹凸の形成方法は、前述したように通常の方法で製作した翼の表面に微細な溝を彫る方法であっても良いが、あるいは表面に微細な凹凸パターンを施した部材を翼表面に添付する方法でも良い。部材には例えば薄いシート状の柔軟な部材を用い、溝加工を施した後に翼表面に添付する。曲面で構成されている翼面上に直接溝を彫る場合と比較し、部材の場合は平面状の部材に溝加工を施した後に翼面に添付するので、加工が容易であり、加工精度も向上できる。この部材を添付して凹凸パターンを形成する場合には、炭素繊維や合成樹脂など、金属以外の材料を部材に用いても良い。
本実施形態の作用効果について説明する。
図5は、液膜から液滴が生じる原理を摸式的に示す図である。気流蒸気10のせん断力により、静翼1の壁面上に発達した液膜12の液面が波打ち、ちぎれた先端部から液滴13が生じ、飛散していく。
図5では説明を分かり易くするため、波打ち状態を誇張して描いている。しかし滑らかに製作された実際の翼面上では、この波が発達し難く、粗大液滴が生じ易くなるほどの膜厚みまで液膜が発達すると考えられる。本実施形態では、この液面の波打ちを翼壁面に設けた凹凸により積極的かつ効果的に発生・発達させることにより、液滴の微細化を図るものである。
前述のように、凝結して静翼壁面に付着した微細な水滴は、合体して翼面上で液膜を形成し、その液膜が主流の蒸気により引きちぎられ、大きな水滴となって動翼に衝突することで翼のエロージョンが起こる。このように気流中に液滴を生じる現象は流体力学的には気液二層流として分類され液滴の発生条件などに関して様々な研究がなされている。例えば気液二層流では、液滴や気泡の大きさや気液界面の挙動はウェーバー数と言う無次元数により評価される。ウェーバー数とは、気体の抗力(あるいは気体の液体に対するせん断力)と液体の表面張力の比を表し、この値がある程度大きくなると、気体によるせん断力が液滴内部の張力に打ち勝ち液面がちぎれ、液滴を生じる。そしてウェーバー数が大きい(せん断力が大きい)場合は、不安定波の波長が短くなり、相対的に小径の液滴となる。
本実施形態の原理を、翼壁面上の液膜からの液滴発生機構とからめさらに詳述する。静翼壁面で生じた液膜は、翼半径方向の圧力差と気体蒸気からのせん断力(摩擦力)により、翼壁面上を移動しながら成長(膜厚の増加)すると考えられる。液滴の発生は気液界面の状態の影響を強く受け、界面の状態を示すウェーバー数がある臨界値(臨界ウェーバー数)を超えると、ケルビン・ヘルムホルツ不安定性と呼ばれる現象が生じ、気液界面が波立ってくる。この波立ちが大きくなるとやがてその先端部がちぎれ液滴となり下流に飛散する。通常の翼面のように壁面の性状が滑らかな場合、この不安定性が生じるまでに液膜が大きく成長し、粗大液滴を発生させ易い界面状態になると考えられる。
これに対し、本実施形態では凹凸面で積極的に液面を波立たせることにより、液膜が大きく成長する前に不安定性を作り出し、微小液滴として飛散させることが可能である。また一般に、気体は壁面(二層流の場合は気液界面)に近づくほど急激に流速が低下する。
言い換えると壁面から離れるほど流速が高くなるため、凹凸面で積極的に液面を波立たせ、波高を高くすることにより、液面登頂近傍での気液速度差、すなわちせん断力が大きくなり液滴はより微細化しやすくなる。一般に対するエロージョンによる侵食量は、動翼に衝突する水滴径と衝突速度、及びその総流量で決まり、これらの値が小さい程、侵食量も少なくなる。本実施形態により液滴を微細化した場合、総流量は変化しないが水滴径は小さくなる。また、慣性力が小さくなることにより粗大液滴に比べ気体の蒸気速度近くまで容易に加速される。これにより、高速で回転する動翼との相対速度が小さくなり、水滴の衝突速度も低下させることができる。したがって、動翼の侵食量を抑えることが可能となる。
したがって、本実施形態のエロージョン低減構造によれば、粗大液滴の衝突による動翼の侵食作用を効果的に低減することが可能となる。
また、本実施形態の実施に必要な溝サイズも小さくかつ、適用範囲を翼の後縁側のみなどの限定した範囲で良いため、翼性能には殆ど影響を与えることがない。よって、従来の設計方法をそのまま利用可能である。しかも、液滴の微細化に際し外部からのエネルギー源を必要としないため、蒸気タービンのプラント効率を低下させることなく、安価に目的を達成できる。
また本実施形態によると、粗大水滴の発生阻止機構自体が公知例技術に比べ遥かに簡素であるため、製造コストの増加も抑制できる。
なお、液滴の大きさには、液面波の波長や波高が大きく関連し、波長や波高を決めるのに凹凸パターンの断面形状や寸法が深く関わると考えられる。したがって、凹凸面部20を構成する凹凸の主要寸法は、目標とする液滴径と強い相関を持つと考えられる。一般的に微細化された液滴径として、理想的には20μm程度以下を想定しているので、凹凸の間隔や溝深さ等の主要寸法は、目標とする液滴径(例えば20〜30μm程度)を目安に同程度のオーダーにすると高い効果が期待できる。
凹凸の間隔は必ずしも一定である必要はないが、パターン形成の容易さと目標液滴径に目安があることを考えると、概ね一定に形成することが望ましい。凹凸線は曲線でも良いが、液膜の進行方向と直交するような線で構成すると効果的である。また、本発明はその他のエロージョン低減技術、例えば水分分離技術などと併用することにより、なお一層高い効果が期待できる。
図7に凹凸面を構成する凹凸の断面形状のパターンを示す。
図7(a)の断面形状パターンは、凸部の断面が矩形状に形成されており、凹部の底面も平面に形成されている。図7(b)のは、凸部の断面が台形状に形成されており、液膜12の流れ方向上流側(作動流体の流れ方向上流側)壁面を翼面に対して鉛直な面としている。図7(c)は、図7(b)の変形例であり、凹部の断面形状は勾配を有するように形成されている。図7(d)は、凹凸の断面形状を鋸歯状に形成した例である。
図7(a)から(d)で示した溝形状などの構成にすることにより、滑らかな翼面形状の場合に比べ、遥かに効果的に液界面の不安定性を助長し、微細な液滴を発生させることが可能であると考えられる。
また、図4で示した凹凸パターン21は一例であり、図6の(a)から(f)に他の凹凸パターン例を示す。図6(a)から(f)の各図において、白色部が凸部(翼面22)を表し、黒色部が凹部(溝21)を表す。また、図6(a)から(f)の各図において、上側が翼先端側、下側が翼根元側を表し、左側が翼前縁側、右側が翼後縁側を表す。
図6(a)は、凹部を構成する溝が翼高さ方向に形成された縞状模様の凹凸パターンである。また図6(b)、(c)は、図6(a)の変形例であり、図6(b)は溝が翼前縁側から翼後縁側に向かって翼根元側に傾斜するパターンであり、図6(c)は溝が翼前縁側から翼後縁側に向かって翼先端側に傾斜するパターンである。
図6(d)は、図4(b)に表したパターンであり、溝が格子状に形成され、凸部が略正方形状に形成されているパターンである。図6(e)、(f)は、図6(d)の変形例であり、図6(e)は凸部が平行四辺形状に形成されているパターンであり、図6(f)は凸部が長方形状に形成されているパターンである。
凹凸面部は、液膜の進行方向と直交するような溝で構成すると効果的である。したがって、本実施形態の様に静翼の後縁側かつ半径方向先端側に凹凸面を形成する場合、図1に示した液膜の流れの様子を考慮すると、図6(c)や図6(e)で示すような凹凸パターンが比較的効果的と考えられる。
なお、凹凸面部20は、図6および図7に示した凹凸形状のパターンを適宜組み合わせて形成されるが、凹凸面部20の断面形状パターンや、凹凸パターンは図6、図7に示したものに限定されるものではない。
なお、図4では翼の腹側(圧力面側)に本発明を適用した図を示したが、さらに翼の背側にも適用すると、より一層効果的である。
次に、本発明の第2の実施形態について図8を用いて説明する。本実施形態は、翼面上の位置により、異なる凹凸パターンを適用した点に特徴を有する。
図1に示したように、液膜の流れは翼面上で複雑な挙動をとるが、翼の後縁側に絞って観察すると大まかに見て、半径方向翼根元側は翼の内周から外周側に向かって流れ、半径方向翼先端側は翼の外周から内周側に向かって流れると考えられる。そこで、半径方向翼根元側は例えば図6(b)のように、翼前縁側(蒸気主流上流側)から翼後縁側(蒸気主流下流側)に向かって翼根元方向に傾斜する縞状の凹凸パターンを有し、半径方向翼先端側は例えば図6(c)のように翼前縁側(蒸気主流上流側)から翼後縁側(蒸気主流下流側)に向かって翼先端側に傾斜する縞状の凹凸パターンを有するようにする。これにより、凹凸を液膜の進行方向と直交するような線で構成することが可能となるため、効果的に液膜の不安定化を図れる。図6では2種類の凹凸パターンを用いた例を示したが、もちろん3つ以上の組み合わせで構成しても良い。また、異なる凹凸の断面形状を用いても良い。なお、図8では背側の翼面図を省略しているが、もちろん背側にも凹凸面部20を形成すると、より効果的である。なお、従来技術との併用を考慮し、エロージョン低減のための水分除去を目的とした従来技術の1つである液膜除去用溝5を加えている。本発明は、このような別形態の従来技術との併用も可能であるため、より一層効果的な構成を組むことが可能である。
したがって本実施形態のエロージョン低減構造によれば、粗大液滴の衝突による動翼の侵食作用を効果的に低減することが可能となる。また、本実施形態の実施に必要な溝サイズも小さくかつ、適用範囲を翼の後縁側のみなどの限定した範囲で良いため、翼性能には殆ど影響を与えることがない。しかも、液滴の微細化に際し外部からのエネルギー源を必要としないため、蒸気タービンのプラント効率を低下させることなく、安価に前記目的を達成できる。
1 静翼
2 動翼
3 ロータ軸
4 ダイヤフラム
5 液膜除去用溝
10 気流蒸気
11 液膜の流れ
12 液膜
13 液滴
20 凹凸面部

Claims (9)

  1. 静翼と、該静翼の作動流体流れ方向下流側に設けられた動翼とを備える蒸気タービンにおいて、
    前記静翼の後縁側表面に凹凸パターンを有する凹凸面を形成したことを特徴とする蒸気タービン。
  2. 請求項1記載の蒸気タービンにおいて、
    前記凹凸面は、複数の凹凸パターンを有することを特徴とする蒸気タービン。
  3. 請求項2記載の蒸気タービンにおいて、
    前記凹凸面は、翼後縁部の翼根元側に作動流体流れ方向上流側から下流側に向かって翼根元方向に傾斜する縞状の凹凸パターンを有し、翼後縁部の翼先端側に作動流体流れ方向上流側から下流側に向かって翼先端側に傾斜する縞状の凹凸パターンを有することを特徴とする蒸気タービン。
  4. 請求項1記載の蒸気タービンにおいて、
    前記凹凸面は、縞状の凹凸パターンを有することを特徴とする蒸気タービン。
  5. 請求項1記載の蒸気タービンにおいて、
    前記凹凸面は、格子状の凹凸パターンを有することを特徴とする蒸気タービン。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項記載の蒸気タービンにおいて、
    前記凹凸面は、断面が矩形状の凸部と底面が平らな凹部からなることを特徴とする蒸気タービン。
  7. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の蒸気タービンにおいて、
    前記凹凸面は、断面が鋸歯形状の凹凸からなることを特徴とする蒸気タービン。
  8. 翼面に付着した液滴の不安定性を促進させる構造を翼壁面に有する蒸気タービンの静翼。
  9. 前記構造は、静翼の後縁側表面に形成された凹凸パターンを有する凹凸面であることを特徴とする請求項8に記載の蒸気タービンの静翼。
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