JP2013155075A - 複合酸化物焼結体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】1000℃以上の高温領域においても上記の熱膨張係数のとび現象が現れないシリカとアルミナとを含む複合酸化物焼結体を製造する。
【解決手段】本複合酸化物焼結体の製造方法は、シリカとアルミナとを含む複合酸化物焼結体の製造方法であって、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程S10と、中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程S20と、を含む。
【選択図】図1
【解決手段】本複合酸化物焼結体の製造方法は、シリカとアルミナとを含む複合酸化物焼結体の製造方法であって、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程S10と、中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程S20と、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、複合酸化物焼結体の製造方法に関し、詳しくは半導体結晶体を成長させるための基体に好適に用いられる複合酸化物焼結体の製造方法に関する。
III族窒化物結晶体などの半導体結晶体は、発光デバイス、電子デバイスなどの半導体デバイスの基板および半導体層などに好適に用いられる。かかる半導体結晶体を製造するための基板としては、その基板と半導体結晶体との間で、格子定数および熱膨張係数を一致させる観点から、III族窒化物結晶基板が最も優れている。ところが、III族窒化物結晶基板は非常に高価である。
このため、III族窒化物結晶体などの半導体結晶体を製造するための基板として、一般にサファイア基板が用いられる。しかしながら、III族窒化物結晶体たとえばGaN結晶体とサファイア基板とではそれらの格子定数および熱膨張係数が大きく異なる。
このため、サファイア基板とIII族窒化物結晶体などの半導体結晶体との間の格子定数の不整合を緩和して結晶性が良好な半導体結晶体を成長させるために、たとえば、特開平04−297023号公報(特許文献1)は、サファイア基板にGaN結晶を成長させる際に、サファイア基板上にGaNバッファ層を形成し、そのGaNバッファ層上にGaN結晶層を成長させることを開示する。
また、半導体結晶体(たとえばGaN結晶体)の熱膨張係数に近い熱膨張係数の基板を用いて反りの小さい半導体結晶膜(たとえばGaN結晶膜)を得るために、たとえば、特表2007−523472号公報(特許文献2)は、中央層に対して互いにほぼ同一の熱膨張係数を有する各対の層を1対以上有し、全体的熱膨張係数がGaN結晶体の熱膨張係数とほぼ同一である複合支持基板を開示する。また、特開2003−165798号公報(特許文献3)は、ジルコンセラミックスなどを含む多層基板を開示する。
しかし、上記のようにサファイア基板の熱膨張係数はGaN結晶体の熱膨張係数に比べて非常に大きいため、成長したGaN結晶体は結晶成長後の冷却時に結晶成長方向に凸に大きく反り、結晶成長方向に凸に大きく反ったGaN膜が得られる。ここで、サファイア基板の主面の直径を大きくするほど、そのGaN結晶体の上記冷却時における反りが大きくなる(具体的には、得られるGaN膜の反りは、サファイア基板における主面の直径の2乗にほぼ比例する)。このため、主面の直径が大きくなるほど、反りの小さいGaN膜を得ることは困難である。
また、上記の特表2007−523472号公報(特許文献2)に開示された複合支持基板および特開2003−165798号公報(特許文献3)に開示された多層基板は、その熱膨張係数がGaN結晶体の熱膨張係数に近似しているため、その上に成長させるGaN層の反りを小さくすることができる。しかしながら、かかる複合支持基板および多層基板は、その構造が複雑であるため、その構造の設計が難しく、またその構造の形成が難しいことから、設計および製造のためのコストが非常に高くなり、GaN膜を製造するコストが非常に高くなる。
そこで、上記のようなサファイア基板、複合支持基板または多層基板に替えて、成長させる半導体結晶体と熱膨張係数が同一または近似する、シリカとアルミナとを含む複合酸化物焼結体またはシリカとアルミナとイットリア安定化ジルコニアとを含む複合酸化物焼結体を基体として、その基体上に半導体結晶層が形成された複合基板を用いて、かかる複合基板の半導体結晶層上に半導体結晶体を成長させることにより半導体結晶体を製造する方法が検討されている。
しかしながら、シリカとアルミナとを含む一般的な複合酸化物焼結体またはシリカとアルミナとイットリア安定化ジルコニアとを含む一般的な複合酸化物焼結体においては、1000℃以上の高温領域において温度の上昇とともにその熱膨張係数が急激に変化する現象、具体的には10℃当たり0.5×10-6℃-1以上で変化する現象(この現象を熱膨張係数のとび現象ともいう。以下同じ。)が現れる。このため、シリカとアルミナとを含む一般的な複合酸化物焼結体またはシリカとアルミナとイットリア安定化ジルコニアとを含む一般的な複合酸化物焼結体を基体として含む複合基板を用いて、1000℃以上の高温領域で半導体結晶体を成長させる場合には、複合基板および/または半導体結晶体にクラックが発生するという問題点があった。
本発明は、上記の問題点を解決するため、1000℃以上の高温領域においても上記の熱膨張係数のとび現象が現れないシリカとアルミナとを含む複合酸化物焼結体またはシリカとアルミナとイットリア安定化ジルコニアとを含む複合酸化物焼結体を製造することを目的とする。
本発明は、ある局面に従えば、シリカとアルミナとを含む複合酸化物焼結体の製造方法であって、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程と、中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程と、を含む複合酸化物焼結体の製造方法である。
本発明にかかる複合酸化物焼結体の製造方法において、第1次焼結工程は、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して第1混合粉末を形成するサブ工程と、第1混合粉末を成形するサブ工程と、成形された第1混合粉末を大気圧中1600℃以下で焼結して中間焼結体を形成するサブ工程と、を含むことができる。
本発明は、別の局面に従えば、シリカとアルミナとイットリア安定化ジルコニアとを含む複合酸化物焼結体の製造方法であって、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して仮焼することによりシリカ−アルミナ粉末を形成する仮焼工程と、シリカ−アルミナ粉末とイットリア安定化ジルコニア粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程と、中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程と、を含む複合酸化物焼結体の製造方法である。
本発明にかかる複合酸化物焼結体の製造方法において、第1次焼結工程は、シリカ−アルミナ粉末とイットリア安定化ジルコニア粉末とを混合して第2混合粉末を形成するサブ工程と、第2混合粉末を成形するサブ工程と、成形された第2混合粉末を大気圧中1600℃以下で焼結して中間焼結体を形成するサブ工程と、を含むことができる。また、仮焼工程は、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して第1混合粉末を形成するサブ工程と、第1混合粉末を仮焼してシリカ−アルミナ粉末を形成するサブ工程と、を含むことができる。
本発明によれば、1000℃以上の高温領域においても上記の熱膨張係数のとび現象が現れないシリカとアルミナとを含む複合酸化物焼結体またはシリカとアルミナとイットリア安定化ジルコニアとを含む複合酸化物焼結体を製造することができる。
[実施形態1]
図1を参照して、本発明の一実施形態である複合酸化物焼結体の製造方法は、シリカとアルミナとを含む複合酸化物焼結体の製造方法であって、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程S10と、中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程S20と、を含む。
図1を参照して、本発明の一実施形態である複合酸化物焼結体の製造方法は、シリカとアルミナとを含む複合酸化物焼結体の製造方法であって、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程S10と、中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程S20と、を含む。
(複合酸化物焼結体)
本実施形態の製造方法により得られる複合酸化物焼結体は、シリカとアルミナとを含む複合酸化物焼結体であり、高密度で空隙率が低く、また、熱膨張計(ブルカー・エイエックスエス株式会社製TD5000SA)による熱膨張係数の温度依存性分析において1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象(すなわち、複合酸化物焼結体の熱膨張係数が10℃当たり0.5×10-6℃-1以上で急激に変化する現象)は認められず、複合酸化物焼結体を形成する粒子のFE−SEM(電界放射−走査電子顕微鏡)観察による平均粒径は10μm以下である。すなわち、本実施形態の製造方法においては、複合酸化物焼結体を形成する粒子の平均粒径を小さくすることにより、粒子間の界面の接触面積(粒界面積)が大きくなり、1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象のない複合酸化物焼結体が得られるものと考えられる。
本実施形態の製造方法により得られる複合酸化物焼結体は、シリカとアルミナとを含む複合酸化物焼結体であり、高密度で空隙率が低く、また、熱膨張計(ブルカー・エイエックスエス株式会社製TD5000SA)による熱膨張係数の温度依存性分析において1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象(すなわち、複合酸化物焼結体の熱膨張係数が10℃当たり0.5×10-6℃-1以上で急激に変化する現象)は認められず、複合酸化物焼結体を形成する粒子のFE−SEM(電界放射−走査電子顕微鏡)観察による平均粒径は10μm以下である。すなわち、本実施形態の製造方法においては、複合酸化物焼結体を形成する粒子の平均粒径を小さくすることにより、粒子間の界面の接触面積(粒界面積)が大きくなり、1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象のない複合酸化物焼結体が得られるものと考えられる。
(1次焼結工程)
図1を参照して、本実施形態の複合酸化物焼結体の製造方法は、まず、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程S10を含む。
図1を参照して、本実施形態の複合酸化物焼結体の製造方法は、まず、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程S10を含む。
第1次焼結工程S10においては、シリカ粉末とアルミナ粉末との混合物が大気圧中1600℃以下で焼結されることから、焼結の際に中間焼結体を形成する粒子の成長が抑制されるため粒子の平均粒径を小さくすることができる。
第1次焼結工程S10は、中間焼結体および複合酸化物焼結体を形成する粒子の粒径を小さくすることができるものであれば、特に制限はないが、効率的に中間焼結体を得る観点から、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して第1混合粉末を形成するサブ工程S11と、第1混合粉末を成形するサブ工程S12と、成形された第1混合粉末を大気圧中1600℃以下で焼結して中間焼結体を形成するサブ工程S13と、を含むことが好ましい。
第1混合粉末を形成するサブ工程S11において、原料として用いられるシリカ粉末およびアルミナ粉末は、特に制限はないが、化学組成および粒径の分布が小さい均一なシリカ−アルミナ粉末を得る観点から、純度は99.9質量%以上が好ましく99.99質量%以上がより好ましく、平均粒径は0.1μm以上10μm以下が好ましく0.5μm以上5μm以下がより好ましい。また、シリカ粉末とアルミナ粉末との混合質量比は、特に制限はないが、ムライト以外の物質の生成を抑制する観点から、シリカ粉末:アルミナ粉末が1:2〜2:3が好ましく、3:5〜2:3がより好ましい。また、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合する方法は、特に制限はないが、効率的に混合する観点から、ボールミルによる混合方法などが好ましい。
第1混合粉末を成形するサブ工程S12において、第1混合粉末を成形する方法は、特に制限はないが、効率的に成形する観点から、プレスおよびCIP(冷間等方圧プレス)による成形方法などが好ましい。
中間焼結体を形成するサブ工程S13において、成形された第1混合粉末を焼結する方法は、大気圧中1600℃以下で焼結できる方法であれば特に制限はない。大気圧中1600℃以下で焼結することにより、焼結の際に中間焼結体を形成する粒子の成長を抑制して粒子の平均粒径を小さくすることができる。なお、第1次焼結工程S10(特に、中間焼結体を形成するサブ工程S13)における焼結温度は、焼結を十分に促進させる観点から1400℃以上が好ましく、粒子の平均粒径を小さくする観点から1500℃以下が好ましい。
(第2次焼結工程)
図1を参照して、本実施形態の複合酸化物焼結体の製造方法は、次に、中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程S20を含む。
図1を参照して、本実施形態の複合酸化物焼結体の製造方法は、次に、中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程S20を含む。
第2次焼結工程S20においては、中間焼結体が大気圧より高い気圧中で焼結されることから、焼結の際に中間焼結体に比べて複合酸化物焼結体を形成する粒子間の空隙が低減されるとともに複合酸化物焼結体を形成する粒子の成長が抑制されるため、複合酸化物焼結体の空隙率を低減して密度を高めるとともに複合酸化物焼結体を形成する粒子の平均粒径を小さくすることができる。
第2次焼結工程S20において、中間焼結体を焼結する方法は、大気圧より高い圧力であれば特に制限はないが、効率的に焼結する観点から、HIP(熱間等方圧プレス)による焼結方法、ホットプレスによる焼結方法などが好ましい。なお、第2次焼結工程S20における焼結圧力は、複合酸化物焼結体中の酸素欠損を抑制する観点から大気圧より大きく、装置の簡便性を図る観点から10000気圧以下が好ましい。また、第2次焼結工程S20における焼結温度は、複合酸化物焼結体を高密度化する観点から1600℃以上が好ましく、巨大な粒子の成長を抑制する観点から1700℃以下が好ましい。
[実施形態2]
図2を参照して、本発明の別の実施形態である複合酸化物焼結体の製造方法は、シリカとアルミナとイットリア安定化ジルコニアとを含む複合酸化物焼結体の製造方法であって、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して仮焼することによりシリカ−アルミナ粉末を形成する仮焼工程S100と、シリカ−アルミナ粉末とイットリア安定化ジルコニア粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程S110と、中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程S120と、を含む。
図2を参照して、本発明の別の実施形態である複合酸化物焼結体の製造方法は、シリカとアルミナとイットリア安定化ジルコニアとを含む複合酸化物焼結体の製造方法であって、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して仮焼することによりシリカ−アルミナ粉末を形成する仮焼工程S100と、シリカ−アルミナ粉末とイットリア安定化ジルコニア粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程S110と、中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程S120と、を含む。
(複合酸化物焼結体)
本実施形態の製造方法により得られる複合酸化物焼結体は、シリカとアルミナとイットリア安定化ジルコニアとを含む複合酸化物焼結体であり、高密度で空隙率が低く、また、熱膨張係数の温度依存性分析において1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象(すなわち、複合酸化物焼結体の熱膨張係数が10℃当たり0.5×10-6℃-1以上で急激に変化する現象)は認められず、複合酸化物焼結体を形成する粒子のFE−SEM(電界放射−走査電子顕微鏡)観察による平均粒径は10μm以下である。すなわち、本実施形態の製造方法においては、複合酸化物焼結体を形成する粒子の平均粒径を小さくすることにより、粒子間の界面の接触面積(粒界面積)が大きくなり、1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象のない複合酸化物焼結体が得られるものと考えられる。
本実施形態の製造方法により得られる複合酸化物焼結体は、シリカとアルミナとイットリア安定化ジルコニアとを含む複合酸化物焼結体であり、高密度で空隙率が低く、また、熱膨張係数の温度依存性分析において1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象(すなわち、複合酸化物焼結体の熱膨張係数が10℃当たり0.5×10-6℃-1以上で急激に変化する現象)は認められず、複合酸化物焼結体を形成する粒子のFE−SEM(電界放射−走査電子顕微鏡)観察による平均粒径は10μm以下である。すなわち、本実施形態の製造方法においては、複合酸化物焼結体を形成する粒子の平均粒径を小さくすることにより、粒子間の界面の接触面積(粒界面積)が大きくなり、1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象のない複合酸化物焼結体が得られるものと考えられる。
(仮焼工程)
図2を参照して、本実施形態の複合酸化物焼結体の製造方法は、まず、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して仮焼することによりシリカ−アルミナ粉末を形成する仮焼工程S100を含む。
図2を参照して、本実施形態の複合酸化物焼結体の製造方法は、まず、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して仮焼することによりシリカ−アルミナ粉末を形成する仮焼工程S100を含む。
仮焼工程S100において、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して仮焼することによりシリカ−アルミナ粉末を形成し、シリカ−アルミナ粉末とイットリア安定化ジルコニア粉末とを混合して焼結することにより、形成される複合酸化物焼結体にシリカのクリストバライト相が生成するのを抑制するため、1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象の発生を抑制することができる。なお、複合酸化物焼結体におけるシリカのクリストバライト相の生成の有無は、XRD(X線回折)分析により評価できる。
仮焼工程S100は、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して仮焼することによりシリカ−アルミナ粉末が得られる工程であれば特に制限はないが、効率的にシリカ−アルミナ粉末を得る観点から、シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して第1混合粉末を形成するサブ工程S101と、第1混合粉末を仮焼してシリカ−アルミナ粉末を形成するサブ工程S102と、を含むことが好ましい。
第1混合粉末を形成するサブ工程S101において原料として用いられるシリカ粉末およびアルミナ粉末、混合質量比ならびに混合方法は、実施形態1の複合酸化物焼結体の製造方法における第1混合粉末を形成するサブ工程S11において原料として用いられるシリカ粉末およびアルミナ粉末、混合質量比ならびに混合方法と、それぞれ同様であるため、ここではそれらの説明を繰り返さない。
シリカ−アルミナ粉末を形成するサブ工程S102において、第1混合粉末を仮焼する方法は、特に制限はないが、化学組成および粒径の分布が小さい均一なシリカ−アルミナ粉末を得る観点から、大気雰囲気中あるいは酸素雰囲気中における仮焼法が好ましく、仮焼圧力は0.5気圧以上1.5気圧以下が好ましく、仮焼温度は1000℃以上1400℃未満が好ましい。仮焼圧力が0.5気圧以上であると中間焼結体中および複合酸化物焼結体中の酸素欠損を抑制することができ、仮焼圧力が1.5気圧以下であると仮焼設備を簡便にできる。仮焼温度が1000℃以上であると中間焼結体および複合酸化物焼結体を高密度化でき、仮焼温度が1400℃未満であると仮焼の際に粒子の成長を抑制することができる。
こうして得られるシリカ−アルミナ粉末は、シリカおよびアルミナを含む複合酸化物粉末であり、シリカとアルミナとの組成質量比は、シリカ粉末とアルミナ粉末との混合質量比に対応して変動し、ムライト(化学組成式が3Al2O3・2SiO2〜2Al2O3・SiO2またはAl6O13Si2)粉末などが代表例として挙げられる。
(第1次焼結工程)
図1を参照して、本実施形態の複合酸化物焼結体の製造方法は、次に、シリカ−アルミナ粉末とイットリア安定化ジルコニア粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程S110を含む。
図1を参照して、本実施形態の複合酸化物焼結体の製造方法は、次に、シリカ−アルミナ粉末とイットリア安定化ジルコニア粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程S110を含む。
第1次焼結工程S110においては、シリカ−アルミナ粉末とイットリア安定化ジルコニア粉末との混合物が大気圧中1600℃以下で焼結されることから、焼結の際に中間焼結体を形成する粒子の成長が抑制されるため粒子の平均粒径を小さくすることができる。
第1次焼結工程S110は、中間焼結体および複合酸化物焼結体を形成する粒子の粒径を小さくすることができるものであれば、特に制限はないが、効率的に中間焼結体を得る観点から、シリカ−アルミナ粉末とイットリア安定化ジルコニア粉末とを混合して第2混合粉末を形成するサブ工程S111と、第2混合粉末を成形するサブ工程S112と、成形された第2混合粉末を大気圧中1600℃以下で焼結して中間焼結体を形成するサブ工程S113と、を含むことが好ましい。
第2混合粉末を形成するサブ工程S111において、原料として用いられるシリカアルミナ粉末およびイットリア安定化ジルコニア粉末は、特に制限はないが、化学組成および粒径の分布が小さい均一な第2混合粉末を得る観点から、純度は99.9質量%以上が好ましく99.99質量%以上がより好ましく、平均粒径は0.1μm以上10μm以下が好ましく0.5μm以上5μm以下がより好ましい。ここで、イットリア安定化ジルコニア粉末において、ジルコニアとイットリアとの組成モル比は、ジルコニア:イットリアが、95:5〜80:20が好ましく、92:8〜85:15がより好ましい。
また、シリカ−アルミナ粉末とイットリア安定化ジルコニア粉末との混合質量比は、特に制限はないが、GaNとの熱膨張係数の整合性が高い観点から、シリカ−アルミナ粉末:イットリア安定化ジルコニア粉末が80:20〜60:40が好ましく、75:25〜65:35が好ましい。また、シリカ−アルミナ粉末とイットリア安定化ジルコニア粉末とを混合する方法は、特に制限はないが、効率的に混合する観点から、ボールミルによる混合方法などが好ましい。
第2混合粉末を成形するサブ工程S112において、第2混合粉末を成形する方法は、特に制限はないが、効率的に成形する観点から、プレスおよびCIP(冷間等方圧プレス)による成形方法などが好ましい。
中間焼結体を形成するサブ工程S113において、成形された第2混合粉末を焼結する方法は、大気圧中1600℃以下で焼結できる方法であれば特に制限はない。大気圧中1600℃以下で焼結することにより、焼結の際に中間焼結体を形成する粒子の成長を抑制して粒子の平均粒径を小さくすることができる。なお、第1次焼結工程S110(特に、中間焼結体を形成するサブ工程S113)における焼結温度は、焼結を十分に促進させる観点から1400℃以上が好ましく、第1次焼結の際に巨大な粒子の成長を抑制する観点から1500℃以下が好ましい。
(第2次焼結工程)
図2を参照して、本実施形態の複合酸化物焼結体の製造方法は、次に、中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程S120を含む。
図2を参照して、本実施形態の複合酸化物焼結体の製造方法は、次に、中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程S120を含む。
第2次焼結工程S120においては、中間焼結体が大気圧より高い気圧中で焼結されることから、焼結の際に中間焼結体に比べて複合酸化物焼結体を形成する粒子間の空隙が低減されるとともに複合酸化物焼結体を形成する粒子の成長が抑制されるため、複合酸化物焼結体の空隙率を低減して密度を高めるとともに複合酸化物焼結体を形成する粒子の平均粒径を小さくすることができる。
本実施形態の第2次焼結工程S120における中間焼結体を焼結する方法、焼結圧力および焼結温度は、実施形態1の第2次焼結工程S20における中間焼結体を焼結する方法、焼結圧力および焼結温度とそれぞれ同様であるため、ここではそれらの説明を繰り返さない。
(実施例A)
1.原料の準備
原料として、純度が99.999質量%で平均粒径が0.5μmのシリカ粉末および純度が99.999質量%で平均粒径が0.5μmのアルミナ粉末を準備した。
1.原料の準備
原料として、純度が99.999質量%で平均粒径が0.5μmのシリカ粉末および純度が99.999質量%で平均粒径が0.5μmのアルミナ粉末を準備した。
2.複合酸化物焼結体の製造
準備したシリカ粉末とアルミナ粉末をボールミルにより混合して第1混合粉末を得た。ここで、混合質量比は、シリカ粉末:アルミナ粉末を28.2:71.8とした。次に、第1混合粉末を、十分に乾燥させて、5つに分割した。5つに分割された第1混合粉末を、それぞれ室温(25℃)中5MPaの圧力でプレス成形した後、25℃100MPaでCIP(冷間等方圧プレス)成形した。成形された5つの第1混合粉末を、第1次焼結として、大気圧中、それぞれ、1400℃、1500℃、1600℃、1700℃および1800℃の温度で、10時間焼結して、5つの中間焼結体A1〜A5を得た。
準備したシリカ粉末とアルミナ粉末をボールミルにより混合して第1混合粉末を得た。ここで、混合質量比は、シリカ粉末:アルミナ粉末を28.2:71.8とした。次に、第1混合粉末を、十分に乾燥させて、5つに分割した。5つに分割された第1混合粉末を、それぞれ室温(25℃)中5MPaの圧力でプレス成形した後、25℃100MPaでCIP(冷間等方圧プレス)成形した。成形された5つの第1混合粉末を、第1次焼結として、大気圧中、それぞれ、1400℃、1500℃、1600℃、1700℃および1800℃の温度で、10時間焼結して、5つの中間焼結体A1〜A5を得た。
次に、5つの中間焼結体A1〜A5を、第2次焼結として、2000気圧中1600℃で5時間HIP(熱間等方圧プレス)焼結して、5つの複合酸化物焼結体A1〜A5を得た。ここで、複合酸化物焼結体A1は第1次焼結温度(第1次焼結工程における焼結温度をいう。以下同じ。)が1400℃であり、複合酸化物焼結体A2は第1次焼結温度が1500℃であり、複合酸化物焼結体A3は第1次焼結温度が1600℃であり、複合酸化物焼結体A4は第1次焼結温度が1700℃であり、複合酸化物焼結体A5は第1次焼結温度が1800℃であった。
3.複合酸化物焼結体の評価
得られた5つの複合酸化物焼結体A1〜A5について、それぞれ、熱膨張計(ブルカー・エイエックスエス株式会社製TD5000SA)により熱膨張係数の温度依存性分析を行った。複合酸化物焼結体A1〜A3には、1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象(複合酸化物焼結体の熱膨張係数が10℃当り0.5×10-6℃-1以上に急激に変化する現象)は認められなかった。複合酸化物焼結体A4およびA5には、1100℃付近の高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数が10℃当り0.5×10-6℃-1以上に急激に大きくなるとび現象が認められた。なお、複合酸化物焼結体A5には、光学顕微鏡により観察したところ、数十μm〜数百μm程度の長さのクラックが発生した。
得られた5つの複合酸化物焼結体A1〜A5について、それぞれ、熱膨張計(ブルカー・エイエックスエス株式会社製TD5000SA)により熱膨張係数の温度依存性分析を行った。複合酸化物焼結体A1〜A3には、1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象(複合酸化物焼結体の熱膨張係数が10℃当り0.5×10-6℃-1以上に急激に変化する現象)は認められなかった。複合酸化物焼結体A4およびA5には、1100℃付近の高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数が10℃当り0.5×10-6℃-1以上に急激に大きくなるとび現象が認められた。なお、複合酸化物焼結体A5には、光学顕微鏡により観察したところ、数十μm〜数百μm程度の長さのクラックが発生した。
また、得られた5つの複合酸化物焼結体A1〜A5について、それぞれの表面を研磨した後、FE−SEM(電界放射−走査電子顕微鏡)により観察した。複合酸化物焼結体A1の平均粒径(焼結体を形成する粒子の平均粒径の意味。以下同じ。)は3μmであり、複合酸化物焼結体A2の平均粒径は5μmであり、複合酸化物焼結体A3の平均粒径は10μmであり、複合酸化物焼結体A4の平均粒径は20μmであり、複合酸化物焼結体A5の平均粒径は50μmであった。結果を表1にまとめた。
表1を参照して、シリカとアルミナとを含み、第1次焼結工程における焼結温度が1600℃以下である複合酸化物焼結体A1〜A3は、その複合酸化物焼結体を形成する粒子の平均粒径が10μm以下と小さくなるため、粒子間の界面の接触面積(粒界面積)が大きくなり、1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象がなかったものと考えられる。
(実施例B)
1.原料の準備
原料として、純度が99.999質量%で平均粒径が0.5μmのシリカ粉末、純度が99.999質量%で平均粒径が0.5μmのアルミナ粉末および純度が99.9999質量%で平均粒径が0.5μmのイットリア安定化ジルコニア粉末を準備した。ここで、イットリア安定化ジルコニウム粉末におけるジルコニアとイットリアとの組成モル比は、ジルコニア:イットリアが92:8であった。
1.原料の準備
原料として、純度が99.999質量%で平均粒径が0.5μmのシリカ粉末、純度が99.999質量%で平均粒径が0.5μmのアルミナ粉末および純度が99.9999質量%で平均粒径が0.5μmのイットリア安定化ジルコニア粉末を準備した。ここで、イットリア安定化ジルコニウム粉末におけるジルコニアとイットリアとの組成モル比は、ジルコニア:イットリアが92:8であった。
2.複合酸化物焼結体の製造
準備したシリカ粉末とアルミナ粉末とをボールミルにより混合して第1混合粉末を得た。ここで混合質量比は、シリカ粉末:アルミナ粉末を28.2:71.8とした。次いで、第1混合粉末を、乾燥させた後、大気圧中1300℃で10時間仮焼して、シリカ−アルミナ粉末であるムライト粉末を得た。
準備したシリカ粉末とアルミナ粉末とをボールミルにより混合して第1混合粉末を得た。ここで混合質量比は、シリカ粉末:アルミナ粉末を28.2:71.8とした。次いで、第1混合粉末を、乾燥させた後、大気圧中1300℃で10時間仮焼して、シリカ−アルミナ粉末であるムライト粉末を得た。
次に、ムライト粉末(シリカ−アルミナ粉末)とイットリア安定化ジルコニア粉末をボールミルにより混合して第2混合粉末を得た。ここで混合質量比は、ムライト粉末(シリカ−アルミナ粉末):イットリア安定化ジルコニア粉末を70:30とした。次いで、第2混合粉末を、十分に乾燥させた後、5つに分割した。5つの分割された第2混合粉末を、それぞれ室温(25℃)中5MPaでプレス成形した後、25℃100MPaでCIP(冷間等方圧プレス)成形した。成形された5つの第2混合粉末を、第1次焼結として、大気圧中、それぞれ、1400℃、1500℃、1600℃、1700℃および1800℃の温度で、10時間焼結して、5つの中間焼結体B1〜B5を得た。
次に、5つの中間焼結体B1〜B5を、第2次焼結として、2000気圧中1600℃で5時間HIP(熱間等方圧プレス)焼結して、5つの複合酸化物焼結体B1〜B5を得た。ここで、複合酸化物焼結体B1は第1次焼結温度(第1次焼結工程における焼結温度をいう。以下同じ。)が1400℃であり、複合酸化物焼結体B2は第1次焼結温度が1500℃であり、複合酸化物焼結体B3は第1次焼結温度が1600℃であり、複合酸化物焼結体B4は第1次焼結温度が1700℃であり、複合酸化物焼結体B5は第1次焼結温度が1800℃であった。
3.複合酸化物焼結体の評価
得られた5つの複合酸化物焼結体B1〜B5について、それぞれ、熱膨張計(ブルカー・エイエックスエス株式会社製TD5000SA)により熱膨張係数の温度依存性分析を行った。複合酸化物焼結体B1〜B3には、1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象(複合酸化物焼結体の熱膨張係数が10℃当り0.5×10-6℃-1以上に急激に変化する現象)は認められなかった。複合酸化物焼結体B4およびB5には、1100℃付近の高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数が10℃当り0.5×10-6℃-1以上に急激に大きくなるとび現象が認められた。なお、複合酸化物焼結体B5には、数十μm〜数百μm程度の長さのクラックが発生した。
得られた5つの複合酸化物焼結体B1〜B5について、それぞれ、熱膨張計(ブルカー・エイエックスエス株式会社製TD5000SA)により熱膨張係数の温度依存性分析を行った。複合酸化物焼結体B1〜B3には、1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象(複合酸化物焼結体の熱膨張係数が10℃当り0.5×10-6℃-1以上に急激に変化する現象)は認められなかった。複合酸化物焼結体B4およびB5には、1100℃付近の高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数が10℃当り0.5×10-6℃-1以上に急激に大きくなるとび現象が認められた。なお、複合酸化物焼結体B5には、数十μm〜数百μm程度の長さのクラックが発生した。
また、得られた5つの複合酸化物焼結体A1〜A5について、それぞれの表面を研磨した後、FE−SEM(電界放射−走査電子顕微鏡)により観察した。複合酸化物焼結体B1の平均粒径(焼結体を形成する粒子の平均粒径の意味。以下同じ。)は3μmであり、複合酸化物焼結体B2の平均粒径は5μmであり、複合酸化物焼結体B3の平均粒径は10μmであり、複合酸化物焼結体B4の平均粒径は20μmであり、複合酸化物焼結体B5の平均粒径は50μmであった。結果を表2にまとめた。
表2を参照して、シリカとアルミナとイットリア安定化ジルコニアとを含み、第1次焼結工程における焼結温度が1600℃以下である複合酸化物焼結体は、その複合酸化物焼結体を形成する粒子の平均粒径が10μm以下と小さくなるため、粒子間の界面の接触面積(粒界面積)が大きくなり、1000℃から1400℃までの高温領域で複合酸化物焼結体の熱膨張係数のとび現象がなかったものと考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上述のように、本発明にかかる製造方法により得られる複合酸化物焼結体は、1000℃〜1400℃の高温領域で熱膨張係数のとび現象がないため、1000℃〜1400℃の高温領域での結晶成長を含む半導体結晶体を成長させるための基体として好適に利用できる。具体的には、本発明にかかる製造方法により得られる複合酸化物焼結体を基体として、成長させる半導体結晶体と化学組成が同一または近似する半導体結晶層を上記基体上に直接または中間層を介在させて形成した複合基板を準備し、かかる複合基板の半導体結晶層上に半導体結晶体を成長させることにより、クラックを発生させることなく結晶性の高い半導体結晶体が得られる。
また、本発明にかかる製造方法により得られる複合酸化物焼結体は、上述と同様の観点から、1000℃〜1400℃の高温領域を含む温度領域で使用される各種構造材としても好適に利用できる。
Claims (5)
- シリカとアルミナとを含む複合酸化物焼結体の製造方法であって、
シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程と、
前記中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程と、を含む複合酸化物焼結体の製造方法。 - 前記第1次焼結工程は、前記シリカ粉末と前記アルミナ粉末とを混合して第1混合粉末を形成するサブ工程と、前記第1混合粉末を成形するサブ工程と、成形された前記第1混合粉末を大気圧中1600℃以下で焼結して前記中間焼結体を形成するサブ工程と、を含む請求項1に記載の複合酸化物焼結体の製造方法。
- シリカとアルミナとイットリア安定化ジルコニアとを含む複合酸化物焼結体の製造方法であって、
シリカ粉末とアルミナ粉末とを混合して仮焼することによりシリカ−アルミナ粉末を形成する仮焼工程と、
前記シリカ−アルミナ粉末とイットリア安定化ジルコニア粉末とを混合して大気圧中1600℃以下で焼結することにより中間焼結体を形成する第1次焼結工程と、
前記中間焼結体を大気圧より高い気圧中で焼結することにより複合酸化物焼結体を形成する第2次焼結工程と、を含む複合酸化物焼結体の製造方法。 - 前記第1次焼結工程は、前記シリカ−アルミナ粉末と前記イットリア安定化ジルコニア粉末とを混合して第2混合粉末を形成するサブ工程と、前記第2混合粉末を成形するサブ工程と、成形された前記第2混合粉末を大気圧中1600℃以下で焼結して前記中間焼結体を形成するサブ工程と、を含む請求項3に記載の複合酸化物焼結体の製造方法。
- 前記仮焼工程は、前記シリカ粉末と前記アルミナ粉末とを混合して第1混合粉末を形成するサブ工程と、前記第1混合粉末を仮焼して前記シリカ−アルミナ粉末を形成するサブ工程と、を含む請求項3に記載の複合酸化物焼結体の製造方法。
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WO2015186560A1 (ja) * | 2014-06-06 | 2015-12-10 | 日本碍子株式会社 | ムライト焼結体、その製法及び複合基板 |
-
2012
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US9776924B2 (en) | 2014-06-06 | 2017-10-03 | Ngk Insulators, Ltd. | Mullite sintered body, method for producing the same, and composite substrate |
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