JP2013154430A - コンクリート壁面研掃処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウォータージェット噴射ノズルを備える多関節形ロボットを用いて、均質な状態で、精度良く且つ効率良くコンクリート構造物の下向き壁面に研掃してゆくことのできるコンクリート壁面研掃処理方法を提供する。
【解決手段】多関節形ロボット11のアーム先端部16aが描く最大可動領域の仮想の曲面P1を、ロボット基部15の据付面P0から所定の高さに位置する当該据付面P0と平行な仮想の面P2で切り取ることで得られた、仮想の切取り面P3の外周形状に内接する矩形形状の領域を基準ブロックBとし、この矩形形状の基準ブロックBに基づいてコンクリート構造物の下向き壁面20を複数の矩形形状の単位施工ブロック21に区画割りし、複数の単位施工ブロック21からなる矩形施工ブロック22毎に、コンクリート壁面研掃処理装置10を基盤面23に沿って走行移動させて据付け固定した状態で、コンクリート構造物の下向き壁面20を研掃する。
【選択図】図5

Description

本発明は、コンクリート壁面研掃処理方法に関し、特にコンクリート構造物の下向き壁面を、ウォータージェット噴射ノズルが取り付けられた多関節形ロボットを備えるコンクリート壁面研掃処理装置によって研掃するコンクリート壁面研掃処理方法に関する。
近年、コンクリート構造物の表面に付着した汚れや有害物質等を除去したり、コンクリートの打継ぎの際に既設のコンクリートの表面を目粗ししたり、コンクリート構造物の表面を覆って塗布された防護剤や止水剤等のコーティング剤を新たに塗布し直す際に劣化した塗膜やコンクリートの表層部分を除去したりするために、ウォータージェットによってコンクリート構造物の壁面を研掃する方法が採用されている。
また、ウォータージェットによってコンクリート構造物の壁面やその他の壁面を研掃する作業は、複数の圧力水の噴射孔が設けられたウォータージェットガンや、バキューム機能付きの小型のウォータージェット処理装置を使用して、人力による操作で行われていたが、人力による操作では、効率良く作業を行うことができないことから、ウォータージェット噴射ノズルを備える装置を自動制御して、コンクリート構造物の壁面やその他の壁面の研掃作業を効率良く行えるようにした研掃装置が種々開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特開平9−169000号公報 特開2000−141354号公報 特開2005−254156号公報
一方、例えば、水道水や雨水や排水等を貯留する貯水槽は、コンクリート構造物による大規模空間として地中に形成される場合が多いが、貯留される水の影響でコンクリートが劣化したり止水性が損われたりするのを防止するために、貯水槽の内側のコンクリートの表面を覆って防護剤や止水剤等のコーティング剤が塗布されるのが一般的である。これらのコーティング剤の塗膜もまた、貯水槽の長期間の使用によって劣化することから、維持管理のために、所定期間の経過後に、好ましくは劣化した塗膜を除去した後にコーテイング剤を新たに塗布し直す必要があり、劣化した塗膜を除去する際に、ウォータージェットによる表面処理方法や表面処理装置を採用することが考えられる。
しかしながら、ウォータージェットによって、貯水槽の内側のコンクリートの表面を研掃する場合、例えば貯水槽の底面を構成する上方を向いた上向き壁面に対しては、例えば道路の舗装面を研掃する特許文献2に開示されるような公知の装置を用いて、上向き壁面の上方から効率良く研掃作業を行うことが可能であるが、例えば貯水槽の広大な面積を有する天井面を構成する、コンクリート構造物の下方を向いた下向き壁面に対しては、従来のウォータージェット噴射ノズルを備える処理装置による下方からの作業では、効率良く研掃してゆくことは困難である。
これに対して、近年、例えば産業用のロボットとして、三次元立体形状の外周面に沿わせたアーム先端部の移動を精度良く制御できるようにした、多関節形ロボットが種々開発されている。このような多関節形ロボットを用いることで、例えばアーム先端部に取り付けたウォータージェット噴射ノズルを、コンクリート構造物の下向き壁面に沿って、当該下向き壁面との間に所定の間隔を保持させた状態で所定の移動速度で移動させることにより、コンクリート構造物の下向き壁面を均質に研掃することが可能になると考えられる。
また、多関節形ロボットを用いてウォータージェット噴射ノズルをコンクリート構造物の下向き壁面に沿って移動させながら当該下向き壁面を研掃する場合、1箇所の多関節形ロボットの据付け位置におけるアーム先端部の移動領域は狭い範囲に限られるため、広大な面積を有するコンクリート構造物の下向き壁面に対して研掃を行う際には、多関節形ロボットを複数の据付け位置に据え付け直しながら研掃を行う必要がある。
しかしながら、多関節形ロボットや多関節形ロボットを備える装置の据付け位置が適切でなかったり、研掃されるコンクリート構造物の下向き壁面の区画割りが適切でなかったりすると、同じ箇所を重ねて研掃することになったり、研掃し残した部分が生じたりすることで、特に広大な面積を有するコンクリート構造物の下向き壁面に対しては、均質な状態で、精度良く且つ効率良く研掃してゆくことができなくなる。
本発明は、ウォータージェット噴射ノズルが取り付けられた多関節形ロボットを用いて、特に広大な面積を有するコンクリート構造物の下向き壁面に対しても、均質な状態で、精度良く且つ効率良く研掃してゆくことを可能にするコンクリート壁面研掃処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、コンクリート構造物の下向き壁面を、当該下向き壁面の下方からウォータージェット噴射ノズルが取り付けられた多関節形ロボットを備えるコンクリート壁面研掃処理装置によって研掃するコンクリート壁面研掃処理方法であって、前記コンクリート壁面研掃処理装置は、前記下向き壁面の下方の基盤面に沿って走行移動可能な下部基台と、該下部基台に対して昇降可能に設けられた上部基台と、該上部基台の上面部に沿ってロボット基部が前後方向及び左右方向にスライド移動可能に設置された前記多関節形ロボットとを含んで構成されており、前記ウォータージェット噴射ノズルが取り付けられた前記多関節形ロボットのアーム先端部が描く最大可動領域の仮想の曲面を、前記ロボット基部の据付面から所定の高さに位置する当該据付面と平行な仮想の面で切り取ることで得られた、仮想の切取り面の外周形状に内接する矩形形状の領域を基準ブロックとし、該矩形形状の基準ブロックに基づいて前記コンクリート構造物の下向き壁面を複数の矩形形状の単位施工ブロックに区画割りし、前記ロボット基部の前記上部基台の上面部に沿ったスライド移動によって施工可能な領域に含まれる複数の単位施工ブロックからなる矩形施工ブロック毎に、前記コンクリート壁面研掃処理装置を前記基盤面に沿って走行移動させて据え付け固定した状態で、前記コンクリート構造物の下向き壁面を研掃するコンクリート壁面研掃処理方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明のコンクリート壁面研掃処理方法は、前記多関節形ロボットが、各々の前記単位施工ブロックにおいて、前記ウォータージェット噴射ノズルが取り付けられたアーム先端部を、前記矩形形状の単位施工ブロックの一辺と平行な左右方向に往復移動させると共に、各往復の端部で前後方向に所定のピッチで順次スライド移動させながら、前記コンクリート構造物の下向き壁面を研掃するようになっていることが好ましい。
また、本発明のコンクリート壁面研掃処理方法は、各々の前記矩形施工ブロックに対して施工が可能な位置に前記コンクリート壁面研掃処理装置を走行移動させて前記基盤面に据え付けた後に、前記矩形施工ブロックの対角位置を前記多関節形ロボットに認識させてから、前記矩形施工ブロックを構成する各々の前記単位施工ブロックにおいて、前記コンクリート構造物の下向き壁面を研掃するようになっていることが好ましい。
さらに、本発明のコンクリート壁面研掃処理方法は、前記単位施工ブロック又は前記矩形施工ブロックにおいて、前記ウォータージェット噴射ノズルが取り付けられたアーム先端部を、前記矩形形状の単位施工ブロックの一辺と平行な左右方向に往復移動させると共に、各往復の端部で前後方向に所定のピッチで順次スライド移動させながら前記コンクリート構造物の下向き壁面を研掃して、前後方向の先端側に前記所定のピッチが取れない削り残し部分が生じたら、前後方向の先端側に隣接する次の前記単位施工ブロック又は前記矩形施工ブロックを施工する際に、該削り残し部分を含めた部分を処理領域として、前記コンクリート構造物の下向き壁面を研掃するようになっていることが好ましい。
さらにまた、本発明のコンクリート壁面研掃処理方法は、前記コンクリート壁面研掃処理装置が、前記上部基台に、前記コンクリート構造物の下向き壁面との間の距離を計測する距離センサーを備えており、該距離センサーによって計測された前記多関節形ロボットの前記ロボット基部の据付面と、前記コンクリート構造物の下向き壁面との間の距離が、前記基準ブロックを設定するために、前記多関節形ロボットのアーム先端部が描く最大可動領域の前記仮想の曲面を切り取った、前記仮想の面の前記ロボット基部の据付面からの所定の高さと合致するように、前記上部基台の昇降が制御されることが好ましい。
本発明のコンクリート壁面研掃処理方法によれば、ウォータージェット噴射ノズルが取り付けられた多関節形ロボットを用いて、特に広大な面積を有するコンクリート構造物の下向き壁面に対しても、均質な状態で、精度良く且つ効率良く研掃してゆくことができる。
本発明の好ましい一実施形態に係るコンクリート壁面研掃処理方法の作業工程を説明する略示側面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係るコンクリート壁面研掃処理方法の作業工程を説明する略示側面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係るコンクリート壁面研掃処理方法の作業工程を説明する略示側面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係るコンクリート壁面研掃処理方法の作業工程を説明する略示側面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係るコンクリート壁面研掃処理方法の作業工程を説明する略示側面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係るコンクリート壁面研掃処理方法の作業工程を説明する略示側面図である。 多関節形ロボットのアーム先端部が描く最大可動領域の仮想の曲面及び仮想の切取り面の説明する、(a)は略示側面図、(a)は略示上面図である。 単位施工ブロック及び矩形施工ブロックの説明図である。 ウォータージェット噴射ノズルが取り付けられたアーム先端部を往復移動させながらコンクリート構造物の下向き壁面を研掃する状況の説明図である。 スライド移動機構を説明する、(a)は上部基台の平面図、(b)は上部基台の側面図である。 ウォータージェット噴射ノズルを備えるウォータージェット治具を説明する図1(a)のA部拡大図である。
本発明の好ましい一実施形態に係るコンクリート壁面研掃処理方法は、図1〜図6に示すように、コンクリート構造物として、例えば地中に形成された大規模空間である水道水や雨水や排水等を貯留するための貯水槽において、これの内部の天井面を構成する広大な面積の下向き壁面20に塗布された防護剤や止水剤等のコーティング剤の塗膜が、長期間の貯水槽の使用によって劣化して、新たにコーティング剤を塗布し直す必要が生じた際に、コーティング剤を塗布する作業に先立って、コンクリート構造物の下向き壁面20をウォータージェットによって研掃して、所望の研掃状態で劣化した塗膜を効率良く除去できるようにするための方法として採用されたものである。また、本実施形態のコンクリート壁面研掃処理方法は、多関節形ロボット11を備えるコンクリート壁面研掃処理装置10によって、ウォータージェット噴射ノズル12をコンクリート構造物の下向き壁面20に沿って移動させながら当該下向き壁面20を研掃するようになっていると共に、当該下向き壁面20を所定の形状の複数の単位施工ブロック21に区画割りし(図5参照)、且つ複数の単位施工ブロック21からなる矩形施工ブロック22毎に、コンクリート壁面研掃処理装置10を据え付け直すことで、コンクリート構造物の下向き壁面20を、多関節形ロボット11によって均質に、精度良く且つ効率良く研掃してゆくことを可能にしたものである。
そして、本実施形態のコンクリート壁面研掃処理方法は、図1〜図6に示すように、コンクリート構造物の下向き壁面20を、当該下向き壁面20の下方からウォータージェット噴射ノズル12が取り付けられた多関節形ロボット11を備えるコンクリート壁面研掃処理装置10によって研掃する研掃処理方法である。コンクリート壁面研掃処理装置10は、下向き壁面20の下方の基盤面23に沿って走行移動可能な下部基台13と、この下部基台13に対して昇降可能に設けられた上部基台14と、この上部基台14の上面部に沿ってロボット基部15が前後方向及び左右方向にスライド移動可能に設置された多関節形ロボット11とを含んで構成されている。図7及び図8に示すように、ウォータージェット噴射ノズル12が取り付けられた多関節形ロボット11のアーム先端部16aが描く最大可動領域の仮想の曲面P1を、ロボット基部15の据付面P0から所定の高さに位置する当該据付面P0と平行な仮想の面P2で切り取ることで得られた、仮想の切取り面P3の外周形状に内接する矩形形状の領域を基準ブロックBとし、この矩形形状の基準ブロックBに基づいてコンクリート構造物の下向き壁面20を複数の矩形形状の単位施工ブロック21に区画割りし、ロボット基部15の上部基台14の上面部に沿ったスライド移動によって施工可能な領域に含まれる複数の単位施工ブロック21からなる矩形施工ブロック22毎に、コンクリート壁面研掃処理装置10を基盤面23に沿って走行移動させて据え付け固定した状態で、コンクリート構造物の下向き壁面20を研掃するようになっている。
本実施形態のコンクリート壁面研掃処理方法を実施するためのコンクリート壁面研掃処理装置10は、上述のように、下向き壁面20の下方の基盤面23に沿って走行移動可能な下部基台13と、この下部基台13に対して昇降可能に設けられた上部基台14と、この上部基台14の上面部に沿ってロボット基部15が前後方向及び左右方向にスライド移動可能に設置された、ウォータージェット噴射ノズル12が取り付けられた多関節形ロボット11とを含んで構成されている。
すなわち、コンクリート壁面研掃処理装置10は、図1〜図6に示すように、ウォータージェット噴射ノズル12が取り付けられた多関節形ロボット11を備えており、コンクリート構造物の下向き壁面20を、当該下向き壁面20の下方からウォータージェットによって研掃可能な装置であって、コンクリート構造物の下向き壁面20の下方の基盤面23に沿って走行移動可能な下部基台13と、この下部基台13に対して昇降可能に設けられた上部基台14と、この上部基台14の上面部に沿ってロボット基部15がスライド移動可能に設置された多関節形ロボット11と、下部基台13と上部基台14との間に介在して設けられた昇降機構17と、上部基台14の上面部に設けられたロボット基部15のスライド移動機構18と、多関節形ロボット11のアーム先端部16aに取り付けられた、ウォータージェット噴射ノズル12を備えるウォータージェット治具19と、上部基台14に設けられた、コンクリート構造物の下向き壁面20との間の距離を計測する距離センサー24とを含んで構成されている。
本実施形態では、コンクリート壁面研掃処理装置10の下部基台13は、例えばキャタピラ形式の走行部25と、ターンテーブルを介して走行部25に対して回動可能に設けられた基台部26とからなる、例えばバックフォーに用いるベースマシンと略同様の公知の機構を備えている。下部基台13の基台部26は、好ましくは略矩形平面形状を備えており、基台部26の上には、上部基台14を昇降させるための、例えばパンタグラフ式リフターからなる昇降機構17が設けられている。また、下部基台13の基台部26には、矩形平面形状の対向する一対の辺部から外側に各々張り出し可能な、アウトリガー部27が設けられている。アウトリガー部27が設けられていることにより、コンクリート壁面研掃処理装置10の各据付け位置において、走行部25の外側に位置する基盤面23にアウトリガー部27を支持させることで、コンクリート壁面研掃処理装置10を、より安定した状態で据え付けることが可能になる。
本実施形態では、基台部26の上に設けられた昇降機構17は、X字状に配置した一対のアーム部材28aによる単位昇降アーム28を上下方向に複数連結して形成された、パンタグラフ式リフターとなっている。すなわち、パンタグラフ式リフター17は、一対のアーム部材28aをこれらの中央部で回転可能にピン結合することでX字状に配置してなる単位昇降アーム28を、上下に重ねて複数体(本実施形態では3体)連設すると共に、上下に隣接する単位昇降アーム28の一対のアーム部材28aの上端又は下端の連結端部同士を、各々回転可能に連結することによって構成されている。
また、最下部に配置された単位昇降アーム28の一対のアーム部材28aの下端部は、伸縮可能な下部油圧ジャッキ29aを挟んでこれの両側に取り付けられたスライド支持プレート30に、各々回転可能に連結している。最上部に配置された単位昇降アーム28の一対のアーム部材28aの上端部は、伸縮可能な上部油圧ジャッキ29bを挟んでこれの両側に取り付けられたスライド支持プレート30に、各々回転可能に連結している。さらに、下部油圧ジャッキ29aの両側に取り付けられた一対のスライド支持プレート30や、上部油圧ジャッキ29bの両側に取り付けられた一対のスライド支持プレート30は、一方が、下部基台13の上面部や上部基台14の下面部に固定されていると共に、他方が、下部基台13の上面部や上部基台14の下面部に敷設されたスライドレール31に沿って、下部油圧ジャッキ29aや上部油圧ジャッキ29bの伸縮方向にスライド移動可能に取り付けられている。
これらによって、例えば図1や図2に示す、下部油圧ジャッキ29a及び上部油圧ジャッキ29bを伸長させて、最下部に配置された単位昇降アーム28の一対のアーム部材28aの下端部の間を押し広げると共に、最上部に配置された単位昇降アーム28の一対のアーム部材28aの上端部の間を押し広げることで、パンタグラフ式リフター17を折り畳んで、上部基台14を最下部まで下降させた状態から、例えば図3や図4に示す、下部油圧ジャッキ29a及び上部油圧ジャッキ29bを収縮させると共に、他方のスライド支持プレート30をスライドレール31に沿ってスライド移動させて、最下部に配置された単位昇降アーム28の一対のアーム部材28aの下端部の間を引き縮めると共に、最上部に配置された単位昇降アーム28の一対のアーム部材28aの上端部の間を引き縮めることで、パンタグラフ式リフター17を上方に延ばして、多関節形ロボット11のアーム先端部16aがコンクリート構造物の下向き壁面20に近接するように上部基台14を上昇させた状態まで、下部油圧ジャッキ29a及び上部油圧ジャッキ29bの伸縮量を調整しながら、上部基台14を下部基台13に対してスムーズに且つ安定した状態で昇降させることができるようになっている。
また、本実施形態では、パンタグラフ式リフター17は、図1〜図6の紙面における表裏方向に重なるようにして、下部基台13の基台部26の上に一対設けられている。これらの一対のパンタグラフ式リフター17は、例えば上下に連設された各段の単位昇降アーム28において、一対のアーム部材28aをこれらの中央部で回転可能にピン結合するピン部材を、ロッド状のピンロッドとして、表裏一対の単位昇降アーム28で共用することによって、一体として連結されている。これによって、表裏一対のパンタグラフ式リフター17は、同期した状態で下方に折り畳まれたり上方に延ばされたりすることになる。またこれによって、上部基台14は、これの下面に取り付けられたスライド支持プレート30を介して、略矩形平面形状を備える当該上部基台14の4箇所の角部付近において、最上部に配置された単位昇降アーム28の一対のアーム部材28aの上端部に各々連結されることになるので、表裏一対のパンタグラフ式リフター17によって、安定した状態で昇降可能に支持されることになる。
また、本実施形態では、パンタグラフ式リフター17は、図9(b)に示すように、略矩形平面形状を備える基台部26の他方の対向する一対の辺部26bの各々に沿って配設されることで、図9(a)の紙面の表裏方向に間隔をおいて重なるように配置されて、基台部26の上に一対設けられている。これらの一対のパンタグラフ式リフター17は、例えば上下に連設された各段の単位昇降アーム28を形成する一対のアーム部材28aの各々が、中央部のピン接合部と上端又は下端の連結端部との間の中間部分において、当該一対のパンタグラフ式リフター17に跨って取り付けられた複数本のスパンロッド50を介して連結されていることで、一体として動くことができるようになっている。
これによって、表裏一対のパンタグラフ式リフター17は、同期した状態で下方に折り畳まれたり上方に延ばされたりすることになる。また、上部基台14は、略矩形平面形状を備える当該上部基台14の4箇所の角部付近において、これの下面に取り付けられたスライド支持プレート30を介して、最上部に配置された単位昇降アーム28の一対のアーム部材28aの上端部に各々連結されることになる。これによって、上部基台14は、表裏一対のパンタグラフ式リフター17によって4箇所の角部分で安定した状態で支持されたまま、昇降することが可能になる。
さらに、本実施形態では、パンタグラフ式リフター17を構成する単位昇降アーム28は、上下に隣接する当該単位昇降アーム28のアーム部材28aの、上端又は下端の連結端部の間に、双方の連結端部に各々ピン接合されるギア板32を介在させた状態で連結されている。これによって、さらに安定した状態で、上部基台14をパンタグラフ式リフター17によって昇降させることが可能になる。
パンタグラフ式リフター17によって昇降可能に支持される上部基台14は、図10(a)、(b)に示すように、下部基台13の基台部26と同様に、好ましくは略矩形平面形状を備えている。上部基台14の下面部には、上述のように、パンタグラフ式リフター17の最上部に配置された単位昇降アーム28の一対のアーム部材28aの上端部が連結されるスライド支持プレート30や、スライドレール31が取り付けられている。上部基台14の上面部には、多関節形ロボット11のロボット基部15を前後方向及び左右方向にスライド移動させる、スライド移動機構18が設けれており、このスライド移動機構18を介在させて、多関節形ロボット11が上部基台14の上面部に据え付けられている。
スライド移動機構18は、本実施形態では、上部基台14の上面部に敷設された、一対の下段前後方向案内レール33と、これらの一対の下段前後方向案内レール33に沿って前後方向にスライド移動可能に設けられた、多関節形ロボット11のロボット基部15が左右方向にスライド移動可能に載置される一対の上段左右方向案内レール34とを含んで構成されている。また、スライド移動機構18は、下段前後方向案内レール33に沿って上段左右方向案内レール34を前後方向にスライド移動させる前後方向スライド駆動装置35と、上段左右方向案内レール34に沿って多関節形ロボット11のロボット基部15を左右方向にスライド移動させる左右方向スライド駆動装置36とを備えている。これらによって、多関節形ロボット11のロボット基部15は、上部基台14の上面部に沿って、前後方向及び左右方向にスライド移動可能に設置されることになる。なお、本実施形態では、一対の上段左右方向案内レール34の上面を通る面を、上部基台14の上面部におけるロボット基部15の実際の据付面P0’(図3、図4参照)とすることができる。
また、本実施形態では、上部基台14に、コンクリート構造物の下向き壁面20との間の距離を計測する距離センサー24が設けられている。距離センサー24は、略矩形平面形状の上部基台14の略対角位置に配置されて、一対設けられている。距離センサー24が上部基台14の略対角位置に配置されて一対設けられていることで、上部基台14とコンクリート構造物の下向き壁面20との間の距離を、より精度良く計測することが可能になる。距離センサー24としては、例えば計測対象物からの反射波を検出して、当該計測対象物との間の距離を計測する機能を備えるセンサーとして公知の、各種の距離センサーを用いることができる。例えば、発射部からコンクリート構造物の下向き壁面20に向けて超音波を発射すると共に、下向き壁面20から反射する超音波を受波部で検出することで、下向き壁面20との間の距離を計測することが可能な、公知の各種の超音波式距離センサーを好ましく用いることができる。
上部基台14の上面部にスライド移動可能に設置される多関節形ロボット11は、図7(a)、(b)に示すように、例えば産業用のロボットとして開発された公知のロボットである。多関節形ロボット11は、アーム先端部16aの最大可動領域の内側において、アーム先端部16aを任意の位置に、任意の向きで、且つ任意の速度で移動させことが可能な機能を備えると共に、例えば三次元立体形状の外周面に沿わせたアーム先端部の移動を、精度良く制御可能にする機能を備えている。このような多関節形ロボット11として、例えば6軸多関節ロボットである、中型ハンドリングロボット「FANUC Robot M−710iC」(ファナック株式会社製)を好ましく用いることができる。
多関節形ロボット11は、本実施形態では、ロボット基部15と、多関節アーム部16とからなり、上述のように、ロボット基部15を、上部基台14の上面部に設けられたスライド移動機構18の上段左右方向案内レール34に据え付けることによって、上部基台14の上面部に沿って、前後方向及び左右方向にスライド移動可能に設置される(図10(a)、(b)参照)。これによって、多関節形ロボット11は、上部基台14を上昇させて、これのアーム先端部16aをコンクリート構造物の下向き壁面20に近接して配置した状態で(図3、図4参照)、アーム先端部16aの最大可動領域の内側において、アーム先端部16aを下向き壁面20に沿って所定の移動速度で移動させることができるようになっている。また多関節形ロボット11を上部基台14の上面部に沿って前後方向及び左右方向にスライド移動させることにより、コンクリート壁面研掃処理装置10の各々の据付け位置において、アーム先端部16aの最大可動領域を前後方向及び左右方向に拡大して、後述するコンクリート構造物の下向き壁面20に設定された、複数の単位施工ブロック21からなる矩形施工ブロック22(図8参照)の全域に亘る任意の位置に、ウォータージェット噴射ノズル12が取り付けられたアーム先端部16aを、移動させることができるようになっている。
本実施形態では、ウォータージェット噴射ノズル12は、ウォータージェット治具19を介して多関節形ロボット11の多関節アーム部16のアーム先端部16aに取り付けられている。すなわち、ウォータージェット治具19は、図11に示すように、回転シャフト12aを中心にして回転可能に設けられたウォータージェット噴射ノズル12と、ウォータージェット噴射ノズル12の周囲を囲んで設けられたカバー体38と、これらを支持すると共に、多関節形ロボット11のアーム先端部16aに連結される連結基部39とを含んで構成される。
ウォータージェット噴射ノズル12は、コンクリート面や舗装面の研掃を行う際に使用される公知のノズル部材であり、本実施形態では、ウォータージェット治具19に設けられた、例えばエアモータや電動モータ等の回転駆動装置40により回転する回転シャフト12aの先端から、放射方向に延設して、回転シャフト12aに複数本設けられている。ウォータージェット噴射ノズル12は、回転シャフト12aの回転によって回転しながら、高圧水供給装置(図示せず)から高圧ホース41を介して圧送される例えば100〜250MPa程度に加圧された高圧水を、先端の噴射口からコンクリート構造物の下向き壁面20に向けて噴射することで、下向き壁面20を研掃する。
カバー体38は、本実施形態では、例えばステンレス板によって形成された、正面側が開口面となった扁平な中空の有底円筒形状の外郭体であり、例えば380mm程度の直径を有すると共に、170mm程度の奥行きを備えている。カバー体38の内側には、上述のように、回転シャフト12aに回転可能に支持されて、例えば一対のウォータージェット噴射ノズル12が径方向に延設して設けられている。カバー体38は、連結基部39に一体として取り付けられており、またカバー体38の開口周縁部の外側には、カバー体38の先端から前方に突出させて、周縁ブラシ部材37が全周に亘って取り付けられている。カバー体38の開口周縁部の外側に周縁ブラシ部材37が全周に亘って取り付けられていることにより、ウォータージェットによってコンクリート構造物の下向き壁面20を研掃する際に生じるミストが、カバー体38の外部へ飛散するのを効果的に抑止することが可能になる。カバー体38の底部には、ウォータージェットによって研掃された粉塵やミスト等を吸引するための、吸引ホース(図示せず)が接続している。
連結基部39は、ウォータージェット噴射ノズル12やカバー体38が一体として取り付けられていて、これらを多関節形ロボット11のアーム先端部16aに接続するための支持体となる部分である。連結基部39は、回転ジョイント部39aを備えており、この回転ジョイント部39aを介して、アーム先端部16aに回転制御可能に連結されている。連結基部39には、ウォータージェット噴射ノズル12やカバー体38の他、回転シャフト12aや回転駆動装置40等が取り付けられている。
そして、本実施形態によれば、上述の構成を備えるコンクリート壁面研掃処理装置10を用いて、以下のようにして、コンクリート構造物の下向き壁面20を研掃する。すなわち、本実施形態のコンクリート壁面研掃処理方法では、まず、図7(a)、(b)及び図8に示すように、ウォータージェット噴射ノズル12が取り付けられた多関節形ロボット11のアーム先端部16aが描く最大可動領域の仮想の曲面P1を、ロボット基部15の据付面P0から所定の高さに位置する当該据付面P0と平行な仮想の面P2で切り取ることで得られた、仮想の切取り面P3の外周形状に内接する矩形形状の領域を基準ブロックBとし(図7(a)、(b)参照)、この矩形形状の基準ブロックBに基づいて、コンクリート構造物の下向き壁面20を複数の矩形形状の単位施工ブロック21に区画割りする(図8参照)。
また、多関節形ロボット11のロボット基部15の、上部基台14の上面部に沿ったスライド移動によって施工可能な領域に含まれる複数の単位施工ブロック(本実施形態では、縦横に連設する4箇所の単位施工ブロック)21からなる矩形施工ブロック22毎に(図8参照)、コンクリート壁面研掃処理装置10を基盤面23に沿って走行移動させて据え付け固定した状態で、コンクリート構造物の下向き壁面20を研掃する(図1〜図6参照)。
すなわち、本実施形態では、コンクリート壁面研掃処理装置10の各据付け位置において、図8に示すように、例えば多関節形ロボット11のロボット基部15を、スライド移動機構18を介して上部基台14の上面部に沿って移動させて、上部基台14の右後方のNo.1の位置に配置した状態では、No.1の矩形形状の単位施工ブロック21の下向き壁面20に対して、アーム先端部16aに取り付けたウォータージェット噴射ノズル12によって研掃するように設定することができ、上部基台14の左後方のNo.2の位置に配置した状態では、No.2の矩形形状の単位施工ブロック21の下向き壁面20に対して、アーム先端部16aに取り付けたウォータージェット噴射ノズル12によって研掃するように設定することができる。また同様に、上部基台14の左前方のNo.3の位置に配置した状態では、No.3の矩形形状の単位施工ブロック21の下向き壁面20に対して、アーム先端部16aに取り付けたウォータージェット噴射ノズル12によって研掃するように設定することができ、上部基台14の右前方のNo.4の位置に配置した状態では、No.4の矩形形状の単位施工ブロック21の下向き壁面20に対して、アーム先端部16aに取り付けたウォータージェット噴射ノズル12によって研掃するように設定することができる。
コンクリート構造物の下向き壁面20の各矩形施工ブロック22に対して、コンクリート壁面研掃処理装置10によって研掃作業を行うには、図1及び図2に示すように、各々の矩形施工ブロック22に対して施工が可能な位置として、例えば研掃しようとする矩形施工ブロック22の直下部分に、コンクリート壁面研掃処理装置10を移動させると共に(図1参照)、下部基台13の基台部26からアウトリガー部27を張り出させて、当該直下部分の基盤面23にコンクリート壁面研掃処理装置10を安定した状態で据え付ける(図2参照)。
しかる後に、図3に示すように、基台部26の上に設けられたパンタグラフ式リフターによる昇降機構17を延ばすことによって、多関節形ロボット11のアーム先端部16aが、ウォータージェット治具19の周縁ブラシ部材37をコンクリート構造物の下向き壁面20に接触させた状態で、当該コンクリート構造物の下向き壁面20に近接配置されるまで、上部基台14を上昇させる。
ここで、本実施形態では、上部基台14を上昇させる際に、上部基台14に設けられた距離センサー24によって、上部基台14とコンクリート構造物の下向き壁面20との間の距離を計測して、上部基台14の上面部に敷設された一対の上段左右方向案内レール34の上面による、多関節形ロボット11のロボット基部15の実際の据付面P0’と、下向き壁面20との間の距離を、管理することができるようになっている(図3、図4参照)。そして、上部基台14の昇降は、多関節形ロボット11の多関節アーム部16が効率良く動作できる高さ位置として、例えば距離センサー24によって計測された多関節形ロボット11のロボット基部15の実際の据付面P0’と、コンクリート構造物の下向き壁面20との間の距離が、上述の基準ブロックBを設定するために(図7(a)、(b)参照)、多関節形ロボット11のアーム先端部16が描く最大可動領域の仮想の曲面P1を切り取った、仮想の面P2のロボット基部15の据付面P0からの所定の高さと合致する高さ位置で、自動停止するように制御されるようになっている。
本実施形態では、多関節形ロボット11のアーム先端部16aがコンクリート構造物の下向き壁面20に近接配置されるまで、上部基台14を上昇させたら、施工対象となる矩形施工ブロック22の対角位置をティーチングポイント43a,43b(図9参照)として認識させる、ティーチング操作を行う。ティーチング操作は、例えば操作員が、多関節形ロボット11に付属するリモートコントローラを用いて、下向き壁面20を目視しながら手動によって行うことができる。例えば、上部基台14の上面部において、多関節形ロボット11のロボット基部15を、図8における左前方のNo.3の位置に配置した状態で、矩形施工ブロック22の左前方の角部のティーチングポイント43aを認識させた後に、多関節形ロボット11のロボット基部15を、図8における右後方のNo.1の位置に移動させて、矩形施工ブロック22の右後方の角部のティーチングポイント43bを認識させることによって、ティーチング操作を行うことができる。
このようなティーチング操作によって、多関節形ロボット11に、コンクリート壁面研掃処理装置10の各据付け位置における下向き壁面20の矩形施工ブロック22を、施工領域として覚え込ませることが可能になる。また、多関節形ロボット11に組み込まれた各種のプログラムによって、覚え込まされた矩形施工ブロック22が、複数の単位施工ブロック(本実施形態では4箇所の単位施工ブロック)21に自動的に区画割りされる。さらに、多関節形ロボット11に組み込まれた各種の制御プログラムによって、例えば上部基台14の上面部において図8のNo.1〜No.4の位置にロボット基部15を各々移動させると共に、各移動位置において、各々の単位施工ブロック21に対して、図4に示すように、周縁ブラシ部材37をコンクリート構造物の下向き壁面20に接触させながら、コンクリートウォータージェット噴射ノズル12を下向き壁面20に沿って、当該下向き壁面20との間に所定の間隔を保持させた状態で所定の移動速度で移動させることにより、多関節形ロボット11を自動制御しつつ、矩形施工ブロック22の全体に亘って下向き壁面20を均質に研掃してゆくことが可能になる。
また、本実施形態では、多関節形ロボット11は、各々の単位施工ブロック21において、ウォータージェット噴射ノズル12が取り付けられたアーム先端部16aを、図9に示すように、矩形形状の単位施工ブロック21の一辺と平行な左右方向に往復移動させると共に、各往復の端部で前後方向に例えば30cm程度の所定のピッチpで順次スライド移動させながら、コンクリート構造物の下向き壁面20を研掃するようになっている。
さらに、本実施形態では、単位施工ブロック21又は矩形施工ブロック22において、ウォータージェット噴射ノズル12が取り付けられたアーム先端部16aを、矩形形状の単位施工ブロック21の一辺と平行な左右方向に往復移動させると共に、各往復の端部で前後方向に所定のピッチpで順次スライド移動させながらコンクリート構造物の下向き壁面20を研掃して、前後方向の先端側に所定のピッチpが取れない削り残し部分が生じたら、前後方向の先端側に隣接する次の単位施工ブロック21又は矩形施工ブロック22を施工する際に、該削り残し部分を含めた部分を処理領域としてコンクリート構造物の下向き壁面20を研掃するようになっている。
例えば、単位施工ブロック21においてアーム先端部16aを往復移動させる所定のピッチpが30cmで、単位施工ブロック21の前後方向の幅が100cmの場合、当該単位施工ブロック21の前後方向の先端側に幅10cmの削り残し部分が生じることになるので、この幅10cmの削り残し部分は、前後方向の先端側に隣接する次の単位施工ブロック21を施工する際に、当該削り残し部分を含めてコンクリート構造物の下向き壁面20を研掃するようになっている。矩形施工ブロック22において、当該矩形施工ブロック22の前後方向の先端側に削り残し部分が生じたら、前後方向の先端側に隣接する次の矩形施工ブロック22を施工する際に、当該削り残し部分を含めた矩形領域の対角位置を、ティーチングポイント43a,43bとして認識させて、コンクリート構造物の下向き壁面20を研掃するようになっている。
これらによって、本実施形態によれば、多関節形ロボット11を用いてウォータージェット噴射ノズル12をコンクリート構造物の下向き壁面20に沿って移動させながら、同じ箇所を重ねて研掃することになったり、研掃し残した部分を生じさせたりすることなく、コンクリート構造物の下向き壁面20に対して、均質な状態で、精度良く且つ効率良く研掃してゆくことが可能になる。
上述のようにして、コンクリート壁面研掃処理装置10の各据え付け位置において、各々の矩形施工ブロック22に対するコンクリート構造物の下向き壁面20の研掃作業が終了したら、図6に示すように、パンタグラフ式リフターによる昇降機構17を折り畳んで、上部基台14を最下部まで下降させると共に、基台部26から張り出させたアウトリガー部27を下部基台13に収納する。これによって、コンクリート壁面研掃処理装置10を基盤面23に沿って走行移動させることが可能な状態になるので、好ましくは前後方向の先端側に隣接する次の矩形施工ブロック22の直下部分までコンクリート壁面研掃処理装置10を移動させて、次の矩形施工ブロック22の下向き壁面20を研掃する、上述と同様の工程が繰り返されることになる。
そして、上述の構成を備える本実施形態のコンクリート壁面研掃処理方法によれば、ウォータージェット噴射ノズル12が取り付けられた多関節形ロボット11を用いて、特に広大な面積を有するコンクリート構造物の下向き壁面20に対しても、均質な状態で、精度良く且つ効率良く研掃してゆくことが可能になる。
すなわち、本実施形態のコンクリート壁面研掃処理方法によれば、ウォータージェット噴射ノズル12が取り付けられた多関節形ロボット11のアーム先端部16aが描く最大可動領域の仮想の曲面P1を、ロボット基部15の据付面P0から所定の高さに位置する当該据付面P0と平行な仮想の面P2で切り取ることで得られた、仮想の切取り面P3の外周形状に内接する矩形形状の領域を基準ブロックBとし、この矩形形状の基準ブロックBに基づいてコンクリート構造物の下向き壁面20を複数の矩形形状の単位施工ブロック21に区画割りし、ロボット基部15の上部基台14の上面部に沿ったスライド移動によって施工可能な領域に含まれる複数の単位施工ブロック21からなる矩形施工ブロック22毎に、コンクリート壁面研掃処理装置10を基盤面23に沿って走行移動させて据え付け固定した状態で、コンクリート構造物の下向き壁面20を研掃するようになっている。
したがって、本実施形態によれば、多関節形ロボット11の多関節アーム部16が効率良く動作できるようように区割りされた単位施工ブロック21や矩形施工ブロック毎に、多関節形ロボット11を移動させたり、コンクリート壁面研掃処理装置10を据付け直したりしながら、多関節形ロボット11の機能によって、アーム先端部16aに取り付けたウォータージェット噴射ノズル12を、コンクリート構造物の下向き壁面20に沿って、当該下向き壁面20との間に所定の間隔を保持させた状態で所定の移動速度で移動させることにより、特に広大な面積を有するコンクリート構造物の下向き壁面20に対しても、同じ箇所を重ねて研掃することになったり、研掃し残した部分を生じさせたりすることなく、均質な状態で、精度良く且つ効率良く研掃してゆくことが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、下部基台に対して上部基台を昇降させる昇降機構は、パンタグラフ式リフターである必要は必ずしもなく、昇降装置として知られるその他の種々の昇降機構を採用することができる。また、上部基台の上面に沿ってロボット基部をスライド移動させるスライド移動機構は、下段前後方向案内レールと上段左右方向案内レールとからなるものである必要は必ずしもなく、自動制御が可能なその他の種々のスライド移動機構であっても良い。本発明のコンクリート壁面研掃処理方法は、貯水槽の天井面を構成する広大な面積の下向き壁面に限定されることなく、その他の種々のコンクリート構造物の下向き壁面を研掃処理するための方法として採用することができ、処理対象となる下向き壁面は、広大な面積を有するものでなくても良い。
10 コンクリート壁面研掃処理装置
11 多関節形ロボット
12 ウォータージェット噴射ノズル
13 下部基台
14 上部基台
15 ロボット基部
16 多関節アーム部
16a アーム先端部
17 昇降機構(パンタグラフ式リフター)
18 スライド移動機構
19 ウォータージェット治具
20 コンクリート構造物の下向き壁面
21 単位施工ブロック
22 矩形施工ブロック
23 基盤面
24 距離センサー
25 下部基台の走行部
26 下部基台の基台部
27 アウトリガー部
28 単位昇降アーム
33 下段前後方向案内レール
34 上段左右方向案内レール
37 周縁ブラシ部材
38 カバー体
39 連結基部
43a,43b ティーチングポイント
P0,P0’ アーム先端部が描く最大可動領域の仮想の曲面
P1 アーム先端部が描く最大可動領域の仮想の曲面
P2 据付面と平行な仮想の面
P3 仮想の切取り面
B 基準ブロック
p 所定のピッチ

Claims (5)

  1. コンクリート構造物の下向き壁面を、当該下向き壁面の下方からウォータージェット噴射ノズルが取り付けられた多関節形ロボットを備えるコンクリート壁面研掃処理装置によって研掃するコンクリート壁面研掃処理方法であって、
    前記コンクリート壁面研掃処理装置は、前記下向き壁面の下方の基盤面に沿って走行移動可能な下部基台と、該下部基台に対して昇降可能に設けられた上部基台と、該上部基台の上面部に沿ってロボット基部が前後方向及び左右方向にスライド移動可能に設置された前記多関節形ロボットとを含んで構成されており、
    前記ウォータージェット噴射ノズルが取り付けられた前記多関節形ロボットのアーム先端部が描く最大可動領域の仮想の曲面を、前記ロボット基部の据付面から所定の高さに位置する当該据付面と平行な仮想の面で切り取ることで得られた、仮想の切取り面の外周形状に内接する矩形形状の領域を基準ブロックとし、該矩形形状の基準ブロックに基づいて前記コンクリート構造物の下向き壁面を複数の矩形形状の単位施工ブロックに区画割りし、前記ロボット基部の前記上部基台の上面部に沿ったスライド移動によって施工可能な領域に含まれる複数の単位施工ブロックからなる矩形施工ブロック毎に、前記コンクリート壁面研掃処理装置を前記基盤面に沿って走行移動させて据付け固定した状態で、前記コンクリート構造物の下向き壁面を研掃するコンクリート壁面研掃処理方法。
  2. 前記多関節形ロボットは、各々の前記単位施工ブロックにおいて、前記ウォータージェット噴射ノズルが取り付けられたアーム先端部を、前記矩形形状の単位施工ブロックの一辺と平行な左右方向に往復移動させると共に、各往復の端部で前後方向に所定のピッチで順次スライド移動させながら、前記コンクリート構造物の下向き壁面を研掃する請求項1記載のコンクリート壁面研掃処理方法。
  3. 各々の前記矩形施工ブロックに対して施工が可能な位置に前記コンクリート壁面研掃処理装置を走行移動させて前記基盤面に据え付けた後に、前記矩形施工ブロックの対角位置を前記多関節形ロボットに認識させてから、前記矩形施工ブロックを構成する各々の前記単位施工ブロックにおいて、前記コンクリート構造物の下向き壁面を研掃する請求項1又は2記載のコンクリート壁面研掃処理方法。
  4. 前記単位施工ブロック又は前記矩形施工ブロックにおいて、前記ウォータージェット噴射ノズルが取り付けられたアーム先端部を、前記矩形形状の単位施工ブロックの一辺と平行な左右方向に往復移動させると共に、各往復の端部で前後方向に所定のピッチで順次スライド移動させながら前記コンクリート構造物の下向き壁面を研掃して、前後方向の先端側に前記所定のピッチが取れない削り残し部分が生じたら、前後方向の先端側に隣接する次の前記単位施工ブロック又は前記矩形施工ブロックを施工する際に、該削り残し部分を含めた部分を処理領域として、前記コンクリート構造物の下向き壁面を研掃する請求項2又は3記載のコンクリート壁面研掃処理方法。
  5. 前記コンクリート壁面研掃処理装置は、前記上部基台に、前記コンクリート構造物の下向き壁面との間の距離を計測する距離センサーを備えており、該距離センサーによって計測された前記多関節形ロボットの前記ロボット基部の据付面と、前記コンクリート構造物の下向き壁面との間の距離が、前記基準ブロックを設定するために、前記多関節形ロボットのアーム先端部が描く最大可動領域の前記仮想の曲面を切り取った、前記仮想の面の前記ロボット基部の据付面からの所定の高さと合致するように、前記上部基台の昇降が制御される請求項1〜4のいずれか1項記載のコンクリート壁面研掃処理方法。
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