以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図18を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図である。図2(a)は、複数台のパチンコ機10を島設備に並べて設置した場合のパチンコ機10の正面図であり、図2(b)は、図2(a)に示すIIb方向(パチンコ機10の上面)から見た場合の、島設備に複数台並べて設置されたパチンコ機10の平面図である。また、図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図4はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図3参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14の下部には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図3)で表示される演出のステージを変更する場合に、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出(第3図柄の変動表示(動的表示)を行う変出)やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
前面枠14は、窓部14cの周縁がパチンコ機10の前面側に突出しており、その突出した部分(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14cの周縁には、LED(Light Emitting Diode)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、前面枠14は、パチンコ機10(前面枠14)の下部から上部に向けて前面側への突出量が大きくなるように、窓部14cの周辺が前面側に突出している。そして、突出量の大きいパチンコ機10(前面枠14)の上部における前面枠14の突出部分には、パチンコ機10の正面視右側に赤外線LED(以下「右側赤外線LED」と称す)37Rが設けられ、パチンコ機10の正面視左側に赤外線LED(以下「左側赤外線LED」37Lが設けられている。
また、パチンコ機10(前面枠14)の上部における前面枠14の突出部分には、パチンコ機10の正面視右側において、右側赤外線LED37Rの下方であり、左側赤外線LED37Lと同じ高さの位置に、赤外線を受光する赤外線センサ(以下「右側赤外線センサ」と称す)38Rが設けられている。更に、パチンコ機10(前面枠14)の上部における前面枠14の突出部分には、パチンコ機10の正面視左側において、左側赤外線LED37Lの上方であり、右側赤外線LED37Rと同じ高さの位置に、赤外線を受光する赤外線センサ(以下「左側赤外線センサ」と称す)38Lが設けられている。
つまり、本パチンコ機10では、パチンコ機10(前面枠14)の上部における前面枠14の突出部分において、パチンコ機10の正面視右側には、上側に右側赤外線LED37Rが設けられ、下側に右側赤外線センサ38Rが設けられている一方、パチンコ機10の正面視左側には、上側に左側赤外線センサ38Lが設けられ、下側に左側赤外線LED37Lが設けられており、2つの赤外線LED37R,37Lと2つの赤外線センサ38R,38Lとが対角線状に配設されている。
正面視右側に設けられた右側赤外線LED37Rと右側赤外線センサ37Rとは、パチンコ機10が島設備に設置された場合に、その島設備において右側に設置されたパチンコ機10との間で赤外線通信を行うために用いられるものである。また、正面視左側に設けられた左側赤外線LED37Lと左側赤外線センサ37Lとは、島設備において左側に設置されたパチンコ機10との間で赤外線通信を行うために用いられるものである。この赤外線通信は、複数のパチンコ機10との間で対戦遊技を行うなど、複数のパチンコ機10にまたがった演出を行うために必要なデータを、他のパチンコ機10との間で送受信するために用いられる。
ここで、図2(a)及び(b)を参照して、島設備に設置された2台のパチンコ機10との間で行われる赤外線通信の概要を説明する。各パチンコ機10の正面視右側に設けられた右側赤外線LED37Rは、右側に設置されたパチンコ機10に向けて赤外線が遊技盤13(図3参照)と平行な面内を水平方向に照射されるように配設されている。この右側赤外線LED37Rの搬送波周波数は、38kHzに設定されている。一方、各パチンコ機10では、パチンコ機10の正面視左側において、右側赤外線LED37Rと同じ高さ位置に左側赤外線センサ38Lが設けられ、その左側赤外線センサ38Lは、左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線LED37Rより照射された赤外線を受光可能な向きに配設されている。この左側赤外線センサ38Lは、搬送波周波数が38kHzの赤外線を受光可能に構成されている。
ここで、島設備に設置された各パチンコ機10の間には、通常、紙幣やプリペイドカード、ICカード等の投入によって遊技者への球の貸し出しを制御するカードサンド装置500が設置される。しかしながら、図2(b)に示す通り、右側赤外線LED37Rと、左側赤外線センサ38Lとは、前面枠14がパチンコ機10の前面側に突出した突出部分に設けられているので、カードサンド装置500よりも前面側で、左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線LED37Rから、右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線センサ38Lに向けて、赤外線を照射できる。よって、カードサンド装置500が障害となることなく、左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線LED37Rから、右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線センサ38Lに向けて赤外線を照射できるので、その赤外線を用いることにより、左側のパチンコ機10から右側のパチンコ機10に対して各種データを送信することができる。
また、各パチンコ機10の正面視左側に設けられた左側赤外線LED37Lは、左側に設置されたパチンコ機10に向けて赤外線が遊技盤13(図3参照)と平行な面内を水平方向に照射されるように配設されている。この左側赤外線LED37Lの搬送波周波数は、455kHzに設定されている。一方、各パチンコ機10では、パチンコ機10の正面視右側において、左側赤外線LED37Lと同じ高さ位置に右側赤外線センサ38Rが設けられ、その右側赤外線センサ38Rは、右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線LED37Lより照射された赤外線を受光可能な向きに配設されている。この右側赤外線センサ38Rは、搬送波周波数が455kHzの赤外線を受光可能に構成されている。
ここで、左側赤外線LED37Lと、右側赤外線センサ38Rとは、右側赤外線LED37Rと、左側赤外線センサ38Lと同様に、前面枠14がパチンコ機10の前面側に突出した突出部分に設けられているので、カードサンド装置500よりも前面側で、右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線LED37Lから、左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rに向けて、赤外線を照射できる。よって、カードサンド装置500が障害となることなく、右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線LED37Lから、左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rに向けて赤外線を照射できるので、その赤外線を用いることにより、右側のパチンコ機10から左側のパチンコ機10に対して各種データを送信することができる。
従って、左側のパチンコ機10の正面視右側に設けられた赤外線LED37R及び赤外線センサ38Rと、右側のパチンコ機10の正面視左側に設けられた赤外線LED37L及び赤外線センサ38Lとを用いることによって、左側のパチンコ機10と右側のパチンコ機10とを簡易に連結しつつ、これらのパチンコ機10との間で各種データを送受信する赤外線通信を可能としている。即ち、赤外線LED37R,37Lは、電飾部29〜33や表示ランプ34で用いられる他のLED(可視光LED)と同様に後述の音声ランプ制御装置113(図6参照)により制御することで、容易に赤外線を照射することができる。また、赤外線センサ38R,38Lは、パチンコ機10に接続される他のセンサや各種ボタン(振動センサ(図示せず)や枠ボタン22など)と同様に、音声ランプ制御装置113によって、その入力が容易に処理される。
つまり、パチンコ機10に、赤外線LED37R,37Lと赤外線センサ38R,38Lとを採用することは容易に行うことができる。よって、赤外線LED37R,37Lと、赤外線センサ38R,38Lとを用いることによって、複数のパチンコ機10同士を簡易に連結しつつ、これらのパチンコ機10との間で各種データを送受信する赤外線通信を可能にすることができる。
また、右側赤外線LED37Rと、左側赤外線センサ38Lと、左側赤外線LED37Lと、右側赤外線センサ38Rとは、上述した通り、パチンコ機10の上部に設けられた、前面枠14の突出部分に配設されている。遊技者は、窓部14cを介して視認可能な遊技盤13を特に注視しながら遊技を行っている。よって、パチンコ機10の上部に設けられた前面枠14の突出部分に右側赤外線LED37Rと、左側赤外線センサ38Lと、左側赤外線LED37Lと、右側赤外線センサ38Rとを配設することによって、遊技を妨げることなく、複数のパチンコ機10との間で赤外線通信を可能とすることができる。
ここで、上述した通り、パチンコ機10において、パチンコ機10の正面視右側には、上側に右側赤外線LED37Rが設けられ、下側に右側赤外線センサ38Rが設けられている一方、パチンコ機10の正面視左側には、上側に左側赤外線センサ38Lが設けられ、下側に左側赤外線LED37Lが設けられており、2つの赤外線LED37R,37Lと2つの赤外線センサ38R,38Lとが対角線状に配設されている。よって、この2つの赤外線LED37R,37Lと2つの赤外線センサ38R,38Lとが対角線状に配設されたパチンコ機10を島設備に複数台並べて設置すれば、その島設備に設置された全てのパチンコ機10が、それぞれ、左右隣に設置されたパチンコ機10と連結され、赤外線通信を行うことができる。従って、島設備に設置された全てのパチンコ機10を連結させることができるので、島設備に設置されたパチンコ機10同士で通信を行うことができる。その結果、島設備に設置された任意のパチンコ機10との間で対戦遊技を行うなどの、複数のパチンコ機10にまたがった演出を行うことができる。
また、上述した通り、左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線LED37Rから、右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線センサ38Lに向けて照射される赤外線は、搬送波周波数が38kHzに設定され、右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線LED37Lから、左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rに向けて照射される赤外線は、搬送波周波数が455kHzに設定されている。よって、仮に、右側のパチンコ機10の左側赤外センサ38Lが、左側のパチンコ機10の右側赤外線LED37Rより照射された赤外線を、左側のパチンコ機10の右側赤外線センサ38R方向に反射させたとしても、反射された赤外線の搬送波周波数が38kHzなのに対して、右側赤外線センサ38Rが受信可能な赤外線の搬送波周波数は455kHzであるので、右側赤外線センサ38Rでは、搬送波周波数が38kHzで送信されたデータを復調することはできず、誤受信を抑制することができる。
また、右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Lは、いずれも、パチンコ機10の上側に設けられているので、遊技者の手や、遊技者が島設備の載置棚に置いた物体(ペットボトル等)などによって、赤外線LED37R,37Lより照射された赤外線が遮られることを抑制できる。また、上皿17に設けられた枠ボタン22より離して、右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Lを設けることができるので、遊技者が遊技に熱中するあまり、強く枠ボタン22を操作した場合であっても、その振動が右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Lへ伝わることを抑制できる。よって、振動によって右側赤外線LED37Rと左側赤外線センサ38Lとの光軸がずれ、または、左側赤外線LED37Lと右側赤外線センサ38Rとの光軸がずれることで、赤外線通信がうまく行えない自体が発生することを抑制できる。
また、右側赤外線LED37Rと右側赤外線センサ38Rとが近接して配設され、左側赤外線LED37Lと左側赤外線センサ38Lとが近接して配設されるので、それぞれが離散して配設される場合と比して、前面枠14に設置されるその他の装飾用の樹脂部品や電気部品の配置の自由度を高めることができる。よって、パチンコ機10のデザイン設計を容易にすることができる。
なお、右側赤外線LED37R及び右側赤外線センサ38Rとは、赤外線LEDと赤外線センサとがモジュール化された既存の部品によって構成されてもよい。同様に、左側赤外線LED37L及び左側赤外線センサ38Lも、既存のモジュール化された部品によって構成されてもよい。これらを1つの部品で構成することにより、組み付けを容易にすることができる。
本第1実施形態では、図2(a),(b)に示す通り、右側赤外線LED37R及び右側赤外線センサ38Rの正面視左側に赤外線を吸収する赤外線吸収板39Rを設けている。同様に、左側赤外線LED37L及び左側赤外線センサ38Lの正面視左側には赤外線吸収板39Lを設けている。これにより、例えば、左側のパチンコ機10の左側赤外線LED37Lから右側のパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rに向けて照射された赤外線の一部が、その右側赤外線センサ38Rより正面視左側に進行した場合であっても、その右側赤外線センサ38Rよりも正面視左側にある赤外線吸収板39Rによって、右側赤外線センサ38Rより正面視左側に進行した赤外線を吸収させ、それ以上、正面視左側に赤外線が進行することを抑制できる。
よって、左側のパチンコ機10の左側赤外線LED37Lから右側のパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rに向けて照射された赤外線の一部が、その右側赤外線センサ38Rより正面視左側に進行した場合に、その正面視左側に進行した赤外線の一部が、更に左側のパチンコ機10(図示せず)の右側赤外線センサ38Rに届いて、赤外線通信が不正常に行われてしまうことを抑制できる。従って、島設備に複数のパチンコ機10を並べて設置した場合に、上記の通りに、右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Lを配設したとしても、各パチンコ機10の間で正常に赤外線通信を行うことができる。
なお、本実施形態では、右側赤外線LED37R及び右側赤外線センサ38Rの正面視左側に赤外線吸収板39Rを設けているが、少なくとも右側赤外線センサ38Rの正面視左側に赤外線吸収板39Rが設けてあればよい。同様に、左側赤外線LED37L及び左側赤外線センサ38Lの正面視右側に赤外線吸収板39Lを設けているが、少なくとも左側赤外線センサ38Lの正面視左側に赤外線吸収板39Lが設けてあればよい。
図1に戻り、説明を続ける。右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図3参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
窓部14cの下方であって、貸球操作部40の正面視右側には、同じ島設備に設置されたパチンコ機10との間で対戦遊技を行う場合に各種設定を行うための対戦遊技設定部45が配設されている。対戦遊技設定部45は、対戦開始ボタン45aと、対戦相手右側選択ボタン45bと、対戦相手左側選択ボタン45cと、対戦相手決定ボタン45dと、対戦終了ボタン45eといった各種対戦設定ボタンが設けられている。
対戦開始ボタン45aは、遊技者が対戦遊技を開始したい場合に操作するためのボタンである。対戦開始ボタン45aが操作されると、パチンコ機10は、対戦開始設定状態となり、対戦遊技をしたいパチンコ機10の選択待ち状態となる。
対戦相手右側選択ボタン45b及び対戦相手左側選択ボタン45cは、対戦遊技をしたい相手方のパチンコ機10を選択するためのボタンである。パチンコ機10が対戦開始設定状態にある場合に、対戦相手右側選択ボタン45bが操作されると、その操作が行われる前に対戦遊技相手候補として選択されていたパチンコ機10の1つ右隣のパチンコ機10を、新たな対戦遊技相手候補として選択する。また、パチンコ機10が対戦開始設定状態にある場合に、対戦相手左側選択ボタン45cが操作されると、その操作が行われる前に対戦遊技相手候補として選択されていたパチンコ機10の1つ左隣のパチンコ機10を、新たな対戦遊技相手候補として選択する。対戦開始設定状態にある間、対戦相手右側選択ボタン45bと対戦相手左側選択ボタン45cとを遊技者が操作することで、対戦遊技をしたい相手方のパチンコ機10を特定して選択することができる。
対戦相手決定ボタン45dは、対戦相手右側選択ボタン45bと対戦相手左側選択ボタン45cとを操作して、対戦遊技をしたい相手方のパチンコ機10が選択できた場合に、その選択されたパチンコ機10を対戦遊技の相手方のパチンコ機10として決定するためのボタンである。遊技者により対戦相手決定ボタン45dが操作されると、パチンコ機10は、対戦開始設定状態を終了し、決定した対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して、対戦遊技の開始を要求する対戦開始コマンドを赤外線通信によって送信する。相手方のパチンコ機10は、対戦開始コマンドを受信することにより、その相手方のパチンコ機10にて遊技している遊技者に対し、対戦遊技を許可するか否かを決定させる。そして、相手方のパチンコ機10の遊技者が対戦遊技を許可した場合、対戦中状態となり、対戦遊技が行われる。
対戦終了ボタン45eは、対戦中状態において遊技者が対戦遊技を終了したい場合に操作するためのボタンである。対戦終了ボタン45eが操作されると、パチンコ機10は、対戦遊技を終了すると共に、相手方のパチンコ機10に対して対戦遊技終了を通知する対戦相手終了コマンドを、赤外線通信によって送信する。相手方のパチンコ機10は、この対戦相手終了コマンドを受信することにより、対戦遊技を終了する。
対戦開始ボタン45aと対戦終了ボタン45eとは、また、他のパチンコ機10から対戦遊技の開始を要求する対戦開始コマンドを赤外線通信によって受信した場合、その他のパチンコ機10との間で対戦遊技を許可するか否かを遊技者に選択させるためのボタンとしても機能する。
具体的には、他のパチンコ機10から対戦遊技の開始を要求する対戦開始コマンドを赤外線通信によって受信したときに、対戦開始ボタン45aが操作された場合、自機種の遊技者が、対戦開始コマンドを送信した他のパチンコ機10に対して対戦遊技を許可したものとして、その他のパチンコ機10に対して、対戦許可を示す対戦許可不許可コマンドを赤外線通信によって送信する。これにより、対戦遊技の開始を要求した他のパチンコ機10との間で対戦遊技が行われる。
一方、他のパチンコ機10から対戦遊技の開始を要求する対戦開始コマンドを赤外線通信によって受信したときに、対戦終了ボタン45eが操作された場合、自機種の遊技者が、対戦開始コマンドを送信した他のパチンコ機10に対して対戦遊技を許可しなかったものとして、その他のパチンコ機10に対して、対戦不許可を示す対戦許可不許可コマンドを赤外線通信によって送信する。これにより、対戦遊技は非実行とされる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図3に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口(始動口)64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図3を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図3の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図3の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図3の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器85bとが設けられた第1図柄表示装置85が配設されている。第1図柄表示装置85は、後述する主制御装置110(図6参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED85aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器85bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED85aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、2R確変大当たり、時短大当たりが用意されている。LED85aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「時短大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップして、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態を含む。
一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄(普通図柄)の当たり確率のみがアップして、第1入球口64に付随する電動役物が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間や、第2図柄における1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。例えば、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間が、その他の遊技状態と比して長くなる状態であってもよい。また、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第2図柄における1回の当たりで電動役物の開放する回数が、その他の遊技状態と比して多くなる状態であってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置85における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図6,11参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置85で行われるのに対して、その第1図柄表示装置85の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図5(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図5(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が第3図柄表示装置81にて行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。
図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3がキャラクタや予告演出、対戦遊技中は各種遊技情報などを表示する副表示領域Dsとなっている。また、主表示領域Dmの中央下部には、始動入賞口4に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する保留表示領域Drが設けられている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。実際の表示画面では、図5(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。この主表示領域Dmの中段部が、図5(a)に示す通り、有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に2つの小領域Ds1,Ds2に等区分されている。通常時は、小領域Ds1,Ds2に、各種キャラクタ画像や予告演出画像を表示する。一方、対戦遊技中は、小領域Ds1は、自機の遊技情報(自機を使用する遊技者の情報)を表示する自機情報領域Ds1となり、小領域Ds2は、対戦相手のパチンコ機10の遊技情報(対戦相手の情報)を表示する他機情報領域Ds2となる。
ここで、遊技情報とは、対戦遊技において実行された遊技の総実行量或いは遊技者に付与された遊技価値を示す情報であり、パチンコ機の状態を表す情報となっている。具体的には、本実施形態では、遊技情報として、対戦遊技でパチンコ機10が遊技者に払い出した総賞球数、1の遊技者が対戦遊技で使用した総打球数、遊技者が対戦遊技で得た有価価値を示す差球数(総打球数と総賞球数との差分)、対戦遊技の実行中に発生した変動表示の総回数、対戦遊技の実行中に発生した大当たりの総回数を示している。図5(b)に示す通り、自機情報領域Ds1には、かかる遊技情報の内、自機における差球数と変動表示の総回数と大当たりの総回数とが、自分の遊技情報として、上から順に上記した順で表示されている。また、他機情報領域Ds2には、かかる遊技情報の内、対戦相手のパチンコ機10おける差球数と変動表示の総回数と大当たりの総回数とが、対戦相手の遊技情報として、上から順に上記した順で表示されている。
遊技者には、第3図柄の変動表示により導出される表示結果に基づいて、所定の遊技価値が付与される。つまり、遊技者は、主表示領域Dmの表示結果により、その興趣が高められるので、この主表示領域Dmを注視していることが多い。逆にいえば、主表示領域Dmから大きく目を離すことが困難である。本実施形態では、自機情報領域Ds1と他機情報領域Ds2とは、変動表示が実行される主表示領域Dmの近傍に設けられているので、遊技者は、主表示領域Dmの変動表示に着目しつつ、自機情報領域Ds1と他機情報領域Ds2とに並べて表示される自分の遊技情報と対戦相手の遊技情報とから対戦状況を知ることができる。よって、対戦遊技を楽しむことができる。
尚、対戦遊技の開始時に対戦開始ボタン45aが操作され、パチンコ機10が対戦開始設定状態となると、副表示領域Dsには、対戦遊技をしたいパチンコ機10を遊技者に選択させる画面が表示される。また、他のパチンコ機10から対戦遊技の開始を要求する対戦開始コマンドを受信した場合、副表示領域Dsには、その他のパチンコ機10との間で対戦遊技を許可するか否かを遊技者に選択させる画面が表示される。
第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置85)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置85により示されると共に、保留表示領域Drにも示される。保留表示領域Drには、保留球数1球につき1つの保留球数図柄(図5(b)の●図柄)が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、保留表示領域Drに1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、保留表示領域Drに保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留表示領域Drにおける保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置85により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80、遊技盤13、又は、前面枠12等に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図3に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置85により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置85又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置85により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口(始動入賞口)64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して、主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、また、第1図柄表示装置85や第3図柄表示装置81における変動表示が開始(始動)される。そして、所定の変動時間経過後に、変動表示が停止され、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置85のLED85aで示されると共に、その抽選結果に応じた第3図柄が第3図柄表示装置81の有効ラインL1上に停止表示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置85のLED85aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置85において大当たりに対応したLED85aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図4に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201は、8ビットマイコンで構成され、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置85および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。ROM202は、これらの処理を制御するために用いられる固定値データとして、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、大当たり用変動パターンテーブル202c及び外れ用変動パターンテーブル202dが少なくとも格納されている。また、RAM203には、パチンコ機10の主要な処理(大当たり抽選や第1図柄表示装置85および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選等)を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図7及び図8を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる各種カウンタと、ROM202内に格納された各種テーブル202a〜202dについて説明する。まず、図7は、各種カウンタの概要を示す図である。
大当たり抽選や第1図柄表示装置85および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図12参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔、又は、メイン処理(図18参照)において4ミリ秒間隔で更新される。更に、一部のカウンタは、メイン処理(図18参照)の中でも不定期に更新される。各カウンタの更新値は、RAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203bに適宜格納される。カウンタ用バッファ203bは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファ203bに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア203cが設けられている。保留エリアは、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファ203bから読み出された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を一時的に格納(保留)するためのエリアである。また、実行エリアは、変動の開始タイミングで大当たり抽選や変動演出の変動パターン及び停止種別の決定を行うために用いる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3を格納するためのエリアである。
MPU201は、第1入球口64への入球(始動入賞)を検出すると、そのときのカウンタ用バッファ203bの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、保留第1〜第4エリアの1つのエリアに格納する。このとき、保留エリアに保留が全くなく、保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、保留第1エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が1つのみで、保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が2つで、保留第1〜第2エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が3つで、保留第1〜第3エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。これにより、始動入賞の順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファ203bから取得した各カウンタの値を、保留第1エリア、保留第2エリア、保留第3エリア、保留第4エリアに格納することができる。尚、保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、本実施形態では、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
また、MPU201は、変動演出の開始タイミングになると、保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を実行エリアに移し、その実行エリアに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。
また、保留第1エリアの各カウンタの値が実行エリアに移された後、保留第2エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第1エリアにシフトされ、保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第2エリアにシフトされ、保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第3エリアにシフトされる。これにより、保留球格納エリア203cに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、1つ分だけ保留が減り、保留エリアの1エリアが開放される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、上述した通り、大当たりの抽選に使用するためのカウンタであり、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。第1当たり乱数カウンタC1の更新は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算し、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻すことによって行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値を新たな初期値として、当該第1当たり乱数カウンタC1に設定し、その初期値から更新を行う。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の初期値に使用されるもので、その第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタで構成される。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図12参照)の実行毎に1回更新されるだけでなく、メイン処理(図18参照)の残余時間内でも繰り返し更新される。
カウンタ用バッファ203bに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値は、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203cに格納される。そして、変動開始時に、その保留球格納エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値。当たり値ともいう)か否かを判定して、大当たり抽選を行う。大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202a(図示せず)によって設定されており、保留球格納エリア203c(正確には、保留球格納エリア203cの実行エリア)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たり乱数値と一致する場合に大当たりと判定する。
ここで、図8(a)を参照して大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図8(a)は、大当たり乱数テーブル202aを模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)を示したものである。この大当たり乱数テーブル202aは、遊技状態が低確率状態(即ち、確変中ではない期間)に参照される大当たり乱数値と、遊技状態が高確率状態(即ち、確変中)に参照される大当たり乱数値とに分かれて構成されており、それぞれに含まれる大当たり乱数値の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態において、第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。また、低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は3個で、その値「7,307,582」が、「低確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。一方、高確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は30個で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「高確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
MPU201は、大当たりの判定を行う場合に、その時の遊技状態に合った大当たり乱数値を大当たり乱数テーブル203aから読み出す。そして、MPU201は、大当たりの判定に用いる第1当たり乱数カウンタC1(保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1)の値が、大当たり乱数テーブル203aから読み出した大当たり乱数値の一つと一致するか否かを判定し、一致する場合に大当たりと判定する。
つまり、遊技状態が低確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,307,582」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。第1当たり乱数カウンタC1は0〜899の範囲で更新されるので、低確率状態の場合の大当たり確率は、1/300となる。また、遊技状態が高確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。従って、高確率状態の場合の大当たり確率は、1/30となる。
尚、本実施形態では、低確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値と、高確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。ここで、大当たり乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなる恐れがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図7に戻り、RAM203に設けられた各種カウンタの説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1当たり乱数カウンタC1と共に、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。
ここで、図8(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図8(b)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図8(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行すると共に、100変動回数の間は時短状態となる「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する「2R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図8(a)の例では、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「40〜79」が対応付けられ、2R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で15R確変大当たりが選択され、40%の確率で15R通常大当たりが選択され、20%の確率で2R確変大当たりが選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
図7に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、外れとなった場合の停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)を決定するものであり、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択される。本実施形態において選択される停止種別としては、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンがある。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。ここで、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における停止種別は、外れ時のものとなる。この場合、その外れ時の停止種別は、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて決定される。
本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99、「前後外れ以外リーチ」が90〜97と、「前後外れリーチ」及び「前後外れ以外リーチ」に対応した乱数値の範囲が狭く、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンの決定に用いるためのループカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図12参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図18参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
MPU201は、変動開始時に、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1と、ROM202に格納された変動パターンテーブルとを参照し、変動種別カウンタCS1変動演出で実行すべき変動パターンを決定する。ここで決定される変動パターンは、図柄変動の変動時間である。
即ち、主制御装置110では、変動パターンとして図柄変動の変動時間のみを決定する。一方、具体的な変動態様は、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114によって設定される。即ち、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114が、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、その変動時間で変動表示が可能な変動態様の中から、第3図柄表示装置81で表示させる第3図柄の変動態様の詳細を決定する。そして、決定した変動態様に従って、表示制御装置114は第3図柄表示装置81に第3図柄を変動表示させ、また、音声ランプ制御装置113は、その変動表示に合わせて音声出力装置226から音声を出力させると共に、ランプ表示装置227(電飾部29〜33)のランプを点灯・点滅表示させる。
このように、主制御装置110では、変動パターンを決定する処理として、変動時間のみを決定し、その変動時間に応じた変動態様の詳細については、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて決定する。主制御装置110のMPU201は8ビットマイコンで構成されており、複雑な処理を行うことはできないが、変動パターンを決定する場合に主制御装置110では変動時間のみを決定するように構成することで、主制御装置110にて変動態様の詳細まで決定する場合と比して、主制御装置110の変動パターンの決定処理を簡単に行うことができる。また、主制御装置110にて変動態様の詳細を決定した場合、その決定した変動態様の詳細情報を音声ランプ制御装置113等に通知しなければならず、その通知に必要となるコマンドを例えば3バイト以上で構成しなければならなくなる恐れが生じ、コマンドの送信や受信が複雑となるおそれがある。これに対し、本実施形態では、主制御装置110で変動時間のみを決定するように構成されているので、音声ランプ制御装置113等に対して、その決定した変動時間に関する情報のみを通知すればよく、その通知に係るコマンドの構成を簡易にすることができる。よって、コマンドの送受信が複雑になることを抑制できる。また、主制御装置110において図柄変動の変動時間のみを決定しても、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114によって、多くの変動態様の中から指定された変動時間に応じた変動態様を決定し、その決定された変動態様で第3図柄表示装置81にて変動表示を行うように構成されているので、多彩な変動演出を遊技者に付与することができ、遊技者の興趣向上を図ることができる。
さて、本実施形態では、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動パターンテーブルとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202cと、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202dとが用意されている。また、外れ用変動パターンテーブル202dとして、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態であるか、もしくは、時短状態を除く通常時の低確率状態かに応じて、外れ(確変)用変動パターンテーブル202d2および外れ(通常)用変動パターンテーブル202d1が用意されている。
ここで、図8(c)〜(e)を参照して、各種変動パターンの詳細について説明する。まず、図8(c)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202cの一例を模式的に示した図である。図8(c)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202cは、大当たり種別に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、大当たり種別が15R確変大当たり又は15R通常大当たりである場合に参照される15R大当たり共通と、2R確変大当たりである場合に参照される2R確変大当たり専用とに区分けされている。そして、区分けされた各グループに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
変動開始時において、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値であった場合に、その実行エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動テーブル202cから決定される。
15R大当たり共通には、変動パターンとして、変動時間が30秒の変動Aと、変動時間が60秒の変動Bと、変動時間が90秒の変動Cとがある。これら変動A〜Cと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動Aが0〜10、変動Bが11〜99、変動Cが100〜198となっている。
変動パターンとして変動A(30秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、ノーマルリーチの態様で変動演出が行われる。変動パターンとして変動B(60秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、スーパーリーチの態様で変動演出が行われる。また、変動パターンとして変動C(90秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、スペシャルリーチの態様で変動演出が行われる。
ノールリーチは、変動時間が短いリーチであり、その短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンである。スーパーリーチは、ノーマルリーチより長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)変動パターンである。また、スペシャルリーチは、スーパーリーチより更に長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、スーパーリーチ後に更に発展するリーチやノーマルリーチからの発展先がスーパーリーチとは異なる特殊なリーチなど)変動パターンである。15R大当たり共通のテーブルは、それが選択されるのが15R確変大当たり又は15R通常大当たりの場合であるので、遊技者に期待感を持たせるために、スペシャルリーチ各種が選択され易くなっている。ただし、ノーマルリーチおよびスーパーリーチも選択されるように構成することで、どのリーチからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できるようになっている。
なお、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により実行されるノーマルリーチ、スーパーリーチ及びスペシャルリーチは、同じ変動時間であっても演出内容が異なるものが多数用意されている。例えば、何らキャラクタが表示されない通常のリーチに加え、有効ラインL1上の2つの図柄が同一図柄となってリーチ状態となったときやその他のタイミングで、所定のキャラクタが表示されるリーチが用意されている。また、この場合に表示されるキャラクタも様々なものが用意されている。更に、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、変動開始前の予告演出が付加されるリーチ、再変動で大当たりとなる演出が付加されるリーチなど、演出内容が異なる複数のリーチが用意されている。これにより、多彩な変動演出を実行でき、遊技者の興趣を高めることができる。
2R確変大当たり専用で選択される変動パターンは、変動時間が59秒の2R変動のみで、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは0〜198となっている。即ち、大当たり種別が2R確変大当たりである場合は、変動種別カウンタCS1の値に関係なく、2R変動(59秒)が変動パターンとして決定される。
変動パターンとして、2R変動(59秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、複数用意された2R確変大当たり専用の変動態様の中から1の態様が選択され、その選択された態様で変動演出が行われる。2R確変大当たり専用の変動態様としては、例えば、「ニワトリ」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様や、通常では出現しない「女の子」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様などが含まれる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、変動時間を±数秒程度で微調整するための他の変動種別カウンタを設けてもよいし、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かを、他の変動種別カウンタにより決定するようにしてもよい。
図8(d)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1の一例を模式的に示した図である。図8(d)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1は、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。変動開始時に、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態を除く通常時の低確率状態にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターンから決定される。
完全外れ専用には、変動パターンとして、7秒と短時間で変動が終了してリーチも成立しない変動Dと、10秒と変動Dより長い変動時間となるがリーチが成立しない変動Eとがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜98、変動E(10秒)が99〜198となっている。また、リーチ共通には、変動パターンとして、上述した変動A(30秒)、変動B(60秒)および変動C(90秒)があり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が0〜98、変動B(60秒)が99〜190、変動C(90秒)が191〜198となっている。
図8(e)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。図8(e)に示すように、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用と、外れ時の停止種別として前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通とに区分けされている。そして、区分けされた各グループ毎に、それぞれのグループで選択される変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応づけられている。なお、完全外れ専用が参照される場合には、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、変動D(7秒)および変動E(10秒)が変動パターンとして選択される。また、リーチ共通が参照される場合に選択される変動パターンも、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、変動A(30秒)、変動B(60秒)及び変動C(90秒)がある。
実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとならない値、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2から決定される。
この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2において、完全外れ専用における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜190、変動E(10秒)が191〜198となっている。また、リーチ共通における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が0〜98、変動Bが99〜190、外れスペシャルリーチ各種が191〜198となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときに参照されるテーブルであるので、第1入球口64に球が入球し易い状態となる。よって、時短状態または高確率状態にあるときに変動時間の比較的長い変動Eが多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまって、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、完全外れの場合において、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、遊技状態が時短状態を除く通常状態にあるときよりも、変動Eより変動時間の短い変動Dが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ時においてリーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2とに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2を参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した通常用または確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
さらに、図8(d)及び図8(e)に示す各外れ用の変動パターンテーブルで、変動D及び変動Eを単に「外れ変動」とし、その「外れ変動」が選択された場合に、他のテーブルを参照して、変動Dと変動Eとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
再び、図7に戻って各種カウンタの説明を行う。第2当たり乱数カウンタC4は、上述した通り、第2図柄表示装置83の抽選に用いられるもので、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図12参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が所定時間だけ開放される。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図19参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図15参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
以上の通り、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置85および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図6に戻り、説明を続ける。RAM203は、図7に図示した各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203b及び保留球格納エリア203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図18参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図17参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図16参照)が即座に実行される。
RAM203は、更に、保留球数カウンタ203aと、を少なくとも有している。保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置85で行われる変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203aは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図15のS1403参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づく変動表示が実行される毎に、1減算される(図13のS1205参照)。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図15のS1406参照)。保留球数コマンドは、第1入球口64へ入球されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数カウンタ203aが1加算される毎に主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置85、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図16参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定、赤外線LED37R,37L及び赤外線センサ38R,38Lを用いた赤外線通信、及び、他のパチンコ機10との対戦遊技などを制御するものである。
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、打球カウントスイッチ23、賞球カウントスイッチ24、対戦遊技設定部45に設けられた各種対戦設定ボタン45a〜45eなどがそれぞれ接続されている。また、入出力ポート225には、右側赤外線送信回路228Rを介して右側赤外線LED37Rが接続され、右側赤外線受信回路229Rを介して右側赤外線センサ38Rが接続され、左側赤外線送信回路228Lを介して左側赤外線LED37Lが接続され、左側赤外線受信回路229Lを介して左側赤外線センサ38Lが接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更するように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
また、音声ランプ制御装置113は、各種対戦設定ボタン45a〜45eからの入力を監視し、遊技者によって各種対戦設定ボタン45a〜45eが操作された場合は、上述した通り、対戦遊技の相手方のパチンコ機10と赤外線通信を行いながら対戦遊技の設定を行って、対戦遊技を開始し、また、対戦遊技を終了させる。
打球カウントスイッチ23は、球発射ユニット112aにより球が発射されるとオンされるスイッチであり、発射経路上に設けられたセンサ(図示せず)により球を検知するように構成されたものである。この打球カウントスイッチ23は、球の検出をスイッチのオンとして音声ランプ制御装置113に信号入力する。この打球カウントスイッチ23は、遊技盤13に向けて発射された球を、1ずつ検出するので、この打球カウントスイッチ23からのオン信号の数をカウントすることで、遊技に使用された総打球数がカウントできる。
賞球カウントスイッチ24は、払出モータ216により賞球が払い出されるとオンされるスイッチであり、賞球の払出経路上に設けられたセンサ(図示せず)により球を検知するように構成されたものである。この賞球カウントスイッチ24は、賞球の検出をスイッチのオンとして音声ランプ制御装置113に信号入力する。この賞球カウントスイッチ24は、払い出された賞球を1ずつ検出するので、この賞球カウントスイッチ24からのオン信号の数をカウントすることで、遊技者の得た総賞球数がカウントできる。
右側赤外線送信回路228Rは、右側赤外線LED37Rを駆動させながら、自機の右隣に設置されたパチンコ機10の左側赤外線センサ38L(図2参照)に対して各種データ(コマンド)を赤外線で送信するための回路である。MPU221は、自機の右隣に設置されたパチンコ機10に対してデータを送信する場合に、その送信データを右側赤外線送信回路228Rに設定する。右側赤外線送信回路228Rは、38kHzの搬送波周波数でデータを送信するようにMPU221によって設定されたデータを変調し、右側赤外線LED37Rを駆動して、その変調したデータを含む赤外線を右側赤外線LED37Rから照射させる。
右側赤外線受信回路229Rは、右側赤外線センサ38Rにて受信した、自機の右隣に設置されたパチンコ機10の左側赤外線LED37L(図2参照)から照射された赤外線より、その赤外線に含まれるデータを復調し、復調したデータをMPU221へ送信する。上述した通り、自機の右隣に設置されたパチンコ機10の左側赤外線LED37Lは、455kHzの搬送波周波数で赤外線にデータを含めている。右側赤外線受信回路229Rは、455kHzの搬送波周波数を用いて赤外線に含まれるデータを復調する。
左側赤外線送信回路228Lは、左側赤外線LED37Lを駆動させながら、自機の左隣に設置されたパチンコ機10の右側赤外線センサ38R(図2参照)に対して各種データ(コマンド)を赤外線で送信するための回路である。MPU221は、自機の左隣に設置されたパチンコ機10に対してデータを送信する場合に、その送信データを左側赤外線送信回路228Lに設定する。左側赤外線送信回路228Lは、455kHzの搬送波周波数でデータを送信するようにMPU221によって設定されたデータを変調し、左側赤外線LED37Lを駆動して、その変調したデータを含む赤外線を左側赤外線LED37Lから照射させる。
左側赤外線受信回路229Lは、左側赤外線センサ38Lにて受信した、自機の左隣に設置されたパチンコ機10の右側赤外線LED37R(図2参照)から照射された赤外線より、その赤外線に含まれるデータを復調し、復調したデータをMPU221へ送信する。上述した通り、自機の左隣に設置されたパチンコ機10の右側赤外線LED37Rは、38kHzの搬送波周波数で赤外線にデータを含めている。左側赤外線受信回路229Lは、38kHzの搬送波周波数を用いて赤外線に含まれるデータを復調する。
次いで、図9を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられたRAM223の構成について説明する。図9は、RAM223は、保留球数カウンタ223a、詳細変動パターン決定カウンタ223b、対戦開始設定フラグ223c、対戦相手待ちフラグ223d、対戦相手許可フラグ223e、対戦相手不許可フラグ223f、対戦中フラグ2223g、対戦開始要求フラグ223h、要求回答待ちフラグ223i、対戦相手終了フラグ223j、打球カウンタ223k、賞球カウンタ223l、変動回数カウンタ223m、大当たり回数カウンタ223n、対戦相手識別番号メモリ223oを少なくとも有している。
保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置85(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数をカウントし、保留球数カウンタ223aにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への入球によって変動演出の保留球数が追加され、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を保留球数カウンタ223aに格納する(図21のS2007参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動表示の態様を設定すると、保留球数カウンタ223aの値を1減算する(図22のS2107参照)。このように、主制御装置110より送信されるコマンドに従って、保留球数カウンタ223aの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、その値を更新することができる。
保留球数カウンタ223aの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数を保留球数カウンタ223aに格納したり、変動パターンコマンドの受信に応じて保留球数カウンタ223aの値を更新したりするタイミングで、格納後もしくは更新後の保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の保留表示領域Drに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留カウンタ403aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の保留カウンタ403aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
詳細変動パターン決定カウンタ223bは、主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知された変動パターンに基づき、これから開始する変動演出の変動態様(詳細な変動パターン)を決定するためのカウンタである。
本実施形態では、主制御装置110から変動パターンコマンドによって変動A(変動時間30秒)が指示された場合に決定される詳細な変動パターンとして、30秒の変動時間の間に何らキャラクタが表示されない通常のノーマルリーチに加え、所定のキャラクタが変動中に表示されるノーマルリーチが複数用意されている。また、変動B(変動時間60秒)が指示された場合に決定される詳細なパターンとして、60秒の変動時間の間に所定のキャラクタが表示されたり、背面画像が速く変化して表示されたり等する複数のスーパーリーチが用意されている。変動C(変動時間90秒)が指示された場合に決定される詳細なパターンとして、90秒の変動時間の間に所定のキャラクタが表示されたり、背面画像が速く変化して表示されたり等する複数のスペシャルリーチが用意されている。また、2R変動(変動時間59秒)が指示された場合に決定される詳細な変動パターンとして、変動時間が59秒の2R確変大当たり専用の変動態様が複数用意されている。
詳細変動パターン決定カウンタ223bは、ROM222に設けられた詳細変動パターン決定テーブル(図示せず)に基づいて、主制御装置110から変動パターンコマンドと停止種別コマンドとを受信した場合に、その変動パターンコマンドによって通知された変動パターンに対して用意された複数の詳細な変動パターンの中から、その変動パターンコマンドに対してこれから実行する変動演出の詳細な変動パターンを1つ決定するために用いられる。
詳細変動パターン決定カウンタ223bは、定期的に(本実施形態ではメイン処理(図20参照)の中で1ms毎に実行されるS1912の処理にて)更新される。詳細変動パターン決定カウンタ223bはループカウンタにて構成され、その更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算し、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。また、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図19参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「0」が設定される。
ROM222の詳細変動パターン決定テーブルには、主制御装置110より通知される変動パターン(変動A,変動B,変動C,2R変動)毎に、それぞれの変動パターンに対して用意されている各種の詳細な変動パターンに対応づけて、詳細変動パターン決定カウンタ223bの値が定められている。また、詳細な変動パターンと、詳細変動パターン決定カウンタ223bの値との対応付けは、その変動演出において確定表示される図柄が「大当たり」か「外れ」かによって、変動パターン(変動A,変動B,変動C,2R変動)毎に別々に対応付けされている。
MPU221は、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信すると、そのときの詳細変動パターン決定カウンタ223bの値をRAM223から読み出す。そして、受信した停止種別コマンドにより通知された変動種別から大当たりと判別される場合は、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンの「大当たり」において、RAM223より読み出した詳細変動パターン決定カウンタ223bの値に対応付けられた詳細な変動パターンを、ROM222の詳細変動パターン決定テーブルから特定する。また、受信した停止種別コマンドにより通知された変動種別から外れと判別される場合は、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンの「外れ」において、RAM223より読み出した詳細変動パターン決定カウンタ223bの値に対応付けられた詳細な変動パターンを、ROM222の詳細変動パターン決定テーブルから特定する。
MPU221は、この決定した詳細な変動パターンに基づいて、音声出力装置226やランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114に対して、決定した詳細な変動パターンを表示用変動パターンコマンドにより通知する。そして、表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドにより通知された詳細な変動パターンに基づいて、第3図柄表示装置81の変動表示を制御する。これにより、音声出力装置226、ランプ表示装置227、第3図柄表示装置81によって、その決定された詳細な変動パターンによる変動演出が行われる。
尚、主制御装置110から変動パターンコマンドにより変動D(変動時間7秒)が指示された場合は、7秒の変動時間が経過後に完全外れとなる態様の詳細な変動パターンが1つ用意されている。変動E(変動時間10秒)が指示された場合は、10秒の変動時間が経過後に完全外れとなる態様の詳細は変動パターンが1つ用意されている。
よって、主制御装置110から変動D,Eのいずれかが指示された場合は、MPU221は、詳細変動パターン決定カウンタ223aの値に関わらず、それぞれに対応して用意された詳細な変動パターンを決定し、それに基づいて、音声出力装置226やランプ表示装置227を制御したり、その詳細な変動パターンを表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114へ通知したりする。
対戦開始設定フラグ223cは、パチンコ機10が対戦開始設定状態にあることを示すフラグである。このフラグは、オン・オフによって、パチンコ機10が対戦開始設定状態にあるか否かを示すものであり、対戦開始設定フラグ223cがオンの場合に、パチンコ機10が対戦開始設定状態にあることを示す。
この対戦開始設定フラグ223cは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図19参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「オフ」が設定される。そして、対戦開始設定フラグ223cがオフの場合に、即ち、対戦開始設定状態にない場合に、対戦開始ボタン45aが遊技者によって操作されると、対戦開始設定フラグ223cはオンに設定され(図25のS2402参照)、パチンコ機10が対戦開始設定状態となる。
対戦開始設定フラグ223cがオンの間、即ち、パチンコ機10が対戦開始設定状態にある間、パチンコ機10は、対戦遊技をしたいパチンコ機10の選択待ち状態となる。この間、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsには、対戦遊技をしたいパチンコ機10を遊技者に選択させる画面が表示される。遊技者は、副表示領域Dsに表示される画面を見ながら、対戦相手右側選択ボタン45bと対戦相手左側選択ボタン45を操作し、対戦遊技をしたいパチンコ機10を選択する。そして、対戦遊技をしたい相手方のパチンコ機10が選択できた場合に、対戦相手決定ボタン45dを操作し、その選択されたパチンコ機10を対戦遊技の相手方のパチンコ機10として決定する。MPU221では、対戦相手決定ボタン45dの操作を検出した場合に、決定した相手方のパチンコ機10に対して、赤外線通信によって対戦開始を要求する対戦開始コマンドを送信すると共に、対戦開始設定フラグ223cをオフに設定し(図25のS2418参照)、対戦開始設定状態を終了する。
対戦相手待ちフラグ223dは、パチンコ機10が、遊技者によって決定された対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して対戦開始コマンドを送信した後、その相手方のパチンコ機10から対戦遊技の許可または不許可が通知されるまでの待ち状態であることを示すフラグである。このフラグは、オン・オフによって、パチンコ機10が待ち状態にあるか否かを示すものであり、対戦相手待ちフラグ223dがオンの場合に、パチンコ機10が待ち状態にあることを示す。
この対戦相手待ちフラグ223dは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図19参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「オフ」が設定される。そして、対戦開始設定フラグ223cがオンの場合、即ち、パチンコ機10が対戦開始設定状態にある場合に、対戦相手決定ボタン45dが遊技者によって操作されると、決定した相手方のパチンコ機10に対して赤外線通信によって対戦開始コマンドが送信され、対戦開始設定フラグ223cがオフに設定されるのとあわせて、対戦相手待ちフラグ223dがオンに設定される(図25のS2419参照)。これにより、パチンコ機10は、遊技者によって決定された対戦遊技の相手方のパチンコ機10から対戦遊技の許可または不許可が通知されるまで待ち状態となる。
そして、対戦相手待ちフラグ223dがオンの間に、対戦遊技の相手方となるパチンコ機10から対戦許可を示す対戦許可不許可コマンドを赤外線通信によって受信した場合、その相手方とのパチンコ機10との間で対戦遊技を開始し、あわせて、対戦相手待ちフラグ223dをオフに設定して(図26のS2423参照)、待ち状態を解除する。また、対戦遊技の相手方となるパチンコ機10から対戦不許可を示す対戦許可不許可コマンドを赤外線通信によって受信した場合は、対戦遊技を開始せず、相手方から対戦遊技が不許可とされたことを通知するメッセージを第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示し、あわせて、対戦相手待ちフラグ223dをオフに設定して、待ち状態を解除する(図26のS2427参照)。
一方、対戦相手待ちフラグ223dがオンに設定されてから所定時間経過したにもかかわらず、対戦遊技の相手方となるパチンコ機10から対戦許可不許可コマンドを受信しなかった場合は、相手方のパチンコ機10との間で赤外線通信がうまく行われず、相手方のパチンコ機10が対戦開始コマンドを受信できなかったか、或いは、相手方のパチンコ機10で遊技している遊技者が、その対戦開始の要求に対して応えなかったものと想定される。そこで、この場合、対戦遊技を開始せず、相手方との対戦遊技が不成立となったことを通知するメッセージを第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示し、あわせて、対戦相手待ちフラグ223dをオフに設定して(図26のS2430参照)、待ち状態を解除する。
また、対戦相手待ちフラグ223dがオンの間に、他のパチンコ機10から対戦開始を要求する対戦開始コマンドを受信した場合は、その対戦開始を要求した他のパチンコ機10に対して、対戦不許可を示す対戦許可不許可コマンドを赤外線通信によって送信する(図27のS2434〜S2436参照)。これにより、遊技者が決定した対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して対戦開始を要求しているにもかかわらず、他のパチンコ機10から受信した対戦開始を要求する対戦開始コマンドに応えて、その他のパチンコ機10との間で対戦遊技が開始されることを抑制できる。
対戦相手許可フラグ223eは、対戦開始を要求した相手方のパチンコ機10から、対戦許可されたことを示すフラグである。このフラグは、オン・オフによって、対戦開始を要求した相手方のパチンコ機10から、対戦許可されたか否かを示すものであり、対戦相手許可フラグ223eがオンの場合に、対戦許可されたことを示す。
また、対戦相手不許可フラグ223fは、対戦開始を要求した相手方のパチンコ機10から、対戦が不許可されたことを示すフラグである。このフラグは、オン・オフによって、対戦開始を要求した相手方のパチンコ機10から、対戦が不許可されたか否かを示すものであり、対戦相手不許可フラグ223fがオンの場合に、対戦が不許可されたことを示す。
これら対戦相手許可フラグ223e及び対戦相手不許可フラグ223fは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図19参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、いずれも初期値「オフ」が設定される。そして、対戦開始を要求した相手方のパチンコ機10から、対戦許可を示す対戦許可不許可コマンドを赤外線通信によって受信した場合、対戦相手許可フラグ223eがオンに設定される(図23のS2213参照)。一方、対戦開始を要求した相手方のパチンコ機10から、対戦不許可を示す対戦許可不許可コマンドを赤外線通信によって受信した場合、対戦相手許可フラグ223fがオンに設定される(図23のS2214参照)。
対戦相手待ちフラグ223dがオンの場合、即ち、パチンコ機10が、遊技者によって決定された対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して対戦要求をする対戦開始コマンドを送信した後、その相手方のパチンコ機10から対戦遊技の許可または不許可が通知されるまでの待ち状態である場合に、対戦相手許可フラグ223eがオンに設定されると、その相手方のパチンコ機10との間で対戦遊技が開始され、そして、対戦相手待ちフラグ223dがオフにされるのとあわせて、対戦相手許可フラグ223eがオフに設定される(図26のS2423参照)。
一方、対戦相手待ちフラグ223dがオンの場合に、対戦相手不許可フラグ223fがオンに設定されると、対戦要求をした相手方のパチンコ機10との間で対戦遊技を開始せず、相手方から対戦遊技が不許可とされたことを通知するメッセージを第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示し、対戦相手待ちフラグ223dがオフにされるのとあわせて、対戦相手不許可フラグ223fがオフに設定される(図26のS2427)。
対戦中フラグ223gは、対戦遊技を行っていることを示すフラグである。このフラグは、オン・オフによって、対戦遊技を行っているか否かを示すものであり、対戦中フラグ223gがオンの場合に、対戦遊技を行っていることを示す。
この対戦中フラグ223gは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図19参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「オフ」が設定される。そして、対戦相手待ちフラグ223dがオンの場合、即ち、パチンコ機10が、遊技者によって決定された対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して対戦要求をする対戦開始コマンドを送信した後、その相手方のパチンコ機10から対戦遊技の許可または不許可が通知されるまでの待ち状態である場合に、相手方のパチンコ機10から対戦許可を示す対戦許可不許可コマンドを受信して対戦相手許可フラグ223eがオンに設定されると、対戦中フラグ223gがオンに設定される(図26のS2424)。
そして、対戦中フラグ223gがオンの間、自機の遊技情報を第3図柄表示装置81の自機情報領域Ds1に表示させるために、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114に対して、遊技者が対戦遊技中に使用した総打球数と対戦遊技中に得た総賞球数との差分である差球数と、対戦遊技中に発生した変動表示の総回数と、対戦遊技中に発生した大当たりの総回数とを含む自機情報表示コマンドを、変動表示が行われる毎に送信する(図22のS2114)。また、自機情報表示コマンドを送信するのとあわせて、これらの遊技情報を対戦遊技の相手方のパチンコ機10へ通知するために、その相手方のパチンコ機10に対して対戦相手情報コマンドを赤外線通信によって送信する(図22のS2115〜S2117)。
また、パチンコ機10は、相手方のパチンコ機10から対戦相手情報コマンドを赤外線通信によって受信すると、その対戦相手情報コマンドに含まれる遊技情報を抽出し(図23のS2216)、その抽出した遊技情報を対戦相手の遊技情報として第3図柄表示装置81の他機情報領域Ds2に表示させるために、音声ランプ制御装置113は、その抽出した遊技情報(対戦相手における、対戦遊技中に使用した総打球数と対戦遊技中に得た総賞球数との差分である差球数と、対戦遊技中に発生した変動表示の総回数と、対戦遊技中に発生した大当たりの総回数)を含む対戦相手情報表示コマンドを、表示制御装置114へ送信する。
よって、上記の自機情報表示コマンドと対戦相手情報表示コマンドにより、副表示領域Dsには、自機の遊技情報と対戦相手のパチンコ機10の遊技情報とが、図5(b)に示すように並んで表示されるので、自分の遊技情報と対戦相手の遊技情報とから対戦状況を知ることができ、対戦遊技を楽しむことができる。
対戦中フラグ223gがオンの間、即ち、対戦遊技が行われている間に、遊技者によって対戦終了ボタン45eが操作されると、対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して、対戦遊技終了を通知するための対戦相手終了コマンドを赤外線通信によって送信し(図28のS2502〜S2504)、あわせて、対戦中フラグ223gはオフに設定される(図28のS2506)。これにより、対戦遊技が終了する。
対戦開始要求フラグ223hは、他のパチンコ機10から対戦遊技の開始が要求されたことを示すフラグである。このフラグは、オン・オフによって、他のパチンコ機10から対戦遊技の開始が要求されたか否かを示すものであり、オンの場合に、対戦遊技の開始が要求されたことを示す。
また、要求回答待ちフラグ223iは、他のパチンコ機10から対戦遊技の開始が要求された場合に、その要求に対して、自機の遊技者から対戦遊技を許可するか不許可とするかの回答待ちであることを示すフラグである。このフラグは、オン・オフによって、自機の遊技者から対戦遊技を許可するか不許可とするかの回答待ちか否かを示すものであり、オンの場合に、自機の遊技者から対戦遊技を許可するか不許可とするかの回答待ちであることを示す。
これら対戦開始要求フラグ223hおよび要求回答待ちフラグ223iは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図19参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「オフ」が設定される。そして、他のパチンコ機10から、対戦開始を要求する対戦開始コマンドを赤外線通信によって受信した場合、対戦開始要求フラグ223hがオンに設定される(図23のS2208参照)。
そして、対戦開始要求フラグ223hがオンに設定された後、対戦中フラグ223gがオンではなく、対戦相手待ちフラグ223dがオフであれば、即ち、対戦遊技が実行されておらず、また、自機が遊技者によって決定された対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して対戦開始コマンドを送信し、その相手方のパチンコ機10からの対戦許可・対戦不許可が通知されるまでの待ち状態でもなければ、副表示領域Dsに、その他のパチンコ機10との間で対戦遊技を許可するか否かを遊技者に選択させる画面を表示して、要求回答待ちフラグ223iをオンに設定し(図27のS2438参照)。これにより、遊技者の回答待ち状態となる。その後、対戦開始ボタン45aが遊技者によって操作され、対戦遊技が許可されるか、若しくは、対戦終了ボタン45eが遊技者によって操作され、対戦遊技が不許可とされると、その許可または不許可を示す対戦許可不許可コマンドが、対戦開始を要求したパチンコ機10に対して赤外線通信によって送信され(図27のS2441〜S2443、S2449〜S2451参照)、あわせて、対戦開始要求フラグ223h及び要求回答待ちフラグ223iがオフに設定される(図27のS2447参照)。
一方、対戦開始要求フラグ223hがオンに設定された後、対戦相手待ちフラグ223dがオン、即ち、パチンコ機10が、遊技者によって決定された対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して対戦開始コマンドを送信した後、その相手方のパチンコ機10から対戦遊技の許可または不許可が通知されるまでの待ち状態である場合には、その対戦開始を要求した他のパチンコ機10に対して、対戦不許可を示す対戦許可不許可コマンドを赤外線通信によって送信し(図27のS2434〜S2436参照)、あわせて、対戦開始要求フラグ223hをオフに設定する(図27のS2533)。これにより、遊技者が決定した対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して対戦開始を要求しているにもかかわらず、他のパチンコ機10から受信した対戦開始を要求する対戦開始コマンドに応えて、その他のパチンコ機10との間で対戦遊技が開始されることを抑制できる。
対戦相手終了フラグ223jは、対戦遊技の相手方のパチンコ機10から対戦遊技終了が通知されたことを示すフラグである。このフラグは、オン・オフによって、対戦遊技の相手方のパチンコ機10から対戦遊技終了が通知されたか否かを示すものであり、対戦相手終了フラグ223jがオンの場合に、対戦遊技の相手方のパチンコ機10から対戦遊技終了が通知されたことを示す。
この対戦相手終了フラグ223jは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図19参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「オフ」が設定される。そして、対戦遊技の相手方のパチンコ機10から対戦遊技終了を通知する対戦相手終了コマンドを赤外線通信によって受信した場合に、対戦相手終了フラグ223jをオンに設定する(図23のS2217)。対戦相手終了フラグ223jがオンに設定されると、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに、対戦遊技を終了するメッセージが表示され、対戦中フラグ223gはオフに設定される(図28のS2506)。これにより、対戦遊技が終了する。また、この対戦中フラグ223gがオフに設定されるのにあわせて、対戦相手終了フラグ223jがオフに設定される。
打球カウンタ223kは、遊技者によって遊技に使用された総打球数をカウントするカウンタである。この打球カウンタ223kは、対戦遊技が開始されるタイミング、即ち、対戦中フラグ223gがオンにされるタイミングで、0に初期化される(図26のS2424、図27のS2444参照)。そして、打球カウントスイッチ23からオン信号が入力される度に、打球カウンタ223kは1ずつカウントアップされる(図20のS1908参照)。打球カウントスイッチ23は、遊技盤13に向けて発射された球を1ずつ検出するので、打球カウンタ223kによって、遊技者が対戦遊技中に使用した総打球数をカウントすることができる。
賞球カウンタ223lは、遊技者の得た総賞球数をカウントするカウンタである。この賞球カウンタ223lもまた、対戦遊技が開始されるタイミング、即ち、対戦中フラグ223gがオンにされるタイミングで、0に初期化される(図26のS2424、図27のS2444参照)。そして、賞球カウントスイッチ24からオン信号が入力される度に、賞球カウンタ223lは1ずつカウントアップされる(図20のS1908参照)。賞球カウントスイッチ24は、払い出された賞球を1ずつ検出するので、賞球カウンタ223lによって、遊技者が対戦遊技中に得た総賞球数をカウントすることができる。
変動回数カウンタ223mは、パチンコ機10で行われた変動演出の総回数をカウントするカウンタである。この変動回数カウンタ223mもまた、対戦遊技が開始されるタイミング、即ち、対戦中フラグ223gがオンにされるタイミングで、0に初期化される(図26のS2424、図27のS2444参照)。そして、変動演出の開始契機となる変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを主制御装置110より受信した場合に、変動回数カウンタ223mに1加算されて、変動回数カウンタ223mの更新が行われる(図22のS2110)。これにより、変動回数カウンタ223mによって、対戦遊技中に発生した変動演出の総回数をカウントすることができる。
大当たり回数カウンタ223nは、パチンコ機10で発生した大当たりの総回数をカウントするカウンタである。この大当たり回数カウンタ223nもまた、対戦遊技が開始されるタイミング、即ち、対戦中フラグ223gがオンにされるタイミングで、0に初期化される(図26のS2424、図27のS2444参照)。そして、変動演出の確定表示を指示する確定コマンドを主制御装置110より受信した場合に、確定表示される第3図柄が大当たり図柄であれば、大当たり回数カウンタ223nに1加算され、大当たり回数カウンタ223nの更新が行われる(図21のS2012)。これにより、大当たり回数カウンタ223nによって、対戦遊技中に発生した大当たりの総回数をカウントすることができる。
打球カウンタ223k、賞球カウンタ223l、変動回数カウンタ223m、大当たり回数カウンタ223nの値は、対戦中フラグ223gがオンの場合、即ち、対戦遊技が行われている場合に、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110よりコマンドを受信したタイミングで読み出さる。そして、打球カウンタ223kで示される対戦遊技中に使用した総打球数と賞球カウンタ223lで示される対戦遊技中に得た総賞球数との差である差球数と、変動回数カウンタ223mで示される対戦遊技中に発生した変動演出の総回数と、大当たり回数カウンタ223nで示される対戦遊技中に発生した大当たりの総回数とを自機の遊技情報として、この遊技情報を含む対戦相手情報コマンドが、対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して赤外線通信によって送信される(図21のS2016〜S2018参照)。また、このタイミングで、この自機の遊技情報を自機情報領域Ds1に表示させるために、この遊技情報を含む自機情報表示コマンドを表示制御装置114へ送信する(図21のS2019参照)。
対戦相手識別番号メモリ223oは、対戦遊技の相手方のパチンコ機10を特定するための識別番号(以下「対戦相手識別番号」と称す)を記憶するメモリである。この対戦相手識別番号は、自機を「0」として、自機種より正面視右側にあるパチンコ機10に対して、自機種の右隣のパチンコ機10から順に「1」、「2」、「3」・・・との番号が付され、自機種の正面視左側にあるパチンコ機10に対して、自機種の左隣のパチンコ機10から順に「−1」、「−2」、「−3」・・・との番号が付される。
これにより、対戦相手識別番号の符号から、正の場合は、対戦遊技の相手方のパチンコ機10が自機より右側にあることが判断でき、負の場合は、対戦遊技の相手方のパチンコ機10が自機より左側にあることが判断できる。よって、対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対してコマンドを赤外線通信により送信する場合、対戦相手識別番号メモリ223oに格納された対戦相手識別番号が正であれば、右側赤外線LED37Rからコマンドを送信するように、右側赤外線送信回路228Rにそのコマンドを設定する。また、対戦相手識別番号メモリ223oに格納された対戦相手識別番号が負であれば、左側赤外線LED37Lからコマンドを送信するように、左側赤外線送信回路228Lにそのコマンドを設定する。
また、対戦相手識別番号の絶対値から、対戦遊技のパチンコ機10が、自機よりどれだけ離れているかを判断できる。そこで、対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対してコマンドを赤外線通信により送信する場合、そのコマンドに対戦相手識別番号の絶対値を含めて、コマンドを送信する。
ここで、図10を参照して、赤外線通信にて用いられるコマンドのデータ構造について説明する。図10は、その赤外線通信にて用いられるコマンドの1バイト目のビット割り当てを示した図である。
赤外線通信にて用いられるコマンドは、2バイト以上で構成され、コマンドの種別により、異なるバイト長で構成される。このコマンドのうち、1バイト目は、コマンド種別と、そのコマンドの送信先となるパチンコ機10を特定するための送信先カウンタとによって構成される。
具体的には、赤外線通信にて用いられるコマンドの1バイト目の最上位ビット(第7ビット)は「1」固定とされ、コマンドの最初のバイトであることを示す。なお、該コマンドの2バイト目以降は最上位ビット(第7ビット)が「0」固定とされ、そのバイトが、コマンドの最初のバイトではないことが示される。これにより、赤外線通信によってコマンドを受信したパチンコ機10は、受信したバイトの最上位ビット(第7ビット)を確認することにより、そのバイトがコマンドの1バイト目であるか否かを容易に判定することができる。
次に、赤外線通信にて用いられるコマンドの1バイト目の第6ビット及び第5ビットには、コマンド種別が割り当てられる。本実施形態では、赤外線通信にて送受信されるコマンドとして、「対戦開始コマンド」、「対戦許可不許可コマンド」、「対戦相手情報コマンド」、「対戦終了コマンド」の4つのコマンドが用意されており、赤外線通信にて用いられるコマンドの1バイト目の第6ビット及び第5ビットに割り当てられたコマンド種別によって、4つのコマンドのうち、どのコマンドであるかが示される。
次に、赤外線通信にて用いられるコマンドの1バイト目の第4ビット〜第0ビット(最下位ビット)には、送信先カウンタが割り当てられている。この送信先カウンタの値は、該コマンドが、何台先のパチンコ機10に向けたコマンドであるか否かを示すものであり、自機が、対戦遊技の相手先であるパチンコ機10に向けてコマンドを送信する場合、この送信先カウンタ(コマンドの1バイト目の第4ビット〜第0ビット)には、対戦相手識別番号メモリ223oの絶対値が格納される。そして、対戦相手識別番号メモリ223oの値の符号に応じて、右隣または左隣のパチンコ機10に向けて、そのコマンドを赤外線通信により送信する。
パチンコ機10は、隣のパチンコ機10より赤外線通信よってコマンドを受信した場合、そのコマンドの1バイト目から送信先カウンタの値を抽出し、その送信先カウンタの値から1減算する(図23のS2205参照)。そして、減算後の送信先カウンタの値が0以外の数値であれば、コマンドの送信先カウンタの値を1減算後の値に書き換えた上で、左隣のパチンコ機10から該コマンドを受信した場合は、該コマンドを右隣のパチンコ機10へ送信し、右隣のパチンコ機10から該コマンドを受信した場合は、該コマンドを左隣のパチンコ機10へ送信する(図23のS2220〜S2223参照)。また、1減算後の送信カウンタの値が0の場合、受信したコマンドが自機に向けて送信されたコマンドであると認識し、そのコマンドに対する処理を実行する(図23のS2206〜S2217参照)。これにより、対戦遊技の相手先との間で、赤外線通信により対戦遊技に関するコマンドを送受信でき、対戦遊技をその相手先と連結して簡易に行うことができる。
なお、自機が対戦遊技の相手先であるパチンコ機10に向けて「対戦開始コマンド」を送信する場合、その対戦開始コマンドの2バイト目にも、対戦相手識別番号メモリ223oの絶対値を設定する。そして、この対戦開始コマンドの2バイト目に格納された対戦相手識別番号メモリ223oの絶対値は、減算されることなく、そのまま送信先のパチンコ機10(即ち、対戦開始を要求する相手先のパチンコ機10)まで送信される。
対戦開始コマンドを受信したパチンコ機10は、この対戦開始コマンドの2バイト目に格納された値と、対戦開始コマンドが受信された方向(対戦開始コマンドが正面視右側から受信されたものか、正面視左側から受信されたものか)とに基づいて、対戦遊技の相手先となるパチンコ機10を特定し、対戦開始コマンドの送信元のパチンコ機10を識別するための送信元識別番号を特定する(図23のS2209)。この送信元識別番号は、対戦相手識別番号と同様に、自機を「0」として、自機種より正面視右側にあるパチンコ機10に対して、自機種の右隣のパチンコ機10から順に「1」、「2」、「3」・・・との番号が付され、自機種の正面視左側にあるパチンコ機10に対して、自機種の左隣のパチンコ機10から順に「−1」、「−2」、「−3」・・・との番号が付される。
そして、対戦開始コマンドによる対戦遊技の開始要求に基づいて、対戦許可をその開始を要求した相手先のパチンコ機10に対して通知する場合、即ち、対戦許可を示す対戦許可不許可コマンドを送信する場合に、その送信とあわせて、送信元識別番号の値を対戦相手識別番号として対戦識別番号メモリ223oに格納する(S27のS2345)。これにより、それ以後は、対戦開始が要求された相手先に対して対戦遊技に関するコマンドを送信できるので、対戦遊技をその相手先と連結して簡易に行うことができる。
なお、対戦開始コマンドを受信したパチンコ機10が、対戦許可不許可コマンドを送信する場合、その1バイト目の送信先カウンタには、送信元識別番号の絶対値を格納する。これにより、対戦遊技の開始を要求したパチンコ機10に対して、対戦許可不許可コマンドを送信することができる。
対戦相手識別番号メモリ223oは、対戦開始設定フラグ223cがオンに設定されたタイミング、即ち、パチンコ機10が対戦開始設定状態にされるタイミングで「0」に初期化され、その後、パチンコ機10が対戦開始設定状態にある間、更新処理がなされる。即ち、対戦開始設定状態にある場合に、対戦相手右側選択ボタン45bが遊技者により操作されると、対戦相手識別番号メモリ223oに1加算される。また、対戦相手左側選択ボタン45cが遊技者により操作されると、対戦相手識別番号メモリ223oが1減算される。これにより、パチンコ機10が対戦開始設定状態にある場合に、対戦遊技をしたい相手方のパチンコ機10を選択することができる。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、変動表示を開始すべきか否かを示す変動開始フラグ(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図31参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。また、変動開始フラグは、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図21のS2004参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図22のS2102参照)。
図6に戻って説明する。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図11を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図4参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図16参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図4参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図11を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図11は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、ROM234と、ビデオRAM235と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、ROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。また、画像コントローラ237には、直接ビデオRAM235が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された各種制御コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81(第2図柄表示部83を含む)の表示内容を制御するものである。本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、ROM234に記憶されている制御プログラムに従って、各種処理を実行する。
ROM234は、MPU231において実行される制御プログラムを制御プログラムエリアに記憶し、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを表示データエリア234bに記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にROM234に直接アクセスし、ワークRAM233を使用しながら、ROM234に記憶された制御プログラムを実行する。また、ROM234はバスライン240を介して画像コントローラ237と接続されており、画像コントローラ237はMPU231からの指示に基づいて、ROM234に格納された画像データをビデオRAM234へ転送する。そして、画像コントローラは、ビデオRAM234へ転送された画像データを随時、第3図柄表示装置81に出力し、第3図柄表示装置81の表示制御を行う。
次に、図12から図18のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図12は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S1101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S1102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S1103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
次に、第1図柄表示装置85による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S1104)、次いで、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S1105)。なお、変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、それぞれ図13および図15を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S1106)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S1107)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図13を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S1104)について説明する。図13は、この変動処理(S1104)を示すフローチャートである。この変動処理(S1104)は、タイマ割込処理(図12参照)の中で実行され、第1図柄表示装置85や第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S1201)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置85で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S1201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S1201:No)、第1図柄表示装置85の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S1202)、第1図柄表示装置85の表示態様が変動中でなければ(S1202:No)、次いで、第1図柄表示装置85における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S1203)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S1203:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置85および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S1204の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S1203:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数N)が0よりも大きいか否かを判別し(S1204)、S1204の処理において、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0よりも大きくない、即ち、保留球数Nが0であり、保留された変動演出がないと判別されると(S1204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1204の処理の結果、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0より大きいと判別された場合は(S1204:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算し(S1205)、保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフト処理する(S1206)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203cの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置85の変動開始処理を実行する(S1207)。なお、変動開始処理については、図14を参照して後述する。
S1202の処理において、第1図柄表示装置85の表示態様が変動中であると判別されると(S1202:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S1210)。第1図柄表示装置85の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S1210:No)、第1図柄表示装置85の表示を更新して(S1211)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置85のLED85aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが200に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置85の変動時間が経過していれば(S1210:Yes)、第1図柄表示装置85の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S1212)。停止図柄の設定は、図14を参照して後述する変動開始処理(S1207)によって予め行われる。即ち、S1206の処理により、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に15R確変大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、2R確変大当たり(最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、15R通常大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する大当たり)となる図柄かが決定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、2R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S1212の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置85の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置85におけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定して(S1213)、本処理を終了する。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
次に、図14を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S1207)について説明する。図14は、変動開始処理(S1207)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S1207)は、タイマ割込処理(図12参照)の変動処理(図13参照)の中で実行され、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置85および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定する。
変動開始処理では、まず、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する抽選(当否判定)処理を行う(S1301)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「低確率状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S1301の処理では、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S1301の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S1301:Yes)、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S1302)。この処理では、第1当たり種別カウンタC2と大当たり種別テーブル202cとによって設定される大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する15R確変大当たりか、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する2R確変大当たりか、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する15R通常大当たりか、に基づいて、第1図柄表示装置85の表示態様(LED85aの点灯状態)が設定される。また、その大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で各種大当たりに対応した大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターン(変動時間)を決定する(S1303)。この変動パターンの決定は、S1302の処理で設定された大当たり種別と、変動種別カウンタCS1の値と、大当たり用変動パターンテーブル202cとに基づいて行われる。S1303の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置85の表示時間が設定される。
S1301の処理で大当たりではないと判別された場合には(S1301:No)、外れ時の表示態様が設定される(S1304)。S1304の処理では、第1図柄表示装置85の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S1305)。この変動パターンの決定は、パチンコ機10の遊技状態(高確率状態か、時短中か、もしくは時短中を除く低確率状態か)と、S1302の処理で設定された停止種別と、変動種別カウンタCS1の値と、外れ用変動パターンテーブル202dとに基づいて行われる。S1305の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置85の表示時間が設定される。
S1303の処理またはS1305の処理が終わると、そのS1303又はS1305の処理で決定された変動パターン種別を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S1306)。次いで、S1302又はS1304の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S1307)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図18)のS1701の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図15のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S1105)を説明する。図15は、この始動入賞処理(S1105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S1105)は、タイマ割込処理(図12参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、第3図柄表示装置81における連続予告演出開始の許可判定処理を実行する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S1401:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1402)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S1401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S1402:No)、タイマ割込処理へ戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S1401:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S1402:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1加算し(S1403)、更に、前記ステップS1103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリア203cの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S1404)。
次いで、S1403の処理によって更新された保留球数Nの値を含めた保留球数コマンドを作成し(S1405)、作成した保留球数コマンドを設定して(S1406)、始動入賞処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。この保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図18)のS1701の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドに含められた保留球数Nに基づいて、音声ランプ制御装置113の中で保留球数を管理する。
図16は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1501)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図17を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図17は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1604)、オンされていれば(S1604:Yes)、処理をS1611へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1605)、記憶されていなければ(S1605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も処理をS1611へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1605:Yes)、RAM判定値を算出し(S1606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1611へ移行する。なお、図18のS1712の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1611の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1611)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1612,S1613)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。RAMの初期化処理(S1612,S1613)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1612)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1613)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1608)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1609)、S1610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1610の処理では、割込みを許可する(S1610)。そして、後述するメイン処理に移行する。
次に、図18を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図18は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1701〜S1705の各処理が実行され、その残余時間でS1708,S1709のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図12参照)の中でRAM234に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701)。具体的には、タイマ割込処理(図12参照)におけるS1101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、始動入賞処理(図15参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1702)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1703)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S1704)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1705)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)267を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1706)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1706:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1707)、既に所定時間が経過していれば(S1707:Yes)、処理をS1701へ移行し、上述したS1701以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1707:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1708,S1709)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1708)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203bにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1702の処理と同一の方法によって実行する(S1709)。
ここで、S1701〜S1705の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1706の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1706:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図16のNMI割込処理が実行されたということなので、S1710以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1710)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1711)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1712)、RAM203のアクセスを禁止して(S1713)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1706の処理は、S1701〜S1705で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1708とS1709の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1701の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図19から図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図19を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図19は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1920の電源断処理(図20参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1802)。図20を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図20のS1917参照)、S1920の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1920の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1802:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1918の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1803)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1806の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1803:Yes)、S1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1803:No)、S1808へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1803:Yes)、S1804へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1920の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1803:No)、S1808へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1802:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1918の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1804の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1804)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1805:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1806)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1805:No)、RAM223の異常を報知して(S1807)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1808の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1808)。電源断フラグはS1918の電源断処理の実行時にオンされる(図20のS1919参照)。つまり、電源断フラグは、S1920の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1920の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1808:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1809)、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1808:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1809をスキップして、処理をS1810へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。
なお、S1809のクリア処理をスキップするのは、S1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至った場合には、S1804の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図20を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図20は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回S1901の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1901)、1m秒以上経過していなければ(S1901:No)、S1902〜S1912の処理を行わずにS1913の処理へ移行する。S1901の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1902〜S1912が表示や音声の設定(即ち、演出の設定)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1913の変動表示処理、S1914の対戦モード処理、S1915のコマンド判定処理、及び、S1916の対戦コマンド受信処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1915及びS1916の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドや隣接するパチンコ機10から赤外線通信によって送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。また、S1913及びS1914の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって主制御装置110より受信されたコマンドや、対戦コマンド受信処理によって隣接するパチンコ機10より受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定や、対戦遊技に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1901の処理で1m秒以上経過していれば(S1901:Yes)、まず、S1903〜S1916の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1909の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1903)、その後電源投入報知処理を実行する(S1904)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1905の処理へ移行する。
S1905の処理では客待ち演出が実行される(S1905)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、保留球数カウンタ223aの値に応じて保留ランプ285を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1907)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1907の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、打球・賞球カウント処理を実行する(S1908)。この打球・賞球カウント処理では、打球カウントスイッチ23からオン信号が入力されたか否かを監視し、打球カウントスイッチ23からオン信号が入力されていた場合に打球カウンタ223kに1加算して打球カウンタ223kを更新する。これにより、遊技に使用された総打球数がカウントされる。また、賞球カウントスイッチ24からオン信号が入力されたか否かを監視し、賞球カウントスイッチ24からオン信号が入力されていた場合に賞球カウンタ223lに1加算して賞球カウンタ223lを更新する。こうれにより、遊技者の得た総賞球数がカウントされる。
打球・賞球カウント処理が実行されると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1909)、その後音編集・出力処理を実行する(S1910)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1910の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1911)、その後、カウンタ更新処理が行われて(S1912)、S1913の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1909のランプ編集処理が実行される。なお、S1910の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。また、カウンタ更新処理では、例えば、RAM223に設けられた詳細変動パターン決定カウンタ223bの更新が行われる。詳細変動パターン決定カウンタ223bの更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。
S1913の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示処理を実行する。この変動表示処理の詳細については、図22を参照して後述する。
次いで、対戦遊技の開始および対戦遊技の終了を設定する対戦モード処理を実行する(S1914)。この対戦モード処理の詳細については、図24〜図28を参照して後述する。
次いで、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1915)。このコマンド判定処理の詳細については、図21を参照して後述する。
そして、隣接するパチンコ機10より赤外線通信によって受信した対戦遊技に関するコマンドを処理する対戦コマンド受信処理を実行する(S1916)。この対戦コマンド受信処理の詳細については、図23を参照して後述する。
S1916の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1917)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1915の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1917:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1919)、電源断処理を実行する(S1920)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1921)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1917の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1917:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1918)、RAM223が破壊されていなければ(S1918:No)、S1901の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1918:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図21を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1915)について説明する。図21は、このコマンド判定処理(S1915)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1915)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図20参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2001)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S2001:Yes)、変動パターンコマンドから変動パターン種別(変動A〜E、2R変動のいずれか)を抽出して(S2002)、S2015の処理へ移行する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示処理(図22参照)において、この記憶された変動パターン種別に基づき、詳細な変動パターンが決定される。そして、ここで決定された詳細な変動パターンが、表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114に対して通知され、その通知された詳細な変動パターンに従って、第3図柄表示装置81にて変動演出が行われる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S2001:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2003)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S2003:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグをオンし(S2004)、更に、その停止種別コマンドで示される停止種別を抽出して、RAM233に記憶する(S2005)。そして、S2015の処理へ移行する。
一方、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S2003:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S2006)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S2006:Yes)、保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aに格納する(S2007)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2008の処理によって、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
また、S2007の処理の後、S2007の処理によって更新された保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S2008)。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。S2008の処理の後、S2015の処理へ移行する。
S2006の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S2006:No)、次いで、主制御装置110より確定コマンドを受信したか否かを判別する(S2009)。そして、確定コマンドを受信したと判別された場合(S2009:Yes)、第3図柄表示装置81にて実行されている変動演出を確定表示させるために、表示制御装置114へ送信する表示用確定コマンドを設定する(S2010)。これにより、表示制御装置114では、第3図柄表示装置81にて変動表示されている第3図柄を停止表示させる処理を実行する。
また、S2010の処理に次いで、第3図柄表示装置81にて確定表示される第3図柄が大当たり図柄か否かを判定し(S2011)、大当たり図柄であれば(S2011:Yes)、大当たり回数カウンタ223nに1を加算して、大当たり回数カウンタ223nを更新する(S2012)。これにより、対戦遊技中に発生した大当たりの総回数がカウントされる。そして、S2012の処理の後、S2015の処理へ移行する。また、S2011の処理の結果、大当たり図柄でないと判定された場合は(S2011:No)、S2012の処理をスキップして、S2015の処理へ移行する。
S2009の処理の結果、確定コマンドを受信していないと判別された場合(S2009:No)、次いで、その他のコマンドを受信したか否かを判別する(S2013)。その結果、その他のコマンドも受信していないと判別された場合は(S2013:No)、そのままコマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方、S2013の処理の結果、その他のコマンドを受信したと判別された場合は(S2013:Yes)、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2014)、S2015の処理へ移行する。
S2015の処理では、対戦中フラグ223gがオンか否かを判定する(S2015)。その結果、対戦中フラグ223gがオフであれば(S2015:No)、対戦遊技が行われていないので、そのままコマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方、対戦中フラグ223gがオンであれば(S2015:Yes)、対戦遊技が行われている最中であるので、次いで、対戦相手識別番号メモリ223oに格納された対戦相手識別番号が0より大きいか否かを判定する(S2016)。
その結果、対戦相手識別番号が0より大きい場合は(S2016:Yes)、自機の正面視右側に対戦遊技の相手方となるパチンコ機10が存在することを意味する。そこで、この場合、打球カウンタ223kで示される対戦遊技中に使用した総打球数と賞球カウンタ223lで示される対戦遊技中に得た総賞球数との差である差球数と、変動回数カウンタ223mで示される対戦遊技中に発生した変動演出の総回数と、大当たり回数カウンタ223nで示される対戦遊技中に発生した大当たりの総回数とを自機の遊技情報として、この遊技情報を含む対戦相手情報コマンドを右側赤外線LED37Rによって送信するべく、右側赤外線送信回路228Rに該コマンドを設定する(S2017)。
また、S2016の処理の結果、対戦相手識別番号が0より小さい場合は(S2016:No)、自機の正面視左側に対戦遊技の相手方となるパチンコ機10が存在することを意味する。そこで、この場合、上記の自機の遊技情報を含む対戦相手情報コマンドを左側赤外線LED37Lによって送信するべく、左側赤外線送信回路228Lに該コマンドを設定する(S2018)。
このS2017及びS2018の処理によって、対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して、自機の遊技情報を通知することができる。その相手方のパチンコ機10は、自機から送信された対戦相手情報コマンドを受信すると、その対戦相手情報コマンドに含まれる自機の遊技情報(相手方のパチンコ機10から見れば、対戦相手の遊技情報)を抽出して、その抽出した遊技情報を対戦相手の遊技情報として第3図柄表示装置81の他機情報領域Ds2に表示することができる。
S2017の処理またはS2018の処理が行われると、次いで、上記の自機の遊技情報を最新の自分の遊技情報として、自機の第3図柄表示装置81の自機情報領域Ds1に表示すべく、その遊技情報を含む自機情報表示コマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2019)。そして、コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。このS2019の処理により、表示制御装置114では、自機情報表示コマンドに含まれる自機の遊技情報を最新の自分の遊技情報として、第3図柄表示装置81の自機情報領域Ds1に表示する。
S2015〜S2019の処理は、主制御装置110からコマンドを受信する度に、必ず実行される。遊技者が遊技を継続する限り、主制御装置110からは何らかのコマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され続ける。よって、主制御装置110からのコマンド受信を契機として、自機の遊技情報を対戦遊技の相手方に通知し、また、表示制御装置114へ通知することで、対戦遊技の相手方のパチンコ機10の他機情報領域Ds2と、自機の自機情報領域Ds1とに、自機の遊技情報を頻繁に更新して表示させることができる。よって、遊技者は、タイムリーに自分の遊技情報や対戦相手の遊技情報を知ることができるので、対戦遊技を楽しむことができる。
次に、図22を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示処理(S1913)について説明する。図22は、この変動表示処理(S1913)を示したフローチャートである。
この変動表示処理(S1913)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図20参照)の中で実行され、上述したように、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、また、停止種別コマンドから抽出した停止種別を表示制御装置114へ送信するための表示用停止種別コマンドを生成して、この生成した表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを示制御装置114に送信するために設定する処理である。また、変動演出の表示に伴って保留球数カウンタ223aの値を更新して、更新後の保留球数を表示制御装置114に通知するために表示用保留球数コマンドを設定する。
変動表示処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S2101)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2101:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理に戻る。一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S2101:Yes)、変動開始フラグをオフし(S2102)、次いで、コマンド判定処理(図21参照)のS2002の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターン種別(変動A〜F、2R変動のいずれか)と、S2005の処理において停止種別コマンドより抽出された変動演出における停止種別とを、RAM223より取得する(S2103)。
そして、詳細変動パターン決定カウンタ223bの値を読み出し、その詳細変動パターン決定カウンタ223bの値と、S2103の処理より取得した変動パターン種別および停止種別とに基づいて、ROM222に格納された詳細変動パターン決定テーブルから、詳細な変動パターンを決定する(S2104)。
主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知される変動パターン種別は、変動時間のみが規定されているが、このS2104によって、その変動時間に対して用意された各種の詳細な変動パターンの中から1つの変動パターンが選択され、その選択された変動パターンが、これから実行する変動演出の詳細な変動パターンとして決定される。
S2104の処理で、詳細な変動パターンを決定すると、次いで、その決定した詳細な変動パターンを表示制御装置114へ通知するための、表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2105)。
また、S2103の処理により取得した停止種別を表示制御装置114へ通知するための、表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2106)。
表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。また、表示制御装置114では、表示用停止種別コマンドを受信することによって、その停止種別に合った停止図柄を選定し、表示用変動パターンコマンドによって開始された変動演出を確定表示させるときに、その選定した停止図柄を表示する。
次いで、表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、保留球数カウンタ223aの値を1減らし(S2107)、更新後の保留球数カウンタ223aの値で示される保留球数を表示制御装置114に対して通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S2108)。表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドにより示される保留球数に応じた数の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。よって、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示された保留球数図柄の数をカウントすることによって、保留された球の数を認識することができる。
次いで、変動回数カウンタ223mに1を加算して、変動回数カウンタ223mを更新し(S2110)、変動表示処理を終了してメイン処理へ戻る。このS2110の処理により、変動回数カウンタ223mによって、対戦遊技中に発生した変動演出の総回数がカウントされる。
次に、図23を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される対戦コマンド受信処理(S1916)について説明する。図23は、この対戦コマンド受信処理(S1916)を示したフローチャートである。この対戦コマンド受信処理(S1916)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図20参照)の中で実行されるものである。この対戦コマンド受信処理(S1916)では、隣接するパチンコ機10より赤外線通信によって受信した対戦遊技に関するコマンドが自機に対するものであるか否かを判断し、自機に対するものでなければ、そのコマンドが送信されたパチンコ機10とは反対側に隣接するパチンコ機10に対して、そのコマンドを送信し、自機に対するものであれば、その受信したコマンドに基づいて、対戦遊技に対する処理を実行する。
この対戦コマンド受信処理では、まず、右側赤外線センサ38Rにて正面視右側に隣接するパチンコ機10からコマンドを受信したか否かを判断する(S2201)。この判断では、MPU221が右側赤外線受信回路229Rにアクセスし、右側赤外線受信回路229Rにおいて右側赤外線センサ38Rからデータを受信し復調したか否かを確認することで行われる。
そして、右側赤外線センサ38Rにて正面視右側に隣接するパチンコ機10からコマンドを受信したと判断される場合は(S2201:Yes)、RAM223に一時的に設けた受信方向フラグ(図示せず)を「右側」に設定して(S2202)、S2205の処理へ移行する。
なお、RAM223に一時的に設けられる受信方向フラグは、隣接したパチンコ機10から赤外線通信によってコマンドを受信した場合に、左右いずれに隣接するパチンコ機10からそのコマンドを受信したかを示すフラグである。受信方向フラグが「右側」に設定された場合は、右側に隣接するパチンコ機10から、赤外線通信によってコマンドを受信したことを示し、受信方向フラグが「左側」に設定された場合は、左側に隣接するパチンコ機10から、赤外線通信によってコマンドを受信したことを示す。この受信方向フラグは、対戦コマンド受信処理が実行されている間だけ有効な値とされる。
S2201の処理の結果、右側赤外線センサ38Rにて正面視右側に隣接するパチンコ機10からコマンドを受信していないと判断される場合は(S2201:No)、次に、左側赤外線センサ38Lにて正面視左側に隣接するパチンコ機10からコマンドを受信したか否かを判断する(S2203)。この判断では、MPU221が左側赤外線受信回路229Lにアクセスし、左側赤外線受信回路229Lにおいて左側赤外線センサ38Lからデータを受信し復調したか否かを確認することで行われる。
そして、左側赤外線センサ38Lにて正面視左側に隣接するパチンコ機10からコマンドを受信したと判断される場合は(S2203:Yes)、RAM223に一時的に設けた受信方向フラグ(図示せず)を「左側」に設定して(S2204)、S2205の処理へ移行する。一方、左側赤外線センサ38Lにて正面視左側に隣接するパチンコ機10からコマンドを受信していないと判断される場合は(S2203:No)、隣接するパチンコ機10から赤外線通信によってコマンドを受信していないので、そのまま、対戦コマンド受信処理を終了し、メイン処理へ戻る。
S2205の処理では、右側赤外線センサ38R又は左側赤外線センサ38Lによって受信した対戦遊技に関するコマンドから、そのコマンドの1バイト目に含まれる送信先カウンタ(図10)を抽出し、抽出した送信先カウンタの値を1だけ減算する(S2205)。この送信先カウンタの値は、上述した通り、該コマンドが、何台先のパチンコ機10に向けたコマンドであるか否かを示すものである。
そして、減算後の送信先カウンタが0か否かを判断し(S2206)、0でなければ(S2206:No)、自機に対して送信されたコマンドではないと判断し、S2220の処理へ移行する。
S2220の処理では、受信した対戦遊技に関するコマンドの送信先カウンタを、減算後の送信先カウンタの値に書き換える(S2220)。次いで、受信方向フラグが「右側」か否かを判断し(S2221)、受信方向フラグが「右側」である場合は(S2221:Yes)、該コマンドが右側に隣接するパチンコ機10から受信したものであるので、送信先カウンタの値を書き換えた対戦遊技に関するコマンドを左側に隣接するパチンコ機10へ送信するために、左側赤外線LED37Lによって該コマンドを送信するべく、左側赤外線送信回路228Lに該コマンドを設定して(S2222)、対戦コマンド受信処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、S2221の処理の結果、受信方向フラグが「左側」であると判断される場合は(S2221:No)、該コマンドが左側に隣接するパチンコ機10から受信したものであるので、送信先カウンタの値を書き換えた対戦遊技に関するコマンドを右側に隣接するパチンコ機10へ送信するために、右側赤外線LED37Rによって該コマンドを送信するべく、右側赤外線送信回路228Rに該コマンドを設定して(S2223)、対戦コマンド受信処理を終了し、メイン処理へ戻る。
これに対し、S2206の処理の結果、減算後の送信先カウンタが0であると判断される場合は(S2206)、該コマンドが自機に対して送信されたコマンドであると判断できる。そこで、S2207以降の処理を実行し、受信したコマンドに基づいて、対戦遊技に関する処理を実行する。
ここで、対戦遊技に関するコマンドを生成する場合、コマンドに必ず含まれる送信先カウンタには、対戦遊技の相手方のパチンコ機10を識別する対戦相手識別番号、または、対戦開始を要求したパチンコ機10を識別する送信元識別番号の絶対が設定される。そして、対戦相手識別番号メモリ223oの値または送信元識別番号の符号に応じて、右隣または左隣のパチンコ機10に向けて、そのコマンドが赤外線通信によって送信される。
送信されたコマンドは、この対戦コマンド受信処理によって、隣接するパチンコ機10で受信される毎に、そのコマンドに含まれる送信先カウンタが1減算され、減算後の送信先カウンタが0以外であれば、コマンドの送信先カウンタの値が減算後の値に書き換えられた上で、別の隣接するパチンコ機10へ該コマンドが送信される。また、減算後の送信先カウンタが0以外であれば、自機に対して送信されたコマンドであるとして、そのコマンドに基づいて、対戦遊技に関する処理が行われる。よって、対戦遊技の相手先との間で、赤外線通信により対戦遊技に関するコマンドを送受信でき、対戦遊技をその相手先と連結して簡易に行うことができる。
S2207の処理では、赤外線通信によって受信したコマンドが対戦開始コマンドか否かを判断する(S2207)。その結果、対戦開始コマンドであった場合は(S2207:Yes)、対戦開始要求フラグ223hをオンに設定する(S2208)。これにより、他のパチンコ機10から対戦開始の要求があったものとして、遊技者に対して、その対戦遊技を許可するか不許可とするかを選択させる処理が、後述する対戦モード開始処理(図25〜図27)の中で実行される。
S2208の処理の後、対戦開始コマンドの2バイト目に格納された値(対戦遊技の開始要求を行ったパチンコ機10が、自機からどれだけ離れているかを示す値)と、対戦開始コマンドを受信した方向(対戦開始コマンドが正面視右側から受信されたものか、正面視左側から受信されたものか)とに基づいて、対戦遊技の相手先となるパチンコ機10を特定し、対戦開始コマンドの送信元のパチンコ機10を識別するための送信元識別番号を特定する(S2209)。そして、対戦コマンド受信処理を終了し、メイン処理へ戻る。
このS2209の処理によって特定された送信元識別番号によって、対戦遊技の開始を要求したパチンコ機10に対して、対戦遊技の許可または不許可を示す対戦許可不許可コマンドを送信することができる。また、対戦遊技の開始の要求に対して対戦遊技を許可する場合は、その送信元識別番号を対戦相手識別番号メモリ223oに格納する。これにより、それ以後は、対戦開始が要求された相手先に対して対戦遊技に関するコマンドを送信できるので、対戦遊技をその相手先と連結して簡易に行うことができる。
S2207の処理の結果、受信したコマンドが対戦開始コマンドではないと判断された場合(S2207:No)、次いで、赤外線通信によって受信したコマンドが対戦許可不許可コマンドか否かを判断する(S2211)。そして、受信したコマンドが対戦許可不許可コマンドであると判断される場合は(S2211:Yes)、その対戦許可不許可コマンドによって対戦許可を示しているか否かが判断される(S2212)。その結果、受信した対戦許可不許可コマンドによって対戦許可が示されている場合には(S2212:Yes)、対戦相手許可フラグ223eをオンに設定して(S2213)、対戦コマンド受信処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、S2212の処理の結果、受信した対戦許可不許可コマンドによって対戦不許可が示されている場合には(S2212:No)、対戦相手不許可フラグ223fをオンに設定して(S2214)、対戦コマンド受信処理を終了し、メイン処理へ戻る。
ここで設定された対戦相手許可フラグ223e、対戦相手不許可フラグ223fは、後述する対戦モード開始処理(図25〜図27)の中で参照される。その詳細については、図25〜図27を参照して後述する。
S2207の処理の結果、受信したコマンドが対戦許可不許可コマンドではないと判断された場合(S2211:No)、次いで、赤外線通信によって受信したコマンドが対戦相手情報コマンドか否かを判断する(S2215)。そして、受信したコマンドが対戦相手情報コマンドであれば(S2215:Yes)、その対戦相手情報コマンドに含まれる遊技情報(対戦相手における、対戦遊技中に使用した総打球数と対戦遊技中に得た総賞球数との差分である差球数と、対戦遊技中に発生した変動表示の総回数と、対戦遊技中に発生した大当たりの総回数)を抽出する(S2216)。そして、その抽出した遊技情報を対戦相手の遊技情報として第3図柄表示装置81の他機情報領域Ds2に表示させるために、その抽出した遊技情報を含む対戦相手情報表示コマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S2217)、対戦コマンド受信処理を終了してメイン処理へ戻る。
表示制御装置114は、対戦相手情報コマンドを受信すると、対戦相手情報コマンドに含まれる対戦相手の遊技情報を他機情報領域Ds2に表示する制御を行う。一方、自機(自分)の遊技情報は、図21に示した通り、自機の遊技情報を含む自機情報表示コマンドを音声ランプ制御装置113が表示制御装置114へ送信することにより、表示制御装置114の制御によって自機情報領域Ds1に表示される。これにより、副表示領域Dsには、自機の遊技情報と対戦相手のパチンコ機10の遊技情報とが、図5(b)に示すように並んで表示されるので、自分の遊技情報と対戦相手の遊技情報とから対戦状況を知ることができ、対戦遊技を楽しむことができる。
S2215の処理の結果、受信したコマンドが対戦相手情報コマンドではないと判断された場合(S2215:No)、受信したコマンドは対戦相手終了コマンドと判断できる。なぜならば、本実施形態において、赤外線通信により送受信されるコマンドが「対戦開始コマンド」、「対戦許可不許可コマンド」、「対戦相手情報コマンド」、「対戦終了コマンド」の4つであるからである。
そこで、この場合、対戦相手終了フラグ223jをオンに設定して(S2218)、対戦コマンド受信処理を終了し、メイン処理へ戻る。S2218の処理により対戦相手終了フラグ223jがオンされると、後述の対戦モード終了処理(図28参照)により、対戦遊技を終了させると共に、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに、対戦遊技を終了するメッセージを表示する。詳細については、図28を参照して説明する。
次に、図24を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される対戦モード処理(S1914)について説明する。図24は、この対戦モード処理(S1914)を示したフローチャートである。この対戦モード処理(S1914)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図20参照)の中で実行されるものである。この対戦モード処理(S1914)では、上述した通り、対戦遊技の開始および対戦遊技の終了を設定する。
この対戦モード処理が実行されると、まず、対戦中フラグ223gがオフか否かを判断する(S2301)。その結果、対戦中フラグ223gがオフの場合(S2301:Yes)、即ち、パチンコ機10が対戦遊技を実行中でない場合は、対戦遊技の開始を設定する対戦モード開始処理を実行し(S2302)、対戦モード処理を終了して、メイン処理へ戻る。一方、対戦中フラグ223gがオンの場合(S2301:No)、即ち、パチンコ機10が対戦遊技を実行中である場合は、対戦遊技の終了を設定する対戦モード終了処理を実行し(S2303)、対戦モード処理を終了して、メイン処理へ戻る。
ここで、図25〜図27を参照して、対戦モード開始処理(S2302)の詳細について説明する。図25〜図27は、音声ランプ制御装置113内のMPU221によって実行される対戦モード開始処理(S2302)を示したフローチャートである。なお、対戦モード終了処理(S2303)の詳細については、図28を参照して後述する。
図25に示す通り、この対戦モード開始処理では、まず、対戦開始要求フラグ223hがオンか否かを判断する(S2400)。対戦開始要求フラグ223hがオフの場合(S2400:No)、他のパチンコ機10から対戦遊技の開始が要求されていないことを意味する。そこで、この場合、次に、対戦開始ボタン45aが遊技者によって操作されたか(オンされたか)を確認し(S2401)、対戦開始ボタン45aが操作されていた(オンされていた)場合は(S2401:Yes)、対戦開始設定フラグ223cをオンに設定し(S2402)、対戦相手識別番号メモリ223oの対戦相手識別番号を0に設定する(S2403)。これにより、パチンコ機10は対戦開始設定状態となり、遊技者から対戦遊技をしたいパチンコ機10の選択を受け付ける選択待ち状態となる。
更に、対戦相手選択表示コマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S2404)、対戦モード開始処理を終了する。S2404の処理により、表示制御装置114に対して対戦相手選択表示コマンドが送信される。表示制御装置114では、対戦相手選択表示コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに、対戦遊技をしたいパチンコ機10を遊技者に選択させる画面を表示する。これにより、遊技者は、副表示領域Dsに表示される画面を見ながら、対戦相手右側選択ボタン45bと対戦相手左側選択ボタン45を操作し、対戦遊技をしたいパチンコ機10を選択することができる。
S2401の処理の結果、対戦開始ボタン45aが操作されていない(オンされていない)と判断される場合は(S2401:No)、次いで、対戦開始設定フラグ223cがオンされているか否かを判断する(S2405)。そして、対戦開始設定フラグ223cがオンされていれば(S2405:Yes)、パチンコ機10が対戦開始設定状態にあるので、次いで、対戦相手右側選択ボタン45bが遊技者によって操作されたか(オンされたか)を確認する(S2406)。
その結果、対戦相手右側選択ボタン45bが操作された(オンされた)と判断される場合は(S2406:Yes)、対戦相手識別番号メモリ223oの対戦相手識別番号に1を加算し(S2407)、S2408の処理へ移行する。また、S2406の処理の結果、対戦相手右側選択ボタン45bが操作されていない(オンされていない)と判断される場合は(S2406:No)、次いで、対戦相手左側選択ボタン45cが操作されたか(オンされたか)を判断する(S2409)。その結果、対戦相手左側選択ボタン45cが操作された(オンされた)と判断される場合は(S2409:Yes)、対戦相手識別番号メモリ223oの対戦相手識別番号から1減算し(S2410)、S2408の処理へ移行する。
S2408の処理では、加算または減算後の対戦相手識別番号を含む対戦相手選択表示コマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S2408)、対戦モード開始処理を終了する。S2408の処理により設定された対戦相手選択表示コマンドを表示制御装置114が受信すると、対戦相手右側選択ボタン45b又は対戦相手左側選択ボタン45cを遊技者が操作することによって選択されたパチンコ機10を示す情報が、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される。
S2409の処理の結果、対戦相手左側選択ボタン45cも操作されていない(オンされていない)と判断される場合は(S2409:No)、次いで、対戦相手決定ボタン45dが遊技者によって操作されたか(オンされたか)を判断する(S2411)。そして、対戦相手決定ボタン45dが操作されていない(オンされていない)場合は(S2411:No)、そのまま対戦モード開始処理を終了する。
一方、対戦相手決定ボタン45dが操作された(オンされた)場合は(S2411:Yes)、対戦相手識別番号メモリ223oに格納された対戦相手識別番号が0か否かを判断する(S2412)。その結果、対戦相手識別番号が0の場合は、対戦遊技の相手先として他のパチンコ機10が選択されなかったと判断し、対戦開始設定フラグ223cをオフに設定し(S2413)、対戦開始設定状態を解除する。また、対戦相手選択終了コマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2414)。そして、対戦モード開始処理を終了する。
表示制御装置114は、対戦相手選択終了コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに、対戦相手の選択終了を通知するメッセージを表示する。これにより、遊技者が対戦開始ボタン45aを操作したものの、対戦遊技を希望しない場合は、自機を対戦遊技の相手として選択して決定することで、対戦開始設定状態を抜け、対戦遊技を開始することなく遊技を続けることができる。
一方、S2412の処理の結果、対戦相手識別番号が0ではない場合は(S2412:No)、次に、その対戦相手識別番号が0より大きいか否かを判断する(S2415)。そして、対戦相手識別番号が0より大きい場合は(S2415:Yes)、対戦遊技の相手方のパチンコ機10として、自機より正面視右側にあるパチンコ機10が選択され決定されたことを意味する。そこで、対戦開始コマンドを右側赤外線LED37Rによって送信するべく、右側赤外線送信回路228Rに該コマンドを設定する(S2416)。また、S2415の処理の結果、対戦相手識別番号が0より小さい場合は(S2415:No)、対戦遊技の相手方のパチンコ機10として、自機より正面視左側にあるパチンコ機10が選択され決定されたことを意味する。そこで、対戦開始コマンドを左側赤外線LED37Lによって送信するべく、左側赤外線送信回路228Lに該コマンドを設定する(S2417)。このS2415〜S2417により、遊技者によって決定された対戦遊技の相手方にパチンコ機10に対して、対戦遊技の開始を要求することができる。
そして、S2416又はS2417の処理の後、対戦開始設定フラグ223cをオフに設定して(S2418)、対戦開始設定状態を解除する。また、対戦相手待ちフラグ223dをオンに設定して(S2419)、対戦開始コマンドを送信した対戦遊技の相手方のパチンコ機10から対戦遊技の許可または不許可が通知されるまで待ち状態とする。更に、対戦相手待ちコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S2420)、対戦モード開始処理を終了する。表示制御装置114は、対戦相手待ちコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに、対戦相手から対戦遊技を許可するか不許可とするかの回答待ちである旨のメッセージを表示して、遊技者に現在の状態を知らせることができる。
S2401の処理の結果、対戦開始ボタン45aは操作されていない(オンされていない)と判断され(S2401:No)、且つ、S2405の処理の結果、対戦開始設定フラグ223cがオフであると判断された場合、即ち、パチンコ機10が対戦開始設定状態にない場合(S2406:No)は、図26に示すS2421の処理へ移行する。
S2421の処理では、対戦相手待ちフラグ223dがオンか否かを判断し(S2421)、対戦相手待ちフラグ223dがオンされていない場合は(S2421:No)、対戦開始ボタン45aは操作されておらず、対戦開始設定状態にもなく、且つ、他のパチンコ機10に対して対戦開始コマンドを送信しておらず、対戦遊技の許可または不許可の通知の待ち状態でもないので、そのまま対戦モード開始処理を終了する。
一方、S2421の処理の結果、対戦相手待ちフラグ223dがオンされている場合は(S2421:Yes)、対戦遊技の相手方のパチンコ機10からの、対戦遊技の許可または不許可の通知の待ち状態であるので、次いで、対戦相手許可フラグ223eがオンか否かを判断する(S2422)。そして、対戦相手許可フラグ223eがオンの場合は(S2422:Yes)、対戦遊技の相手方のパチンコ機10から対戦遊技の許可が通知されているので、対戦相手待ちフラグ223d及び対戦相手許可フラグ223eをオフに設定(S2423)した後、対戦中フラグ223cをオンに設定し、更に、打球カウンタ223k、賞球カウンタ223l、変動回数カウンタ223m、大当たり回数カウンタ223nを全て0に設定する(S2424)。対戦中フラグ223cをオンに設定することにより、パチンコ機10は対戦遊技の実行状態となる。また、打球カウンタ223k、賞球カウンタ223l、変動回数カウンタ223m、大当たり回数カウンタ223nを全て0に設定することにより、これらのカウンタで、対戦遊技中に遊技者が使用した総打球数と、対戦遊技中に遊技者が得た総賞球数と、対戦遊技中に発生した変動演出の総回数と、対戦遊技中に発生した大当たりの総回数とをカウントすることができる。
次いで、対戦相手決定コマンドを表示制御装置114に対して送信するために設定し(S2425)、対戦モード開始処理を終了する。表示制御装置114は、対戦相手決定コマンドを受信することにより、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに、対戦相手が確定し、対戦遊技を開始するメッセージを表示する。これにより、遊技者は、対戦遊技が開始されたことを認識できる。
S2422の処理の結果、対戦相手許可フラグ223eがオフであると判断された場合は(S2422:No)、次いで、対戦相手不許可フラグ223fがオンか否かを判断する(S2426)。その結果、対戦相手不許可フラグ223fがオンの場合は(S2426:Yes)、対戦遊技の相手方のパチンコ機10から対戦遊技の不許可が通知されているので、対戦相手待ちフラグ223d及び対戦相手不許可フラグ223eをオフに設定(S2427)した後、対戦相手不許可コマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2428)。そして、対戦モード開始処理を終了する。表示制御装置114は、対戦相手不許可コマンドを受信することにより、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに、対戦相手が対戦遊技を許可しなかったことを通知するメッセージを表示する。これにより、遊技者は、対戦相手によって対戦遊技が許可されなかったことを認識できる。
S2426の処理の結果、対戦相手不許可フラグ223eがオフであると判断された場合は(S2426:No)、対戦遊技の相手方のパチンコ機10から対戦遊技の許可も不許可も通知されていない(対戦許可不許可コマンドを受信していない)状態である。この場合は、S2429の処理へ進み、S2416又はS2417の処理(図25)によって対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対し対戦開始コマンドの送信設定を行ってから所定時間が経過したか否かを判断する(S2429)。その結果、所定時間経過していなければ(S2429:No)、そのまま対戦モード開始処理を終了する。一方、所定時間経過している場合は(S2429:Yes)、所定時間の間、対戦遊技の相手方となるパチンコ機10から対戦許可不許可コマンドを受信しなかったことを意味するので、相手方のパチンコ機10との間で赤外線通信がうまく行われず、相手方のパチンコ機10が対戦開始コマンドを受信できなかったか、或いは、相手方のパチンコ機10で遊技している遊技者が、その対戦開始の要求に対して応えなかったものと想定される。
そこで、この場合は、対戦相手待ちフラグ223dをオフに設定して(S2430)、対戦遊技の許可または不許可の通知の待ち状態を解除し、対戦不成立コマンドを表示制御装置114に対して送信するために設定する(S2431)。そして、対戦モード開始処理を終了する。表示制御装置114は、対戦不成立コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに、対戦相手からの応答がなく、対戦遊技が不成立となったことを通知するメッセージを表示する。これにより、遊技者は、対戦遊技が不成立となったことを認識できる。
図25に戻り、S2400の処理の結果、対戦開始要求フラグ223hがオンであると判断された場合は(S2400)、他のパチンコ機10から、対戦遊技の開始の要求があったことを意味する。そこで、この場合は、図27に示すS2422の処理へ移行する。
S2422の処理では、対戦相手待ちフラグ223dがオンか否かを判断する(S2422)。そして、対戦相手待ちフラグ223dがオンの場合(S2422:Yes)、自機が、遊技者の決定した対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して対戦開始を要求し、その相手方のパチンコ機10からの対戦遊技の許可または不許可の通知の待ち状態であるときに、他のパチンコ機10から対戦遊技の開始の要求があったことを意味する。
そこで、この場合は、対戦開始要求フラグ223hをオフに設定した後(S2433)、対戦開始コマンドを受信した場合にS2209(図23)の処理によって特定した送信元識別番号が0より大きいか否かを判断し(S2434)、その送信元識別番号が0より大きいと判断される場合は(S2434:Yes)、対戦開始コマンドを送信したパチンコ機10が自機に対して正面視右側にあるので、対戦不許可を示す対戦許可不許可コマンドを右側赤外線LED37Rによって送信するべく、右側赤外線送信回路228Rに該コマンドを設定する(S2435)。また、送信元識別番号が0より小さいと判断される場合は(S2434:No)、対戦開始コマンドを送信したパチンコ機10が自機に対して正面視左側にあるので、対戦不許可を示す対戦許可不許可コマンドを左側赤外線LED37Lによって送信するべく、左側赤外線送信回路228Lに該コマンドを設定する(S2435)。
S2433〜S2436の処理によって、対戦相手待ちフラグ223dがオンの間に、他のパチンコ機10から対戦開始を要求する対戦開始コマンドを受信した場合は、その対戦開始を要求した他のパチンコ機10に対して、対戦不許可を示す対戦許可不許可コマンドが赤外線通信によって送信されるので、遊技者が決定した対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して対戦開始を要求しているにもかかわらず、他のパチンコ機10から受信した対戦開始を要求する対戦開始コマンドに応えて、その他のパチンコ機10との間で対戦遊技が開始されることを抑制できる。
S2435又はS2436の処理が実行された後、図26に示すS2422の処理へ移行する。これにより、対戦相手待ちフラグ223dがオンの間に、他のパチンコ機10から対戦開始を要求する対戦開始コマンドを受信しても、引き続き、遊技者の決定した対戦遊技の相手方のパチンコ機10から、対戦遊技の許可または不許可の通知を待つことができる。
図27に戻り、説明を続ける。S2432の処理により、対戦相手待ちフラグ223dがオフであると判断される場合は(S2432:No)、次いで、要求回答待ちフラグ223iがオンか否かを判断する(S2437)。そして、要求回答待ちフラグ223iがオフである場合は(S2437:No)、要求回答待ちフラグ223iをオンに設定し(S2438)、更に、対戦遊技の開始を要求したパチンコ機10の送信元識別番号を含む対戦開始要求コマンドを、表示制御装置114へ送信するために設定する(S2439)。そして、対戦モード開始処理を終了する。
S2438の処理により、パチンコ機10において、他のパチンコ機10から対戦遊技の開始が要求された場合に、その要求に対して、自機の遊技者から対戦遊技を許可するか不許可とするかの回答待ちであることを示すことができる。また、S2439の処理によって送信された対戦開始コマンドを、表示制御装置114が受信すると、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに、対戦遊技の開始が要求されたことを、その要求をしたパチンコ機10の情報と共に示すメッセージを表示する。これにより、遊技者は、対戦遊技の開始の要求があったことと、その要求を行ったパチンコ機10とを把握することができる。
S2437の処理の結果、要求回答待ちフラグ223iがオンであると判断される場合は(S2437:Yes)、次いで、対戦開始ボタン45aが遊技者により操作された(オンされた)か否かを判断する(S2440)。そして、対戦開始ボタン45aが操作された(オンされた)場合は(S2440:Yes)、対戦遊技の開始を要求したパチンコ機10の送信元識別番号が0より大きいか否かを判断する(S2441)。
その結果、その送信元識別番号が0より大きいと判断される場合は(S2434:Yes)、対戦開始コマンドを送信したパチンコ機10が自機に対して正面視右側にあるので、対戦許可を示す対戦許可不許可コマンドを右側赤外線LED37Rによって送信するべく、右側赤外線送信回路228Rに該コマンドを設定する(S2442)。また、送信元識別番号が0より小さいと判断される場合は(S2434:No)、対戦開始コマンドを送信したパチンコ機10が自機に対して正面視左側にあるので、対戦許可を示す対戦許可不許可コマンドを左側赤外線LED37Lによって送信するべく、左側赤外線送信回路228Lに該コマンドを設定する(S2443)。これにより、対戦開始ボタン45aが操作された場合は、対戦遊技の開始を要求したパチンコ機10に対して、対戦許可を通知することができる。
また、S2442又はS2443の処理の後、対戦中フラグ223cをオンに設定し、更に、打球カウンタ223k、賞球カウンタ223l、変動回数カウンタ223m、大当たり回数カウンタ223nを全て0に設定する(S2444)。対戦中フラグ223cをオンに設定することにより、パチンコ機10は対戦遊技の実行状態となる。また、打球カウンタ223k、賞球カウンタ223l、変動回数カウンタ223m、大当たり回数カウンタ223nを全て0に設定することにより、これらのカウンタで、対戦遊技中に遊技者が使用した総打球数と、対戦遊技中に遊技者が得た総賞球数と、対戦遊技中に発生した変動演出の総回数と、対戦遊技中に発生した大当たりの総回数とをカウントすることができる。
次いで、対戦遊技の開始を要求したパチンコ機10の送信先識別番号を対戦相手識別番号として、対戦相手識別番号メモリ223oに格納する(S2445)。これにより、対戦遊技の開始を要求したパチンコ機10との間で対戦遊技を行うことができる。
また、対戦相手決定コマンドを表示制御装置114に対して送信するために設定する(S2446)。表示制御装置114は、対戦相手決定コマンドを受信することにより、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに、対戦相手が確定し、対戦遊技を開始するメッセージを表示する。これにより、遊技者は、対戦遊技が開始されたことを認識できる。そして、対戦開始要求フラグ223hと要求回答待ちフラグ223iとオフに設定して(S2447)、対戦モード開始処理を終了する。
一方、S2440の処理の結果、対戦開始ボタン45aが操作されていない(オンされていない)場合は(S2440:No)、次いで、対戦終了ボタン45eが操作されたか(オンされたか)否かを判断する(S2448)。そして、対戦終了ボタン45eが操作されていなければ(オンされていなければ)(S2448:No)、そのまま対戦モード開始処理を終了する。
一方、対戦終了ボタン45eが操作されていれば(オンされていれば)(S2448:Yes)、対戦遊技の開始を要求したパチンコ機10の送信元識別番号が0より大きいか否かを判断する(S2449)。そして、送信元識別番号が0より大きいと判断される場合は(S2449:Yes)、対戦開始コマンドを送信したパチンコ機10が自機に対して正面視右側にあるので、対戦不許可を示す対戦許可不許可コマンドを右側赤外線LED37Rによって送信するべく、右側赤外線送信回路228Rに該コマンドを設定する(S2450)。また、送信元識別番号が0より小さいと判断される場合は(S2449:No)、対戦開始コマンドを送信したパチンコ機10が自機に対して正面視左側にあるので、対戦不許可を示す対戦許可不許可コマンドを左側赤外線LED37Lによって送信するべく、左側赤外線送信回路228Lに該コマンドを設定する(S2451)。これにより、対戦終了ボタン45eが操作された場合は、対戦遊技の開始を要求したパチンコ機10に対して、対戦不許可を通知することができる。
S2450又はS2451の処理の後、S2447の処理へ移行し、対戦開始要求フラグ223hと要求回答待ちフラグ223iとオフに設定して(S2447)、対戦モード開始処理を終了する。
次いで、図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221によって実行される対戦モード終了処理(S2303)の詳細について説明する。図28は、この対戦モード終了処理(S2303)を示したフローチャートである。対戦モード終了処理(S2303)は、上述した通り、音声ランプ制御装置113内のMPU221によって実行される対戦モード処理(図24)の中で実行されるものであり、対戦遊技が行われる場合(即ち、対戦中フラグ223gがオンの場合)に、対戦遊技の終了を設定する。
この対戦モード終了処理では、まず、対戦終了ボタン45eが操作されたか(オンされたか)否かを判断する(S2501)。そして、対戦終了ボタン45eが操作されている場合(オンされている場合)は(S2501:Yes)、自機の遊技者が対戦遊技の終了を指示したことを意味する。
そこで、この場合は、対戦相手識別番号メモリ223oに格納されている対戦相手識別番号が0より大きいか否かを判断する(S2502)。その結果、対戦相手識別番号が0より大きい場合は、対戦遊技の相手方のパチンコ機10が、自機に対して正面視右側にあるので(S2502:Yes)、対戦遊技の終了を通知する対戦相手終了コマンドを右側赤外線LED37Rによって送信するべく、右側赤外線送信回路228Rに該コマンドを設定し(S2503)、S2506の処理へ移行する。また、S25202の処理の結果、対戦相手識別番号が0より小さい場合は、対戦遊技の相手方のパチンコ機10が、自機に対して正面視左側にあるので(S2503:Yes)、対戦遊技の終了を通知する対戦相手終了コマンドを左側赤外線LED37Lによって送信するべく、左側赤外線送信回路228Lに該コマンドを設定し(S2504)、S2506の処理へ移行する。S2503又はS2504の処理によって、対戦遊技の相手方のパチンコ機10に対して対戦遊技の終了が通知され、相手方のパチンコ機10において、対戦遊技を終了させることができる。
一方、S2501の処理の結果、対戦終了ボタン45eが操作されていない場合(オンされていない場合)は、次いで、対戦相手終了フラグ223jがオンか否かを判断する(S2505)。その結果、対戦相手終了フラグ223jがオフであれば(S2505:No)、そのまま対戦モード終了処理を終了する。これにより、対戦遊技が継続して実行される。これに対し、対戦相手終了フラグ223jがオンであれば(S2505:Yes)、対戦遊技の相手方のパチンコ機10から、対戦遊技終了を通知する対戦相手終了コマンドを受信したことを意味するので、S2506の処理へ移行する。
S2506の処理では、対戦中フラグ223gをオフに設定する(S2506)。これにより、パチンコ機10において、対戦遊技の実行が終了する。次いで、対戦相手終了フラグ223jをオフに設定し(S2508)、また、対戦終了コマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2508)。そして、対戦モード終了処理を終了する。
S2508の処理により、表示制御装置114に対して対戦終了コマンドが送信されると、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに、対戦遊技が終了したことを通知するメッセージを表示する。これにより、遊技者は、対戦遊技が終了したことを認識できる。
以上、説明したように、本第1実施形態のパチンコ機10によれば、パチンコ機10の正面視右側には、右側赤外線LED37Rと右側赤外線センサ38Rとが配設され、パチンコ機10の正面視左側には、左側赤外線LED37Lと左側赤外線センサ38Lとが配設されている。そして、右側赤外線LED37Rは、そのパチンコ機10の右側に設置されたパチンコ機10に向けて赤外線が照射され、その右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線センサ38Lで、その照射された赤外線が受光される。また、左側赤外線LED37Lは、そのパチンコ機10の左側に設置されたパチンコ機10に向けて赤外線が照射され、その左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rで、その照射された赤外線が受光される。
これにより、左側のパチンコ機10の正面視右側に設けられた赤外線LED37R及び赤外線センサ38Rと、右側のパチンコ機10の正面視左側に設けられた赤外線LED37L及び赤外線センサ38Lとを用いることによって、複数のパチンコ機10とを簡易に連結しつつ、これらのパチンコ機10との間で各種データを送受信する赤外線通信を可能とすることができる。
特に、赤外線LED37R,37Lは、電飾部29〜33や表示ランプ34で用いられる他のLED(可視光LED)と同様に後述の音声ランプ制御装置113(図6参照)により制御することで、容易に赤外線を照射することができる。また、赤外線センサ38R,38Lは、パチンコ機10に接続される他のセンサや各種ボタン(振動センサ(図示せず)や枠ボタン22など)と同様に、音声ランプ制御装置113によって、その入力が容易に処理される。
つまり、パチンコ機10に、赤外線LED37R,37Lと赤外線センサ38R,38Lとを採用することは容易に行うことができる。よって、赤外線LED37R,37Lと、赤外線センサ38R,38Lとを用いることによって、複数のパチンコ機10同士を簡易に連結しつつ、これらのパチンコ機10との間で各種データを送受信する赤外線通信を可能にすることができる。
また、島設備に設置された各パチンコ機10の間には、通常、紙幣やプリペイドカード、ICカード等の投入によって遊技者への球の貸し出しを制御するカードサンド装置500が設置される。しかしながら、右側赤外線LED37Rと、左側赤外線センサ38Lとは、前面枠14がパチンコ機10の前面側に突出した突出部分に設けられているので、カードサンド装置500よりも前面側で、左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線LED37Rから、右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線センサ38Lに向けて、赤外線を照射できる。また、左側赤外線LED37Lと、右側赤外線センサ38Rとは、右側赤外線LED37Rと、左側赤外線センサ38Lと同様に、前面枠14がパチンコ機10の前面側に突出した突出部分に設けられているので、カードサンド装置500よりも前面側で、右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線LED37Lから、左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rに向けて、赤外線を照射できる。
よって、カードサンド装置500が障害となることなく、左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線LED37Rから、右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線センサ38Lに向けて赤外線を照射でき、また、右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線LED37Lから、左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rに向けて赤外線を照射できるので、その赤外線を用いることにより、複数のパチンコ機10に対して各種データを送信することができる。
また、右側赤外線LED37Rと、左側赤外線センサ38Lと、左側赤外線LED37Lと、右側赤外線センサ38Rとは、パチンコ機10の上部に設けられた、前面枠14の突出部分に配設されている。遊技者は、窓部14cを介して視認可能な遊技盤13を特に注視しながら遊技を行っている。よって、パチンコ機10の上部に設けられた前面枠14の突出部分に右側赤外線LED37Rと、左側赤外線センサ38Lと、左側赤外線LED37Lと、右側赤外線センサ38Rとを配設することによって、遊技を妨げることなく、複数のパチンコ機10との間で赤外線通信を可能とすることができる。
また、パチンコ機10において、パチンコ機10の正面視右側には、上側に右側赤外線LED37Rが設けられ、下側に右側赤外線センサ38Rが設けられている一方、パチンコ機10の正面視左側には、上側に左側赤外線センサ38Lが設けられ、下側に左側赤外線LED37Lが設けられており、2つの赤外線LED37R,37Lと2つの赤外線センサ38R,38Lとが対角線状に配設されている。よって、この2つの赤外線LED37R,37Lと2つの赤外線センサ38R,38Lとが対角線状に配設されたパチンコ機10を島設備に複数台並べて設置すれば、その島設備に設置された全てのパチンコ機10が、それぞれ、左右隣に設置されたパチンコ機10と連結され、赤外線通信を行うことができる。従って、島設備に設置された全てのパチンコ機10を連結させることができるので、島設備に設置されたパチンコ機10同士で通信を行うことができる。その結果、島設備に設置された任意のパチンコ機10との間で対戦遊技を行うなどの、複数のパチンコ機10にまたがった演出を行うことができる。
また、上述した通り、左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線LED37Rから、右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線センサ38Lに向けて照射される赤外線は、搬送波周波数が38kHzに設定され、右側に設置されたパチンコ機10の左側赤外線LED37Lから、左側に設置されたパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rに向けて照射される赤外線は、搬送波周波数が455kHzに設定されている。よって、仮に、右側のパチンコ機10の左側赤外センサ38Lが、左側のパチンコ機10の右側赤外線LED37Rより照射された赤外線を、左側のパチンコ機10の右側赤外線センサ38R方向に反射させたとしても、反射された赤外線の搬送波周波数が38kHzなのに対して、右側赤外線センサ38Rが受信可能な赤外線の搬送波周波数は455kHzであるので、右側赤外線センサ38Rでは、搬送波周波数が38kHzで送信されたデータを復調することはできず、誤受信を抑制することができる。
また、右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Lは、いずれも、パチンコ機10の上側に設けられているので、遊技者の手や、遊技者が島設備の載置棚に置いた物体(ペットボトル等)などによって、赤外線LED37R,37Lより照射された赤外線が遮られることを抑制できる。また、上皿17に設けられた枠ボタン22より離して、右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Lを設けることができるので、遊技者が遊技に熱中するあまり、強く枠ボタン22を操作した場合であっても、その振動が右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Lへ伝わることを抑制できる。よって、振動によって右側赤外線LED37Rと左側赤外線センサ38Lとの光軸がずれ、または、左側赤外線LED37Lと右側赤外線センサ38Rとの光軸がずれることで、赤外線通信がうまく行えない自体が発生することを抑制できる。
また、右側赤外線LED37Rと右側赤外線センサ38Rとが近接して配設され、左側赤外線LED37Lと左側赤外線センサ38Lとが近接して配設されるので、それぞれが離散して配設される場合と比して、前面枠14に設置されるその他の装飾用の樹脂部品や電気部品の配置の自由度を高めることができる。よって、パチンコ機10のデザイン設計を容易にすることができる。
次いで、図29(a)を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Lをいずれもパチンコ機10(前面枠14)の上部に設けられた、前面枠14の突出部分に配設する場合について説明した。また、第1実施形態におけるパチンコ機10では、右側赤外線LED37R及び右側赤外線センサ38Rの正面視左側に赤外線を吸収する赤外線吸収板39Rを設け、左側赤外線LED37L及び左側赤外線センサ38Lの正面視左側に赤外線吸収板39Lを設ける場合について説明した。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、右側赤外線センサLED37R及び左側赤外線センサ38Lを、パチンコ機10(前面枠14)の上部に設けられた前面枠14の突出部分に配設する一方、左側赤外線センサLED37L及び右側赤外線センサ38Rを、前面枠14の下部であって上皿17の上側に設けられた前面枠14の突出部分(前面側に突出した部分)に設けている。また、第2実施形態におけるパチンコ機10では、右側赤外線センサ38Rの正面視左側に赤外線を吸収する赤外線吸収板39Rを設け、左側赤外線センサ38Lの正面視左側に赤外線吸収板39Lを設けている。
なお、2つの赤外線LED37R,37Lと2つの赤外線センサ38R,38Lとは、第1実施形態と同様に、対角線状に配設されている。即ち、パチンコ機10の正面視右側には、上側に右側赤外線LED37Rが設けられ、下側に右側赤外線センサ38Rが設けられている一方、パチンコ機10の正面視左側には、上側に左側赤外線センサ38Lが設けられ、下側に左側赤外線LED37Lが設けられている。
この第2実施形態では、赤外線LED37R,37L、赤外線センサ38R,38L、及び、赤外線吸収板39R,39Lの配設場所が、第1実施形態と異なるだけであり、それ以外の構成、例えば、パチンコ機10の電気的構成などは第1実施形態と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
第2実施形態のパチンコ機10によれば、右側赤外線センサLED37R及び左側赤外線センサ38Lが、パチンコ機10(前面枠14)の上部に設けられた前面枠14の突出部分に配設されているので、右側のパチンコ機10から左側のパチンコ機10に対して、パチンコ機10(前面枠14)の上部で赤外線通信によりデータを送信できる。一方、左側赤外線センサLED37L及び右側赤外線センサ38Rが、前面枠14の下部であって上皿17の上側に設けられた前面枠14の突出部分に配設されているので、左側のパチンコ機10から右側のパチンコ機10に対して、前面枠14の下部で赤外線通信によりデータを送信できる。よって、右側のパチンコ機10から左側のパチンコ機10に対して赤外線通信によりデータを送信する場合と、左側のパチンコ機10から右側のパチンコ機10に対して赤外線通信によりデータを送信する場合とで、赤外線通信が離れた場所で行われる。従って、例えば、右側のパチンコ機10の左側赤外センサ38Lが、左側のパチンコ機10の右側赤外線LED37Rより照射された赤外線を反射させたとしても、その反射された赤外線が左側のパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rまで届く可能性を抑えることができ、誤受信を抑制することができる。
また、右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Lが、それぞれ離散して配設されるので、近接して配設する場合と比して、各赤外線LED37R,37L、赤外線センサ38R,38Lの配置の自由度を高めることができる。
また、右側赤外線センサ38Rの正面視左側に赤外線を吸収する赤外線吸収板39Rを設け、左側赤外線センサ38Lの正面視左側に赤外線吸収板39Lを設けているので、例えば、左側のパチンコ機10の左側赤外線LED37Lから右側のパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rに向けて照射された赤外線の一部が、その右側赤外線センサ38Rより正面視左側に進行した場合であっても、その右側赤外線センサ38Rよりも正面視左側にある赤外線吸収板39Rによって、右側赤外線センサ38Rより正面視左側に進行した赤外線を吸収させ、それ以上、正面視左側に赤外線が進行することを抑制できる。よって、左側のパチンコ機10の左側赤外線LED37Lから右側のパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rに向けて照射された赤外線の一部が、その右側赤外線センサ38Rより正面視左側に進行した場合に、その正面視左側に進行した赤外線の一部が、更に左側のパチンコ機10(図示せず)の右側赤外線センサ38Rに届いて、赤外線通信が不正常に行われてしまうことを抑制できる。従って、島設備に複数のパチンコ機10を並べて設置した場合に、上記の通りに、右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Lを配設したとしても、各パチンコ機10の間で正常に赤外線通信を行うことができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
次いで、図29(b)を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態および第2実施形態におけるパチンコ機10では、右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Rを前面枠14の一部であって前面側に突出した突出部分に設ける場合について説明した。また、少なくとも右側赤外線センサ38Rの正面視左側に赤外線吸収板39Rを設け、左側赤外線センサ38Lの正面視左側に赤外線吸収板39Lを設ける場合について説明した。
これに対し、第3実施形態では、右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Lを、上皿17に配設している。なお、2つの赤外線LED37R,37Lと2つの赤外線センサ38R,38Lとは、第1及び第2実施形態と同様に、対角線状に配設されている。即ち、パチンコ機10の正面視右側には、上側に右側赤外線LED37Rが設けられ、下側に右側赤外線センサ38Rが設けられている一方、パチンコ機10の正面視左側には、上側に左側赤外線センサ38Lが設けられ、下側に左側赤外線LED37Lが設けられている。また、第3実施形態では、第1及び第2実施形態で設けた赤外線吸収板39R,39Lを設けていない。
この第3実施形態では、赤外線LED37R,37L、赤外線センサ38R,38Lの配設場所が、第1及び第2実施形態と異なり、また、第3実施形態では第1及び第2実施形態で設けた赤外線吸収板39R,39Lを設けていない点が異なるだけであり、それ以外の構成、例えば、パチンコ機10の電気的構成などは、第1及び第2実施形態と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
第3実施形態のパチンコ機10によれば、右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Lが上皿17に配設されているので、窓部14cの大きさを大きくすることができ、遊技盤13を広く遊技者に視認させることができる。よって、遊技盤13に設けられた第3図柄表示装置81の表示面積の大型化も図ることができる。また、右側赤外線LED37R、右側赤外線センサ38R、左側赤外線LED37L、左側赤外線センサ38Lを上皿17に配設することで、前面枠14に設置される装飾用の樹脂部品や電気部品の配置の自由度を高めることができる。
また、上皿17は、一般的に不透明で構成されており、赤外線を透過させることができない。よって、第1及び第2実施形態で設けたような赤外線吸収板39R,39Lを設けなくても、例えば、左側のパチンコ機10の左側赤外線LED37Lから右側のパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rに向けて照射された赤外線の一部が、その右側赤外線センサ38Rより正面視左側に進行することを上皿17自体で抑制することができる。従って、赤外線吸収板39R,39Lを不要とすることができ、部品点数を削減することができる。なお、上皿17が透明部材によって構成される場合は、赤外線吸収板39R,39Lを設けてもよい。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1又は第2実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、対応する実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
尚、上記実施形態に記載の「第3図柄」が、特許請求の範囲に記載の「識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「変動演出」が、特許請求の範囲に記載の「識別情報の動的表示」に対応する。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態において、左側のパチンコ機10における右側赤外線LED37Rから、右側のパチンコ機10における左側赤外線センサ38Lへのデータの送信が行われている間、右側のパチンコ機10における左側赤外線LED37Lから、左側のパチンコ機10における右側赤外線センサ38Rへのデータの送信を非実行とし、右側のパチンコ機10における左側赤外線LED37Lから、左側のパチンコ機10における右側赤外線センサ38Rへのデータの送信が行われている間、左側のパチンコ機10における右側赤外線LED37Rから、右側のパチンコ機10における左側赤外線センサ38Lへのデータの送信を非実行とするように、左側のパチンコ機10と右側のパチンコ機10との間の赤外線通信を制御するように構成してもよい。即ち、側のパチンコ機10と右側のパチンコ機10との間の赤外線通信を、半二重方式によって行ってもよい。
これにより、仮に、右側のパチンコ機10の左側赤外センサ38Lが、左側のパチンコ機10の右側赤外線LED37Rより照射された赤外線を、左側のパチンコ機10の右側赤外線センサ38R方向に反射させたとしても、左側のパチンコ機10における右側赤外線LED37Rから、右側のパチンコ機10における左側赤外線センサ38Lへのデータの送信が行われている間は、右側のパチンコ機10における左側赤外線LED37Lから、左側のパチンコ機10における右側赤外線センサ38Rへのデータの送信が非実行とされるので、反射された赤外線を左側のパチンコ機10の右側赤外線センサ38Rが受信することはない。よって、反射された赤外線による誤受信を抑制することができる。
上記第3実施形態では、赤外線LED37R,37L及び赤外線センサ38R,38Lを上皿17に配設する場合について説明したが、例えば、左側赤外線LED37Lと右側赤外線センサ38Rとを上皿17に配設し、右側赤外線LED37Rと左側赤外線センサ38Lとを上皿17より上側の前面枠14に配設してもよい。または、右側赤外線LED37Rと左側赤外線センサ38Lとを上皿17に配設し、左側赤外線LED37Lと右側赤外線センサ38Rとを上皿17より上側の前面枠14に配設してもよい。
上記各実施形態では、パチンコ機10の正面視右側には、上側に右側赤外線LED37R、下側に右側赤外線センサ38Rを設け、パチンコ機10の正面視左側には、上側に左側赤外線センサ38L、下側に左側赤外線LED37Lを設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、パチンコ機10の正面視右側には、上側に右側赤外線センサ38R、下側に右側赤外線LED37Rを設け、パチンコ機10の正面視左側には、上側に左側赤外線LED37L、下側に左側赤外線センサ38Lを設けてもよい。
また、あるパチンコ機10は、上側に右側赤外線LED37R及び左側赤外線LED37L、下側に右側赤外線センサ38R及び左側赤外線センサ38Lを設け、別のパチンコ機10は、上側に右側赤外線センサ38R及び左側赤外線センサ38L、下側に右側赤外線LED37R及び左側赤外線LED37Lを設けておき、島設備にパチンコ機10を複数台並べて設置する場合に、上側に赤外線LED37R,37Lが設けられたパチンコ機10と、上側に赤外線センサ38R,38Lが設けられたパチンコ機10とを交互に並べてもよい。これによっても、その島設備に設置された全てのパチンコ機10が、それぞれ、左右隣に設置されたパチンコ機10と連結され、赤外線通信を行うことができる。従って、島設備に設置された全てのパチンコ機10を連結させることができるので、島設備に設置されたパチンコ機10同士で通信を行うことができる。その結果、島設備に設置された任意のパチンコ機10との間で対戦遊技を行うなど、複数のパチンコ機10にまたがった演出を行うことができる。
上記各実施形態では、対戦遊技として、自機の遊技情報と他機(対戦遊技の相手方のパチンコ機10)の遊技情報とを第3図柄表示装置81に表示する場合について説明し、赤外線通信で送信するデータとして、自機の遊技情報を送信する場合について説明したが、対戦遊技の内容はこれに限られるものではない。例えば、パチンコ機10において、第1入球口64への始動入賞のタイミングで取得され保留球格納エリアに保留される各種乱数の値を先読みして、保留中の始動入賞に対応する大当たり抽選結果を予測する機能を有しておき、その予測された大当たり抽選の予測結果を、赤外線通信によって他機(対戦遊技の相手方のパチンコ機10)へ送信してもよい。また、第1入球口64への始動入賞のタイミングで取得され保留球格納エリアに保留される各種乱数の一部または全部の値を、赤外線通信によって他機へ送信してもよい。そして、対戦遊技として、先読みによって予測された自機の大当たり抽選の予測結果と、他機から受信した大当たり抽選の予測結果、或いは、他機から受信した各種乱数の値に基づいて予測される他機の大当たり抽選の予測結果とに基づいて、各種演出を実行するようにしてよい。例えば、自機と他機との間でレースゲームを実行し、保留球の中に大当たりとなる保留球が存在するパチンコ機側が勝利する演出を行うことで、対戦遊技を行うようにしてもよい。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記各実施形態において、球が入球した場合に大当たりの抽選が開始される第1入球口64が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、保留球数カウンタ223aの値を1減らす(図22のS2107参照)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理(図13参照)において、変動開始処理(S1207)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(N)を(図13のS1205参照)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、保留球数コマンドを設定し、その保留球数コマンドが変動パターンコマンドの送信と合わせて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。尚、この場合、図22のS2107は省略される。
上記各実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、音声ランプ制御装置113で生成して表示制御装置114に通知したコマンドに代えて各種フラグを生成し、そのフラグに基づいて、第3図柄表示装置81における表示の制御を行ってもよい。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置85とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる、各種発明の概念を示す。
遊技の主たる制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの従制御信号に基づいて制御を行う従制御手段と、その従制御手段からの指示に基づいて演出を行う演出実行手段と、を備え、入賞役に当選すると遊技者が所定の遊技価値を獲得可能な入賞役遊技が実行される遊技機であって、隣接して設けられた遊技機に対して赤外線通信により信号を送信する送信手段と、前記隣接して設けられた遊技機から赤外線通信により送信される信号を受信する受信手段と、を備え、前記従制御手段は、前記従制御信号に基づいて行われる制御に関する情報を含む信号を、前記隣接して設けられた遊技機に対して送信するように、前記送信手段を制御する送信制御手段と、前記受信手段によって前記隣接して設けられた遊技機より信号を受信した場合に、該信号と前記従制御信号とに基づいて、前記演出実行手段に所定の演出を実行させるよう指示を行う指示手段と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、主制御手段によって遊技機の主たる制御が行われ、その主制御手段からの従制御信号に基づいて従制御手段によって制御が行われる。この従制御手段からの指示に基づいて演出実行手段により演出が行われる。そして、入賞役に当選すると、遊技者が所定の遊技価値を獲得可能な入賞役遊技が実行される。また、送信手段によって、隣接して設けられる遊技機に対して赤外線通信により信号が送信される一方、受信手段によって、その隣接して設けられる遊技機から赤外線通信により送信される信号が受信される。ここで、従制御手段の送信制御手段によって、主制御手段からの従制御信号に基づいて行われる制御に関する情報を含む信号が、前記隣接して設けられた遊技機に対して送信手段により送信される。一方、受信手段によって隣接して設けられた遊技機より信号を受信した場合に、該信号と主制御手段からの従制御信号とに基づいて、従制御手段の指示手段により、演出実行手段に所定の演出を実行させるよう指示が行われる。これにより、赤外線通信によって、少なくとも隣接する遊技機を簡易に連結し、自機とこの隣接する遊技機との間で信号を送受信しながら、少なくとも自機の遊技情報と隣接する遊技機の遊技状況とに応じた演出を実行させることができる。よって、遊技機間を簡易に連結しつつ、複数の遊技機にまたがって演出を実行できるという効果がある。
遊技機A2において、前記送信手段は、隣接して設けられた一方の遊技機に対して赤外線通信により信号を送信する第1送信手段と、隣接して設けられた他方の遊技機に対して赤外線通信により信号を送信する第2送信手段と、を有し、前記受信手段は、前記一方の遊技機から赤外線通信により送信される信号を受信する第1受信手段と、前記他方の遊技機から赤外線通信により送信される信号を受信する第2受信手段と、を有することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1送信手段によって、隣接して設けられる一方の遊技機に対して赤外線通信により信号が送信され、また、第2送信手段によって、隣接して設けられる他方の遊技機に対して赤外線通信により信号が送信される。また、第1受信手段によって、前記一方の遊技機から赤外線通信により送信される信号が受信され、第2受信手段によって、前記他方の遊技機から赤外線通信により発信される信号が受信される。これにより、赤外線通信によって、少なくとも自機と、その自機に隣接する2つの遊技機とを簡易に連結し、自機とこの隣接する2つの遊技機との間で信号を送受信しながら、少なくとも自機の遊技情報と隣接する2つの遊技機の遊技状況とに応じた演出を実行させることができる。よって、自機の右側と左側にある複数の遊技機間を簡易に連結しつつ、その複数の遊技機にまたがって演出を実行できるという効果がある。
遊技機A2において、前記第1送信手段は、前記遊技機の正面視右側に設けられ、自機の右側に隣接して設けられる一方の遊技機に対して赤外線通信により信号を送信し、前記第2送信手段は、前記遊技機の正面視左側に設けられ、自機の左側に隣接して設けられる他方の遊技機に対して赤外線通信により信号を送信し、前記第1受信手段は、前記遊技機の正面視右側に設けられ、自機の右側に隣接して設けられる前記一方の遊技機が有する前記第2送信手段から赤外線通信により送信される信号を受信し、前記第2受信手段は、前記遊技機の正面視左側に設けられ、自機の左側に隣接して設けられる前記他方の遊技機が有する前記第1送信手段から赤外線通信により送信される信号を受信するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1送信手段によって、自機の右側に隣接して設けられる一方の遊技機に対して赤外線通信により信号が送信され、第2送信手段によって、自機の右側に隣接して設けられる他方の遊技機に対して赤外線通信により信号が送信される。また、第1受信手段によって、自機の右側に隣接して設けられる一方の遊技機が有する第2送信手段から赤外線通信により送信される信号が受信され、第2受信手段によって、自機の左側に隣接して設けられる他方の遊技機が有する第1送信手段から赤外線通信により発信される信号が受信される。これにより、島設備等に並んで設置された複数の遊技機間を簡易に連結しつつ、その複数の遊技機にまたがって演出を実行できるという効果がある。
遊技機A3において、前記第2送信手段は、前記第1送信手段と異なる高さの位置に設けられ、前記第1受信手段は、前記第2送信手段と同じ高さの位置に設けられ、前記第2受信手段は、前記第1送信手段と同じ高さの位置に設けられることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2送信手段は、第1送信手段と異なる高さの位置に設けられる中で、第1受信手段は、第2送信手段と同じ高さの位置に設けられ、第2受信手段は、第1送信手段と同じ高さの位置に設けられるので、この遊技機を島設備等に複数並べて設置すれば、どの遊技機も隣接する遊技機との間で、第1送信手段は右側に隣接する遊技機の第2受信手段に向けて信号を送信でき、第2送信手段は左側に隣接する遊技機の第1受信手段に向けて信号を送信でき、第1受信手段は右側に隣接する遊技機の第2送信手段から送信された信号を受信でき、第2受信手段は左側に隣接する遊技機の第1送信手段から送信された信号を受信できる。つまり、どの遊技機も隣接する遊技機との間で信号の送受信を赤外線通信により行うことができるので、島設備等に複数並べて設置された全ての遊技機を簡易に連結しつつ、その複数の遊技機にまたがって演出を実行できるという効果がある。
遊技機A1において、前記送信手段と前記受信手段とが近接して配設されることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、送信手段と受信手段とが近接して配設されるので、それぞれが離散して配設される場合と比して、遊技機に配設される装飾用の樹脂部品や電気部品の配置の自由度を高めることができる。よって、遊技機の意匠設計を容易にすることができる。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記第1送信手段と前記第1受信手段とが近接して配設され、前記第2送信手段と前記第2受信手段とが近接して配設されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機A2からA4のいずれが奏する効果に加え、第1送信手段と第1受信手段とが近接して配設され、第2送信手段と第2受信手段とが近接して配設されるので、それぞれが離散して配設される場合と比して、遊技機に配設される装飾用の樹脂部品や電気部品の配置の自由度を高めることができる。よって、遊技機の意匠設計を容易にすることができる。
遊技機A1において、前記送信手段と前記受信手段とが所定距離以上離れて配設されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、送信手段と受信手段とが所定距離以上離れて配設されるので、これらを近接して配設する場合と比して、送信手段および受信手段の配置の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機A2からS4のいずれかにおいて、前記第1送信手段と前記第1受信手段とが所定距離以上離れて配設され、前記第2送信手段と前記第2受信手段とが所定距離以上離れて配設されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機A2からA4のいずれかが奏する効果に加え、第1送信手段と第1受信手段とが所定距離以上離れて配設され、第2送信手段と第2受信手段とが所定距離以上離れて配設されるので、これらを近接して配設する場合と比して、第1および第2送信手段ならびに第1および第2受信手段の配置の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機A1からA4,B1からB4のいずれかにおいて、前記送信手段および前記受信手段は、前記遊技機の上側半分の位置に配設されることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機A1からA4,B1からB4のいずれかが奏する効果に加え、送信手段および受信手段が、遊技機の上側半分の位置に配設されるので、遊技者の手や、遊技者が島設備の載置棚に置いた物体などによって、送信手段より送信される信号が遮断されることを抑制できる。よって、赤外線通信の品質を確保できるという効果がある。
遊技機A1からA4,B1からB4,C1のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記遊技機の前面側にて開閉可能に指示される前面扉を備え、該前面扉は、前面側に突出した突出部を有するものであり、前記送信手段および前記受信手段は、前記前面扉の突出部に配設されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機A1からA4,B1からB4,C1のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。遊技機を島設備等に並べて設置する場合、各遊技機の間には、一般的に、紙幣やプリペイドカード、ICカード等の投入によって遊技者への球の貸し出しを制御するカードサンド装置等の装置が設置される。これに対し、送信手段および受信手段は、前面扉の突出部に配設されるので、遊技機の間に設置される装置よりも前面側で、送信手段により赤外線を照射し、また、隣接して設けられた遊技機から照射された赤外線を受信手段により受信することができる。よって、遊技機の間に設置される装置が障害となることなく、隣接して設けられた遊技機との間で赤外線通信を行うことができるという効果がある。
遊技機C2において、前記遊技機は、発射装置から所定の遊技領域に球を発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞することを条件として、表示手段において識別情報の動的表示を行い、所定時間後に識別情報を確定表示させるパチンコ遊技機であり、前記突出部は、前記前面扉に設けられ、前記発射装置に供給するための球を貯留する皿部であることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機は、発射装置から所定の遊技領域に球を発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞することを条件として、表示手段において識別情報の動的表示を行い、所定時間後に識別情報を確定表示させるパチンコ遊技機であり、送信手段および受信手段は、前面扉に設けられた、発射装置に供給するための球を貯留する皿部に配設される。皿部は、一般的に遊技機の中で最も前面側に突出した部分である。よって、遊技機の間に設置される装置が障害となることなく、隣接して設けられた遊技機との間で赤外線通信を確実に行うことができるという効果がある。
遊技機A1からA4,B1からB4,C1のいずれかにおいて、前記遊技機は、発射装置から所定の遊技領域に球を発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞することを条件として、表示手段において識別情報の動的表示を行い、所定時間後に識別情報を確定表示させるパチンコ遊技機であり、前記送信手段および前記受信手段は、前記発射装置に供給するための球を貯留する皿部に配設されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機A1からA4,B1からB4,C1のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。遊技機を島設備等に並べて設置する場合、各遊技機の間には、一般的に、紙幣やプリペイドカード、ICカード等の投入によって遊技者への球の貸し出しを制御するカードサンド装置等の装置が設置される。これに対し、遊技機は、発射装置から所定の遊技領域に球を発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞することを条件として、表示手段において識別情報の動的表示を行い、所定時間後に識別情報を確定表示させるパチンコ遊技機であり、送信手段および受信手段は、発射装置に供給するための球を貯留する皿部に配設される。皿部は、一般的に遊技機の中で最も前面側に突出した部分である。よって、遊技機の間に設置される装置が障害となることなく、隣接して設けられた遊技機との間で赤外線通信を確実に行うことができるという効果がある。
遊技機A1からA4,B1からB4,C1からC4のいずれかにおいて、前記送信手段は、第1搬送波周波数で、隣接して設けられた遊技機に対して赤外線通信により信号を送信し、前記受信手段は、前記隣接して設けられた遊技機から第1搬送波周波数とは異なる第2搬送波周波数で赤外線通信により送信される信号を受信することを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機A1からA4,B1からB4,C1からC4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、送信手段により、隣接して設けられた遊技機に対して第1搬送波周波数で赤外線通信により信号が送信される。また、隣接して設けられた遊技機から第1搬送波周波数とは異なる第2搬送波周波数で赤外線により送信された信号が、受信手段によって受信される。ここで、仮に、自機の受信手段が、隣接して設けられた遊技機から照射された赤外線を、その隣接して設けられた遊技機の受信手段に向けて反射させたとしても、反射された赤外線に含まれる信号の第2搬送波周波数は、自機が送信手段によって照射する赤外線に含まれる信号の第1搬送波周波数と異なるので、隣接して設けられた遊技機の受信手段が、反射された赤外線に含まれる信号を復調することはできない。よって、誤受信を抑制することができるという効果がある。
遊技機A1からA4,B1からB4,C1からC4,D1のいずれかにおいて、前記受信手段により、前記隣接して設けられた遊技機から赤外線通信により送信される信号を受信する間は、前記送信手段により前記隣接して設けられた遊技機に対して赤外線通信により信号が送信されることを非実行とする送信非実行手段を備えることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機A1からA4,B1からB4,C1からC4,D1のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、受信手段により、隣接して設けられた遊技機から赤外線通信により送信される信号を受信する間は、送信手段によって隣接して設けられた遊技機に対して赤外線通信により信号が送信されることを、送信非実行手段により非実行とされる。これにより、仮に、自機の受信手段が、隣接して設けられた遊技機から照射された赤外線を、その隣接して設けられた遊技機の受信手段に向けて反射させたとしても、受信手段が隣接して設けられた遊技機から照射された赤外線に含まれる信号を受信している間は、送信手段から、その隣接して設けられた遊技機に対して赤外線通信により信号が送信されることが非実行とされるので、その間、反射された赤外線を隣接して設けられた遊技機は受信しない。よって、反射された赤外線による誤受信を抑制することができるという効果がある。
遊技機A1からA4,B1からB4,C1からC4,D1,D2のいずれかにおいて、前記受信手段に対して、該受信手段が前記隣接して設けられた遊技機から送信される信号を受信する側とは反対側の位置に、赤外線を吸収する吸収部材を備えることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機A1からA4,B1からB4,C1からC4,D1,D2のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、受信手段に対して、該受信手段が隣接して設けられた遊技機から送信される信号を受信する側とは反対側の位置に、赤外線を吸収する吸収部材が設けられている。これにより、例えば、隣接して設けられた遊技機から照射された赤外線の一部が、受信手段を通り過ぎた場合であっても、吸収部材により、その通り過ぎた赤外線を吸収させることができ、それ以上赤外線が進行することを抑制できる。よって、赤外線を照射した遊技機とは逆側に隣接する遊技機に向けて、自機の受信手段と通り過ぎた赤外線が進行することを抑制でき、その赤外線に含まれる信号を、その赤外線を照射した遊技機とは逆側に隣接する遊技機が誤って受信することを抑制できる。従って、島設備等に複数の遊技機を並べて設置した場合であっても、各遊技機の間で正常に赤外線通信を行うことができるという効果がある。
遊技機A1からA4,B1からB4,C1からC4,D1からD3のいずれかにおいて、信号を送信すべき遊技機が自機から何台だけ離れているかを示す第1情報を記憶する記憶手段と、その記憶手段により記憶された第1情報に基づいて、信号を送信すべき遊技機が自機から何台だけ離れているかを示す第2情報を含めて、送信すべき信号を生成する信号生成手段と、を備え、前記送信手段は、前記信号生成手段により生成された信号を、隣接して設けられた遊技機に対して赤外線通信により信号を送信するものであることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機A1からA4,B1からB4,C1からC4,D1からD3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、信号を送信すべき遊技機が自機から何台だけ離れているかを示す第1情報が記憶手段に記憶されており、その記憶手段により記憶された第1情報に基づいて、信号を送信すべき遊技機が自機から何台だけ離れているかを示す第2情報を含めて、送信すべき信号が信号生成手段によって生成される。そして、その信号生成手段によって生成された信号が、送信手段によって、隣接して設けられた遊技機に対して赤外線通信により送信される。これにより、隣接して設けられた遊技機は、その送信手段によって送信された信号を受信すると、その信号に含まれる第2情報に基づいて、この信号が自機に対して送信されたものか、別の遊技機に対して送信されたものかを判断することができる。そして、自機に対して送信されたものであると判断した場合は、その信号と、主制御装置からの従制御信号とに基づいて、従制御手段の指示手段により、演出実行手段に所定の演出を実行させるよう指示が行われる。一方、別の遊技機に対して送信されたものであると判断した場合は、その信号を、その別の遊技機に向けて送信することができる。よって、島設備等に複数並べて遊技機が設置された場合に、離れて設置された遊技機との間で簡単に信号の送受信を行うことができる。従って、遊技機間を簡易に連結しつつ、離れて設置されている遊技機との間でも、その遊技機とまたがって演出を実行できるという効果がある。
遊技機E1のいずれかにおいて、前記受信手段により前記隣接して設けられた遊技機から受信した信号に含まれる前記第2情報を抽出する抽出手段と、その抽出手段により抽出された前記第2情報に基づいて、前記受信手段により受信した信号が自機に対して送信されたものであるか否かを判断する判断手段と、を備え、前記指示手段は、前記判断手段により前記受信手段により受信した信号が自機に対して送信されたものであると判断された場合に、該信号と前記従制御信号とに基づいて、前記演出実行手段に所定の演出を実行させるよう指示を行うものであり、前記遊技機は、前記判断手段により前記受信手段により受信した信号が自機に対して送信されたものではなく別の遊技機に対して送信されたものであると判断された場合は、その信号を送信すべき遊技機が自機から何台だけ離れているかを示す情報に、前記受信した信号に含まれる第2情報を書き換える書換手段を備え、前記送信手段は、前記書換手段により前記第2情報が書き換えられた信号を、隣接して設けられた遊技機に対して赤外線通信により送信するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、隣接して設けられた遊技機から受信手段により受信された信号に含まれる第2情報が抽出手段により抽出され、この抽出された前記第2情報に基づいて、受信手段により受信した信号が自機に対して送信されたものであるか否かが判断手段により判断される。そして、受信手段により受信した信号が自機に対して送信されたものであると判断手段により判断された場合に、指示手段によって、該信号と従制御信号とに基づいて、演出実行手段に所定の演出を実行させるよう指示が行われる。一方、受信手段により受信した信号が自機に対して送信されたものではなく別の遊技機に対して送信されたものであると判断手段により判断された場合は、書換手段によって、その信号を送信すべき遊技機が自機から何台だけ離れているかを示す情報に、受信した信号に含まれる第2情報が書き換えられる。そして、その書換手段により第2情報が書き換えられた信号が、送信手段よって、隣接して設けられた遊技機に対して赤外線通信により送信される。これにより、受信した信号が、自機に対して送信されたものではないと判断された場合は、その信号に含まれる第2情報を、改めて、その信号を送信すべき遊技機が自機から何台だけ離れているかを示す情報に書き換えられるので、その信号を確実に送信すべき遊技機に対して送信することができる。よって、島設備等に複数並べて遊技機が設置された場合に、離れて設置された遊技機との間で簡単に且つ確実に、信号の送受信を行うことができる。従って、遊技機間を簡易に連結しつつ、離れて設置されている遊技機との間でも、その遊技機とまたがって演出を実行できるという効果がある。
遊技機A1からA4,B1からB4,C1からC4,D1からD3,E1,E2のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機F1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA4,B1からB4,C1からC4,D1からD3,E1,E2のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機F2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA4,B1からB4,C1からC4,D1からD3,E1,E2のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機F3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。