JP2013152860A - イオンビーム計測装置、イオンビーム計測方法、及びイオン注入装置 - Google Patents

イオンビーム計測装置、イオンビーム計測方法、及びイオン注入装置 Download PDF

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Abstract

【課題】非接触式のイオンビーム計測を提供する。
【解決手段】イオンビーム計測装置10は、イオンビーム経路14に近接して設けられており、少なくともアルカリ金属を収容するセル20と、アルカリ金属の原子のスピンを偏極させるレーザ光32をセル20に照射するためのレーザ光源22と、セル20を透過した透過レーザ光34を検出するための検出器24と、を備える。イオンビーム計測装置10は、磁気ギャップを形成するようにイオンビーム経路14を囲んで配置された磁性体を備え、セル20はその磁気ギャップに設けられていてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオンビーム計測装置、イオンビーム計測方法、及びイオン注入装置に関する。
被処理物例えば半導体基板に注入すべきイオン種を含むイオンビームをその被処理物に照射してイオン注入をするためのイオン注入装置が知られている。イオン注入装置には一般に、イオンビームの照射を直接受けてビーム計測をするための計測器、例えばファラデーカップが設けられている。
特開2008−262748号公報 特開2000−11942号公報 特開平7−153416号公報
こうしたイオンビームの入射を直に受ける方式のいわば接触式のビーム計測は、計測中に計測器がビームを占有することになるから、計測中は被処理物にイオンビームを照射することはできない。同様に、被処理物にイオンビームを照射しているときに計測をすることもできない。そのため、被処理物への照射処理のスループットを高めることとイオンビームの高頻度の計測によるビーム品質の保証とがトレードオフの関係となってしまう。また、被照射物への照射という本来の目的以外に計測のためにイオン材料が余分に消費されてしまう。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、イオンビームを対象に照射しながら計測することを可能とする、いわば非接触式の計測を提供することにある。
本発明のある態様は、イオンビーム計測装置である。この装置は、イオンビーム経路に近接して設けられており、少なくともアルカリ金属を収容するセルと、前記アルカリ金属の原子のスピンを偏極させるレーザ光を前記セルに照射するための光源と、前記セルを透過したレーザ光を検出するための検出器と、を備える。
本発明の別の態様は、イオンビーム計測方法である。この方法は、イオンビームを供給することと、前記イオンビームからの磁場を光ポンピング磁力計を使用して計測することと、を含む。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、非接触式のイオンビーム計測が提供される。
本発明の一実施形態に係るイオンビーム計測装置を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るイオンビーム計測装置を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るイオンビーム計測装置のための磁気回路を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るイオンビーム計測装置のための保護装置の一例を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態に係るイオンビーム計測装置10を模式的に示す図である。イオンビーム計測装置10は、いわゆる光ポンピング磁力計と共通する測定原理によって、イオンビーム12に由来する磁場を計測する。光ポンピング磁力計は、光ポンピングされたある種の原子(通常はアルカリ金属の原子)のスピン偏極に作用する外部磁場を、その原子による光の吸収量から計測する方式の磁力計である。
イオンビーム12の近傍では、イオンビーム12のビーム電流量に応じた大きさの磁場がイオンビーム12によって生じ得る。よって、イオンビーム計測装置10は、イオンビーム12が発生させる磁場からイオンビーム12を間接的に計測する。こうした非接触式のイオンビーム計測を提供するという点で、イオンビーム計測装置10は、イオンビーム12の入射を直接受ける検出面をもつ接触式の計測器(例えばファラデーカップ)とは異なる。
イオンビーム12は所定のイオンビーム経路14(図1に破線で示す)に沿って処理室16へと供給される。処理室16には被処理物18が収容されている。処理室16は、イオンビーム12に対し移動可能にまたは静止状態に被処理物18を支持する支持部を備える。イオンビーム12は、イオンビーム経路14上に配置された被処理物18へと照射される。イオンビーム12は例えば、イオン源とビームラインとを備えるイオンビーム生成部(図示せず)により生成される。
イオンビーム12は固定されたイオンビーム経路14に沿って被処理物18に照射されてもよい。あるいは、イオンビーム12は、イオンビーム経路14に垂直な方向に走査範囲19(図1に矢印で示す)にわたって走査されてもよい(即ちイオンビーム12は走査範囲19を往復してもよい)。イオンビーム経路14に垂直なイオンビーム12の断面は、スポット状(例えば円形)であってもよいし、長手方向(イオンビーム経路14に垂直な方向)に延びる形状であってもよい。
イオンビーム計測装置10は、イオンビーム12を照射するためのイオンビーム照射システム(例えばイオン注入装置や粒子線治療装置)に、イオンビーム12を計測するためのサブシステムとして組み込まれて構成されていてもよい。または、イオンビーム計測装置10は、独立型のいわゆるスタンドアローン型の計測装置として構成されてもよい。
イオンビーム計測装置10がイオン注入装置に組み込まれる場合には、被処理物18は例えば半導体基板(例えばシリコンウェーハ)である。処理室16はエンドステーションと呼ばれることもある。処理室16は、イオンビーム12が照射されるときは少なくとも、所望の真空状態とされる。処理室16を真空にするために、処理室16には真空排気装置(例えばクライオポンプまたはその他の真空ポンプ(図示せず))が付設されている。よって処理室16は真空チャンバまたはプロセスチャンバ等とも呼ばれる。
イオンビーム計測装置10は、セル20、レーザ光源22、及び検出器24を備える。セル20は、少なくともアルカリ金属を収容する。レーザ光源22は、アルカリ金属の原子のスピンを偏極させるレーザ光をセル20に照射するよう構成されている。検出器24は、セル20を透過したレーザ光を検出するよう構成されている。セル20、レーザ光源22、及び検出器24は、光ポンピング磁力計を構成する。
セル20は、内部空間26を有する中空体である。セル20の形状は例えば、各辺の長さが数cm以内程度の直方体であり、その外壁の厚さは例えば数mm以内である。セル20は例えば、耐熱性を有する非磁性材料(例えば耐熱ガラス)で形成されている。また、セル20の材料は、レーザ光源22からの光に対する透過性を有する。
セル20の内部空間26には、アルカリ金属及びバッファガスが封入されて外部に対し気密になるよう封止されている。アルカリ金属は例えば、カリウム、ルビジウム、又はセシウムである。バッファガスは例えば、ヘリウム等の希ガス、窒素、またはそれら両方である。
セル20は、処理室16の内部に、イオンビーム経路14に近接して設けられている。セル20は、イオンビーム経路14と共通の環境(例えば真空環境)に置かれている。セル20は、イオンビーム経路14に沿う方向において被処理物18に隣接する場所に配置されている。すなわち、セル20は被処理物18の直ぐ手前に配置されている。セル20と被処理物18との間には両者の接触を避けるため、いくらかの隙間がある。イオンビーム12はイオンビーム経路14を中心軸とする同心円状の磁場を発生させるから、こうしたセル20の配置によって、被処理物18に入射する直前のイオンビーム12による磁場を計測することができる。
また、セル20は、イオンビーム12を妨げないように、イオンビーム経路14から外れた場所に配置されている。イオンビーム12が走査される場合には、セル20は、イオンビーム12の走査範囲19から外れた場所に配置される。
セル20は、入射部28と出射部30とを有する。入射部28はセル20への入射レーザ光33を受け入れる部位であり、出射部30は内部空間26を通過した透過レーザ光34をセル20の外部に出射する部位である。例えば、セル20の形状が直方体である場合、入射部28はセル20のある1つの面にあり、出射部30はその面に対向する面にある。
以下では、入射レーザ光33及び透過レーザ光34を総称して、測定レーザ光32と呼ぶことがある。測定レーザ光32は、レーザ光源22から出射され、セル20を通過して、検出器24に入射する。
イオンビーム計測装置10は、セル20を加熱するためのヒータ(図示せず)を備えてもよい。このヒータは、セル20に封入されたアルカリ金属の蒸気化を促進するために用いられる。イオンビーム計測装置10は、セル20の温度を保持するために、または、ヒータにより加熱された状態を保持するために、セル20の外表面を被覆する断熱材を備えてもよい。この場合、セル20に光を透過させるために、少なくとも入射部28及び出射部30は断熱材で覆われることなくセル20の外表面が露出される。
レーザ光源22は、円偏光の測定レーザ光32を発するよう構成されている。レーザ光源22は測定レーザ光32をセル20の入射部28に向けるよう配置されている。レーザ光源22は例えば、セル20と同様に処理室16の内部に設けられている。
測定レーザ光32の波長は、セル20に封入されたアルカリ金属原子の励起エネルギーに合わせてある。測定レーザ光32が円偏光であることによりアルカリ金属原子の電子スピンを選択励起することができるので、アルカリ金属原子のスピンを偏極させることが可能である。スピン偏極が可能である限り、円偏光のレーザ光に代えて楕円偏光のレーザ光が用いられてもよい。なおレーザ光源22(または後述のビーム光学系36)は、セル20に入射するレーザ光を所望の偏光状態(例えば円偏光)とするための偏光制御部(図示せず)を備えてもよい。
測定レーザ光32は、イオンビーム12により生成される磁場に垂直な方向に沿ってセル20を透過するよう方向付けられている。例えば、図1に示されるように、測定レーザ光32は、イオンビーム経路14に平行な方向に向けられている。
イオンビーム計測装置10は、セル20とレーザ光源22との間にビーム光学系36を備えてもよい。ビーム光学系36は、レーザ光源22から参照レーザ光38を生成するよう構成されている。ビーム光学系36はビームスプリッタ40を備えてもよい。ビームスプリッタ40は、測定レーザ光32がセル20に入射する手前で、測定レーザ光32から参照レーザ光38を分けるために設けられている。レーザ光源22からの測定レーザ光32のうち一部がビームスプリッタ40で透過され、残りが参照レーザ光38としてビームスプリッタ40で反射される。ビームスプリッタ40は例えばハーフミラーである。
ビーム光学系36は、参照レーザ光38にセル20を迂回させるよう構成されている。ビーム光学系36は、参照レーザ光38を検出器24に向けるためのミラー42を備えてもよい。ミラー42は、ビームスプリッタ40で反射された参照レーザ光38を反射して、検出器24へと向ける。よって参照レーザ光38はセル20に入射しない。
こうして、レーザ光源22から発せられた測定レーザ光32の一部(例えば半分)がビーム光学系36及びセル20を経由して検出器24に受光される。また、参照レーザ光38として測定レーザ光32の一部(例えば半分)が、ビーム光学系36を経由しかつセル20を経由せずに、検出器24に受光される。
レーザ光源22から放射されるビームは、仕様の上では均一強度の放射が可能とされていても実際上は時間的にいくらか変動し得る。例えばごく短時間においてビーム強度は揺らぎ得るし、あるいは長期的にもビーム強度は変化し得る。そのため、同一源から放射されセル20を経由する測定レーザ光32と経由しない参照レーザ光38とを対照することにより、そうしたビーム強度の揺らぎまたは経時的変化による計測への影響を軽減または補償することができる。
また、処理室16には気体分子がその真空度に応じた密度で存在する。レーザ光32、38はこうしたガスによっても影響を受ける。例えば、光路長さに応じて強度が低下する。セル20を経由する測定レーザ光32と経由しない参照レーザ光38とは実質的に等しい光路長さとされているから、参照レーザ光38を基準として用いることにより、真空中のガスの計測への影響を軽減または補償することができる。
なお、図1に示すビーム光学系36の構成は例示にすぎないことは明らかであり、図示とは異なる種々の構成が可能である。例えば、ミラー42を経由する光路にセル20が配置され、ミラー42を経由しない光路がセル20を迂回してもよい。また、ガスの影響が十分に小さいと評価することができる場合には、セル20を経由する測定レーザ光32と経由しない参照レーザ光38とは経路長さが実質的に異なっていてもよい。十分に均一な強度でビームを放射可能であるビーム源を採用することができる場合には、参照ビーム源はレーザ光源22とは別体であってもよい。これらの誤差要因が十分に小さいと評価される場合には、イオンビーム計測装置10は、参照レーザ光38を用いなくてもよい。
検出器24は、セル20を透過した透過レーザ光34を検出するために設けられている。検出器24は、その検出面に透過レーザ光34の入射を受けて第1検出信号S1を出力するよう構成されている。第1検出信号S1は例えば、透過レーザ光34の強度に関連する。また、検出器24は、参照レーザ光38を検出するために設けられている。検出器24は、その検出面に参照レーザ光38の入射を受けて第2検出信号S2を出力するよう構成されている。第2検出信号S2は例えば、参照レーザ光38の強度に関連する。検出器24は例えば、透過レーザ光34及び参照レーザ光38を検出可能である検出器(例えばフォトダイオード)である。検出器24は、例えば処理室16の内部に設けられている。
イオンビーム計測装置10は、第1検出信号S1を少なくとも含む入力信号に基づき計測結果を演算するための演算処理ユニット44を備えてもよい。演算処理ユニット44は、検出器24から第1検出信号S1を受信可能に構成されている。また、演算処理ユニット44は、検出器24から第2検出信号S2を受信可能に構成されている。演算処理ユニット44は、第1検出信号S1と第2検出信号S2とに基づいて計測結果を演算してもよい。演算処理ユニット44は、検出器24とは別体に設けられた、例えば公知のパソコン等の演算装置であってもよい。演算処理ユニット44は検出器24に一体に搭載されていてもよい。
なお、イオンビーム計測装置10のうちセル20以外の一部の構成要素がイオンビーム経路14から離れて設けられてもよい。例えば、レーザ光源22及び検出器24の少なくとも一方は、処理室16の外部に設けられていてもよい。その場合、イオンビーム計測装置10は、処理室16の壁面に形成された窓部と、その窓部に接続された導光部材(例えば光ファイバ)と、を備えてもよい。外部に設けられているレーザ光源22及び検出器24の少なくとも一方は、導光部材により処理室16に接続される。このようにすれば、処理室16内の真空環境には必ずしも適合しない汎用品を使用することができる。
また、イオンビーム計測装置10は、例えば処理室16の外部からの磁場が計測に与える影響を抑えるために、磁気シールド(図示せず)を備えてもよい。磁気シールドは、例えば処理室16の内部に設けられ、セル20及びイオンビーム経路14を包囲するよう構成される。磁気シールドのイオンビーム経路14と交差する部位にはイオンビーム12を通すための開口が形成される。磁気シールドには必要に応じて、測定レーザ光32及び参照レーザ光38のための開口も形成される。
イオンビーム計測装置10の動作を説明する。計測に先立って、イオンビーム計測装置10において前処理が行われる。この前処理は、セル20に測定レーザ光32を照射することを含む。このときイオンビーム経路14にイオンビーム12は供給されていない。セル20を加熱するヒータが設けられている場合には、測定レーザ光32の照射前または照射中に、セル20はアルカリ金属を十分に気化するための所定温度に昇温される。
この前処理において、測定レーザ光32の照射を受けたアルカリ金属原子はスピン偏極を起こす。セル20に封入されたアルカリ金属原子が全体的に十分にスピン偏極されたとき、測定レーザ光32はアルカリ金属原子と相互作用をすることなくセル20を透過するようになる。このときアルカリ金属原子のスピンは揃えられている。
前処理は、演算処理ユニット44による検出器24の校正処理を含んでもよい。校正処理は、測定レーザ光32から得られる第1検出信号S1と参照レーザ光38から得られる第2検出信号S2との差分を所定の初期値(例えばゼロ)に校正することを含んでもよい。
前処理が終了すると、イオンビーム計測装置10は計測を開始することができる。計測されるべきイオンビーム12がイオンビーム経路14に供給される。イオンビーム12は被処理物18に照射される。
イオンビーム12はイオンビーム経路14を中心軸とする同心円状の磁場を発生させる。この磁場がセル20内のアルカリ金属原子に作用し、揃っていたスピンが乱される。アルカリ金属原子のスピンが乱されると、測定レーザ光32が再度吸収されるようになる。吸収量と外部磁場の大きさとの間には相関がある。すなわち、イオンビーム12からの磁場の大きさに応じて透過レーザ光34の強度が低下する。上述のように、検出器24は透過レーザ光34の強度に応じた第1検出信号S1を生成する。
よって、透過レーザ光34の強度低下により、第1検出信号S1も小さくなる。一方、セル20を経由しない参照レーザ光38の強度は変わらないから、第2検出信号S2も変わらない。そのため、イオンビーム12からの磁場の大きさに応じて、第1検出信号S1と第2検出信号S2との差分に変化が現れる。演算処理ユニット44は、第1検出信号S1と第2検出信号S2との差分の変化に基づいてイオンビーム電流を演算する。
なお代案として、参照レーザ光38が用いられない場合には、イオンビーム計測装置10は、第1検出信号S1と所定のしきい値とを対照することにより、ビーム強度低下の有無を判定してもよい。
このようにして、イオンビーム計測装置10は、イオンビーム12からの磁場を光ポンピング磁力計を使用して計測する。イオンビーム計測装置10は、磁場と電流との公知の関係を用いて、計測された磁場をイオンビーム電流に換算する。したがって、イオンビーム計測装置10によれば、イオンビーム12を被処理物18に照射しながら任意のタイミングで非接触に計測することができる。
また、典型的なイオン注入装置においては被処理物18の外側に接触式検出器(例えばファラデーカップ)が設けられており、計測のためにこの接触式検出器にイオンビームを照射することが事実上必須とされている。ところが、本発明の一実施形態によれば、イオンビーム12の計測のために被処理物18の外側にイオンビーム12を照射する必要がない。よって、イオンビーム12の照射エリアを被処理物18の内側に合わせて小さくすることができる。こうして、イオンビーム12の照射処理のスループットの向上及びイオン材料の消費量低減が実現される。
イオンビーム12が走査される場合には、走査位置によってイオンビーム12とセル20との距離が異なるため、イオンビーム12の電流量が等しくても計測される磁場が変化する。そこで、イオンビーム12の走査位置による計測への影響を抑えるために、イオンビーム計測装置10は、イオンビーム12の走査に計測を同期させるよう構成されていてもよい。イオンビーム計測装置10は、イオンビーム12の走査周波数に等しい周波数成分の検出信号を検出するように構成されていてもよい。そのために例えば、演算処理ユニット44はロックインアンプを備えてもよい。
図2は、本発明の一実施形態に係るイオンビーム計測装置10を模式的に示す図である。図2に示すイオンビーム計測装置10は、磁気回路50を備える点で、図1に示すイオンビーム計測装置10とは異なる。図3は、本発明の一実施形態に係る磁気回路50を示す図である。図3は、イオンビーム12の進行方向に沿って磁気回路50を見たときの平面図である。以下の説明では、図1及び図2に示すイオンビーム計測装置10について同様の箇所については冗長を避けるため説明を適宜省略する。
図2に示すように、イオンビーム計測装置10のセル20は、イオンビーム12を囲む磁気回路50に設けられている。磁気回路50は、イオンビーム12の走査範囲19全体を囲む。
図3に示すように、磁気回路50は磁性体52を備える。磁性体52は、環状に形成されている。言い換えれば、磁性体52は、開放領域54を囲むように周方向に沿って延在する形状を有する。磁性体52は開放領域54をイオンビーム12が通過するよう構成されている。磁性体52の開放領域54は、イオンビーム12の走査範囲19全体を包含する。磁性体52は、一方の端面58と、周方向に当該端面58に対向する他方の端面60との間に隙間を有する。この隙間が磁気回路50に磁気ギャップ56を形成する。磁性体52は例えば、磁気ギャップ56を形成する切欠部を有するリングである。磁性体52の材料は例えば鉄である。
磁気ギャップ56にセル20が配置されている。磁気ギャップ56を形成する磁性体52の一方の端面58とセル20の一の面とが密着され又はわずかな間隙を隔てて配置されている。セル20の当該一の面に対向する面と磁性体52の他方の端面60とが密着され又はわずかな間隙を隔てて配置されている。図3においては手前側に、セル20の入射レーザ光33の入射部28が示されている。
このようにイオンビーム12の走査範囲19を囲む磁気回路50を設け、磁気ギャップ56にセル20を配置したことにより、イオンビーム計測装置10によって計測される磁場がイオンビーム12の走査位置に依存しないようにすることができる。例えば、走査中にイオンビーム12のビーム電流量が一定である場合には、セル20に生じる磁束は走査位置によらず一定となる。
なお、磁気ギャップ56からの磁束の漏れを少なくするためには磁気ギャップ56は狭いことが好ましい。よって、そうした狭い磁気ギャップ56に、セル20の形状を適合させることが好ましい。そのために例えば、セル20は、磁性体52の端面58(または端面60)の面内方向の寸法よりも、それに垂直方向(磁気ギャップ56を横断する方向)の寸法が小さくてもよい。
図2に示すイオンビーム計測装置10の一実施形態においては、演算処理ユニット44は、イオンビーム12の走査のためのイオンビーム走査制御部(図示せず)からイオンビーム12の走査位置を表す走査位置情報の入力を受けるよう構成されていてもよい。演算処理ユニット44は、ある時点におけるイオンビーム走査位置情報とその時点の第1検出信号S1とを関連付けることにより、第1検出信号S1の得られたイオンビーム走査位置を特定してもよい。このようにすれば、イオンビーム12に変動が生じた走査位置を求めることができる。
ところで、イオンビーム計測装置10に関連する光学素子(例えばセル20)は、例えばイオンビームに含まれるイオンや、イオンビームが照射された物質からのアウトガス等の汚染粒子によって汚染され得る。汚染により光学素子の例えば透過率または反射率等の光学特性が劣化して、計測に影響を与えることもあり得る。
そこで、イオンビーム計測装置10は、光学素子を汚染から保護するための保護手段を備えてもよい。保護手段は、汚染粒子に電気的な斥力を作用させ、保護されるべき光学素子への汚染粒子の接近を妨げるよう構成されていてもよい。また、保護手段は、汚染粒子に電気的な引力を作用させることにより汚染粒子を吸着するよう構成されていてもよい。保護手段は、保護されるべき光学素子の近傍に配設された物理的な障壁を含んでもよい。
図4は、本発明の一実施形態に係るイオンビーム計測装置10のための保護装置70の一例を示す図である。保護装置70は、セル20の入射部28及び出射部30の少なくとも一方に電位を与えるためのバイアス電源72を備える。この場合、セル20の入射部28及び出射部30の少なくとも一方は、例えば、導電性を有する(例えば透明導電膜を備える)透明部材である。セル20に与えられる電位は、セル20の周囲の汚染粒子に電気的な斥力を作用させるよう設定される。例えば、セル20への陽イオンの接近を妨げるために、バイアス電源72はセル20に正の電位を与える。こうして、セル20に与えられた電位と共通の電荷をもつ汚染粒子の接近が妨げられ、セル20への汚染粒子の付着が抑制される。セル20表面の透過率の低下を抑えることができる。
保護装置70は、セル20を囲む筒状部材74を備えてもよい。筒状部材74は、セル20を経由する測定レーザ光32の経路に沿って設けられている。筒状部材74はセル20と同様に非磁性材料で形成される。筒状部材74は、セル20の近傍に配設された汚染粒子に対する物理的な障壁であるとみなすこともできる。なお、イオンビーム計測装置10が磁気回路50を有する場合には、筒状部材74を磁性体52が貫通していてもよい。
保護装置70は、筒状部材74の内部への汚染粒子の進入を妨げるための保護部材80と、保護部材80に電位を与えるためのバイアス電源82と、を備えてもよい。保護部材80は、筒状部材74の入口部分76または出口部分78に設けられている。保護部材80は例えば、透過部分76に設けられた金網である。代案として、保護部材80は、透明導電膜を備える透明部材であってもよい。保護部材80の金網または透明導電膜にバイアス電源82は電位を与えるよう接続されている。
保護部材80が例えば金網である場合、バイアス電源82により保護部材80に与えられる電位は、汚染粒子に電気的な引力を作用させるよう設定される。例えば、保護部材80へと陽イオンを引きつけるために、バイアス電源82は保護部材80に負の電位を与える。こうして、保護部材80に与えられた電位とは反対の電荷をもつ汚染粒子が保護部材80に吸着され、筒状部材74への汚染粒子の進入及びセル20への汚染粒子の付着が抑制される。代案として、バイアス電源82により保護部材80に与えられる電位は、保護部材80に向けて接近する汚染粒子に電気的な斥力を作用させるよう設定されてもよい。
保護装置70によって保護されるべき光学素子は、セル20には限られない。保護装置70は、同様にして、測定レーザ光32または参照レーザ光38のための任意の光学素子を保護してもよい。よって、保護装置70は例えば、セル20、ビームスプリッタ40、ミラー42の少なくとも1つを保護してもよい。測定レーザ光32または参照レーザ光38のための光学系がレンズを含む場合には、保護装置70は当該レンズを保護してもよい。また、保護装置70は、処理室16の壁面に設けられている窓部を保護してもよい。窓部は、測定レーザ光32または参照レーザ光38を処理室16の外部から内部へと入射させるための窓であってもよいし、測定レーザ光32または参照レーザ光38を処理室16の内部から外部へと出射させるための窓であってもよい。窓部は、外部から処理室16の内部を観察するための窓であってもよい。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
10 イオンビーム計測装置、 12 イオンビーム、 14 イオンビーム経路、 19 走査範囲、 20 セル、 22 レーザ光源、 24 検出器、 52 磁性体、 56 磁気ギャップ、 70 保護装置。

Claims (7)

  1. イオンビーム経路に近接して設けられており、少なくともアルカリ金属を収容するセルと、
    前記アルカリ金属の原子のスピンを偏極させるレーザ光を前記セルに照射するための光源と、
    前記セルを透過したレーザ光を検出するための検出器と、を備えることを特徴とするイオンビーム計測装置。
  2. 磁気ギャップを形成するように前記イオンビーム経路を囲んで配置された磁性体をさらに備え、前記セルは前記磁気ギャップに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のイオンビーム計測装置。
  3. 前記磁性体はイオンビームの走査範囲を囲んで配置されていることを特徴とする請求項2に記載のイオンビーム計測装置。
  4. 前記セルを汚染から保護するための保護手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のイオンビーム計測装置。
  5. 前記セルは、イオンビームを対象に照射するための処理室に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のイオンビーム計測装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のイオンビーム計測装置を備えることを特徴とするイオン注入装置。
  7. イオンビームを供給することと、
    前記イオンビームからの磁場を光ポンピング磁力計を使用して計測することと、を含むことを特徴とするイオンビーム計測方法。
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