JP2013152293A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体ドラム26の周囲であり、感光体ドラム26の回転方向に沿って、転写位置から帯電位置に至るまでの範囲に、感光体ドラム26表面の残留トナーを除去するクリーニングブレード44と、感光体ドラム26に接触した状態で回転して、感光体ドラム26表面に付着した放電生成物を削り取るクリーニングブラシローラー46と、感光体ドラム26表面に潤滑剤皮膜を形成する潤滑剤皮膜形成装置47を、この順に配置した。
【選択図】図2
Description
上記構成からなる画像形成装置では、回転する感光体ドラムの表面(感光体表面)が帯電装置によって一様に帯電され、その帯電域は、露光装置からの光変調されたレーザー光による露光を受ける。露光によって感光体表面に形成された静電潜像は、現像装置によってトナー像として顕像化される。
また、記録シートに転写されずに感光体表面に残留しているトナー(残留トナー)や帯電プロセスで発生する放電生成物などの付着物は、クリーニング装置によって掻き落とされ、感光体表面は清掃される。
ブレードクリーニング方式では、感光体ドラムとクリーニングブレードとの間の摩擦により、両者が徐々に摩耗していく。感光体ドラムとクリーニングブレードのそれぞれは、その摩耗量が所定量を超えて、必要な機能が果たせなくなると新しいものと交換される。
具体的には、固形潤滑剤と、当該固形潤滑剤と感光体表面との両方に接触状態で回転する塗布ブラシローラーとを有する潤滑剤塗布装置によって、塗布ブラシローラーで固形潤滑剤を削り取り、削り取った潤滑剤を皮膜状に感光体表面に塗布する。
しかしながら、寿命は長くなるものの、感光体表面とクリーニングブレードとの間の摩擦が低減した分、放電生成物の除去能力が低下してしまうといった問題が生じる。
ところが、感光体ドラムとクリーニングブレードの寿命低下の抑制のために感光体表面に潤滑剤を塗布すると、感光体表面とクリーニングブレードとの間に作用する摩擦力が低減するので、それだけクリーニングブレードにより感光体表面が削り取られ難くなり、感光体表面に付着している放電生成物も除去され難くなるからである。
そこで、特許文献1には、クリーニングブレードと潤滑剤塗布装置に加えて、放電生成物を除去するためのブラシローラーを備えた画像形成装置が開示されている。
この画像形成装置は、感光体ドラムの周囲に設けられた転写装置から帯電装置に至る間において、ブラシローラー、潤滑剤塗布装置、およびクリーニングブレードがこの順で配された構成を有している。
すなわち、特許文献1の画像形成装置では、転写装置の直後にブラシローラーが配されているため、感光体表面上の残留トナーの多くがブラシローラーのブラシに付着する。
ブラシに付着したトナー粒子の中には、回転するブラシの感光体表面への押付力によって感光体表面に強い力で押し付けられて付着するものがあり、そのトナー粒子の付着力がクリーニングブレードによる掻き取り力よりも大きくなると、トナー粒子がクリーニングブレードをすり抜けることが生じる。
トナー粒子がクリーニングブレードをすり抜けることが生じると、そのトナー粒子の存する感光体表面部分が露光装置による露光を受けなくなるため、この部分にトナー像が形成されない、いわゆる白抜け現象が生じる。
本発明は、可能な限り、白抜け現象を生じさせることなく、感光体とクリーニングブレードの長寿命化を果たしながら、像流れの発生も防止することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
ここで、前記除去手段は、前記摺擦ローラーに当接して、前記放電生成物を前記摺擦ローラーから除去する当接部材であるとしても良い。
また、前記当接部材は、金属ローラーであり、前記金属ローラーには、前記感光体表面上の放電生成物と一緒に削り取られ、当該放電生成物が混入した状態で前記摺擦ローラーに付着している潤滑剤の帯電極性とは逆極性の電圧が印加されており、前記放電生成物が混入した状態で前記摺擦ローラーに付着している潤滑剤が静電力により前記金属ローラーに吸着されることにより、前記放電生成物が前記摺擦ローラーから除去される構成であるとしても良い。
また、前記摺擦ローラーは、円筒状をした弾性砥石に芯金がはめ込まれてなるものであるとしても良い。
ここで、前記弾性砥石を構成する結合材は、ゴム材料からなるとしても良い。
また、前記弾性砥石を構成する結合材は、発泡樹脂材料からなるとしても良い。
すなわち、まず、クリーニングブレードと、放電生成物除去装置と、潤滑剤皮膜形成装置のうち、感光体の回転方向最上流のクリーニングブレードにより、転写後の感光体表面の残留トナーが除去される。転写は、最下流の潤滑剤皮膜形成装置により感光体表面に潤滑剤が塗布された後の状態で行われるので、感光体表面とクリーニングブレード間の摩擦が低減されており、感光体とクリーニングブレードを長寿命化することができる。
また、潤滑剤皮膜形成装置が感光体の回転方向に沿って放電生成物除去装置よりも下流側かつ帯電位置よりも上流側に位置するので、帯電位置では、感光体表面に既に潤滑剤皮膜が形成されている。従って、帯電プロセスにより生じる放電生成物は、その潤滑剤被膜を介して感光体ドラムに付着することになり、直接、感光体ドラムに付着することが防止される。これにより、感光体表面上の放電生成物を潤滑剤被膜ごと削り取ることができるようになり、白抜け現象と像流れの発生を防止することが可能になる。
<プリンターの全体構成>
図1は、実施の形態に係る画像形成装置10の概略構成を示す図である。
画像形成装置10は、周知の電子写真方式により画像を形成する、いわゆるタンデム型のカラープリンターであり、転写ベルト12と、転写ベルト12を張架する駆動ローラー14、従動ローラー16,18、バックアップローラー20、転写ベルト12に対向し転写ベルト12の走行方向に沿って所定間隔で配置されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色の作像ユニット22Y,22M,22C,22Kと、定着装置24とが、不図示の筐体に収納された構成を有している。
感光体ドラム26Y,…,26Kの各々の表面には、後述するようにして、Y,M,C,Kのトナー像が形成される。形成されたトナー像の各々は、各転写位置において転写ベルト12の裏面側に配設された1次転写ローラー28Y,28M,28C,28Kの静電的作用により、転写ベルト12の表面上に順次転写されていく。
一方、不図示の給紙装置からは、上記した転写ベルト12への作像タイミングに合わせて、記録シートSが給紙され、2次転写ローラー30とバックアップローラー20とが対向する位置(以下、「2次転写位置」と言う。)へと搬送される。
トナー像が転写された記録シートSは、さらに、定着装置24にまで搬送される。
記録シートSは、定着装置24において高熱下で加圧され、その表面のトナー粒子がシート表面に融着して定着された後、排紙ローラー32によって不図示の排紙トレイ上に排出される。
<作像ユニット>
(全体構成)
図2を参照しながら、作像ユニット22Y,…,22Kの構成について、さらに説明する。作像ユニット22Y,…,22Kは、現像装置において用いられるトナーの色が異なる以外は、同じ構成を有している。よって、以下、特に作像ユニット22Y,…,22Kを区別する必要の無い場合は、各構成要素には、Y,M,C,Kの符号を付さずに、作像ユニットの構成について説明し、区別する場合は同符号を付して説明することとする。
(クリーニング装置)
感光体ドラム26の周方向において、転写装置40と帯電装置36(除電装置34)との間に設けられているクリーニング装置42は、感光体ドラム26から転写ベルト12へ転写し切れずに、感光体ドラム26表面に残留したトナー(残留トナー)や、帯電装置36で発生し、感光体ドラム26表面に付着するO3やNOXなどの放電生成物を感光体ドラム26表面から除去するためのものである。
クリーニングブレード44は、細長い長方形をしている。クリーニングブレード44は、筐体52に取り付けられたホルダー54にホットメルト接着剤によって固定され、その一辺(長辺)が感光体ドラム26表面に押し当てられた状態で設けられていて、主として残留トナーを掻き取る(スクレイプする)。クリーニングブレード44は、弾性ゴムブレードからなり、例えば遠心成形機で製造される。ゴム材料としては、例えば、熱硬化性ポリウレタンゴムが用いられる。
図3に、クリーニングブラシローラー46および潤滑剤塗布装置48の拡大図を示す。
クリーニングブラシローラー46は、感光体ドラム26の軸方向の全長が感光体ドラム26と略同じ長さであり、感光体ドラム26と平行に設けられている。
ブラシ部60は、帯状をした厚さ0.5〔mm〕の基布62に導電性繊維の束をループ状に織り込んで植毛したパイル地(以下、「パイル帯」と称する。)を芯棒であるシャフト58外周にスパイラル状に巻回することによって形成されている。以下、植毛された導電性繊維束の1ループを「ループ毛60A」と称することとする。ループ毛60Aの基布62上面からの高さは、約2.5〔mm〕である。よって、前記パイル帯の厚みは、約3〔mm〕であり、クリーニングブラシローラー46の外径は、ブラシ部60の変形が無い状態において、約12〔mm〕である。
矢印Bの向きに回転されながら、感光体ドラム26の表面を摺擦するクリーニングブラシローラー46は、感光体ドラム26表面に後述するようにして形成された潤滑剤の皮膜上に付着した前記放電生成物を前記皮膜ごと掻き取る。掻き取られた放電生成物および皮膜の一部は、ブラシ部60に付着したまま残存する。この残存する付着物を払い落として、クリーニングブラシローラー46から除去させる除去手段として、クリーニングブラシローラー46に対してその直下に、フリッカー64が併設されている。
フリッカー64は、図3に示すように、一端部64Aがブラシ部60をクリーニングブラシローラー46の径方向に押し込む状態になるように、他端部64Bが筐体66に固定されている。クリーニングブラシローラー46が矢印Bの向きに回転すると、フリッカー64に当接するループ毛60Aは矢印Bの向きとは反対の向きに撓む。そして、撓んだループ毛60Aは、フリッカー64を通り過ぎた瞬間に、その復元力で勢い良く元に戻り、この際に、ループ毛60Aに付着していた放電生成物および皮膜が振り落とされ、ループ毛60Aから除去されることとなる。
潤滑剤塗布装置48は、塗布ブラシローラー68、固形潤滑剤70などを含む。
塗布ブラシローラー68は、ここではクリーニングブラシローラー46と同じブラシローラーである。すなわち、塗布ブラシローラー68は、全長が感光体ドラム26と略同じ長さであり、感光体ドラム26と平行に設けられている。
固形潤滑剤70は、板金からなるホルダー78に、両面テープ(不図示)によって接着されて、保持されている。一端部がホルダー78に構成され、他端部が筐体66に固定されている圧縮コイルばねなどの付勢手段80によって、固形潤滑剤70は、塗布ブラシローラー68の外周の一部に押圧されている。固形潤滑剤70は、例えば、ステアリン酸亜鉛の粉体を溶融させて型に流し込み、これを固化させた成形物からなる。
図2に戻り、均しブレード50は、クリーニングブレード44と同様の形状をしており、また同様の材質からなる。均しブレード50は、ホルダー82に固定され、その一辺(長辺)が感光体ドラム26表面に図2に示す姿勢(カウンター方向)で押し当てられた状態で設けられている。均しブレード50は、塗布ブラシローラー68によって感光体ドラム26表面に塗布された潤滑剤が一様な膜厚になるように、当該潤滑剤を平坦にし、感光体ドラム26に潤滑剤皮膜を形成する。
(a)クリーニングブレードおよび感光体ドラムの寿命が延びる理由
潤滑剤塗布装置48と均しブレード50を有する潤滑剤皮膜形成装置47によって形成された潤滑剤皮膜は、感光体ドラム26の回転に伴って、クリーニングブレード44の感光体ドラム26の当接位置まで、ほとんどそのまま残存した状態で移動してくる。
(b)像流れが防止できる理由
上述したように、帯電装置36による帯電プロセスで発生し、感光体ドラム26表面に付着する放電生成物の除去が不十分であると、それが、記録シートSに形成されたトナー画像のエッジがぼやけたりトナー像がこすれたように流れたりする、いわゆる像流れとなって現れる。放電生成物などの吸湿性の物質が感光体ドラム26表面に付着し、高温高湿下で吸湿するとその部分で電気抵抗が極端に低下するため、潜像電荷が感光体ドラム26表面に沿った方向に流れてしまうからである。
(c)白抜けが生じにくい理由
本実施の形態では、感光体ドラム26の回転方向において、転写装置40(1次転写ローラー28)からクリーニングブラシローラー46に至る間に、クリーニングブレード44が設けられている。
感光体ドラム26表面に接触した状態で回転して、帯電プロセスの際に発生し感光体ドラム26表面に付着した放電生成物を削り取る摺擦ローラー(回転体)として、上述した例では、クリーニングブラシローラー46を用いたが、これに限らず、ローラー状をした弾性砥石を用いても構わない。
弾性ゴム砥石84は、円筒状をしたゴムロール86と、ゴムロール86に嵌め込まれた金属製(例えば、ステンレス製)のシャフト88とを有する。ゴムロール86は、結合材であるゴムに砥粒を分散させてなるものである。前記ゴムには、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、塩素化ポリイソプレンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、水素添加ポリブタジエンゴムなどのゴム材料のうち、1種類、または2種類以上を配合してなる材料が用いられる。
砥粒にアルミナ、炭化ケイ素を用いる場合、例えば3〜100〔μm〕の粒径のものを用いることができ、チタン酸ストロンチウムを用いる場合、例えば1〜800〔nm〕の粒径のものを用いることができる。
弾性ゴム砥石84の下側には、金属ローラー90が設けられている。金属ローラー90は、例えば、鉄、ステンレスもしくはアルミニウムなどの材料、またはその金属の表面をメッキ処理したものからなる。
金属ローラー90は、弾性ゴム砥石84に対し、押圧されて設けられていて、弾性ゴム砥石84の金属ローラー90との接触面は、金属ローラー90表面に倣って弾性変形している。また、金属ローラー90には、負のバイアス電圧が印加されている。
上記した構成において、不図示の駆動装置により矢印Eの向きに回転駆動される弾性ゴム砥石84は、感光体ドラム26表面から、放電生成物を潤滑剤皮膜ごと削り取る。
潤滑剤皮膜は、弾性ゴム砥石84との間の摩擦により正に帯電しており、金属ローラー90には負のバイアス電圧が印加されているため、前記接触位置に移動した潤滑剤皮膜は、静電力により金属ローラー90により吸着される。このとき、放電生成物は、潤滑剤皮膜に混入しているため、当該潤滑剤皮膜と共に、金属ローラー90へと移動する。
この従動回転に伴い、金属ローラー90に吸着して、スクレイパー92の当接位置まで移動した潤滑剤皮膜および放電生成物は、スクレイパー92によって金属ローラー90表面から掻き落とされ、当該表面から除去される。これにより、一旦、弾性ゴム砥石84によって削り取られた放電生成物が、感光体ドラム26表面に再付着するのを防止できる。
(弾性砥石の変形例)
なお、ローラー状をした弾性砥石は、上記した弾性ゴム砥石84に限らない。例えば、ゴムロールに代えて、発泡樹脂ロールを用いた、弾性発泡樹脂砥石を用いてもかなわない。発泡樹脂ロールは、結合材である発泡樹脂に砥粒を分散させてなるものである。前記発泡樹脂には、例えば、ウレタンが用いられる。また、前記砥粒には、例えばアルミナが用いられる。なお、アルミナに限らず、チタン酸ストロンチウム、炭化ケイ素などを用いても構わない。また、砥粒の粒径を上記の範囲のものとすることができる。
<実験>
実施の形態に係る画像形成装置と比較例に係る画像形成装置の比較実験について説明する。実験における評価項目は、感光体ドラム表面に付着した放電生成物の除去能力と、クリーニングブレードの寿命である。
実験には、図1を用いて説明した画像形成装置10の構成を基本として種々の実験機を作製した。
図5を参照しながら、実験機について説明する。図5は、実験機を構成する作像ユニット100を示している。
当該クリーニングブレードおよび潤滑剤皮膜生成装置は、いずれも、上述したクリーニングブレード44および潤滑剤皮膜形成装置47と同様のものであり、放電生成物除去装置も上述したクリーニングブラシローラー46、弾性ゴム砥石84、および前記弾性発泡樹脂砥石のいずれかと同様のものである。
図6に、実施例1〜4、および比較例1〜5に係る画像形成装置における各クリーニング装置の構成を示す。なお、図6に示す通り、クリーニングブラシローラーには、フリッカー付きのもの(実施例1)とフリッカー無しのもの(実施例2)とが在る。また、弾性発泡樹脂砥石(実施例3)と弾性ゴム砥石(実施例4)のいずれにも、金属ローラーは設けない構成とした。
(1)実験手順
(a)先ず、気温23〔℃〕、相対湿度65〔%〕RHの標準環境の下で、A4サイズの普通紙を横方向(普通紙をその長辺が搬送方向に直交する姿勢で搬送する方向)に通紙し、Y,M,C,Kの各作像ユニットでカバレッジ(印字率)5〔%〕の画像を形成する動作を、感光体ドラムが400,000回転(以下、400〔krot〕と標記する。)するまで実行した。普通紙は、6枚の連続通紙を、4〜5秒の間隔を空けて繰り返した。
(c)同高温高湿環境の下で、上記(b)の実施から実験機を8時間放置した後、1dotハーフトーン画像を普通紙に形成し、これを第1サンプルとし、これにより像流れの有無およびその程度を検査した。
クリーニングブレードによる残留トナーの掻き取り性(除去性)が低下すると、普通紙において、本来、トナー像が形成されるべきではない白ベタ部に、うっすらと副走査方向に延びるスジ状のトナー像が現れ、クリーニングブレードが寿命に達すると、うっすらとベタのトナー像が現れるため、これによりクリーニングブレードの寿命を判定することができる。このうっすらと現れるベタのトナー像を「残像」と称することとする。
(2)評価項目:放電生成物の除去性
顕微鏡を用いて、上記第1サンプルに形成されたドット像を観察し、当該ドット像に像流れによる変形が認められなければ、放電生成物等は十分除去されていると判定し、図6の「放電生成物等の除去性」の対応する判定欄に「○」を記入した。
ドット像の崩れ(変形)が許容範囲を超えて場合には、前記「放電生成物等の除去性」の対応する判定欄に「×」を記入した。
なお、第1サンプルにおいて検査した領域は、普通紙に形成されたトナー像の内、上記8時間の放置中に、帯電装置36(図2)と対向する感光体ドラム26表面部分上のトナー像に相当するトナー像部分である。帯電装置36から発生した放電生成物は、放置中では、感光体ドラム26表面のうち、帯電装置36が対向する位置において付着しやすく、この付着した部分が像流れとなって現れるからである。
第2サンプルを肉眼で観察し、全く残像が現れていない場合には、クリーニングブレードによって残留トナーが良好に除去されていると判定し、図6の「クリーニングブレードの寿命」の対応する判定欄に「○」を記入した。
帯状の残像がうっすらと現れるものの、許容範囲である場合には、前記「クリーニングブレードの寿命」の対応する判定欄に「△」を記入した。
〔実験結果について〕
図6を見ると、実施例1では放電生成物の除去性とクリーニングブレードの寿命の両方が良好(○)になっており、実施例2〜4では、放電生成物の除去性については800〔krot〕までは「○」、1200〔krot〕で「△」、クリーニングブレードの寿命については1200〔krot〕まで全て「○」になっており、0〜1200〔krot〕までの間において許容範囲(形成画像の一定以上の画質を維持できる範囲)で放電生成物を除去しつつクリーニングブレードの長寿命化を図れることが判った。
すなわち、比較例1では、クリーニングブレードしか設けられておらず、潤滑剤皮膜を形成しない構成なので、感光体ドラムの回転数が多くなるに伴って、感光体ドラムとクリーニングブレード間の摩擦が大きくなり、早期にクリーニングブレードの寿命に達したものと考えられる。
比較例3では、感光体ドラムの回転方向に沿って、クリーニングブラシローラー、クリーニングブレード、潤滑剤皮膜形成装置がこの順に配置されているので、感光体ドラム表面に塗布された潤滑剤皮膜が最上流のクリーニングブラシローラーで掻き取られてしまい、感光体ドラム表面とクリーニングブレードとの当接部分に潤滑剤が供給されず、比較例1と同様に、早期にクリーニングブレードの寿命に達したものと考えられる。
すなわち、クリーニングブレードにより放電生成物が削り取られても、クリーニングブレードが感光体ドラム表面に当接したままなので、削り取られた放電生成物が回収されることがなく、クリーニングブレードと感光体ドラム表面との当接部分に滞留したままになる。滞留している放電生成物は、画像形成による感光体ドラムの回転数が多くなるに伴って増加していき、その放電生成物の量が過大になると、その放電生成物がクリーニングブレードにより感光体ドラム表面に引き伸ばされた状態でクリーニングブレードをすり抜けることが生じ、放電生成物による像流れが生じたものと考えられる。
また、実施例1のようにフリッカーを設けることにより、クリーニングブラシローラーのブラシ部に付着している放電生成物がクリーニングブラシローラーから払い落とされて、ブラシ部に蓄積されたり感光体ドラムに再付着したりすることが防止され易くなるので、放電生成物が1200〔krot〕まで確実に除去されることが判る。
このように実施例1〜4では、放電生成物の除去により、1200〔krot〕までの間、形成画像の画質を一定以上に維持できることから、比較例1〜5のようにその途中で感光体ドラムを新たなものに交換する必要がなく、クリーニングブレードに加えて、感光体ドラムの長寿命化を実現することができる。
(1)上記実施の形態では、回転する感光体としてドラム状の感光体ドラム26を用いる例を説明したが、回転体であればこれに限られず、例えば感光体ベルトでも良い。
また、クリーニングブラシローラー46をパイルブラシにより構成する例を説明したが、回転するブラシローラーであれば、パイルブラシに限られず、例えば直毛(静電植毛)のものを用いる構成としても良い。
また、スクレイパー92が金属ローラー90に対してカウンター方向に配置されるとしたが、カウンター方向に限られない。放電生成物が混じる潤滑剤皮膜を金属ローラー90から除去させることができれば良く、例えば非カウンター方向とすることもできる。
(2)上記実施の形態では、画像形成装置をタンデム型のカラープリンターに適用した場合の例を説明したが、カラーやモノクロに限られず、また二次転写方式にも限られず、帯電、露光、現像、および転写の各プロセスからなる電子写真プロセスを実行することにより、回転する感光体の表面にトナー像を形成し、これを転写材(例えば、記録シートまたは、転写ベルトなどの中間転写体など)に転写して画像を形成する画像形成装置一般に適用することができる。
26 感光体ドラム
36 帯電装置
38 現像装置
40 転写装置
42 クリーニング装置
44 クリーニングブレード
46 クリーニングブラシローラー
47 潤滑剤皮膜形成装置
48 潤滑剤塗布装置
50 均しブレード
58,72,88 シャフト
60,74 ブラシ部
64 フリッカー
68 塗布ブラシローラー68
70 固形潤滑剤
84 弾性ゴム砥石
86 ゴムロール
90 金属ローラー
92 スクレイパー
Claims (9)
- 帯電、露光、現像、および転写の各プロセスからなる電子写真プロセスを実行することにより、回転する感光体の表面にトナー像を形成し、これを転写材に転写して画像を形成する画像形成装置であって、
前記感光体の周囲であり、当該感光体の回転方向に沿って、前記転写プロセスにおける転写位置から前記帯電プロセスにおける帯電位置に至るまでの範囲に、
前記感光体表面のトナーを除去するクリーニングブレードと、
前記感光体に接触した状態で回転して、前記帯電プロセスの際に発生し前記感光体表面に付着した放電生成物を削り取る摺擦ローラーを有する放電生成物除去装置と、
前記感光体表面に潤滑剤皮膜を形成する潤滑剤皮膜形成装置と、
がこの順に配されていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記放電生成物除去装置は、さらに、
前記感光体表面から削り取られ、前記摺擦ローラーに付着した放電生成物を当該摺擦ローラーから除去する除去手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記除去手段は、
前記摺擦ローラーに当接して、前記放電生成物を前記摺擦ローラーから除去する当接部材であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記当接部材は、
前記摺擦ローラーに付着している放電生成物を掻き取る板状部材であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記当接部材は、金属ローラーであり、
前記金属ローラーには、
前記感光体表面上の放電生成物と一緒に削り取られ、当該放電生成物が混入した状態で前記摺擦ローラーに付着している潤滑剤の帯電極性とは逆極性の電圧が印加されており、
前記放電生成物が混入した状態で前記摺擦ローラーに付着している潤滑剤が静電力により前記金属ローラーに吸着されることにより、前記放電生成物が前記摺擦ローラーから除去される構成であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記摺擦ローラーは、
ブラシローラーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記摺擦ローラーは、
円筒状をした弾性砥石に芯金がはめ込まれてなるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記弾性砥石を構成する結合材は、ゴム材料からなることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記弾性砥石を構成する結合材は、発泡樹脂材料からなることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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