JP2013152293A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】白抜け現象を生じさせることなく、感光体ドラムとクリーニングブレードの長寿命化を果たしながら、像流れの発生も防止可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】感光体ドラム26の周囲であり、感光体ドラム26の回転方向に沿って、転写位置から帯電位置に至るまでの範囲に、感光体ドラム26表面の残留トナーを除去するクリーニングブレード44と、感光体ドラム26に接触した状態で回転して、感光体ドラム26表面に付着した放電生成物を削り取るクリーニングブラシローラー46と、感光体ドラム26表面に潤滑剤皮膜を形成する潤滑剤皮膜形成装置47を、この順に配置した。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式により画像を形成する複写機、プリンターなどの画像形成装置に関し、特に、感光体表面のクリーニング技術に関する。
電子写真方式により画像を形成する一般的な画像形成装置は、感光体としての感光体ドラムを中心としてその周囲に、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、およびクリーニング装置がこの順に配されてなる構成を有している。
上記構成からなる画像形成装置では、回転する感光体ドラムの表面(感光体表面)が帯電装置によって一様に帯電され、その帯電域は、露光装置からの光変調されたレーザー光による露光を受ける。露光によって感光体表面に形成された静電潜像は、現像装置によってトナー像として顕像化される。
一方、給紙装置からは記録シートが供給されて、感光体ドラムと転写装置との対向位置へ搬送され、転写装置によって発生される電界の作用を受けて、感光体ドラム上のトナー像が記録シートへと転写される。
また、記録シートに転写されずに感光体表面に残留しているトナー(残留トナー)や帯電プロセスで発生する放電生成物などの付着物は、クリーニング装置によって掻き落とされ、感光体表面は清掃される。
クリーニング装置としては、感光体表面にポリウレタンゴムなどからなるクリーニングブレードを当接させ機械的な力で付着物を除去するブレードクリーニング方式のものが広く用いられている。
ブレードクリーニング方式では、感光体ドラムとクリーニングブレードとの間の摩擦により、両者が徐々に摩耗していく。感光体ドラムとクリーニングブレードのそれぞれは、その摩耗量が所定量を超えて、必要な機能が果たせなくなると新しいものと交換される。
この摩耗の進行を遅くすることで、感光体ドラムやクリーニングブレードの交換頻度を少なくし、もって、画像形成装置のメンテナンスコストを減少させるべく、感光体表面に潤滑剤皮膜を形成する技術が実用化されている。
具体的には、固形潤滑剤と、当該固形潤滑剤と感光体表面との両方に接触状態で回転する塗布ブラシローラーとを有する潤滑剤塗布装置によって、塗布ブラシローラーで固形潤滑剤を削り取り、削り取った潤滑剤を皮膜状に感光体表面に塗布する。
このように形成された潤滑剤皮膜は、感光体ドラムとクリーニングブレードとの間の摩擦を低減するため、感光体ドラムとクリーニングブレードの摩耗による寿命低下を抑制することができる。
しかしながら、寿命は長くなるものの、感光体表面とクリーニングブレードとの間の摩擦が低減した分、放電生成物の除去能力が低下してしまうといった問題が生じる。
これは、次の理由による。すなわち、放電生成物は、静電力により感光体表面に付着するトナー粒子とは異なり、感光体表面がクリーニングブレードにより極僅かに削り取られるのと一緒に除去されていくものであり、感光体表面とクリーニングブレードとの間にある程度の摩擦力が作用している必要がある。
ところが、感光体ドラムとクリーニングブレードの寿命低下の抑制のために感光体表面に潤滑剤を塗布すると、感光体表面とクリーニングブレードとの間に作用する摩擦力が低減するので、それだけクリーニングブレードにより感光体表面が削り取られ難くなり、感光体表面に付着している放電生成物も除去され難くなるからである。
放電生成物の除去が不十分な場合、形成される画像にいわゆる像流れなどの不具合が発生してしまう。
そこで、特許文献1には、クリーニングブレードと潤滑剤塗布装置に加えて、放電生成物を除去するためのブラシローラーを備えた画像形成装置が開示されている。
この画像形成装置は、感光体ドラムの周囲に設けられた転写装置から帯電装置に至る間において、ブラシローラー、潤滑剤塗布装置、およびクリーニングブレードがこの順で配された構成を有している。
特開2010−117523号公報 特開2004−341840号公報 特開2004−45446号公報
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、ブラシローラーにより放電生成物は除去されるものの、形成される画像にいわゆる白抜け現象が生じる。
すなわち、特許文献1の画像形成装置では、転写装置の直後にブラシローラーが配されているため、感光体表面上の残留トナーの多くがブラシローラーのブラシに付着する。
ブラシに付着したトナー粒子の中には、回転するブラシの感光体表面への押付力によって感光体表面に強い力で押し付けられて付着するものがあり、そのトナー粒子の付着力がクリーニングブレードによる掻き取り力よりも大きくなると、トナー粒子がクリーニングブレードをすり抜けることが生じる。
このようにトナー粒子がクリーニングブレードをすり抜けることは、感光体表面に僅かな傷がある場合にも、その傷に、回転するブラシに付着したトナー粒子が入り込み、クリーニングブレードでは掻き取れなくなることによっても生じ易い。
トナー粒子がクリーニングブレードをすり抜けることが生じると、そのトナー粒子の存する感光体表面部分が露光装置による露光を受けなくなるため、この部分にトナー像が形成されない、いわゆる白抜け現象が生じる。
トナー粒子の、クリーニングブレードのすり抜けが一度、発生すると、そのトナー粒子が感光体ドラムの1周により再度、クリーニングブレードの位置に戻ったときに、そのトナー粒子に、クリーニングブレードと感光体表面との圧接部分に存在している別のトナー粒子がクリーニングブレードの押圧力により押し付けられ、同じ材質同士の複数個のトナー粒子が引っ付いて合体したようになり、今度は、その合体したトナー粒子がクリーニングブレードをすり抜けることが生じる場合がある。
このトナー粒子の合体が増えることが続くと、感光体表面に、クリーニングブレードにより除去できない残留トナーが存する部分が徐々に広がって成長することが生じ、白抜け現象が生じる範囲が広がることになってしまう。
本発明は、可能な限り、白抜け現象を生じさせることなく、感光体とクリーニングブレードの長寿命化を果たしながら、像流れの発生も防止することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、帯電、露光、現像、および転写の各プロセスからなる電子写真プロセスを実行することにより、回転する感光体の表面にトナー像を形成し、これを転写材に転写して画像を形成する画像形成装置であって、前記感光体の周囲であり、当該感光体の回転方向に沿って、前記転写プロセスにおける転写位置から前記帯電プロセスにおける帯電位置に至るまでの範囲に、前記感光体表面のトナーを除去するクリーニングブレードと、前記感光体に接触した状態で回転して、前記帯電プロセスの際に発生し前記感光体表面に付着した放電生成物を削り取る摺擦ローラーを有する放電生成物除去装置と、前記感光体表面に潤滑剤皮膜を形成する潤滑剤皮膜形成装置と、がこの順に配されていることを特徴とする。
また、前記放電生成物除去装置は、さらに、前記感光体表面から削り取られ、前記摺擦ローラーに付着した放電生成物を当該摺擦ローラーから除去する除去手段を有するとしても良い。
ここで、前記除去手段は、前記摺擦ローラーに当接して、前記放電生成物を前記摺擦ローラーから除去する当接部材であるとしても良い。
ここで、前記当接部材は、前記摺擦ローラーに付着している放電生成物を掻き取る板状部材であるとしても良い。
また、前記当接部材は、金属ローラーであり、前記金属ローラーには、前記感光体表面上の放電生成物と一緒に削り取られ、当該放電生成物が混入した状態で前記摺擦ローラーに付着している潤滑剤の帯電極性とは逆極性の電圧が印加されており、前記放電生成物が混入した状態で前記摺擦ローラーに付着している潤滑剤が静電力により前記金属ローラーに吸着されることにより、前記放電生成物が前記摺擦ローラーから除去される構成であるとしても良い。
さらに、前記摺擦ローラーは、ブラシローラーであるとしても良い。
また、前記摺擦ローラーは、円筒状をした弾性砥石に芯金がはめ込まれてなるものであるとしても良い。
ここで、前記弾性砥石を構成する結合材は、ゴム材料からなるとしても良い。
また、前記弾性砥石を構成する結合材は、発泡樹脂材料からなるとしても良い。
このように感光体の回転方向に沿って、転写位置から帯電位置に至るまでの範囲に、クリーニングブレードと、放電生成物除去装置と、潤滑剤皮膜形成装置とを、この順に配する構成により、感光体とクリーニングブレードの長寿命化と、感光体表面に付着している放電生成物の除去により白抜け現象と像流れの発生を防止することができる。
すなわち、まず、クリーニングブレードと、放電生成物除去装置と、潤滑剤皮膜形成装置のうち、感光体の回転方向最上流のクリーニングブレードにより、転写後の感光体表面の残留トナーが除去される。転写は、最下流の潤滑剤皮膜形成装置により感光体表面に潤滑剤が塗布された後の状態で行われるので、感光体表面とクリーニングブレード間の摩擦が低減されており、感光体とクリーニングブレードを長寿命化することができる。
クリーニングブレードによる残留トナーの除去後、放電生成物が放電生成物除去装置により削り取られる。既に残留トナーがクリーニングブレードにより除去された後なので、残留トナーが放電生成物除去装置の摺擦ローラーに付着して、その回転力により感光体表面に強固に付着するといったことがない。
また、潤滑剤皮膜形成装置が感光体の回転方向に沿って放電生成物除去装置よりも下流側かつ帯電位置よりも上流側に位置するので、帯電位置では、感光体表面に既に潤滑剤皮膜が形成されている。従って、帯電プロセスにより生じる放電生成物は、その潤滑剤被膜を介して感光体ドラムに付着することになり、直接、感光体ドラムに付着することが防止される。これにより、感光体表面上の放電生成物を潤滑剤被膜ごと削り取ることができるようになり、白抜け現象と像流れの発生を防止することが可能になる。
画像形成装置の概略構成を示す図である。 画像形成装置に設けられる作像ユニットの構成を示す図である。 作像ユニットに設けられるクリーニングブラシローラーおよび潤滑剤塗布装置を示す拡大図である。 弾性ゴム砥石を示す図である。 実験機を構成する作像ユニットを模式的に示す図である。 実施例1〜4、および比較例1〜5に係る画像形成装置における各クリーニング装置の構成と、放電生成物の除去性およびクリーニングブレードの寿命についての実験結果とを示す図である。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態について、プリンターを例に図面を参照しながら説明する。
<プリンターの全体構成>
図1は、実施の形態に係る画像形成装置10の概略構成を示す図である。
画像形成装置10は、周知の電子写真方式により画像を形成する、いわゆるタンデム型のカラープリンターであり、転写ベルト12と、転写ベルト12を張架する駆動ローラー14、従動ローラー16,18、バックアップローラー20、転写ベルト12に対向し転写ベルト12の走行方向に沿って所定間隔で配置されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色の作像ユニット22Y,22M,22C,22Kと、定着装置24とが、不図示の筐体に収納された構成を有している。
各作像ユニット22Y,…,22Kは、回転する感光体(像担持体)の一例としての感光体ドラム26Y,26M,26C,26Kを有する。
感光体ドラム26Y,…,26Kの各々の表面には、後述するようにして、Y,M,C,Kのトナー像が形成される。形成されたトナー像の各々は、各転写位置において転写ベルト12の裏面側に配設された1次転写ローラー28Y,28M,28C,28Kの静電的作用により、転写ベルト12の表面上に順次転写されていく。
この際、各色の作像動作は、そのトナー像が、走行する転写ベルト12の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにすべく、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
一方、不図示の給紙装置からは、上記した転写ベルト12への作像タイミングに合わせて、記録シートSが給紙され、2次転写ローラー30とバックアップローラー20とが対向する位置(以下、「2次転写位置」と言う。)へと搬送される。
当該2次転写位置において、2次転写ローラー30の静電的作用により、転写ベルト12上のトナー像が記録シートSへ再転写(2次転写)される。
トナー像が転写された記録シートSは、さらに、定着装置24にまで搬送される。
記録シートSは、定着装置24において高熱下で加圧され、その表面のトナー粒子がシート表面に融着して定着された後、排紙ローラー32によって不図示の排紙トレイ上に排出される。
<作像ユニット>
(全体構成)
図2を参照しながら、作像ユニット22Y,…,22Kの構成について、さらに説明する。作像ユニット22Y,…,22Kは、現像装置において用いられるトナーの色が異なる以外は、同じ構成を有している。よって、以下、特に作像ユニット22Y,…,22Kを区別する必要の無い場合は、各構成要素には、Y,M,C,Kの符号を付さずに、作像ユニットの構成について説明し、区別する場合は同符号を付して説明することとする。
作像ユニット22は、円筒状をした感光体ドラム26を中心としてその周囲に、アレイ型のLEDランプを有する除電装置34、スコロトロン式の帯電装置36、図外の露光装置、現像装置38、1次転写ローラー28を有する転写装置40、およびクリーニング装置42がこの順に配されてなる構成を有している。なお、感光体ドラム26とその周囲に配されたクリーニング装置42、除電装置34、および帯電装置36とは、これらが一体としてユニット化されている。このユニットを以下、感光体ユニット43と称する。
不図示の駆動装置によって矢印Aの向きに回転される感光体ドラム26は、除電装置34の前記LEDランプからの光の照射を受けて除電された後、帯電装置36によって一様に帯電され、その帯電域は、前記露光装置からの光変調されたレーザー光LBによる露光を受ける。露光によって感光体ドラム26表面に形成された静電潜像は、現像装置38によってトナー像として顕像化される。このトナー像は、転写ベルト12の裏面側に配設された転写装置40の1次転写ローラー28の静電的作用により、転写ベルト12の表面上に転写される。
なお、帯電装置36が除電機能を兼ねる構成とすることも可能であるため、除電装置34は、必須の構成要素ではない。
(クリーニング装置)
感光体ドラム26の周方向において、転写装置40と帯電装置36(除電装置34)との間に設けられているクリーニング装置42は、感光体ドラム26から転写ベルト12へ転写し切れずに、感光体ドラム26表面に残留したトナー(残留トナー)や、帯電装置36で発生し、感光体ドラム26表面に付着するO3やNOXなどの放電生成物を感光体ドラム26表面から除去するためのものである。
クリーニング装置42は、転写装置40から帯電装置36(除電装置34)に至る感光体ドラム26外周に沿って、クリーニングブレード44、クリーニングブラシローラー46、潤滑剤皮膜形成装置47がこの順に設けられてなる構成を有している。潤滑剤皮膜形成装置47は、潤滑剤塗布装置48および均しブレード50を有する。
クリーニングブレード44は、細長い長方形をしている。クリーニングブレード44は、筐体52に取り付けられたホルダー54にホットメルト接着剤によって固定され、その一辺(長辺)が感光体ドラム26表面に押し当てられた状態で設けられていて、主として残留トナーを掻き取る(スクレイプする)。クリーニングブレード44は、弾性ゴムブレードからなり、例えば遠心成形機で製造される。ゴム材料としては、例えば、熱硬化性ポリウレタンゴムが用いられる。
クリーニングブレード44によって感光体ドラム26表面から掻き落とされたトナーは、筐体52の底部に設けられた回収スクリュー56によって筐体52から搬出され、不図示の廃トナーボックスに回収される。
図3に、クリーニングブラシローラー46および潤滑剤塗布装置48の拡大図を示す。
クリーニングブラシローラー46は、感光体ドラム26の軸方向の全長が感光体ドラム26と略同じ長さであり、感光体ドラム26と平行に設けられている。
クリーニングブラシローラー46は、不図示の駆動手段によって、矢印Bの向きに回転されながら、感光体ドラム26の表面を摺擦する。ここで、矢印A,Bで示すようにクリーニングブラシローラー46を感光体ドラム26と同じ向きに回転させること、すなわち、クリーニングブラシローラー46による感光体ドラム26外周面の摺擦位置におけるクリーニングブラシローラー46外周の移動方向が、感光体ドラム26外周の移動方向と逆向きになる場合を、クリーニングブラシローラー46を感光体ドラム26に対し「カウンター方向に回転させる」と称することとする。
クリーニングブラシローラー46は、その周速(線速度)が感光体ドラム26の周速の、例えば1.3倍になる回転速度で回転される。なお、その周速度差が1.3倍に限られず、1よりも大きい値(高速)とすることができる。装置構成に適した周速度差が決められるが、装置構成によっては1倍(等速)または1よりも小さい値(低速)とする場合もあり得る。
クリーニングブラシローラー46は、外径6〔mm〕の金属製(例えば、ステンレス製)シャフト58の外周にブラシ部60が形成されてなるものである。
ブラシ部60は、帯状をした厚さ0.5〔mm〕の基布62に導電性繊維の束をループ状に織り込んで植毛したパイル地(以下、「パイル帯」と称する。)を芯棒であるシャフト58外周にスパイラル状に巻回することによって形成されている。以下、植毛された導電性繊維束の1ループを「ループ毛60A」と称することとする。ループ毛60Aの基布62上面からの高さは、約2.5〔mm〕である。よって、前記パイル帯の厚みは、約3〔mm〕であり、クリーニングブラシローラー46の外径は、ブラシ部60の変形が無い状態において、約12〔mm〕である。
導電性繊維には、ポリエステルに導電材であるカーボンブラックを分散してなるものが用いられている。導電性繊維は、その太さが3T(デシテックス)で、1×106〔mmΩ/cm〕の線抵抗値を有する。当該導電性繊維の基布62における植毛密度は、225〔kF/inch2〕である。
矢印Bの向きに回転されながら、感光体ドラム26の表面を摺擦するクリーニングブラシローラー46は、感光体ドラム26表面に後述するようにして形成された潤滑剤の皮膜上に付着した前記放電生成物を前記皮膜ごと掻き取る。掻き取られた放電生成物および皮膜の一部は、ブラシ部60に付着したまま残存する。この残存する付着物を払い落として、クリーニングブラシローラー46から除去させる除去手段として、クリーニングブラシローラー46に対してその直下に、フリッカー64が併設されている。
フリッカー64は、横断面がL字状をした細長い金属(例えば、ステンレス)板からなり、クリーニングブラシローラー46の軸方向に沿って長尺状になっている。
フリッカー64は、図3に示すように、一端部64Aがブラシ部60をクリーニングブラシローラー46の径方向に押し込む状態になるように、他端部64Bが筐体66に固定されている。クリーニングブラシローラー46が矢印Bの向きに回転すると、フリッカー64に当接するループ毛60Aは矢印Bの向きとは反対の向きに撓む。そして、撓んだループ毛60Aは、フリッカー64を通り過ぎた瞬間に、その復元力で勢い良く元に戻り、この際に、ループ毛60Aに付着していた放電生成物および皮膜が振り落とされ、ループ毛60Aから除去されることとなる。
続いて、潤滑剤塗布装置48について説明する。
潤滑剤塗布装置48は、塗布ブラシローラー68、固形潤滑剤70などを含む。
塗布ブラシローラー68は、ここではクリーニングブラシローラー46と同じブラシローラーである。すなわち、塗布ブラシローラー68は、全長が感光体ドラム26と略同じ長さであり、感光体ドラム26と平行に設けられている。
また、塗布ブラシローラー68は、シャフト72の外周にブラシ部74が形成されてなるものであり、ブラシ部74は、帯状をした基布76に導電性繊維の束をループ状に織り込んで植毛してなるパイル帯をシャフト72外周にスパイラル状に巻回することによって形成されている。なお、塗布ブラシローラー68の構成部材の材質や寸法は、クリーニングブラシローラー46の対応する構成部材と同じであるが、これに限られず、異なるものとすることもできる。
固形潤滑剤70は、塗布ブラシローラー68を挟んで感光体ドラム26と反対側に設けられており、感光体ドラム26の軸方向全長が塗布ブラシローラー68と略同じ長さの角材状をしている。
固形潤滑剤70は、板金からなるホルダー78に、両面テープ(不図示)によって接着されて、保持されている。一端部がホルダー78に構成され、他端部が筐体66に固定されている圧縮コイルばねなどの付勢手段80によって、固形潤滑剤70は、塗布ブラシローラー68の外周の一部に押圧されている。固形潤滑剤70は、例えば、ステアリン酸亜鉛の粉体を溶融させて型に流し込み、これを固化させた成形物からなる。
固形潤滑剤70は、不図示の駆動手段によって矢印Cの向きに回転される塗布ブラシローラー68のループ毛74Aによって削り取られる。削り取られて粉状体に戻り、塗布ブラシローラー68のループ毛74Aに付着した潤滑剤は、感光体ドラム26の摺擦位置において、感光体ドラム26表面に塗布される。
図2に戻り、均しブレード50は、クリーニングブレード44と同様の形状をしており、また同様の材質からなる。均しブレード50は、ホルダー82に固定され、その一辺(長辺)が感光体ドラム26表面に図2に示す姿勢(カウンター方向)で押し当てられた状態で設けられている。均しブレード50は、塗布ブラシローラー68によって感光体ドラム26表面に塗布された潤滑剤が一様な膜厚になるように、当該潤滑剤を平坦にし、感光体ドラム26に潤滑剤皮膜を形成する。
なお、感光体ドラム26が未使用の状態、すなわち潤滑剤皮膜が全く形成されていない状態から、感光体ドラム26の回転回数に比例して、潤滑剤皮膜は徐々にその厚みを増していき、50回転から100回転後においてその厚みは最大となって、以後安定する。すなわち、潤滑剤は感光体ドラム26の回転毎に感光体ドラム26の表面に積層され、前記安定した厚みの潤滑剤皮膜は複数の層からなる層状を呈している。
上記の構成からなる画像形成装置10によれば、(a)クリーニングブレード44および感光体ドラム26の寿命を延ばしつつ、(b)像流れを防止することができると共に、(c)白抜けが生じ難くすることができる。これらの理由について、以下に説明する。
(a)クリーニングブレードおよび感光体ドラムの寿命が延びる理由
潤滑剤塗布装置48と均しブレード50を有する潤滑剤皮膜形成装置47によって形成された潤滑剤皮膜は、感光体ドラム26の回転に伴って、クリーニングブレード44の感光体ドラム26の当接位置まで、ほとんどそのまま残存した状態で移動してくる。
よって、クリーニングブレード44と感光体ドラム26との間の摩擦が十分に低減され、当該摩擦に起因する摩耗に因る寿命の低下を抑制できる。なお、クリーニングブレード44によって、残留トナーは十分に除去される。
(b)像流れが防止できる理由
上述したように、帯電装置36による帯電プロセスで発生し、感光体ドラム26表面に付着する放電生成物の除去が不十分であると、それが、記録シートSに形成されたトナー画像のエッジがぼやけたりトナー像がこすれたように流れたりする、いわゆる像流れとなって現れる。放電生成物などの吸湿性の物質が感光体ドラム26表面に付着し、高温高湿下で吸湿するとその部分で電気抵抗が極端に低下するため、潜像電荷が感光体ドラム26表面に沿った方向に流れてしまうからである。
本実施の形態では、感光体ドラム26の回転方向において、帯電装置36の直前に潤滑剤皮膜形成装置47が設けられているため、帯電装置36の対向位置における感光体ドラム26表面には、潤滑剤皮膜形成装置47により潤滑剤皮膜が形成されている。このため、帯電装置36で発生する放電生成物は、感光体ドラム26表面に潤滑剤皮膜を介して付着する。
感光体ドラム26表面に付着し、感光体ドラム26の回転に伴って移動する放電生成物は、クリーニングブレード44をすり抜けたとしても、クリーニングブラシローラー46によって掻き取られることとなる。潤滑剤皮膜の感光体ドラム26表面への付着力は弱いため、潤滑剤皮膜上に付着した放電生成物は、当該潤滑剤皮膜と一緒に掻き取られるので、容易に、感光体ドラム26表面から除去されるのである。
これにより、放電生成物が原因で生じる像流れは、可能な限り防止されることとなる。
(c)白抜けが生じにくい理由
本実施の形態では、感光体ドラム26の回転方向において、転写装置40(1次転写ローラー28)からクリーニングブラシローラー46に至る間に、クリーニングブレード44が設けられている。
クリーニングブレード44によって、感光体ドラム26上の残留トナーは、感光体ドラム26表面から十分に除去されるため、クリーニングブラシローラー46にまで移動する残留トナーは、ほとんど存在しない。よって、クリーニングブラシローラー46に残留トナーが付着することがほとんどない。このため、本実施の形態によれば、特許文献1に記載された画像形成装置において生じる白抜け、すなわち、上述した通り残留トナーがクリーニングブラシローラー46に付着することに起因して生じる白抜けが発生するのを可能な限り防止することができる。
<変形例>
感光体ドラム26表面に接触した状態で回転して、帯電プロセスの際に発生し感光体ドラム26表面に付着した放電生成物を削り取る摺擦ローラー(回転体)として、上述した例では、クリーニングブラシローラー46を用いたが、これに限らず、ローラー状をした弾性砥石を用いても構わない。
図4に、当該弾性砥石の一例として、弾性ゴム砥石84を示す。なお、図4では、感光体ドラム26の周囲に配された、クリーニングブレード44や潤滑剤塗布装置48などの他の構成要素の図示は省略している。
弾性ゴム砥石84は、円筒状をしたゴムロール86と、ゴムロール86に嵌め込まれた金属製(例えば、ステンレス製)のシャフト88とを有する。ゴムロール86は、結合材であるゴムに砥粒を分散させてなるものである。前記ゴムには、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、塩素化ポリイソプレンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、水素添加ポリブタジエンゴムなどのゴム材料のうち、1種類、または2種類以上を配合してなる材料が用いられる。
また、前記砥粒には、例えばアルミナが用いられる。なお、アルミナに限らず、例えばチタン酸ストロンチウム、炭化ケイ素を用いても構わない。
砥粒にアルミナ、炭化ケイ素を用いる場合、例えば3〜100〔μm〕の粒径のものを用いることができ、チタン酸ストロンチウムを用いる場合、例えば1〜800〔nm〕の粒径のものを用いることができる。
弾性ゴム砥石84は、感光体ドラム26に対し押圧された状態で設けられており、弾性ゴム砥石84の感光体ドラム26との接触面は、感光体ドラム26表面に倣って弾性変形している。
弾性ゴム砥石84の下側には、金属ローラー90が設けられている。金属ローラー90は、例えば、鉄、ステンレスもしくはアルミニウムなどの材料、またはその金属の表面をメッキ処理したものからなる。
金属ローラー90は、弾性ゴム砥石84がその軸方向全長に渡り当接した太径部90Aと、太径部90Aの両端から延出された細径部90Bとを有し、当該細径部90Bが不図示の支持部材(例えば、軸受け)により回転自在に保持されている。
金属ローラー90は、弾性ゴム砥石84に対し、押圧されて設けられていて、弾性ゴム砥石84の金属ローラー90との接触面は、金属ローラー90表面に倣って弾性変形している。また、金属ローラー90には、負のバイアス電圧が印加されている。
金属ローラー90には、板状をしたスクレイパー92が当接状態で設けられている。スクレイパー92は、クリーニングブレード44と同様の形状をしており同様の材質からなるため、詳細な説明は省略する。
上記した構成において、不図示の駆動装置により矢印Eの向きに回転駆動される弾性ゴム砥石84は、感光体ドラム26表面から、放電生成物を潤滑剤皮膜ごと削り取る。
潤滑剤皮膜と一緒に削り取られた放電生成物は、弾性ゴム砥石84の回転に伴って、金属ローラー90との接触位置まで移動する。
潤滑剤皮膜は、弾性ゴム砥石84との間の摩擦により正に帯電しており、金属ローラー90には負のバイアス電圧が印加されているため、前記接触位置に移動した潤滑剤皮膜は、静電力により金属ローラー90により吸着される。このとき、放電生成物は、潤滑剤皮膜に混入しているため、当該潤滑剤皮膜と共に、金属ローラー90へと移動する。
金属ローラー90は、摩擦力により、弾性ゴム砥石84の回転に追随して矢印Fの向きに従動回転している。
この従動回転に伴い、金属ローラー90に吸着して、スクレイパー92の当接位置まで移動した潤滑剤皮膜および放電生成物は、スクレイパー92によって金属ローラー90表面から掻き落とされ、当該表面から除去される。これにより、一旦、弾性ゴム砥石84によって削り取られた放電生成物が、感光体ドラム26表面に再付着するのを防止できる。
なお、潤滑剤皮膜の帯電極性が負の場合には、その逆である正の電圧が金属ローラー90に印加されることになる。
(弾性砥石の変形例)
なお、ローラー状をした弾性砥石は、上記した弾性ゴム砥石84に限らない。例えば、ゴムロールに代えて、発泡樹脂ロールを用いた、弾性発泡樹脂砥石を用いてもかなわない。発泡樹脂ロールは、結合材である発泡樹脂に砥粒を分散させてなるものである。前記発泡樹脂には、例えば、ウレタンが用いられる。また、前記砥粒には、例えばアルミナが用いられる。なお、アルミナに限らず、チタン酸ストロンチウム、炭化ケイ素などを用いても構わない。また、砥粒の粒径を上記の範囲のものとすることができる。
<実験>
実施の形態に係る画像形成装置と比較例に係る画像形成装置の比較実験について説明する。実験における評価項目は、感光体ドラム表面に付着した放電生成物の除去能力と、クリーニングブレードの寿命である。
〔実験機〕
実験には、図1を用いて説明した画像形成装置10の構成を基本として種々の実験機を作製した。
図5を参照しながら、実験機について説明する。図5は、実験機を構成する作像ユニット100を示している。
実験機の各々は、転写装置40から帯電装置36(除電装置34)に至る感光体ドラム26周囲の(A)位置、(B)位置、(C)位置の各々に、クリーニングブレード、放電生成物除去装置、および潤滑剤皮膜生成装置のいずれかを設置した構成をしている。
当該クリーニングブレードおよび潤滑剤皮膜生成装置は、いずれも、上述したクリーニングブレード44および潤滑剤皮膜形成装置47と同様のものであり、放電生成物除去装置も上述したクリーニングブラシローラー46、弾性ゴム砥石84、および前記弾性発泡樹脂砥石のいずれかと同様のものである。
なお、比較例については、これら3個の構成のいずれか1個または2個を欠いた構成としたものもある。また、図5に矢印で示す(A)位置、(B)位置、(C)位置の各々は、感光体ドラム26の周方向において、転写装置40から帯電装置36(除電装置34)に至る順番を示すものであり、正確な位置を示すものではない。
図6に、実施例1〜4、および比較例1〜5に係る画像形成装置における各クリーニング装置の構成を示す。なお、図6に示す通り、クリーニングブラシローラーには、フリッカー付きのもの(実施例1)とフリッカー無しのもの(実施例2)とが在る。また、弾性発泡樹脂砥石(実施例3)と弾性ゴム砥石(実施例4)のいずれにも、金属ローラーは設けない構成とした。
〔実験手順、評価項目〕
(1)実験手順
(a)先ず、気温23〔℃〕、相対湿度65〔%〕RHの標準環境の下で、A4サイズの普通紙を横方向(普通紙をその長辺が搬送方向に直交する姿勢で搬送する方向)に通紙し、Y,M,C,Kの各作像ユニットでカバレッジ(印字率)5〔%〕の画像を形成する動作を、感光体ドラムが400,000回転(以下、400〔krot〕と標記する。)するまで実行した。普通紙は、6枚の連続通紙を、4〜5秒の間隔を空けて繰り返した。
(b)次に、気温30〔℃〕、相対湿度85〔%〕の高温高湿環境の下で、1,000枚の普通紙に同カバレッジ5〔%〕の画像を形成した。
(c)同高温高湿環境の下で、上記(b)の実施から実験機を8時間放置した後、1dotハーフトーン画像を普通紙に形成し、これを第1サンプルとし、これにより像流れの有無およびその程度を検査した。
第1サンプルは、感光体ユニット43Y,43M,43C,43K毎に単独で画像形成を実行することにより作成した。よって、第1サンプルは4枚となる。この場合に、ブラック(K)以外の感光体ユニット43Y,43M,43Cは、感光体ユニット43Kと取り替えて実行した。よって、4枚の第1サンプルは全て黒色のハーフトーン画像である。このようにしたのは、像流れは、黒色のトナー像の方が、その他の色のトナー像よりも観察しやすいからである。
ここで、1dotハーフトーン画像とは、主走査方向および副走査方向に1dot間隔で、1dotのトナー像を形成したものである。すなわち、1dotハーフトーン画像では、ある1dotにトナー像が形成されていると、これを囲む8dotにはトナー像が形成されていないため、1dot分のトナー像の形状が観察しやすいものとなっている。以下、1dot分のトナー像を「ドット像」と称する。
(d)次に、気温10〔℃〕、相対湿度15〔%〕の低温低湿環境に切り換えて8時間放置した後、A3サイズの1枚の普通紙を縦方向(普通紙をその長辺が搬送方向に沿った姿勢で搬送する方向)において、その長手方向(搬送方向)先端から副走査方向に100〔mm〕の位置までの範囲をトナー像で一色に塗りつぶす、いわゆるベタ画像を形成し、その100〔mm〕の位置から副走査方向後端までの範囲にはトナー像を形成しない、いわゆる白ベタ部としたものを、第2サンプルとし、これによりクリーニングブレードの寿命を調査した。
第2サンプルは、感光体ユニット43Y,43M,43C,43Kの取り付け位置を変更することなく、感光体ユニット43Y,43M,43C,43K毎に単独で画像形成を実行することにより作成した。よって、第2サンプルは、4枚となり各サンプルには、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれかのベタ画像が形成されている。
クリーニングブレードによる残留トナーの掻き取り性(除去性)が低下すると、普通紙において、本来、トナー像が形成されるべきではない白ベタ部に、うっすらと副走査方向に延びるスジ状のトナー像が現れ、クリーニングブレードが寿命に達すると、うっすらとベタのトナー像が現れるため、これによりクリーニングブレードの寿命を判定することができる。このうっすらと現れるベタのトナー像を「残像」と称することとする。
(e)以降、上記(a)〜(d)を、(a)における感光体ドラムの累積回転数が1200〔krot〕になるまで繰り返した。
(2)評価項目:放電生成物の除去性
顕微鏡を用いて、上記第1サンプルに形成されたドット像を観察し、当該ドット像に像流れによる変形が認められなければ、放電生成物等は十分除去されていると判定し、図6の「放電生成物等の除去性」の対応する判定欄に「○」を記入した。
ドット像の崩れ(変形)が認められるものの許容範囲である場合には、前記「放電生成物等の除去性」の対応する判定欄に「△」を記入した。
ドット像の崩れ(変形)が許容範囲を超えて場合には、前記「放電生成物等の除去性」の対応する判定欄に「×」を記入した。
なお、第1サンプルにおいて検査した領域は、普通紙に形成されたトナー像の内、上記8時間の放置中に、帯電装置36(図2)と対向する感光体ドラム26表面部分上のトナー像に相当するトナー像部分である。帯電装置36から発生した放電生成物は、放置中では、感光体ドラム26表面のうち、帯電装置36が対向する位置において付着しやすく、この付着した部分が像流れとなって現れるからである。
(3)評価項目:クリーニングブレードの寿命
第2サンプルを肉眼で観察し、全く残像が現れていない場合には、クリーニングブレードによって残留トナーが良好に除去されていると判定し、図6の「クリーニングブレードの寿命」の対応する判定欄に「○」を記入した。
帯状の残像がうっすらと現れるものの、許容範囲である場合には、前記「クリーニングブレードの寿命」の対応する判定欄に「△」を記入した。
ベタの残像が現れた場合には、クリーニングブレードが寿命に達したと判定して、前記「クリーニングブレードの寿命」の対応する判定欄に「×」を記入した。
〔実験結果について〕
図6を見ると、実施例1では放電生成物の除去性とクリーニングブレードの寿命の両方が良好(○)になっており、実施例2〜4では、放電生成物の除去性については800〔krot〕までは「○」、1200〔krot〕で「△」、クリーニングブレードの寿命については1200〔krot〕まで全て「○」になっており、0〜1200〔krot〕までの間において許容範囲(形成画像の一定以上の画質を維持できる範囲)で放電生成物を除去しつつクリーニングブレードの長寿命化を図れることが判った。
これに対して、比較例1〜5では、放電生成物の除去性とクリーニングブレードの寿命について少なくとも1つが「×」になっており、放電生成物の除去とクリーニングブレードの寿命の少なくとも一方に問題があることが判った。
すなわち、比較例1では、クリーニングブレードしか設けられておらず、潤滑剤皮膜を形成しない構成なので、感光体ドラムの回転数が多くなるに伴って、感光体ドラムとクリーニングブレード間の摩擦が大きくなり、早期にクリーニングブレードの寿命に達したものと考えられる。
比較例2では、潤滑剤皮膜を形成するが、放電生成物を削り取る摺擦ローラー(ブラシローラーまたは弾性砥石)が設けられていないので、クリーニングブレードを長寿命化できても、放電生成物を削り取ることができず、早期に放電生成物による像流れが生じたものと考えられる。
比較例3では、感光体ドラムの回転方向に沿って、クリーニングブラシローラー、クリーニングブレード、潤滑剤皮膜形成装置がこの順に配置されているので、感光体ドラム表面に塗布された潤滑剤皮膜が最上流のクリーニングブラシローラーで掻き取られてしまい、感光体ドラム表面とクリーニングブレードとの当接部分に潤滑剤が供給されず、比較例1と同様に、早期にクリーニングブレードの寿命に達したものと考えられる。
比較例4では、放電生成物を削り取るブラシローラーが設けられているが、潤滑剤皮膜が形成されないので、放電生成物が直接、感光体ドラム表面に強固に付着してしまい、その放電生成物の全てをブラシローラーで除去することができず、画像形成による感光体ドラムの回転数が多くなるに伴って、感光体ドラム表面に付着したままになった放電生成物の量も多くなり、早期に像流れが生じたものと考えられる。また、潤滑剤被膜が形成されないために、早期にクリーニングブレードの寿命に達したものと考えられる。
比較例5では、放電生成物を削り取る部材としてクリーニングブレードが配置されており、放電生成物の除去性が早期に低下している。これは、次の理由によると考えられる。
すなわち、クリーニングブレードにより放電生成物が削り取られても、クリーニングブレードが感光体ドラム表面に当接したままなので、削り取られた放電生成物が回収されることがなく、クリーニングブレードと感光体ドラム表面との当接部分に滞留したままになる。滞留している放電生成物は、画像形成による感光体ドラムの回転数が多くなるに伴って増加していき、その放電生成物の量が過大になると、その放電生成物がクリーニングブレードにより感光体ドラム表面に引き伸ばされた状態でクリーニングブレードをすり抜けることが生じ、放電生成物による像流れが生じたものと考えられる。
一方、実施例1〜4では、感光体ドラムの回転方向に沿ってクリーニングブレード、摺擦ローラー(ブラシローラーまたは弾性砥石)、潤滑剤皮膜形成装置がこの順に配置されている。従って、まず転写後の感光体ドラム表面の残留トナーが最上流のクリーニングブレードにより除去される。転写は、最下流の潤滑剤皮膜形成装置により感光体ドラム表面に潤滑剤が塗布された後の状態で行われるので、感光体ドラム表面とクリーニングブレード間の摩擦が低減されており、クリーニングブレードと感光体ドラムが長寿命化される。
クリーニングブレードによる残留トナーの除去後、放電生成物が摺擦ローラーにより削り取られる。既に残留トナーがクリーニングブレードにより除去された後なので、残留トナーが摺擦ローラーに付着して、その回転力により感光体ドラム表面に強固に付着することが防止される。感光体ドラム表面上の放電生成物は、感光体ドラム表面との付着力が小さい潤滑剤皮膜を介して感光体ドラム表面に付着しているので、摺擦ローラーにより潤滑剤皮膜と一緒に削り取ることができ、感光体ドラム表面に残ることがほとんどなくなる。
削り取られた放電生成物は、摺擦ローラーの回転により、感光体ドラムと摺擦ローラーとの接触位置に滞留し続けることがないので、比較例5のように放電生成物の滞留により像流れが早期に生じ易くなることもない。これにより、長期に、本実験例では0〜1200〔krot〕に亘って、放電生成物を効果的に除去することができる。
また、実施例1のようにフリッカーを設けることにより、クリーニングブラシローラーのブラシ部に付着している放電生成物がクリーニングブラシローラーから払い落とされて、ブラシ部に蓄積されたり感光体ドラムに再付着したりすることが防止され易くなるので、放電生成物が1200〔krot〕まで確実に除去されることが判る。
なお、実施例2〜4では、フリッカーまたは金属ローラーが設けられていないことから、1200〔krot〕で放電生成物の除去性の判定が「△」になっているが、いずれにしても1200〔krot〕までの間、画質に影響を及ぼすには至っていないことから、放電生成物を効果的に除去することができるものであるといえる。
このように実施例1〜4では、放電生成物の除去により、1200〔krot〕までの間、形成画像の画質を一定以上に維持できることから、比較例1〜5のようにその途中で感光体ドラムを新たなものに交換する必要がなく、クリーニングブレードに加えて、感光体ドラムの長寿命化を実現することができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態としても構わない。
(1)上記実施の形態では、回転する感光体としてドラム状の感光体ドラム26を用いる例を説明したが、回転体であればこれに限られず、例えば感光体ベルトでも良い。
また、クリーニングブラシローラー46をパイルブラシにより構成する例を説明したが、回転するブラシローラーであれば、パイルブラシに限られず、例えば直毛(静電植毛)のものを用いる構成としても良い。
さらに、クリーニングブラシローラー46、塗布ブラシローラー68、弾性ゴム砥石84を、感光体ドラム26に対してカウンター方向に回転させるとしたが、回転方向はこれに限られない。放電生成物の除去、潤滑剤の塗布を効果的に行うことができれば、例えば非カウンター(トレール)方向に回転させる構成をとることもできる。
また、スクレイパー92が金属ローラー90に対してカウンター方向に配置されるとしたが、カウンター方向に限られない。放電生成物が混じる潤滑剤皮膜を金属ローラー90から除去させることができれば良く、例えば非カウンター方向とすることもできる。
また、潤滑剤塗布装置48により感光体ドラム26表面に塗布された潤滑剤粉を均す均し部材として均しブレード50を用いたが、ブレードに限られず、例えばローラー状のものを用いるとしても良い。
(2)上記実施の形態では、画像形成装置をタンデム型のカラープリンターに適用した場合の例を説明したが、カラーやモノクロに限られず、また二次転写方式にも限られず、帯電、露光、現像、および転写の各プロセスからなる電子写真プロセスを実行することにより、回転する感光体の表面にトナー像を形成し、これを転写材(例えば、記録シートまたは、転写ベルトなどの中間転写体など)に転写して画像を形成する画像形成装置一般に適用することができる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明に係る画像形成装置は、例えば、複写機、プリンター、ファクシミリ、あるいはこれらの機能を有する複合機に好適に利用可能である。
10 画像形成装置
26 感光体ドラム
36 帯電装置
38 現像装置
40 転写装置
42 クリーニング装置
44 クリーニングブレード
46 クリーニングブラシローラー
47 潤滑剤皮膜形成装置
48 潤滑剤塗布装置
50 均しブレード
58,72,88 シャフト
60,74 ブラシ部
64 フリッカー
68 塗布ブラシローラー68
70 固形潤滑剤
84 弾性ゴム砥石
86 ゴムロール
90 金属ローラー
92 スクレイパー

Claims (9)

  1. 帯電、露光、現像、および転写の各プロセスからなる電子写真プロセスを実行することにより、回転する感光体の表面にトナー像を形成し、これを転写材に転写して画像を形成する画像形成装置であって、
    前記感光体の周囲であり、当該感光体の回転方向に沿って、前記転写プロセスにおける転写位置から前記帯電プロセスにおける帯電位置に至るまでの範囲に、
    前記感光体表面のトナーを除去するクリーニングブレードと、
    前記感光体に接触した状態で回転して、前記帯電プロセスの際に発生し前記感光体表面に付着した放電生成物を削り取る摺擦ローラーを有する放電生成物除去装置と、
    前記感光体表面に潤滑剤皮膜を形成する潤滑剤皮膜形成装置と、
    がこの順に配されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記放電生成物除去装置は、さらに、
    前記感光体表面から削り取られ、前記摺擦ローラーに付着した放電生成物を当該摺擦ローラーから除去する除去手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記除去手段は、
    前記摺擦ローラーに当接して、前記放電生成物を前記摺擦ローラーから除去する当接部材であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記当接部材は、
    前記摺擦ローラーに付着している放電生成物を掻き取る板状部材であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記当接部材は、金属ローラーであり、
    前記金属ローラーには、
    前記感光体表面上の放電生成物と一緒に削り取られ、当該放電生成物が混入した状態で前記摺擦ローラーに付着している潤滑剤の帯電極性とは逆極性の電圧が印加されており、
    前記放電生成物が混入した状態で前記摺擦ローラーに付着している潤滑剤が静電力により前記金属ローラーに吸着されることにより、前記放電生成物が前記摺擦ローラーから除去される構成であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  6. 前記摺擦ローラーは、
    ブラシローラーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記摺擦ローラーは、
    円筒状をした弾性砥石に芯金がはめ込まれてなるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記弾性砥石を構成する結合材は、ゴム材料からなることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記弾性砥石を構成する結合材は、発泡樹脂材料からなることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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