JP2013151914A - 内燃機関の製造方法および内燃機関 - Google Patents

内燃機関の製造方法および内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP2013151914A
JP2013151914A JP2012013494A JP2012013494A JP2013151914A JP 2013151914 A JP2013151914 A JP 2013151914A JP 2012013494 A JP2012013494 A JP 2012013494A JP 2012013494 A JP2012013494 A JP 2012013494A JP 2013151914 A JP2013151914 A JP 2013151914A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder head
cylinder block
internal combustion
combustion engine
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012013494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5950082B2 (ja
Inventor
Kojiro Suzuki
康次郎 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012013494A priority Critical patent/JP5950082B2/ja
Publication of JP2013151914A publication Critical patent/JP2013151914A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5950082B2 publication Critical patent/JP5950082B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Assembly (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】簡単な構成で、内燃機関の三面合わせ部に設けられたシール材が適切にそのシール性能を維持することができるように、シリンダヘッドとシリンダブロックを組み付ける前に適切な熱処理を決定することができる内燃機関の製造方法を提供する。
【解決手段】熱処理されたシリンダヘッド1およびシリンダブロック2とチェーンケース3との三面合わせ部4に弾性変形可能なシール材5を設けて組付ける内燃機関の製造方法であって、シール材5の弾性変形が許容される量gk(またはgs)に基づいて、またさらに内燃機関の運転によるシリンダヘッド1とシリンダブロック2の永久生長の量p、qと、内燃機関の運転時のシリンダヘッド1とシリンダブロック2の熱膨張の量r、sとに基づいてシリンダヘッド1とシリンダブロック2の熱処理を決定して、その熱処理を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の製造方法および内燃機関に関し、さらに詳しくは、熱処理されたシリンダヘッドおよびシリンダブロックとチェーンケースとの三面合わせ部に弾性変形可能なシール材を設けて組付ける内燃機関の製造方法と、熱処理されたシリンダヘッドおよびシリンダブロックとチェーンケースとの三面合わせ部に弾性変形可能なシール材が設けられ組み付けられてなる内燃機関に関するものである。
シリンダヘッドとシリンダブロックとを組み付け、このシリンダヘッドとシリンダブロックの側面にチェーンケースを組み付けるタイプの内燃機関では、三面合わせ部が形成される。この三面合わせ部には、シール部材が設けられる。この三面合わせ部にシール部材を設ける手法としては、一般にシリンダヘッドおよびシリンダブロックとチェーンケースとを組み付ける直前に液状ガスケットを塗布するFIPG(Formed In Place Gasket)が採用されている。一般に、液状ガスケットは、シリンダヘッドおよびシリンダブロックとチェーンケースとを組み付けた後に乾燥することなどにより弾性を有する固体またはゲル状となる。
ところで、内燃機関を構成するシリンダヘッド、シリンダブロック、およびチェーンケースは、一般に図1に参照されるように、それぞれ鋳造により粗形材を成形し、粗形材を熱処理して機械加工した後、洗浄されて組み付けられる。そして、一般に、シリンダヘッドは重力鋳造や低圧鋳造などにより成形され、シリンダブロックはダイカストにより成形される。そのため、シリンダヘッドに対する熱処理は、たとえば人工時効処理であるT5処理と、溶体化処理および焼入れ後に人工時効処理を行うT6処理とのいずれの処理でも可能である。また、シリンダブロックについては、ダイカスト成形されるために一般にT5処理を行っているが、高真空ダイカストにより成形することでT6処理が可能となっている。なお、これらのT5、T6処理は必要に応じて行われ、熱処理として実際には加熱しない場合(この場合をレス処理と称する)もある。本発明における熱処理には、T5、T6処理とともにレス処理も含む。
このような内燃機関の製造に関する従来の技術としては、例えば特許文献1が知られている。特許文献1には、シリンダヘッドとシリンダブロックをガスケットを挟んで接合すると共にシリンダヘッドとシリンダブロックの両端面に液状ガスケットを挟んでチェーンケースを接合したものにおいて、常温状態ではシリンダヘッドとチェーンケースとの間に隙間が形成され、この隙間に挿入した液状ガスケットがこの隙間間隔の伸縮に追随できる性状とされていることを特徴とするシリンダヘッドのシール構造が開示されている。
そして、特許文献1には、内燃機関の運転時にシリンダヘッドが最も大きな熱負荷を受けて高温となり熱膨張して伸びが発生するが、常温状態でシリンダヘッドとチェーンケースとの間に隙間を設け、この隙間に液状ガスケットを挿入してシリンダヘッドをシールするようにしたことにより、シリンダヘッドの伸びによるチェーンケースとの隙間の伸縮に追随でき、また、シリンダブロックとチェーンケースとの接合面やシリンダヘッドとチェーンケースとの接合面に隙間が生じても液状ガスケットが隙間をシールすることなどが記載されている。
特開平08−151955号公報
しかしながら、製造された内燃機関を運転すると、シリンダヘッドとシリンダブロックは、熱負荷を受けることにより、充分に冷却した後であっても寸法が伸びた状態となる永久生長が発生しているため、シリンダヘッドとチェーンケースとの間の隙間が設定された間隔から変化することとなる。そして、この永久生長は、上記鋳造後の熱処理によってそれぞれ異なる。また、永久生長により隙間間隔が変化するのに従い、運転中の隙間間隔も変化することとなる。
そして、永久生長により隙間間隔の変化が大きく、また、製造された内燃機関を運転したときにシリンダヘッドとチェーンケースとの間に形成する隙間間隔に対してシリンダヘッドの熱膨張が大きいと、隙間に挿入した液状ガスケットが隙間間隔の伸縮に追随できる許容範囲を超えて圧潰され、その結果、液状ガスケットに亀裂が生じるなどして三面合わせ部のシール性能が低下するという問題があった。上記特許文献1などの従来の技術では、このような隙間に挿入された液状ガスケットの隙間間隔の伸縮に追随できる許容範囲や、その許容範囲で寸法が変化するよう抑止するためのシリンダヘッドとシリンダブロックの熱処理、さらに内燃機関を運転することにより生じる永久生長などについて考慮されたものはなかった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、内燃機関の三面合わせ部に設けられたシール材が適切にそのシール性能を維持することができるように、シリンダヘッドとシリンダブロックを組み付ける前に適切な熱処理を決定することができる内燃機関の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、簡単な構成で、三面合わせ部に設けられたシール材が適切にそのシール性能を維持することができるように、シリンダヘッドとシリンダブロックが適切に熱処理された内燃機関を提供することを目的とする。
請求項1の内燃機関の製造方法に係る発明は、上記目的を達成するため、熱処理されたシリンダヘッドおよびシリンダブロックとチェーンケースとの三面合わせ部に弾性変形可能なシール材を設けて組付ける内燃機関の製造方法であって、前記シール材の弾性変形量に基づいて、前記シリンダヘッドとシリンダブロックの熱処理を決定することを特徴とする。
また、請求項5の内燃機関に係る発明は、上記目的を達成するため、熱処理されたシリンダヘッドおよびシリンダブロックとチェーンケースとの三面合わせ部に弾性変形可能なシール材が設けられ組付られてなる内燃機関であって、前記シリンダヘッドとシリンダブロックは、前記シール材の弾性変形量と、内燃機関の運転による永久生長と、内燃機関の運転時の熱膨張とに基づいて決定された熱処理がされており、前記シリンダヘッドのチェーンケースを組み付ける面が、シリンダブロックのチェーンケースを組み付ける面よりも、チェーンケースに対して後退するようにオフセットされて、シリンダヘッドとシリンダブロックが接合されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、シリンダヘッドとシリンダブロックの熱処理をシール材の弾性変形量に基づいて適切に決定して行うことにより、シリンダヘッドとシリンダブロックの寸法が変化しても、三面合わせ部に設けられたシール材がその許容弾性変形量の範囲で変形するため、適切にそのシール性能を維持することが可能な内燃機関の製造方法を提供することができる。
請求項5の発明によれば、シール材の弾性変形量と、内燃機関の運転によるシリンダヘッドとシリンダブロックの永久生長と、内燃機関の運転時のシリンダヘッドとシリンダブロック熱膨張とに基づいて決定された熱処理がシリンダヘッドとシリンダブロックに施されており、また、シリンダヘッドのチェーンケースを組み付ける面が、シリンダブロックのチェーンケースを組み付ける面よりも、チェーンケースに対して後退するようにオフセットされて、シリンダヘッドとシリンダブロックが接合されているという簡単な構成により、製造後に内燃機関を運転した後にシリンダヘッドとシリンダブロック自体に永久生長による寸法差が生じたり、運転時の熱膨張でシリンダヘッドとシリンダブロックに温度差による寸法差が生じても、三面合わせ部に設けられたシール材が許容される範囲で変形するために、そのシール性能を維持することが可能な内燃機関を提供することができる。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に相当し、(3)項が請求項3に相当し、(4)項が請求項4に相当し、(7)項が請求項5に相当する。
(1) 熱処理されたシリンダヘッドおよびシリンダブロックとチェーンケースとの三面合わせ部に弾性変形可能なシール材を設けて組付ける内燃機関の製造方法であって、
前記シール材の弾性変形量に基づいて、前記シリンダヘッドとシリンダブロックの熱処理を決定することを特徴とする内燃機関の製造方法。
(1)項の発明では、内燃機関を製造するに際して、少なくともシリンダヘッドとシリンダブロックは熱処理されてチェーンケースとともに組み付けられる。シリンダヘッドおよびシリンダブロックとチェーンケースとの間には三面合わせ部が形成される。このシリンダヘッドおよびシリンダブロックとチェーンケースとを組み付ける際には、三面合わせ部に弾性変形可能なシール部材が設けられる。このようにして内燃機関を製造する場合に、シール材の弾性変形が許容される量に基づいて、シリンダヘッドとシリンダブロックに対する熱処理を決定し、この決定に従ってシリンダヘッドとシリンダブロックを熱処理する。これにより、シリンダヘッドとシリンダブロックの寸法が変化しても、三面合わせ部に設けられたシール材がその許容弾性変形量の範囲で変形するため、適切にそのシール性能を維持することができる。
(2) 前記シール材の弾性変形量に加えてさらに、内燃機関の運転による永久生長に基づいて、前記シリンダヘッドとシリンダブロックの熱処理を決定することを特徴とする(1)項に記載の内燃機関の製造方法。
(2)項の発明では、(1)項に記載の発明において、シール材の弾性変形が許容される量に加えてさらに、製造後に内燃機関を運転したときに受ける熱負荷によってシリンダヘッドとシリンダブロックが永久生長する量に基づいて、シリンダヘッドとシリンダブロックに対する熱処理を決定し、この決定に従ってシリンダヘッドとシリンダブロックを熱処理する。製造後に内燃機関を運転することによりシリンダヘッドとシリンダブロック自体がそれぞれ永久生長する寸法の変化を考慮することにより、シール材の許容弾性変形量を精度よく把握することができ、したがって、シリンダヘッドとシリンダブロックの寸法変化に応じてシール材がその許容弾性変形量の範囲で変形してシール性能を維持するよう、適切にシリンダヘッドとシリンダブロックの熱処理を決定することができる。
(3) 前記シール材の弾性変形量に加えてさらに、内燃機関の運転時の熱膨張に基づいて、前記シリンダヘッドとシリンダブロックの熱処理を決定することを特徴とする(1)または(2)項のいずれかに記載の内燃機関の製造方法。
(3)項の発明では、(1)または(2)項のいずれかに記載の発明において、シール材の弾性変形が許容される量、または、シール材の弾性変形が許容される量と製造後に内燃機関を運転したときに受ける熱負荷によってシリンダヘッドとシリンダブロックが永久生長する量に加えてさらに、製造後に内燃機関を運転したときに受ける熱負荷によってシリンダヘッドとシリンダブロックが熱膨張する量に基づいて、シリンダヘッドとシリンダブロックに対する熱処理を決定し、この決定に従ってシリンダヘッドとシリンダブロックを熱処理する。内燃機関の運転時に生じる温度差によるシリンダヘッドとシリンダブロックの熱膨張の差を考慮することにより、シール材の許容弾性変形量を精度よく把握することができ、したがって、シリンダヘッドとシリンダブロックの寸法変化に応じてシール材がその許容弾性変形量の範囲で変形してシール性能を維持するよう、適切にシリンダヘッドとシリンダブロックの熱処理を決定することができる。
(4) 前記シリンダヘッドのチェーンケースを組み付ける面を、シリンダブロックのチェーンケースを組み付ける面よりも、チェーンケースに対して後退するようにオフセットさせて、シリンダヘッドとシリンダブロックを接合することを特徴とする(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の内燃機関の製造方法。
(4)項の発明では、(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の発明において、前記シリンダヘッドのチェーンケースを組み付ける面を、シリンダブロックのチェーンケースを組み付ける面よりも、チェーンケースに対して後退するようにオフセットさせて、シリンダヘッドとシリンダブロックを組み付け接合し、このシリンダヘッドとシリンダブロックにチェーンケースを組み付け接合する。シリンダヘッドとシリンダブロックのオフセット量は、内燃機関の運転により生じるシリンダヘッドとシリンダブロックの永久生長の差、および/または、内燃機関の運転時の熱膨張の差により生じる寸法変化の差に応じて設定することができる。製造後に内燃機関を運転することにより生じるシリンダヘッドとシリンダブロックの寸法差を考慮することにより、シール材の許容弾性変形量を精度よく把握することができ、したがって、シリンダヘッドとシリンダブロックの寸法差に応じてシール材がその許容弾性変形量の範囲で変形してシール性能を維持するよう、適切にシリンダヘッドとシリンダブロックの熱処理を決定することができる。
(5) 前記シリンダヘッドとシリンダブロックとに同じ熱処理を行うことを特徴とする(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の内燃機関の製造方法。
(5)項の発明では、(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の発明において、シリンダヘッドとシリンダブロックとに同じ熱処理を行うことにより、シール材の変形がその許容弾性変形量の範囲となるようにシリンダヘッドとシリンダブロックの相対的な寸法変化の差を抑制することができ、したがって、シ−ル材による三面合わせ部のシールを適切に維持することができる。
(6) 前記三面合わせ部に設けられるシール材として、液状ガスケットを塗布することを特徴とする(1)〜(5)項のいずれか1項に記載の内燃機関の製造方法。
(6)項の発明では、(1)〜(5)項のいずれか1項に記載の発明において、三面合わせ部に液状ガスケットを塗布することで、容易に弾性変形可能なシール材を設けることができる。
(7) 熱処理されたシリンダヘッドおよびシリンダブロックとチェーンケースとの三面合わせ部に弾性変形可能なシール材が設けられ組付られてなる内燃機関であって、
前記シリンダヘッドとシリンダブロックは、前記シール材の弾性変形量と、内燃機関の運転による永久生長と、内燃機関の運転時の熱膨張とに基づいて決定された熱処理がされており、
前記シリンダヘッドのチェーンケースを組み付ける面が、シリンダブロックのチェーンケースを組み付ける面よりも、チェーンケースに対して後退するようにオフセットされて、シリンダヘッドとシリンダブロックが接合されていることを特徴とする内燃機関。
(7)項の発明では、内燃機関は、少なくともシリンダヘッドおよびシリンダブロックがそれぞれ熱処理されており、チェーンケースとともに組み付けられて構成される。シリンダヘッドおよびシリンダブロックとチェーンケースとの間に形成される三面合わせ部には弾性変形可能なシール部材が設けられている。そして、シリンダヘッドおよびシリンダブロックは、シール材の弾性変形が許容される量と、製造後に内燃機関を運転したときに受ける熱負荷によってシリンダヘッドとシリンダブロックが永久生長する量と、製造後に内燃機関を運転したときに受ける熱負荷によってシリンダヘッドとシリンダブロックが熱膨張する量とに基づいて決定された熱処理がされており、また、シリンダヘッドのチェーンケースを組み付ける面が、シリンダブロックのチェーンケースを組み付ける面よりも、チェーンケースに対して後退するようにオフセットされて接合されている。内燃機関の燃焼による永久生長や運転時の熱膨張によりシリンダヘッドとシリンダブロックの寸法変化に差が生じても、三面合わせ部に設けられたシール材がその許容弾性変形量の範囲で変形するため、適切に三面合わせ部のシール性能を維持することができる。
内燃機関の各構成要素を組み付ける直前までの工程の実施の一形態を示した説明図である。 各構成要素を組み付ける工程の実施の一形態を示した説明図である。 組付け時の状態(a)と、運転により永久成長した状態(b)と、運転時の熱膨張した状態(c)との寸法変化を説明するために示した概念図である。 シリンダヘッドとシリンダブロックに各熱処理を行った場合の、組付け時の状態(a)と、運転により永久成長した状態(b)と、運転時の熱膨張した状態(c)と、永久生長と熱膨張の寸法変化の結果(d)の、実施の一形態を示した表である。
最初に、本発明による内燃機関の製造方法の実施の一形態を、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。なお、図において同じ符号は、同様または相当する部分を示すものとする。
本発明の内燃機関の製造方法は、概略、熱処理されたシリンダヘッド1およびシリンダブロック2とチェーンケース3との三面合わせ部4に弾性変形可能なシール材5を設けて組付けるものであって、シール材5の弾性変形が許容される量gk(またはgs)に基づいて、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の熱処理を決定して、その熱処理を行うものである。
また、本発明の内燃機関の製造方法は、シール材5の弾性変形が許容される量gk(またはgs)に加えて、内燃機関の運転によるシリンダヘッド1とシリンダブロック2の永久生長の量p、qと、さらに内燃機関の運転時のシリンダヘッド1とシリンダブロック2の熱膨張の量r、sとに基づいてシリンダヘッド1とシリンダブロック2の熱処理を決定し、その熱処理を行うものである。
さらにまた、本発明の内燃機関の製造方法は、シリンダヘッド1のチェーンケース3を組み付ける面を、シリンダブロック2のチェーンケース3を組み付ける面よりも、チェーンケース3に対して後退するように、所定量aオフセットさせてシリンダヘッド1とシリンダブロック2を接合して、チェーンケース3を組み付けるものである。
最初に、内燃機関を製造する一般的な工程を図1および図2に基づいて説明する。内燃機関を製造するに際して、図1に示すように、シリンダヘッド1とシリンダブロック2とチェーンケース3は、鋳造によりそれぞれの粗形材が成形され、各粗形材に所定の熱処理(この熱処理の内容と熱処理を決定する過程については、後述する)をした後に切削などの機械加工を行う。また、シリンダヘッド1とシリンダブロック2との間に設けられる板状の固形ヘッドガスケット6は、金属プレートを打ち抜くことにより成形される。
そして、シリンダヘッド1とシリンダブロック2とチェーンケース3と固形ヘッドガスケット6とをそれぞれ洗浄し、図2に示すように、固形ヘッドガスケット6に液状ガスケットを塗布して(FIPG塗布)これをシリンダブロック2に組み付け(S1)、このシリンダブロック2にシリンダヘッド1を組み付ける(S2)。続いて、チェーンケース3に液状ガスケットを塗布して(FIPG塗布)シリンダヘッド1およびシリンダブロック2を組み付ける(S3)。図3に示すように、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の接合部とチェーンケース3との間には三面合わせ部4が形成され、三面合わせ部4にFIPG塗布された液状ガスケットによりシール材5が構成される。その後、ピストンやクランクシャフト、弁やカム、チェーン、動弁装置、オイルパンなど、他の構成要素を組み付けると、内燃機関の製造が完了する(S4)。その後、製造された内燃機関は、運転(試運転を含む)され(S5)、その後運転が停止される(S6)
ここで、製造された内燃機関は、運転時(S5)にシリンダ室内で燃料が燃焼することなどにより、熱負荷を受けることとなる。シリンダヘッド1とシリンダブロック2は、運転時(S5)の熱負荷により、内燃機関の運転を停止して(S6)充分に冷却した状態のときでも、それぞれ永久生長が生じており、所定量p、q伸びることによって組付け直後の寸法とは異なる寸法となっている。
また、シリンダブロック2には一般に冷却水を循環させるためのウオータジャケットなどの冷却手段を備えているため、シリンダブロック2と比較してシリンダヘッド1の方が運転時(S5)に温度上昇する傾向にある。そのため、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の運転時(S5)における熱膨張の量r、sが異なる。すなわち、運転時では、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の寸法(伸び)に差が生じることとなる。
そのため、この実施の形態では、内燃機関の運転時の熱膨張の差などを考慮して、シリンダヘッド1とシリンダブロック2を接合したときに、シリンダヘッド1のチェーンケース3を組み付ける面が、シリンダブロック2のチェーンケース3を組み付ける面よりも、チェーンケース3に対して所定量aだけ予め後退させてオフセットさせるように設定されている。
また、一般に内燃機関を車両などに取り付ける際には、シリンダブロック2が固定される。そのため、チェーンケース3は、三面合わせ部4のシール材5を介して、シリンダブロック2の熱膨張や永久生長にしたがって組付け時の位置から変位する。したがって、三面合わせ部4のシール材5は、シリンダヘッド1とチェーンケース3との相対的な間隔に応じて弾性変形されることになる。シール材5の弾性変形は、所定の範囲内であれば、圧潰による切れや亀裂などが生じることなく、そのシール性能を維持することができる。本発明では、このシール性能を維持できる範囲の弾性変形量を許容される弾性変形量gkという。
図3の(b)および(c)に示すように、シリンダブロック2の熱膨張や永久生長にしたがってチェーンケース3が変位するため、シリンダヘッド1とチェーンケース3の間隔Gは、上述した運転によりシリンダヘッド1とシリンダブロック2にそれぞれ生じた永久生長量の差b(=p−q)によってG’へと変化し、さらに、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の運転時の熱膨張量の差c(=r−s)によってG”へと変化することとなる。また、シリンダヘッド1とシリンダブロック2のオフセット量aも、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の永久生長量の差bによってa’へと変化し、さらに、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の熱膨張量の差cによってa”へと変化することとなる。
なお、上述したシリンダヘッド1とシリンダブロック2の運転停止後の永久生長の量p、qや、運転時の熱膨張の量r、sは、それぞれ粗形材を鋳造により成形した後の熱処理(図4)に応じて異なる。
そのため、本発明では、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の永久生長量p、qと、熱膨張量r、sとによるシール材5の弾性変形量が許容される弾性変形量gk(または安全許容弾性変形量gs)を超えることがないように、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の熱処理を決定してその熱処理を行うことで、運転停止後の永久生長や運転時の熱膨張に影響されることなくシール材5のシール性能を維持するようにしている。以下に、このシリンダヘッド1とシリンダブロック2の熱処理を決定するための詳細を説明する。
なお、シール材5の弾性変形量と、許容弾性変形量gkおよび安全許容弾性変形量gsと、シリンダヘッド1のシリンダブロック2に対するオフセット量aは、いずれも、熱負荷を受ける前の状態(図3の(a))におけるシリンダヘッド1の端面を基準としている。そのため、シリンダヘッド1のシリンダブロック2に対するオフセット量aを用いて、シール材5の弾性変形量が許容弾性変形量gkを超えるか否か(図4で、許容弾性変形量gkを超える場合には×)、および、シール材5の弾性変形量が安全許容弾性変形量gsを超えるか否か(図4で、安全許容弾性変形量gsを超える場合には△)を判断することができる。
また、本発明の実施の一形態では、鋳造により成形されたシリンダヘッド1とシリンダブロック2の粗形材に対するそれぞれの熱処理として、溶体化処理および焼入れ後に人工時効処理を行うT6処理と、人工時効処理であるT5処理と、シリンダヘッド1とシリンダブロック2に対して実際には加熱などを行わない処理(この場合をレス処理と称する)との組み合わせの場合により説明する。
シリンダヘッド1とチェーンケース3との間のシール材5の厚さをGとすると、この厚さGの所定の割合をシール材5に切れや亀裂などが発生する見込(図4の(b)(c)(d)において×で示した)のしきい値と、すなわち、シール材5の厚さの所定の割合未満を許容弾性変形量gkとする。この許容弾性変形量gkは、シリンダヘッド1のチェーンケース3に対向する端面からの距離となる。なお、許容弾性変形量gkを決定するためのシール材5の厚さに対する所定の割合は、シール材5の材質や、シリンダヘッド1とチェーンケース3との間隔、シリンダヘッド1の熱特性などに基づいて任意に設定することができ、たとえばシール材5の厚さGの60〜80%、さらに好ましくは70〜80%(=0.7G〜0.80G)とすることができる。
さらに、この実施の形態では、シール材5の切れや亀裂などの発生を確実に回避するためのしきい値(図4の(b)(c)(d)において△で示した)として、許容弾性変形量gkに所定の安全率を見込んだ安全許容弾性変形量gsを設定している。この安全許容弾性変形量gsも、シリンダヘッド1のチェーンケース3に対向する端面からの距離となる。なお、安全許容弾性変形量gsを決定するための安全率は、許容弾性変形量gkを決定するための所定の割合と同様に、任意に設定することができ、例えば許容弾性変形量gkをシール材の厚さGの80%に設定してその安全率を1.2に設定する場合には、シール材5の厚さGの約67%(0.80G÷1.2≒0.67G)となる。
シリンダヘッド1のシリンダブロック2に対するオフセット量はaとする。このオフセット量aは、一例として図3の(a)に示すように、許容弾性変形量gkの半分(gk=2a)の距離に設定することができる。また、シリンダヘッド1とシリンダブロック2のそれぞれの永久生長前に対する永久生長量p、qは、それぞれの材質等によって異なるが、ここでは一例として、T6処理の場合、全長に対して0.05%、T5処理の場合、全長に対して0.02%、レス処理の場合、全長に対して0.10%とする。また、一例として内燃機関のシリンダヘッド1とシリンダブロック2の長手方向の長さを450mmとする(シリンダヘッド1とシリンダブロック2のオフセット量aは僅かであるので、全長についてはオフセット量aを無視する)。この場合において、運転時のシリンダヘッド1とシリンダブロック2のそれぞれ永久生長後に対する熱膨張量r、sは、材質等によって異なるが、ここでは一例として、シリンダヘッド1が0.20mmで、シリンダブロック2が0.00mmとする。
シリンダヘッド1とシリンダブロック2は、鋳造後のいずれの熱処理であっても、図3の(a)および図4の(a)に示すように、組付け後のオフセット量がすべて同じaとなっている。
その後、内燃機関を運転することにより熱負荷を受けると、運転を停止した後で充分に冷えた状態であっても、シリンダヘッド1とシリンダブロック2は、熱処理に応じてそれぞれ永久生長が生じている。このシリンダヘッド1とシリンダブロック2の永久生長量p、qが同じ(永久生長量の差b=0)であれば、オフセット量aは変化することがない。また、シリンダブロック2の伸びに応じてチェーンケース3が変位するためにシリンダヘッド1とチェーンケース3との間隔Gも変化せず、したがって、シール材5は圧縮されるよう弾性変形されることがない。
これに対して、このシリンダヘッド1とシリンダブロック2の熱処理に起因して永久生長量p、qに差がある場合、シリンダヘッド1の永久生長量pがシリンダブロック2の永久生長量qよりも大きいと、オフセット量aが縮小するように変化してa’となり、シリンダヘッド1とチェーンケース3との間隔Gが縮小するように変化してG’となり、シール材5が圧縮されることとなる。
この例を具体的に説明すると、例えば図4の(b)においてシリンダヘッド1がT6処理で、シリンダブロック2がT5処理の場合、シリンダヘッド1の永久生長による寸法変化pは、次式(1)のようになる。
p=450[mm]×0.05[%]/2(シリンダヘッド1の片側への伸び)
=0.113mm (1)
また、シリンダブロック2の永久生長による寸法変化qは、次式(2)のようになる。
q=450[mm]×0.02[%]/2(シリンダブロック2の片側への伸び)
=0.045mm (2)
そして、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の永久生長による相対的な寸法変化b(=p−q)は、次式(3)のようになる。
b=0.113mm−0.045mm
≒0.07mm (3)
したがって、永久生長後のオフセット量a’は、シリンダヘッド1とシリンダブロック2のオフセット量aから相対変位量bを差し引くことにより求められる。この具体的な結果は、次式(4)のようになる。
a’=|a−0.07mm| (4)
このとき、永久生長によりシリンダブロック2が片側に寸法がqだけ延びることとなるため、図3の(b)に示したようにこのシリンダブロック2に接合されたチェーンケース3が変位することとなる。そのため、チェーンケース3に対するシリンダヘッド1の間隔G’は、シリンダヘッド1の永久生長による伸びpとシリンダブロック2の永久生長による伸びqとの差bを、永久生長する前の間隔Gから差し引くことにより求めることができる。この具体的な結果は、次式(5)のようになる。
G’=G−b
=G−(p−q) (5)
このようにして、シリンダヘッド1とシリンダブロック2のT6処理、T5処理、レス処理のそれぞれの場合における永久生長後のオフセット量a’を計算すると、図4(b)に示した表のようになる。この表において、シリンダヘッド1とシリンダブロック2のオフセット量aから各熱処理による相対変位量bを差し引いた結果である永久生長後のオフセット量a’が、上述した許容弾性変形量gk以上の値の場合には、そのシリンダヘッド1とシリンダブロック2に対する熱処理の組み合わせは、許容されず不適格となる(結果=×)。また、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の永久生長後のオフセット量a’が、上述した安全許容弾性変形量gs以上の値の場合には、そのシリンダヘッド1とシリンダブロック2に対する熱処理の組み合わせは、安全率を考慮して回避した方がよく不適切となる(結果=△)。そして、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の永久生長後のオフセット量a’が、安全許容弾性変形量gs未満の場合には、そのシリンダヘッド1とシリンダブロック2に対する熱処理の組み合わせが適切となる(結果=○)。
一方、シリンダヘッド1がT6処理で、シリンダブロック2がT5処理においては、運転時の熱膨張によるシリンダヘッド1とシリンダブロック2の相対変位量cは、上述した一例として、シリンダヘッド1の熱膨張が0.20mmで、シリンダブロック2の熱膨張が0.00mmの場合、次式(6)のようになる。
c=0.00−0.20=−0.20mm (6)
そして、運転時の熱膨張によるオフセット量a”は、永久生長後のオフセット量a’から熱膨張による相対変位量cを差し引いたものをオフセット量aから差し引くことにより求められる。この具体的な結果は、次式(7)のようになる。
a”=|a−[a’−c(=−0.20mm)]|
=|a−0.07−0.20|=|a−0.27mm| (7)
このようにして、シリンダヘッド1とシリンダブロック2のT6処理、T5処理、レス処理のそれぞれの場合における運転時の熱膨張によるオフセット量a”を計算すると、図4の表のようになる。この表において、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の永久生長後のオフセット量a’に熱膨張による相対変位量cを加えた結果である運転時の熱膨張によるオフセット量a”が、上述した許容弾性変形量gk以上の値の場合には、そのシリンダヘッド1とシリンダブロック2に対する熱処理の組み合わせは、許容されず不適格となる(結果=×)。また、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の運転時の熱膨張によるオフセット量a”が、上述した安全許容弾性変形量gs以上の値の場合には、そのシリンダヘッド1とシリンダブロック2に対する熱処理の組み合わせは、安全率を考慮して回避した方がよく不適切となる(結果=△)。そして、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の運転時の熱膨張によるオフセット量a”が、安全許容弾性変形量gs未満の場合には、そのシリンダヘッド1とシリンダブロック2に対する熱処理の組み合わせが適切となる(結果=○)。なお、永久生長後のオフセット量a’および運転時の熱膨張によるオフセット量a”の値による熱処理の決定は、許容弾性変形量gk以上(gk≧a’、a” 結果=×)、安全許容弾性変形量gs以上(gs≧a’、a” 結果=△)とすることに限定されることはなく、許容弾性変形量gk超(gk>a’、a” 結果=×)、安全許容弾性変形量gs超(gs>a’、a” 結果=△)とすることもできる。
そして、図4の(b)と(c)の双方の表における結果を組み合わせて(d)の表に示すと、シリンダヘッド1とシリンダブロック2に対する熱処理が適切となる(結果=○)組み合わせは、シリンダヘッド1とシリンダブロック2を同じ熱処理した場合、つまり、シリンダヘッド1がT6処理でシリンダブロック2もT6処理の場合、シリンダヘッド1がT5処理でシリンダブロック2もT5処理の場合、シリンダヘッド1がレス処理でシリンダブロック2もレス処理の場合が、永久生長した後の状態であっても、運転時に熱膨張した状態であっても、シール材5の弾性変形量が安全許容弾性変形量gsの範囲内であり、確実に切れや亀裂が生じることがなく、そのシール性能を維持することができることとなる。
ここで、シリンダヘッド1がレス処理でシリンダブロック2もレス処理の場合と比較して、シリンダヘッド1がT5処理でシリンダブロック2もT5処理の場合の方が内燃機関の機械的強度を高くすることができ、また、シリンダヘッド1がT6処理でシリンダブロック2もT6処理の場合にさらに機械的強度を高くすることができる。そのため、製造する内燃機関に機械的強度が求められる場合には、シリンダヘッド1とシリンダブロック2をともに同じT6処理することが最も望ましい。
また、シリンダヘッド1がT6処理でシリンダブロック2もT6処理の場合と比較して、シリンダヘッド1がT5処理でシリンダブロック2もT5処理の場合の方が内燃機関の製造コストを低く抑えることができ、また、シリンダヘッド1がレス処理でシリンダブロック2もレス処理の場合にさらに製造コストを低く抑えることができる。そのため、内燃機関の製造コストの低減と機械的強度を両立させることが求められる場合には、シリンダヘッド1とシリンダブロック2をともに同じT5処理することが最も望ましい。
さらにまた、シリンダヘッド1がT6処理でシリンダブロック2もT6処理の場合と比較して、シリンダヘッド1がT5処理でシリンダブロック2もT5処理の場合の方が内燃機関の製造時の二酸化炭素(CO2)排出量を低く抑えることができ、また、シリンダヘッド1がレス処理でシリンダブロック2もレス処理の場合にさらに製造時の二酸化炭素(CO2)排出量を低く抑えることができる。そのため、内燃機関の製造時の二酸化炭素排出量を低減させることが求められる場合には、シリンダヘッド1とシリンダブロック2をともに同じレス処理することが最も望ましい。
このようにして製造された内燃機関は、シリンダヘッド1とシリンダブロック2が、三面合わせ部4に設けられるシール材5の許容される弾性変形量gkと、内燃機関の運転による永久生長p、qと、内燃機関の運転時の熱膨張r、sとに基づいて決定された熱処理がされており、シリンダヘッド1のチェーンケース3を組み付ける面が、シリンダブロック2のチェーンケース3を組み付ける面よりも、チェーンケース3に対して後退するように所定量aだけオフセットされて、シリンダヘッド1とシリンダブロック2が接合されている。そのため、シリンダヘッド1とシリンダブロック2に永久生長や運転時の熱膨張による寸法差が生じても、その寸法差によるシール材5の弾性変形を許容される範囲に抑えることができるため、シール材5が圧潰されて切れや亀裂などが生じるのを防止することができ、したがって、三面合わせ部4のシール性能を確実に維持することができる。
1:シリンダヘッド、 2:シリンダブロック、 3:チェーンケース、 4:三面合わせ部、 5:シール材、 G:組み付けた状態におけるシール材の厚さ(シリンダヘッドとチェーンケースとの間隔)、 gk:許容弾性変形量、 gs:安全許容弾性権計量、 a:組み付けた状態におけるオフセット量、 p:シリンダヘッドの永久生長量、 q:シリンダブロックの永久生長量、 b:永久生長量の差、 r:シリンダヘッドの熱膨張量、 s:シリンダブロックの熱膨張量、 c:熱膨張量の差

Claims (5)

  1. 熱処理されたシリンダヘッドおよびシリンダブロックとチェーンケースとの三面合わせ部に弾性変形可能なシール材を設けて組付ける内燃機関の製造方法であって、
    前記シール材の弾性変形量に基づいて、前記シリンダヘッドとシリンダブロックの熱処理を決定することを特徴とする内燃機関の製造方法。
  2. 前記シール材の弾性変形量に加えてさらに、内燃機関の運転による永久生長に基づいて、前記シリンダヘッドとシリンダブロックの熱処理を決定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の製造方法。
  3. 前記シール材の弾性変形量に加えてさらに、内燃機関の運転時の熱膨張に基づいて、前記シリンダヘッドとシリンダブロックの熱処理を決定することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の内燃機関の製造方法。
  4. 前記シリンダヘッドのチェーンケースを組み付ける面を、シリンダブロックのチェーンケースを組み付ける面よりも、チェーンケースに対して後退するようにオフセットさせて、シリンダヘッドとシリンダブロックを接合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の製造方法。
  5. 熱処理されたシリンダヘッドおよびシリンダブロックとチェーンケースとの三面合わせ部に弾性変形可能なシール材が設けられ組付られてなる内燃機関であって、
    前記シリンダヘッドとシリンダブロックは、前記シール材の弾性変形量と、内燃機関の運転による永久生長と、内燃機関の運転時の熱膨張とに基づいて決定された熱処理がされており、
    前記シリンダヘッドのチェーンケースを組み付ける面が、シリンダブロックのチェーンケースを組み付ける面よりも、チェーンケースに対して後退するようにオフセットされて、シリンダヘッドとシリンダブロックが接合されていることを特徴とする内燃機関。
JP2012013494A 2012-01-25 2012-01-25 内燃機関の製造方法 Expired - Fee Related JP5950082B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012013494A JP5950082B2 (ja) 2012-01-25 2012-01-25 内燃機関の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012013494A JP5950082B2 (ja) 2012-01-25 2012-01-25 内燃機関の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013151914A true JP2013151914A (ja) 2013-08-08
JP5950082B2 JP5950082B2 (ja) 2016-07-13

Family

ID=49048426

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012013494A Expired - Fee Related JP5950082B2 (ja) 2012-01-25 2012-01-25 内燃機関の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5950082B2 (ja)

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57126944A (en) * 1981-01-29 1982-08-06 Toyota Central Res & Dev Lab Inc Cast article of aluminum alloy
JPS6090645A (ja) * 1983-10-24 1985-05-21 Tokyo Seimitsu Co Ltd 部品の組合せ方法
JPS61144261A (ja) * 1984-11-09 1986-07-01 Honda Motor Co Ltd サイアミ−ズ型シリンダブロツクの製造方法
JPH02115354A (ja) * 1988-10-24 1990-04-27 Isuzu Motors Ltd アルミニウム合金製エンジン部品及びその製造方法
JPH074221A (ja) * 1993-06-16 1995-01-10 Toyota Autom Loom Works Ltd オイルパンの取り付け構造
JPH08151955A (ja) * 1994-11-29 1996-06-11 Daihatsu Motor Co Ltd シリンダヘッドのシール構造
JPH11182341A (ja) * 1997-12-18 1999-07-06 Yamaha Motor Co Ltd エンジンのシール構造
JP2000130258A (ja) * 1998-10-28 2000-05-09 Three Bond Co Ltd 三面合わせ部のシール方法
JP2004068144A (ja) * 2002-06-12 2004-03-04 Nissan Motor Co Ltd アルミニウム合金鋳造部品の製造方法
JP2006226561A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Muramatsu Fuusou Setsubi Kogyo Kk 熱処理装置
JP2011058086A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Toyota Motor Corp 熱処理条件設定方法および熱処理方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57126944A (en) * 1981-01-29 1982-08-06 Toyota Central Res & Dev Lab Inc Cast article of aluminum alloy
JPS6090645A (ja) * 1983-10-24 1985-05-21 Tokyo Seimitsu Co Ltd 部品の組合せ方法
JPS61144261A (ja) * 1984-11-09 1986-07-01 Honda Motor Co Ltd サイアミ−ズ型シリンダブロツクの製造方法
JPH02115354A (ja) * 1988-10-24 1990-04-27 Isuzu Motors Ltd アルミニウム合金製エンジン部品及びその製造方法
JPH074221A (ja) * 1993-06-16 1995-01-10 Toyota Autom Loom Works Ltd オイルパンの取り付け構造
JPH08151955A (ja) * 1994-11-29 1996-06-11 Daihatsu Motor Co Ltd シリンダヘッドのシール構造
JPH11182341A (ja) * 1997-12-18 1999-07-06 Yamaha Motor Co Ltd エンジンのシール構造
JP2000130258A (ja) * 1998-10-28 2000-05-09 Three Bond Co Ltd 三面合わせ部のシール方法
JP2004068144A (ja) * 2002-06-12 2004-03-04 Nissan Motor Co Ltd アルミニウム合金鋳造部品の製造方法
JP2006226561A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Muramatsu Fuusou Setsubi Kogyo Kk 熱処理装置
JP2011058086A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Toyota Motor Corp 熱処理条件設定方法および熱処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5950082B2 (ja) 2016-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2009040617A3 (en) Piston for an internal-combustion engine and method for manufacturing a piston of this type
US10267352B2 (en) Bearing cap of internal combustion engine
KR20130098350A (ko) 피스톤 링의 제조 방법
EP3379065B1 (en) Piston structure for engine
WO2013020059A2 (en) Piston for internal combustion engine and method
US20060202431A1 (en) Memory seal assembly for an internal combustion engine
JP5950082B2 (ja) 内燃機関の製造方法
US7975601B2 (en) Engine cylinder liner
JP3792413B2 (ja) ピストンリング
US11311929B2 (en) Device for calibrating and lightening the weight of crankshafts
JP4746874B2 (ja) 軽合金製シリンダライナの組成体
US20150107072A1 (en) Fatigue resistant turbine through bolt
JP2010164030A (ja) 内燃機関用ピストン
JP5626560B2 (ja) エンジンのシール構造
EP3177425B1 (en) Method of joining metallic members for forming a component in a gas turbine engine through use of heat and pressure for shape changing one member to fill a recess in the other member
EP2981377B1 (en) Segmented die casting block
JP4238202B2 (ja) 肉厚部分を備えている鋼板を含むガスケット
CN109937295B (zh) 用于汽车内燃机的发动机机体和用于汽车内燃机的发动机机体的制造方法
JP2009156061A (ja) シリンダヘッドガスケット
JP2010203355A (ja) 内燃機関
JP2705953B2 (ja) アルミニウム合金製エンジン部品及びその製造方法
KR101700704B1 (ko) 알루미늄 합금 단조 피스톤 제조 방법
CN210343522U (zh) 一种钢顶钢裙活塞
JP2018021640A (ja) 樹脂部品のボルト締結構造
US20200200010A1 (en) Repaired ring and method for repairing a ring which is used for sealing purposes

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160524

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5950082

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees