JP2013150805A - 医用ラインのためのコネクタ - Google Patents

Abstract

【課題】雌型コネクタから雄型コネクタが誤って螺合を解除されることを防止する。
【解決手段】医用点滴ライン、輸液ライン等のためのコネクタ（１）は、内方管状要素（９）及び外方中空要素（１０）からなる雄型コネクタ（８）を一端に有する管状本体（２）を備え、前記雄型コネクタは、雌型コネクタの内方に挿通され、螺合により連結可能である。ラインコネクタ（１）は、さらに、雌型コネクタ（８）に対して雄型コネクタを螺合する方向に回転されて本体（２）に連結され、反対方向に回転自在であり、本体（２）に連結される２つの部位（２３、２４）を形成された外方操作スリーブ（２２）を備える。
【選択図】図１

Description

本発明は、医用ライン、例えば、点滴ラインや輸液ラインのためのコネクタに関する。このタイプのコネクタは、例えば、ルアーロックタイプ等の、一端に雄型コネクタを有する管状本体を備え、内方管状要素及び外方中空要素を有し、雌型コネクタに対し、内方に挿通されて、螺合によって連結可能となっている。

上述のタイプのコネクタでは、雄型コネクタが雌型コネクタに螺合により連結されると、２つのコネクタは、偶然又は誤操作のいずれかによって螺合を解除されて分離されるというリスクがある。それは、間違いなく液体の漏洩をもたらし、使用時にコネクタを接続される患者にとって、一層危険なものとなるという種々のリスクがある。

この問題を解決するための手段として、米国特許５７０２３７４号公報では、雄型コネクタの内方に挿通する外方中空要素を内方管状要素に対して回転可能にすること、及び、それらの間に回転を相互に阻止するための鋸歯状のリングを設けることを提案している。

しかしながら、この解決方法では、例えば、雄型コネクタや雌型コネクタを構成する樹脂材料の降伏や疲労現象が原因で、全く偶然に雌型コネクタから雄型コネクタの螺合が解除されることに関して、ラインコネクタをより安全なものにすれば、自発的な螺合の解除という誤った操作が行われた場合、全く役に立たない。

本出願人名で出願された欧州特許第１７４７７９８号公報には、雌型ルアーロックコネクタに対して二重で単一方向に連結するように構成された医用コネクタが開示されている。このコネクタは、第１軸方向位置（第１位置）で雄型コネクタに対して螺合する方向に操作され、第２軸方向位置（第２位置）で、螺合を解除される反対方向に操作される。この単一方向システムは、ラインコネクタに一体化されており、第１位置から第２位置に向かう通路のために、同じくラインコネクタに一体化された弾性体の動作に抗して、ラインコネクタの本体に強固に固定されたカラーに対して、雌型コネクタの軸方向の移動を必要とする。

米国特許公開第２００８／１７２０３９号公報から、請求項１の序文に対応する上記タイプのコネクタ、すなわち、螺合方向で、雄型ルアーロックコネクタに対して単一方向に連結された外方操作スリーブをさらに備えるコネクタが公知である。また、ラインコネクタの雄型コネクタが雌型コネクタに螺合されれば、もはや自然には螺合を解除できないように配置されている。スリーブをラインコネクタの本体に取り付けるのは問題があり、取り付けられた状態では、前記スリーブは、径方向及び軸方向のいずれにも不安定である。

米国特許５７０２３７４号公報 欧州特許第１７４７７９８号公報 米国特許公開第２００８／１７２０３９号公報

そこで、本発明の目的は、前述の技術的な問題を解決すること、特に、前述の欠点なしに、雌型コネクタから雄型コネクタの螺合を誤って解除することに関してラインコネクタを全く安全なものにすることである。

本発明では、前記目的は、前述の外方操作スリーブが反対方向（すなわち、ラインコネクタの螺合を解除する方向）に回転自在であり、ラインコネクタの本体に２つの部分が一緒に連結されることによって形成されるという事実により達成される。

この配列のため、前記操作スリーブは、ラインコネクタに対して、望まれない径又は軸方向のがたつきが殆どない、シンプルで正確な方法で適用することができ、ラインコネクタの不測の誤った螺合の解除というリスクに対して最大限の安全を保証する。

従来、雄型コネクタの外方中空要素は、外方リングギアを有し、それは前述の外方操作スリーブ内に設けた単一方向に突出するリング状の歯と噛合する。

本発明は、２つの異なる実施形態を想定している。第１は、外方操作スリーブが互いに連結された２つの軸部によって形成されるものである。第２は、前記スリーブが、一緒に連結されてもいる２つのハーフシェルを有するものである。いずれの場合であっても、連結は、たとえ必要ではないにしても、手動によるスナップアクション式の連結部材を介して得られるのが好ましい。

さらに、ラインコネクタの管状本体及び外方操作スリーブは、それらが、雄型コネクタの螺合方向へと、単一方向に回転して一緒に連結される第１位置と、外方操作スリーブが、雄型コネクタの螺合を解除する方向にラインコネクタの本体と共に回転して連結される第２位置との間で、軸方向に相互に移動可能であればよい。これによれば、オペレータが雌型コネクタから雄型コネクタの螺合を解除しようとしていることに気が付くだけで、使用時に、ラインコネクタと患者との間の流動ラインを自然に遮断することができる。

前記発明は、ブランドネーム「Ｂ−ＳＩＴＥ（登録商標）」で、本出願人によって製造及び販売されているバルブコネクタの場合、米国特許第７７８４７６６号公報、米国特許第８０４８０３８号公報、及び、米国特許公開２００９／２９２２７４号公報の他の公報での課題を解決するためのものであり、唯一ではないが、特別な利点を有する出願である。

本発明によれば、雌型コネクタから雄型コネクタが誤って螺合を解除されることを防止することができる。

本発明の第１実施形態に係る医用ラインのためのコネクタの斜視図である。 図１のコネクタの正面図である。 図２のIII−III線断面図である。 図２のIV−IV線断面図である。 図１のコネクタの拡大分解図である。 本発明に係るラインコネクタの第２実施形態の正面図である。 図６のラインコネクタの側面図である。 図７のVIII−VIII線断面図である。 図７のIX−IX線断面図である。 図７のX−X線断面図である。 図６のXI−XI線断面図である。 図７のラインコネクタを上方から見た分解斜視図である。 図７のラインコネクタを下方から見た分解斜視図である。

以下に説明する本発明の２つの実施形態は、本出願人名で出願された前記文献に対応するタイプの医用点滴ライン、輸液ライン等のためのバルブコネクタに関する。但し、本発明は、一般に、ルアーロックタイプ等の雄型コネクタを備えた全ての医用ラインコネクタに同様に採用可能である。雄型コネクタは、本技術分野の当業者に公知である、同じルアーロックタイプ等の従来タイプの雌型コネクタに連結可能であり、大略、一端外面にねじ山を設けた管状要素で構成されている。

まず、図１から図５を参照すると、符号１で全体を示される、医用ラインのバルブコネクタ自体は、ある意味では、例えば、既に引用した米国特許第８０４８０３８号公報で公知である。成形樹脂材料からなる管状本体２は、内部に中空ピン３が同軸上に配置されている。予めスリットを形成された、弾性を有するヘッド５を有する樹脂製のシール部材４は、雌型のルアーロックコネクタによって形成された管状本体２の入口側端部６内に、通常、閉鎖状態で配置されている。中空ピン３には、ヘッド５に対向する閉鎖端部７が形成され、通常、そこから軸方向に離れた位置と、その反対側の位置とに配置される。雄型ルアーロックコネクタ８も、それ自体ある意味公知であるが、中空ピン３と、内方に挿通する外方中空要素１０とで構成されている。使用時、雄型ルアーロックコネクタ８は、雌型ルアーロックコネクタに螺合により連結され、流体案内部が、一体化された中空弾性要素１１の動きに抗して軸方向にシール部材４を押圧して入口側端部６に連結され、弾性変形した開口状態となって予めスリットを形成されたヘッド５に当接するように閉鎖端部７に向かい、案内部から雄型ルアーロックコネクタ８に流体を流動可能とする。

さらに、本発明の特有の特徴として、ラインコネクタは、全体を符号１２で示す外方操作スリーブを備える。外方操作スリーブは、雌型ルアーロックコネクタに向かって、雄型ルアーロックコネクタ８の螺合方向に本体２を回転させることにより連結され、反対方向に回転させることにより外される。

外方操作スリーブ１２は、入口側端部６から軸方向に延び、雄型ルアーロックコネクタ８の外方中空要素１０の全体を覆っている。また、外方操作スリーブ１２は、図１及び図５に示すように、適宜、成形樹脂材料で形成される２つの軸部１３、１４により構成されている。軸部１３は、先端に係合歯１６を形成された、複数の弾性変形可能な脚部１５を有する。軸部１４は、雄型ルアーロックコネクタ８の外方中空要素１０を囲むリングからなり、２つの軸部１３、１４が本体２に手動により軸方向の向かい合う方向へと嵌合されるとき、係合歯１６をスナップアクションで係合させるために表面に爪部１７を形成されている。

また、リング状の軸部１４には、弾性歯１８（図４に、より明瞭に見える）が内方に向かって形成されている。弾性歯１８には、雄型ルアーロックコネクタ８の外方中空要素１０の外方に形成した歯１９が連動する。弾性歯１８及び歯１９は、既に説明したように、軸部１３及び１４を形成された外方操作スリーブ１２が、雄型ルアーロックコネクタ８に対して、ラインコネクタの本体２を螺合方向にのみ回転させて連結されるように配置されている。反対方向では、軸部１５の弾性歯１８は、外方中空要素１０の歯１９を弾性変形しながら飛び越え、ラインコネクタ１の本体２に対して外方操作スリーブ１２を回転可能とする。このように、雄型ルアーロックコネクタ８が雌型ルアーロックコネクタに螺合により連結されると、螺合の解除が阻止される。

図６から図１３にそれぞれ図示する変形例は、前述のものと同一又は類似の部位については同一符号を付すが、第１実施形態とは基本的に以下の２つの態様で相違している。すなわち、符号２２によって全体を示された外方操作スリーブは、２つのハーフシェル２３、２４で構成されている。また、外方操作スリーブ２２は、第１位置と第２位置の間で軸方向にスライド可能となるようにラインコネクタ１の本体２に取り付けられている。第１位置は、外方操作スリーブ２２が、雄型ルアーロックコネクタ８を雌型ルアーロックコネクタに螺合する方向にラインコネクタ１の本体２を回転することにより連結される位置である。第２位置は、前記外方操作スリーブ２２が反対方向すなわち本体２に対して雄型ルアーロックコネクタ９の螺合を解除する方向に回転することにより連結される位置である。

詳細には、２つのハーフシェル２３、２４（同一形状を有するので、同一金型で形成することができる。）も、入口側端部６から始まるラインコネクタの本体２が軸方向の長さに合わせて延びており、雄型ルアーロックコネクタ８の外方中空要素１０の全体を基部で囲む。２つのハーフシェル２３、２４は、外方操作スリーブ２２を形成する開口２６内にスナップアクションによって係合するように設計された弾性脚部２５を形成されている。また、各ハーフシェル２３、２４は、弾性変形可能な弾性歯２７に一体的に形成されており、前記実施形態の弾性歯１８と完全同一である。また、ハーフシェル２３、２４は、雄型ルアーロックコネクタ８の外方中空要素１０の外方の歯１９のリングに同様な方法で連動するように形成されている。言い換えれば、弾性歯２７は、ルアーロックコネクタ８の本体２に対して捩れて外方操作スリーブ２２に連結される一方、本体２に対する外方操作スリーブ２２の回転は、弾性歯２７が歯１９を飛び越えるお陰で、反対方向には移動自在である。

また、前述のように、外方操作スリーブ２２は、弾性歯２７が歯１９に噛合する軸方向の位置から始まって、弾性歯２７と歯１９の間の噛合が、最早可能ではない不安定な位置に向かって、制限された行程を本体２に対して軸方向に移動可能である。一方、外方操作スリーブ２２は、雌型ルアーロックコネクタから雄型ルアーロックコネクタ８の螺合を解除する方向にラインコネクタ１の本体２に対して捩れて連結される。前記捩れ連結が第２軸位置で行われると、本体２のリングの外方の歯２８と、外方操作スリーブ２２のハーフシェル２３、２４のリングの内方の歯２９とが噛合する。歯２８及び２９は図１１に、より詳細に図示されている。

既に述べた通り、歯２８と２９が噛合する第２位置は、各ハーフシェル２３、２４に一体的に形成され、ラインコネクタ１の本体２の凹部に係合する、一対の弾性変形可能な付属部３０によって押しとどめられる限りにおいて不安定である。第２軸位置に位置を変えた外方操作スリーブ２２が離されると、付属部３０は、第１位置に復帰し、歯２８と歯２９の噛合が外れ、弾性歯２７と歯１９が噛合する。

既に指摘したように、本発明は、図示したバルブコネクタ１にだけでなく、ルアーロックタイプ又はこれに類するタイプの雄型コネクタに設けた全ての医用コネクタに対して有効に採用することができ、それらは同様なタイプの雌型コネクタに係合可能な円錐状の外表面を備えた管状要素を有する（このため、ルアーロックコネクタは必要ではない。）。また、明らかに、ラインコネクタの他端、すなわち、雄型コネクタとは反対側の一端は、例えば、ラインコネクタの本体に対して永久的に取り付けられる単一のダクトによって形成されるいかなる種類のものであってもよい。

勿論、構成の詳細や実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱することなく、記載及び図示された事項に対して広く変形することができる。

特に、ラインコネクタの雄型コネクタは、ルアーロックタイプに代えて、円錐外表面を有する内方管状要素を備える、異なるどのようなタイプであってもよい。また、２つの軸部１３、１４、又は、２つの放射状のハーフシェル２３、２４の結合は、スナップアクションによる結合によるものに代えて、異なるどのようなシステムでも得ることができる。同様に、外方操作スリーブを保持するような弾性システムと、螺合方向に手動で連結される位置のラインコネクタの本体とは相違していてもよい。

１…ラインコネクタ
２…管状本体
３…中空ピン
４…シール部材
５…弾性ヘッド
６…入口側端部
７…閉鎖端部
８…雄型コネクタ
９…雄型ルアーロックコネクタ（内方管状要素）
１０…外方中空要素
１１…中空弾性要素（弾性手段）
１２、２２…外方操作スリーブ
１３、１４…軸部
１５…軸部（スナップ結合）
１６…係合歯（スナップ結合）
１７…爪部（スナップ結合）
１８…弾性歯
１９…歯
２３、２４…ハーフシェル
２５…弾性脚部（スナップ結合）
２６…開口（スナップ結合）
２７…弾性歯
２８…歯（結合手段）
２９…歯（結合手段）
３０…付属部（弾性復帰手段、弾性付属部）

Claims (11)

1. 内方管状要素（９）と外方中空要素（１０）とを含む雄型コネクタ（８）を一端に有する管状本体（２）を備え、前記雄型コネクタは、雌型コネクタに、内方に挿通されて螺合により連結可能であり、前記雌型コネクタに対して前記雄型コネクタ（８）を螺合する方向にコネクタ（１）の本体（２）を回転させて連結した外方操作スリーブ（１２、２２）をさらに含む医用点滴ライン、輸液ライン等のためのコネクタ（１）であって、
   前記外方操作スリーブ（１２、２２）は、反対方向に回転自在であり、前記本体（２）と共に連結される２つの部位（１３，１４、２３，２４）によって構成されることを特徴とするコネクタ（１）。
2. 前記２つの部位（１３，１４、２３，２４）は、スナップ結合（１５，１６，１７、２５，２６）により連結されることを特徴とする請求項１に記載のコネクタ。
3. 前記雄型コネクタ（８）の外方中空要素（１０）は、前記外方操作スリーブ（１２、２２）の内側に設けた歯（１８、２７）に連動する外方の歯（１９）を有することを特徴とする請求項１に記載のコネクタ。
4. 前記外方操作スリーブ（１２、２２）は、内方に挿通する雄型コネクタ（８）の外方中空要素（１０）の全体を覆うことを特徴とする請求項１に記載のコネクタ。
5. 前記外方操作スリーブ（１２）は、２つの軸部（１３、１４）を有することを特徴とする請求項１又は２に記載のコネクタ。
6. 前記外方操作スリーブ（２２）は、２つの放射状ハーフシェル（２３、２４）を有することを特徴とする請求項１又は２に記載のコネクタ。
7. 前記管状本体（２）及び前記外方操作スリーブ（２２）は、前記雄型コネクタ（８）の螺合方向への回転により連結される第１位置と、第２位置との間で移動可能であり、前記第２位置では、手動捻り結合手段（２８、２９）が、前記螺合方向で前記スリーブ（２２）に連結され、前記雄型コネクタ（８）の螺合解除方向で前記管状本体（２）に連結されることを特徴とする請求項６に記載のコネクタ。
8. 前記外方操作スリーブ（２２）及び前記本体（２）を前記第１位置に維持する弾性復帰手段（３０）をさらに備えたことを特徴とする請求項７に記載のコネクタ。
9. 前記弾性復帰手段は、前記スリーブ（２２）の弾性付属部（３０）によって構成されていることを特徴とする請求項８に記載のコネクタ。
10. バルブコネクタ（１）によって構成されていることを特徴とする請求項７又は８に記載のコネクタ。
11. 前記管状本体（２）は、前記雄型コネクタ（８）とは反対側の端部に、流体導入部を挿入するための入口側端部（６）を有し、管状本体（２）のキャビティ内に同軸上に配置された中空ピン（３）は、前記入口側端部（６）に対向して軸方向に所定寸法離れて配置された閉鎖端（７）を有し、前記中空ピン（３）は、雄型コネクタ（８）の内方管状要素（９）に連通し、前記管状本体（２）と前記中空ピン（３）の間に配置された中間のシール部材（４）は、前記入口側端部（６）を閉鎖状態とし、前記中空ピン（３）の閉鎖端（７）に向かって軸方向に移動可能で、スリットを有し、弾性変形可能なヘッド（５）を備え、前記流体案内部を前記入口に挿入することにより、弾性変形した開口状態となり、前記シール部材（４）は弾性手段（１１）を変形させて、前記ヘッド（５）を閉鎖状態に維持させることを特徴とする請求項１０に記載のコネクタ。

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