JP2013150523A - ワイヤハーネス用保護部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な作業で装着することができると共に、ワイヤハーネスの変形軌跡を一層確実に規制することができる、新規な構造のワイヤハーネス保護部材を提供すること。
【解決手段】ワイヤハーネス18に外挿されるワイヤハーネス用保護部材10において、ワイヤハーネス18の長さ方向に沿って延出する長手平板形状を有しており、板厚方向に湾曲可能な底板部20と、底板部20の湾曲時に内周側となる底板部20の表面22側に突出すると共に、底板部20と協働してワイヤハーネス18を収容する収容空間16を構成する保護壁部24と、底板部20の湾曲時に外周側となる底板部20の裏面26側に開口して、底板部20の長手方向に延出する弾性部材収容凹溝28と、弾性部材収容凹溝28に収容されて底板部20の長手方向に延出する弾性部材14と、を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】ワイヤハーネス18に外挿されるワイヤハーネス用保護部材10において、ワイヤハーネス18の長さ方向に沿って延出する長手平板形状を有しており、板厚方向に湾曲可能な底板部20と、底板部20の湾曲時に内周側となる底板部20の表面22側に突出すると共に、底板部20と協働してワイヤハーネス18を収容する収容空間16を構成する保護壁部24と、底板部20の湾曲時に外周側となる底板部20の裏面26側に開口して、底板部20の長手方向に延出する弾性部材収容凹溝28と、弾性部材収容凹溝28に収容されて底板部20の長手方向に延出する弾性部材14と、を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車のワイヤハーネス用保護部材に係り、特に、車体とスライド部材との間に架け渡されるワイヤハーネスに好適に装着されるワイヤハーネス用保護部材に関するものである。
従来から、自動車のバッテリーから各種電装品の間に配索されて給電等を行うワイヤハーネスは、クランプ等により車体の各所に固定されると共に、必要に応じて特開平5−168122号公報(特許文献1)に記載されたコルゲートチューブ等の保護部材が外挿されて、他部材との干渉から保護されるようになっている。
ところで、ワイヤハーネス用保護部材として多用されているコルゲートチューブは、特許文献1に示すように、一般に略円筒形の蛇腹形状とされていることから、ワイヤハーネスの湾曲に追従して、柔軟に湾曲することができる。それ故、車体等の支持面と、支持面に対して可動するスライド部材との間に架け渡されるワイヤハーネスに取り付けられる場合でも、スライド部材に追従するワイヤハーネスの湾曲変形に柔軟に対応することができ、スライド部材の動きを阻害しないようになっている。
ところが、コルゲートチューブの外形は、略円筒形状とされていることから、スライド部材の動きに追従するワイヤハーネスの湾曲角度や方向を上手く制御することができない場合があった。具体的には、スライド部材の可動時に、ワイヤハーネスに外挿されたコルゲートチューブが、想定する側とは逆向きで屈曲されたり斜め方向に湾曲することで、想定するワイヤハーネスの変形軌跡から外れてしまい他部材と干渉するおそれがあった。
このような問題に対して、特開2008−206230号公報(特許文献2)の図1および図2には、コルゲートチューブの長さ方向に沿って延出する帯板状の補助板を、コルゲートチューブの側方に固定すると共に、補助板の一方の側面にV字状の切欠を所定ピッチで形成する一方、補助板の他方の側面に細巾スリットを所定ピッチで形成した構造が提案されている。これによれば、V字状の切欠が設けられた側面が想定される屈曲内周側となるように補助板をコルゲートチューブの側方に固着するだけで、コルゲートチューブの屈曲時には、V字状の切欠の対向面が接近して想定される方向への屈曲が許容されると共に、細巾スリットの対向面の当接により想定される方向とは逆方向への屈曲が阻止されるようになっている。
しかしながら、特許文献2に記載の従来構造では、コルゲートチューブの逆向きへの屈曲は規制できるものの、補助板が取り付けられた側にコルゲートチューブが傾斜するおそれがあり、コルゲートチューブおよび内装されたワイヤハーネスの変形軌跡を確実に制御するためには、未だ改良の余地があった。また、ワイヤハーネスをコルゲートチューブに挿通させた後に、コルゲートチューブに設けた係合部を補助板に設けた挿通穴に挿通させて固定させる必要があり、組付作業が難しくなると共に、作業時間の増大も招いていた。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、簡単な作業で装着することができると共に、ワイヤハーネスの変形軌跡を一層確実に規制することができる、新規な構造のワイヤハーネス保護部材を提供することにある。
本発明の第一の態様は、ワイヤハーネスに外挿されるワイヤハーネス用保護部材であって、前記ワイヤハーネスの長さ方向に沿って延出する長手平板形状を有しており、板厚方向に湾曲可能な底板部と、前記底板部の湾曲時に内周側となる該底板部の表面側に突出すると共に、前記底板部と協働して前記ワイヤハーネスを収容する収容空間を構成する保護壁部と、前記底板部の湾曲時に外周側となる該底板部の裏面側に開口して、前記底板部の長手方向に延出する弾性部材収容凹溝と、前記弾性部材収容凹溝に収容されて前記底板部の長手方向に延出する弾性部材と、を備えていることを特徴とする。
本態様のワイヤハーネス用保護部材によれば、底板部と保護壁部の協働により構成される収容空間にワイヤハーネスを収容することで、ワイヤハーネスを他部材との干渉から保護することができる。また、底板部が長手平板状とされていることから、底板部の裏面側を車体等の支持面に載置させることにより、ワイヤハーネス用保護部材を安定して支持面に保持させることができる。すなわち、従来のコルゲートチューブでは、車体等の支持面への載置部位が湾曲面とされていることから、車体等への載置状態が安定せず、予期せぬ方向への湾曲や変形が発生していたが、本態様のワイヤハーネス用保護部材では、支持面への載置部位が矩形断面で長手方向に延出する形状とされていることから、支持面に広い面積で接触できると共に、予期せぬ方向への回転や傾斜が阻止され、ワイヤハーネスの変形軌跡を底板部の延出方向へ安定して規制することができる。
しかも、底板部には、湾曲時に外周側となり、引張変形される裏面側に開口形成された弾性部材収容凹溝が形成され、かかる弾性部材収容凹溝に対して、弾性部材が収容されている。これにより、底板部の板厚方向への湾曲が弾性部材により容易とされて、従来のコルゲートチューブの如き蛇腹構造を採用しなくとも、長手平板形状という簡単な形状で湾曲容易なワイヤハーネスの保護部材を提供することが可能となるのである。加えて、従来のコルゲートチューブの如きワイヤハーネス用保護部材に対して、別体の屈曲方向を規制するガイド部材を取り付ける必要がなくなって、部品点数の削減や取付作業性の向上を図ることができる。
また、スライド部材に追従して湾曲された底板部には、湾曲時に外周側となり、且つ支持面に載置される側となる裏面側に弾性部材が配置されていることから、弾性部材の弾性復元力により、支持面側に押し付けられる付勢力が加えられる。このように底板部の裏面側に収容された弾性部材の弾性復元力を巧く利用して、ワイヤハーネス用保護部材および内部に収容されたワイヤハーネスの変形軌跡を底板部の長手方向に一層有利に制御することができる。
加えて、本態様のワイヤハーネス保護部材は、弾性部材が底板部に収容装着されて一体化されている。従って、ワイヤハーネスへの装着に際しては、底板部と保護壁部により構成される収容空間に対して、開口部からワイヤハーネスを嵌め入れるという簡単な作業により、容易に装着することができる。
なお、弾性部材は、長手板状に延出して板厚方向へ弾性変形可能なものであればよく、板ばね等も採用可能であるが、好ましくはゴム弾性体やエラストマー等によって形成されている。また、底板部と保護壁部を同一の合成樹脂材料により一体成形すると共に、ゴム弾性体等により別体成形された弾性部材を弾性部材収容凹部に嵌め入れてもよいし、二色成型等の公知の手法により、合成樹脂材料からなる底板部と保護壁部と、エラストマーからなる弾性部材を同時に成形することも可能である。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記保護壁部が、前記底壁部の両側縁部から突出する一対の保護突片によって構成されており、該一対の保護突片のそれぞれの突出端部が相互に接近されていると共に、該突出端部の対向隙間によって、前記収容空間を外部に開口する開口部が構成されているものである。
本態様に従う構造とされたワイヤハーネス用保護部材によれば、保護壁部が底壁部の両側縁部から突出する一対の保護突片によって構成されていることから、収容空間内のワイヤハーネスを安定して保護および保持できる。また、一対の保護突片の突出端部が相互に接近されることにより、ワイヤハーネスの抜け出しを有利に阻止することができる。また、別途開口部を設けなくとも、突出端部の対向隙間によって、開口部を有利に構成することができる。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に記載のものにおいて、前記弾性部材収容凹溝は、前記底板部の前記裏面に開口する開口部側に形成された狭幅凹部と、前記弾性部材収容凹溝の底面側に形成された広幅凹部とが段差部を介して連結された段付断面形状とされている一方、前記弾性部材は、前記弾性部材収容凹溝の狭幅凹部に対応する形状とされた狭幅部と、前記弾性部材収容凹溝の広幅凹部に対応する形状とされた広幅部とから構成されて段差外面を有する段付断面形状とされており、前記弾性部材収容凹溝の長手方向一方の端部から前記弾性部材が挿し入れられて収容されていると共に、前記弾性収容凹溝の段差部に対する前記弾性部材の段差外面の係合により、前記弾性部材の弾性収容凹溝からの抜け出しが阻止されているものである。
本態様によれば、弾性部材を、底板部や保護壁部とは別体形成して、後から嵌め入れることにより、製造を容易にしてコストを抑えることができる。また、弾性部材と弾性部材収容凹溝をそれぞれ対応する段付断面形状とし、弾性部材の段差外面を弾性部材収容凹溝の段差面に当接させることで、確実に弾性部材の収容凹溝からの抜け出しを防止することができ、製品の性能安定性を向上させることができる。
本発明のワイヤハーネス用保護部材によれば、板厚方向に屈曲可能な長手平板状の底板部の裏面側に弾性部材が収容配置された構造とされている。それ故、矩形断面形状の底板部を車体等の支持面に載置することで、ワイヤハーネス保護部材の回転等を規制して、ワイヤハーネス保護部材の変形軌跡を底板部の延出方向に安定して制御することができる。また、スライド部材等の動きに追従してワイヤハーネス保護部材が湾曲される場合には、湾曲時に外周側となる底板部の裏面側に弾性部材が配置されていることとなり、弾性部材の引張変形により、ワイヤハーネス保護部材が一層スムーズに湾曲して、スライド部材の動きに容易に追従することができる。さらに、底板部の裏面側に弾性部材を配置したことにより、弾性部材の弾性復元力が底板部を車体等の支持面に押し付ける方向に及ぼされて、ワイヤハーネス用保護部材の変形規制が一層有利に制御できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1〜2には、本発明の第一の実施形態としてのワイヤハーネス用保護部材10が、示されている。このワイヤハーネス用保護部材10は、収容部本体12と弾性部材14が組み合わせられた構造とされており、収容空間16にワイヤハーネス18を挿通して用いられる。本実施形態のワイヤハーネス用保護部材10は、特に、車体とスライド部材との間に架け渡されて、スライド部材の動きに追従して湾曲変形する、ワイヤハーネス18に好適に装着され得る。
より詳細には、収容部本体12は、ワイヤハーネス18の長さ方向に沿って延出する長手平板状を有していると共に板厚方向に湾曲可能な底板部20と、底板部20の湾曲時に内周側となる底板部20の表面22側に突出する保護壁部24、を含んで構成されている。収容部本体12は、例えばポリプロピレン(PP)、塩化ビニルあるいはナイロン等の合成樹脂により射出成形等によって一体形成されている。底板部20は、湾曲時に外周側となる底板部20の裏面26側に開口して底板部20の長手方向に延出する弾性部材収容凹溝28有している。弾性部材収容凹溝28は、底板部20の裏面26に開口する開口部側に形成された狭幅凹部30と、弾性部材収容凹溝28の底面32側に形成された広幅凹部34とが段差部36を介して連結された段付断面形状とされている。一方、保護壁部24は、底板部20の両側縁部から略一定の厚みをもって突出する一対の保護突片38,38によって構成されている。一対の保護突片38, 38は、底板部20と協働してワイヤハーネス18を収容する蒲鉾型の収容空間16を構成すると共に、それぞれの突出端部40,40が相互に接近するように湾曲されており、突出端部40,40の対向隙間によって、収容空間16を外部に開口する開口部42が構成されている。
また、弾性部材14は、弾性部材収容凹溝28の狭幅凹部30に対応する形状とされた狭幅部44と、弾性部材収容凹溝28の広幅凹部34に対応する形状とされた広幅部46とから構成されて段差外面47を有する段付断面形状とされている。なお、弾性部材14は、板厚方向に弾性変形可能な材料によって形成されており、例えば、天然ゴムやウレタンゴム等の合成ゴムから形成されるゴム弾性体や、熱可塑性各種エラストマーなどを用いて、収容部本体12とは別体形成されている。
本実施形態のワイヤハーネス用保護部材10は、それぞれ別体形成された収容部本体12と弾性部材14を用いて、収容部本体12に設けられた弾性部材収容凹溝28の長手方向一方の開口部から、弾性部材14を挿入して収容することによって、完成される。同時に、弾性部材収容凹溝28の段差部36に対する弾性部材14の段差外面47の係合により、弾性部材14の弾性部材収容凹溝28からの抜け出しが阻止される。
このような構造とされたワイヤハーネス用保護部材10にワイヤハーネス18を収容する際には、収容部本体12の一対の保護突片38,38を相互に離隔する方向に弾性変形させて突出端部40,40の対向隙間により構成された開口部42を大きく開口させることにより、開口部42からワイヤハーネス18を収容空間16に容易に挿入することができる。なお、ワイヤハーネス18は、公知のように、複数の電線48の束を、外周側からテープ50で巻いて結束固定したものである。このようなワイヤハーネス18が収容空間16に収容されたワイヤハーネス用保護部材10は、必要に応じて、外周面にテープ等を巻回して(図示せず)、開口部42からワイヤハーネス18が離脱しないようにされる。
次に、図3〜図4に基づき、本実施形態のワイヤハーネス用保護部材10の具体的使用態様について、説明する。図3〜図4には、本実施形態のワイヤハーネス用保護部材10が、車体56とスライド部材たるスライドシート54との間に架け渡されたワイヤハーネス18に外挿装着した場合の一例が示されている。スライドシート54は、図3の矢印に示す往復方向で、車体56に対してスライド可能に取り付けられており、図3の左側に実線で示した前方移動端から、図3の右側に仮想線で示した後方移動端までの範囲内で、移動可能とされている。そして、ワイヤハーネス18が収容空間16内に収容されたワイヤハーネス用保護部材10は、その両端部が、車体56とスライドシート54に設けられた固定部材58,60を介して、車体56とスライドシート54に支持固定されている。図3に示すA矢視図である図4には、スライドシート54が、スライド構造物64すなわちレールとその支持台を介してスライド可能に車体56の床面66に載置された状態が示されており、スライドシート54の下方には、電子機器62等の他部材が配設されている。なお、理解を容易にするため、図3には、これらの電子機器62やスライドシート54のスライド構造物64の図示は省略している。
図3および図4から明らかなように、ワイヤハーネス用保護部材10は、弾性部材収容凹溝28に収容された弾性部材14の裏面70が露呈する底板部20の裏面26が、車体56の床面66やスライドシート54の裏面68に対向するようにして、載置されている。そして、スライドシート54が前方移動端に位置している場合には、長手方向の略中央部分において、保護壁部24(一対の保護突片38, 38)が突出する底板部20の表面側が内周側となる一方、底板部20の裏面側が外周側となるように、略横倒U字形状に湾曲されている。さらに、スライドシート54が前方移動端から後方移動端に移動するに伴い、ワイヤハーネス用保護部材10の湾曲部分が、長手方向略中央部分から固定部材60に支持された一方の端部側に向かって移動して、底板部20の裏面側の車体56の床面66に対する接触面積が大きくなるようになっている。なお、底板部20の裏面26は、弾性部材14の裏面70を含んで面一に構成されている。
本実施形態に従う構造とされたワイヤハーネス用保護部材10は、底板部20が長手平板状とされていることから、底板部20の裏面26側を車体56の床面66やスライドシート54の裏面68等に安定して当接乃至は載置させることができる。これにより、ワイヤハーネス用保護部材10を安定してこれらの面66,68に保持させることができる。すなわち、従来のコルゲートチューブでは、車体56の床面66やスライドシート54の裏面68等への載置部位が湾曲面とされていることから、図3に示すようなスライドシート54の前後の移動や車体56の揺れが発生した場合、車体56の床面66等への載置状態が安定せず、予期せぬ方向への湾曲や変形が発生し易い。これにより電子機器62やスライド構造物64といった他部材との干渉が生じるおそれがあった。一方、本実施形態のワイヤハーネス用保護部材10では、載置部位が矩形断面で長手方向に延出する形状とされていることから、これらの面66,68に広い面積で接触できると共に、予期せぬ方向への回転や傾斜またこれによる他部材との干渉が阻止され、ワイヤハーネス18の変形軌跡を底板部20の延出方向へ安定して規制することができる。
しかも、底板部20には、湾曲時に外周側となり、引張変形される裏面26側に開口形成された弾性部材収容凹溝28が形成され、弾性部材14が収容されている。これにより、底板部20の板厚方向への湾曲が弾性部材14により容易とされて、従来のコルゲートチューブの如き蛇腹構造を採用しなくとも、長手平板形状という簡単な形状で湾曲容易なワイヤハーネス18の保護部材を提供することが可能となる。また、弾性部材14の弾性復元力により、車体56の床面66やスライドシート54の裏面68等の載置面側に押し付けられる付勢力が加えられる。このように底板部20の裏面26側に収容された弾性部材14の弾性復元力を巧く利用して、ワイヤハーネス用保護部材10および内部に収容されたワイヤハーネス18の変形軌跡を底板部20の長手方向に一層有利に制御することができる。要するに、本実施形態のワイヤハーネス用保護部材10においては、従来のコルゲートチューブの如きワイヤハーネス用保護部材のように、別体の屈曲方向ガイド部材を取り付けなくとも、ワイヤハーネス用保護部材10の湾曲方向を制御することができ、部品点数の削減や取付作業性の向上を図ることができる。
加えて、材料の異なる弾性部材14を、収容部本体12とは別体形成して、後から嵌め入れることにより、製造を容易にしてコストを抑えることができる。また、弾性部材14と弾性部材収容凹溝28をそれぞれ対応する段付断面形状とし、弾性部材14の段差外面47を弾性部材収容凹溝28の段差面に当接させることで、確実に弾性部材14の弾性部材収容凹溝28からの抜け出しを防止することができる。それ故、接着等の工程が不要で製造が容易であると共に製品の性能安定性を向上させることができる。また、ワイヤハーネス18への装着に際しては、底板部20と保護壁部24により構成される収容空間16に対して、開口部42からワイヤハーネス18を嵌め入れるという簡単な作業により、容易に装着することができる。
次に、図5には、本発明の第一の実施形態の変形例としてのワイヤハーネス用保護部材72の断面図が示されている。かかるワイヤハーネス用保護部材72は、保護壁部24の形状に関して、前記実施形態と異なる実施形態を示すものである。より詳細には、本実施形態のワイヤハーネス用保護部材72の保護壁部24は、底板部20の片側縁部から突出する逆Uの字型の保護突片38によって構成され、保護突片38の突出端部40はもう一方の底板部20の縁部に接近されて、突出端部40と底板部20の縁部との対向隙間によって、収容空間16を外部に開口する開口部42が構成されているものである。
本実施形態においても、底板部20と保護壁部24の協働によりワイヤハーネス18を収容する蒲鉾型の収容空間16を構成できることから、収容空間16内のワイヤハーネス18を安定して保護および保持できる。また、保護突片38の突出端部40はもう一方の底板部20の縁部に接近して設けられていることにより、ワイヤハーネス18の抜け出しを有利に阻止することができる。また、別途開口部42を設けなくとも、突出端部40と底板部20の縁部との対向隙間によって、開口部42を有利に構成することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、これら実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
例えば、収容空間16の断面形状は任意に決定されるものであり、例示の形状に限定されるものではない。すなわち、収容空間16の形状は、例示の蒲鉾型以外に、矩形状や三角形状などとしてもよいし、L字状やコ字状等大きな開口部を有する形状でもよい。また、保護壁部24は底板部20と協働してワイヤハーネス18の少なくとも一部を収容する収容空間を構成するものであればいずれでもよく、底板部20の長手方向に所定ピッチで設けられる突片等で構成してもよい。
また、保護壁部24を構成する一対の保護突片38,38の突出端部40,40の対向隙間の位置は、ワイヤハーネス18が設置される場所やワイヤハーネス18の挿入し易さ等を考慮して任意に決定されるものであり、例示の位置に限定されるものではない。すなわち、例示の収容空間16の最上部以外に、収容空間16の側面などに設けてもよい。
さらにまた、弾性部材14の裏面70は底板部20の裏面26よりもが僅かに出っ張っていてもよい。なお、上記実施形態では、弾性部材14は、収容部本体12とは別体成形されて、収容部本体12の弾性部材収容凹溝28に後から嵌め入れていたが、二色成形等の公知の手法により、合成樹脂材料からなる収容部本体12とエラストマーからなる弾性部材14を同時に成形することも、勿論可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
10:ワイヤハーネス用保護部材、12:収容部本体、14:弾性部材、16:収容空間、18:ワイヤハーネス、20:底板部、22:表面、24:保護壁部、26:裏面、28:弾性部材収容凹溝、30:狭幅凹部、32:底面、34:広幅凹部、36:段差部、38:保護突片、40:突出端部、42:開口部、44:狭幅部、46:広幅部、47:段差外面
Claims (3)
- ワイヤハーネスに外挿されるワイヤハーネス用保護部材であって、
前記ワイヤハーネスの長さ方向に沿って延出する長手平板形状を有しており、板厚方向に湾曲可能な底板部と、
前記底板部の湾曲時に内周側となる該底板部の表面側に突出すると共に、前記底板部と協働して前記ワイヤハーネスを収容する収容空間を構成する保護壁部と、
前記底板部の湾曲時に外周側となる該底板部の裏面側に開口して、前記底板部の長手方向に延出する弾性部材収容凹溝と、
前記弾性部材収容凹溝に収容されて前記底板部の長手方向に延出する弾性部材と、を備えていることを特徴とするワイヤハーネス用保護部材。 - 前記保護壁部が、前記底板部の両側縁部から突出する一対の保護突片によって構成されており、該一対の保護突片のそれぞれの突出端部が相互に接近されていると共に、該突出端部の対向隙間によって、前記収容空間を外部に開口する開口部が構成されている請求項1に記載のワイヤハーネス用保護部材。
- 前記弾性部材収容凹溝は、前記底板部の前記裏面に開口する開口部側に形成された狭幅凹部と、前記弾性部材収容凹溝の底面側に形成された広幅凹部とが段差部を介して連結された段付断面形状とされている一方、
前記弾性部材は、前記弾性部材収容凹溝の狭幅凹部に対応する形状とされた狭幅部と、前記弾性部材収容凹溝の広幅凹部に対応する形状とされた広幅部とから構成されて段差外面を有する段付断面形状とされており、
前記弾性部材収容凹溝の長手方向一方の端部から前記弾性部材が挿し入れられて収容されていると共に、前記弾性収容凹溝の段差部に対する前記弾性部材の段差外面の係合により、前記弾性部材の弾性収容凹溝からの抜け出しが阻止されている請求項1又は2に記載のワイヤハーネス用保護部材。
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JP2021023026A (ja) * | 2019-07-26 | 2021-02-18 | ファナック株式会社 | ケーブルダクト |
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2012
- 2012-01-23 JP JP2012011530A patent/JP2013150523A/ja active Pending
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