JP2013150514A - インバータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータを駆動する駆動回路のコンバータの出力電圧に電圧サージが発生した場合に、インバータを適切に制御することによってモータに供給される電流の変動を適切に抑制する。
【解決手段】制御装置1が、リアクトルL1に流れる電流値、コンバータ2の動作状況、インバータ3a及び3bの制御モード、及びモータ102a又は102bのトルクに基づいて、インバータ3a及び3bの電流フィードバック制御におけるローパスフィルタの時定数τを小さくする制御を行うことで、電流フィードバック制御の制御応答性を高め、システム電圧VHに発生した電圧サージによるモータ102a又は102bに供給される電流の変動を適切に抑制する。
【選択図】図1
【解決手段】制御装置1が、リアクトルL1に流れる電流値、コンバータ2の動作状況、インバータ3a及び3bの制御モード、及びモータ102a又は102bのトルクに基づいて、インバータ3a及び3bの電流フィードバック制御におけるローパスフィルタの時定数τを小さくする制御を行うことで、電流フィードバック制御の制御応答性を高め、システム電圧VHに発生した電圧サージによるモータ102a又は102bに供給される電流の変動を適切に抑制する。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータの駆動回路に含まれるインバータの制御装置に関する。特に、インバータに直流電圧を供給するコンバータにおいて発生する電圧サージが引き起こす、モータに供給される電流の変動を、インバータの電流フィードバック制御により抑制する技術に関する。
ハイブリッド車や電気自動車は、エンジンを駆動させて動力源とするとともに、バッテリからの直流電圧をインバータにより交流電圧に変換してモータに供給し、モータを回転させて動力源とする。バッテリの出力電圧だけでは、モータを駆動するための十分な電圧を供給することは困難であるため、バッテリの直流電圧をコンバータにより昇圧し、インバータに供給してモータを駆動するのが一般的である。
通常、コンバータはリアクトルと2つのスイッチング素子とから構成されるが、以下に説明するように、コンバータのリアクトルに流れる電流が0近傍になると、コンバータの出力電圧に電圧サージが連続して発生する。
図9は、2つのモータを駆動する駆動回路の概略を示した図である。図9に示すように、コンバータ9は、直列に接続された2つのIGBTQ9及びQ10と、IGBTQ9に逆並列に接続されたダイオードD9、IGBTQ10に逆並列に接続されたダイオードD10、IGBTQ9とIGBTQ10との中点と直流電源901の正極との間に設けられるリアクトルL2、を有する。また、コンバータ9の出力にコンデンサC2が接続され、コンバータ9の出力電圧であるシステム電圧VHは、2つのインバータ902a及び902bで交流電圧に変換され、モータ903a及び903bに供給される。
図10は、リアクトルL2を流れる電流が0近傍のときの、リアクトルL2を流れる電流値及びシステム電圧VHの変化の様子、並びにIGBTQ9、Q10のオンオフタイミングを例示する図である。リアクトルL2を流れる電流の脈動は、IGBTQ9及びIGBTQ10のスイッチング動作に応じて生じるものである。リアクトルL2を流れる電流が0近傍の間、この脈動の影響により電流の方向が連続して変わることになる。そして、IGBTQ9とIGBTQ10がいずれもオフである期間、すなわちデッドタイム(図10に示すT1の期間)において、リアクトルL2を流れる電流が流れる方向を変えようとしても、IGBTQ9及びIGBTQ10が双方オフになっているため、電流の方向を変えることができず、リアクトルL2を流れる電流は0に停滞してしまう(図10に示すT2の期間)。リアクトルL2に電流が流れることができないため、リアクトルL2の一端に電圧サージが発生し、システム電圧VHにも電圧サージが発生する。リアクトルL2を流れる電流が0近傍のときは、上記の動作を繰り返し、電圧サージが連続して発生してしまう。
システム電圧VHは、インバータ902aを介してモータ903aに、及びインバータ902bを介してモータ903bに供給される。システム電圧VHに電圧サージが発生することで、モータ903a及び903bに供給される電流値が変動する。モータのトルクは供給される電流値に比例するため、モータ903a及び903bに供給される電流値が変動するとトルクも変動してしまい、モータ903a及び903bが搭載された車両の振動を引き起こす虞がある。また、トルクの変動によりモータ903a及び903bの回転数が変動し、回転数が共振帯(車両機構部と共振して車両の音振性能が悪化する回転数領域)に重なってしまうことで、車両の振動を引き起こす虞がある。
特に、図9のように2つのモータを駆動する駆動回路においては、一方のモータが高トルクで回転している間にも、リアクトルL2を流れる電流値は0近傍になり得る。すなわち、一方のモータ903aが力行動作(直流電源側からモータ側へ電力を供給する動作)をしている間に、他方のモータ903bが回生動作(モータ側から直流電源側へ電力を供給する動作)をしており、他方のモータ903bが一方のモータ903aが消費する電力と同程度の電力を発生しているときは、直流電源901からモータ側に電力の供給は行われない。そのため、リアクトルL2を流れる電流値が0近傍になり、システム電圧VHに電圧サージが発生する。一方のモータ903aが力行動作をしているときは、バイブリッド車や電気自動車は走行中である場合があり、このときトルクの変動が発生すると、車両の振動等の問題が顕著に表れる。
以上の問題を解決するべく、コンバータで発生する電圧サージを抑制する技術が求められている。例えば、特許文献1では、コンバータのリアクトルに流れる電流が0近傍になり、コンバータの出力電圧であるシステム電圧VHに電圧サージが発生した場合に、コンバータの出力電圧のフィードバック制御のゲインを高めることによって、システム電圧VMの変動を抑制している。
一方、コンバータで発生した電圧サージの影響を、インバータの電流フィードバック制御により低減させてモータに供給する電流の変動を抑制する技術も求められている。インバータの電流フィードバック制御は、以下の手順が一般的である。まず、インバータからモータに供給される電流、すなわちインバータの出力電流を検出する。検出された電流には高調波成分が含まれており、そのままでは制御に用いるには適さないため、検出された電流にローパスフィルタを施して高調波成分を減衰させる。そして、モータの電流(トルク)指令値に対して、ローパスフィルタを施した電流値に基づくフィードバック制御を行う。従って、コンバータで発生した電圧サージにより、モータに供給される電流が変動したとしても、インバータの電流フィードバック制御が適切に行われることにより、モータに供給される電流の変動及びトルクの変動を抑制することができ、ひいては車両の振動をも抑えることができる。
適切なインバータの電流フィードバック制御を行うには、インバータの出力電流を検出してからインバータを制御するまでの期間を短くする、すなわち制御応答性を高める必要がある。インバータの電流フィードバック制御に用いるローパスフィルタは時定数を有しており、時定数を小さく設定することで制御応答性を高めることができる。しかし、時定数を小さくすると、制御応答性を高めることはできるが、高調波成分の減衰率が下がってしまい、適切な制御ができなくなる虞がある。
本発明は、上述の問題を鑑みてなされたもので、本発明の目的は、モータを駆動する駆動回路のコンバータの出力電圧に電圧サージが発生した場合に、インバータを適切に制御することによってモータに供給される電流の変動を適切に抑制することができ、電圧サージの影響を低減することができるインバータ制御装置を提供することを目的とする。さらに、モータに供給される電流の変動を抑制することにより、モータのトルクの変動を抑え、モータが搭載された車両の振動を低減することができるインバータ制御装置を提供することを目的とする。
(1)本発明は、リアクトルを有し直流電圧を昇圧するコンバータから供給される直流電圧を変換してモータに交流電圧を供給するインバータを制御するインバータ制御装置であって、前記リアクトルを流れる電流値を計測するリアクトル電流計測手段と、前記コンバータが昇圧動作をしているか否かを判断する動作判断手段と、前記モータに供給される電流値を計測する相電流計測手段と、前記相電流計測手段により計測された電流値に時定数を用いたフィルタ処理を施し、処理後の電流値に基づいて前記インバータをフィードバック制御する制御手段と、を備え、前記時定数は、前記動作判断手段により前記コンバータが昇圧動作をしていると判断され、かつ前記リアクトル電流計測手段により計測されたリアクトル電流値がゼロ近傍の所定範囲内である、という制御応答性変更条件を満たす場合に、前記制御応答性変更条件を満たさない場合の時定数よりも小さい値が設定されることを特徴とする。
(2)上記(1)に記載のインバータ制御装置であって、前記制御応答性変更条件は、さらに、前記インバータが過変調PWM制御又は矩形波制御されている、という条件を含むことが好ましい。
(3)上記(1)又は(2)に記載のインバータ制御装置であって、前記モータは、複数設けられ、前記制御応答性変更条件は、さらに、前記相電流検出手段により検出された電流値から算出された前記モータのトルクが所定値以上である、という条件を含むことが好ましい。
(4)上記(1)又は(3)に記載のインバータ装置であって、前記インバータが正弦波PWM制御されており、かつ前記制御応答性変更条件を満たす場合の時定数は、前記インバータが過変調PWM制御されており、かつ前記制御応答性変更条件を満たす場合の時定数よりも小さいことが好ましい。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のインバータ装置であって、前記インバータが過変調PWM制御されており、かつ前記制御応答性変更条件を満たす場合の時定数は、前記インバータが矩形波制御されており、かつ前記制御応答性変更条件を満たす場合の時定数よりも小さいことが好ましい。
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のインバータ制御装置であって、前記フィードバック制御の制御ゲインは、前記制御応答性変更条件を満たす場合に、前記制御応答性変更条件を満たさない場合の制御ゲインよりも大きい値が設定されることが好ましい。
本発明によれば、モータを駆動する駆動回路のコンバータの出力電圧に電圧サージが発生した場合に、インバータを適切に制御することによってモータに供給される電流の変動を適切に抑制することができ、電圧サージの影響を低減することができる。さらに、モータに供給される電流の変動を抑制することにより、モータのトルクの変動を抑え、モータが搭載された車両の振動を低減することができる。
以下、図面に基づき本発明の好適な実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る制御装置及び周辺回路の概略構成を示す図である。本実施形態に係る制御装置及び周辺回路は、リチウムイオン電池等からなる直流電源101、コンバータ2、コンデンサC1、インバータ3a及び3b、モータ102a及び102b、直流電源101の電圧であるバッテリ電圧を計測する電圧センサ103、システム電圧VHの電圧値を計測する電圧センサ104、インバータ3aとモータ102aとの間を流れる電流値を計測する電流センサ105a、インバータ3bとモータ102bとの間を流れる電流値を計測する電流センサ105b、モータ102aの回転角を計測する回転角センサ106a、モータ102bの回転角を計測する回転角センサ106b、並びにコンバータ2、インバータ3a及び3bを制御する制御装置1を備える。
コンバータ2は、リアクトルL1、IGBTQ1及びQ2、ダイオードD1及びD2を有する。IGBTQ1及びQ2は直列に接続され、ダイオードD1はIGBTQ1に逆並列に接続され、ダイオードD2はIGBTQ2に逆並列に接続される。リアクトルL1は、IGBTQ1のエミッタ及びIGBTQ2のコレクタと、直流電源101の正極との間に接続される。コンバータ2は、力行時においてはバッテリ電圧を昇圧してインバータ3a及び3bに供給し、回生時においてはインバータ3a及び3b側から供給される電圧を降圧して直流電源101に供給する。
インバータ3aは、コンバータ2とモータ102aとの間に接続される。インバータ3aは、IGBTQ3〜8及びIGBTQ3〜8にそれぞれ逆並列に接続されるダイオードD3〜8で構成される。IGBTQ3とQ4、Q5とQ6、Q7とQ8がそれぞれ直列に接続され、それらの中点がモータ102aの3相コイルとそれぞれ接続されている。インバータ3aは、力行時においてはコンバータ2から供給される直流電圧を交流電圧に変換してモータ102aに供給し、回生時においてはモータ102aから供給される交流電圧を直流電圧に変換してコンバータ2に供給する。インバータ3bの構成は、インバータ3aと全く同じであるため、インバータ3bについての詳細な説明は省略する。インバータ3aと同様に、インバータ3bは、力行時においてはコンバータ2から供給される直流電圧を交流電圧に変換してモータ102bに供給し、回生時においてはモータ102bから供給される交流電圧を直流電圧に変換してコンバータ2に供給する。
制御装置1は、コンバータ2、インバータ3a及び3b、電圧センサ103及び104、電流センサ105a及び105b、並びに回転角センサ106a及び106bと接続される。
インバータ3a及び3bにおける電流フィードバック制御について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るインバータ3a及び3bにおける電流フィードバック制御の概略を示すブロック図である。一点鎖線で囲まれたブロックは制御装置1が有する機能を示している。2つのインバータ3a及び3bの双方において同様の処理が行われるため、ここではインバータ3aの電流フィードバック制御のみについて説明し、インバータ3bについての説明は省略する。
制御装置1は、電流センサ105aにより、インバータ3aからモータ102aに供給される電流値を読み取る。本実施形態においては、モータ102aに3相モータを用いているため、制御装置1は3相全ての電流値を取得する必要があるが、3相のそれぞれの電流値を合計すると0になることを利用し、本実施形態においては2相のみの電流値を電流センサ105aで読み取り、残りの1相については読み取った2相の電流値に基づいて計算で求めるようにしている。
3相→2相変換ブロック200において、高効率な制御を行うために取得した3相の電流値を2相に変換し、ローパスフィルタブロック201において、電流センサ105aにより計測された電流に含まれる高周波成分を減衰させる処理を行う。ローパスフィルタの伝達関数は、1/(1+sτ)で表される。ここで、sはラプラス変数を表し、τは時定数を表す。時定数τは制御応答性を表すパラメータであり、時定数τが小さいほど制御応答性が高いことを意味する。また、ローパスフィルタにおいては、時定数τは遮断周波数と逆比例の関係にあり、時定数τが大きいほど高調波成分の減衰率が高いことを示す。
トルク推定部ブロック202において、ローパスフィルタブロック201において高周波成分が減衰させられた電流値に基づいてモータのトルク値を推定する。そして、ポイント203において、車両のアクセルペダルの踏み込み具合等から算出されるトルク指令値と、トルク推定部ブロック202で推定されたトルク値との差を算出する。
ゲインブロック204において、ポイント203において算出されたトルク指令値とトルク推定部ブロック202で推定されたトルク値の差に基づいた制御の強さを決定する。制御ゲイン(利得)Kが大きいほど誤差量に対して制御を強く行うことになり、敏感に素早く制御を行うことができる。すなわち、制御応答性を高めることができる。一方、制御ゲインKを大きくしすぎるとインバータ3aの出力電流値をトルク指令値に基づいた適切な値に制御できなくなり、インバータ3aの出力電流値が大きく振動し、発散してしまう虞がある。そのため、ゲインKは適切な値が設定される。
PWM制御ブロック205において、まず、ポイント203及びゲインブロック204で算出されたトルク値に応じたモータ102aに供給すべき電流値を算出する。次に算出した電流値を2相→3相変換し、変換された3相の電流値に基づいたインバータ3aのIGBTQ3〜Q8を制御するための信号を発生する。制御装置1は、インバータ3aのIGBTQ3〜Q8を制御して出力電圧値を制御することによりモータ102aに供給される電流、すなわちインバータ3aの出力電流を制御する。
以上のように、インバータ3a及び3bの出力電流は、その出力電流値とトルク指令値とに基づいて常にフィードバック制御されている。次に、インバータ3a及び3bのPWM制御について説明する。
PWM制御は、一定周期毎に方形波出力電圧のパルス幅を変化させることにより、一定周期間の出力電圧平均値を変化させる制御方式である。PWM制御は、一般的に交流出力電圧の指令信号と周波数が一定の三角波信号を比較して得られた信号を用いてスイッチング素子のオン・オフを行う三角波比較方式で行われる。
図3は、インバータ3a及び3bにおけるIGBTQ3及びQ4のスイッチングタイミングと出力電圧を示した図である。上述の通り、インバータ3a及び3bは、3相モータ102a及び102bを駆動するために3相分の回路を有しているが、それぞれの相は位相が異なるのみで、同様に制御されることから、ここでは1相分の回路(IGBTQ3及びQ4)についてのみ説明する。
図3(a)は、正弦波PWM制御と呼ばれるもので、PWM制御の基本方式である。三角波300及び電圧指令信号301は制御装置1により発生させられる。制御装置1は、三角波300と電圧指令信号301の値の大小を比較し、三角波300の値よりも電圧指令信号301の値が大きいときはIGBTQ3をオン、IGBTQ4をオフとする信号を発生する。この状態では、インバータ3aの出力電圧(すなわちIGBTQ3とQ4の中点の電圧)はシステム電圧VHとなる。そして、電圧指令信号301の値よりも三角波300の値が大きいときはIGBTQ3をオフ、IGBTQ4をオンとする信号を発生する。この状態では、インバータ3aの出力電圧は0Vとなる。このように制御を行うと、インバータ3aの出力電圧は、図3(a)に示すようなパルス波となる。正弦波302は、インバータ3aの出力電圧の平均値を示したものである。正弦波302の振幅は、インバータ3aの出力電圧であるパルス信号の振幅及びパルス幅に比例する。すなわち、インバータ3aの出力電圧の1パルスの振幅が大きければ正弦波302の振幅が大きくなり、また、出力電圧のパルス幅が大きければ正弦波302の振幅が大きくなる。電圧値と電流値は比例するため、インバータ3aの出力電圧の振幅が大きければ出力電流も大きくなり、出力電圧がVHである期間(パルス幅)が多ければ出力電流も大きくなる。
図3(b)は、正弦波PWM制御よりも電圧利用率が高い過変調PWM制御と呼ばれるものである。過変調PWM制御方式でも三角波300と電圧指令信号301を比較してIGBTQ3及びQ4を制御することは正弦波PWM制御と同様であるが、電圧指令信号301の振幅が三角波300よりも大きいことが正弦波PWM制御とは異なる。過変調PWM制御は、正弦波PWM制御よりも電圧利用率が高く、システム電圧VHが同じ値である場合、正弦波PWM制御よりも出力電圧の平均値の振幅を大きくすることができる。しかし、図3(b)のインバータ3aの出力電圧波形からも分かるように、正弦波PWM制御に比べて、出力電圧に高調波成分が多く含まれている。従って、正弦波PWM制御に比べて、出力電流にも高調波成分が多く含まれていることになる。
図3(c)は、過変調PWM制御よりもさらに電圧利用率を高めた矩形波制御と呼ばれるものである。矩形波制御においては、インバータ3aの出力電圧は、電圧指令信号301の1周期に1つのパルスを出力する。このようにすることにより、さらに出力電圧の平均値の振幅を大きくすることができる。しかし、出力電圧に含まれる高調波成分は過変調PWM制御よりもさらに多くなり、出力電流に含まれる高調波成分も過変調PWM制御よりも多くなる。
以下、本実施形態の動作について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態のフローチャートを示す図である。制御装置1は、まずコンバータ2のリアクトルL1に流れる電流値を計測する。リアクトルL1に流れる電流値を計測する電流計測手段としては、リアクトルL1と直列に電流計を接続して電流値を計測してもよいが、本実施形態においては、2つのモータ102a及び102bの出力からリアクトルL1に流れる電流値を計測する。モータの出力は、モータのトルクと回転数とに基づいて算出される。また、モータのトルクはモータを流れる電流値に基づいて算出され、モータの回転数は、モータの回転角に基づいて算出される。
ステップS41において、制御装置1は、電流センサ105a及び105bからモータ102a及び102bに供給される電流値を読み出し、その値に基づいてモータ102a及び102bのトルクを算出する。上述の通り、モータの各相を流れる電流値の和は0になるため、本実施形態においては、3相のうち2相にのみ電流センサを設けて電流値を計測し、残りの1相は計算により求めるようにしているが、3相全てに電流センサを設けて電流値を計測するようにしてもよい。さらに、制御装置1は、レゾルバ等の回転角センサ106a及び106bからモータ102a及び102bの回転角を読み出し、その値に基づいてモータ102a及び102bの回転数を算出する。
ステップS42において、制御装置1は、ステップS41で算出したトルクと回転数からモータ102a及び102bの出力を算出する。そして、モータ102a及び102bの出力の和をとり、全体出力として算出する。なお、モータ102a及び102bの出力を算出するためのトルクは制御装置1に与えられるトルク指令値を用いてもよい。
ステップS43において、制御装置1は、電圧センサ103からバッテリ電圧を、電圧センサ104からシステム電圧VHを、それぞれ読み出す。
ステップS44において、制御装置1は、まずステップ42で算出した全体の出力の絶対値が所定値以下であるか否かを判断する。制御装置1は、全体の出力の絶対値が所定値以下、すなわち0近傍の所定範囲内である場合に、リアクトルL1を流れる電流が0近傍の所定範囲内であると判断する。モータ102aが力行動作を行い、モータ102bが回生動作を行っている場合を例にとると、全体の出力であるモータ102a及び102bの和が0近傍の所定範囲内であるということは、モータ102aで消費される電力と同等の電力をモータ102bが回生動作により発生していることになる。このとき、直流電源101からモータ側へ供給される電力が0近傍になり、リアクトルL1を流れる電流も0近傍となる。このように、本実施形態の電流検出手段は、モータ102a及び102bの出力に基づいて、リアクトルL1を流れる電流値を計測する。具体的には、リアクトルL1を流れる電流が0近傍の所定範囲内であることを検出する。
次に、制御装置1はシステム電圧VHとバッテリ電圧との差、すなわちコンバータ2の昇圧値が所定値以上であるか否かを判断する。コンバータ2が昇圧動作をしていないとき、すなわちシステム電圧VHとバッテリ電圧との差が0近傍のときは、リアクトルL1に電磁エネルギが蓄積されていない。そのため、リアクトルL1に流れる電流値が0近傍になり、IGBTQ1とQ2間のデッドタイム中に電流の向きが変わってもシステム電圧VHに電圧サージは発生しない。従って、コンバータ2が昇圧動作をしていない場合は、電圧サージを抑制する必要が無いため、制御装置1はシステム電圧VHとバッテリ電圧との差に基づいて、コンバータ2が昇圧動作をしているか否かを判断する。本実施形態においては、システム電圧VHとバッテリ電圧との差が所定値以上である場合に、コンバータ2が昇圧動作をしていると判断している。
ステップS44において上述の2つの要件を満たさないとき、制御装置1は、システム電圧VHに電圧サージが発生していないと判断し、ステップS46に進む。ステップS46において、制御装置1は、インバータ3a及び3bの電流制御に用いるローパスフィルタの時定数τに所定の値τ1を用いる。τ1は、システム電圧VHに電圧サージが発生しないときのインバータ3a及び3bの出力電流に含まれる高調波成分の減衰率と制御応答性のバランスを考慮して適した値が予め選ばれる。
ステップS44において、上述の2つの要件を満たすとき、制御装置1は、システム電圧VHに電圧サージが発生していると判断する。ステップS45において、制御装置1は、インバータ3a及び3bの電流フィードバック制御におけるローパスフィルタの時定数τにτ1よりも小さい値であるτ2を用いる。
その後、制御装置1は、インバータ3a及び3bの出力電流が適切な時定数τを用いた電流フィードバック制御により制御された電流値となるようにインバータ3a及び3bのIGBTQ3〜Q8を制御する。上述の通り、インバータ3a及び3bの出力電流の制御は、インバータ3a及び3bの出力電圧の制御により行う。図5は、システム電圧VHに電圧サージが発生しない場合と電圧サージが発生した場合のインバータ3a及び3bの出力電圧の波形をそれぞれ示したものである。システム電圧VHに電圧サージが発生すると、インバータ3a及び3bの出力電圧のパルスの振幅が大きくなる。それに伴い、インバータ3a及び3bがモータ102a及び102bに供給する電流値も大きくなる。そのため、制御回路1は、システム電圧VHに電圧サージが発生したとき出力電圧の平均値を抑えて、目的の出力電流値となるようにインバータ3a及び3bを制御すればよい。具体的には、制御装置1は、インバータ3a及び3bの出力電圧のパルス幅を小さくすることで出力電圧の平均値を抑える。図3における電圧指令信号301の振幅を小さくする、又は三角波300の振幅を大きくすることで、インバータ3a及び3bの出力電圧のパルス幅を小さくすることができ、出力電圧の平均値を下げることができる。
以上のように、本実施形態では、インバータ3a及び3bにおける電流フィードバック制御で用いられる時定数τを小さくすることで、インバータ3a及び3bの出力電流に生じた変動をより早期に制御することができ、モータに供給される電流の変動をより適切に抑制することができる。一方、上述の通り、時定数τを小さくすると、高調波成分の減衰率が低下してしまうが、本実施形態では、インバータ3a及び3bの電流フィードバック制御において、必要なとき、すなわちシステム電圧VHに電圧サージが発生したときのみ時定数τを小さくするとしたことで、システム電圧VHに電圧サージが発生していないときは高調波成分の減衰率を高く維持した時定数τを用いることができ、時定数τを小さくすることによるデメリットを最小に抑えた適切な電流フィードバック制御を可能にしている。
また、本実施形態では、コンバータ2のリアクトルL1に流れる電流値及びコンバータ2の昇圧値に基づいてシステム電圧VHに電圧サージが発生したとみなしていることから、電圧サージが発生したとみなすリアクトルL1を流れる電流値及びコンバータ2が昇圧動作をしているとみなす昇圧値を適宜設定することで、電流フィードバック制御の制御応答性を高めるタイミングを適宜設定することができる。このことにより、実際にシステム電圧VHの電圧サージや、その影響によるインバータ3a及び3bの出力電流の変動を直接検出して制御応答性を高める場合に比べて早く制御応答性を高めることができ、また場合によってはその逆も可能である。このことは、以下の実施形態においても同様である。
図6は、本発明の第2の実施形態のフローチャートを示す図である。第2の実施形態は、第1の実施形態と比べて、ローパスフィルタの時定数τを小さくする条件にインバータ3a及び3bの制御モードを加えたものである。ローパスフィルタの時定数τを小さくする条件以外については、第1の実施形態と同様であるので、重複する説明は省略する。
ステップS63において、制御装置1は、バッテリ電圧及びシステム電圧VHの電圧値と共に、インバータ3a及び3bの制御モードを取得する。インバータ3a及び3bの制御モードは、図3において示した、正弦波PWM制御モード、過変調PWM制御モード、及び矩形波制御モードのいずれかから選択されている。
ステップS64において、制御装置1は、第1の実施形態と同様に、全体の出力の絶対値が所定値以下であるか否か、コンバータ2の昇圧値が所定値以上であるか否かを判断する。第2の実施形態では、さらに、インバータ3a及び3bの制御モードが、正弦波PWM制御モードでないか否か、すなわち、過変調PWM制御モード又は矩形波制御モードであるか否かを判断する。そして、これらの条件を全て満たした場合に、ローパスフィルタの時定数τに、システム電圧VHに電圧サージが発生していないときの時定数τ1よりも小さい値であるτ2を用いてインバータ3a及び3bの電流フィードバック制御を行う。
上述の通り、ローパスフィルタの時定数τを小さくすることで、制御応答性を高めることができるが、電流センサ105a及び105bで計測されフィードバック制御に用いられる電流に含まれる高調波成分の減衰率が低下してしまう。フィードバック制御に用いられる電流に高調波成分が多く含まれていると、トルク指令値との比較を適切に行うことができず、適切な電流フィードバック制御を行うことができなくなる虞がある。従って、ローパスフィルタの時定数τを小さくする条件は必要最低限に抑えるのが好ましい。
インバータ3a及び3bが正弦波PWM制御モードであるときに比べて、過変調PWM制御モード及び矩形波制御モードのときは、インバータ3a及び3bの出力電流に高調波成分が多く含まれている。従って、過変調PWM制御モード及び矩形波制御モードのときには、予め設定されているローパスフィルタの時定数τ1は、正弦波PWMモードのときに比べて大きい値が設定されており、制御応答性が悪くなっている。第2の実施形態においては、制御応答性が悪い過変調PWM制御モード及び矩形波制御モードのときのみに限って、ローパスフィルタの時定数τを小さくする。このようにすることにより、比較的制御応答性の良い正弦波PWM制御モードの場合には時定数τ1をそのまま用いて、インバータ3a及び3bの出力電流に含まれる高調波成分の減衰率を高く維持しつつ電流フィードバック制御を行うことができ、制御応答性が悪い過変調PWM制御モード及び矩形波制御モードの場合に限り、ローパスフィルタの時定数τをτ1よりも小さいτ2を用いて、制御応答性を高めて電流フィードバック制御を行うことができる。
図7は、本発明の第3の実施形態のフローチャートを示す図である。第3の実施形態は、第2の実施形態と比べて、ローパスフィルタの時定数τを小さくする条件に、さらに少なくとも1つのモータのトルクを加えたものである。ローパスフィルタの時定数τを小さくする条件以外については、第1及び第2の実施形態と同様であるので、重複する説明は省略する。
ステップS74において、制御装置1は、第2の実施形態と同様に、全体の出力の絶対値が所定値以下であるか否か、コンバータ2の昇圧値が所定値以上であるか否か、及びインバータ3a及び3bの制御方式を判断する。第3の実施形態では、さらに、少なくとも一方のモータのトルクが所定値以上であるか否かを判断する。例えば、モータ102aが力行動作を行っており、モータ102bが回生動作を行っている場合、一方のモータとは、力行動作を行っているモータ102aである。力行動作を行っているモータ102aのトルクが所定値以上である場合、システム電圧VHに生じた電圧サージによりモータ102aに供給される電流(すなわちトルク)が変動すると、車両の振動をより引き起こしやすくなる。第3の実施形態は、システム電圧VHに生じた電圧サージの影響により車両の振動をより引き起こしやすい場合のみに限ってローパスフィルタの時定数τを小さくし、モータ102aに供給される電流のフィードバック制御を行うものである。
第3の実施形態においては、ローパスフィルタの時定数τを小さくする条件として、全体の出力の絶対値が所定値以下であり、かつコンバータ2の昇圧値が所定値以上であり、かつインバータ3a及び3bの制御モードが過変調制御又は矩形波制御であり、かつ一方のモータのトルクが所定値以上であることとしたが、インバータ3a及び3bの制御モードが過変調制御又は矩形波制御であるか否かを判断せず、全体の出力の絶対値が所定値以下であり、かつコンバータ2の昇圧値が所定値以上であり、かつ一方のモータのトルクが所定値以上であるときにローパスフィルタの時定数τを小さくするようにしてもよい。このようにしても、システム電圧VHに生じた電圧サージの影響により車両の振動をより引き起こしやすい場合にのみローパスフィルタの時定数τを小さくし、制御応答性を高めて電流フィードバック制御を行うことで電圧サージの影響によるモータ102a及び102bに供給される電流の変動を適切に抑制することができる。
第1〜第3の実施形態において、インバータ3a及び3bの制御モードに応じて、小さくされた時定数τ2の値を変更するようにしてもよい。上述の通り、インバータ3a及び3bが正弦波PWM制御されている場合は、過変調PWM制御及び矩形波制御されている場合よりもインバータ3a及び3bの出力電流に含まれる高調波成分が少ない。従って、正弦波PWM制御されている場合は、過変調PWM制御及び矩形波制御されている場合よりも時定数τ2に小さい値を設定することができる。同様の理由で、過変調PWM制御されている場合は、矩形波制御されている場合よりも時定数τ2に小さい値を設定することができる。これにより、小さくされた時定数τ2に、全ての制御モードにおいて同じ値を用いた時よりも、正弦波PWM制御及び過変調PWM制御されている場合の制御応答性をより高めることができる。このように、インバータ3a及び3bの各制御モードの特性に応じて制御応答性を設定することで、インバータ3a及び3bの出力電流をより適切に制御することができる。
図8は、本発明の第4の実施形態のフローチャートを示す図である。第4の実施形態は、インバータ3a及び3bの電流フィードバック制御において、所定の条件を満たした場合に、ローパスフィルタの時定数τを小さくすると共に、制御ゲインKを大きくするものである。制御ゲインKを大きくする点以外については第1乃至第3の実施形態と同様であるので、重複する説明は省略する。なお、図8は、ローパスフィルタの時定数τを小さくし、制御ゲインKを大きくする条件として、全体の出力の絶対値が所定値以下であり、かつコンバータ2の昇圧値が所定値以上であることとしているが、第2及び第3の実施形態と同様の条件にすることもできる。
ステップS84において、所定の条件を満たさない場合、制御装置1は、ステップS86において、インバータ3a及び3bの電流フィードバック制御に用いるローパスフィルタの時定数τに所定の値τ1を用いると共に、制御ゲインKに予め設定された値であるK1を用いる。K1は制御応答性を高く保ち、かつ出力電流が発散しない適切な値が設定されている。
ステップS84において、所定の条件を満たす場合、制御装置1は、ステップS85において、インバータ3a及び3bの電流フィードバック制御に用いるローパスフィルタの時定数τにτ1よりも小さい値であるτ2を用いると共に、制御ゲインKにK1よりも大きい値であるK2を用いる。制御ゲインKを大きくすることにより、強い制御が可能になり、制御応答性を上げることができる。上述の通り、制御ゲインKを大きくすることによりインバータ3a及び3bの出力電流が発散してしまう虞があるが、本実施例では、システム電圧VHに電圧サージが発生した場合に限り制御ゲインKを大きくしているため、発散の虞を抑えつつ、制御応答性を高めて適切な電流フィードバック制御を行うことができる。
インバータ3a及び3bの電流フィードバック制御は、電流センサ105a及び105bで計測された電流から推定されたトルク値とトルク指令値の誤差に比例した強さで制御を行う比例制御を用いてもよいが、比例制御だけを用いた場合は、トルク指令値に応じた電流値と出力電流値の間の永続的な誤差(オフセット)が発生してしまう。そこで、比例制御と共に、所定時間における誤差の合計値に比例した強さで制御を行う積分制御を併せた比例積分制御を用いてもよい。比例積分制御を用いることでトルク指令値に応じた電流と出力電流の間のオフセットを解消することができ、より適切な電流フィードバック制御を行うことができる。
上記第1〜4の実施形態において、制御装置1が、システム電圧VHに電圧サージが発生していると判断したときはインバータ3a及び3bの電流制御におけるローパスフィルタの時定数τを小さくする、としたが、電流センサ105a及び105bにより検出される電流の向きに基づいて、インバータ3aと3bのいずれか一方のみの電流フィードバック制御におけるローパスフィルタの時定数τを小さくしてもよい。モータ102aが力行動作をしており、モータ102bが回生動作をしている場合を例に説明すると、モータ102bは回生動作をしているため、インバータ3bの電流フィードバック制御におけるローパスフィルタの時定数τを小さくしてもモータ102bのトルクの変動には影響がない。このとき、電流センサ105bで計測される電流の向きはモータ102b側からインバータ3b側へと流れている。これらを考慮して、制御装置1は、所定の条件を満たし、かつ電流センサ105a及び105bが計測する電流の向きがインバータ側からモータ側へと流れている場合にのみ電流フィードバック制御におけるローパスフィルタの時定数τを小さくするようにしてもよい。第4の実施形態における制御ゲインKについても同様に、所定の条件を満たし、かつ電流センサ105a及び105bが計測する電流の向きがインバータ側からモータ側へと流れている場合にのみ電流フィードバック制御における制御ゲインKを大きくするようにしてもよい。
また、第1、第2、及び第4の実施形態において、2つのインバータ3a及び3b並びにモータ102a及び102bを有する駆動回路について説明したが、1つのインバータ及びモータを有する駆動回路においても適用し得る。この場合は、リアクトルL1の電流値を計測するリアクトル電流計測手段としては、リアクトルL1と直列に電流計を設けて計測する。
1 制御装置、2,9 コンバータ、3a,3b,902a,902b インバータ、101,901 直流電源、102a,102b,903a,903b モータ、103,104 電圧センサ、105a,105b 電流センサ、106a,106b 回転角センサ、200 3相→2相変換ブロック、201 ローパスフィルタブロック、202 トルク推定部ブロック、203 ポイント、204 ゲインブロック、205 PWM制御ブロック、300 三角波、301 電圧指令信号、302 正弦波。
Claims (6)
- リアクトルを有し直流電圧を昇圧するコンバータから供給される直流電圧を変換してモータに交流電圧を供給するインバータを制御するインバータ制御装置であって、
前記リアクトルを流れる電流値を計測するリアクトル電流計測手段と、
前記コンバータが昇圧動作をしているか否かを判断する動作判断手段と、
前記モータに供給される電流値を計測する相電流計測手段と、
前記相電流計測手段により計測された電流値に時定数を用いたフィルタ処理を施し、処理後の電流値に基づいて前記インバータをフィードバック制御する制御手段と、
を備え、
前記時定数は、前記動作判断手段により前記コンバータが昇圧動作をしていると判断され、かつ前記リアクトル電流計測手段により計測されたリアクトル電流値がゼロ近傍の所定範囲内である、という制御応答性変更条件を満たす場合に、前記制御応答性変更条件を満たさない場合の時定数よりも小さい値が設定されることを特徴とするインバータ制御装置。 - 請求項1に記載のインバータ制御装置であって、
前記制御応答性変更条件は、さらに、前記インバータが過変調PWM制御又は矩形波制御されている、という条件を含むことを特徴とするインバータ制御装置。 - 請求項1または2に記載のインバータ制御装置であって、
前記モータは、複数設けられ、
前記制御応答性変更条件は、さらに、前記相電流検出手段により検出された電流値から算出された前記モータのトルクが所定値以上である、という条件を含むことを特徴とするインバータ制御装置。 - 請求項1又は3に記載のインバータ装置であって、
前記インバータが正弦波PWM制御されており、かつ前記制御応答性変更条件を満たす場合の時定数は、前記インバータが過変調PWM制御されており、かつ前記制御応答性変更条件を満たす場合の時定数よりも小さいことを特徴とするインバータ制御装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載のインバータ装置であって、
前記インバータが過変調PWM制御されており、かつ前記制御応答性変更条件を満たす場合の時定数は、前記インバータが矩形波制御されており、かつ前記制御応答性変更条件を満たす場合の時定数よりも小さいことを特徴とするインバータ制御装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載のインバータ制御装置であって、
前記フィードバック制御の制御ゲインは、前記制御応答性変更条件を満たす場合に、前記制御応答性変更条件を満たさない場合の制御ゲインよりも大きい値が設定されることを特徴とするインバータ制御装置。
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JP2012011284A JP2013150514A (ja) | 2012-01-23 | 2012-01-23 | インバータ制御装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104767380A (zh) * | 2015-04-15 | 2015-07-08 | 扬州大学 | 一种汽车用直流-直流变换器电路及其控制方法 |
-
2012
- 2012-01-23 JP JP2012011284A patent/JP2013150514A/ja active Pending
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