JP2013148384A - 超音波探傷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水室に満たされた水の中で超音波探傷を行う超音波探傷装置において、探触子の配置された水室に気泡が進入しにくい構成を提供する。
【解決手段】超音波探傷装置1000は、複数(n個)の気泡除去カセット160を備えている。気泡除去カセット160は、探触子T1〜T4が試験体400に向けて送信した超音波と、送信した超音波のエコーとが通過する超音波通過エリア266と、試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)との間において、第1番目の気泡除去カセット160も含めて水槽200にn個配置される。これらの気泡除去カセット160は、試験体400が通過する開口であって試験体400の断面よりもやや小さい開口が形成されたパッキンである開口形成パッキン140を有する。
【選択図】図1
【解決手段】超音波探傷装置1000は、複数(n個)の気泡除去カセット160を備えている。気泡除去カセット160は、探触子T1〜T4が試験体400に向けて送信した超音波と、送信した超音波のエコーとが通過する超音波通過エリア266と、試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)との間において、第1番目の気泡除去カセット160も含めて水槽200にn個配置される。これらの気泡除去カセット160は、試験体400が通過する開口であって試験体400の断面よりもやや小さい開口が形成されたパッキンである開口形成パッキン140を有する。
【選択図】図1
Description
この発明は、水槽に満たされた水の中で超音波探傷を行う超音波探傷装置に関する。
図17、図18は、水槽に満たされた水の中で超音波探傷を行う従来の超音波探傷装置を示す図である。従来の超音波探傷装置では、図17に示すように水槽200は、探触子T、探触子ホルダ110等を収納する水室しかなかった。
(1)このため、図18のように、試験体400の表面や、試験体400の後端部で大気中から水槽200の水中に引き込まれる空気が気泡103として水中を浮遊している。この気泡103の浮遊状態で、試験体400が入り口側パッキン210から突入すると、気泡103は、上方に移動する。そうすると、探触子Tは気泡を超音波で検出してしまい、超音波探傷装置が誤判定するという課題があった。
(2)また、水中に浮遊する気泡をすばやく超音波の通過エリア外に移動させる事が困難であった。
(1)このため、図18のように、試験体400の表面や、試験体400の後端部で大気中から水槽200の水中に引き込まれる空気が気泡103として水中を浮遊している。この気泡103の浮遊状態で、試験体400が入り口側パッキン210から突入すると、気泡103は、上方に移動する。そうすると、探触子Tは気泡を超音波で検出してしまい、超音波探傷装置が誤判定するという課題があった。
(2)また、水中に浮遊する気泡をすばやく超音波の通過エリア外に移動させる事が困難であった。
この発明は、探触子の配置された水室に気泡が進入することを抑制し、また、水槽の水の中に浮遊する気泡をすばやく、探触子の超音波の通過エリア外に押し出す構成の提供を目的とする。
この発明の超音波探傷装置は、
液体が充填された試験槽の液体中を略直線的な軌道で通過する棒状体であって前記試験槽に形成された試験体入り口を介して大気中から液体中に進入し、前記試験槽に形成された試験体出口を介して液体中から前記大気中へ出ていく棒状体である棒状試験体を超音波探傷する超音波探傷装置であって、
前記棒状試験体に対して超音波を送信し、送信した前記超音波のエコーを検出すると共に、前記試験体入り口から前記試験体出口に向かう通過方向において順次一つずつ液体中に設置された複数の探触子と、
前記複数の探触子が前記棒状試験体に向けて送信した超音波と、送信した超音波のエコーとが通過する領域である超音波通過エリアと、前記試験体入り口との間において前記試験槽に配置され、前記棒状試験体が通過する開口であって前記棒状試験の断面よりもやや小さい開口が形成されたパッキンである開口形成パッキンを有する入り口側パッキン部と
を備えたことを特徴とする。
液体が充填された試験槽の液体中を略直線的な軌道で通過する棒状体であって前記試験槽に形成された試験体入り口を介して大気中から液体中に進入し、前記試験槽に形成された試験体出口を介して液体中から前記大気中へ出ていく棒状体である棒状試験体を超音波探傷する超音波探傷装置であって、
前記棒状試験体に対して超音波を送信し、送信した前記超音波のエコーを検出すると共に、前記試験体入り口から前記試験体出口に向かう通過方向において順次一つずつ液体中に設置された複数の探触子と、
前記複数の探触子が前記棒状試験体に向けて送信した超音波と、送信した超音波のエコーとが通過する領域である超音波通過エリアと、前記試験体入り口との間において前記試験槽に配置され、前記棒状試験体が通過する開口であって前記棒状試験の断面よりもやや小さい開口が形成されたパッキンである開口形成パッキンを有する入り口側パッキン部と
を備えたことを特徴とする。
前記入り口側パッキン部は、さらに、
前記開口形成パッキンが取り付けられ、外縁が前記試験槽の内側と密着することで前記試験槽の液体を前記超音波通過エリアの側と、前記試験体入り口の側とに液体を仕切る仕切部を有することを特徴とする。
前記開口形成パッキンが取り付けられ、外縁が前記試験槽の内側と密着することで前記試験槽の液体を前記超音波通過エリアの側と、前記試験体入り口の側とに液体を仕切る仕切部を有することを特徴とする。
前記入り口側パッキン部は、さらに、
前記通過方向で前記開口形成パッキンに重ねて前記仕切り部に取り付けられ、前記棒状試験体を通過させるための放射状のスリットが形成されたパッキンであるスリット形成パッキンを有することを特徴とする。
前記通過方向で前記開口形成パッキンに重ねて前記仕切り部に取り付けられ、前記棒状試験体を通過させるための放射状のスリットが形成されたパッキンであるスリット形成パッキンを有することを特徴とする。
前記入り口側パッキン部は、
前記超音波通過エリアと、前記試験体入り口との間に、前記通過方向で2個以上設置されることを特徴とする。
前記超音波通過エリアと、前記試験体入り口との間に、前記通過方向で2個以上設置されることを特徴とする。
前記2個以上のすべての入り口側パッキン部は、
適用可能な前記棒状試験体を識別する識別部であって、識別部検出装置によって検出される識別部を有することを特徴とする。
適用可能な前記棒状試験体を識別する識別部であって、識別部検出装置によって検出される識別部を有することを特徴とする。
前記試験体入り口は、
前記開口形成パッキンを有することを特徴とする。
前記開口形成パッキンを有することを特徴とする。
前記超音波探傷装置は、さらに、
前記超音波通過エリアのあたりに向けて液体を噴射する液体噴射部を備えたことを特徴とする。
前記超音波通過エリアのあたりに向けて液体を噴射する液体噴射部を備えたことを特徴とする。
前記液体噴射部は、
前記超音波通過エリアよりも下側から、前記超音波通過エリアの辺りに向けて液体を噴射する。
前記超音波通過エリアよりも下側から、前記超音波通過エリアの辺りに向けて液体を噴射する。
前記超音波探傷装置は、さらに、
前記液体噴射部が噴射する液体の流速を制御する噴射制御部を備えたことを特徴とする。
前記液体噴射部が噴射する液体の流速を制御する噴射制御部を備えたことを特徴とする。
前記超音波探傷装置は、さらに、
前記試験槽における前記超音波通過エリアと、前記試験体出口との間に配置され、前記棒状試験体を通過させるための放射状のスリットが形成されたパッキンであるスリット形成パッキンと、前記スリット形成パッキンが取り付けられ、外縁が前記試験槽の内側と密着することで前記超音波通過エリアの側と前記試験体出口の側とに液体を仕切る仕切部とを有する出口側パッキン部を備えたことを特徴とする。
前記試験槽における前記超音波通過エリアと、前記試験体出口との間に配置され、前記棒状試験体を通過させるための放射状のスリットが形成されたパッキンであるスリット形成パッキンと、前記スリット形成パッキンが取り付けられ、外縁が前記試験槽の内側と密着することで前記超音波通過エリアの側と前記試験体出口の側とに液体を仕切る仕切部とを有する出口側パッキン部を備えたことを特徴とする。
前記出口側パッキン部は、
前記超音波通過エリアと、前記試験体出口との間に、前記通過方向で2個以上設置されることを特徴とする。
前記超音波通過エリアと、前記試験体出口との間に、前記通過方向で2個以上設置されることを特徴とする。
前記試験槽の液体は、脱気水であることを特徴とする。
この発明により、探触子の配置された水室に気泡が進入することを抑制し、また、水槽の水中に浮遊する気泡を探触子の超音波の通過エリア外にすばやく押し出す超音波探傷装置を提供できる。
実施の形態1.
図1〜図6を参照して実施の形態1の超音波探傷装置1000を説明する。
図1は、実施の形態1の超音波探傷装置1000の構成を模式的に示す図である。
図1は背景技術で説明した図17に対して、水室1〜水室3が形成されている。超音波探傷装置1000では、n個(nは2以上の整数)の気泡除去カセット160によって水室1が形成され、m個(mは2以上の整数)の水漏れ防止カセット170によって水室3が形成される点が特徴である。
(2)また、超音波探傷装置1000は、探触子用水噴射ノズル131、132(図5)を備えた点が特徴である。探触子用水噴射ノズル131,132によって、水中に浮遊する気泡を強制的に「超音波の通過エリア」の外に押し出す。なお、背景技術の図17と同等の構成要素には同一の符号を付した。
図1〜図6を参照して実施の形態1の超音波探傷装置1000を説明する。
図1は、実施の形態1の超音波探傷装置1000の構成を模式的に示す図である。
図1は背景技術で説明した図17に対して、水室1〜水室3が形成されている。超音波探傷装置1000では、n個(nは2以上の整数)の気泡除去カセット160によって水室1が形成され、m個(mは2以上の整数)の水漏れ防止カセット170によって水室3が形成される点が特徴である。
(2)また、超音波探傷装置1000は、探触子用水噴射ノズル131、132(図5)を備えた点が特徴である。探触子用水噴射ノズル131,132によって、水中に浮遊する気泡を強制的に「超音波の通過エリア」の外に押し出す。なお、背景技術の図17と同等の構成要素には同一の符号を付した。
<カセット>
超音波探傷装置1000では、後述するカセットによって水室1、水室3を形成し、水室1と水室3の間の水室2も形成されることになる。水室1は、複数の気泡除去カセット160(後述する)によって、複数の部屋に区分けされている。試験体400がそれぞれの気泡除去カセット160を通過する際に、気泡除去カセット160は試験体400の表面に付着した気泡103をはぎ取る。よって気泡103を大幅に除去可能である。水室2は、探触子T、探触子ホルダ110等が配置され、試験体400の超音波探傷を行う水室である。水室3は、複数の水漏れ防止カセット170(後述する)によって、複数の部屋に区分けされている。よって、水が外部に漏れることを防止できる。
超音波探傷装置1000では、後述するカセットによって水室1、水室3を形成し、水室1と水室3の間の水室2も形成されることになる。水室1は、複数の気泡除去カセット160(後述する)によって、複数の部屋に区分けされている。試験体400がそれぞれの気泡除去カセット160を通過する際に、気泡除去カセット160は試験体400の表面に付着した気泡103をはぎ取る。よって気泡103を大幅に除去可能である。水室2は、探触子T、探触子ホルダ110等が配置され、試験体400の超音波探傷を行う水室である。水室3は、複数の水漏れ防止カセット170(後述する)によって、複数の部屋に区分けされている。よって、水が外部に漏れることを防止できる。
<ノズル>
また、水室2の下方に水噴射ノズルを設けた。この水噴射ノズルによって、後述の超音波通過エリア266の気泡をエリア外に押し出す。したがって、誤検出の少ない超音波探傷装置を提供できる。
また、水室2の下方に水噴射ノズルを設けた。この水噴射ノズルによって、後述の超音波通過エリア266の気泡をエリア外に押し出す。したがって、誤検出の少ない超音波探傷装置を提供できる。
(超音波探傷装置1000の構成)
図1に示すように、超音波探傷装置1000は、水槽200(試験槽)の水中に配置される探触子T、水室1を生成する複数(n個)の気泡除去カセット160、水室3を形成する複数(m個)の水漏れ防止カセット170、探触子用水噴射ノズル131、132(液体噴射部)、及び探触子用水噴射ノズル131、132の噴射する水の流速を制御する制御部120(噴射制御部)を備えている。制御部120は、給水タンク280に貯えられた水(例えば脱気水)を、ポンプ292と、電磁バルブ270との制御を介して、探触子用水噴射ノズル131、132の噴射する水の流速を制御する。また水槽200の水104にも脱気水を用いてもよい。
図1に示すように、超音波探傷装置1000は、水槽200(試験槽)の水中に配置される探触子T、水室1を生成する複数(n個)の気泡除去カセット160、水室3を形成する複数(m個)の水漏れ防止カセット170、探触子用水噴射ノズル131、132(液体噴射部)、及び探触子用水噴射ノズル131、132の噴射する水の流速を制御する制御部120(噴射制御部)を備えている。制御部120は、給水タンク280に貯えられた水(例えば脱気水)を、ポンプ292と、電磁バルブ270との制御を介して、探触子用水噴射ノズル131、132の噴射する水の流速を制御する。また水槽200の水104にも脱気水を用いてもよい。
(試験体400)
図1において、試験体400(棒状試験体)は、水槽200(水室1、水室2及び水室3)の水中を略直線的な軌道106で通過する棒状体を想定する。試験体400は、図1には図示していない押さえ機構部に搬送されることにより、水室1への入り口となる第1番目の気泡除去カセット160(試験体入り口)を介して、大気中から水槽200(水室1)の水中に進入する。そして、試験体400は、水室1を形成するn個の気泡除去カセット160を貫通しながら水室2において探触子T1〜T4によって超音波を照射され、先端から水室2をでる。そして試験体400はm個の水漏れ防止カセット170を貫通しながら、試験体出口であるm個めの水漏れ防止カセット170(試験体出口))を介して水中(水室2)から大気中へ出ていく。なお、試験体400は、例えば、長さが3m〜6m程度であり、直径φdは18mm〜120mm程度である。ただし、この寸法は一例である。試験体400は、断面が円形、矩形、多角形等であるが、特に限定されない。図1の超音波探傷装置1000では、上記のような長さ3m〜6m程度の試験体400が、0.5秒程度の間隔で、水槽200の中に搬入される。
図1において、試験体400(棒状試験体)は、水槽200(水室1、水室2及び水室3)の水中を略直線的な軌道106で通過する棒状体を想定する。試験体400は、図1には図示していない押さえ機構部に搬送されることにより、水室1への入り口となる第1番目の気泡除去カセット160(試験体入り口)を介して、大気中から水槽200(水室1)の水中に進入する。そして、試験体400は、水室1を形成するn個の気泡除去カセット160を貫通しながら水室2において探触子T1〜T4によって超音波を照射され、先端から水室2をでる。そして試験体400はm個の水漏れ防止カセット170を貫通しながら、試験体出口であるm個めの水漏れ防止カセット170(試験体出口))を介して水中(水室2)から大気中へ出ていく。なお、試験体400は、例えば、長さが3m〜6m程度であり、直径φdは18mm〜120mm程度である。ただし、この寸法は一例である。試験体400は、断面が円形、矩形、多角形等であるが、特に限定されない。図1の超音波探傷装置1000では、上記のような長さ3m〜6m程度の試験体400が、0.5秒程度の間隔で、水槽200の中に搬入される。
(探触子)
図1の複数の探触子T1〜T4は、試験体400に対して超音波を送信し、送信した超音波のエコーを検出する。探触子T1等は、試験体400が試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)からm個めの水漏れ防止カセット170(試験体出口)に向かう搬送方向102(通過方向)において順次一つずつ水中に設置されている。
図1の複数の探触子T1〜T4は、試験体400に対して超音波を送信し、送信した超音波のエコーを検出する。探触子T1等は、試験体400が試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)からm個めの水漏れ防止カセット170(試験体出口)に向かう搬送方向102(通過方向)において順次一つずつ水中に設置されている。
(気泡除去カセット160)
図2〜図4を参照して、水室1を形成する気泡除去カセット160(入り口側パッキン部)を説明する。気泡除去カセット160は、探触子Tが試験体400に向けて送信した超音波と、送信した超音波のエコーとが通過する領域である超音波通過エリア266と、試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)との間に、この第1番目の気泡除去カセット160も含めてn個が配置される。気泡除去カセット160と、水漏れ防止カセット170との数は、それぞれn個、m個であるが、n=m、n>m、n<mいずれでもよい。
図2は、気泡除去カセット160の外観を示す図である。図2(a)は側面図であり、図2(b)は正面図((a)のZ方向矢視)である。図2に示すように、気泡除去カセット160は、取付ベース161(仕切部)、開口形成パッキン140、スリット形成パッキン150を備えている。
図2〜図4を参照して、水室1を形成する気泡除去カセット160(入り口側パッキン部)を説明する。気泡除去カセット160は、探触子Tが試験体400に向けて送信した超音波と、送信した超音波のエコーとが通過する領域である超音波通過エリア266と、試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)との間に、この第1番目の気泡除去カセット160も含めてn個が配置される。気泡除去カセット160と、水漏れ防止カセット170との数は、それぞれn個、m個であるが、n=m、n>m、n<mいずれでもよい。
図2は、気泡除去カセット160の外観を示す図である。図2(a)は側面図であり、図2(b)は正面図((a)のZ方向矢視)である。図2に示すように、気泡除去カセット160は、取付ベース161(仕切部)、開口形成パッキン140、スリット形成パッキン150を備えている。
(開口形成パッキン140)
図3は、開口形成パッキン140を示す図である。開口形成パッキン140は、パッキン取付部141、開口形成パッキン本体142を備えている。パッキン取付部141には開口形成パッキン本体142が取り付けられる。開口形成パッキン本体142には、開口143が形成されている。この開口143は、適用対象の試験体400が通過する開口であって試験体400の断面よりもやや小さい開口として形成されている。このように開口143は試験体400の寸法(断面形状)よりもわずかに小さいので、この開口143の縁によって試験体400の表面が擦られるので気泡除去の効果は大きい。つまり、水室1おいて各気泡除去カセット160で仕切られる部屋には水が満たされている。開口143によってはぎ取られた気泡は、水中に浮遊する。また、各気泡除去カセット160によって各部屋に仕切られているので、その部屋ではぎとられた試験体400表面の気泡は隣の部屋に漏れ難いので、この点からも試験体400表面からの気泡除去の効果がある。
図3は、開口形成パッキン140を示す図である。開口形成パッキン140は、パッキン取付部141、開口形成パッキン本体142を備えている。パッキン取付部141には開口形成パッキン本体142が取り付けられる。開口形成パッキン本体142には、開口143が形成されている。この開口143は、適用対象の試験体400が通過する開口であって試験体400の断面よりもやや小さい開口として形成されている。このように開口143は試験体400の寸法(断面形状)よりもわずかに小さいので、この開口143の縁によって試験体400の表面が擦られるので気泡除去の効果は大きい。つまり、水室1おいて各気泡除去カセット160で仕切られる部屋には水が満たされている。開口143によってはぎ取られた気泡は、水中に浮遊する。また、各気泡除去カセット160によって各部屋に仕切られているので、その部屋ではぎとられた試験体400表面の気泡は隣の部屋に漏れ難いので、この点からも試験体400表面からの気泡除去の効果がある。
(スリット形成パッキン150)
図4は、スリット形成パッキン150を示す図である。スリット形成パッキン150は、パッキン取付部151、スリット形成パッキン本体152を備えている。スリット形成パッキン本体152には、試験体400を通過させるための放射状のスリット153が形成されている。このスリット153は、水漏れを押さえつつ、試験体400を通過させる機能を有する。このように放射状にスリット153を設けたスリット形成パッキン本体152は、水室2内に充満された水が、水漏れすることを軽減する効果を有する。
図4は、スリット形成パッキン150を示す図である。スリット形成パッキン150は、パッキン取付部151、スリット形成パッキン本体152を備えている。スリット形成パッキン本体152には、試験体400を通過させるための放射状のスリット153が形成されている。このスリット153は、水漏れを押さえつつ、試験体400を通過させる機能を有する。このように放射状にスリット153を設けたスリット形成パッキン本体152は、水室2内に充満された水が、水漏れすることを軽減する効果を有する。
(取付ベース161)
図2に示すように、取付ベース161には、開口形成パッキン140、スリット形成パッキン150が取り付けられる。取付ベース161は、その外縁161−1(図2(b))が水槽200の内側と密着することで水槽200(水室1)の水を超音波通過エリア266の側と、試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)の側とに仕切る仕切部である。なお気泡除去カセット160の場合は、取付ベースの外縁161−1が水槽200の内側と密着しない場合であっても開口143で試験体400表面の気泡103を除去することができるから、かならずしも密着することは必須ではない。
図2に示すように、取付ベース161には、開口形成パッキン140、スリット形成パッキン150が取り付けられる。取付ベース161は、その外縁161−1(図2(b))が水槽200の内側と密着することで水槽200(水室1)の水を超音波通過エリア266の側と、試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)の側とに仕切る仕切部である。なお気泡除去カセット160の場合は、取付ベースの外縁161−1が水槽200の内側と密着しない場合であっても開口143で試験体400表面の気泡103を除去することができるから、かならずしも密着することは必須ではない。
気泡除去カセット160は、図2では、開口形成パッキン140とスリット形成パッキン150とを備えたが、試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)以外は、開口形成パッキン140のみを備える構成でも構わない。つまり、気泡除去カセット160は、少なくとも開口形成パッキン140を備えたカセットをいう。また、試験体入り口は、第1番目の気泡除去カセット160とせずに、後述の水漏れ防止カセット170でも構わない。例えば最も簡単な構成として、試験体入り口には後述の水漏れ防止カセット170を使用し、搬送方向102で、この試験体入り口と超音波通過エリア266との間に配置されるカセットとして、最低1つの気泡除去カセット160(開口形成パッキン140があればスリット形成パッキン150がなくてもよい)を用いる構成でもよい。
(水漏れ防止カセット170)
水室3を形成する水漏れ防止カセット170(出口側パッキン部)を説明する。水漏れ防止カセット170は、超音波通過エリア266と、試験体出口(第m番目の水漏れ防止カセット170)との間に、試験体出口の水漏れ防止カセット170自身も含めて、m個(mは2以上の整数)が配置される。水漏れ防止カセット170とは、図2の気泡除去カセット160において、少なくともスリット形成パッキン150を備えたカセットをいう。水漏れ防止カセット170は開口形成パッキン140を備えても構わないが、水漏れ防止カセット170が配置されるのは試験体400が超音波通過エリア266のある水室2を出た後の箇であり、気泡除去のメリットはない。なお、気泡除去カセット160にスリット形成パッキン150を取り付ける場合は、水漏れ低減の効果がある。
水室3を形成する水漏れ防止カセット170(出口側パッキン部)を説明する。水漏れ防止カセット170は、超音波通過エリア266と、試験体出口(第m番目の水漏れ防止カセット170)との間に、試験体出口の水漏れ防止カセット170自身も含めて、m個(mは2以上の整数)が配置される。水漏れ防止カセット170とは、図2の気泡除去カセット160において、少なくともスリット形成パッキン150を備えたカセットをいう。水漏れ防止カセット170は開口形成パッキン140を備えても構わないが、水漏れ防止カセット170が配置されるのは試験体400が超音波通過エリア266のある水室2を出た後の箇であり、気泡除去のメリットはない。なお、気泡除去カセット160にスリット形成パッキン150を取り付ける場合は、水漏れ低減の効果がある。
気泡除去カセット160、水漏れ防止カセット170は水槽200に対して抜き差しが可能である。よって、水槽200への取付個数を調整することができる。
(適用サイズ識別スリット)
図2のように、水室1を形成する複数の気泡除去カセット160(開口形成パッキン140を有するカセット)の取付ベース161の一端にスリット溝162を設ける。つまり、水室1を形成する複数の気泡除去カセット160(その取付ベース161)及び水漏れ防止カセット170(その取付ベース161)には、ほぼ同じ箇所にスリット溝162が形成されている。スリット溝162は、気泡除去カセット160の適用可能な試験体400のサイズを識別するための識別部である。例えば、図2のスリット溝162は、試験体400が丸棒材の場合に、気泡除去カセット160が直径φ20〜φ30の丸棒材に適用可能であることを示すような場合である。気泡除去カセット160が、異なる材料径、例えばφ50〜φ70に適用可能な場合は、スリット溝162を図2の位置よりも下に形成する。例えば、図2(b)の破線で示したスリット溝162−1の様である。複数の気泡除去カセット160が設置された場合には、スリット溝162は搬送方向102に整列する。よって複数の気泡除去カセット160が水室1(水槽200)に取り付けられた状態で図示していない光電センサにより、スリット溝162(スリット溝162の位置)を検出できる。これによって、適用可能な材料径を判別することができる。つまり、搬送方向102において、試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)よりも手前側(搬送方向102を示す矢印と反対の方向側)にレーザ等の投光部を置き、試験体出口(m番目の水漏れ防止カセット170)よりも搬送方向102側に受光センサを配置する。
図2のように、水室1を形成する複数の気泡除去カセット160(開口形成パッキン140を有するカセット)の取付ベース161の一端にスリット溝162を設ける。つまり、水室1を形成する複数の気泡除去カセット160(その取付ベース161)及び水漏れ防止カセット170(その取付ベース161)には、ほぼ同じ箇所にスリット溝162が形成されている。スリット溝162は、気泡除去カセット160の適用可能な試験体400のサイズを識別するための識別部である。例えば、図2のスリット溝162は、試験体400が丸棒材の場合に、気泡除去カセット160が直径φ20〜φ30の丸棒材に適用可能であることを示すような場合である。気泡除去カセット160が、異なる材料径、例えばφ50〜φ70に適用可能な場合は、スリット溝162を図2の位置よりも下に形成する。例えば、図2(b)の破線で示したスリット溝162−1の様である。複数の気泡除去カセット160が設置された場合には、スリット溝162は搬送方向102に整列する。よって複数の気泡除去カセット160が水室1(水槽200)に取り付けられた状態で図示していない光電センサにより、スリット溝162(スリット溝162の位置)を検出できる。これによって、適用可能な材料径を判別することができる。つまり、搬送方向102において、試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)よりも手前側(搬送方向102を示す矢印と反対の方向側)にレーザ等の投光部を置き、試験体出口(m番目の水漏れ防止カセット170)よりも搬送方向102側に受光センサを配置する。
(探触子用水噴射ノズル131,132)
図5は、図1のA−A断面を示す図である。図5を参照して説明する。図1に示すように、超音波探傷装置1000は、水室2の下方であり、かつ、超音波通過エリア266よりも下側に、探触子用水噴射ノズル131,132(液体噴射部)を備えている。探触子用水噴射ノズル131、132は、超音波通過エリア266(図1、図5)の辺りに水を噴射する。図1、図5に示すように、探触子用水噴射ノズル131,132は、超音波通過エリア266よりも下側から斜め上方に向けて、超音波通過エリア266の辺りに水を噴射する。図6は、探触子用水噴射ノズル131,132の形状を説明するための図である。(a)には、探触子用水噴射ノズル131と水流132−1を示した。(b)には、探触子用水噴射ノズル131,132を示した。図6は図5のX矢視であるが、わかりやすくするために斜視図的に描いている。探触子用水噴射ノズル131,132の先端は、図6に示すように扁平管の形状をなしており、搬送方向102が扁平形状における長手方向である
図5は、図1のA−A断面を示す図である。図5を参照して説明する。図1に示すように、超音波探傷装置1000は、水室2の下方であり、かつ、超音波通過エリア266よりも下側に、探触子用水噴射ノズル131,132(液体噴射部)を備えている。探触子用水噴射ノズル131、132は、超音波通過エリア266(図1、図5)の辺りに水を噴射する。図1、図5に示すように、探触子用水噴射ノズル131,132は、超音波通過エリア266よりも下側から斜め上方に向けて、超音波通過エリア266の辺りに水を噴射する。図6は、探触子用水噴射ノズル131,132の形状を説明するための図である。(a)には、探触子用水噴射ノズル131と水流132−1を示した。(b)には、探触子用水噴射ノズル131,132を示した。図6は図5のX矢視であるが、わかりやすくするために斜視図的に描いている。探触子用水噴射ノズル131,132の先端は、図6に示すように扁平管の形状をなしており、搬送方向102が扁平形状における長手方向である
(水噴出機構)
図1の水噴出機構を説明する。
水噴出機構は、探触子用水噴射ノズル131,132と、制御部120と、給水タンク280と、ポンプ292と、電磁バルブ270とを備えている。
図1に示すように、制御部120(噴射制御部)は、給水タンク280に貯えられた水(例えば脱気水)を、ポンプ292の回転数の制御と、電磁バルブ270の開閉の制御とを介して、探触子用水噴射ノズル131の噴射する水の流速を制御する。つまり、図1に示すように、探触子用水噴射ノズル131,132と、給水タンク280に配置されたポンプ292とは、配管281でつながれている。配管281の途中には電磁バルブ270が配置されている。制御部120は、この水噴出機構において、ポンプ292と電磁バルブ270とを制御することにより、探触子用水噴射ノズル131、132から噴射される流速を制御する。制御部120は、探触子用水噴射ノズル131の流速を、例えば、「試験体400のサイズに応じて」適正に制御する。あるいは「試験体400の搬送速度に応じて」制御してもよい。試験体400のサイズや搬送速度の情報は、制御部120が外部の制御装置から入力すればよい。
図1の水噴出機構を説明する。
水噴出機構は、探触子用水噴射ノズル131,132と、制御部120と、給水タンク280と、ポンプ292と、電磁バルブ270とを備えている。
図1に示すように、制御部120(噴射制御部)は、給水タンク280に貯えられた水(例えば脱気水)を、ポンプ292の回転数の制御と、電磁バルブ270の開閉の制御とを介して、探触子用水噴射ノズル131の噴射する水の流速を制御する。つまり、図1に示すように、探触子用水噴射ノズル131,132と、給水タンク280に配置されたポンプ292とは、配管281でつながれている。配管281の途中には電磁バルブ270が配置されている。制御部120は、この水噴出機構において、ポンプ292と電磁バルブ270とを制御することにより、探触子用水噴射ノズル131、132から噴射される流速を制御する。制御部120は、探触子用水噴射ノズル131の流速を、例えば、「試験体400のサイズに応じて」適正に制御する。あるいは「試験体400の搬送速度に応じて」制御してもよい。試験体400のサイズや搬送速度の情報は、制御部120が外部の制御装置から入力すればよい。
制御部120による流速制御によって、水室2内の探触子T1〜T4試験体400との間に存在して水中を浮遊する気泡を強制的に超音波通過エリア266の外に押し出す事ができるので、誤検出の少ない超音波探傷装置を提供できる。
実施の形態2.
図7〜図13を参照して実施の形態2の超音波探傷装置1000を説明する。
図7は、実施の形態2の超音波探傷装置1000の構成を模式的に示す図である。探触子は、搬送方向102へ向かって、順に探触子T1〜T4と呼んでいる。
なお、図7では探触子T1〜T4の配置に特徴があるので図1に示した水室1、水室3の具体的な記載は省略したが、破線で示す範囲201、202に形成される。
図8は、実施の形態2の超音波探傷装置1000の4個の探触子T1〜T4の配置を斜視図として概念的に示す図である。実施の形態2の特徴は、図8に示すように、n番目の気泡除去カセット160側の探触子T1,T2を下側に配置し、第1番目の水漏れ防止カセット170側の探触子T3,T4を上側に配置した点である。なお、図8の間隔L1〜L3等は、図7における搬送方向102の互いの探触子の間隔である。図7のA−A断面等は、斜視図として示した図8の「A−A」等に対応する。図9〜図13は後に述べる。
図7〜図13を参照して実施の形態2の超音波探傷装置1000を説明する。
図7は、実施の形態2の超音波探傷装置1000の構成を模式的に示す図である。探触子は、搬送方向102へ向かって、順に探触子T1〜T4と呼んでいる。
なお、図7では探触子T1〜T4の配置に特徴があるので図1に示した水室1、水室3の具体的な記載は省略したが、破線で示す範囲201、202に形成される。
図8は、実施の形態2の超音波探傷装置1000の4個の探触子T1〜T4の配置を斜視図として概念的に示す図である。実施の形態2の特徴は、図8に示すように、n番目の気泡除去カセット160側の探触子T1,T2を下側に配置し、第1番目の水漏れ防止カセット170側の探触子T3,T4を上側に配置した点である。なお、図8の間隔L1〜L3等は、図7における搬送方向102の互いの探触子の間隔である。図7のA−A断面等は、斜視図として示した図8の「A−A」等に対応する。図9〜図13は後に述べる。
まず実施の形態2の超音波探傷装置1000の特徴を説明する。実施の形態2の超音波探傷装置1000では、試験体400(棒状試験体)の搬送方向102の上流側(n番目の気泡除去カセット160(n)側)に配置される探触子T1、T2を、試験体400の下方に配置した。このため、試験体400が水槽200に突入した時に水槽200のn番目の気泡除去カセット160(n)付近に多く浮遊する気泡103は常に上方に移動するので、探触子T1、T2は気泡103を検出しなくなる。また、試験体400の上方に配置する探触子T3,T4は、試験体400が水槽200に突入した時に引き込まれる気泡の少ない位置である第1番目の水漏れ防止カセット170(1)側に配置されている。このため、探触子による浮遊する気泡103の検出は大幅に軽減され、気泡103の検出による誤判定が改善できる。以下、図面を参照して、超音波探傷装置1000を説明する。
(超音波探傷装置1000の構成)
図7のように、実施の形態2の超音波探傷装置1000は、4個の探触子T1〜T4を備えている。4個は、一例であり、試験体400のサイズ等に応じて決定される。探触子T1〜T4は、試験体400に超音波を送信し、送信した超音波のエコーを検出する。探触子T1〜T4は、いずれも、自身の送信したエコーを自身で受信する。なお、実施の形態2の超音波探傷装置1000は探触子の配置に特徴があるので、図7では探触子T1〜T4に超音波を送信させたり、探触子T1〜T4の受信したエコーを処理したりする超音波探傷装置本体は省略した。
図7のように、実施の形態2の超音波探傷装置1000は、4個の探触子T1〜T4を備えている。4個は、一例であり、試験体400のサイズ等に応じて決定される。探触子T1〜T4は、試験体400に超音波を送信し、送信した超音波のエコーを検出する。探触子T1〜T4は、いずれも、自身の送信したエコーを自身で受信する。なお、実施の形態2の超音波探傷装置1000は探触子の配置に特徴があるので、図7では探触子T1〜T4に超音波を送信させたり、探触子T1〜T4の受信したエコーを処理したりする超音波探傷装置本体は省略した。
(試験体400)
試験体400については、挿入方法、及びサイズ、形状等は実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
試験体400については、挿入方法、及びサイズ、形状等は実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
(探触子T1〜T4)
図7において、探触子T1〜T4は、水が充填された水槽200(試験槽)の水中に設置される。超音波の伝達効率を高めるためである。図8に示すように、探触子T1〜T4(複数の探触子)は、試験体400がn番目の気泡除去カセット160(n)から第1番目の水漏れ防止カセット170(1)に向かう搬送方向102(通過方向)において、順次一つずつ設置されている。つまり、図8に示すように、A−A断面位置には探触子T1が設置され、B−B断面位置には探触子T2が設置され、C−C断面位置には探触子T3が設置され、D−D断面位置には探触子T4が設置されている。なお、搬送方向102は、当然であるが軌道106の方向でもある。4個の探触子のうち、試験体400の水槽200での搬送方向102(通過方向)においてn番目の気泡除去カセット160(n)(試験体入り口)に最も近くに設置される探触子T1(第1探触子)は、試験体400の「軌道106よりも下側」に設置される。また、探触子T1(第1探触子)に搬送方向102(通過方向)において隣接する探触子T2も、試験体400の「軌道106よりも下側」に設置される。
図7において、探触子T1〜T4は、水が充填された水槽200(試験槽)の水中に設置される。超音波の伝達効率を高めるためである。図8に示すように、探触子T1〜T4(複数の探触子)は、試験体400がn番目の気泡除去カセット160(n)から第1番目の水漏れ防止カセット170(1)に向かう搬送方向102(通過方向)において、順次一つずつ設置されている。つまり、図8に示すように、A−A断面位置には探触子T1が設置され、B−B断面位置には探触子T2が設置され、C−C断面位置には探触子T3が設置され、D−D断面位置には探触子T4が設置されている。なお、搬送方向102は、当然であるが軌道106の方向でもある。4個の探触子のうち、試験体400の水槽200での搬送方向102(通過方向)においてn番目の気泡除去カセット160(n)(試験体入り口)に最も近くに設置される探触子T1(第1探触子)は、試験体400の「軌道106よりも下側」に設置される。また、探触子T1(第1探触子)に搬送方向102(通過方向)において隣接する探触子T2も、試験体400の「軌道106よりも下側」に設置される。
(下側の定義)
「軌道106よりも下側」における「下側」については、次のように定義することとする。すなわち、水槽200で気泡103が上昇する方向(図10に記載した)を上側とし、気泡103が上昇する方向と反対の方向を下側とする。
「軌道106よりも下側」における「下側」については、次のように定義することとする。すなわち、水槽200で気泡103が上昇する方向(図10に記載した)を上側とし、気泡103が上昇する方向と反対の方向を下側とする。
(「軌道106よりも下側」についての説明)
さらに説明を続ける。上記で述べた、探触子T1、T2が「軌道106よりも下側」とは以下のような意味である。
図9は、図7の探触子T1〜T4をn番目の気泡除去カセット160(n)側から搬送方向102を見た場合に、各探触子の位置を重ねて描いた図である。探触子T1、T3、T4、T2の順に時計まわりに配置されている。図9では、軌道106を破線で示している。試験体400は、図9のように、図7における搬送方向102の矢視でみた場合に、破線で示した軌道106からはみ出ることなく水槽200内部を通過する。すなわち、軌道106とは、水槽200を通過する試験体400がはみ出ることの無い、水槽200における仮想的な試験体400の通路である。「下側」とは、より具体的に言えば、図9に示す、破線で示す軌道106の最下部に接する仮想的な水平線107よりも下側であることを意味する。図9のように、探触子T1、T2は、仮想的な水平線107よりも下側に配置される。同様に、「上側」とは、破線で示す軌道106の最上部に接する仮想的な水平線108よりも上側であることを意味する。なお探触子T1〜T4は、図9に示すように、中央の基準線109に対して略45度斜め下方(探触子T1,T2)及び略45度斜め上方(探触子T3,T4)に配置される。
さらに説明を続ける。上記で述べた、探触子T1、T2が「軌道106よりも下側」とは以下のような意味である。
図9は、図7の探触子T1〜T4をn番目の気泡除去カセット160(n)側から搬送方向102を見た場合に、各探触子の位置を重ねて描いた図である。探触子T1、T3、T4、T2の順に時計まわりに配置されている。図9では、軌道106を破線で示している。試験体400は、図9のように、図7における搬送方向102の矢視でみた場合に、破線で示した軌道106からはみ出ることなく水槽200内部を通過する。すなわち、軌道106とは、水槽200を通過する試験体400がはみ出ることの無い、水槽200における仮想的な試験体400の通路である。「下側」とは、より具体的に言えば、図9に示す、破線で示す軌道106の最下部に接する仮想的な水平線107よりも下側であることを意味する。図9のように、探触子T1、T2は、仮想的な水平線107よりも下側に配置される。同様に、「上側」とは、破線で示す軌道106の最上部に接する仮想的な水平線108よりも上側であることを意味する。なお探触子T1〜T4は、図9に示すように、中央の基準線109に対して略45度斜め下方(探触子T1,T2)及び略45度斜め上方(探触子T3,T4)に配置される。
(探触子T1等のエコー検出範囲)
図9を参照して、探触子T1等のエコーの検出範囲を説明する。探触子T1は範囲ニのエコーを検出し、探触子T2は範囲ハのエコーを検出し、探触子T3は範囲イのエコーを検出し、探触子T4は範囲ロのエコーを検出する。
図9を参照して、探触子T1等のエコーの検出範囲を説明する。探触子T1は範囲ニのエコーを検出し、探触子T2は範囲ハのエコーを検出し、探触子T3は範囲イのエコーを検出し、探触子T4は範囲ロのエコーを検出する。
図10は、探触子T1〜T4の配置の効果を説明する図である。図10に示すように、試験体400が水槽200に突入した時に水槽200のn番目の気泡除去カセット160(n)(試験体入り口部)に多く浮遊する気泡103は常に上方に移動する。よって、探触子T1、T2は軌道106の下側に設置されているので、気泡103を検出しなくなる。また、試験体400の上方に配置して範囲イ、範囲ロのエコーを検出する探触子T3,T4は、探触子T1、T2よりも搬送方向102の下流側に配置されている。つまり、試験体400が水槽200に突入した時に引き込まれる気泡103の少ない位置(下流側)に配置されている。このため、浮遊する気泡103の検出は大幅に軽減され、気泡103の検出による誤判定が改善できる。
(探触子ホルダ110)
図7、図8及び図11を参照して、探触子を取り付ける探触子ホルダ110を説明する。図7に示すように探触子ホルダ110は、ベース111、柱112−1〜112−4、探触子取付用ロッド113−1〜113−4を備えている。また、図8に探触子ホルダ110の構造を簡略して示した。ベース111には、4本の柱112−1〜112−4が立っており、柱112−1と柱112−3とを、探触子取付用ロッド113−1と探触子取付用ロッド113−3が連結している。また、柱112−2と柱112−4とを、探触子取付用ロッド113−2と探触子取付用ロッド113−4とが連結している。探触子取付用ロッド113−1〜113−4にはそれぞれ、探触子T1、T2、T3、T4が取り付けられている。以上の構成は一例である。
図7、図8及び図11を参照して、探触子を取り付ける探触子ホルダ110を説明する。図7に示すように探触子ホルダ110は、ベース111、柱112−1〜112−4、探触子取付用ロッド113−1〜113−4を備えている。また、図8に探触子ホルダ110の構造を簡略して示した。ベース111には、4本の柱112−1〜112−4が立っており、柱112−1と柱112−3とを、探触子取付用ロッド113−1と探触子取付用ロッド113−3が連結している。また、柱112−2と柱112−4とを、探触子取付用ロッド113−2と探触子取付用ロッド113−4とが連結している。探触子取付用ロッド113−1〜113−4にはそれぞれ、探触子T1、T2、T3、T4が取り付けられている。以上の構成は一例である。
図11は、探触子の別の取り付け構成を示す図である。図11(a1)は、軌道106の下側に配置される探触子T1、T2を取り付ける探触子取付用ロッド113−5を示す正面図(入り口側パッキン210側から搬送方向102を見た図)である。図11(a2)は、上面図である。図11(b1)は、軌道106の上側に配置される探触子T3、T4を取り付ける探触子取付用ロッド113−6を示す正面図である。図11(b2)は、その上面図である。図11のような構成でもよい。つまり、探触子ホルダ110は、A−A断面位置、B−B断面位置、C−C断面位置、D−D断面位置の各位置において、探触子T1〜T4の各探触子Tの位置が得られる構成であればよい。
(上側探触子グループと下側探触子グループ)
以上の説明では、図7に示すように、4個の探触子T1〜T4は、試験体400の軌道106よりも下側に設置される2個(複数)の探触子T1,T2から構成される下側探触子グループTG10と、下側探触子グループTG10に引き続いて搬送方向102(通過方向)において試験体400の軌道106よりも上側に設置される2個の探触子T3,T4から構成される上側探触子グループTG20とからなる。よって、探触子による気泡の検出結果を試験体の傷と誤判定することを効果的に抑制することができる。図8のように、搬送方向102の方向に並ぶ探触子を順にT1〜T4とし、また、同一円周上の位置をP1〜P4とした場合に、図8では、位置P1、P4に下側探触子グループTG10の探触子T1,T2を配置した。しかし探触子T1を位置P4に配置し、探触子T2を位置P1に配置してもよい。同様に、位置P2、P3に上側探触子グループTG20の探触子T3,T4を配置したが、探触子T3を位置P3に配置し、探触子T4を位置P2に配置してもよい。つまり、下側探触子グループTG10の探触子の位置は入れ替えてよいし、上側探触子グループTG20の探触子の位置も入れ替えてもよい。これは後述の図13の場合も同様である。
以上の説明では、図7に示すように、4個の探触子T1〜T4は、試験体400の軌道106よりも下側に設置される2個(複数)の探触子T1,T2から構成される下側探触子グループTG10と、下側探触子グループTG10に引き続いて搬送方向102(通過方向)において試験体400の軌道106よりも上側に設置される2個の探触子T3,T4から構成される上側探触子グループTG20とからなる。よって、探触子による気泡の検出結果を試験体の傷と誤判定することを効果的に抑制することができる。図8のように、搬送方向102の方向に並ぶ探触子を順にT1〜T4とし、また、同一円周上の位置をP1〜P4とした場合に、図8では、位置P1、P4に下側探触子グループTG10の探触子T1,T2を配置した。しかし探触子T1を位置P4に配置し、探触子T2を位置P1に配置してもよい。同様に、位置P2、P3に上側探触子グループTG20の探触子T3,T4を配置したが、探触子T3を位置P3に配置し、探触子T4を位置P2に配置してもよい。つまり、下側探触子グループTG10の探触子の位置は入れ替えてよいし、上側探触子グループTG20の探触子の位置も入れ替えてもよい。これは後述の図13の場合も同様である。
なお、以上の説明では、探触子T1(第1探触子)と、探触子T2(第2探触子)とを試験体400の軌道106の下側に配置する場合を説明した。しかし、気泡103の影響が少ないような場合は、図12のように、探触子T1(第1探触子)を試験体400の軌道106の下側に配置し、探触子T2は上側に配置する構成でも構わない。なお、探触子T3、あるいは探触子T4の一方は、下側となる。
なお、以上の説明では、探触子T1〜T4の4個の場合を説明したが、図13のように、例えば8個の探触子を用いる場合に、下側探触子グループTG10として探触子T1〜T4を配置し、上側探触子グループTG20として探触子T5〜T8を配置してもよい。このような探触子を多く使用する構成により、断面サイズの大きい材料を試験することが可能となる。
実施の形態3.
図14〜図16を参照して実施の形態3の超音波探傷装置1000を説明する。
(1)図14は、実施の形態3の超音波探傷装置1000の構成を模式的に示す図である。
実施の形態3の超音波探傷装置1000は、第1の押さえ機構部230、第2の押さえ機構部240が、水室2に設置されることが特徴であるので、図14では水室2のみ示し、水室1、水室3は省略した。
なお、水室1は、搬送機構410と、n番目の気泡除去カセット160(n)との間に形成される。また水室1は、搬送機構420と、第1番目の水漏れ防止カセット170(1)との間に形成される。
(2)また、第1の押さえ機構部230、第2の押さえ機構部240のそれぞれに、押さえ機構用局所ノズル251、252、押さえ機構用局所ノズル261、262を配置した点が特徴である。
図14〜図16を参照して実施の形態3の超音波探傷装置1000を説明する。
(1)図14は、実施の形態3の超音波探傷装置1000の構成を模式的に示す図である。
実施の形態3の超音波探傷装置1000は、第1の押さえ機構部230、第2の押さえ機構部240が、水室2に設置されることが特徴であるので、図14では水室2のみ示し、水室1、水室3は省略した。
なお、水室1は、搬送機構410と、n番目の気泡除去カセット160(n)との間に形成される。また水室1は、搬送機構420と、第1番目の水漏れ防止カセット170(1)との間に形成される。
(2)また、第1の押さえ機構部230、第2の押さえ機構部240のそれぞれに、押さえ機構用局所ノズル251、252、押さえ機構用局所ノズル261、262を配置した点が特徴である。
まず実施の形態3の超音波探傷装置1000の特徴を説明する。実施の形態3の超音波探傷装置1000では、図14に示すように、水槽200内部に、第1の押さえ機構部230と、第2の押さえ機構部240とを備えた点が特徴である。つまり、n番目の気泡除去カセット160(n)側の配列探触子T1の直前に第1の押さえ機構部230を配置した。また、第1番目の水漏れ防止カセット170(1)側である、配列探触子のうちの最後の探触子T4の直後に、第2の押さえ機構部240を配置した。この配置により試験体400の搬送方向102において、第1の押さえ機構部230と第2の押さえ機構部240との距離L23(図14)を、図16の距離L22に比べて短くした。つまり、
L23<L22
とした。
試験体400の長さ方向において短い距離で、下側ロール機構232,242のVロール部(後述する)に搬送させることを可能とした。
図16のように距離L22が長い場合は、試験体400の先端が寸法H1<H2<H3のように、たわむ場合があった。出口側押さえ機構部320側だけで押さえる場合も同様である。図16の様に試験体400が変形すると探触子と試験体との芯が合わず、検査精度の点で課題があったが、第1の押さえ機構部230、第2の押さえ機構部240を水室2の内部に配置することで、試験体400の曲がり(図16)や、剛性の低さによる自重垂れを抑制できるので、試験体の搬送方向に複数配列された探触子それぞれにおいて探触子と試験体との芯を合わせる事が可能となる。従って、試験体の先端部と後端部で発生する超音波信号の不安定区間を大幅に短縮できる効果がある。
L23<L22
とした。
試験体400の長さ方向において短い距離で、下側ロール機構232,242のVロール部(後述する)に搬送させることを可能とした。
図16のように距離L22が長い場合は、試験体400の先端が寸法H1<H2<H3のように、たわむ場合があった。出口側押さえ機構部320側だけで押さえる場合も同様である。図16の様に試験体400が変形すると探触子と試験体との芯が合わず、検査精度の点で課題があったが、第1の押さえ機構部230、第2の押さえ機構部240を水室2の内部に配置することで、試験体400の曲がり(図16)や、剛性の低さによる自重垂れを抑制できるので、試験体の搬送方向に複数配列された探触子それぞれにおいて探触子と試験体との芯を合わせる事が可能となる。従って、試験体の先端部と後端部で発生する超音波信号の不安定区間を大幅に短縮できる効果がある。
(超音波探傷装置1000の構成)
実施の形態3の超音波探傷装置1000は、図14に示すように、水槽200の水中に配置される複数の探触子T1〜T4等、水槽200の水中に配置される第1の押さえ機構部230、水槽200の水中に配置される第2の押さえ機構部240、水槽200の水中に配置される押さえ機構用局所ノズル251、252(入り口側)、押さえ機構用局所ノズル261,262(出口側)等を備えている。
実施の形態3の超音波探傷装置1000は、図14に示すように、水槽200の水中に配置される複数の探触子T1〜T4等、水槽200の水中に配置される第1の押さえ機構部230、水槽200の水中に配置される第2の押さえ機構部240、水槽200の水中に配置される押さえ機構用局所ノズル251、252(入り口側)、押さえ機構用局所ノズル261,262(出口側)等を備えている。
(試験体400)
図14において、試験体400(棒状試験体)は、水槽200の水中を略直線的な軌道106(探触子T2の下に示した)で通過する棒状体を想定する。試験体400は、n番目の気泡除去カセット160(n)側の搬送機構410に搬送されることにより、水槽200に形成された試験体400の入り口であるn番目の気泡除去カセット160(n)(試験体入り口)を介して、大気中から水槽200の水室2の水中に進入する。そして、第1の押さえ機構部230により送出され、探触子に超音波を照射され、第2の押さえ機構部240に送出されることで、試験体出口である第1番目から第m番目の水漏れ防止カセット170を介して、水中から搬送機構420へと大気中へ出ていく。なお、試験体400は、例えば、長さが3m〜6m程度であり、直径φdは18mm〜120mm程度である。ただし、この寸法は一例である。試験体400は、断面が円形、矩形、多角形等であるが、特に限定されない。図14の超音波探傷装置1000では、上記のような長さ3m〜6m程度の試験体400が、0.5秒程度の間隔で、水槽200の中に搬入される。
図14において、試験体400(棒状試験体)は、水槽200の水中を略直線的な軌道106(探触子T2の下に示した)で通過する棒状体を想定する。試験体400は、n番目の気泡除去カセット160(n)側の搬送機構410に搬送されることにより、水槽200に形成された試験体400の入り口であるn番目の気泡除去カセット160(n)(試験体入り口)を介して、大気中から水槽200の水室2の水中に進入する。そして、第1の押さえ機構部230により送出され、探触子に超音波を照射され、第2の押さえ機構部240に送出されることで、試験体出口である第1番目から第m番目の水漏れ防止カセット170を介して、水中から搬送機構420へと大気中へ出ていく。なお、試験体400は、例えば、長さが3m〜6m程度であり、直径φdは18mm〜120mm程度である。ただし、この寸法は一例である。試験体400は、断面が円形、矩形、多角形等であるが、特に限定されない。図14の超音波探傷装置1000では、上記のような長さ3m〜6m程度の試験体400が、0.5秒程度の間隔で、水槽200の中に搬入される。
(探触子)
図14の複数の探触子T1〜T4等は、試験体400に対して超音波を送信し、送信した超音波のエコーを検出する。探触子T1等は、試験体400がn番目の気泡除去カセット160から第1番目の水漏れ防止カセット170に向かう搬送方向102(通過方向)において順次一つずつ水中に設置されている。
図14の複数の探触子T1〜T4等は、試験体400に対して超音波を送信し、送信した超音波のエコーを検出する。探触子T1等は、試験体400がn番目の気泡除去カセット160から第1番目の水漏れ防止カセット170に向かう搬送方向102(通過方向)において順次一つずつ水中に設置されている。
(第1の押さえ機構部230)
図15は、第1の押さえ機構部230のW方向(図14)の矢視である。図15も参照して第1の押さえ機構部230を説明する。第1の押さえ機構部230は、上側ロール機構231と、下側ロール機構232とを備えている。上側ロール機構231は、ロール231−1、231−2を備えている。下側ロール機構232は、ロール232−1、232−2を備えている。第1の押さえ機構部230は、複数の探触子のうち、搬送方向102においてn番目の気泡除去カセット160(n)の最も近くに設置される探触子T1(第1探触子)の直前でn番目の気泡除去カセット160(n)の側に水槽200の水中に設置される。第1の押さえ機構部230は、n番目の気泡除去カセット160(n)を介して進入した試験体400の先端を受け入れると共に、上側ロール機構231と下側ロール機構232とで試験体400を押さえながら、下側ロール機構232の駆動力(回転力)によって、搬送方向102へ試験体400を送り出す。
図15は、第1の押さえ機構部230のW方向(図14)の矢視である。図15も参照して第1の押さえ機構部230を説明する。第1の押さえ機構部230は、上側ロール機構231と、下側ロール機構232とを備えている。上側ロール機構231は、ロール231−1、231−2を備えている。下側ロール機構232は、ロール232−1、232−2を備えている。第1の押さえ機構部230は、複数の探触子のうち、搬送方向102においてn番目の気泡除去カセット160(n)の最も近くに設置される探触子T1(第1探触子)の直前でn番目の気泡除去カセット160(n)の側に水槽200の水中に設置される。第1の押さえ機構部230は、n番目の気泡除去カセット160(n)を介して進入した試験体400の先端を受け入れると共に、上側ロール機構231と下側ロール機構232とで試験体400を押さえながら、下側ロール機構232の駆動力(回転力)によって、搬送方向102へ試験体400を送り出す。
(第2の押さえ機構部240)
第2の押さえ機構部240の構成は、第1の押さえ機構部230と同じである。第2の押さえ機構部240は、上側ロール機構241と、下側ロール機構242とを備えている。上側ロール機構241は、ロール241−1、241−2を備えている。下側ロール機構242は、ロール242−1、242−2を備えている。第2の押さえ機構部240は、複数の探触子のうち、搬送方向102において第1番目の水漏れ防止カセット170(1)の最も近くに設置される探触子である探触子T4(最後探触子)の直後で、第1番目の水漏れ防止カセット170(1)の側に水槽200の水中に設置される。第2の押さえ機構部240は、第1の押さえ機構部230によって送りだされた試験体400の先端を受け入れると共に、上側ロール機構241と下側ロール機構242とで試験体400を押さえながら、下側ロール機構242の駆動力(回転力)によって、第1番目の水漏れ防止カセット170(1)を介して水中から大気中の搬送機構420に試験体400を送り出す。
第2の押さえ機構部240の構成は、第1の押さえ機構部230と同じである。第2の押さえ機構部240は、上側ロール機構241と、下側ロール機構242とを備えている。上側ロール機構241は、ロール241−1、241−2を備えている。下側ロール機構242は、ロール242−1、242−2を備えている。第2の押さえ機構部240は、複数の探触子のうち、搬送方向102において第1番目の水漏れ防止カセット170(1)の最も近くに設置される探触子である探触子T4(最後探触子)の直後で、第1番目の水漏れ防止カセット170(1)の側に水槽200の水中に設置される。第2の押さえ機構部240は、第1の押さえ機構部230によって送りだされた試験体400の先端を受け入れると共に、上側ロール機構241と下側ロール機構242とで試験体400を押さえながら、下側ロール機構242の駆動力(回転力)によって、第1番目の水漏れ防止カセット170(1)を介して水中から大気中の搬送機構420に試験体400を送り出す。
(制御部120)
図14に示すように、試験体400は、搬送制御装置430によって駆動制御される搬送機構410(搬送機構)で搬送されてn番目の気泡除去カセット160(n)を介して大気中から水室2の水中に進入する。この場合、制御部120は、搬送機構410,420を駆動制御する搬送制御装置430の有する所定の情報を搬送制御装置430から入力する。そして、制御部120は、入力したこの情報に基づいて、第1の押さえ機構部230と、第2の押さえ機構部240を制御する。制御部120は、第1の押さえ機構部230の上側ロール機構231の下降、上昇の制御と、下側のロール232−1、232−2の駆動の制御を行う。
具体的には次の様である。
図14に示すように、試験体400は、搬送制御装置430によって駆動制御される搬送機構410(搬送機構)で搬送されてn番目の気泡除去カセット160(n)を介して大気中から水室2の水中に進入する。この場合、制御部120は、搬送機構410,420を駆動制御する搬送制御装置430の有する所定の情報を搬送制御装置430から入力する。そして、制御部120は、入力したこの情報に基づいて、第1の押さえ機構部230と、第2の押さえ機構部240を制御する。制御部120は、第1の押さえ機構部230の上側ロール機構231の下降、上昇の制御と、下側のロール232−1、232−2の駆動の制御を行う。
具体的には次の様である。
(下側の制御)
制御部120は、搬送制御装置430から受信した試験体400の試験体サイズ信号121、搬送速度信号122により、下側ロール機構232,242のそれぞれの「下側Vロール」の回転速度を制御する。「下側Vロール」とは、下側ロール機構232のロール232−1、232−2、及び下側ロール機構242のロール242−1、242−2は、Vロールを想定しているからである。試験体サイズ信号121及び搬送速度信号122は前記の「所定の情報」の一例である。下側の制御は、図14に示すように下側のロール232−1、232−2、ロール242−1、242−2は連結器291を介してモーター290と接続されている。連結器291とは、例えばチェーン、ベルト、ギアなどの動力伝達機構である。制御部120はモーター290の回転数制御を介して、下側のロール232−1等の駆動制御を行う。
制御部120は、搬送制御装置430から受信した試験体400の試験体サイズ信号121、搬送速度信号122により、下側ロール機構232,242のそれぞれの「下側Vロール」の回転速度を制御する。「下側Vロール」とは、下側ロール機構232のロール232−1、232−2、及び下側ロール機構242のロール242−1、242−2は、Vロールを想定しているからである。試験体サイズ信号121及び搬送速度信号122は前記の「所定の情報」の一例である。下側の制御は、図14に示すように下側のロール232−1、232−2、ロール242−1、242−2は連結器291を介してモーター290と接続されている。連結器291とは、例えばチェーン、ベルト、ギアなどの動力伝達機構である。制御部120はモーター290の回転数制御を介して、下側のロール232−1等の駆動制御を行う。
(上側の制御)
また制御部120は、搬送制御装置430から受信する試験体通過信号123に基づき、第1の押さえ機構部230の上側ロール機構231と、第2の押さえ機構部240の上側ロール機構241との下降と上昇のタイミングを制御部120で制御する。「試験体通過信号123」とは、例えば、試験体400が、第1の押さえ機構部230に到達することを知らせる信号である。制御部120は、この情報と、予め有する第1の押さえ機構部230と第2の押さえ機構部240との間の距離L23などの寸法情報から、上側ロール機構231、上側ロール機構241の下降と上昇のタイミングを制御できる。
また制御部120は、搬送制御装置430から受信する試験体通過信号123に基づき、第1の押さえ機構部230の上側ロール機構231と、第2の押さえ機構部240の上側ロール機構241との下降と上昇のタイミングを制御部120で制御する。「試験体通過信号123」とは、例えば、試験体400が、第1の押さえ機構部230に到達することを知らせる信号である。制御部120は、この情報と、予め有する第1の押さえ機構部230と第2の押さえ機構部240との間の距離L23などの寸法情報から、上側ロール機構231、上側ロール機構241の下降と上昇のタイミングを制御できる。
第1の押さえ機構部230,第2の押さえ機構部240に対する制御部120の制御によって、第1の押さえ機構部230、第2の押さえ機構部240を試験体400が通過する時の抵抗や振動を、大幅に軽減できる。よって、それぞれの探触子と試験体との相対的な位置関係を維持、確保できる。
図15に示すように、上側に制御部120による上昇と下降との制御が可能な上側ロール機構231が配置され、下側には、下側ロール機構232が配置される。図15(a)はVロールを用いた機構、図15(b)は別の機構を示す。下側ロール機構232には制御部120によって回転速度の制御可能なVロールが下側ロール232−1、232−2として使用される。なお図15には、後述する押さえ機構用局所ノズル251を示した。第2の押さえ機構部240も同様の構成である。
(押さえ機構用局所ノズル251等)
図14に示すように、超音波探傷装置1000は、押さえ機構用局所ノズル251等を備えている。押さえ機構用局所ノズル251、252(第1液体噴射部)は、第1の押さえ機構部230に向けて水を噴射し、押さえ機構用局所ノズル261、262は、第2の押さえ機構部240に向けて水を噴射する。これにより、試験体400が水中に引き込んだ気泡、ゴミなどを、第1の押さえ機構部230あるいは第2の押さえ機構部240が巻き込んで停滞させるのを防ぐ効果がある。押さえ機構用局所ノズル251,252は、第1の押さえ機構部230が試験体400の先端を受け入れる辺りである噴射目標範囲265に水を噴射する。押さえ機構用局所ノズル261,262(第2液体噴射部)も、第2の押さえ機構部240が試験体400の先端を受け入れる辺りである噴射目標範囲(噴射目標範囲265と同等の範囲)に水を噴射する。なお、図14では、第1の押さえ機構部230と、第2の押さえ機構部240とのそれぞれに押さえ機構用局所ノズルを配置したが、少なくとも、第1の押さえ機構部230に配置することで効果がある。これは、n番目の気泡除去カセット160(n)の近くの方が、第1番目の水漏れ防止カセット170(1)の近くよりも試験体400によって気泡が引き込まれ、水中に浮遊する気泡が多いからである。第2の押さえ機構部240にも押さえ機構用局所ノズル261,262を配置すれば、さらに、気泡、ゴミなどの除去効果が高まるので、さらに好適である。
図14に示すように、超音波探傷装置1000は、押さえ機構用局所ノズル251等を備えている。押さえ機構用局所ノズル251、252(第1液体噴射部)は、第1の押さえ機構部230に向けて水を噴射し、押さえ機構用局所ノズル261、262は、第2の押さえ機構部240に向けて水を噴射する。これにより、試験体400が水中に引き込んだ気泡、ゴミなどを、第1の押さえ機構部230あるいは第2の押さえ機構部240が巻き込んで停滞させるのを防ぐ効果がある。押さえ機構用局所ノズル251,252は、第1の押さえ機構部230が試験体400の先端を受け入れる辺りである噴射目標範囲265に水を噴射する。押さえ機構用局所ノズル261,262(第2液体噴射部)も、第2の押さえ機構部240が試験体400の先端を受け入れる辺りである噴射目標範囲(噴射目標範囲265と同等の範囲)に水を噴射する。なお、図14では、第1の押さえ機構部230と、第2の押さえ機構部240とのそれぞれに押さえ機構用局所ノズルを配置したが、少なくとも、第1の押さえ機構部230に配置することで効果がある。これは、n番目の気泡除去カセット160(n)の近くの方が、第1番目の水漏れ防止カセット170(1)の近くよりも試験体400によって気泡が引き込まれ、水中に浮遊する気泡が多いからである。第2の押さえ機構部240にも押さえ機構用局所ノズル261,262を配置すれば、さらに、気泡、ゴミなどの除去効果が高まるので、さらに好適である。
制御部120は、給水タンク280に貯えられた水(例えば脱気水)を、ポンプ292と、電磁バルブ270との制御を介して、押さえ機構用局所ノズル251、252、261、262の噴射する水の流速を制御する。
図14、図15等に示すように、押さえ機構用局所ノズル251、252は、試験体400の噴射目標範囲265よりも下から、水を噴射する。押さえ機構用局所ノズル261、262も、試験体400の噴射目標範囲(噴射目標範囲265と同等の範囲)よりも下から、水を噴出する。
図14、図15等に示すように、押さえ機構用局所ノズル251、252は、試験体400の噴射目標範囲265よりも下から、水を噴射する。押さえ機構用局所ノズル261、262も、試験体400の噴射目標範囲(噴射目標範囲265と同等の範囲)よりも下から、水を噴出する。
また制御部120(噴射制御部)は、搬送制御装置430から受信した「所定の情報」である試験体サイズ信号121、搬送速度信号122、試験体通過信号123等に基づいて、押さえ機構用局所ノズル251等が噴射する水の流速を制御する。この制御により、試験体400のサイズ、試験体400の搬送速度などに応じて、効果的に気泡やゴミを除去することができる。つまり試験体400のサイズが大きい場合や、搬送速度が大きい場合は、流速を大きくして気泡を除去しやすくすることができる。
以上に説明した実施の形態は、互いに組合せてよいことはもちろんである。つまり、いずれか二つの実施の形態を組み合わせてもよいし、実施の形態1〜3の3つを組み合わせてもよい。
T1,T2,T3,T4,T5,T6,T7,T8 探触子、TG10 下側探触子グループ、TG20 上側探触子グループ、101 仮想円柱、102 搬送方向、103 気泡、104 水、106 軌道、107,108 仮想的な水平線、110 探触子ホルダ、111 ベース、112−1,112−2,112−3,112−4 柱、113−1,113−2,113−3,113−4,113−5,113−6 探触子取付用ロッド、120 制御部、121 試験体サイズ信号、122 搬送速度信号、123 試験体通過信号、131,132 探触子用水噴射ノズル、132−1 水流、140 開口形成パッキン、141 パッキン取付部、142 開口形成パッキン本体、143 開口、150 スリット形成パッキン、151 パッキン取付部、152 スリット形成パッキン本体、153 スリット、160 気泡除去カセット、161 取付ベース、161−1 外縁、162 スリット溝、170 水漏れ防止カセット、200 水槽、210 入り口側パッキン、220 出口側パッキン、230 第1の押さえ機構部、231 上側ロール機構、232 下側ロール機構、231−1,231−2 ロール、232−1,232−2 ロール、240 第2の押さえ機構部、241 上側ロール機構、241−1,241−2 ロール、242 下側ロール機構、242−1,242−2 ロール、251,252,261,262 押さえ機構用局所ノズル、265 噴射目標範囲、266 超音波通過エリア、270 電磁バルブ、280 給水タンク、281 配管、290 モーター、291 連結器、292 ポンプ、310 入り口側押さえ機構部、311 上側ロール機構、312 下側ロール機構、320 出口側押さえ機構部、321 上側ロール機構、322 下側ロール機構、400 試験体、410,420 搬送機構、430 搬送制御装置、1000 超音波探傷装置。
Claims (12)
- 液体が充填された試験槽の液体中を略直線的な軌道で通過する棒状体であって前記試験槽に形成された試験体入り口を介して大気中から液体中に進入し、前記試験槽に形成された試験体出口を介して液体中から前記大気中へ出ていく棒状体である棒状試験体を超音波探傷する超音波探傷装置であって、
前記棒状試験体に対して超音波を送信し、送信した前記超音波のエコーを検出すると共に、前記試験体入り口から前記試験体出口に向かう通過方向において順次一つずつ液体中に設置された複数の探触子と、
前記複数の探触子が前記棒状試験体に向けて送信した超音波と、送信した超音波のエコーとが通過する領域である超音波通過エリアと、前記試験体入り口との間において前記試験槽に配置され、前記棒状試験体が通過する開口であって前記棒状試験の断面よりもやや小さい開口が形成されたパッキンである開口形成パッキンを有する入り口側パッキン部と
を備えたことを特徴とする超音波探傷装置。 - 前記入り口側パッキン部は、さらに、
前記開口形成パッキンが取り付けられ、外縁が前記試験槽の内側と密着することで前記試験槽の液体を前記超音波通過エリアの側と、前記試験体入り口の側とに液体を仕切る仕切部を有することを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。 - 前記入り口側パッキン部は、さらに、
前記通過方向で前記開口形成パッキンに重ねて前記仕切り部に取り付けられ、前記棒状試験体を通過させるための放射状のスリットが形成されたパッキンであるスリット形成パッキンを有することを特徴とする請求項2記載の超音波探傷装置。 - 前記入り口側パッキン部は、
前記超音波通過エリアと、前記試験体入り口との間に、前記通過方向で2個以上設置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超音波探傷装置。 - 前記2個以上のすべての入り口側パッキン部は、
適用可能な前記棒状試験体を識別する識別部であって、識別部検出装置によって検出される識別部を有することを特徴とする請求項4記載の超音波探傷装置。 - 前記試験体入り口は、
前記開口形成パッキンを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の超音波探傷装置。 - 前記超音波探傷装置は、さらに、
前記超音波通過エリアのあたりに向けて液体を噴射する液体噴射部を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の超音波探傷装置。 - 前記液体噴射部は、
前記超音波通過エリアよりも下側から、前記超音波通過エリアの辺りに向けて液体を噴射することを特徴とする請求項7記載の超音波探傷装置。 - 前記超音波探傷装置は、さらに、
前記液体噴射部が噴射する液体の流速を制御する噴射制御部を備えたことを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載の超音波探傷装置。 - 前記超音波探傷装置は、さらに、
前記試験槽における前記超音波通過エリアと、前記試験体出口との間に配置され、前記棒状試験体を通過させるための放射状のスリットが形成されたパッキンであるスリット形成パッキンと、前記スリット形成パッキンが取り付けられ、外縁が前記試験槽の内側と密着することで前記超音波通過エリアの側と前記試験体出口の側とに液体を仕切る仕切部とを有する出口側パッキン部を
備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の超音波探傷装置。 - 前記出口側パッキン部は、
前記超音波通過エリアと、前記試験体出口との間に、前記通過方向で2個以上設置されることを特徴とする請求項10記載の超音波探傷装置。 - 前記試験槽の液体は、
脱気水であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の超音波探傷装置。
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2012
- 2012-01-17 JP JP2012007285A patent/JP2013148384A/ja active Pending
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