JP2013148359A - 高速増殖炉原子炉容器内上部プレナム内整流装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却材吸込み配管と原子炉容器の内面と間の隙間に設けられ、冷却材吸込み配管の吸込み口よりも上方及び下方に延びているフローガイドと、内側波立ち防止板の周縁部から下方に垂れ下がった鍔部を、上部プレナム内整流装置として備える。更には、内側波立ち防止板の下面からバッフル板のスリット部に向かって下方へ垂れ下がり、バッフル板の周方向の両側と、バッフル板の径方向の内側(又は内側及び外側)を仕切る仕切り板を備える。或いは、内側波立ち防止板の下面から下方に垂れ下がり、スリット部に対応する位置に切欠き部を有し、複数の管の周囲を囲む多孔胴、又は、内側波立ち防止板の下面から下方に垂れ下がり、複数の管の周囲全体を囲む多孔胴を備える。
【選択図】図5
Description
前記冷却材吸込み配管と前記FBR原子炉容器の内面と間の隙間に設けられ、前記冷却材吸込み配管の吸込み口よりも上方及び下方に延びている少なくとも1本のフローガイドを有することを特徴とする。
前記フローガイドは、前記FBR原子炉容器の炉壁に設けられている熱遮蔽板を折り曲げて形成したものであることを特徴とする。
前記内側波立ち防止板の周縁部から下方に垂れ下がった鍔部を有することを特徴とする。
前記内側波立ち防止板の下面から前記スリット部に向かって下方へ垂れ下がり、前記バッフル板の周方向の両側と、前記バッフル板の径方向の内側を仕切る仕切り板を有すること、
又は、前記内側波立ち防止板の下面から前記スリット部に向かって下方へ垂れ下がり、前記バッフル板の周方向の両側と、前記バッフル板の径方向の内側及び外側を仕切る仕切り板を有すること、
を特徴とする。
前記内側波立ち防止板の下面から下方に垂れ下がり、前記スリット部に対応する位置に切欠き部を有し、前記複数の管の周囲を囲む多孔胴を有すること、
又は、前記内側波立ち防止板の下面から下方に垂れ下がり、前記複数の管の周囲全体を囲む多孔胴を有すること、
を特徴とする。
即ち、冷却材は、フローガイドに沿って下降することにより、循環の無い流れとなって、冷却材吸込み配管の吸込み口へ向かう。同様に、冷却材は、フローガイドに沿って上昇することにより、循環の無い流れとなって、冷却材吸込み配管の吸込み口へ向かう。このため、冷却材吸込み配管の吸込み口近傍での液中渦の発生を防止することができる。
即ち、原子炉運転時と原子炉停止時では温度差が大きいため、原子炉容器と構造物の熱伸びの関係から、原子炉容器の炉壁に構造物を溶接することができない場合がある。この場合にはフローガイドを炉壁に溶接することができない。これに対して、熱遮蔽板を折り曲げてフローガイドを形成する場合には、熱伸びの影響を受けることがなく、確実にフローガイドを設けることができる。
即ち、鍔部を設けない場合、冷却材は、内側波立ち防止板の下面に衝突して水平に広がりながら前記FBR原子炉容器の内面に向かい大きな旋回半径を有する旋回流となり、冷却材吸込み配管に対して循環の大きい下降流となる。
これに対して、鍔部を設けた場合には、内側波立ち防止板の下面に衝突して水平に広がった冷却材の流れを、鍔部によって下方に向けることができる。このため、冷却材の下降流の旋回半径を小さくて循環を小さくすることができる。従って、液中渦の発生を防止することができる。
即ち、仕切り板を設けない場合、冷却材は、スリット部を通って内側波立ち防止板の下面まで達し、前記下面に衝突して水平に広がるため、大きな旋回半径を有する旋回流となり、冷却材吸込み配管に対して循環の大きい下降流となる。また、スリット部側へ流出する冷却材流量のほうが、スリット部と反対側へ流出する冷却材流量よりも多くなる。
これに対して、仕切り板を設けた場合には、仕切り板によって冷却材の流れが堰き止められるため、仕切り板内の圧力が高くなる。このため、スリット部を上昇する冷却材は、仕切り板内(内側波立ち防止板の下面)に達する前に水平に(バッフル板の径方向の外側へ)に流出する。従って、冷却材は旋回半径が小さく循環の小さい下降流となるため、液中渦の発生を防止することができる。また、スリット部と反対側へ流出する冷却材の流量が増加するという効果も得られるため、スリット部側の冷却材流量と、スリット部と反対側の冷却材流量のバランスも改善される。
即ち、多孔胴を設けない場合、冷却材は、スリット部を通って内側波立ち防止板の下面まで達し、前記下面に衝突して水平に広がりながら前記FBR原子炉容器の内面に向かい大きな旋回半径を有する旋回流となり、冷却材吸込み配管に対して循環の大きい下降流となる。また、スリット部側へ流出する冷却材流量のほうが、スリット部と反対側へ流出する冷却材流量よりも多くなる。
これに対して、多孔胴を設けた場合には、多孔胴が流動抵抗となるため、スリット部を上昇した冷却材の流れを弱めると同時に、多孔胴に対して周方向の流量分配を均一に近づけることにより、スリット部を上昇し内側波立ち防止板の下面に衝突して水平に広がりながら前記FBR原子炉容器の内面に向かい冷却材吸込み配管に吸い込まれる流れによる循環を抑制する。従って、液中渦の発生を防止することができる。また、スリット部と反対側へ流出する冷却材の流量が増加するという効果も得られるため、スリット部側の冷却材流量と、スリット部と反対側の冷却材流量のバランスも改善される。
図1〜図7に基づき、本発明の実施の形態例1に係る上部プレナム内整流装置について説明する。
フローガイド61の横断面形状も、三角形状(図6(a))に限定するものではなく、実験などにより、最適な形状となるように適宜調整すればよい。例えば、フローガイド61の横断面形状を、図6(b)に示すような矩形状にしてもよい。このような矩形状のフローガイド61も、熱遮蔽板51を折り曲げることによって形成することができる。
フローガイド61の寸法(長さ、突起の高さ、幅)についても、実験などにより、最適なものとなるように適宜調整すればよい。
鍔部62の寸法(長さ、高さ、幅、厚さ)についても、実験などにより、最適なものとなるように適宜調整すればよい。
即ち、原子炉運転時と原子炉停止時では温度差が大きいため、原子炉容器21と構造物の熱伸びの関係から、原子炉容器21の炉壁21aに構造物を溶接することができない場合がある。この場合にはフローガイドを炉壁に溶接することができない。これに対して、熱遮蔽板51を折り曲げてフローガイド61を形成する場合には、熱伸びの影響を受けることがなく、確実にフローガイド61を設けることができる。
これに対して、鍔部62を設けた場合には、内側波立ち防止板(内側ディッププレート)33の下面に衝突して水平に広がった冷却材26の流れを、矢印F15の如く鍔部62によって下方に向けることができる。このため、冷却材26の下降流の旋回半径R1を小さくして循環を小さくすることができる。従って、液中渦の発生を防止することができる。
図8〜図10に基づき、本発明の実施の形態例2に係る上部プレナム内整流装置について説明する。なお、本実施の形態例2の上部プレナム内整流装置を適用するFBR原子炉容器の構成などについては、上記実施の形態例1(図1〜図4)の場合と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、図8〜図10において上記実施の形態例1と同様の部分には同一の符号を付しており、重複する詳細な説明は省略する。
これに対して、仕切り板71を設けた場合には、仕切り板71によって冷却材26の流れが堰き止められるため、仕切り板71内の圧力が高くなる。このため、スリット部32bを上昇する冷却材26は、仕切り板71内(内側波立ち防止板(内側ディッププレート)33の下面)に達する前に水平に(バッフル板32の径方向の外側へ)に流出する。従って、冷却材26は旋回半径が小さく循環の小さい下降流となるため、液中渦の発生を防止することができる。また、スリット部32bと反対側へ流出する冷却材26の流量が増加するという効果も得られるため、スリット部32b側の冷却材流量と、スリット部32bと反対側の冷却材流量のバランスも改善される。
図11〜図13に基づき、本発明の実施の形態例3に係る上部プレナム内整流装置について説明する。なお、本実施の形態例3の上部プレナム内整流装置を適用するFBR原子炉容器の構成などについては、上記実施の形態例1(図1〜図4)の場合と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、図11〜図13において上記実施の形態例1と同様の部分には同一の符号を付しており、重複する詳細な説明は省略する。
これに対して、多孔胴81を設けた場合には、多孔胴81が流動抵抗となるため、スリット部32bを上昇した冷却材26の流れを弱めると同時に、多孔胴81に対して周方向の流量分配を均一に近づけることにより、スリット部32bを上昇し内側波立ち防止板(内側ディッププレート)33の下面に衝突して水平に広がりながらFBR原子炉容器21の内面51aに向かい冷却材吸込み配管(ホットレグ配管)34に吸い込まれる流れによる循環を抑制する。従って、液中渦の発生を防止することができる。また、スリット部32bと反対側へ流出する冷却材26の流量が増加するという効果も得られるため、スリット部32b側の冷却材流量と、スリット部32bと反対側の冷却材流量のバランスも改善される。
21a 炉壁
22 炉心
23 上部プレナム
24 下部プレナム
25 炉心上部機構
26 冷却材(液体金属ナトリウム)
26a 液面
27 空間部
28 ルーフデッキ
31 管
32 バッフル板
32a 流路孔
32b スリット部
33 内側波立ち防止板(内側ディッププレート)
33a 燃料交換機挿入用の貫通孔
34 冷却材吸込み配管(ホットレグ配管)
34a 吸込み口
35 外側波立ち防止板(外側ディッププレート)
37 外管
41 燃料交換機貫通孔プラグ
42 冷却材供給配管(コールドレグ配管)
43 コールドトラップ
44 直接炉心冷却系熱交換器
45 燃料出入機案内管
46 外管
51 熱遮蔽板
51a 内面
52 燃料交換機
61 フローガイド
62 鍔部
63 隙間
71 仕切り板
71a,71b 側板
71c 内側板
71d 上板
71e 外側板
81 多孔胴
81a 流路孔
81b 切欠き部
Claims (5)
- 上下方向に延びた複数本の管と、前記管が貫通し、燃料交換機挿入用のスリット部が形成され且つ円板状の多孔板である複数枚のバッフル板と、前記バッフル板のうちの最上段のバッフル板の上方に配設され且つ燃料交換機挿入用の貫通孔を有し、前記管が貫通している円板状の内側波立ち防止板と、下端の吸込み口が前記バッフル板の側方に位置し且つ上方へ延びた少なくとも1本の冷却材吸込み配管と、前記冷却材吸込み配管が貫通している円環状の外側波立ち防止板が設けられている高速増殖炉原子炉容器内の上部プレナム内において、冷却材を整流するための上部プレナム内整流装置であって、
前記冷却材吸込み配管と前記原子炉容器の内面と間の隙間に設けられ、前記冷却材吸込み配管の吸込み口よりも上方及び下方に延びている少なくとも1本のフローガイドを有することを特徴とする高速増殖炉原子炉容器内上部プレナム内整流装置。 - 請求項1に記載の高速増殖炉原子炉容器内上部プレナム内整流装置において、
前記フローガイドは、前記高速増殖炉原子炉容器の炉壁に設けられている熱遮蔽板を折り曲げて形成したものであることを特徴とする高速増殖炉原子炉容器内上部プレナム内整流装置。 - 請求項1又は2に記載の高速増殖炉原子炉容器内上部プレナム内整流装置において、
前記内側波立ち防止板の周縁部から下方に垂れ下がった鍔部を有することを特徴とする高速増殖炉原子炉容器内上部プレナム内整流装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の高速増殖炉原子炉容器内上部プレナム内整流装置において、
前記内側波立ち防止板の下面から前記スリット部に向かって下方へ垂れ下がり、前記バッフル板の周方向の両側と、前記バッフル板の径方向の内側を仕切る仕切り板を有すること、
又は、前記内側波立ち防止板の下面から前記スリット部に向かって下方へ垂れ下がり、前記バッフル板の周方向の両側と、前記バッフル板の径方向の内側及び外側を仕切る仕切り板を有すること、
を特徴とする高速増殖炉原子炉容器内上部プレナム内整流装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の高速増殖炉原子炉容器内上部プレナム内整流装置において、
前記内側波立ち防止板の下面から下方に垂れ下がり、前記スリット部に対応する位置に切欠き部を有し、前記複数の管の周囲を囲む多孔胴を有すること、
又は、前記内側波立ち防止板の下面から下方に垂れ下がり、前記複数の管の周囲全体を囲む多孔胴を有すること、
を特徴とする高速増殖炉原子炉容器内上部プレナム内整流装置。
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- 2012-01-17 JP JP2012006759A patent/JP5959043B2/ja active Active
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