JP2013147639A - 糖ペプチドの製造方法、糖アミノ酸の製造方法および糖タンパク質の製造方法 - Google Patents

糖ペプチドの製造方法、糖アミノ酸の製造方法および糖タンパク質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】糖タンパク質の製造に必要な糖鎖を有する糖ペプチドおよび糖アミノ酸を安価かつ大量に供給可能な糖ペプチドおよび糖アミノ酸の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の糖ペプチドの製造方法は、前記糖ペプチドの糖が、シアル酸が結合した糖鎖であり、エミュー(Dromaius novaehollandiae)の卵から、前記糖ペプチドを分離する糖ペプチド分離工程を有することを特徴とする。本発明の糖アミノ酸の製造方法は、前記糖ペプチドから前記糖アミノ酸を分離する糖アミノ酸分離工程を含み、前記糖アミノ酸分離工程において、前記糖ペプチドが、本発明の糖ペプチドの製造方法によって得られた糖ペプチドであることを特徴とする。本発明の糖タンパク質の製造方法は、タンパク質に糖鎖を結合させる糖鎖結合工程を含み、前記糖鎖として、本発明の糖ペプチドの製造方法により製造された前記糖ペプチドの糖鎖および本発明の糖アミノ酸の製造方法により製造された糖アミノ酸の糖鎖の少なくとも一方の糖鎖を用いることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、糖ペプチドの製造方法、糖アミノ酸の製造方法および糖タンパク質の製造方法に関する。
近年、エリスロポエチン(EPO)、IgG等の糖タンパク質製剤をはじめとした糖タンパク質が実用化されている。糖タンパク質は、主に、遺伝子組換え(特許文献1)、有機化学的合成(非特許文献1)等を利用した製造方法により製造されている。
前記遺伝子組換えを利用した製造方法の場合、組換えタンパク質を発現させる宿主により、組換えタンパク質に結合する糖鎖の種類が異なり、それによって、哺乳類動物に対する活性が異なることが知られている(非特許文献2)。例えば、前記EPOは、大腸菌で発現させた場合、糖鎖がないため哺乳類動物に対する活性がなく、血中で分解される。また、酵母、昆虫細胞で発現させた場合、哺乳類型とは異なる糖鎖を持つため、前述の活性がなく、肝臓等で分解される。これに対して、哺乳類由来細胞で発現させた場合、前記EPOは、シアル酸が結合した哺乳類型糖鎖を持ち、前述の活性を有する。しかし、前記哺乳類由来細胞を用いた製造方法は、コストが高く、かつ、糖鎖が不揃いになるという問題がある。
一方、有機化学的合成を利用した製造方法の場合、現状、製造可能な糖鎖は、2本鎖糖鎖に限られる。また、キジ科の鳥の卵には、シアル酸が結合した2本鎖糖鎖が存在するが、シアル酸が各分岐鎖に結合した、3本鎖以上の分岐鎖を有する糖鎖は存在しない(非特許文献3および4)。このため、シアル酸が結合した3本鎖または4本鎖の糖鎖を結合した糖タンパク質を、安価かつ大量に供給する手段が求められている。
特公平7−68272号公報
平野ら、Angew.Chem.Int.Ed.、2009年、Vol.48、p.9557−9560 竹内ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1989年、Vol.86、p.7819−7822 住吉ら、Biosci.Biotechnol.Biochem.、2009年、Vol.73、No.3、p.543−551 住吉ら、Biosci.Biotechnol.Biochem.、2010年、Vol.74、No.3、p.606−613
本発明は、糖タンパク質の製造に必要な糖鎖を有する糖ペプチドを安価かつ大量に供給可能な糖ペプチドの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、糖タンパク質の製造に必要な糖鎖を有する糖アミノ酸を安価かつ大量に供給可能な糖アミノ酸の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、糖タンパク質を安価かつ大量に供給可能な糖タンパク質の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の糖ペプチドの製造方法は、前記糖ペプチドの糖が、シアル酸が結合した糖鎖であり、エミュー(Dromaius novaehollandiae)の卵から、前記糖ペプチドを分離する糖ペプチド分離工程を有することを特徴とする。
本発明の糖アミノ酸の製造方法は、前記糖ペプチドから前記糖アミノ酸を分離する糖アミノ酸分離工程を含み、前記糖アミノ酸分離工程において、前記糖ペプチドが、本発明の糖ペプチドの製造方法によって得られた糖ペプチドであることを特徴とする。
本発明の糖タンパク質の製造方法は、タンパク質に糖鎖を結合させる糖鎖結合工程を含み、前記糖鎖として、本発明の糖ペプチドの製造方法により製造された前記糖ペプチドの糖鎖および本発明の糖アミノ酸の製造方法により製造された糖アミノ酸の糖鎖の少なくとも一方の糖鎖を用いることを特徴とする。
本発明の糖ペプチドの製造方法によれば、糖タンパク質の製造に必要な糖鎖を有する糖ペプチドを安価かつ大量に供給可能である。また、本発明の糖アミノ酸の製造方法によれば、糖タンパク質の製造に必要な糖鎖を有する糖アミノ酸を安価かつ大量に供給可能である。さらに、本発明の糖タンパク質の製造方法によれば、本発明の糖ペプチドの製造方法により製造された糖ペプチドおよび本発明の糖アミノ酸の製造方法により製造された糖アミノ酸の少なくとも一方を用いるため、安価かつ大量に糖タンパク質を供給可能である。
図1は、実施例1における糖ペプチド画分の逆相HPLCプロフィールである。 図2は、実施例1における糖鎖画分の陰イオン交換HPLCプロフィールである。 図3は、実施例1における糖鎖画分のサイズ分画HPLCプロフィールである。 図4は、実施例1における糖鎖画分の逆相HPLCプロフィールである。 図5は、実施例1におけるシアリダーゼで消化した糖鎖の逆相HPLCプロィールである。 図6は、実施例2における糖鎖画分の逆相HPLCプロフィールである。 図7は、実施例2における糖鎖画分のサイズ分画HPLCプロフィールである。 図8は、実施例2における糖アミノ酸画分の質量分析プロフィールである。
本発明の糖ペプチドの製造方法において、前記糖ペプチド分離工程が、前記卵の卵白の水溶性画分から糖ペプチドを分離する工程であることが好ましい。
本発明の糖ペプチドの製造方法において、前記糖ペプチドの糖鎖が、3本または4本の分岐鎖を有し、前記3本または4本の分岐鎖全てにシアル酸が結合していることが好ましい。
本発明の糖ペプチドの製造方法において、前記糖ペプチドの糖鎖が、下記化学式(1)または(2)で表わされるものであることが好ましい。
本発明の糖アミノ酸の製造方法において、前記糖アミノ酸が、糖鎖にアスパラギンが結合した糖アミノ酸であることが好ましい。
本発明の糖タンパク質の製造方法において、前記糖タンパク質は、糖タンパク質製剤であってもよい。この場合において、前記糖タンパク質製剤は、エリスロポエチン(EPO)、血液凝固因子、成長因子、IgG、インターロイキン、インターフェロンであるのが好ましい。
<糖ペプチドの製造方法>
本発明の糖ペプチドの製造方法は、前述のように、前記糖ペプチドの糖が、シアル酸が結合した糖鎖であり、エミュー(Dromaius novaehollandiae)の卵から、前記糖ペプチドを分離する糖ペプチド分離工程を有することを特徴とする。本発明の糖ペプチドの製造方法は、前記糖ペプチド分離工程において、前記エミューの卵から、前記糖ペプチドを分離することが特徴であって、その他工程は、何ら制限されない。
前記エミューの卵としては、例えば、全卵、卵黄、卵白、脱脂卵黄、粉末卵黄、粉末卵白等が挙げられ、好ましくは、卵白である。前記エミューの卵は、例えば、市販品を用いてもよいし、前記エミューを飼育し、産卵させたものを用いてもよい。
前記糖ペプチドの糖鎖の種類は、特に制限されないが、例えば、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖類が挙げられ、好ましくは、オリゴ糖、多糖類である。前記オリゴ糖または多糖類の場合、前記糖ペプチドの糖鎖としては、例えば、N−結合型糖鎖、O−結合型糖鎖等が挙げられ、好ましくは、N−結合型糖鎖である。
前記糖ペプチドの糖鎖を構成する糖残基は、特に制限されないが、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、ガラクトサミン、N−アセチルガラクトサミン、フコース、キシロース、N−アセチルノイラミン酸、N−グリコリルノイラミン酸等が挙げられる。前記糖残基は、例えば、修飾されていてもよい。前記修飾としては、特に制限されないが、例えば、エステル化、アシル化、アミノ化、エーテル化、ニトロ化、加水分解、脱水反応、酸化還元等による修飾が挙げられる。
前記糖ペプチドの糖鎖は、前述のように、シアル酸が結合している。シアル酸は、ノイラミン酸((4S,5R,6R,7S,8R)−5−アミノ−4,6,7,8,9−ペンタヒドロキシ−2−オキソノナン酸)の官能基が置換された物質の総称であり、具体的には、例えば、前述のN−アセチルノイラミン酸、N−グリコリルノイラミン酸等が挙げられる。前記シアル酸が結合した糖鎖は、一般に、哺乳類型糖鎖と呼ばれる。前記糖ペプチドの糖鎖において、前記シアル酸の数は、特に制限されず、例えば、1つでもよいし、2つ以上でもよい。前記糖ペプチドの糖鎖におけるシアル酸の結合部位は、特に制限されないが、例えば、糖ペプチドの糖鎖の非還元末端が好ましい。
前記糖ペプチドの糖鎖の形状は、例えば、直鎖型であってもよいし、分岐鎖型であってもよいが、分岐鎖型が好ましい。前記糖ペプチドの糖鎖が分岐鎖型の場合、前記分岐鎖の数は、例えば、2〜5本であり、好ましくは、3〜4本であり、より好ましくは、4本である。なお、本発明において、前記分岐鎖とは、例えば、主鎖から分岐した糖鎖をいう。前記糖ペプチドの糖鎖が分岐鎖型の場合、前記シアル酸は、全ての分岐鎖に結合していてもよいし、一部の分岐鎖に結合していてもよい。前記糖ペプチドの糖鎖は、例えば、シアル酸が1〜4個結合した4本鎖糖鎖、シアル酸が1〜3個結合した3本鎖糖鎖、シアル酸が1または2個結合した2本鎖糖鎖が挙げられる。前記糖ペプチドの糖鎖において、前記シアル酸は、例えば、全ての各分岐鎖に結合しているのが好ましく、全ての各分岐鎖の非還元末端に結合しているのがより好ましい。前記糖ペプチドの糖鎖は、3本または4本の分岐鎖を有し、前記3本または4本の分岐鎖全てにシアル酸が結合していることが好ましい。前記シアル酸が結合することにより、前記糖ペプチドの糖鎖は、生体内における分解(代謝)が抑制される。また、結合したシアル酸の数が多いほど、前記糖ペプチドの糖鎖が結合した糖タンパク質は、生体内における分解が一層抑制される。
前記シアル酸が結合した糖鎖の具体例としては、例えば、下記化学式(1)または(2)の糖鎖が挙げられる。
前記化学式(1)の糖鎖の分子式は、Siaα2−3Galβ1−4GlcNAcβ1−2(Siaα2−3Galβ1−4GlcNAcβ1−4)Manα1−3(Siaα2−3Galβ1−4GlcNAcβ1−2(Siaα2−3Galβ1−4GlcNAcβ1−6)Manα1−6)Manβ1−4GlcNAcβ1−4GlcNAcで表わされる。前記化学式(1)の糖鎖は、均一な4本の分岐鎖を有し、各分岐鎖の非還元末端にシアル酸が結合している。また、前記化学式(2)の糖鎖の分子式は、Siaα2−3Galβ1−4GlcNAcβ1−2(Siaα2−3Galβ1−4GlcNAcβ1−4)Manα1−3(Siaα2−3Galβ1−4GlcNAcβ1−2Manα1−6)Manβ1−4GlcNAcβ1−4GlcNAcで表わされる。前記化学式(2)の糖鎖は、均一な3本の分岐鎖を有し、各分岐鎖の非還元末端にシアル酸が結合している。
次に、本発明の糖ペプチドの製造方法の一例について説明する。
まず、前記エミューの卵を準備し、卵白と卵黄に分ける。一方、溶媒として、メタノールとクロロホルムとの混合溶媒を調製する。前記卵白と、等容量の前記混合溶媒とを混合し、ホモジナイズする。この混合液を遠心分離し、水相、有機相および水相と有機相の間に形成された界面層のうち、水相を回収する。前記水相を凍結乾燥し、尿素を用いて変性後、2−メルカプトエタノールと4−ビニルピリジンリジルで還元アルキル化する。前記尿素を用いた変性および還元アルキル化は、必須の工程ではなく、行わなくともよい。過剰試薬を透析することで除去した後、酵素分解を行い、糖ペプチド画分を得る。前記酵素としては、例えば、エンドペプチダーゼ、プロナーゼ、トリプシン、ヘプシン、サーモリシン等が挙げられる。前記分解条件は、例えば、前記酵素の種類、処理量等の条件に応じて、適宜設定可能である。前記糖ペプチド画分は、例えば、糖ペプチド以外の成分を含んでもよい。前記成分としては、特に制限されない。
前記溶媒は、前述のメタノールとクロロホルムとの混合溶媒等に制限されず、前記糖ペプチド画分を分画可能な溶媒であればよい。前記溶媒としては、例えば、水性溶媒、有機溶媒が挙げられる。前記水性溶媒としては、例えば、水等が挙げられる。前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、クロロホルム、アセトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等が挙げられる。前記溶媒は、1種類でもよいし、2種類以上を組み合わせた混合溶媒でもよい。前記混合溶媒としては、前述のメタノールとクロロホルムとの混合溶媒以外に、例えば、水飽和フェノールとクロロホルムとの混合溶媒等が挙げられる。前記混合溶媒において、各溶媒の容積比は、糖ペプチドの極性等に応じて適宜設定可能であり、特に制限されない。
このようにして得られる糖ペプチドは、例えば、数十個のアミノ酸から構成されるペプチドのアスパラギンに糖鎖が結合したものである。
<糖アミノ酸の製造方法>
次に、本発明の糖アミノ酸の製造方法は、例えば、前述のようにして得られた、糖ペプチドを酵素分解し、糖アミノ酸を分離することにより、実施できる。
前記酵素としては、例えば、プロテアーゼおよびペプチダーゼ等が挙げられる。前記プロテアーゼは、特に制限されず、例えば、エキソプロテアーゼ、エンドプロテアーゼが挙げられ、具体的には、プロナーゼ(商品名)、リシルエンドペプチダーゼ(登録商標)、サーモリシン(商品名)、V8プロテアーゼ(商品名)、プロテアーゼM「アマノ」(商品名)、サモアーゼ(商品名)等が挙げられる。前記ペプチダーゼは、特に制限されず、例えば、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ、エンドペプチダーゼ等があげられ、具体的には、カルボキシペプチダーゼY(商品名)、アミノペプチダーゼI(商品名)、ペプチダーゼR(商品名)等が挙げられる。前記酵素分解時に使用する酵素は、1種類でもよいし、2種類以上を組合せてもよい。また、前記酵素分解時に複数の酵素を使用する時は、同時に複数の酵素で分解してもよいし、1つずつの酵素で順次分解してもよい。前記分解条件は、例えば、前記酵素の種類、前記糖ペプチドの量等の条件に応じて、適宜設定可能である。前記糖アミノ酸画分は、例えば、糖アミノ酸以外の成分を含んでも良い。前記成分としては、特に制限されない。
このようにして得られる糖アミノ酸は、例えば、アスパラギンに糖鎖が結合したものである。
<糖タンパク質の製造方法>
次に本発明の糖タンパク質の製造方法は、例えば、前述のようにして得られた、前記糖ペプチドおよび前記糖アミノ酸の少なくとも一方の糖鎖をタンパク質に付加することにより、実施できる。
前記糖タンパク質は、本発明の糖ペプチドの製造方法により製造された糖ペプチドおよび本発明の糖アミノ酸の製造方法により製造された糖アミノ酸の糖鎖の少なくとも一方の糖鎖を含む。このため、前記糖タンパク質は、例えば、生体内での安定性、生体に対する活性等が高い。
次に、本発明の糖タンパク質の製造方法の一例について説明する。
まず、前記糖ペプチドまたは前記糖アミノ酸を準備する。前記糖ペプチドおよび前記糖アミノ酸は、例えば、前述のようにして調製できる。
次に、前記タンパク質を準備する。前記タンパク質は、例えば、組換えタンパク質が挙げられる。前記組換えタンパク質は、具体的には、所望のタンパク質をコードするDNA断片を宿主に導入して形質転換体を作製し、前記形質転換体を培養して培養物を回収し、前記培養物を精製することによって得ることができる。
前記タンパク質は、特に制限されないが、例えば、エリスロポエチン(EPO)、血液凝固因子、成長因子、IgG、インターロイキン、インターフェロンを構成するタンパク質等が挙げられる。前記インターフェロンとしては、特に制限されないが、例えば、IFN−α、IFN−β、IFN−ω、IFN−ε、IFN−κ、IFN−γ、IFN−λ等が挙げられる。前記インターロイキンとしては、特に制限されないが、例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18等が挙げられる。
前記宿主は、特に制限されないが、例えば、大腸菌、酵母、糸状菌、放線菌、COS細胞、CHO細胞、Sf9細胞等が挙げられる。前記大腸菌は、特に制限されないが、例えば、S17−1、BL21(DE3)、BL21−CodonPlus(DE3)−RIL、Rosetta2(DE3)、Rosetta−gami2(DE3)等の菌株が挙げられる。
前記タンパク質製造工程において、前記宿主へのDNA断片の導入、形質転換体の培養、培養物の回収および精製方法は、特に制限されず、例えば、従来公知の方法を適宜採用できる。本発明において、前記タンパク質の製造方法は、前述の組換えタンパク質の作製方法に限られず、例えば、固相合成法等、従来公知の方法を適宜採用できる。
前記糖ペプチドの糖鎖および糖アミノ酸の糖鎖の少なくとも一方の糖鎖と前記タンパク質とを、ネイティブケミカルライゲーションを用いて結合し、糖タンパク質を得る。ネイティブケミカルライゲーションを用いる場合、前記糖ペプチドおよび前記糖アミノ酸のN末端がシステイン以外の場合には、システインを付加することが好ましい。ネイティブケミカルライゲーションとは、前記糖ペプチドおよび糖アミノ酸の少なくとも一方のN末端のシステインにチオエステルを加えると、まず、システインのスルフヒドリル基がカルボキシ基に求核攻撃してエステル交換が起こり、続いて隣接するアミノ基がカルボニル基を求核攻撃しスルフヒドリル基が脱離してペプチド結合が生成する反応である。
このようにして得られた、前記糖タンパク質は、例えば、薬剤、生理活性物質等に使用できる。前記糖タンパク質製剤は、例えば、糖鎖の結合した前述のエリスロポエチン(EPO)、血液凝固因子、成長因子、IgG、インターロイキン、インターフェロン等が挙げられる。前記インターフェロンとしては、特に制限されず、例えば、前述のインターフェロンが挙げられる。前記インターロイキンとしては、特に制限されず、例えば、前述のインターロイキンが挙げられる。
前記糖タンパク質は、例えば、糖鎖抗原、糖鎖プローブ等の糖タンパク質製剤以外の用途に用いることもできる。前記糖鎖抗原および糖鎖プローブは、例えば、前記タンパク質に糖鎖が大量に結合した物質等が挙げられる。これらを使って、例えば、臓器又は組織に特異的に薬剤を送り込むことができる(ミサイル療法)。
前記糖タンパク質において、前記糖鎖としては、本発明の糖ペプチドの製造方法により製造された糖ペプチドおよび本発明の糖アミノ酸の製造方法によって製造された糖アミノ酸の糖鎖以外に、さらに、その他の糖鎖を用いてもよい。
前記その他の糖鎖の種類、糖残基、修飾、形状、糖鎖の本数等は、特に制限されないが、例えば、前記糖ペプチドの製造方法における糖ペプチドの糖鎖また前記糖アミノ酸の製造方法における糖アミノ酸の糖鎖と同様である。前記その他の糖鎖は、例えば、シアル酸が結合していてもよいし、結合していなくてもよいが、好ましくは、前者である。前記その他の糖鎖の製造方法は、特に制限されず、例えば、従来公知の方法を適宜採用できる。
前記糖鎖結合工程において、前記糖ペプチド、前記糖アミノ酸の一方のみを前記タンパク質に結合させても良いし、両方を結合させても良いが、生体内での抗原性を低減するために、前記糖アミノ酸のみを結合させるのが好ましい。
本発明において、前記タンパク質への糖鎖の結合方法は、前述の方法に限られず、例えば、前記糖ペプチドまたは糖アミノ酸から糖鎖のみを分離し、前記糖鎖のみを前記タンパク質に結合させる等の従来公知の方法を適宜採用できる。
次に、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記の実施例により制限されない。
エミュー(Dromaius novaehollandiae)の卵(常南グリーンシステム社製)を、卵黄と卵白とに分離した。前記卵白に、メタノールとクロロホルムとを1:1(容積比)に混合した抽出液を等容量で混合し、ホモジナイズした。この混合液を、3000×g(gは重力加速度)で20分間遠心分離し、水相を回収した。この水相を凍結乾燥し、そのうちの20mgを6mol/L 尿素を用いて変性後、2−メルカプトエタノールと4−ビニルピリジンリジルで還元アルキル化した。過剰試薬を透析することで除去した後、リジルエンドペプチダーゼ(和光純薬社製)を用いて、酵素消化を行い、糖ペプチドを得た。
前記糖ペプチドを、以下の条件でゲルろ過に供し、アンスロン硫酸で発色した部分を分取し、糖ペプチド画分を得た。
(ゲルろ過の精製条件)
(1)検出機器:分光光度計(島津製作所社製)
(2)カラム: ガラス管(内径2.6mm×40cm)
(3)ゲルろ過樹脂:バイオゲルP−4(バイオ・ラッド ラボラトリーズ社製)
(4)カラム平衡用緩衝液:水
(5)移動相: 溶媒 水
流速 50mL/h
(6)分取量: 3.8mL/分画
前記糖ペプチド画分を、以下の条件で、逆相HPLCに供した。
(逆相HPLCの分析条件)
(1)分析機器:吸光度測定器付きHPLCシステム(島津製作所社製)
(2)カラム: 商品名:Cosmosil 5C18−P
(内径4mm×25cm、ナカライテスク社製)
(3)カラム平衡用緩衝液 A:0.01%TFA水溶液
B:アセトニトリル
+0.01%TFA水溶液
(4)溶離条件: 時間(溶媒比(A:B))
0分:(A:B=100:0)
60分:(A:B=0:100)
となるよう、0分から60分にかけて直線的に溶媒Aの割合
を減少、溶媒Bの割合を増加させ、溶離した。
流速 1mL/min
図1に、前記糖ペプチド画分の前記逆相HPLCプロフィールを示す。図1において、縦軸は、波長210nmにおける吸光度であり、横軸は、リテンション時間である。図1の矢印で示すピーク(1、2および3)の糖ペプチドを、それぞれ、分取したもの、および、ピーク2および3の糖ペプチドをまとめて分取したものを用意した。
前記逆相HLPCにより分離された3つのピークの糖ペプチドは、ペプチド分析により、以下のアミノ酸配列を有する4つのペプチドであることが明らかとなった。また、アスパラギン(N)に糖鎖が結合していることも明らかとなった。なお、(4)のペプチドは、ピーク2および3の画分を回収した時に得られた。
(1)CDFCNVVESNGTRTLGHFG(配列番号1)
(2)YPNTTNEDGK(配列番号2)
(3)YANATNEEGK(配列番号3)
(4)ILNPICGSDGVTYSNDCLLCAYNIEYGANVSK(配列番号4)
これらのペプチドのホモロジー検索を行ったところ、前記エミューの卵に存在する糖タンパク質が持つ糖ペプチドであることが分かった。
前記逆相HPLCにより分離された3つのピークの糖ペプチドを、それぞれ、ヒドラジン分解し、N−アセチル化後、ピリジルアミノ化することで、前記糖ペプチドから糖鎖を切り出し、蛍光標識した。過剰試薬を除去した後、以下の条件で、陰イオン交換HPLCに供してシアル酸の個数で分離し、テトラシアリル化糖鎖が溶出する画分を分取した。
(陰イオン交換HPLCの分析条件)
(1)分析機器:蛍光検出器付HPLCシステム(島津製作所社製)
(2)カラム:商品名 Mono Q
(GE Healthcare社製)
(3)カラム平衡用緩衝液:アンモニア水(pH9.0)
(4)移動相:溶媒 A:アンモニア水
B:0.5mol/L酢酸−アンモニア緩衝液(pH9.0)
グラジエント条件:時間(溶媒比(A:B))
0分(A:B=100:0)
10分(A:B=100:0)
40分(A:B=60:40)
流速 1mL/min
前記テトラシアリル化糖鎖画分を、再度前述の陰イオン交換HPLCに供した。図2に、前記テトラシアリル化糖鎖画分の前記陰イオン交換HPLCプロフィールを示す。図2において、縦軸は、蛍光強度であり、横軸は、リテンション時間である。図2の4SiaTetraで示す各ピーク(テトラシアリル化糖鎖が溶離する画分)を分取した。
前記陰イオン交換HPLCにより分離されたテトラシアリル化糖鎖画分を、以下の条件で、サイズ分画HPLCに供した。
(サイズ分画HPLCの分析条件)
(1)分析機器:蛍光検出器付HPLC(島津製作所社製)
(2)カラム:商品名 TSK gel Amido80
(内径2.0mm×25cm、東ソー社製)
(3)カラム平衡用緩衝液:AおよびBの混合溶媒(溶媒比(A:B)=8:2)
A:アセトニトリル
B:50mmol/L蟻酸−アンモニア緩衝液(pH4.4)
(4)移動相:溶媒 A:アセトニトリル
B:50mmol/L蟻酸−アンモニア緩衝液(pH4.4)
グラジエント条件:時間(溶媒比(A:B))
0分:(A:B=80:20)
10分:(A:B=70:30)
35分:(A:B=30:70)
流速 0.18mL/min
図3に、前記テトラシアリル化糖鎖画分の前記サイズ分画HPLCプロフィールを示す。図3において、縦軸は、蛍光強度であり、横軸は、リテンション時間である。図3の4SiaTetraで示す各ピーク(テトラシアリル化糖鎖の溶出画分)を分取した。
前記サイズ分画HPLCにより分離されたテトラシアリル化糖鎖画分を、前述の逆相HPLCに供した。図4に、前記テトラシアリル化糖鎖画分の前記逆相HPLCプロフィールを示す。図4において、縦軸は、蛍光強度であり、横軸は、リテンション時間である。図4の4SiaTetraで示す各ピーク(テトラシアリル化糖鎖の溶出画分)を分取した。
前記逆相HPLCにより分離されたテトラシアリル化糖鎖画分を、α2,3−シアリターゼにより消化して得た糖鎖を、前述の逆相HPLCに供した。図5に、前記糖鎖の前記逆相HPLCプロフィールを示す。図5において、縦軸は、蛍光強度であり、横軸は、リテンションタイムである。図5に示すとおり、シアル酸が外れ、Tetraで示す各ピークが検出された。このことから、前記糖鎖は、テトラにシアル酸がα2,3で4つ結合していることが分かった。
[実施例2]
前記実施例1で分画した前記糖ペプチドから、前記糖アミノ酸を分離し、精製した。
下記のプロテアーゼを、0.1mg/mLとなるよう50mmol/L Tris−HCl緩衝液(pH8.0)に溶解し、6種類のプロテアーゼ溶液を作製した。
プロナーゼ(商品名、ベーリンガーマンハイム社製、メルク社製、カルビオケム社製)
リシルエンドペプチダーゼ(登録商標、和光純薬社製)
サーモリシン(商品名、ナカライテスク社製)
V8プロテアーゼ(商品名、ロッシュ社製)
プロテアーゼM「アマノ」(商品名、天野エンザエム社製)
サモアーゼ(商品名、天野エンザエム社製)
前記実施例1で得られた50mgの前記糖ペプチドと、10mLの前記プロテアーゼ溶液(プロテアーゼ1mg相当)とを混合し、反応させた。前記糖ペプチドと前記プロテアーゼ溶液との反応は、1種類ずつ順次行った。前記糖ペプチドと前記プロテアーゼ溶液との反応条件は、いずれも、37℃、17時間、反応させた。
前記反応後、以下の条件でゲル濾過に供し、メタノール硫酸で発色した部分を分取し、糖が存在する画分を得た。
(ゲルろ過の精製条件)
(1)検出機器:分光光度計(アマシャム社製)
(2)カラム: ガラス管
(3)ゲルろ過樹脂:
バイオゲルP−4(バイオ・ラッド ラボラトリーズ社製)
(4)カラム平衡用緩衝液:

(5)移動相: 溶媒 水
流速 10mL/h
(6)分取量: 1mL/分画
次に、下記のペプチダーゼを、0.1mg/mLとなるよう50mmol/L リン酸緩衝液緩衝液(pH6.0)に溶解し、3種類のペプチダーゼ溶液を作製した。
カルボキシペプチダーゼY(商品名、オリエンタル酵母工業社製)
アミノペプチダーゼI(商品名、タカラバイオ社製)
ペプチダーゼR(商品名、天野エンザエム社製)
前記糖が存在する画分と、10mL前記ペプチダーゼ溶液(ペプチダーゼ1mg相当)とを混合し、反応させた。前記糖ペプチドと前記ペプチダーゼ溶液との反応は、1種類ずつ順次行った。前記糖ペプチドと前記ペプチダーゼ溶液との反応条件は、いずれも、37℃、17時間、反応させた。
前記反応後、実施例2の前記ゲル濾過の精製条件で、再度ゲル濾過に供し、メタノール硫酸で発色した部分を分取し、糖が存在する画分を得た。
前記糖が存在する画分を30℃、2,000rpm、の条件下で8時間遠心し、濃縮した。前記濃縮後、メタノール硫酸およびニンヒドリン試薬で発色した分画を分取し、糖アミノ酸画分を得た。
前記糖アミノ酸を、ヒドラジン分解し、N−アセチル化後、ピリジルアミノ化することで、前記糖アミノ酸から糖鎖を切り出し、糖鎖を蛍光標識した。前記蛍光標識後、過剰試薬を除去した。
前記蛍光標識化糖鎖を、以下の条件で、逆相HPLCに供した。
(逆相HPLCの分析条件)
(1)分析機器:2475マルチ波長蛍光検出器(Waters社製)
321ポンプ(Giloson社製)
(2)カラム: 商品名:Cosmosil 5C18−P
(内径4.6mm×150mm、ナカライテスク社製)
(3)カラム平衡用緩衝液:AおよびBの混合溶媒(溶媒比(A:B)=95:5)
A:50mmol/L酢酸−アンモニア緩衝液(pH4.0)
B:50mmol/L酢酸−アンモニア緩衝液(pH4.0)
+0.5%1−ブタノール
(4)移動相: 溶媒 A:50mmol/L酢酸−アンモニア緩衝液(pH4.0)
B:50mmol/L酢酸−アンモニア緩衝液(pH4.0)
+0.5%1−ブタノール
グラジエント条件:時間(溶媒比(A:B))
0分:(A:B=95:5)
55分:(A:B=0:100)
となるよう、0分から55分にかけて直線的に溶媒Aの割合
を減少、溶媒Bの割合を増加させた。
流速 1.5mL/min
(5)励起波長:320nm
蛍光波長:400nm
(6)カラム温度:25℃
図6に、前記蛍光標識糖鎖の前記逆相HPLCプロフィールを示す。図6において、縦軸は、420nmにおける蛍光強度、横軸は、リテンション時間、図6中の矢印および4SiaTetra−PAは、ピリジルアミノ化テトラシアリル糖鎖(PA化テトラシアリル糖鎖)を示す。図6に示すように、PA化テトラシアリル糖鎖を示すピークが検出されることから、前記糖アミノ酸の糖鎖は、テトラシアリル糖鎖であることがわかった。
前記蛍光標識化糖鎖を、以下の条件で、サイズ分画HPLCに供した。
(サイズ分画HPLCの分析条件)
(1)分析機器: 2475マルチ波長蛍光検出器(Waters社製)
321ポンプ(Giloson社製)
(2)カラム: 商品名 TSK gel Amido80
(内径4.6mm×100mm、東ソー社製)
(3)カラム平衡用緩衝液:AおよびBの混合溶媒(溶媒比(A:B)=8:2)
A:アセトニトリル
B:50mmol/L蟻酸−アンモニア緩衝液(pH4.4)
(4)移動相:溶媒 A:アセトニトリル
B:50mmol/L蟻酸−アンモニア緩衝液(pH4.4)
グラジエント条件:時間(溶媒比(A:B))
0分:(A:B=80:20)
3分:(A:B=70:30)
35分:(A:B=35:65)
となるよう、0分から35分にかけて直線的に溶媒Aの割合
を減少、溶媒Bの割合を増加させた。
流速 0.6mL/min
(5)励起波長: 320nm
蛍光波長: 400nm
(6)カラム温度:25℃
図7に、前記蛍光標識糖鎖の前記サイズ分画HPLCプロフィールを示す。図7において、縦軸は、420nmにおける蛍光強度、横軸は、リテンション時間、図7中の矢印および4SiaTetra−PAは、PA化テトラシアリル糖鎖を示す。図7に示すように、PA化テトラシアリル糖鎖を示すピークが検出されることから、前記糖アミノ酸の糖鎖は、テトラシアリル糖鎖であることがわかった。
(質量分析)
前記糖アミノ酸画分1μLとエタノール溶液1μLとを混合し、AnchorChip(Bruker社製)に前記混合液を乗せ、乾燥させた。前記エタノール溶液は、30%エタノールに1mg/mLとなるよう2,5−dihydroxybenzoic acidを溶解したものを用いた。前記乾燥後、前記チップ上の糖アミノ酸画分の質量分析を、MALDI−TOF MS ultraflextremeTM(Bruker社製)を用いて行った。
図8に、前記糖アミノ酸画分の前記質量分析プロフィールを示す。図8において、縦軸は、ピーク強度(Response)であり、横軸は、分子量/電荷数(M/z)であり、図8中の矢印およびTetra−Asn+Naは、テトラ糖鎖化アスパラギン、括弧内の数字は、その分子量である。図8に示すように、テトラ糖鎖化アスパラギンを示すピークが検出されることから、前記糖アミノ酸は、テトラ糖鎖化アスパラギンであることがわかった。また、図6の逆相HPLCおよび図7のサイズ分画HPLCの結果が示すように、テトラ糖鎖には、シアル酸が結合していることから、前記糖アミノ酸は、テトラシアリル糖鎖化アスパラギンであることがわかった。
本発明によれば、糖タンパク質の製造に必要な糖鎖を有する糖ペプチドを安価かつ大量に供給可能である。また、本発明によれば、糖タンパク質の製造に必要な糖鎖を有する糖アミノ酸を安価かつ大量に供給可能である。このため、本発明によれば、糖タンパク質を安価かつ大量に供給可能である。したがって、本発明は、医療分野等の幅広い分野に適用可能であり、その適用分野は制限されない。

Claims (9)

  1. 糖ペプチドの製造方法であって、
    前記糖ペプチドの糖が、シアル酸が結合した糖鎖であり、
    エミュー(Dromaius novaehollandiae)の卵から、前記糖ペプチドを分離する糖ペプチド分離工程を有することを特徴とする製造方法。
  2. 前記糖ペプチド分離工程が、前記卵の卵白の水溶性画分から糖ペプチドを分離する工程であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 前記糖ペプチドの糖鎖が、3本または4本の分岐鎖を有し、前記3本または4本の分岐鎖全てにシアル酸が結合していることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記糖ペプチドの糖鎖が、下記化学式(1)または(2)で表わされるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 糖鎖にアミノ酸が結合している糖アミノ酸の製造方法であって、
    前記糖ペプチドから前記糖アミノ酸を分離する糖アミノ酸分離工程を含み、
    前記糖アミノ酸分離工程において、前記糖ペプチドが、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法によって得られた糖ペプチドであることを特徴とする製造方法。
  6. 前記糖アミノ酸が、糖鎖にアスパラギンが結合した糖アミノ酸であり、前記糖ペプチドが、請求項4記載の製造方法によって得られた糖ペプチドであることを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  7. 糖タンパク質の製造方法であって、
    タンパク質に糖鎖を結合させる糖鎖結合工程を含み、
    前記糖鎖として、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法により製造された糖ペプチドの糖鎖および請求項5または6に記載の製造方法により製造された糖アミノ酸の糖鎖の少なくとも一方の糖鎖を用いることを特徴とする製造方法。
  8. 前記糖タンパク質が、糖タンパク質製剤であることを特徴とする請求項7記載の製造方法。
  9. 前記糖タンパク質製剤が、エリスロポエチン(EPO)、血液凝固因子、成長因子、IgG、インターロイキンまたはインターフェロンであることを特徴とする請求項8記載の製造方法。
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