JP2013146869A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は以上の点を鑑みてなされたものであり、メインレールやサブレールの湾曲や本体に取り付ける際の精度等によってキャリッジが走査中に姿勢変動した場合であっても、コストが低く、姿勢変動を抑制することができる。
【解決手段】記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させながら媒体にインクを付与するインクジェット記録装置であって、前記キャリッジの位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記キャリッジの位置に基づいて、該インクジェット記録装置の筐体に備えられた光源と前記キャリッジに備えられ前記光源による光束を受光する受光部によって、前記キャリッジの主走査方向に平行な軸に対する回転量である変位量を算出する算出手段と、前記キャリッジの主走査方向に平行な軸に対する回転を補正する補正手段と、を備え、前記変位量に基づいて前記キャリッジの主走査の間に、前記補正手段によりキャリッジを補正しながら媒体にインクを付与する。
【選択図】図11

Description

本発明はインクジェット記録装置に関し、特に、記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させることにより記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置に関する。
インク滴を吐出する記録ヘッドを搭載したキャリッジをレール部に沿って記録媒体に対する相対的な移動(主走査)と、一回の主走査ごとに記録媒体を主走査方向と垂直方向に所定量の移動(副走査)を行うことにより画像を記録する画像形成装置が知られている。このような画像形成装置により、記録媒体に付与されたインク滴の位置や、インク滴の密度によって画像が表現される。
高品位な画像を記録するためには、インク滴(ドット)の記録位置の精度を高く制御することが必要となる。しかしながら、キャリッジの主走査をガイドするメインレール部、サブレール部の組み付け誤差等によって、走査中のキャリッジに姿勢変動が起こることがある。キャリッジの姿勢変動は、記録媒体に対する記録ヘッドの吐出角度に変動を与えることになる。つまり、キャリッジの走査中にキャリッジ自体の姿勢変動が生じることによって、インク滴の付与位置がずれて、画質が劣化してしまう。
そこで、キャリッジの姿勢変動を検出するセンサを設け、センサの検出結果に応じて、キャリッジの姿勢を圧電素子によって補正し、キャリッジの姿勢変動を抑制するための方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−090875号公報
ところで、メインレール、およびサブレールに沿って走査されるキャリッジは、メインレール、サブレールの精度、およびメインレール、サブレールを本体に取り付ける際の精度等により、走査中に傾きを生じることがある。このような傾きを抑制するために、メインレール、サブレールを取り付ける支持位置を増やして精度を保つことができる。しかしながら、このような方法では、作業量が増えるとともに、支持位置間の精度を保証することは困難である。また、湾曲の生じにくい部材を選定することによってレールの精度を保証する方法も考えられるが、そのような部材は、コストが高くなってしまう。
上述のキャリッジ姿勢補正用のアクチュエータに圧電素子を用いる方式では、大きな変位量を生み出す圧電素子が必要となる。しかしながら、そのような圧電素子は、非常に高価となる。また、キャリッジ姿勢検知手段としてジャイロセンサを用いる方式では、キャリッジの大きな姿勢変動しか検出できず、また分解能も低いため、キャリッジのわずかな姿勢変動を検出することができない。また、ジャイロセンサを用いる方式では、コストもかかる。
本発明は以上の点を鑑みてなされたものであり、メインレールやサブレールの湾曲や本体に取り付ける際の精度等によってキャリッジが走査中に姿勢変動した場合であっても、コストが低く、姿勢変動を抑制することができるインクジェット記録装置を提供する。
そのために本発明では、記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させながら媒体にインクを付与するインクジェット記録装置であって、前記キャリッジの位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記キャリッジの位置に基づいて、該インクジェット記録装置の筐体に備えられた光源と前記キャリッジに備えられ前記光源による光束を受光する受光部によって、前記キャリッジの主走査方向に平行な軸に対する回転量である変位量を算出する算出手段と、前記キャリッジの主走査方向に平行な軸に対する回転を補正する補正手段と、を備え、前記変位量に基づいて前記キャリッジの主走査の間に、前記補正手段によりキャリッジを補正しながら媒体にインクを付与することを特徴とする。
以上の構成によれば、キャリッジの姿勢変動を補正することによって、インク滴の着弾ずれを抑制する。これにより、キメインレールやサブレールの湾曲や本体に取り付ける際の精度等によってキャリッジが走査中に姿勢変動した場合であっても、低コストにより姿勢変動を抑制し、高品質な画像を得ることができる。
第1の実施形態のインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。 第1の実施形態のキャリッジの構成とヘッドの記録素子列配置を示す図である。 第1の実施形態のキャリッジの姿勢変動を説明するための図である。 変位制御を行なわなかった場合に生じるY方向の着弾ずれを示した図である。 変位制御を行なわなかった場合に、記録位置ずれの影響を示した図である。 第1の実施形態のキャリッジを示す側面断面図である。 第1の実施形態のレーザ光源と受光素子の位置関係を示す斜視図である。 第1の実施形態のレーザ光のスポットの移動を示した模式図である。 第1の実施形態の受光センサの出力比とZ方向への変位量を示すグラフである。 第1の実施形態のパルスモータに取り付けられるカムを示す概念図である。 第1の実施形態の姿勢補正制御量算出処理を示すフローチャートである。 キャリッジの高さ方向の変位量の検出結果の例を示すグラフである。 メインレールと受光センサによる変位量の検出点の位置関係を示す図である。 変位制御用アクチュエータの駆動量の算出方法を説明するための図である。 第1の実施形態の姿勢補正制御回路を示すブロック図である。 第1の実施形態のレーザ光源および受光部の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態のレーザ光源と受光素子の位置関係を示す斜視図である。 第2の実施形態のスポット位置がどのように移動するかを示す模式図である。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。キャリッジ100は、記録データに従って記録媒体にインクを付与する記録ヘッドを搭載し、不図示のキャリッジモータの動力によって、主走査方向(本図ではX方向)に往復走査することができる。メインレール101は、記録装置内の主走査方向に延び、キャリッジ100を主走査方向に案内支持する役割を果たしている。また、メインレール101は、両端を上側筐体に固定されており、メインレール自身の重さ等に起因する中間部分のたわみを抑えるために複数のメインレール支持部材103によって下方から支えられている。サブレール102は、メインレール101に並行に設置され、メインレール101によって案内されるキャリッジ100の姿勢を保持する役割を果たしている。サブレール102もサブレール自身の重さ等に起因する中間部分のたわみを抑えるために、複数のサブレール支持部材104によって上側筐体107に固定されている。
キャリッジエンコーダ105は、メインレール101に平行に設置されている。インクジェット記録装置は、キャリッジ100に搭載された不図示のエンコーダセンサにより、キャリッジエンコーダ105を読み取ることでキャリッジ100の主走査方向位置を検出することができる。
プラテン106は、記録ヘッドによって記録可能な位置に記録媒体を下方から支える平面板である。記録媒体は、不図示の搬送ローラにより、プラテン106上を副走査方向(本図ではY方向)に搬送される。プラテン106や、搬送ローラ等は、下側筐体108に取り付けられている。上側筐体107と下側筐体108を組み合わせることにより、記録装置の主な構成が完成される。
図2は、本実施形態のキャリッジ100の構成および記録ヘッド200の記録素子列の配置を示す図である。キャリッジ100は、メインレール101とサブレール102に案内支持されながら本図に示すX方向に移動することができる。このとき、2つのキャリッジ軸受け部材201がキャリッジ100とメインレール101を連結し、2つのサブレール受け部材202がサブレール102でキャリッジ100を支えている。
メインレール101のたわみが2つのサブレール受け部材202を支点としてキャリッジ100の姿勢変動を発生させる1つの原因になり、キャリッジ100の姿勢変動の発生は、記録ヘッド200の姿勢変動を発生させる1つの原因である。また、サブレール102のたわみも、キャリッジ軸受け部材201を支点としてキャリッジ100、そして記録ヘッド200の姿勢変動を発生させる1つの原因である。先に説明したようにメインレール101のたわみは、複数のメインレール支持部材103によって補正される。また、サブレール102のたわみは、複数のサブレール支持部材104によって補正されているが、製造工程上わずかなメインレール101、サブレール102の湾曲を避けることはできない。
本実施形態のキャリッジ100には、記録ヘッド200がキャリッジの走査方向に2つ搭載され、記録ヘッド200には、インクを吐出するノズルが形成されている。このノズルは、図中Y方向に複数のノズルが直線配置され、1つのノズル列を形成している。本実施形態では、1つの記録ヘッドに6つの記録素子群がキャリッジの走査方向に配置されている。図において、左側の記録ヘッドには、左側から、PC(フォトシアン)、C(シアン)、MBk(マットブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、PM(フォトマゼンタ)のインクを吐出する記録素子群がそれぞれ配列されている。また、右側の記録ヘッドには、左側から、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)、PGy(フォトグレイ)、Gy(グレイ)、PBk(フォトブラック)のインクを吐出する記録素子群がそれぞれ配列されている。本実施形態では、隣り合う色のノズル同士のノズル間距離D1は、3.471[mm]であり、1つの記録ヘッドの両端の色のノズル同士のノズル間距離D2は、24.298[mm]である。さらに2つの記録ヘッドの両端の色のノズル同士のノズル間距離D3は、100.498[mm]である。
図3は、本実施形態のキャリッジ100の姿勢変動を説明するための図である。本実施形態では、僅かにZ方向に湾曲したメインレール、サブレールの高低差によってメインレール、サブレールを軸として、キャリッジがローリングし姿勢変動する。本実施形態は、このような姿勢変動(ローリング)の影響を、キャリッジ内に搭載された記録ヘッド格納部に変位を与えることで、抑制するものである。なお、キャリッジのローリングによる変位を打ち消すための変位をカウンタ変位とする。
ところで、メインレールがY方向に湾曲することにより生じるキャリッジの姿勢変動(ヨーイング)は、メインレールの精度調整によって抑制されている。実際には、Z方向にもY方向と同様の湾曲が生じるが、一般に、2軸に渡って精度を確保するのが困難であり、1軸のみの精度を確保するのは、さほどの困難を伴わない。Z方向については、前述の通り、キャリッジの自重によるたわみも含まれるため、Y方向に精度を確保し、Z方向に着眼した補正制御を行なうのが合理的なのである。
図4は、キャリッジの変位制御を行なわなかった場合に生じるキャリッジのローリングよって2つのノズル間で生じるY方向の着弾ずれを示した図である。キャリッジの進行方向に位置するノズルを先行ノズルとし、キャリッジの進行方向とは逆に位置するノズルを後行ノズルとする。図4において、キャリッジが左から右方向へ走査し記録する場合を想定している。同じキャリッジ位置で記録を行う場合、先行ノズル記録400に対して、キャリッジが先行ノズルと後行ノズルのノズル間距離402だけ走査した後、後行ノズル記録401が後追いで記録される。このノズル間距離402をキャリッジが走査している間、キャリッジの姿勢変動が発生し、結果として、先行ノズル記録400と後行ノズル記録401には、先行ノズルと後行ノズルの着弾ずれ403が発生する。
図5は、キャリッジの変位制御を行なわなかった場合に、メインレールの変形が記録位置ずれにどのように影響を与えるかを示した図である。図5(a)は、キャリッジの主走査穂移行の記録位置に対するメインレールの高さの変動量を示すグラフであり、図5(b)は、キャリッジの主走査穂移行の記録位置に対する記録位置のずれ量を示すグラフである。すなわち、図5(b)は、図5(a)に示すメインレールの形状が変化したときのPBkとPC、PBkとR、それぞれの組み合わせにおける相対的着弾ずれ量を示したものである。
再び図2を参照すると、PBkとRのノズル間距離D2に比べ、PBkとPCのノズル間距離D3は、約4倍長い。よって、通常はノズル間距離が長いノズルの組み合わせほど、メインレールの高さ変動による相対的着弾ずれ量が大きくなる。また、サブレールの高さ変動による相対的着弾ずれも、メインレールの高さ変動のときと同様のことが言える。
図6は、本実施形態のキャリッジ100を示す側面断面図である。キャリッジ100は、記録ヘッド200を格納する記録ヘッド格納部604を備える。記録ヘッド格納部604は、シャフト600を軸としてキャリッジに固定されている。
キャリッジ100には、パルスモータ601が取り付けられている。パルスモータ601には、記録ヘッド格納部に対して変位を与えるカム602が取り付けられており、パルスモータ601が回転することによって録ヘッド格納部に対して変位を与えることができる。記録ヘッド格納部604は、カム602によって変位が加減され、記録ヘッド格納部604はシャフト600を軸としてθ方向に回転する。
ここで、メインレール101を軸に発生したθ方向への回転による着弾ずれが、シャフト600を軸とした回転変位によって抑制できる理由について簡単に言及する。θ方向への回転は、ヘッドのノズル面の動きとしては、Y方向とZ方向の2軸の変位として表れる。ノズル面からメインレールを見込む仰角を仮に30度とすると、Z方向への10ミクロンの変位が起きた場合、Y方向へは5.8ミクロンの変位が生じている。この時Y方向への着弾ずれは、約5.8ミクロンがそのまま影響するが、Z方向10ミクロンの変位については、ヘッドと記録媒体との距離の変動となり、主走査方向の着弾ずれとして表れる。キャリッジの主走査速度を0.635m/秒、ヘッドから吐出されるインクの飛翔速度を10m/秒とすると、その影響は0.635ミクロンとなる。つまり、軸の異なる系でY方向の補正を行なった結果、その歪がZ側に表れても、その影響は十分小さく、無視できるということである。
シャフト600は、キャリッジ100に固定されている。キャリッジ100には、記録ヘッド格納部604が回転するのに十分な空間605が確保されており、パルスモータ601が回転したとき記録ヘッド格納部604は、この空間内でカウンタ変位制御される。なお、記録ヘッド格納部604の回転量は、カム602の停止位置によって決まる。また、カム602と記録ヘッド格納部604の接点は、記録ヘッド格納部をバランスよく変位させるために、キャリッジの主走査方向に見て中央に位置させている。
また、キャリッジ100には、側面にZ方向に並んだ、二つの受光センサ606と607が配置されている。後述するレーザ光源から発せられた平行な光束を、キャリッジの基準位置にて、両受光センサの両方が均等に受光する様に、各光学手段が配置されている。キャリッジのローリングは、メインレール101、サブレール102を軸として発生することから、メインレール101、サブレール102から最も遠い箇所に最大の変位が表れる。したがって、検出感度を高めるために、変動量の大きい箇所であるキャリッジのY方向の最前に二つの受光センサを配備するのが好ましい。
図7は、本実施形態のキャリッジの姿勢を検知するためのレーザ光源と受光素子の位置関係を示す斜視図である。平行光を発するレーザ光源700は、メインレール101と平行に発光するように正確に調整されている。また、その光は、キャリッジの側面に配備された二つの受光素子に均等に入射するように取り付け位置が調整されている。この構成により、キャリッジの主走査全領域において、レーザ光源より発せられた光は二つの受光素子に入射する。光源の向きが正しく調整されていない場合、キャリッジの主走査に伴ってレーザ光のキャリッジ側面上のスポットが受光センサから脱してしまうため、本目的として機能しないのである。また、後述するように、レーザ光のスポットが二つの受光センサにどのように分布するかを評価して、キャリッジのローリングによるZ方向の変位を検出するため、変位がない場合にスポットの移動なきことが必要である。また、レーザ光源は、機内のミストによって汚染されにくく、ユーザによって照射方向に影響を与える可能性のないところに配備するのが好ましい。
図8は、本実施形態の二つの受光センサ606と607に照射されるレーザ光のスポット800がキャリッジのローリングによって、どのように移動するかを示した模式図である。図8(a)は、キャリッジが水平(基準位置)を保っている状態であり、図8(b)は、キャリッジがメインレールを軸に下へあおられた場合、図8(c)はキャリッジが上へあおられた場合のスポットの移動状態である。図の通り、二つの受光センサへの入射光量の比は、キャリッジのローリングによる変位と相関をもっている。
図9は、本実施形態の二つの受光センサの出力比とキャリッジのセンサ近傍のZ方向への変位量の関係を示すグラフである。レーザ光のスポット形状が楕円であることと、両者の出力比を評価していることから、完全な線形にはならないが、中心部分では検出には良好な線形性が得られている。そして、レーザ光源と受光センサ形状や配置をもとに標準値が事前に求められ、本体の装置内に対応表として記憶されている。
図10は、本実施形態の姿勢制御用アクチュエータであるパルスモータに取り付けられるカムを示す概念図である。カム602は、回転角度によって、回転の中心から円周までの直線距離が異なる。この円周の接触点で変位を生み出し、記録ヘッド格納部をローリングさせる。カムには、位置基準板1000が取り付けられており、キャリッジ100に取り付けられたフォトインタラプタにより、位置基準板1000のエッジ部分を基準位置として検出する。位置基準板1000の両エッジ部分が、それぞれ、カムが生み出す最小変位点1001と最大変位点1002となる。
図11は、本実施形態における姿勢補正制御量算出処理の流れを示すフローチャートである。姿勢補正制御量算出処理モードに移行すると、キャリッジを低速走査しつつ、二つの受光センサ606と607の出力を検出し、その比率からキャリッジの当該主走査位置におけるキャリッジの高さ方向の変位量算出を行う(ステップS1)。
図12は、キャリッジ位置におけるキャリッジの高さ方向の変位量算出の結果の例を示すグラフである。キャリッジを走査しながら本算出を連続的に行なうことによって、レールの湾曲によるキャリッジの姿勢変動が細かく検出される。
再び図11を参照して、ステップS1により検出したキャリッジの高さ方向の変位量を基に、キャリッジのメインレールに対しての傾き量を算出する(ステップS2)。
図13は、メインレールと101と二つの受光センサ606と607による変位量の検出点との位置関係を示す模式図である。図13で示される変数は、以下のように定義する。
MNY メインレール、検出点間距離(搬送方向)
MNZ メインレール、検出点間距離(高さ方向)
MNφ メインレール、検出点初期角度
MNθ メインレール、検出点変位角度
MN 検出点変位量
図13(a)は、記録媒体201とヘッド200が平行に位置するのに対し、図13(b)は、記録ヘッド200がメインレール101を軸として角度MNθ分ローリングした時の図である。二つの受光センサによって得られたキャリッジの高さ方向の変位量から、記録ヘッド200の傾きを算出する。記録ヘッド200の傾きを導出する式は、以下となる。
Figure 2013146869
再び図11を参照すると、メインレールに対してのキャリッジの傾き量を算出した後(ステップS2)、算出されたキャリッジの傾き量に基づいて、キャリッジの姿勢変動を相殺するように働くアクチュエータの駆動量を算出する(ステップS3)。
図14は、変位制御用アクチュエータの駆動量の算出方法を説明するための図である。図14(a)は、姿勢制御アクチュエータの駆動によって力が作用する変位点と、記録ヘッド200のノズルとの位置関係を示した側面図であり、図14(b)は、図14(a)を簡易的に示した模式図である。また、図14(c)は、姿勢制御アクチュエータであるパルスモータ601を駆動してシャフト600を軸としてローリングを発生させたときの模式図である。図14において示される変数は、以下のように定義する。
MJL メイン、シャフト間直線距離
MJθ メイン、シャフト角度
JNY シャフト、ノズル間距離(搬送方向)
JNZ シャフト、ノズル間距離(高さ方向)
JAL シャフト、変位点間直線距離
JAθ シャフト、変位点形成角
Acθ アクチュエータ駆動による形成角
図14(c)で示されるように、本実施形態では、パルスモータ601が駆動すると、パルスモータ601に取り付けられたカム602によって記録媒体の搬送方向に変位が生じ、シャフト600を軸として、記録ヘッド200が角度Acθローリングする。ここで、キャリッジの姿勢変動によって生じた記録ヘッド200の傾きを相殺するように、パルスモータによって発生させるAcθを求める。
Figure 2013146869
また、角度Acθを発生させるため、変位点1400にパルスモータ601を駆動し、カム602を回転することによって与えられる変位量ACYを求める。
Figure 2013146869
式3により、パルスモータに取り付けられたカムによって発生させる変位量ACが定まる。本実施形態では、求められた変位量を生み出すカム位置となるようパルスモータ601を駆動し、記録ヘッド格納部604のローリングを抑制する。
再び図11を参照すると、アクチュエータ駆動量の算出が終了すると(ステップS3)、ステップS3において定まったキャリッジ位置におけるアクチュエータ駆動量を装置内のROMに格納する(ステップS4)。そして、主走査方向のキャリッジ位置に対応するアクチュエータ駆動量を求める工程を終了する。
この姿勢補正制御量算出における一連の処理は、工場出荷時における最終工程で行ってもよい。また、記録媒体の幅検知時にこの一連の処理を同時に行うことで、姿勢補正制御量算出のための算出時間を別途設けないような構成であってもよい。また、姿勢補正制御量算出処理の実行を、ユーザがユーザーインターフェースから指示する形態であってもよい。
図15は、本実施形態の姿勢補正制御回路を示すブロック図である。モータ制御処理回路1506は、モータ位置制御回路1500とモータ制御演算回路1501によって構成されている。
モータの初期位置検出には、カムに取り付けられた位置基準板1000とフォトインタラプタなどで構成されるカム位置検出センサ1502を用いてモータの初期位置検出を行う。カム位置検出センサの結果をモータ位置制御回路1500で処理し、モータを初期位置まで駆動する制御を行う。
キャリッジを走査して記録媒体に記録する際、キャリッジの位置を、キャリッジエンコーダセンサ1503を用いて位置検出を行い、そのキャリッジ位置におけるモータ駆動量をROM1504から読み出す。読み出した駆動量からモータ制御演算回路1501でパルス信号を生成し、生成されたパルス信号をモータドライバ1505に入力することでパルスモータ601を駆動させ、パルスモータ601に取り付けられたカムによって、記録ヘッド格納部の姿勢制御を行う。
キャリッジ本体の重量を考慮すると、キャリッジ本体の姿勢制御を行うには大型のアクチュエータが必要となる。本実施形態では、キャリッジの大型化の防止および低コスト化の観点から、記録ヘッド格納部607のみが姿勢補正制御される構成としている。
図16は、本実施形態のレーザ光源および受光部の構成を示すブロック図である。本実施形態のレーザ光源および受光部は、レーザ光源を駆動するための電源1600、本体のドアカバー開閉検知スイッチ1601、レーザダイオード1602を備えている。また、受光センサ(1)606、受光センサ(2)607、電流電圧変換アンプ(1)1607、電流電圧変換アンプ(2)1608を備えている。
フォトダイオード1603は、レーザダイオードと同一封止されてリア出力をモニタするダイオードであり、APC(AutoPowerControl)回路1604は、モニタフォトダイオード出力に基づいてレーザダイオードの電流を制御することによりレーザの出射パワーを一定に制御する回路である。CPU1605は、内蔵されたADコンバータ1606に両電流電圧変換アンプの出力が接続されている。またCPU1605は、APC回路に対して、レーザダイオードへの電流印加を許可、不許可する制御を行なう接続線を持っている。コリメータレンズ1609は、電気部品ではないが、レーザダイオードから出射されたレーザ光を平行光に補正するためのレンズであり、各レーザダイオードに合わせて調整されている。
レーザダイオードの制御技術については、すでに多くの技術が開示されているので説明を本発明に重要な点に絞って行なう。
レーザダイオードは安全性が求められる素子である。したがって、本体のドアカバー開閉検知スイッチによって、駆動電源のオンオフを行ない、ドアカバーが開いた状態では、確実にレーザの出射が停止されるように構成されている。また、必要な時以外は出射が停止するように、CPUで制御される。二つの受光センサの感度ばらつきや電流電圧変換アンプの感度ばらつきは、CPUに内蔵されたADコンバータの読み値に対する補正値で補正される。ここでの補正値は、キャリッジを所定の固定位置に設置した状態で、二つの電流電圧変換アンプの出力値が等しくなるように調整し取得される。
(第2の実施形態)
図17は、本実施形態のキャリッジの姿勢を検知するためのレーザ光源と受光素子の位置関係を示す斜視図である。開口部1702は、レーザ光源700を制限する、キャリッジ上に設けられた開口部である。受光センサ(1)1700および受光センサ(2)1701には、レーザ光源から出射された光束が開口部1702で制限されて照射される。開口部の形状は正方形としており、レーザ光源から出射されたもともとの光束の幅より、十分小さい幅となっている。
図18は、本実施形態の二つの受光センサに対するスポット位置が、キャリッジのローリングによって、どのように移動するかを示す模式図である。キャリッジが基準位置(水平)にある時は、図18(a)に示すように、両者に均等に照射されている。キャリッジがメインレールを軸に上側にあおられると、開口部がもともとの光束の上部を開口するため、図18(b)に示すように上側の受光センサにスポットが移動する。一方、キャリッジがメインレールを軸に下側にあおられると、図18(c)に示すようにスポットは下側の受光センサよりに移動する。両受光センサの出力比から、変位量を求め、補正制御を行う。
本実施形態では、開口部を長方(正方)形状とすることで、また、もともとのレーザ出射光束に対して十分小さな開口サイズとすることで、変位に対する受光センサ出力比の線形性が確保できる。また、レーザ光源に加え、受光部をユーザが触れない場所、と同時に機内ミストに汚染され難いところに配置することができ、機能劣化が防止できる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態において二つの受光センサとして説明した受光部は、PSD素子の2出力を用いてもよい。PSDの動作については多々技術開示されているので説明は省略する。
また、上述の実施形態では、二つの受光素子をZ方向に並べて技術説明を行なってきた。これは、記録ヘッドのノズル面からメインレールを見込む仰角が比較的小さい状態を想定し、また、メインレールのZ方向の真直度が比較的高く、ローリングの主要因をサブレールのメカニカル変位であることを前提としたものである。このような状況下では、Z方向の変位を観測するのが、ローリング状態を精度よく検知できる。一方、前述の仰角が比較的大きい場合、あるいは、メインレールのZ方向の真直度が低い場合などは、二つの受光センサをY方向に並べ、直接Y方向の変位を検出して制御した方が、高い精度が得られる。このように構成することで、水平に配置された二つの受光センサに対してスポットは垂直に移動するだけなので、基本的に出力比に変動はなく、例えばメインレールとサブレールが同期して上下している場合でもローリングとして誤認識されることがなくなる。
100 キャリッジ
101 メインレール
102 サブレール
200 記録ヘッド
201 キャリッジ軸受け部材
606 受光センサ(1)
607 受光センサ(2)
700 レーザ光源

Claims (2)

  1. 記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させながら媒体にインクを付与するインクジェット記録装置であって、
    前記キャリッジの位置を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記キャリッジの位置に基づいて、該インクジェット記録装置の筐体に備えられた光源と前記キャリッジに備えられ前記光源による光束を受光する受光部によって、前記キャリッジの主走査方向に平行な軸に対する回転量である変位量を算出する算出手段と、
    前記キャリッジの主走査方向に平行な軸に対する回転を補正する補正手段と、を備え、
    前記変位量に基づいて前記キャリッジの主走査の間に、前記補正手段によりキャリッジを補正しながら媒体にインクを付与することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記光束を制限する開口部をさらに備え、前記開口部が前記の光束を制限するように前記光源、前記受光部、および前記開口部を配置されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
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