JP2013146367A - 刺繍データ作成装置および刺繍データ作成プログラム - Google Patents

刺繍データ作成装置および刺繍データ作成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】個々の刺繍模様の形状や縫製品質を維持しつつ、複数の刺繍模様を接続してより大きな透かし模様を作成するための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置を提供する。
【解決手段】溶ける素材の縫製対象物に縫製される二つの模様について、一方の模様の針落ち点から所定距離以内に存在する他方の模様の針落ち点が近接ペアとして特定される(S206)。中点同士が所定距離内にある近接ペアがあればこれらがグループ化され(S208)、グループ毎に、近接ペアを包含し、二つの模様に部分的に重なる矩形領域が設定される(S209)。二つの模様を接続する接続縫目が矩形領域内に配置され、縫目を示す接続データが作成される(S210)。その後、二つの模様の縫目を示す刺繍データと接続データとから、二つの模様を接続縫目で接続された状態で縫製するための刺繍データが作成される。
【選択図】図6

Description

本発明は、刺繍ミシンを用いて刺繍模様を縫製するための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置および刺繍データ作成プログラムに関する。
熱または水に溶ける素材からなる縫製対象物に刺繍模様を縫製した後、縫製対象物を溶かして除去し、縫製に使用された刺繍糸のみを残すことで、いわゆる透かし模様(例えば、レース刺繍)を作成する手法が知られている。例えば特許文献1に記載の製造方法では、熱または水に溶ける基布に網目部を刺繍した後、網目に位置する基布を溶かすことで、透かし模様が形成される。
特開昭63−211387号公報
特許文献1に開示された方法によれば、透かし模様を含む単独の刺繍模様は作成できる。しかしながら、例えば、1種類の刺繍模様を複数並べて接続したり、複数の異なる刺繍模様を接続したりすることで、より大きな透かし模様を作成したいというニーズがある。特許文献1に開示された方法では、このようなニーズには対応できない。
複数の刺繍模様を接続してより大きな透かし模様を作成する場合、個別に複数の透かし模様を作成した後、手でこれらを縫い合わせる方法や、接続される複数の刺繍模様の端部を重ね縫いする方法が考えられる。しかしながら、手で縫い合わせる方法は手間がかかる。また、重ね縫いの場合、重ねられた部分の厚みが増すために縫製品質が低下したり、縫製結果が意図と異なるデザイン形状となったりする可能性がある。
本発明は、個々の刺繍模様の形状や縫製品質を維持しつつ、複数の刺繍模様を接続してより大きな透かし模様を作成するための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置および刺繍データ作成プログラム提供することを目的とする。
本発明の第一態様によれば、ミシンにより刺繍縫製を行うための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置が提供される。前記刺繍データ作成装置は、模様データ取得手段と、接続データ作成手段と、刺繍データ作成手段とを備えている。前記模様データ取得手段は、隣接して刺繍縫製される二つの模様について、前記二つの模様の一方である第一模様を形成する縫目を示すデータである第一模様データと、前記二つの模様の他方である第二模様を形成する縫目を示すデータである第二模様データとを取得する。前記接続データ作成手段は、前記二つの模様が、水溶性または熱溶性の縫製対象物に縫製される場合、前記二つの模様を接続するために縫製される、前記第一模様の外形輪郭と前記第二模様の外形輪郭とに交差する縫目である接続縫目を示すデータである接続データを作成する。前記刺繍データ作成手段は、前記模様データ取得手段によって取得された前記模様データと、前記接続データ作成手段によって作成された前記接続データとから、前記二つの模様を前記接続縫目で接続された状態に縫製するための刺繍データを作成する。
かかる刺繍データ作成装置によれば、二つの模様(第一模様と第二模様)が水溶性または熱溶性の縫製対象物に縫製される場合、第一模様と第二模様を形成する縫目のデータ(第一模様データと第二模様データ)と、第一模様の外形輪郭と第二模様の外形輪郭とに交差する接続縫目のデータ(接続データ)とから、刺繍データが作成される。よって、作成された刺繍データに従ってミシンにより刺繍縫製が行われると、第一模様の縫目の一部と第二模様の縫目の一部とが、接続縫目によって接続された状態となる。従って、その後、縫製対象物が水または熱で溶かされた場合、第一模様と第二模様の夫々の形状や縫製品質は維持しつつ、第一模様と第二模様とを接続縫目で接続して、より大きな一つの透かし模様を作成することができる。
前記刺繍データ作成装置において、前記刺繍データ作成手段は、前記接続縫目の縫製順よりも、前記第一模様を形成する前記縫目の縫製順および前記第二模様を形成する前記縫目の縫製順を後にして、前記刺繍データを作成してもよい。この場合、第一模様と第二模様とを接続する接続縫目の上に第一模様および第二模様の縫目の一部が縫製されることになるので、接続縫目が目立たず、より見栄えのよい透かし模様を得ることができる。
前記刺繍データ作成装置は、前記模様データ取得手段によって取得された前記第一模様データおよび前記第二模様データに基づき、前記接続縫目を形成する必要があるか否かを判断する接続判断手段を更に備えてもよい。そして、前記接続データ作成手段は、前記接続判断手段によって前記接続縫目を形成する必要があると判断された場合に前記接続データを作成してもよい。この場合、第一模様と第二模様とを接続する必要がある場合に限って接続縫目の接続データが作成されるので、効率よい処理が実現できる。
前記第一模様データおよび前記第二模様データは、夫々、複数の針落ち点を示す第一針落ち点データおよび第二針落ち点データを含んでもよい。そして、前記刺繍データ作成装置において、前記接続データ作成手段は、ペア特定手段と、領域設定手段と、領域内データ作成手段とを含んでもよい。前記ペア特定手段は、前記第一針落ち点データおよび前記第二針落ち点データに基づき、前記第一模様の前記複数の針落ち点のうち一つと、前記第二模様の前記複数の針落ち点のうち一つが所定距離内に位置する場合、前記第一模様の前記複数の針落ち点のうち前記一つと、前記第二模様の前記複数の針落ち点のうち前記一つとを、ペアとして特定する。前記領域設定手段は、前記ペア特定手段によって特定された前記ペアを構成する二つの針落ち点を少なくとも含み、且つ、前記第一模様と前記第二模様とに部分的に重なる領域を設定する。前記領域内データ作成手段は、前記領域設定手段によって設定された前記領域内に前記接続縫目を配置して、前記接続データを作成する。この場合、第一模様の針落ち点と第二模様の針落ち点のうち、所定距離内にある二つの針落ち点を含み、且つ、第一模様と第二模様とに部分的に重なる領域内に接続縫目が配置されるので、第一模様と第二模様とが互いに非常に近接する部分を接続縫目によって確実に接続することができる。
前記刺繍データ作成装置において、前記接続データ作成手段は、前記ペア特定手段によって前記ペアが複数特定され、且つ、前記複数のペアのうち、隣接するペアと所定距離以内にあるペアがある場合、前記所定距離内にあるペアを順に特定し、グループとして設定するグループ設定手段を更に含んでもよい。そして、前記領域設定手段は、前記グループ設定手段によって前記グループが設定された場合、前記グループに含まれる前記ペアを構成する全ての針落ち点を含み、且つ、前記第一模様と前記第二模様とに部分的に重なる領域を設定してもよい。この場合、互いに近接した位置にある複数のペアをグループ化して設定される一つの領域内に接続縫目が配置されるので、ペア毎に領域を設定して接続縫目を配置するよりも効率的な処理が実現できる。
前記刺繍データ作成手段は、前記接続縫目の長さを設定する縫目長さ設定手段を更に備えてもよい。この場合、例えばユーザが第一模様と第二模様の縫目に応じて所望の接続縫目の長さを設定することができる。
本発明の第二態様によれば、第一態様の刺繍データ作成装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるための刺繍データ作成プログラムが提供される。従って、刺繍データ作成プログラムがコンピュータによって実行されることにより、第一態様に係る刺繍データ作成装置と同様の効果を奏することができる。
刺繍データ作成装置1の電気的構成を示すブロック図である。 刺繍ミシン3の外観図である。 刺繍データ作成装置1のメイン処理のフローチャートである。 模様71と模様72が組み合わされた模様70の説明図である。 メイン処理で行われる接続模様確認処理のフローチャートである。 メイン処理で行われる接続データ作成処理のフローチャートである。 縫目711と縫目721に対して設定される、近接ペアK1〜K8と矩形領域R1の説明図である。 縫目81と縫目82に対して設定される、近接ペアK10と矩形領域R2の説明図である。 縫目91と縫目92に対して設定される、近接ペアK21〜K28と矩形領域R3、矩形領域R41、R42の説明図である。 図7に示す矩形領域R1内に配置される接続縫目76の説明図である。 模様71と模様72に対して配置された接続縫目76〜78の説明図である。 縫目81と縫目82に対して配置された接続縫目86の説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。まず、刺繍データ作成装置1の構成について、図1を参照して説明する。刺繍データ作成装置1は、後述の刺繍ミシン3(図2参照)によって縫製対象物に刺繍模様を縫製するための刺繍データを作成する装置である。縫製対象物とは、例えば、加工布、水溶性シート、熱溶性シート等である。
刺繍データ作成装置1は、例えば、所謂パーソナルコンピュータ等の汎用型の装置である。図1に示すように、刺繍データ作成装置1の制御を司るコントローラであるCPU11を備えている。CPU11には、RAM12と、ROM13と、入出力(I/O)インタフェイス14とが接続されている。RAM12は、各種のデータを一時的に記憶する。ROM13は、BIOS等を記憶する。I/Oインタフェイス14は、データの受け渡しの仲介を行う。I/Oインタフェイス14には、ハードディスク装置(HDD)15と、入力機器であるマウス22と、ビデオコントローラ16と、キーコントローラ17と、CD−ROMドライブ18と、メモリカードコネクタ23と、イメージスキャナ装置25とが接続されている。図1には図示されていないが、刺繍データ作成装置1は、外部機器又はネットワークとの接続のための外部インタフェイスを備えていてもよい。
ビデオコントローラ16には、表示機器であるディスプレイ24が接続され、キーコントローラ17には、入力機器であるキーボード21が接続されている。CD−ROMドライブ18には、CD−ROM54を挿入することができる。例えば、刺繍データ作成プログラムのセットアップ時には、刺繍データ作成プログラムを記憶するCD−ROM54がCD−ROMドライブ18に挿入される。そして、刺繍データ作成プログラムが読み込まれ、HDD15のプログラム記憶エリア153に記憶される。外部機器からまたはネットワーク経由で取得された刺繍データ作成プログラムがプログラム記憶エリア153に記憶されてもよい。メモリカードコネクタ23には、メモリカード55を接続して、メモリカード55の情報の読み取り及びメモリカード55に情報の書き込みを行うことができる。
HDD15の記憶エリアについて説明する。図1に示すように、HDD15は、刺繍データ記憶エリア151と、設定記憶エリア152と、プログラム記憶エリア153と、その他のデータ記憶エリア154とを含む複数の記憶エリアを備える。刺繍データ記憶エリア151には、刺繍データが記憶される。刺繍データは、刺繍縫製される模様を形成するための縫目を示すデータである。本実施形態の刺繍データは、刺繍ミシン3で刺繍を行う際に使用されるデータであり、針落ち点(刺繍ミシン3に固有のXY座標系の座標値)とその縫製順に関するデータを少なくとも含む。刺繍データは、この他、各模様に対応する刺繍糸の色に関するデータが含まれていてもよい。なお、以下では、刺繍データ記憶エリア151に刺繍データが記憶されている模様を、内蔵模様という。
設定記憶エリア152には、刺繍データ作成装置1で実行される各種処理で使用される各種設定値が記憶される。プログラム記憶エリア153には、CPU11によって実行される、刺繍データ作成プログラムを含む複数のプログラムが記憶されている。その他のデータ記憶エリア154には、例えば、各種パラメータの初期値及び設定値が記憶されている。なお、刺繍データ作成プログラムは、ROM13、またはその他の記憶装置(フラッシュROM等)に記憶されてもよい。
図2を参照して、刺繍ミシン3について簡単に説明する。刺繍ミシン3は、刺繍データに基づいて刺繍模様を縫製可能なミシンである。図2に示すように、刺繍ミシン3は、ベッド部30と、脚柱部36と、アーム部38と、頭部39とを有する。ベッド部30は、縫製者に対して左右方向を長手方向として延びている。脚柱部36は、ベッド部30の右端部から上方へ延びる。アーム部38は、脚柱部36の上端から左方へ延びる。頭部39は、アーム部38の左端に連結している。
ベッド部30上には、刺繍が施される加工布(図示略)を保持する刺繍枠41を配置可能である。刺繍枠41は、Y方向駆動部42とX方向駆動機構(図示略)によって、装置固有のXY座標系で示される位置に移動される。X方向駆動機構は、本体ケース43内に収容されている。刺繍枠41が移動されるのと同期して、縫針44が装着された針棒35と、釜機構(図示略)とが駆動されることにより、加工布上に刺繍模様が形成される。Y方向駆動部42と、X方向駆動機構と、針棒35とは、刺繍ミシン3に内蔵された制御装置(図示略)によって制御される。制御装置は、マイクロコンピュータ等から構成される。
刺繍ミシン3の脚柱部36の側面には、メモリカードスロット37が搭載されている。メモリカードスロットには、メモリカード55を着脱可能である。例えば、刺繍データ作成装置1(図1)で作成された、または編集された刺繍データは、メモリカードコネクタ23を介してメモリカード55に記憶される。そして、メモリカード55がメモリカードスロット37に装着され、記憶された刺繍データが読み出されて、刺繍ミシン3に刺繍データが記憶される。刺繍ミシン3の制御装置(図示略)は、メモリカード55から供給された刺繍データに基づいて、上記の要素による刺繍動作を自動的に制御する。このようにして、刺繍ミシン3は、刺繍データ作成装置1から供給された刺繍データに基づき、刺繍模様を縫製することができる。
図3〜図12を参照して、刺繍データ作成装置1で実行されるメイン処理について説明する。図3に示すメイン処理は、ユーザが処理を開始させる指示を入力すると起動される、図1のHDD15に記憶された刺繍データ作成プログラムに従って、CPU11が実行する。
図3に示すように、メイン処理が開始されると、ユーザによって刺繍縫製の対象となる模様が選択される(S1)。より詳細には、例えば、刺繍データ作成装置1のディスプレイ24に、内蔵模様の一覧と決定キーを示す画面(図示略)が表示される。そして、ユーザがマウス22およびキーボード21の操作により、所望の模様を選択した後、決定キーを選択すると、CPU11によって、選択された模様(以下、選択模様という)が特定され、HDD15の刺繍データ記憶エリア151から、選択模様の刺繍データ(以下、選択模様データという)がRAM12に取得される。S1では、ユーザは、複数の模様を選択することもできる。この場合、複数の選択模様に対応する複数の選択模様データが、選択された順にRAM12に取得される。なお、刺繍縫製される模様は、内蔵模様に限らず、例えば、メモリカード55や外部機器に刺繍データが記憶された模様であってもよい。この場合は、選択模様データはメモリカード55や外部機器から読み出され、RAM12に取得される。
続いて、選択模様の編集が行われる(S2)。S2では、例えば、刺繍データ作成装置1のディスプレイ24に、選択模様を表示する領域と、模様の編集のための各種キーと、決定キーとを含む画面(図示略)が表示される。選択模様を表示する領域には、まず、初期設定されたサイズおよび配置で選択模様が表示される。模様の編集とは、例えば、模様のサイズ変更(拡大、縮小)、模様の配置変更(移動、回転等)である。ユーザは、各種キーを選択することで、選択模様に対して所望の編集を行うことができる。
例えば、複数の内蔵模様を接続して一つの透かし模様を作成したい場合、ユーザは、S1で複数の模様を選択し、S2でこれらの選択模様のサイズや配置を適宜変更する。図4は、S1で模様71と模様72が選択され、S2において、模様71と模様72を組み合わせた模様70を作成するために、模様71と模様72とが太線701、702、703で夫々囲まれた三つの部分で実質的に互いに接するように配置変更された例を示している。なお、模様72は、模様71と同一の模様の配置を回転させたものである。適宜、模様の編集が行われた後、決定キーが選択されると、編集内容が確定され、S1で読み出された選択模様データが編集内容に応じて補正される。具体的には、選択模様データに含まれる針落ち点を示す座標値が、編集内容に応じて変更される。
選択模様の編集の後、ディスプレイ24には、選択模様のデザイン特性を指定するための指定画面(図示略)が表示される(S3)。選択模様のデザイン特性として、例えば、縫製対象物の種別と、接続縫目の作成の要否と、接続縫目を形成する一つの縫目の長さとが挙げられる。縫製対象物の種別は、縫製対象物が溶ける素材(例えば、水溶性素材および熱溶性素材)であるか否かである。選択模様が透かし模様とされる場合、縫製対象物には溶ける素材が使用されるので、縫製対象物が溶ける素材であると指定される。複数の模様が接続されて一つの模様とされることを前提として配置されていても、これらの模様が夫々の刺繍データのみに従って縫製された場合、その後に縫製対象物が溶かされると、個々の模様に分離してしまう。接続縫目とは、このような場合に、二つの模様を接続するために縫製される、二つの模様の外形輪郭に交差する縫目である。接続縫目については、後で詳述する。
続いて、指定画面において、縫製対象物が溶ける素材であると指定されたか否かが判断される(S4)。複数の模様が互いに接するように配置されていたとしても、縫製対象物が溶ける素材でなければ(S4:NO)、特に模様を接続する接続縫目を付加する必要はないので、メイン処理はそのまま終了する。縫製対象物が溶ける素材の場合(S4:YES)、接続縫目の作成が必要と指定されているか否かが判断される(S5)。縫製対象物が溶ける素材であり、複数の模様が選択されていたとしても、ユーザが、複数の模様を別個独立の複数の透かし模様としたい場合、接続縫目は不要である。よって、接続縫目の作成が不要と指定されている場合(S5:NO)、メイン処理はそのまま終了する。
一方、接続縫目の作成が必要と指定された場合(S5:YES)、指定画面から入力された長さが、作成される接続縫目を形成する一つの縫目の長さ(以下、接続縫目幅という)Wとして設定され、RAM12に記憶される(S6)。ユーザは、接続される複数の選択模様を考慮して、所望の接続縫目幅W(例えば5mm)を指定することができるが、縫製対象物が溶かされた後も複数の選択模様が接続された状態を維持するには、接続縫目幅Wは、最低でも、後述する閾値D1よりも長い必要がある。また、縫針44を用いて形成できる現実的な縫目の長さを考慮すれば、最低でも2mm程度であることが好ましい。更に、二つの模様をより確実に接続するためには、3mm以上の長さとするのが好ましい。
なお、接続縫目幅Wには特に上限はないが、接続される複数の選択模様の外形輪郭を形成する縫目の幅や、選択模様を埋める縫目の種類に応じてユーザが適切な値を指定すればよい。例えば、選択模様を埋める縫目の密度が高い場合には、後述するように接続縫目が選択模様より前に縫製される場合には、接続縫目が選択模様の外観に及ぼす影響は小さいので、接続状態を強固にするために、接続縫目はある程度長くてもよい。反対に、選択模様を埋める縫目がほとんど形成されない場合、つまり、選択模様を形成する縫目が実質的に外形輪郭を形成する縫目(例えば、環状の縫目)のみの場合、接続縫目幅Wは、接続縫目が外形輪郭を形成する縫目から大幅に突出しない程度とすることが好ましい。なお、S6では、選択模様データに含まれる針落ち点の座標値のデータに基づいて、CPU11がこのように選択模様の外形輪郭を形成する縫目の幅や、選択模様を埋める縫目の種類を特定し、適切な接続縫目幅Wを自動的に設定してもよい。
続いて、複数の選択模様に接続縫目が付加された刺繍データを作成する処理が行われる(S7〜S23)。まず、S1で選択され、対応する選択模様データがRAM12に取得されている選択模様の数(以下、模様総数という)Nが特定され、RAM12に記憶される(S7)。N個の選択模様を順に処理するためにRAM12に記憶されるカウンタ値nが初期値の1とされる(S8)。図4の例では、S7で模様総数Nが2と特定された後、1番目の模様71が処理対象とされる。続いて、n番目の選択模様を処理対象として、接続模様確認処理が行われる(S10、図5)。接続模様確認処理とは、接続縫目によって処理対象のn番目の選択模様(以下、模様nという)に接続される、模様nよりも順番が後の選択模様の有無を確認し、接続される選択模様があればそれを特定する処理である。
図5に示すように、接続模様確認処理ではまず、RAM12に記憶されるリターン値Rと配列Fがリセットされる(S101)。リターン値Rは、模様nに接続される他の選択模様があるか否かを示す値であり、「YES」であればあることを、「NO」であればないことを示す。配列Fは、模様nに接続される他の選択模様として特定された模様を特定するための識別情報を記憶するために用意される配列である。S101では、リターン値は「NO」とされ、配列Fには何も記憶されていないことを示す「NULL」が記憶される。
処理対象の模様nよりも順番が後の選択模様の数(以下、後の模様数という)Mが特定され(S102)、更に、後の模様数Mがゼロ(0)か否かが判断される(S103)。後の模様数Mがゼロでなければ(S103:NO)、RAM12に取得されている模様nの選択模様データから、全針落ち点V1〜Viの座標値が読み込まれる(S104)。そして、模様nよりも順番が後のM個の選択模様を順に処理するためにRAM12に記憶されるカウンタ値mが初期値の1とされ(S105)、模様nよりも順番が後の選択模様のうちm番目の選択模様(以下、模様mという)についても、その選択模様データから、全針落ち点W1〜Wjの座標値が読み込まれる(S106)。図4の例では、1番目の模様71よりも順番が後の1番目の選択模様は模様72であるから、S104、S106では、夫々、模様71と模様72の針落ち点の座標値が読み込まれる。
模様nと模様mの針落ち点V1〜Vi、W1〜Wjの座標値に基づいて、模様nの針落ち点V1〜Viのうちいずれか一つから所定距離内に、模様mの針落ち点W1〜Wjのうちいずれか一つが存在するか否かが判断される(S107)。具体的には、CPU11は、模様nの針落ち点V1〜Viを順に処理対象として、模様mの針落ち点W1〜Wjとの距離d1を順に算出する。そして、距離d1が、閾値D1以下となる針落ち点Vi、Wjのペアがあれば、模様nの針落ち点から所定距離内に模様mの針落ち点が存在すると判断する。
なお、模様nの針落ち点Viと模様mの針落ち点Wjとの間の距離d1は、これらの針落ち点Vi、Wjの夫々の座標値(Vix,Viy)、(Wjx,Wjy)を用いて、以下の式で算出することができる。
d1=√{(Vix−Wjx)+(Viy−Wjy)
なお、複数の模様が実質的に互いに接するように配置されている場合に接続縫目を作成するのであれば、閾値D1として、0.3mm〜0.5mm程度の値が設定されるとよいが、これ以外の値が採用されてもよい。閾値D1は、例えば、予め設定された値としてHDD15の設定記憶エリア152に記憶されていてもよいし、ユーザが指定した値が使用されてもよい。
距離d1が閾値D1以下の針落ち点ViとWjのペアが特定された場合(S107:YES)、模様mは模様nと少なくとも1点で非常に近接した位置にあり、両者が接続されることを前提として配置されていると考えられる。従って、S101で用意された配列Fに、模様nの識別情報と対応付けて模様mの識別情報が追加して記憶される(S108)。更に、リターン値Rが、模様nに接続される他の選択模様(以下、接続模様という)があることを示す「YES」に変更される(S109)。図4の例では、少なくとも、太線701、702、703で囲まれた部分のいずれかにある模様71の針落ち点が模様72の針落ち点と所定距離内にあると判断されるので、模様71の識別情報に模様72の識別情報が対応付けられて配列Fに記憶され、リターン値Rが「YES」とされる。その後、処理はS110に進む。
一方、距離d1が閾値D1以下となる針落ち点ViとWjのペアが全く発見されない場合(S107:NO)、模様mは模様nに接続される接続模様ではないので、処理はそのままS110に進む。
S110では、模様nに対して次の模様mが接続されるか否かを判断するために、カウンタ値mに1が加算される(S110)。そして、カウンタ値mが、S102で特定された後の模様数Mを超えたか否かが判断される(S111)。カウンタ値mが後の模様数Mを超えていなければ(S111:NO)、まだ模様nとの配置関係を確認すべき他の選択模様があるため、処理はS106に戻り、次の模様mの針落ち点の座標値が読み込まれて、前述と同様、模様nの針落ち点との距離d1に応じた処理が行われる(S107〜S110)。図4の例で、模様n、mとして模様71、72が処理されると、カウンタ値mは2となり、模様71より順番が後の模様数1を超える(S111:YES)。このような場合、模様nとの配置関係を確認すべき他の選択模様はもうないので、CPU11は図5に示す接続模様確認処理を終了し、図3に示すメイン処理に戻る。
図3に示すように、接続模様確認処理の後(S10)、処理対象の模様nに対する接続模様があるか否かが判断される(S11)。具体的には、RAM12に記憶されているリターン値Rが「YES」であれば、処理対象の模様nに対する接続模様があると判断され(S11:YES)、接続データ作成処理が行われる(S20、図6)。接続データ作成処理とは、模様nと、模様nに対する接続模様とを接続するための接続縫目を示すデータである接続データを作成する処理である。
図6に示すように、接続データ作成処理では、まず、RAM12に記憶される配列Gおよび配列Dがリセットされる(S201)。配列Gは、所定距離内にある、つまり非常に近接した位置にある模様nの針落ち点と接続模様の針落ち点とを一組のペア(以下、近接ペアという)として、その座標値を順に記憶するために用意される配列である。配列Dは、配列Gに記憶された近接ペアの各々を構成する二つの針落ち点を結ぶ線分の中点の座標値を記憶するために用意される配列である。S201では、配列Gおよび配列Dには、何も記憶されていないことを示す「NULL」が記憶される。
続いて、RAM12に取得されている模様nの選択模様データから、全針落ち点の座標値が読み込まれる(S202)。そして、RAM12に記憶されている配列Fに、模様nの識別情報に対応付けて記憶されている他の模様の識別情報の数が、模様nに対する接続模様数Bとして特定される(S203)。これらの接続模様を順に処理するためにRAM12に記憶されるカウンタ値bが初期値の1とされ(S204)、配列Fにおいて模様nに対応するb番目の接続模様(以下、模様F[b]という)についても、その選択模様データから、全針落ち点の座標値が読み込まれる(S205)。
続いて、所定距離内にある模様nの針落ち点Viと模様F[b]の針落ち点Wjが一つの近接ペアとして特定され、その座標値が配列Gに記憶される(S206)。具体的には、前述の接続模様確認処理のS107(図5参照)における判断処理と同様、模様nの針落ち点V1〜Viの各々と模様F[b]の針落ち点W1〜Wjの各々との間の距離d1を順に求め、距離d1が閾値D1(例えば、0.3mm〜0.5mm)以下となる針落ち点Viと針落ち点Wjとが、近接ペアとして特定される。そして、特定された近接ペアを構成する二つの針落ち点Vi、Wjの座標値(Vix,Viy)、(Wjx,Wjy)が、配列Gに追加され、記憶される。なお、模様nの一つの針落ち点からの距離d1が閾値D1以下となる模様F[b]の針落ち点が複数ある場合は、距離d1が最も短くなる針落ち点が近接ペアに採用される。
図4の例では、太線701、702、703に囲まれた部分について、模様71の縫目に対応する針落ち点の一つと模様72の縫目に対応する針落ち点の一つを1組として、複数の近接ペアが特定され、その座標値が配列Gに記憶される。例えば、太線701で囲まれた部分の模様71の縫目711と、模様72の縫目721については、図7に示すように、K1〜K8までの8組の近接ペアが特定される。太線702、703で囲まれた部分についても、同様の処理が行われる。
模様nの針落ち点Viと模様F[b]の針落ち点Wjの全ての組合せについてS206の処理が終了すると、配列Gに記憶された近接ペアの座標値から、近接ペアの中点C1〜Chの座標値が算出され、対応する近接ペアの識別情報と対応付けて配列Dに記憶される(S207)。具体的には、近接ペアの中点Chの座標値(Chx,Chy)は、近接ペアを構成する二つの針落ち点Vi、Wjの座標値(Vix,Viy)、(Wjx,Wjy)に基づいて以下のように順に算出され、配列Dに記憶される。
(Chx,Chy)=((Vix+Wjx)/2,(Viy+Wjy)/2)
S206で特定された近接ペアのうち、隣接するペアと所定距離内にある近接ペアが順に特定され、一つのグループとして設定される(S208)。本実施形態では、S207で配列Dに記憶された中点Chの座標値に基づき、近接ペアのうち、中点同士が所定距離内にある複数の近接ペアが、1組のグループとして設定される。具体的には、配列Dに複数の中点の座標値が記憶されている場合は、そのうち一つの中点を基準として、その中点と他の中点との間の距離d2が、針落ち点Viと針落ち点Wjとの間の距離d1の算出方法と同様の式を用いて算出される。そして、例えば、中点C1との距離d2が閾値D2以下となる他の中点C2があれば、中点C1に対応する近接ペアと、C2に対応する近接ペアの2組が同じグループとして設定される。更に、中点C2との距離d2が閾値D2以下となる他の中点C3があれば、中点C3に対応する近接ペアも、同じグループに加えられる。
なお、二つの模様が非常に近接している部分が離れた位置に複数ある場合に、その間の部分にも両者を接続する接続縫目が形成されてしまうのを回避するためには、閾値D2は、10mm程度とするのが好ましい。閾値D2は、例えば、予め設定された値としてHDD15の設定記憶エリア152に記憶されていてもよいし、ユーザが指定した値が使用されてもよい。
S208では、このようにして、所定距離D2内にある中点が順に特定され、対応する近接ペアがグループ化される。なお、一つの中点に対して他の複数の中点が閾値D2以内の距離にある場合は、基準とされた中点に隣接した(最も近い位置にある)一つが特定され、特定された一つの中点に対応する近接ペアが同じグループに加えられればよい。
図7の例において、近接ペアK1とK2、K2とK3、K3とK4、K4とK5、K5とK6、K6とK7、K7とK8では、夫々、中点間の距離d2が閾値D2以下となるとする。この場合、S208では、近接ペアK1〜K8の8組が、一つのグループとして設定される。一方、図8の例のように、選択模様同士の配置の仕方や選択模様の形状によって、近接ペアK10の中点Chの近傍には他の近接ペアの中点が存在しないような場合には、近接ペアK10のみを含むグループが設定されればよい。
続いて、S208で設定されたグループの各々について、各グループに含まれる全ての近接ペアを包含する矩形領域が設定される(S209)。本実施形態では、各グループに含まれる近接ペアに対応する全ての針落ち点の座標値に基づいて、これら全ての針落ち点を包含し、且つ、一対の対辺の長さがメイン処理(図3参照)のS6で設定された接続縫目幅Wに等しい矩形領域が設定される。なお、接続縫目幅Wは、少なくとも近接ペアを構成する二つの針落ち点間の最大距離である閾値D1よりも大きいので、設定された矩形領域は、模様nと模様F[b]とに部分的に重なる。設定された矩形領域の四つの頂点の座標値は、RAM12に記憶される。
なお、一つのグループに複数の近接ペアが含まれる場合、矩形領域は、接続縫目幅Wを有する対辺が、グループ内の近接ペアの中点を結ぶ線分の全てに交差する方向に延びるように配置されることが好ましい。一方、一つのグループに近接ペアが1組のみ含まれる場合、矩形領域は、接続縫目幅Wを有する対辺が、近接ペアを構成する二つの針落ち点を結ぶ線分に対して略平行に延びるように配置されることが好ましい。これにより、後で矩形領域内に配置される接続縫目が、より確実に二つの模様の外形輪郭に交差し、二つの模様を接続することができる。
図7の例では、前述のように、近接ペアK1〜K8が一つのグループとして設定されているので、近接ペアK1〜K8を構成する全ての針落ち点を包含し、且つ、接続縫目幅Wを有する対辺が近接ペアK1〜K8の夫々の中点を結ぶ線分の全てに交差する方向に延びるよう配置された矩形領域R1が設定されている。一方、図8の例では、近接ペアK10のみが一つのグループを構成するため、近接ペアK10を構成する二つの針落ち点を包含し、且つ、接続縫目幅Wを有する対辺がこれら二つの針落ち点を結ぶ線分に略平行となるよう配置された矩形領域R2が設定されている。
なお、近接ペアの中点同士の距離d2が、S208で近接ペアをグループ化する際に用いられた閾値D2以下であっても、前述の条件を満たす矩形領域は設定できない場合がある。例えば、図9に示すように、近接ペアK21〜K28の夫々の中点間の距離d2はいずれも閾値D2以下であったとしても、近接ペアK21〜K28の針落ち点全てを包含する矩形領域R3の辺の長さが接続縫目幅Wよりも大きくなってしまう場合である。このような場合、例えば、S209では、前述の条件を満たす矩形領域R41で包含できる近接ペアK21〜K24のみを一つのグループとし、残りの近接ペアK25〜K28を別のグループとして、前述の条件を満たす矩形領域R42を更に設定してもよい。
S209において前述のように矩形領域が設定されると、矩形領域内に接続縫目が配置され、接続データが作成される(S210)。より詳細には、矩形領域内に、予め設定された糸密度で、接続縫目幅Wに等しい長さを有する対辺と平行な縫目を形成するための針落ち点が設定される。なお、糸密度とは、例えば、領域の中心線を単位長さあたり何本の縫目が横切るかを定義する情報(例えば3本/mm)である。糸密度は、例えば、予め設定された値としてHDD15の設定記憶エリア152に記憶されていてもよいし、ユーザが指定した値が使用されてもよい。
図7を参照して説明した矩形領域R1の場合、図10に示すように、接続縫目幅Wに等しい長さを有する対辺と直交する中心線CLを基準として設定された糸密度に応じて、接続縫目76の接続データが作成される。具体的には、矩形領域R1の一つの頂点を始点P1、対角にある頂点を終点P14として、接続縫目幅Wに等しい長さを有する対辺と直交する1組の対辺上に、糸密度に応じて算出される間隔で針落ち点P1〜P14が配置され、その座標値が算出される。そして、始点P1から終点P14までこれらの針落ち点P1〜P14をつなぐための縫製順が設定され、針落ち点P1〜P14の座標値と縫製順とが対応付けられることで、接続データが作成される。
なお、針落ち点間は、最低限一本の縫目が形成されればよいが、接続縫目を強固にするためには、接続縫目幅Wに等しい長さを有する対辺に平行に形成される縫目は、複数本の縫目で往復して縫製されることが好ましい。例えば、図10に示す針落ち点P1とP2の間は、P1からP2、P2からP1、P1からP2の順に、三本の縫目で縫製されてもよい。針落ち点P4とP3の間等、接続縫目幅Wに等しい長さを有する対辺に平行に形成される他の縫目についても同様である。
このようにして、図4の模様71を模様n、模様72を模様F[b]とした処理が行われた場合、太線701、702、703で囲まれた部分の各々にグループが設定され、対応する矩形領域内に接続縫目が配置される。その結果、図11に示すように、これらの部分の各々に、図10に示すような接続縫目76、77、78が配置され、その接続データが作成される。また、図8の例では、縫目81と縫目82の近接ペアK10に対応する矩形領域R2内に、図12に示すような接続縫目86が配置され、その接続データが作成される。
続いて、RAM12に記憶されたカウンタ値bに1が加算された後(S211)、カウンタ値bがS203で特定された接続模様数Bを超えたか否かが判断される(S212)。カウンタ値bが接続模様数Bを超えていなければ(S212:NO)、まだ作成すべき接続縫目があるため、処理はS205に戻り、次の模様F[b]の針落ち点の座標値が読み込まれて、前述と同様、模様nと模様F[b]を接続する接続縫目の接続データを作成する処理が行われる(S206〜S212)。図4の例では、1回目の処理のS211でカウンタ値bが2とされると、模様71に対する接続模様数1を超える(S212:YES)。このような場合、模様nに対する接続模様はもうないので、CPU11は図6に示す接続データ作成処理を終了し、図3に示すメイン処理に戻る。
図3に示すように、メイン処理では、接続データ作成処理の後(S20)、選択模様の選択模様データと接続データとから、選択模様を接続縫目で接続された状態に縫製するための最終的な刺繍データが作成される(S21)。具体的には、接続縫目の針落ち点のうち、縫製順が最後の針落ち点の次に、模様nの針落ち点のうち縫製順が最初の針落ち点が続くように、接続データと選択模様データに含まれる針落ち点の縫製順が設定され、一つの刺繍データとされる。つまり、この刺繍データに従って縫製が行われると、模様nおよびその接続模様よりも、接続縫目の方が先に縫製されることになる。刺繍データが作成されると、処理はS22に進む。
一方、S11で、RAM12に記憶されたリターン値Rが「NO」であれば、処理対象の模様nに対する接続模様はないと判断される(S11:NO)。この場合、模様nと他の選択模様とを接続する接続縫目は不要なので、接続データは作成されずにそのまま処理はS22に進む。
S22では、処理対象の選択模様を特定するカウンタ値nに1が加算され、選択模様のうち順番が次の選択模様が処理対象とされる。そして、カウンタ値nが模様総数Nを超えたか否かが判断される(S23)。カウンタ値nが模様総数Nを超えていなければ(S23:NO)、未処理の選択模様が残っているため、処理はS10に戻り、次の模様nについて、前述のように、必要に応じて接続データを作成する処理が行われる(S10〜S23)。なお、図4の例では、2番目の選択模様である模様72が処理対象とされると(n=2)、模様72より順番が後の選択模様がなくなるので、接続模様確認処理(S10)でリターン値が「NO」のままとなる。よって、模様72に対する接続模様はないと判断され(S11:NO)、カウンタ値nが3とされると(S22)、模様総数の2を超える(S23:YES)。このような場合、CPU11は、図3に示すメイン処理を終了する。
以上に説明したように、本実施形態の刺繍データ作成装置1によれば、溶ける素材からなる縫製対象物に縫製される二つの選択模様間を接続する接続縫目の作成が必要な場合、これらの選択模様の選択模様データに含まれる針落ち点の座標値のデータに基づき、一方の選択模様の針落ち点の一つから所定距離D1内にある他方の選択模様の針落ち点の一つが近接ペアとして特定される。更に、近接ペアのうち、中点同士が所定距離D2内にあるものが一つのグループとして設定される。そして、グループ毎に、そのグループの近接ペアを構成する針落ち点を全て含み、二つの選択模様の各々に部分的に重なる矩形領域が設定され、この矩形領域内に、二つの選択模様を接続するための接続縫目が配置され、接続データが作成される。そして、選択模様データと、接続縫目の接続データとから、最終的な刺繍データが作成される。
よって、作成された刺繍データに従って刺繍ミシン3により刺繍縫製が行われると、各選択模様の縫目の一部が、接続縫目によって接続された状態となる。従って、その後、縫製対象物が溶かされた場合、二つの選択模様の夫々の形状や縫製品質は維持しつつ、二つの選択模様を接続縫目で接続して、より大きな一つの透かし模様を作成することができる。また、接続縫目の縫製順よりも、二つの選択模様の縫製順を後にして刺繍データが作成されるので、接続縫目の上に選択模様の縫目の一部が縫製されることになる。従って、接続縫目が目立たず、より見栄えのよい透かし模様を得ることができる。更に、近接した位置にある近接ペアがグループ化され、矩形領域が設定された上で接続縫目が配置されるので、ペア毎に処理が行われる場合よりも効率よく、二つの選択模様が互いに非常に近接する部分を接続縫目によって確実に接続することができる。また、ユーザが指定した値が接続縫目幅Wとして設定されるので、ユーザは、二つの選択模様の縫目に応じて所望の接続縫目の長さを設定することができる。
本実施形態において、図3のメイン処理のS1で選択模様データをHDD15から取得する処理を行うCPU11は、本発明の「模様データ取得手段」に相当する。S20で接続データ作成処理を行うCPU11は、「接続データ作成手段」に相当する。S21で、選択模様データと接続データとから最終的な刺繍データを作成する処理を行うCPU11は、「刺繍データ作成手段」に相当する。S10で接続模様確認処理を行うCPU11は、「接続判断手段」に相当する。図6の接続データ作成処理のS206で近接ペアを特定する処理を行うCPU11は、「ペア特定手段」に相当する。S208で近接ペアをグループ化する処理を行うCPU11は、「グループ設定手段」に相当する。S209で矩形領域を設定する処理を行うCPU11は、「領域設定手段」に相当する。S210で矩形領域内に接続縫目を配置して接続データを作成する処理を行うCPU11は、「領域内データ作成手段」に相当する。図3のメイン処理のS6で接続縫目幅Wを設定する処理を行うCPU11は、「縫目長さ設定手段」に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、溶ける素材として、水溶性素材および熱溶性素材を例示した。しかし、溶ける素材は、これらの他、何らかの種類の溶液に溶ける素材でもよい。ただし、その場合、刺繍糸は溶けない種類の溶液である必要がある。
上記実施形態では、縫製対象物が溶ける素材であって、且つ、接続縫目を作成する必要があるとユーザが指定し、且つ、二つの選択模様のうち一方の針落ち点から所定距離D1内に他方の選択模様の針落ち点の一つが存在する場合にのみ、接続データが作成されるので、ユーザの希望に沿った効率よい処理が実現できる。しかしながら、CPU11は、縫製対象物が溶ける素材の場合、常に接続データを作成してもよい。つまり、ユーザの指定に応じたメイン処理のS4の判断処理と、接続模様確認処理(S10)は省略されてもよい。また、例えば、ユーザが二つの選択模様の互いに近接した二つの針落ち点を指定し、CPU11は、指定された二つの針落ち点を対象として、接続縫目の接続データを作成してもよい。
接続模様の有無の判断および近接ペアを特定するための所定距離を規定する閾値D1の値は、あくまでも例示であり、他の値に変更されてもよい。近接ペアをグループ化するための所定距離を規定する閾値D2についても同様である。
近接ペアをグループ化する場合、必ずしも中点同士の距離d2を用いる必要はない。この場合、例えば、図6の接続データ作成処理では、S207の処理を省略し、S208において、所定距離内にある近接ペアを順に同じグループに設定していく処理が行われてもよい。また、近接ペアは、必ずしもグループ化される必要はない。つまり、近接ペア毎に、図8および図12に示す例のように接続縫目を配置して接続データが作成されてもよい。
近接ペアのグループに対応する領域の形状は、実施形態で例示した矩形以外の他の形状であってもよい。また、近接ペアに対応する領域自体、必ずしも設定する必要はない。例えば、各選択模様の針落ち点の座標値に基づいて各選択模様の外形輪郭を特定し、近接ペアを構成する二つの針落ち点を結ぶ線分に略平行に、これら二つの針落ち点の近傍で各選択模様の外形輪郭に交差するように、接続縫目を配置すればよい。この場合、近接ペアの近傍で、1箇所ずつ確実に接続縫目を形成することができる。
接続縫目の縫製順は、必ずしも接続される二つの選択模様よりも前である必要はなく、二つの選択模様よりも後であってもよいし、二つの選択模様の間であってもよい。また、複数の色の刺繍糸で刺繍縫製が行われる場合、通常は、同じ色の刺繍糸で形成される縫目が連続するように、針落ち点が色毎にグループ化され、その中で縫製順が決定された後、全てのグループのデータが結合されて最終的な刺繍データが作成される。この場合も、接続縫目よりも選択模様の縫目が後に形成された方が、接続縫目が目立たず、より見栄えのよい透かし模様を得ることができるので、接続縫目の針落ち点の縫製順は、少なくとも同じ色のグループ中で、選択模様の縫目の針落ち点よりも前にされることが好ましい。なお、接続縫目の刺繍糸の色は、例えば、接続縫目が接続する二つの選択模様の縫目の色を考慮して設定されればよい。
1 刺繍データ作成装置
3 ミシン
11 CPU

Claims (7)

  1. ミシンにより刺繍縫製を行うための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置であって、
    隣接して刺繍縫製される二つの模様について、前記二つの模様の一方である第一模様を形成する縫目を示すデータである第一模様データと、前記二つの模様の他方である第二模様を形成する縫目を示すデータである第二模様データとを取得する模様データ取得手段と、
    前記二つの模様が、水溶性または熱溶性の縫製対象物に縫製される場合、前記二つの模様を接続するために縫製される、前記第一模様の外形輪郭と前記第二模様の外形輪郭とに交差する縫目である接続縫目を示すデータである接続データを作成する接続データ作成手段と、
    前記模様データ取得手段によって取得された前記模様データと、前記接続データ作成手段によって作成された前記接続データとから、前記二つの模様を前記接続縫目で接続された状態に縫製するための刺繍データを作成する刺繍データ作成手段とを備えた刺繍データ作成装置。
  2. 前記刺繍データ作成手段は、前記接続縫目の縫製順よりも、前記第一模様を形成する前記縫目の縫製順および前記第二模様を形成する前記縫目の縫製順を後にして、前記刺繍データを作成することを特徴とする請求項1に記載の刺繍データ作成装置。
  3. 前記模様データ取得手段によって取得された前記第一模様データおよび前記第二模様データに基づき、前記接続縫目を形成する必要があるか否かを判断する接続判断手段を更に備え、
    前記接続データ作成手段は、前記接続判断手段によって前記接続縫目を形成する必要があると判断された場合に前記接続データを作成することを特徴とする請求項1または2に記載の刺繍データ作成装置。
  4. 前記第一模様データおよび前記第二模様データは、夫々、複数の針落ち点を示す第一針落ち点データおよび第二針落ち点データを含み、
    前記接続データ作成手段は、
    前記第一針落ち点データおよび前記第二針落ち点データに基づき、前記第一模様の前記複数の針落ち点のうち一つと、前記第二模様の前記複数の針落ち点のうち一つが所定距離内に位置する場合、前記第一模様の前記複数の針落ち点のうち前記一つと、前記第二模様の前記複数の針落ち点のうち前記一つとを、ペアとして特定するペア特定手段と、
    前記ペア特定手段によって特定された前記ペアを構成する二つの針落ち点を少なくとも含み、且つ、前記第一模様と前記第二模様とに部分的に重なる領域を設定する領域設定手段と、
    前記領域設定手段によって設定された前記領域内に前記接続縫目を配置して、前記接続データを作成する領域内データ作成手段とを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の刺繍データ作成装置。
  5. 前記接続データ作成手段は、前記ペア特定手段によって、前記ペアが複数特定され、且つ、前記複数のペアのうち、隣接するペアと所定距離以内にあるペアがある場合、前記所定距離内にあるペアを順に特定し、グループとして設定するグループ設定手段を更に含み、
    前記領域設定手段は、前記グループ設定手段によって前記グループが設定された場合、前記グループに含まれる前記ペアを構成する全ての針落ち点を含み、且つ、前記第一模様と前記第二模様とに部分的に重なる領域を設定することを特徴とする請求項4に記載の刺繍データ作成装置。
  6. 前記接続縫目の長さを設定する縫目長さ設定手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の刺繍データ作成装置。
  7. 請求項1から6の何れかに記載の刺繍データ作成装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるための刺繍データ作成プログラム。
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