JP2013144981A - エアーフォイル - Google Patents

Abstract

【課題】改良したエアーフォイルを提供する。
【解決手段】エアーフォイルは、プラットフォーム及び該プラットフォームに接続された外面を含むである。複数の溝セグメントが前記外面に設けられ、また各溝セグメントには、前記外面に冷却媒体を供給する単一の冷却通路が設けられる。
【選択図】図１

Description

本発明は、一般的に云えば、タービンに用いることのできるようなエアーフォイル（翼又は翼形部材）に関するものである。

タービンは、仕事を遂行するために航空機用、工業用及び発電用などの多種多様な用途に広く用いられている。各々のタービンは、一般に、円周方向に装着された複数の静翼及び複数の動翼の交互の段を含む。各々の静翼及び動翼は、エアーフォイルに成形された高合金鋼及び／又はセラミック材料を含むことができ、また、蒸気、燃焼ガス又は空気のような圧縮された作動流体が、タービン内のガス流路に沿って静翼及び動翼を横切って流れる。静翼は、圧縮された作動流体を加速して次の段の動翼へ導いて、動翼に運動を与えて仕事を遂行する。

圧縮された作動流体に伴う高い温度が、静翼及び／又は動翼の摩耗及び／又は損傷を増大させるおそれがある。このため、冷却媒体をエアーフォイルの内部に供給して、エアーフォイルを通って放出させることにより、エアーフォイルの外側に膜冷却を行うことができる。エアーフォイルには、該エアーフォイルの外面にわたって冷却媒体を均等に分布させる溝が設けられている。しかしながら、エアーフォイルの外面にわたる冷却媒体の分布を変えられる改良されたエアーフォイルが得られれば、有益であろう。

米国特許第６２１０１１２号

本発明の様々な面及び利点は、以下に記載し、又は以下の記載から明らかであり、或いは本発明の実施を通じて習得することができよう。

本発明の一実施形態は、内面及び該内面に対向する外面を含むエアーフォイルである。前記外面は、正圧面、該正圧面に対向する負圧面、前記正圧面と前記負圧面との間の淀み線(stagnation line) 、及び前記正圧面と前記負圧面との間にあり且つ前記淀み線より下流にある後縁を含む。１つ以上の溝セグメントが前記外面に設けられ、また各溝セグメントには、前記内面から前記外面へ流体連通させる単一の冷却通路が設けられる。

本発明の別の実施形態は、プラットフォーム及び該プラットフォームに接続された外面を含むエアーフォイルである。１つ以上の溝セグメントが前記外面に設けられ、また各溝セグメントには、前記外面に冷却媒体を供給する単一の冷却通路が設けられる。

本発明の更に別の実施形態は、内面及び該内面に対向する外面を含むエアーフォイルである。前記外面は、正圧面、該正圧面に対向する負圧面、前記正圧面と前記負圧面との間の淀み線、及び前記正圧面と前記負圧面との間にあり且つ前記淀み線より下流にある後縁を含む。１つ以上の溝セグメントが前記正圧面、負圧面、淀み線又は後縁の内の少なくとも１つに設けられ、また各溝セグメントには、前記内面から前記外面へ流体連通させる単一の冷却通路が設けられる。

本発明のまた更に別の実施形態は、内面及び該内面に対向する外面を含むエアーフォイルである。前記外面は、正圧面、該正圧面に対向する負圧面、前記正圧面と前記負圧面との間の淀み線、及び前記正圧面と前記負圧面との間にあり且つ前記淀み線より下流にある後縁を含む。プラットフォーム又は側壁の少なくとも一方が前記外面に隣接する。１つ以上の溝セグメントがプラットフォーム又は側壁に設けられ、また各溝セグメントには単一の冷却通路が設けられる。

当業者には、明細書を読むことにより、このような実施形態の特徴及び側面などがより良く理解されよう。

当業者を対象として、最良の実施形態を含む本発明の完全で実現可能な開示を、明細書の以下の記載において添付の図面を参照してより詳しく行う。

図１は、本発明の一実施形態に従ったエアーフォイルの斜視図である。 図２は、図１の線Ａ−Ａに沿って見た図１のエアーフォイルの軸方向断面図である。 図３は、図１の線Ｂ−Ｂに沿って見た図１のエアーフォイルの半径方向断面図である。 図４は、本発明の別の実施形態に従ったエアーフォイルの斜視図である。 図５は、本発明の更に別の実施形態に従ったエアーフォイルの斜視図である。 図６図は、図５の線Ｃ−Ｃに沿って見た図５のエアーフォイルの半径方向断面図である。

次に本発明の様々な実施形態について詳しく説明するが、その内の１つ以上の例を図面に示す。以下の詳しい説明では、図面中の特徴部分を表すために英数字の符号を用いている。図面及び明細書中の同様な英数字の符号は、本発明の同様な部品を表すために用いている。本書で用いる「第１」、「第２」、「第３」などの用語は、一構成部品を別の構成部品から区別するために交換可能に用いることができ、また個々の構成部品の場所や重要性を表そうとするものではない。更に、用語［上流」及び「下流」は、流体の経路内の様々な構成部品の相対的な位置を表す。例えば、流体が構成部品Ａから構成部品Ｂへ流れる場合、構成部品Ａは構成部品Ｂより上流にある。逆に、構成部品Ｂが構成部品Ａから流体の流れを受け取る場合は、構成部品Ｂは構成部品Ａより下流にある。

各々の例は本発明を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。実際に、当業者には、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく本発明に様々な修正及び変更を為し得ることが明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として例示し説明した特徴を別の実施形態に用いて、更に別の実施形態を作成することが可能である。従って、本発明は、このような修正及び変更を「特許請求の範囲」の記載及びその等価な内容の範囲内に入るものとして包含するものとする。

図１は、本発明の一実施形態に従ったエアーフォイル１０の斜視図であり、図２及び図３は、図１の線Ａ−Ａ及び線Ｂ−Ｂに沿って見た図１のエアーフォイル１０の軸方向及び半径方向断面図をそれぞれ示す。エアーフォイル１０は、例えば、圧縮された作動流体に関連した運動エネルギを機械的エネルギへ変換するためにタービン内の動翼又は静翼として使用することができる。圧縮された作動流体は、蒸気、燃焼ガス、空気、又は運動エネルギを持つ任意の他の流体であってよい。図１〜図３に示されているように、エアーフォイル１０は、一般に、プラットフォーム又は側壁１２に接続される。プラットフォーム又は側壁１２は、一般に、タービン内部のガス流路に対して半径方向境界として作用し且つエアーフォイル１０についての取付け場所を提供する。エアーフォイル１０は、内面１６と、該内面１６に対向し且つプラットフォーム１２に接続される外面１８とを含むことができる。外面は、一般に、正圧面２０と、該正圧面２０に対向する負圧面２２とを含む。図１及び図２に示されているように、正圧面２０は一般に凹面であり且つ負圧面２２は一般に凸面であって、それに対して圧縮された作動流体が流れる空気力学的表面を提供する。正圧面２０と負圧面２２との間のエアーフォイル１０の前縁にある淀み線２４は、一般に最高の温度を持つ外面１８上の位置である。後縁２４は正圧面２０と負圧面２２との間にあり且つ淀み線２４よりも下流にある。この態様では、外面１８は、圧縮された作動流体に関連した運動エネルギを機械的エネルギへ変換するのに適した空気力学的表面を生成する。

外面１８は、一般に、プラットフォーム１２から伸びる半径方向長さ３０、及び淀み線２４から後縁２６まで伸びる軸方向長さ３２を含む。１つ以上の溝セグメント４０が外面１８内で半径方向及び／又は軸方向に延在し、その各溝セグメント４０は、内面１６から外面１８へ流体連通させる単一の冷却通路５０を含む。この態様では、冷却媒体をエアーフォイル１０の内部に供給することができ、そこで、冷却通路５０は、冷却媒体がエアーフォイル１０を通って流れて外面１８に対して膜冷却を行うようにすることができる。

複数の溝セグメント４０をエアーフォイル１０及び／又はプラットフォーム又は側壁１２上の任意の場所に配置することができ、またそれらは一様な長さ又は相異なる長さにすることができる。更に、溝セグメント４０は真っ直ぐな形状又は弓形の形状にすることができ、また互いに対して整列させ又は食違い配置にすることができる。例えば、図１に示されているように、溝セグメント４０は、プラットフォーム又は側壁１２、正圧面２０、及び淀み線２４に縦列及び／又は横列を成すように配置することができる。この代わりに又はこれに加えて、溝セグメント４０は負圧面２２及び／又は後縁２６に配置することができる。図１に示された特定の実施形態では、各々の溝セグメント４０は実質的に真っ直ぐであって、外面１８に沿って半径方向に延在する。更に、隣り合った縦列の溝セグメント４０は相異なる長さを持ち且つ互いと食違い配置されて、隣り合った縦列の溝セグメント４０の端が一致していない。この態様では、横列の溝セグメント４０が互いにオーバーラップしていて、冷却通路５０を通って流れる冷却媒体の半径方向の分布を向上させる。代替の実施形態では、単一の冷却通路５０の溝セグメント４０を、２つ以上の冷却通路５０を持つ溝セグメント４０と組み合わせることができ、またそれらの溝セグメント４０の長さを最大で外面１８の半径方向長さ３０全体まで変えることができる。

図２及び図３に最も明瞭に示されているように、各々の溝セグメント４０は、一般に、外面１８に凹み又は溝を画成する対向する壁４２を含む。対向する壁４２は真っ直ぐであっても湾曲していてもよく、また溝セグメント４０について一定の幅又は変化する幅を画成することができる。隣り合った溝セグメント４０のそれぞれの単一の冷却通路５０は互いと整列させ又は互いからずらすことができる。各々の単一の冷却通路５０は、内面１６で終端する第１の部分５２と、外面１８で終端する第２の部分５４とを含むことができる。第１の部分５２は円筒形にすることができ、また第２の部分５４は円錐形又は球形にすることができる。図３に示されているように、第１の部分５２は、第２の部分５４及び／又は溝セグメント４０に対して角度を成して（すなわち、斜めに）形成して、単一の冷却通路５０を通って溝セグメント４０に流入する冷却媒体について指向性の流れを生じさせることができる。この代わりに又はこれに加えて、溝セグメント４０の第２の部分５４及び／又は壁４２は非対称にして、外面１８にわたって冷却媒体を選択的に分布させることができる。

図４は、本発明の別の実施形態に従った動翼１０の斜視図である。図示のように、エアーフォイル１０は、図１〜図３に関して前に述べたように、プラットフォーム又は側壁１２、複数の溝セグメント４０、複数の単一の冷却通路５０を含む。この特定の実施形態では、これらの溝セグメント４０は真っ直ぐであって、外面１８に沿って斜めに延在する。更に、各々の溝セグメント４０は、外面１８の半径方向長さ３０及び／又は軸方向長さ３２の５０％未満にわたって延在し、また幅及び／又は深さが変化している。溝セグメント４０の変化する幅及び／又は深さ並びに斜めの配置は、外面１８にわたる冷却媒体の分布を変更する。例えば、冷却通路５０から遠ざかるにつれて溝セグメント４０の幅をより広くし且つその深さをより浅くすることは、外面１８にわたって冷却媒体を拡散させるのに役立つことができる。

図５は、本発明の更に別の実施形態に従ったエアーフォイル１０の斜視図であり、また図６図は、図５の線Ｃ−Ｃに沿って見た図５のエアーフォイル１０の半径方向断面図である。図示のように、エアーフォイル１０は、図１〜図３に関して前に述べたように、プラットフォーム又は側壁１２、複数の溝セグメント４０、複数の冷却通路５０を含む。この特定の実施形態では、これらの溝セグメント４０は湾曲した又は弓形の形状であって、変化する幅及び／又は深さを持つ。この態様では、湾曲した溝セグメント４０は、該溝セグメント４０を通る冷却媒体の流れを曲げ又は旋回させる。幾分かの溝セグメント４０は、外面１８の半径方向長さ３０及び／又は軸方向長さ３２の５０％未満にわたって延在し、また図１〜図３におけるように、単一の冷却通路５０を含む。しかしながら、他の溝セグメント４６は、外面１８の半径方向長さ３０及び／又は軸方向長さ３２の５０％以上にわたって延在し、また複数の冷却通路５６を持つ。

１つ以上の冷却通路５６は溝セグメント４６に対して斜めに形成して、溝セグメント４６内の冷却媒体を選択的に方向付けることができる。具体的に述べると、図６に最も明瞭に示されているように、１つ以上の冷却通路５６内の第１の部分５２及び／又は第２の部分５４は、溝セグメント４６内のより幅の広い及び／又はより深さの浅い部分へ向かって斜めに形成することができる。この態様では、斜めの冷却通路５８が、溝セグメント４６の変化する幅及び／又は深さと組み合わさって、外面１８に沿った冷却媒体の分布を改善する。

本明細書は、最良の実施形態を含めて、本発明を開示するために、また当業者が任意の装置又はシステムを作成し使用し、任意の採用した方法を遂行すること含めて、本発明を実施できるようにするために、様々な例を使用した。本発明の特許可能な範囲は「特許請求の範囲」の記載に定めており、また当業者に考えられる他の例を含み得る。このような他の例は、それらが「特許請求の範囲」の文字通りの記載から差異のない構造的要素を持つ場合、或いはそれらが「特許請求の範囲」の文字通りの記載から実質的に差異のない等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。

１０ エアーフォイル
１２ プラットフォーム
１６ 内面
１８ 外面
２０ 正圧面
２２ 負圧面
２４ 淀み線
２６ 後縁
３０ 半径方向長さ
３２ 軸方向長さ
４０ 溝セグメント
４２ 対向する壁
４６ 溝セグメント
５０ 冷却通路
５２ 第１の部分
５４ 第２の部分
５６ 冷却通路

Claims (21)

1. 内面と、
   前記内面に対向する外面であって、正圧面、該正圧面に対向する負圧面、前記正圧面と前記負圧面との間の淀み線、及び前記正圧面と前記負圧面との間にあり且つ前記淀み線より下流にある後縁を含んでいる外面と、
   前記外面に設けられた１つ以上の溝セグメントと、
   各溝セグメントに設けられた単一の冷却通路であって、前記内面から前記外面へ流体連通させる単一の冷却通路と、
   を有するエアーフォイル。
2. 少なくとも１つの溝セグメントが正圧面と負圧面との間の前記淀み線上に少なくとも部分的に配置されている、請求項１記載のエアーフォイル。
3. 少なくとも２つの隣り合った溝セグメントが互いに対して食違い配置されている、請求項１記載のエアーフォイル。
4. 少なくとも２つの隣り合った溝セグメントが異なる長さを持っている、請求項１記載のエアーフォイル。
5. 少なくとも１つの溝セグメントが弓形の形状である、請求項１記載のエアーフォイル。
6. 少なくとも１つの溝セグメントが、該少なくとも１つの溝セグメントの長さに沿って変化する寸法を持っている、請求項１記載のエアーフォイル。
7. 少なくとも１つの溝セグメントが、減少する寸法を持ち、該少なくとも１つの溝セグメントの中の前記単一の冷却通路が該減少する寸法へ向かって斜めに形成されている、請求項１記載のエアーフォイル。
8. 隣り合った溝セグメントの中のそれぞれの前記単一の冷却通路が互いからずれている、請求項１記載のエアーフォイル。
9. 各々の単一の冷却通路は、前記内面で終端する第１の部分と、前記外面で終端する第２の部分とを有し、前記第１の部分は円筒形であり、また前記第２の部分は円錐形又は球形である、請求項１記載のエアーフォイル。
10. プラットフォームと、
    前記プラットフォームに接続された外面と、
    前記外面に設けられた１つ以上の溝セグメントと、
    各溝セグメントに設けられた単一の冷却通路であって、前記外面に冷却媒体を供給する単一の冷却通路と、
    を有するエアーフォイル。
11. 前記エアーフォイルは更に前記外面上に淀み線を有しており、また少なくとも１つの溝セグメントが前記淀み線上に少なくとも部分的に配置されている、請求項１０記載のエアーフォイル。
12. 少なくとも２つの隣り合った溝セグメントが互いに対して食違い配置されている、請求項１０記載のエアーフォイル。
13. 少なくとも２つの隣り合った溝セグメントが異なる長さを持っている、請求項１０記載のエアーフォイル。
14. 少なくとも１つの溝セグメントが弓形の形状を持っている、請求項１０記載のエアーフォイル。
15. 少なくとも１つの溝セグメントが、該少なくとも１つの溝セグメントの長さに沿って変化する寸法を持っている、請求項１０記載のエアーフォイル。
16. 少なくとも１つの溝セグメントが、減少する寸法を持ち、該少なくとも１つの溝セグメントの中の前記単一の冷却通路が該減少する寸法へ向かって斜めに形成されている、請求項１０記載のエアーフォイル。
17. 更に、前記プラットフォームの中にプラットフォーム溝セグメントを有している請求項１０記載のエアーフォイル。
18. 隣り合った溝セグメントのそれぞれの前記単一の冷却通路が互いからずれている、請求項１０記載のエアーフォイル。
19. 各々の単一の冷却通路は、円筒形の第１の部分と、円錐形又は球形の第２の部分とを有している、請求項１０記載のエアーフォイル。
20. 内面と、
    前記内面に対向する外面であって、正圧面、該正圧面に対向する負圧面、前記正圧面と前記負圧面との間の淀み線、及び前記正圧面と前記負圧面との間にあり且つ前記淀み線より下流にある後縁を含んでいる外面と、
    前記正圧面、負圧面、淀み線又は後縁の内の少なくとも１つに設けられた溝セグメントと、
    前記溝セグメントに設けられた単一の冷却通路であって、前記内面から前記外面へ流体連通させる単一の冷却通路と、
    を有するエアーフォイル。
21. 内面と、
    前記内面に対向する外面であって、正圧面、該正圧面に対向する負圧面、前記正圧面と前記負圧面との間の淀み線、及び前記正圧面と前記負圧面との間にあり且つ前記淀み線より下流にある後縁を含んでいる外面と、
    前記外面に隣接するプラットフォーム又は側壁の少なくとも一方と、
    前記プラットフォーム又は側壁に設けられた１つ以上の溝セグメントと、
    各溝セグメントに設けられた単一の冷却通路と、
    を有するエアーフォイル。