JP2013144424A - 注入装置および注入方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 注入ノズルと注入孔との位置ずれを容易に補正可能な注入装置および注入方法を提供する。
【解決手段】 注入装置20において、注入ノズル23先端の先の予め定める基準範囲53内に注入孔41が至るように、移動部25が被処理体40を相対移動する。移動後、注入ノズル23よる注入物の注入方向51に対して斜め方向52から、基準範囲53を観察部24が観察する。観察部の観察結果に基づいて、被処理体40の注入孔41と注入ノズル23の注入方向51との位置ずれの状態が判断される。位置ずれがあると判断される場合、位置ずれが補正されるように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方を移動部25が移動させる。補正後に、注入ノズル23から注入孔41を通して被処理体40の内部空間42に、注入物が注入される。これによって、注入装置20は、工程数を増加させることなく、完成品の歩留まりを向上させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 注入装置20において、注入ノズル23先端の先の予め定める基準範囲53内に注入孔41が至るように、移動部25が被処理体40を相対移動する。移動後、注入ノズル23よる注入物の注入方向51に対して斜め方向52から、基準範囲53を観察部24が観察する。観察部の観察結果に基づいて、被処理体40の注入孔41と注入ノズル23の注入方向51との位置ずれの状態が判断される。位置ずれがあると判断される場合、位置ずれが補正されるように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方を移動部25が移動させる。補正後に、注入ノズル23から注入孔41を通して被処理体40の内部空間42に、注入物が注入される。これによって、注入装置20は、工程数を増加させることなく、完成品の歩留まりを向上させることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、被処理体の内部空間に注入物を注入するための注入装置および注入方法に関する。
図9は従来技術の断熱箱体1を背後側から見た斜視図であり、図10は断熱箱体1の製造工程において発泡断熱材4を充填直後の状態を示す断面図であり、図9の切断面線A−Aから見た断面を示す。この従来技術は、たとえば特許文献1,2に記載されている。冷蔵庫などの筐体に用いられる断熱箱体1は、前面が開口し、4つの側面および背面が覆われた箱状に形成され、開口を下方に向けて配置される外箱2と、前面が開口する箱状であって、前記外箱2の内側に開口を下方に向けて配置される内箱3と、前記外箱2と前記内箱3との間の隙間5に充填される発泡断熱材4とを含んで構成される。前記発泡断熱材4は、外箱2と内箱3との間の隙間5に外部から注入された原液6を発泡させることによって、該隙間5に充填される。
次に、従来技術の断熱箱体1の製造工程における発泡断熱材4の充填工程について説明する。前記発泡断熱材4の充填工程に先立って、外箱2と内箱3とが所定の間隔を有するように組込まれて、外箱2と内箱3との間に隙間5を有する組立て体7を構成する。また発泡断熱材4の原液6の注入に用いる注入孔8が、外箱2の背面板2aに予め設けられる。
充填工程は、原液注入工程と発泡工程とを含み、この順序で実施される。原液注入工程は、組立て体7内部の隙間5に、発泡断熱材4の原液6を注入する工程である。原液注入工程は、詳しくは、組立て体移動ステップとノズル移動ステップと注入ステップとを含み、この順序で実施される。発泡工程は、原液6を加熱することで原液6を発泡させる工程である。これらの工程を実施することによって、組立て体7内部の前記隙間5を満たすように、前記原液6が発泡しながら膨張して固化し、発泡断熱材4が前記隙間5に隙間なく充填される。
前記原液注入工程では、最初に、組立て体移動ステップにおいて、前記組立て体7が、注入ノズル9の近傍であって注入時に注入ノズル9が外箱2の注入孔8と対向可能な所定位置に、チェーンコンベアなどの搬送手段によって移動される。次いで、ノズル移動ステップにおいて、発泡断熱材4の原液6を注入するため、注入ノズル9の先端が所定位置に配置された組立て体7の注入孔8に近接または挿入するように、予め定める待機位置から予め定める接近方向に予め定める接近距離分だけ、注入ノズル9が移動する。その後、注入ステップにおいて、発泡断熱材4の原液6が、注入ノズル9から注入孔8を通って、組立て体7内部の前記隙間5に注入される。これによって、組立て体7内部の前記隙間5への原液6の注入が完了する。
特許文献1では、断熱箱体の製造工程に係る技術を提案している。特許文献1の断熱箱体の製造方法において、外箱と内箱との組立て体には、外箱と内箱との間の隙間を形成するために、外箱と内箱との嵌合い箇所が存在する。また特許文献1の製造方法において、発泡断熱材の原液であるホットメルトが前記嵌合い箇所をシールすることで貯留されるように、外箱の注入孔の位置が予め設定される。
特許文献1の製造方法における発泡断熱材の充填工程では、注入ノズルの先端が注入孔に差込まれた状態でホットメルトが組立て体内部の前記隙間に注入され、注入後にホットメルトが加熱される。この結果、ホットメルトが外箱と内箱との嵌合い箇所をシールするようにホットメルトが発泡するため、組立て体からの発泡充填材のはみ出しが防止される。
上述したような発泡断熱材の充填工程において、発泡充填材の原液は膨張しつつ固化するので、固化後の発泡充填材の体積は原液の体積よりも増加する。発泡断熱材の充填工程において、発泡充填材の体積膨張に起因する前記組立て体の歪みを防止するために、原液の発泡に先立って、組立て体の外寸とほぼ同じ内寸を有する箱状の発泡治具に、外箱および内箱の組立て体が収納される。組立て体の基準位置への移動と組立て体への原液注入と原液の加熱発泡とは、組立て体が発泡治具内に収納された状態で実行される。この結果、原液の発泡に伴って組立て体に掛かる面圧は、発泡治具の側面板および天面板によって押さえ込まれる。
発泡充填材の発泡に起因する組立て体の歪みを箱状の発泡治具を用いて防止する条件下において、組立て体に掛かる面圧を発泡治具が充分に押さえ込むためには、発泡治具の側面板および天面板の板厚を充分に大きくする必要がある。そのため、発泡治具の重量が大きくなってしまう。その結果、発泡充填材の充填工程において、発泡治具に収納された組立て体を注入ノズル近傍の所定位置に搬送手段を用いて移動させるとき、組立て体を前記所定位置で確実に停止させることが困難になり、組立て体の実際の停止位置にばらつきが生じることがある。
上述したように、発泡充填材の充填工程において、発泡治具収納済の組立て体の移動時の停止位置がばらつく状況下では、原液注入時に注入孔が位置すべき予定位置から組立て体の注入孔がずれる場合がある。原液注入時の注入孔の予定位置と移動後の組立て体の注入孔の実際の位置とに位置ずれがある場合、前述したように予め定める接近方向に接近距離分だけ注入ノズルを移動させると、注入ノズルと組立て体とが衝突してしまう恐れがある。または、前記位置ずれがある場合、予め定める接近方向に接近距離分だけ注入ノズルを移動した後に原液注入を開始すると、原液が注入孔を確実に通らず原液が組立て体の外部に漏れてしまうことがある。
特許文献2は、発泡充填材の充填工程に含まれる発泡充填材の原料の注入工程において、注入孔の位置ずれを解消するための技術を開示している。特許文献2の断熱パネルの製造方法において、発泡充填材を充填すべき隙間を有する組立て体である仮組パネルは、隙間をあけて配置される一対の表面材の辺部に注入用孔を有する枠材を装着することによって、構成される。仮組パネルの外寸および注入用孔の位置を含むパネル情報は、仮組パネル構成時に読取られ、記憶される。
特許文献2の断熱パネルの製造方法において、発泡充填材の原料の注入工程は、仮組パネル移動ステップ、カメラ移動ステップ、撮影ステップ、判断ステップ、ノズル移動ステップ、および注入ステップが、この順序で実施される。最初に、仮組パネル移動ステップにおいて、枠材に予め設けられている注入用孔が予め定める注入位置に一致するように、仮組みパネルが移動される。
続いて、カメラ移動ステップにおいて、前記パネル情報に基づき、移動後の仮組パネルの注入用孔と正面から対向する位置へ、CCDカメラが移動する。次いで、撮影ステップにおいて、仮組パネルの注入用孔を含む所定範囲の画像を、CCDカメラが撮影する。次いで、判断ステップにおいて、撮影された画像を画像処理することによって、発泡断熱材供給用のノズルの注入用孔への挿入の可否が判断され、かつ、注入用孔の実際の位置が把握される。
判断ステップでノズル挿入が可能であると判断される場合、続いて、ノズル移動ステップとして、注入用孔に対してノズルが位置合わせされ、位置合わせ後にノズルが注入用孔に挿入される。最後に、注入ステップにおいて、挿入されたノズルから、発泡断熱材の原液が仮組パネルの内部空間に注入される。これらの結果、発泡充填材の充填工程において、注入用孔とノズルの位置ずれが防止される。
以上説明したように、従来技術の断熱箱体の製造工程における発泡充填材の原料注入工程は、前述した組立て体移動ステップとノズル移動ステップと注入ステップとを含み、この順序で実施される。注入ステップにおいて、発泡充填材の原液は、原液を注入するための注入ノズルから、発泡充填材を充填すべき組立て体に設けられる注入孔を通して、組立て体の内部空間に注入される。注入孔が位置すべき予定位置と注入孔の実際の位置とに位置ずれが生じる場合、原液注入時に、原液が組立て体の外に漏れる可能性がある。また前記位置ずれが生じる場合、注入ノズルの移動時に、注入ノズルと組立て体とが接触する可能性もある。
上述の位置ずれを解消するために、特許文献2の従来技術においては、組立て体である仮組パネル移動ステップとノズル移動ステップとの間に、カメラ移動ステップと撮影ステップと判断ステップとが追加される。これによって、注入用孔が予め定める注入位置に至るように仮組パネルが移動された後、カメラが、移動後の仮組パネルの注入用孔と正面から対向する位置に移動して、前記注入位置を含む所定範囲の画像を撮影する。撮影された画像は、注入用孔へのノズルの挿入の可否および注入用孔の実際の位置の判断に用いられる。
このような特許文献2の従来技術では、カメラが、仮組パネルの注入用孔と正面から対向する位置から、前記注入位置を含む所定範囲の画像を撮影している。仮組パネルの注入用孔と正面から対向する位置は、撮影時のカメラが配置される位置であるだけでなく、仮組パネルへの原液注入時にノズルが配置される位置でもある。このため、カメラによる画像撮影は、ノズルの動きを妨げないように行う必要がある。
特許文献2の従来技術では、ノズルの移動に先立ってカメラを移動させることで、カメラがノズルの動きを妨げないように構成されている。しかしながら、このような手順で原料の注入工程が行われる場合、カメラの移動とノズルの移動を別々に行う必要があるため、注入工程のステップ数が増加するので、注入工程が複雑化する。またこの場合、移動系を2系統用意する必要があるため、製造ラインの構成が複雑化する。
また、特許文献2の従来技術では、撮影時のカメラの位置が前記対向する位置であって原液注入時のノズルの位置よりも注入用孔に近い位置であれば、原液注入時にカメラを前記対向する位置から退避させる必要がある。そのため、注入工程のステップ数がさらに増加して、充填工程に要する時間が増加する。逆に、カメラの位置が前記対向する位置であって原液注入時のノズルの位置よりも注入用孔から遠い位置であれば、カメラと注入用孔との距離がカメラとノズルの距離以上に制限されるため、詳細な画像を撮影し難い。したがって、注入用孔へのノズルの挿入の可否の判断および注入用孔の実際の位置の判断の判断精度の向上が難しくなる。
また、従来技術の注入工程において、製造される断熱箱体の機種変更が行われることがある。断熱箱体の機種交換時には、組立て体の外寸および注入孔の位置形状等のいずれかに変更があるため、機種交換に合わせて発泡治具の交換も必要になる。このような機種交換時には、交換後の発泡治具ならびに組立て体の外寸および注入体の位置形状に合わせて、注入装置の動作が調整される。たとえば、製造ラインの操作者の手作業によるティーチングによって、注入装置の動作が調整される。注入装置の動作調整には、たとえば、操作者の手作業による原液注入時の注入ノズルの位置の調整が含まれる。
複数種類の断熱箱体を製造する製造ラインで従来技術の注入工程が用いられる場合、機種交換に合わせて複数種類の発泡治具の中から交換後の機種に応じた発泡治具が選ばれる。上述の場合、従来技術の注入工程を実行する注入装置は複数種類の発泡治具を適宜交換して取扱う事になるので、機種交換の度に、交換後の発泡治具に応じた注入装置の動作調整が、ティーチングを用いて行われる。したがって、従来技術の注入装置を備える製造ラインでは、機種変更に手間を要するという問題がある。
本発明の目的は、内部空間に連通する1以上の注入孔を備える被処理体に対し、注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入するため注入装置において、注入ノズルと注入孔との位置ずれを容易に補正可能な注入装置および注入方法を提供することである。
本発明1は、内部空間に連通する1以上の注入孔を備える被処理体に対し、注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入するため注入装置において、
先端から注入物を被処理体の内部空間に注入可能な注入ノズルと、
注入ノズル先端の先の予め定める基準範囲を、注入ノズルによる注入物の注入方向に対して斜め方向から観察可能な観察部と、
前記基準範囲内に被処理体の注入孔があるように、被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動させる移動部と、
前記基準範囲を前記観察部によって前記斜め方向から観察させ、前記観察部の観察結果に基づいて、注入孔が前記基準範囲内にあるように前記移動部によって移動された被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態を判断し、位置ずれがあると判断される場合は位置ずれが補正されるように被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動部によって移動させ、注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入させる制御部とを含むことを特徴とする注入装置である。
先端から注入物を被処理体の内部空間に注入可能な注入ノズルと、
注入ノズル先端の先の予め定める基準範囲を、注入ノズルによる注入物の注入方向に対して斜め方向から観察可能な観察部と、
前記基準範囲内に被処理体の注入孔があるように、被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動させる移動部と、
前記基準範囲を前記観察部によって前記斜め方向から観察させ、前記観察部の観察結果に基づいて、注入孔が前記基準範囲内にあるように前記移動部によって移動された被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態を判断し、位置ずれがあると判断される場合は位置ずれが補正されるように被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動部によって移動させ、注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入させる制御部とを含むことを特徴とする注入装置である。
また本発明2は、前記被処理体は、注入孔が前記基準範囲内にある状態で、注入ノズルと斜めに対向する面を有し、
前記注入孔は、被処理体の前記斜めに対向する面に設けられており、
前記観察部が前記基準範囲を観察する方向は、前記注入ノズルの注入方向に対して斜め方向であって、かつ、前記被処理体の注入孔の設けられる面の法線方向に略平行な方向であることを特徴とする。
前記注入孔は、被処理体の前記斜めに対向する面に設けられており、
前記観察部が前記基準範囲を観察する方向は、前記注入ノズルの注入方向に対して斜め方向であって、かつ、前記被処理体の注入孔の設けられる面の法線方向に略平行な方向であることを特徴とする。
さらにまた本発明3は、前記移動部が、前記被処理体を移動可能な被処理体移動部と、前記注入ノズルを移動可能なノズル移動部とを含み、
前記観察部が、前記注入ノズルに追従して移動可能に設けられることを特徴とする。
前記観察部が、前記注入ノズルに追従して移動可能に設けられることを特徴とする。
また本発明4は、前記観察部が、注入ノズル先端の先の前記基準位置を、注入ノズルによる注入物の注入方向に対して斜め方向から撮影可能なカメラを含んで構成され、
被処理体に対するカメラの焦点深度のデータを記憶する記憶部をさらに含み、
前記制御部が、前記記憶部の被処理体に対する焦点深度のデータに基づき、前記ノズル移動部によって前記被処理体に対する注入ノズルの位置を相対移動させることによって、前記観察部のカメラの焦点深度を調整することを特徴とする。
被処理体に対するカメラの焦点深度のデータを記憶する記憶部をさらに含み、
前記制御部が、前記記憶部の被処理体に対する焦点深度のデータに基づき、前記ノズル移動部によって前記被処理体に対する注入ノズルの位置を相対移動させることによって、前記観察部のカメラの焦点深度を調整することを特徴とする。
さらにまた本発明5は、前記観察部が前記基準範囲を観察する観察方向に対して、斜め方向から、前記基準範囲内にレーザ光を照射する照射部をさらに含み、
前記制御部が、
前記レーザ光が照射される基準範囲を前記観察部によって観察した観察結果に基づき、前記基準範囲内に予め設定された基準軸線と前記基準範囲内に照射されたレーザ光の照射位置とのずれ量を判断し、
前記観察結果前記ずれ量をさらに考慮して、前記被処理体と注入ノズルとの近接離反方向に直交する面方向における前記移動された被処理体の注入孔の前記注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態を判断し、
前記面方向の位置ずれがあると判断される場合は、前記面方向の位置ずれの状態が補正されるように、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を、前記移動部によって移動させることを特徴とする。
前記制御部が、
前記レーザ光が照射される基準範囲を前記観察部によって観察した観察結果に基づき、前記基準範囲内に予め設定された基準軸線と前記基準範囲内に照射されたレーザ光の照射位置とのずれ量を判断し、
前記観察結果前記ずれ量をさらに考慮して、前記被処理体と注入ノズルとの近接離反方向に直交する面方向における前記移動された被処理体の注入孔の前記注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態を判断し、
前記面方向の位置ずれがあると判断される場合は、前記面方向の位置ずれの状態が補正されるように、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を、前記移動部によって移動させることを特徴とする。
また本発明6は、前記観察部が前記基準範囲を観察する観察方向に対して、斜め方向から、前記基準範囲内にレーザ光を照射する照射部をさらに含み、
前記移動部が、前記被処理体と前記注入ノズルとの近接離反方向ならびに前記近接離反方向に直交する面方向に、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方をそれぞれ移動可能であり、
前記制御部が、
前記レーザ光が照射される基準範囲を前記観察部によって観察した観察結果に基づき、前記基準範囲内予め設定された基準軸線と前記基準範囲内に照射されたレーザ光の照射位置との位置関係に応じて、前記注入ノズルに対する前記移動された被処理体の前記近接離反方向の位置ずれの状態をさらに判断し、
前記近接離反方向の位置ずれがあると判断される場合は、前記近接離反方向の位置ずれが補正されるように、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を、前記移動部によって前記近接離反方向に移動させることを特徴とする。
前記移動部が、前記被処理体と前記注入ノズルとの近接離反方向ならびに前記近接離反方向に直交する面方向に、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方をそれぞれ移動可能であり、
前記制御部が、
前記レーザ光が照射される基準範囲を前記観察部によって観察した観察結果に基づき、前記基準範囲内予め設定された基準軸線と前記基準範囲内に照射されたレーザ光の照射位置との位置関係に応じて、前記注入ノズルに対する前記移動された被処理体の前記近接離反方向の位置ずれの状態をさらに判断し、
前記近接離反方向の位置ずれがあると判断される場合は、前記近接離反方向の位置ずれが補正されるように、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を、前記移動部によって前記近接離反方向に移動させることを特徴とする。
さらにまた本発明7は、前記照射部は、直線状にレーザ光を照射し、
前記制御部は、前記基準範囲内の一方向に凸に湾曲したレーザ光の照射スポットの前記凸側とは反対側近傍の位置に、前記基準範囲内のレーザ光の照射位置を変更することを特徴とする。
前記制御部は、前記基準範囲内の一方向に凸に湾曲したレーザ光の照射スポットの前記凸側とは反対側近傍の位置に、前記基準範囲内のレーザ光の照射位置を変更することを特徴とする。
また本発明8は、前記注入ノズルと前記観察部とがそれぞれ複数用意され、
前記制御部は、各注入ノズル毎に、
各注入ノズルに追従する観察部によって、各注入ノズルによる注入物の注入方向に対して斜め方向から、各注入ノズルの先端の先の基準範囲を観察させ、
各観察部による観察結果に基づいて、被処理体の注入孔の各注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態をそれぞれ判断し、
位置ずれがあると判断される注入ノズルは、位置ずれが補正されるように注入ノズルをノズル移動部によって移動させ、
各注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入させることを特徴とする。
前記制御部は、各注入ノズル毎に、
各注入ノズルに追従する観察部によって、各注入ノズルによる注入物の注入方向に対して斜め方向から、各注入ノズルの先端の先の基準範囲を観察させ、
各観察部による観察結果に基づいて、被処理体の注入孔の各注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態をそれぞれ判断し、
位置ずれがあると判断される注入ノズルは、位置ずれが補正されるように注入ノズルをノズル移動部によって移動させ、
各注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入させることを特徴とする。
さらにまた本発明9は、前記被処理体が、注入孔を背面板に有する外箱と外箱の内部に隙間をあけて配置される内箱とを組合わせる組立て体と、組立て体の外寸とほぼ同じ内寸を有する箱状の発泡治具とを含んで構成され、発泡治具の内部に組立て体が収納され、
前記被処理体の内部空間が、前記組立て体の外箱と内箱との間の隙間で構成され、
前記注入物が、前記組立て体の外箱と内箱との間の隙間を埋めるための発泡断熱材の原液で構成されることを特徴とする。
前記被処理体の内部空間が、前記組立て体の外箱と内箱との間の隙間で構成され、
前記注入物が、前記組立て体の外箱と内箱との間の隙間を埋めるための発泡断熱材の原液で構成されることを特徴とする。
また以上のように本発明10は、内部空間に連通する1以上の注入孔を備える被処理体に対し、注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入する注入方法であって、
注入ノズルの先端の先の予め定める基準範囲内に被処理体の注入孔が位置するように、被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動させる移動ステップと、
注入ノズルの軸線に対して斜め方向から、注入ノズルの先端の先の基準範囲を観察する観察ステップと、
観察ステップの観察結果に基づいて、被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態を判断する判断ステップと、
位置ずれがあると判断される場合は、位置ずれが補正されるように被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動部によって移動させる補正ステップと、
注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入させる注入ステップとを含むことを特徴とする注入方法である。
注入ノズルの先端の先の予め定める基準範囲内に被処理体の注入孔が位置するように、被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動させる移動ステップと、
注入ノズルの軸線に対して斜め方向から、注入ノズルの先端の先の基準範囲を観察する観察ステップと、
観察ステップの観察結果に基づいて、被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態を判断する判断ステップと、
位置ずれがあると判断される場合は、位置ずれが補正されるように被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動部によって移動させる補正ステップと、
注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入させる注入ステップとを含むことを特徴とする注入方法である。
さらにまた本発明11は、前記観察ステップにおいて、
前記観察部が前記基準範囲を観察する方向に対して斜め方向から前記基準範囲内にレーザ光を照射し、
レーザ光が照射された状態の前記基準範囲を観察し、
前記判断ステップにおいて、
前記観察ステップの観察結果に基づき、前記基準範囲内に予め設定される基準軸線と前記基準範囲内のレーザ光の照射位置とのずれ量を判断し、
前記観察結果前記ずれ量をさらに考慮して、前記被処理体と前記注入ノズルとの近接離反方向に直交する面方向における前記移動された被処理体の注入孔の前記注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態を判断し、
前記補正ステップにおいて、前記面方向の位置ずれがあると判断される場合は、前記面方向の位置ずれの状態が補正されるように、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動させることを特徴とする。
前記観察部が前記基準範囲を観察する方向に対して斜め方向から前記基準範囲内にレーザ光を照射し、
レーザ光が照射された状態の前記基準範囲を観察し、
前記判断ステップにおいて、
前記観察ステップの観察結果に基づき、前記基準範囲内に予め設定される基準軸線と前記基準範囲内のレーザ光の照射位置とのずれ量を判断し、
前記観察結果前記ずれ量をさらに考慮して、前記被処理体と前記注入ノズルとの近接離反方向に直交する面方向における前記移動された被処理体の注入孔の前記注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態を判断し、
前記補正ステップにおいて、前記面方向の位置ずれがあると判断される場合は、前記面方向の位置ずれの状態が補正されるように、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動させることを特徴とする。
また本発明12は、前記観察ステップにおいて、
前記観察部が前記基準範囲を観察する方向に対して斜め方向から前記基準範囲内にレーザ光を照射し、
レーザ光が照射された状態の前記基準範囲を観察し、
前記判断ステップにおいて、前記観察ステップの観察結果に基づき、前記注入ノズルに対する前記移動された被処理体の前記近接離反方向の位置ずれの状態を、前記基準範囲内の予め定める基準軸線と前記基準範囲内のレーザ光の照射位置との位置関係に応じてさらに判断し、
前記補正ステップにおいて、前記近接離反方向の位置ずれがあると判断される場合は、前記近接離反方向の位置ずれが補正されるように、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を前記近接離反方向に移動させることを特徴とする。
前記観察部が前記基準範囲を観察する方向に対して斜め方向から前記基準範囲内にレーザ光を照射し、
レーザ光が照射された状態の前記基準範囲を観察し、
前記判断ステップにおいて、前記観察ステップの観察結果に基づき、前記注入ノズルに対する前記移動された被処理体の前記近接離反方向の位置ずれの状態を、前記基準範囲内の予め定める基準軸線と前記基準範囲内のレーザ光の照射位置との位置関係に応じてさらに判断し、
前記補正ステップにおいて、前記近接離反方向の位置ずれがあると判断される場合は、前記近接離反方向の位置ずれが補正されるように、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を前記近接離反方向に移動させることを特徴とする。
本発明によれば、本発明の注入装置は、内部空間に連通する1以上の注入孔を備える被処理体に対し、注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入するための装置である。本発明の注入装置において、注入物の注入に先立って、注入ノズル先端の先の予め定める基準範囲内に注入孔が位置するように、被処理体が移動される。被処理体の移動後、注入ノズルによる注入物の注入方向に対して斜め方向から、注入ノズルの先端の先の基準範囲を、観察部が観察する。観察部の観察結果に基づいて、注入ノズルによる注入物の注入方向と注入孔との位置ずれが補正され、補正後に注入物が被処理体に注入される。
以上のような構成の本発明の注入装置において、注入ノズルの注入方向に対して斜め方向から、注入ノズルの先端の先の基準範囲を、観察部が観察している。これによって、本発明の注入装置は、注入ノズルと観察部との干渉が防止されるので、注入物の注入時に観察時の位置から観察部を退避させる必要がなくなる。そのため、本発明の注入装置は、従来技術よりも、注入工程を簡略化させることができる。
また本発明の注入装置は、所定の基準範囲内に注入孔が位置するように移動された被処理体に対し、所定の基準範囲の観察結果に基づいて、注入ノズルの注入方向と注入孔との位置ずれの状態を判断し、判断結果に応じて位置ずれの補正を行なう。この結果、移動された被処理体の停止位置のばらつきが充分に収まるように基準範囲が設定されれば、本発明の注入装置は、被処理体の停止位置のばらつきに起因する位置ずれを確実に補正することができる。またこの結果、被処理体の構成が変更される状況下で、構成変更後の被処理体の移動後の注入孔の位置が充分に収まるように基準範囲が設定されれば、本発明の注入装置は、被処理体の構成変更に起因する位置ずれを確実に補正することができる。
これによって、本発明の注入装置は、被処理体の停止位置のばらつきおよび被処理体の構成変更に起因する注入物の漏れを確実に防止することができるため、完成品の歩留まりを向上させることができる。またこれによって、本発明の注入装置は、注入装置の注入ノズルの位置等の設定を調整するティーチングを、被処理体の構成変更の度に行う必要が無い。したがって、本発明の注入装置の取扱いが容易になる。以上の結果、本発明の注入装置は、注入装置を用いる注入物の注入工程を簡略化しつつ、完成品の歩留まりを向上させることができる。
また本発明によれば、本発明の注入装置において、注入孔が基準範囲内に至る場合に被処理体の全ての面のうちで注入ノズルと斜めに対向する面に、被処理体の注入孔が設けられる。また、観察部が前記基準範囲を観察する方向は、前記注入ノズルの注入方向に対して斜め方向であって、かつ、前記被処理体の注入孔の設けられる面の法線方向に略平行な方向に選ばれる。
以上の結果、本発明の注入装置において、被処理体の移動後に観察部が注入ノズル先端の先の基準範囲を観察する状況下で、注入ノズルと斜めに対向する面を、観察部がほぼ正面から観察することになる。これによって、観察部による基準範囲の観察時に該基準範囲内に位置する筈の注入孔が見易くなるので、本発明の注入装置は、注入孔からの注入物の漏れをより確実に防止することができるため、完成品の歩留まりを従来よりもさらに向上させることができる。
さらにまた本発明によれば、本発明の注入装置において、移動部が被処理体移動部とノズル移動部とを含み、被処理体と注入ノズルとが個別に移動可能に構成される。また本発明の注入装置において、観察部が注入ノズルに追従して移動可能に設けられる。この結果、注入ノズルの移動に伴って観察部が移動するので、注入ノズル先端の先の基準範囲を観察部が常に観察可能になる。これによって、本発明の注入装置は、製造工程のステップ数の増加を抑えることができ、かつ、注入装置自身の部品増加を防止することができる。
また本発明によれば、本発明の注入装置において、前記観察部が、注入ノズルによる注入物の注入方向に対して斜め方向から、注入ノズル先端の先の基準範囲を撮影可能なカメラを含んで構成される。また本発明の注入装置は、被処理体に対するカメラの焦点深度のデータを記憶する記憶部をさらに含む。本発明の注入装置において、カメラの焦点深度の調整は、記憶部内の被処理体に対するカメラの焦点深度のデータに基づき、被処理体に対する注入ノズルの位置をノズル移動部が相対移動させる動作によって、行われる。これによって、カメラの光学系を調整しなくても焦点深度の調整が可能なので、カメラの光学系の構成を簡略化することができる。そのため、本発明の注入装置の構成をより簡略化することができる。
さらにまた本発明によれば、本発明の注入装置において、所定の観察方向に対して斜め方向である照射方向からレーザ光が基準範囲に照射され、レーザ光照射中の基準範囲が観察される。基準範囲内における所定の基準軸線とレーザ光の照射位置との位置関係に応じて、基準範囲の観察結果のずれ量が判断される。前述のずれ量をさらに考慮して、被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する面方向の位置ずれの状態が判断される。前記面方向は、注入ノズルと被処理体との近接離反方向は、前記面方向と直交する。被処理体の注入孔の注入方向の軸線に対する前記面方向の位置ずれがある場合、前記面方向の位置ずれが打消されるように、被処理体と注入ノズルとが相対移動される。
このように、本発明の注入装置は、注入ノズルに対する被処理体の近接離反方向の位置ずれが生じ得る状況下において、該近接離反方向の位置ずれに起因する観察部の観察結果のずれ用をさらに考慮して、被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する前記面方向の位置ずれの状態を判断している。これによって、本発明の注入装置は、被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する前記面方向の位置ずれの誤差を、基準範囲の観察結果のずれ用を考慮しない構成の注入装置よりも減少させることができる。したがって、本発明の注入装置は、被処理体の停止位置のばらつきおよび被処理体の構成変更等に起因する前記面方向の位置ずれの補正精度を、より向上させることができる。
また本発明の注入装置は、前記照射方向からのレーザ光が照射されている基準範囲の単一の観察結果を2通りに解析することによって、前記基準範囲の観察結果のずれ用の状態と被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する面方向の位置ずれの状態とをそれぞれ判断している。これによって、本発明の注入装置は、観察結果のずれ量を直接検出するためのセンサ等の複雑な部品を必要としないので、観察方向に対して斜め方向から基準範囲へレーザ光を照射するための簡単な部品だけを追加している。これによって、本発明の注入装置は、構成の複雑化を防止しつつ、被処理体の注入孔と注入方向との面方向の位置ずれの補正精度を向上させることができる。
以上の結果、本発明の注入装置は、注入装置の構成を簡略化させたまま、完成品の歩留まりを向上させることができる。
また本発明によれば、本発明の注入装置は、被処理体への注入ノズルの近接離反方向と近接離反方向に直交する面方向とに被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動可能である構成を有する。本発明の注入装置において、所定の観察方向に対して斜め方向である照射方向からレーザ光が基準範囲に照射され、レーザ光照射中の基準範囲が観察される。基準範囲内における所定の基準軸線とレーザ光の照射位置との位置関係に応じて、注入ノズルに対する被処理体の近接離反方向の位置ずれの状態がさらに判断される。前記近接離反方向の位置ずれがある場合、前記近接離反方向の位置ずれが打消されるように、被処理体と注入ノズルとが相対移動される。
このように、本発明の注入装置は、注入ノズルに対する被処理体の近接離反方向の位置ずれが生じ得る状況下において、被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する面方向の位置ずれの状態を補正するだけでなく、注入ノズルに対する被処理体の近接離反方向の位置ずれの状態をも補正する。これによって、本発明の注入装置は、注入ノズルと被処理体との2種類の位置ずれを確実に補正することができるので、被処理体と注入ノズルとの相対位置の補正精度を向上させることができる。
また本発明の注入装置は、観察部の観察結果からずれ量を判断する構成を含む前述の本発明の注入装置と同様に、前記照射方向からのレーザ光が照射されている基準範囲の単一の観察結果を2通りに解析することによって、被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する面方向の位置ずれの状態と、注入ノズルに対する被処理体の近接離反方向の位置ずれの状態とがそれぞれ判断される。これによって、本発明の注入装置は、注入ノズルに対する被処理体の近接離反方向の位置ずれを直接検出するための高さセンサ等の複雑な部品を必要としないので、観察方向に対して斜め方向から基準範囲へレーザ光を照射するための簡単な部品だけを追加している。これによって、本発明の注入装置は、構成の複雑化を防止しつつ、注入ノズルと被処理体との2種類の位置ずれを確実に補正することができる。
以上の結果、本発明の注入装置は、注入装置の構成を簡略化させたまま、完成品の歩留まりを向上させることができる。
さらにまた本発明によれば、本発明の注入装置において、基準範囲内のレーザ光の照射されるべき場所が平坦である場合に該レーザ光の照射方向から見て前記観察部の観察方向と直交する直線形状の照射スポットが形成されるように、レーザ光が照射される。基準範囲内のレーザ光の照射されるべき場所に異物が存在する場合、直線形状であるべき照射スポットの形状が異物に起因して曲がる。
本発明の注入装置は、上述のようにレーザ光を照射した状態で前記基準範囲を観察し、実際に観察される照射スポット内の複数の位置のうち、該照射スポットの曲がり方向とは反対方向寄りになるいずれかの位置を、前記基準範囲内のレーザ光の照射位置として、以後の処理に用いる。これによって、本発明の注入装置は、レーザ光の照射位置に異物がある場合であっても、異物が補正パラメータへ悪影響を及ぼすことを防止することができる。このように、本発明の注入装置は、完成品の歩留まりをさらに向上させることができる。
また本発明によれば、本発明の注入装置において、注入ノズルが複数用意される場合、各注入ノズル毎に観察部が用意される。この場合、観察部による観察と位置ずれの判断と位置ずれの補正とが、注入ノズルごとに独立して実行される。これによって、被処理体に複数の注入孔が設けられる場合、各注入孔への注入物の注入工程が並行して独立に実行され、かつ、各注入孔毎に位置ずれが確実に補正される。したがって、被処理体に複数の注入孔が設けられる場合でも、本発明の注入装置は、複数の注入孔からの注入物の漏れを確実に防止することができるため、完成品の歩留まりを従来よりも向上させることができる。
さらにまた本発明によれば、本実施形態の注入装置において、被処理物は、組立て体を収納した発泡治具で実現される。組立て体は、外箱と内箱とを隙間をあけて組合わせて構成される。前記被処理体の内部空間が、前記組立て体の外箱と内箱との間の隙間で構成される。発泡治具は、組立て体の外寸とほぼ同じ内寸を有する箱状の部材である。発泡治具の内部に組立て体が収納される。また前記状況下において、注入物が、前記組立て体の外箱と内箱との間の隙間を埋めるための発泡断熱材の原液で構成される。
本発明の注入装置は、組立て体を収納した発泡治具の移動後に、組立て体の注入孔の実際の位置を斜め方向から観察して位置ずれの有無を判断し、注入ノズルの注入方向と注入孔との位置ずれがある場合は該位置ずれを補正して、補正後に原液の注入を行う。これによって、本発明の注入装置は、組立て体を収納した発泡治具の重量に起因する位置ずれに起因して該発泡治具と注入ノズルとが衝突することを、確実に回避することができる。またこれによって、本発明の注入装置は、組立て体を収納した発泡治具の移動時の停止位置のばらつきおよび該発泡治具の構成変更に起因する原液の漏れを、確実に防止することができる。したがって、本発明の注入装置は、完成品の歩留まりを従来よりも向上させることができる。
また本発明によれば、本発明の注入方法は、たとえば、移動ステップ、観察ステップ、判断ステップ、補正ステップ、および注入ステップをこの順で含む。移動ステップにおいて、注入ノズルの先端の先の予め定める基準範囲内に被処理体の注入孔があるように、被処理体および注入ノズルの少なくとも一方が移動される。観察ステップにおいて、注入ノズルによる注入物の注入方向に対して斜め方向から、注入ノズルの先端の先の基準範囲が観察される。判断ステップにおいて、観察ステップの観察結果に基づいて、被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態が判断される。判断ステップで位置ずれがあると判断される場合は、補正ステップにおいて、位置ずれが補正されるように、被処理体および注入ノズルの少なくとも一方が移動部によって移動される。注入ステップにおいて、注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に、注入物が注入される。
以上のように、本発明の注入方法が用いられる状況下において、移動された被処理体の停止位置のばらつきおよび該発泡治具の構成変更が基準範囲内に注入孔が収まる程度であれば、位置ずれが確実に補正されるので、注入孔を通して被処理物の内部空間に注入物が確実に注入される。これによって、前記状況下において停止位置のばらつきおよび被写体の構成変更に起因する注入物の漏れが確実に防止される。また、上記の状況下において、注入ノズルの注入方向に対して斜め方向から基準範囲が観察されているので、注入ノズルと観察ステップで用いられる観察部との干渉が防止される。これによって、本発明の注入方法が用いられる注入工程は、従来技術を用いる注入工程よりも簡略化される。以上の結果、本発明の注入方法を用いる製造工程は、工程を簡略化しつつ、完成品の歩留まりを向上させることができる。
さらにまた本発明によれば、本発明の注入方法において、所定の観察方向に対して斜め方向である照射方向からレーザ光が基準範囲に照射され、レーザ光照射中の基準範囲が観察される。基準範囲内の所定の基準軸線と基準範囲内への観察方向に対して斜め方向からのレーザ光の照射位置との位置関係に応じて、観察結果の位置誤差の状態が判断される。前記ずれ量をさらに考慮して、移動後の被処理体の注入孔と注入ノズルの軸線との前記面方向の位置ずれの状態が判断される。前記面方向の位置ずれがあると判断される場合、前記面方向の位置ずれの状態が補正されるように、被処理体および注入ノズルの少なくとも一方が移動させられる。
これによって、本発明の注入方法よれば、前記ずれ量に起因する前記面方向の位置ずれの誤差を、基準範囲の観察結果のずれ量を補正しない構成の注入方法よりも減少させることができる。したがって、本発明の注入方法は、前記面方向の位置ずれの補正精度を、より向上させることができる。また本発明の注入方法が用いられるならば、前記面方向の位置ずれの判断用の観察ステップ以外に基準範囲の観察結果の補正専用の観察ステップを別途追加する必要がない。したがって、本発明の注入方法が用いられる場合、注入物の注入工程の複雑化が防止される。
以上の結果、本発明の注入方法は、注入物の注入工程の複雑化を防止しつつ、被処理体の注入孔と注入ノズルの軸線との面方向の位置ずれの補正精度をより向上させることができる。したがって、本発明の注入方法は、注入物の注入工程を簡略化させたまま、完成品の歩留まりをより向上させることができる。
また本発明によれば、本発明の注入方法において、被処理体への注入ノズルの近接離反方向と近接離反方向に対する面方向とに被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動可能である。このような本発明の注入方法において、所定の観察方向に対して斜め方向である照射方向からレーザ光が基準範囲に照射され、レーザ光照射中の基準範囲が観察される。基準範囲内における所定の基準軸線とレーザ光の照射位置との位置関係に応じて、注入ノズルに対する被処理体の近接離反方向の位置ずれの状態がさらに判断される。前記近接離反方向の位置ずれがある場合、前記近接離反方向の位置ずれが打消されるように、被処理体と注入ノズルとが相対移動される。
このように、上述の本発明の注入方法が用いられるならば、被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する前記面方向の位置ずれの状態が補正されるだけでなく、注入ノズルに対する被処理体の前記近接離反方向の位置ずれの状態も補正される。これによって、本発明の注入方法が用いられるならば、注入ノズルと被処理体との前記面方向および前記近接離反方向の位置ずれが確実に補正されるので、被処理体と注入ノズルとの相対位置の補正精度が向上する。また本発明の注入方法が用いられるならば、前記面方向の位置ずれの補正用の観察ステップ以外に前記近接離反方向の位置ずれの補正専用の観察ステップを別途追加する必要がない。したがって、本発明の注入方法が用いられる場合、注入物の注入工程の複雑化が防止される。
以上の結果、本発明の注入方法は、注入物の注入工程の複雑化を防止しつつ、被処理体と注入ノズルとの相対位置の補正精度をより向上させることができる。以上の結果、本発明の注入方法は、注入物の注入工程を簡略化させたまま、完成品の歩留まりをより向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態の注入装置20による発泡充填材の充填工程を説明するための模式図である。図2は、図1の注入装置20の構成を模式的に示す図である。図1と図2とを合わせて説明する。
本実施形態の注入装置20は、内部空間42に連通する1以上の注入孔41を備える被処理体40に対し、注入孔41を通して被処理体40の内部空間42に注入物を注入するための装置である。注入装置20は、基本的には、注入ノズル23と、観察部24と、移動部25と、記憶部26と、制御部27とを含む。観察部24は、好ましくは、カメラ31を含む。移動部25は、好ましくは、被処理体移動部33とノズル移動部34とを含む。
注入ノズル23は、先端から注入物を被処理体40の内部空間42に注入可能に構成される。観察部24は、注入ノズル23による注入物の注入方向51に対して斜め方向52から、注入ノズル23先端の先の予め定める基準範囲53を観察可能に構成される。移動部25は、基準範囲53内に被処理体40の注入孔41があるように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方を移動可能に構成される。記憶部26は、注入装置20の各種処理に関わるデータを記憶する。制御部27は、記憶部26の記憶内容を参照しつつ、注入ノズル23と観察部24と移動部25とを制御する。
被処理体40は、注入孔41を通して外部と通ずる内部空間42を有する構成であれば、どのような構成であってもよい。注入物は、注入ノズル23から注入可能なものであれば、どのような物体であってもよい。たとえば、注入物は、気体、液体、粉末状および粒状の固体等から選ばれる。
本実施形態の注入装置20を用いて被処理体40への注入物の注入工程が実行される場合、制御部27は、最初に、注入孔41が基準範囲53内に至るように、被処理体40を移動部25によって相対移動させる。注入ノズル23は、たとえば、予め定める作動位置に配置されている。次いで、制御部27は、前記斜め方向52から、観察部24に基準範囲53を観察させる。続いて、制御部27は、観察部24の観察結果に基づいて、被処理体40の注入孔41と注入ノズル23の注入方向51との位置ずれの状態を判断する。位置ずれの状態は、たとえば、前記位置ずれの有無、ならびに、前記位置ずれの向きおよび大きさを含む。位置ずれがあると判断される場合、制御部27は、位置ずれが補正されるように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方を、移動部25によって移動させる。最後に、制御部27は、注入ノズル23から注入孔41を通して被処理体40の内部空間42に、注入物を注入させる。
このように、本実施形態の注入装置20において、注入物の注入に先立って、注入ノズル23先端の先の所定の基準範囲53内に注入孔41があるように、被処理体40が移動される。被処理体40の移動後、注入装置20は、注入ノズル23による注入物の注入方向51と注入孔41との位置ずれを補正し、補正後に注入物の注入を行う。これらによって、本実施形態の注入装置20は、位置ずれに起因して注入物が注入孔41からもれることを確実に防止することができるので、歩留まりを向上させることができる。
本実施形態の注入装置20において、注入ノズル23の注入方向51に対して斜め方向52から、注入ノズル23の先端の先の基準範囲53を、観察部24が観察している。そのため、注入ノズル23先端から注入方向51に延びる軸線上から、観察部24の位置がずれる。このような構成の注入装置20では、注入ノズル23の先端よりも観察部24が被処理体40に近い位置にある場合であっても、注入ノズル23と観察部24との干渉が防止される。すなわち、注入装置20において、注入ノズル23からの注入物の注入を観察部24が邪魔することが無い。そのため、前述の場合に、注入物の注入時に観察時の位置から観察部24を退避させる必要がなくなる。これによって、本実施形態の注入装置20を用いる注入物の注入工程は、従来技術よりも簡略化される。
また本実施形態の注入装置20において、注入方向51に対して斜め方向52から観察部24が基準範囲53を観察しているので、注入ノズル23からの注入物の注入を妨げることなく、観察部24が注入ノズル23の先端よりも被処理体40に近づくことが可能になる。これによって、観察部24が基準範囲53をより詳細に観察可能になるので、注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との位置ずれを、従来よりも精度良く判断することができる。したがって、本実施形態の注入装置20は、従来技術よりも、位置ずれの補正精度を向上させることができる。
これらの結果、本実施形態の注入装置20は、注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との位置ずれを、従来技術よりも簡略された工程で精度良く補正することができる。したがって、本実施形態の注入装置20は、注入孔41からの注入物の漏れを簡単かつ確実に防止することができるため、完成品の歩留まりを従来技術よりも向上させることができる。
本実施形態の注入装置20において、被処理体40移動後に注入ノズル23先端の先の基準範囲53を観察部24が実際に観察して得られる観察結果に基づいて、注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との位置ずれの状態が判断される。すなわち、被処理体40移動後の実際の注入孔41の位置に基づいて、位置ずれの状態が判断される。観察部24の観察結果に基づく位置ずれの判断時には、好ましくは、位置ずれの有無だけでなく、位置ずれの大きさおよび向きをも判断される。
複数個の単一種類の被処理体40に対して注入物の注入を順次行う状況下において、たとえば、被処理体40の移動に伴う位置ずれの向きおよび大きさは、被処理体40毎に異なる。特に、被処理体40の重量が重いほど、被処理体40移動後の注入孔41の実際の位置が相互にずれ易い。前述の状況下において、本実施形態の注入装置20は、毎回異なる位置ずれの状態を確実に把握しているので、毎回異なる位置ずれを確実に補正することができる。そのため、本実施形態の注入装置20は、位置ずれの状態が毎回異なる状況下であっても、起因する注入物の漏れを確実に防止することができるため、完成品の歩留まりを向上させることができる。
また本実施形態の注入装置20は、所定の基準範囲53内に注入孔41があるように移動された被処理体40に対し、注入物の注入に先立って、基準範囲53の観察結果に基づいて注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との位置ずれの補正を行なう。好ましくは、複数個の被処理体40を処理する状況下で、移動された被処理体40の停止位置のばらつきが充分収まるように、基準範囲53が設定されるとよい。この結果、本実施形態の注入装置20は、移動後の被処理体の停止位置がばらつく状況下で、注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との位置ずれを補正して、注入孔41を通して被処理体40の内部空間42に注入物を確実に注入することができる。これによって、本実施形態の注入装置20は、被処理体の停止位置のばらつきに起因する注入物の漏れを確実に防止することができるため、完成品の歩留まりを向上させることができる。
また本実施形態の注入装置20は、たとえば完成品の機種切換えに伴って、被処理体40の構成が変更されることがある。被処理体40の構成は、たとえば、被処理体40の外寸、ならびに注入孔41の位置および形状の少なくとも1つを含む。本実施形態の注入装置20は、上述したように、所定の基準範囲53内に注入孔41があるように移動された被処理体40に対し、基準範囲53の観察結果に基づいて位置ずれの補正を行なう。また好ましくは、被処理体40の構成が適宜変更される状況下で、構成変更後の被処理体40の移動後の注入孔41の位置が充分収まるように、基準範囲53が設定されるとよい。この結果、本実施形態の注入装置20は、被処理体40の構成が変更される状況下で、注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との位置ずれを補正して、注入孔41を通して被処理体40の内部空間42に注入物を正確に注入することができる。
このように、本実施形態の注入装置20は、被処理体40の構成変更に伴って被処理体40移動後の注入孔41の位置にばらつきが生じる状況下であっても、被処理体40移動後の注入孔41の位置が基準範囲53に収まれば、注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との位置ずれを確実に補正することができる。これによって、本実施形態の注入装置20は、被処理体40の構成変更に起因する注入物の漏れを確実に防止することができるため、完成品の歩留まりを向上させることができる。これによって、本実施形態の注入装置20は、被処理体40の構成変更が容易になる。
従来技術の注入装置において、被処理体40の構成が変更される場合、注入装置の操作者が手作業によるティーチングを行うことで、注入装置の動作が調整される。ティーチングによる動作調整には、たとえば、注入ノズル23の作動位置の調整、ならびに後述の搬送系制御部62および注入系制御部64のプログラム変更が含まれる。相互に構成の異なる複数種類の被処理体40を従来技術の製造装置が適宜切換えて取扱う場合、被処理体40の構成が変更されるたびに、注入孔の位置が変更される可能性があるため、手作業のティーチングによる動作調整が行われる。これによって、従来技術の注入装置20は、被処理体40の切換えに手間が掛かる。
本実施形態の注入装置20は、被処理体40の構成が適宜変更される状況下において、被処理体40移動後の注入孔41の位置が充分に収まるように基準範囲53が設定されていれば、注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との位置ずれを確実に補正することができる。これによって、本実施形態の注入装置20は、被処理体40の構成変更の度にティーチングを行う必要が無い。
これによって、本実施形態の注入装置20は、相互に構成の異なる複数種類の被処理体40を適宜変更して注入物の注入を行う状況下において、複数種類の被処理体40を動作調整無しに順次処理することが可能になる。したがって、本実施形態の注入装置20は、被処理体40の構成変更時にティーチングを必要とした従来技術の注入装置20よりも、構成変更時の手間が軽減されるため、完成品の機種切換えに要する時間が短縮される。この結果、本実施形態の注入装置20の取扱いが容易になる。
本実施形態の注入装置20において、注入ノズル23先端の先の基準範囲53の実際の観察結果に基づく位置ずれの判断は、たとえば、予め記憶部26に用意された基準の観察データと観察部24による実際の観察結果を示すデータとの比較結果に基づいて行われる。基準の観察データとは、たとえば、注入ノズル23の注入方向51が注入孔41を確実に通る状態において、被処理体40の注入ノズル23先端の先の空間内に入る部分を観察部が観察して得られた観察結果に相当する。基準の観察データは、たとえば、記憶部に予め記憶されている。たとえば、基準の観察データと実際の観察データとに差異があれば、注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との位置ずれがあると判断される。この結果、制御部27は、実際の位置ずれの有無および位置ずれの状態を容易に判断することができる。
本実施形態の注入装置20において、具体的には、移動後の被処理体40の注入孔41が位置すべき基準範囲53と対向する予め定める作動位置に、注入ノズル23が位置している。作動位置の注入ノズル23の先端から見て、基準範囲53は、注入物の注入方向51に位置する。作動位置は、具体的には、移動後の被処理体40の注入孔41の位置よりも鉛直方向上方の位置である。移動後の被処理体40の注入孔41よりも鉛直方向上方に作動位置が位置する場合、位置ずれ補正後の注入ステップにおいて、注入物に注入のための大きな圧力を加えなくても、重力の作用で注入物が注入ノズル23先端から鉛直方向下方へ向かって注入される。これによって、前記の場合、注入物の注入が容易になる。
本実施形態の注入装置20において、基準範囲53に注入孔41が位置する状況下では、被処理体40の注入孔41が設けられる面は、注入ノズル23の先端と対向可能である。注入ノズル23の先端から注入方向51に延びる軸線が注入孔41を確実に通っていれば、注入ノズル23から注入される注入物が注入孔41を漏れなく通る。たとえば、より詳細には、注入ノズル23の注入方向51の軸線が注入孔41を通る位置が注入孔41の中心に近づくほど、注入ノズル23からの注入物が注入孔41から漏れることなく、注入孔41をより確実に通過させて充填することができる。
本実施形態の注入装置20において、注入ノズル23による注入物の注入方向51と注入孔41との位置ずれが大きくなるほど、注入孔41から注入物が漏れ易くなる。本実施形態の注入装置20は、注入物の注入に先立って、前記位置ずれが解消されるように、注入ノズル23を被処理体40に対して相対移動させている。これによって、注入ノズル23の先端から注入方向51に延びる軸線が注入孔41を確実に通るので、本実施形態の注入装置20は、注入物注入時において位置ずれに起因する注入物の漏れを防止することができるので、歩留まりを向上することができる。
上述した本実施形態の注入装置20において、注入孔41が基準範囲53内に至る場合に被処理体40の全ての面のうちで注入ノズル23と斜めに対向する面44に、被処理体40の注入孔41が設けられることがある。この場合、観察部24が基準範囲53を観察する方向は、好ましくは、注入ノズル23の注入方向51に対して斜め方向52であって、かつ、被処理体40の注入孔41の設けられる面の法線方向45に略平行な方向に選ばれる。
これによって、本実施形態の注入装置20において、被処理体40の移動後に観察部24が注入ノズル23先端の先の基準範囲53を観察する状況下で、注入ノズル23と斜めに対向する面44を、観察部24がほぼ正面から観察することになる。すなわち、基準範囲53内にある筈の注入孔41を、観察部24がほぼ正面から観察することになる。これによって、観察部24による基準範囲53の観察時に、該基準範囲53内にある筈の注入孔41が見易くなるので、被処理体40の注入孔41と注入ノズル23の注入方向51との位置ずれの判断精度を向上させることができる。したがって、本実施形態の注入装置20は、注入孔41からの注入物の漏れをより確実に防止することができるため、完成品の歩留まりを従来よりもさらに向上することができる。
上述した本実施形態の注入装置20において、また好ましくは、移動部25が被処理体移動部33とノズル移動部34とを含む。被処理体移動部33は、被処理体40を個別に移動可能に構成される。ノズル移動部34は、注入ノズル23を個別に移動可能に構成される。移動部25が被処理体移動部33とノズル移動部34とを含む場合、たとえば、注入孔41が基準範囲53内に至るように被処理体40を相対移動させる状況下では、被処理体移動部33だけが被処理体40を移動させ、かつ、位置ずれを補正する状況下では、ノズル移動部34だけが注入ノズル23を移動させる。
また本実施形態の注入装置20において、好ましくは、観察部24が注入ノズル23に追従して移動可能に設けられる。この結果、注入ノズル23の移動に伴って観察部24が移動するので、注入ノズル23先端の先の基準範囲53を観察部24が常に観察可能になる。これによって、注入ノズル23自体を移動させる場合、注入ノズル23と観察部24とが同時に移動するので、注入工程のステップ数の増加を抑えることができる。また観察部24が注入ノズル23に追従して移動可能に設けられるので、注入ノズル23の既存のノズル移動部34が観察部24の移動部を兼ねることになる。これによって、本実施形態の注入装置20は、観察部24専用の移動部を追加する必要がないため、注入装置20の部品増加を防止することができる。
上述した本実施形態の注入装置20において、さらにまた好ましくは、観察部24がカメラ31を含む。カメラ31は、注入ノズル23による注入物の注入方向51に対して斜め方向52から、注入ノズル23先端の先の基準範囲53を撮影可能に構成される。この場合、記憶部26は、被処理体40に対するカメラ31の焦点深度のデータをさらに記憶する。またこの場合、記憶部26の基準観察データは、基準の画像で実現される。
観察部24がカメラ31を含む状況下において、カメラ31によって実際に撮影された画像と記憶部26の基準の画像とが比較され、両画像に差異がある場合に位置ずれがあると判断される。基準の画像は、たとえば、注入ノズル23の注入方向51が注入孔41を確実に通る状態において、基準範囲53を観察部24のカメラ31から撮影したものであって、該基準の画像には注入方向51が通る状態の注入孔41が写り込んでいる。この結果、制御部27は、実際に撮影された画像と基準の画像との差異を画像処理によって求めることで、位置ずれの状態を容易に判断することができる。
観察部24がカメラ31を含む状況下において、カメラ31の焦点深度の調整は、記憶部26内の被処理体40に対するカメラ31の焦点深度のデータに基づき、被処理体40に対する注入ノズル23の位置をノズル移動部34が相対移動させる動作によって、行われる。これによって、カメラ31の光学系を直接調整しなくても焦点深度の調整が可能なので、カメラ31の光学系の構成を簡略化することができる。これによって、本実施形態の注入装置20の構成をより簡略化することができる。
また、相互に構成の異なる複数種類の被処理体40に対する注入物の注入工程を本実施形態の注入装置20が実行する場合、各被処理体40に対するカメラ31の焦点深度のデータが、記憶部26に記憶される。本実施形態の注入装置20において、処理すべき被処理体40の種類が変更された場合、変更後の被処理体40に対するカメラ31の焦点深度のデータに基づいて、観察部24のカメラ31の焦点深度が調整される。これによって、複数種類以上の被処理体40に対する注入物の注入工程を本実施形態の注入装置20が実行する場合、被処理体40の変更に伴う注入装置20の調整が容易になるため、本実施形態の注入装置20の使い勝手を向上することができる。
上述した本実施形態の注入装置20は、また好ましくは、被処理体40の内部空間42への注入物の注入動作を個々に独立して実行可能な複数の注入ノズル23を含む。これによって、たとえば被処理体40が複数の注入孔41を有する場合に、注入物の注入動作を各注入孔41に対して並列に実行可能になる。これによって、前述の場合に、複数の注入ノズル23を含む本実施形態の注入装置20は、単一の注入ノズル23だけを有する注入装置20よりも、注入物の注入工程に要する時間を短縮することができる。
複数の注入ノズル23を有する本実施形態の注入装置20は、より好ましくは、複数の観察部24をさらに含む。各観察部24は、各注入ノズル23による注入物の注入方向51に対して斜め方向52から各注入ノズル23の先端の先の基準範囲53を観察可能になるように、各注入ノズル23にそれぞれ追従して設けられる。この場合、本実施形態の注入装置20は、基準範囲53の観察と位置ずれの判断と位置ずれの補正とを、注入ノズル23ごとに独立して実行する。
詳しくは、複数の注入ノズル23および観察部24を含む本実施形態の注入装置20において、制御部27は、各注入ノズル23毎に、各注入ノズル23に追従する観察部24による観察結果に基づいて、被処理体40の注入孔41と各注入ノズル23の注入方向51との位置ずれの状態をそれぞれ判断する。全注入ノズル23のうちの位置ずれがあると判断される注入ノズル23に対し、制御部27は、位置ずれが補正されるように、注入ノズル23を移動部25によって相対移動させる。補正後に、各注入ノズル23から各注入孔41を通して、被処理体40の内部空間42に注入物が注入される。複数の注入ノズル23を有する場合、本実施形態の注入装置20は、好ましくは、位置ずれ補正時に、被処理体40の位置をそのまま保って各注入ノズル23の位置を移動させるとよい。
以上のように、本実施形態の注入装置20において、注入ノズル23および観察部24が複数用意される場合、複数の注入孔41を有する被処理体40に対し、各注入孔41への注入物の注入工程が並行して独立に実行され、かつ、各注入孔41毎に位置ずれが確実に補正される。したがって、被処理体40に複数の注入孔41が設けられる場合でも、本実施形態の注入装置20は、複数の注入孔41からの注入物の漏れを確実に防止することができるため、完成品の歩留まりを従来よりも向上させることができる。
また本実施形態の注入装置20において、移動後の被処理体40の注入孔41が位置すべき基準範囲53と対向する予め定める作動位置に、注入ノズル23が最初から位置している。これに限らず、本実施形態の注入装置20において、注入ノズル23が、注入工程の開始時点では作動位置とは異なる予め定める待機位置で待機していてもよい。待機位置は、たとえば、作動位置よりも移動後の被処理体40から遠い位置である。
この場合、本実施形態の注入装置20において、注入工程における被処理体40の移動ステップが、注入ノズル23が作動位置に位置する場合の基準範囲53内に注入孔41が至るように被処理体40を被処理体移動部33が移動させる被処理体移動ステップと、注入ノズル23を待機位置から作動位置へノズル移動部34が移動させるノズル移動ステップとを含む。ノズル移動ステップ後、本実施形態の注入装置20は、注入ノズル23が作動位置にある状態で、以後のステップを実行する。
これによって、本実施形態の注入装置20は、被処理体40の移動後に注入ノズル23が作動位置に至るため、被処理体40の移動時に被処理体40が注入ノズル23に衝突するような不具合を、より確実に防止することができる。またこれによって、本実施形態の注入装置20は、被処理体40が注入ノズル23に衝突することを防止可能な安全マージンを被処理体40の移動時に確保しつつ、注入物の注入時に注入ノズル23を被処理体40にできるだけ近接させて注入物の注入を確実に行うことができる。したがって、本実施形態の注入装置20の使い勝手を向上することができる。
被処理体移動部33は、詳細例としては、搬送系機構部61と搬送系制御部62とを含む。搬送系機構部61は、被処理体40を移動させるための機械的な構成部であり、たとえばチェーンコンベアで実現される。搬送系制御部62は、制御部27からの指示に応答し、搬送系機構部61を直接制御するための制御部である。またノズル移動部34は、詳細例としては、注入系機構部63と注入系制御部64とを含む。注入系機構部63は、注入ノズル23を移動させるための機械的な構成部であり、たとえばXYZの3軸方向に注入ノズル23を個別移動可能な構成を有する。たとえば、Z軸は被処理体40に近接離反する方向の軸線であり、X軸およびY軸はZ軸に対して直交し、かつ相互に直交する方向の軸線である。注入系制御部64は、制御部27からの指示に応答し、注入系機構部63を直接制御するための制御部である。搬送系制御部62および注入系制御部64は、それぞれ、たとえばプログラマブルロジックコントローラ(programmable logic controller:PLC)で実現される。前述したように、カメラ31の焦点深度がノズル移動部34によって調整される場合、焦点深度調整時に、注入系機構部63は、カメラ31をZ軸方向に移動させる。
本実施形態の注入装置20は、たとえば、断熱箱体の製造工程で用いられる。断熱箱体は、注入孔41を背面板に有する外箱71と、外箱71の内部に配置される内箱72と、外箱71と内箱72の隙間に充填される発泡断熱材とを含んで構成される。本実施形態の注入装置20が断熱箱体の製造工程で用いられる状況下では、被処理体40は、組立て体75を収納した発泡治具76で実現される。
組立て体75は、外箱71と内箱72とを隙間をあけて組合わせて構成される。被処理体40の内部空間42は、組立て体75の外箱71と内箱72との間の隙間で実現される。発泡治具76は、組立て体75の外寸とほぼ同じ内寸を有する箱状の部材である。発泡治具76の内部に組立て体75が収納される。また前記状況下において、注入物が、組立て体75の外箱71と内箱72との間の隙間を埋めるための発泡断熱材の原液で構成される。
発泡治具76は、さらに好ましくは、組立て体75収納時に組立て体75の注入孔41と対向する位置に、貫通孔78が形成されている。発泡治具76内部の組立て体75の注入孔41に対して貫通孔78を通して発泡治具76外部から注入ノズル23が注入物を注入可能になるように、かつ、発泡治具76内部の組立て体75の注入孔41を貫通孔78を通して観察部24が観測可能になるように、貫通孔78の詳細構成が設定される。
発泡治具76の側面板および天面板の厚みは、原液の発泡に伴って組立て体75に掛かる面圧を充分に押さえ込むことが可能な厚さに設定される。図1の例では、発泡治具76は、天面板が開閉自在に構成された箱状の部材であって、天面板に貫通孔78が形成されている。組立て体75収納時には、発泡治具76の天面板をあけて、注入孔41が形成される面が発泡治具76の天面側に位置する向きで組立て体75が発泡治具76内部に収納され、収納後に天面板が閉じられる。
本実施形態の注入装置20を用いる断熱箱体の製造工程において、注入装置20は、概略的には、発泡治具76内部に収納された組立て体75に対し、注入ノズル23から、組立て体75の注入孔41を通して、組立て体75の内部空間42に発泡断熱材の原液を注入する。
原液の発泡膨張に起因する組立て体75の歪みを防止するため、発泡治具76の側面板および天面板等の面板厚は比較的厚く構成されるので、発泡治具76の重量が重くなりやすい。組立て体75を収納した発泡治具76を移動部25によって相対移動させる場合、所定の位置に発泡治具76を停止させることが困難であり、停止する位置にばらつきが生じやすい。
本実施形態の注入装置20は、組立て体75を収納した発泡治具76の移動後に、組立て体75の注入孔41の実際の位置を斜め方向52から観察して位置ずれの有無を判断し、注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との位置ずれがある場合は該位置ずれを補正して、補正後に原液の注入を行う。
これによって、本実施形態の注入装置20は、組立て体75を収納した発泡治具76の重量に起因する位置ずれに起因して、発泡治具76と注入ノズル23とが干渉することを、確実に回避することができる。またこれによって、本実施形態の注入装置20は、組立て体75を収納した発泡治具76の移動時の停止位置のばらつきに起因する原液の漏れを確実に防止することができる。したがって、本実施形態の注入装置20は、断熱箱体の歩留まりを従来よりも向上させることができる。
本実施形態の注入装置20を用いる断熱箱体の製造工程において、詳しくは、原液の発泡に先立って、外箱71および内箱72の組立て体75が、発泡治具76内部に収納される。組立て体75の移動と組立て体75への原液注入と原液の加熱発泡とは、組立て体75が発泡治具76内に収納された状態で実行される。組立て体75内部に注入された原液は、注入完了後に、発泡治具76内に組立て体75が収納された状態で加熱される。この結果、原液が発泡膨張して固体化することによって、組立て体75の外箱71と内箱72との隙間を充填する発泡充填材を形成する。この結果、断熱箱体が完成する。
前述の断熱箱体の製造工程において、原液の加熱発泡は、組立て体75が発泡治具76内に収納された状態で実行される。この結果、原液の発泡に伴って組立て体75に掛かる面圧は、発泡治具76の側面板および天面板によって押さえ込まれる。これによって、断熱箱体の製造工程において、原液の発泡に起因する断熱箱体の歪みの発生を防止することができる。
このような組立て体75に発泡充填材を充填して構成される断熱箱体は、たとえば、冷蔵庫の本体として用いられる。冷蔵庫本体として用いられる断熱箱体は、具体的には、外箱71が前面を開口して側面および背面を覆う箱状に形成され、内箱72が前面を開口する箱状であって外箱71の内側に隙間をあけて配置可能な外寸に形成される。組立て体75の内部空間42に連通する注入孔41は、外箱71の背面板に形成される。
一例としては、本実施形態の注入装置20は、冷蔵庫の生産ラインにおいて、冷蔵庫本体となる断熱箱体の製造工程中のポリウレタン注入工程で用いられる。ポリウレタン注入工程は、冷蔵庫本体を構成する外箱71と内箱72との間に断熱材の原料として液体ポリウレタンを注入し、液体ポリウレタンを加熱することによって、ポリウレタンを固体化させるものである。
断熱箱体が冷蔵庫本体を実現する場合、断熱箱体は、ドア側になる前面が開口する形状を有する。注入孔41は、断熱箱体の背面側となる外箱71の背面に、複数形成される。詳しくは、断熱箱体の背面側には、注入物注入時に注入ノズル23先端と斜めに対向する面があり、注入孔41は背面側の前記斜めの面に形成されている。冷蔵庫本体となる断熱箱体製造工程において、組立て体75の背面板に形成される複数の注入孔41から、発泡充填材の原液である液体ポリウレタンが注入される。液体ポリウレタンは、加熱時に発泡しつつ膨張して、外箱71と内箱72との隙間を充填する。
以上説明した構成の本実施形態の注入装置20を用いる注入物の注入工程は、たとえば、移動ステップ、観察ステップ、判断ステップ、補正ステップ、および注入ステップをこの順で含む。移動ステップにおいて、注入ノズル23の先端の先の予め定める基準範囲53内に被処理体40の注入孔41が位置するように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方を移動させる。観察ステップにおいて、注入ノズル23の先端の先の空間が、注入ノズル23による注入物の注入方向51に対して斜め方向52から、観察される。判断ステップにおいて、観察ステップの観察結果に基づいて、被処理体40の注入孔41と注入ノズル23の注入方向51との位置ずれの状態が判断される。補正ステップにおいて、判断ステップで位置ずれがあると判断される場合は、位置ずれが補正されるように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方が移動部25によって移動される。注入ステップにおいて、注入ノズル23から注入孔41を通して被処理体40の内部空間42に、注入物が注入される。
この結果、本実施形態の注入方法が用いられる状況下において、移動された被処理体40の停止位置のばらつきおよび被処理体の構成変更に伴う注入孔の位置のばらつきが基準範囲53内に注入孔41が収まる程度であれば、注入孔41を通して被処理体40の内部空間42に注入物が確実に注入される。これによって、前記状況下において停止位置のばらつきおよび被処理体の構成変更に起因する注入物の漏れが、確実に防止される。また、上記の状況下において、注入ノズル23の注入方向51に対して斜め方向52から、基準範囲53が観察されているので、注入ノズル23と観察ステップで用いられる観察部24との干渉が防止される。これによって、本実施形態の注入方法が用いられる注入工程は従来技術を用いる注入工程よりも簡略化される。以上の結果、本実施形態の注入方法は、完成品の歩留まりを向上させ、かつ、工程を簡略化することができる。
図3は、本実施形態の注入装置20を用いる断熱箱体の製造工程を説明するためのフローチャートである。断熱箱体製造工程の全ステップS1〜ステップS9のうち、ステップS3〜ステップS8が、本実施形態の注入装置20を用いる注入工程に相当する。
製造工程開始後、ステップS0からステップS1に進む。ステップS1において、注入孔41を有する外箱71が内箱72と隙間をあけて組合わされることによって、組立て体75が作成される。ステップS2において、作成された組立て体75が、発泡治具76に移載される。この結果得られる組立て体75が収納された発泡治具76が、注入工程における被処理体40として取扱われる。組立て体75の発泡治具76への移載は、たとえば、注入装置20の被処理体移動部33によって発泡治具76が移動可能な状況下、すなわち搬送系機構部61であるチェーンコンベア上に空の発泡治具76が予め載置された状況下で、行われる。
ステップS3およびステップS4は、被処理体40である組立て体75収納済の発泡治具76を、注入孔41が所定の基準範囲53内に至るように、注入ノズル23に対して相対移動させるための移動ステップに相当する。図3の例では、被処理体40移動前に注入ノズル23は作動位置よりも遠い待機位置で待機している。
ステップS3において、被処理体移動部33が、組立て体75収納済の発泡治具76を、予め定める載置位置まで移動させる。ステップS4において、ノズル移動部34が、1以上の注入ノズル23を待機位置から作動位置まで移動して、作動位置で位置決めする。各注入ノズル23の移動に伴って、各注入ノズル23に追従する観察部24も移動する。被処理体40の載置位置は、被処理体40が載置位置に位置してかつ注入ノズル23が作動位置に位置する状況下で、該注入ノズル23の基準範囲53内に注入孔41が入るように、予め定められる。注入ノズル23の作動位置は、被処理体40が載置位置に位置する状況下で、注入ノズル23の基準範囲53内に注入孔41が入るように、予め定められる。
ステップS5の観察ステップにおいて、各注入ノズル23の観察部24が、各注入ノズル23の注入物の注入方向51からみて斜め方向52から、各注入ノズル23の先端の先の基準範囲53を観察する。観察部24がカメラ31を含む場合、前記斜め方向52から基準範囲53をカメラ31が撮影する。
ステップS6の判断ステップにおいて、制御部27は、各注入ノズル23の観察部24の最新の観察結果と記憶部26に記憶される基準観察データとを比較して、各注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との位置ずれの状態を判断する。観察部24がカメラ31を含む場合、カメラ31が撮影した最新の画像と記憶部26に記憶される基準の画像とを比較して、両画像の違いに基づき位置ずれの状態を判断する。
前述のステップS6において、少なくとも1つの注入ノズル23に関して、注入ノズル23の注入方向51と注入孔41と位置ずれがあると判断される場合、ステップS6からステップS7を経てステップS8に進む。またステップS6において、全ての注入ノズル23に関し、注入ノズル23の注入方向51と注入孔41と位置ずれが無いと判断される場合、ステップS6から直接ステップS8に進む。
ステップS7の補正ステップにおいて、制御部27は、位置ずれがあると判断された注入ノズル23に関し、位置ずれが解消されるように、被処理体移動部33およびノズル移動部34によって、注入ノズル23に対して組立て体75収納済の発泡治具76を相対移動させる。具体例としては、組立て体75収納済の発泡治具76の位置を載置位置に保ったまま、位置ずれがあると判断された注入ノズル23が、位置ずれが解消されるようにノズル移動部34によって移動されて位置決めされる。これによって、位置ずれが解消されるように、組立て体75収納済の発泡治具76に対する注入ノズル23の位置が補正される。
ステップS8の注入ステップにおいて、注入ノズル23から発泡治具76の貫通孔78と組立て体75の注入孔41とを通って組立て体75の外箱71と内箱72との隙間に、注入物である発泡充填材の原液が注入される。たとえば、注入物注入時には、補正後の位置にある注入ノズル23が、注入ノズル23先端が注入孔41に挿入されるように、予め定める方向に予め定める距離だけさらに移動されてもよい。ステップS5〜ステップS7の処理によって最新の位置ずれが解消されているので、ステップS8の注入ステップにおいて、注入孔41からの注入物の漏れが防止される。
ステップS9の発泡ステップにおいて、組立て体75が発泡治具76に収納された状態で、組立て体75に注入された発泡充填材の原液が加熱される。この結果、組立て体75の外箱71と内箱72との隙間を充填するように、原液が発泡膨張しつつ固体化する。これによって、発泡断熱材が組立て体75の外箱71と内箱72との隙間に充填されるので、断熱箱体が完成する。断熱箱体完成後、完成した断熱箱体を発泡治具76から取出して、ステップS10で本フローチャートの処理が終了する。
以上説明したように、図3の断熱箱体の製造工程において、発泡充填材の原液の注入工程に本実施形態の注入装置20が用いられる。これによって、注入孔41からの原液の漏れを防ぎ、かつ、注入工程を簡略化することができる。これによって、図3の断熱箱体の製造工程の歩留まりが向上し、かつ、製造工程の簡略化を図ることができる。
図4は、本発明の他の実施形態の注入装置90による発泡充填材の充填工程を説明するための模式図である。図5は、図4の注入装置90の構成を模式的に示す図である。図4および図5をあわせて説明する。なお、図4の注入装置90は、図1の注入装置20と比較して、同じ機能を有する構成要素を含む。図4の注入装置90の説明において、図1の注入装置20と同じ機能の構成要素については、同じ参照符を付し、説明を省略する場合がある。
本実施形態の注入装置90は、内部空間42に連通する1以上の注入孔41を備える被処理体40に対し、注入孔41を通して被処理体40の内部空間42に注入物を注入するための装置である。注入装置90は、基本的には、注入ノズル23と、観察部24と、移動部25と、記憶部26と、制御部27と、照射部91とを含む。なお、図5(A)は、図4の注入装置90の構成要素のうち、注入ノズル23と観察部24と照射部91とを、注入物の注入方向51と直交するX軸方向から見た状態を模式的に示す。また図5(B)は、図4の注入装置90の注入ノズル23と観察部24と照射部91とを、注入方向51およびX軸方向と直交するY軸方向から見た状態を模式的に示す。
注入ノズル23は、先端から注入物を被処理体40の内部空間42に注入可能に構成される。観察部24は、注入ノズル23による注入物の注入方向51、すなわち注入ノズル23の軸線に対して観察方向である斜め方向52から、注入ノズル23の先端の先の予め定める基準範囲53を観察可能に構成される。記憶部26は、注入装置20の各種処理に関わるデータを記憶する。制御部27は、記憶部26の記憶内容を参照しつつ、注入ノズル23と観察部24と移動部25と照射部91とを制御する。
移動部25は、基準範囲53内に被処理体40の注入孔41があるように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方を移動可能に構成される。好ましくは、移動部25は、被処理体40への注入ノズル23の近接離反方向Zと近接離反方向Zに直交する面方向XYとに、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方を移動可能に構成される。このために、移動部25は、好ましくは、被処理体移動部33とノズル移動部34とを含む。
照射部91は、予め定める照射方向92から、基準範囲53内にレーザ光を照射する。照射方向92は、観察部24による基準範囲53の観察方向52に対して斜め方向である。観察部24は、照射部91によるレーザ光照射中の基準範囲53を、予め定める観察方向52から観察する。観察方向52は、注入ノズル23による注入物の注入方向51に対して斜め方向である。レーザ光の照射によって、レーザ光で照らされる領域である照射スポット93が、観察部24による基準範囲53の観察結果に含まれる。基準範囲53の中に観察される照射スポット93内の点の位置が、基準範囲53内のレーザ光の照射位置94として、以後の処理で用いられる。
制御部27は、レーザ光の照射スポット93を含む基準範囲53の観察結果に基づき、基準範囲53内の予め定める基準軸線95と基準範囲53内のレーザ光の照射位置94との位置関係に応じて、基準範囲53の観察結果のずれ量としての位置誤差D2の状態を判断する。基準範囲53の観察結果の位置誤差D2は、注入ノズル23に対する被処理体40の相対位置の近接離反方向Zの位置ずれD1に起因する誤差である。制御部27は、求められた基準範囲53の観察結果の位置誤差D2の状態を考慮して、被処理体40の注入孔41と注入ノズル23の注入方向51との相対位置の面方向XYの位置ずれD0の状態を判断する。被処理体40の注入孔41と注入方向51との前記面方向XYの位置ずれD0がある場合、制御部27は、前記面方向XYの位置ずれD0の状態が補正されるように、被処理体40および注入ノズル23のうちの少なくとも一方を移動部25によって移動させる。
また制御部27は、レーザ光の照射スポット93を含む基準範囲53の観察結果に基づいて、注入ノズル23に対する被処理体40の相対位置の近接離反方向Zの位置ずれD1の状態を判断する。前記近接離反方向Zの位置ずれD1があると判断される場合、制御部27は、前記近接離反方向Zの位置ずれD1が補正されるように、被処理体40および注入ノズル23のうちの少なくとも一方を、移動部25によって近接離反方向Zに移動させる。
本発明の他の実施形態である図4の注入装置90において、基準範囲23の観察結果の位置誤差D2を考慮して注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0の状態を判断する工程を含む被処理体40への注入物の第1の注入工程を、以下に説明する。
第1の注入工程開始後、制御部27は、最初に、注入孔41が基準範囲53内に至るように、注入ノズル23に対して被処理体40を、移動部25によって相対移動させる。注入ノズル23は、たとえば、予め定める作動位置に配置されている。注入ノズル23に対する被処理体40の相対移動手順は、図1の注入装置20における被処理体40の相対移動手順と同様である。
照射部91は、注入ノズル23の先端の先の空間に想定された基準範囲53内に、所定の照射方向92からレーザ光を照射している。被処理体40の相対移動後、制御部27は、レーザ光照射中の基準範囲53を、観察部24によって観察方向52から観察させる。レーザ光は、常時照射されていてもよく、観察部24による基準範囲53の観察時だけ照射されてもよい。
続いて、制御部27は、基準範囲53の観察結果に基づき、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1に起因する基準範囲53の観察結果の位置誤差D2の状態を、基準範囲53内の予め定める基準軸線95と基準範囲53内のレーザ光の照射位置94との位置関係に応じて判断する。基準範囲53内のレーザ光の照射位置94は、基準範囲53内に観察される照射スポット93内の位置である。基準軸線95のデータは、たとえば、記憶部26に予め記憶されている。観察結果の位置誤差D2は、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1に起因する。
続いて、制御部27は、基準範囲53の観察結果に基づき、かつ、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2の状態を考慮して、移動後の被処理体40の注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0の状態を判断する。前記面方向XYの位置ずれD0の状態は、たとえば、前記面方向XYの位置ずれD0の有無、ならびに、前記面方向XYの位置ずれD0の向きおよび大きさを含む。
移動後の被処理体40の注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0があると判断される場合、制御部27は、前記面方向XYの位置ずれD0の状態が補正されるように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方を、移動部25によって移動させる。最後に、制御部27は、注入ノズル23から注入孔41を通して被処理体40の内部空間42に、注入物を注入させる。以上で注入物の第1の注入工程が完了する。
前述した本発明の一実施形態である図1の注入装置20において、注入孔41を基準範囲53内に至らせる為の被処理体40の相対移動工程後に、移動後の被処理体40の一部分を含む基準範囲53内が、注入方向51に対して斜め方向である観察方向52から、観察部24が観察されている。このような構成の図1の注入装置20において、相対移動時の被処理体40の停止位置のばらつきおよび被処理体40の構成変更に起因して、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの相対位置にばらつきがある場合、基準範囲53の観察結果に位置誤差D2が含まれてしまう可能性がある。このために、移動後の被処理体40の注入孔41と注入方向51との前記面方向XYの位置ずれD0の状態判断時に、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2を考慮する必要するがあるという課題が生じる。
上記課題を解決するために、本発明の他の実施形態である図4の注入装置90においての、第1の注入工程では、基準範囲53内の所定の基準軸線95と基準範囲53内への照射方向92からのレーザ光の照射位置94との位置関係に応じて、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2の状態が判断される。基準範囲53の観察結果に基づき、かつ該観察結果の位置誤差D2を考慮して、移動後の被処理体40の注入孔41と注入方向51との前記面方向XYの位置ずれD0の状態が判断される。
これによって、第1の注入工程を行う図4の注入装置90は、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1が生じ得る状況下において、前記近接離反方向Zの位置ずれD1に起因する基準範囲53の観察結果の位置誤差D2を考慮して、移動後の被処理体40の注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0の状態を判断することができる。このようにして、図4の注入装置90は、注入孔41と注入方向51との前記面方向XYの位置ずれD0の誤差を、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2を考慮しない構成の注入装置よりも減少させることができる。したがって、図4の注入装置90は、被処理体40の停止位置のばらつきおよび被処理体40の構成変更等に起因する移動後の被処理体40の注入孔41と注入方向51との前記面方向XYの位置ずれD0の補正精度を、より向上させることができる。
また第1の注入工程を行う図4の注入装置90は、所定の照射方向92から基準範囲53内へレーザ光を照射させ、照射方向92に対して斜め方向である観察方向52からレーザ光照射中の基準範囲53を観察している。この結果、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2の状態と、前記注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0の状態とが、レーザ光照射中の基準範囲53の単一の観察結果を2通りに解析することによって、それぞれ判断可能になされる。これによって、図4の注入装置90は、注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0の状態を判断するための観察部24および制御部27が、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2の状態を判断するための構成を兼ねる。
このように、第1の注入工程を行う図4の注入装置90は、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2を直接検出するためのセンサ等の複雑な部品を必要とせず、所定の照射方向92から基準範囲53へレーザ光を照射するための簡単な部品だけを追加している。これによって、第1の注入工程を行う図4の注入装置90は、構成の複雑化を防止しつつ、移動後の被処理体40の注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0の補正精度を向上させることができる。以上の結果、第1の注入工程を行う図4の注入装置90は、注入装置90の構成を簡略化させたまま、完成品の歩留まりを向上させることができる。
本発明の他の実施形態である図4の注入装置90において、注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0の状態および注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1の状態を補正する工程を含む被処理体40への注入物の第2の注入工程を、以下に説明する。
第2の注入工程開始後、最初に、注入孔41が基準範囲53内に至るように、注入ノズル23に対して被処理体40が、移動部25によって相対移動される。次いで、照射方向92からレーザ光が照射されている基準範囲53が、照射方向92に対して斜めである観察方向52から、観察部24によって観察される。
続いて、制御部27は、基準範囲23の観察結果に基づき、移動後の被処理体40の注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0の状態を判断する。さらに制御部27は、基準範囲23の観察結果に基づき、基準範囲53内の予め定める基準軸線95と基準範囲53内のレーザ光の照射位置94との位置関係に応じて、注入ノズル23に対する移動後の被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1の状態をさらに判断する。前記近接離反方向Zの位置ずれD1の状態は、たとえば、前記位置ずれD1の有無、ならびに、前記位置ずれD1の向きおよび大きさを含む。
移動後の被処理体40の注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0があると判断される場合、制御部27は、前記面方向XYの位置ずれD0の状態が補正されるように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方を移動部25によって面方向XYに移動させる。また注入ノズル23に対する移動後の被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1があると判断される場合、前記近接離反方向Zの位置ずれD1が補正されるように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方を移動部25によって近接離反方向Zに移動させる。最後に、制御部27は、注入ノズル23から注入孔41を通して被処理体40の内部空間42に、注入物を注入させる。以上で注入物の第2の注入工程が完了する。
前述した本発明の一実施形態である図1の注入装置20において、注入孔41を基準範囲53内に至らせる為の相対移動後の被処理体40には、相対移動時の被処理体40の停止位置のばらつきおよび被処理体40の構成変更に起因して、注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0が生じ得るだけでなく、被処理体40の注入ノズル23に対する近接離反方向Zの位置ずれD1をも生じ得る。
このために、第2の注入工程を行う図4の注入装置90は、移動後の被処理体40の注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0の状態を補正するだけでなく、注入ノズル23に対する移動後の被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1の状態をも補正する。これによって、図4の注入装置90は、被処理体40の停止位置のばらつきおよび被処理体40の構成変更等に起因する被処理体40と注入ノズル23との2種類の位置ずれD0,D1を、より確実に補正することができる。これによって、図4の注入装置90は、被処理体40と注入ノズル23との相対位置の補正精度を、より向上させることができる。
また第2の注入工程を行う図4の注入装置90において、基準範囲23の観察結果の位置誤差D2を考慮する第1の注入工程を行う場合と同様に、所定の照射方向92から基準範囲53内にむけてレーザ光が照射され、照射方向92に対して斜めである観察方向52からレーザ光照射中の基準範囲53が観察されている。この結果、被処理体40の注入孔41と注入方向51との面方向ZXの位置ずれD0の状態と、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1の状態とが、レーザ光照射中の基準範囲53の単一の観察結果を2通りに解析することによって、それぞれ判断可能になされる。これによって、第2の注入工程を行う図4の注入装置90は、被処理体40の注入孔41と注入方向51との前記面方向ZXの位置ずれD0の状態を判断するための観察部24および制御部27が、注入ノズル23に対する被処理体40の前記近接離反方向Zの位置ずれD1の状態を判断するための構成を兼ねる。
このように、第2の注入工程を行う図4の注入装置90は、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの相対位置のばらつきを直接検出するための高さセンサ等の複雑な部品を必要とせず、所定の照射方向92から基準範囲53内へレーザ光を照射するための簡単な部品だけを追加している。これによって、第2の注入工程を行う図4の注入装置90は、構成の複雑化を防止しつつ、被処理体40と注入ノズル23との相対位置の補正精度をより向上させることができる。以上の結果、第2の注入工程を用いる図4の注入装置90は、注入装置90の構成を簡略化させたまま、完成品の歩留まりを向上させることができる。
観察方向52に対して斜めの照射方向92から基準範囲53内へレーザ光を照射する照射部91が追加された構成である図4の注入装置90は、さらに好ましくは、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2の考慮を伴う被処理体40の注入孔41と注入方向51との面方向ZXの位置ずれD0の補正と、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1の補正との両方を実行する。
上述の2種類の補正を行う図4の注入装置90は、注入ノズル23に対する被処理体40の相対位置に近接離反方向Zのばらつきが生じ得る状況下において、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2に起因する移動後の被処理体40の注入孔41と注入方向51との面方向ZXの位置ずれD0の誤差を減少させることができ、かつ、注入ノズル23に対する移動後の被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1の状態をも補正することができる。上述の2種類の補正を行う図4の注入装置90は、被処理体40の停止位置のばらつきおよび被処理体40の構成変更等に起因する被処理体40と注入ノズル23との2種類の位置ずれD0,D1を、さらに確実に補正することができる。この結果、図4の注入装置90は、被処理体40と注入ノズル23との相対位置の補正精度を、さらに向上させることができる。
また上述の2種類の補正を行う図4の注入装置90は、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2を検出するためのセンサおよび注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1を検出するための高さセンサ等の複雑な部品を必要とせず、観察方向52に対して斜めの照射方向92から基準範囲53へレーザ光を照射するための簡単な構成の照射部91だけを追加している。これによって、上述の2種類の補正を行う図4の注入装置90は、構成の複雑化を防止しつつ、被処理体40と注入ノズル23との相対位置の補正精度をさらに確実に向上させることができる。以上の結果、上述の2種類の補正を行う図4の注入装置90は、注入装置90の構成を簡略化させたまま、完成品の歩留まりをさらに向上させることができる。
また上述の2種類の補正を行う本実施形態の注入方法において、レーザ光照射中の基準範囲53の単一の観察結果を用いて面方向ZXの位置ずれD0の補正および2通りの補正に要するパラメータD1,D2を求めるので、面方向ZXの位置ずれD0の補正用の観察ステップ以外に上述の2通りの補正専用の観察ステップを別途追加する必要がない。これによって、本実施形態の上述の注入方法が用いられる場合、注入工程の複雑化を防止しつつ、被処理体40と注入ノズル23との2種類の位置ずれD0,D1をさらに確実に補正することができるので、被処理体40と注入ノズル23との相対位置の補正精度をさらに向上させることができる。以上の結果、本実施形態の上述の注入方法が用いられる場合、注入装置90を用いる注入物の注入工程を簡略化させたまま、完成品の歩留まりをさらに向上させることができる。
以上のような構成を有する図4の注入装置90において、被処理体40の基準範囲53内のレーザ光が照射されるべき位置に異物96が付着している状況が考えられる。特に、図1の注入装置20において説明されたように、被処理体40が組立て体75を収納した発泡治具76で実現される場合、発泡治具76の外側にはウレタンカス等が異物96として付着する可能性がある。被処理体40の基準範囲53内のレーザ光が照射されるべき位置に異物96が付着している状況下でレーザ光照射中の基準範囲53を観察部24が観察方向52から観察した場合、異物96に起因する誤差が生じる可能性がある。
上述の異物96に起因する誤差を防止するために、図4の注入装置90において、さらにまた好ましくは、照射スポット93の形状が照射方向92から見て観察部24の観察方向52と直交する仮想投影面上における直線形状になるように、照射部91がレーザ光を照射する。照射スポット93は、基準範囲53内において照射部91からのレーザ光が照射される領域であって、レーザ光の照射位置94を含む。基準範囲53内のレーザ光の照射されるべき場所にウレタンカス等の異物96が存在する場合、直線形状であるべき照射スポット93の形状が異物96に起因して曲がる。
上述の構成を有する図4の注入装置90においては、直線形状のレーザ光が照射された状態で、基準範囲53が観察される。実際に観察される照射スポット93内の複数の位置のうち、該実際の照射スポット93の一方向に凸に曲がり方向97とは反対側近傍になるいずれかの位置を、基準範囲53内のレーザ光の照射位置94として、以後の補正処理に用いられる。
これによって、上述の構成を有する図4の注入装置90は、レーザ光の照射位置94に異物96がある場合であっても、異物96が補正パラメータへ悪影響を及ぼすことを防止することができる。これによって、図4の注入装置90は、完成品の歩留まりをさらに向上させることができる。
基準範囲53の観察結果の位置誤差D2および注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1の状態判断は、具体的には、観察部24のカメラ31で撮影された画像を画像処理することによって行われる。前記観察結果の位置誤差D2および前記近接離反方向Zの位置ずれD1の状態を求める画像処理は、好ましくは、注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0を求める画像処理と同時に行われる。また前記近接離反方向Zの位置ずれD1を補正するための注入ノズル23および被処理体40の相対移動は、好ましくは、前記面方向XYの位置ずれD0を補正するための注入ノズル23および被処理体40の相対移動と同時に行われる。これらによって、本実施形態の図4の注入装置90において、前記位置誤差D2および前記近接離反方向Zの位置ずれD1に係る各種処理が追加されていない構成の注入工程における加工時間(タクト)よりも前記各種処理が追加された図4の注入装置の注入工程における加工時間が増加することが、回避される。
また、図4の注入装置90が複数の注入ノズル23を有し、各注入ノズル23に観察部24がそれぞれ備えられる場合、好ましくは、各注入ノズル23に照射部91がそれぞれ備えられる。各注入ノズル23に付随する照射部91は、各注入ノズル23の先端の先の基準範囲53内に、各注入ノズル23に付随する観察部24の観察方向52に対して斜め方向である照射方向92から、レーザ光をそれぞれ照射する。この結果、各注入ノズル23の先端の先の基準範囲53内に、各照射部91からのレーザ光の照射位置94を含む照射スポット93が、それぞれ観察可能になる。
これによって、前述の構成を有する図4の注入装置90において、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2の状態を考慮した注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0の状態の判断、および注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1の状態の判断が、各注入ノズル23毎にそれぞれ実行可能である。したがって、被処理体40に複数の注入孔41が設けられる場合でも、図4の注入装置90は、完成品の歩留まりをさらに向上させることができる。
さらにまた、図4の注入装置90において、観察部24が注入ノズル23に付随して共に移動可能な構成であるならば、好ましくは、観察部24の観察方向52と照射部91のレーザ光の照射方向92との位置関係を保ったまま、観察部24および注入ノズル23と共に照射部91も移動可能に構成される。これによって、たとえば、観察部24内のカメラ31の焦点深度の調整のために観察部24が注入ノズル23と共に移動される場合であっても、観察部24の観察方向52と照射部91のレーザ光の照射方向92との位置関係が常に保たれる。
したがって、前述の構成を有する図4の注入装置90において、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2の状態を考慮した注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0の状態の判断、および注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1の状態の判断が、観察部24が移動される場合であっても常に可能である。これによって、カメラ31の光学系の構成の簡略化と、注入装置90の構成の簡略化および完成品の歩留まりの向上とを、両立させることができる。
照射部91は、基準範囲53内のレーザ光の照射位置94が観察部24によって観察可能になる構成であれば、どのような構成であってもよい。たとえば照射部91は、基準範囲53内のレーザ光の照射位置94を集中して照らすスポットライト状のレーザ光光源で実現される。照射スポット93が直線形状である場合、照射部91はいわゆるライン投影型レーザポインタで実現される。
図6は、図4の注入装置90において、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1と基準範囲23の観察結果の位置誤差D2との関係を説明するための模式図である。図7(A)および図7(B)は、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1がある状況下における基準範囲23内の2種類の観察結果を示す画像の例である。図6と図7とを合せて説明する。図7の基準範囲23内の観察結果を示す画像は、被処理体40の注入孔41と注入方向51との面方向ZXの位置ずれD0の状態判断に用いられるべき画像である。
図4〜図8で説明する本発明の他の実施形態において、説明のために、相互に直交する3本の座標軸を有する直交座標系を設定する。直交座標系において、X座標軸とY座標軸とZ座標軸とは相互に直交する。Z座標軸は、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zに平行である。前記近接離反方向Zと直交する面方向XYは、X座標軸とY座標軸とで定義されるXY平面と平行である。注入方向51に対して斜め方向である観察部24の観察方向52、および観察方向52に対して斜め方向である照射方向92は、Z座標軸とX座標軸とで定義されるZX平面とそれぞれ平行である。図4の例では、Z座標軸は、注入物の注入方向51とも平行である。
図4の注入装置90において、所定の照射方向92からレーザ光が基準範囲53へ照射され、かつ所定の観察方向52から基準範囲53が観察される。観察方向52は、注入方向51に対して斜め方向である。照射方向92は、観察方向52に対して斜め方向である。図4の注入装置90では、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zは、注入方向51と平行である。また図4の注入装置90では、観察方向52および照射方向92は、直交座標系のZX平面とそれぞれ平行である。
基準範囲23の観察結果の位置誤差D2の判断に用いられる基準軸線95は、基準範囲23内の所定の位置に配置される軸線として、予め定義されている。基準軸線95は、たとえば、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1が無い状況下における基準範囲53内のレーザ光の照射位置94に相当する。また基準軸線95は、基準範囲53の観察結果において、基準範囲53内において観察部24の観察方向52の軸線が通る所定の基準点99に対して、予め定める位置関係を保つように定義される。
図6および図7の例では、基準範囲53がXY平面に平行な矩形範囲であって、基準範囲53内の基準点99が矩形の基準範囲53の中心と一致する。また前記例では、基準軸線95は、予め定める基準高さL0に被処理体40が位置する状況下における基準範囲53内の直線形状のレーザ光の照射位置94に相当する。さらにまた前記例では、基準軸線95と基準点99との位置関係は、基準高さL0に被処理体40が位置する状況下における基準範囲53の中心とレーザ光の照射位置94との位置関係と等しい。また前記例では、予め定める基準高さL0に被処理体40が位置する状況下において、注入ノズル23の注入方向51の軸線が、基準点99を通る。
基準範囲53の観察結果の位置誤差D2は、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1が無い状況下における基準範囲53内の基準点99と、実際の観察結果内の基準点99とのX軸方向のずれである。近接離反方向Zの位置ずれD1に関わらず基準点99に対する基準軸線95の相対位置が前記近接離反方向Zの位置ずれD1に関わらず常に等しいので、基準範囲53の前記観察結果の位置誤差D2は、基準範囲53の観察結果における内の基準軸線95に対するレーザ光の照射位置94の位置差分D3と等しい。
図4の注入装置90において、観察方向52および照射方向92と平行なZX平面の法線方向であるY軸方向から見て、観察部24の観察方向52が、予め定める傾斜角度θだけ、照射部91の照射方向92に対して相対的に傾いている。このため、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1に応じて、基準範囲53内のレーザ光の照射位置94を含む照射スポット93が、XY平面上で、基準軸線95からX軸と平行な方向にずれる。基準範囲53内の基準軸線95に対する照射位置94の位置差分D3の向きおよび大きさは、注入ノズル23に対する被処理体40の前記近接離反方向Zの位置ずれD1の向きおよび大きさにそれぞれ対応する。前記位置差分D3の大きさは、前記近接離反方向Zの位置ずれD1の大きさに比例する。
たとえば、基準高さL0よりも注入ノズル23に相対的に近い第1の高さLaに被処理体40が位置する場合、すなわち、注入ノズル23に対する被処理体40の前記近接離反方向Zの位置ずれD1が注入ノズル23に対して被処理体40が近接する向きである場合、図7(A)に示すように、基準軸線95よりも観察方向52下流側へ、レーザ光の照射スポット93がずれる。またたとえば、基準高さL0よりも注入ノズル23から相対的に遠い第2の高さLbに被処理体40が位置する場合、すなわち、注入ノズル23に対する被処理体40の前記近接離反方向Zの位置ずれD1が注入ノズル23に対して被処理体40が離反する向きである場合、図7(B)に示すように、基準軸線95よりも観察方向52上流側へ、レーザ光の照射スポット93がずれる。さらにまた、注入ノズル23に対する被処理体40の前記近接離反方向Zの位置ずれD1の向きに関わらず、該近接離反方向の位置ずれD1が大きくなるほど、基準軸線95に対して照射スポット93が大きくずれる。
図4の注入装置90において、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2は、前述した基準軸線95に対する照射位置94の位置差分D3と等しい。すなわち、注入ノズル23に対する被処理体40の前記近接離反方向Zの位置ずれD1が注入ノズル23に対して被処理体40が近接または離反する向きである場合、前記観察結果の位置誤差D2の向きは、基準点99を起点として観察方向52下流向きまたは観察方向52上流向きになる。またすなわち、処理体40に対する注入ノズル23の近接離反方向Zの位置ずれD1が大きくなるほど、観察結果の位置誤差D2の大きさが大きくなる。図6および図7の例では、基準範囲53がXY平面と平行であって、観察方向52がZX平面と平行なので、観察結果の位置誤差D2はX軸線に平行な位置ずれになる。
以上説明したように、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1と、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2と、基準範囲53の観察結果における基準軸線95に対する照射位置94の位置差分D3とには、上述したような相関関係がある。これによって、被処理体40の注入孔41と注入方向51との前記面方向ZXの位置ずれD0の状態判断に用いられるべき基準範囲53の単一の観察結果に基づいて、前記近接離反方向Zの位置ずれD1の状態と前記観察結果の位置誤差D2の状態とをさらに判断することが可能になる。
所定の照射方向92から基準範囲53へ直線形状のレーザ光を照射する照射部91が追加された構成である図4の注入装置90において、被処理体40の基準範囲53内のレーザ光が照射されるべき場所に異物96が付着している状況が考えられる。前記状況下でレーザ光照射中の基準範囲53を観察部24が観察方向52から観察した場合、基準範囲53内のレーザ光の照射される場所が異物96の分だけ注入ノズル23に近接する方向にずれ高くなるので、基準軸線95に対する照射位置94の位置差分D3に異物96に起因する誤差が生じる可能性がある。
図4の注入装置は、異物96が無い場合に観察方向52と直交する直線形状の照射スポット93が形成されるように、基準範囲53に直線形状のレーザ光を照射している。直線形状の照射スポット93の長手方向の長さは、好ましくは、異物96の大きさよりも長い。実際には、直線形状の照射スポット93の長手方向の長さは、該照射スポット93の長手方向と平行な方向の基準範囲53の幅以上に設定される。図6および図7の例では、異物96が無い場合の直線状の照射スポット93がY軸線に平行になるように、レーザ光が照射されている。これによって、観察方向52および近接離反方向Zと平行であるZX平面が、Y軸線に平行な直線状の照射スポット93と直交する。
これらの結果、被処理体40の基準範囲53内のレーザ光の照射されるべき場所に異物96が存在する場合、直線形状であるべき照射スポット93の一部分の形状だけが異物96に起因して曲がり、残余の部分は異物96が無い場合と同じ位置になる。このように、直線形状の照射スポット93を形成するようにレーザ光が照射されることによって、異物96に起因して照射スポット93全体の位置がずれることが防止される。
図4の注入装置において、詳しくは、基準範囲53内のレーザ光の照射される場所が異物96の分だけ注入ノズル23に近接する方向に高くなるので、図7(A)および図7(B)に示すように、照射スポット93内の異物96が有る場所は、異物96がない場合の直線形状の照射スポット93よりも観察部24から遠ざかる方向、すなわち異物96がない場合の直線形状の照射スポット93よりも観察方向52下流側に曲がる。照射スポット93内の異物96が無い場所は、異物96がない場合の直線形状の照射スポットと同じ位置になる。
これによって、図4の注入装置において、基準範囲53の観察結果内の実際の照射スポット93内の複数の位置は、該実際の照射スポット93の曲がり方向97と反対方向寄りの位置ほど、異物96に起因する誤差が小さい。
図4の注入装置90において、基準範囲53の観察結果内の実際の照射スポット93の曲がり方向97は、異物96がない場合の直線形状の照射スポット93を基準として観察方向52下流側へずれる方向である。図4の注入装置90において、異物96が無い場合の直線状の照射スポット93がY軸線に平行になるように、レーザ光が照射されている。これによって、観察方向52および近接離反方向Zと平行であるZX平面が、Y軸線に平行な照射スポット93と直交する。
したがって、上述の異物96に起因するレーザ光の基準軸線95に対する照射位置94の位置差分D3の誤差を抑制または防止するために、図4の注入装置90において、異物96が無い場合に観察方向52と直交する直線形状の照射スポット93を形成するようにレーザ光が照射され、直線形状のレーザ光照射中の状態で基準範囲53の観察結果が観察され、実際に観察される照射スポット93内の複数の位置のうち、該実際の照射スポット93の曲がり方向97とは最も反対方向寄りの位置が、基準範囲53内のレーザ光の照射位置94として、以後の補正処理に用いられる。これによって、図4の注入装置90は、被処理体40レーザ光の照射位置94に異物96が付着する場合であっても、補正パラメータである前記面方向XYの位置ずれD0および前記近接離反方向Zの位置ずれD1への異物96が悪影響を及ぼすことを防止することができる。これによって、図4の注入装置90は、完成品の歩留まりをさらに向上させることができる。
具体例としては、図4の注入装置90において、被処理体40の近接離反方向Zの位置が基準高さL0よりも注入ノズル23に近接する位置Laである状況下では、照射方向92からレーザ光照射中の基準範囲53を観察部24のカメラ31が観察方向52から撮影すると、図7(A)が示す画像が得られる。図7(A)の画像において、略直線形状線状の照射スポット93が所定の基準軸線95に対しておおよそ観察方向52下流側に存在し、かつ、異物96に起因して、線状略直線形状の照射スポット93の一部分が観察方向52のさらに下流側に曲がる。
図7(A)の画像において、略直線形状曲線上の照射スポット93の異物96に起因して曲がる部分の一部よりも、曲線上略直線形状の照射スポット93の前記異物96に起因して曲がる部分以外の残余部分のほうが、基準軸線95に対して観察方向52上流側に位置する。これによって、曲線状略直線形状の照射スポット93内の複数の位置のうちの最も観察方向52上流側であるいずれか1箇所の位置の位置をレーザ光の照射位置94として以後の処理に用いれば、異物96に起因するレーザ光の照射位置94の誤差の発生を防止することができる。
また具体例としては、図4の注入装置90において、被処理体40の近接離反方向Zの位置が基準高さL0よりも注入ノズル23から離反する位置Lbである状況下では、照射方向92からレーザ光照射中の基準範囲53を観察部24のカメラ31が観察方向52から撮影すると、図7(B)が示す画像が得られる。図7(B)の画像において、略直線状の照射スポット93が所定の基準軸線95に対しておおよそ観察方向52上流側に存在し、かつ、異物96に起因して、略直線状の照射スポット93の一部分が観察方向52下流側に曲がる。
図7(B)の画像において、略直線状の照射スポット93の異物96に起因して曲がる部分の一部は、基準軸線95を超えて観察方向52下流側に入っているが、略直線状の照射スポット93の異物96に起因して前記曲がる部分以外の残余部分は、基準軸線95に対して観察方向52上流側に残っている。これによって、略直線状の照射スポット93内の複数の位置のうちの最も観察方向52上流側であるいずれか1箇所の位置をレーザ光の照射位置94として以後の処理に用いれば、異物96に起因するレーザ光の照射位置94の誤差の発生を防止することができる。
図7(A)あるいは図7(B)の画像が得られる場合、図4の注入装置90において、略直線状の照射スポット93内の複数の位置のうちの照射スポット93の曲がり方向97の反対方向寄りのいずれか1箇所の位置と基準軸線95との位置差分D3に基づいて、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2が求められる。すなわち、略直線状の照射スポット93内の複数の位置のうちの最も観察方向52上流側であるいずれか1箇所の位置と基準軸線95との位置差分D3の向きおよび大きさが、前記観察結果の位置誤差D2の向きおよび大きさとして求められる。
上述のように、図7(A)および図7(B)の画像に基づいて観察結果の位置誤差D2が求められる場合、図4の注入装置90において、該求められた観察結果の位置誤差D2を考慮して、注入孔41と注入方向51との面方向XYの位置ずれD0の状態が判断される。前記面方向XYの位置ずれD0があると判断される場合、面方向XYの位置ずれD0の状態が打消されるように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方が移動される。これによって、図4の注入装置90は、注入装置90の構成を簡略化させたまま、完成品の歩留まりを向上させることができる。
観察結果の位置誤差D2の状態を考慮した被処理体40の注入孔41と注入方向51との前記面方向XYの位置ずれD0の状態判断は、たとえば、記憶部26に予め用意された基準の観察データと観察部24による実際の観察結果を示す画像との比較結果に基づいて両画像のずれのX軸成分およびY軸成分を検出し、検出された両画像のずれのX軸成分から観察結果の位置誤差D2を減算する手順で実現される。基準の観察データは、図1の注入装置20で説明した基準の観察データと等しい。すなわち、前記面方向XYの位置ずれD0のX軸成分D0xは両画像のずれのX軸成分と観察結果の位置誤差D2との差であり、面方向XYの位置ずれD0のY軸成分D0yは両画像のずれのY軸成分そのものである。
または、前記面方向XYの位置ずれD0の状態判断は、たとえば、観察部24による実際の観察結果を示す画像を観察結果の位置誤差D2を打消すように面方向XYにずらすことによって該実際の観察結果を示す画像を補正し、前述の基準の観察データと補正後の観察結果を示す画像との比較結果に基づいて両画像のずれを求め、求められた両画像のずれを位置ずれD0とする手順で実現されてもよい。
また上述のように、図7(A)および図7(B)の画像に基づいて観察結果の位置誤差D2が求められる場合、図4の注入装置90において、さらに、観察結果の位置誤差D2に基づいて、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1の状態が判断される。図6で示すように、前記近接離反方向Zの位置ずれD1は観察結果の位置誤差D2に比例するので、たとえば、観察結果の位置誤差D2に予め定める計数を乗算すれば、近接離反方向Zの位置ずれD1が得られる。
また具体的には、図7(A)の例では、前記近接離反方向Zの位置ずれD1は注入ノズル23に対して被処理体40が近接する向き方向の位置ずれなので、前記近接離反方向Zの位置ずれD1があると判断される場合、前記近接離反方向Zの位置ずれD1の大きさだけ被処理体40に対して注入ノズル23が離反するように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方が移動される。図7(B)の例では、前記近接離反方向Zの位置ずれD1の向きは、注入ノズル23に対して被処理体40が離反する方向のずれなので、前記近接離反方向Zの位置ずれD1があると判断される場合、前記近接離反方向Zの位置ずれD1の大きさだけ被処理体40に対して注入ノズル23が近接するように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方が移動される。これらによって、図4の注入装置は、注入装置90の構成を簡略化させたまま、完成品の歩留まりをさらに向上させることができる。
図4の注入装置90において、予め定める待機位置から注入工程を実行するための作動位置へ注入ノズル23を移動させる工程が含まれる状況下では、注入ノズル23に対する被処理体40の前記近接離反方向Zの位置ずれD1を補正するために被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方を移動させる独立した移動工程を実行する代わりに、待機位置から作動位置への注入ノズル23の移動工程の移動量を前記近接離反方向Zの位置ずれD1に応じて調整してもよい。
たとえば、前述の状況下において、図7(A)の例では、待機位置から作動位置への移動時の注入ノズル23の移動量が、観察結果の位置誤差D2が無い場合の移動量よりも少なく設定されて、設定された移動量だけ注入ノズル23が相対移動させられる。また前述の状況下において、図7(B)の例では、待機位置から作動位置への移動時の前記注入ノズル23の移動量が、観察結果の位置誤差D2が無い場合の移動量よりも多く設定されて、設定された移動量だけ注入ノズル23が相対移動させられる。
これによって、図4の注入装置90は、予め定める待機位置から注入工程を実行するための作動位置へ注入ノズル23を移動させる構成であれば、注入ノズル23に対する被処理体40の前記近接離反方向Zの位置ずれD1に起因して、注入工程中における注入ノズル23に対する被処理体40の位置が、移動時における被処理体40と注入ノズル23の衝突、および注入工程における注入ノズル23が被処理体40から遠すぎるために生じる不都合を、それぞれ回避することができる。これによって、図4の注入装置90の使い勝手がさらに向上する。
図7の例では、基準範囲53の観察結果を示す画像内において、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1の向きが注入ノズル23から被処理体40が近接する向きであるか離反する向きであるかに応じて、基準軸線95の左側または右側に、照射スポット93がずれる。観察結果を示す画像を撮影するカメラの座標系の向きによっては、基準範囲53の観察結果を示す画像内において、前記近接離反方向Zの位置ずれD1の向きに応じて、基準軸線95の上下に照射スポット93がずれてもよい。すなわち、基準範囲53の観察結果を示す画像内において、近接離反方向Zの位置ずれD1の向きに応じて、1本の軸線に沿う相反する2つの向きのいずれかに照射スポット93がずれるならば、軸線の長手方向がどの方向に平行であってもよい。
また同様に、図7の例では、基準範囲53の観察結果を示す画像内において、基準範囲53内の異物96に起因して照射スポット93の一部分が観察方向52下流側である左側に曲がっているので、照射スポット93内の複数の位置のうちの照射スポット93の曲がり方向97と最も反対側である最も右側の位置が、照射位置94として以後の処理に用いられる。観察結果を示す画像を撮影するカメラの座標系の向き、および観察部24と照射部91との位置関係に応じて、基準範囲53の観察結果を示す画像内において、基準範囲53内の異物96に起因して照射スポット93の一部分が右・上・下側に曲がるので、照射スポット93内の複数の位置のうちの照射スポット93の最も左・下・上の位置が照射位置94として用いられる。すなわち、基準範囲53の観察結果を示す画像内において、基準範囲53内の異物96に起因して略直線形状の照射スポット93の一部分が1本の軸線に沿う相反する2つの向きのいずれか一方側に曲がるならば、照射スポット93内の複数の位置のうちの前記相反する2つの向きのいずれか他方側に最も寄っている位置が、照射位置94として用いればよい。
以上説明した構成を有する本発明の他の実施形態である図4の注入装置90を用いる注入物の注入方法は、たとえば、移動ステップ、観察ステップ、判断ステップ、補正ステップ、および注入ステップをこの順で含む。図4の注入装置90の注入工程の移動ステップおよび注入ステップの処理は、本発明の一実施形態である図1の注入装置20の注入工程の移動ステップおよび注入ステップの処理と、それぞれ等しい。
観察ステップにおいて、観察方向52に対して斜めである照射方向92から基準範囲53内にレーザ光が照射され、レーザ光が照射された状態の基準範囲53が観察される。
判断ステップにおいて、最初に、観察ステップの基準範囲53の観察結果に基づき、基準範囲53内の基準軸線95と基準範囲53内のレーザ光の照射位置94との位置関係に応じて、基準範囲53の観察結果の位置誤差D2の状態が判断される。判断ステップにおいて、次に、観察ステップの基準範囲53の観察結果に基づき、かつ前記観察結果の位置誤差D2を考慮して、移動ステップにおいて移動された被処理体40の注入孔41と注入ノズル23の注入方向51との面方向XYの位置ずれD0の状態が判断される。
また判断ステップにおいて、観察ステップの基準範囲53の観察結果に基づき、基準範囲53内の基準軸線95と基準範囲53内のレーザ光の照射位置94との位置関係に応じて、注入ノズル23に対する移動後の被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1の状態が、基準範囲53内の基準軸線95と基準範囲53内のレーザ光の照射位置94との位置関係に応じてさらに判断される。
前記面方向XYの位置ずれD0があると判断される場合、補正ステップにおいて、前記面方向XYの位置ずれD0の状態が補正されるように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方が移動させられる。また前記近接離反方向Zの位置ずれD1があると判断される場合、補正ステップにおいて、前記近接離反方向Zの位置ずれD1が補正されるように、被処理体40および注入ノズル23の少なくとも一方が移動させられる。
この結果、本発明の他の実施形態の注入方法が用いられる状況下において、観測結果の位置誤差D2に起因する前記面方向XYの位置ずれD0の誤差が減少する。これによって、前記面方向の位置ずれD0の補正精度をより向上させることができる。またこの結果、本発明の他の実施形態の注入方法が用いられる上述の状況下において、前記面方向XYの位置ずれD0の状態が補正されるだけでなく、前記近接離反方向Zの位置ずれD1の状態も補正される。これによって、被処理体40と注入ノズル23との相対位置の補正精度をさらに向上させることができる。
また本発明の他の実施形態の注入方法が用いられる状況下において、レーザ光照射中の基準範囲53の単一の観察結果を用いて、前記観察結果の位置誤差D2の状態、前記面方向XYの位置ずれD0の状態、および前記近接離反方向D1の位置ずれの状態がそれぞれ判断される。したがって、上述の場合、前記面方向の位置ずれの判断用の観察ステップ以外に、前記観察結果の補正専用の観察ステップおよび前記近接離反方向の位置ずれの補正専用の観察ステップを別途追加する必要がない。これによって、本発明の注入方法が用いられる場合、注入物の注入工程の複雑化が防止される。
以上の結果、本発明の他の実施形態の注入方法は、注入物の注入工程の複雑化を防止しつつ、前記面方向XYの位置ずれD0の補正精度および被処理体40と注入ノズル23との相対位置の補正精度を向上させることができる。これによって、本発明の他の実施形態の注入方法は、注入物の注入工程を簡略化させたまま、完成品の歩留まりをさらに向上させることができる。
また上述の2種類の補正を行う本発明の他の実施形態の注入方法が用いられる状況下において、レーザ光照射中の基準範囲53の単一の観察結果を用いて面方向ZXの位置ずれD0の補正および2通りの補正に要するパラメータD1,D2を求めるので、前記面方向ZXの位置ずれD0の補正用の観察ステップ以外に上述の2通りの補正専用の観察ステップを別途追加する必要がない。したがって、本実施形態の上述の注入方法が用いられる場合、注入工程の複雑化を防止しつつ、被処理体40と注入ノズル23との前記面方向および前記近接離反方向の位置ずれD0,D1をさらに確実に補正することができるので、被処理体40と注入ノズル23との相対位置の補正精度をさらに向上させることができる。以上の結果、本実施形態の上述の注入方法が用いられる場合、注入装置90を用いる注入物の注入工程を簡略化させたまま、完成品の歩留まりをさらに向上することができる。
図8は、本発明の他の実施形態である図4の注入装置90を用いる断熱箱体の製造工程を説明するためのフローチャートである。断熱箱体製造工程の全ステップQ1〜ステップQ10のうち、ステップQ3〜ステップQ8が、図4の注入装置90を用いる注入工程に相当する。なお、図8の断熱箱体の製造工程は、図1の注入装置20を用いる図3の断熱箱体の製造工程と比較して、同じ機能を有するステップを含む。図8の断熱箱体の製造工程の説明において、図3の断熱箱体の製造工程と同じ機能のステップについては、詳細な説明を省略する場合がある。
製造工程開始後、ステップQ0からステップQ1に進む。図8のステップQ1〜ステップQ4までの各ステップの機能は、図3のステップS1〜ステップS4までの各ステップの機能とそれぞれ等しい。
ステップQ5の観察ステップにおいて、各注入ノズル23に付随する観察部24の観察方向52に対して斜め方向である照射方向92から、各注入ノズル23の先端の先の基準範囲53に、略直線状の照射スポット25を形成可能なレーザ光がそれぞれ照射される。各注入ノズル23の注入方向51から見て斜め方向である観察方向52から、各注入ノズル23の先端の先のレーザ光照射中の基準範囲53を、各注入ノズル23の観察部24が観察する。観察部24がカメラ31を含む場合、レーザ光照射中の基準範囲53を、観察方向52からカメラ31が撮影する。ステップQ5の観察ステップの詳細手順のうち、レーザ光照射に係る手順以外の他の手順は、図3のステップS5の詳細手順と等しい。
ステップQ6の判断ステップにおいて、制御部27は、各注入ノズル23の観察部24の最新の観察結果に基づき、各注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との面方向XYの位置ずれD0の状態、および被処理体40に対する各注入ノズル23の近接離反方向Zの位置ずれD1の状態を、注入ノズル毎にそれぞれ判断する。各注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との前記面方向XYの位置ずれD0の状態の判断時には、各注入ノズル23の基準範囲23の観察結果の位置誤差D2がそれぞれ考慮される。ステップQ6の判断ステップの詳細手順としては、図4〜図7で説明した手順が用いられる。
前述のステップQ6において、少なくとも1つの注入ノズル23に関して、注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との面方向XYの位置ずれD0があると判断される場合、または、少なくとも1つの注入ノズル23に関して、注入ノズル23に対する被処理体40の近接離反方向Zの位置ずれD1があると判断される場合、ステップQ6からステップQ7を経てステップQ8に進む。またステップQ6において、全ての注入ノズル23に関し、注入ノズル23の注入方向51と注入孔41との前記面方向XYの位置ずれD0および注入ノズル23に対する被処理体40前記の近接離反方向Zの位置ずれD1がどちらも無いと判断される場合、ステップQ6から直接ステップQ8に進む。
ステップQ7の補正ステップにおいて、制御部27は、注入方向51と注入孔41との前記面方向XYの位置ずれD0および注入ノズル23に対する被処理体40の前記近接離反方向Zの位置ずれD1のうちの少なくとも一方の位置ずれがあると判断された注入ノズル23に関し、該少なくとも一方の位置ずれが解消されるように、被処理体移動部33およびノズル移動部34によって、組立て体75収納済の発泡治具76に対して注入ノズル23を相対移動させる。これによって、前記少なくとも一方の位置ずれが解消されるように、組立て体75収納済の発泡治具76に対する注入ノズル23の位置が補正される。ステップQ7の補正ステップの詳細手順としては、図4〜図7で説明した手順および図3のステップQ7の詳細手順が適宜用いられる。
図8のステップQ8の注入ステップの機能は、図3のステップS8の機能と等しい。ステップQ5〜ステップQ7の処理によって、注入方向51と注入孔41との前記面方向XYの最新の位置ずれD0および注入ノズル23に対する被処理体40の前記近接離反方向Zの最新の位置ずれD1がどちらも解消されているので、ステップQ8の注入ステップにおいて、注入孔41からの注入物の漏れが防止される。
図8のステップQ9の発泡ステップの機能は、図3のステップS9の機能と等しい。これによって、断熱箱体が完成する。断熱箱体完成後、完成した断熱箱体を発泡治具76から取出して、ステップQ10で本フローチャートの処理が終了する。
以上説明したように、図8の断熱箱体の製造工程において、発泡充填材の原液の注入工程に、図4の注入装置90が用いられる。これによって、注入工程を簡略化させたまま、注入孔41からの原液の漏れをより確実に防ぐことができる。これによって、図8の断熱箱体の製造工程において、製造工程の簡略化を図りつつ、製造工程の歩留まりをさらに向上させることができる。
本実施形態の図1および図4の注入装置20,90および図3および図8の注入方法は、本実施形態の構成要素の最良の実施形態の1つである。本実施形態の構成要素の詳細構成は、上述の作用効果が発揮可能な構成であれば、上述した構成に限らず、他の様々な構成が用いられても良い。また本実施形態の注入装置20,90および図3および図8の注入方法は、冷蔵庫の断熱箱体の製造工程はもちろん、被処理体40内部に注入物を注入する工程を含む様々な製造工程に有効な手法であり、用途の広いものである。
20 注入装置
23 注入ノズル
24 観察部
25 移動部
26 記憶部
27 制御部
31 カメラ
33 被処理体移動部
34 ノズル移動部
40 被処理体
41 被処理体の注入孔
42 被処理体の内部空間
44 被処理体の斜めに対向する面
51 注入物の注入方向
52 注入方向に対して斜め方向
53 基準範囲
61 注入系機構部
62 注入系制御部
63 搬送系機構部
64 搬送系制御部
71 外箱
72 内箱
75 組立て体
76 発泡治具
78 発泡治具の貫通孔
90 注入装置
91 照射部
92 照射部の照射方向
93 照射スポット
94 レーザ光の照射位置
95 基準範囲の基準軸線
97 照射スポットの曲がり方向
99 基準範囲の基準点
Z 近接離反方向
XY 面方向
D0 被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する面方向の位置ずれ
D1 注入ノズルに対する被処理体の近接離反方向の位置ずれ
D2 基準範囲の観察結果の位置誤差
D3 基準範囲内の基準軸線に対する照射位置の位置差分
L0 近接離反方向の基準高さ
La 基準高さよりも注入ノズル近接側の高さ
Lb 基準高さよりも注入ノズル離反側の高さ
23 注入ノズル
24 観察部
25 移動部
26 記憶部
27 制御部
31 カメラ
33 被処理体移動部
34 ノズル移動部
40 被処理体
41 被処理体の注入孔
42 被処理体の内部空間
44 被処理体の斜めに対向する面
51 注入物の注入方向
52 注入方向に対して斜め方向
53 基準範囲
61 注入系機構部
62 注入系制御部
63 搬送系機構部
64 搬送系制御部
71 外箱
72 内箱
75 組立て体
76 発泡治具
78 発泡治具の貫通孔
90 注入装置
91 照射部
92 照射部の照射方向
93 照射スポット
94 レーザ光の照射位置
95 基準範囲の基準軸線
97 照射スポットの曲がり方向
99 基準範囲の基準点
Z 近接離反方向
XY 面方向
D0 被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する面方向の位置ずれ
D1 注入ノズルに対する被処理体の近接離反方向の位置ずれ
D2 基準範囲の観察結果の位置誤差
D3 基準範囲内の基準軸線に対する照射位置の位置差分
L0 近接離反方向の基準高さ
La 基準高さよりも注入ノズル近接側の高さ
Lb 基準高さよりも注入ノズル離反側の高さ
Claims (12)
- 内部空間と、内部空間に連通する1以上の注入孔とを備える被処理体に対し、注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入するための注入装置において、
先端から注入物を被処理体の内部空間に注入可能な注入ノズルと、
注入ノズル先端の先に予め設定された基準範囲を、注入ノズルの軸線に対して斜め方向から観察可能な観察部と、
前記基準範囲内に被処理体の注入孔があるように、被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動させる移動部と、
前記基準範囲を前記観察部によって前記斜め方向から観察させ、前記観察部の観察結果に基づいて、注入孔が前記基準範囲内にあるように前記移動部によって移動された被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態を判断し、位置ずれがあると判断される場合は位置ずれが補正されるように被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動部によって移動させ、注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入させる制御部とを含むことを特徴とする注入装置。 - 前記被処理体は、注入孔が前記基準範囲内にある状態で、注入ノズルと斜めに対向する面を有し、
前記注入孔は、被処理体の前記斜めに対向する面に設けられており、
前記観察部が前記基準範囲を観察する方向は、前記注入ノズルの軸線に対して斜め方向であって、かつ、前記被処理体の注入孔の設けられる面の法線方向に略平行な方向であることを特徴とする請求項1に記載の注入装置。 - 前記移動部が、前記被処理体を移動可能な被処理体移動部と、前記注入ノズルを移動可能なノズル移動部とを含み、
前記観察部が、前記注入ノズルに追従して移動可能に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の注入装置。 - 前記観察部が、注入ノズルの先端の先の前記基準範囲を、注入ノズルの軸線に対して斜め方向から撮影可能なカメラを含んで構成され、
被処理体に対するカメラの焦点深度のデータを記憶する記憶部をさらに含み、
前記制御部が、前記記憶部の被処理体に対する焦点深度のデータに基づき、前記ノズル移動部によって前記被処理体に対する注入ノズルの位置を相対移動させることによって、前記観察部のカメラの焦点深度を調整することを特徴とする請求項3に記載の注入装置。 - 前記観察部が前記基準範囲を観察する観察方向に対して、斜め方向から、前記基準範囲内にレーザ光を照射する照射部をさらに含み、
前記制御部が、
前記レーザ光が照射される基準範囲を前記観察部によって観察した観察結果に基づき、前記基準範囲内に予め設定された基準軸線と前記基準範囲内に照射されたレーザ光の照射位置とのずれ量を判断し、
前記観察結果に前記ずれ量をさらに考慮して、前記被処理体と注入ノズルとの近接離反方向に直交する面方向における前記移動された被処理体の注入孔の前記注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態を判断し、
前記面方向の位置ずれがあると判断される場合は、前記面方向の位置ずれの状態が補正されるように、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を、前記移動部によって移動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の注入装置。 - 前記観察部が前記基準範囲を観察する観察方向に対して斜め方向から、前記基準範囲内にレーザ光を照射する照射部をさらに含み、
前記移動部が、前記被処理体と前記注入ノズルとの近接離反方向ならびに前記近接離反方向に直交する面方向に、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方をそれぞれ移動可能であり、
前記制御部が、
前記レーザ光が照射される基準範囲を前記観察部によって観察した観察結果に基づき、前記基準範囲内に予め設定された基準軸線と前記基準範囲内に照射されたレーザ光の照射位置との位置関係に応じて、前記注入ノズルに対する前記移動された被処理体の前記近接離反方向の位置ずれの状態をさらに判断し、
前記近接離反方向の位置ずれがあると判断される場合は、前記近接離反方向の位置ずれが補正されるように、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を、前記移動部によって前記近接離反方向に移動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の注入装置。 - 前記照射部は、直線状にレーザ光を照射し、
前記制御部は、前記基準範囲内の一方向に凸に湾曲したレーザ光の照射スポットの前記凸側とは反対側近傍の位置に、前記基準範囲内のレーザ光の照射位置を変更することを特徴とする請求項5または6記載の注入装置。 - 前記注入ノズルと前記観察部とがそれぞれ複数用意され、
前記制御部は、各注入ノズル毎に、
各注入ノズルに追従する観察部によって、各注入ノズルによる注入物の注入方向に対して斜め方向から、各注入ノズルの先端の先の基準範囲を観察させ、
各観察部による観察結果に基づいて、被処理体の注入孔の各注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態をそれぞれ判断し、
位置ずれがあると判断される注入ノズルは、位置ずれが補正されるように注入ノズルをノズル移動部によって移動させ、
各注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の注入装置。 - 前記被処理体が、注入孔を背面板に有する外箱と外箱の内部に隙間をあけて配置される内箱とを組合わせる組立て体と、組立て体の外寸とほぼ同じ内寸を有する箱状の発泡治具とを含んで構成され、発泡治具の内部に組立て体が収納され、
前記被処理体の内部空間が、前記組立て体の外箱と内箱との間の隙間で構成され、
前記注入物が、前記組立て体の外箱と内箱との間の隙間を埋めるための発泡断熱材の原液で構成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の注入装置。 - 内部空間に連通する1以上の注入孔を備える被処理体に対し、注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入する注入方法であって、
注入ノズルの先端の先の予め定める基準範囲内に被処理体の注入孔が位置するように、被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動させる移動ステップと、
注入ノズルの軸線に対して斜め方向から、注入ノズルの先端の先の基準範囲を観察する観察ステップと、
観察ステップの観察結果に基づいて、被処理体の注入孔の注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態を判断する判断ステップと、
位置ずれがあると判断される場合は、位置ずれが補正されるように被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動部によって移動させる補正ステップと、
注入ノズルから注入孔を通して被処理体の内部空間に注入物を注入させる注入ステップとを含むことを特徴とする注入方法。 - 前記観察ステップにおいて、
前記観察部が前記基準範囲を観察する方向に対して斜め方向から前記基準範囲内にレーザ光を照射し、
レーザ光が照射された状態の前記基準範囲を観察し、
前記判断ステップにおいて、
前記観察ステップの観察結果に基づき、前記基準範囲内に予め設定される基準軸線と前記基準範囲内のレーザ光の照射位置とのずれ量を判断し、
前記観察結果前記ずれ量をさらに考慮して、前記被処理体と前記注入ノズルとの近接離反方向に直交する面方向における前記移動された被処理体の注入孔の前記注入ノズルの軸線に対する位置ずれの状態を判断し、
前記補正ステップにおいて、前記面方向の位置ずれがあると判断される場合は、前記面方向の位置ずれの状態が補正されるように、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を移動させることを特徴とする請求項10記載の注入方法。 - 前記観察ステップにおいて、
前記観察部が前記基準範囲を観察する方向に対して斜め方向から前記基準範囲内にレーザ光を照射し、
レーザ光が照射された状態の前記基準範囲を観察し、
前記判断ステップにおいて、前記観察ステップの観察結果に基づき、前記注入ノズルに対する前記移動された被処理体の前記近接離反方向の位置ずれの状態を、前記基準範囲内の基準軸線と前記基準範囲内のレーザ光の照射位置との位置関係に応じてさらに判断し、
前記補正ステップにおいて、前記近接離反方向の位置ずれがあると判断される場合は、前記近接離反方向の位置ずれが補正されるように、前記被処理体および注入ノズルの少なくとも一方を前記近接離反方向に移動させることを特徴とする請求項10または11記載の注入方法。
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