JP2013143428A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光強度が向上された半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】半導体レーザ素子9、光反射部11a及び光反射部11bをステム3の主面3a上に備え、半導体レーザ素子9の発振波長は400nm以上550nm以下の範囲にあり、半導体レーザ素子9の光導波路91は主面3aに沿って延びており、光導波路91の一方の端面91aは光反射部11aに向いていると共にレーザ光を出力し、半導体レーザ素子9の光導波路91の他方の端面91bも光反射部11bに向いていると共にレーザ光を出力し、端面91aから出射されたレーザ光は光反射部11aによってステム3の上方に反射され、端面91bから出射されたレーザ光も光反射部11bによってステム3の上方に反射され、端面91aの光透過率(%)と、端面91bの光透過率(%)との差の絶対値は30%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ装置に関する。
特許文献1には半導体レーザ装置のステムについての技術が開示されている。このステムは、半導体レーザダイオードを実装するステムブロックの形状を改良して、ヒートシンクを省略しても、半導体レーザダイオードの出射光が、ステムベース上に実装されたフォトダイオードの受光面のほぼ真ん中に位置するようにして、出射光の検出の安定を図ると共に材料費と加工費の低減を図るために、半導体レーザダイオードの固定面の下方に、ステムベース上に固定されるフォトダイオードの少なくとも一部分が入り込む大きさの凹段差を有するステムブロックを、金属射出成形法又はロストワックス法によってステムベースと一体に形成されたものである。
特許文献2には、光伝送モジュールについての技術が開示されている。この光伝送モジュールでは、半導体レーザ、駆動回路、受光素子、電流−電圧変換回路等を同一パッケージに平面実装し、光ファイバーが接続されたレンズ部で封止し、半導体レーザの台座となるSi基板に(111)面を利用した反射ミラーを形成して半導体レーザ光を台座の実装面に対して垂直に出射させる。
特開平8−125259号公報 特開平8−125259号公報
従来、半導体レーザ素子の発光強度のモニタは、半導体レーザ素子のレーザ共振器の後端面から出力される光を検出することによって行われる。この場合、レーザ共振器の後端面から出力される光は、半導体レーザ素子から外部に出射されるレーザ光としては用いられず、よって、電力−光出力の変換効率の点で、損失となる。青色や赤色に比較して発光効率の低い緑色領域のレーザ光を出力する半導体レーザ素子が用いられた半導体レーザ装置の場合、特に、発光強度の低下が顕著となる。そこで、本発明の目的は、上記の事項を鑑みてなされたものであり、発光強度が向上された半導体レーザ装置を提供することである。
本発明に係る半導体レーザ装置は、半導体レーザ素子、第1の光反射部及び第2の光反射部を備え、前記半導体レーザ素子は、窒化ガリウム系半導体からなり、ステムの主面の上に設置され、前記半導体レーザ素子の発振波長は、400nm以上550nm以下の範囲にあり、前記半導体レーザ素子は、支持基体、エピタキシャル層、第1の光出射面及び第2の光出射面を有し、前記支持基体は、半極性主面を含み、前記エピタキシャル層は、前記支持基体の前記半極性主面上に設けられ、活性層及び光導波路を含み、前記光導波路は、前記ステムの前記主面に沿って延びており、二つの端面を含み、前記第1の光出射面は、前記光導波路の一方の端面を含み、前記第2の光出射面は、前記光導波路の他方の端面を含み、前記第1の光反射部は、前記ステムの前記主面の上に設置され、第1の光反射面を有し、前記第1の光反射面は、前記光導波路から前記第1の光出射面を介して出射されるレーザ光の第1の光進路上に配置され、前記光導波路から前記第1の光出射面を介して出射されるレーザ光の進路を前記第1の光進路から第2の光進路に変更し、前記第2の光進路は、前記第1の光進路に交差し、前記ステムの前記主面の上方に延び、前記第2の光反射部は、前記ステムの前記主面の上に設置され、第2の光反射面を有し、前記第2の光反射面は、前記光導波路から前記第2の光出射面を介して出射されるレーザ光の第3の光進路上に設置され、前記光導波路から前記第2の光出射面を介して出射されるレーザ光の進路を前記第3の光進路から第4の光進路に変更し、前記第4の光進路は、前記第3の光進路に交差し、前記ステムの前記主面の上方に延び、前記第1の光反射部、前記半導体レーザ素子、前記第2の光反射部は、前記ステムの前記主面の上において、前記光導波路の延びる方向に沿って、この順に、配置され、前記第1の光出射面の光透過率(%)と、前記第2の光出射面の光透過率(%)との差の絶対値は、30%以下である。
本発明に係る半導体レーザ装置によれば、光導波路がステムの主面に沿って延びるように、半導体レーザ素子がステムの上に設置され、光導波路の両端のそれぞれから出射されるレーザ光が、第1及び第2の光反射部によってステムの主面の上方に向けて反射される。このように、半導体レーザ素子の光導波路の両端から出射されるレーザ光を、共に、用いることができる。従って、光導波路の一方の端面から出射されるレーザ光のみを用いる従来の半導体レーザ装置に比較して、大きな発光強度が実現できる。
また、半導体レーザ素子の発振波長は400nm以上550nm以下の範囲にあり、この波長領域の発光は青紫色領域や赤色領域の発光と比較して外部量子効率が低く、発光強度が小さい。このため、上記波長領域の発光を行う半導体レーザ装置では、従来のような光導波路の一端のみから出射されるレーザ光ではなく、光導波路の両端から出射されるレーザ光を用いることが、十分な発光強度を得るために特に有効である。
また、光導波路の一端側の第1の光出射面の光透過率(%)と、光導波路の他端側の第2の光出射面の光透過率(%)との差の絶対値が30%以下であるので(換言すれば、光導波路の一端側の光反射率と、光導波路の他端側の光反射率とが、ほぼ同様であるので)、第1の光出射面から出射させるレーザ光の発光強度と第2の光出射面から出射されるレーザ光の発光強度とが、ほぼ同様となる。このように、光導波路の両端面から出射されるレーザ光を利用するので、光反射率において光導波路の一端面と他端面とを従来のように非対称とする必要はなく、半導体レーザ素子の製造が容易となり、また、第1及び第2の光出射面の光透過率が同様であるので、第1及び第2の光出射面における光子密度も同様となるので、第1の光出射面及び第2の光出射面の何れかに光子密度が偏ることによって生じる光出射面の光子による劣化が抑制できる。
本発明に係る半導体レーザ装置は、サブマウントを更に備え、前記サブマウントは、前記ステムの前記主面と前記半導体レーザ素子との間に設置され、前記半導体レーザ素子に接合され、第1の側面及び第2の側面を有し、前記第1の側面は、前記第1の光反射部に向いており、前記第2の側面は、前記第2の光反射部に向いており、前記半導体レーザ素子は、第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部は、前記光導波路の一端側に設けられ、第1の光出射面を含み、前記サブマウントの前記第1の側面から前記第1の光反射部に向けて突出し、前記第2の端部は、前記光導波路の他端側に設けられ、第2の光出射面を含み、前記サブマウントの前記第2の側面から前記第2の光反射部に向けて突出している、ことを特徴とする。
このように、半導体レーザ素子の光出射面は、光反射部に向けてサブマウントよりも突出しているので、光出射面から出射されるレーザ光の進行がサブマウントによって遮られることがない。よって、光出射面から出射されるレーザ光のロスが低減される。
本発明に係る半導体レーザ装置は、ヒートシンクを更に備え、前記ヒートシンクは、前記ステムの前記主面上に設けられ、前記ステムの前記主面と前記サブマウントとの間に配置され、前記ステムと前記サブマウントとに接合され、第1の領域、第2の領域及び第3の領域から成り、前記第1の領域、前記第2の領域、前記第3の領域は、前記光導波路の延びる方向に沿って、この順に、配置され、前記サブマウントは、前記第2の領域上に設置され、前記第1の光反射部は、前記第1の領域上に設置され、前記第2の光反射部は、前記第3の領域上に設置されている、ことを特徴とする。
このように、光反射部がヒートシンク上に設置されるので、光反射部を設けるスペースをステムの主面上に新たに確保する必要がなく、よって、半導体レーザ装置の大きさを抑制できる。
本発明に係る半導体レーザ装置では、前記第1の光反射部は、第1の基板及び第1の誘電体多層膜を有し、前記第1の基板の材料はシリコンであり、前記第1の誘電体多層膜は、前記第1の光反射面を含み、前記第2の光反射部は、第2の基板及び第2の誘電体多層膜を有し、前記第2の基板の材料はシリコンであり、前記第2の誘電体多層膜は、前記第2の光反射面を含む、ことを特徴とする。従って、第1及び第2の光反射部は、何れも、シリコンの基板上に誘電体多層膜が設けられ、この誘電体多層膜に光反射面が設けられているので、十分な光反射率が実現できる。
本発明に係る半導体レーザ装置では、前記エピタキシャル層の上に設けられたp側電極が導電性の接着剤を介して前記サブマウントの主面に接合されている、ことを特徴とする。半導体レーザの発熱はほとんどp側で生じるので、半導体レーザ素子のp側をサブマウントに接合することによって、半導体レーザ素子の支持基体を介さずに、半導体レーザ素子で生じた熱をサブマウントに直接に放熱できる。よって、半導体レーザ素子で生じた熱をサブマウントの側に効果的に開放できる。
本発明に係る半導体レーザ装置では、前記エピタキシャル層は、p側光ガイド層を有し、前記p側光ガイド層は、前記活性層と接触を成しており、前記活性層と前記p側光ガイド層との界面は、前記窒化ガリウム系半導体のc軸と前記窒化ガリウム系半導体のm軸とによって規定されるc−m面に直交しており、前記c−m面において、前記c軸の方向を示すc軸ベクトルから前記m軸の方向を示すm軸ベクトルに向かう方向に、前記c軸に直交するc面から角度ALPHAの傾斜を成す、ことを特徴とする。よって、本発明に係る半導体レーザ素子は、緑色領域の発光に適した半極性面が利用されている。
本発明に係る半導体レーザ装置では、前記接着剤は、SnAgCu、SnAg、BiSn及びInSnの何れかの合金である、ことを特徴とする。SnAgCu、SnAg、BiSn及びInSnは、何れも、例えば、AuSn等に比較して、低融点の接着剤なので、半導体レーザ素子とサブマウントとの接合は、AuSn等を用いた場合に比較して低温でなされたものとなり、よって、半導体レーザ素子とサブマウントとの熱膨張係数の差に起因する熱応力の影響が低減される。
本発明に係る半導体レーザ装置では、前記半導体レーザ素子の発振波長は、480nm以上540nm以下の範囲にあることもでき、また、510nm以上540nm以下の範囲にあることもできる。緑色領域の発光は青色や赤色と比較して外部量子効率が低く、所望の発光強度を得るために比較的に大きな投入電力を必要とするが、本発明に係る半導体レーザ装置は、光導波路の両端面から出射されるレーザ光を利用するので、十分に大きな発光強度が得られ、よって、特に、緑色のレーザ光を出力する光源に適している。
本発明に係る半導体レーザ装置では、前記角度ALPHAは、63度以上80度未満の範囲にある、ことを特徴とする。よって、本発明に係る半導体レーザ素子は、緑色領域の発光に適したオフ角の半極性面が利用されている。
本発明によれば、発光強度が向上された半導体レーザ装置を提供できる。
図1は、実施形態に係る半導体レーザ装置の構成の一例を説明するための図である。 図2は、実施形態に係る半導体レーザ装置の構成の一例を説明するための図であり、断面の構成を説明するための図である。 図3は、実施形態に係る半導体レーザ素子の構成の一例を説明するための図である。 図4は、実施形態に係る半導体レーザ装置の作製方法の一例を説明するための図である。 図5は、実施形態に係る半導体レーザ装置の作製時の温度プロファイルの一例を示す図である。 図6は、実施形態に係る半導体レーザ装置の効果を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、可能な場合には、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1及び図2に、実施形態に係る半導体レーザ装置1の構成の一例を示す。図2は、図1に例示する半導体レーザ装置1を、図1に示すI−I線によって表される面に沿って切断した断面の構成の一例を矢示方向からみた図である。半導体レーザ装置1はレーザ光を出射する光源であるが、実施形態においては、一例としてディスプレイ用の光源として利用されるものとする。半導体レーザ装置1は、ステム3、リード端子4a、リード端子4b、リード端子4c、ワイヤWa、ワイヤWb、ヒートシンク5、サブマウント7、半導体レーザ素子9、光反射部11a及び光反射部11bを備える。リード端子4a、リード端子4b及びリード端子4cは、ステム3に固定されている。リード端子4a及びリード端子4bは、ステム3と電気的に絶縁されている。リード端子4cは、ステム3と電気的に接続されている。また、半導体レーザ装置1は、ステム3の主面3aの上方(主面3aの法線ベクトルの示す向き)に設けられたレンズ(以下、光出射用レンズという)を備える。この光出射用レンズは、光反射部11a(光反射部11aの光反射面11a3)と光反射部11b(光反射部11bの光反射面11b3)とを介して半導体レーザ素子9の光出射面(光出射面9a1、光出射面9b1)と光学的に結合している。
ステム3の主面3a上には、ヒートシンク5、サブマウント7及び半導体レーザ素子9が、主面3aの上方に向かって、順に設けられている。ヒートシンク5は、ステム3の主面3aを介してステム3に接合されている。サブマウント7は、ヒートシンク5に接合されている。サブマウント7の主面7aを介して、サブマウント7は半導体レーザ素子9に接合されている。サブマウント7の裏面7bを介して、サブマウント7はヒートシンク5に接合されている。半導体レーザ素子9とサブマウント7とは、導電性の接着剤C1によって接合されている。半導体レーザ素子9は、半導体レーザ素子9のp側(後述するp側電極15)がサブマウント7に接着剤C1を介して接合されている。接着剤C1は、例えば、SnAgCu、SnAg、BiSn及びInSnの何れかの合金である。
リード端子4aは、ワイヤWaを介して半導体レーザ素子9のn側にあるn側電極41に接続されている。リード端子4bは、ワイヤWbを介してサブマウント7の主面7aに接続されている。半導体レーザ素子9のp側にあるp側電極15は、接着剤C1、サブマウント7(主面7a)及びワイヤWaを介して、リード端子4aと電気的に接続している。半導体レーザ素子9のn側電極41は、ワイヤWbを介して、リード端子4bと電気的に接続している。
半導体レーザ素子9は、光導波路91、端部9a、端部9b、誘電体多層膜9Sa、誘電体多層膜9Sb、光出射面9a1、光出射面9b1、端面91a、端面91b、p側電極15及びn側電極41を有する。半導体レーザ素子9は、六方晶系の窒化ガリウム系半導体からなる。半導体レーザ素子9の発振波長は、400nm以上550nm以下の範囲にある。
光導波路91は、半導体レーザ素子9のレーザ共振器に含まれる。光導波路91は、端面91a及び端面91bを有する。光導波路91は、端面91aと端面91bとの間において延在する。端部9aは、半導体レーザ素子9の一端(光導波路91が延びている方向における半導体レーザ素子9の一端)を占める部分である。端部9aは、光導波路91の端面91aの側に設けられている。端部9aは、光出射面9a1を含む。端部9bは、半導体レーザ素子9の他端(光導波路91が延びている方向における半導体レーザ素子9の他端)を占める部分である。端部9bは、光導波路91の端面91bの側に設けられている。端部9bは、光出射面9b1を含む。
誘電体多層膜9Saは、端部9aに含まれている。誘電体多層膜9Saは、光出射面9a1を含む。光出射面9a1は、端面91aを含む。誘電体多層膜9Sbは、端部9bに含まれている。誘電体多層膜9Sbは、光出射面9b1を含む。光出射面9b1は、端面91bを含む。光出射面9a1(特に端面91a)の光透過率(%)と、光出射面9b1(特に端面91b)の光透過率(%)との差の絶対値は、30%以下である。光出射面9a1及び光出射面9b1は、半導体レーザ素子9のレーザ共振器の共振器ミラーを構成するとともに、半導体レーザ素子9の外部にレーザ光を出射する部分である。光出射面9a1(特に端面91a)の光反射率と、光出射面9b1(特に端面91b)の光反射率とは、何れも、例えば、55%の程度である。
光反射部11a、半導体レーザ素子9、光反射部11bは、ステム3の主面3aの上において、半導体レーザ素子9の光導波路91の延びる方向に沿って、この順に、配置されている。光反射部11aは、ステム3の主面3aの上に設置されている。光反射部11aは、板状の部材である。光反射部11aは、光反射面11a3を有する。光反射面11a3は、光導波路91から光出射面9a1を介して出射されるレーザ光の光進路LA1a上に配置されている。光反射面11a3は、光導波路91から光出射面9a1を介して出射されるレーザ光の進路を、反射によって、光進路LA1aから光進路LA2aに変更する。光進路LA2aは、光進路LA1aに交差する。光進路LA2aは、ステム3の主面3aの上方に延びている。
光反射部11bは、ステム3の主面3aの上に設置されている。光反射部11bは、板状の部材である。光反射部11bは、光反射部11aと同様の形状を有する。光反射部11bは、光反射面11b3を有する。光反射面11b3は、光導波路91から光出射面9b1を介して出射されるレーザ光の光進路LA1b上に設置されている。光反射面11b3は、光導波路91から光出射面9b1を介して出射されるレーザ光の進路を、反射によって、光進路LA1bから光進路LA2bに変更する。光進路LA2bは、光進路LA1bに交差する。光進路LA2bは、ステム3の主面3aの上方に延びている。
光反射部11aは、基板11a1及び誘電体多層膜11a2を有する。基板11a1の材料は、シリコン(Si)である。誘電体多層膜11a2は、光反射面11a3を含む。光反射面11a3によるレーザ光の光反射率は、半導体レーザ素子9から出射されるレーザ光の発振波長の場合に99%以上である。光反射部11bは、基板11b1及び誘電体多層膜11b2を有する。基板11b1の材料は、シリコン(Si)である。誘電体多層膜11b2は、光反射面11b3を含む。光反射面11b3によるレーザ光の光反射率は、半導体レーザ素子9から出射されるレーザ光の発振波長の場合に99%以上である。光反射面11b3によるレーザ光の光反射率は、光反射面11b3によるレーザ光の光反射率と同様である。
サブマウント7は、ステム3の主面3aと半導体レーザ素子9との間に設置されている。サブマウント7は、半導体レーザ素子9に接合されている。サブマウント7は、側面71a及び側面71bを有する。側面71aは、光反射部11aに向いている。側面71bは、光反射部11bに向いている。半導体レーザ素子9の端部9aは、サブマウント7の側面71aから光反射部11aに向けて突出している。端部9aに含まれる光出射面9a1を含み光出射面9a1に沿って延びる面と、サブマウント7の側面71aを含み側面71aに沿って延びる面との距離Laは、例えば、10μmの程度である。半導体レーザ素子9の端部9bは、サブマウント7の側面71bから光反射部11bに向けて突出している。端部9bに含まれる光出射面9b1を含み光出射面9b1に沿って延びる面と、サブマウント7の側面71bを含み側面71bに沿って延びる面との距離Lbは、例えば、10μmの程度である。
ヒートシンク5は、ステム3の主面3a上に設けられている。ヒートシンク5は、ステム3の主面3aとサブマウント7との間に配置されている。ヒートシンク5は、ステム3とサブマウント7とに接合されている。ヒートシンク5は、三つの領域、すなわち、領域52a、領域52b及び領域52cから成る。領域52a、領域52b、領域52cは、半導体レーザ素子9の光導波路91の延びる方向に沿って、この順に、配置されている。
領域52bは、領域52aと領域52cとの間に配置されている。領域52bは、領域52aと接合を成し、領域52cと接合を成す。サブマウント7は、領域52bの搭載面51上に設置されている。搭載面51は、ステム3とは反対側にあり、ステム3の主面3aに沿って延びている。
光反射部11aは、領域52a上に設置されている。領域52aの表面のうち光反射部11aが設置される面は、ステム3とは反対側にあり、傾斜面51aと段差部51a1とを含む。傾斜面51aは、領域52bの搭載面51に対して傾斜している。光反射部11aが傾斜面51aに配置されることによって、光反射部11aの光反射面11a3と光進路LA1aとによる角度が好適となる。光進路LA1aを進むレーザ光は、光反射面11a3によって、ステム3の主面3aの法線方向に延びる光進路LA2aを進むように反射される。段差部51a1によって、光反射部11aが安定して傾斜面51a上に設置でき、半導体レーザ素子9と光反射部11aとの間隔を、一定の距離La1に維持できる。距離La1は、例えば、150μmの程度である。光進路LA2aは、ステム3の主面3aの上方に設けられた光出射用レンズに交差している。半導体レーザ素子9の光出射面9a1から出射されるレーザ光は、光進路LA1a及び光進路LA2aに沿って進み、光出射用レンズに入射し、光出射用レンズを介して半導体レーザ装置1の外部に出射される。
光反射部11bは、領域52c上に設置されている。領域52cの表面のうち光反射部11bが設置される面は、ステム3とは反対側にあり、傾斜面51bと段差部51b1とを含む。傾斜面51bは、領域52bの搭載面51に対して傾斜している。光反射部11bが傾斜面51bに配置されることによって、光反射部11bの光反射面11b3と光進路LA1bとによる角度が好適となる。光進路LA1bを進むレーザ光は、光反射面11b3によって、ステム3の主面3aの法線方向に延びる光進路LA2bを進むように反射される。段差部51b1によって、光反射部11bが安定して傾斜面51b上に設置でき、半導体レーザ素子9と光反射部11bとの間隔を、一定の距離Lb1に維持できる。距離Lb1は、例えば、150μmの程度である。光進路LA2bは、ステム3の主面3aの上方に設けられた光出射用レンズに交差している。半導体レーザ素子9の光出射面9b1から出射されるレーザ光は、光進路LA1b及び光進路LA2bに沿って進み、そして、半導体レーザ素子9の光出射面9b1から出射されるレーザ光と同様に、光出射用レンズに入射し、光出射用レンズを介して半導体レーザ装置1の外部に出射される。
次に、図3を参照して、半導体レーザ素子9の構造を説明する。図3に、半導体レーザ素子9の構成の一例を示す。半導体レーザ素子9は、六方晶系の窒化ガリウム系半導体からなる。半導体レーザ素子9は、利得ガイド型の構造を有するが、利得ガイド型の構造に限定されるものではない。半導体レーザ素子9は、n側電極41、支持基体17、エピタキシャル層19、絶縁膜31およびp側電極15を備える。
支持基体17は、六方晶系の窒化ガリウム系半導体からなる。支持基体17は、半極性主面17aと裏面17bとを有する。裏面17bは、半極性主面17aの反対側にある。支持基体17は、例えば、50μm以上100μm以下の厚さを有する。支持基体17の材料は、GaN、AlGaN、InGaN及びInAlGaNの何れかを含む。半極性主面17aは、支持基体17の窒化ガリウム系半導体の半極性面である。半極性主面17aは、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のc軸と支持基体17の窒化ガリウム系半導体のm軸とによって規定されるc−m面において、c軸の方向を示すc軸ベクトルVC(<0001>)からm軸の方向を示すm軸ベクトルVM(<10−10>)に向かう方向に、c軸に直交するc面({0001})から角度ALPHAの傾斜を成す。角度ALPHAは、例えば、緑色領域の発光に適したオフ角である63度以上80度未満の範囲内にある。半極性主面17aは、例えば、{20−21}面であることができる。
半導体レーザ素子9は、光出射面9a1及び光出射面9b1を有する。半導体レーザ素子9は、光導波路91を含む。光導波路91は、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のc−m面と半極性主面17aとの交差線の方向に延在し、半導体レーザ素子9のレーザ共振器は光導波路91を含む。光導波路91は、後述のエピタキシャル層19に形成されている。光導波路91は、ステム3の主面3aに沿って延びている。光導波路91は、二つの端面(端面91a及び端面91b)を含む。光導波路91の端面91a及び端面91bは、光導波路91を含む半導体レーザ素子9のレーザ共振器の二つの端面に対応する。光出射面9a1は、光導波路91の一方の端面91aを含む。光出射面9b1は、光導波路91の他方の端面91bを含む。光出射面9a1及び光出射面9b1は、いずれも、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のc−m面に交差する。光出射面9a1及び光出射面9b1は、c面、m面又はa面といった、これまでのへき開面の面方位とは異なる面方位を有する。このレーザ共振器の共振器長は、例えば、500μmの程度である。
半導体レーザ素子9によれば、レーザ共振器を構成する光出射面9a1及び光出射面9b1が、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のc−m面に交差する。よって、このc−m面と半極性主面17aとの交差線の方向に延在する光導波路91を設けることができる。従って、半導体レーザ素子9は、低しきい値電流を可能にするレーザ共振器を有することになる。
エピタキシャル層19は、六方晶系の窒化ガリウム系半導体からなる。エピタキシャル層19は、支持基体17の半極性主面17aの上に設けられている。エピタキシャル層19は、エピタキシャル成長によって半極性主面17aから形成された半導体層である。エピタキシャル層19は、支持基体17(半極性主面17a)に格子整合している。エピタキシャル層19は、半導体層20、n側クラッド層21、n側光ガイド層35、活性層25、p側光ガイド層37、電子ブロック層39、p側光ガイド層38、p側クラッド層23及びコンタクト層33を含む。半導体層20、n側クラッド層21、n側光ガイド層35、活性層25、p側光ガイド層37、電子ブロック層39、p側光ガイド層38、p側クラッド層23及びコンタクト層33は、半極性主面17aの上に順に設けられている。
半導体層20は、半極性主面17aに接している。半導体層20は、n型の窒化ガリウム系半導体からなる。半導体層20の材料は、例えばn型のGaNなどである。n側クラッド層21は、半導体層20に接している。n側クラッド層21は、n型の窒化ガリウム系半導体からなる。n側クラッド層21の材料は、例えばn型のAlGaNおよびn型のInAlGaNなどである。n側光ガイド層35は、n側クラッド層21に接している。n側光ガイド層35は、例えば、n型のGaNなどの材料を有する層と、アンドープのInGaNなどの材料を有する層とを含むことができる。
活性層25は、n側光ガイド層35とp側光ガイド層37との間に設けられている。活性層25は、n側光ガイド層35とp側光ガイド層37とに接している。界面25aは、活性層25とn側光ガイド層35とが接している部分であり、界面25bは、活性層25とp側光ガイド層37とが接している部分である。
界面25aと界面25bとは、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のc−m面に直交している。界面25aは、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のc−m面において、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のc軸ベクトルVC(<0001>)から、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のm軸ベクトルVM(<10−10>)に向かう方向に、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のc面({0001})から角度ALPHAの傾斜を成す。界面25bは、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のc−m面において、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のc軸ベクトルVC(<0001>)から、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のm軸ベクトルVM(<10−10>)に向かう方向に、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のc面({0001})から角度ALPHAの傾斜を成す。角度ALPHAは、例えば、緑色領域の発光に適したオフ角である63度以上80度未満の範囲内にある。界面25aと界面25bとは、何れも、半極性主面17aと同様の面方位を有する。
活性層25は窒化ガリウム系半導体層を含み、この窒化ガリウム系半導体層は例えば井戸層である。活性層25は、窒化ガリウム系半導体からなる障壁層を含む。井戸層及び障壁層は、交互に配列されている。井戸層の材料は、例えば、InGaNなどである。障壁層の材料は、例えば、GaNおよびInGaNなどである。活性層25は、量子井戸構造を有する。活性層25の量子井戸構造は、波長400nm以上550nm以下の範囲の光を発生する。活性層25は、半極性面の利用により、波長400nm以上550nm以下の光の発生に好適である。活性層25の量子井戸構造は、さらに、波長480nm以上540nm以下の範囲の光を発生する構造であることもでき、更に、波長510nm以上540nm以下の範囲の光を発生する構造であることもできる。
p側光ガイド層37は、活性層25に接している。p側光ガイド層37は、アンドープの窒化ガリウム系半導体からなる。p側光ガイド層37の材料は、例えば、GaNおよびInGaNなどである。電子ブロック層39は、p側光ガイド層37に接している。電子ブロック層39は、p型の窒化ガリウム系半導体からなる。電子ブロック層39の材料は、例えば、p型のAlGaNなどである。p側光ガイド層38は、電子ブロック層39に接している。p側光ガイド層38は、p型の窒化ガリウム系半導体からなる。p側光ガイド層38の材料は、例えば、p型のGaNおよびp型のInGaNなどである。p側クラッド層23は、p側光ガイド層38に接している。p側クラッド層23は、p型の窒化ガリウム系半導体からなる。p側クラッド層23の材料は、例えば、p型のAlGaNおよびp型のInAlGaNなどである。コンタクト層33は、p側クラッド層23に接している。コンタクト層33は、p型の窒化ガリウム半導体からなる。コンタクト層33の材料は、例えば、p型のGaNなどである。
半導体層20、n側クラッド層21、n側光ガイド層35、活性層25、p側光ガイド層37、電子ブロック層39、p側光ガイド層38、p側クラッド層23及びコンタクト層33は、半極性主面17aの法線ベクトルNVに沿って順に配列されている。
絶縁膜31とp側電極15とは、エピタキシャル層19のp側表面19a(コンタクト層33の表面)に設けられている。絶縁膜31とp側電極15とは、コンタクト層33に接している。絶縁膜31は、エピタキシャル層19のp側表面19aを覆っており、エピタキシャル層19は絶縁膜31と支持基体17との間に位置する。絶縁膜31は開口31aを有し、開口31aはエピタキシャル層19のp側表面19aとc−m面との交差線の方向に延在し、例えばストライプ形状を成す。p側電極15は、開口31aを介してエピタキシャル層19のp側表面19aに接触を成しており(コンタクト層33に接している)、エピタキシャル層19のp側表面19aとc−m面との交差線の方向に延在する。n側電極41は、支持基体17の裏面17bに設けられており、裏面17bを覆っている。
絶縁膜31の材料は、例えば、SiOなどである。p側電極15の材料は、例えば、Ni/Auである。n側電極41の材料は、例えば、Ti/Al/Ti/Auである。半導体レーザ素子9は、パッド電極を有する。このパッド電極は、p側電極15に接続されている。このパッド電極の材料は、例えば、Ti/Alである。
図4のフローチャートを参照して、実施形態に係る半導体レーザ装置1の作製方法を説明する。まず、図1に示すステム3と、ヒートシンク5と、半導体レーザ素子9を搭載するためのサブマウント7と、半導体レーザ素子9とを用意する。そして、ステム3を、熱板上に載置する。ヒートシンク5は、主面3aに固定されている。ヒートシンク5には、一端を占める領域52a上に光反射部11aが設けられ、他端を占める領域52c上に光反射部11bが設けられている。サブマウント7の表面のうち、半導体レーザ素子9と接合される主面7aには、導電性の接着剤C1が予め設けられている。なお、接着剤C1は、半導体レーザ素子9のp側の表面に、p側電極15を覆うように予め設けられていることも可能である。接着剤C1は、例えば、摂氏230度以下の融点を有するSnAgCu、SnAg、BiSnおよびInSnの何れかの合金である。以上のようにして、ステム3と、サブマウント7と、半導体レーザ素子9とを用意する(以上、ステップS1)。ステム3は熱板上に載置されている。
次に、真空吸着装置を用いてサブマウント7を持ち上げ、ヒートシンク5の中央部に位置する領域52bの搭載面51上に、サブマウント7を配置する。サブマウント7の裏面7bが、ヒートシンク5との接合面となる。ヒートシンク5において、領域52bは、光反射部11aが設けられた領域52aと、光反射部11bが設けられた領域52cとの間にある。サブマウント7の裏面7bには、予め接着剤が設けられている。この接着剤を介して、サブマウント7が領域52b上に配置され、サブマウント7がヒートシンク5に固定される。以上のようにして、ヒートシンク5上において、光反射部11aと光反射部11bとの間に、サブマウント7を配置する(ステップS2)。
次に、真空吸着装置を用いて半導体レーザ素子9を持ち上げ、半導体レーザ素子9のp側電極15を接着剤C1が設けられたサブマウント7の主面7aに向け、半導体レーザ素子9の光出射面9a1を光反射部11aに向け、半導体レーザ素子9の光出射面9b1を光反射部11bに向け、光反射部11aを含む半導体レーザ素子9の端部9aをサブマウント7の側面71aから光反射部11aの側に突出させ、光反射部11bを含む半導体レーザ素子9の端部9bをサブマウント7の側面71bから光反射部11bの側に突出させて、半導体レーザ素子9をサブマウント7上に配置する。以上のようにして、半導体レーザ素子9をサブマウント7上に配置する(ステップS3)。
次に、半導体レーザ素子9のp側電極15を、接着剤C1が設けられたサブマウント7の主面7aに押し当てる。そして、半導体レーザ素子9の上方(n側電極41の側)から、例えば、30グラム程度の重錘を載せて加圧しつつ、図5の温度プロファイルG1に示すように、熱板を介して、ステム3、ヒートシンク5、サブマウント7及び半導体レーザ素子9を、例えば、半導体レーザ素子9の周囲温度が摂氏80度の程度から60分程度の間に摂氏230度の程度に至るまで(接着剤C1の融点に達するまで)、加熱することにより、接着剤C1の融着を行う。そして、5分程度の間、半導体レーザ素子9の周囲温度を摂氏230度に維持した後に、熱板による加熱を停止し、ステム3、ヒートシンク5、サブマウント7及び半導体レーザ素子9に対し冷却用の窒素ガスを吹き付けることによって、60分程度の間に、半導体レーザ素子9の周囲温度を摂氏80度の程度に至るまで、ステム3、ヒートシンク5、サブマウント7及び半導体レーザ素子9を冷却し、接着剤C1を固化し、半導体レーザ素子9をサブマウント7に接合する。なお、図5の横軸は経過時間(分)を示し、図5の縦軸は半導体レーザ素子9の周囲を示す。また、図4の温度プロファイルG1は、接着剤C1にSnAgを用いた場合に、適用される。以上のようにして、半導体レーザ素子9及びサブマウント7をステム3上に固定する(ステップS4)。
次に、半導体レーザ装置1の作用・効果を説明する。半導体レーザ装置1において、光導波路91がステム3の主面3aに沿って延びるように、半導体レーザ素子9がステム3の上に設置され、光導波路91の両端(端面91a、端面91b)のそれぞれから出射されるレーザ光が、光反射部11a、光反射部11bによって主面3aの上方に向けて反射される。このように、半導体レーザ装置1によれば、半導体レーザ素子9の光導波路91の両端(端面91a、端面91b)から出射されるレーザ光を、共に、用いることができる。従って、半導体レーザ装置1は、光導波路の一方の端面から出射されるレーザ光のみを用いる従来の半導体レーザ装置に比較して、大きな発光強度を有する。
また、半導体レーザ装置1の半導体レーザ素子9の発振波長は400nm以上550nm以下の範囲にあり、この波長領域の発光は青紫色領域や赤色領域の発光と比較して外部量子効率が低く、発光強度が小さい。このため、上記波長領域の発光を行う半導体レーザ装置1では、従来のような光導波路の一端のみから出射されるレーザ光ではなく、光導波路の両端(端面91a及び端面91b)から出射されるレーザ光が用いることが、十分な発光強度を得るために特に有効である。
また、半導体レーザ装置1の場合、光導波路91の一端側の光出射面9a1の光透過率(%)と、光導波路91の他端側の光出射面9b1の光透過率(%)との差の絶対値が30%以下であるので(換言すれば、光導波路91の一端側の光反射率と、光導波路91の他端側の光反射率とが、ほぼ同様であるので)、光出射面9a1から出射させるレーザ光の発光強度と光出射面9b1から出射されるレーザ光の発光強度とが、ほぼ同様となる。このように、半導体レーザ装置1の場合、光導波路91の両端面から出射されるレーザ光を利用するので、光反射率において光導波路の一端面と他端面とを従来のように非対称とする必要がなく、半導体レーザ素子9の製造が容易となる。
更に、光反射率が従来のように光導波路の一端面と他端面とで非対称となっている場合には、光反射率の比較的に低い端面の光子密度が、光反射率の比較的に高い端面の光子密度よりも相対的に高くなり、光反射率の比較的に低い端面において吸収される光量が比較的に多くなるので、この光反射率の比較的に低い端面は光子によって劣化が比較的に早く進む。これに対し、半導体レーザ装置1のように、光導波路91の両端における光反射率(光透過率)がほぼ同様の場合、この両端における光子による劣化もほぼ同様となるので、光出射面9a1(端面91a)及び光出射面9b1(端面91b)の何れかに光子密度が偏ることによって生じる光出射面の光子による劣化(光導波路91の両端面(端面91a及び端面91b)に生じる劣化の偏り)を抑制できる。
レーザ共振器内における光子密度のシミュレーション結果の一例を、図6に示す。グラフG2は、レーザ共振器の前端面(半導体レーザ素子9の光導波路91の端面91aに対応)の光反射率と後端面(半導体レーザ素子9の光導波路91の端面91bに対応)の光反射率とが共に55%の場合のシミュレーション結果を示す。グラフG3は、レーザ共振器の前端面の光反射率が55%であってレーザ共振器の後端面の光反射率が95%の場合のシミュレーション結果を示す。図6に示すように、両端面の光反射率がほぼ同じで対称となっている場合(グラフG2の場合)、両端面における光子密度は比較的に小さいが、光反射率が非対称となっている場合(グラフG3の場合)、両端面における光子密度も比較的に大きい。特に、前端面において、光反射率は、光反射率が対称となっている場合(グラフG2の場合)と、非対称となっている場合(グラフG3の場合)とで、同じ値(共に55%)となっているが、光子密度は、光反射率が対称となっている場合(グラフG2の場合)のほうが、光反射率が非対称となっている場合(グラフG3の場合)よりも、小さい。このように、図6に示す結果からも、半導体レーザ素子9のように、光導波路の両端面における光反射率が対称(同程度)の場合には、非対称の場合に比較して、両端面における光子密度が全体として低いので、光導波路の両端面に生じる光子による劣化の進行を抑制できることがわかる。
また、半導体レーザ装置1は、光導波路91の両端から出射されるレーザ光を用いるので、レーザ光のモニタの不要なACC(Auto Current Control)方式によって駆動されるディスプレイ用の光源として用いられる場合に、特に問題はない。
また、半導体レーザ素子9の光出射面9a1及び光出射面9b1のそれぞれは、サブマウント7よりも光反射部11a及び光反射部11bのそれぞれに向けて突出しているので、光出射面9a1及び光出射面9b1から出射されるレーザ光の進行がサブマウント7によって遮られることがない。よって、光出射面9a1及び光出射面9b1から出射されるレーザ光のロスが低減される。
また、光反射部11a及び光反射部11bがヒートシンク5上に設置されるので、光反射部11a及び光反射部11bを設けるスペースをステム3の主面3a上に新たに確保する必要がなく、よって、半導体レーザ装置1の大きさを低減できる。
また、光反射部11a及び光反射部11bは、何れも、シリコンの基板(基板11a1、基板11b1)上に誘電体多層膜(誘電体多層膜11a2、11B2 )が設けられ、この誘電体多層膜に光反射面(光反射面11a3、光反射面11b3)が設けられているので、光反射部11a及び光反射部11bは、十分な光反射率を有する。
また、半導体レーザの発熱はほとんどp側で生じるので、半導体レーザ素子9のp側のp側電極15をサブマウント7に接合することによって、半導体レーザ素子9で生じた熱を、半導体レーザ素子9の支持基体17を介さずに、サブマウント7に直接に放熱できる。よって、半導体レーザ素子9で生じた熱をサブマウント7の側に効果的に開放できる。
また、例えば、活性層25とp側光ガイド層37との界面25bは、支持基体17の窒化ガリウム系半導体のc軸と支持基体17の窒化ガリウム系半導体のm軸とによって規定されるc−m面に直交しており、c−m面において、c軸の方向を示すc軸ベクトルVCからm軸の方向を示すm軸ベクトルVMに向かう方向に、c軸に直交するc面から角度ALPHAの傾斜を成すので(界面25aについても同様)、半導体レーザ素子9では、緑色レーザの出力に適した半極性面が利用されている。更に、角度ALPHAは、63度以上80度未満の範囲にあるので、半導体レーザ素子9では、緑色領域の発光に適したオフ角の半極性面が利用されている。
また、接着剤C1は、SnAgCu、SnAg、BiSn及びInSnの何れかの合金である。SnAgCu、SnAg、BiSn及びInSnは、何れも、例えば、AuSn等に比較して低融点の接着剤なので、半導体レーザ素子9とサブマウント7との接合は、AuSn等を用いた場合に比較して低温でなされたものとなり、よって、半導体レーザ素子9とサブマウント7との熱膨張係数の差に起因する熱応力の影響が低減できる。
また、半導体レーザ素子9の発振波長は、480nm以上540nm以下の範囲にあることもでき、また、510nm以上540nm以下の範囲にあることもできる。緑色領域の発光は青色や赤色と比較して外部量子効率が低く、所望の発光強度を得るために比較的に大きな投入電力を必要とするが、半導体レーザ装置1は、半導体レーザ素子9の光導波路91の両端面から出射されるレーザ光を利用するので、十分に大きな発光強度が得られ、よって、特に、緑色のレーザ光を出力する光源に適している。
以上、好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
1…半導体レーザ装置、11a,11b…光反射部、11a1,11b1…基板、11a2,11b2…誘電体多層膜、11a3,11b3…光反射面、15…p側電極、17…支持基体、17a…半極性主面、17b,7b…裏面、19…エピタキシャル層、19a…p側表面、20…半導体層、21…n側クラッド層、23…p側クラッド層、25…活性層、25a,25b…界面、3…ステム、31…絶縁膜、31a…開口、33…コンタクト層、35…n側光ガイド層、37,38…p側光ガイド層、39…電子ブロック層、3a,7a…主面、41…n側電極、4a,4b,4c…リード端子、5…ヒートシンク、51…搭載面、51a,51b…傾斜面、51a1,51b1…段差部、52a,52b,52c…領域、5a,5b,9a,9b…端部、7…サブマウント、71a,71b…側面、9…半導体レーザ素子、91…光導波路、91a,91b…端面、9a1,9b1…光出射面、9Sa,9Sb…誘電体多層膜、C1…接着剤、La,La1,Lb,Lb1…距離、LA1a,LA1b,LA2a,LA2b…光進路、NV…法線ベクトル、VC…c軸ベクトル、VM…m軸ベクトル、Wa,Wb…ワイヤ。

Claims (10)

  1. 半導体レーザ装置であって、
    半導体レーザ素子、第1の光反射部及び第2の光反射部を備え、
    前記半導体レーザ素子は、窒化ガリウム系半導体からなり、ステムの主面の上に設置され、
    前記半導体レーザ素子の発振波長は、400nm以上550nm以下の範囲にあり、
    前記半導体レーザ素子は、支持基体、エピタキシャル層、第1の光出射面及び第2の光出射面を有し、
    前記支持基体は、半極性主面を含み、
    前記エピタキシャル層は、前記支持基体の前記半極性主面上に設けられ、活性層及び光導波路を含み、
    前記光導波路は、前記ステムの前記主面に沿って延びており、二つの端面を含み、
    前記第1の光出射面は、前記光導波路の一方の端面を含み、
    前記第2の光出射面は、前記光導波路の他方の端面を含み、
    前記第1の光反射部は、前記ステムの前記主面の上に設置され、第1の光反射面を有し、
    前記第1の光反射面は、前記光導波路から前記第1の光出射面を介して出射されるレーザ光の第1の光進路上に配置され、前記光導波路から前記第1の光出射面を介して出射されるレーザ光の進路を前記第1の光進路から第2の光進路に変更し、
    前記第2の光進路は、前記第1の光進路に交差し、前記ステムの前記主面の上方に延び、
    前記第2の光反射部は、前記ステムの前記主面の上に設置され、第2の光反射面を有し、
    前記第2の光反射面は、前記光導波路から前記第2の光出射面を介して出射されるレーザ光の第3の光進路上に設置され、前記光導波路から前記第2の光出射面を介して出射されるレーザ光の進路を前記第3の光進路から第4の光進路に変更し、
    前記第4の光進路は、前記第3の光進路に交差し、前記ステムの前記主面の上方に延び、
    前記第1の光反射部、前記半導体レーザ素子、前記第2の光反射部は、前記ステムの前記主面の上において、前記光導波路の延びる方向に沿って、この順に、配置され、
    前記第1の光出射面の光透過率(%)と、前記第2の光出射面の光透過率(%)との差の絶対値は、30%以下である、半導体レーザ装置。
  2. サブマウントを更に備え、
    前記サブマウントは、前記ステムの前記主面と前記半導体レーザ素子との間に設置され、前記半導体レーザ素子に接合され、第1の側面及び第2の側面を有し、
    前記第1の側面は、前記第1の光反射部に向いており、
    前記第2の側面は、前記第2の光反射部に向いており、
    前記半導体レーザ素子は、第1の端部及び第2の端部を有し、
    前記第1の端部は、前記光導波路の一端側に設けられ、第1の光出射面を含み、前記サブマウントの前記第1の側面から前記第1の光反射部に向けて突出し、
    前記第2の端部は、前記光導波路の他端側に設けられ、第2の光出射面を含み、前記サブマウントの前記第2の側面から前記第2の光反射部に向けて突出している、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記エピタキシャル層の上に設けられたp側電極が導電性の接着剤を介して前記サブマウントの主面に接合されている、ことを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記接着剤は、SnAgCu、SnAg、BiSn及びInSnの何れかの合金である、ことを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ装置。
  5. ヒートシンクを更に備え、
    前記ヒートシンクは、前記ステムの前記主面上に設けられ、前記ステムの前記主面と前記サブマウントとの間に配置され、前記ステムと前記サブマウントとに接合され、第1の領域、第2の領域及び第3の領域から成り、
    前記第1の領域、前記第2の領域、前記第3の領域は、前記光導波路の延びる方向に沿って、この順に、配置され、
    前記サブマウントは、前記第2の領域上に設置され、
    前記第1の光反射部は、前記第1の領域上に設置され、
    前記第2の光反射部は、前記第3の領域上に設置されている、ことを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記第1の光反射部は、第1の基板及び第1の誘電体多層膜を有し、
    前記第1の基板の材料はシリコンであり、
    前記第1の誘電体多層膜は、前記第1の光反射面を含み、
    前記第2の光反射部は、第2の基板及び第2の誘電体多層膜を有し、
    前記第2の基板の材料はシリコンであり、
    前記第2の誘電体多層膜は、前記第2の光反射面を含む、
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記エピタキシャル層は、p側光ガイド層を有し、
    前記p側光ガイド層は、前記活性層と接触を成しており、
    前記活性層と前記p側光ガイド層との界面は、前記窒化ガリウム系半導体のc軸と前記窒化ガリウム系半導体のm軸とによって規定されるc−m面に直交しており、前記c−m面において、前記c軸の方向を示すc軸ベクトルから前記m軸の方向を示すm軸ベクトルに向かう方向に、前記c軸に直交するc面から角度ALPHAの傾斜を成す、ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記角度ALPHAは、63度以上80度未満の範囲にある、ことを特徴とする請求項7に記載の半導体レーザ装置。
  9. 前記半導体レーザ素子の発振波長は、480nm以上540nm以下の範囲にある、ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の半導体レーザ装置。
  10. 前記半導体レーザ素子の発振波長は、510nm以上540nm以下の範囲にある、ことを特徴とする請求項9に記載の半導体レーザ装置。
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