JP2013142130A - 光硬化型インク組成物及び記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重合性化合物と光重合開始剤とを含む、光硬化型インク組成物であって、前記重合性化合物は、該インク組成物の総質量に対して10〜30質量%の、一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、該インク組成物の総質量に対して1〜15質量%の、5官能以上の(メタ)アクリレートと、を含有する光硬化型インク組成物である。
【選択図】なし
Description
[1]
重合性化合物と光重合開始剤とを含む、光硬化型インク組成物であって、前記重合性化合物は、該インク組成物の総質量に対して10〜30質量%の、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、該インク組成物の総質量に対して1〜15質量%の、5官能以上の(メタ)アクリレートと、を含有する、光硬化型インク組成物。
[2]
前記5官能以上の(メタ)アクリレートは、6官能以上の(メタ)アクリレートを含む、[1]に記載の光硬化型インク組成物。
[3]
前記5官能以上の(メタ)アクリレートは、ジペンタエリスリトール骨格を有するモノマーである、[1]又は[2]に記載の光硬化型インク組成物。
[4]
前記5官能以上の(メタ)アクリレートの含有量が、該インク組成物の総質量に対して5〜15質量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物。
[5]
前記光重合開始剤は、該インク組成物の総質量に対して7〜15質量%のアシルフォスフィンオキサイド化合物を含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物。
[6]
発光ダイオードで照射を行う硬化工程に用いられる、[1]〜[5]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物。
[7]
被記録媒体を所定方向に搬送する搬送手段と、前記被記録媒体に、[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物のドットを形成するドット形成部が前記所定方向と交差する幅方向に配列されたプリントヘッドと、前記被記録媒体の搬送に応じてドット形成部を個々に駆動し、ドットを隣接して形成した後、光源から紫外線を照射することによって前記被記録媒体上に画像を形成する制御手段と、を備えたラインプリンターを用いて、前記光硬化型インク組成物を被記録媒体上に記録する、記録方法。
[8]
エポキシ接着剤を用いたプリントヘッドから、[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物を吐出する、記録方法。
[9]
前記プリントヘッドは、ドット形成部が前記幅方向に配列された単位ヘッドを、前記所定方向に沿って前後してインク組成物の色毎に複数備え、前記被記録媒体の搬送に応じて色毎に備えられた各単位ヘッドの各ドット形成部を個々に駆動し、互いに異なる色のドットを隣接して形成した後、前記光源から紫外線を照射することによって前記被記録媒体上に画像を形成する、[7]に記載の記録方法。
上記硬化性のうち「薄膜硬化性」とは、膜厚0.5〜3μm程度のインク塗膜に対する硬化性を意味する。また、上記硬化性のうち「厚膜硬化性」とは、膜厚10μm以上のインク塗膜に対する硬化性を意味する。
本発明の一実施形態は、光硬化型インク組成物に係る。当該光硬化型インク組成物は、重合性化合物と光重合開始剤とを含むものである。加えて、当該重合性化合物は、後記の一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、5官能以上の(メタ)アクリレートと、を所定量ずつ含有する。
以下、本実施形態の光硬化型インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)に含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)を説明する。
本実施形態のインク組成物に含まれる重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により光照射時に重合されて、印刷されたインクを硬化させることができる。
本実施形態において必須の重合性化合物であるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類は、下記一般式(I)で表される。
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
本実施形態において必須の重合性化合物である5官能以上の(メタ)アクリレートは、1分子当たり5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。本実施形態のインク組成物が、上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類とともに5官能以上の(メタ)アクリレートを含むことにより、インクの硬化性(特に厚膜硬化性)に優れ、かつ、硬化シワの発生を防止することができる。
また、硬化性に一層優れるため、5官能以上の(メタ)アクリレートはその分子中に水酸基を有することが好ましい。
上記以外の重合性化合物(以下、「その他の重合性化合物」という。)としては、従来公知の、単官能、2官能、及び3官能以上の多官能といった種々のモノマー及びオリゴマーが使用可能である。上記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。また、上記オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
本実施形態のインク組成物に含まれる光重合開始剤は、紫外線の照射による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて印字を形成するために用いられる。照射光として紫外線(UV)を用いることにより、安全性に優れ、且つ光源ランプのコストを抑えることができる。光(紫外線)のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、上記重合性化合物の重合を開始させるものであれば、制限はないが、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を使用することができ、中でも光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
上記光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のインク組成物は、色材をさらに含んでもよい。色材は、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35が挙げられる。
色材の含有量は優れた隠蔽性及び色再現性が得られるため、インク組成物の総質量(100質量%)に対して0.5〜10質量%が好ましい。
本実施形態のインク組成物が顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。高分子分散剤の市販品として、第一工業製薬社(Dai―ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.)製のディスコールシリーズ、ルーブリゾール社(Lubrizol Corporation)製のソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYKChemie社製のディスパービックシリーズが挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、スリップ剤(界面活性剤)、重合禁止剤、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、及び増粘剤が挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、照射を行う硬化工程(後述)において用いられるものである。また、上記インク組成物は、好ましくは350〜420nmの範囲に発光ピーク波長を有する紫外線が照射されることにより硬化するものである。本実施形態のインク組成物が上記範囲内の発光ピーク波長で硬化可能であると、当該インク組成物の組成に起因して低エネルギー且つ高速での硬化が可能となる。特に、低エネルギーで硬化可能であることは、環境面などから近年注目されている発光ダイオード(LED)を光源、即ち紫外線の照射源として使用できることにつながるため、好ましいと言える。さらに、LEDを光源として用いた場合、硬化シワが生じやすい傾向にあるが、本実施形態のインク組成物はこの硬化シワの発生を防止する点で優れている。したがって、本実施形態のインク組成物は、LEDから紫外線が照射されても硬化可能であり、硬化性に優れ、特に、硬化シワの発生防止の点で優れたインク組成物である。また、LEDを用いた硬化工程に適用する場合でも、上述のような良好な記録を行うことのできるインク組成物である。換言すれば、本実施形態の光硬化型インク組成物は、LEDで照射を行う硬化工程に用いられる光硬化型インク組成物である。なお、LEDで照射を行う硬化工程に用いられる光硬化型インク組成物とは、LEDで照射を行う記録装置用として販売された光硬化型インク組成物を意味する。さらに、後述する記録方法において、本実施形態の光硬化型インク組成物をLEDで照射を行う硬化工程において硬化させることができる。
本実施形態の光硬化型インク組成物は、後述する記録方法によって、被記録媒体上に吐出されること等により、記録物が得られる。この被記録媒体として、例えば、吸収性又は非吸収性の被記録媒体が挙げられる。本実施形態の記録方法は、インク組成物の浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、インク組成物の浸透が容易な吸収性被記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。ただし、当該インク組成物を吸収性の被記録媒体に適用した場合は、被記録媒体に吸収されたインク組成物が硬化し難いことがあることから、非吸収性の被記録媒体に適用することが好ましい。
本発明の一実施形態は記録方法に係る。上記実施形態の光硬化型インク組成物は、記録方法において好適に用いることができる。記録方法は、上記インク組成物を被記録媒体上に吐出する吐出工程と、上記吐出工程により吐出されたインク組成物に紫外線を照射して、上記インク組成物を硬化する硬化工程と、を含む。このようにして、被記録媒体上で硬化したインク組成物により、塗膜(硬化膜)が形成される。
本実施形態の記録方法はインクジェット方式に適している。このようなインクジェット記録方法に使用可能なインクジェット記録装置として、記録領域に相当する範囲で被記録媒体を搬送しつつ印刷を行う、従来公知のシリアルプリンター及びラインプリンターが挙げられる。
上記実施形態の光硬化型インク組成物は、記録装置がシリアルプリンター及びラインプリンターの何れであっても好適に使用可能であることを特徴とする。以下、各プリンターについて詳細に説明する。
また、上記のラインプリンターは、被記録媒体の搬送に応じてドット形成部(特に各色に対応するドット形成部)を個々に駆動し、ドット(特に互いに異なる色のドット)を隣接して形成した後、光源から紫外線を照射することによって上記被記録媒体上に画像を形成する制御手段をさらに備えたものであることが好ましい。なお、1つの単位ヘッドが幅方向に記録幅分の長さを備えている単位ヘッドとし、任意の一色のインクに対応する単位ヘッドを1つのみ配列するプリントヘッドとしてもよい。
エポキシ系接着剤としては、以下に限定されないが、例えば、エポキシ基を有する化合物を含む主剤を硬化剤により硬化させる、従来公知の接着剤が挙げられる。上記の主剤に含まれるエポキシ基を有する化合物としては、以下に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型及びビスフェノールF型などのビスフェノール型エポキシ、フェノールノボラック型及びクレゾールノボラック型などのノボラック型エポキシ、エポキシポリオール型エポキシ、ウレタン変性エポキシ、キレート変性エポキシ、並びにゴム変性エポキシが挙げられる。上記の硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、アミン及びポリアミン等のアミン類、酸無水物、アミド及びポリアミド等のアミド類、イミダゾール類、並びにポリメルカプタンが挙げられる。上記の中でも、接着力に優れるため、主剤としてビスフェノール型エポキシ及び硬化剤としてアミン類の組み合わせが好ましい。主剤と硬化剤との混合比(主剤:硬化剤)は、接着剤の硬化性に優れるため、質量換算で10:1〜1:10が好ましい。また、上記の光源については後述する。
上記吐出工程においては、上述したような従来公知のインクジェット記録装置を用いることができる。上記実施形態のインク組成物を吐出する際、吐出安定性を良好なものとするため、インク組成物の20℃での粘度を35mPa・s以下とするのが好ましく、25mPa・s以下とするのがより好ましい。
次に、上記硬化工程においては、被記録媒体上に吐出されたインク組成物が、光源から紫外線(光)を照射されることによって硬化する。これは、インク組成物に含まれる光重合開始剤が紫外線の照射により分解して、ラジカル、酸、及び塩基などの開始種を発生し、光重合性化合物の重合反応が、その開始種の機能によって促進されるためである。あるいは、紫外線の照射によって、光重合性化合物の重合反応が開始するためである。このとき、インク組成物において光重合開始剤と共に増感色素が存在すると、系中の増感色素が紫外線を吸収して励起状態となり、光重合開始剤と接触することによって光重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
その一方で、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)等のLED(発光ダイオード)は小型、高寿命、高効率、及び低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
上記実施形態の光硬化型インク組成物は、光源がLED及びメタルハライドランプの何れであっても好適に使用可能であることを特徴とする。なお、上記で光源として挙げたものの中では、UV−LEDが好ましい。
下記の実施例及び比較例において使用した成分は、以下の通りである。
〔ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類〕
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA〔商品名〕、日本触媒(Nippon Shokubai Co.,Ltd.)社製、以下ではVEEAと略記した。)
なお、以下の表中では、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を「アクリル・ビニル含有モノマ」と略記した。
〔5官能以上の(メタ)アクリレート〕
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA〔商品名〕、ダイセルサイテック社(DAICEL-CYTEC Company LTD.)製、以下ではDPHAと略記した。)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(Kayarad DPCA−60〔商品名〕、日本化薬社(Nipponkayaku Co.,Ltd.)製、以下ではDPCA−60と略記した。)
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(SR399〔商品名〕、SARTOMER社製、以下ではSR399と略記した。)
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA−K〔商品名〕、ダイセルサイテック社製、以下ではPETA−Kと略記した。)
〔上記以外の重合性化合物〕
・イソボルニルアクリレート(IBXA〔商品名〕、大阪有機化学社製、以下ではIBXAと略記した。)
〔光重合開始剤〕
・IRGACURE 819(BASF社製商品名、固形分100%、以下では819と略記した。)
・DAROCURE TPO(BASF社製商品名、固形分100%、以下ではTPOと略記した。)
・KAYACURE DETX−S(日本化薬社製商品名、固形分100%、以下ではDETX−Sと略記した。)
〔顔料〕
・ミツビシカーボンMA11(三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製商品名、C.I.ピグメント ブラック7、以下ではブラック7と略記した。)
〔分散剤〕
・Solsperse 36000(LUBRIZOL社製商品名、以下ではSol36000と略記した。)
下記表1〜表3に記載の成分を、表1〜表3に記載の組成(単位:質量%)となるように添加し、これを高速水冷式撹拌機で撹拌することにより、シアン色の光硬化型インク組成物を得た。
なお、参考例1及び3のインク組成は実施例6のものと同じであり、参考例2及び4のインク組成は比較例4のものと同じである。また、下記表中、「単官能」は、重合性化合物である単官能の(メタ)アクリレートの略称であり、「4官能」、「5官能」、及び「6官能」についても同様である。
〔1.粘度〕
上記で調製した各実施例及び各比較例のインク組成物の粘度を、E型粘度計(東機産業社(TOKI SANGYO CO.,LTD.)製)を用いて、温度20℃、回転数10rpmの条件下で測定した。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表4及び表5に示す。
A:25mPa・s以下、
B:25mPa・s超35mPa・s以下、
C:35mPa・s超。
上記「1.粘度」において粘度測定した各実施例及び各比較例のインク組成物を50mL容のガラス瓶に入れ、密栓した後に60℃の恒温槽内に投入して1週間保存した。その後、室温まで温度を下げた各インク組成物について、上記「1.粘度」と同様の方法で粘度測定した。そして、保存前後の増粘率(保存前のインク組成物の粘度に対する保存後のインク組成物の粘度の割合)により、保存安定性を評価した。
A:5%未満、
B:5%以上。
(1)各実施例及び各比較例
図1のラインプリンターの単位ヘッドKに、上記で調製した各インク組成物をそれぞれ1個ずつ充填した。ヘッドのノズル密度は720dpiとした。常温、常圧下で、PETフィルム PET50(K2411)PA−T1 8LK〔商品名〕、リンテック社(Lintec Corporation)製)上に、記録解像度720dpi×720dpi、液滴重量7ng、及び1パス(シングルパス)の条件で、膜厚10μmのベタパターン画像を印刷した。ここで、「ベタパターン画像」とは、記録解像度で規定される最小記録単位領域である画素の全ての画素に対してドットを記録した画像を意味する。
評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表4及び表5に示す。
A:200mJ/cm2以下の照射エネルギーで硬化した。
B:200mJ/cm2を超えて300mJ/cm2以下の照射エネルギーで硬化した。
C:300mJ/cm2の照射エネルギーで硬化しなかった。
シリアルプリンターである特開2010−167677号の図2に記載のインクジェットプリンターを用いて、上記で調製した各インク組成物をそれぞれノズル列に充填した。ヘッドのノズル密度は360dpiとした。常温、常圧下で、PETフィルム PET50(K2411)PA−T1 8LK〔商品名〕、リンテック社(Lintec Corporation)製)上に、記録解像度720dpi×720dpi(ただし1パスあたりのドット形成は360dpi×360dpi)、液滴重量7ng、及び4パス(2×2)の条件で、膜厚10μmのベタパターン画像を印刷した。プリンターのキャリッジには上記ラインプリンターに搭載した光源と同じものを、ヘッドと同じ長さ分、設けた。1回のパス当たりの照射エネルギーを40mJ/cm2として4パス印刷の後、さらに照射を行い合計の照射エネルギーにより評価した。
上記の印刷と共に、上記(1)と同様にしてベタパターン画像を硬化させた。なお、指触試験により画像(塗膜表面)のタック感がなくなった時点で硬化したものと判断した。
光源を下記に記載のものに変えたこと以外は上記実施例で用いたラインプリンターと同じプリンターを用いて、上記で調製した各インク組成物をそれぞれノズル列に充填した。常温、常圧下で、PETフィルム PET50(K2411)PA−T1 8LK〔商品名〕、リンテック社(Lintec Corporation)製)上に、記録解像度720dpi×720dpi、液滴重量7ng、及び1パス(シングルパス)の条件で、膜厚10μmのベタパターン画像を印刷した。
上記の印刷と共に、ヘッドの被記録媒体搬送方向下流に搭載した紫外線照射装置内のメタルハライドランプから、照射強度を900mW/cm2とし、紫外線を所定時間照射してベタパターン画像を硬化させた。なお、指触試験により画像(塗膜表面)のタック感がなくなった時点で硬化したものと判断した。
(1)各実施例及び各比較例
ベタパターン画像の膜を2μmとした点以外は、「3.厚膜硬化性」の(1)と同様にして評価した。評価基準も当該(1)と同様である。評価結果を下記表4及び表5に示す。
ベタパターン画像の膜を2μmとした点以外は、「3.厚膜硬化性」の(2)と同様にして評価した。評価基準も当該(2)と同様である。評価結果を下記表4及び表5に示す。
ベタパターン画像の膜を2μmとした点以外は、「3.厚膜硬化性」の(3)と同様にして評価した。評価基準も当該(3)と同様である。評価結果を下記表4及び表5に示す。
(1)各実施例及び各比較例
上記「3.厚膜硬化性」の(1)と同様の方法及び条件により、画像(塗膜表面)がタックフリーとなる状態まで硬化させた。
ここで、タックフリーといえるか否かは、下記の条件で判断した。即ち、綿棒にインクが付着するか否か、又は被記録媒体上のインク硬化物に擦り傷が付くか否かで判断した。その際、使用した綿棒は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)社製のジョンソン綿棒であった。擦る回数は往復10回とし、擦る強さは100g荷重とした。
評価は目視により行った。評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表4及び表5に示す。
A:シワが全く発生していなかった。
B:シワが硬化膜(硬化させた塗膜)の一部の領域で発生しているのが観察された。
C:シワが硬化膜全体に発生しているのが観察された。
上記「3.厚膜硬化性」の(2)と同様の方法及び条件により、画像(塗膜表面)がタックフリーとなる状態まで硬化させた。
タックフリーや評価の基準については上記「5.硬化シワ」の(1)と同様である。評価結果を下記表4及び表5に示す。
上記「3.厚膜硬化性」の(3)と同様の方法及び条件により、画像(塗膜表面)がタックフリーとなる状態まで硬化させた。
タックフリーや評価の基準については上記「5.硬化シワ」の(1)と同様である。評価結果を下記表4及び表5に示す。
耐材料性は、接着剤の膨潤率を測定・算出することにより評価した。
エポキシ接着剤(シェル(shell)社製のエポキシ樹脂であるEPIKOTE 828及びコグニス(COGNIS)社製の硬化剤であるVERSAMID 125を等量混合したもの)を約0.2g硬化させ接着剤片を作成し重量を測定した。その後、スクリュー管に入れた各実施例及び各比較例のインク組成物中に、上記接着剤片を浸漬して蓋をし、60℃環境に7日放置した。放置後、接着剤片を取り出しインク組成物をよく洗い流した後、重量を測定した。そして、膨潤率は以下の式より算出した。
重量変化率(%)={(投入後重量−投入前重量)/投入前重量}×100
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表4及び表5に示す。
A:50%未満、
B:50%以上。
Claims (9)
- 重合性化合物と光重合開始剤とを含む、光硬化型インク組成物であって、
前記重合性化合物は、該インク組成物の総質量に対して10〜30質量%の、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、
該インク組成物の総質量に対して1〜15質量%の、5官能以上の(メタ)アクリレートと、を含有する、光硬化型インク組成物。 - 前記5官能以上の(メタ)アクリレートは、6官能以上の(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の光硬化型インク組成物。
- 前記5官能以上の(メタ)アクリレートは、ジペンタエリスリトール骨格を有するモノマーである、請求項1又は2に記載の光硬化型インク組成物。
- 前記5官能以上の(メタ)アクリレートの含有量が、該インク組成物の総質量に対して5〜15質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化型インク組成物。
- 前記光重合開始剤は、該インク組成物の総質量に対して7〜15質量%のアシルフォスフィンオキサイド化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光硬化型インク組成物。
- 発光ダイオードで照射を行う硬化工程に用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光硬化型インク組成物。
- 被記録媒体を所定方向に搬送する搬送手段と、
前記被記録媒体に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化型インク組成物のドットを形成するドット形成部が前記所定方向と交差する幅方向に配列されたプリントヘッドと、
前記被記録媒体の搬送に応じてドット形成部を個々に駆動し、ドットを隣接して形成した後、光源から紫外線を照射することによって前記被記録媒体上に画像を形成する制御手段と、
を備えたラインプリンターを用いて、前記光硬化型インク組成物を被記録媒体上に記録する、記録方法。 - エポキシ接着剤を用いたプリントヘッドから、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化型インク組成物を吐出する、記録方法。
- 前記プリントヘッドは、ドット形成部が前記幅方向に配列された単位ヘッドを、前記所定方向に沿って前後してインク組成物の色毎に複数備え、
前記被記録媒体の搬送に応じて色毎に備えられた各単位ヘッドの各ドット形成部を個々に駆動し、互いに異なる色のドットを隣接して形成した後、前記光源から紫外線を照射することによって前記被記録媒体上に画像を形成する、請求項7に記載の記録方法。
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