JP2013142130A - 光硬化型インク組成物及び記録方法 - Google Patents

光硬化型インク組成物及び記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化性及び保存安定性に優れ、かつ、硬化シワの発生を防止可能な光硬化型インク組成物を提供する。
【解決手段】重合性化合物と光重合開始剤とを含む、光硬化型インク組成物であって、前記重合性化合物は、該インク組成物の総質量に対して10〜30質量%の、一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、該インク組成物の総質量に対して1〜15質量%の、5官能以上の(メタ)アクリレートと、を含有する光硬化型インク組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化型インク組成物及び記録方法に関する。
従来、紙などの被記録媒体に、画像データ信号に基づき画像を形成する記録方法として、種々の方式が利用されてきた。このうち、インクジェット方式は、安価な装置で、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、インクジェット方式は騒音が小さいため、記録方法として優れている。
近年、耐水性、耐溶剤性、及び耐擦過性などに優れた印字を被記録媒体の表面に形成するため、インクジェット方式の記録方法において、光(紫外線)を照射すると硬化する光硬化型インク組成物が使用されている。
例えば、特許文献1は、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、又はカプロラクトン変性(トリスアクリロキシエチル)イソシアヌレートと、ジエチレングリコールモノビニルエーテルアクリレートと、イソボルニルアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、N−ビニルピロリドン、トリエチレングリコールジビニルエーテル、及びε−ビニルカプロラクタムからなる群より選択される1種以上と、からなる重合性モノマー、並びに所定の着色剤及び光重合開始剤を所定量ずつ含む、紫外線硬化型インクジェットインク組成物を開示している(特許文献1の実施例1〜9、表1)。
また、特許文献2は、VEEA(2−(ビニルエトキシ)エチルアクリレート)を24.38重量%、SR489(トリデシルアクリレート)を53.62重量%、M600(ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート)を19.50重量%、重合可能光開始剤INI−C1を2.50重量%混合して得るフリーラジカル硬化性液(INV−18)を開示している(特許文献2の[0315]の表18)。
特開2009−96910号公報 特表2011−500932号公報
しかしながら、特許文献1に開示の紫外線硬化型インクジェットインク組成物から硬化膜を作製しようとすると、以下の問題が生じる。まず、当該インク組成物は、保存安定性に劣るという問題が生じる。次に、薄膜においては、ラジカル重合反応系の場合に酸素阻害が影響するため硬化性に劣る。したがって、印刷時に酸素阻害が生じない程度にまで余分に膜を厚くせざるを得ず、印刷画質が劣悪となる問題が生じる。一方で厚膜の場合、顔料が紫外線の一部を吸収してしまう傾向が強く、そうすると、紫外線を照射しても被記録媒体上に吐出した塗膜を完全に硬化させるのに必要なエネルギーが不足するため、塗膜の表面近傍のみが硬化して、その塗膜の内部の硬化が不完全となったり、硬化に時間を要したりする場合がある。この塗膜の内部に存在する未硬化のインク組成物が硬化する前に不規則に流動するなどにより、硬化後の塗膜表面にシワ(以下、「硬化シワ」とも言う。)が発生する。この硬化シワに起因して、厚膜部分の膜特性に劣るという問題が生じる。
また、特許文献2に開示のフリーラジカル硬化性液は、厚膜硬化性及び薄膜硬化性、並びに保存安定性に劣るという問題が生じる。
そこで、本発明は、硬化性及び保存安定性に優れ、かつ、硬化シワの発生を防止可能な光硬化型インク組成物を提供する。また特に記録装置としてシリアルプリンター及びラインプリンターの何れを用いても、さらには光源として発光ダイオード(LED)及びメタルハライドランプの何れを用いても好適に使用可能な、光硬化型インク組成物を提供する。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、所定量且つ所定構造のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、所定量且つ5官能以上の(メタ)アクリレートと、光重合開始剤と、を含む光硬化型インク組成物により、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]
重合性化合物と光重合開始剤とを含む、光硬化型インク組成物であって、前記重合性化合物は、該インク組成物の総質量に対して10〜30質量%の、下記一般式(I):
CH=CR−COOR−O−CH=CH−R ・・・(I)
(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2〜20の2価の有機残基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、該インク組成物の総質量に対して1〜15質量%の、5官能以上の(メタ)アクリレートと、を含有する、光硬化型インク組成物。
[2]
前記5官能以上の(メタ)アクリレートは、6官能以上の(メタ)アクリレートを含む、[1]に記載の光硬化型インク組成物。
[3]
前記5官能以上の(メタ)アクリレートは、ジペンタエリスリトール骨格を有するモノマーである、[1]又は[2]に記載の光硬化型インク組成物。
[4]
前記5官能以上の(メタ)アクリレートの含有量が、該インク組成物の総質量に対して5〜15質量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物。
[5]
前記光重合開始剤は、該インク組成物の総質量に対して7〜15質量%のアシルフォスフィンオキサイド化合物を含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物。
[6]
発光ダイオードで照射を行う硬化工程に用いられる、[1]〜[5]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物。
[7]
被記録媒体を所定方向に搬送する搬送手段と、前記被記録媒体に、[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物のドットを形成するドット形成部が前記所定方向と交差する幅方向に配列されたプリントヘッドと、前記被記録媒体の搬送に応じてドット形成部を個々に駆動し、ドットを隣接して形成した後、光源から紫外線を照射することによって前記被記録媒体上に画像を形成する制御手段と、を備えたラインプリンターを用いて、前記光硬化型インク組成物を被記録媒体上に記録する、記録方法。
[8]
エポキシ接着剤を用いたプリントヘッドから、[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物を吐出する、記録方法。
[9]
前記プリントヘッドは、ドット形成部が前記幅方向に配列された単位ヘッドを、前記所定方向に沿って前後してインク組成物の色毎に複数備え、前記被記録媒体の搬送に応じて色毎に備えられた各単位ヘッドの各ドット形成部を個々に駆動し、互いに異なる色のドットを隣接して形成した後、前記光源から紫外線を照射することによって前記被記録媒体上に画像を形成する、[7]に記載の記録方法。
ラインプリンターの一例を示す概略的な断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本明細書において、「硬化」とは、重合性化合物を含むインク組成物に紫外線を照射すると、重合性化合物が重合してインク組成物が固化することをいう。本明細書において、「硬化性」とは、光の照射により、光重合開始剤の存在下又は不存在下で重合硬化する性質をいう。
上記硬化性のうち「薄膜硬化性」とは、膜厚0.5〜3μm程度のインク塗膜に対する硬化性を意味する。また、上記硬化性のうち「厚膜硬化性」とは、膜厚10μm以上のインク塗膜に対する硬化性を意味する。
本明細書において、「保存安定性」とは、インク組成物を保存したときに、保存前後における粘度が変化しにくい性質をいう。「吐出安定性」とは、ノズルの目詰まりがなく常に安定したインク組成物の液滴をノズルから吐出させる性質をいう。
本明細書において、「耐材料性」とは、記録装置を構成する各種部材がインク組成物と接触したときに、膨潤などの変質を生じにくい性質をいう。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びそれに対応するメタクリルのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及びそれに対応するメタクリロイルのうち少なくともいずれかを意味する。
本明細書において、「記録物」とは、被記録媒体上にインクが記録されて硬化物が形成されたものをいう。なお、本明細書における硬化物は、インクの硬化膜や塗膜を含む、硬化された物質を意味する。
[光硬化型インク組成物]
本発明の一実施形態は、光硬化型インク組成物に係る。当該光硬化型インク組成物は、重合性化合物と光重合開始剤とを含むものである。加えて、当該重合性化合物は、後記の一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、5官能以上の(メタ)アクリレートと、を所定量ずつ含有する。
以下、本実施形態の光硬化型インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)に含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)を説明する。
〔重合性化合物〕
本実施形態のインク組成物に含まれる重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により光照射時に重合されて、印刷されたインクを硬化させることができる。
(ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類)
本実施形態において必須の重合性化合物であるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類は、下記一般式(I)で表される。
CH=CR−COOR−O−CH=CH−R ・・・(I)
(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2〜20の2価の有機残基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
インク組成物が当該ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含有することにより、インクの硬化性を優れたものとすることができ、さらにインクを低粘度化することもできる。さらに言えば、ビニルエーテル基を有する化合物及び(メタ)アクリル基を有する化合物を別々に使用するよりも、ビニルエーテル基及び(メタ)アクリル基を一分子中に共に有する化合物を使用する方が、インクの硬化性を良好にする上で好ましい。
上記の一般式(I)において、Rで表される炭素数2〜20の2価の有機残基としては、炭素数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキレン基、構造中にエーテル結合及び/又はエステル結合による酸素原子を有する置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されていてもよい2価の芳香族基が好適である。これらの中でも、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、及びブチレン基などの炭素数2〜6のアルキレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2〜9のアルキレン基が好適に用いられる。
上記の一般式(I)において、Rで表される炭素数1〜11の1価の有機残基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキル基、炭素数6〜11の置換されていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、メチル基又はエチル基である炭素数1〜2のアルキル基、フェニル基及びベンジル基などの炭素数6〜8の芳香族基が好適に用いられる。
上記の各有機残基が置換されていてもよい基である場合、その置換基は、炭素原子を含む基及び炭素原子を含まない基に分けられる。まず、上記置換基が炭素原子を含む基である場合、当該炭素原子は有機残基の炭素数にカウントされる。炭素原子を含む基として、以下に限定されないが、例えばカルボキシル基、アルコキシ基が挙げられる。次に、炭素原子を含まない基として、以下に限定されないが、例えば水酸基、ハロ基が挙げられる。
上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、以下に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、及び(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテルが挙げられる。
これらの中でも、インクをより低粘度化でき、引火点が高く、かつ、インクの硬化性に優れるため、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、即ち、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル及びメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルのうち少なくともいずれかが好ましく、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルがより好ましい。特にアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル及びメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルは、何れも単純な構造であって分子量が小さいため、インクを顕著に低粘度化することができる。(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及び(メタ)アクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられ、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及びアクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられる。なお、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの方が、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルに比べて硬化性の面で優れている。
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、10〜30質量%である。含有量が10質量%以上であると、インクを低粘度化でき、かつ、インクの硬化性を優れたものとすることができる。一方で、含有量が30質量%以下であると、インクの保存安定性を優れたものとすることができる。また、上記含有量は、インクをより低粘度化でき、かつ、インクの硬化性及び保存安定性を一層優れたものとすることができるため、15〜25質量%であることがより好ましい。
上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法としては、以下に限定されないが、(メタ)アクリル酸と水酸基含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法B)、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と水酸基含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法C)、(メタ)アクリル酸無水物と水酸基含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法D)、(メタ)アクリル酸エステルと水酸基含有ビニルエーテルとをエステル交換する方法(製法E)、(メタ)アクリル酸とハロゲン含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法F)、(メタ)アクリル酸アルカリ(土類)金属塩とハロゲン含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法G)、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとカルボン酸ビニルとをビニル交換する方法(製法H)、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとアルキルビニルエーテルとをエーテル交換する方法(製法I)が挙げられる。
これらの中でも、本実施形態に所望の効果を一層発揮することができるため、製法Eが好ましい。
(5官能以上の(メタ)アクリレート)
本実施形態において必須の重合性化合物である5官能以上の(メタ)アクリレートは、1分子当たり5つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。本実施形態のインク組成物が、上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類とともに5官能以上の(メタ)アクリレートを含むことにより、インクの硬化性(特に厚膜硬化性)に優れ、かつ、硬化シワの発生を防止することができる。
また、硬化性に一層優れるため、5官能以上の(メタ)アクリレートはその分子中に水酸基を有することが好ましい。
5官能の(メタ)アクリレートとして、以下に限定されないが、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、並びにこれらのエチレンオキサイド(EO)付加物及びプロピレンオキサイド(PO)付加物のうち少なくともいずれかが挙げられる。
6官能の(メタ)アクリレートとして、以下に限定されないが、例えば、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、並びにこれらのEO付加物及びPO付加物のうち少なくともいずれかが挙げられる。
7官能以上の(メタ)アクリレートとして、以下に限定されないが、例えば、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカ(メタ)アクリレート、並びにこれらのEO付加物及びPO付加物のうち少なくともいずれかが挙げられる。
中でも5官能以上の(メタ)アクリレートとしては、6官能の(メタ)アクリレート、即ち1分子当たり6つの(メタ)アクリロイル基を有するヘキサ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。この場合、インクがより低粘度化するとともに、硬化シワの発生を一層効果的に防止できる。
さらに、5官能以上の(メタ)アクリレートは、ジペンタエリスリトール骨格を有するモノマー及びオリゴマーのうち少なくともいずれかであることが好ましく、ジペンタエリスリトール骨格を有するモノマーであることがより好ましい。この場合、インクがより低粘度化するとともに、硬化シワの発生を一層効果的に防止できる。
5官能以上の(メタ)アクリレートは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
5官能以上の(メタ)アクリレートの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、好ましくは1〜15質量%である。当該含有量が1質量%以上であると、インクの硬化性(特に厚膜硬化性)に優れ、かつ、硬化シワの発生を防止することができる。また、当該含有量が15質量%以下であると、インクの保存安定性に優れる。さらに、インクの硬化性及び保存安定性に一層優れ、かつ、硬化シワの発生を一層効果的に防止するため、5官能以上の(メタ)アクリレートの含有量は、5〜15質量%であることが好ましい。中でも、硬化シワの発生防止にさらに優れるため、6官能の(メタ)アクリレートの含有量を、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、1〜15質量%とすることが好ましく、5〜15質量%とすることがより好ましい。
(上記以外の重合性化合物)
上記以外の重合性化合物(以下、「その他の重合性化合物」という。)としては、従来公知の、単官能、2官能、及び3官能以上の多官能といった種々のモノマー及びオリゴマーが使用可能である。上記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。また、上記オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、他の単官能モノマーや多官能モノマーとして、N−ビニル化合物を含んでいてもよい。N−ビニル化合物としては、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、及びアクリロイルモルホリン、並びにそれらの誘導体などが挙げられる。
その他の重合性化合物のうち、上述の5官能以上の(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレート、即ち4官能以下の(メタ)アクリレートについて、以下に具体例を挙げる。
単官能の(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されないが、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
2官能の(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されないが、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
3官能の(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されないが、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
4官能の(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されないが、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、その他の重合性化合物のうち単官能の(メタ)アクリレートは、芳香環骨格、飽和脂環骨格、及び不飽和脂環骨格からなる群より選択される1種以上の骨格を有してもよい。その他の重合性化合物が、上記骨格を有する単官能の(メタ)アクリレートであることにより、インク組成物の粘度を低下させることができる。
芳香環骨格を有する単官能の(メタ)アクリレートとして、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、飽和脂環骨格を有する単官能の(メタ)アクリレートとして、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、不飽和脂環骨格を有する単官能の(メタ)アクリレートとして、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
その他の重合性化合物の中でも、インクの粘度が一層低くなり、かつ、光重合開始剤の溶解性が良好となるため、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートのうち少なくともいずれかが好ましい。
上記その他の重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類及び5官能以上の(メタ)アクリレートを除くその他の重合性化合物の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して50〜80質量%であるとよい。
〔光重合開始剤〕
本実施形態のインク組成物に含まれる光重合開始剤は、紫外線の照射による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて印字を形成するために用いられる。照射光として紫外線(UV)を用いることにより、安全性に優れ、且つ光源ランプのコストを抑えることができる。光(紫外線)のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、上記重合性化合物の重合を開始させるものであれば、制限はないが、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を使用することができ、中でも光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
上記の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
これらの中でも、特にインクの硬化性を良好にすることができるため、アシルフォスフィンオキサイド化合物が好ましく、アシルフォスフィンオキサイド化合物及びチオキサントン化合物の併用がより好ましい。
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが挙げられる。
これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、及び2,4−ジエチルチオキサントンが好適に用いられる。
光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR 1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)、IRGACURE 127(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン}、IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE 369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)、IRGACURE 379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、BASF社製商品名)、KAYACURE DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製商品名)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製商品名)、及びユベクリルP36(UCB社製商品名)などが挙げられる。
上記光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤は、インクの硬化性を良好にし、かつ、光重合開始剤の溶け残りや光重合開始剤に由来する着色を避けるため、その含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して1〜20質量%であることが好ましい。特に、光重合開始剤がアシルフォスフィンオキサイド化合物を含有する場合、光が照射されると同時に開始剤が開裂することで、消色し、内部まで光が届きやすくなったり、LEDのような発光波長域が狭い光源を用いた場合でも硬化性が得られたりするため、当該アシルフォスフィンオキサイド化合物の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、7〜15質量%であることが好ましく、8〜10質量%であることがより好ましい。
〔色材〕
本実施形態のインク組成物は、色材をさらに含んでもよい。色材は、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。
(顔料)
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
更に詳しくは、ブラックインクとして使用されるカーボンブラックとしては、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製商品名)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上、キャボット社(Cabot JAPAN K.K.)製商品名)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4等(以上、デグッサ(Degussa)社製商品名)が挙げられる。
ホワイトインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、及びC.I.ピグメント ヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、及びC.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン及びイエロー以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメント グリーン 7、10、及びC.I.ピグメント ブラウン 3、5、25、26、及びC.I.ピグメント オレンジ 1、2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63が挙げられる。
上記顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の顔料を使用する場合、その平均粒子径は300nm以下が好ましく、50〜200nmがより好ましい。平均粒子径が上記の範囲内にあると、インク組成物における吐出安定性や分散安定性などの信頼性に一層優れるとともに、優れた画質の画像を形成することができる。ここで、本明細書における平均粒子径は、動的光散乱法により測定される。
(染料)
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35が挙げられる。
上記染料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
色材の含有量は優れた隠蔽性及び色再現性が得られるため、インク組成物の総質量(100質量%)に対して0.5〜10質量%が好ましい。
〔分散剤〕
本実施形態のインク組成物が顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。高分子分散剤の市販品として、第一工業製薬社(Dai―ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.)製のディスコールシリーズ、ルーブリゾール社(Lubrizol Corporation)製のソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYKChemie社製のディスパービックシリーズが挙げられる。
〔その他の添加剤〕
本実施形態のインク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、スリップ剤(界面活性剤)、重合禁止剤、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、及び増粘剤が挙げられる。
[光硬化型インク組成物の特性]
本実施形態のインク組成物は、照射を行う硬化工程(後述)において用いられるものである。また、上記インク組成物は、好ましくは350〜420nmの範囲に発光ピーク波長を有する紫外線が照射されることにより硬化するものである。本実施形態のインク組成物が上記範囲内の発光ピーク波長で硬化可能であると、当該インク組成物の組成に起因して低エネルギー且つ高速での硬化が可能となる。特に、低エネルギーで硬化可能であることは、環境面などから近年注目されている発光ダイオード(LED)を光源、即ち紫外線の照射源として使用できることにつながるため、好ましいと言える。さらに、LEDを光源として用いた場合、硬化シワが生じやすい傾向にあるが、本実施形態のインク組成物はこの硬化シワの発生を防止する点で優れている。したがって、本実施形態のインク組成物は、LEDから紫外線が照射されても硬化可能であり、硬化性に優れ、特に、硬化シワの発生防止の点で優れたインク組成物である。また、LEDを用いた硬化工程に適用する場合でも、上述のような良好な記録を行うことのできるインク組成物である。換言すれば、本実施形態の光硬化型インク組成物は、LEDで照射を行う硬化工程に用いられる光硬化型インク組成物である。なお、LEDで照射を行う硬化工程に用いられる光硬化型インク組成物とは、LEDで照射を行う記録装置用として販売された光硬化型インク組成物を意味する。さらに、後述する記録方法において、本実施形態の光硬化型インク組成物をLEDで照射を行う硬化工程において硬化させることができる。
また、300mJ/cm以下の紫外線の照射エネルギーで硬化するインク組成物が好ましく、200mJ/cm以下の紫外線の照射エネルギーで硬化するインク組成物がより好ましい。このようなインク組成物を用いることにより、低コストで画像を形成することができる。なお、照射エネルギーは、照射時間に照射強度を乗じて算出される。
このように、本実施形態によれば、薄膜及び厚膜何れの硬化性にも優れ、保存安定性に優れ、かつ、硬化シワの発生を防止可能であり、さらには低粘度であって耐材料性にも優れた光硬化型インク組成物を提供することができる。特に、当該光硬化型インク組成物は、記録装置がシリアルプリンター及びラインプリンターの何れであっても、光源が発光ダイオード(LED)及びメタルハライドランプの何れであっても、好適に使用可能である。
[被記録媒体]
本実施形態の光硬化型インク組成物は、後述する記録方法によって、被記録媒体上に吐出されること等により、記録物が得られる。この被記録媒体として、例えば、吸収性又は非吸収性の被記録媒体が挙げられる。本実施形態の記録方法は、インク組成物の浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、インク組成物の浸透が容易な吸収性被記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。ただし、当該インク組成物を吸収性の被記録媒体に適用した場合は、被記録媒体に吸収されたインク組成物が硬化し難いことがあることから、非吸収性の被記録媒体に適用することが好ましい。
吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、水性インクの浸透性が高い電子写真用紙などの普通紙、インクジェット用紙(シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えたインクジェット専用紙)から、水性インクの浸透性が比較的低い一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙等が挙げられる。
非吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック類のフィルムやプレート、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート、又はそれら各種金属を蒸着により製造した金属プレートやプラスチック製のフィルム、ステンレスや真鋳等の合金のプレート等が挙げられる。
[記録方法]
本発明の一実施形態は記録方法に係る。上記実施形態の光硬化型インク組成物は、記録方法において好適に用いることができる。記録方法は、上記インク組成物を被記録媒体上に吐出する吐出工程と、上記吐出工程により吐出されたインク組成物に紫外線を照射して、上記インク組成物を硬化する硬化工程と、を含む。このようにして、被記録媒体上で硬化したインク組成物により、塗膜(硬化膜)が形成される。
〔使用プリンター〕
本実施形態の記録方法はインクジェット方式に適している。このようなインクジェット記録方法に使用可能なインクジェット記録装置として、記録領域に相当する範囲で被記録媒体を搬送しつつ印刷を行う、従来公知のシリアルプリンター及びラインプリンターが挙げられる。
上記実施形態の光硬化型インク組成物は、記録装置がシリアルプリンター及びラインプリンターの何れであっても好適に使用可能であることを特徴とする。以下、各プリンターについて詳細に説明する。
シリアルプリンターは、プリントヘッド(以下、単に「ヘッド」と言う。)を、被記録媒体の副走査方向と交差する方向に移動しながらインクの吐出を行うパス(主走査)と、被記録媒体の副走査と、を交互に繰り返して印刷を行うプリンターである。副走査はヘッドと被記録媒体との相対的な位置を変化させるために、被記録媒体又はヘッドを移動させる走査である。
一方で、ラインプリンターは、被記録媒体の幅に相当する長さのヘッド(ラインヘッド)が、移動せず固定された状態で印刷を行うプリンターである。当該ラインプリンターは、被記録媒体を所定方向に搬送する搬送手段と、上記被記録媒体に、上記実施形態の光硬化型インク組成物のドットを形成するドット形成部(ノズル)が上記所定方向と交差する幅方向に配列されたヘッドと、を備えるものであることが好ましい。当該ヘッドは、上記所定方向に沿って前後して色毎のヘッド(以下、「単位ヘッド」とも言う。)を備えるものであることがより好ましく、上記色毎に備えられた単位ヘッドの組を上記幅方向に複数配列されてなることがさらに好ましい。
また、上記のラインプリンターは、被記録媒体の搬送に応じてドット形成部(特に各色に対応するドット形成部)を個々に駆動し、ドット(特に互いに異なる色のドット)を隣接して形成した後、光源から紫外線を照射することによって上記被記録媒体上に画像を形成する制御手段をさらに備えたものであることが好ましい。なお、1つの単位ヘッドが幅方向に記録幅分の長さを備えている単位ヘッドとし、任意の一色のインクに対応する単位ヘッドを1つのみ配列するプリントヘッドとしてもよい。
上記ラインプリンターに用いる上記実施形態のインクは、色の種類数として、2色以上備えていることが好ましく、4色以上備えることがより好ましい。これにより、互いに異なる色の画像の記録が可能である。ここで、着色すべき色を有さないクリアインクを1色として含んでもよい。ラインプリンターを用いて記録を行う場合、シリアルプリンターと比較して1パスで被記録媒体に付着させるインクの量が多くなる傾向があり、2色以上備えたラインプリンターの場合さらに多くなる傾向がある。だが、このような場合であっても、上記実施形態のインクを用いることによって、良好な記録物を得ることができる。
図1は、ラインプリンターの一例を示す概略的な断面図である。このラインプリンターは、上流側搬送ローラー23A及び下流側搬送ローラー23Bによってベルト24を回転して、被記録媒体Sを搬送方向に搬送するものである。単位ヘッドK(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、CL1、CL2a、及びCL2b(以上、クリア)にそれぞれ配列されたドット形成部により、インク組成物のドットを被記録媒体に形成し、照射部42及び44により照射を行う。このようなラインプリンターは、例えば特開2011−184610号に記載された図2のように構成することができる。
シリアルプリンターは、被記録媒体への1パス当たりのインク吐出量が比較的少ない。そのため、薄膜の画像を印刷する場合は酸素阻害を受け易くなる一方で、厚膜の画像を印刷する場合は徐々に膜厚が増大することから、膜内部も十分硬化することができる。したがって、シリアルプリンターは、特に厚膜印刷に好適であって、厚膜硬化性に優れるとともに硬化シワの発生を効果的に防止できる。
一方で、ラインプリンターは通常シングルパス方式で印刷を行うものであるため、シリアルプリンターと比較し1パスあたりの光源の照度を大きく設計し高速印刷を可能としている。また、記録のために被記録媒体へ付着させるインクを1パスで付着させる。そのため、1パスにて照射し硬化させるインク量がシリアルプリンターと比較して多く、薄膜の画像を印刷する場合は酸素阻害を受けにくい一方で、厚膜の画像を印刷する場合は、硬化シワが発生しやすい。したがって、ラインプリンターは、特に薄膜印刷に好適であって薄膜硬化性に優れる。
ここで、上記実施形態の光硬化型インク組成物は上述のとおり、そのインク組成、特に所定量の5官能以上の(メタ)アクリレートを含むことに起因して、硬化性に優れ、且つ硬化シワを効果的に防止することができる。つまり、当該光硬化型インク組成物は、ラインプリンターの問題点を解決することができる。そのため、印刷時の酸素阻害を受けにくく、かつ、高速印刷が可能であることも考慮すれば、上記記録方法に用いる記録装置としてはラインプリンターが好ましい。
なお、シリアルプリンター又はラインプリンターであるインクジェット記録装置が備えるインクジェットヘッドとしては、ヘッドの内部や表面などのインク組成物と接触する部分の少なくとも一部にエポキシ接着剤を用いたヘッドとすることができる。エポキシ接着剤を用いたヘッドとすることで、特にヘッドに温度変化があった場合でもヘッドの部品同士の強固な接着力が維持できる。ここで、「インク組成物と接触する」とは、インク組成物と直接接触するか、あるいは、インク組成物の成分が浸透することにより間接的に接触することを含む。このとき、上記実施形態のインク組成物は、エポキシ接着剤の膨潤を防止することができるため、耐材料性に優れている。このように、エポキシ接着剤を用いた上記ヘッドから、上記実施形態の光硬化型インク組成物を好適に吐出することができる。
エポキシ系接着剤としては、以下に限定されないが、例えば、エポキシ基を有する化合物を含む主剤を硬化剤により硬化させる、従来公知の接着剤が挙げられる。上記の主剤に含まれるエポキシ基を有する化合物としては、以下に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型及びビスフェノールF型などのビスフェノール型エポキシ、フェノールノボラック型及びクレゾールノボラック型などのノボラック型エポキシ、エポキシポリオール型エポキシ、ウレタン変性エポキシ、キレート変性エポキシ、並びにゴム変性エポキシが挙げられる。上記の硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、アミン及びポリアミン等のアミン類、酸無水物、アミド及びポリアミド等のアミド類、イミダゾール類、並びにポリメルカプタンが挙げられる。上記の中でも、接着力に優れるため、主剤としてビスフェノール型エポキシ及び硬化剤としてアミン類の組み合わせが好ましい。主剤と硬化剤との混合比(主剤:硬化剤)は、接着剤の硬化性に優れるため、質量換算で10:1〜1:10が好ましい。また、上記の光源については後述する。
〔吐出工程〕
上記吐出工程においては、上述したような従来公知のインクジェット記録装置を用いることができる。上記実施形態のインク組成物を吐出する際、吐出安定性を良好なものとするため、インク組成物の20℃での粘度を35mPa・s以下とするのが好ましく、25mPa・s以下とするのがより好ましい。
上記実施形態の光硬化型インク組成物は、通常のインクジェット用インクで使用される水性インク組成物よりも粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。このようなインクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こし得る。したがって、吐出時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが好ましい。
〔硬化工程〕
次に、上記硬化工程においては、被記録媒体上に吐出されたインク組成物が、光源から紫外線(光)を照射されることによって硬化する。これは、インク組成物に含まれる光重合開始剤が紫外線の照射により分解して、ラジカル、酸、及び塩基などの開始種を発生し、光重合性化合物の重合反応が、その開始種の機能によって促進されるためである。あるいは、紫外線の照射によって、光重合性化合物の重合反応が開始するためである。このとき、インク組成物において光重合開始剤と共に増感色素が存在すると、系中の増感色素が紫外線を吸収して励起状態となり、光重合開始剤と接触することによって光重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
光源(紫外線源)としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、光硬化型インク組成物の硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。これらは、発光波長領域が広いため、インク塗膜の表面から内部まで同時に硬化することができる。
その一方で、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)等のLED(発光ダイオード)は小型、高寿命、高効率、及び低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
上記実施形態の光硬化型インク組成物は、光源がLED及びメタルハライドランプの何れであっても好適に使用可能であることを特徴とする。なお、上記で光源として挙げたものの中では、UV−LEDが好ましい。
ここで、発光ピーク波長が、好ましくは350〜420nmの範囲、より好ましくは365〜405nmの範囲にある紫外線を、好ましくは300mJ/cm以下、より好ましくは200mJ/cm以下の照射エネルギーで照射することにより、硬化可能であるような光硬化型インク組成物を用いることが好ましい。この場合、上記実施形態のインク組成物の組成に起因して低エネルギー且つ高速での硬化が可能となる。照射エネルギーは、照射時間に照射強度を乗じて算出される。上記実施形態のインク組成物の組成によって照射時間を短縮することができ、その場合、印刷速度が増大する。他方、上記実施形態のインク組成物の組成によって照射強度を減少させることもでき、その場合、装置の小型化やコストの低下が実現する。その際の紫外線照射には、UV−LEDを用いることが好ましい。このようなインク組成物は、上記波長範囲の紫外線照射により重合を開始する重合性化合物、及び上記波長範囲の紫外線照射により分解する光重合開始剤を含むことにより得られる。
このように、本実施形態によれば、厚膜硬化性、薄膜硬化性、及び保存安定性に優れ、かつ、厚膜時の硬化シワの発生を防止可能な光硬化型インク組成物を用いた、記録方法を提供することができる。加えて、当該記録方法は、上記光硬化型インク組成物の組成に起因して、記録装置を構成するエポキシ接着剤などの各種部材への耐材料性、及び吐出安定性にも優れたものとなる。さらに、当該記録方法は、上記光硬化型インク組成物の組成に起因して、記録装置としてシリアルプリンター及びラインプリンター、光源としてLED及びメタルハライドランプの何れも使用することができるため、用途が幅広いという特徴を有する。
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[使用成分]
下記の実施例及び比較例において使用した成分は、以下の通りである。
〔ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類〕
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA〔商品名〕、日本触媒(Nippon Shokubai Co.,Ltd.)社製、以下ではVEEAと略記した。)
なお、以下の表中では、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を「アクリル・ビニル含有モノマ」と略記した。
〔5官能以上の(メタ)アクリレート〕
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA〔商品名〕、ダイセルサイテック社(DAICEL-CYTEC Company LTD.)製、以下ではDPHAと略記した。)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(Kayarad DPCA−60〔商品名〕、日本化薬社(Nipponkayaku Co.,Ltd.)製、以下ではDPCA−60と略記した。)
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(SR399〔商品名〕、SARTOMER社製、以下ではSR399と略記した。)
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA−K〔商品名〕、ダイセルサイテック社製、以下ではPETA−Kと略記した。)
〔上記以外の重合性化合物〕
・イソボルニルアクリレート(IBXA〔商品名〕、大阪有機化学社製、以下ではIBXAと略記した。)
〔光重合開始剤〕
・IRGACURE 819(BASF社製商品名、固形分100%、以下では819と略記した。)
・DAROCURE TPO(BASF社製商品名、固形分100%、以下ではTPOと略記した。)
・KAYACURE DETX−S(日本化薬社製商品名、固形分100%、以下ではDETX−Sと略記した。)
〔顔料〕
・ミツビシカーボンMA11(三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製商品名、C.I.ピグメント ブラック7、以下ではブラック7と略記した。)
〔分散剤〕
・Solsperse 36000(LUBRIZOL社製商品名、以下ではSol36000と略記した。)
[実施例1〜7、比較例1〜10、参考例1〜4]
下記表1〜表3に記載の成分を、表1〜表3に記載の組成(単位:質量%)となるように添加し、これを高速水冷式撹拌機で撹拌することにより、シアン色の光硬化型インク組成物を得た。
なお、参考例1及び3のインク組成は実施例6のものと同じであり、参考例2及び4のインク組成は比較例4のものと同じである。また、下記表中、「単官能」は、重合性化合物である単官能の(メタ)アクリレートの略称であり、「4官能」、「5官能」、及び「6官能」についても同様である。
Figure 2013142130
Figure 2013142130
Figure 2013142130
[評価項目]
〔1.粘度〕
上記で調製した各実施例及び各比較例のインク組成物の粘度を、E型粘度計(東機産業社(TOKI SANGYO CO.,LTD.)製)を用いて、温度20℃、回転数10rpmの条件下で測定した。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表4及び表5に示す。
A:25mPa・s以下、
B:25mPa・s超35mPa・s以下、
C:35mPa・s超。
〔2.保存安定性〕
上記「1.粘度」において粘度測定した各実施例及び各比較例のインク組成物を50mL容のガラス瓶に入れ、密栓した後に60℃の恒温槽内に投入して1週間保存した。その後、室温まで温度を下げた各インク組成物について、上記「1.粘度」と同様の方法で粘度測定した。そして、保存前後の増粘率(保存前のインク組成物の粘度に対する保存後のインク組成物の粘度の割合)により、保存安定性を評価した。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表4及び表5に示す。
A:5%未満、
B:5%以上。
〔3.厚膜硬化性〕
(1)各実施例及び各比較例
図1のラインプリンターの単位ヘッドKに、上記で調製した各インク組成物をそれぞれ1個ずつ充填した。ヘッドのノズル密度は720dpiとした。常温、常圧下で、PETフィルム PET50(K2411)PA−T1 8LK〔商品名〕、リンテック社(Lintec Corporation)製)上に、記録解像度720dpi×720dpi、液滴重量7ng、及び1パス(シングルパス)の条件で、膜厚10μmのベタパターン画像を印刷した。ここで、「ベタパターン画像」とは、記録解像度で規定される最小記録単位領域である画素の全ての画素に対してドットを記録した画像を意味する。
上記の印刷と共に、被記録媒体の搬送方向下流側に設置した紫外線照射装置、即ち照射部44内のUV−LEDから、照射強度が1,000mW/cmであり、且つピーク波長が395nmである紫外線を所定時間照射してベタパターン画像を硬化させた。なお、指触試験により画像(塗膜表面)のタック感がなくなった時点で硬化したものと判断した。他の単位ヘッド及び照射部は使用しなかった。
評価は、硬化の際に要した紫外線の照射エネルギーを算出することにより行った。照射エネルギー[mJ/cm]は、光源から照射される被照射表面における照射強度[mW/cm]を測定し、これと照射継続時間[s]との積から求めた。照射強度の測定は、紫外線強度計UM−10、受光部UM−400(いずれもコニカミノルタセンシング社(KONICA MINOLTA SENSING,INC.)製)を用いて行った。
評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表4及び表5に示す。
A:200mJ/cm以下の照射エネルギーで硬化した。
B:200mJ/cmを超えて300mJ/cm以下の照射エネルギーで硬化した。
C:300mJ/cmの照射エネルギーで硬化しなかった。
(2)参考例1及び2
シリアルプリンターである特開2010−167677号の図2に記載のインクジェットプリンターを用いて、上記で調製した各インク組成物をそれぞれノズル列に充填した。ヘッドのノズル密度は360dpiとした。常温、常圧下で、PETフィルム PET50(K2411)PA−T1 8LK〔商品名〕、リンテック社(Lintec Corporation)製)上に、記録解像度720dpi×720dpi(ただし1パスあたりのドット形成は360dpi×360dpi)、液滴重量7ng、及び4パス(2×2)の条件で、膜厚10μmのベタパターン画像を印刷した。プリンターのキャリッジには上記ラインプリンターに搭載した光源と同じものを、ヘッドと同じ長さ分、設けた。1回のパス当たりの照射エネルギーを40mJ/cmとして4パス印刷の後、さらに照射を行い合計の照射エネルギーにより評価した。
上記の印刷と共に、上記(1)と同様にしてベタパターン画像を硬化させた。なお、指触試験により画像(塗膜表面)のタック感がなくなった時点で硬化したものと判断した。
評価は、上記(1)と同様に行った。評価基準も上記(1)と同様である。評価結果を下記表4及び表5に示す。
(3)参考例3及び4
光源を下記に記載のものに変えたこと以外は上記実施例で用いたラインプリンターと同じプリンターを用いて、上記で調製した各インク組成物をそれぞれノズル列に充填した。常温、常圧下で、PETフィルム PET50(K2411)PA−T1 8LK〔商品名〕、リンテック社(Lintec Corporation)製)上に、記録解像度720dpi×720dpi、液滴重量7ng、及び1パス(シングルパス)の条件で、膜厚10μmのベタパターン画像を印刷した。
上記の印刷と共に、ヘッドの被記録媒体搬送方向下流に搭載した紫外線照射装置内のメタルハライドランプから、照射強度を900mW/cmとし、紫外線を所定時間照射してベタパターン画像を硬化させた。なお、指触試験により画像(塗膜表面)のタック感がなくなった時点で硬化したものと判断した。
評価は、上記(1)と同様に行った。評価基準も上記(1)と同様である。評価結果を下記表4及び表5に示す。
〔4.薄膜硬化性〕
(1)各実施例及び各比較例
ベタパターン画像の膜を2μmとした点以外は、「3.厚膜硬化性」の(1)と同様にして評価した。評価基準も当該(1)と同様である。評価結果を下記表4及び表5に示す。
(2)参考例1及び2
ベタパターン画像の膜を2μmとした点以外は、「3.厚膜硬化性」の(2)と同様にして評価した。評価基準も当該(2)と同様である。評価結果を下記表4及び表5に示す。
(3)参考例3及び4
ベタパターン画像の膜を2μmとした点以外は、「3.厚膜硬化性」の(3)と同様にして評価した。評価基準も当該(3)と同様である。評価結果を下記表4及び表5に示す。
〔5.硬化シワ〕
(1)各実施例及び各比較例
上記「3.厚膜硬化性」の(1)と同様の方法及び条件により、画像(塗膜表面)がタックフリーとなる状態まで硬化させた。
ここで、タックフリーといえるか否かは、下記の条件で判断した。即ち、綿棒にインクが付着するか否か、又は被記録媒体上のインク硬化物に擦り傷が付くか否かで判断した。その際、使用した綿棒は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)社製のジョンソン綿棒であった。擦る回数は往復10回とし、擦る強さは100g荷重とした。
評価は目視により行った。評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表4及び表5に示す。
A:シワが全く発生していなかった。
B:シワが硬化膜(硬化させた塗膜)の一部の領域で発生しているのが観察された。
C:シワが硬化膜全体に発生しているのが観察された。
(2)参考例1及び2
上記「3.厚膜硬化性」の(2)と同様の方法及び条件により、画像(塗膜表面)がタックフリーとなる状態まで硬化させた。
タックフリーや評価の基準については上記「5.硬化シワ」の(1)と同様である。評価結果を下記表4及び表5に示す。
(3)参考例3及び4
上記「3.厚膜硬化性」の(3)と同様の方法及び条件により、画像(塗膜表面)がタックフリーとなる状態まで硬化させた。
タックフリーや評価の基準については上記「5.硬化シワ」の(1)と同様である。評価結果を下記表4及び表5に示す。
〔6.耐材料性〕
耐材料性は、接着剤の膨潤率を測定・算出することにより評価した。
エポキシ接着剤(シェル(shell)社製のエポキシ樹脂であるEPIKOTE 828及びコグニス(COGNIS)社製の硬化剤であるVERSAMID 125を等量混合したもの)を約0.2g硬化させ接着剤片を作成し重量を測定した。その後、スクリュー管に入れた各実施例及び各比較例のインク組成物中に、上記接着剤片を浸漬して蓋をし、60℃環境に7日放置した。放置後、接着剤片を取り出しインク組成物をよく洗い流した後、重量を測定した。そして、膨潤率は以下の式より算出した。
重量変化率(%)={(投入後重量−投入前重量)/投入前重量}×100
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表4及び表5に示す。
A:50%未満、
B:50%以上。
Figure 2013142130
Figure 2013142130
表4及び表5より、所定量且つ所定構造のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、所定量且つ5官能以上の(メタ)アクリレートと、光重合開始剤と、を含む光硬化型インク組成物(各実施例)は、そうでない光硬化型インク組成物(各比較例)と比較して、膜厚2μmの薄膜及び膜厚10μmの厚膜の何れの硬化性にも優れ、保存安定性に優れ、硬化シワの発生を防止でき、さらには低粘度化、耐材料性、及び硬化シワの発生防止の何れにも優れた、光硬化型インク組成物を提供することができる。
また、上記で示さなかったが、実施例6において、TPO(4質量%)及び819(3質量%)の代わりにDETX−S(総質量として9質量%)とした点以外は実施例6と同様の組成のインク組成物を調製し、上記の各評価を行った。その結果、厚膜硬化性及び硬化シワが何れもCランクとなることが分かった。この結果より、アシルフォスフィン系光重合開始剤は、チオキサントン系など他の光重合開始剤に比べて、硬化性や硬化シワにとって有利な効果をもたらすことが明らかとなった。
さらに、各実施例の光硬化型インク組成物は、記録装置がシリアルプリンター及びラインプリンターの何れであっても、光源がUV−LED及びメタルハライドランプの何れであっても、実用上使用できることが分かった。中でも、記録装置がラインプリンターであって光源がUV−LEDである場合が、種々の観点から最も好ましいことも明らかとなった。
シリアルプリンターを用いて記録を行った場合(使用光源はUV−LED)、比較例4のインク組成物でも硬化シワの発生は良好に防止できたが、シリアルプリンターでの印刷に起因して印刷に比較的長時間を要した。また、薄膜硬化性に劣ることが分かった。
一方で、硬化用の光源としてメタルハライドランプを使用した場合(使用プリンターはラインプリンター)、硬化シワの発生を防止でき、且つ硬化性が良好であったが、光源からの発熱を受けたため記録後の被記録媒体(記録物)が変形してしまうことが分かった。さらに、光源が大きく記録装置が大型化してしまうものであった。また、消費電力が大きくなることも分かった。
23A…上流側搬送ローラー、23B…下流側搬送ローラー、24…ベルト、42,44…照射部、S…被記録媒体、K,C,M,Y,CL1,CL2a,CL2b…単位ヘッド。

Claims (9)

  1. 重合性化合物と光重合開始剤とを含む、光硬化型インク組成物であって、
    前記重合性化合物は、該インク組成物の総質量に対して10〜30質量%の、下記一般式(I):
    CH=CR−COOR−O−CH=CH−R ・・・(I)
    (式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2〜20の2価の有機残基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
    で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、
    該インク組成物の総質量に対して1〜15質量%の、5官能以上の(メタ)アクリレートと、を含有する、光硬化型インク組成物。
  2. 前記5官能以上の(メタ)アクリレートは、6官能以上の(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の光硬化型インク組成物。
  3. 前記5官能以上の(メタ)アクリレートは、ジペンタエリスリトール骨格を有するモノマーである、請求項1又は2に記載の光硬化型インク組成物。
  4. 前記5官能以上の(メタ)アクリレートの含有量が、該インク組成物の総質量に対して5〜15質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化型インク組成物。
  5. 前記光重合開始剤は、該インク組成物の総質量に対して7〜15質量%のアシルフォスフィンオキサイド化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光硬化型インク組成物。
  6. 発光ダイオードで照射を行う硬化工程に用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光硬化型インク組成物。
  7. 被記録媒体を所定方向に搬送する搬送手段と、
    前記被記録媒体に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化型インク組成物のドットを形成するドット形成部が前記所定方向と交差する幅方向に配列されたプリントヘッドと、
    前記被記録媒体の搬送に応じてドット形成部を個々に駆動し、ドットを隣接して形成した後、光源から紫外線を照射することによって前記被記録媒体上に画像を形成する制御手段と、
    を備えたラインプリンターを用いて、前記光硬化型インク組成物を被記録媒体上に記録する、記録方法。
  8. エポキシ接着剤を用いたプリントヘッドから、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化型インク組成物を吐出する、記録方法。
  9. 前記プリントヘッドは、ドット形成部が前記幅方向に配列された単位ヘッドを、前記所定方向に沿って前後してインク組成物の色毎に複数備え、
    前記被記録媒体の搬送に応じて色毎に備えられた各単位ヘッドの各ドット形成部を個々に駆動し、互いに異なる色のドットを隣接して形成した後、前記光源から紫外線を照射することによって前記被記録媒体上に画像を形成する、請求項7に記載の記録方法。
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