JP2022074990A - 耐ヒートシール性の光硬化型インクジェットインク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プレススルーパックシートの蓋材などへの印刷に適した耐ヒートシール性の光硬化型インクジェットインク組成物を提供する。【解決手段】本発明の光硬化型インクジェット組成物は、耐ヒートシール性の硬化膜を形成させるための光硬化型インクジェットインク組成物であって、(A)単官能モノマー及び(B)2官能モノマーを重合性化合物として含むとともに、(C)光重合開始剤を含み、前記(A)単官能モノマーとして、(A-1)脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートモノマー、及び/又は、(A-2)複素環構造を有する(メタ)アクリレートモノマーを、インク組成物全量に対し、45~80質量%の割合で含み、前記(B)2官能モノマーを、インク組成物全量に対し、1~10質量%の割合で含む。【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化型インクジェットインク組成物に関し、特に、製造過程においてヒートシールに供されるプレススルーパックシートの蓋材などへの印刷に適した耐ヒートシール性の光硬化型インクジェットインク組成物に関する。
錠剤の包装形態として、PTP(プレススルーパック)シートが知られている。
PTPシートは、錠剤が収納される凹部が設けられたプラスチック製の収納シートと、金属箔(アルミニウム箔など)からなる蓋材とを組み合わせたもので、両者はヒートシールにより一体化されている。収納シートの凹部を押し込むことで、蓋材が破れ、錠剤を簡単に取り出すことができる。
PTPシートの蓋材には、錠剤の取り違えの防止などの観点から、様々な情報が印刷される。
その印刷方法の一つとして、光硬化型インクジェットインクが用いられている(例えば、特許文献1など参照。)。
しかし、従来の光硬化型インクジェットインクを用いて蓋材に印刷を行った後に、ヒートシールを行うという工程順序の場合、ヒートシール前には十分な密着性を有していたとしても、その印字した箇所に、ヒートシールを行うと、硬化膜が割れてしまったり、爪擦りなどで簡単に剥離したりしてしまうほど、接着性が低下してしまう問題があった。
特開2007-091904号公報
そこで、本発明は、プレススルーパックシートの蓋材などへの印刷に適した耐ヒートシール性の光硬化型インクジェットインク組成物を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を備える。
すなわち、本発明にかかる光硬化型インクジェットインク組成物は、耐ヒートシール性の硬化膜を形成させるための光硬化型インクジェットインク組成物であって、(A)単官能モノマー及び(B)2官能モノマーを重合性化合物として含むとともに、(C)光重合開始剤を含み、前記(A)単官能モノマーとして、(A-1)脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートモノマー、及び/又は、(A-2)複素環構造を有する(メタ)アクリレートモノマーを、インク組成物全量に対し、45~80質量%の割合で含み、前記(B)2官能モノマーを、インク組成物全量に対し、1~10質量%の割合で含む。
なお、以下において、本発明に関し、単に「インク組成物」というときは、「光硬化型インクジェットインク組成物」を指す。
本発明のインク組成物は、耐ヒートシール性を有しており、具体的には、その印字した箇所に、ヒートシールが施されても、硬化膜の割れや剥離を抑制され、十分な密着性を維持することができる。そのため、特にPTPシートの蓋材への印刷に適している。
以下、本発明にかかるインク組成物の好ましい実施形態について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔A:単官能モノマー〕
本発明のインク組成物は、重合性化合物として、(A)単官能モノマーを含む。
(A)単官能モノマーは、ビニル基や(メタ)アクリロイル基などのラジカル重合性の不飽和基を1つ有するモノマーである。
本発明のインク組成物は、この(A)単官能モノマーとして、(A-1)脂環式炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー、及び/又は、(A-2)複素環構造を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーを含む。
また、(A-3)水酸基を含有する(メタ)アクリレートモノマー、(A-4)N-ビニル-ε-カプロラクタムを含んでも良い。
さらに、本発明の効果を害しない範囲で、他の単官能モノマーを含んでも良い。
<A-1:脂環式炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー>
(A-1)脂環式炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー(以下、「脂環式単官能(メタ)アクリレート」と称する場合がある)は、分子内に1個以上の脂環式炭化水素基を有する。
脂環式炭化水素基としては、例えばシクロアルカン骨格、ノルボルナン骨格およびアダマンタン骨格等の脂肪族環状構造が挙げられる。
そのような脂環式単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、4-n-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-t-ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の分子内に脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートの1種又は2種以上が好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレート及び/又はジシクロペンテニル(メタ)アクリレートが特に好ましい。イソボルニル(メタ)アクリレート及び/又はジシクロペンテニル(メタ)アクリレートを含有することにより、光重合開始剤や顔料分散剤などの溶解性に優れ、良好な保存安定性を得ることができる。
特に、2種類以上を組み合わせて用いることが好ましく、種々の材質の被記録媒体に対して優れた濡れ性及び密着性を得ることができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを表し、「(メタ)アクリロイルオキシ」、「(メタ)アクリル酸」等の表記も同様の意味を有する。
<A-2:複素環構造を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー>
複素環構造を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーは、分子内に1個以上の複素環構造を有する。
複素環構造とは、酸素、窒素などのヘテロ原子を構成元素として含む環構造のことを指す。
そのような複素環構造を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフリル(メタ)アクリレート、5-エチル-1,3-ジオキサン-5-イルメチル(メタ)アクリレート、(2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、1,3-ジオキサン-2-オン-5-イル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレートの1種又は2種以上が好ましい。
<A-3:水酸基を含有する単官能(メタ)アクリレートモノマー>
後述するように、被記録媒体の材質によっては、水酸基を含有する単官能(メタ)アクリレートモノマーを含むことが好ましい。
水酸基を含有する単官能(メタ)アクリレートモノマーは、分子内に1個以上の水酸基を有する。
そのような水酸基を含有する単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリレートは1種類又は2種類以上を使用できる。
これらの中では、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの1種又は2種以上が好ましい。
<A-4:N-ビニル-ε-カプロラクタム>
後述するように、被記録媒体の材質やインク組成物の物性(粘度等)等によっては、(A)単官能モノマーとして、(A-4)N-ビニル-ε-カプロラクタムを含むことが好ましい。
<その他の単官能モノマー>
本発明のインク組成物は、重合性化合物として、他の単官能モノマーを含有してもよい。
例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールPO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコールプロピレングリコール)(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートや、イソステアリル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ノルマルオクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、2-デシルテトラデカニル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、イソヘプタデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレートなどの飽和鎖式炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーなどが挙げられる。
<B:2官能モノマー>
本発明のインク組成物は、重合性化合物として2官能モノマーを含む。
2官能モノマーは、ビニル基や(メタ)アクリロイル基などのラジカル重合性の不飽和基を2つ有しているモノマーである。
(B)2官能モノマーとしては、例えば、アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル、EO変性1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクタン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
〔C:光重合開始剤〕
本発明のインク組成物は、低エネルギーの照射手段により重合を開始させるために光重合開始剤を含有する。特に、光ラジカル重合型の光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤として、波長450~300nmの光により開始剤機能が発現するものが好ましい。
光重合開始剤の具体例としては、(C-1)アシルホスフィンオキサイド化合物、(C-2)チオキサントン化合物、(C-3)アルキルフェノン化合物が好ましく、これらは併用しても良い。
<C-1:アシルホスフィンオキサイド化合物>
(C-1)アシルホスフィンオキサイド化合物としては、具体的には、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイドなどが好ましく挙げられ、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドが特に好ましい。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
<C-2:チオキサントン化合物>
(C-2)チオキサントン化合物としては、具体的には、例えば、チオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントンなどが好ましく挙げられ、4-イソプロピルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントンが特に好ましい。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
<C-3:アルキルフェノン化合物>
(C-3)アルキルフェノン化合物としては、具体的には、例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロへキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オンなどが好ましく挙げられ、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オンが特に好ましい。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔その他の成分〕
本発明のインク組成物は、インク組成物として、以下に詳述するような他の一般的な成分を含有してよい。
<着色材>
本発明のインク組成物は、インク組成物である以上、着色材を含有するのが通常である。
前記着色材としては、従来公知の各種染料を使用することもできるが、耐候性の観点より、無機顔料、有機顔料のいずれかまたは両方を使用することが好ましい。
基本的には、シアン色を有する顔料、マゼンタ色を有する顔料、イエロー色を有する顔料、黒色顔料および白色顔料などを用いることができる。場合によっては、バイオレット、ブルー、グリーン、オレンジおよびレッド等の特色顔料を用いることにより色再現性に優れた画像を形成することができる。また、一般的な黒色顔料および白色顔料、ならびにシアン、マゼンタおよびイエローの3原色の顔料の他に、目的に応じて、例えば金、銀等の金属光沢顔料や無色または淡色の体質顔料等を含有してもよい。
また、インクジェットインクへの適正から顔料の粒子径は、微細なものが好ましい。この微細化については、公知の種々の技術を利用することができる。粒子径としては、平均粒子径として、0.01~1μm程度であれば良いが、沈降等をさけるには、0.3μm以下が好ましい。
無機顔料としては、具体的には、例えば、亜鉛華、酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカなどが挙げられる。
有機顔料としては、具体的には、例えば、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系の有機顔料などが挙げられる。また、酸性、中性または塩基性カーボンからなるカーボンブラックを用いてもよい。
シアン色を有する顔料としては、具体的にカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントブルー1、15、15:1、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64などが挙げられる。これらの中でも、耐候性、着色力などの点から、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4のいずれかまたは両方が好ましい。
マゼンダ色を有する顔料としては、具体的にカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントレッド48、57、57:1、122、123、168、185、202、221、254、C.I.ピグメントバイオレット19などが挙げられる。これらの中でも、耐候性、着色力などの点から、C.I.ピグメントレッド57:1、122、185、202、C.I.ピグメントバイオレット19などが好ましい。
イエロー色を有する顔料としては、具体的にカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントイエロー3、74、83、93、95、109、110、120、128、129、138、139、150、151、153、154、155、168、180、185、215などが挙げられる。これらの中でも、耐候性などの点から、C.I.ピグメントイエロー74、83、109、110、120、128、139、150、151、154、155などが好ましい。
黒色顔料としては、具体的には、例えば、#2650、#2600、#2350、#2300、#1000、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#52、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#32、#30、#25、MA77、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA100S,MA230(三菱化学社製)、SPECIAL BLACK 100、SPECIAL BLACK 250、SPECIAL BLACK 350、SPECIAL BLACK 550、NIPex 35、NIPex 60、NIPex 70、NIPex 90(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)、REGAL 250R、REGAL 300R、REGAL 330、REGAL 330R、REGAL 350R、REGAL 400、REGAL 400R、REGAL 660、REGAL 660R(キャボット社製)などが好ましい。
白色顔料としては、隠蔽力や着色力の点から酸化チタンを用いることが好ましい。より好ましくは、硫酸法によって製造されたルチル型の結晶構造をもつ酸化チタンを用いることが好ましい。具体的には、例えば、タイペークR-820N、タイペークR-830、タイペークR-930、タイペークR-980、タイペークR-550、タイペークR-630、タイペークR-680(石原産業社製)、R-25、R-21、R-32、R-5N、R-62N、R-42、R-45M、D-918(堺化学工業社製)などが挙げられる。
酸化チタンの他に必要に応じて、炭酸カルシウム又は硫酸バリウム、水酸化アルミニウムなどといった体質顔料を使用してもよい。
インク組成物中の着色材の含有量は、色および使用目的により適宜選択すればよいが、一般的にはインク組成物全量に対して、0.1~20質量%含むことが好ましい。さらには0.3~15質量%含むことがより好ましい。着色材の含有量が前記範囲にあると、インク組成物の粘度を上昇させることなく流動性を維持し、優れた画像の着色力を有する本発明のインク組成物を得ることができる。
着色材として顔料を用いる場合、顔料の分散性を向上させるため、顔料誘導体や顔料分散剤をさらに使用してもよい。顔料誘導体としては、具体的には、例えば、ソルスパース5000S(ルーブリゾール社製)などが挙げられる。顔料分散剤としては、具体的には、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が使用できる。
本発明では、エステル構造又は変性ポリ(メタ)アクリレート構造を有する分散剤を用いると、経時での保存安定性および吐出性から好ましい。
エステル構造又は変性ポリ(メタ)アクリレート構造を有する顔料の分散剤の具体例としては、ソルスパース9000、13940、17000、18000、28000、32000、J-180、J-200(ルーブリゾール社製)、DA-703-50、DA-7300、DA234(楠本化成社製)、DISPERBYK-2022、2025、2050、2096、BYKJET-9150、9051、9052(BykCemie社製)等が挙げられる。上記顔料誘導体および顔料分散剤の含有量は、上記顔料を十分にインク組成物中に分散できる量であれば足り、適宜の量に設定できる。
<他の任意の重合性化合物>
本発明のインク組成物は、重合性化合物として、上記に例示した重合性化合物以外の他の重合性化合物を含有させることを否定するものではないが、本発明の効果を阻害する恐れがあるものについては、含有させないことが好ましい。特に、3官能以上の多官能モノマーおよび/または重合性オリゴマーについては、本発明の効果を阻害することが懸念される。
<表面調整剤>
表面調整剤を用いることで、接触角を下げることができるので、特に、インク組成物が濡れにくく印字ドットが弾きやすい基材に対して適用する場合に有効である。
表面調整剤としては、表面張力低下能、重合性化合物との相溶性との観点から、シリコン系表面調整剤を使用することが好ましい。
具体的なシリコン系表面調整剤としては、ジメチルシロキサン骨格の変性体が好ましく挙げられる。
好ましくは、シリコン系表面調整剤として、(メタ)アクリル基を含有するシリコン系表面調整剤を含有する。構造中の(メタ)アクリル基が、(A)単官能モノマーのラジカル重合に伴って、(メタ)アクリル基含有シリコン系表面調整剤同士、および(A)単官能モノマーと硬化反応するため、印字ドットの表面硬化性が高まり、耐擦過性、および硬化性が向上する。
(メタ)アクリル基含有シリコン系表面調整剤としては、具体的には、例えば、TEGO Rad 2010、2011、2100、2200N、2250、2300、2500、2600、2700(エボニックインダストリーズAG社製)、BYK-UV3570、3575、3576(ビックケミー社製)などが挙げられる。
特に、(メタ)アクリル基含有シリコン系表面調整剤としてポリエーテル変性シリコン(メタ)アクリレートモノマーを用いることが好ましい。
<その他の添加剤>
その他の添加剤として、例えば、上記(C)光重合開始剤とともに、重合開始助剤を併用してもよい。
重合開始助剤としては、N-メチルジエタノールアミン、4-(ジメチルアミノ)安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸2-エチルへキシル、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、トリエタノールアミン等のアミン化合物が挙げられ、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤とともに重合開始助剤を併用することで、空気中での光反応時の表面酸素阻害が低減されることにより、硬化性や接着性がより向上する。
さらに、本発明のインク組成物は、印刷適性や印刷物耐性を高めるために、紫外線吸収剤、酸化防止剤、貯蔵安定剤などの添加剤を必要に応じて含有しても構わない。
〔インク組成物の配合〕
本発明のインク組成物において、(A-1)脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートモノマー、及び、(A-2)複素環構造を有する(メタ)アクリレートモノマーの含有割合は、インク組成物全量に対し、45~80質量%であり、55~75質量%であることが好ましい。このように、単官能モノマーである(A-1)、(A-2)を比較的多く配合することで、被記録媒体に対する十分な密着性を得ることができる。
また、本発明のインク組成物において、(B)2官能モノマーの含有割合は、インク組成物全量に対し、1~10質量%であり、3~5質量%であることが好ましい。このように、これらの2官能モノマーを適切な量で併用することで、十分な密着性を維持しつつ、架橋密度を適度に高めることができ、ヒートシール後にも密着性を損なうことがない。
インク組成物中の(C)光重合開始剤の含有量は、重合性化合物の含有量や種類にもよるが、インク組成物100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。光重合開始剤の含有量が前記範囲にあると、インク組成物に十分な硬化性を付与することができ、インク組成物が低温状態において析出することを防止し得る。
本発明のインク組成物が、(C)光重合開始剤として、アシルホスフィンオキサイド化合物、チオキサントン化合物およびアルキルフェノン化合物以外の他の光重合開始剤を含有する場合、他の光重合開始剤の含有量は、インク組成物100質量部に対して、総量で5質量部以下であることが好ましい。他の光重合開始剤の含有量が多くなりすぎると反応性又は保存安定性が低下するおそれがある。
インク組成物中の表面調整剤の含有量は、インク組成物全体に対して、2.5質量%以下が好ましく、0.02~2.5質量%がより好ましい。表面調整剤の含有量が2.5質量%より多いと、未溶解物が生じたり、泡立ちを引き起こすおそれがある。
なお、各成分の種類と配合に関しては、被記録媒体の材質によって、好適範囲が異なる。この点については、特にPTPシートの蓋材への使用を例として、以下の「インク組成物の使用」の項で説明する。
〔インク組成物の使用〕
本発明のインク組成物を用いて得られる硬化膜は、耐ヒートシール性を有している。
そのため、本発明のインク組成物は、PTPシートの蓋材への印刷のための使用に適している。
PTPシートは、上述したように、錠剤が収納される凹部が設けられたプラスチック製の収納シートと、金属箔からなる蓋材とを組み合わせたもので、両者はヒートシールにより一体化されている。収納シートの凹部を押し込むことで、蓋材が破れ、錠剤を簡単に取り出すことができる。
蓋材には、品名、価格、効能、使用期限/有効期限、製造年月日、数量などの様々な情報が印刷される。
そのような情報の印刷方法としては、例えば、金属箔表面に第1の印刷層を印刷し、その上に、オーバープリント層(以下、「OP層」と略記することがある。)を形成し、さらに、そのOP層の上に、第2の印刷層を形成する。
第1の印刷層は、特に限定するわけではないが、例えば、各種情報を含むバーコード印刷層である。
OP層は、第1の印刷層を保護する層であり、例えば、シリカ粒子などのマット剤を含むマットタイプや、マット剤を含まないクリアタイプが用いられる。
OP層の材料としては、例えば、ニトロセルロース系、アクリル系、エポキシ系の透明樹脂材料が用いられる。
なお、マット剤を含有させるタイプでは、金属箔の光沢が抑えられ、バーコードの読み取り精度の向上が期待される。
第2の印刷層は、OP層の上に印刷される。ヒートシールは、第2の印刷層の形成後に行われるので、第2の印刷層はヒートシールによる高温・高圧にさらされることになる。
ここで、本発明者の検討によれば、第2の印刷層形成のためのインク組成物は、マット剤を含まないクリアタイプのOP層(以下、「クリアタイプOP層」と略称する。)の上に印刷する場合と、マット剤を含むOP層(以下、「マットタイプOP層」と略称する。)の上に印刷する場合とで、好適な配合が異なることが分かった。
クリアタイプOP層では濡れ性を重視した配合、マットタイプOP層では滲みの抑制を重視した配合とすることが好ましい。
具体的な配合として、クリアタイプOP層の表面に耐ヒートシール性の硬化膜を形成させるためのインク組成物としては、(A)単官能モノマーとして、(A-4)N-ビニル-ε-カプロラクタムを、インク組成物全量に対し、5~35質量%の割合で含むことが好ましい。これにより、低粘度化でき、吐出安定性が良好となるほか、硬化性向上、耐熱性向上も期待できる。
クリアタイプOP層への硬化膜形成の場合には、また、表面調整剤の配合割合が、インク組成物全体に対して、0.1~1.5質量%であることが好ましく、0.5~1.0質量%であることがより好ましい。
また、マットタイプOP層の表面に耐ヒートシール性の硬化膜を形成させるためのインク組成物としては、滲みを抑制するため、(A)単官能モノマーとして、(A-3)水酸基を含有する(メタ)アクリレートモノマーを含むことが好ましい。硬化促進等のため、(A)単官能モノマーとして、(A-4)N-ビニル-ε-カプロラクタムを含んでも良く、その割合は、インク組成物全量に対し、5~35質量%の割合が好ましい。
マットタイプOP層への硬化膜形成の場合には、また、滲み抑制の観点から、(A-2)複素環構造を有する(メタ)アクリレートモノマー、(A-3)水酸基を含有する(メタ)アクリレートモノマー及び(A-4)N-ビニル-ε-カプロラクタムの合計含有量が、インク組成物全量に対し、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
マットタイプOP層への硬化膜形成の場合には、また、表面調整剤の配合割合が、インク組成物全体に対して、0.05~0.5質量%であることが好ましく、0.1~0.3質量%であることがより好ましい。
本発明のインク組成物を使用するには、インクジェット記録方式用プリンタより被記録媒体上に吐出し、その後紫外線LED光を照射する。これにより被記録媒体上のインク組成物は速やかに硬化する。
紫外線LED光の照射時間は、硬化性や基材への紫外線照射の影響などを考慮して、適宜決定すればよいが、0.01~5秒が好ましく、0.02~3秒がより好ましい。
本発明のインク組成物は、インクジェットプリンタに搭載して使用する場合には必要に応じて複数色を組み合わせて使用することができる。組み合わせに限定はないが、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイトの組み合わせなどで使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例中の「部」は「質量部」を表す。
なお、以下の実施例及び比較例では、まず、顔料分散体を作製し、これを用いてインク組成物を作製した。
そこで、以下では、まず原料について説明したのち、顔料分散体の作製について説明し、その後、これらを用いた実施例及び比較例にかかるインク組成物の作製、その評価について順次説明する。
〔原料〕
<A:単官能モノマー>
(A-1:脂環式単官能(メタ)アクリレート)
・ジシクロペンテニルアクリレート
・3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート
・イソボルニルアクリレート
(A-2:複素環構造を有する(メタ)アクリレート)
・環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート
・アクリロイルモルフォリン
・(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート
(A-3:水酸基を含有する(メタ)アクリレート)
・4-ヒドロキシブチルアクリレート
・ヒドロキシプロピルアクリレート
(その他の単官能(メタ)アクリレート)
・イソステアリルアクリレート
・ベンジルアクリレート
(A-4:N-ビニル-ε-カプロラクタム)
・N-ビニル-ε-カプロラクタム
<B:2官能モノマー>
・アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル
・ポリエチレングリコールジアクリレート#400ジアクリレート
・ポリエチレングリコールジアクリレート#600ジアクリレート
・1,9-ノナンジオールジアクリレート
<C:光重合開始剤>
(C-1:アシルホスフィンオキサイド化合物)
・BAPO(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド)
(C-2:チオキサントン化合物)
・2,4-ジエチルチオキサントン
(C-3:アルキルフェノン化合物)
・MABB(2-(ジメチルアミノ)-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン)
<D:表面調整剤>
・ポリエーテル変性シロキサン(シルフェイスSAG005:日信化学工業社製)
・ポリエーテル変性シリコンアクリレート(TEGO RAD 2250:エボニックインダストリーズAG社製)
<着色材>
・C.Iピグメントブラック7(ブラック顔料)
・C.Iピグメントイエロー155(イエロー顔料)
・C.Iピグメントバイオレット19(マゼンタ顔料)
・C.Iピグメントブルー15:3(シアン顔料)
・C.Iピグメントホワイト6(ホワイト顔料)
<その他の添加剤>
(顔料分散剤)
・ソルスパース J180(ルーブリゾール社製)
(重合開始助剤)
・4-(ジメチルアミノ)安息香酸エチル(東京化成工業社製)
〔顔料分散体の作製〕
<顔料分散体1>
下記の配合で顔料分散体1を作製した。
具体的には、モノマーに顔料および分散剤を投入し、均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型ビーズミルで分散して作製した。
・C.Iピグメントブラック7 15部
・ソルスパース J180 10部
・イソボルニルアクリレート 75部
<顔料分散体2>
下記の配合で、顔料分散体1と同様の製造方法により、顔料分散体2を作製した。
・C.Iピグメントイエロー155 15部
・ソルスパース J180 15部
・イソボルニルアクリレート 70部
<顔料分散体3>
下記の配合で、顔料分散体1と同様の製造方法により、顔料分散体3を作製した。
・C.Iピグメントバイオレット19 15部
・ソルスパース J180 10部
・イソボルニルアクリレート 75部
<顔料分散体4>
下記の配合で、顔料分散体1と同様の製造方法により、顔料分散体4を作製した。
・C.Iピグメントブルー15:3 15部
・ソルスパース J180 10部
・イソボルニルアクリレート 75部
<顔料分散体5>
下記の配合で、顔料分散体1と同様の製造方法により、顔料分散体5を作製した。
・C.Iピグメントホワイト6 30部
・ソルスパース J180 10部
・イソボルニルアクリレート 60部
<顔料分散体6>
下記の配合で、顔料分散体1と同様の製造方法により、顔料分散体6を作製した。
・C.Iピグメントブラック7 15部
・ソルスパース J180 7部
・環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート 78部
<顔料分散体7>
下記の配合で、顔料分散体1と同様の製造方法により、顔料分散体7を作製した。
・C.Iピグメントイエロー155 15部
・ソルスパース J180 10部
・環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート 75部
<顔料分散体8>
下記の配合で、顔料分散体1と同様の製造方法により、顔料分散体8を作製した。
・C.Iピグメントバイオレット19 15部
・ソルスパース J180 7部
・環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート 78部
<顔料分散体9>
下記の配合で、顔料分散体1と同様の製造方法により、顔料分散体9を作製した。
・C.Iピグメントブルー15:3 15部
・ソルスパース J180 7部
・環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート 78部
<顔料分散体10>
下記の配合で、顔料分散体1と同様の製造方法により、顔料分散体10を作製した。
・C.Iピグメントホワイト6 30部
・ソルスパース J180 10部
・環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート 60部
〔実施例1〕
後述する表1の記載に従い、各原料を表の上から順次撹拌しながら添加した。1時間の撹拌の後、溶解残りがないことを確認し、1.0μのフィルターにてろ過してインク組成物を作製した。
〔実施例2~21〕
実施例1と同様にして、後述する表1又は3に記載の通りにインク組成物を作製した。
〔比較例1~8〕
実施例1と同様にして、後述する表2又は4に記載の通りにインク組成物を作製した。
〔評価〕
上記各実施例、比較例にかかるインク組成物について、下記の各評価を行った。
以下の評価試験において、被記録媒体は、PTPシートの蓋材とした。PTPシートの蓋材としては、アルミニウム箔の上にエポキシ系の透明樹脂からなるOP層を形成したものを用い、マット剤を含まないクリアタイプのOP層を有する「蓋材(OP層:クリア)」と、マット剤としてシリカ粒子を配合したOP層を有する「蓋材(OP層:マット)」の2種類を準備した。
実施例1~10は、クリアタイプに適した処方のインク組成物であるので、蓋材(OP層:クリア)を用いて、評価試験を行った。対応する比較例1~4も、蓋材(OP層:クリア)を用いて、評価試験を行った。
また、実施例11~20は、マットタイプに適した処方のインク組成物であるので、蓋材(OP層:マット)を用いて、評価試験を行った。対応する比較例5~8も、蓋材(OP層:マット)を用いて、評価試験を行った。
<吐出性>
インク組成物を紀州技研工業社製HQ8500Y2558で吐出し、印字イメージ内ドット占有率37.1%において1万回の連続印字を行い、以下の基準に従い評価した。
◎:総ドット数に対して1%未満のドット抜け
○:総ドット数に対して1%以上10%未満のドット抜け
×:総ドット数に対して10%以上のドット抜け
<ヒートシール後の密着性>
網目の入ったヒートシーラーのローラー(網目深さ40μm)を、各種温度別、圧力0.35MPa、ロール速度10m/分の条件で印刷面に圧着させた。ヒートシール後、JIS K5600-5-6に規定された「基盤目試験セロテープ(登録商標)剥離」に従って評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:100個中90個以上で剥離が認められない。
○:100個中80個以上89個以下で剥離が認められない。
△:100個中50個以上79個以下で剥離が認められない。
×:100個中49個以下で剥離が認められない。
<ヒートシール後のインク割れ>
網目の入ったヒートシーラーのローラー(網目深さ40μm)を、各種温度別、圧力0.35MPa、ロール速度10m/分の条件で印刷面に圧着させた。ヒートシール後のインク割れを評価した。
◎:印刷面が網目状に割れない
○:印刷面が網目状に割れないが、わずかに型がつく場合
△:印刷面が網目状に割れた場合
×:印刷面が網目状に割れ、且つローラーへインクの転写があった場合
<印字品位(濡れ性)>
紀州技研工業社製HQ8500Y2558を用いて被記録媒体上にGS-1コードを印字し、Webscan製TruCheck Omniにて検証を行い、以下の基準に従い評価した。
◎:判定結果A~B
○:判定結果C
△:判定結果D
×:判定結果F
〔結果〕
各実施例及び比較例の配合と、上述の評価の結果を下表1~4に示す。
なお、両表中段における「AとBの配合詳細」は、重合性化合物全量に対する(A)単官能モノマーと(B)2官能モノマーの含有割合などをまとめたものである。(A)については、顔料分散体中に含有されているものも含めて、含有量及び含有割合が算出されている。
Figure 2022074990000001
Figure 2022074990000002
Figure 2022074990000003
Figure 2022074990000004
表1,3の結果に示すとおり、本発明のインク組成物の全ての条件を満足する実施例の各インク組成物は、いずれも、耐ヒートシール後も密着性に優れ、インク割れも抑制できているとともに、吐出性・硬化性も問題なかった。また、被記録媒体表面に対する濡れ性も問題なく、滲みも発生しなかった。
これに対し、表2,4の結果に示すとおり、比較例の各インク組成物は、本発明のインク組成物の条件を満足していないために、いずれかの評価において、十分な結果が得られなかった。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を備える。
すなわち、本発明にかかる光硬化型インクジェットインク組成物は、耐ヒートシール性の硬化膜を形成させる、プレススルーパックシートの蓋材への印刷用の光硬化型インクジェットインク組成物であって、(A)単官能モノマー及び(B)2官能モノマーを重合性化合物として含むとともに、(C)光重合開始剤を含み、前記(A)単官能モノマーとして、(A-1)脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートモノマー、及び/又は、(A-2)複素環構造を有する(メタ)アクリレートモノマーを、インク組成物全量に対し、45~80質量%の割合で含み、前記(B)2官能モノマーを、インク組成物全量に対し、1~10質量%の割合で含む。
なお、以下において、本発明に関し、単に「インク組成物」というときは、「光硬化型インクジェットインク組成物」を指す。

Claims (5)

  1. 耐ヒートシール性の硬化膜を形成させるための光硬化型インクジェットインク組成物であって、
    (A)単官能モノマー及び(B)2官能モノマーを重合性化合物として含むとともに、(C)光重合開始剤を含み、
    前記(A)単官能モノマーとして、(A-1)脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートモノマー、及び/又は、(A-2)複素環構造を有する(メタ)アクリレートモノマーを、インク組成物全量に対し、45~80質量%の割合で含み、
    前記(B)2官能モノマーを、インク組成物全量に対し、1~10質量%の割合で含む、光硬化型インクジェットインク組成物。
  2. プレススルーパックシートの蓋材への印刷に使用される、請求項1に記載の光硬化型インクジェットインク組成物。
  3. 前記蓋材がマット剤を含むオーバープリント層を有し、当該オーバープリント層表面に耐ヒートシール性の硬化膜を形成させるための光硬化型インクジェットインク組成物であって、前記(A)単官能モノマーとして、(A-3)水酸基を含有する(メタ)アクリレートモノマーを含む、請求項2に記載の光硬化型インクジェットインク組成物。
  4. 前記(A)単官能モノマーにおいて、(A-2)複素環構造を有する(メタ)アクリレートモノマー、(A-3)水酸基を含有する(メタ)アクリレートモノマー及び(A-4)N-ビニル-ε-カプロラクタムの合計含有量が、インク組成物全量に対し、60質量%以上である、請求項3に記載の光硬化型インクジェットインク組成物。
  5. 前記蓋材がマット剤を含まないクリアタイプのオーバープリント層を有し、当該オーバープリント層表面に耐ヒートシール性の硬化膜を形成させるための光硬化型インクジェットインク組成物であって、前記(A)単官能モノマーとして、(A-4)N-ビニル-ε-カプロラクタムを、インク組成物全量に対し、5~35質量%の割合で含む、請求項2に記載の光硬化型インクジェットインク組成物。
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