JP2013141441A - 熱水流通式糖化装置及び熱水流通式糖化方法 - Google Patents

熱水流通式糖化装置及び熱水流通式糖化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プッシャーポンプを不要にして装置構成を簡易にし、さらに原料有機物の全量を加圧熱水と良好に接触させることができるようにした、熱水流通式糖化装置及び熱水流通式糖化方法を提供する。
【解決手段】原料有機物に加圧熱水を通水させて加水分解する熱水流通式糖化装置1である。中心軸が鉛直方向に沿うように縦型に配置され、原料有機物が充填される筒状の縦型反応槽2と、縦型反応槽2の上部開口2aを開閉可能かつ気密に封止する投入ゲート3と、縦型反応槽2の下部開口2bを開閉可能かつ気密に封止する導出ゲート4と、縦型反応槽2の下端部に加圧熱水を供給する加圧熱水供給部5と、縦型反応槽2の上端部から加圧熱水を分解液とともに回収する第1液回収部6と、を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱水流通式糖化装置及び熱水流通式糖化方法に関する。
下記特許文献1には、セルロース粉末の充填固定床に、270〜310℃の範囲内の温度に保持した加圧熱水を滞留時間が30秒以下になるような速度で通水して加水分解することにより、グルコース単位6〜25個からなる非水溶性多糖類を製造する技術が開示されている。この技術は、セルロース粉末を原料として非水溶性多糖類を製造することを目的とするものである。
この特許文献1の技術では、その図1に示された反応装置を用いるが、この反応装置(熱水流通式糖化装置)は、セルロース粉末を原料とする実験装置として構成されたものであり、バイオマスを原料とする産業用の処理装置として実用できるものではない。すなわち、従来の熱水流通式糖化装置を、バイオマスを原料とする産業用の処理装置に適用するためには、例えばバイオマス(原料)の取り込み機構や処理後の残渣等の取出機構等について、より効率的な運転が可能なように装置構成を最適化する必要がある。
このような背景のもとに、産業用の処理装置として効率的な運転を可能にした、熱水流通式糖化装置が特許文献2に提案されている。
この熱水流通式糖化装置は、反応管に収納された原料有機物に加圧熱水を通水させて加水分解する熱水流通式糖化装置であって、原料有機物を収納する原料ホッパと、該原料ホッパから落下した原料有機物を収容すると共に管状反応槽に連通する原料供給管と、該原料供給管の一端から反応管に向けて原料有機物を移送する原料移送部と、原料供給管と反応管との間に設けられた仕切り弁と、反応管の一端に加圧熱水を供給する加圧熱水供給部と、反応管の他端から加圧熱水を分解液とともに回収する液回収部とを具備した横型の装置である。
特許第3128575号公報 特開2011−142893号公報
しかしながら、前記特許文献2の熱水流通式糖化装置では、原料供給管の一端から反応管に向けて原料有機物を移送し、さらに反応後の残渣を外部に排出するためにプッシャーポンプ(原料移送部)が必要となり、装置構成が複雑になっている。
また、基本的に加圧熱水を横型の反応管の軸方向に沿って水平方向に流すため、加圧熱水が反応管内に収納された原料有機物全てと良好に接触しているかどうか分からず、加圧熱水が部分的に偏流(ショートパス)を生じることにより、加圧熱水とほとんど接触せず、反応に供されないまま排出される原料有機物が存在する可能性が否定できない。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、プッシャーポンプを不要にして装置構成を簡易にし、さらに原料有機物の全量を加圧熱水と良好に接触させることができるようにした、熱水流通式糖化装置及び熱水流通式糖化方法を提供することを目的とする。
本発明の熱水流通式糖化装置は、原料有機物に加圧熱水を通水させて加水分解する熱水流通式糖化装置であって、
中心軸が鉛直方向に沿うように縦型に配置され、前記原料有機物が充填される筒状の縦型反応槽と、
前記縦型反応槽の上部開口を開閉可能かつ気密に封止する投入ゲートと、
前記縦型反応槽の下部開口を開閉可能かつ気密に封止する導出ゲートと、
前記縦型反応槽の下端部に加圧熱水を供給する加圧熱水供給部と、
前記縦型反応槽の上端部から加圧熱水を分解液とともに回収する第1液回収部と、
を具備することを特徴とする。
また、前記熱水流通式糖化装置においては、前記縦型反応槽の下端部から加圧熱水を分解液とともに回収する第2液回収部を備えることが好ましい。
また、前記熱水流通式糖化装置において、前記第1液回収部は、前記縦型反応槽内の圧力を一定に保持するための保圧弁を備えることが好ましい。
また、前記熱水流通式糖化装置においては、前記縦型反応槽への前記第1液回収部の接続箇所より上側に、ガス抜き部が設けられていることが好ましい。
また、前記熱水流通式糖化装置においては、前記縦型反応槽の上部開口に連通可能に原料ホッパが設けられ、前記投入ゲートは、前記上部開口を開閉可能かつ気密に封止する板状の投入ゲート板と、該投入ゲート板を前記上部開口上にて進退させて該上部開口を開閉する進退機構とを有して構成されていることが好ましい。
また、前記熱水流通式糖化装置においては、前記の熱水流通式糖化装置を用いて原料有機物に加圧熱水を通水し、加水分解する熱水流通式糖化方法であって、
前記投入ゲートを開いて前記縦型反応槽内に原料有機物を充填する原料充填工程と、
前記加圧熱水供給部によって前記縦型反応槽の下端部に加圧熱水を供給し、前記原料有機物に加圧熱水を接触させる加圧熱水供給工程と、
前記第1液回収部によって前記縦型反応槽の上端部から加圧熱水を分解液とともに回収する第1液回収工程と、
前記第1液回収工程の後、前記導出ゲートを開いて前記縦型反応槽内の前記原料有機物の残渣をその自重によって前記下部開口から導出する残渣導出工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、熱水流通式糖化装置が、中心軸が鉛直方向に沿うように縦型に配置され、前記原料有機物が充填される筒状の縦型反応槽と、前記縦型反応槽の上部開口を開閉可能かつ気密に封止する投入ゲートと、前記縦型反応槽の下部開口を開閉可能かつ気密に封止する導出ゲートと、を具備するので、前記投入ゲートを開いた状態でホッパ等を介して原料有機物をその自重で自然落下させることにより、前記縦型反応槽内に自然充填することができる。また、反応後前記導出ゲートを開くことにより、加圧熱水との接触反応後の残渣となる固型分を、その自重によって自然落下させることができる。これによって縦型反応槽からの残渣(固型分)の排出を、複雑な機構を用いることなく簡易に行うことができる。したがって、例えば従来のプッシャーポンプのような複雑な機構を不要にして熱水流通式糖化装置の構成を簡易にすることができる。
また、加圧熱水供給部によって縦型反応槽の下端部に加圧熱水を供給し、第1液回収部によって縦型反応槽の上端部から加圧熱水を分解液とともに回収することができるので、縦型反応槽の下端から第1液回収部が接続する縦型反応槽の上端部までの間の原料有機物に対して、加圧熱水を確実に接触させることができる。その際、原料有機物は分解反応によって一部液化し、その容積が減少して加圧熱水中を沈降する。したがって、原料有機物の全量を加圧熱水と良好に接触させ、反応に供させることができる。
本発明の熱水流通式糖化装置の一実施形態を示す概略構成図である。 (a)〜(c)は図1に示した熱水流通式糖化装置の動作説明図である。 (a)、(b)は図2に続く、熱水流通式糖化装置の動作説明図である。 (a)、(b)は図1に示した熱水流通式糖化装置の変形例の動作説明図である。
以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明の熱水流通式糖化装置の一実施形態を示す概略構成図であり、図1中符号1は熱水流通式糖化装置である。この熱水流通式糖化装置1は、縦型反応槽2と、投入ゲート3と、導出ゲート4と、加圧熱水供給部5と、第1液回収部6と、第2液回収部7と、保圧弁8と、ガス抜き部9と、原料ホッパ10と、を具備して構成されている。
熱水流通式糖化装置1は、縦型反応槽2に充填された原料有機物に所定温度(例えば150〜300℃程度)かつ所定圧力以上(例えば所定圧力における飽和蒸気圧以上)の加圧熱水を所定時間通水させることにより、連続的ではなくバッチ的(間欠的)に原料有機物を加水分解する装置である。このような熱水流通式糖化装置1は、例えばバイオマス(化石資源を除く生物由来の資源)を比較的重合度が低い多糖類とし、当該多糖類をさらに分解して得られる単糖類からバイオエタノールを製造するプラントにおいて、バイオマスを重合度が比較的低い多糖類とする前段糖化装置として機能するものである。なお、このようなバイオエタノール製造プラントにおいて、多糖類から単糖類を得る後段糖化装置としては、例えば、酵素を多糖類に作用させて単糖化する酵素糖化装置や、固体酸触媒を多糖類に作用させて単糖化する固体酸触媒糖化装置が考えられる。
本出願人は、特開2011−068578号公報において、加圧熱水反応装置(前段糖化装置)における熱水温度を調節することにより、バイオマス(木質系バイオマス)に含まれる多糖類(炭水化物)からキシロオリゴ糖とセロオリゴ糖とを個別に取得し、キシロオリゴ糖を第1触媒反応装置(後段糖化装置)で処理することによってキシロース(C10:五炭糖)に単糖化すると共に、セロオリゴ糖を第2触媒反応装置(後段糖化装置)で処理することによってグルコース(C12:六炭糖)に単糖化し、さらにキシロースを第1発酵装置で発酵処理すると共に、グルコースを第2発酵装置で発酵処理することにより、バイオエタノール(CO)を製造するバイオマス処理装置及び方法を提案している。
周知のように木質系バイオマスは、セルロース(多糖類)、ヘミセルロース(多糖類)及びリグニンを主成分とするが、このような成分の木質系バイオマスに加圧熱水を作用させることにより、セルロースやヘミセルロースをさらに重合度の低い多糖類(キシロオリゴ糖、セロオリゴ糖及びこれらより多少重合度が高い各種オリゴ糖)に分解することができる。本実施形態の熱水流通式糖化装置1は、上述した加圧熱水反応装置(前段糖化装置)と同等の基本機能を奏するものであり、外部から粒状のバイオマスを原料として受け入れ、当該原料を例えばキシロオリゴ糖やセロオリゴ糖に分解する。
このような本実施形態の熱水流通式糖化装置1において、縦型反応槽2は、図1に示すように円筒状または四角筒状等の角筒状のもので、中心軸が鉛直方向に沿うように縦長(縦型)に配置されたものであり、内部に原料有機物が充填されるようになっている。なお、縦型反応槽2は、筒状であれば、正確な円筒状や角筒状以外の形状であってもよい。例えば、円錐台形状や角錐台形状で、かつ上下に貫通する孔部を内部に有した筒状であってもよい。その場合に、下方に行くにつれて拡径する形状であっても、縮径する形状であってもよい。また、本発明においては、縦型反応槽2はその中心軸が鉛直方向に完全に一致することなく、鉛直方向に対してある程度傾いていてもよい。
この縦型反応槽2は、その上部開口2aが投入ゲート3によって開閉可能かつ気密に封止されるようになっており、下部開口2bが導出ゲート4によって開閉可能かつ気密に封止されるようになっている。投入ゲート3は、板状の投入ゲート板3aと、投入ゲート板3aを上部開口2a上にて進退させる進退機構3bとを有して構成されている。進退機構3bは、例えばエアシリンダなどによって形成されている。このような構成のもとに投入ゲート3は、進退機構3bによって投入ゲート板3aが上部開口2a上をスライド(進退)することにより、該上部開口2aを開閉するようになっている。すなわち、前進することで上部開口2aを覆ってこれを気密に塞ぐ(封止する)ようになっており、後退することで上部開口2aを開放するようになっている。
導出ゲート4も、投入ゲート3と同様に、板状の導出ゲート板4aと、導出ゲート板4aを下部開口2b上にて進退させる進退機構4bとを有して構成されている。進退機構4bも、例えばエアシリンダなどによって形成されている。このような構成のもとに導出ゲート4は、進退機構4bによって導出ゲート板4aが下部開口2b上をスライド(進退)することにより、該下部開口2bを開閉するようになっている。すなわち、前進することで下部開口2bを覆ってこれを気密に塞ぐ(封止する)ようになっており、後退することで下部開口2bを開放するようになっている。
加圧熱水供給部5は、縦型反応槽2の下端部に加圧熱水を供給するもので、縦型反応槽2の下端部に接続する配管5aと、該配管5aに設けられた開閉弁5b、ヒータ5c、加圧ポンプ5d等から構成されている。加圧ポンプ5dは、外部から供給された水を所定圧力まで加圧してヒータ5cに供給するものである。ヒータ5cは、加圧ポンプ5dから供給された加圧水を所定温度まで加熱し、加圧熱水として縦型反応管2に供給するようになっている。開閉弁5bは、配管5aを開閉することにより、ヒータ5c側から縦型反応槽2への加圧熱水の供給を可能にし、あるいは、反応後、縦型反応槽2内の液分がヒータ25c側に逆流しないようにする。
第1液回収部6は、縦型反応槽2の上端部から加圧熱水及び反応によって生成した分解液を液分として共に回収するもので、縦型反応槽2の上端部に接続する配管6aと、該配管6aに設けられた開閉弁6b、冷却器6c、保圧弁8等から構成されている。保圧弁8は、縦型反応槽2内の圧力を設定された圧力に一定に保持するための調節弁である。
第2液回収部7は、縦型反応槽2の下端部から加圧熱水及び反応によって生成した分解液を液分として共に回収するもので、縦型反応槽2の下端部に接続する配管7aと、該配管7aに設けられた開閉弁7b等から構成されている。この第2液回収部7の配管7aは、前記第1液回収部6の配管6aの、前記開閉弁6bと冷却器6cとの間に接続されている。したがって、前記冷却器6c及び保圧弁8は、第1液回収部6だけでなく、第2液回収部7にも配管7aを介して設けられたものとなっている。
ガス抜き部9は、縦型反応槽2の上端部に接続された配管9aと、開閉弁9bとから構成されたもので、縦型反応槽2内に溜まったガス(空気)を外部に排出するためのものである。このガス抜き部9の配管9aは、前記第1液回収部6の配管6aの接続箇所より上側に接続している。
原料ホッパ10は、縦型反応槽2の上部開口2aに、投入ゲート3を介して連通するように設けられたもので、原料有機物を収容するものである。すなわち、原料ホッパ10の下部開口は縦型反応槽2の上部開口2aに連通して配置されている。このような構成のもとに原料ホッパ10は、原料移送手段(図示せず)によって移送され、供給された原料有機物を内部に収容するとともに、前記投入ゲート3が開放されることで収容した原料有機物を落下させ、縦型反応槽2内に充填するようになっている。
次に、このように構成された熱水流通式糖化装置1の動作に基づき、本発明の熱水流通式糖化方法の一実施形態について、図2(a)〜(c)、図3(a)、(b)を参照して説明する。この熱水流通式糖化方法は、原料有機物Xに加圧熱水を通水し、加水分解する糖化方法である。
まず、原料ホッパ10内に所定量の原料有機物X、すなわち縦型反応槽2内にてバッチ式で処理する一回分の処理量の原料有機物Xを、原料移送手段(図示せず)によって移送し供給する。
次に、図2(a)に示すように投入ゲート3を開いて縦型反応槽2内に原料有機物Xを充填する(原料充填工程)。その際、当然ながら導出ゲート4は閉じておくとともに、加圧熱水供給部5の開閉弁5b、第1液回収部6の開閉弁6b、第2液回収部7の開閉弁7bをいずれも閉じておく。一方、ガス抜き部9の開閉弁9bについては、開いておく。なお、図2(a)〜(c)、図3(a)、(b)では、各開閉弁について、黒く塗りつぶしたものは閉じた状態を示し、白く表示したものは開いた状態を示している。また、各配管の経路について、破線で示した経路は開閉弁によって閉じている状態を示し、実線で示した経路は、開閉弁が開いていることで通じている状態を示している。
このようにして所定量の原料有機物Xを縦型反応槽2内に充填したら、図2(b)に示すように投入ゲート3を閉じる。続いて、加圧熱水供給部5を稼働させ、熱水を縦型反応槽2の下端部に供給する。すなわち、開閉弁5bを開き、加圧ポンプ5dによって外部から供給された水をヒータ5cに送り、該ヒータ5cにて所定温度に加熱する。そして、この熱水を縦型反応槽2内に供給する。
ガス抜き部9の配管9aから熱水が排出されるのを確認したら、図2(c)に示すようにこのガス抜き部9の開閉弁9bを閉じ、第1液回収部6の開閉弁6bを開く。また、保圧弁8を徐々に絞り、予め設定した所定圧に保持する。その間も、加圧熱水供給部5を稼働させる。これにより、縦型反応槽2に供給される熱水は保圧弁8で設定した圧力に加圧され、加圧熱水となって縦型反応槽2の下端部に流入する。これにより、前記原料有機物Xに加圧熱水を接触させることができる(加圧熱水供給工程)。
本実施形態の方法では、原料有機物Xとして、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンを主成分とする木質系バイオマスを用い、この木質系バイオマスに加圧熱水を作用させることにより、主にヘミセルロースを選択的に加水分解してオリゴ糖を主成分とする多糖類(ヘミセルロース分解物)に分解(可溶化)する。したがって、ヒータ5cにより、前記加圧水を200〜230℃に加熱する。このように加熱されることにより、得られた加圧熱水は亜臨界状態の熱水となり、縦型反応槽2の下端部に導入される。
なお、セルロースは、200〜230℃の加圧熱水ではほとんど分解しない。特にセルロースを加圧熱水で加水分解するためには、200〜230℃を超える温度、例えば240〜300℃程度の温度の加圧熱水を木質系バイオマス(原料有機物X)に作用させる必要がある。
このようにして加圧熱水の供給を続け、加圧熱水を原料有機物Xに接触させると、原料有機物Xを構成する各種成分のうち、ヘミセルロースはさらに重合度の低い多糖類に分解され、加圧熱水と共に第1液回収部6に回収される。すなわち、縦型反応槽2に供給された加圧熱水は、ヘミセルロースが分解して生成した水溶性の糖分(分解液)と共に第1液回収部6の配管6aから導出され、冷却器6cで所定温度に冷却された後、保圧弁8を介して回収される(第1液回収工程)。一方、原料有機物Xを構成する各種成分のうち、セルロースやリグニン等の非分解成分は、加圧熱水によって分解されることなく残渣(固型分)として縦型反応槽2の底部に沈降する。
その際、縦型反応槽2の下端部に加圧熱水を供給し、第1液回収部6によって縦型反応槽2の上端部から加圧熱水を分解液とともに回収するので、縦型反応槽2の下端から第1液回収部6の配管6aが接続する縦型反応槽2の上端部までの間の原料有機物Xに対して、加圧熱水を確実に接触させることができる。また、この間に原料有機物Xは分解反応によって一部液化しているため、その容積が元の原料有機物Xの容積に比べて減少し、加圧熱水中を沈降している。したがって、加圧熱水は原料有機物Xの全量と良好に接触するようになり、該原料有機物Xの全量を反応に供することができる。
このような第1液回収工程を行うと、図3(a)に示すように残渣Xa(固型分)は徐々に加圧熱水中を沈降する。そして、第1液回収工程を所定時間行い、加圧熱水による原料有機物Xの分解反応を完了したら、加圧ポンプ5dの運転を停止し、加圧熱水供給部5の開閉弁5bを閉じる。また、第2液回収部7の開閉弁7bを開き、縦型反応槽2内に残った液分を回収する。さらに、第1液回収部6の開閉弁6bを閉じ、保圧弁8を開放して縦型反応槽2内の圧力を下げつつ、温度を低下させる。
その後、図3(b)に示すように第2液回収部7の開閉弁7bを閉じ、ガス抜き部9の開閉弁9bを開き、導出ゲート4を開く。これにより、縦型反応槽2内の原料有機物Xの残渣Xa(固型分)をその自重によって下部開口2bから導出することができる(残渣導出工程)。
このような熱水流通式糖化装置1及びこれを用いた熱水流通式糖化方法にあっては、縦型に配置された縦型反応槽2と、縦型反応槽2の上部開口2aを開閉可能かつ気密に封止する投入ゲート3と、縦型反応槽2の下部開口2bを開閉可能かつ気密に封止する導出ゲート4と、を具備するので、予め原料ホッパ10に供給した所定量の原料有機物Xを、投入ゲート3を開くことによってその自重で自然落下させることにより、縦型反応槽2内に自然充填することができる。また、反応後導出ゲート4を開くことにより、加圧熱水との接触反応後の残渣Xaとなる固型分を、その自重によって自然落下させることができる。これによって縦型反応槽2からの残渣Xa(固型分)の排出を、複雑な機構を用いることなく簡易に行うことができる。したがって、例えば従来のプッシャーポンプのような複雑な機構を不要にして熱水流通式糖化装置の構成を簡易にすることができる。
また、加圧熱水供給部5によって縦型反応槽2の下端部に加圧熱水を供給し、第1液回収部6によって縦型反応槽2の上端部から加圧熱水を分解液とともに回収するようにしたので、原料有機物Xの全量を加圧熱水と良好に接触させ、反応に供させることができる。これにより、反応効率を高めることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、原料ホッパ10内に一回分の処理量の原料有機物Xを供給しておき、投入ゲート3を開くことでこの一回分の処理量の原料有機物Xを縦型反応槽2内に充填するようにしたが、原料ホッパ10には一回分の処理量だけでなく、この一回分の処理量を超える充分な量、例えば複数回分の処理量を供給しておいてもよい。
その場合に、図4(a)に示すように投入ゲート3を開いて縦型反応槽2内に一回分の処理量の原料有機物Xを充填し、その後、図4(a)に示すように投入ゲート3を閉じることで、原料充填工程を終了する。その際、例えば投入ゲート3の板状の投入ゲート本体3aの先端縁をカッターの刃状に鋭角にしておくことにより、縦型反応槽2の上部開口2aと投入ゲート本体3aの先端縁との間に挟まる原料有機物Xを切断し、該投入ゲート本体3aによって上部開口2aを気密に封止することができる。
したがって、このように投入ゲート3にカッターの機能を付与しておくことにより、原料ホッパ10に供給する原料有機物Xを一回一回計量することなく、任意に供給しておき、縦型反応槽2と投入ゲート3とに計量機能を持たせることができる。
また、縦型反応槽2に充填された原料有機物Xは、原料ホッパ10内に残る原料有機物Xの荷重がかかるため、縦型反応槽2内に強く押し込まれるようになる。したがって、充填密度を高くして一回あたりの処理量を多くし、処理効率を高めることができる。
また、前記実施形態では、縦型反応槽2内に原料有機物Xを充填した後、縦型反応槽2内に熱水を導入するようにしたが、逆に、縦型反応槽2内に熱水を導入した後、該熱水中に原料有機物Xを充填するようにしてもよい。このようにすれば、原料有機物Xを充填した後縦型反応槽2内のガス(空気)を抜く工程が不要になり、処理時間の短縮化、すなわち生産性の向上を図ることができる。
また、前記実施形態では、本発明の熱水流通式糖化装置1及びこれを用いた熱水流通式糖化方法を、原料有機物Xとしてセルロース、ヘミセルロース及びリグニンを主成分とする木質系バイオマスを用い、この木質系バイオマスに加圧熱水を作用させることによって主にヘミセルロースを選択的に加水分解する処理に適用したが、例えば、この処理によって得られた前記残渣Xa(固型物)に対し、さらにセルロースを加水分解する処理に適用するようにしてもよい。その場合には、セルロースを加水分解するべく、加圧熱水供給部5によって供給する加圧熱水の温度を、例えば240〜300℃程度の温度とし、この加圧熱水を残渣Xa(原料有機物X)に作用させればよい。
また、前記実施形態では、原料有機物として木質系バイオマスを用いたが、例えばセルロースとヘミセルロースとリグニンとを含んでいる草本系バイオマスであれば、これを原料有機物として用いてもよい。
1…熱水流通式糖化装置、2…縦型反応槽、2a…上部開口、2b…下部開口、3…投入ゲート、4…導出ゲート、5…加圧熱水供給部、6…第1液回収部、7…第2液回収部、8…保圧弁、9…ガス抜き部、

Claims (6)

  1. 原料有機物に加圧熱水を通水させて加水分解する熱水流通式糖化装置であって、
    中心軸が鉛直方向に沿うように縦型に配置され、前記原料有機物が充填される筒状の縦型反応槽と、
    前記縦型反応槽の上部開口を開閉可能かつ気密に封止する投入ゲートと、
    前記縦型反応槽の下部開口を開閉可能かつ気密に封止する導出ゲートと、
    前記縦型反応槽の下端部に加圧熱水を供給する加圧熱水供給部と、
    前記縦型反応槽の上端部から加圧熱水を分解液とともに回収する第1液回収部と、
    を具備することを特徴とする熱水流通式糖化装置。
  2. 前記縦型反応槽の下端部から加圧熱水を分解液とともに回収する第2液回収部を備えることを特徴とする請求項1記載の熱水流通式糖化装置。
  3. 前記第1液回収部は、前記縦型反応槽内の圧力を一定に保持するための保圧弁を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱水流通式糖化装置。
  4. 前記縦型反応槽への前記第1液回収部の接続箇所より上側に、ガス抜き部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱水流通式糖化装置。
  5. 前記縦型反応槽の上部開口に連通可能に原料ホッパが設けられ、
    前記投入ゲートは、前記上部開口を開閉可能かつ気密に封止する板状の投入ゲート板と、該投入ゲート板を前記上部開口上にて進退させて該上部開口を開閉する進退機構とを有して構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱水流通式糖化装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱水流通式糖化装置を用いて原料有機物に加圧熱水を通水し、加水分解する熱水流通式糖化方法であって、
    前記投入ゲートを開いて前記縦型反応槽内に原料有機物を充填する原料充填工程と、
    前記加圧熱水供給部によって前記縦型反応槽の下端部に加圧熱水を供給し、前記原料有機物に加圧熱水を接触させる加圧熱水供給工程と、
    前記第1液回収部によって前記縦型反応槽の上端部から加圧熱水を分解液とともに回収する第1液回収工程と、
    前記第1液回収工程の後、前記導出ゲートを開いて前記縦型反応槽内の前記原料有機物の残渣をその自重によって前記下部開口から導出する残渣導出工程と、を備えることを特徴とする熱水流通式糖化方法。
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