JP2013140198A - 色処理装置、色処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】観察者の左右の目の特性に起因するフリッカを抑制する。
【解決手段】左目知覚色変換部401及び右目知覚色変換部402は、観察者の左右の目の視覚特性に基づいて、左目用の画像データの色を前記左目の知覚色に変換するとともに、右目用の画像データの色を前記右目の知覚色に変換する。左右補正量決定部403は、左目の知覚色及び右目の知覚色のうちの少なくとも何れか一方に基づいて、左目用の補正量及び右目用の補正量を算出する。左信号補正部404及び右信号補正部405は、左目用の補正量に基づいて左目用の画像データを補正するとともに、右目用の補正量に基づいて右目用の画像データを補正する。
【選択図】図4
【解決手段】左目知覚色変換部401及び右目知覚色変換部402は、観察者の左右の目の視覚特性に基づいて、左目用の画像データの色を前記左目の知覚色に変換するとともに、右目用の画像データの色を前記右目の知覚色に変換する。左右補正量決定部403は、左目の知覚色及び右目の知覚色のうちの少なくとも何れか一方に基づいて、左目用の補正量及び右目用の補正量を算出する。左信号補正部404及び右信号補正部405は、左目用の補正量に基づいて左目用の画像データを補正するとともに、右目用の補正量に基づいて右目用の画像データを補正する。
【選択図】図4
Description
本発明は、立体的な三次元画像を知覚させるための技術に関するものである。
近年、画面に表示される画像を立体的な三次元画像として視聴者に知覚させる表示装置が普及している。視聴者に立体的な三次元画像として知覚させるためには、通常の表示手法とは異なる表示手法で画面に画像を表示させる必要がある。このような表示手法の一例として、右目用の画像と左目用の画像とで偏光状態を変えることにより、視聴者に立体的な三次元画像として知覚させる手法が知られている(特許文献1参照)。右目用の画像と左目用の画像とで偏光状態を変え、右目用の画像は右目から、左目用の画像は左目から見ることができるように偏光状態を左右で変えたメガネを視聴者がかけることにより、画面に表示される画像を立体的な三次元画像として知覚することができる。
このような右目用の画像と左目用の画像とを交互に表示させて三次元画像を知覚させる表示装置では、左目用の画像と右目用の画像との間に輝度や色の違いが生じると、フリッカして見えることになり、画質の低下、見づらさ等の悪影響を発生させてしまう。このフリッカを抑制するための手法として、右目用の画像と左目用の画像との間に違いが生じている場合に、右目用の画像と左目用の画像との間に生じた違いを補正する技術が開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、人間の目の特性が左目と右目とで同じとは限らない。従って、左目と右目とで知覚する色が異なり、左右の目で所望の色に知覚されないという問題が生じ得る。
そこで、本発明の目的は、観察者の左右の目の特性に起因するフリッカを抑制することにある。
本発明の色処理装置は、観察者の左右の目の視覚特性に基づいて、左目用の画像データの色を前記左目の知覚色に変換するとともに、右目用の画像データの色を前記右目の知覚色に変換する変換手段と、前記左目の知覚色及び前記右目の知覚色のうちの少なくとも何れか一方に基づいて、左目用の補正量及び右目用の補正量を算出する算出手段と、前記左目用の補正量に基づいて前記左目用の画像データを補正するとともに、前記右目用の補正量に基づいて前記右目用の画像データを補正する補正手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、観察者の左右の目の特性に起因するフリッカを抑制することが可能となる。
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る色処理装置100の構成を示す図である。CPU101は、RAM102をワークメモリとして、ROM108やハードディスクドライブ(HDD)105に格納されたオペレーティングシステム(OS)や各種ソフトウェアを実行する。そして、CPU101は、システムバス112を介して色処理装置100の各構成を制御する。シリアルATA(SATA)インタフェース(I/F)103は、HDD105とシステムバス112とを接続するインタフェースである。ネットワークI/F104は、ネットワーク113とシステムバス112とを接続するインタフェースである。グラフィックアクセラレータ106は、画像表示装置107とシステムバス112とを接続するインタフェースである。USB(universal serial bus)I/F109は、シリアルバスに接続されたキーボード110、マウス111、分光放射輝度計のような測定器114等のデバイスとシステムバス112とを接続するインタフェースである。
画像表示装置107は、光源、液晶パネル、及び、液晶パネルを挟んで設けられる一対の偏光板を備える。光源からの光は、液晶パネル及び偏光板を透過することで所定の方向に偏光された光となる。シャッタ眼鏡115は、例えば液晶シャッタからなる左目用画像透過部116及び右目用画像透過部117を備える。シャッタ眼鏡115は、画像表示装置107から送信される信号に応じて、左目用画像透過部116及び右目用画像透過部117の開閉動作を実行する。観察者は、シャッタ眼鏡115の左目用画像透過部116及び右目用画像透過部117を通して、画像表示装置107から出射される光を見ることにより、画像表示装置107に表示される画像を立体的な三次元画像として知覚することができる。一方、通常の画像が画像表示装置107に表示されている場合、観察者はそのまま画像表示装置107から出射される光を見ることにより、画像表示装置107に表示されている画像を通常の二次元画像として知覚することができる。
なお、本実施形態における画像表示装置107として、色処理装置100であるパーソナルコンピュータと接続して用いられるモニタを例示したが、画像表示装置107の具体的な態様はこれに限定されないことはいうまでもない。例えば、テレビ受像機、携帯型のゲーム機、携帯電話、又は、携帯型の音楽再生装置によって画像表示装置107を構成してもよい。
図2は、第1の実施形態に係る画像表示装置107の構成を示す図である。図2に示すように、第1の実施形態に係る画像表示装置107は、画像データ制御部200、タイミング制御部201、シャッタ制御部202、赤外線エミッタ203、画像表示部204、ゲートドライバ205、データドライバ206及びバックライト207を備える。
画像表示部204は、外部から信号が印加されることに応じて、複数の走査線を順次走査して画像を表示する。また、画像表示部204は、ガラス等の透明板の間に所定の配向状態を有する液晶分子が封入されている。画像表示部204の駆動方式として、TN方式、VA方式又はIPS方式等が挙げられる。
ゲートドライバ205は、画像表示部204のゲートバスライン(不図示)を駆動するためのドライバであり、タイミング制御部201から伝送された信号に応じて、ゲートバスラインに対して信号を出力する。データドライバ206は、画像表示部204のデータ線(不図示)に印加する信号を生成するためのドライバであり、タイミング制御部201から伝送された信号に応じて、データ線に対して信号を出力する。
バックライト207は、観察者側から見て画像表示部204の一番奥に設けられている。画像表示部204に画像が表示される際には、バックライト207からは偏光されていない(無偏光の)白色光が観察者側に位置する画像表示部204に出射される。バックライト207としては、例えば発光ダイオードを用いてもよいし、冷陰極管を用いてもよい。なお、図2では、バックライト207として面光源を示しているが、光源の態様はかかる例に限定されない。例えば、画像表示部204の周辺部に光源を配置し、当該光源からの光を拡散板等で拡散することで画像表示部204に光を出射してもよい。また例えば、面光源の替わりに点光源と集光レンズとを組み合わせてもよい。
画像データ制御部200は、外部から画像データを入力すると、入力した画像データに対し、画像表示部204における三次元画像の表示に適した画像データとするための各種画像処理を実行する。画像データ制御部200において画像処理が施された画像データはタイミング制御部201に対して出力される。また、画像データ制御部200は、画像データに対して画像処理を実行すると、当該画像処理に応じてシャッタ制御部202に対して所定の信号を出力する。
画像データ制御部200は、右目用の画像を画像表示部204に表示するための画像データ(以下、右目用画像データと称す)と、左目用の画像を画像表示部204に表示するための画像データ(以下、左目用画像データと称す)とを入力すると、これら2つの画像データから三次元画像を表示するための画像データを生成する。即ち、画像データ制御部200は、入力される右目用画像データ及び左目用画像データから三次元画像を表示するための画像データとして、画像表示部204において右目用画像→右目用画像→左目用画像→左目用画像→右目用画像→右目用画像→・・・と順次表示させるための画像データを生成する。また、画像データ制御部200は、右目用画像と左目用画像とを観察者が見たときにそれらが異なる色として知覚されるような場合、色の知覚の違いを無くして色を統一させるための色補正処理を実行する。
シャッタ制御部202は、画像データ制御部200から上記所定の信号を入力すると、当該所定の信号に応じてシャッタ眼鏡115のシャッタ動作を制御するためのシャッタ制御信号を生成する。シャッタ制御部202において生成されたシャッタ制御信号は、赤外線エミッタ203から送信される。シャッタ眼鏡115は、赤外線エミッタ203からシャッタ制御信号を受信すると、受信したシャッタ制御信号に基づいて、右目用画像透過部117及び左目用画像透過部116の開閉動作を実行する。
タイミング制御部201は、画像データ制御部200から入力される信号に応じて、ゲートドライバ205及びデータドライバ206の動作に用いられるパルス信号を生成する。ゲートドライバ205及びデータドライバ206がタイミング制御部201で生成されたパルス信号を入力することにより、画像データ制御部200から出力される信号に応じた画像が画像表示部204において表示される。
また、タイミング制御部201は、ゲートドライバ205及びデータドライバ206の動作に用いられるパルス信号を生成する際に、所定の信号処理を実行する。このタイミング制御部201における所定の信号処理によって、シャッタ眼鏡115のシャッタが開く期間におけるクロストークの改善が可能となる。
次に、観察者の色知覚に関する視覚特性データの取得動作について説明する。CPU101によってOSが起動させられると、画像表示装置107にユーザインタフェース(以下、UIと称す)が表示される。観察者は、キーボード110やマウス111を用いてUIを操作することにより、HDD105に格納された知覚色変換用データ取得アプリケーションプログラム(以下、APと称す)の実行を指示する。この指示を入力したOSはCPU101にAPを起動させる。さらに観察者は、UIを操作することにより、画像表示装置107に表示されるカラーパッチ画像の測定処理をAPに実行させる。
図3は、カラーパッチ画像の測定処理を示すフローチャートである。本処理は、CPU101がAPを実行することにより実現される処理である。
ステップS300において、CPU101は、視覚特性データを取得するためのUIを表示して、調整対象色ファイルの指定を観察者から受け付ける。ステップS301において、CPU101は、観察者によって指定された調整対象色ファイルをHDD105から読み込み、調整対象色ファイルから複数のカラーパッチ画像のRGBデータ(以下、パッチデータと称す)を、RAM102の所定の領域にロードする。なお、パッチデータは、RGBデータに対応するXYZデータを予め保持しているものとする。また、パッチデータは、ネットワーク113に接続されたサーバや、インターネット上のサーバから取得するようにしてもよい。
視覚特性データの作成が指示されると、CPU101は、RAM102の所定の領域にロードされたパッチデータの1つをグラフィックアクセラレータ106に供給する。ステップS302において、グラフィックアクセラレータ106は、供給されたパッチデータを左右どちらかの色信号として画像表示装置107に送信する。ステップS303において、画像表示装置107は、グラフィックアクセラレータ106から受信した色信号に基づいてカラーパッチ画像を表示する。
観察者は、キーボード110やマウス111を操作することにより、カラーパッチ画像の表示色を調整する。ステップS304において、CPU101は、観察者の操作に応じた表示色の調整量を入力し、入力した調整量に応じてグラフィックアクセラレータ106に色信号を出力する。CPU101は、表示色の調整量を入力し、色信号をグラフィックアクセラレータ106に出力した後、カラーパッチ画像の測定処理を測定器114に対して指示する。ステップS305において、CPU101は、カラーパッチ画像の測定処理の結果(測定値)を測定器114から入力し、HDD105に格納する。CPU101は、測定器114からカラーパッチ画像の測定処理の終了を示す信号を受信するまで、ステップS305の処理を繰り返す。
ステップS306において、CPU101は、測定器114から測定処理の終了を示す信号を受信すると、全てのカラーパッチ画像に対する表示色の調整及び測定処理が終了したか否かを判定する。全てのカラーパッチ画像に対する表示色の調整及び測定処理が終了していない場合、処理はステップS303に戻る。一方、全てのカラーパッチ画像に対する表示色の調整及び測定処理が終了した場合、処理はステップS307に移行する。
ステップS307において、CPU101は、左右の目でのカラーパッチ画像に対する表示色の調整及び測定処理が終了したか否かを判定する。左右の目でのカラーパッチ画像に対する表示色の調整及び測定処理が終了していない場合、即ち、片方の目でのカラーパッチ画像に対する表示色の調整及び測定処理しか終了していない場合、処理はステップS302に戻る。一方、左右の目でのカラーパッチ画像に対する表示色の調整及び測定処理が終了した場合、処理はステップS308に移行する。
ステップS308において、CPU101は、ステップS305においてHDD105に格納した測定値から片方の目の知覚色に変換するため、視覚特性データa11〜a33を算出する。視覚特性データa11〜a33の算出方法は、式1に示す方法により行われる。
先ず、CPU101は、視覚特性データa11〜a33を変換係数として測定値を変換する。なお、変換係数として用いられる視覚特性データa11〜a33の初期値は任意の値でよい。
X´n=a11×Xn+a12×Yn+a13×Zn
Y´n=a21×Xn+a22×Yn+a23×Zn
Z´n=a31×Xn+a32×Yn+a33×Zn
・・・式1
ここで、Xn、Yn、Znは表示色調整前のカラーパッチ画像の測定値であり、X´n、Y´n、Z´nは視覚特性データa11〜a33を変換係数として変換した後の測定値である。また、nはカラーパッチ画像の番号である。
X´n=a11×Xn+a12×Yn+a13×Zn
Y´n=a21×Xn+a22×Yn+a23×Zn
Z´n=a31×Xn+a32×Yn+a33×Zn
・・・式1
ここで、Xn、Yn、Znは表示色調整前のカラーパッチ画像の測定値であり、X´n、Y´n、Z´nは視覚特性データa11〜a33を変換係数として変換した後の測定値である。また、nはカラーパッチ画像の番号である。
次に、CPU101は、X´n、Y´n、Z´nの値がステップS305で得られた測色値Xmn、Ymn、Zmnに近くなるように、視覚特性データa11〜a33の値を最適化する。例えば、Xm、Ym、ZmとX´、Y´、Z´との差が最小となるような係数a11〜a33を求めることによって、視覚特性データa11〜a33を最適化することができる。その他、CIEで規定された色差が最小となるように視覚特性データa11〜a33の値を求める方法を用いてもよい。なお、最適化手法としては、例えば準ニュートン法や共役勾配法等が挙げられる。
次に、CPU101は、他方の目についても式1と同様に、視覚特性データb11〜b33を算出する。即ち、視覚特性データb11〜b33を変換係数とした場合の測定値の変換方法は、次の式2で表される。
X´n=b11×Xn+b12×Yn+b13×Zn
Y´n=b21×Xn+b22×Yn+b23×Zn
Z´n=b31×Xn+b32×Yn+b33×Zn
・・・式2
ここで、Xn、Yn、Znは表示色調整前のカラーパッチ画像の測定値であり、X´n、Y´n、Z´nは、視覚特性データb11〜b33を変換係数として変換した後の測定値である。また、nはカラーパッチ画像の番号である。ステップS309において、CPU101は、左右の目の視覚特性データa11〜a33、b11〜b33をHDD105に格納する。
X´n=b11×Xn+b12×Yn+b13×Zn
Y´n=b21×Xn+b22×Yn+b23×Zn
Z´n=b31×Xn+b32×Yn+b33×Zn
・・・式2
ここで、Xn、Yn、Znは表示色調整前のカラーパッチ画像の測定値であり、X´n、Y´n、Z´nは、視覚特性データb11〜b33を変換係数として変換した後の測定値である。また、nはカラーパッチ画像の番号である。ステップS309において、CPU101は、左右の目の視覚特性データa11〜a33、b11〜b33をHDD105に格納する。
なお、視覚特性データはこれに限定されない。例えば、上記視覚特性データは3×3のマトリックスデータであるが、これ以上の高次のマトリックスデータでもよいし、3次元のLUTであってもよい。他にも、個人の左右の目の特性に合うようにCIEで規定されている等色関数をカスタマイズした個人用の等色関数データであってもよい。
図4は、画像データ制御部200の構成を示す図である。以下、図4を参照しながら、画像データ制御部200の構成について説明する。
図4に示すように、画像データ制御部200は、左目知覚色変換部401、右目知覚色変換部402、左右補正量決定部403、左信号補正部404、右信号補正部405及びパネル駆動信号変換部406を備える。
左目知覚色変換部401は、左目用画像データを観察者の知覚色に変換する。例えば、左目用画像データの色空間がsRGB色空間である場合、左目知覚色変換部401は、公知の変換式を用いて、左目用画像データをRGB信号からCIEで規定されている3刺激値XYZに変換する。次に、左目知覚色変換部401は、式3に示すように、上述した視覚特性データa11〜a33を変換係数として3刺激値XYZを観察者の見えであるX´、Y´、Z´に変換する。
X´=a11×X+a12×Y+a13×Z
Y´=a21×X+a22×Y+a23×Z
Z´=a31×X+a32×Y+a33×Z
・・・式3
観察者の見えであるX´、Y´、Z´は、左右補正量決定部403及び左信号補正部404に対して出力される。
X´=a11×X+a12×Y+a13×Z
Y´=a21×X+a22×Y+a23×Z
Z´=a31×X+a32×Y+a33×Z
・・・式3
観察者の見えであるX´、Y´、Z´は、左右補正量決定部403及び左信号補正部404に対して出力される。
一方、右目知覚色変換部402は、右目用画像データを観察者の知覚色に変換する。即ち、左目知覚色変換部401と同様に、右目知覚色変換部402は、右目用画像データをRGB信号からCIEで規定されている3刺激値XYZに変換する。次に、右目知覚色変換部402は、式4に示すように、上述した視覚特性データb11〜b33を変換係数として3刺激値XYZを観察者の見えであるX´´、Y´´、Z´´に変換する。
X´´=b11×X+b12×Y+b13×Z
Y´´=b21×X+b22×Y+b23×Z
Z´´=b31×X+b32×Y+b33×Z
・・・式4
観察者の見えであるX´´、Y´´、Z´´は、左右補正量決定部403及び右信号補正部405に出力される。なお、3刺激値XYZを観察者の見えに変換するための式は、式3及び式4に限定されず、観察者の視覚特性データの形式によって変更される。
X´´=b11×X+b12×Y+b13×Z
Y´´=b21×X+b22×Y+b23×Z
Z´´=b31×X+b32×Y+b33×Z
・・・式4
観察者の見えであるX´´、Y´´、Z´´は、左右補正量決定部403及び右信号補正部405に出力される。なお、3刺激値XYZを観察者の見えに変換するための式は、式3及び式4に限定されず、観察者の視覚特性データの形式によって変更される。
左右補正量決定部403は、左目知覚色変換部401及び右目知覚色変換部402から入力した左右の目の観察者の見えから補正量を決定する。本実施形態では、左と右との中間色が知覚色となるように補正を行う。左と右との中間色をXm、Ym、Zmとすると、左目用画像データの補正量ΔXl、ΔYl、ΔZlは、式5で表される。なお、左と左との中間色とは、観察者の左目の知覚色と右目の知覚色との中間色である。
ΔXl=Xm−X´
ΔYl=Ym−Y´
ΔZl=Zm−Z´
・・・式5
ΔXl=Xm−X´
ΔYl=Ym−Y´
ΔZl=Zm−Z´
・・・式5
同様に、右目用画像データの補正量ΔXr、ΔYr、ΔZrは、式6で表される。
ΔXr=Xm−X´´
ΔYr=Ym−Y´´
ΔZr=Zm−Z´´
・・・式6
ΔXr=Xm−X´´
ΔYr=Ym−Y´´
ΔZr=Zm−Z´´
・・・式6
算出された左目用画像データの補正量及び右目用画像データの補正量はそれぞれ、左信号補正部404及び右信号補正部405に対して出力される。なお、本実施形態では、左と右との中間色となるように補正を行ったが、これに限定されない。例えば、観察者の効き目情報に基づいて左右のどちらかの知覚色を選択し、選択した知覚色となるように補正を行ってもよいし、ある目標の知覚色となるように補正を行ってもよい。また、左右の知覚色が近い場合は、必ずしも補正を行わなくてもよく、補正量をゼロとしてもよい。
次に、左信号補正部404は、左右補正量決定部403から入力した補正量ΔXl、ΔYl、ΔZlを用いて3刺激値を補正する。補正後の3刺激値をXl、Yl、Zlとすると、3刺激値の補正は式7で表される。
Xl=X´+ΔXl
Yl=Y´+ΔYl
Zl=Z´+ΔZl
・・・式7
Xl=X´+ΔXl
Yl=Y´+ΔYl
Zl=Z´+ΔZl
・・・式7
同様に、右信号補正部405は、左右補正量決定部403から入力した補正量ΔXr、ΔXr、ΔXrを用いて3刺激値を補正する。補正後の3刺激値をXr、Yr、Zrとすると、3刺激値の補正は式8で表される。
Xr=X´+ΔXr
Yr=Y´+ΔYr
Zr=Z´+ΔZr
・・・式8
Xr=X´+ΔXr
Yr=Y´+ΔYr
Zr=Z´+ΔZr
・・・式8
パネル駆動信号変換部406は、3刺激値からRGB信号へのCIE変換式を用いて、3刺激値Xl、Yl、Zl及びXr、Yr、ZrをRGB信号に変換する。
図5は、図3のステップS300において表示されるUIの構成を示す図である。観察者は、図5に示すUI上において、測定色ファイル指定ボタン503を押すことにより、カラーパッチ画像のRGB値が記述された測定色ファイルを指定する。CPU101は、指定された測定色ファイルに応じて調整対象色ファイルを読み込み、当該調整対象ファイルに含まれるカラーパッチ画像の番号とRGB値とをウィンドウ504にリスト表示する。
観察者は、ウィンドウ504上のリストから表示したいカラーパッチ画像を選択し、カラーウィンドウ501及び502上に選択したカラーパッチ画像を表示させる。カラーウィンドウ501は左目用の画像が表示されるウィンドウであり、カラーウィンドウ501に表示される画像は、シャッタ眼鏡115の左目用画像透過部116を通して観察される。同様に、カラーウィンドウ502は右目用の画像が表示されるウィンドウであり、カラーウィンドウ502に表示される画像は、シャッタ眼鏡115の右目用画像透過部117を通して観察される。
続いて、観察者は、片方の目の特性の調査として、左目色調整ボタン508を押した後、左目の見えが右目の見えに近くなるように色調整ボタン505を操作して、カラーパッチ画像の表示色を調整する。色調整ボタン505は十字方向に配置されたボタンであり、それぞれの方向は赤、緑、青、黄色等の色の方向に対応している。例えば、CIEで規定されたLab空間を想定した場合、上下方向はb方向、左右方向はa方向に対応付けることが考えられる。その他、xy、uv等も色調整ボタン505の方向と対応付けることができる。続いて、観察者は、右目色調整ボタン509を押し、色調整ボタン505を操作することにより、右目の見えが左目の見えに近くなるようにカラーパッチ画像の表示色を調整する。観察者は、表示色を調整した後、測定ボタン506を押すことにより、表示色調整後のカラーパッチ画像を測定器114に測定させる。最後に観察者は、視覚特性データ生成ボタン507を押すことにより、視覚特性データを生成させる。
このように、本実施形態によれば、左右の目の知覚色が近くなるように、カラーパッチ画像の表示色を調整することができるため、観察者の左右の目の特性に起因するフリッカを抑制することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、左右の目の特性の違いを考慮してフリッカを抑制した。但し、等色関数は左右の目だけでなく、そもそも個人差が存在する。そこで、第2の実施形態では、左右の目の特性に起因するフリッカを抑制しつつ、さらに個人毎の等色関数の差を補正するための補正データを作成する。以下では、第1の実施形態と相違する点についてのみ説明を行うものとする。
図6は、第2の実施形態において図3のステップS300にて表示されるUIの構成を示す図である。図6において、601はディスプレイである。602はプリント物である。603はプリント用紙上に印刷されたカラーパッチ画像であり、図6におけるUI500は略して示しているが、図5に示したUIと同様の情報が表示されたものである。
ところで、個人による色の見えの違いは、発光物の分光特性によって異なる。ここでは、ディスプレイ601は色の知覚の個人差が大きく、プリント物602は色の知覚の個人差が小さいものとする。
観察者は、UI500を操作することにより、プリント物602に印刷されたカラーパッチ画像603の色になるように表示色の調整を行う。左目はカラーウィンドウ501とプリント物602に印刷されたカラーパッチ画像603とを比較し、右目はカラーウィンドウ502とプリント物602に印刷されたカラーパッチ画像603とを比較することにより、表示色の調整が行われる。観察者は、表示色を調整した後、第1の実施形態と同様に、測定ボタン506を押すことにより、表示色調整後のカラーパッチ画像を測定器114に測定させる。最後に、観察者は、視覚特性データ生成ボタン507を押すことにより、知覚特性データを生成させる。
なお、第2の実施形態では、プリント物602に印刷されるカラーパッチ画像603を比較対象としたが、これに限定されない。例えば、他のディスプレイやプロジェクタでもよいし、人や物等、色味の比較対象は何れでもよい。以上、第2の実施形態によれば、観察者の左右の目の特性に起因するフリッカのみならず、個人差による色の見えの違いを抑制することが可能となる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
101:CPU、102:RAM、103:SATA I/F、104:ネットワークI/F、105:HDD、106:グラフィックアクセラレータ、107:画像表示装置、108:ROM、109:USB I/F、110:キーボード、111:マウス、112:システムバス、113:ネットワーク、114:測定器、115:シャッタ眼鏡、116:左目用画像透過部、117:右目用画像透過部
Claims (6)
- 観察者の左右の目の視覚特性に基づいて、左目用の画像データの色を前記左目の知覚色に変換するとともに、右目用の画像データの色を前記右目の知覚色に変換する変換手段と、
前記左目の知覚色及び前記右目の知覚色のうちの少なくとも何れか一方に基づいて、左目用の補正量及び右目用の補正量を算出する算出手段と、
前記左目用の補正量に基づいて前記左目用の画像データを補正するとともに、前記右目用の補正量に基づいて前記右目用の画像データを補正する補正手段とを有することを特徴とする色処理装置。 - 前記算出手段は、前記左目の知覚色と所定の色との差分に基づいて前記左目用の補正量を算出するとともに、前記右目の知覚色と前記所定の色との差分に基づいて前記右目用の補正量を算出することを特徴とする請求項1に記載の色処理装置。
- 前記所定の色は、前記左目の知覚色と前記右目の知覚色との中間色であることを特徴とする請求項2に記載の色処理装置。
- 前記算出手段は、前記観察者の効き目情報に基づいて、前記左目の知覚色及び前記右目の知覚色のうちの何れか一方を選択し、選択した知覚色に基づいて、前記左目用の補正量及び前記右目用の補正量を算出することを特徴とする請求項1に記載の色処理装置。
- 色処理装置によって実行される色処理方法であって、
観察者の左右の目の視覚特性に基づいて、左目用の画像データの色を前記左目の知覚色に変換するとともに、右目用の画像データの色を前記右目の知覚色に変換する変換ステップと、
前記左目の知覚色及び前記右目の知覚色のうちの少なくとも何れか一方に基づいて、左目用の補正量及び右目用の補正量を算出する算出ステップと、
前記左目用の補正量に基づいて前記左目用の画像データを補正するとともに、前記右目用の補正量に基づいて前記右目用の画像データを補正する補正ステップとを有することを特徴とする色処理方法。 - 観察者の左右の目の視覚特性に基づいて、左目用の画像データの色を前記左目の知覚色に変換するとともに、右目用の画像データの色を前記右目の知覚色に変換する変換ステップと、
前記左目の知覚色及び前記右目の知覚色のうちの少なくとも何れか一方に基づいて、左目用の補正量及び右目用の補正量を算出する算出ステップと、
前記左目用の補正量に基づいて前記左目用の画像データを補正するとともに、前記右目用の補正量に基づいて前記右目用の画像データを補正する補正ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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---|---|---|---|
JP2011289458A JP2013140198A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 色処理装置、色処理方法及びプログラム |
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Family Applications (1)
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JP2011289458A Pending JP2013140198A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 色処理装置、色処理方法及びプログラム |
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-
2011
- 2011-12-28 JP JP2011289458A patent/JP2013140198A/ja active Pending
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