JP2013139939A - 冷凍装置 - Google Patents

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修二 藤本
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Abstract

【課題】気液分離器における気液分離性能を向上させることが可能な冷凍装置を提供する。
【解決手段】第1気液分離器61は、膨張機56の下流側に接続され、内部の冷媒を第1気相領域61aと第1液相領域61bに分ける。第2気液分離器65は、第1気液分離器61から供給される冷媒を、第2気相領域65aと第2液相領域65bに分ける。第1気相配管62は、第1気相領域61aと第2気相領域65aを接続する。第1液相配管63は、第1液相領域61bと第2液相領域65bを接続する。第1吸入側回路98は、第2気液分離器65の第2気相領域65aの冷媒を、第1圧縮機21の吸入側に送るための配管である。液冷媒連絡配管5は、第2気液分離器65の第2液相領域65bの冷媒を蒸発器として機能する利用側熱交換器7a、7bに送るための配管である。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷凍装置に関する。
例えば、特許文献1(特開2009−8350号公報)に記載のように、膨張機において減圧された冷媒を、膨張機の下流側に接続されており気液分離器として機能する冷媒貯留タンクによって、ガス冷媒と液冷媒に分離する冷凍装置が提案されている。
この冷凍装置では、分離された気相冷媒を減圧させ、液相冷媒と熱交換させることにより、液相冷媒の過冷却度を高めている。
ところが、上述の特許文献1(特開2009−8350号公報)に記載されているような冷媒貯留タンクでは、気相冷媒と液相冷媒との分離が不十分になるおそれがある。例えば、膨張機から送られてくる冷媒流れは、液相の多い部分と気相の多い部分とが交互に送られるスラグ流となることがあり、冷媒貯留タンクへ流入する冷媒速度が一定でないことがある。特に、上記スラグ流中のうち気相冷媒の部分については流速が早くなりがちであるため、冷媒貯留タンクの液面が安定しにくい。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、気液分離器における気液分離性能を向上させることが可能な冷凍装置を提供することにある。
本発明の第1観点に係る冷凍装置は、圧縮機、熱源側熱交換器、膨張機、及び、利用側熱交換器が接続されており、冷媒を循環させることで冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置であって、第1気液分離器と、第2気液分離器と、第1気相配管と、第1液相配管と、吸入配管と、接続配管と、を備えている。第1気液分離器は、膨張機の下流側に接続され、内部の冷媒を第1気相領域と第1液相領域に分ける。第2気液分離器は、第1気液分離器から供給される冷媒を、第2気相領域と第2液相領域に分ける。第1気相配管は、第1気液分離器の第1気相領域と第2気液分離器の第2気相領域を接続する。第1液相配管は、第1気液分離器の第1液相領域と第2気液分離器の第2液相領域を接続する。吸入配管は、第2気液分離器の第2気相領域の冷媒を、圧縮機の吸入側に送るための配管である。接続配管は、第2気液分離器の第2液相領域の冷媒を、熱源側熱交換器と利用側熱交換器のうち冷媒の蒸発器として機能する熱交換器に送るための配管である。
この冷凍装置では、第2気液分離器に流入する前に、より上流側に配置された第1気液分離器において気液分離が行われている。このため、第1気液分離器に流入する冷媒流れが気相冷媒と液相冷媒が混在したスラグ流になっており、第1気液分離器内において気相冷媒の存在する領域と液相冷媒の存在する領域との境界が明確になっていない状況であっても、第1気液分離器の内部において、気相冷媒の比率を高めた領域と液相冷媒の比率を高めた領域とに分けることができる。
そして、気相冷媒の比率が高められた領域の冷媒は、第1気相配管を介して第2気液分離器の第2気相領域に送られ、液相冷媒の比率が高められた領域の冷媒は、第1液相配管を介して第2気液分離器の第2液相領域に送られる。
このため、第2気液分離器内において気相冷媒の存在する領域と液相冷媒の存在する領域との境界を、第1気液分離器内における当該境界よりも、明確化させた状態で、安定的に維持することができる。これにより、第2気液分離器から吸入配管に送られる気相冷媒と、第2気液分離器から接続配管に送られる液相冷媒と、の分離性能を高めることが可能になる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置において、第1気液分離器の内容積は、第2気液分離器の内容積よりも小さい。
一般に、冷凍装置において、気液分離器が1つだけ設けられている場合には、内容積を大きくすることで気液境界を安定的に維持することができる。ところが、気液分離器が1つだけ設けられている場合には、気液境界を安定的に維持するために必要となる内容積が大きいため、大きな設置スペースが必要になってしまう。
これに対して、この冷凍装置では、気液分離器を2段階に配置した場合において上流側に配置されている第1気液分離器の内容積を第2気液分離器の内容積よりも小さくしている。これにより、第1気液分離器と第2気液分離器の合計内容積を、気液分離器が1つの場合に必要となる内容積と比較して小さくし、気液分離器が1つだけ設けられている場合の気液分離性能と同等の効果を得ることが可能になる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置は、第1観点または第2観点に係る冷凍装置において、第1気相配管の第2気液分離器側端部は、第1液相配管の第2気液分離器側端部よりも高い位置にある。
この冷凍装置では、第2気液分離器内の気液境界を、より明確化させた状態で安定的に維持することが可能になる。
本発明の第4観点に係る冷凍装置は、第3観点に係る冷凍装置において、第2気液分離器は、冷媒回路におけるレシーバとしての機能を有している。第1液相配管の第2気液分離器側端部は、第2気液分離器のレシーバとしての設計最高液面高さの近くに位置している。
この冷凍装置では、第1液相配管を経由して第2気液分離器に流入してくる液冷媒の流入位置を、第2気液分離器の液面高さよりも高い位置に維持することができる。これにより、第2気液分離器内の液面を明確化させた状態で安定的に維持することが可能になる。
本発明の第5観点に係る冷凍装置は、第1観点から第4観点のいずれかに係る冷凍装置において、第1気液分離器は、流入した冷媒を旋回させて気液分離を行う旋回式である。第2気液分離器は、容積式である。
この冷凍装置では、第1気液分離器については旋回流を生じさせるような接続形態であれば任意の方向から冷媒配管の接続が可能になるため、第1気液分離器の取付方向の規制を緩和させることができる。これにより、第1気液分離器の取付方向の規制を緩和させつつ、気液分離性能を高めることができる。
本発明の第1観点に係る冷凍装置では、第2気液分離器から吸入配管に送られる気相冷媒と、第2気液分離器から接続配管に送られる液相冷媒と、の分離性能を高めることが可能になる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置では、気液分離性能を保ったままで、第1気液分離器と第2気液分離器の合計内容積を小さくしすることが可能になる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置では、第2気液分離器内の気液境界を、より明確化させた状態で安定的に維持することが可能になる。
本発明の第4観点に係る冷凍装置では、第2気液分離器内の液面を明確化させた状態で安定的に維持することが可能になる。
本発明の第5観点に係る冷凍装置では、第1気液分離器の取付方向の規制を緩和させつつ、気液分離性能を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る冷凍装置の冷媒回路概略図である。 本発明の第1実施形態に係る冷媒回路のモリエル線図である。 本発明の第1実施形態に係る気液分離機構の概略図である。 本発明の第1実施形態に係るサイクロン式気液分離器の径方向視断面概略図である。 本発明の第1実施形態に係るサイクロン式気液分離器の軸方向視概略図である。 膨張機における減圧程度と利用側に送られる冷媒の過冷却度との関係を説明するモリエル線図である。 他の実施形態に係る気液分離機構の概略図である。
(1)第1実施形態
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態が採用された冷凍装置1を説明する。
(1−1)冷凍装置の全体構成
図1に、冷凍装置1の冷媒回路概略図を示す。図2に、当該冷媒回路のモリエル線図を示す。
冷凍装置1は、第1吸入側回路98、第2吸入側回路99、圧縮機構としての第1圧縮機21および第2圧縮機26と、第1四路切換弁24および第2四路切換弁29と、熱源側熱交換器35と、インタークーラ30と、ブリッジ回路40と、第1冷媒配管58と、インジェクション回路50と、エコノマイザ熱交換器51と、エコノマイザ膨張弁52と、膨張機56と、膨張機バイパス回路55と、バイパス膨張弁57と、気液分離機構60としての第1気液分離器61、第1気相配管62、第1液相配管63および第2気液分離器65と、第2冷媒配管70と、過冷却回収熱交換器71と、回収回路81と、回収膨張弁82と、過冷却回路83と、過冷却膨張弁84と、過冷却回収回路78と、液冷媒連絡配管5と、第1利用側膨張弁8aと、第2利用側膨張弁8bと、第1利用側熱交換器7aと、第2利用側熱交換器7bと、ガス冷媒連絡配管6と、各逆止弁22、25、27、31と、を備えた冷媒回路と、第1利用側ファン9aと、第2利用側ファン9bと、熱源側ファン36と、を備えている。
冷媒回路には、冷媒として、例えば、二酸化炭素冷媒が封入されている。冷媒回路内では、この冷媒を循環させることにより冷凍サイクルが行われる。
なお、図1において、第1四路切換弁24および第2四路切換弁29は、熱源側熱交換器35を冷媒の放熱器として、第1利用側熱交換器7aおよび第2利用側熱交換器7bを冷媒の蒸発器として機能させる運転(すなわち、冷房運転)を実行する際の接続状態の例を実線で示しており、第1利用側熱交換器7aおよび第2利用側熱交換器7bを冷媒の放熱器として熱源側熱交換器35を冷媒の蒸発器として機能させる運転(すなわち、暖房運転)を実行する際の接続状態を点線で示している。以下の冷媒回路構成の接続状態の説明は、冷房運転の接続状態について説明する。
第1吸入側回路98は、第2四路切換弁29のポートの1つと、第1圧縮機21の吸入側を接続している。
第1圧縮機21は、第1吸入側回路98を通じてガス冷媒を吸入し、圧縮して第1四路切換弁24側に向けて吐出する。第1圧縮機21の吐出側と、第1四路切換弁24との間に、当該第1四路切換弁24側に流れる冷媒流れのみを許容する逆止弁22が設けられている。
第2吸入側回路99は、第1四路切換弁24のポートの1つと、第2圧縮機26の吸入側とを接続しており、途中にインタークーラ30と、インタークーラ30と第2圧縮機26の吸入側との間において第2圧縮機26への吸入流れのみを許容する逆止弁31と、を有している。この冷房運転では、第1圧縮機21から吐出されて第1四路切換弁24を通過した冷媒は、第2吸入側回路99内を流れて、インタークーラ30を通過し(点C)、逆止弁31を通過して後述するインジェクション回路50からの冷媒と合流した後(点D)第2圧縮機26に吸入される。
第2圧縮機26の吐出側と、第2四路切換弁29との間には、第2圧縮機26の吐出側から第2四路切換弁29側に向かう冷媒流れのみを許容する逆止弁27が設けられている。
熱源側熱交換器35は、第2四路切換弁29の1つのポートと、ブリッジ回路40とを繋ぐ配管の途中に設けられている。
熱源側ファン36は、熱源側熱交換器35とインタークーラ30との両方に、冷却用の流体を送る。この熱源側ファン36は、例えば、熱源側熱交換器35やインタークーラ30が屋外に設置されている場合に、屋外空気を熱源側熱交換器35やインタークーラ30に対して送ることになる。
ブリッジ回路40は、第1ポートH1、第2ポートH2、第3ポートH3、第4ポートH4の4つの接続ポートを有している。第1ポートH1と第2ポートH2とは、第2ポートH2側に向かう冷媒流れのみを許容する逆止弁42を介して接続されている。第3ポートH3と第4ポートH4とは、第4ポートH4側に向かう冷媒流れのみを許容する逆止弁44を介して接続されている。第1ポートH1と第3ポートH3とは、ブリッジ膨張弁41を介して接続されている。第4ポートH4と第2ポートH2とは、第2ポートH2側に向かう冷媒流れのみを許容する逆止弁43を介して接続されている。第1ポートH1と第4ポートH4とは接続されていない。また、第2ポートH2と第3ポートH3も接続されていない。
第1冷媒配管58は、ブリッジ回路40の第2ポートH2から気液分離機構60まで延びている冷媒配管であり、途中にエコノマイザ熱交換器51と、膨張機56、バイパス膨張弁57を有している。
インジェクション回路50は、第1冷媒配管58におけるブリッジ回路40の第2ポートH2とエコノマイザ熱交換器51との間(点I)から分岐し、第2吸入側回路99の点Dで合流するように延びている回路である。
エコノマイザ熱交換器51は、このインジェクション回路50の途中に設けられたエコノマイザ膨張弁52で減圧された冷媒(点J)と、第1冷媒配管58を流れる冷媒と、の間で熱交換を行わせる。
膨張機56は、第1冷媒配管58のうち、エコノマイザ熱交換器51において熱交換を終えた冷媒を膨張させる装置であり、膨張によって動力回収を行う。膨張機56は、回収する動力もしくは冷媒の減圧程度を回転数制御されている。なお、膨張機56において回収された動力は、図示しない装置を用いて電力に変換され、冷凍装置1の各構成機器(例えば、第1圧縮機21や第2圧縮機26)において電力として利用される。
膨張機バイパス回路55は、第1冷媒配管58のうち、膨張機56の上流側(点K)と膨張機56の下流側(点L)とを接続しており、途中にバイパス膨張弁57が設けられている。
気液分離機構60は、第1冷媒配管58に接続された第1気液分離器61と、第2気液分離器65と、第1気液分離器61と第2気液分離器65とを接続する第1気相配管62および第1液相配管63を有しており、冷媒回路中における余剰冷媒を蓄えるレシーバとしても機能する。図3に、気液分離機構の概略図を示す。また、図4に、サイクロン式気液分離器である第1気液分離器61の径方向視断面概略図を示す。図5に、第1気液分離器61の軸方向視概略図を示す。
第1気相配管62は、図3および図4に示すように、第1気液分離器61内のうち気相状態の冷媒の比率が高い領域である第1気相領域61aから、第2気液分離器65の上方の空間まで延びる冷媒配管である。第1気相配管62の下流側端部は、水平方向に延びるようにして第2気液分離器65の第2気相領域65aに接続されている。
第1液相配管63は、図3および図4に示すように、第1気液分離器61内のうち液相状態の冷媒の比率が高い領域である第1液相領域61bから、第2気液分離器65内の気相状態の冷媒の多い第2気相領域において、第1気相配管62の先端位置よりも下方に先端位置が位置するように延びる冷媒配管である。また、第1液相配管63の下流側端部は、水平方向に延びるようにして第2気液分離器65の第2気相領域65aに接続されている。なお、この第1液相配管63の出口先端は、第2気液分離器65の設計最高液面高さよりも高い位置に配置されている。この設計最高液面高さとは、第1圧縮機21、第2圧縮機26および膨張機56等の運転状態および使用される環境条件に基づいて予め定められるものである。
第1気液分離器61は、径方向視断面概略図である図4、および、軸方向視概略図である図5に示すように、サイクロン式の気液分離器である。第1気液分離器61は、同心の配置関係となっており互いに内部空間が連通している、導入室10と、増速室14と、導出室17とを有している。
導入室10は、側壁12と周壁13とを有する円筒形状である。第1冷媒配管58は、導入室10の周壁13の一部に対して、当該一部の周方向(接線方向)に接続されており、導入室10内に冷媒の渦流れを形成させることを可能にしている。この導入室10の側壁12は、円形状であり、周面に形成された冷媒導入口11を介して第1気相配管62が延びだしている。第1冷媒配管58を介して導入室10に流入した冷媒は、周壁13の内壁面に沿って旋回し、ガス冷媒が中心部に集まっていく。そして、中心部に集まったガス冷媒は、第1気相配管62に抽出されていく。
増速室14は、導入室10から離れるにつれて半径が短くなる絞り周壁15を有しており、部分的な円錐形状となっている。増速室14の入口側の半径は、導入室10の半径と同一である。増速室14の出口側には、増速室14のうち導入室10側とは反対側の端部に形成され、入口側よりも半径が小さい連絡口16が設けられている。
導出室17は、周方向の壁面を構成する周壁18と、導入室10側とは反対側の側面を構成する側壁19と、を有しており、円筒形状に形成されている。導出室17の周壁18の内径は、増速室14の連絡口16の内径よりも大きく、かつ、第1液相配管63の内径よりも大きくなるように形成されている。導出室17の側壁19は、円形状であり、その円心部分からは、第1液相配管63が延び出している。導出室17の中心には、導入室10に導入された冷媒と比べて液冷媒の比率が増大した冷媒が、第1液相配管63に抽出されていく。
第2気液分離器65は、図3に示すように、容積式の気液分離器であり、内部空間のうち上方に第2気相領域65aを、内部空間のうち下方に第2液相領域65bを、それぞれ有している。なお、第2気液分離器61内における内容積は、第1気液分離器61の内容積の2倍から10倍の範囲であり、例えば、7倍の大きさになっている。
第2冷媒配管70は、第2気液分離器65の第2液相領域65bのうちの下方の領域から延び出している冷媒配管であり、ブリッジ回路40の第3ポートH3と接続されている。
過冷却回収熱交換器71は、第2冷媒配管70の途中に設けられている。
回収回路81は、第2気液分離器65の第2気相領域65aのうち、上方の壁面から延び出しており、後述する過冷却回路83と合流する合流点(点S)まで延びている。回収膨張弁82は、回収回路81の途中に設けられている。
過冷却回路83は、第2冷媒配管70のうち、第2気液分離器65と過冷却回収熱交換器71との間の分岐点(点N)から分岐し、回収回路81と合流する合流点(点S)まで延びている。過冷却膨張弁84は、過冷却回路83の途中に設けられている。
過冷却回収回路78は、回収回路81と過冷却回路83との合流点(点S)から第1吸入側回路98の合流点(点X)まで延びている。
過冷却回収熱交換器71では、第2冷媒配管70を流れる冷媒と、過冷却回収回路78を流れる冷媒と、の間で熱交換が行われる。ここでの第2冷媒配管70の冷媒流れと、過冷却回収回路78の冷媒流れとは、互いに対向流の関係となっている。
液冷媒連絡配管5は、熱源側の端部が冷媒配管を介してブリッジ回路40の第4ポートH4と接続されている。この液冷媒連絡配管5は、50〜200mのような非常に長い配管である。また、液冷媒連絡配管5の利用側の端部は、冷媒配管を介して、第1利用側膨張弁8aと第2利用側膨張弁8bのそれぞれに向けて分岐する分岐点(点U)と接続されている。
第1利用側熱交換器7aは、第1利用側膨張弁8aに対して接続されている。第1利用側ファン9aは、第1利用側熱交換器7aに対して流体を供給する。第2利用側熱交換器7bは、第2利用側膨張弁8bに対して接続されている。第2利用側ファン9bは、第2利用側熱交換器7bに対して流体を供給する。ここで、例えば、第1利用側熱交換器7aや第2利用側熱交換器7bが室内に配置されており、室内空気の温度調節のために用いられる場合には、第1利用側ファン9a(第2利用側ファン9b)は、室内の空気を取り込んで第1利用側熱交換器7a(第2利用側熱交換器7b)に通じて、温度調節された空気を再び室内に供給するための空気流れを形成させる。
ガス冷媒連絡配管6は、利用側の端部が、第1利用側熱交換器7aのうち第1利用側膨張弁8aとは反対側に向けて延びる冷媒配管と、第2利用側熱交換器7bのうち第2利用側膨張弁8bとは反対側に向けて延びる冷媒配管と、の合流点(点W)に対して、冷媒配管を介して接続されている。ガス冷媒連絡配管6は、熱源側の端部が、第2四路切換弁29のポートの1つに対して、冷媒配管を介して接続されている。このガス冷媒連絡配管6についても、液冷媒連絡配管5と同様に、50〜200mのような非常に長い配管である。
なお、第1圧縮機21および第2圧縮機26の駆動状態、第1四路切換弁24および第2四路切換弁29の接続切換状態、ブリッジ回路40のブリッジ膨張弁41の弁開度、エコノマイザ膨張弁52の弁開度、膨張機56の動力回収程度、バイパス膨張弁57の弁開度、回収膨張弁82の弁開度、過冷却膨張弁84の弁開度、第1利用側膨張弁8aおよび第2利用側膨張弁8bの弁開度、第1利用側ファン9aと第2利用側ファン9bと熱源側ファン36の流体供給量(例えば、風量)は、制御部3によってコントロールされる。
(1−2)第1気液分離器における気液分離動作
上述したように構成された第1気液分離器61は、以下に述べるようにして気液二相流状態の冷媒からガス冷媒を分離させる。まず、円筒形状の導入室10に対し、図4に示すように、導入室10内を旋回するのに十分な流速を持たせた気液二相流を、周壁13の内壁面に沿って導入させる。
そうすると、気液二相冷媒のうち比重が大きな液冷媒は、遠心力によってほぼ周壁13の内壁面に沿って集まり、比重の小さなガス冷媒は、旋回流の中央部に集まることになる。ここで、導入室10で生成された旋回流は、導入室10、増速室14および導出室17を貫通する軸心上に旋回流の中心が形成されるようになると、旋回流が安定し好ましい状態となるが、当初は、導入室10で生成される冷媒旋回流の中心は、必ずしも軸心と一致しない。これに対して、増速室14に流入した冷媒は、増速されることにより、周壁の内壁面部と中心部の分離がより明確にされるとともに、冷媒旋回流の中心が導出室17の中心に近づき、液膜が安定化される。
また、増速室14は、先細の円錐状に形成されているので、この増速室14を通過する冷媒旋回流の旋回径が出口に向かうにつれて小さくなり、冷媒の旋回速度が高まる。また、このように冷媒の旋回径が小さくなるとともに増速されることにより増速室14内における冷媒旋回流が安定する。特に、冷媒流れに間欠的な変化が生じているスラグ流等の気液二相流が冷媒導入口11から導入される状態であっても、その冷媒の密度分布の不連続性が低減される。
また、出口の連絡口16に向かうにつれ冷媒の旋回径を小さくすることにより、冷媒旋回流の中心を中心軸に近付けることができる。また、冷媒旋回流が安定すると、増速室14内における冷媒密度が、この増速室14と中心を同一とする円形の等高線状に分布するようになる。したがって、この増速室14の形状によって冷媒の旋回速度の増加及び冷媒の密度分布の安定化の両方を実現することができるとともに、冷媒の旋回速度増加及び冷媒の密度分布の安定化のための特別な器具等を省略することができ、これにより第1気液分離器61の構成を簡略化することができる。
また、導入室10から増速室14への冷媒は、導入室10においてガス冷媒が分離された後の冷媒であるため、冷媒中のガス冷媒の割合が減少している。このため、液膜が均一化され易くなり、増速室14における気液分布が安定し、導入室10及び増速室14における冷媒旋回流が安定する。そして、増速室14からの冷媒は、増速室14の先端に形成された連絡口16から比較的小さい直径の導出室17に導入される。
増速室14から導出室17への冷媒噴流は、連絡口16の半径が、導出室17の半径よりも小さいので、液冷媒が旋回流の遠心力で周壁18の内壁面に吹き飛ばされ、ガス冷媒が中心部から噴出される。このため、導出室17においては、周壁18の内壁面に沿って液混じりの冷媒旋回流が形成される。これにより前述の導入室10および増速室14における旋回流を安定化させることができる。さらに、導入室10でも、一旦ガス冷媒が第1気相配管62に流入され始めると、吸込まれる流速が早いため密度の小さいガス冷媒はさらに中心に集まり易くなる。これによっても、冷媒旋回流が安定化されるので、導入室10の中央部からガス冷媒を安定的に抽出することができる。一方、導出室17の側壁19の中心部に設けられた第1液相配管63からは液冷媒の比率が高められた冷媒が導出される。
(1−3)冷房運転
以下、第1四路切換弁24および第2四路切換弁29を図1に実線で示す接続状態に切り換えて、熱源側熱交換器35を冷媒の放熱器として機能させ、第1利用側熱交換器7aおよび第2利用側熱交換器7bを冷媒の蒸発器として機能させる冷房運転を実行する際の冷媒状態の変化を説明する。
なお、図1に示す冷媒回路で冷房運転を行った場合における、冷媒回路の各ポイントの冷媒の状態は、図2のモリエル線図上に同じアルファベット記号として示されている状態に対応するものとする。
第1吸入側回路98を介して吸入されたガス冷媒(点A)は、第1圧縮機21に吸入されて加圧される。第1圧縮機21から吐出した冷媒(点B)は、第1四路切換弁24を通じてインタークーラ30まで導かれ、熱源側ファン36から供給される流体によって冷やされる(点C)。インタークーラ30を流出した冷媒は、後述するインジェクション回路50の出口冷媒と合流し(点D)、上述した点E、点F1を通過して、第2圧縮機26に吸入される。
第2圧縮機26に吸入された冷媒は、加圧され高圧高温冷媒となって(点G)、点F2、第2四路切換弁29を通過して、熱源側熱交換器35まで送られる。
熱源側熱交換器35を通過する冷媒は、熱源側ファン36から供給される流体によって冷やされることで、冷媒が保持している熱を放熱する。熱源側熱交換器35で放熱を終えた冷媒は、ブリッジ回路40の第1ポートH1、第2ポートH2を通過した後(点I)、一部がインジェクション回路50側に分岐し、一部がエコノマイザ熱交換器51に流入する。なお、ブリッジ回路40のブリッジ膨張弁41は、冷房運転時は、全閉状態に制御されている。
エコノマイザ熱交換器51を通過する冷媒は、インジェクション回路50のエコノマイザ膨張弁52において減圧された冷媒(点J)と熱交換し、冷却される(点K)。他方、インジェクション回路50においてエコノマイザ熱交換器51を通過して暖められた冷媒は、第2吸入側回路99の合流点Dに送られる。
エコノマイザ熱交換器51を流出した冷媒(点K)は、膨張機56に流入した冷媒は、減圧されることで気液二相状態となる(点L)。この際、膨張機56で回収された動力は、電力に変換され、冷凍装置1の各構成機器で消費される電力となる。なお、バイパス膨張弁57の弁開度を開ける制御を行っている場合には、膨張機バイパス回路55を流れ、バイパス膨張弁57によって減圧されることで気液二相状態の冷媒となる。このバイパス膨張弁57の弁開度を開ける制御は、冷媒回路を流れる冷媒の循環量が不足している状況や、膨張機56の回転数が最低回転数まで下げられている状態であっても循環量が多すぎる場合に、制御部3によって行われている。
このように気液二相状態になった冷媒は、気液分離機構60の第1気液分離器61に送られる。第1気液分離器61の第1気相領域61aの冷媒は、第1気相配管62を介して、第2気液分離器65の第2気相領域65aの上方空間に送られる。第1気液分離器61の第1液相領域61bの冷媒は、第1液相配管63を介して、第2気液分離器65の第2気相領域65aの下方空間に送られる。
第2気液分離器65の第2気相領域65aの飽和ガス冷媒は、回収回路81に流入し、回収膨張弁82において減圧される(点Q)。
第2気液分離器65の第2液相領域65bの飽和液冷媒は、第2冷媒配管70の途中に設けられている過冷却回収熱交換器71を通過して、ブリッジ回路40の第3ポートH3に送られる。ここで、第2気液分離器65の第2液相領域65bの冷媒は、過冷却回収熱交換器71に送られる前に、分岐点Nにおいて分岐し、過冷却回路83に流入し、過冷却膨張弁84において減圧される(点R)。
回収膨張弁82において減圧された冷媒(点Q)と、過冷却膨張弁84において元夏された冷媒(点R)と、は合流点Sにおいて合流し、過冷却回収回路78に流入する。
過冷却回収回路78を流れる冷媒は、過冷却回収熱交換器71において、第2冷媒配管70側を流れる冷媒との間で熱交換を行って、暖められ(点T)、第1吸入側回路98の合流点Xに送られる。
第2冷媒配管70側を流れる冷媒は、過冷却回収熱交換器71において、過冷却回収回路78を流れる冷媒と熱交換を行って冷却され、過冷却状態となり、ブリッジ回路40の第3ポートH3、第4ポートH4、および、液冷媒連絡配管5を介して利用側に送られる。
液冷媒連絡配管5を通過した冷媒は、分岐点Uにおいて分岐され、第1利用側膨張弁8aと第2利用側膨張弁8bとに分けて送られる。第1利用側膨張弁8aにおいて減圧された冷媒(点Va)は、第1利用側熱交換器7aにおいて、第1利用側ファン9aから供給される流体によって蒸発する。第2利用側膨張弁8bにおいて減圧された冷媒(点Vb)についても同様に、第2利用側熱交換器7bにおいて、第2利用側ファン9bから供給される流体によって蒸発する。これらの蒸発した冷媒は、合流点Wにおいて合流した後、第2四路切換弁29および第1吸入側回路98、点Yを通過して第1圧縮機21に吸入される。このようにして、冷房運転の冷凍サイクルが繰り返されることになる。
(1−4)暖房運転
暖房運転では、第1四路切換弁24および第2四路切換弁29を図1に点線で示す接続状態に切り換えて、第1利用側熱交換器7aおよび第2利用側熱交換器7bを冷媒の放熱器として機能させ、熱源側熱交換器35を冷媒の蒸発器として機能させる。
暖房運転では、第1圧縮機21からの吐出冷媒が、インタークーラ30に供給されないように、第1四路切換弁24を通過した冷媒を逆止弁25を通過させることで、第2圧縮機26の吸入側に送る。
第1利用側熱交換器7aにおいて放熱して第1利用側膨張弁8aにおいて減圧された冷媒、および、第2利用側熱交換器7bにおいて放熱したて第2利用側膨張弁8bにおいて減圧された冷媒は、合流点Uで合流し、液冷媒連絡配管5を通過して、ブリッジ回路40の第4ポートH4、第2ポートH2を通過し、エコノマイザ熱交換器51に流入する。なお、暖房運転においては、インジェクション回路50におけるエコノマイザ膨張弁52は全閉状態に制御されている。
エコノマイザ熱交換器51を流出した冷媒は、膨張機56もしくはバイパス膨張弁57を通過して、気液分離機構60に流入する。
第2気液分離器65の第2気相領域65aの冷媒が回収回路81、過冷却回路83および過冷却回収回路78を通過していく様子は、上記冷房運転時と同様である。
第2気液分離器65の第2液相領域65bは、第2冷媒配管70に流入し、過冷却回収回路78を通過して、ブリッジ回路40の第3ポートH3に送られる。第3ポートH3に送られた冷媒は、ブリッジ膨張弁41において減圧されて、第1ポートH1を介して熱源側熱交換器35に流入する。
熱源側熱交換器35を通過する冷媒は、熱源側ファン36によって供給される流体によって蒸発し、第2四路切換弁29および第1吸入側回路98を介して第1圧縮機21からの吸入側に送られる。このようにして、暖房運転の冷凍サイクルが繰り返されることになる。
(1−5)第1実施形態の特徴
(1−5−1)
上記実施形態の冷凍装置1では、膨張機56において冷媒を減圧するとともに、動力回収を行うことで、サイクルのCOPを向上させることができている。
ここで、膨張機56における冷媒の減圧程度が大きければ大きいほど、膨張機56として回収できる動力の量が増大することになる。
(1−5−2)
上記実施形態の冷凍装置1の膨張機56において、冷媒を十分に減圧した場合には、モリエル線図上において膨張機56の出口の冷媒が、飽和液線を下回った気液二相状態となることがある。このため、膨張機56を出て第1気液分離器61に流入する冷媒の流れが、気相冷媒と液相冷媒が混在したスラグ流になっていることがある。このスラグ流は、液相冷媒の流速よりも気相冷媒の流速の方が早い状態で流れていることがあり、下流側の気液分離器の液面を乱す要因と考えられる。
これに対して、上記実施形態の冷凍装置1の気液分離機構60では、第2気液分離器65に冷媒を流入させる前に、より上流側に配置された第1気液分離器61において気液分離が行われている。
このため、膨張機56を出て第1気液分離器61に流入する冷媒がスラグ流になっており、第1気液分離器61内において気相冷媒の存在する領域と液相冷媒の存在する領域との境界を不明瞭にしてしまう状況が生じても、第1気液分離器61の内部において、気相冷媒の比率を高めた領域と液相冷媒の比率を高めた領域とに分けた上で、第2気液分離器65においてさらに気相冷媒と液相冷媒とを分離することができる。
しかも、気相冷媒の比率が高められた領域の冷媒は、第1気相配管62を介して第2気液分離器65の第2気相領域65aに送られ、液相冷媒の比率が高められた領域の冷媒は、第1液相配管63を介して第2気液分離器65の第2液相領域65bに送られる。このため、第2気液分離器65内において気相冷媒の存在する領域と液相冷媒の存在する領域との境界を、第1気液分離器61内における当該境界よりも、明確化させた状態で、安定的に維持することができる。これにより、第2気液分離器65から流れ出る冷媒の分離性能を高めることが可能になっている。
(1−5−3)
一般に、冷凍装置において、気液分離器が1つだけ設けられている場合には、内容積を大きくすることで気液境界を安定的に維持することができる。ところが、気液分離器が1つだけ設けられている場合には、気液境界を安定的に維持するために必要となる内容積が大きいため、大きな設置スペースが必要になってしまう。
これに対して、上記実施形態の冷凍装置1では、第1気液分離器61と第2気液分離器65との複数台の気液分離器を直列接続しており、第2気液分離器65の内容積よりも内容積が小さい第1気液分離器61を採用している。
これにより、気液分離器が1つだけ設けられている場合の気液分離性能と同等の効果を得つつ、第1気液分離器61と第2気液分離器65の合計内容積を、気液分離器が1つの場合に必要となる内容積と比較して小さくすることが可能になっている。
(1−5−4)
上記実施形態の冷凍装置1では、第1気相配管62の第2気液分離器65側の端部は、第1液相配管63の第2気液分離器65側の端部よりも高い位置となるように配置しており、しかも、端部は水平方向に延びている。
このため、容積式の第2気液分離器65に対して冷媒を流入させる場合に、気液境界の乱れの発生をできるだけ少なく抑え、気液境界をより明確化させた状態で安定的に維持することが可能になっている。
(1−5−5)
上記実施形態の冷凍装置1では、第1気液分離器61としてサイクロン式の気液分離器を採用している。
このため、導入室10内における冷媒旋回流を重力の影響を受けにくくして安定化させることができ、第1気液分離器61を冷凍装置内への組み込みする際の取付方向に関する制約を緩和させ、取扱いを容易することが可能になっている。
(1−5−6)
上記実施形態の冷凍装置1では、膨張機56を通過して気液二相状態となった冷媒は、気液分離機構60において気相冷媒と液相冷媒に分けられた後、液相冷媒については、第2冷媒配管70を通じて利用側まで送っている。この第2冷媒配管70を流れる冷媒は、気液分離機構60において分離された気相冷媒であって減圧された後のガス冷媒と、過冷却回収回路78において熱交換するため、気相冷媒のエンタルピを回収することができるとともに、利用側に送る冷媒の過冷却度を多く確保することができている。
さらに、第2冷媒配管70を流れる冷媒は、気液分離機構60において分離された液相冷媒の一部の分岐された冷媒であって減圧された後の液冷媒と、過冷却回収回路78において熱交換するため、利用側に送る冷媒の過冷却度をより多く確保できる。しかも、第2冷媒配管70において分岐した冷媒は、ガス状態ではなく、液状態であるため、過冷却回収回路78における熱交換量が多い。このため、利用側に送る冷媒の過冷却度をより十分に確保することが可能になっている。
これにより、第2冷媒配管70の過冷却回収回路78で冷却された後、第1利用側膨張弁8aおよび第2利用側膨張弁8bに送られるまでの間に、長配管である液冷媒連絡配管5を経由し、輸送時の圧力損失によって減圧が生じる場合であったとしても、第1利用側膨張弁8aおよび第2利用側膨張弁8bに届く冷媒の状態を液状態にすること(過冷却度のある状態にさせること)が可能になる。これにより、第1利用側膨張弁8aおよび第2利用側膨張弁8bを通過する冷媒の状態を、気液二相状態ではなく、液状態に維持することができるため、第1利用側膨張弁8aおよび第2利用側膨張弁8bの通過冷媒量の制御等の制御性を向上させることができる。
(1−5−7)
しかも、上記実施形態の冷凍装置1では、回収回路81を流れた冷媒と第2冷媒配管70を流れる冷媒と間で熱交換させる熱交換器と、過冷却回路83を流れた冷媒と第2冷媒配管70を流れる冷媒との間で熱交換させる熱交換器と、の両方を別々に設けることなく、一体化された1つの過冷却回収熱交換器71によってそれぞれの熱交換を行わせることができている。このため、必要な設置スペースを狭小化させることが可能になっている。
(1−5−8)
上記実施形態の冷凍装置1では、膨張機56において冷媒が気液二相状態となるまで大幅に減圧することで、回収することができる動力をより多く確保することができている。これに対して、図6に示すように、膨張機56における回収動力を大きくし過ぎると(冷媒の減圧幅を、ΔP1よりも大きいΔP2だけ減圧すると)、点L→点L’、点N→点N’、点P→点P’、点U→点U’、点R→点R’、点Q→点Q’のように冷凍サイクルの冷媒状態が変化する。すなわち、膨張機56の出口の冷媒温度および冷媒圧力は低下し(点L→点L’)、過冷却回路83の過冷却膨張弁84で減圧された冷媒のエンタルピは減少し(点R→点R’)、回収回路81の回収膨張弁82で減圧された冷媒のエンタルピは増大する(点Q→点Q’)。
ここで、膨張機56における減圧程度をΔP1とした場合には、過冷却回収熱交換器71では、主として、点N→点Uの冷媒流れと、点Q→点Aの冷媒流れと、の間で熱交換が行われる。
これに対して、膨張機56における減圧程度を上げて、ΔP2とした場合には、過冷却回収熱交換器71では、主として、点N’→点U’の冷媒流れと、点Q’→点A’の冷媒流れと、の間で熱交換が行われる。
そうすると、膨張機56における減圧程度がΔP1の場合と比べて、膨張機56における減圧程度がより大きなΔP2の場合には、過冷却回収熱交換器71を通過する冷媒の温度差は小さく、熱交換量が少なくなってしまう。また、膨張機56における減圧程度がΔP1の場合と比べて、膨張機56における減圧程度がより大きなΔP2の場合には、過冷却回収熱交換器71のうち過冷却回収回路78を流れる冷媒の圧力が下がっているため、冷媒密度が小さく、熱交換量が少なくなってしまう。このため、第2冷媒配管70のうち過冷却回収熱交換器71を通過した冷媒の過冷却度を十分に確保することが困難になることがある。
このように、膨張機56での回収動力と、第2冷媒配管70のうち過冷却回収熱交換器71を通過した冷媒の過冷却度と、はトレードオフの関係にある。このため、単純に両方とも同時に増大させることはできない。これに対して、上記実施形態の冷凍装置1では、膨張機56における減圧程度と、回収膨張弁82における減圧程度と、過冷却膨張弁84における減圧程度と、を制御部3が調節する。具体的には、制御部3は、液冷媒連絡配管5の長さが長ければ長いほど、回収膨張弁82の弁開度が狭くなるように回収膨張弁82を制御する。これにより、液冷媒連絡配管5における冷媒のフラッシュを防止するのに十分な程度の過冷却度を確保し、当該フラッシュを防止する条件の範囲内でできるだけ多くの動力を膨張機56において回収することでサイクルのCOPを上げることが可能になる。
なお、液冷媒連絡配管5の配管長や、液冷媒連絡配管5における冷媒の圧力損失は、公知の手法によって把握し、把握された配管長に応じて膨張機56の減圧程度を制御部3が調節するようにしてもよい。
(1−5−9)
上記実施形態の冷凍装置1では、蒸発器として機能する熱交換器の冷媒通路で蒸発した冷媒は、過冷却回収回路78を通過する冷媒と合流して圧縮機1に戻る。このため、この過冷却回収回路78を通過する冷媒量の調整により、混合後の冷媒を適切な過熱度にすることができる。これにより、蒸発器として機能する熱交換器から流出する冷媒の過熱度を小さくすることが可能になる。したがって、蒸発器として機能する熱交換器では、熱交換効率を大きく向上させることができる。
(2)他の実施形態
上記第1実施形態においては、本発明の一実施形態を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して得られる実施形態も当然に含まれる。
(A)
上記第1実施形態では、第1気液分離器61としてサイクロン式の気液分離器61を採用し、より下流側に配置される第2気液分離器65として容積式の気液分離器を採用した場合を例に説明した。
しかし、本発明は、これに限られるものではなく、例えば、図7に示すように、上流側の第1気液分離器261と下流側の第2気液分離器65との両方が容積式である気液分離機構260を採用してもよい。
ここで、例えば、第1気液分離器261の第1気相領域261aと第2気液分離器65の第2気相領域65aとを接続する第1気相配管262は、第1気液分離器261の第1気相領域261aから少なくとも一度、上方に向けて延びている部分を有していることが好ましい。これにより、重力に逆らって第1気相配管262に液冷媒が流入することを抑制できる。なお、第1液相配管263が、第1気液分離器261の第1液相領域61bと第2気液分離器65の第2液相領域65bとを接続する点は上記実施形態と同様である。
本発明の冷凍装置では、気液分離器における気液分離性能を向上させることが可能となるため、冷媒回路内において気相冷媒と液相冷媒に分離させる部分を有する冷凍装置に用いた場合に特に有用である。
1 冷凍装置
3 制御部
5 液冷媒連絡配管(接続配管)
6 ガス冷媒連絡配管
7a 第1利用側熱交換器(利用側熱交換器)
7b 第2利用側熱交換器(利用側熱交換器)
8a 第1利用側膨張弁(利用側膨張弁)
8b 第2利用側膨張弁(利用側膨張弁)
21 第1圧縮機(圧縮機)
26 第2圧縮機(圧縮機)
35 熱源側熱交換器
56 膨張機
60 気液分離機構
71 過冷却回収熱交換器
78 過冷却回収回路(吸入配管)
81 回収回路(吸入配管)
82 回収膨張弁
83 過冷却回路
84 過冷却膨張弁
264 回収熱交換器
271 過冷却熱交換器
281 回収回路(吸入配管)
特開2009−8350号公報

Claims (5)

  1. 圧縮機(21、26)、熱源側熱交換器(35)、膨張機(56)、及び、利用側熱交換器(7a、7b)が接続されており、冷媒を循環させることで冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置(1、201)であって、
    前記膨張機の下流側に接続され、内部の冷媒を第1気相領域と第1液相領域に分ける第1気液分離器(61)と、
    前記第1気液分離器から供給される冷媒を、第2気相領域と第2液相領域に分ける第2気液分離器(65)と、
    前記第1気液分離器の前記第1気相領域と前記第2気液分離器の前記第2気相領域を接続する第1気相配管(62)と、
    前記第1気液分離器の前記第1液相領域と前記第2気液分離器の前記第2液相領域を接続する第1液相配管(63)と、
    前記第2気液分離器の前記第2気相領域の冷媒を、前記圧縮機の吸入側に送るための吸入配管(81、78、281)と、
    前記第2気液分離器の前記第2液相領域の冷媒を、前記熱源側熱交換器と前記利用側熱交換器のうち冷媒の蒸発器として機能する熱交換器に送るための接続配管(5)と、
    を備えた冷凍装置。
  2. 前記第1気液分離器の内容積は、前記第2気液分離器の内容積よりも小さい、
    請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記第1気相配管の前記第2気液分離器側端部は、前記第1液相配管の前記第2気液分離器側端部よりも高い位置にある、
    請求項1または2に記載の冷凍装置。
  4. 前記第2気液分離器は、前記冷媒回路におけるレシーバとしての機能を有しており、
    前記第1液相配管の前記第2気液分離器側端部は、前記第2気液分離器のレシーバとしての設計最高液面高さの近くに位置している、
    請求項3に記載の冷凍装置。
  5. 前記第1気液分離器は、流入した冷媒を旋回させて気液分離を行う旋回式であり、
    前記第2気液分離器は、容積式である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の冷凍装置。
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