JP2013138760A - 化粧料塗布容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャップに取り付けられた塗布具を容器本体に挿入し、容器本体に収容されている液状化粧料を付着させる液状化粧料塗布容器において、使いきれずに容器本体内に残存する化粧料を低減させる。
【解決手段】化粧料塗布容器1が、液状化粧料Aを収容する有底筒状の容器本体2、容器本体2の上端開口部を密閉するキャップ10、キャップ10に取り付けられた塗布具20を有する。塗布具20は、キャップ10から突出する軸部21と、軸部21に連設して容器本体2に挿入可能に形成された塗布部23とを有し、キャップ10はその上端部のキャップ回転部12がキャップ胴部に対して回転可能に形成されている。キャップ10内には、キャップ上端部の回転により塗布具20の軸部21のキャップ10からの突出長を伸縮させる繰り出し機構が設けられている。
【選択図】図4B

Description

本発明は、塗布具を備えた液状化粧料の容器に関する。
液状口紅、マスカラ、マニキュア等の液状化粧料の塗布容器として、液状化粧料を収容する有底筒状の容器本体とキャップからなり、キャップに、容器本体に挿入される塗布具が取り付けられたものが広く使用されている。この塗布容器では、キャップを閉めた状態で容器本体内に塗布具の一端が挿入され、キャップを容器本体から取り外した状態でキャップが塗布具の把持部として使用され、該塗布具の一端に付着している化粧料が塗布される。
このような化粧料塗布容器を、収納時には小さくコンパクトにし、使用時には十分な長さにして使い勝手が向上するように、キャップの開閉動作により、把持部を含めた塗布具の全長が伸縮するようにしたものが提案されている(特許文献1)。
特開2010-88516号公報
しかしながら、従来、上述の化粧料塗布容器を用いて液状化粧料を繰り返し塗布することにより、容器本体に挿入した塗布具には、もはや液状化粧料が付着しなくなった場合でも、容器本体内には、当初の液状化粧料の約20質量%程度が使い切れずに残存しているという問題がある。この使い切れない化粧料残量の問題は、低粘度の化粧料に比して高粘度の化粧料で起こりやすく、さらに化粧料が降伏値を有する場合には、容器本体を傾けただけでは化粧料が容器本体内で殆ど流動しないため一層顕著となる。そして、化粧料残存の問題は、塗布具の伸縮により使い勝手を向上させたもの(特許文献1)によっても改善することができない。
これに対し、本発明は、キャップに取り付けられた塗布具を容器本体に挿入し、容器本体に収容されている液状化粧料を付着させる液状化粧料塗布容器において、塗布具を容器本体に挿入することによっては使用することができない容器本体内の残存化粧料を低減させることを目的とする。
本発明者は、前述の特許文献1に記載の塗布具は、キャップの開閉動作により塗布具全体としては伸縮するが、容器本体に挿入しうる部分の長さは変わらないことに鑑み、キャップ内に塗布具の繰り出し機構を設け、塗布具のうち容器本体に挿入し得る部分の長さを伸長できるようにすると、容器本体に残存する化粧料を低減できることを想到した。
即ち、本発明は、液状化粧料を収容する有底筒状の容器本体、容器本体の上端開口部を密閉するキャップ、及びキャップに取り付けられた塗布具を有する化粧料塗布容器であって、塗布具は、容器本体に挿入可能に形成された塗布部と該塗布部に連設した軸部を有し、キャップは、その上端部がキャップ胴部に対して回転可能に形成され、キャップ内に、キャップ上端部の回転により塗布具を軸部の長手方向に移動させ、キャップで容器本体の上端開口部を閉じた状態における容器本体内の塗布具長を伸縮させる繰り出し機構が設けられている化粧料塗布容器を提供する。
本発明によれば、キャップ上端部を回転させると、繰り出し機構により、キャップで容器本体の上端開口部を閉じた状態における容器本体内の塗布具長が伸縮する。したがって、容器本体内の化粧料の残量が少なくなり、塗布具に化粧料が付着しにくくなった場合には、キャップで容器本体の上端開口部を閉じたときの容器本体内の塗布具長を伸長させて塗布具の先端部の塗布部を容器本体内の底部に到達させることができる。これにより、容器本体内の底部に残存している化粧料を塗布部で掻き取りあるいは塗布部に付着させて使用することが可能となる。よって、化粧料が降伏値を有したり、高粘度であったりすることにより、流動性が極めて低いものであっても、使い切れない化粧料残量を低減させることができる。
図1Aは、実施例の化粧料塗布容器においてキャップを閉じた状態の斜視図である。 図1Bは、図1Aの断面図である。 図2は、実施例の化粧料塗布容器においてキャップを外した状態の斜視図である。 図3は、実施例の化粧料塗布容器の塗布具とキャップの分解図である。 図4Aは、実施例の化粧料塗布容器における、塗布具のキャップ側端部とキャップ上端部から垂下した筒状壁との螺合状態(初期状態)を示す斜視図である。 図4Bは、実施例の化粧料塗布容器における、塗布具のキャップ側端部とキャップ上端部から垂下した筒状壁との螺合状態(伸長時)を示す斜視図である。 図5Aは、軸部を伸長させた状態の化粧料塗布容器の斜視図である。 図5Bは、軸部を伸長させた状態の化粧料塗布容器の断面図である。 図6は塗布部の変形態様の斜視図である。
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
図1Aは、本発明の一実施例の化粧料塗布容器1の斜視図であり、図1Bはその断面図である。図2は、この化粧料塗布容器1において容器本体2からキャップ10を外した状態の斜視図である。
この化粧料塗布容器1は、液状口紅、マスカラ、マニキュア等の液状化粧料、特に、降伏値の測定器の押し具(先端径5mm)を2cm/minの速度で当てた場合の降伏値が1〜100gfの範囲の流動しにくい化粧料、あるいは高粘度の液状化粧料で、容器本体内の隅に残存しやすいものの容器として好適に使用される。
化粧料塗布容器1は、有底筒状で上端部に開口部を有する容器本体2と、容器本体2の上端開口部に冠着されたしごき部3と、容器本体2の上端開口部を密閉するキャップ10とを有する。
容器本体2は、内部の化粧料残量を透視出来る程度に透明な樹脂から形成されている。また容器本体2は、底面内側の形状が、周縁部に対して中央部がもちあがった湾曲形状であることが好ましい。これにより、容器本体2内で使い切れずに残存する化粧料を低減させることができる。
しごき部3は、弾性材料から形成され、容器本体の上端部に取り付けられた状態で、上端面から容器本体内部に向かって縮径するロート状に成形されている。容器本体内2に挿入された塗布具20から余分な液状化粧料をしごき取り、塗布具20の先端の塗布部23に適量の液状化粧料を付着させるために設けられている。
キャップ10は、図3に示すように、キャップ10の胴部を形成するキャップ筒状体11とキャップ10の上端部を形成するキャップ回転部12を有する。
キャップ筒状体11には、その上端開口部11aから挿入された塗布具20が、下端開口部11b側へ抜け出ないように、仕切板13が設けられている。また、仕切板13の中央部には例えば鍵穴状の穴14が形成されている。この穴14は、塗布具20の軸部21に設けられたリブ22と係合することにより、軸部21の回転を規制する。
キャップ回転部12は、キャップ10の上端部を形成する頂板15と、頂板15から垂下した筒状壁16を有する。筒状壁16の内面には、塗布具20の上端部と螺合するねじ山が形成されている。また、筒状壁16には、キャップ筒状体11との嵌合のため、筒状壁16の軸方向に複数のスリット17が設けられ、撓み変形しやすくしている。
キャップ回転部12は、その筒状壁16が筒状体11の上端開口部11aに嵌め込まれ、キャップ筒状体11の長手方向の中心軸L(図2)を回転軸として回転可能とされる。
一方、塗布具20は、軸部21の一端に塗布部23が連設され、他端に大径部24を有する。塗布部23は、しごき部3及び容器本体2に挿入可能に形成されている。塗布部23の具体的な形状は、この化粧料塗布用器1が、液状口紅の塗布に使用されるのか、マスカラの塗布に使用されるのかといった用途や、液状化粧料の物性などに応じて適宜定められ、例えば、図示したように扁平な匙形状とすることができ、その表面はフロッキー加工面とすることができる。塗布部23の材料は、弾性変形可能なものが好ましい。
また、大径部24の表面には、前述のキャップ回転部12の筒状壁16と螺合するねじ溝が形成されている。軸部21の表面には、前述のリブ22が形成されている。
本実施例において、塗布具20が取り付けられたキャップ10は、図4Aに示すように、キャップ回転部12の筒状壁16と塗布具20の大径部24を螺合させ、それをキャップ筒状体11に、その上端開口部11aから嵌め込むことにより形成される。
また、本実施例において、キャップ10で容器本体2の上端開口部を閉じた状態における容器本体2内における塗布具長L1(図1B)を、塗布具20を軸部21の長手方向に移動させることにより伸縮させる繰り出し機構は、上述した、軸部21のキャップ側端部の大径部24と、キャップ10の筒状壁16との螺合と、塗布具20の回転を規制するリブ22と穴14の係合により実現される。
即ち、キャップ10のキャップ筒状体11と頂板15をそれぞれ把持し、図4Bに示すように、キャップ回転部12が、塗布具20の大径部24から抜ける向きに頂板15を回転させる。塗布具20は、その大径部24がキャップ筒状壁16と螺合しているが、リブ22と穴14の係合により塗布具20の回転が規制されるので、キャップ筒状体11に対して頂板15を回転させることにより、塗布具20はキャップ筒状体11内を塗布部23側に移動する。これにより、塗布具20が取り付けられたキャップ10において、塗布具20の軸部21がその長手方向に繰り出され、キャップ10から突出した部分が伸長した状態となる。これに対し、キャップ筒状体11に対して頂板15を反対側に回転させると、塗布具20は頂板15側に移動し、軸部21のうち、キャップ10から突出した部分を短くすることができる。
この化粧料塗布容器1は次のように使用される。まず、容器本体2内に十分な液状化粧料Aが収容されている状態では、塗布具20の大径部24と、キャップ10の筒状壁16とを深く螺合させた状態とし、図1B、図4Aに示すように、キャップ10で容器本体2の上端開口部を閉じた状態において、塗布具21の塗布部23と容器本体2の底面との間に僅かに間隙があくようにする。これにより、塗布具20を容器本体2に挿入し、キャップ10で容器本体2を密閉する化粧料塗布用器の保管時において、塗布部23が容器底部に接触して撓むなどにより無用に変形することを防止する。
この取付状態で塗布具20を使用していると、容器本体2内の液状化粧料Aは次第に減少し、図1Bに示すように、液状化粧料Aが容器本体2の底部隅部に残存し、塗布部23が届かなくなるため、液状化粧料Aを付着させることが困難となる。そこで、キャップ回転部12を回転させることにより、塗布具20を塗布部23側に移動させる。この状態で塗布具20を容器本体2に挿入し、キャップ10で容器本体2の上端開口部を閉じた状態にすると、容器本体2内の塗布具長L1は伸長した状態にあるから、図5A、図5Bに示すように、塗布具20の塗布部23が容器本体2の底面に到達し、塗布部23が撓む。そこで、容器本体20の底部に残存している液状化粧料Aを塗布部23で掻き取ったり塗布部23に付着させたりすることが可能となる。したがって、この化粧料塗布用器1によれば、使い切れない化粧料残量を顕著に低減させることができる。
本発明は、種々の態様をとることができる。
例えば、塗布具の繰り出し機構は、上述した構成にかぎらず、スティック状の口紅の繰り出しに使用されている種々の繰り出し機構を使用することができる。また、塗布部23としては、フロッキーな表面を有する匙状のものに限らず、例えば、図6に示す、リング状のものとしてもよく、ブラシ状のものとしてもよい(図示せず)。
1 化粧料塗布容器
2 容器本体
3 しごき部
10 キャップ
11 キャップ筒状体
11a 上端開口部
11b 下端開口部
12 キャップ回転部
13 仕切板
14 穴
15 頂板
16 筒状壁
17 スリット
20 塗布具
21 軸部
22 リブ
23 塗布部
24 大径部
A 液状化粧料
L 軸

Claims (4)

  1. 液状化粧料を収容する有底筒状の容器本体、容器本体の上端開口部を密閉するキャップ、及びキャップに取り付けられた塗布具を有する化粧料塗布容器であって、塗布具は、容器本体に挿入可能に形成された塗布部と該塗布部に連設した軸部を有し、キャップは、その上端部がキャップ胴部に対して回転可能に形成され、キャップ内に、キャップ上端部の回転により塗布具を軸部の長手方向に移動させ、キャップで容器本体の上端開口部を閉じた状態における容器本体内の塗布具長を伸縮させる繰り出し機構が設けられている化粧料塗布容器。
  2. 繰り出し機構において、塗布具のキャップ側端部と、キャップ上端部からキャップ内部へ垂下した筒状壁とが螺合している請求項1記載の化粧料塗布容器。
  3. 前記塗布具長の伸長時にキャップで容器本体の上端開口部を閉じた状態において、塗布具の塗布部が、容器本体内の底面に到達する請求項1又は2記載の化粧料塗布容器。
  4. 前記塗布具長の縮長時にキャップで容器本体の上端開口部を閉じた状態において、塗布具の塗布部と容器本体内の底面との間に間隙があく請求項1又は2記載の化粧料塗布容器。
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