JP5857313B2 - 化粧料容器 - Google Patents

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本発明は、液状化粧料を始めとした化粧料を収容する化粧料容器に関する。
従来、口広の口部(開口部)を備えた容器本体と、口部に着脱自在に装着される蓋部と、を具備した所謂ジャー容器と称される化粧料容器に、例えば粘性の高い液状化粧料が収容されている場合、毛筆等の塗布体を先端に有するアプリケーターを用い、この塗布体に容器内の液状化粧料を付着させて使用に供している。
このような化粧料容器にあっては、塗布体に付着した余分な化粧料を、口部の開口縁に塗布体を擦り付けることで掻き取るのが一般的であるが、このように開口縁で化粧料を掻き取ると、当該化粧料が開口縁に付着してしまい、見た目が汚く、また、開口縁に付着した当該化粧料がそのまま固化すると、開口縁にその内面が密着し装着される蓋部が締め難くなるという問題があった。
そこで、以下の特許文献1には、容器本体の上部に平面視円形状の中蓋を回転可能に取り付け、この中蓋に、容器本体内に連通する平面視半円状の開口部を設けると共に、残り半分の蓋部分の開口部縁に凹状の扱き部を設け、この扱き部において、開口部を通して容器本体内に進入し化粧料を付着させた塗布体を扱くことで、当該塗布体に余分に付着した化粧料を掻き取り、口部の開口縁には化粧料が付着しないようにしている。
特開2011−120686号公報
しかしながら、特許文献1の化粧料容器では、中蓋の半分を開口した開口部に対応する位置(開口部の下方位置)の化粧料は、容易に塗布体に付着させることができるが、中蓋の残り半分の蓋部分に対応する位置(蓋部分の下方位置)の化粧料には、塗布体が届き難く、その化粧料を塗布体に付着させるには、中蓋を回転させて当該化粧料の位置に開口部を合わせる必要があり、使用性に難があった。また、扱き部で塗布体を扱いている最中に、中蓋が容器本体に対して回転してしまうことがあり、使用し難いという問題もあった。
そこで、本発明は、口部の開口縁に対する化粧料の付着が防止されると共に使用性が向上される化粧料容器を提供することを目的としている。
本発明による化粧料容器は、口広の口部を備え化粧料を収容する容器本体と、口部に着脱自在に装着される蓋部と、を具備した化粧料容器において、容器本体内の底部に立設され、蓋部が容器本体から取り外された状態で、塗布体に付着した余分な化粧料を掻き取るための掻き取り部を備え、掻き取り部は、上方を向いて傾斜する傾斜面と、傾斜面の側縁に垂直に立設された垂直面と、を有することを特徴としている。
このような化粧料容器によれば、容器本体内の化粧料は、口広の口部を通して進入する塗布体に付着されて使用に供される。この使用に先だって、塗布体に付着した余分な化粧料は、容器本体内の底部に立設された掻き取り部において掻き取ることができる。このため、余分な化粧料を口部の開口縁で掻き取る必要が無く、当該口部の開口縁に対する化粧料の付着を防止できると共に、中蓋を回転させて化粧料の位置に開口部を合わせる必要や余分な化粧料を掻き取る際に中蓋が回転してしまうということが無くなり、使用性を向上できる。また、塗布体の広い主面に付着した余分な化粧料を傾斜面で掻き取ることができ、その際に塗布体の側面に盛り上がった化粧料を垂直面で掻き取ることができる。その結果、塗布体を綺麗に整えることができる。
また、掻き取り部の下部が、容器本体内を複数の領域に仕切る仕切部とされていると、仕切部により仕切られた各領域に、互いに色の異なる化粧料や互いに種類の異なる化粧料をそれぞれ収容する化粧料容器に対しても、好適に適用できる。
このように本発明によれば、口部の開口縁に対する化粧料の付着を防止できると共に使用性を向上できる化粧料容器を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る化粧料容器を示す斜視図であり、容器本体及び取り外された蓋部を示す斜視図である。 図1中の容器本体を示す斜視図である。 図2に示す容器本体の平面図である。 図1〜図3中の掻き取り部において、塗布体に付着した余分な化粧料を掻き取る様子を示す説明図である。 他の塗布体を備えたアプリケーターを示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る化粧料容器の容器本体を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る化粧料容器の容器本体を示す斜視図である。 図7に示す容器本体の縦断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同一又は相当要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図1〜図5は、本発明の第1実施形態を、図6は、本発明の第2実施形態を、図7及び図8は、本発明の第3実施形態を各々示すものであり、先ず、図1〜図5に示す第1実施形態を説明する。
図1は、第1実施形態に係る化粧料容器を示す斜視図、図2及び図3は、図1中の容器本体を示す各図、図4は、その使用方法を説明するための図、図5は、他の塗布体を備えたアプリケーターを示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の化粧料容器100は、口部3が口広とされた所謂ジャー容器と称される化粧料容器であり、口部3を有し被塗布部に塗布するための化粧料を収容する容器本体1と、この容器本体1の口部3に着脱自在に装着される蓋部4と、を具備する。
容器本体1内に収容される化粧料L(図4参照)は、ここでは、液状化粧料とされ、特に好適であるとして、粘性の高い液状化粧料であるアイライナーとされているが、アイライナーに限定されるものではなく、他の液状化粧料であっても良く、また、粘性の低い液状化粧料であっても良く、さらには、ジェル(ゲル)状、ゼリー状、泥状等の半固形状や軟質状の化粧料であっても良く、要は、本発明に適用可能であれば化粧料の状態は限定するものではない。
なお、図1〜図3及び後述する第2実施形態の図6においては、容器本体1内の掻き取り部2,15(詳しくは後述)を見やすくすべく化粧料Lは描かれず省略されている。
図1〜図4に示すように、容器本体1は、浅底の有底円筒状に構成され、その上部に口広の口部3を備える。口部3は、容器本体1の底部より多少小径で短尺の円筒状に構成され、後述の塗布体11(図4参照)の容器本体1内への進入を可能とする大きさに開口されている。そして、この口部3には、その外周面に、蓋部4を着脱自在に螺合するための雄螺子9が形成されている。なお、容器本体1の形状は、有底円筒状以外にも多角形の有底の筒状でも良く、特にその形状は限定されない。但し、容器本体1の形状が多角形の場合でも、口部3は蓋部4と螺合させるため、円筒状となる。
特に本実施形態にあっては、容器本体1内の底部に、塗布体11に付着した余分な化粧料Lを掻き取る(扱く)ための掻き取り部2が立設されている。この掻き取り部2は、ここでは、容器本体1と一体成形されているが、別部品として容器本体1に例えば嵌め込み等により固定することで、一体化しても良い。
掻き取り部2は、容器本体1内の底部から直方体形状を成して上方に延び、この直方体形状の上部に、2個の掻き取り面5a,5bを備える。これらの掻き取り面5a,5bは、直方体形状の長手方向に沿って並設され、一方の掻き取り面5aは、上記長手方向に直交する方向において上方を向いて傾斜する一の傾斜面6aと、この一の傾斜面6aの他方の掻き取り面5b側の側縁に垂直に立設された一の垂直面7aと、を有する構成とされ、他方の掻き取り面5bは、一の傾斜面6aと逆方向に傾斜する他の傾斜面6bと、この他の傾斜面6bの一方の掻き取り面5a側の側縁に垂直に立設され一の垂直面7aの裏側に対向して位置する他の垂直面7bと、を有する構成とされている。
なお、ここでは、塗布体11の掻き取りを両方向(図3における上下両方向)から行えるように、掻き取り面5a,5bを長手方向(図3における左右方向)に2個並設しているが、掻き取り面は1個のみでも良く、例えば3個以上であっても良い。
図1に示すように、蓋部4は、浅底の有底円筒状に構成され、その内周面に、口部3の外周面の雄螺子9に螺合する雌螺子14を備えている。化粧料Lは、ここでは、前述したようにアイライナーとされ、揮発成分を含有しているため、蓋部4の裏面(口部3を塞ぐ面)には、揮散防止用のパッキン20が設けられている。そして、蓋部4は、その雌螺子14を口部3の雄螺子9に螺合することで、容器本体1に対して着脱自在に装着され、この状態で、容器本体1の口部3の開口端とパッキン20とが密着し化粧料Lが密封された状態となる。
このような構成を有する化粧料容器100を使用するにあたっては、図4に示すように、先端に塗布体11を備えたアプリケーター10が用いられる。塗布体11は、ここでは、化粧料Lがアイライナーとされているため、毛筆が用いられる。
そして、使用者は、先ず、蓋部4を回し螺子9,14の螺合を解除しながら引き上げて当該蓋部4を容器本体1から取り外し(図1参照)、次いで、アプリケーター10の塗布体11を口広の口部3を通して容器本体1内に進入させ塗布体11に化粧料Lを付着させ、使用に供する。この使用(塗布)に先だって、塗布体11に付着した余分な化粧料Lは、使用者により、掻き取り部2(掻き取り面5a,5b)において掻き取ることができる。
ここで、塗布体11を、特に図4に示すような平筆とすると、平筆11の広い主面(平面)に付着した余分な化粧料Lを傾斜面6a(6b)で掻き取ることができ、その際に平筆11の側面(サイド)に盛り上がった化粧料を垂直面7a(7b)で掻き取ることができる。このため、平筆11を綺麗に整えることができる。
なお、塗布体である平筆11に代えて、図5に示すように、塗布体であるチップ13を先端に備えたアプリケーター12を用いることもできる。ここで、チップ13は、樹脂の繊維を束ねて繊維収束体としこれを接着剤の液に浸漬し固めて棒状にしてから所定長にカットし研磨したものである。因みに、塗布体は、毛筆11やチップ13に限定されるものではなく、用途に応じて他の塗布体を用いることができる。
そして、再び図4に戻り、使用者は、掻き取り部2により最適量の化粧料Lを付着させた状態の塗布体11を用いて塗布を行い、塗布が終わったら、蓋部4を容器本体1の口部3に対して上記とは逆方向に回し螺子9,14を螺合させながら口部3に装着する。
このように、本実施形態においては、容器本体1内の化粧料Lを、口広の口部3を通して進入可能な塗布体11に付着させて使用できる一方で、使用に先だって、塗布体11に付着した余分な化粧料Lを、容器本体1内の底部に立設した掻き取り部2において掻き取ることができるため、余分な化粧料Lを口部3の開口縁で掻き取る必要が無く、当該口部3の開口縁に対する化粧料Lの付着を防止できると共に、中蓋を回転させて化粧料の位置に開口部を合わせる必要や余分な化粧料を掻き取る際に中蓋が回転してしまうということが無くなり、使用性を向上できる。
そして、このように口部3の開口縁に対する化粧料Lの付着を防止できることから、蓋部4を口部3に装着したときにパッキン20に対して化粧料Lが付着することが無く、従って、蓋部4のパッキン20が口部3の開口端に密着し、その結果、長期に亘って気密性を確保でき化粧料Lの揮散を防止できる。
また、容器本体1の材質としては、ガラス、又は、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等の樹脂が考えられるが、内容物に合わせて適宜材質を変更しても良い。
図6は、本発明の第2実施形態に係る化粧料容器の容器本体を示す斜視図である。
この第2実施形態の化粧料容器が第1実施形態の化粧料容器と違う点は、掻き取り部2を、平面視一文字状の掻き取り部15に代えた点である。
この掻き取り部15は、より具体的には、直方体形状の上部が四角錐台形状を呈し、その掻き取り面である傾斜面16で、塗布体11,13に付着した余分な化粧料Lを掻き取ることができる。従って、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
なお、このような掻き取り部15を、平面視十文字状、又は、平面視L字状、又は、平面視U字状等とすることもできる。
図7は、本発明の第3実施形態に係る化粧料容器の容器本体を示す斜視図、図8は、図7に示す容器本体の縦断面図である。
この第3実施形態の化粧料容器が第1実施形態の化粧料容器と違う点は、掻き取り部2に代えて、掻き取り面5a,5bより下側の部分(掻き取り部の下部)を、容器本体1内を複数の領域(ここでは2個の領域)に仕切る仕切部8に変更した掻き取り部25を用いた点である。この仕切部8は、その底部が容器本体1内の底部に連設されると共にその側部が容器本体1の内周面に連設される。
このように仕切部8により仕切られた各領域に、互いに色の異なる化粧料L1,L2や互いに種類の異なる化粧料をそれぞれ収容する化粧料容器に対しても、好適に適用できる。
なお、第2実施形態の掻き取り部15の下部を、容器本体1内を複数の領域に仕切る仕切部8に変えることも可能である。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、特に好適であるとして、蓋部4の裏面にパッキン20を備える構成としているが、パッキン20が無い蓋部を有する化粧料容器に対しても適用可能である。
1…容器本体、3…口部、4…蓋部、2,15,25…掻き取り部、5a,5b…掻き取り面、6a,6b…傾斜面、7a,7b…垂直面、8…仕切部、10,12…アプリケーター、11…毛筆(塗布体)、13…チップ(塗布体)、20…パッキン、100…化粧料容器、L,L1,L2…化粧料。

Claims (2)

  1. 口広の口部を備え化粧料を収容する容器本体と、前記口部に着脱自在に装着される蓋部と、を具備した化粧料容器において、
    前記容器本体内の底部に立設され、前記蓋部が前記容器本体から取り外された状態で、塗布体に付着した余分な前記化粧料を掻き取るための掻き取り部を備え
    前記掻き取り部は、
    上方を向いて傾斜する傾斜面と、
    前記傾斜面の側縁に垂直に立設された垂直面と、を有することを特徴とする化粧料容器。
  2. 前記掻き取り部の下部が、前記容器本体内を複数の領域に仕切る仕切部とされていることを特徴とする請求項1記載の化粧料容器。
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