JP2013138572A - リニアモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化が可能であるとともに、精密な動作が可能なリニアモータを提供する。
【解決手段】固定子2の磁極面2aを形成しつつ、可動子8の進行する方向に並置された複数のティース21〜26と、これらのティース21〜26と対向して配置されたヨーク31〜36と、ティース21〜26とヨーク31〜36とを接続しつつ、これらのティース21〜26およびヨーク31〜36とともに可動子8の進行方向に連通するスロットを形成する磁路形成壁と、スロット内に少なくとも一部が収容されるとともに、可動子8の進行方向に対して直交する方向に併置され、各々120°ずつ位相を異ならせた3相の交流電圧が印加される4個のコイル51〜54とを備えており、コイル51〜54がヨーク31〜36および磁路形成壁を介して複数のティース21〜26に3相の磁界を発生させるように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、可動子と固定子間に生じる磁場を電気的に制御することによって可動子を直動させるリニアモータに関するものである。
従来、固定子と可動子とを有し、双方の間の磁場を制御することで可動子を往復動させることのできるリニアモータが数多く開示されている。
それらの多くは、可動子と固定子の間の磁極面を一定の間隔で対応させつつ、可動子を直線状に動作可能とするように支持しつつ、両者の間の磁場を電気的に制御することで可動子に対して推力を発生させるようになっている(特許文献1参照)。そして、その推力を発生させるために、可動子と固定子の磁極面には所定ピッチで磁極歯(ティース)を形成する。さらに、可動子または固定子の磁極歯(ティース)のいずれか一方にコイルを巻き付け、そのコイルに与える電流を制御することによって、一方の磁極歯より他方の磁極歯に対して吸引力または反発力を作用させ、可動子に対して推力を与えることができる。
コイルを設ける磁極歯は電流を供給可能である限り、可動子および固定子のいずれの側のものでも良く、さらに、この磁極歯と相対する磁極歯には単なる鉄心として構成されるものも、永久磁石として構成されるものもある。
また、一方の磁極歯に設けたコイルに与える電流パターンにも様々なものがあり、例えば、特許文献1記載のものでは並べて配置した磁極歯に対して3相の交流電源を与えるようにしている。こうすることで、より精密で滑らかな動作を行うことを可能としている。
特開2000−125538号公報
しかしながら、上記のように多相電源を用いて磁極歯による磁場を制御しようとする場合、いわゆる極歯集中巻きとして磁極歯ごとに当該磁極歯の周囲を囲むようにしてコイルを巻き付けることが必要となる。
そのため、磁極歯の側面にはコイルがはみ出すことになり、コイルエンドとしての処理が必要となって、可動子の移動方向と直交する幅方向に対して大型化することになる。さらに、このコイルのはみ出し量は推力を増大させるために巻数を増やすことによってより大きくなるため、大推力を必要とするリニアモータほど大型になってしまう。
また、隣接する磁極歯同士の間にはコイルを巻き付けるためのスペースが必要となるため、これが制約となって磁極歯の間を一定以上近接させることが困難となる。そのため、リニアモータに対して精密な動作を行わせることを目的として、隣接する磁極歯を緊密に配置しようとした場合にも構成上の限界が生じることになる。
本発明は、このような課題を有効に解決することを目的としており、具体的には、可動子および固定子の小型化を行うとともに、精密な動作を行わせることを可能とするリニアモータを提供することを目的とする。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明のリニアモータは、可動子または固定子のいずれか一方の磁極面を形成しつつ、可動子の進行する方向に並置された複数のティースと、これらのティースと対向して配置されたヨークと、前記ティースと前記ヨークとを接続しつつ、これらのティースおよびヨークとともに可動子の進行方向に連通するスロットを形成する磁路形成壁と、前記スロット内に少なくとも一部が収容されるとともに、可動子の進行方向に対して直交する方向に併置され、各々360°/n(nは3以上の整数)ずつ位相を異ならせたn相の交流電圧が印加される少なくともn個のコイルとを備えており、前記コイルが前記ヨークおよび磁路形成壁を介して前記複数のティースにn相の磁界を発生させるように構成したことを特徴とする。
このように構成すると、コイルがティース(磁極歯)の側面にはみ出すことがないために、幅方向をコンパクトに形成することができる。また、隣接するティース(磁極歯)の間にコイルを巻き付けるためのスペースを必要としないことから、ティースを緊密に接近させて動作の精密化や小型化を図ることができる。また、進行方向と直交する幅方向に対して磁界が均一に保たれるため、幅方向への振動を低減することができる。さらに、コイルの巻き方が単純であるため、構成が簡単となって製作費を低減できる。
さらに、n相の磁界により生じさせる合成磁界をより滑らかに変化させて、可動子の速度変動や振動を抑えて動作安定性を高めるためには、前記ヨークとの間で接続する磁路形成壁を、ティースに対してn相の磁界を発生させる位置以外の箇所にも形成することで、前記n相の磁界に加えて、当該n相の磁界とは逆向きのn逆相の磁界を前記複数のティースに対して発生させるように構成することが好適である。
以上説明した本発明によれば、簡単な構成としつつ、幅方向へのコイルのはみ出しを生じさせないとともに、コイルにより磁力を生じさせるティース(磁極歯)を緊密に配置することが可能となるため、精密動作が可能であるとともに小型で安価なリニアモータを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るリニアモータを模式的に示した側面図。 図1におけるX1−X1およびX2−X2の位置における断面を、外径方向を上向きにして示した断面図。 図1におけるX3−X3およびX4−X4の位置における断面を、外径方向を上向きにして示した断面図。 図1におけるX5−X5およびX6−X6の位置における断面を、外径方向を上向きにして示した断面図。 図2〜図4に示した断面図を合成した模式的な断面図。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
この実施形態のリニアモータは、図1に示すように、大きくは平板状に構成した固定子2と、この固定子2と対向するように設けた平板状の可動子8とから構成されている。固定子2および可動子8は、互いに対向する面を磁極面2a、8aとして形成されており、これらの磁極面2a、8aが近接・対向した状態を維持したまま、可動子8は直線上に、より具体的には、図中の左右方向に移動可能に支持されている。
このリニアモータ1は、図示しない電源と接続して3相の交流電圧を与えることによって磁極面2a、8a間で発生する磁場を変化させて可動子8に対して推力を生じさせるようにしている。3相の交流電圧はそれぞれ120°ずつ位相を異ならせた第1相としてのU相の交流電圧、第2相としてのV相の交流電圧、第3相としてのW相の交流電圧より構成されている。
可動子8の磁極面8aは、可動子8の移動方向に2分割するようにして形成しており、それぞれ平板状であって表裏で異なる極性を有する永久磁石81、82を互いに異なる磁極面を表にして貼り付けることによって、表面がN極およびS極の異なる極性が隣接するように構成している。なお、この例では単純化した構成として示しているため、この永久磁石81、82の表面を一つの磁極面8aとして連続した平面としているが、各永久磁石81、82はそれぞれ異なる磁極を有する独立した磁極歯として機能するものであり、各々を凸状に構成しても差し支えない。
固定子2の磁極面2aは、複数のティース21〜26を可動子8の移動方向に併置した形態としている。ティース21、26、23、22、25、24は順にU相、−W相、V相、−U相、W相および−V相の6つの異なる位相の磁界を各々発生するものであり、この順で可動子8の移動方向に沿って繰り返して配置するようにしている。このようにしてティース21〜26を連続して配置させることによって、固定子2の長さを大きくして、その分可動子8の移動距離を延長させることが可能である。
各ティ−ス21〜26は、可動子8の移動方向に対して直交する方向、すなわち幅方向に延在する平板状に構成しているが、これらのティース21〜26の中には、幅方向の一部で分割された複数のティース要素22a、22b(図2(b)参照)、24a、24b(図3(b)参照)、26a、26b(図4(b)参照)より構成する場合もあるが、協働して所定の磁界を発生するとの一個の機能を有することから、これらを併せて「ティース」と称す。
なお、上記の「幅方向」とは、可動子8の移動方向および、可動子8および固定子2の対向する方向に直交する方向を指し、図1における紙面奥行き方向となるものである。
さらに、可動子8とは逆側、すなわち図中の下側には、ティース21〜26と各々対向するようにヨーク31〜36が設けられている。ヨーク31〜36もティース21〜26と同様に平板状に形成してあり、ティース21〜26との間で一定の間隙を形成しつつ平行に設けている。
このティース21〜26とヨーク31〜36との間隙は、可動子8の移動方向に連通されたスロット2a、2bを形成し、これらの中には4個のコイル51〜54を幅方向、すなわち図中の紙面奥行き方向に併置しつつ収容している。各コイル51〜54は導電線を長方形状に巻いた形態としており、その約半周分が上記スロット2a、2bの内部に収容される。これらのコイル51〜54には、上述した3相の交流電圧が各々印加される。
ここで、図中に記載したU相、−U相、V相、−V相、W相および−W相に対応する切断線X1−X1〜X6−X6の各位置における断面を図2(a)〜図4(b)に示す。
図2(a)〜図4(b)における各断面形状の説明を行うのに先駆けて、これらの断面を合成して模式的に表した断面図を図5に示し、この図を基にして主となる断面構成を説明しておく。
上述したように、固定子2は可動子8(図1参照)と対向する磁極面2aにティース21〜26を、可動子8と反対側にヨーク31〜36を有し、これらの間隙にコイル51〜54を備えている。コイル51〜54は全て同一の巻方向に形成しており、同じ向きに電圧を印加した場合には全て同方向に磁界を発生するようにしてある。そして、ティース21〜26はヨーク31〜36との間で交流電圧の相数と同じく3箇所に設けた磁路形成壁41〜43によって接続されている。磁路形成壁41〜43は図中右側より順に、第1番目の磁路形成壁43、第2番目の磁路形成壁42および第3番目の磁路形成壁41としている。これら3箇所の磁路形成壁41〜43のうち、両端の第1番目と第3番目の磁路形成壁43、41は固定子2の両端面を形成し、内側の第2番目の磁路形成壁42はこれらの中間に設けられている。こうすることで、磁路形成壁41〜43はティース21〜26およびヨーク31〜36とともに2つのスロット2b、2cを形成している。このスロット2b、2cは上述したように、可動子8(図1参照)の移動方向と同じように、図中の奥行き方向に直線状に連通するよう形成されている。また、別の見方をすると第2番目の磁路形成壁42はスロット2b、2cの境界位置に形成されているものということができる。
上記のスロット2b、2cのうち一方のスロット2bにはコイル51、52が収納され、他方のスロット2cにはコイル53、54が収納されるようにしている。こうすることで、片方の端面に位置する磁路形成壁41にはコイル51が隣接し、他方の端面に位置する磁路形成壁43にはコイル54が隣接するようにしている。そして、中間の磁路形成壁42は、コイル52、53に隣接しつつこれらのコイル52、53の間で挟まれるように構成している。
このように、推力を発生させるための4個のコイル51〜54が全て固定子2の幅方向に収められた形態となっていることから、幅方向でコイルエンド等の処理が必要なく、幅方向にコンパクトな形態とすることができる。また、コイル51〜54は、ティース21〜26の下側に位置するスロット2b、2cに収納されるのみで、ティース21〜26そのものに巻き付ける構成とはしていない。そのため、ティース21〜26の間にコイルを巻き付けるためのスペースを要せず、ティース21〜26を小型化しつつ緊密に配置することが可能であり、こうすることで可動子8(図1参照)を精密に動作させることが可能となっている。
コイル51〜54には上述した電源(図示せず)より3相の交流電圧を与えるように構成している。具体的には、コイル54は正向きに電源と接続してU相の交流電圧が与えられるようにしている。ここで、「正向きに電源と接続」とは、コイル54に対して正の電圧が印加されたときにコイル54の内部で正の方向に電流が流れる向きに接続することを意味している。そして、コイル52は正向きに電源と接続して、U相よりも120°位相が遅れたV相の交流電圧が与えられるようにしている。また、上記のように正向きに電源と接続されたコイルを「正相のコイル」または「U、V、W相のコイル」と称す。
そして、コイル53は逆向きに電源と接続しつつV相の交流電圧が与えられるようにしている。すなわち、コイル53の両端と電源との接続関係が、コイル52の場合と逆になるように接続しており、同一の電圧を印加しても、コイル52とは逆方向に電流が流れて逆向きの磁界を発生させるようにしている。さらに、コイル51は逆向きに電源と接続しつつ、V相よりも120°位相が遅れたW相の交流電圧が与えられるようにしている。これらのように逆向きに電源と接続されたコイルを「逆相のコイル」または「−U、−V、−W相のコイル」と称す。
上記のように、隣接する磁路形成壁41〜43に対して、図の左側に位置するコイル52、54は正相のコイルとしてU、V相の交流電圧をそのままの方向で与えられ、右側に位置するコイル51、53は逆相のコイルとしてV、W相の交流電圧が逆方向に与えられるようにしている。なお、以下においては、U、V、W相の各交流電圧によって流れる電流と同相の磁界を単にU、V、W相の磁界として称す。
磁路形成壁41〜43に対して左側に位置するコイル52、54は、磁路形成壁41〜43に対して印加電圧に応じて流れる電流と同相の磁界を与え、磁路形成壁41〜43に対して右側に位置するコイル51、53は、磁路形成壁41〜43に対して印加電圧に応じて流れる電流と逆相の磁界を与えるように構成している。すなわち、コイル51、53は逆相のコイルとはいえ、隣接する磁路形成壁41、42に対してV、W相の交流電圧によって流れる電流と同相の磁界を与えるようになっている。
上記のようにコイル51〜54に3相交流電圧を印加することで、ヨーク31〜36および磁路形成壁41〜43との組み合わせに応じて、所定の磁界をティース21〜26に生じさせることができるようにしている。
例えば、図1に記載した切断線X1−X1の位置においては、固定子2は図2(a)のように構成されている。互いに対向するヨーク31とティース21とは磁路形成壁43のみによって接続されている。そのため、磁路形成壁43に隣接するコイル54に印加する交流電圧に従ってティース21に磁界が発生する。すなわち、ティース21にはU相の交流電圧によって流れる電流と同相であるU相の磁界が形成される。このように、交流電圧により流れる電流と同相の磁界を生じるものを「正相のティース」と称し、これに対して逆相となる磁界を生じるものを「逆相のティース」と称す。
また、図1に記載した切断線X3−X3の位置においては、固定子2は図3(a)のように構成されており、互いに対向するヨーク33とティース23とは磁路形成壁42のみによって接続されている。そのため、磁路形成壁42に隣接するコイル52、53に印加する交流電圧に従ってティース23に磁界が発生する。この場合、コイル54と磁路形成壁43(図2参照)との関係と同様に、磁路形成壁42に対して図中左側に位置したコイル52は印加する電圧により流れる電流と同相の磁界を発生するものとなり、逆の関係にある図中右側に位置したコイル53は印加する電圧により流れる電流と逆相の磁界を発生するものとなる。すなわち、コイル52、53が協働してティース23にV相の磁界が形成される。
また、図1に記載した切断線X5−X5の位置においては、固定子2は図4(a)のように構成されており、互いに対向するヨーク35とティース25とは磁路形成壁41のみによって接続されている。そのため、磁路形成壁41に隣接するコイル51に印加する交流電圧に従ってティース25に磁界が発生する。この場合、コイル54と磁路形成壁43(図2参照)との関係とは逆に、磁路形成壁41に対して図中右側に位置したコイル51は印加する電圧により流れる電流と逆相の磁界を発生するものとなる。すなわち、ティース25にはW相と同じ位相を有する磁界が形成される。
さらに、本実施形態においては、図1のように、上記のU相、V相およびW相の磁界を発生する正相のティース21、23、25とは別に、これらと磁界の正負を逆転させた−U相、−V相および−W相の磁界を発生する逆相のティース22、24、26を構成している。以下、こうした逆相の磁界を発生させるための構成について説明を行う。
まず、図1に記載した−U相の磁界を生じさせる切断線X2−X2の位置においては、固定子2は図2(b)のように構成されており、ティース22は固定子2の幅方向に分割された2つのティース要素22a、22bによって構成されている。そして、各ティース要素22a、22bは対向するヨーク32との間で、磁路形成壁43(図2(a)参照)を除いた磁路形成壁41、42によって接続されている。磁路形成壁43(図2(a)参照)は上述したようにコイル54の働きによってU相の磁界を形成するものであり、これを除く磁路形成壁41、42を用いることで、U相の磁界を正逆反転させた−U相を構成することができる。ティース22は2つのティース要素22a、22bに分断されてはいるが、固定子2の幅方向に対する同じ位置に設けられていることによって、協働して一個の−U相のティース22として機能する。
次に、図1に記載した−V相の磁界を生じさせる切断線X4−X4の位置においては、固定子2は図3(b)のように構成されており、ティース24は固定子2の幅方向に分割された2つのティース要素24a、24bによって構成されている。そして、各ティース要素24a、24bは各々対向するヨーク34との間で、磁路形成壁42(図3(a)参照)を除いた磁路形成壁41、43によって接続されている。磁路形成壁42(図3(a)参照)は上述したようにコイル52、53の働きによってV相の磁界を形成するものであり、これを除く磁路形成壁41、43を用いることで、V相の磁界を正逆反転させた−V相を構成することができる。ティース24は2つのティース要素24a、24bに分断されてはいるが、協働して一個の−V相のティース24として機能する。
さらに、図1に記載した−W相の磁界を生じさせる切断線X6−X6の位置においては、固定子2は図4(b)のように構成されており、ティース26は固定子2の幅方向に分割された2つのティース要素26a、26bによって構成されている。そして、各ティース要素26a、26bは各々対向するヨーク36との間で、磁路形成壁41(図4(a)参照)を除いた磁路形成壁42、43によって接続されている。磁路形成壁41(図4(a)参照)は上述したようにコイル51の働きによってW相の磁界を形成するものであり、これを除く磁路形成壁42、43を用いることで、W相の磁界を正逆反転させた−W相を構成することができる。ティース26は2つのティース要素26a、26bに分断されてはいるが、協働して一個の−W相のティース26として機能する。
上述したように、概ね図5のような断面構造を採る固定子2はコイル51〜54を除いて、強磁性体である金属により一体成形して製作してもよいが、こうするとスロット2b、2c内へのコイル51〜54の収容作業が難しくなるため、磁路形成壁41〜43の位置に合わせて幅方向に3分割する構成として形成しておき、コイル51〜54をスロット2b、2c内に収容した後で一体化するように製作することが好適である。
上記のように構成したリニアモータ1は、図1に示すコイル51〜54に対してU相、V相、W相として120°ずつ位相をずらした3相の交流電圧を与えることによって、固定子2の磁極面2aを形成するティース21〜26に所定の磁界を生じさせることができる。具体的には、コイル54に対して正向きにU相の電圧を与え、コイル53には逆向きにV相の電圧を与え、コイル52には正向きにV相の電圧を与え、コイル51には逆向きにW相の電圧を与えることによって、ティース21、23、25は正相のティースとしてU、V、W相の交流電圧により流れる電流と同相のU、V、W相の磁界を各々発生し、ティース22、24、26は逆相のティースとしてU、V、W相の交流電圧により流れる電流と逆相となる−U、−V、−W相の磁界を各々発生する。
こうしたティース21、26、23、22、25、24によって、図中の右方向にU、−W、V相、−U相、W相、−V相の順で磁界を発生させることによって、これらの磁界から各々生じる磁界を合成した合成磁界を、図中右方向への進行波として変化させることができる。そして、この合成磁界によって、固定子2と対向する可動子8を図中右方向に等速で移動させることができる。さらに、この3相交流電圧の周波数を大きくまたは小さくすることで、可動子8の速度の増減を行うことができるとともに、交流電圧を逆向きにすることで可動子8を反対方向に移動させることができる。
このリニアモータ1は、U相、V相、W相に加えて、これらと逆位相の−U相、−V相、−W相の磁界が生じ、これら2×3相分の位相の異なる多数の磁界が協働して一周期分の合成磁界を形成するために、磁界の大きさの変動を小さくしつつ、より滑らかに合成磁界を変化させることができるようになっている。そのため、この合成磁界の変化に従って動作する可動子8は、速度の変動や振動が少なく、動作安定性を良好に維持することができる。
また、上述したように、ティース21〜26にコイル51〜54を巻き付ける構成としなくても、可動子8に所望の動作を行わせることができるため、ティース21〜26を小型化しつつ、より緊密に配置することで精密に可動子8を動作させることができるようになる。また、コイル51〜54がそれぞれ同じ形態を採りつつ幅方向に併置され、ティース21〜26の下側のスロット2b、2cの内部に整列して収納されているため、幅方向の磁界を均一化することができる。そのため、可動子8に対して余計な幅方向への推力が発生せず、幅方向への振動を抑制することもできるようになっている。
以上のように、本実施形態におけるリニアモータ1は、固定子2の磁極面2aを形成しつつ、可動子8の進行する方向に並置された複数のティース21〜26と、これらのティース21〜26と対向して配置されたヨーク31〜36と、前記ティース21〜26と前記ヨーク31〜36とを接続しつつ、これらのティース21〜26およびヨーク31〜36とともに可動子8の進行方向に連通するスロット2b、2cを形成する磁路形成壁41〜43と、前記スロット2b、2c内に少なくとも一部が収容されるとともに、可動子8の進行方向に対して直交する方向に併置され、各々120°ずつ位相を異ならせた3相の交流電圧が印加される4個のコイル51〜54とを備えており、前記コイル51〜54が前記ヨーク31〜36および磁路形成壁41〜43を介して前記複数のティース21〜26に3相の磁界を発生させるように構成したものである。
このように構成することで、コイル51〜54がティース21〜26の側面より幅方向にはみ出すことがないために、幅方向をコンパクトに形成することができる。また、隣接するティース21〜26の間にコイル51〜54を巻き付けるためのスペースを必要としないことから、ティース21〜26を緊密に接近させて動作の精密化や小型化を図ることができる。また、幅方向に対して磁界が均一に保たれるため、幅方向への振動を低減することができる。さらに、コイル51〜54の巻き方が単純であるため、構成が簡単になり製作費を低減できる。
また、前記ヨーク31〜36との間で接続する磁路形成壁41〜43を、ティース21〜26に対して3相の磁界を発生させる位置以外の箇所にも形成することで、前記3相の磁界に加えて、当該3相の磁界とは逆向きの逆相の磁界を前記複数のティース21〜26に対して発生させるように構成しているため、合成磁界をより滑らかに形成させて、可動子の動作安定性を高めることができるようになる。
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態においては、コイル51〜54により磁界を発生するティース21〜26を固定子2側に形成していたが、電源の供給が可能である限り可動子8側に構成することも可能である。また、上記の実施形態では、ティース21〜26と対向する相手側の磁極面8aを永久磁石81、82によって形成していたが、ティース21〜26により生じる磁界によって誘導磁界を生じさせて推力を生じさせる構成とする場合には、導体バーと鉄心または導体プレートと鉄心構造により誘導機を構成して、磁極面8aに永久磁石81、82を用いないようにすることも可能である。
また、上述の実施形態においては、コイル51〜54に3相の交流電圧を印加して合成磁界を生じさせる構成としていたが、この構成を展開して、さらに多くの相数からなる交流電圧を印加する構成とすることも可能である。例えば、360°/n(nは3以上の整数)ずつ位相を異ならせたn相の交流電圧を与えることを前提とした場合、コイルを収容するスロットはn−1個構成し、各々に2個ずつ計2×(n−1)個のコイルを収容するようにすれば良い。そして、スロットの各境界位置および両端面の位置にティースとヨークとを接続する計n個の磁路形成壁を形成し、一方の端面側より第1番目となる磁路形成壁と隣接して第1相のコイルを設け、第n番目の磁路形成壁と隣接して正負逆の電流が流れるよう第n逆相のコイルを設ける。さらに、第m番目(mは2以上n未満の整数)の磁路形成壁を挟むようにして第m相のコイルと、第m逆相のコイルを設ける。このように第n番目の磁路形成壁によってティースとヨークとを接続することで、当該箇所において第n相の交流電圧により流れる電流と同相である第n相の磁界を生じさせることができる。さらに、第n番目以外の全ての磁路形成壁によってティースとヨークとを接続することで、ティースに第n相の磁界を反転させた逆相の磁界を生じさせることができる。このように構成することで、3相を越える多くの相数を有するものであっても、上述の実施形態と同一の思想の基で製作することができ、同様に2×n相の異なる位相の磁界を生じさせることで、より滑らかな合成磁界を形成することができる。
なお、各磁路形成壁41〜43と隣接するコイルを1個ずつにして、上記n相の場合であれば合計n個のみのコイルで構成することも可能である。この場合には、各コイルによる磁界の干渉が生じやすくなるため、これを防ぐためには、上記のように境界位置における磁路形成壁は両側より互いに逆位相のコイルで挟み込むように構成し、合計2×(n−1)個のコイルを備えるように構成することが好適である。
また、上述の実施形態では、U、V、W相の磁界と、これに対する逆相である−U、−V、−W相の磁界を生じさせるように各ティース21〜26を構成していたが、これらのティース21〜26の長さ(図2〜図5における左右方向への長さ)を変更することによって、上記とは異なる位相の磁界を発生させるように構成することも可能である。すなわち、U、V、W、−U、−V、−W相の6相以外の位相をずらすことで等価的に分布巻の効果が得られて、さらに滑らかな合成磁界を形成させることも可能である。
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…リニアモータ
2…固定子
2a…(固定子側)磁極面
2b、2c…スロット
8…可動子
8a…(可動子側)磁極面
21〜26…ティース
31〜36…ヨーク
41〜43…磁路形成壁
51〜54…コイル

Claims (2)

  1. 可動子または固定子のいずれか一方の磁極面を形成しつつ、可動子の進行する方向に並置された複数のティースと、
    これらのティースと対向して配置されたヨークと、
    前記ティースと前記ヨークとを接続しつつ、これらのティースおよびヨークとともに可動子の進行方向に連通するスロットを形成する磁路形成壁と、
    前記スロット内に少なくとも一部が収容されるとともに、可動子の進行方向に対して直交する方向に併置され、各々360°/n(nは3以上の整数)ずつ位相を異ならせたn相の交流電圧が印加される少なくともn個のコイルとを備えており、
    前記コイルが前記ヨークおよび磁路形成壁を介して前記複数のティースにn相の磁界を発生させるように構成したことを特徴とするリニアモータ。
  2. 前記ヨークとの間で接続する磁路形成壁を、ティースに対してn相の磁界を発生させる位置以外の箇所にも形成することで、前記n相の磁界に加えて、当該n相の磁界とは逆向きのn逆相の磁界を前記複数のティースに対して発生させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ。
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