JP2013138060A - 半導体装置の解析装置、半導体装置の解析方法、プログラム及び生産システム - Google Patents

半導体装置の解析装置、半導体装置の解析方法、プログラム及び生産システム Download PDF

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Abstract

【課題】ウェハから得られる特性値の傾向解析において、ウェハの中心軸を基準としたモデルが用いられてきたが、このようなモデルに固執した結果、解析者に先入観が生まれ、ウェハの中心軸からのずれを無視(又は、不当に軽視)するウェハの特性値に関する傾向解析や工程改善活動をしてしまう恐れがあった。そのため、歩留低下の原因を適切に特定する半導体装置の解析装置が、望まれる。
【解決手段】半導体装置の解析装置は、ウェハから得られる特性値をモデル化した近似関数を生成する近似関数生成部と、近似関数は奇関数を含んで構成されているか否かを解析する近似関数解析部と、近似関数に含まれる奇関数に対応する不具合要因を、近似関数の特徴に基づき特定する要因特定部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の解析装置、半導体装置の解析方法、プログラム及び生産システムに関する。特に、ウェハから得られる特性値を解析する半導体装置の解析装置、半導体装置の解析方法、プログラム及び生産システムに関する。
半導体装置の生産工程では、フォトリソグラフィ技術を使用することで、円盤形状のウェハ表面に特性の揃った同種の半導体装置を多数配置できる。その際、半導体装置の生産性を高めるためには、半導体装置を生産する際の歩留に影響する加工条件(例えば、ウェハ面の表面温度)を均一に管理することが望ましい。
また、近年の半導体装置は10層を越える多層配線の積層も多く、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタ、プラズマエッチャ及びCMP(Chemical Mechanical Polishing)等を用いたプロセス装置によるウェハの加工が繰り返し行われる。
ここで、特許文献1〜3において、半導体装置の検査等により得られた特性値のウェハにおける分布傾向を評価する際に、ウェハの中心軸を原点として分割し、特性値をマッピングする技術が開示されている。
特許文献1〜3が開示する技術では、マッピングの対象となる特性値が管理限界から逸脱している場合に、このような特性値を多く含む分割領域を他の領域の色とは違う色でマッピングする。その結果、このようなマッピングを確認した解析者は、特性不良が多く含まれているウェハの領域を容易に特定することができる(直感的に判断できる)。
また、特許文献4において、ウェハの中心位置の基準点からのずれ量及びずれ方向の検出と、オリエンテーションフラットの方向を検出するウェハ位置検出に関し、ウェハの偏心状況や寸法誤差の影響を受けにくいウェハ位置検出方法が開示されている。
さらに、特許文献5において、フォトリソグラフィ工程における露光条件の補正方法を最適化することにより、ウェハ面の加工精度を向上する技術が開示されている。特許文献5が開示する技術は、ウェハの面内又は面外に設定した原点から等距離に位置する半導体装置上に、同一の補正を加えた露光条件でレジストパターンを形成し、補正されたレジストパターンをマスクすることでウェハ上に形成された膜を加工する。その結果、加工された膜の仕上がり寸法の均一性を向上させている。
特開2004−288743号公報 特開2000−243794号公報 特開平10−267993号公報 特開平8−023023号公報 特開2000−049076号公報
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明の観点からなされたものである。
ここで、ウェハは円盤形状であり、このようなウェハを加工する多くの反応容器も円筒形状であることから、コンタクトを形成する成膜装置に含まれる反応容器の側面から熱エネルギーを供給すると、ウェハの表面温度分布は同心円状になる。コンタクトは、ウェハの表面温度分布に依存して、その形状等が定まるため、ウェハの特性値(ウェハに含まれる半導体装置の特性値を含む)は、ウェハの中心軸を原点として同心円状になるものと推定できる。例えば、ウェハの特性値として、コンタクト孔の抵抗値を考えれば、一例ではウェハの中心軸の近辺の抵抗値が高く、中心軸から離れるに従って抵抗値は低下すると考えられ、他の例では逆と考えられる。つまり、ウェハの中心軸からの距離に対するコンタクト孔の抵抗値傾向についても、同心円状の分布を示すことになる。
しかし、現実の特性値傾向は、同心円状から外れてしまうことも多い。このような状況の下、ウェハの特性値を解析することによって、歩留低下の原因を明確にし、早急な対策を実施することが求められる。
上述のように、その対策の一提案として、特許文献1〜3において、半導体装置の検査等により得られた特性値をマッピングすることで、ウェハ上の特性値の異常分布を解析する技術が開示されている。しかし、特許文献1〜3が開示する技術は、分割された領域の単位で定性的な解析を行うものであり、ウェハの中心軸を原点とした距離とその距離に応じた特性値傾向に関する分析については、精度の低いものである。何故ならば、特許文献1〜3が開示する技術では、計測値を領域単位でマッピングしているのみであり、マッピングされた領域間の傾向解析は、解析者が目視することで行われているためである。
図2〜図5は、ウェハ上の特性値分布の一例を示す図である。
例えば、図2では、不良データ403が中心軸401を基点として同心円状に存在する。図3では、不良データ403が中心軸401を外れて存在している。このように、不良データ403がウェハ中央部402に集中して分布形状が同じで分布位置が異なっている場合、分割された領域単位のマッピングを用いた従来技術において、解析者は、不良データ403の検出領域がウェハ中央部402とウェハ外周部404と異なる事を根拠に、図2及び図3は不良原因が互いに異なると誤判定しやすい。しかし、正しくは、分布形状に影響する図2の不良原因は図3にも含まれ、分布位置に影響する新たな不良原因が図3に加わったと判定すべきである。さらに言えば、工場において、図2のトラブルへの対策結果が図3だった場合、計測値を領域単位でマッピングする技術では、上述の対策が図2のトラブル原因に影響した結果、図3に変化したと判断し、このような対策の条件調整及び試行を繰り返しやすい。しかし、正しくは、上述の対策が図2のトラブル原因に影響しなかった(新たなトラブルを付加した)と判断し、このような対策を棄却し、異なる対策を実施すべきである。
また、図4及び図5に示すように、不良データ403の分布形状および分布位置が互いに異なるにも関わらず、ウェハ中央部402とウェハ外周部404とに分割された領域のどちらか同じ側に偏在する場合には、図4及び図5の違いを正しく認識することがより困難になる。
また、特性値の解析を人間が行う点には様々な問題がある。例えば、同じ特性値分布を与えられたとしても、解析者が異なれば、その特性値分布から導き出す情報(不具合の原因の推定)は千差万別である。さらに、解析者が同じであったとしても、解析者の体調や置かれた環境等によって、同じ結論を導き出すことができるとは限らない。このように、特性値の解析を人間が行うと、重要な手掛かりの見落とし、適切な対策案の発見の遅れ、不適切な対策の実施、等が行われ、かえって歩留を低下させてしまうこともある。
即ち、特許文献1〜3が開示する技術は、ウェハを模した座標上に特性値をマッピングするのみであり、マッピングされた特性値の傾向からプロセスの異常を検出し、原因工程を特定するのは解析者(人間)である。このような作業は解析者の経験等に依存し、再現性にも乏しいため、ウェハの中心からずれてマッピングされていても見落とす、又は、軽視する可能性がある。
その結果、半導体装置の歩留が、複数の原因の組み合わせに起因して低下している場合に、その原因を適切に特定することができない。そのため、歩留低下の原因を適切に特定する半導体装置の解析装置、半導体装置の解析方法、プログラム及び生産システムが、望まれる。
なお、特許文献4及び5には、ウェハの特性値を解析することによって、歩留低下の原因を明確にする技術は開示されていない。
本発明の第1の視点によれば、ウェハから得られる特性値をモデル化した近似関数を生成する近似関数生成部と、前記近似関数は奇関数を含んで構成されているか否かを解析する近似関数解析部と、前記近似関数に含まれる奇関数に対応する不具合要因を、前記近似関数の特徴に基づき特定する要因特定部と、を備える半導体装置の解析装置が提供される。
本発明の第2の視点によれば、ウェハから得られる特性値をモデル化した近似関数を生成する近似関数生成工程と、前記近似関数が、偶関数と奇関数の和により構成されているか否かを解析する近似関数解析工程と、前記近似関数に含まれる奇関数に対応する不具合要因を、前記近似関数の特徴に基づき特定する要因特定工程と、を含む半導体装置の解析方法が提供される。
本発明の第3の視点によれば、ウェハから得られる特性値をモデル化した近似関数を生成する近似関数生成処理と、前記近似関数が、偶関数と奇関数の和により構成されているか否かを解析する近似関数解析処理と、前記近似関数に含まれる奇関数に対応する不具合要因を、前記近似関数の特徴に基づき特定する要因特定処理と、をコンピュータに実行させることで、前記コンピュータを半導体装置の解析装置として動作させるプログラムが提供される。なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。記憶媒体は、非トランジェント(non−transient)なものとすることができる。
本発明の第4の視点によれば、上記第1の視点に係る半導体装置の解析装置を含む生産システムが提供される。
本発明の各視点によれば、歩留低下の原因を適切に特定する半導体装置の解析装置、半導体装置の解析方法、プログラム及び生産システムが、提供される。
本発明の一実施形態の概要を説明するための図である。 ウェハ上の特性値分布の一例を示す図である。 ウェハ上の特性値分布の一例を示す図である。 ウェハ上の特性値分布の一例を示す図である。 ウェハ上の特性値分布の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る解析装置を含む生産システム1の構成の一例を示す図である。 成膜装置10の外観の一例を示す図である。 成膜装置10の内部構成の一例を示す図である。 解析装置50の内部構成の一例を示す図である。 ウェハ面とウェハの特性値から得られる近似関数の関係の一例を示す図である。 生産システム1の動作の一例を示すフローチャートである。 ウェハの特性値の解析動作の一例を示すフローチャートである。 近似関数Z(x)の算出動作の一例を示すフローチャートである。 特性値R(x)と、その微分結果の一例を示す図である。 近似関数Z(x)が定数である場合のグラフの一例である。 近似関数Z(x)が奇関数である場合のグラフの一例である。 近似関数Z(x)が偶関数である場合のグラフの一例である。 近似関数Z(x)が偶関数である場合のグラフの一例である。 近似関数Z(x)が偶関数と奇関数の和である場合のグラフの一例である。 原料ガスの流量に関する設定が適切ではなく、給排ノズル付近で圧力勾配及び温度勾配が発生している場合の反応容器201の概念図である。 近似関数Z(x)が偶関数と奇関数の和である場合の別の一例である。 近似関数Z(x)が、定数等ではモデル化できない場合の一例である。 成膜条件モデルの検索の一例を示すフローチャートである。 データベース60が記憶する内容の一例を示す図である。 ウェハの加工の一例を示す図である。 ウェハの加工の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態における近似関数Z(x)の算出を説明するための図である。 解析装置50bの内部構成の一例を示す図である。 ウェハの特性値をモデル化した近似関数Z(x)の一例を示す図である。
初めに、図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
上述のように、ウェハ上での特性値傾向解析において、ウェハの中心軸を基準としたモデルが用いられてきたが、このようなモデルに固執した結果、解析者に先入観が生まれ、ウェハの特性値分布に関するウェハの中心軸からのずれを無視(又は、不当に軽視)する傾向解析や工程改善活動をしてしまう恐れがあった。そのため、ウェハの特性値分布に関するウェハの中心軸からのずれを適切に評価し、歩留低下の原因を特定する半導体装置の解析装置が、望まれる。
そこで、一例として図1に示す半導体装置の解析装置を提供する。図1に示す半導体装置の解析装置600は、ウェハから得られる特性値をモデル化した関数(以下、近似関数と呼ぶ)を生成する近似関数生成部601と、近似関数は奇関数を含んで構成されているか否かを解析する近似関数解析部602と、近似関数に含まれる奇関数に対応する不具合要因を、近似関数の特徴に基づき特定する要因特定部603と、を備える。
ウェハは円盤形状をしており、ウェハ加工用反応容器の多くも円筒形状であり、ウェハから得られる特性値の分布は同心円状になる。このような特性値をモデル化した近似関数は、ウェハの中心軸を原点とすれば、原点からの水平距離成分を変数とする偶関数で表現できる。つまり、該近似関数が偶関数で表現できている生産工程(ウェハの加工条件)の場合、特性値に関する管理目標値あるいは管理目標値に誤差を加えた管理限界を越えない範囲で異常は存在しないと判断できる。これに対し、近似関数に奇関数が含まれている場合、管理目標値あるいは管理限界を越えない範囲であっても何かしらの不具合が存在すると判断できる。そこで、ウェハの生産工程において、何かの不具合が発生し、その原因が判明するたびに、不具合要因とその際の近似関数をデータベース等に記憶しておく。そして、ウェハの特性値から生成した近似関数に奇関数が含まれている場合には、このデータベース等を検索することによって、不具合要因を特定する。その結果、解析者等の経験に依存することなく、歩留低下の原因を適切に特定する半導体装置の解析装置を提供することができる。
このように、歩留低下の因果関係を関数式でモデル化できる場合、近似関数に対して定量的な解析が可能となり、解析精度を高めることができる。特に、歩留低下が複数の要因の組み合わせに起因している場合、個別の因果関係を関数式でモデル化し、これらの関数式の合成によって歩留低下の因果関係をさらにモデル化できるため、より精度の高い解析が行える。また、該モデル関数式において、変数が0次の項はウェハ中心軸からの距離(変数)に依存しない原因からの影響を意味し、距離に依存する(変数が1次以上の項に影響する)原因とは質的に異なると区別でき、各々に対策が必要と判る。これらのように因果関係のモデル化により、不具合に対する有効な対策を容易に立案できるため、早期に不具合の対策が行える。
本発明において下記の形態が可能である。
[形態1]上記第1の視点に係る半導体装置の解析装置のとおりである。
[形態2]前記近似関数解析部は、前記近似関数が、偶関数と奇関数の和により構成されているか否かを解析することが好ましい。
[形態3]前記近似関数生成部は、ウェハから得られる特性値から、前記近似関数の候補であって、多項式により構成される近似関数候補を生成すると共に、前記近似関数候補を構成する各項の係数のうち予め定めた所定値よりも小さい係数を0とすることで、前記近似関数を生成することが好ましい。
[形態4]前記近似関数生成部は、ウェハから得られる特性値と、前記近似関数から得られる値と、に対して最小二乗法を適用することで、前記近似関数を生成することが好ましい。
[形態5]前記要因特定部は、前記不具合要因と、前記不具合要因に対応した前記近似関数と、を記憶するデータベースを検索することにより、前記不具合要因を特定することが好ましい。
[形態6]前記近似関数生成部は、ウェハの生成工程において不具合が存在しないと認められたウェハから得られる特性値をモデル化した基準近似関数から得られるウェハの特定の位置に対応した基準特性値から、前記基準近似関数がモデル化する特性値に対応するウェハから得られる特性値を、減算することによって、前記近似関数を生成することが好ましい。
[形態7]前記半導体装置の解析装置は、複数のウェハから前記近似関数を生成し、前記複数のウェハから得られる近似関数から、複数のウェハに共通する位置における特性値の時間的変化を解析する経時変化解析部を備えることが好ましい。
[形態8]前記経時変化解析部は、前記複数のウェハに共通する位置における特性値の変化率の絶対値が所定値よりも大きい場合に、ウェハの加工条件が不安定であると判定することが好ましい。
[形態9]上記第2の視点に係る半導体装置の解析方法のとおりである。
[形態10]前記近似関数生成工程は、ウェハから得られる特性値から、前記近似関数の候補であって、多項式により構成される近似関数候補を生成する工程と、前記近似関数候補を構成する各項の係数のうち予め定めた所定値よりも小さい係数を0とすることで、前記近似関数候補を再生成する工程と、ウェハから得られる特性値と、前記近似関数候補から得られる値と、に対して最小二乗法を適用することで、前記近似関数を生成する工程と、を含むことが好ましい。
[形態11]前記近似関数生成工程は、ウェハの生成工程において不具合が存在しないと認められたウェハから得られる特性値をモデル化した基準近似関数を生成する工程と、前記基準近似関数から得られるウェハの特定の位置に対応した基準特性値から、前記基準近似関数がモデル化する特性値に対応するウェハから得られる特性値を、減算することによって、前記近似関数を生成する工程と、を含むことが好ましい。
[形態12]前記半導体装置の解析方法は、さらに、複数のウェハから前記近似関数を生成し、前記複数のウェハから得られる近似関数から、複数のウェハに共通する位置における特性値の時間的変化を解析する経時変化解析工程と、前記複数のウェハに共通する位置における特性値の変化率の絶対値が所定値よりも大きい場合に、ウェハの加工条件が不安定であると判定する工程と、を含むことが好ましい。
[形態13]上記第3の視点に係るプログラムのとおりである。
[形態14]前記近似関数生成処理は、ウェハから得られる特性値から、前記近似関数の候補であって、多項式により構成される近似関数候補を生成する処理と、前記近似関数候補を構成する各項の係数のうち予め定めた所定値よりも小さい係数を0とすることで、前記近似関数候補を再生成する処理と、ウェハから得られる特性値と、前記近似関数候補から得られる値と、に対して最小二乗法を適用することで、前記近似関数を生成する処理と、を実行することが好ましい。
[形態15]前記近似関数生成処理は、ウェハの生成工程において不具合が存在しないと認められたウェハから得られる特性値をモデル化した基準近似関数を生成する処理と、前記基準近似関数から得られるウェハの特定の位置に対応した基準特性値から、前記基準近似関数がモデル化する特性値に対応するウェハから得られる特性値を、減算することによって、前記近似関数を生成する処理と、を実行することが好ましい。
[形態16]前記プログラムは、さらに、複数のウェハから前記近似関数を生成し、前記複数のウェハから得られる近似関数から、複数のウェハに共通する位置における特性値の時間的変化を解析する経時変化解析処理と、前記複数のウェハに共通する位置における特性値の変化率の絶対値が所定値よりも大きい場合に、ウェハの加工条件が不安定であると判定する処理と、を実行することが好ましい。
[形態17]上記第4の視点に係る生産システムのとおりである。
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
図6は、本実施形態に係る解析装置を含む生産システム1の構成の一例を示す図である。
生産システム1は、成膜装置10と、ウェハ加工装置20と、ウェハ搬送装置30と、ウェハ検査装置40と、解析装置50と、データベース60と、ガス供給装置70と、排気ガス処理装置80と、バルブ90及び91と、から構成されている。
生産システム1は、成膜装置10及び成膜装置10とは異なるウェハ加工装置20による処理を経てウェハを生成する。その後、ウェハ検査装置40によって、完成したウェハの特性及び品質を確認する。この間、ウェハはウェハ搬送装置30により各装置間を搬送される。
解析装置50は、ウェハ検査装置40から得られるウェハの特性値を解析する。本実施形態に係る解析装置50は、ウェハの特性値をモデル化した近似関数を算出し、この近似関数から得られるグラフ(波形)を解析者に提供する。さらに、解析装置50は、得られた近似関数からウェハの加工工程に異常があると判断した場合には、その異常を引き起こしている不具合要因を特定する。その際に、不具合要因と、当該不具合が発生した際の近似関数(波形)と、が蓄積されたデータベース60を検索する。データベース60を検索した結果から、不具合要因を特定する。
このように、ウェハの特性値をモデル化する点において、本実施形態に係る解析装置50は特許文献1〜3が開示する技術とは異なる。特許文献1〜3が開示する技術は、同心円状又は放射状に分割した領域ごとに、特性値を集計し、その結果を描画するのみだからである。
ガス供給装置70は、バルブ90を介して、原料ガスを成膜装置10に供給する。さらに、排気ガス処理装置80は、成膜装置10が排出するガスを回収(処理)する。
次に、成膜装置10について説明する。
図7は、成膜装置10の外観の一例を示す図である。
成膜装置10には、アウターチューブ101とインナーチューブ102からなる反応容器と、反応容器の外部に取り巻くように取り付けられたヒータ103と、が含まれている。ヒータ103により、反応容器内のウェハ面の温度は、一定の範囲内に収まるよう制御される。なお、成膜装置10は、ヒータ103に加えて、冷却装置を含む場合も多い。さらに、インナーチューブ102の内部の石英ボート104に複数のウェハ105が収納されている。反応容器のインナーチューブ102には、原料ガスが注入される。反応後のガスは、アウターチューブ101に送られ、反応容器の外部に排気される。
図8は、成膜装置10の内部構成の一例を示す図である。
成膜装置10は、反応容器201と、ガス導入部202と、ガス排気部203と、圧力調整部204と、エネルギー供給部205と、温度調整部206と、記憶部207と、から構成されている。
成膜装置10は、反応容器201に原料ガスを供給することで成膜を行う。成膜の際に必要なエネルギーは、エネルギー供給部205から供給される。また、温度調整部206は、成膜の際の反応容器201内の温度及びウェハの表面温度を調整する。より具体的には、ヒータ(場合によっては、冷却装置)を制御して、反応容器201内の温度及びウェハの表面温度を管理する。記憶部207は、反応容器201内の気圧、ガス流量、温度、成膜回数、エネルギー供給量及びその時間等を記憶する。反応容器201の内部で使用する原料ガスの流量や圧力は、ガス導入部202、ガス排気部203及び圧力調整部204により制御される。
次に、解析装置50について説明する。
図9は、解析装置50の内部構成の一例を示す図である。
解析装置50は、操作入力部301と、データ入力部302と、データ解析部303と、データ出力部304と、制御部305と、から構成されている。
操作入力部301は、ユーザ(生産工程の管理者等)が行った操作を受け付け、制御部305に出力する。データ入力部302は、ウェハ検査装置40が出力するデータを受け付ける。データ解析部303は、データ入力部302が受け付けたデータを解析し、近似関数を算出する。データ出力部304は、データ解析部303が算出した近似関数を、グラフ形式やテキスト形式等で出力する。
図10は、ウェハ面とウェハの特性値から得られる近似関数の関係の一例を示す図である。図10では、ウェハの特性値として、コンタクト孔の抵抗値を想定している。図10は、ウェハの中心軸401を原点、ウェハの直径に平行かつウェハの中心軸401を通る直交座標系(又はR−θ極座標系)と当該座標系に垂直なZ座標からなる空間座標系において、近似関数を描画した図である。このように、ウェハは円盤形状をしており、コンタクト孔の抵抗値はウェハの中心軸401に対して偏りがないのが通常である(Z軸に対して対称であるのが通常の波形である)。
さらに、ウェハの特性値は、管理目標値あるいは管理目標値に誤差を加えた管理限界によって管理されており、この管理目標値あるいは管理目標値に誤差を加えた管理限界から外れる特性値は不良データとして扱われる。図10では、不良データ403はウェハの中心軸401に対して同心円状に分布していることが分かる。
本実施形態に係る解析装置50は、図10の下段に示すような近似関数を算出し、算出した近似関数に基づき、成膜装置10の加工条件に異常がないか否かを判定する。さらに、加工条件に異常であると判定した場合には、得られた近似関数とデータベース60に蓄積されたデータとに基づいて、不具合要因を特定する。
次に、生産システムの動作について説明する。
図11は、生産システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS01において、ウェハ搬送装置30により反応容器201にウェハが搬入される。ウェハが搬入されると、反応容器201は密閉される。
ステップS02において、反応容器201の密閉状態が判断される。密閉状態であれば、ステップS03に遷移する。密閉状態でなければ、ステップS04に遷移する。
ステップS03において、反応容器201の減圧がなされ、準備が整い次第、原料ガスが供給され、反応が開始する。
ステップS04では、反応容器201は故障(真空リーク)であると判定される。
ステップS05では、ステップS03で開始した反応を維持する。
ステップS06において、ウェハに堆積した膜厚が、設定値Tsに到達したか否かを判断する。膜厚が設定値Tsに到達していれば、ステップS07に遷移する。膜厚が設定値Tsに到達していなければ、ステップS05に戻り、処理を継続する。
ステップS07において、原料ガスの供給を停止し、反応容器201内の反応を完了する。
ステップS08において、予め定めた時間内にウェハが搬出可能であるか判断する。ウェハが搬出可能であれば、ステップS10に遷移する。ウェハが搬出可能でなければ、ステップS09に遷移する。
ステップS09において、反応容器201は故障(装置異常)であると判定される。
ステップS10において、反応容器201からウェハが搬出される。
ステップS11において、ウェハ検査装置40が、ウェハ(又は、ウェハ上の半導体装置)の各種特性を測定すると共に、品質の検査を行う。
ステップS12において、解析装置50のデータ解析部303が、データ入力部302から得られたウェハの特性値を解析する。本ステップの詳細は、後述する。
ステップS13では、データ解析部303の解析結果(検査結果)が基準を満たすか否かを判断する。基準を満たせば、ステップS01に遷移し、ウェハの生成が継続される。基準を満たさなければ、ステップS14に遷移する。
ステップS14では、生産システム1に含まれる生産工程に異常があると判断する。
ステップS15では、解析装置50の制御部305が、成膜装置10、ウェハ搬送装置30及びウェハ加工装置20に対して、ウェハ処理の停止を指示する。同時に、データ出力部304から、ウェハ処理の停止までの経過と結果を出力する。
ステップS16では、制御部305から指示を受けた、成膜装置10、ウェハ搬送装置30及びウェハ加工装置20は、ウェハ処理の停止を行う。
次に、ウェハの特性値の解析(ステップS12)について説明する。
図12は、ウェハの特性値の解析動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS101において、データ入力部302は、ウェハ検査装置40からウェハに含まれる半導体装置の平面座標(xy座標)と特性値を読み込む。
ステップS102において、データ解析部303は、データ入力部302から得られる特性値に対してオフセット処理を実行する。上述のように、ウェハの特性値にはそれぞれ管理目標値が定められている。そこで、管理目標値が原点となるように、ウェハの特性値に一定値を加算又は減算する。
ステップS103において、得られたウェハの特性値をモデル化した近似関数Z(x)の導出を行う。近似関数Z(x)は、ウェハの中心軸を含む座標xをパラメータとする連続関数として算出される。つまり、近似関数Z(x)の値は、座標xを定めることで一意に定まる。
ステップS104において、前ステップで算出された近似関数Z(x)の次数が予め定めた設定値以下か否かを判断する。次数が設定値以下であれば、ステップS105に遷移する。次数が設定値より高い場合には、ステップS109に遷移する。なお、この場合は、ウェハ面の特性値を適切にモデル化するものではないとして、ステップS103で算出された近似関数は不採用となる。
ステップS105において、近似関数Z(x)が定数か否かを判定する。近似関数Z(x)が定数であれば、ステップS109に遷移する。近似関数Z(x)が定数でなければ、ステップS106に遷移する。
ステップS106において、近似関数Z(x)が奇関数か否かを判定する。近似関数Z(x)が奇関数であれば、ステップS109に遷移する。近似関数Z(x)が奇関数でなければ、ステップS107に遷移する。ここで、関数F(x)が奇関数とは、F(x)=−F(−x)となる関係を有する関数である。奇関数の典型例としては、1次関数が挙げられる。
ステップS107において、近似関数Z(x)が偶関数か否かを判定する。近似関数Z(x)が偶関数であれば、ステップS109に遷移する。近似関数Z(x)が偶関数でなければ、ステップS108に遷移する。ここで、関数F(x)が偶関数とは、F(x)=F(−x)となる関係を有する関数である。偶関数の典型例としては、2次関数が挙げられる。
ステップS108において、近似関数Z(x)が偶関数と奇関数の和であるか否かを判定する。近似関数Z(x)が偶関数と奇関数の和であれば、ステップS109に遷移する。近似関数Z(x)が偶関数と奇関数の和でなければ、近似関数Z(x)は定数、奇関数、偶関数、偶関数と奇関数の和、のいずれでもない関数であると確定させてステップS109に遷移する。
以上のように、ステップS105〜S108の処理によって、ステップS103で得られた近似関数Z(x)を分類する。
ステップS109において、前ステップまでで分類された近似関数Z(x)に合致する成膜条件モデルをデータベース60から検索する。具体的には、得られた近似関数Z(x)から、成膜装置10の加工条件に異常が存在すると判断できる場合には、データベース60からその要因を特定する。なお、成膜条件モデルの検索については後述する。検索が終了すれば、ウェハの特性値の解析動作を終了する。
次に、近似関数Z(x)の算出(ステップS103)について説明する。
図13は、近似関数Z(x)の算出動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS201において、オフセット処理後のウェハの特性値をx座標系における大小順に並べる。以降、並び代えが終了したウェハの特性値を特性値R(x)と表記する。
ステップS202において、予め定められた個数に従って、特性値R(x)の移動平均を求める。例えば、特性値R(x)に対して4個ごとの移動平均を求めるのであれば、{R(x)+R(x+1)+R(x+2)+R(x+3)}/4を計算し、平均を算出するx座標を順次、移動させる。移動平均を算出する目的は、特性値R(x)を微分可能な連続関数としてモデル化するためである。従って、移動平均処理後の特性値R(x)は微分可能であるといえる。なお、本ステップにおける移動平均の算出には、算術平均、指数平均、対数平均、調和平均又はメジアンのいずれの手法を用いることができる。さらに、近似関数Z(x)が連続関数であることが既知の場合は、本ステップにおける移動平均処理を省略することも可能である。
ステップS202において、近似関数候補M(x)の算出を行う。近似関数候補M(x)とは、近似関数Z(x)の候補となり得る関数である。近似関数候補M(x)の算出は、特性値R(x)を高階微分及びテイラー展開することにより行う。より具体的には、得られた特性値R(x)を微分した結果が定数となるか、又は、予め定めた回数に到達するまで微分する。
図14は、特性値R(x)と、その微分結果の一例を示す図である。ちなみに、微分結果を数値的に求めるための数学手法として差分法が知られている。例えば、特性値R(x)を1階微分した結果であるmaを算出する際には、差分法により、(m−m)/(x−x)を計算する。このように、特性値R(x)を、結果が定数になるまで高階微分する。図14では、4階微分の段階で定数md=md=mdiである。ただし、添え字のiは任意の自然数である。従って、図14に示す特性値R(x)は4階微分が可能であるといえる。
続いて、微分した特性値R(x)から近似関数候補M(x)を決定する。その際に、テイラー展開を使用する。より具体的には、図14で示すように特性値R(x)が4階微分可能であったとすれば、近似関数候補M(x)の構成は下記の式(1)のようにxに関する4次関数と定まる。なお、差分法は上記の後退差分法の他、前進差分法、中央差分法等の計算法が数学の文献等に記載されているが、4次関数の高階微分結果が定数となる事及びこのような定数値がこれら計算法の種類に依存しない事は同じである。

Figure 2013138060

なお、K〜Kは定数とする。式(1)を順次微分すると、下記の式(2)〜(5)
となる。

Figure 2013138060

Figure 2013138060

Figure 2013138060

Figure 2013138060

なお、式(2)〜(5)における文字「M」の右肩の数字は、微分の回数を示す。
ここで、式(5)における定数24×Kは、図14の特性値R(x)を4階微分した結果であるmd=md=mdiと等しいため、M(x)の該項におけるxの次数の階乗であるn!= 4!=4×3×2×1=24で本定数を割ることにより、Kの値を算出することができる。Kの値が算出できれば、式(4)と特性値R(x)を3階微分した結果から、第1項が確定すると共に第2項を同様にxの次数の階乗であるn!=3!=3×2×1=6で割ることにより、Kの値を算出することができる。このようにして、式(1)で表せる近似関数候補M(x)の各項の係数を定める。なお、「階乗」とは、1からnまでの自然数をすべて乗ずることを表す数学用語であり、記号「!」を用いて「n!」とも表現する。
ステップS203では、前ステップで得られた近似関数候補M(x)の再設定(再検証)を行う。具体的には、近似関数候補M(x)の各項の係数と予め定めた設定値とを比較し、各項の係数が設定値よりも小さい場合には、そのような係数を0に置き換える。例えば、式(1)において、係数K及びKの値が設定値よりも小さい場合には、式(1)は式(6)のように書き換えられる。

Figure 2013138060

このように、本ステップでは、得られた多項式の各項であって、有効であると認められない項を削除することによって近似関数候補M(x)を実際の物理モデルに近づける。
ステップS204では、再設定した近似関数候補M(x)と特性値R(x)に対して最小二乗法を適用する。即ち、近似関数候補M(x)から得られる値と特性値R(x)から得られる値を比較し、その差の2乗和が最小となる近似関数候補M(x)を算出する。このような近似関数候補M(x)を近似関数Z(x)と定める。以上のようにして、特性値R(x)から近似関数Z(x)を算出する。
ステップS205では、近似関数Z(x)をグラフ形式、表形式、又は、それらの組み合わせによって出力する。
次に、近似関数Z(x)とウェハの特性値傾向の関係について説明する。
上述のウェハの特性値解析において、近似関数Z(x)が取り得る形式として、定数、奇関数、偶関数、偶関数と奇関数の和、その他の関数に分類している。
図15は、近似関数Z(x)が定数である場合のグラフの一例である。
図15に示すように、近似関数Z(x)の出力が定数であれば、ウェハの特性値はウェハ面上の位置によらず、一定であると考えることができる。即ち、ウェハの特性値傾向は均一といえる。一方、近似関数Z(x)が定数でなければ、ウェハの特性値傾向は不均一であると考えられる。
図16は、近似関数Z(x)が奇関数である場合のグラフの一例である。
図16に示すように、近似関数Z(x)が奇関数であれば、ウェハの特性値はウェハ上の座標系において、偏っているとみなすことができる。即ち、このような場合は、ウェハの特性値傾向は不均一であるといえる。
図17は、近似関数Z(x)が偶関数である場合のグラフの一例である。
図17に示すように、近似関数Z(x)が偶関数であれば、ウェハの特性値はウェハ上の座標系において、偏っているとみなすことができる(ウェハの特性値傾向は不均一であるといえる)。偏っているとみなすことができるが、ウェハは円盤形状をしており、ウェハの中心軸を基準に左右に特性値が揃っていることから、このような波形は半導体生産プロセスでは正常な波形(通常観測される波形)であるといえる。即ち、このような近似関数Z(x)でモデル化できる特性値は、管理目標値を超えているか否かが問題となるのであって、成膜装置10の加工条件に異常が存在すると捉えるのは適切ではない。
例えば、図17に示す特性値は、ウェハに含まれる半導体装置のコンタクト孔の抵抗値とする。上述のように、半導体装置のコンタクトは、ウェハの表面温度分布に依存して、その形状等が定まる。さらに、成膜装置10に含まれる反応容器201の側面に備え付けられたヒータ103から熱エネルギーが供給されると、ウェハの表面温度分布は同心円状になる。ウェハは円盤形状であることから、半導体装置のコンタクト孔の抵抗値もウェハの中心軸を原点として同心円状になるものと推定できる。従って、半導体装置のコンタクト孔の抵抗値が図17に示すような近似関数Z(x)でモデル化できた場合には、コンタクト孔の抵抗値とヒータ103から供給する熱エネルギーの間に相関関係を認めることができる。
図18は、近似関数Z(x)が偶関数である場合のグラフの一例である。
図18も、近似関数Z(x)は偶関数の場合であるが、図18に示す近似関数Z(x)は2つの偶関数の積によって表現できる。即ち、偶関数F1及びF2の積によって、図18に示す近似関数Z(x)は表現できる。図18に示すような波形も、ウェハの特性値傾向という観点からは不均一であるといえるが、このような波形も半導体生産プロセスにおいては通常に観測される波形であるといえる。
例えば、偶関数F1は、半導体装置のコンタクト孔におけるヒータの影響をモデル化した関数であって、偶関数F2は冷却装置の影響をモデル化した関数とする。つまり、ヒータによってウェハの表面温度が上昇するが、その影響は偶関数F1で表現することができる。さらに、ヒータの影響で偏ってしまった表面温度を矯正するため、冷却装置が使われる。この冷却装置がコンタクト孔の抵抗値に与える影響は、偶関数F2で表現することができる。実際には、ヒータと冷却装置による温度特性を合成した結果が、ウェハの表面温度として観測され、そのような温度特性の影響を受けたコンタクト孔の抵抗値は、4次の偶関数として表現できる。それが、図18に示す波形である。
なお、近似関数Z(x)が複数の関数の積で表現できる場合は、それぞれの関数がモデル化する要因は、相互に影響している場合とみなすことができる。上述の例では、ヒータの影響を緩和するために、冷却装置を動作させている点からも説明できる。即ち、それぞれの物理現象(ウェハの表面温度が上昇する、又は、低下する)は、それぞれ2次の偶関数でモデル化され、最終的な温度特性の影響はこれら2つの偶関数の積で表現されている。このように、近似関数Z(x)が偶関数の場合には、ウェハの特性値傾向は不均一であるといえるが、ウェハの中心を基点として、同心円状の分布をしており、ウェハの中心軸に対して偏心は起こしていない。
図19は、近似関数Z(x)が偶関数と奇関数の和である場合のグラフの一例である。
近似関数Z(x)が、図19に示すような、偶関数と奇関数の和である場合には、ウェハの特性値傾向は不均一であるといえる。さらに、この場合、近似関数Z(x)はウェハの中心軸に対して偏心を起こしている。このような波形は、通常、観測されるデータとはいえない。即ち、何かしらの不具合が存在していると考えるべき、波形(近似関数)であるといえる。
図20は、原料ガスの流量に関する設定が適切ではなく、給排ノズル付近で圧力勾配及び温度勾配が発生している場合の反応容器201の概念図である。
反応容器201の底面と平行にウェハは配置され、反応容器201の壁面から熱エネルギーを供給すると、ウェハ面の表面温度はウェハの中心軸に対して同心円状分布となる。このような温度分布は、堆積膜の厚さや膜質等の均一性を高めることに寄与し、堆積膜に対するコンタクト孔のエッチング形状も均一になる。つまり、ウェハの中心軸からの距離に対するコンタクト孔の抵抗値傾向を偶関数でモデル化できる場合、反応容器201での加工条件は安定していると判断できる。
しかし、反応容器201への原料ガスの流量が過大な場合、内部の圧力分布やウェハ面の温度分布に偏りが生じる。このような偏りは、1次の奇関数としてモデル化することができる。ウェハ面の温度分布に偏りが生じることで、堆積膜の厚さや膜質に影響し、堆積膜に対するコンタクト孔のエッチング形状にばらつきが生じる。つまり、ウェハの中心軸からの距離に対するコンタクト孔の抵抗値傾向が、偶関数と奇関数の和でモデル化できる場合、反応容器201に供給する原料ガスの流量に異常が存在すると判断できる。
より具体的には、同心円状になるべき温度分布がコンタクト孔の抵抗値に与える影響は2次の偶関数F4により表現される。同時に、原料ガスの流量に関する設定が不適切であることによって生じる温度分布がコンタクト孔の抵抗値に与える影響は1次の奇関数F3により表現される。そして、最終的なコンタクト孔の抵抗値は、偶関数F4と奇関数F3の和でモデル化することができる。
ここで、近似関数Z(x)が偶関数と奇関数の和でモデル化できる場合には、偶関数が表現する現象と奇関数が表現する現象とは独立しているとみなすことができる。上述の例では、原料ガスの流量に関する設定が適切ではないという現象は、他の現象に依存して発生するわけではない。即ち、近似関数Z(x)が偶関数の積で表現できる場合とは異なり、偶関数と奇関数の和でモデル化できる場合は、偶関数及び奇関数が表現する物理現象はそれぞれ独立する。
なお、図19においては、近似関数Z(x)が2次の偶関数と1次の奇関数の和で表現できる一例を示したが、これに限定されるものではない。
図21は、近似関数Z(x)が偶関数と奇関数の和である場合の別の一例である。
図21に示す近似関数Z(x)は、4次の偶関数F6と1次の奇関数F5の和で表現されている。例えば、図18で説明したように、2つの要因によって近似関数Z(x)が4次の偶関数で表現できる場合であっても、それらの要因のよる影響が同心円状の分布である場合には、近似関数Z(x)は4次の偶関数で表現できる。このように4次の偶関数で表現できる現象に対して、何らかの不具合が発生し、その影響が奇関数で表現できる場合には、図21に示すような波形となる。即ち、互いに影響を与える複数の要因をモデル化した4次の偶関数F6と、それらの要因とは独立した要因をモデル化した1次の奇関数F5によるモデル化である。
ここで、偶関数及び奇関数を数学的な見地から検証する。
初めに、近似関数Z(x)が、関数H(x)=−(x)で近似できた場合を考える。この場合、関数H(x)は、奇関数の項を含まない。同様に、関数H(x)=(x+2)(x−2)で近似できた場合、関数H(x)を展開すると、H(x)=x−4となり、奇関数の項を含まない。さらに、関数H(x)=(−x+2)(−x−2)で近似できた場合、H(x)=x−4となり、奇関数の項を含まない。このように、近似関数Z(x)が、偶関数のみでモデル化できる場合には、ウェハの特性値は、ウェハの中心軸を原点に同心円状分布となる。
一方、近似関数Z(x)が、関数S(x)=(x+1)で近似できた場合を考える。この場合、関数S(x)を展開すると、S(x)=x+2x+1となり、関数S(x)は、奇関数の項2xを含む。なお、この場合の関数S(x)は、S(x)=xがx軸方向に−1だけ偏心した関数である。また、上記の関数H(x)=x−4と、奇関数であるS(x)=4x+8との和からなる関数U(x)は、U(x)=x+4x+4=(x+2)であり、S(x)=xがx軸方向に−2だけ偏心した関数である。このように、近似関数Z(x)が、偶関数と奇関数の和である場合には、ウェハの特性値は、ウェハの中心軸を原点に同心円状分布とはならず、偏心を起こしている。
図22は、近似関数Z(x)が、5次以上の関数のため、4次までの高階微分では定数にならず、モデル化できない場合の一例である。
図22に示す近似関数Z(x)は、1次の奇関数F7と4次の偶関数F8(例えば成膜装置10の成膜条件に関するモデル)との積でモデル化できる。例えば、一方の関数の各項の係数がすべて0の場合、両者の積も0になる事から、両者は独立関係にない。このため、このような積は相互関係モデルと呼べる。従って、奇関数F7の現象に影響する条件は、偶関数F8の現象にも影響を与えるため、図22に示すような近似関数Z(x)が得られた場合には、成膜装置10における成膜条件の異常が考えられる。なお、奇関数F7及び偶関数F8の和でモデル化した場合は、一方の関数の各項の係数がすべて0の場合、両者の和は0にならず、他方の関数に等しくなる事から、両者は独立関係にあると考えられる。そのため、このような和は独立関係モデルと呼べる。
次に、成膜条件モデルの検索(ステップS109)について説明する。
図23は、成膜条件モデルの検索の一例を示すフローチャートである。
図23に示すフローチャートでは、定数、奇関数、偶関数、偏心がある関数、その他の関数(近似関数となる候補がない場合も含む)に分類された近似関数Z(x)の特徴に基づいて、データベース60から成膜条件モデルを検索する。図24は、データベース60が記憶する内容の一例を示す図である。
ステップS301において、近似関数Z(x)は定数か否か判断する。定数であれば、ステップS302に遷移する。定数でなければ、ステップS303に遷移する。
ステップS302において、データベース60を検索することによって、成膜条件に異常はないことが確定する。
ステップS303において、近似関数Z(x)は奇関数であるか否かを判断する。奇関数でなければ、ステップS304に遷移する。奇関数であれば、ステップS305に遷移する。
ステップS304において、近似関数Z(x)は偶関数であるか否かを判断する。偶関数であれば、ステップS305に遷移する。偶関数でなければ、ステップS306に遷移する。
ステップS305において、データベース60を検索し、近似関数Z(x)が奇関数又は偶関数でモデル化できる場合に想定できる成膜条件モデルを特定する。成膜条件モデルが特定できれば、その対策を実行する。
ステップS306において、近似関数Z(x)は偏心がある関数か否か判断する。偏心がある関数であれば、ステップS307に遷移する。偏心がある関数でなければ、ステップS308に遷移する。
ステップS307では、近似関数Z(x)が偶関数と奇関数の和でモデル化できる場合に想定できる成膜条件モデルを特定する。成膜条件モデルが特定できれば、その対策を優先して行う。
データベース60には、近似関数Z(x)が偶関数と奇関数の和でモデル化できる際に、近似関数が偏心する要因とその対策が記憶されている。そこで、近似関数Z(x)の特徴から近似関数が偏心する要因を特定し、その対策を優先して行う。近似関数Z(x)の特徴には、奇関数の次数や、1次の奇関数が含まれるのであれば、その傾き等が考えられる。
なお、近似関数が偶関数と奇関数の和で表現できる場合の例としては、上述のガス流量の設定が不適切な場合に加えて、ウェハ台座501とウェハ500の間に異物502が挟まっている場合が考えられる(図25参照)。
ここで、ウェハ台座501は、ウェハと平行に同心円状の冷却装置を備えるものとする。このような、プラズマエッチング装置等のプロセス装置において、ウェハ台座501に含まれる冷却装置を動作させることで、ウェハ500の表面温度は中心軸に対して同心円状分布となる。このウェハの表面温度を一定値に制御できれば、コンタクト孔のエッチング形状も均一に制御できる。つまり、ウェハの中心軸からの距離に対するコンタクト孔の抵抗値傾向が、偶関数でモデル化できる場合、このようなエッチング装置の加工条件は安定していると判断できる。
しかし、ウェハ台座501とウェハ500の間の密着が、異物502により阻害されると、ウェハ500の冷却が不均一となり、ウェハ面の温度分布に偏りが生じる。その結果、エッチング速度に影響し、コンタクト孔のエッチング形状もばらつきが生じる。つまり、ウェハの中心軸からの距離に対するコンタクト孔の抵抗値傾向が偶関数と奇関数の和でモデル化できる場合には、エッチング装置におけるウェハ台座501に対する密着性の異常(異物混入)と判断できる。
次に、円筒状の容器の底面に平行にウェハを配置し、この容器の上面付近にシャワーヘッドの反応物質噴出し口をウェハに対して平行に配置して加工するプロセス装置を考える(図26参照)。図26に示すシャワーヘッド503から噴出される反応物質が、吹き出し口からウェハ500の表面に到達し、反応する場合、この反応により、ウェハ500の表面温度は中心軸に対して同心円状分布となる。つまり、ウェハ500の中心軸からの距離に対するコンタクト孔の抵抗値傾向を偶関数でモデル化できる場合、このプロセス装置の加工条件は安定していると判断できる。
しかし、図26に示すように、吹き出し口の孔が詰まると、反応物質の一部がウェハの表面に到達できなくなり、ウェハの表面の温度分布に偏りが生じる。この結果、加工速度に影響し、加工形状もばらつく。つまり、ウェハの中心軸からの距離に対するコンタクト孔の抵抗値傾向が偶関数と奇関数の和でモデル化できる場合には、シャワーヘッドに異常が存在すると判断できる。
ステップS308では、成膜条件に異常があることが確定する。
なお、本実施形態においては、主にx軸方向の位置と、その位置に対する特性値をモデル化する場合について説明した。その際、近似関数を算出する際に用いた微分は、xとzの偏微分である。ウェハ面のy軸方向に関する位置についても、同様に特性値をモデル化することができる。その際には、yとzの偏微分を行う。
さらに、本実施形態においては、成膜装置10における加工条件を中心に、ウェハの特性値を解析する手法について説明した。しかし、個別の生産装置に限定することなく、ウェハの中心軸を基準として傾向解析を行ってきた各種の生産装置に対して、近似関数を使用したウェハの特性値解析を適用することができる。さらに、生産装置の状況を測定・検査する装置、欠陥検査装置、全行程を対象とした工場統合システムの一部、等に近似関数を使用したウェハの特性値解析を使用することができる。
以上のように、本実施形態に係る解析装置50では、円盤形状であるウェハの特性値を、ウェハの中心軸を原点とする近似関数でモデル化する。その際、近似関数が偶関数と奇関数の和によって表現されている場合には、そのような特性値は通常、観測されるものではないため、ウェハの生産工程に不具合が存在すると推定することができる。何故ならば、円盤形状のウェハの特性値をモデル化した近似関数は、偶関数であることが予定されるからである。
また、近似関数の奇関数を生み出す要因は、偶関数を生み出す要因とは独立しており、この奇関数を生み出す要因が判明した際には、その要因と近似関数をデータベースに登録しておく。そして、データベースに登録された近似関数と同じ近似関数が算出された場合には、近似関数の特徴から奇関数を生み出す要因(不具合要因)を特定する。
このように、半導体装置の生産システムにおいて、得られたデータ(特性値)を解析する際に、因果関係をモデル化する作業と、実測値による近似関数の検証作業を組み合わせることで、早期に不具合を特定することができる。同時に、歩留低下が複数の原因の組み合わせに起因する場合、個々の因果関係を関数式(例えば、奇関数、偶関数)でモデル化する。歩留低下の要因は、これらの関数式の合成としてモデル化できるため、より高精度の解析が可能である。
また、因果関係をモデル化できれば、有効な対策も容易に立案できるため、早期の対策も可能となる。
さらに、半導体製造工程管理技術の分野において、直前工程の仕上がりが期待値から外れた場合、直後の工程の製造条件の変更によって、ずれを相殺するAPC(Advanced Process Control)と呼ばれる事後調整手法が用いられることがある。このような手法を用いる場合であっても、奇関数を生じさせる原因に対する対策を施した後であれば、ウェハの中心軸を基準とした事後調整のみにより、ずれを相殺することができる。
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る解析装置50aの内部構成は、第1の実施形態において説明した解析装置50の内部構成と相違する点はないので、図9に相当する説明は省略する。解析装置50aと解析装置50の相違点は、データ解析部303における近似関数Z(x)の算出方法である。
解析装置50においては、近似関数Z(x)の算出にあたり、ウェハ検査装置40から得られたウェハの特性値をテイラー展開等することによって算出した。しかし、ウェハ検査装置40から得られるウェハの特性値は、その種別(例えば、コンタクト孔の抵抗値等)が定まれば、正常時における近似関数Z(x)の構成を予め知ることができる。
例えば、コンタクト孔の抵抗値は、成膜装置10に含まれるヒータと冷却装置による影響を受け、下記の式(7)のように4次の偶関数でモデル化できることは既知の情報といえる。

Figure 2013138060

そこで、本実施形態に係る解析装置50aでは、予め、それぞれの特性値について、正常時のデータから近似関数Z(x)を算出しておく(リファレンスとなる近似関数を算出する)。その後、何かの要因(不具合)によって、正常時のデータとは離れた値を持つ可能性がある特性値と、リファレンスとなる近似関数Z(x)から得られる値の減算を行うことで、近似関数Z(x)に奇関数が含まれるか否かを判定する。
図27は、近似関数Z(x)の算出を説明するための図である。例えば、図27において、リファレンスとなる近似関数Z(x)として関数F9が算出され、ウェハから得られる特性値は関数F10としてモデル化できるとする。すると、関数F10から得られる値から、関数F9から得られる値を減算すると、減算した結果は関数F11によりモデル化することができる。
上述のような演算をした結果、得られたデータが奇関数でモデル化できる場合には、ウェハ検査装置40から得られたデータをモデル化した近似関数Z(x)は、奇関数を含むことが判明する。奇関数が含まれることが判明した後は、データベース60を検索することで、奇関数を生じさせる原因を特定し、対策を行う。
なお、リファレンスとなる近似関数が、式(7)のような構成(複2次式)であることが既知であれば、x=Xと置き換え、式(7)を下記の式(8)のように書き換える。

Figure 2013138060

その結果、次数が減る効果により、リファレンスとなる近似関数を算出する際の計算が容易になる。
以上のように、解析装置50aでは、リファレンスとなる近似関数を正常時のデータから算出し、ウェハの特性値をモデル化する近似関数Z(x)の算出に使用する。その結果、容易に近似関数Z(x)を算出することができる。さらに、リファレンスとなる近似関数が複2次式である場合には、複2次式を適宜変形することによって、計算量を減らすことができる。
[第3の実施形態]
続いて、第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る解析装置50bは、ウェハの特性値について経時的な変化の解析を行う。
図28は、解析装置50bの内部構成の一例を示す図である。解析装置50bと解析装置50の相違点は、経時変化解析部306を備える点である。経時変化解析部306は、データ解析部303において算出した近似関数Z(x)を使用して、ウェハの特性値の経時的な変化を解析する。
図29は、ウェハの特性値をモデル化した近似関数Z(x)の一例を示す図である。
図29では、近似関数Z(x)について、時刻t0、t1、t2の3点で算出した結果を示している。解析装置50bのデータ解析部303は、時間に関する情報を持つ近似関数Z(x、t)を使用して、特定の座標における特性値の変化率を、例えば、下記の式(9)により算出する。なお、この例では、微分結果の数値を差分法の計算法の一種である前進差分法により求める事に相当する。また、他の計算法である後退差分法や中央差分法を用いても良い。

Figure 2013138060

この変化率の絶対値が、基準値α(但し、αは正数)を超えた場合には、成膜条件が不安定と判断し、解析装置50bの制御部305から成膜装置10やウェハ加工装置20に対して、当該データの検出後のウェハ処理を停止する。その後、データ出力部304により、ウェハ処理の停止に至った経過及びその結果をグラフや表の形式で出力する。
一方、特性値の変化率が、ほぼ0である場合には、ウェハの特性値は経時的に安定していると判断し、ウェハ処理を継続する。
なお、第2の実施形態において説明した解析装置50aにおいても、同様の処理を行うことが可能であることは勿論である。
以上のように、本実施形態に係る解析装置50bでは、特定の位置における特性値の経時変化を監視することにより、成膜条件等のウェハ加工条件の安定性を検出することができる。
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
1 生産システム
10 成膜装置
20 ウェハ加工装置
30 ウェハ搬送装置
40 ウェハ検査装置
50、50a、50b、600 解析装置
60 データベース
70 ガス供給装置
80 排気ガス処理装置
90、91 バルブ
101 アウターチューブ
102 インナーチューブ
103 ヒータ
104 石英ボート
105、500 ウェハ
201 反応容器
202 ガス導入部
203 ガス排気部
204 圧力調整部
205 エネルギー供給部
206 温度調整部
207 記憶部
301 操作入力部
302 データ入力部
303 データ解析部
304 データ出力部
305 制御部
306 経時変化解析部
401 中心軸
402 ウェハ中央部
403 不良データ
404 ウェハ外周部
501 ウェハ台座
502 異物
503 シャワーヘッド
601 近似関数生成部
602 近似関数解析部
603 要因特定部

Claims (17)

  1. ウェハから得られる特性値をモデル化した近似関数を生成する近似関数生成部と、
    前記近似関数は奇関数を含んで構成されているか否かを解析する近似関数解析部と、
    前記近似関数に含まれる奇関数に対応する不具合要因を、前記近似関数の特徴に基づき特定する要因特定部と、
    を備えることを特徴とする半導体装置の解析装置。
  2. 前記近似関数解析部は、前記近似関数が、偶関数と奇関数の和により構成されているか否かを解析する請求項1の半導体装置の解析装置。
  3. 前記近似関数生成部は、ウェハから得られる特性値から、前記近似関数の候補であって、多項式により構成される近似関数候補を生成すると共に、前記近似関数候補を構成する各項の係数のうち予め定めた所定値よりも小さい係数を0とすることで、前記近似関数を生成する請求項1又は2の半導体装置の解析装置。
  4. 前記近似関数生成部は、ウェハから得られる特性値と、前記近似関数から得られる値と、に対して最小二乗法を適用することで、前記近似関数を生成する請求項1乃至3のいずれか一に記載の半導体装置の解析装置。
  5. 前記要因特定部は、前記不具合要因と、前記不具合要因に対応した前記近似関数と、を記憶するデータベースを検索することにより、前記不具合要因を特定する請求項1乃至4のいずれか一に記載の半導体装置の解析装置。
  6. 前記近似関数生成部は、ウェハの生成工程において不具合が存在しないと認められたウェハから得られる特性値をモデル化した基準近似関数から得られるウェハの特定の位置に対応した基準特性値から、前記基準近似関数がモデル化する特性値に対応するウェハから得られる特性値を、減算することによって、前記近似関数を生成する請求項1の半導体装置の解析装置。
  7. 複数のウェハから前記近似関数を生成し、前記複数のウェハから得られる近似関数から、複数のウェハに共通する位置における特性値の時間的変化を解析する経時変化解析部を備える請求項1乃至6のいずれか一に記載の半導体装置の解析装置。
  8. 前記経時変化解析部は、前記複数のウェハに共通する位置における特性値の変化率の絶対値が所定値よりも大きい場合に、ウェハの加工条件が不安定であると判定する請求項7の半導体装置の解析装置。
  9. ウェハから得られる特性値をモデル化した近似関数を生成する近似関数生成工程と、
    前記近似関数が、偶関数と奇関数の和により構成されているか否かを解析する近似関数解析工程と、
    前記近似関数に含まれる奇関数に対応する不具合要因を、前記近似関数の特徴に基づき特定する要因特定工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の解析方法。
  10. 前記近似関数生成工程は、
    ウェハから得られる特性値から、前記近似関数の候補であって、多項式により構成される近似関数候補を生成する工程と、
    前記近似関数候補を構成する各項の係数のうち予め定めた所定値よりも小さい係数を0とすることで、前記近似関数候補を再生成する工程と、
    ウェハから得られる特性値と、前記近似関数候補から得られる値と、に対して最小二乗法を適用することで、前記近似関数を生成する工程と、
    を含む請求項9の半導体装置の解析方法。
  11. 前記近似関数生成工程は、
    ウェハの生成工程において不具合が存在しないと認められたウェハから得られる特性値をモデル化した基準近似関数を生成する工程と、
    前記基準近似関数から得られるウェハの特定の位置に対応した基準特性値から、前記基準近似関数がモデル化する特性値に対応するウェハから得られる特性値を、減算することによって、前記近似関数を生成する工程と、
    を含む請求項9の半導体装置の解析方法。
  12. さらに、複数のウェハから前記近似関数を生成し、前記複数のウェハから得られる近似関数から、複数のウェハに共通する位置における特性値の時間的変化を解析する経時変化解析工程と、
    前記複数のウェハに共通する位置における特性値の変化率の絶対値が所定値よりも大きい場合に、ウェハの加工条件が不安定であると判定する工程と、
    を含む請求項9乃至11のいずれか一に記載の半導体装置の解析方法。
  13. ウェハから得られる特性値をモデル化した近似関数を生成する近似関数生成処理と、
    前記近似関数が、偶関数と奇関数の和により構成されているか否かを解析する近似関数解析処理と、
    前記近似関数に含まれる奇関数に対応する不具合要因を、前記近似関数の特徴に基づき特定する要因特定処理と、
    をコンピュータに実行させることで、前記コンピュータを半導体装置の解析装置として動作させるプログラム。
  14. 前記近似関数生成処理は、
    ウェハから得られる特性値から、前記近似関数の候補であって、多項式により構成される近似関数候補を生成する処理と、
    前記近似関数候補を構成する各項の係数のうち予め定めた所定値よりも小さい係数を0とすることで、前記近似関数候補を再生成する処理と、
    ウェハから得られる特性値と、前記近似関数候補から得られる値と、に対して最小二乗法を適用することで、前記近似関数を生成する処理と、
    を実行する請求項13のプログラム。
  15. 前記近似関数生成処理は、
    ウェハの生成工程において不具合が存在しないと認められたウェハから得られる特性値をモデル化した基準近似関数を生成する処理と、
    前記基準近似関数から得られるウェハの特定の位置に対応した基準特性値から、前記基準近似関数がモデル化する特性値に対応するウェハから得られる特性値を、減算することによって、前記近似関数を生成する処理と、
    を実行する請求項13のプログラム。
  16. さらに、複数のウェハから前記近似関数を生成し、前記複数のウェハから得られる近似関数から、複数のウェハに共通する位置における特性値の時間的変化を解析する経時変化解析処理と、
    前記複数のウェハに共通する位置における特性値の変化率の絶対値が所定値よりも大きい場合に、ウェハの加工条件が不安定であると判定する処理と、
    を実行する請求項13乃至15のいずれか一に記載のプログラム。
  17. 請求項1乃至8のいずれか一に記載の半導体装置の解析装置を含むことを特徴とする生産システム。
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