JP2013133832A - 電動ポンプの吐出流量制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】t1にブレーキペダルを釈放し(SWb=OFF)、t3より一定割合でアクセル開度APOを増大させたことで発進クラッチ入力トルクTcinが図示のごとくに大きくなる発進時につき説明する。目標ポンプ回転速度tNopを実線で示すように定め、ブレーキペダルの釈放(SWb=OFF)による発進意図の発生時t1にtNop=Nop_2により電動オイルポンプをプリチャージ制御する。これによりポンプ吐出流量Qopは実線で示すごとく早期の瞬時t2より立ち上がると共に、速やかにプリチャージ流量Qpriとなって、発進クラッチへのオイル供給開始時t2が、発進クラッチの温度上昇開始時t3よりも早くなる。
【選択図】図6
Description
先ず、本発明の前提となる電動ポンプを説明するに、これは、車両伝動系に用いる電動ポンプであって、回転速度制御により要求吐出流量を実現するものである。
後者のプリチャージ制御手段は、発進意図検出手段が発進意図を検出するとき、上記要求吐出流量をポンプ流量応答遅れ防止用のプリチャージ流量となすものである。
発進意図を示す操作に続く発進操作時に実際のポンプ吐出流量が、ポンプ流量応答遅れによる影響を受けることなく、確実に要求通りのものにされることとなってポンプ流量不足になることがなく、車両伝動系における例えば発進クラッチの冷却などを十分に果たし得てこの発進クラッチが焼損したり、その耐久性が低下するという問題を回避することができる。
<実施例の構成>
図1は、本発明の一実施例になるポンプ吐出流量制御装置を示す機能別ブロック線図で、このポンプ吐出流量制御装置は、トランスミッション1内における図示せざる発進クラッチに対し、潤滑を含む冷却用のオイルを必要に応じて適宜供給するための電動オイルポンプ2(本発明における電動ポンプに相当)を吐出流量制御するものとする。
なお電動オイルポンプ2は、回転速度制御により、その吐出流量が要求吐出流量となるよう制御されるものである。
この場合、電動オイルポンプ2を作動させて、これからの吐出オイルを発進クラッチに供給し、同時に電動オイルポンプ2を、その吐出流量が発進クラッチの冷却必要油量に対応したものとなるよう回転速度制御する。
クラッチ温度TEMPclや油温TEMPoilが、発進クラッチの冷却を必要としない低温であれば、発進クラッチを冷却する必要がないから、電動オイルポンプ2の非作動を指令すべく、オイルポンプ作動要否判定部10はオイルポンプ作動要否信号SopをSop=OFFとなす。
発進クラッチが近々冷却の必要な高温になると予測される条件下であれば、発進クラッチを冷却すべきであるから、電動オイルポンプ2の作動を指令すべく、オイルポンプ作動要否信号SopをSop=ONとなし、
発進クラッチが近々冷却の必要な高温になることはないと予測される条件下であれば、 発進クラッチを冷却する必要がないから、電動オイルポンプ2の非作動を指令すべく、オイルポンプ作動要否信号SopをSop=OFFとなす。
この時のポンプ要求吐出流量を、図2,3にQnorで例示する。
従ってプリチャージ&発進用目標ポンプ回転速度演算部30は、本発明におけるプリチャージ制御手段に相当する。
図3に示すプリチャージ流量Qpriは、発進意図の発生時t1より所定の時間変化勾配ΔWpriで増大して瞬時t2に設定値となった後、所定時間Δt2が経過する瞬時t3までこの設定値に保持され、瞬時t3に上記した通常時要求ポンプ吐出流量Qnorへと低下するものである。
図3の波形もポンプ要求吐出流量Qreqの時系列変化を表す。
クラッチ入力トルクTcinが大きいほど通常時ポンプ要求吐出流量Qnorが多くなることから、クラッチ入力トルクTcinが大きいほどポンプ要求吐出流量Qreqの低下量ΔQreqが小さくなるようプリチャージ流量Qpriを設定する。
このプリチャージ&発進用目標ポンプ回転速度Nop_2は後で詳述するように、発進意図(例えばブレーキペダルの釈放)が発生した時(図2,3のt1)から用いる。
待機流量用目標ポンプ回転速度演算部40は、かかる電動オイルポンプ2の起動応答遅れを回避するため、発進意図が発生する(図2,3のt1)までの待機中に電動オイルポンプ2をON状態にしておくための待機流量用目標ポンプ回転速度Nop_3を求める。
この待機流量目標ポンプ回転速度Nop_3は、電動オイルポンプ2を低負荷起動状態にしておく用をなす。
従って待機流量用目標ポンプ回転速度演算部40は、本発明における起動制御手段に相当する。
演算部20からの通常時目標ポンプ回転速度Nop_1、演算部30からのプリチャージ&発進用目標ポンプ回転速度Nop_2、演算部40からの待機流量用目標ポンプ回転速度Nop_3、およびポンプ停止用回転速度指令tNop=0のうちの1つを目標ポンプ回転速度tNopに設定する。
上記した実施例による電動オイルポンプ2の回転速度制御を介した吐出流量制御を、図4,5のフローチャートに基づき以下に説明する。
図4は、電動オイルポンプ2の吐出流量制御に係わるメインルーチン、図5は、当該メインルーチンにおけるプリチャージ流量制御および発進時流量制御を示すサブルーチンである。
この待機流量制御は、図1の待機流量用目標ポンプ回転速度演算部40につき前述したように、図2,3の発進意図発生時t1に電動オイルポンプ2を起動したのではポンプ流量の起動応答遅れにより発進クラッチ冷却不足を生ずるから、発進意図発生瞬時t1までの待機中に電動オイルポンプ2をON状態にしておくための0近辺の待機流量(図2,3参照)を実現する目標ポンプ回転速度tNop=Nop_3で、電動オイルポンプ2を前もって低速起動させておく制御である。
ステップS12で発進意図を検知すると、ステップS13において、図1のプリチャージ&発進制御終了判定部60につき前述したように電動オイルポンプ2のプリチャージ流量制御および発進制御が終了したか否かをチェックする。
このプリチャージ流量制御および発進時流量制御は図5に示すごときもので、ステップS21において発進クラッチ温度TEMPclを読み込み、ステップS22においてこのクラッチ温度TEMPclが設定温度TEMPcls未満の低温かTEMPcls以上の高温かを判定する。
しかして発進クラッチがTEMPcl≧TEMPclsの高温であれば、その冷却に必要な油量が多いことから、発進時におけるポンプ流量の応答遅れが大きいことに鑑み、ステップS24において電動オイルポンプ2を高ポンプ回転速度tNop=Nop_2(高速度)でプリチャージ流量制御する。
先ずステップS25において発進クラッチの入力トルクTclinを読み込む。
なお、実際に発進が行われるのかどうかは、クラッチ入力トルクTclinで決まるが、ここでは発進が行われない場合も含めて発進時流量制御と言う。
クラッチ入力トルクTclinが設定トルクTclins以上であれば、発進時における発進クラッチ2のスリップが大きく、クラッチ発熱量が多いことに鑑み、ステップS28において電動オイルポンプ2を中ポンプ回転速度tNop=Nop_2(中速度)で発進時流量制御する。
上記した実施例による電動ポンプ2の吐出流量制御によって得られる効果を、図6,7に基づき以下に説明する。
図6は、運転者が発進意図をもって瞬時t1にブレーキペダルを釈放し(ブレーキスイッチ信号SWb=OFF)、瞬時t3より一定割合でアクセル開度APOを増大させたことで発進クラッチ入力トルクTcinが図示のごとく一定値に保たれるような発進時のタイムチャートである。
図7は、運転者が発進意図をもって瞬時t1にブレーキペダルを釈放し(ブレーキスイッチ信号SWb=OFF)、瞬時t3にアクセル開度APOをステップ状に増大させて一定値に保つことで発進クラッチ入力トルクTcinが図示のごとく当初は一時的に大きくなるも、その後は低下するような発進時のタイムチャートである。
一方で発進クラッチは瞬時t4よりスリップ締結を開始して温度TEMPclを破線で示すごとくに上昇され始める。
このオイル供給遅れにより発進クラッチが要求通りに冷却され得ず、焼損したり、その耐久性が低下するという虞があった。
発進意図を示す操作に続く発進操作時に実際のポンプ吐出流量が、ポンプ流量応答遅れによる影響を受けることなく、確実に要求通りのものにされることとなってポンプ流量不足になることがない。
これによりポンプ吐出流量Qopは実線で示すごとく早期の瞬時t2より立ち上がると共に、速やかにプリチャージ流量Qpriとなって、当該十分な流量のオイルを発進クラッチへ供給することができる。
発進意図発生瞬時(図2,3,6,7のt1)に電動オイルポンプ2がプリチャージ用目標ポンプ回転速度Nop_2となるまでの起動応答遅れを小さくすることができ、上記の効果を更に顕著なものにすることができる。
クラッチ入力トルクTcinが大きいほど発進クラッチの発熱量が多くなるのに良く符合して、クラッチ入力トルクTcinが如何なる大きさであるときも、発進クラッチへのオイル供給量を適切なものにし得て、クラッチ入力トルクTcinの大きさにかかわらず前記の効果を確実に達成することができる。
プリチャージ制御終了時に発進クラッチへ供給するオイル流量を発進クラッチの負荷に対応させることができ、電動オイルポンプ2の駆動負荷が必要以上に大きくなるのを防止して電力消費を抑制することができる。
なお上記した実施例では、電動オイルポンプ2がトランスミッション1内の発進クラッチを冷却するためのものであることとして説明したが、電動オイルポンプ2は、トランスミッション1内の他のクラッチを冷却するためのものであってもよいし、トランスミッションに限らず、任意の対象物を冷却するためのものであってもよい。
2 電動オイルポンプ(電動ポンプ)
10 オイルポンプ作動要否判定部
20 通常時目標ポンプ回転速度演算部
30 プリチャージ&発進用目標ポンプ回転速度演算部
40 待機流量用目標ポンプ回転速度演算部
50 発進意図判定部
60 プリチャージ&発進制御終了判定部
70 目標ポンプ回転速度選択部
Claims (4)
- 車両伝動系に用いる電動ポンプであって、回転速度制御により要求吐出流量を実現するようにした電動ポンプにおいて、
前記車両伝動系の駆動を開始させようとする発進意図を示す操作に基づき発進意図を検出する発進意図検出手段と、
該手段が発進意図を検出するとき、前記要求吐出流量をポンプ流量応答遅れ防止用のプリチャージ流量となすプリチャージ制御手段と
を具備してなることを特徴とする電動ポンプの吐出流量制御装置。 - 請求項1に記載された、電動ポンプの吐出流量制御装置において、
前記車両伝動系の停止中は前記要求吐出流量を0近辺の待機流量として前記電動ポンプを低負荷起動状態にしておく起動制御手段を設けたことを特徴とする電動ポンプの吐出流量制御装置。 - 前記電動ポンプの吐出液が前記車両伝動系におけるクラッチの冷却に用いられるものである、請求項1または2に記載された、電動ポンプの吐出流量制御装置において、
前記プリチャージ制御手段は、前記プリチャージ流量、該プリチャージ流量に至る前記要求吐出流量の時間変化割合、および要求吐出流量をプリチャージ流量に保つ時間のうちの少なくとも1つを、前記クラッチへの入力トルクの増大につれて大きくするものであることを特徴とする電動ポンプの吐出流量制御装置。 - 請求項3に記載された、電動ポンプの吐出流量制御装置において、
前記プリチャージ制御手段は、プリチャージ制御終了時に前記要求吐出流量をプリチャージ流量から低下復帰させる流量低下量を、前記クラッチへの入力トルクが大きいほど小さくするものであることを特徴とする電動ポンプの吐出流量制御装置。
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JP2007303616A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Jatco Ltd | 自動変速機の制御装置 |
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