JP2013133045A - ドアミラーハーネスおよびその配設構造並びに配設方法 - Google Patents

ドアミラーハーネスおよびその配設構造並びに配設方法 Download PDF

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俊明 菊地
Hidekazu Nishimura
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Abstract

【課題】ドアミラーに対するドアミラーハーネスの配設状態のばらつきを抑制できるようにする。
【解決手段】ドアミラー10に配設される電動格納装置ユニット22、鏡面角度調整装置ユニット24等の電装品に接続される複数本の配線50をチューブ63に通してドアミラーハーネス54を構成する。チューブ63は直管部64,66,68,70,72と内部空間を維持したまま折り曲がることができる構造を有する折り曲げ部65,67,69,71を交互に縦列に配置した構造を有する。ドアミラーハーネス54をチューブ63に通して、第1直管部64をシャフト18内に配置し、折り曲げ部65,67,69を折り曲げて第2〜第4直管部66,68,70をミラーボデー支持部12bの内部空間76,80に所定の状態に収容配置する。第4直管部70の端部を内部空間80から車体側に排出する。
【選択図】図1

Description

この発明は車両のドアミラーに配設される電装品に接続される複数本の配線を束ねたワイヤハーネス(「ドアミラーハーネス」という)、および該ドアミラーハーネスをドアミラーに配設する構造並びに配設する方法に関し、ドアミラーに対するドアミラーハーネスの配設状態のばらつきを抑制できるようにしたものである。
車両のドアミラーには電動格納用モータ、鏡面角度調整用モータ、水滴除去用超音波振動子およびヒーター、ターンシグナルランプ、電子式撮像装置、足元照明等の各種電装品が配設されており、これら電装品に接続される給電線、信号線等の複数本の配線は束ねられてドアミラーハーネスを構成する。ドアミラーハーネスはミラーベースを経由して車体内に導かれて、車体内に配設されたコネクタに接続される。従来のドアミラーハーネスは、複数本の配線を軟質塩化ビニル樹脂等の軟質チューブに通して該チューブで被覆して構成されており、ミラーボデーをミラーベースに回動自在に支持する中空のシャフト内に通してドアミラーに組み付けられる。
従来のドアミラーハーネスの配設構造は例えば特許文献1の図1、図2に記載されている。また特許文献1に記載のものと同様のドアミラーハーネスの配設構造を有する従来ドアミラーを図2に示す。ドアミラー10’は、ミラーベース12とミラーボデー14を具える。ミラーベース12は、車両のドアに固定して取り付けられる車体固定部12aと、車体固定部12aの下端部に連続して、該下端部から車体の外方に向けて突出形成されたミラーボデー支持部12bを具える。ミラーボデー14はフレーム20と、フレーム20の凹所20aに収容されてフレーム20に装着される電動格納装置ユニット22と、フレーム20の前面に装着されて鏡面角度を上下方向および左右方向に電動調整する鏡面角度調整装置ユニット24と、鏡面角度調整装置ユニット24の前面に装着されるミラー本体部26と、これらフレーム20、電動格納装置ユニット22、鏡面角度調整装置ユニット24、ミラー本体部26を内部空間に収容した状態でフレーム20に装着されるミラーハウジング28を具える。ミラーハウジング28の外周面にはターンランプアッセンブリ27およびハウジングカバー29が装着される。電動格納装置ユニット22内には中空のシャフト18、モータおよび減速機構(図示せず)等が収容されている。このモータを駆動することにより電動格納装置ユニット22内でシャフト18はその軸周り方向に回転する。シャフト18の基部18bはフレーム20の凹所20aの底面に形成された穴(図示せず)およびミラーハウジング28の下面に形成された穴(図示せず)を通して下方に露出し、ミラーベース12のミラーボデー支持部12bの上面に載置され、ミラーボデー支持部12bの下面側からネジ19でミラーボデー支持部12bにねじ止めされる。これによりシャフト18はミラーボデー支持部12bに立設固定され、ミラーボデー14はミラーベース12に対し、シャフト18の軸周り方向に回動自在に支持される。したがって電動格納装置ユニット22内のモータを可逆駆動することにより、ミラーボデー14は全体がシャフト18の軸周り方向に回動して格納位置と使用位置とに変位する。ミラーボデー支持部12bの下面の開口部(図1の符号12c)は下蓋12dで開閉可能に塞がれる。ミラー本体部26はミラーホルダー30にミラー板32を、それらの間に両面粘着テープ34を挟み込んだ状態で、嵌め込み装着して一体化して構成される。
電動格納装置ユニット22のモータに給電する配線46、鏡面角度調整装置ユニット24の上下駆動用および左右駆動用の2個のモータに給電する配線36,38等を含む複数本の配線50は束ねられて、軟質塩化ビニル樹脂等の軟質チューブ52に通されてドアミラーハーネス54’を構成する。配線46の端部には電動格納装置ユニット22のモータの端子に接続されるコネクタ47が装着されている。配線36,38の端部には鏡面角度調整装置ユニット24の2個のモータの端子に接続されるコネクタ49,51が装着されている。ドアミラーハーネス54’は鏡面角度調整装置ユニット24内の中空のシャフト18に通して配設されている。ドアミラーハーネス54’のミラーボデー14内に配設される部分は、シャフト18の上端開口部から引き出されてミラーボデー14内に配設され、該部分の端部に露出している複数本の配線50の端部のコネクタ47,49,51等は、各該当する電装品の端子に接続される。ドアミラーハーネス54’の車体側に導かれる部分は、シャフト18の下端開口部から引き出されてミラーベース12内を通り、さらにガスケット58等を通って車体内に導かれ、該部分の端部に露出している複数本の配線50の各端子はコネクタ62に差し込まれて装着される。コネクタ62は車体内に配設された車体側ハーネスの、対となるコネクタ(図1の符号92)と相互に嵌め合わされて連結される。
実開平7−18990号公報 特開2001−55089号公報
図2に示すように、従来のドアミラーハーネス54’は、複数本の配線50を軟質塩化ビニル樹脂等の軟質チューブ52に通して構成され、その長さ方向のどこでも曲げられる構造を有するため、ドアミラー10’に対する該ドアミラーハーネス54’の長さ方向の配設位置が一定に定まらなかった。このため、ドアミラーハーネス54’をドアミラー10’に配設する組み付け工程において、ドアミラー10’から車体内に引き出されるドアミラーハーネス54’の長さにばらつきが生じたり、ドアミラー10’内でのドアミラーハーネス54’の張り具合にばらつきが生じるなど、組み付け工程の作業者によってドアミラー10’に対するドアミラーハーネス54’の配設状態にばらつきが生じていた。
この発明は上記従来の技術における問題点を解決して、ドアミラーに対するドアミラーハーネスの配設状態のばらつきを抑制できるようにしたドドアミラーハーネスおよびその配設構造並びに配設方法を提供しようとするものである。
この発明のドアミラーハーネスは、ミラーボデーをミラーベースに回動自在に支持するシャフト内に配設される第1直管部および前記ミラーベース内に配設される第2直管部および内部空間を維持したまま折り曲がることができる構造を有し前記第1、第2直管部どうしを連結する第1折り曲げ部を有するチューブ(管状部材)と、ドアミラーに配設される電装品に接続される配線であって、前記チューブ内に挿通された複数本の配線とを具備するものである。この発明によれば、第1折り曲げ部の位置がシャフトの下方位置に定まるので、配線とチューブの長さ方向の相対位置を定めておけば、ドアミラーに対するドアミラーハーネスの配設状態のバラ付きを抑制することができる。
また、この発明のドアミラーハーネスは、前記チューブが、前記第2直管部に続いて、前記ミラーベース内に配設される、内部空間を維持したまま折り曲がることができる構造を有する第2以降の単一または複数の折り曲げ部と、第3以降の単一または複数の直管部を縦列に交互に配置した構造を有することができる。これによれば、3箇所以上の直管部と2箇所以上の折り曲げ部の組み合わせでドアミラーハーネスをミラーベース内に配設することにより、ドアミラーに対するドアミラーハーネスの配設状態のバラ付きをさらに抑制することができる。この発明のドアミラーハーネスは、チューブと配線の長さ方向の相対位置を固定するビニールテープ等の固定部材を具えることができる。
前記第1折り曲げ部または前記第1以降の各折り曲げ部は、例えば、波状凹凸面を有する蛇腹構造を有し、折り曲げおよび非折り曲げ状態への復帰が可能に構成することができる。これによればドアミラーハーネスを折り曲げ部で折り曲げてドアミラーに配設後に、ドアミラーハーネスをドアミラーから外す必要が生じた場合に、折り曲げ部を非折り曲げ状態に戻して、ドアミラーハーネスをシャフトから引き抜くことにより、ドアミラーハーネスをドアミラーから外すことができる。前記第1折り曲げ部または前記第1以降の各折り曲げ部は、さらに、折り曲げた状態から折り曲げ力を解除しても、該折り曲げた状態を維持する蛇腹構造とすることができる。これによれば、ミラーベース内へのドアミラーハーネスの配設作業を容易に行うことができる。
この発明のドアミラーハーネスの配設構造は、この発明のドアミラーハーネスを前記シャフト内に挿通して、前記チューブの前記第1直管部を該シャフト内に配設し、前記第1折り曲げ部または前記第1以降の各折り曲げ部を折り曲げて、前記第2直管部または前記第2以降の各直管部を前記ミラーベース内に配設した構造を有するものである。この発明のドアミラーハーネスの配設構造は、前記チューブの車体側の端部を前記ミラーベースの車体取付面から車体側に排出した構造とすることができる。チューブの車体側の端部をミラーベースの車体取付面から車体側に排出した構造とすることにより、ドアミラーハーネスはミラーベース内で全長にわたりチューブで被覆された構造となり、ミラーベース内でのドアミラーハーネスの配設状態が均一化され、ドアミラーに対するドアミラーハーネスの配設状態のバラ付きを、より抑制することができる。
この発明のドアミラーハーネスの配設方法は、この発明のドアミラーハーネスを前記シャフト内に挿通して、前記チューブの前記第1直管部を該シャフト内に配設する工程と、前記第1折り曲げ部または前記第1以降の各折り曲げ部を折り曲げる工程と、前記第2直管部または前記第2以降の各直管部を前記ミラーベース内に配設する工程とを有するものである。この発明のドアミラーハーネスの配設方法は、前記チューブの車体側の端部を前記ミラーベースの車体取付面から車体側に排出する工程をさらに有することができる。この発明のドアミラーハーネスの配設方法は、前記ドアミラーハーネスを前記シャフト内に挿通した後に、一部または全部の前記折り曲げ部を折り曲げながら該ドアミラーハーネスを前記ミラーベース内に配設することができる。これによれば、ドアミラーに対するドアミラーハーネスの配設作業を容易に行うことができる。
この発明によるドアミラーハーネスの配設構造の実施の形態を示すドアミラーの模式断面図である。 特許文献1に記載のものと同様のドアミラーハーネスの配設構造を有する従来のドアミラーの分解斜視図である。 この発明によるドアミラーハーネスで使用するチューブの実施の形態を示す正面図である。 図3のチューブの折り曲げ部の拡大図で、(a)は折り曲げる前の状態を示し、(b)は直角に折り曲げた状態を示す。
この発明の実施の形態を説明する。図3はこの発明によるドアミラーハーネスで使用するチューブの実施の形態を示す。チューブ63は従来の軟質塩化ビニル樹脂等の軟質チューブ52(図2)と異なり、所定の形状を維持する弾性を有する例えばポリプロピレン等による薄手のプラスチック製で、横断面が円形の筒状に、全体が一体に構成されている。チューブ63は5箇所の直管部64,66,68,70,72と4箇所の蛇腹構造による折り曲げ部65,67,69,71を交互に縦列に配置した構造を有する。チューブ63はいわゆる「曲がるストロー」をやや大径(例えば直径8mm)にして折り曲げ部を複数箇所に設けた構造を有する。
図4は折り曲げ部65(折り曲げ部67,69,71も同じ)の拡大図を示す。(a)は折り曲げる前の状態、(b)は折り曲げた状態を示す。折り曲げ部65は「曲がるストロー」の折り曲げ部と同様の波状凹凸面を有する蛇腹構造を有し、折り曲げる前の(a)の状態では蛇腹は全体が縮められた状態を維持する。この状態からチューブ63を両手で長さ方向に引っ張ると折り曲げ部65は伸びて、手を放しても伸びた状態を維持する。この状態からチューブ63を両手で長さ方向に圧縮すると、折り曲げ部65は再び縮められて、手を放しても縮められた状態を維持する。折り曲げ部65が縮められた(a)の状態から手でチューブ63に折り曲げ力を加えると、折り曲げ部65は(b)に示すように蛇腹の周方向の一面側が縮められたまま、対向する面側が伸張して緩やかな弧状で任意の角度に((b)は直角に折り曲げた状態を示す)折り曲げることができる。折り曲げ部65を折り曲げてもその内部空間は潰れず維持される。折り曲げられた後に折り曲げ力を解除しても、該折り曲げられた状態は維持される。折り曲げ部65を折り曲げた状態から手でチューブ63に逆方向に力を加えれば、(a)の真っ直ぐな状態に戻すことができる。ドアミラーハーネス54(図1)は真っ直ぐな状態のチューブ63に複数本の配線50を通して該複数本の配線50をチューブ63で被覆し、配線50の両端部をチューブ63の両端部から所定長さ露出させた状態にチューブ63と配線50の長さ方向の相対位置を設定して構成される。チューブ63と配線50の長さ方向の相対位置を設定した後、必要に応じて、チューブ63の一端部または両端部でチューブ63と配線50に跨ってビニールテープ74(図1)を巻き回し、あるいは該一端部または両端部でチューブ63と配線50どうしを接着剤で接合してチューブ63と配線50を相互に固定することにより、チューブ63と配線50の長さ方向の相対位置がずれるのを防止し、さらにはチューブ63と配線50との間の隙間を封止して、車両内部と外部の気圧差により該隙間に空気が流通するのを防止することができる。
図3のチューブ63に配線を通してドアミラーハーネス54を構成して、該ドアミラーハーネス54をドアミラー10に配設した状態を図1に示す。図2の従来装置と対応する部分には同一の符号を用いる。車両のドア73にはドアミラー10のミラーベース12の車体固定部12aが固定装着されている。ミラーベース12bにはシャフト18がネジ19で立設固定されている。シャフト18にはミラーボデー14がシャフト18の軸周り方向に回動自在に支持されている。ドアミラーハーネス54はシャフト18の中心の中空部18aに通されて、チューブ63の第1直管部64が中空部18aに配置されている。第1折り曲げ部65はミラーボデー支持部12bの内部空間76内で中空部18aの直下位置(中空部18aの下端開口部を出た位置)に配置されて、ドア73に向けて直角に折り曲げられている。第2直管部66はミラーボデー支持部12bの内部空間76の内壁面に形成されたガイド78に案内されて、内部空間76に沿ってドア73に向けて水平に延在して配置されている。ミラーボデー支持部12bの下面には、下蓋12dで開閉可能に塞がれる開口部12cが形成されている。ミラーボデー支持部12bの下面に開口部12cを形成して下蓋12dで塞ぐ具体的構造としては、例えば特許文献2に記載の構造を適用することができる。第2折り曲げ部67はドア73付近で上方に向けて直角に折り曲げられている。第3直管部68はミラーボデー支持部12bの内部空間76に連続して形成されている車体固定部12aの内部空間80の内壁面に形成されたガイド82に案内されて、内部空間80に沿って上下方向に延在して配置されている。第3折り曲げ部69はドア73に向けて直角に折り曲げられている。第4直管部70はドア73に向けて水平に延在して配置され、ミラーベース12の車体取付面12eのガスケット58の筒状部58bに形成された穴58aを通って内部空間80の外部に排出されている。ガスケット58の筒状部58bはドア73のコーナー部に取り付けられたドアミラー取付パネル84の穴84aに差し込まれている。第4直管部70の先端部はドアミラー取付パネル84とドアミラー取付パネル84の車内側の面に取り付けられたインナーカバー86との間の空間88に進入している。第4折り曲げ部71は空間88内で下方に向けてほぼ直角に折り曲げられている。第5直管部72は空間88内でほぼ上下方向に延在して配置されている。第5直管部72の下端部の開口部から出されている複数本の配線50の各端子はコネクタ62に装着されている。コネクタ62は空間88に配置された、車体側ハーネス90の対となるコネクタ92に連結される。なおガスケット58の筒状部58bとチューブ63との間に隙間があると、車両内部と外部の気圧差により該隙間に空気が流通して不快な笛吹き音を発生する恐れがある。そこでガスケット58の筒状部58bとチューブ63に跨ってビニールテープ75を巻き回すなどして筒状部58bとチューブ63との間の隙間を封止して、笛吹き音の発生を防止する。
図1の構成において、ドアミラーハーネス54をドアミラー10に配設してドアミラー10を組み立て、完成したドアミラー10を車体に取り付ける一連の作業手順の一例を説明する。
[1]ミラーハウジング28およびミラーベース12に未装着で電動格納装置ユニット22を装着したシャフト18と、真っ直ぐな状態のドアミラーハーネス54を用意する。ドアミラーハーネス54の車体側の端部のコネクタ62は未装着とする。
[2]ドアミラーハーネス54を、シャフト18の中空部18aの上端開口部から中空部18aに挿入する。ドアミラーハーネス54は真っ直ぐなので、中空部18aに容易に挿入することができる。
[3]ドアミラーハーネス54のドアミラー10側の端部の端子に装着されているコネクタ(図2のコネクタ47,49,51等)を各電装品(電動格納装置ユニット22、図2の鏡面角度調整装置ユニット24等)の端子に接続する。
[4]電動格納装置ユニット22を装着したシャフト18を直接またはフレーム20(図2)を介してミラーハウジング28に装着する。
[5]シャフト18の下端開口部から引き出されているドアミラーハーネス54をミラーボデー支持部12bの上面の穴12fに差し込んで、シャフト18をミラーボデー支持部12bの上面に立てて、ミラーボデー支持部12bの下面開口部12c側からネジ19をねじ込んで、シャフト18をミラーボデー支持部12bに立設固定する。
[6]第1〜第3折り曲げ部65,67,69を手で順番に折り曲げながら、ミラーベース12内にドアミラーハーネス54を配設する。すなわちはじめにシャフト18の直下位置(中空部18aの下端開口部を出た位置)で第1折り曲げ部65を直角に折り曲げて第2直管部66をガイド78に支持する。次いで第2折り曲げ部67を直角に折り曲げて第3直管部68をガイド82に支持する。次いで第3折り曲げ部69を直角に折り曲げて第4直管部70の先端部およびそれより先の部分をガスケット58の筒状部58bの穴58aに通す。これにより、ドアミラーハーネス54はミラーベース12の内部空間76,80内で図1に示す所定状態に設置される。ドアミラーハーネス54の折り曲げ位置が第1〜第3折り曲げ部65,67,69によって決められており、かつ第1折り曲げ部65が中空部18aの下端開口部を出た位置に決められるので、作業者によってドアミラー10に対するドアミラーハーネス54の配設状態にばらつきが生じるのが防止される。また図2に示す従来のドアミラーハーネス54’は、チューブ52が軟質塩化ビニル樹脂等で構成されているため、折り曲げてもチューブ52の内部の配線50の弾性力により、折り曲げた状態を維持できず元の状態に戻ろうとする。このため、ドアミラーハーネス54’を折り曲げた後にドアミラーハーネス54’を手で押さえて元の状態に戻るのを阻止しながらドアミラーハーネス54’をドアミラー10に配設しなければならず、配設作業が容易でなかった。これに対し、図1のドアミラーハーネス54によれば、第1〜第3折り曲げ部65,67,69は折り曲げられた状態を維持する機能を有するため、折り曲げた後に手を放して折り曲げ力を解除しても、該折り曲げた状態を維持することができる。したがってミラーベース12の内部空間76,80に対するドアミラーハーネス54の配設作業を容易に行うことができる。またドアミラーハーネス54をミラーベース12に配設した後に、ドアミラーハーネス54が他の型式のドアミラー用のものでこれを誤ってドアミラー10に配設したことが判明した場合には、折り曲げ部69,67,65を手で順に真っ直ぐな状態に戻して、チューブ52の全体を真っ直ぐな状態に戻すことにより、ドアミラーハーネス54をシャフト18から引き抜いて、正しいものと交換することができる。
[7]ガスケット58の筒状部58bとチューブ63に跨ってビニールテープ75を巻き回して筒状部58bとチューブ63との間の隙間を封止する。
[8]ドアミラーハーネス54の端部に露出している配線50の各端子をコネクタ62に装着する。
[9]開口部12cを下蓋12dで塞ぐ。
[10]鏡面角度調整装置ユニット24にミラー本体部26を取り付けてドアミラー10を完成する。
[11]コネクタ62が装着されている側のドアミラーハーネス54の端部をドアミラー取付パネル84の穴84aに通し、さらにガスケット58の筒状部58bを穴84aに差し込んで、ミラーベース12の車体固定部12aをドアミラー取付パネル84にネジ止めする。
[12]コネクタ62を車体側ハーネス90のコネクタ92に連結する。
なお図1の実施の形態ではチューブ63の第1直管部64の上部をシャフト18の上端開口部から上方に突出させたが、第1直管部64の上部をシャフト18内で終了させることもできる。また図1の実施の形態では、チューブ63の一端部は第1直管部64で終了したが、必要に応じて第1直管部64の端部に連続して、シャフト18の上端開口部のすぐ上の位置に折り曲げ部を形成することができ、さらに該折り曲げ部に続いて直管部を形成することができる。また前述のドアミラーハーネス54の配設手順の一例では、ドアミラーハーネス54をシャフト18の中空部18aの上端開口部から中空部18aに挿入するようにしたが、ドアミラーハーネス54をシャフト18の中空部18aの下端開口部から中空部18aに挿入することもできる。この場合はドアミラーハーネス54の配線50のドアミラー10側の端部に装着するコネクタ(図2のコネクタ47,49,51等)はドアミラーハーネス54をシャフト18に通した後に配線50に装着する。またこの場合は、チューブ63の全長のうち第1直管部64のみをシャフト18内に挿入すればよいので、予め第1屈曲部65を折り曲げた状態にしてから第1直管部64をシャフト18に挿入することもできる。
10…ドアミラー、12…ミラーベース、12e…車体取付面、14…ミラーボデー、18…シャフト、22…電動格納装置ユニット(電装品)、24…鏡面角度調整装置ユニット(電装品)、50…複数本の配線、54…ドアミラーハーネス、63…チューブ、64…第1直管部、65…第1折り曲げ部、66…第2直管部、67…第2折り曲げ部、68…第3直管部、69…第3折り曲げ部、70…第4直管部、71…第4折り曲げ部、72…第5直管部

Claims (6)

  1. ミラーボデーをミラーベースに回動自在に支持するシャフト内に配設される第1直管部および前記ミラーベース内に配設される第2直管部および内部空間を維持したまま折り曲がることができる構造を有し前記第1、第2直管部どうしを連結する第1折り曲げ部を有するチューブと、
    ドアミラーに配設される電装品に接続される配線であって、前記チューブ内に挿通された複数本の配線と
    を具備するドアミラーハーネス。
  2. 前記チューブが、前記第2直管部に続いて、前記ミラーベース内に配設される、内部空間を維持したまま折り曲がることができる構造を有する第2以降の単一または複数の折り曲げ部と、第3以降の単一または複数の直管部を縦列に交互に配置した構造を有する請求項1に記載のドアミラーハーネス。
  3. 前記第1折り曲げ部または前記第1以降の各折り曲げ部は、波状凹凸面を有する蛇腹構造を有し、折り曲げおよび非折り曲げ状態への復帰が可能に構成されている請求項1または2に記載のドアミラーハーネス。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載のドアミラーハーネスを前記シャフト内に挿通して、前記チューブの前記第1直管部を該シャフト内に配設し、前記第1折り曲げ部または前記第1以降の各折り曲げ部を折り曲げて、前記第2直管部または前記第2以降の各直管部を前記ミラーベース内に配設した構造を有するドアミラーハーネスの配設構造。
  5. 請求項1から3のいずれか1つに記載のドアミラーハーネスを前記シャフト内に挿通して、前記チューブの前記第1直管部を該シャフト内に配設する工程と、
    前記第1折り曲げ部または前記第1以降の各折り曲げ部を折り曲げる工程と、
    前記第2直管部または前記第2以降の各直管部を前記ミラーベース内に配設する工程と
    を有するドアミラーハーネスの配設方法。
  6. 前記ドアミラーハーネスを前記シャフト内に挿通した後に、一部または全部の前記折り曲げ部を折り曲げながら該ドアミラーハーネスを前記ミラーベース内に配設する請求項5に記載のドアミラーハーネスの配設方法。
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