JP2013132873A - ヘッドアセンブリ及び液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】封止状態において、リップ部材が対向部材から離れるのを抑制する。
【解決手段】ヘッドアセンブリ101は、長尺なヘッド1と、ケース150と、リップ部材42を有するキャップ機構40と、把持部材とを含む。ケース150の底部155には、ガイド部材159が立設されている。ガイド部材159は、ヘッド1の長手方向に平行なリップ部材42の長尺部と、短手方向に対向している。また、ガイド部材159は、短手方向に延在し、封止状態における空間S1の圧力が所定圧力を超えるまでにリップ部材42の外側面42aと当接する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体を吐出するヘッド、ヘッドの吐出面と対向する対向部材、及び、対向部材とで吐出面と対向する空間を封止するキャップ手段を含むヘッドアセンブリ、及び、液体吐出装置に関する。
特許文献1には、記録ヘッドの周囲に設けられたキャップ部材を搬送ベルトに密着させることによって、記録ヘッドのノズル面をキャップ部材及び搬送ベルトによってキャッピングするインクジェット記録装置について記載されている。このインクジェット記録装置において、キャップ部材は、記録ヘッドを囲む環状の側板と、外周端が側板の上端に、内周端が記録ヘッドの外側面に固着された可撓性シートとを有している。
特開平9−85959号公報
上記特許文献1に記載のインクジェット記録装置において、キャップ部材を構成する側板が、金属や硬質合成樹脂などからなる上端部に、ゴムなどの弾性部材が固定されて構成されている。このように側板の構成材質が、上端部と下端部(弾性部材)とで異なると、線膨張係数も異なるため、環境温度の変化によって側板が変形する。この変形を抑制するために、側板を弾性材料だけから構成することが考えられる。
しかしながら、側板を弾性材料だけで構成すると剛性が低下する。キャッピング状態において環境温度が上昇すると、ノズル面と対向する空間(搬送ベルト及びキャップ部材によって囲まれた空間)の体積が膨張、すなわち、空間の圧力が大きくなる。すると、側板が外側に広がって搬送ベルトから離隔するようにめくれる。この側板のめくれが生じると、空間が外部空間と連通し、ノズル(吐出口)近傍のインクが乾燥するという問題が生じる。この側板のめくれは、長尺ヘッドに対応するキャップ部材、すなわち、側板が長尺になるほど、めくれが生じやすい。
また、上述の記録ヘッドを輸送、保管する際の形態である、液体が充填された記録ヘッドと、記録ヘッドのノズル面と対向する対向部材と、キャップ部材とを備えたヘッドアセンブリにおいても上述と同様な問題が生じる。ヘッドアセンブリは、ノズル近傍の液体の乾燥を抑制するために、キャップ部材を対向部材に当接させたキャッピング状態(封止状態)で構成される。このときでも、環境温度が変化し封止空間の圧力が上昇すると、側板のめくれが発生し、ノズル近傍の液体が乾燥するという問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、封止状態において、リップ部材が対向部材から離れるのを抑制することが可能なヘッドアセンブリ及び液体吐出装置を提供することである。
本発明のヘッドアセンブリは、一方向に長尺なヘッドであって、液体を吐出する複数の吐出口が形成された吐出面、及び、前記一方向と直交する両側面から前記一方向にそれぞれ突出した2つの取付部を有する前記ヘッドと、前記吐出面と対向する対向部材と、弾性材料からなり前記ヘッドを取り囲む環状のリップ部材、弾性材料からなり前記リップ部材と前記ヘッドとの間を繋ぐダイアフラム、前記リップ部材を前記吐出面に対して垂直な方向に移動可能に支持する支持機構、及び、前記リップ部材が前記対向部材に近づく付勢方向に前記リップ部材を付勢する付勢手段を有するキャップ手段と、前記リップ部材と前記対向部材とが当接することによって前記吐出面と対向する空間が外部空間から封止される封止状態において、前記付勢方向とは逆方向への前記2つの取付部の移動を規制する規制部材と、前記吐出面と平行であって前記一方向に直交する直交方向に関して、前記リップ部材の前記一方向に延在する長尺部と対向するガイド部材とを備えている。そして、前記ガイド部材は、前記直交方向に延在し、前記封止状態における前記空間の圧力が所定圧力を超えるまでに前記リップ部材の外側面と当接する。
本発明の液体吐出装置は、一方向に長尺なヘッドであって、液体を吐出する複数の吐出口が形成された吐出面、及び、前記一方向と直交する両側面から前記一方向にそれぞれ突出した2つの取付部を有する前記ヘッドと、前記吐出面と対向する対向部材と、弾性材料からなり前記ヘッドを取り囲む環状のリップ部材、弾性材料からなり前記リップ部材と前記ヘッドとの間を繋ぐダイアフラム、前記リップ部材が前記対向部材に当接する当接位置及び前記リップ部材が前記対向部材から離隔する離隔位置の間において、前記リップ部材を移動させるリップ移動機構を有するキャップ手段と、前記2つの取付部を介して前記ヘッド及び前記キャップ手段を支持する支持フレームとを備えている。そして、前記支持フレームは、前記吐出面と平行であって前記一方向と直交する直交方向に関して、前記リップ部材の前記一方向に延在する長尺部と対向するガイド部材を有し、前記ガイド部材は、前記リップ部材が当接位置に配置され前記吐出面と対向する空間が外部空間から封止される封止状態において、前記空間の圧力が所定圧力を超えるまでに前記リップ部材の外側面と当接する。
本発明のヘッドアセンブリ及び液体吐出装置によると、封止状態において空間の圧力が上昇しても、所定圧力を超えるまでにリップ部材がガイド部材と当接するので、リップ部材が外側に広がるのを抑制することが可能となる。このため、リップ部材が対向部材から離れにくくなる。この結果、封止状態が維持され、吐出口近傍の液体の乾燥を抑制することが可能となる。
本発明の第1実施形態によるヘッドアセンブリを示し、(a)平面図であり、(b)は図1(a)に示すI−I線に沿った断面図である。 図1に示すヘッド及びキャップ機構の概略斜視図である。 図1(a)に示すIII−III線に沿った断面図である。 図1のヘッドのヘッド本体を示す平面図である。 ヘッドの部分断面図である。 ヘッドアセンブリの部分断面図である。 リフト昇降機構の動作状況図である。 ヘッドアセンブリの部分断面図であり、リップ部材が離隔位置に配置された状況を示す図である。 図1に示すケースの斜視図である。 本発明の第2実施形態によるインクジェットプリンタの内部構造を示す概略側面図である。 図10に示すヘッド、キャップ機構、及び、これら周辺の部分断面図であり、リップ部材が離隔位置に配置された状況を示す図である。 図10に示すヘッド及び加湿機構を示す概略図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態であるヘッドアセンブリ101は、インクを吐出するヘッド1、ヘッド1を収容するケース150、キャップ機構(キャップ手段)40、及び、把持部材90を有する。キャップ機構40は、ヘッド1の底面である吐出面1aと対向する空間S1をケース150とで、外部空間S2から隔離された封止状態を構成する。
本実施形態のヘッドアセンブリ101は、ヘッド1の保管又はヘッド1を輸送する際に適用される形態であって、ヘッド1内には保存液が充填されている。これにより、ヘッド1の流路内への空気や異物の浸入が防止される。保存液は、金属錆防止剤、乾燥防止剤、及び界面活性剤を含む。金属錆防止剤はヘッド1を構成する金属部材の錆びを防止すること、乾燥防止剤は保存液の蒸発を防いで流路内への空気や異物の浸入防止効果を維持することに寄与する。また、保存液が乾燥防止剤及び界面活性剤を含むことによって、保存液の表面張力が小さくなり、リザーバユニット11及び流路ユニット12(ともに後述する)内の流路に保存液を充填する際に保存液内に気泡が発生しにくい。本実施形態において、保存液はインクの組成から色材を除外したものである。
先ず、ヘッド1について説明する。ヘッド1は、図1に示すように、図中左右方向(長手方向)に長尺な略直方体形状(図2参照)を有する。図3〜図5に示すように、ヘッド1は、流路ユニット12、アクチュエータユニット17、リザーバユニット11、回路基板13及びヘッドカバー60が、下から順に積層された積層体である。上流側流路形成部材としてのリザーバユニット11には、リザーバを含む上流側インク流路(ともに不図示)が形成されている。リザーバは、液体を一時的に貯留する。このリザーバユニット11の上方には、図3に示すように、回路基板13を覆うようにしてヘッドカバー60が積層されている。
下流側流路形成部材としての流路ユニット12は、図5に示すように、9枚の矩形状金属プレート122〜130が積層された積層体である。流路ユニット12には、下流側インク流路が形成されている。下流側インク流路は、図4に示すように、上面12aの開口105bでリザーバユニット11の上流側インク流路と接続されている。また、下流側インク流路は、図4及び図5に示すように、開口105bを一端とするマニホールド流路105、マニホールド流路105から分岐した副マニホールド流路105a、副マニホールド流路105aに接続した多数の個別インク流路132で構成されている。
個別インク流路132は、図5に示すように、流路抵抗調整用のアパーチャ(絞り)112を含み、副マニホールド流路105aの出口から圧力室110を経て吐出口108に至る。上面12aには、圧力室110が開口しマトリクス状に配置されている。一方、下面である吐出面1aには、吐出口108が圧力室110に対応してマトリクス状に配置されている。
アクチュエータユニット17は、リザーバユニット11及び流路ユニット12に挟まれて、長手方向に沿って千鳥状に配置されている(図4参照)。アクチュエータユニット17は、流路ユニット12の上面12aに固定されて、各圧力室110の開口を封止する。また、アクチュエータユニット17は、厚み方向に分極された圧電層(最上層)が振動板上に積層した積層体である。振動板は、同じ圧電層であるが、自発的に変形しない。最上層は、表面側の多数の個別電極と内側の共通電極に挟まれている。1つの個別電極及び共通電極で挟まれた部分が歪むと、これに振動板を加えた部分がユニモルフ変形する。ユニモルフ変形する部分(個別電極と圧力室で挟まれた部分)が、個別アクチュエータとして働き、駆動信号で選択的に駆動される。
アクチュエータユニット17は、図3に示すように、FPC14の一端に電気的に接続されている。FPC14は、他端が回路基板13と電気的に接続されている。FPC14には、途中部にドライバIC15が実装されている。回路基板13は、ヘッド1がプリンタに実装されている際に、プリンタの制御装置からの信号を調整する。FPC14は、回路基板13で中継・調整された各種信号(制御信号、画像信号等)をドライバIC15に伝達する。ドライバIC15は、その信号に基づいて、駆動信号を生成する。生成された駆動信号は、FPC14によって対応する個別アクチュエータに伝達される。
ヘッドカバー60の上面60aには、図2及び図3に示すように、溝60bが形成されている。溝60bは、長手方向に沿って延在しており、後述のスライダ71のガイド72aがちょうど嵌め込まれる。これにより、スライダ71が長手方向に沿って移動可能となる。なお、ヘッドカバー60の上面60aは、吐出面1aと平行な平面である。
ヘッド1は、図4及び図6に示すように、両側面1s1に固定された2つのサイドカバー33を有している。サイドカバー33は、図6に示すように、固定部37と鍔部(突出部)38とを有している。固定部37は、吐出面1aに垂直な固定面を有し、ヘッド1(流路ユニット12)の長手方向と直交する側面1s1に固定されている。鍔部38は、固定部37の下端に接続され、長手方向外側に向かって水平に延びている。鍔部38の下面は、吐出面1aと同一平面レベルに配置されている。なお、鍔部38は、平面視でリップ部材42により包囲され、リップ部材42と内側から長手方向に対向する。
サイドカバー33は、略コの字形状の断面を有し、図6に示すように、固定部37及び鍔部38に加え、貫通孔51を持つ突出部39で構成される。突出部39は、外側に向かって水平に延びており、固定部37の上端に接続されている。側面1s1から外側への突出量は、突出部39の方が鍔部38より小さい。突出部39の上面には、図4に示すように、短手方向中央に、円筒状の接続部39aが立設されている。接続部39aの中空部39bは、貫通孔51と連通している。貫通孔51の下側開口51a(51b)は、鍔部38の上面に対向している。接続部39aには、配管55,57の一端が接続される。
本実施形態における配管55,57の他端には、栓(不図示)が取り付けられ、気体の流通が遮断されている。配管55,57は、ヘッド1をプリンタに取り付けたときに、プリンタに設けられた加湿機構の一部を構成する。具体的には、配管55側から加湿空気が供給され、配管57側から供給された加湿空気が排出される。つまり、開口51a,51bは、吐出面1aと対向する空間S1に対する加湿空気の入口及び出口となる。なお、図2においては、配管55,57の図示を省略している。
また、ヘッド1は、各側面1s1から長手方向に沿って外側に突出した取付部10を有している。取付部10は、図1、図2及び図6に示すように、金属などからなる剛体のクランク状の固定板である。これら取付部10は、プリンタにヘッド1を取り付けるとき、支持フレームに支持される部位である。また、取付部10は、ヘッド1をケース150に収容した際に、把持部材90によって把持される部位である。
取付部10は、図6に示すように、第1水平部10aと、第2水平部10bと、これら水平部10a,10bを繋ぐ垂直部10cとを有している。第1水平部10aは、基端が側面(リザーバユニット11の下端側面)1s1に固定されており、そこから長手方向に延在している。第1水平部10aは、厚み方向に貫通する孔10dを有する。第1水平部10aは、孔10dに接続部39aが通された状態で、接続部39aと接着剤で接合されている。垂直部10cは、第1水平部10aの外側端部から上方に延びている。第2水平部10bは、垂直部10cの上端から長手方向に延び、厚み方向に貫通する孔10eを有する。なお、第1水平部10aと垂直部10cによって第1部分が構成され、第2水平部10bによって第2部分が構成されている。
ヘッド1は、図2及び図6に示すように、2つの補強部21を有している。補強部21は、側面(リザーバユニット11の側面)1s1の第2水平部10bよりも上方から長手方向外側に延在している。補強部21の先端部は、第2水平部10bの把持部材90と当接する当接箇所に隣接した内側において、第2水平部10bと接着剤21aで接合されている。これにより、取付部10が補強部21によって補強される。
次に、図2、図3、及び図6〜図8を参照し、キャップ機構40の構成について説明する。
キャップ機構40は、キャップ部材41及びキャップ昇降機構50を含む。キャップ部材41は、一体的に形成されたリップ部材42、ダイアフラム43及び取付部44と、ホルダ45とを有する。リップ部材42,ダイアフラム43及び取付部44は、ゴム(例えば、ブチルゴム)などの弾性材料からなる。
リップ部材42は、環状に形成されており、図3に示すように、流路ユニット12の周囲を取り囲む。また、リップ部材42は、下方に向かって先細りの断面形状を有している。取付部44も、環状に形成されている。取付部44の長手方向に延在する長尺部は、図3に示すように、流路ユニット12の側面上端部に固定されている。取付部44の短手方向に延在する短尺部は、図6に示すように、第1水平部10aと突出部39との間に挟まれ、接着剤によって突出部39に接着されている。なお、取付部44の長尺部の両端部(サイドカバー33と対向する部分)も、短尺部と同様に、接着剤によって突出部39に接着されている。
ダイアフラム43は、環状に形成されており、リップ部材42と流路ユニット12との間に張り渡されている。より具体的には、ダイアフラム43は、可撓性を有した薄膜部材であって、外周端がリップ部材42の内周面に接続し、内周端が取付部44の下面に接続している。これにより、リップ部材42と流路ユニット12との間が塞がれている。
ホルダ45は、図2に示すように、環状に形成されており、リップ部材42の上端に固定されている。なお、キャップ部材41は、ヘッド1と同様に、平面視において、長手方向に沿って長尺な矩形状の輪郭を有している。
ホルダ45の長手方向に沿う長尺部のそれぞれには、図2及び図3に示すように、2つのフック48が形成されている。これらフック48は、長手方向に沿って互いに離隔し、後述するアーム52の先端部と対向している。フック48は、垂直部48aと水平部48bとを有する。垂直部48aは、ホルダ45の内側端部から上方に立設されている。水平部48bは、垂直部48aの先端部から外側に向かって水平に延在している。
キャップ昇降機構50は、リフト部材(支持機構)51と、リフト部材51をヘッド1に対して昇降させるリフト昇降機構70(スライダ71)と、キャップ部材41を下方に付勢する付勢機構61とを含む。リフト部材51は、4本のアーム52と接続部53から構成される。接続部53は、図2に示すように、平面視で四角形の平板部材で、その四隅から下方にアーム52が延びている。4本のアーム52は、2本ずつが長手方向に並んで組となり、短手方向にヘッド1を挟む。図3に示すように、長手方向から見たとき、リフト部材51はU字形状である。
アーム52の先端部には、孔52aが形成されている。孔52aは、図3に示すように、フック48の水平部48bと対向する位置において、短手方向に貫通している。孔52aは、この水平部48bよりも一回り大きく形成されている。ホルダ45(キャップ部材41)は、水平部48bを内側から孔52aに引っ掛けることで、リフト部材51に連結される。このとき、フック48と孔52aが鉛直方向に係止される。リフト部材51は、アーム52と接続部53とが一体成型されている。このとき、アーム52は、短手方向内側に互いに若干傾斜して成型されている。傾斜成型は、フック48との係止を外れにくくする。
接続部53の下面53aには、2つのフランジ54と、ローラ55とが設けられている。これらは、図7に示すように、接続部53の長手方向の中央に配置されている。フランジ54は、図3に示すように、下面53aから平行に立設された板状部材であって、短手方向に並んで配置されている。ローラ55は、短手方向に延びる軸55aを有し、フランジ54に回転可能に支持されている。ローラ55は、ヘッドカバー60の上面60aと鉛直方向に対向している。
付勢機構(付勢手段)61は、図2及び図3に示すように、ヘッド1の短手方向に直交する各側面1s2に3つ設けられている。これら付勢機構61は、長手方向に沿って互いに離隔し、且つ鉛直方向に沿ってホルダ45と対向する位置に配置されている。付勢機構61は、図3に示すように、本体62と、可動部63と、コイルバネ64とを含む。本体62は、鉛直方向に延在し側面(リザーバユニット11の側面)1s2に固定されている。また、本体62には、下方に向かって開口した凹部62aが形成されている。可動部63は、凹部62a内において鉛直方向に移動可能に配置されている。可動部63は、直方体形状を有し、鉛直方向に延在している。コイルバネ64は、凹部62a内に配置されており、可動部63を下方に付勢している。コイルバネ64の両端は、凹部62aの底面と可動部63とに接続されている。可動部63は、常にホルダ45に当接している。これにより、付勢機構61は、ホルダ45を介して常にリップ部材42を下方に付勢する。
リフト昇降機構70は、図2及び図7に示すように、スライダ(移動機構)71と、プリンタに設けられたスライダ移動機構(不図示)とで構成される。本実施形態のヘッドアセンブリ101におけるリフト昇降機構70においては、スライダ71のみが含まれ、スライダ移動機構はヘッドアセンブリ101に含まれない。なお、スライダ移動機構は、ヘッド1をプリンタに取り付けたときに、スライダ71の連結部76と連結され、制御装置の制御によってスライダ71を長手方向に移動させる。
スライダ71は、基部72と、突出部73とを有している。基部72は、長手方向に延在する板状部材で、上面60aの溝60bを短手方向に跨ぐ。溝60bは、スライダ71に対するガイド溝であって、短手方向中央を長手方向に延びている。基部72には、図7に示すように、2つのガイド72aが形成されている。これらガイド72aは、基部72の下面から下方に突出し、長手方向に互いに離隔して配置されている。短手方向に関して、ガイド72aの幅は溝60bよりも若干小さい。また、ガイド72aの突出量は、溝60bの深さよりも若干小さい。
基部72の下面には、下方(上面60a)に向かって開口した凹部72bが形成されている。凹部72bは、図8に示すように、短手方向に関して、溝60bよりも長く基部72よりも短い。ローラ75は、凹部72bの短手方向に対向する2つの側壁に、軸75aを介して回転可能に支持されている。ローラ75は、基部72の下面から下側に若干飛び出している。これにより、ローラ75がスライダ71を支持し、スライダ71の長手方向の移動がスムーズになる。なお、ローラ75は、長手方向に互いに離隔して複数設けられていてもよい。
突出部73は、図7に示すように、基部72の上面から上方に突出し、基部72の長手方向の略中央から一端(図中右端)近傍にかけて延在している。また、突出部73は、図3及び図8に示すように、短手方向に関して、基部72の全幅に亘って突出している。突出部73の一端側側面は、図7に示すように、上面60a(吐出面10aと平行な平面)に対して鋭角に傾斜した傾斜面74である。
スライダ71を長手方向に往復移動させると、ローラ55が傾斜面74に沿って移動しリフト部材51が昇降する。このリフト部材51の昇降によって、リップ部材42がケース150の底部(対向部材)155と当接する当接位置と、底部155から離隔する離隔位置とを選択的に取る。
当接位置では、図7(b)に示すように、ローラ55が基部72の一端部上に載置される。このとき、図3に示すように、空間S1が、吐出面1aと底部(対向部材)155とに挟まれて、外部空間S2から隔離された封止状態となる。また、ローラ55と基部72との当接は、付勢機構61によるキャップ部材41の下方への付勢力による。このとき、付勢力によってリップ部材42(キャップ部材41)が底部155に押しつけられ、リップ部材42が弾性変形し、ローラ55が基部72に当接する(載置される)。ローラ55の基部72との当接は、リップ部材42の弾性変形量を規定する。離隔位置では、図7(a)に示すように、ローラ55が突出部73の上面上に載置される。このとき、図8に示すように、空間S1が外部空間S2に対して開放された非封止状態となる。リップ部材42の先端は、底部155から離れ、ほぼ吐出面1aと同じ高さレベルに位置する。
なお、キャップ部材41は、スライダ71を図7(b)に示す位置から図中右方に移動させて図7(a)に示す位置に移動させることで、当接位置から離隔位置に移動させることができる。このとき、ローラ55が付勢機構61の付勢力に抗して傾斜面74を上る。基部72の他端(図6中左端)には、連結部76が形成されている。連結部76は、円柱形状を有し、基部72の上面から上方に突出している。連結部76には、プリンタ本体から長手方向の変位力が与えられる。
続いて、ケース150について説明する。ケース150は、図1に示すように、上方が開口した箱形状を有し、矩形平面形状を有する底部155と、底部155の周囲4辺から鉛直方向に立設された4つの側壁151〜154とを含む。側壁151,152は、長手方向に延在し、短手方向に対向して配置されている。側壁153,154は、短手方向に延在し、長手方向に対向して配置されている。ケース150は、図9に示すように、長手方向に関して、側壁153,154の外側に把持部材90の引っ掛け部160がそれぞれ形成されている。これら引っ掛け部160の短手方向の両端には、ガイド161,162が立設されている。ガイド161,162は、取付部10が短手方向にズレないようにガイドする。
底部155の中央には、凹部156が形成されている。凹部156は、図3及び図6に示すように、吐出面1a全体及びサイドカバー33の鍔部38全体と鉛直方向に対向可能な大きさを有する。また、凹部156は、底部155のリップ部材42と当接する環状領域よりも内側に形成されている。
凹部156の底面157には、図9に示すように、4つの当接部158が形成されている。当接部158は、T字平面形状を有し、底面157から上方に向かって立設されている。当接部158は、図6に示すように、高さが凹部156の深さよりも大きく、凹部156内から若干飛び出ている。鉛直方向に関して、封止状態における当接部158と吐出面1a(鍔部38の下面)との離隔距離は、取付部10の第2水平部10bと引っ掛け部160との離隔距離よりも小さい。当接部158の一部は、凹部156の側面に繋がっている。これら当接部158は、2つ1組で、底面157の長手方向両端に分かれて配置されている。各組の当接部158は、鍔部38と鉛直方向に対向する位置に配置されている。また、各組の当接部158は、長手方向に関して、吐出面1aを挟む位置に配置されている。つまり、当接部158は、底面157の吐出面1aと対向する領域の周囲から立設されている。
このような複数の当接部158を有することで、例えば、封止状態で吐出面1aを下にしてヘッドアセンブリ101が落下して地面に衝突したときに、ヘッド1が付勢機構61の付勢力に抗して底部155側に移動しても、当接部158と鍔部38とが最も先に当接する。当接部158と鍔部38との離隔距離は、取付部10とその鉛直方向下方にあるヘッド1以外の部材(ケース150)との距離より小さく、図6に示すように、第2水平部10bと引っ掛け部160との離隔距離よりも小さい。このため、取付部10に塑性変形する程の応力が加えられるのを防ぐことが可能となる。この結果、取付部10が変形しなくなる。
さらに、ヘッドアセンブリ101が落下したときに、吐出面1aが底部155に接触しなくなって吐出面1aの損傷を防ぐことが可能となる。また、これら当接部158が、吐出面1aを長手方向に挟んで配置されて鍔部38と対向する位置に配置されているので、ヘッドアセンブリ101が落下したときに、ヘッド1は当接部158に当接した鍔部38で支持される。このため、ヘッド1が長手方向に対して傾きにくくなり、吐出面1aが底部155により接触しにくくなる。
さらに、当接部158は、鉛直方向に関して、封止状態における鍔部38との離隔距離が、リップ部材42が当接位置と離隔位置との間を移動する移動距離よりも小さくなるような、高さを有している。このため、ヘッドアセンブリ101が落下したときのヘッド1とリップ部材42との相対移動距離が、リップ部材42の移動範囲内となるため、キャップ昇降機構50に過剰な力が加わらない。この結果、リップ部材42は、底部155と当接状態が保たれ、リップ部材42も変形しない。
底部155には、8つのガイド部材159が立設されている。これらガイド部材159は、短手方向に互いに対向する2つのガイド部材159を1組として、長手方向に4組配置されている。これらガイド部材159は、短手方向に延在するとともに、各組の一方のガイド部材159は側壁151に繋がり、他方のガイド部材159は側壁152に繋がっている。
各組のガイド部材159は、図3に示すように、短手方向に関して、リップ部材42の長手方向に沿う長尺部と対向し、且つ、底部155のリップ部材42と当接する領域よりも外側に配置されている。より詳細には、ガイド部材159は、短手方向に関して、その内側端部がリップ部材42と近接しているものの、リップ部材42を底部155に当接させた時(空間S1が封止状態となったとき)においてはリップ部材42から離隔している。ガイド部材159の内側端部とリップ部材42との離隔距離は、封止状態の空間S1の圧力が所定圧力(リップ部材42が底部155から離隔するまでの上限値)となる時に、リップ部材42の外側面42aと当接可能に設定されている。このため、空間S1の圧力が所定圧力未満の場合は、リップ部材42とガイド部材159とは短手方向に離隔している。
把持部材(規制部材)90は、図6に示すように、上水平部91と、下水平部92と、連結部93とを有する。各水平部91,92は、矩形平面形状を有する板状部材である。連結部93は、各水平部91、92の端部同士を接続し、ケース150内で底部155と所定の位置関係に配置されている。リップ部材42は、コイルバネ64により常に下方に付勢され、プリンタ内にあっては、ローラ55と基部72との当接によって下方への変位量が規制されている。しかし、ケース150内にあっては、鉛直方向上方に位置する上水平部91と第2水平部10bとの当接によって、リップ部材42の下方への変位量が規制されている。上水平部91が、第2水平部10bを介して、コイルバネ64の付勢力を受け止める。このように、リップ部材42が底部155と当接し、第2水平部10bが上水平部91と当接することで、ケース150内にヘッド1が保持されている。取付部10を引っ掛け部160に挟み込んだ際、取付部10に過剰な応力が生じない。
なお、上水平部91及び第2水平部10bの対は、ローラ55と基部72の対に代わって、リップ部材42の変位量の規制を行うので、ローラ55と基部72の対よりも大きな付勢力を受ける。ヘッド1は、ケース150内に安定して収納される。このとき、ローラ55と基部72の対は、若干の間隙を介して対向することになる。
ヘッドアセンブリ101の組み立て方法について説明する。まず、ヘッド1に保存液が充填される。この後、ヘッド1は、リップ部材42が当接位置にある状態(すなわち、スライダ71が図7(b)に示す位置に配置された状態)とされる。この状態のヘッド1が、吐出面1aと底部155とが対向するように、ケース150内に収容される。そして、把持部材90で、ヘッド1の取付部10の第2水平部10bと、ケース150の引っ掛け部160とが挟み込まれる。このとき、図6に示すように、鍔部38と当接部158との鉛直方向の離隔距離が、所定距離となるように保たれている。こうして、ヘッドアセンブリ101が組み立てられる。この後、ヘッドアセンブリ101は、図示しない梱包材によってその周囲が覆われ、輸送及び保管可能状態となる。
以上に述べたように、本実施形態によるヘッドアセンブリ101によると、封止状態において空間S1の圧力が上昇しても、所定圧力を超えるまでにリップ部材42がガイド部材159と当接するので、リップ部材42が外側に広がるのを抑制することが可能となる。このため、リップ部材42がケース150の底部155から離れにくくなる。この結果、封止状態が維持され、吐出口108近傍の液体の乾燥を抑制することが可能となる。
ガイド部材159は、封止状態において空間S1の圧力が所定圧力以上に上昇したときだけ、リップ部材42と当接する。このため、リップ部材42がガイド部材159との当接によって損傷しにくくなる。また、ガイド部材159は、短手方向に関して、リップ部材42を外側から挟むように2つ設けられている。これにより、封止状態において空間S1の圧力が上昇しても、リップ部材42が外側により広がりにくくなる。
ガイド部材159は、長手方向に沿って2以上設けられている。これにより、封止状態において空間S1の圧力が上昇しても、リップ部材42が外側により広がりにくくなる。また、ガイド部材159は、底部155と一体的に形成されている。これにより、部品数が少なくなる。
また、取付部10が補強部21によって補強されているため、例えば、封止状態で吐出面1aを上にしてヘッドアセンブリ101が落下したときに、取付部10の第2水平部10bに応力が生じても、当該第2水平部10bが変形しにくくなる。
続いて、本発明の第2実施形態であるプリンタ(液体吐出装置)201について、図10〜図12を参照しつつ以下に説明する。なお、上述のヘッドアセンブリ101と同様なものについては、同符号で示し説明を省略する。
先ず、図10を参照し、本発明に係る液体吐出装置の一実施形態としてのインクジェットプリンタ201の全体構成について説明する。
プリンタ201は、直方体形状の筐体201aを有する。筐体201aの天板上部には、排紙部231が設けられている。筐体201aの内部空間は、上から順に空間A,B,Cに区分できる。空間A,Bには、給紙部201cから排紙部231に至る用紙搬送経路が形成されている。空間Aでは、用紙Pへの画像形成と、用紙Pの排紙部231への搬送が行われる。空間Bでは、用紙Pの搬送経路への給紙が行われる。空間Cからは、空間Aのヘッド1に対してインクが供給される。
空間Aには、ブラックインクを吐出するヘッド1、用紙センサ232、搬送機構208、キャップ機構(キャップ手段)40、加湿動作に用いられる加湿機構250(図12参照)、及び、制御装置200等が配置されている。
ヘッド1は、支持フレーム280を介して筐体201aに支持されている。具体的には、ヘッド1は、第2水平部10bがネジなどで支持フレーム280に固定されている。支持フレーム280は、第2水平部10bを下方から支えて、ヘッド1の吐出面1aとプラテン205の上面205aとの間に記録に適した所定の間隙が形成される。
用紙センサ232は、搬送される用紙Pの先端を検出する。検出信号は、制御装置200に出力される。制御装置200では、検出信号に基づいて、画像形成時のヘッド1からのインク吐出タイミングが設定される。
搬送機構208は、用紙Pをガイドする2つのガイド部209a,209bと、ヘッド1と対向するプラテン5とを含んでいる。2つのガイド部209a,209bは、プラテン205を挟んで配置されている。搬送方向上流側のガイド部209aは、3つのガイド218aと3つの送りローラ対222〜224とを有し、給紙部201cとプラテン205とを繋ぐ。そして、ガイド部209aは、画像形成用の用紙Pをプラテン205に向けて搬送する。プラテン205は、矩形平面形状を有する板状部材であって、キャップ部材41よりも一回り大きな平面サイズを有する。搬送方向下流側のガイド部209bは、3つのガイド218bと4つの送りローラ対225〜228とを有し、プラテン205と排紙部231とを繋ぐ。画像形成後の用紙Pが、排紙部231に向けて搬送される。
空間Bには、給紙部201cが配置されている。給紙部201cは、給紙トレイ220及び給紙ローラ221を有する。このうち、給紙トレイ220が、筐体201aに対して着脱可能である。給紙トレイ220は、上方に開口する箱であり、複数の用紙Pを収納する。給紙ローラ221は、給紙トレイ220内で最も上方にある用紙Pを送り出す。
ここで、副走査方向とは、用紙Pが送りローラ対223〜225によって搬送される搬送方向D(図10中矢印D方向)と平行な方向であり、主走査方向とは、水平面に平行且つ副走査方向に直交する方向である。なお、上述のヘッドアセンブリ101における長手方向と本実施形態おける主走査方向が対応しており、短手方向は副走査方向と対応している。
空間Cには、ブラックインクを貯留するカートリッジ204が筐体201aに対して着脱可能に配置されている。カートリッジ204は、チューブ(不図示)を介してヘッド1と接続され、当該ヘッド1にインクを供給する。
次に、制御装置200について説明する。制御装置100は、プリンタ各部の動作を制御してプリンタ201全体の動作を司る。制御装置200は、外部装置(プリンタ201と接続されたPC等)から供給された記録指令(画像データなど)に基づいて、画像形成動作を制御する。具体的には、制御装置200は、記録指令に基づいて、給紙部201c、ガイド部209a,209b(搬送機構208)を駆動する。給紙トレイ220から送り出された用紙Pは、上流側ガイド部209aによりガイドされプラテン205上に送られる。用紙Pは、ヘッド1の真下を副走査方向(搬送方向D)に通過する際に、制御装置200の制御により、吐出面1aからインクが吐出され、用紙P上に所望の画像が形成される。そして、画像が形成された用紙Pは、下流側ガイド部209bによりガイドされて、筐体201aの上部から排紙部231に排出される。
制御装置200は、ヘッド1の液体吐出特性の維持に係るメンテナンス動作を制御する。メンテナンス動作には、キャッピング及びアンキャッピング動作、及び、加湿動作等が含まれる。キャッピング動作では、図11に示すように、キャップ機構40のキャップ部材41により空間S1が外部空間S2から隔離される。これにより、吐出口108内のインクの乾燥が抑制される。アンキャッピング動作では、図10に示すように、キャップ部材41により、空間S1が外部空間S2に開放される。これにより、用紙Pに対して記録可能状態となる。なお、キャッピング動作は、例えば、プリンタ1の停止時や休止時に行われる。アンキャッピング動作は、例えば、記録指令を受信した時に行われる。
加湿動作では、図12に示すように、隔離された空間S1に加湿空気が供給される。このとき、空間S1内には、水蒸気が留まることになり、インクの乾燥がさらに抑制される。加湿動作は、キャッピング動作後に行われる。
本実施形態におけるキャップ機構40のリフト昇降機構70には、スライダ移動機構(不図示)が含まれる。このスライダ移動機構は、駆動モータと、駆動モータからの動力を伝達する動力伝達部とを含む。動力伝達部は、スライダ71の連結部76に接続され、制御装置200の制御により、駆動モータが駆動されることで、連結部76を介してスライダ71を主走査方向に往復移動させる。このスライダ71の往復移動により、リフト部材51が昇降する。このリフト部材51の昇降によって、キャップ部材41がプラテン5と当接する当接位置と、プラテン5から離隔する離隔位置とを選択的に取る。当接位置では、図11に示すように、空間S1が、吐出面1aとプラテン5の上面5aとに挟まれて、外部空間S2から隔離された封止状態となる。また、離隔位置では、図10に示すように、空間S1が外部空間S2に対して開放された非封止状態となる。このようにキャップ昇降機構50が、リップ部材42を当接位置と離隔位置との間において移動させるリップ移動機構となる。
次に、加湿機構250の構成について説明する。加湿機構250は、図12に示すように、キャップ部材41及び一対の接続部39aに加え、配管55,57、ポンプ256及びタンク254などを含む。配管55の一端は左側の接続部39aに嵌合し、他端はタンク254に接続されている。一方、配管57の一端は右側の接続部39aに嵌合し、他端はタンク54に接続されている。このように、配管55、57は、空間S1とタンク254とを連通させている。
タンク254は、下部空間に加湿用の水を貯留し、且つ、上部空間に加湿された加湿空気を貯蔵している。配管57は、タンク254の下部空間(水中)と連通している。一方、配管55は、タンク254の上部空間と連通している。また、配管55の途中部位には、ポンプ256が設けられている。なお、配管57のタンク254近傍には、タンク254内の水が配管57側に流れ込まないように、図示しない逆止弁が取り付けられている。また、タンク254内の水が少なくなった場合には、図示しない水補給タンクより水がタンク254に補給される。
このような構成において、制御装置100の制御により、ポンプ256が駆動されると、図12に示すように、タンク254内の空気が白抜き矢印に沿って循環する。タンク254の上部空間の加湿空気は、開口51aから空間S1に供給される。このとき、空間S1が封止状態であると、内部の空気が加湿空気と置換されながら開口51bに向かって流れる。配管57はタンク254と水中で連通しているため、空間S1内の空気は、タンク254で加湿される。生成された加湿空気は、ポンプ256の駆動が続く間、空間S1に供給される。
また、開口51aから供給された加湿空気は、リップ部材42の開口51a側の短尺部(副走査方向に沿う部分)に沿って下方に流れ、吐出面1aとプラテン5との間に向かう。そして、リップ部材42の開口51b側の短尺部に沿って上方に流れて、開口51bから排出される。本実施形態におけるサイドカバー33の鍔部38は、主走査方向外側の端部が、リップ部材42の短尺部とそれぞれ隙間を介して対向している。このため、加湿空気は、リップ部材42の短尺部に沿った流れとなり、リップ部材42の内周面全体に沿って加湿空気が流れやすくなる。この結果、リップ部材42の内周面に増粘インクが付着していても、当該インクに水分を効果的に供給することが可能となって、封止状態における空間S1が乾燥するのを抑制することが可能となる。
支持フレーム280には、8つのガイド部材281が設けられている。これらガイド部材281は、支持フレーム280の下面(吐出面1aと平行)から下方に延在している。また、これらガイド部材281は、副走査方向に互いに対向する2つのガイド部材281を1組として、主走査方向に等間隔に離隔して4組配置されている。
各組のガイド部材281は、図11に示すように、副走査方向に関して、リップ部材42の主走査方向に沿う長尺部と対向し、且つ、プラテン5のリップ部材42と当接する領域よりも外側に配置されている。より詳細には、ガイド部材281は、副走査方向に関して、その内側端部がリップ部材42と近接しているものの、リップ部材42をプラテン5に当接させた時(空間S1が封止状態となったとき)においてはリップ部材42から離隔している。ガイド部材281の内側端部とリップ部材42との離隔距離は、封止状態の空間S1の圧力が所定圧力(リップ部材42がプラテン5の上面5aから離隔するまでの上限値)となる時に、リップ部材42の外側面42aと当接可能に設定されている。このため、空間S1の圧力が所定圧力未満の場合は、リップ部材42とガイド部材281とは副走査方向に離隔している。
以上に述べたように、本実施形態によるプリンタ201によると、封止状態において空間S1の圧力が上昇しても、所定圧力を超えるまでにリップ部材42がガイド部材281と当接するので、リップ部材42が外側に広がるのを抑制することが可能となる。このため、リップ部材42がプラテン5の上面5aから離れにくくなる。この結果、封止状態が維持され、吐出口108近傍のインクの乾燥を抑制することが可能となる。
ガイド部材281は、封止状態において空間S1の圧力が所定圧力以上に上昇したときだけ、リップ部材42と当接する。このため、リップ部材42がガイド部材281との当接によって損傷しにくくなる。また、ガイド部材281は、副走査方向に関して、リップ部材42を外側から挟むように2つ設けられている。これにより、封止状態において空間S1の圧力が上昇しても、リップ部材42が外側により広がりにくくなる。ガイド部材281は、主走査方向に沿って2以上設けられている。これにより、封止状態において空間S1の圧力が上昇しても、リップ部材42が外側により広がりにくくなる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、ガイド部材159,281は、空間S1の圧力が所定圧力を超えるまでにリップ部材42の外側面42aと当接してもよい。つまり、リップ部材42が底部155及びプラテン5と当接した時および当接するまでに、ガイド部材159,281が外側面42aと当接していてもよい。ガイド部材159,281は、副走査方向(短手方向)に関して、リップ部材42を外側から挟んでいなくてもよい。また、ガイド部材159,281は、主走査方向(長手方向)に複数設けられていなくてもよい。また、ガイド部材159は、底部155と一体的に形成されていなくてもよい。
底部155には、当接部158が設けられていなくてもよい。また、当接部158は、取付部10以外ヘッド1の一部であればどこと当接してもよい。この場合、鍔部38が形成されていなくてもよい。取付部10は、第1水平部10aと垂直部10cとに代えて、側面1s1から斜め上方に延在又は湾曲し、第2水平部10bと繋がって第1部分を有していてもよい。また、上述の実施形態における把持部材(規制部材)90は、取付部10を引っ掛け部160で挟み込む構成であるが、規制部材としては取付部10の上方への移動を規制することが可能であれば、どのような部材であってもよい。
本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能であり、さらに、インク以外の液体を吐出させることで記録を行う液体吐出装置にも適用可能である。記録媒体は、用紙Pに限定されず、記録可能な様々な媒体であってよい。さらに、本発明は、液体の吐出方式にかかわらず適用できる。例えば、本実施の形態では、圧電素子を用いたが、抵抗加熱方式でも、静電容量方式でもよい。
1 ヘッド
1a 吐出面
5 プラテン(対向部材)
10 取付部
10a 第1水平部(第1部分の一部)
10b 第2水平部(第2部分)
10c 垂直部(第1部分の一部)
21 補強部
38 鍔部(突出部)
40 キャップ機構(キャップ手段)
41 キャップ部材
42 リップ部材
43 ダイアフラム
50 キャップ昇降機構(リップ移動機構)
51 リフト部材(支持機構)
61 付勢機構(付勢手段)
90 把持部材(規制部材)
101 ヘッドアセンブリ
108 吐出口
150 ケース
155 底部(対向部材)
158 当接部
159,281 ガイド部材
201 インクジェットプリンタ(液体吐出装置)
280 支持フレーム
S1 空間
S2 外部空間

Claims (12)

  1. 一方向に長尺なヘッドであって、液体を吐出する複数の吐出口が形成された吐出面、及び、前記一方向と直交する両側面から前記一方向にそれぞれ突出した2つの取付部を有する前記ヘッドと、
    前記吐出面と対向する対向部材と、
    弾性材料からなり前記ヘッドを取り囲む環状のリップ部材、弾性材料からなり前記リップ部材と前記ヘッドとの間を繋ぐダイアフラム、前記リップ部材を前記吐出面に対して垂直な方向に移動可能に支持する支持機構、及び、前記リップ部材が前記対向部材に近づく付勢方向に前記リップ部材を付勢する付勢手段を有するキャップ手段と、
    前記リップ部材と前記対向部材とが当接することによって前記吐出面と対向する空間が外部空間から封止される封止状態において、前記付勢方向とは逆方向への前記2つの取付部の移動を規制する規制部材と、
    前記吐出面と平行であって前記一方向に直交する直交方向に関して、前記リップ部材の前記一方向に延在する長尺部と対向するガイド部材とを備えており、
    前記ガイド部材は、前記直交方向に延在し、前記封止状態における前記空間の圧力が所定圧力を超えるまでに前記リップ部材の外側面と当接することを特徴とするヘッドアセンブリ。
  2. 前記ガイド部材は、前記封止状態において、前記空間の圧力が前記所定圧力になるときに前記リップ部材と当接し、前記所定圧力未満のときに前記リップ部材と離隔していることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアセンブリ。
  3. 前記ガイド部材は、前記直交方向に関して前記リップ部材を外側から挟むように2つ設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドアセンブリ。
  4. 前記ガイド部材は、前記一方向に沿って2以上設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘッドアセンブリ。
  5. 前記ガイド部材は、前記対向部材の前記リップ部材と当接する当接箇所の周囲から立設され、前記対向部材と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のヘッドアセンブリ。
  6. 前記対向部材は、前記垂直な方向に関して前記吐出面と対向する対向領域の周囲から前記取付部以外の前記ヘッドの一部に向かって突出し、前記一方向に関して前記リップ部材の両端よりも内側に配置された当接部を有していることを特徴とする請求項5に記載のヘッドアセンブリ。
  7. 前記ヘッドは、前記両側面の前記一方向に前記リップ部材と対向する領域からそれぞれ突出し、前記一方向に関して前記吐出面を挟む前記ヘッドの一部を構成する2つの突出部を有しており、
    前記当接部は、前記垂直な方向に関して、前記2つの突出部と対向するように2以上設けられていることを特徴とする請求項6に記載のヘッドアセンブリ。
  8. 前記取付部は、基端部が外側端部よりも下方に配置されるように前記一方向に関して前記側面から外側に延在する第1部分と、前記第1部分の前記外側端部から前記一方向に沿って外側に延在する第2部分とを有しており、
    前記第2部分は、前記封止状態において前記規制部材と当接することによってその移動が規制され、
    前記ヘッドは、前記両側面からそれぞれ前記一方向に沿って突出した補強部を有し、
    前記補強部の先端部は、前記第2部分の前記規制部材との当接箇所に隣接した内側において、前記第2部分と接合されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のヘッドアセンブリ。
  9. 一方向に長尺なヘッドであって、液体を吐出する複数の吐出口が形成された吐出面、及び、前記一方向と直交する両側面から前記一方向にそれぞれ突出した2つの取付部を有する前記ヘッドと、
    前記吐出面と対向する対向部材と、
    弾性材料からなり前記ヘッドを取り囲む環状のリップ部材、弾性材料からなり前記リップ部材と前記ヘッドとの間を繋ぐダイアフラム、前記リップ部材が前記対向部材に当接する当接位置及び前記リップ部材が前記対向部材から離隔する離隔位置の間において、前記リップ部材を移動させるリップ移動機構を有するキャップ手段と、
    前記2つの取付部を介して前記ヘッド及び前記キャップ手段を支持する支持フレームとを備えており、
    前記支持フレームは、前記吐出面と平行であって前記一方向と直交する直交方向に関して、前記リップ部材の前記一方向に延在する長尺部と対向するガイド部材を有し、
    前記ガイド部材は、前記リップ部材が当接位置に配置され前記吐出面と対向する空間が外部空間から封止される封止状態において、前記空間の圧力が所定圧力を超えるまでに前記リップ部材の外側面と当接することを特徴とする液体吐出装置。
  10. 前記ガイド部材は、前記封止状態において、前記空間の圧力が前記所定圧力になるときに前記リップ部材と当接し、前記所定圧力未満のときに前記リップ部材と離隔していることを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
  11. 前記ガイド部材は、前記直交方向に関して前記リップ部材を外側から挟むように2つ設けられていることを特徴とする請求項9又は10に記載の液体吐出装置。
  12. 前記ガイド部材は、前記一方向に沿って2以上設けられていることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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