JP2013132689A - アルミニウムブレージングシートおよびそれを用いたろう付構造体ならびにアルミニウムブレージングシートの製造方法 - Google Patents

アルミニウムブレージングシートおよびそれを用いたろう付構造体ならびにアルミニウムブレージングシートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Al−Mn系アルミニウム合金を基材とするブレージングシートの製造を容易にする。
【解決手段】質量比で、Mnを0.5〜2.0%含有し、残部が不可避不純物からなる冷間圧延アルミニウム合金基材の少なくとも一方の表面に、質量比でZnを10%以上含有するAl−Zn系合金ろう材粉末またはZn−Al系合金ろう材粉末もしくは純Znろう材粉末の一種または二種以上が非溶融のままバインダを含むことなく前記表面に圧着されているろう材層を有してブレージングシートが構成されており、本ブレージングシートを用いることで、従来のろう付温度より低い温度でろう付が可能となり、ろう付炉の省エネや本ブレージングシートを用いて製造する熱交換器の生産性向上に効果的な低温ろう付を安定して行うことが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム材の表面にろう材粉末が配置されて、ろう付けに供されるアルミニウムブレージングシートとそれを用いたろう付構造体およびアルミニウムブレージングシートの製造方法に関するものである。
アルミニウム材のろう付には、材料表面にAl−Siろう材がクラッドされたアルミニウムブレージングシートが一般的に使用されている。これらブレージングシートは、ろう材合金からなるろう材シートを予め用意し、芯材となるアルミニウム合金材とろう材シートを熱間圧延で加圧圧着するクラッド圧延法にて製造されており、前記ろう材の融点以上の温度(通常は約600℃)に加熱されるろう付熱処理により、溶融したろう材が接合部に流動することで、継手が形成される。
現在、多くの分野でAl−Mn系合金にAl−Si合金ろう材が貼り合せされたブレージングシートが広く使用されているが、近年は特にろう付炉の省エネルギーや熱交換器の生産性向上のため、従来のろう付温度より低い温度でろう付が可能な低温ろう材のニーズが高まっている。AlあるいはAl−Si合金にZn添加量を増大していくと、固相線温度は著しく低下し、低融点化するが、その一方で、延性も低下するため、圧延性が非常に悪化する。このため、前記ろう材を通常の熱間圧着圧延で芯材に貼り合せようとすると、クラッド圧延不良が発生し、熱間圧着圧延でのブレージングシートの製造は非常に困難となる。また、ろう材の融点が低いため、クラッド圧延前の加熱温度の低下も必要となり、クラッド不良やサイドクラックが発生しやすくなり、製品歩留まりの悪化を招く。さらには、芯材に比べ、ろう材の延性が著しく低いため、冷間圧延時にもクラッド率が大きくばらつくなどの問題を生じる。
そのため低融点ろう材は、合金粉末およびバインダを使用したペースト状のろう材に供給方法が限定されている(例えば特許文献1参照)。
しかし、ペーストろうを用いる方法では、熱交換器等の製造時に接合部位にろう材の塗布が必要となり、作業工数の増加によるコストアップやろう付不具合発生率が増加する要因となっている。また、ろう付によってバインダなどの残渣が発生して耐食性を低下させたり、ろう付時に有毒ガスが発生する問題がある。
そこで、このような延性の低いろう材層や芯材とろう材の延性差が大きく、通常の熱間圧着圧延が困難なブレージングシートを製造する方法として、粉末ろうを圧延ロールに通すことで基材に圧着した後、熱処理を加えて粉末ろうの密着性を向上する製造方法が示されている(特許文献2、3参照)。
特開2007-216267号公報 特開2009-148814号公報 特開2009-172619号公報
しかし、前記粉末ろうをペーストとして芯材に塗布する製造方法は延性の低いろう材層でもブレージングシートの製造は可能であるが、ブレージングシートの切断や加工時に粉末ろうが脱落しやすい問題がある。また、ろう付時も粉末ろう材の表面が酸化しやすいため、接合に有効な溶融ろうの生成や流動が阻害されやすい傾向がある。
その対策として、特許文献2,3に示される製造方法では、粉末ろうを圧着した後、加熱処理を行い、粉末ろう同士や基材との密着性を向上させているが、ろう材が溶融する温度未満の熱処理ではアルミニウム合金粉末ろうの状態は変化せず、密着性の改善効果は見られなかった。このため特許文献2、3の製造方法では、熱処理に際し、粉末ろう材の溶融が開始する温度以上に昇温することが必要となる。しかし、ろう材の融点以上に昇温を行うと、粉末ろうと基材の密着性は向上するが、熱処理時にろう材粉末中のZnやSiなどの低融点元素が芯材中に溶融拡散して、芯材とろう材の成分やクラッド率が変化するため、温度管理が非常に難しく、ブレージングシートとしての品質保証上の問題が生じる。また、ろうが溶融した後のサンプルを冷間圧延すると、芯材とろう材の延性差が大きいため、ろう材クラッド率が大きくばらつく。冷間圧延率がさらに増加すると、ろう材層に割れを生じ、表面にろう材層が存在しない部位を生じる場合もある。また、この熱処理工程はろう材層の酸化を防止するため、窒素ガスなどの非酸化雰囲気中で行うことも必要となり、設備や工程管理面からコストアップの要因となる。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、通常の熱間圧着圧延法では製造が困難な延性が低い低融点ろう材をろう材層として用いたブレージングシートにおいても、ろう材粉末の密着性ならびにろう付性に優れ、低コストで従来より低温でろう付可能なアルミニウムブレージングシートとその製造方法ならびにそれを用いたろう付接合体を供給することを目的とする。
そこで、発明者等はAl合金条の表面に低融点ろう材を粉末ろうの状態で粉末圧延法等によって、バインダを使用せずに圧着する方法でブレージングシートが作製可能なことを見い出した。前記製法であれば、圧延性が低い低融点ろう材でもクラッド材の作製が可能であり、本発明材の使用により、ろう付時の組付けの手間を省くとともに、ろう付温度の低下が図れるため、製造コストを著しく低減することが可能となる。また、基材とろう材が圧延で強固に圧着されるため、ろう付時に溶融ろうを形成しやすく、有機系のバインダも使用しないため、ろう付時に残渣や有害なガスを発生しない。
すなわち、本発明のアルミニウムブレージングシートのうち、第1の本発明は、質量比で、Mnを0.5〜2.0%含有し、残部が不可避不純物からなる冷間圧延アルミニウム合金基材の少なくとも一方の表面に、質量比でZnを10%以上含有するAl−Zn系合金ろう材粉末またはZn−Al系合金ろう材粉末もしくは純Znろう材粉末の一種または二種以上が非溶融のままバインダを含むことなく前記表面に圧着されているろう材層を有することを特徴とする。
第2の本発明のアルミニウムブレージングシートは、前記第1の本発明において、前記Al−Zn系合金ろう材粉末またはZn−Al系合金ろう材粉末が、質量比で、Siを5〜20%とZnを10%以上含有することを特徴とする
第3の本発明のアルミニウムブレージングシートは、前記第1または第2の本発明において、前記ろう材粉末の固相線温度が500℃以下であることを特徴とする。
第4の本発明のアルミニウムブレージングシートは、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記ろう材粉末は、冷間圧延によって、アルミニウム合金基材の塑性変形とともに該アルミニウム合金基材に圧着されたものであることを特徴とする。
第5の本発明のアルミニウムブレージングシートは、前記第1〜第4の本発明のいずれかにおいて、前記アルミニウム合金基材が、質量比で、さらにCuを0.1〜1.5%、Siを0.1〜1.2%含有することを特徴とする。
第6の本発明のろう付構造体は、当該ろう付構造体の一部に、第1〜第5のいずれかの発明のブレージングシートが使用され、前記ろう材層を介したろう付によって接合されていることを特徴とする。
第7の本発明のアルミニウムブレージングシートの製造方法は、質量比で、Mnを0.5〜2.0%含有し、残部がAlと不可避不純物からなるアルミニウム合金基材の少なくとも一方の表面に、質量比でZnを10%以上含有するAl−Zn系合金ろう材粉末またはZn−Al系合金ろう材粉末もしくは純Znろう材粉末の一種または二種以上を保持し、前記ろう材粉末を保持した前記アルミニウム合金基材を冷間圧延して該アルミニウム合金基材の表面に前記ろう材粉末を非溶融のままバインダを含むことなく圧着してろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを得ることを特徴とする。
第8の本発明のアルミニウムブレージングシートの製造方法は、前記第7の発明において、前記ろう材粉末の保持は、前記アルミニウム基材の表面に前記ろう材粉末を付着させロールで圧下して予備圧着したものであることを特徴とする。
以下、本発明における限定の理由について説明する。
アルミニウム合金基材
(Mn:0.5〜2.0%)
ブレージングシートの基材となるアルミニウム合金は、少なくともMnを0.5〜2.0%含有するAl−Mn系合金とする。Mnは、素地中にAl−Mn系化合物として分散し、耐食性を低下させることなく強度を向上させる作用があるが、その含有量が0.5%未満では所望の効果が得られず、一方、2.0%を越えて含有すると粗大な化合物により鋳造性や圧延などの加工性が低下するので好ましくない。したがって、Mn含有量を0.5〜2.0%に定めた。Mn含有量の一層好ましい範囲は0.8〜1.7%である。
(Cu0.1〜1.5%)
アルミニウム合金基材には、所望によりさらにCuを含有させることができる。Cuは、素地中に固溶して強度を向上させ、また芯材の電気化学的性質を貴にし、ろう材層との電位差を大きくし、ブレージングシートの耐食性を向上させる作用を有するが、0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.5%以上添加すると、粒界腐食が発生しやすくなり、かえって耐食性が低下するので好ましくない。したがって、Cu含有量を0.1〜1.5%に定めた。Cu含有量の一層好ましい範囲は0.3〜0.8%である。
(Si0.1〜1.2%)
アルミニウム合金基材には、所望によりさらにSiを含有させることができる。Siは、Mnと共存させることによりAl−Mn−Si化合物となって素地中に分散、あるいは固溶して強度を向上させる作用を有するが、0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、1.2%を越えて含有させると、粒界腐食を発生しやすくし、耐食性を低下させるため好ましくない。したがって、Si含有量を0.1〜1.2%に定める。Si含有量の一層好ましい範囲は0.4〜1.0%である。
ろう材粉末
(Zn:10%以上)
本発明では、ろう材粉末として、質量比で少なくともZnを10%以上含有するAl−Zn系合金ろう材粉末またはZn−Al系合金ろう材粉末もしくは純Znろう材粉末の一種または二種以上が用いられる。Al−Zn系合金は、Alを主成分(50%以上)とし、Zn−Al系合金はZnを主成分(50%以上)とするものである。
本願発明では、Znを10%以上含有するろう材または純Znろう材を用いることで、ろう付温度を十分に低下させることができる。Znの含有量が10%未満であると、ろう付温度を十分に低下させることが困難になる。
(Si:5〜20%)
Al−Zn系合金ろう材粉末またはZn−Al系合金ろう材粉末は、上記Znの他は残部がAlと不可避不純物であってもよいが、さらに、Siを5〜20%含有するものであってもよい。
Siは生成する溶融ろうの流動性を高めたり、ろう材層の電位を調整する効果を有している。
(固相線温度:500℃以下)
上記ろう材粉末は、さらに固相線温度が500℃以下であるのが望ましい。固相線温度が500℃以下であることにより、十分に低い温度においてろう付が保証される。固相線温度が500℃を超えると、ろう付炉の省エネや熱交換器の生産性向上に効果的な低温でのろう付が保証されなくなる。
なお、固相線温度が350℃を下回るとろう付時に均熱を維持するのが難しくなり、局所的に母材侵食が発生しやすくなるため、固相線温度は350℃以上であるのが望ましい。
上記ろう材粉末の大きさは、本発明としては特に限定されるものではないが、Al−Zn系合金ろう材粉末またはZn−Al系合金ろう材粉末の場合は平均粒径が10〜100μm、純Zn粉末の場合は平均粒径10μm以下を好適例として示すことができる。
Al−Zn系合金ろう材粉末またはZn−Al系合金ろう材粉末は圧着圧延時に塑性変形し、固着力が増大するため、比較的粗大な粉末が望ましく、微細になりすぎると表面積が増大し、ろう付性が低下する。一方、純Zn粉末は圧着圧延時にほとんど塑性変形しないため、微細なほどアルミ基材との密着性が向上する。
ろう材粉末の保持
本発明の好適な製造方法では、アルミニウム合金基材の少なくとも一方の表面に、上記ろう材粉末が保持されて冷間圧延が施される。
ろう材粉末の保持方法は本発明としては特に限定されるものではなく、塗布などにより行うことも可能であるが、安定した保持のためにはローラを用いた予備圧着が望ましい。予備圧着によってろう材粉末が安定して保持され、その後の冷間圧延時にろう材粉末が圧延ロールに付着したり、脱落することなく、圧延によって均一に拡がるため、均質な状態のろう材層が得られやすくなる。なお、予備圧着で一度に大きな圧下を加えると、粉末ろう材が局所的に芯材に圧入され、ろう材層の厚みにバラツキを生じやすくなるため、予備圧着時はあまり高圧下とせず、圧延率を35%以下とすることが望ましい。
冷間圧延
粉末ろうを圧着したままでは基材への粉末の密着性が低く、ブレージングシートを切断ならびに成形加工する際に粉末ろうの脱落が問題となる。粉末ろうをアルミニウム基材表面に保持した状態で、冷間圧延を実施すると粉末の密着性が向上し、加工時の脱落が著しく低減する。また、ろう付時に粉末ろう表面の酸化を抑制し、溶融ろうを生成しやすくする効果もある。さらに純Znを粉末ろうとして用いた場合、熱処理時にZnがAl基材中に拡散することで溶融ろうが形成されるが、冷間圧延により基材とZn粉末の密着性が向上するため、溶融ろうが非常に生成しやすくなり、未反応ろう材粉末の低減やろう付性向上効果を得ることができる。
なお、冷間圧延率が高いほど優れた効果が得られるが、密着性向上のためには圧延率50%以上の冷間圧延を、さらに良好な密着性を得るには75%以上の冷間圧延を実施するのが望ましい。
以上説明したように、本発明によれば、質量比で、Mnを0.5〜2.0%含有するAl−Mn系アルミニウム合金基材の少なくとも一方の表面に、質量比でZnを10%以上含有するAl−Zn系合金ろう材粉末またはZn−Al系合金ろう材粉末もしくは純Znろう材粉末の一種または二種以上が非溶融のままバインダを含むことなく、冷間圧延により前記表面に圧着されているアルミニウムブレージングシートの供給が可能であり、本ブレージングシートを用いることで、従来のろう付温度より低い温度でろう付が可能となり、ろう付炉の省エネや熱交換器の生産性向上に効果的な低温ろう付を安定して行うことが可能となる。
本発明の一実施形態におけるアルミニウムブレージングシートの製造工程を示す図である。 同じく、ろう材粉末が圧着されたアルミニウムブレージングシートの概念図を示すものである。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本発明のブレージングシートを製造する工程を示すものであり、粉末ろうの予備圧着圧延装置1の概略および冷間圧延装置10の概略が示されている。
予備圧着圧延装置1はクラッド層形成用ろう材粉末2を貯蓄するホッパ2a、2bと、ホッパ2a、2bからクラッド層形成用ろう材粉末2を後述する圧延ローラ5a、5bの周面に供給する供給配管3a、3bと、供給されたクラッド層形成用ろう材粉末2とアルミニウム合金基材100とを圧延する圧延ローラ5a、5bと、圧延ローラ5a、5bの周面に供給されたクラッド層形成用粉末の圧延ローラ間への供給量を調節する調節ローラ4a、4bと、圧延後のブレージングシート中間品110を巻き取る回収ローラ7とを有する。図中6は、方向転換ローラである。
クラッド層形成用ろう材粉末2としては、質量比でZnを10%以上含有するAl−Zn系合金ろう材粉末またはZn−Al系合金ろう材粉末もしくは純Znろう材粉末の一種または二種以上が好適に用いられる。
圧延ローラ5a、5bは、供給配管3a、3bの下方に一対となって設けられる。また、圧延ローラ5a、5bは互いの周面が所定の間隔で平行対峙するように配置される。そして、圧延ローラ5a、5bは回転駆動機構によって回転することにより、所定の加圧力を付与し、圧延ローラ5a、5b間に挿入されるアルミニウム合金基材100とクラッド層形成用ろう材粉末22を予備圧着圧延する構造となっている。
調節ローラ4a、4bは、軸方向長さが、圧延ローラ5a、5bの軸方向全長に渡り、圧延ローラ5a、5bの周面上方に設けられる。調節ローラ4a、4bは、調節ローラ4a、4bと圧延ローラ5a、5bとの互いの周面が所定の間隔で対峙するように配置される。そして、調節ローラ4a、4bを所定の速度で回転させることで、圧延ローラ5a、5b間へのクラッド層形成用ろう材粉末22の供給量を調節する機構となっている。
冷間圧延装置10は、予備圧着圧延装置1で製造されたブレージングシート中間品110を冷間圧延してブレージングシート120を得るものである。冷間圧延装置10には、ブレージングシート中間品110を冷間圧延する圧延ローラ11、12が対峙して設置されており、該圧延ローラ11、12間にブレージングシート中間品110を通して該ブレージングシート中間品110を所定の圧下率で圧下する。
続いて、予備圧着圧延装置1の動作を説明するとともに、本発明ブレージングシートの製造方法について述べる。
予備圧着圧延装置1は、ホッパ2a、2bに貯蔵されたクラッド層形成用ろう材粉末2を供給配管3a、3bに供給し、当該供給配管3a、3bを介してクラッド層形成用粉末2を圧延ローラ5a、5aの周面に連続的に供給する。
圧延ローラ5a、5bの周面に供給されたクラッド層形成用ろう材粉末2は圧延ローラ5a、5bの周面と所定の間隔で回転駆動する調節ローラ4a、4bによって、一定の厚さに調整されることによって供給量が制御され、圧延ローラ5a、5bの周面に供給される。
そして、圧延ローラ5a、5bの周面に供給されたクラッド層形成用ろう材粉末2は圧延ローラ5a、5bの回転駆動によって圧延ローラ5a、5bの間に上方から下方へ挿通されて搬送されるシート状のアルミニウム合金基材100と圧延され、コイル状に巻き取られる。当該圧延によって、クラッド層形成用ろう材粉末2はアルミニウム合金基材100の表面に固着されてアルミニウム合金基材100の両面にそれぞれ、ろう材層101、102が形成されてブレージングシート中間品110が回収ローラ7に巻き取られた状態で得られる。なお、アルミニウム合金基材100は、Mnを0.5〜2.0%含有するAl−Mn系合金で構成されている。
その後、回収ローラ7に巻き取られたブレージングシート中間品110を圧延ローラ11、12の上流側に設置し、該圧延ローラ11、12間にブレージングシート中間品110を挿通して、好適には50%以上の圧下率で圧延し、回収ローラ13に本発明のブレージングシート120として巻き取る。冷間圧延を実施することにより、ろう材層101、102のアルミニウム合金基材100への密着力を高めたり、粉末ろう材同士のすき間をなくすことで良好なクラッド材が形成される。
上記ブレージングシート120の断面顕微鏡写真の模式図を図2(a)(b)に示す。
図2(a)は、アルミニウム合金基材としてAl−Mn系合金基材、ろう材粉末としてZn−Al系合金粉末を用いたものである。アルミニウム合金基材の表面に、一様にZn−Al系合金粉末ろう材層が形成されている。ろう材粉末は、冷間圧延によってアルミニウム基材側に強く密着しており、一部に塑性変形が見られる。図2(b)は、アルミニウム合金基材としてAl−Mn系合金基材、ろう材粉末としてZn粉末を用いたものである。アルミニウム合金基材の表面に、一様にZn粉末ろう材層が形成されている。ろう材粉末は、冷間圧延によって塑性変形することなくアルミニウム合金基材側に強く密着している。
なお、本発明のブレージングシートはいずれの板厚にも適用可能であるが、特に板厚1mm以下のブレージングシート(全厚)の製造に好適に用いることができる。
以上、本発明に好適な実施形態の一例を示したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、ろう材の付与についても基材の片面のみ、あるいは両面に形成する構成としても良く、両面に異なる成分の粉末ろう材層を形成しても良い。
以下に、本発明の実施例を記載する。
表1、2に示す組成のアルミニウム合金基材(残部がAlと不可避不純物)と、同じく表1、2に示すろう材粉末とを前記実施形態の粉末ろう圧着圧延法により、前記アルミニウム合金基材の両面に付与したブレージングシートを作製した。ろう材粉末の圧着圧延は室温(20℃)で実施し、アルミニウム合金基材の両面に同じ厚さで付与されるように調整を行った。予備圧着圧延では、ろう材粉末が幾らかは圧下される程度に圧延した。したがって、圧延率は25%よりも小さくなっている。ろう材粉末が予備圧着された中間品サンプルは、その後、各種圧延率で冷間圧延を実施し、板厚0.3mmのサンプルとした。粉末ろう材層の厚さは全板厚に対して、両面ともクラッド率5%狙いとした。
クラッド圧延性の評価
クラッド圧延性は前記粉末ろう圧着圧延法にて、下記評価基準にて評価を行なった。
また、比較例ならびに参考例として、従来の粉末ろう圧着圧延法や通常実施される熱間圧着圧延法で作製した場合の結果を表1、2に合せて記載した。
○:クラッド圧延可能
△:クラッド圧延はできたが、一部でろう材の剥離や圧着不良が発生
×:クラッド圧延不可
クラッド率の安定性
クラッド圧延実施後に、各種圧延率で冷間圧延を実施し、任意部について断面観察を実施し、ろう材クラッド率の状態を観察した。ろう材クラッド率の最大値と最小値を測定し、以下の判定基準により評価を実施し、評価結果を表1、2に示した。
○:最大クラッド率と最小クラッド率の差4%未満
△: 〃 4〜6%未満
×: 〃 6%以上
粉末ろうの密着性
作製したブレージングシートをハンドシャーにて切断し、切断面近傍の粉末ろうの剥離状態を以下の判定基準により評価を実施し、評価結果を表1、2に示した。
◎:切断面で粉末ろうの剥離なし
○:切断面のごくわずかの部位で剥離が発生(品質上問題ないレベル)
△:切断面の半分程度で剥離が発生
×:切断面全域にわたり剥離が発生
ろう付性
ろう付け対象部材としてJIS3003合金、H14のアルミニウムベア材(板厚0.07mm)をフィンピッチ3mmにコルゲート成形したフィン材を準備した。長さ30mmに切断したフィン材を作製したブレージングシートで挟んで固定し、ろう付性評価用サンプルとした。本サンプルにセシウムフラックス(CsF-AlF)を4g/m塗布し、窒素ガス雰囲気中(酸素含有量20ppm)のろう付け炉にて、所定の温度まで加熱した後に冷却を行い、その接合状態でろう付性を評価した。ろう付性は、以下の式にてフィンの接合率を求め、その優劣で評価した。
フィン接合率(%)=(フィンとチューブの総ろう付け長さ/フィンとチューブの総接触長さ)×100
ろう付け性判定は、ろう付け後のフィン接合率によって行い、その結果を表1、2に示した。
◎:95%以上、
○:85%以上、
△:80%以上、
×:80%未満
Figure 2013132689
Figure 2013132689
1 予備圧着圧延装置
2 クラッド層形成用ろう材粉末
10 冷間圧延装置
100 アルミニウム合金基材
101 ろう材層
102 ろう材層
110 ブレージングシート中間品
120 ブレージングシート

Claims (8)

  1. 質量比で、Mnを0.5〜2.0%含有し、残部が不可避不純物からなる冷間圧延アルミニウム合金基材の少なくとも一方の表面に、質量比でZnを10%以上含有するAl−Zn系合金ろう材粉末またはZn−Al系合金ろう材粉末もしくは純Znろう材粉末の一種または二種以上が非溶融のままバインダを含むことなく前記表面に圧着されているろう材層を有することを特徴とするアルミニウムブレージングシート。
  2. 前記Al−Zn系合金ろう材粉末またはZn−Al系合金ろう材粉末が、質量比で、Siを5〜20%とZnを10%以上含有することを特徴とする請求項1記載のアルミニウムブレージングシート。
  3. 前記ろう材粉末の固相線温度が500℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウムブレージングシート。
  4. 前記ろう材粉末は、冷間圧延によって、アルミニウム合金基材の塑性変形とともに該アルミニウム合金基材に圧着されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウムブレージングシート。
  5. 前記アルミニウム合金基材が、質量比で、さらにCuを0.1〜1.5%、Siを0.1〜1.2%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のブレージングシート。
  6. 当該ろう付構造体の一部に請求項1〜5のいずれかに記載のブレージングシートが使用され、前記ろう材層を介したろう付によって接合されていることを特徴とするろう付構造体。
  7. 質量比で、Mnを0.5〜2.0%含有し、残部がAlと不可避不純物からなるアルミニウム合金基材の少なくとも一方の表面に、質量比でZnを10%以上含有するAl−Zn系合金ろう材粉末またはZn−Al系合金ろう材粉末もしくは純Znろう材粉末の一種または二種以上を保持し、前記ろう材粉末を保持した前記アルミニウム合金基材を冷間圧延して該アルミニウム合金基材の表面に前記ろう材粉末を非溶融のままバインダを含むことなく圧着してろう材層を有するアルミニウムブレージングシートを得ることを特徴とするアルミニウムブレージングシートの製造方法。
  8. 前記ろう材粉末の保持は、前記アルミニウム基材の表面に前記ろう材粉末を付着させロールで圧下して予備圧着したものであることを特徴とする請求項7記載のアルミニウムブレージングシートの製造方法。
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