JP2013132489A - 治療計画装置および粒子線治療システム - Google Patents

治療計画装置および粒子線治療システム Download PDF

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Abstract

【課題】スキャニング法を用いる治療線治療において、標的に照射される粒子ビームが通過する経路上の構造を考慮した上で、飛程の変動を補償するマージン付き標的領域を生成することができる治療計画装置および粒子線治療システムを提供する。
【解決手段】標的への粒子ビームの経路上の構造から、経路上のエネルギー損失量を基準とした標的領域を生成し、この領域に対してマージンを付与した後、元の座標に変換することで、飛程変動を補償することのできるマージンが付与された標的領域を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は治療計画装置および粒子線治療システムに係り、特に、陽子および炭素イオン等の荷電粒子ビームを患部に照射して治療する粒子線治療システムに用いる治療計画装置に関する。
粒子線治療は、標的となる腫瘍細胞に対して粒子線を照射することによって治療を行う。放射線を用いる治療の中ではX線が最も広く利用されているが、標的への線量集中性が高い陽子線や炭素線に代表される粒子線を利用した治療への需要が高まっている。
粒子線治療の特長は、腫瘍領域に集中した線量を付与することが可能である点にある。これまでに広く用いられてきた方法は散乱体法と呼ばれる。散乱体法では、初めに加速器から取り出したビームを散乱体を通過させ散乱させることで標的を覆うのに十分なサイズになるまで一様に拡げる。その後、コリメータやボーラスといった器具で横方向の形状や深さ方向のピーク位置を調整し、標的形状に高線量領域を合致させる手法である。
一方で、腫瘍領域に線量を集中させる別の方法として、スキャニング法の利用が広がりつつある。これは細い粒子ビームを、腫瘍内部を塗りつぶすように照射することで腫瘍領域にのみ高い線量を付与するという方法である。分布を腫瘍形状に成型するためのコリメータ等の患者固有の器具が基本的に必要なく、様々な分布を形成できる。
腫瘍内部の任意の位置を照射するために、スキャニング法では、ビームの到達深さ(飛程)の制御と、ビーム進行方向と垂直な面内(横方向)での照射位置制御が必要となる。飛程の制御は、加速器、あるいは飛程変調体によりエネルギーを変化させることで行う。横方向の制御は、二組の走査電磁石によりビーム進行方向を偏向させ、平面内の任意の位置に導くことで行う。
散乱体法でも、スキャニング法でも、標的へ必要な線量を与えるための照射方向や、ビームエネルギー、あるいはコリメータやボーラスといった器具形状は、医師、あるいは専門の技師が治療計画装置を用いて選定する。治療計画装置は体内の線量分布を条件に従って算出し、計算結果を表示することで医師が妥当と考えられる計画を選択するのを支援する。
そのため、治療計画装置に十分な計算精度が求められる。しかし、正しく計算された計画であっても、照射時に計画通りの照射が行われない可能性は常に存在する。主な要因としては、内的要因と外的要因が挙げられる。内的要因は、腫瘍を含む臓器の変形、移動に加えて、呼吸や心拍等による移動がある。外的要因には、患者設置時の誤差や、ビーム照射時のずれがある。
計画通りの照射がなされない場合、正常組織への過剰な照射や、線量不足による腫瘍の再発が起こる可能性がある。これに対処するため、照射の精度を向上させるのと同時に、上に挙げたような不確定性の影響をできる限り排除するための対策が必要となる。
その一つに、標的領域にマージンを加える方法がある。標的となる腫瘍部分を覆うのに必要な領域よりもわずかに広い範囲に照射を行うことで、腫瘍位置や照射位置に小さな変動が生じたとしても、大きな線量を付与したい腫瘍の部分が確実に照射されることを保証するものである。例えば、特許文献1にあるように、マージンを含む照射標的は、元の標的よりも大きめに定められる。スキャニング法においても、非特許文献1のように、元の標的を覆うように大きめのマージン付き領域が設定される。
マージンとは異なるが、散乱体法においてこれに相当するものが、ボーラスのスメアという考え方である。散乱体法ではボーラスの挿入によって各照射位置での飛程を制御し、腫瘍位置でビームが停止するように設計される。例えば、非特許文献2にあるように、ボーラスのスメアの目的の一つは、腫瘍位置の変化や位置決め時の誤差による飛程変動の結果、ビーム停止位置が腫瘍の最深部まで届かなくなることを防ぐことにある。標的形状に合わせて定められたボーラスの厚みに対して、その周囲の点で最も薄いボーラス厚み(すなわち、ビームが最も深くまで届く厚み)に合わせてボーラス厚を薄くする。
特開2002−165894号公報
JEFF MEYER et al. , "SPOT SCANNING PROTON BEAM THERAPY FOR PROSTATE CANCER: TREATMENT PLANNING TECHNIQUE AND ANALYSIS OF CONSEQUENCES OF ROTATIONAL AND TRANSLATIONAL ALIGNMENT ERRORS", Int. J. Radiation Oncology Biol. Phys., Vol. 78, pp. 428−434, 2010. MICHAEL F. MOYERS et al., "METHODOLOGIES AND TOOLS FOR PROTON BEAM DESIGN FOR LUNG TUMORS", Int. J. Radiation Oncology Biol. Phys., Vol. 49, pp. 1429−1438, 2001.
マージンは、不確定性の要因に応じて適切な方向や量を選択する。すなわち、想定される要因ごとにマージンを付与する。マージン自体の考え方はX線を含む放射線治療に共通のものであるが、粒子線に特有な課題として、飛程に対応したマージンがある。X線と異なり、粒子線は入射エネルギーに依存して特定の位置で停止する。
このため、腫瘍よりも深い位置への影響を低く抑えることができる反面、様々な不確定性のある条件下ではビームが腫瘍の途中で停止してしまい、その先の領域に十分な線量が付与できない可能性がある。これに対処するため深さ方向にマージンを付与し、このマージン分だけ深い位置までビームを照射する。これが飛程に対応したマージンの基本的な考え方である。
飛程位置の変動の要因には、ビームエネルギーの変動、CT値を飛程に変換するときの不確定性、照射位置の変動などがある。この変動量は、腫瘍領域自体の位置だけでなく、そこに到達するまでにビームが通過する経路上の構造にも大きく左右される。例えば、骨や空気層といった密度の大きく変化する領域がビーム経路上に含まれる場合、ビームの飛程が大きく変化する可能性がある。
特許文献1あるいは非特許文献1のように、腫瘍領域全体を膨らませるようにマージンを付与した場合においても、十分な量のマージンが確保できれば想定される飛程変動にも対処は可能である。しかし、前述したように想定される飛程変動の量は腫瘍に到達するまでの経路の構造に依存するため、密度変化の大きい部分を考慮したマージン量を設定すると、密度変化の少ない部分では必要な量よりも大きいマージンが付与される。
この場合、腫瘍周囲の正常臓器への不要な照射を増加させてしまうため、腫瘍の中でも部位ごとの飛程変動量を反映させたマージンを付与することが望ましい。そのためには標的領域の形状のみならず、ビーム経路上の構造を考慮した上での計算が必要になる。
また、散乱体法では非特許文献2のように、ボーラスのスメアという考え方に基づいて腫瘍位置でビームが停止するように調整しているが、スキャニング法ではボーラスを使用しないためその技術を用いることはできない。
本発明の目的は、スキャニング法を用いる治療線治療において、標的に照射される粒子ビームが通過する経路上の構造を考慮した上で、飛程の変動を補償するマージン付き標的領域を生成することができる治療計画装置および粒子線治療システムを提供することである。
上記目的は、請求項1記載の発明、すなわち、粒子線治療を行うための治療計画を作成する治療計画装置において、通常の第1空間において粒子ビームを照射する標的となる1つ以上の第一の領域を指定するとともに、照射に必要な情報を入力するための入力装置と、前記入力装置の入力結果に基づき演算処理を行い、治療計画情報を作成する演算装置と、前記治療計画情報を表示する表示装置とを備え、前記演算装置は、前記第一の領域を、粒子ビームが前記第一の領域内の位置に到達するまでのエネルギー損失量を基準とした第2空間で表現した1つ以上の第二の領域を生成し、前記第2空間において前記第二の領域にマージンを付与し前記第二の領域を包含する第三の領域を生成し、前記第三の領域を前記第一の領域と同じ前記第1空間に変換した第四の領域を生成し、前記第四の領域を照射対象として前記治療計画情報を作成することを特徴とする治療計画装置により解決する。
また、本発明は、請求項2〜6に記載の技術的特徴を備えるものである。
例えば、第二の領域から第三の領域を生成するときのマージン量は、深さ方向、横方向などの方向ごとに入力装置を用いて操作者が指定してもよい。
また、標的の位置の不確定性に基づいて第二の領域を複数個生成し、この複数個の第二の領域の和をとることで第二の領域にマージンを付与し第三の領域を生成してもよい。このとき、標的の複数の状態を表す複数の画像情報から第一の領域を複数個生成し、この複数個の第一の領域のそれぞれから第二の領域を生成することで、第二の領域を複数個生成することができる。この方法に従えば、体内で複雑に変化する標的に対しても、十分な線量を与えることができるマージン付き領域を設定することが可能となる。
さらに、第三の領域および第四の領域の少なくとも一方を表示装置に表示してもよく、これを入力装置に関連付けることで、操作者が第三の領域または第四の領域或いはその両方の空間において、その形状を確認することや、入力装置により形状を直接編集することが可能となる。
また、上記目的は、請求項7記載の発明、すなわち、粒子ビームを加速して出射する粒子ビーム発生装置と、前記出射された粒子ビームを照射対象に照射するための照射装置と、前記粒子ビーム発生装置および照射装置を制御する照射制御装置と、前記請求項1〜6のいずれか1項記載の治療計画装置とを備え、前記照射制御装置は、前記治療計画装置が作成する前記治療計画情報を用いて前記粒子ビーム発生装置および照射装置を制御することを特徴とする粒子線治療システムにより解決する。
本発明によれば、スキャニング法を用いる治療線治療において、標的に照射される粒子ビームが通過する経路上の構造を考慮した上で、飛程の変動を補償するマージン付き標的領域を生成することができる。また、その結果、粒子ビームの照射精度を向上し、治療精度を向上することができる。
本発明の好適な第1実施例により治療計画が立案されるまでの操作の流れを表す図である。 本発明の好適な第1実施例において本発明装置の処理の流れを表す図である。 粒子線治療システム全体の構成を示す説明図である。 照射野形成装置の構成を示す説明図である。 本発明装置を含めた制御装置の構成を示す説明図である。 本発明装置の構成を示す説明図である。 CTデータのスライス内における標的領域の入力を説明する図である。 スキャニング法による標的領域に対するビーム照射の様子を示す概念図である。 図8のビーム照射の様子を2次元に簡略化した図である。 図9の三角形で示されるビーム照射範囲を抜き出して示す図であって、ビーム経路に沿った本発明装置の処理を説明するための概念図である。 図10Aと同様、ビーム経路に沿った本発明装置の処理を説明するための概念図であって、定義された経路に沿って定められた間隔ごとに水等価厚を計算する処理を説明する図である。 水等価厚空間上での本発明装置の処理を説明するための概念図である。 図11Aと同様、水等価厚空間上での本発明装置の処理を説明するための概念図であって、マージンが付与された標的領域を示す図である。 本発明によるマージンの機能を説明するための概念図である。 水等価厚空間上での本発明装置の処理を説明するための概念図であって、標的領域が左右に想定される最大量移動して形成される領域を示す図である。 図13Aと同様、水等価厚空間上での本発明装置の処理を説明するための概念図であって、マージンが付与された領域を示す図である。 本発明の好適な第2実施例により治療計画が立案されるまでの操作の流れを表す図である。 本発明の好適な第2実施例において本発明装置の処理の流れを表す図である。 通常の空間において標的領域を左右に想定される移動して2つの領域を生成した様子を示す、図10Aと同様な図である。 表示装置の操作画面上に表示された元の標的領域とマージン付きの標的領域を示す図である。 表示装置の操作画面上に表示された水等価厚空間での元の標的領域とマージン付きの標的領域を示す図である。 ボーラスのスメアと近い考え方に基づいてマージン量を定める手法を示す図9と同様な図であって、標的に至る経路上に水等価厚マップとなる仮想的な平面を配置した状態を示す図である。 水等価厚マップに対してビーム照射位置の不確定性を反映させる様子を示す図である。
<第1実施例>
本発明の好適な一実施例である治療計画装置とこの治療計画装置を備えた粒子線治療システムを図面を用いて説明する。まず、粒子線治療システムを、図3および図4を用いて説明する。
図3は、粒子線治療システムの全体構成を示す図である。図3において、粒子線治療システムは、荷電粒子ビーム発生装置301、高エネルギービーム輸送系310、回転照射装置311、中央制御装置312、メモリ313、照射制御システム314、表示装置315、照射野形成装置(照射装置)400、ベッド407、治療計画装置501を備えている。
荷電粒子ビーム発生装置301は、イオン源302、前段加速器303、粒子ビーム加速装置304から構成される。本実施例では、粒子ビーム加速装置304としてシンクロトロン型の粒子ビーム加速装置を想定するが、サイクロトロン等、他のどの粒子ビーム加速装置を用いても本発明の機能は適用できる。シンクロトロン型の粒子ビーム加速装置304は、図3に示すように、その周回軌道上に偏向電磁石305、加速装置306、出射用の高周波印加装置307、出射用デフレクタ308、および4極電磁石(図示せず)を備える。
図3を用いて、シンクロトロン型の粒子ビーム加速装置304を利用した粒子ビーム発生装置301において、粒子ビームが患者へ向けて出射されるまでを説明する。イオン源302より供給された粒子は、前段加速器303にて加速され、ビーム加速装置であるシンクロトロン304へと送られる。シンクロトロン304には加速装置306が設置されており、シンクロトロン304内を周回する粒子ビームが加速装置306を通過する周期に同期させて加速装置306に設けられた高周波加速空胴(図示せず)に高周波を印加し、粒子ビームを加速する。このようにして粒子ビームが所定のエネルギーに達するまで加速される。
所定のエネルギー(例えば70〜250MeV)まで粒子ビームが加速された後、中央制御装置312より、照射制御システム314を介して出射開始信号が出力されると、高周波電源309からの高周波電力が、高周波印加装置307に設置された高周波印加電極により、シンクロトロン304内を周回している粒子ビームに印加され、粒子ビームがシンクロトロン304から出射される。
高エネルギービーム輸送系310は、シンクロトロン304と照射野形成装置400とを連絡している。シンクロトロン304から取り出された粒子ビームは、高エネルギービーム輸送系310を介して回転照射装置311に設置された照射野形成装置400まで導かれる。回転照射装置311は、患者406の任意の方向からビームを照射するためにあって、装置全体が回転することで患者406の設置されたベッド407の周囲どの方向へも回転することができる。
照射野形成装置400は、最終的に患者406へ照射する粒子ビームの形状を整形する装置であり、その構造は照射方式により異なる。照射方式として代表的なものに、散乱体法とスキャニング法があるが、本発明はスキャニング法を対象とする。スキャニング法においては、高エネルギービーム輸送系310から輸送された細いビームをそのまま標的へ照射し、これを三次元的に走査することで、最終的に標的のみに高線量領域を形成することができる。
スキャニング法に対応した照射野形成装置400の構成を、図4に示す。図4を基に、照射野形成装置400内の機器のそれぞれの役割と機能とを簡単に述べる。照射野形成装置400は、上流側から二つの走査電磁石401および402、線量モニタ403、ビーム位置モニタ404を備える。線量モニタ403はモニタを通過した粒子ビームの量を計測する。一方、ビーム位置モニタ404は、粒子ビームが通過した位置を計測することができる。これらのモニタ403,404からの情報により、計画通りの位置に、計画通りの量のビームが照射されていることを、照射制御システム314が管理することが可能となる。
粒子ビーム発生装置301から高エネルギービーム輸送系310を経て輸送された細い粒子ビームは、走査電磁石401,402によりその進行方向を偏向される。これらの走査電磁石は、ビーム進行方向と垂直な方向に磁力線が生じるように設けられており、例えば図4では、走査電磁石401は方向405の方向にビームを偏向させ、走査電磁石402はこれに垂直な方向に偏向させる。この二つの電磁石を利用することで、ビーム進行方向と垂直な面内において任意の位置にビームを移動させることができ、標的406aへのビーム照射が可能となる。
照射制御システム314は、走査電磁石磁場強度制御装置411を介して、走査電磁石401および402に流す電流の量を制御する。走査電磁石401、402には、走査電磁石用電源410より電流が供給され、電流量に応じた磁場が励起されることでビームの偏向量を自由に設定できる。粒子ビームと偏向量と電流量との関係は、あらかじめテーブルとして中央制御装置312の中のメモリ313に保持されており、それを参照する。
スキャニング法でのビームの走査方式には二通りある。一つは照射位置の移動と停止を繰り返す離散的な方式、もう一つは連続的に照射位置を変化させる方式である。離散的に移動させるには、照射位置をある点に留めたまま、規定量のビームを照射する。この点のことをスポットと呼ぶ。続いて、一時的にビームの供給を停止させた後、次の位置へ照射できるように走査電磁石の電流量を変化させる。次の照射位置に移動後、再びビームを照射させる。この時、高速な走査が可能であれば、移動中もビームを停止させないことも可能である。
連続的に移動する方法では、粒子を照射したまま照射位置を変化させる。すなわち、電磁石の励磁量を連続的に変化させながら、照射野内全体を通過するようにビームを照射しながら移動させる。この方法における照射位置ごとの照射量の変化は、走査速度かビームの電流量、あるいはその両方を変調させることで実現する。
続いて、本発明の好適な一実施例である治療計画装置501の構成を、図5に示す。まず、治療計画装置501は、ネットワークによりデータサーバ502、中央制御装置312と接続される。治療計画装置501は、図6に示すように、入力装置602、表示装置603、メモリ604、演算処理装置605、通信装置606を備える。演算処理装置605が、入力装置602、表示装置603、メモリ(記憶装置)604、通信装置606に接続される。
ここから、治療計画装置501を用いた操作の流れを、図1および図2に沿って説明する。治療に先立ち、治療計画用の画像が撮像される。図1は操作者の操作の流れを、図2は本発明の治療計画装置501が主に演算処理装置605を使用して実施する計算内容の流れを示したものである。
治療計画用の画像として最も一般的に利用されるのはCTデータである。CTデータは、患者の複数の方向から取得した透視画像から、3次元のデータを再構成する。CT装置(図示せず)により撮像されたCTデータは、データサーバ502に保存されている。治療計画装置501は、このCTデータを利用する。治療計画立案の流れを図1により示す。まず、治療計画の立案が開始されると(ステップ101)、本装置の操作者である技師(または医師)は、入力装置602であるマウス等の機器を用いて、データサーバ502から対象となるCTデータを読み込む。すなわち、治療計画装置501は、入力装置602の操作により、通信装置606に接続されたネットワークを通じて、データサーバ502からCTデータをメモリ604上にコピーする。
CTデータの読み込みが完了すると、操作者は表示装置603に表示されたCTデータを確認しながら、入力装置602であるマウス等の機器を用いて、CTデータのスライスごとに標的として指定すべき領域を入力する。ここで入力すべき標的領域は、腫瘍細胞が存在する、あるいは存在する可能性があるために十分な量の放射線を照射すべきと判断された領域である。この領域はCTV( Clinical Target Volume )と参照されることもある。
ここで、操作者は、治療計画装置を用いて、CTVに対して十分な線量の放射線が付与できるように、ビームの照射位置やエネルギーといった照射パラメータを決定する。
しかし、CTVのみを基にしてパラメータを決めた場合、照射時の不確定性等が加味されていないために、場合によっては実際に照射された場合の線量分布が計画時のものと異なり、CTVに期待した量の線量が付与できない可能性がある。不確定性の要因には、CTV自体の形状、サイズの変化、周辺臓器の同様の変化、あるいは呼吸や心拍等による臓器の移動、患者設置時の位置決め誤差といった様々なものが存在する。
この不確定性に対処するため、CTVに対してマージンを付与した新たな領域を生成し、この領域を基に照射パラメータを設定する方法がある。不確定性の要因は一つではないため、いくつかの要因を想定しながら、複数のマージンを付与する場合もある。本発明は、この中でも特に飛程の不確定性に対応するためのマージン付けを簡便に行う方法を提供するものであり、以下の実施例ではこのマージンを設定する方法の一例に関して説明する。
CTデータの各スライスでCTV(標的領域)の入力が終わると、操作者は入力した領域を装置に登録する(ステップ102)。登録することで、操作者が入力した領域は3次元の位置情報としてメモリ604内に保存される。照射線量を極力抑えるべき重要臓器が標的領域の近傍に存在するなど、他に評価、制御を必要とする領域がある場合、操作者はそれら重要臓器等の位置も同様に登録する。図7は操作者が表示装置603において、CTデータのあるスライス701上で標的領域702、および重要臓器703を入力した状態を例として示している。入力された領域の位置情報は、メモリ604内に保存される。領域の位置情報はデータサーバ502にも保存可能であり、CTデータを読み込むにあたり過去に入力された情報をCTデータと共に読み込むこともできる。
次に操作者は、入力装置602を用いて照射に必要なパラメータを入力し設定する(ステップ103)。まず、照射方向を設定する。ビームの照射は、回転照射装置311とベッド407の角度を選択することで、患者の任意の方向から照射を行うことができる。照射方向は一つの標的に対して複数設定可能である。ある方向からビームが照射される場合、図8のように、照射時には標的領域702の重心位置がアイソセンタ(回転照射装置311の回転中心位置)801に一致するように位置決めされることが想定される。
照射方向、すなわち、回転照射装置311とベッド407の角度は、操作者により指定される。複数方向からの照射を行う場合には、複数の角度が選択される。他に操作者が決定すべき照射のためのパラメータとしては、ステップ102で登録した領域に照射すべき線量値(処方線量)がある。処方線量は標的に照射すべき線量や、重要臓器が避けるべき最大線量が含まれる。
これらに加えて、操作者は入力装置602を用いて付与すべきマージン量を入力し設定する(ステップ104)。先に述べたように、想定される不確定性に対応した複数のマージンを考える必要がある。本実施例においては、本発明の対象とする飛程の不確定性に対処するためのマージンに関してのみ説明する。本発明により付与されたマージンに加えて、他のマージンを付与することも可能であるが、その操作に関してはここでは述べない。
マージン量は、横方向、すなわちビーム照射軸に垂直な方向と、深さ方向、すなわちビーム照射方向に関して操作者により指定される。横方向は4つの方向に関して一様な量でもよいし、独立な値を指定することも可能である。深さ方向に関しては、深い側と浅い側の両方に関して指定ができる。横方向と深さ方向を合わせたすべての方向に一様なマージンを与えることもできる。
これらの操作者が指定するマージン量は、患者位置決め時やビーム照射時の不確定要因に基づいて判断される。横方向のマージンは、飛程変動を引き起こす横方向の不確定性に関連する。この不確定性には、例えば患者位置決めに発生するずれ量や、ビーム照射時に計画位置からずれる可能性のある量などがある。一方、深さ方向のマージンは、想定される直接の飛程変動に関連する。例えば、ビームエネルギーの不確定性、あるいはCT値から水等価厚(ビームのエネルギー損失に関して、水に換算した厚さ)に変換する際の誤差などが想定される。これらの要因を勘案し、操作者はマージン量を決定する。
入力装置602によって指定された値に従って、治療計画装置501は以下の手順によりマージンを付与する。治療計画装置501によるマージン付与の流れは、図2に表されている。初めに、ビーム経路に沿った水等価厚を計算する。スキャニング照射の場合、走査電磁石401、402により進行方向が偏向される。ビームが通る経路は、例えば図8の経路803のようになる。図8では簡単のため走査電磁石401、402が同じ位置(点802)にある図となっているが、実際は二つの走査電磁石が異なる位置にあるため、経路はもう少し複雑になる。
水等価厚は、走査点(走査電磁石401、402の位置、図8では点802)を起点とする経路に沿って計算される。ただし、起点は必ずしも走査点と一致する必要はない。水等価厚の計算に用いる経路は、入力された標的領域702および重要臓器703内を覆うように複数設定される(ステップ202)。たとえば、図8にあるように、ビーム照射軸804(走査点とアイソセンタを結ぶ直線)と垂直な面805において、適当な間隔806で並べられた点(例えば、点807)を通過するように設定される。この間隔は、実際にビームを照射する間隔よりも細かく設定する。通常は1mm以下とする。
図8は3次元的な図であるが、以下、これを2次元に簡略化した図9で説明する。図9は、図8に対応した2次元の図である。図8と同様に、標的領域702を、走査点802を起点とするビームで照射する。標的領域702とともに、重要臓器703が登録されている。三角形901は、標的領域702を照射するために必要なビームの照射範囲を表す。
この三角形901の部分を抜き出したものが図10Aである。走査点802を始点とする多数のビーム経路(1001,1002,1003等)が定義されている。これらの経路は、図8と同様、面805において一定の間隔806となるように設定されている。
定義された経路に沿って、定められた間隔ごとに水等価厚を計算する。この時、同時に標的領域702、あるいは重要臓器703の内か外かの判定を行う(ステップ203)。図10Bの経路1003に沿った標的領域702を対象とする操作を例に示す。経路1003に沿い、走査点802からの水等価厚と同時に、標的領域702の中か外かを判定していく。この結果、点1004に相当する深さ(深さAとする)から点1005に相当する深さ(深さBとする)までの間が、標的領域702の中と判定される。
この操作をすべての経路に関して繰り返す。その結果を、図11Aのように水等価厚空間にマッピングする(ステップ204)。水等価厚空間とは、図10Aおよび図10Bのように通常の空間的な標的領域を示したものではなく、走査点からの水等価厚を基準とした空間であり、この空間上でどの位置に指定された領域が存在するかを示したものである。
例えば、直線1101は経路1003に相当する位置を示す線である。この直線で、点1102と点1103がそれぞれ水等価厚A、Bの深さを表すとする。図10Bから、深さAからBまでの間が標的領域702の内部であることが分かっているので、図11Aにおいても点1102と点1103の間に標的領域702が存在することになる。図11Aで、曲線1104は水等価厚Aのラインを示し、曲線1105は水等価厚Bのラインを示す。水等価厚空間は、走査点からの水等価厚が等しい点は走査点から等距離に位置するので、このような曲線となる。こういった操作を経路ごとに繰り返すことで、図11Aのように水等価厚空間上での標的領域1106が描画できる。これを水等価厚空間上での標的領域と呼ぶ。図11Aには、重要臓器703を水等価厚空間にマッピングした領域1110も描画されている(ステップ205)。
水等価厚空間上での標的領域1106に対し、ステップ104で入力装置602を用いて操作者の指定した量のマージンが付与される。指定された量に従い、横方向および深さ方向に対して付与される(ステップ206)。図11Bに、マージンが施された結果生成された領域1107を示す。この例では点線で示した領域1106に対し、横方向と深さ方向にマージンが付与されている。
ここで、マージン付き領域1107の生成の考え方を具体的に説明する。本発明によるマージン付き領域は、想定した位置ずれ等の不確定性によって標的領域が存在し得る複数の領域を、水等価厚空間上で和をとった領域として表現される。横方向のマージンのみが付与される場合を、図13Aおよび図13Bに示す。図13Aは図11Aに対応した図であり、水等価厚空間上での標的領域1106が描画されている。ここで想定されている不確定性を横方向の位置ずれとし、患者位置決め時のように標的領域702を含む患者の体全体が横方向にずれる可能性、すなわち図9で言えばCTスライス701が左右に移動する可能性を考慮する。
図13Aでは、標的領域1106が左右に想定される最大量移動した場合の領域1301および1302が描画されている。標的領域1106は、水等価厚空間上で領域1301から1302の範囲内に存在する可能性があり、これらの領域が存在しうる範囲は図13A上に網掛けで示した領域1303となる。結果的に、図13Bに示すように、標的領域1106に本発明によるマージンを付与した領域は1303となるが、これは水等価厚空間上で標的領域1106を想定される位置ずれ量だけ横方向に拡大した領域とほぼ一致する。
また、領域1301および1302は次のように生成される。
図16に示すように、通常の空間において標的領域702を左右に想定される最大量移動して領域1601および1602を生成する。次いで、これらの領域1601,1602を標的領域1106と同様に水等価厚空間にマッピングして領域1301および1302を求める。標的領域702から生成された水等価厚空間上での標的領域1106を直接移動して領域1301および1302を求めてもよい。
深さ方向の不確定性に関しても、標的領域1106が深さ方向(図13Aおよび図13Bでは上下)に移動した領域を複数考え、それらの和をとればよいが、これは同様に標的領域1106を深さ方向に拡大した領域と考えることもできる。
このように位置ずれや飛程の不確定性に関しては標的領域の動きが想定できるため、図13Aのように不確定性から導かれる複数の領域を具体的に想定しなくとも、標的領域702を水等価厚空間上で特定の方向に指定量拡大することでも、標的領域1106に適切なマージンを付与し本発明による効果を得ることができる。拡大量は想定した不確定性の量に基づいて操作者が判断し、入力装置602を用いて指定する。この値がステップ104で入力されたものである。こうして得られた領域が図11Bの領域1107である。
なお、標的領域702または標的領域1106を横方向と深さ方向に移動して生成した複数の領域(領域1301および1302等)の和をとった領域をマージン付の領域としてもよい。この場合は、入力装置602を用いて指定した値が標的領域702または標的領域1106の移動量となる。
最後に、拡大された水等価厚空間でのマージン付き標的領域1107が通常の空間上での形状に戻される。この時の操作はステップ203,204の逆の操作を行えばよい。すなわち、図11Bの領域1107に対して、経路1101をはじめとするビーム経路に沿って標的の内外判定を行う(ステップ207)。経路1101の場合は、深さ1108から深さ1109までの間が標的領域に相当することが分かる。その結果、元の空間、すなわち図10Aおよび図10Bの経路1003に沿って、深さ1108から1109までの間が拡大された領域とマッピングされる。すべての経路に沿った結果を元の空間である図10Aおよび図10Bの空間に戻すことで、領域1107に対応した領域を生成することができる(ステップ208、209)。
以上の操作により、マージン付きの標的領域が得られる。この領域は、図17の1701に示すように、表示装置603の操作画面上に表示することができる(ステップ105)。例として、図17のようにCTデータのスライス701上に元の領域702が表示されている状態に重ねて、新たに生成された領域1701が表示される。
必要があれば、図18に示すように、図11Bのような水等価厚空間での状態を表示することも可能である。すなわち、操作者が指示することで、図7および図17のような通常の表示とは別に、図18に示すような水等価厚空間上での領域形状を表した図が新たに表示画面603に表示される。
これらの画面により、操作者は生成されたマージンを確認することが可能である。ビーム経路上の密度変化が大きい場合、水等価厚空間のマージン付与された形状が元の標的領域702の形状と大きく異なることもある。そのため、マージン付与された形状が表示され、操作者がこれを確認することで、操作者の意図しない部分にビームが照射されてしまうことを防ぐことができる。
特に図18に示すように水等価厚空間での状態を表示することで、領域1106,1107,1110間の関連が把握しやすくなる。例えば、図18では、1111で示す部分でマージン付き領域1107が重要臓器1110と交わっており、標的領域1106にマージンを付与することで重要臓器1110の一部にもビームが照射される。このことは、図11Aの水等価厚空間上の配置で標的領域1106と重要臓器1110がかなり近接していることと関係する。元の空間上の配置では離れていた二つの領域が、水等価厚空間上では近接していることがあるので、水等価厚空間の表示はマージン付与を行うときに注意すべき点の認識が容易になる。
なお、ステップ105は省略することも可能である。この場合、操作者はマージン量の入力のみを実施し、ステップ106に移る。
元の標的領域702は、ステップ102において3次元データとして登録、保存されている。ここで生成されたマージン付き標的領域1701も、同様に新たな領域としてその3次元データを保存することもできる。この場合、操作者は登録された領域形状を入力装置602を使用して修正することも可能である(ステップ105)。水等価厚空間でのマージン付与により形状が変化し、操作者が望ましくないと判断すれば、この機能によりマージン付き領域1701の形状を直接修正できる。
また、新たなマージン付き標的領域を登録する場合には、ステップ103に戻って、この領域に対して改めて処方線量を指定してもよい。この処方線量は、標的領域702に対して設定した値と同じである必要はない。操作者がこの領域を新しい領域として意識しないまま、標的領域702に与えた処方線量と同じ条件で行うこともできる。この場合は、標的領域702をマージン付き標的領域に置き換えて計算した場合と同じである。
マージン付きの標的領域1701が生成されると、指定された照射方向や処方線量といった照射パラメータに基づき、治療計画装置501が自動で残りの照射パラメータの算出と、線量分布計算を行う(ステップ106)。この計算は、操作者が直接指示する場合もあるし、マージン付与後、自動的に実施される場合もある。
線量分布計算に関し、治療計画装置501が行う計算内容の詳細について以下に説明する。
初めに、治療計画装置501は、ビーム照射位置を決定する。離散的な走査方式であれば、離散的なスポット位置、連続的な照射であれば走査経路を算出する。照射位置は標的領域を覆うように設定されるが、この場合の標的領域はマージンが付与された領域1701となる。照射方向(回転照射装置311とベッド407の角度)として複数の方向が指定されている場合は、各方向に関して同じ操作を行う。
全ての照射位置が決定されると、治療計画装置301は照射量の最適化計算を開始する。ステップ103で設定された目標の線量分布に近づくように、各スポットへの照射量を決める。この計算では、スポットごとの照射量をパラメータとした目標線量からのずれを数値化した目的関数を用いる方法が広く採用されている。目的関数は線量分布が目標とする線量を満たすほど小さな値となるように定義されており、これを最小にするような照射量を反復計算により探索することで、最適とされる照射量を算出する。
反復計算により照射量が定まると、治療計画装置501は最終的に得られたスポット位置とスポット照射量を用いて、線量分布を計算する。計算した結果は、表示装置603に表示される(ステップ107)。操作者はこの結果を調べ、線量分布が目標とする条件を満たしているか否かを判断する(ステップ108)。望ましくない分布や走査経路となっていた場合は、ステップ103に戻り、照射パラメータを設定し直す。変更すべきパラメータとしては、照射方向や処方線量に加えて、ステップ104のマージン量を変更してもよい。望ましい結果が得られた時点で、治療計画の立案は終了する。得られた照射条件は、ネットワークを通じてデータサーバ502に保存される(ステップ109、ステップ110)。
なお、本実施例はスキャニング法に基づいたものであったが、マージン付き標的領域1701が得られた後の処理は、従来の散乱体法を用いてもよい。この場合、本発明装置により得られたマージン付き標的領域1701を対象として、ボーラスの形状やコリメータの開口形状が定められる。
ビームの照射時に、中央制御装置312はデータサーバ502に保存されている該当する治療計画データを読み込む。データは必要があれば中央制御装置312の読み込める形式に変換される。照射制御システム314は、中央制御装置312により照射すべきビームのエネルギー、走査位置、照射量が指定される。この指示に従って、照射制御システム314は粒子ビーム発生装置301、回転照射装置311などを制御し、ビームを照射する。
最後に、このマージンによる効果を、単純な体系により説明する。図12の(a)のように、水1201の中に長方形(3次元的には直方体)の領域1202を仮定する。ビームは図の上方、すなわち矢印1203の方向から照射されるとする。簡単のため、ビームは平行ビーム(走査点が無限遠にある)とする。これらに加え、ビームの通過する領域に、水よりも密度の高い領域(例えば骨など)1204が存在していると仮定する。
領域1204を通過するビームは、水1201内を通過するよりも単位距離当たりのエネルギー損失が大きい。すなわち、領域1204は水等価厚に換算すると水1201よりも長くなる。例えば、領域1202の中で、同一エネルギーで照射される位置を表すと、点線1209のようになる。この結果、領域1202を水等価厚空間にマッピングした領域を描画すると、図12の(b)の領域1205のようになる。図の左側を通過するビームは領域1204を通過するため、水等価厚としての値は大きくなり、図の下方に移動する。水等価厚空間では、同一エネルギーで照射される位置は同じ深さとなる。すなわち、点線1209に相当する線は点線1210となる。
続いて、領域1205にマージンを付与する。ここでは、横方向の不確定性のみを考慮し、横方向だけにマージンを付与する。その結果得られる領域が図12の(c)の領域1206である。その後、領域1206を元の空間に戻し、マージン付き標的形状を得る。図12の(d)の領域1207がそれである。
領域1207は元の標的1202と比べると、左右の端面は通常のマージンと同じく、付与されたマージンの分だけ左右に領域が伸びている。一方で、密度変化の大きい、領域1204の右側端面の下流においては特徴的な形状をしている。例えば、領域1204の右側端面の外側に位置する1208で示した部分では、深い方向に領域が突き出している。領域1204の右側端面の内側に位置する1209で示した部分では、浅い方向に領域が突き出している。
この形状が、飛程変動時にどのように作用するのかを説明する。領域1207が生成された後は、治療計画装置により、領域1207に高線量領域が形成されるように照射パラメータが選択される。1208の部分は元々の標的1202よりも深い位置にあるので、本来標的1202に必要なエネルギーよりも高いエネルギーのビームが照射されることになる。
ここで想定していた横方向の位置ずれが起きたとする。例えば、位置決め時の誤差により、ビーム照射位置が治療計画で想定した位置よりも図12において左側にずれたとする。この時、1208の領域に照射されるはずのビームも左側にずれ、密度の高い領域1204を通過する。この結果ビームの停止する位置が計画よりも浅い側(図12の上方)に移動してしまう。しかし、このビームの停止位置(飛程)は元々標的1202の下端よりも深いところに位置しているため、ビーム照射位置のずれにより停止位置が浅い側に移動したとしても標的1202を十分覆うことができる。
同様に、例えば、位置決め時の誤差により、ビーム照射位置が治療計画で想定した位置よりも図12において右側にずれたとする。この時、1209の領域に照射されるはずのビームも右側にずれ、密度の高い領域1204を通過しなくなる。この結果ビームの停止する位置が計画よりも深い側(図12の下方)に移動してしまう。しかし、このビームの停止位置(飛程)は元々標的1202の上端よりも浅いところに位置しているため、ビーム照射位置のずれにより停止位置が深い側に移動したとしても標的1202を十分覆うことができる。
以上のように、本発明によるマージンを付与することで、想定される飛程変動に対処できるマージン付き標的領域を生成することが可能となる。また、その結果、粒子ビームの照射精度を向上し、治療精度を向上することができる。
<第2実施例>
第1実施例では図1のステップ104で入力されたマージン量に従い、図2のステップ206で水等価厚空間での標的領域を拡大することでマージン付き領域を得た。本実施例では、標的の複数の状態を表す複数のCT画像からマージン付き領域を生成する方法に関して説明する。
操作の流れは第1実施例とほぼ同じであるため、異なる部分のみ説明する。本実施例に沿った操作者の操作の流れを図14、治療計画装置501が主に演算処理装置605を使用して実施する計算内容の流れを図15に示す。
本実施例では、異なる状態を表す複数のCT画像が存在する。例えば、呼吸によって体内の臓器の位置や形状が変化するが、呼吸位相ごとの状態を撮像したCT画像のセットなどが考えられる。まず、複数のCT画像を操作者が、データサーバ502から読み込む。続いて、標的領域や重要臓器の入力を、読み込まれたすべてのCT画像に対して行う(ステップ1402)。この操作はすべてのCT画像に対して個別に行ってもよいし、一つ以上のCT画像に入力した後、他のCT画像での領域入力は補間により決定してもよい。
ステップ1403で照射方向等を設定した後、ステップ1404でマージン量を入力する。このマージン量は第1実施例のステップ104で入力した値と同じく、位置決め時のずれなどを想定したものである。マージン量が設定されると、治療計画装置501はマージン付き領域を生成する。
マージン付き領域生成の流れが図15である。ここでは複数のCT画像が読み込まれているため、第1実施例で行ったのと同じ水等価厚空間上の標的領域形状を求める作業(ステップ1502〜1505)を各CT画像に対して繰り返す(ステップ1506)。
すべてのCT画像に対して水等価厚空間上での標的領域が算出されると、これらすべての領域の和集合をとった領域(領域Aと呼ぶ)を生成する。ステップ1404で入力されたマージン値があれば、領域Aに対して第1実施例と同じ操作が行われる。すなわち、領域Aを水等価厚空間上で指定量だけ拡大させる。拡大された領域が最終的なマージン付き領域であり、これを領域Bと呼ぶ(ステップ1507)。
ここからの流れは、第1実施例とほぼ同じである。水等価厚空間上で定義された領域Bを通常の空間にマッピングし直す(ステップ1508〜1510)。この時、マッピングする対象として、読み込んだ複数のCT画像の中で代表となるある特定のCT画像を選択する。この選択は任意である。選択したCT画像上にマッピングされた領域(領域Cと呼ぶ)はここで選んだCT画像上に表示される(ステップ1405)。第1実施例と同様に、必要があれば領域形状を修正することができる。
以下、先に選択したCT画像上にある領域Cを対象にビームエネルギー等の照射のためのパラメータが決定される(ステップ1406)。詳しい内容は第1実施例で説明した通りである。線量分布結果が得られた後、操作者が確認し、保存して終了する(ステップ1407〜1410)。
本実施例の方法に従えば、体内で複雑に変化する標的に対しても、十分な線量を与えることができるマージン付き領域を設定することが可能となる。また、その結果、粒子ビームの照射精度を向上し、治療精度を向上することができる。
<比較例>
最後に、比較例を説明する。
スキャニング法におけるビームの照射位置の想定される変位に起因する飛程変動を補償するだけの目的であれば、ボーラスのスメアと極めて近い考え方に基づいてマージン量を定めることも可能である。その場合の手法を、図19および図20を用いて説明する。
図19は図9に相当する図である。標的領域701に、図上方からビームが照射される様子を表わす。点802は走査点であり、三角形901は、標的702を照射するために必要なビームの照射範囲を表す。まず、操作点802から標的702に至る経路上に、仮想的に平面1901を用意する。
平面1901は解像度1902で区切られており、平面1901上に多数のピクセルを定義する。次いで、走査点802を起点として各ピクセルを通過するビーム経路を設定する。解像度1902のサイズは任意であり、操作者により指定できる。また、ここで設定されたビーム経路は、実際にビームを照射する位置とは異なる点に留意する。図19では、複数のビーム経路の中で、例として経路1903が描画されている。この経路は、平面1901の中の一つのピクセル、ピクセル1904を通過する。
続いて、ピクセル1904に対応して、走査点802からビーム経路1903上の標的最深部である点1905までの水等価厚の値が設定される。これを平面1901内のすべてのピクセルに関して行う。ビーム経路が標的領域702と交わらない経路には値は設定されない。すなわち、標的領域702の平面1901上への投影である図形1906内にのみ、値が設定される。こうして、標的領域702の最深部に関する水等価厚マップが得られる。
次に、この水等価厚マップに対して、ビーム照射位置の不確定性を反映させる。この様子を図20に示す。図20の(a)に、水等価厚マップの一部を模式的に表す。ピクセル内の値が、各ピクセルを通過するビーム経路に沿った標的領域の最深部までの水等価厚を表わす。
この中の一つのピクセル、ピクセル2001を例にとって説明する。図20の(a)は、初期状態の水等価厚マップである。ここで、円2002は、ピクセル2001を中心とし、想定されるビーム照射位置の変位量を半径とする円である。すなわち、この本来、ピクセル2001を通過すべきビームが、円2002の範囲内のどこかに変位する可能性があることを示す。
例えば、ピクセル2003の位置にビームが変位した場合を考える。ピクセル2003の位置の標的最深部の水等価厚は「5」であり、本来の位置の「4」よりも大きい。これはピクセル2003の位置に変位したビームは、標的の最深部まで到達できないことを意味する。このような可能性を排除するため、ピクセル2001の値を円2002内の最大値に置き換える。この結果、図20の(b)のようにピクセル2001位置での水等価厚の値は「5」となる。これを平面1901のすべてのピクセルに関して実施することで、更新された水等価厚マップができる。
最後に、この水等価厚マップを、図19のような体系で各ビーム経路に沿ってCT画像701上の位置に変換する。例として、図19のピクセル1904に相当する水等価厚の値が「5」となっている場合、走査点802から経路に沿って水等価厚を計算し、その値が「5」となる深さをマージン付き標的の境界と定める。このようにして、飛程の深い側の境界に対して、マージンを付与することができる。同等の操作を、標的の浅い側の境界に対しても行う。この場合は、標的最浅部の水等価厚マップを、変位を想定した範囲内の最小値に置き換える。
この結果、先に説明した水等価厚空間で横方向にマージンを付与する方法と本質的に同等のマージンを得ることができる。ただし、水等価厚空間に標的領域を生成してマージンを付与する本発明の方法と比較して、標的領域全体の形状や重要臓器との関係が視覚的に認識することが難しくなる。また、第2実施例のように複数のCT値(CT画像情報)からマージンを付与する場合にはこのままでは適用できず、体内で複雑に変化する標的に対してマージンを付与することには適さない。
本発明では、水等価厚空間に標的領域を生成してマージンを付与するため、標的領域全体の形状や重要臓器との関係を視覚的に認識することができ、適切なマージンを付与することができる。また、第2実施例では、複数のCT画像情報を用いてマージンを付与するため、体内で複雑に変化する標的に対しても適切なマージンを付与することができる。
301…荷電粒子ビーム発生装置
302…イオン源
303…前段加速器
304…粒子ビーム加速装置
305…偏向電磁石
306…加速装置
307…出射用の高周波印加装置
308…出射用デフレクタ
309…高周波供給装置
310…高エネルギービーム輸送系
311…回転照射装置
312…中央制御装置
313…メモリ
315…表示装置
400…照射野形成装置
401,402…走査電磁石
403…線量モニタ
404…ビーム位置モニタ
405…走査方向
406…患者
406a …標的
410…走査電磁石用電源
411…走査電磁石磁場強度制御装置
501…治療計画装置
502…データサーバ
602…入力装置
603…表示装置
604…メモリ
605…演算処理装置
606…通信装置
701…CTデータのスライス
702…標的領域
703…重要臓器
801…アイソセンタ
802…線源
803…ビーム経路の例
804…アイソセンタと線源を結ぶ直線
805…アイソセンタ面
806…ビーム経路を定義する間隔
807…アイソセンタ面上の点
901…ビーム照射範囲
1001,1002,1003…ビーム経路
1004…経路1003上の標的位置の最浅点
1005…経路1003上の標的位置の最深点
1101…経路1003に対応する水等価厚空間上の経路
1102…経路1101上の標的位置の最浅点
1103…経路1101上の標的位置の最深点
1104…点1102と同じ点802からの深さの点の集合
1105…点1103と同じ点802からの深さの点の集合
1106…水等価厚空間上での標的領域
1107…領域1106にマージンを付与した形状
1108…経路1101上の領域1107の上の標的位置の最浅点と同じ深さの点の集合
1109…経路1101上の領域1107の上の標的位置の最深点と同じ深さの点の集合
1110…水等価厚空間上での重要臓器
1201…水
1202…標的領域
1203…ビーム照射方向
1204…密度の高い領域
1205…水等価厚空間での標的領域
1206…領域1205にマージンを付与した形状
1207…マージン付き標的領域
1208…密度変化の大きい領域でのマージン付与により変形した領域
1301…標的領域1106が想定される最大量図の左にずれた状態
1301…標的領域1106が想定される最大量図の右にずれた状態
1303…1301から1302の間を標的領域1106が移動した場合の和の領域
1601…標的領域1302が想定される最大量図の左にずれた状態
1602…標的領域1302が想定される最大量図の右にずれた状態
1701…マージン付標的領域
1111…マージン付き領域が重要臓器と交わっている部分
1901…ビーム照射範囲のビーム経路上に位置する仮想的平面
1902…解像度
1903…ビーム経路
1904…ピクセル
1905…標的最深部
1906…標的領域702を仮想的平面1901上に投影した図形
2001…ピクセル
2002…想定されるビーム照射位置の変位量を半径とする円
2003…ピクセル

Claims (7)

  1. 粒子線治療を行うための治療計画を作成する治療計画装置において、
    通常の第1空間において粒子ビームを照射する標的となる1つ以上の第一の領域を指定するとともに、照射に必要な情報を入力するための入力装置と、前記入力装置の入力結果に基づき演算処理を行い、治療計画情報を作成する演算装置と、前記治療計画情報を表示する表示装置とを備え、
    前記演算装置は、前記第一の領域を、粒子ビームが前記第一の領域内の位置に到達するまでのエネルギー損失量を基準とした第2空間で表現した1つ以上の第二の領域を生成し、前記第2空間において前記第二の領域にマージンを付与し前記第二の領域を包含する第三の領域を生成し、前記第三の領域を前記第一の領域と同じ前記第1空間に変換した第四の領域を生成し、前記第四の領域を照射対象として前記治療計画情報を作成することを特徴とする治療計画装置。
  2. 前記演算装置は、前記入力装置により入力された値に従い、前記第二の領域を拡大することで前記第二の領域にマージンを付与し前記第二の領域を包含する前記第三の領域を生成することを特徴とする請求項1に記載の治療計画装置。
  3. 前記演算装置は、前記標的の位置の不確定性に基づいて前記第二の領域を複数個生成し、この複数個の第二の領域の和をとることで前記第二の領域にマージンを付与し前記第二の領域を包含する前記第三の領域を生成することを特徴とする請求項1に記載の治療計画装置。
  4. 前記演算装置は、前記標的の複数の状態を表す複数の画像情報から前記第一の領域を複数個生成し、この複数個の第一の領域のそれぞれから前記第二の領域を複数個生成することを特徴とする請求項3に記載の治療計画装置。
  5. 前記演算装置は、前記第三の領域および前記第四の領域の少なくとも一方を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の治療計画装置。
  6. 前記入力装置は、前記第三の領域および前記第四の領域の少なくとも一方を前記表示装置に表示した上で、前記入力装置を用いて形状を変更可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の治療計画装置。
  7. 粒子ビームを加速して出射する粒子ビーム発生装置と、前記出射された粒子ビームを照射対象に照射するための照射装置と、前記粒子ビーム発生装置および照射装置を制御する照射制御装置と、前記請求項1〜6のいずれか1項記載の治療計画装置とを備え、
    前記照射制御装置は、前記治療計画装置が作成する前記治療計画情報を用いて前記粒子ビーム発生装置および照射装置を制御することを特徴とする粒子線治療システム。
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