JP2013131901A - アンテナ装置 - Google Patents

アンテナ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013131901A
JP2013131901A JP2011279779A JP2011279779A JP2013131901A JP 2013131901 A JP2013131901 A JP 2013131901A JP 2011279779 A JP2011279779 A JP 2011279779A JP 2011279779 A JP2011279779 A JP 2011279779A JP 2013131901 A JP2013131901 A JP 2013131901A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor
ground
horizontal
antenna
horizontally polarized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011279779A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5708473B2 (ja
Inventor
Takayuki Shimizu
隆行 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP2011279779A priority Critical patent/JP5708473B2/ja
Priority to US13/717,486 priority patent/US9153862B2/en
Publication of JP2013131901A publication Critical patent/JP2013131901A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5708473B2 publication Critical patent/JP5708473B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/36Structural form of radiating elements, e.g. cone, spiral, umbrella; Particular materials used therewith

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Details Of Aerials (AREA)
  • Waveguide Aerials (AREA)

Abstract

【課題】水平面内の指向性が均一で、かつ簡易な構造のアンテナ装置を提供する。
【解決手段】水平偏波用のアンテナ素子1を備えたアンテナ装置において、水平偏波用のアンテナ素子1は、曲げ加工を施した2つの導体板2a,2bを所定の間隔を隔てて対向配置してなり、全体として鉛直方向に延びる筒状に形成された放射導体2と、放射導体2の2つの導体板2a,2bに囲まれた内部空間5に配置される電気的に接地されたグランド導体3と、内部空間5に配置されると共に、上面視で導体板2a,2bの内壁に沿うように配置され、その一端部とグランド導体3との間に給電がなされて逆Lアンテナとして動作し、放射導体2に電磁結合により給電する給電素子4と、を備えたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナ装置に関するものである。
携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)等の移動体通信の基地局では、基地局を中心とした同心円上にサービスエリアを構成するため、水平面内の指向性が均一なアンテナ装置が用いられている。
一般に、基地局用のアンテナ装置では、アンテナ装置を細径化してアンテナ装置を設置するための構造物を簡素とすることが望まれており、アンテナ装置の細径化が可能なコンパクトな構造のアンテナ素子が望まれている。
水平偏波の水平面内の指向性が均一なアンテナ装置(水平偏波オムニアンテナ)に用いる水平偏波用のアンテナ素子(水平偏波オムニ素子)として、従来より、図20(a),(b)に示すものが知られている。
図20(a)に示す水平偏波用のアンテナ素子200は、大地(グランド)に対して水平なダイポールアンテナ201の腕の部分(導体の部分)を折り曲げてコンパクトな構造にしたものである。
図20(b)に示す水平偏波用のアンテナ素子202は、矩形に折り曲げたパッチアンテナ203を無給電素子204で取り囲んだ構造のものである(特許文献1参照)。この水平偏波用のアンテナ素子202では、パッチアンテナ203が放射した電波を無給電素子204で整波して水平面内の指向性の均一化を図っている。
図20(a),(b)のような水平偏波用のアンテナ素子と、水平面内の指向性が均一な垂直偏波用のアンテナ素子とを並べてアレー状に配置すると、偏波ダイバーシチ無指向性アンテナが実現できる。
特開2010−62979号公報
しかしながら、ダイポールアンテナ201を用いた図20(a)の水平偏波用のアンテナ素子200では、適切に給電を行うためにバラン(平衡−不平衡変換器)を介して給電する必要があり、アンテナ装置の構造が複雑となってしまうという問題がある。
図20(b)の水平偏波用のアンテナ素子202では、パッチアンテナ203を用いているためバランは省略可能であり、簡易な構造で小型なアンテナ装置を実現できる。
本発明者は、この従来の水平偏波用のアンテナ素子202とは異なる動作原理で動作し、水平面内の指向性がより均一で、かつ、従来と同等に小型で簡易な構造の水平偏波用のアンテナ素子を実現すべく鋭意研究を重ね、その結果、本発明に至った。
本発明は上記事情に鑑み為されたものであり、水平面内の指向性が均一で、かつ簡易な構造のアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、水平偏波用のアンテナ素子を備えたアンテナ装置において、前記水平偏波用のアンテナ素子は、曲げ加工を施した2つの導体板を所定の間隔を隔てて対向配置してなり、全体として鉛直方向に延びる筒状に形成された放射導体と、前記放射導体の前記2つの導体板に囲まれた内部空間に配置される電気的に接地されたグランド導体と、前記内部空間に配置されると共に、上面視で前記導体板の内壁に沿うように配置され、その一端部と前記グランド導体との間に給電がなされて逆Lアンテナとして動作し、前記放射導体に電磁結合により給電する給電素子と、を備えているアンテナ装置である。
前記グランド導体は、鉛直方向に延びる筒状に形成されると共に、上面視で前記内部空間の中央部に配置され、前記給電素子は、前記導体板と前記グランド導体との間の前記内部空間に配置されてもよい。
前記2つの導体板は、共に上面視でコの字状に形成され、その開口同士を対向させるようにして配置されていてもよい。
前記水平偏波用のアンテナ素子は、水平面上に配置される水平基板と、該水平基板を挟んで対向配置され、表面を外側にして鉛直方向に延びるように配置された2つの鉛直基板と、をさらに備え、前記導体板の一方は、前記両鉛直基板の表面側の一方の側端部にそれぞれ形成された導体パターンと、当該両導体パターンに電気的に接続され、前記両鉛直基板の一方の側端部間に架け渡すように設けられる金属板と、からなり、前記導体板の他方は、前記両鉛直基板の裏面側の他方の側端部にそれぞれ形成された導体パターンと、当該両導体パターンに電気的に接続され、前記両鉛直基板の他方の側端部間に架け渡すように設けられる金属板と、からなり、前記給電素子は、前記水平基板に形成された導体パターンからなってもよい。
前記水平偏波用のアンテナ素子は、水平面上に配置される水平基板と、該水平基板を挟んで対向配置され、表面を外側にして鉛直方向に延びるように配置された2つの鉛直基板と、をさらに備え、前記導体板の一方は、前記両鉛直基板の表面側の一方の側端部にそれぞれ形成された導体パターンと、当該両導体パターンに電気的に接続され、前記両鉛直基板の一方の側端部間に架け渡すように設けられる金属板と、からなり、前記導体板の他方は、前記両鉛直基板の表面側の他方の側端部にそれぞれ形成された導体パターンと、当該両導体パターンに電気的に接続され、前記両鉛直基板の他方の側端部間に架け渡すように設けられる金属板と、からなり、前記給電素子は、前記水平基板に形成された導体パターンからなってもよい。
前記水平基板は、上面視で凹字状に形成され、前記水平偏波用のアンテナ素子は、前記水平基板の開口部を塞ぐようにして設けられ、表面を外側にして鉛直方向に延びるグランド用基板をさらに備え、前記グランド導体は、前記水平基板の凹字状の欠損部に収容され、上面視でコの字状に形成されると共に、その開口部が前記グランド用基板側となるように配置されたグランド用金属板と、前記グランド用基板の裏面に形成されたグランド用導体パターンと、からなり、前記グランド用導体パターンの両端と前記グランド用金属板の両端との間に隙間を形成してもよい。
前記2つの導体板を、その水平方向の側端部同士が重なり合うように配置してもよい。
前記2つの導体板は、共に上面視で円弧状に形成され、その開口同士を対向させるようにして配置されていてもよい。
前記水平偏波用のアンテナ素子を鉛直方向にアレー状に配置してなってもよい。
前記給電素子及び前記グランド導体の配置が同一であり、前記放射導体を上面視で相対的に90°回転させた2種類の前記水平偏波用のアンテナ素子を形成し、該両水平偏波用のアンテナ素子を交互に配置してもよい。
垂直偏波用のアンテナ素子をさらに備え、該垂直偏波用のアンテナ素子と前記水平偏波用のアンテナ素子とを鉛直方向にアレー状に配置してなってもよい。
本発明によれば、水平面内の指向性が均一で、かつ簡易な構造のアンテナ装置を提供できる。
本発明のアンテナ装置に用いる水平偏波用のアンテナ素子を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図である。 図1の水平偏波用のアンテナ素子でインピーダンスを整合させる際に用いるスミスチャートを示す図である。 本発明において、水平偏波用のアンテナ素子の他の実施の形態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は放射導体とグランド導体を省略した斜視図、(c)は上面図である。 (a)は、図3の水平偏波用のアンテナ素子の水平面内の指向性の特性を示す図であり、(b)はその垂直面内の指向性の特性を示す図、(c)はそのVSWR特性を示す図である。 図3の水平偏波用のアンテナ素子のS11特性を示す図であり、(a)は実測値、(b)は計算値を示す図である。 本発明において、水平偏波用のアンテナ素子の他の実施の形態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は放射導体とグランド導体を省略した斜視図、(c)は上面図である。 (a)は、図6の水平偏波用のアンテナ素子の水平面内の指向性の特性を示す図であり、(b)はその垂直面内の指向性の特性を示す図、(c)はそのVSWR特性を示す図である。 本発明において、水平偏波用のアンテナ素子の他の実施の形態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図である。 (a)は、図8の水平偏波用のアンテナ素子の水平面内の指向性の特性を示す図であり、(b)はその垂直面内の指向性の特性を示す図、(c)はそのVSWR特性を示す図である。 水平偏波用のアンテナ素子の他の実施の形態を示す斜視図である。 (a)は、図10の水平偏波用のアンテナ素子の水平面内の指向性の特性を示す図であり、(b)はその垂直面内の指向性の特性を示す図、(c)はそのVSWR特性を示す図である。 (a),(b)は、本発明の一実施の形態に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 図6の水平偏波用のアンテナ素子の近傍の電界分布を示す図である。 図13と同位相給電を行ったときの図8の水平偏波用のアンテナ素子の近傍の電界分布を示す図である。 (a)は図12のアンテナ装置の水平面内の指向性の特性を示す図であり、(b)はその垂直面内の指向性の特性を示す図である。 本発明のアンテナ装置の一変形例を示す側面図である。 本発明のアンテナ装置に用いる水平偏波用のアンテナ素子の一変形例を示す斜視図である。 本発明のアンテナ装置に用いる水平偏波用のアンテナ素子の一変形例を示す斜視図である。 図18の水平偏波用のアンテナ素子の作用を説明する図である。 (a),(b)は、従来のアンテナ装置に用いる水平偏波用のアンテナ素子を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
本発明のアンテナ装置は、水平面内の指向性が均一な水平偏波用のアンテナ素子(水平偏波オムニ素子)を備えたアンテナ装置(水平偏波オムニアンテナ)であり、例えば、移動体通信の基地局用のアンテナ装置として用いられるものである。
[水平偏波用のアンテナ素子]
まず、本発明のアンテナ装置に用いる水平偏波用のアンテナ素子について詳細に説明する。
図1(a),(b)に示すように、本発明のアンテナ装置に用いる水平偏波用のアンテナ素子1は、放射導体2と、グランド導体3と、給電素子4と、を主に備えている。
放射導体2は、曲げ加工を施した2つの導体板2a,2bを所定の間隔を隔てて対向配置してなり、全体として鉛直方向に延びる筒状に形成されている。ここでは、導体板2a,2bとして矩形状の金属板(銅板など)を用いている。2つの矩形状の導体板2a,2bは、折り目が導体板2a,2bの一辺と平行になるように導体板2a,2bをその一方の面側に折り曲げることにより、共に上面視でコの字状に形成され、その開口同士を対向させるようにして配置される。これにより、全体として鉛直方向に延びる角筒状となるように放射導体2が形成される。なお、両導体板2a,2bは、所定の間隔を隔てて非接触に配置される。
また、水平偏波用のアンテナ素子1では、一方の導体板2aの幅(x軸方向の長さ)を、他方の導体板2bの幅よりも長く形成しており、2つの導体板2a,2bを、その水平方向の側端部同士が重なり合うように(導体板2bが導体板2aの内側に入り込むように)オーバーラップして配置している。
グランド導体3は、放射導体2の2つの導体板2a,2bに囲まれた内部空間5に配置され、電気的に接地される。ここでは、グランド導体3は、鉛直方向に延びる角筒状に形成され、上面視で内部空間5の中央部に配置されている。
給電素子4は、内部空間5に配置されると共に、上面視で導体板2a,2bの内壁に沿うように配置されている。給電素子4は線状導体からなり、その一端部とグランド導体3との間に給電がなされて逆Lアンテナとして動作し、放射導体2に電磁結合により給電する逆Lアンテナ給電を行うものである。
ここで、逆Lアンテナ(逆L型アンテナ)とは、Lプローブとも呼ばれるモノポールアンテナの変形であり、逆Lアンテナ給電はLプローブ給電とも呼ばれている。なお、逆Lアンテナとは、その形状が逆L字状に限定されるものではなく、グランド導体に対して平行な成分を有し、グランド導体との間に形成される容量成分を利用する放射導体の総称をいう。
つまり、水平偏波用のアンテナ素子1は、逆Lアンテナとして動作する給電素子4に給電することにより、逆Lアンテナ給電により2つの導体板2a,2bからなる放射導体2に給電を行い、放射導体2を励振させて所望の周波数での水平偏波を発生させるものである。
放射導体2の上面視での周囲長(W+D)×2は、長くすると帯域が広がるが水平面内指向性の偏差が大きくなり素子が大型化し、逆に、短くすると水平面内指向性の偏差が小さくなり素子が小型となるが帯域が狭くなるので、これらのバランスをとって適宜な長さに設定するとよい。具体的には、帯域幅、水平面内指向性の偏差、及び素子の大きさのバランスが良好な0.5〜0.6λとすることが望ましい。また、放射導体2(導体板2a,2b)の高さHは、λ/8とすればよい。グランド導体3の一辺の長さは特に規定しないが、後述するように基板を用いる場合(例えば、図3参照)には、給電素子4に給電する50Ωの給電ライン(後述する)を形成することを考慮して8mm以上とすることが望ましい。なお、λは送受信する電波の中心周波数f0に対応する波長である。
この水平偏波用のアンテナ素子1では、送受信する電波の中心周波数f0を、両導体板2a,2bのオーバーラップ長で調整することが可能である。中心周波数f0は、一般に次式で表される。
0=1/(2π(L・C)1/2
例えば、オーバーラップ長を長くすれば、両導体板2a,2b間の容量成分Cが大きくなり、中心周波数f0が小さくなることになる。
また、水平偏波用のアンテナ素子1では、給電素子4に接続される給電ラインと放射導体2間のインピーダンス整合を、給電素子4の長さで調整することが可能である。給電素子4が短いほど周辺との結合が弱くなり、長いほど周辺との結合が強くなる。つまり、給電素子4は、給電ラインと放射導体2間のインピーダンスマッチングの役割を果たしている。
水平偏波用のアンテナ素子1では、中心周波数f0の調整を行う際には、図2に示すようなスミスチャート(インピーダンスチャート)を用い、スミスチャート上の軌跡が中心位置(正規化インピーダンスが1Ωの位置)にくるように給電素子4の長さを決定し、その後、両導体板2a,2bのオーバーラップ長を決定するようにすればよく、中心周波数f0の調整を容易に行うことが可能である。なお、中心周波数f0の調整は何度も行う必要はなく、給電素子4の長さや両導体板2a,2bのオーバーラップ長が一度決定すれば、量産時等の調整は不要である。一例として、中心周波数f0を2610MHzとする場合の各部の寸法を図1(b)に併せて示す。
次に、水平偏波用のアンテナ素子の他の実施の形態を説明する。
図3(a)〜(c)に示す水平偏波用のアンテナ素子31は、基本的には図1の水平偏波用のアンテナ素子1と同じ構造であるが、基板を用いる点が異なっている。
上述の水平偏波用のアンテナ素子1では、空中に各導体を配置する構成としたが、実際には各導体を支持する構造が必要である。図3の水平偏波用のアンテナ素子31では、この支持構造として4つの基板32,33a,33b,34を組み合わせて用いている。
すなわち、水平偏波用のアンテナ素子31は、図1の水平偏波用のアンテナ素子1に加え、1つの水平基板32と、2つの鉛直基板33a,33bと、1つのグランド用基板34と、をさらに備えている。
本実施の形態では、各基板32,33a,33b,34として、厚さ0.8mm、比誘電率2.6の誘電体基板(テフロン基板、テフロン厚さ0.73mm、Cu(導体パターン)厚さ35μm、テフロンは登録商標)を用いた。水平基板32としては、片面のみに導体パターンを形成可能な片面基板を用いることができる。鉛直基板33a,33bとグランド用基板34としては、両面に導体パターンを形成可能な両面基板を用いる必要がある。
水平基板32は、水平面上(XY面上)に配置される。2つの鉛直基板33a,33bは、水平基板32を挟んで対向配置され、表面Sを外側(水平基板32と反対側)にして鉛直方向に延びるように配置される。ここでは、鉛直基板33a,33bをYZ面上に配置し、水平基板32をX軸方向の両側から挟み込むように鉛直基板33a,33bを配置した。水平基板32と鉛直基板33a,33bとは接着固定され、全体として側面視でH字状となるようにされる。
また、水平基板32は、上面視で凹字状に形成されおり、鉛直基板33a,33bが固定されていない方向(y軸方向、図3(c)では下側)に開口する上面視が矩形状の切欠き32aが形成されている。グランド用基板34は、切欠き32aの開口部の幅と等しい幅に形成されており、切欠き32aの開口部を塞ぐようにして、表面Sを外側(水平基板32と反対側)にして鉛直方向に延びるように設けられる。ここでは、グランド用基板34をXZ面上に配置した。
グランド用基板34には、グランド用基板34を水平基板32に固定するための固定用部材35が一体に設けられる。固定用部材35は、グランド用基板34の鉛直方向(Z軸方向)における中央部の両側から幅方向(X軸方向)外側に突出するように設けられ、固定用部材35を設けたグランド用基板34は、全体として側面視で十字状に形成される。固定用部材35は、その上端を水平基板32の上面と一致させた状態で、水平基板32の側面に接着固定され、これにより、グランド用基板34が水平基板32に固定される。
また、一方の固定用部材35の先端から他方の固定用部材35の先端までの幅(X軸方向の長さ)は、水平基板32の幅と同じに形成されており、固定用部材35の先端が両鉛直基板33a,33bに接着固定されるようになっている。このように構成することで、固定用部材35は、グランド用基板34を水平基板32に固定する役割のみならず、各基板32,33a,33b,34を組み合わせた構造体の機械的な強度を向上させる役割も果たすことになる。
水平偏波用のアンテナ素子31では、一方の導体板2aは、両鉛直基板33a,33bの表面S側の一方の側端部(図3(c)では下側)にそれぞれ形成された導体パターン36と、両導体パターン36に電気的に接続され、両鉛直基板33a,33bの一方の側端部間に架け渡すように設けられる金属板37と、からなる。他方の導体板2bは、両鉛直基板33a,33bの裏面R側の他方の側端部(図3(c)では上側)にそれぞれ形成された導体パターン38と、両導体パターン38に電気的に接続され、両鉛直基板33a,33bの他方の側端部間に架け渡すように設けられる金属板39と、からなる。金属板37,39は、半田付けにより導体パターン36,38に固定され、電気的に接続されるようになっている。
なお、図1の水平偏波用のアンテナ素子1では、両導体板2a,2b間が空気であるため、両導体板2a,2b間の静電容量を確保するために両導体板2a,2bの側端部同士を重ね合わせるように構成したが、図3の水平偏波用のアンテナ素子31では、両導体板2a,2b間に比誘電率が2.6の誘電体基板(鉛直基板33a,33b)を挿入していることになるため、図1の水平偏波用のアンテナ素子1と比較して両導体板2a,2b間の静電容量は2.6倍となる。よって、水平偏波用のアンテナ素子31では、両導体板2a,2bを重ね合わせずY軸方向に離間して配置することで、両導体板2a,2b間の静電容量を調整して、中心周波数f0を調整するようにしている。
また、水平偏波用のアンテナ素子31では、グランド導体3は、凹字状の水平基板32の欠損部(切欠き32a)に収容され、上面視でコの字状に形成されると共に、その開口部がグランド用基板34側となるように配置されたグランド用金属板40と、グランド用基板34の裏面Rに形成されたグランド用導体パターン41と、からなる。グランド用金属板40は、半田付けによりグランド用導体パターン41に固定され、電気的に接続されるようになっている。
グランド用基板34の裏面Rには、全面にグランド用導体パターン41が形成されており、その表面Sには、給電素子4に給電する50Ωの給電ライン42が導体パターンにより形成されている。
水平基板32の上面には、給電素子4となる導体パターンが形成される。給電素子4は放射導体2の鉛直方向の中央に形成されることが望ましく、水平基板32は、その上面が放射導体2の鉛直方向の中央に位置するように両鉛直基板33a,33bに固定されている。なお、水平基板32に形成された給電素子4と、グランド用基板34に形成された給電ライン42とを接続するために、固定用部材35を通って両者を接続する導体パターンが形成されているが、この固定用部材35に形成された導体パターンも給電素子4の一部として扱う。なお、固定用部材35の導体パターンをグランド用基板34の表面S側にのみ形成し、固定用部材35の導体パターンと水平基板32の導体パターンとの間(固定用部材35の側面の部分)を、例えば、すずめっき線をはんだ接続すること等により電気的に接続してもよい。
なお、水平偏波用のアンテナ素子31では、給電素子4がグランド導体3に直接接続されていないが、給電素子4の基端部(固定用部材35に形成された導体パターンのグランド用基板34側の端部)がグランド用基板34を介してグランド導体3(グランド用導体パターン41)と容量結合されていることとなり、この給電素子4の基端部に給電ライン42により給電が行われていることになる。
中心周波数f0を2610MHzとする場合の各部の寸法を図3(a),(c)に併せて示す。なお、図3(c)では給電素子4の幅を省略して描いているが、給電素子4の幅は1mmとし、給電ライン42の幅は2mmとした。図3(a),(c)の寸法で水平偏波用のアンテナ素子31を作成したときの水平面内の指向性、垂直面内の指向性、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)特性をそれぞれ図4(a)〜(c)に示す。
図4(a)に示すように、水平偏波用のアンテナ素子31の水平面内の指向性は略均一であり、その偏差は2.69dB(最大2.98dBi、最少0.29dBi)であった。また、図4(c)に示すように、VSWRが1.5以下となる帯域幅は49MHzであり、比帯域で1.9%と十分な帯域が実現できることが分かる。オムニアンテナでは水平面内の指向性の偏差が3dB未満である必要があり、また実用上帯域幅は30MHz以上である必要があるが、これら両方の条件を満足した水平偏波用のアンテナ素子31を実現できることが分かる。
また、水平偏波用のアンテナ素子31のS11特性の実測値と計算値をそれぞれ図5(a),(b)に示す。図5(a),(b)を比較すれば分かるように、実測値と計算値はよく一致しており、計算通りの特性が得られていることが分かる。
図6(a)〜(c)に示す水平偏波用のアンテナ素子61は、図3の水平偏波用のアンテナ素子31において、導体板2bを構成する導体パターン38を、両鉛直基板33a,33bの表面S側に形成したものである。水平偏波用のアンテナ素子61では、2つの導体板2a,2bは同じ形状となる。水平偏波用のアンテナ素子61では、鉛直基板33a,33bとして片面基板を用いることが可能となり、また両鉛直基板33a,33bに同じものを用いることが可能になるため、上述の水平偏波用のアンテナ素子31と比較して低コスト化が可能である。
中心周波数f0を2610MHzとする場合の各部の寸法を図6(a),(c)に併せて示す。導体パターン38を鉛直基板33a,33bの表面S側に形成することにより、給電素子4の周辺との結合状態が変化するので、水平偏波用のアンテナ素子61では、インピーダンスを整合させ中心周波数f0を調整するために、図3の水平偏波用のアンテナ素子31と比較して、給電素子4の長さと両導体板2a,2bの間隔を変更している。
図6(a),(c)に示した寸法で水平偏波用のアンテナ素子61を作成したときの水平面内の指向性、垂直面内の指向性、VSWR特性をそれぞれ図7(a)〜(c)に示す。
図7(a)に示すように、水平偏波用のアンテナ素子61の水平面内の指向性は略均一であり、その偏差は2.53dB(最大2.86dBi、最少0.33dBi)であった。また、図7(c)に示すように、VSWRが1.5以下となる帯域幅は50MHzであり、十分な帯域が実現できることが分かる。
図8(a),(b)に示す水平偏波用のアンテナ素子81は、図6の水平偏波用のアンテナ素子61において、給電素子4,グランド導体3,水平基板32,及びグランド用基板34の配置を同一としたまま、放射導体2と鉛直基板33a,33bを上面視で時計回りに90°回転させたものである。水平偏波用のアンテナ素子81では、水平基板32をY軸方向の両側から挟み込むように鉛直基板33a,33bを配置することになるが、水平基板32のY軸方向の一方の端部(図8(b)では下側)にはグランド用基板34が固定されており、導体板2aを水平基板32に固定することができない。よって、導体板2bのみを水平基板32に接着固定し、導体板2aを金属板37,39を介して導体板2bに支持させるように構成する。
中心周波数f0を2610MHzとする場合の各部の寸法を図8(a),(b)に併せて示す。なお、放射導体2を回転させたことによる結合状態の変化に対応するため、図6の水平偏波用のアンテナ素子61と比較して、給電素子4の長さと両導体板2a,2bの間隔を適宜変更している。図8(a),(b)の寸法で水平偏波用のアンテナ素子81を作成したときの水平面内の指向性、垂直面内の指向性、VSWR特性をそれぞれ図9(a)〜(c)に示す。
図9(a)に示すように、水平偏波用のアンテナ素子81の水平面内の指向性は略均一であり、その偏差は2.98dB(最大2.84dBi、最少−0.14dBi)であった。図9(a)と図7(a)を比較すれば分かるように、放射導体2を上面視で90°回転させることにより、水平面内の指向性の特性も略上面視で90°回転させた特性となることが分かる。また、図9(c)に示すように、水平偏波用のアンテナ素子81におけるVSWRが1.5以下となる帯域幅は53MHzであり、十分な帯域が実現できることが分かる。
図10に示す水平偏波用のアンテナ素子101は、図6の水平偏波用のアンテナ素子61において、グランド用金属板40を省略したものである。上述の水平偏波用のアンテナ素子1,31,61,81では、グランド導体3を角筒状としていたが、グランド導体3は必ずしも筒状とする必要はなく、グランド用基板34の裏面Rに形成されたグランド用導体パターン41のみとしてもよい。なお、図10では水平基板32の切欠き32aを残したままとしているが、切欠き32aを省略し、水平基板32を矩形状とすることも可能である。また、水平偏波用のアンテナ素子101では、グランド用基板34と固定用部材35とを一体に形成し、全体として側面視で十字状に形成した一体基板102を用いるようにした。
水平偏波用のアンテナ素子101の水平面内の指向性、垂直面内の指向性、VSWR特性をそれぞれ図11(a)〜(c)に示す。
図11(a)に示すように、水平偏波用のアンテナ素子101の水平面内の指向性は略均一であり、その偏差は2.5dB(最大2.45dBi、最少−0.05dBi)であった。また、図11(c)に示すように、水平偏波用のアンテナ素子101におけるVSWRが1.5以下となる帯域幅は58MHzであり、十分な帯域が実現できることが分かる。
水平偏波用のアンテナ素子101では、グランド用金属板40を省略したためパーツ数を削減してコストを削減することが可能であり、また、上述の水平偏波用のアンテナ素子1,31,61,81と比較して広い帯域幅を実現可能である。
ただし、水平偏波用のアンテナ素子101では、グランド用金属板40を省略したために、給電素子4の周辺との結合が弱くなり、これを改善するために給電素子4を長くすると共に、両導体板2a,2b間の間隔も小さくする必要が生じる。アンテナ装置では、最外部にFRPなどの誘電体からなるレドームを設けるが、レドームを設けると、給電素子4の周辺との結合状態が変化してしまい、この調整のために給電素子4を長くする必要が生じるのが通常である。水平偏波用のアンテナ素子101のように給電素子4が長くなると、レドームを設けたときの調整が困難となってしまう場合も考えられるので、レドームを設けたときの調整しろを残しておくという観点からは、グランド用金属板40を省略せずに、給電素子4をなるべく短く設定しておくことが望ましい。
[アンテナ装置]
次に、アンテナ装置について説明する。
本実施の形態に係るアンテナ装置は、上述の水平偏波用のアンテナ素子1,31,61,81,101を1つ以上備えたものである。ここでは、複数の水平偏波用のアンテナ素子1,31,61,81,101を鉛直方向にアレー状に配置したアンテナ装置を説明する。
図12(a),(b)に示すアンテナ装置121は、図6の水平偏波用のアンテナ素子61を2つ、図8の水平偏波用のアンテナ素子81を2つ備え、水平偏波用のアンテナ素子61,81を鉛直方向に交互に配置した4素子のアレーアンテナである。
つまり、アンテナ装置121は、給電素子4及びグランド導体3の配置が同一であり、放射導体2を上面視で相対的に90°回転させた2種類の水平偏波用のアンテナ素子61,81を形成し、両水平偏波用のアンテナ素子61,81を交互に配置したものである。
各水平偏波用のアンテナ素子61,81のグランド用基板34は共通とされる。グランド用基板34の裏面Rには、全面にわたってグランド用導体パターン41が形成されており、その表面Sには、給電ライン42が導体パターンにより形成されている。本実施の形態では、グランド用基板34の鉛直方向(Z軸方向)の中央部に同軸ケーブル等の給電線を接続する給電部122を形成し、給電部122からトーナメント状に分岐して、各水平偏波用のアンテナ素子61,81に給電を行うように、給電ライン42を形成した。
また、本実施の形態では、給電部122から各水平偏波用のアンテナ素子61,81に至る給電ライン42の長さを等しくし、各水平偏波用のアンテナ素子61,81に同位相給電を行うようにしている。
図13,14は、水平偏波用のアンテナ素子61,81に同位相給電を行ったときの水平偏波用のアンテナ素子61,81近傍の電界分布を示す図である。図13,14に示すように、給電素子4に給電を行うと、導体板2a,2bが励振されて導体板2a,2b間のギャップに逆向きの強い電界が発生し、放射導体2は、あたかも導体板2a,2b間の2つのギャップに逆位相かつ同振幅の給電を行ったような挙動を示す。図13と図14を比較すると分かるように、同位相給電を行った際の電界の向きは両水平偏波用のアンテナ素子61,81で同じとなり、水平偏波用のアンテナ素子61,81に同位相給電を行うと、アレー効果により互いに電界を強め合う効果が得られることが分かる。
また、上述のように、水平偏波用のアンテナ素子61と水平偏波用のアンテナ素子81は、水平面内の指向性が上面視で略90°回転された特性となっている(図7(a),図9(a)参照)。よって、両水平偏波用のアンテナ素子61,81を交互に配置することで、放射特性が互いに補完し合い、アンテナ装置121全体での水平面内の指向性をより均一化することが可能になる。
なお、例えば、水平偏波用のアンテナ素子81に代えて、上面視で90°回転させた水平偏波用のアンテナ素子61を用いても、同様の特性を得ることが可能である。ただし、この場合、水平偏波用のアンテナ素子61を回転させる必要があるために、給電位置を同一平面上に形成することができず、給電ライン42を立体構造とする必要が生じ、構造が複雑となってしまう。よって、構造を簡素とするために、給電素子4及びグランド導体3の配置を同一として給電位置を同一平面上とし、かつ、放射導体2を上面視で相対的に90°回転させた2種類の水平偏波用のアンテナ素子61,81を用いて水平面内の指向性をより均一化することが望ましい。
また、隣り合う水平偏波用のアンテナ素子61,81の間隔は、水平面内の指向性が最も良好となる0.8λ程度とすればよい。なお、水平偏波用のアンテナ素子61,81間が空気のみである場合には0.8λが最適であるが、実際には水平偏波用のアンテナ素子61,81間には基板(グランド用基板34)が挿入されるので、その誘電率の影響を考慮して微調整を行う必要がある。図12のアンテナ装置121では、その鉛直方向(Z軸方向)の全長は320mmである。
さらに、アンテナ装置121では、図示していないが、各水平偏波用のアンテナ素子61,81や共用のグランド用基板34を覆うようにレドームが設けられる。上述のように、レドームはFRPなどからなる誘電体であるから、レドームを設けることでアンテナ装置121の放射特性は若干変化する。よって、レドームを設けることを考慮して、予め各水平偏波用のアンテナ素子61,81の各部の寸法(給電素子4の長さや導体板2a,2b間の間隔)を調整しておく必要がある。水平偏波用のアンテナ素子61,81の一辺の長さ(X軸方向、Y軸方向の長さ)は17mm前後であるから、公差を厳しくすれば内径φ25mmのレドームに収容することも可能であり、細径なアンテナ装置121を実現できる。
図12のアンテナ装置121の水平面内の指向性、垂直面内の指向性をそれぞれ図15(a),(b)に示す。図15(a)に示すように、アンテナ装置121の水平面内の指向性は非常に均一であり、その偏差は0.58dB(最大6.54dBi、最少5.96dBi)であった。従来のアンテナ装置で実現されている最も小さい水平面内指向性の偏差は1dB程度であるから、アンテナ装置121によれば、水平面内の指向性の均一化の観点で非常に高い効果が得られていることが分かる。
また、図16に示すように、水平面内の指向性が均一な垂直偏波用のアンテナ素子161をさらに備え、隣り合う水平偏波用のアンテナ素子61,81間に垂直偏波用のアンテナ素子161を配置して、垂直偏波用のアンテナ素子161と水平偏波用のアンテナ素子61,81とを鉛直方向にアレー状に配置すれば、偏波ダイバーシチ無指向性アンテナが実現できる。
以上説明したように、本発明のアンテナ装置では、曲げ加工を施した2つの導体板2a,2bを所定の間隔を隔てて対向配置してなり、全体として鉛直方向に延びる筒状に形成された放射導体2と、放射導体2の2つの導体板2a,2bに囲まれた内部空間5に配置される電気的に接地されたグランド導体3と、内部空間5に配置されると共に、上面視で導体板2a,2bの内壁に沿うように配置され、その一端部とグランド導体3との間に給電がなされて逆Lアンテナとして動作し、放射導体2に電磁結合により給電する給電素子4と、を備えた水平偏波用のアンテナ素子を備えている。
このように構成することで、水平面内の指向性が均一で従来同様にコンパクトな水平偏波用のアンテナ素子を実現でき、帯域幅が十分に広く、水平面内の指向性が均一なアンテナ装置を実現できる。また、アンテナ装置では、モノポールアンテナの変形である逆Lアンテナを給電素子4として用いているため、ダイポールアンテナを用いた場合のようにバランが不要であり、構造が簡易である。
より具体的には、本発明によれば、中心周波数を2610MHzとした場合において、VSWRが1.5以上となる帯域幅を49MHz以上とし、かつ、水平面内の指向性の偏差を3dB未満とすることが可能である。このとき、水平偏波用のアンテナ素子は、その高さが15mm、放射導体2の一辺の長さが17mm前後とコンパクトであり、内径φ25mmのレドームに収容することも可能となり細径なアンテナ装置を実現できる。
また、本発明のアンテナ装置では、給電素子4の長さや導体2a,2bの間隔(あるいはオーバーラップ長)によって、インピーダンスの整合や中心周波数の調整を行うことが可能であり、インピーダンスの整合や中心周波数の調整が容易である。
さらに、グランド導体3を、上面視で内部空間5の中央部に配置され鉛直方向に延びる筒状に形成することで、給電素子4の周辺との結合を強め、給電素子4を短くすることが可能になり、レドームを設けた際の調整しろを十分に残すことが可能になる。
さらにまた、2枚の導体板2a,2bを上面視でコの字状に形成し、その開口同士を対向させるように配置することで、導体パターンを形成した基板と金属板を用いて、簡単に水平偏波用のアンテナ素子を構成することが可能になる。
また、給電素子4及びグランド導体3の配置が同一であり、放射導体2を上面視で相対的に90°回転させた2種類の水平偏波用のアンテナ素子を形成し、両水平偏波用のアンテナ素子を交互に配置することで、水平面内の指向性の偏差を0.58dBと非常に小さくすることが可能になる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、2枚の導体板2a,2bを上面視でコの字状に形成したが、これに限らず、角部を丸めるなどして、レドームに収容しやすくしてもよい。さらには、図17に示す水平偏波用のアンテナ素子171のように、2つの導体板2a,2bを共に上面視で円弧状に形成し、その開口同士を対向させるように配置するようにしてもよい。図17では、両導体板2a,2bを上面視で半円形状に形成し、全体として円筒状の放射導体2を形成した場合を示している。この場合、給電素子4は、導体板2a,2bの内壁に沿うように円弧状に形成されることになる。なお、グランド導体3も放射導体2の形状に合わせて円筒状に形成することが望ましい。
また、上記実施の形態では、別々に形成した基板32,33a,33b,34および金属板37,39を接着固定や半田固定することにより、水平偏波用のアンテナ素子を形成する場合を説明したが、これらをインサート成型により一体に形成してもよい。さらには、例えば、図12に示したアンテナ装置121(つまり複数の水平偏波用のアンテナ素子と共用のグランド用基板34)全体をインサート成型により一括形成することも可能である。
さらに、上記実施の形態では、導体パターン36,38と金属板37,39、およびグランド用導体パターン41とグランド用金属板40とを半田付けにより固定する場合を説明したが、これに限らず、溝と突起などの係止構造を設け、両者を係止し接触させて電気的に接続するようにしてもよい。ただし、上記実施の形態のように高周波(2610MHz)を用いる場合には、信頼性の高い半田付けとすることが望ましい。
また、上記実施の形態では、上面視でコの字状に形成されたグランド用金属板40の両端と、グランド用基板34の裏面Rに形成されたグランド用導体パターン41の両端とを、半田付けにより直接電気的に接続してグランド導体3を形成する場合を説明したが、これに限らず、図18に示す水平偏波用のアンテナ素子181のように、グランド用導体パターン41の両端とグランド用金属板40の両端との間に隙間(スリット)182を形成するようにしてもよい。図18では、図3の水平偏波用アンテナ素子31に隙間182を形成した場合を示している。
隙間182を形成する際には、グランド用基板34の両側に、隙間182となるグランド用導体パターン41が形成されない部分を形成し、グランド用金属板40の両端をグランド用基板34に接着固定するように構成すればよい。なお、グランド用金属板40の両端部を内側に折り曲げて接着固定すると、接着強度を高めることができる。ただし、グランド用金属板40の両端部を内側に折り曲げる幅は、グランド用導体パターン41が形成されない部分の幅よりも小さくする必要がある。
グランド用導体パターン41の両端とグランド用金属板40の両端との間に隙間182を形成することで、隙間182に電界が集中し、給電素子4の周辺との結合を強めることが可能となり、給電素子4の長さを短縮できる。
図18の水平偏波用のアンテナ素子181で水平基板32を省略した場合において、隙間182が有る場合と無い場合の、給電素子4の長さと導体2a,2bの間隔のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図19に示す。図19におけるP1は導体板2aの先端(側端)の位置、P2は導体板2bの先端(側端)の位置を表している。なお、水平基板2を省略したのは、隙間182による影響を顕著として理解し易くするためである。中心周波数f0は上述の実施の形態と同様に2610MHzとした。
図19に示すように、隙間182が無い場合には、給電素子4が非常に長くなり、かつ、導体板2a,2b間の間隔が非常に狭くなっており、レドームを設けた際の調整しろが不足して中心周波数f0の調整が困難となるおそれがある。これに対して、隙間182が有る場合には、給電素子4を比較的短くでき、導体板2a,2b間の間隔も比較的広くできる。
1 水平偏波用のアンテナ素子
2 放射導体
2a,2b 導体板
3 グランド導体
4 給電素子
5 内部空間

Claims (11)

  1. 水平偏波用のアンテナ素子を備えたアンテナ装置において、
    前記水平偏波用のアンテナ素子は、
    曲げ加工を施した2つの導体板を所定の間隔を隔てて対向配置してなり、全体として鉛直方向に延びる筒状に形成された放射導体と、
    前記放射導体の前記2つの導体板に囲まれた内部空間に配置される電気的に接地されたグランド導体と、
    前記内部空間に配置されると共に、上面視で前記導体板の内壁に沿うように配置され、その一端部と前記グランド導体との間に給電がなされて逆Lアンテナとして動作し、前記放射導体に電磁結合により給電する給電素子と、を備えている
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記グランド導体は、鉛直方向に延びる筒状に形成されると共に、上面視で前記内部空間の中央部に配置され、
    前記給電素子は、前記導体板と前記グランド導体との間の前記内部空間に配置される
    請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 前記2つの導体板は、共に上面視でコの字状に形成され、その開口同士を対向させるようにして配置されている
    請求項1または2記載のアンテナ装置。
  4. 前記水平偏波用のアンテナ素子は、
    水平面上に配置される水平基板と、
    該水平基板を挟んで対向配置され、表面を外側にして鉛直方向に延びるように配置された2つの鉛直基板と、をさらに備え、
    前記導体板の一方は、前記両鉛直基板の表面側の一方の側端部にそれぞれ形成された導体パターンと、当該両導体パターンに電気的に接続され、前記両鉛直基板の一方の側端部間に架け渡すように設けられる金属板と、からなり、
    前記導体板の他方は、前記両鉛直基板の裏面側の他方の側端部にそれぞれ形成された導体パターンと、当該両導体パターンに電気的に接続され、前記両鉛直基板の他方の側端部間に架け渡すように設けられる金属板と、からなり、
    前記給電素子は、前記水平基板に形成された導体パターンからなる
    請求項3記載のアンテナ装置。
  5. 前記水平偏波用のアンテナ素子は、
    水平面上に配置される水平基板と、
    該水平基板を挟んで対向配置され、表面を外側にして鉛直方向に延びるように配置された2つの鉛直基板と、をさらに備え、
    前記導体板の一方は、前記両鉛直基板の表面側の一方の側端部にそれぞれ形成された導体パターンと、当該両導体パターンに電気的に接続され、前記両鉛直基板の一方の側端部間に架け渡すように設けられる金属板と、からなり、
    前記導体板の他方は、前記両鉛直基板の表面側の他方の側端部にそれぞれ形成された導体パターンと、当該両導体パターンに電気的に接続され、前記両鉛直基板の他方の側端部間に架け渡すように設けられる金属板と、からなり、
    前記給電素子は、前記水平基板に形成された導体パターンからなる
    請求項3記載のアンテナ装置。
  6. 前記水平基板は、上面視で凹字状に形成され、
    前記水平偏波用のアンテナ素子は、
    前記水平基板の開口部を塞ぐようにして設けられ、表面を外側にして鉛直方向に延びるグランド用基板をさらに備え、
    前記グランド導体は、前記水平基板の凹字状の欠損部に収容され、上面視でコの字状に形成されると共に、その開口部が前記グランド用基板側となるように配置されたグランド用金属板と、前記グランド用基板の裏面に形成されたグランド用導体パターンと、からなり、
    前記グランド用導体パターンの両端と前記グランド用金属板の両端との間に隙間を形成した
    請求項4または5記載のアンテナ装置。
  7. 前記2つの導体板を、その水平方向の側端部同士が重なり合うように配置した
    請求項1〜4いずれかに記載のアンテナ装置。
  8. 前記2つの導体板は、共に上面視で円弧状に形成され、その開口同士を対向させるようにして配置されている
    請求項1または2記載のアンテナ装置。
  9. 前記水平偏波用のアンテナ素子を鉛直方向にアレー状に配置してなる
    請求項1〜8いずれかに記載のアンテナ装置。
  10. 前記給電素子及び前記グランド導体の配置が同一であり、前記放射導体を上面視で相対的に90°回転させた2種類の前記水平偏波用のアンテナ素子を形成し、該両水平偏波用のアンテナ素子を交互に配置した
    請求項9記載のアンテナ装置。
  11. 垂直偏波用のアンテナ素子をさらに備え、
    該垂直偏波用のアンテナ素子と前記水平偏波用のアンテナ素子とを鉛直方向にアレー状に配置してなる
    請求項9または10記載のアンテナ装置。
JP2011279779A 2011-12-21 2011-12-21 アンテナ装置 Expired - Fee Related JP5708473B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011279779A JP5708473B2 (ja) 2011-12-21 2011-12-21 アンテナ装置
US13/717,486 US9153862B2 (en) 2011-12-21 2012-12-17 Antenna apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011279779A JP5708473B2 (ja) 2011-12-21 2011-12-21 アンテナ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013131901A true JP2013131901A (ja) 2013-07-04
JP5708473B2 JP5708473B2 (ja) 2015-04-30

Family

ID=48653987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011279779A Expired - Fee Related JP5708473B2 (ja) 2011-12-21 2011-12-21 アンテナ装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9153862B2 (ja)
JP (1) JP5708473B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015165643A (ja) * 2014-02-06 2015-09-17 株式会社日立国際八木ソリューションズ 広帯域リニアアレーアンテナ
DE112020003542T5 (de) 2019-07-25 2022-04-14 Nec Platforms, Ltd. Drahtloses gerät

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111541017B (zh) * 2020-04-15 2022-07-15 烽火通信科技股份有限公司 一种高增益的微带天线及其制造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5898405A (en) * 1994-12-27 1999-04-27 Kabushiki Kaisha Toshiba Omnidirectional antenna formed one or two antenna elements symmetrically to a ground conductor
JPH11266120A (ja) * 1998-01-13 1999-09-28 Mitsumi Electric Co Ltd 平面アンテナ
US6342856B1 (en) * 1998-01-13 2002-01-29 Mitsumi Electric Co., Ltd. Method of feeding flat antenna, and flat antenna
JP2002084131A (ja) * 2000-09-06 2002-03-22 Maspro Denkoh Corp Uhfアンテナ
JP2010062979A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Nippon Dengyo Kosaku Co Ltd 無指向性アンテナ

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002094323A (ja) * 2000-09-20 2002-03-29 Murata Mfg Co Ltd 円偏波アンテナ装置
US6888510B2 (en) * 2002-08-19 2005-05-03 Skycross, Inc. Compact, low profile, circular polarization cubic antenna
US7705782B2 (en) * 2002-10-23 2010-04-27 Southern Methodist University Microstrip array antenna
US7532164B1 (en) * 2007-05-16 2009-05-12 Motorola, Inc. Circular polarized antenna
US7548207B1 (en) * 2008-02-06 2009-06-16 Advanced Connection Technology, Inc. Circularly polarized antenna

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5898405A (en) * 1994-12-27 1999-04-27 Kabushiki Kaisha Toshiba Omnidirectional antenna formed one or two antenna elements symmetrically to a ground conductor
JPH11266120A (ja) * 1998-01-13 1999-09-28 Mitsumi Electric Co Ltd 平面アンテナ
US6342856B1 (en) * 1998-01-13 2002-01-29 Mitsumi Electric Co., Ltd. Method of feeding flat antenna, and flat antenna
JP2002084131A (ja) * 2000-09-06 2002-03-22 Maspro Denkoh Corp Uhfアンテナ
JP2010062979A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Nippon Dengyo Kosaku Co Ltd 無指向性アンテナ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015165643A (ja) * 2014-02-06 2015-09-17 株式会社日立国際八木ソリューションズ 広帯域リニアアレーアンテナ
DE112020003542T5 (de) 2019-07-25 2022-04-14 Nec Platforms, Ltd. Drahtloses gerät

Also Published As

Publication number Publication date
US9153862B2 (en) 2015-10-06
JP5708473B2 (ja) 2015-04-30
US20130162484A1 (en) 2013-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9401547B2 (en) Multimode antenna structure
US11955738B2 (en) Antenna
CN111656612A (zh) 偶极天线
JP5060588B2 (ja) 偏波ダイバーシチアンテナ
KR20060094603A (ko) 유전체 칩 안테나
US11264730B2 (en) Quad-port radiating element
JP6990833B2 (ja) アンテナ装置
US20180123236A1 (en) Antenna System and Antenna Module With a Parasitic Element For Radiation Pattern Improvements
JP2016181755A (ja) アンテナ装置
WO2010108075A2 (en) Multimode antenna structure
EP3240109B1 (en) Electronic apparatus and dual band printed antenna of the same
JP5708473B2 (ja) アンテナ装置
US6788265B2 (en) Antenna element
CN101090176A (zh) 平面天线
US20200388923A1 (en) Multi-band antenna
US20200266545A1 (en) Broad band dipole antenna
WO2018163695A1 (ja) マルチバンドアンテナ及び無線通信装置
JP7425554B2 (ja) アンテナ装置
JP2006135605A (ja) 水平偏波用アンテナ
US11063357B2 (en) Dual-band antenna for global positioning system
TWI787077B (zh) 槽孔天線裝置及槽孔天線組合系統
WO2013168690A1 (ja) アンテナ装置
JP3735058B2 (ja) 水平偏波無指向性アンテナ装置
JP2015091086A (ja) アンテナ装置およびアレイアンテナ装置
CN116581529A (zh) 天线单元及天线

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20131202

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141021

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5708473

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees