JP2013131647A - 太陽電池モジュール、太陽光発電ユニット、および太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール、太陽光発電ユニット、および太陽電池モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放熱性、絶縁性を向上した太陽電池モジュール、太陽光発電ユニット、太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュールの枠体部40では、下端部41dは、底板部30の端面32が対向する下端枠部55と、下端枠部55の内側(内壁40sの側)で上端部の側に位置して底板部30(ガラス板)の平面33に対向する段差部56と、段差部56から底板部30の側へ突出した台形領域57に配置された下端金属板42dとを備え、底板部30は、下端金属板42dに対向する位置に配置された底板金属層35を備え、下端金属板42dおよび底板金属層35は、相互に溶着されている。
【選択図】図2A

Description

本発明は、集光レンズが配置された透光性基板を合成樹脂で形成された枠体部に固定した太陽電池モジュール、複数の太陽電池モジュールを搭載した太陽光発電ユニット、および太陽電池モジュールの製造方法に関する。
フレネルレンズ(集光レンズ)によって集光した太陽光を太陽電池素子に照射して大きい光起電力を得る集光型太陽光発電装置が提案されている(例えば、引用文献1ないし引用文献5参照。)。
集光型太陽光発電装置は、集光レンズの受光面積より小さいサイズの太陽電池素子を配置すれば良いことから、太陽電池素子のサイズ(面積)を縮小することができるので、高価な構成物である太陽電池素子の使用量を低減することができ、製造コストを下げることが可能となる。このような利点から、集光型太陽光発電装置は、広大な面積を利用して発電することが可能な地域などで、大電力供給用に利用されつつある。
引用文献1に記載された技術は、フレネルレンズ(集光レンズ)を筐体に取り付けた太陽電池モジュールである。フレネルレンズと太陽電池素子との間を周囲から保護する筐体が適用され、筐体とフレネルレンズとの固定にゴム製ブッシングが適用されている。したがって、筐体に対するフレネルレンズの固定構造が複雑となり、密封性、耐候性、作業性の観点からの課題がある。
また、太陽電池素子を配置した底板側の形状は、フレネルレンズが占める面積に対して全く異なった形状であることから、筐体構造が複雑化し、強度的な問題、作業性の問題など種々の課題が生じている。また、放熱性に課題があり、特別なヒートシンクが必要となっている。
引用文献2に記載された技術は、フレネルレンズを採用しているもののフレネルレンズを保持する筐体構造についての記載が全く無く、また、太陽電池素子の周囲には、集光レンズが配置された支持板を支持する支柱が配置されており、太陽電池素子の配置構造も複雑となっている。
引用文献3、4に記載された技術は、金属製のフレームに集光レンズを固定する太陽電池モジュールである。金属製のフレームは、重量が大きくなり、また、組立工程が必要になる。また、金属製のフレームに対して集光レンズの取り付け、太陽電池素子の配置に困難性があるなどの課題がある。また、引用文献5に開示された技術は、集光レンズをフレームに連結するレンズフレームの位置決めに関する技術である。
いずれの技術においても、筐体構造が複雑であり、また、構造材として金属製の筐体を適用した場合は、重量が増加すること、大規模な組立工程が必要で作業性に課題が生じること、製造コストが高くなることなどの課題がある。また、太陽電池素子の固定において、放熱構造が複雑化していることから、高精度に位置決めできる締結部材、固定部材が必要となる。
また、複数の太陽電池素子を直列に接続した太陽電池モジュールの場合、集光された太陽光の照射によって、高い電圧が出力され、例えば200V以上となることがある。したがって、絶縁性を確保するために太陽電池モジュールの内部の耐水性(外部からの水分、湿気の浸入を防止する密封性)、耐候性が極めて重要な課題となっている。
特開2002−289897号公報 特開2003−258291号公報 特開2006−343435号公報 特開2008−98237号公報 特開2010−135608号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、集光レンズを有する太陽電池モジュールであって、枠体部を合成樹脂で一体成形し、太陽電池素子が配置される底板部をガラス板で形成することにより、放熱性、絶縁性を向上した太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
また、本発明は、本発明に係る太陽電池モジュールを複数配置した太陽光発電ユニットとすることにより、軽量化、工程簡略化が可能となり、放熱性、絶縁性を向上させた太陽光発電ユニットを提供することを他の目的とする。
また、本発明は、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法であって、密封性、耐候性、放熱性、絶縁性の高い太陽電池モジュールを容易に製造する製造方法を提供することを他の目的とする。
本発明に係る太陽電池モジュールは、複数の太陽電池素子と、前記太陽電池素子のそれぞれに太陽光を集光する複数の集光レンズと、前記太陽電池素子が搭載された底板部と、前記集光レンズと前記底板部との間隔を画定する枠体部とを備えた太陽電池モジュールであって、前記枠体部は、合成樹脂で一体成形され、前記集光レンズが配置された透光性受光板を固定する上端部と、前記底板部を固定する下端部とを備え、前記底板部は、ガラス板で形成されていることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、枠体部を合成樹脂によって一体形成することから軽量化、工程簡略化が可能となり、また、底板部をガラス板で形成することから太陽電池素子の受光面以外の領域へ照射された太陽光を裏側(外部)へ透過させて放熱するので底板部での蓄熱を抑制して放熱性、絶縁性を向上することができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記下端部は、前記底板部の端面が対向する下端枠部と、前記下端枠部の内側で前記上端部の側に位置して前記底板部の平面に対向する段差部と、前記段差部から前記底板部の側へ突出した台形領域に配置された下端金属板とを備え、前記底板部は、前記下端金属板に対向する位置に配置された底板金属層を備え、前記下端金属板および前記底板金属層は、相互に溶着されていることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、下端部に配置された下端金属板と底板部に配置された底板金属層とが相互に溶着されることから、底板部を下端部に容易にかつ確実に結合して、底板部の密閉性を向上できるので、底板部の水密性および耐候性を向上させ、信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記下端金属板は、板厚の方向で一部が前記台形領域に埋め込まれていることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、下端金属板の一部が板厚の方向で下端部に埋め込まれていることから、下端金属板を下端部に対して高精度に位置決めして強固に固定することができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記下端金属板は、前記台形領域に沿って連続して配置され、前記底板金属層は、前記下端金属板に沿って連続して配置されていることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、底板金属層および下端金属板を台形領域(下端枠部の内側。底板部の外周)に沿って連続して配置することから、ガラス板と下端部との間の接合を確実にして密封性および結合強度を向上させることができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記下端枠部は、前記底板部の端面に対向する内側の頂部が除去されて封止樹脂が充填された封止部を備えることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、底板部の端面を囲む下端枠部の内側の頂部が除去されて封止樹脂が充填された封止部を備えることから、底板部と枠体部(下端部、下端枠部)との間での密着性、封止性を向上させて更に耐候性を向上させることができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記封止樹脂は、シリコーン樹脂、あるいはウレタン樹脂であることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、容易に封止部を形成することが可能となり、封止部の信頼性、経済性を更に向上させることができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記下端金属板は、銅、コバール、およびニッケルメッキしたアルミニウムの内いずれか一つの金属材料で形成されていること
を特徴とする太陽電池モジュール。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、下端金属板を溶接性に優れた特定の材料とすることから、底板部に形成された底板金属層に対する溶接を容易に施すことができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記底板金属層は、前記底板部への接着性を有する半田で形成されていることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、底板部(ガラス板)への接着性を有する半田で底板金属層を形成することから、底板部に対して底板金属層を確実に形成し、底板金属層と下端金属板との間の溶接性を向上させることができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記底板金属層は、前記半田に対して銅めっきまたは銅ペーストが底板下地層として形成されていることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、半田の形成を容易にして半田の溶着性を向上させることができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記枠体部は、300nmないし1400nmの波長の光に対する反射率が50%以上の第1被覆膜を内壁に備えることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、枠体部の内壁の反射率を50%以上とすることから、反射された太陽光を底板部から効果的に放散させるので、枠体部での蓄熱作用を抑制して底板部に搭載された太陽電池素子が太陽光の集光によって温度上昇することを防止できる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記枠体部は、耐候性を有する第2被覆膜を外壁に備えることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、枠体部(外壁)の耐候性を向上させることから、枠体部の信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記枠体部は、前記下端部と前記上端部との間の壁に形成された窓枠部と、前記窓枠部に配置されて壁面を形成する金属壁部とを備えることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、枠体部の壁からの放熱性を向上させ、構造強度を向上させるので、発電効率および信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記枠体部を成形する前記合成樹脂は、エンジニアリングプラスチックであることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、枠体部の耐候性と強度を強化することが可能となり、信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記エンジニアリングプラスチックは、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、およびポリカーボネート樹脂の群から選ばれたいずれか1つ、あるいは、炭素繊維またはガラスフィラーで複合化した前記群から選ばれたいずれか1つであることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、枠体部の耐候性と強度を更に確実に向上させることができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記太陽電池素子は、金属製のレシーバ基板に載置され、前記レシーバ基板は、前記底板部に接着されていることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、太陽電池素子を金属製のレシーバ基板に載置してレシーバ基板を底板部に接着することから、太陽電池素子における熱をレシーバ基板を介して底板部に伝達するので、効果的に放熱することが可能となり、発電効率を向上させることができる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールでは、前記集光レンズは、50mm角以下の形状であることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールは、集光レンズの形状を50mm角以下として集光度を抑制することから、枠体部の上端部から下端部までの間隔を小さくできるので、枠体部の小型化、薄型化が可能となり、設置場所に対する制限を抑制して設置適合性を向上させることができる。
また、本発明に係る太陽光発電ユニットは、複数の太陽電池モジュールを支持フレームに搭載した太陽光発電ユニットであって、前記太陽電池モジュールは、本発明に係る太陽電池モジュールであることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽光発電ユニットは、軽量化、工程簡略化が可能となり、底板部での蓄熱を抑制して放熱性、絶縁性を向上した太陽光発電ユニットとなる。
また、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、複数の太陽電池素子と、前記太陽電池素子のそれぞれに太陽光を集光する複数の集光レンズと、前記太陽電池素子が搭載された底板部と、前記集光レンズと前記底板部との間隔を画定する枠体部とを備えた太陽電池モジュールの製造方法であって、前記枠体部は、合成樹脂で一体成形され、前記透光性受光板が固定される上端部と、前記底板部が固定される下端部とを備え、前記底板部は、ガラス板で形成されてあり、前記底板部を固定する下端金属板を前記下端部に固定する工程と、前記下端金属板に位置合わせされた底板金属層を前記底板部に形成する工程と、前記底板部に形成された前記底板金属層と前記下端部に固定された前記下端金属板とを重ねる工程と、前記下端金属板と前記底板金属層とを溶接する工程とを備えることを特徴とする。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、底板部(ガラス板)に形成された底板金属層と枠体部(下端部)に形成された下端金属板とを溶接することから、締結部材を適用することなく、底板部を枠体部(下端部)へ固定できるので、密封性、耐候性、放熱性、絶縁性の高い太陽電池モジュールを容易に製造することができる。
本発明に係る太陽電池モジュールは、複数の集光レンズと、太陽電池素子が搭載された底板部と、枠体部とを備え、枠体部は、合成樹脂で一体成形され、集光レンズが配置された透光性受光板を固定する上端部と、底板部を固定する下端部とを備え、底板部は、ガラス板で形成されている。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールによれば、軽量化、工程簡略化が可能となり、また、太陽電池素子の受光面以外の領域へ照射された太陽光を裏側(外部)へ透過させて放熱するので底板部での蓄熱を抑制して放熱性、絶縁性を向上することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る太陽光発電ユニットは、本発明に係る太陽電池モジュールを備える。
したがって、本発明に係る太陽光発電ユニットによれば、軽量化、工程簡略化が可能となり、底板部での蓄熱を抑制して放熱性、絶縁性を向上できるという効果を奏する。
また、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、底板部を固定する下端金属板を下端部に固定する工程と、下端金属板に位置合わせされた底板金属層を底板部に形成する工程と、底板部に形成された底板金属層と下端部に固定された下端金属板とを重ねる工程と、下端金属板と底板金属層とを溶接する工程とを備える。
したがって、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法によれば、締結部材を適用することなく、底板部を枠体部(下端部)へ固定できるので、密封性、耐候性、放熱性、絶縁性の高い太陽電池モジュールを容易に製造することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る太陽電池モジュールの全体構成の概要を分解して示す分解斜視図である。 図1Aに示した太陽電池モジュールを側面から透視して見た状態を示す透視側面図である。 図1Aに示した太陽電池モジュールにおける枠体部(下端部)と底板部との固定関係を断面状態で示す断面図である。 図2Aに示した太陽電池モジュールの変形例1における封止部の形成状態を示す断面図である。 図1Aに示した太陽電池モジュールの変形例2における底板金属層と下端金属板との固定関係を示す断面図である。 図1Aに示した太陽電池モジュールにおける枠体部(上端部)と透光性受光板との固定関係を断面状態で示す断面図である。 図4Aに示した太陽電池モジュールの変形例3における封止部の形成状態を示す断面図である。 図1Aに示した太陽電池モジュールの変形例4における受光板金属層と透光性受光板との固定関係を示す断面図である。 図1Aに示した太陽電池モジュールの変形例5における内壁に形成された第1被覆膜の断面状態を示す断面図である。 図1Aに示した太陽電池モジュールの変形例6における外壁に形成された第2被覆膜の断面状態を示す断面図である。 図1Aに示した太陽電池モジュールの変形例7における枠体部に形成された窓枠部に配置された金属壁部の断面状態を示す断面図である。 図8Aに示した太陽電池モジュールの変形例7の全体外観を斜め上方から見た状態で示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る太陽光発電ユニットの全体構成の概要を側面から見た状態として示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<実施の形態1>
図1Aないし図8Bを参照して、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1について説明する。なお、太陽電池モジュール1の製造方法(実施の形態3参照)についても部分的に言及する。
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の全体構成の概要を分解して示す分解斜視図である。
図1Bは、図1Aに示した太陽電池モジュール1を側面から透視して見た状態を示す透視側面図である。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1は、複数の太陽電池素子10と、太陽電池素子10のそれぞれに太陽光を集光する複数の集光レンズ20と、太陽電池素子10が搭載された底板部30と、集光レンズ20と底板部30との間隔を画定する枠体部40とを備える。
集光レンズ20は、透光性受光板21に行列状に配置されている。本実施の形態では、40個(5×8)の集光レンズ20が1枚の透光性受光板21に敷き詰められている。
太陽電池モジュール1では、枠体部40は、合成樹脂で一体成形され、集光レンズ20が配置された透光性受光板21を固定する上端部41uと、底板部30を固定する下端部41dとを備え、底板部30は、ガラス板で形成されている。
したがって、太陽電池モジュール1は、枠体部40を合成樹脂によって一体形成することから軽量化、工程簡略化が可能となり、また、底板部30をガラス板で形成することから太陽電池素子10の受光面以外の領域へ照射された太陽光を裏側(外部)へ透過させて放熱するので底板部30での蓄熱を抑制して放熱性を向上し、併せて絶縁性を向上することができる。
太陽電池モジュール1は、枠体部40が合成樹脂の一体成形で形成されているので、金属製の枠体部(筐体)とした場合に比較して軽量化を図ることができる。枠体部40を成形する合成樹脂は、エンジニアリングプラスチックであることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、枠体部40の耐候性と強度を強化することが可能となり、信頼性を向上させることができる。
また、枠体部40は、合成樹脂の一体成形で形成されることから、従来の金属製フレームを適用して形成する筐体(枠体)のような複数部材を組み立てて形成する必要が無く、フレームの組み立て工程が不要となる。枠体部40は、金型によって枠体部40の外形を画定する樹脂射出成形機によって製造されることから、樹脂射出成形機の精度に応じて、集光レンズ20(透光性受光板21)と太陽電池素子10(底板部30)との位置精度を確保でき、また、集光レンズ20に対する太陽電池素子10の位置合わせを高精度に実現できることから、発電効率の高い太陽電池モジュール1を形成できる。
枠体部40は、従来の金属製フレームに比較して約20%程度の軽量化が可能となり、太陽光発電ユニット2(図9参照)に搭載する場合の作業性を向上させ、材料費などを低減することから、低コスト化を図ることができる。
なお、エンジニアリングプラスチックは、熱可塑性ポリエステル樹脂(例えば、PEI(ポリエーテルイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)など)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、およびポリカーボネート樹脂(PC)の群から選ばれたいずれか1つ、あるいは、炭素繊維またはガラスフィラーで複合化した群から選ばれたいずれか1つであることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、枠体部40の耐候性と強度を更に確実に向上させることができる。
具体例として、ポリエステル樹脂について、説明する。例えば300℃以上の高温溶融状態とされたポリエステル樹脂はアルミニウム板との濡れ性が良い。したがって、高温高圧状態でポリエステル樹脂とアルミニウム板とを接触させた状態でポリエステル樹脂を室温に冷却すると、密閉性の良い界面構造が得られる。この性質を利用して、加熱した合成樹脂の射出成形で密閉性の良いポリエステル樹脂製の枠体部40が形成(成形)される。
上述したとおり、太陽電池モジュール1は、太陽電池素子10が搭載された底板部30を枠体部40に固定し、集光レンズ20が配置された透光性受光板21を枠体部40に固定することによって製造される。
太陽電池素子10は、例えばアルミニウムなどの基台に絶縁膜を介して配線パターンが形成されたレシーバ基板31に載置され、レシーバ基板31は、接続線31wを介して相互に接続されている。太陽電池モジュール1は、40個の太陽電池素子10が直列に接続されて太陽電池ストリングを形成している。
太陽電池素子10は、金属製のレシーバ基板31に載置され、レシーバ基板31は、底板部30に接着されている。したがって、太陽電池モジュール1は、太陽電池素子10を金属製のレシーバ基板31に載置してレシーバ基板31を底板部30に接着することから、太陽電池素子10における熱をレシーバ基板31を介して底板部30に伝達するので、効果的に放熱することが可能となり、発電効率を向上させることができる。なお、レシーバ基板31は、熱伝導性の高い接着剤によってレシーバ基板31に接着されている。
太陽電池素子10は、例えば、InGaP/InGaAs/Geの積層構造を有する3接合化合物半導体太陽電池(素子)である。レシーバ基板31は、アルミニウム製の基台に絶縁層を介して配線層(不図示)が積層してパターニングされている。太陽電池素子10は、レシーバ基板31に形成された配線パターンに適宜接続され搭載される。
レシーバ基板31に搭載された太陽電池素子10は、一枚の底板部30(レシーバプレートガラス板)に5×8個(40個)配置され、相互に直列接続されている。
また、太陽電池素子10、および配線部材(例えば、ワイヤ)は、シリコーン樹脂が被覆されて表面が保護されるので、高い絶縁性を確保することができる。
レシーバ基板31を位置決めする金型の固定治具が底板部30(ガラス板)に予め配置され、放熱性を有する接着剤(後述する底板金属層35に対する下端金属板42dの接着と同様に特殊な半田を適用できる。)を介してレシーバ基板31が底板部30に接着される。つまり、レシーバ基板31は、固定治具を適用されて底板部30に配置される。
その後、レシーバ基板31は、相互間を接続線31wで直列に接続される。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1では、集光レンズ20は、50mm角(平面視での寸法)以下の形状とされている。この構成によって、太陽電池モジュール1は、集光レンズ20の形状を50mm角以下として枠体部40の上端部41uから下端部41dまでの間隔(集光間隔)を小さくできるので、枠体部40の小型化、薄型化が可能となる。また、レンズ形状を50mm角以下とすることで1つのレシーバーあたりの集光量が抑制されるので、特に放熱フィン等の放熱対策を実施せずとも十分な放熱性能が確保できる。
太陽電池モジュール1は、薄型化によって、軽量化されていることから、追尾機構72(図9参照)を小型化して追尾駆動能力を軽減することが可能となり、システム構成に必要なコストを低減することができる。また、底板部30、枠体部40を簡略化できるので、作業性を向上させて低コスト化することができる。
図2Aは、図1Aに示した太陽電池モジュール1における枠体部40(下端部41d)と底板部30との固定関係を断面状態で示す断面図である。
下端部41dの外側(外壁40f)には、下端枠部55が形成され、下端枠部55(下端枠部55の内側である内壁40s)に底板部30の端面32が挿入されている。また、下端枠部55の内側(内壁40s)には、下端金属板42d、底板金属層35を介して底板部30(平面33)を載置した台形領域57が形成されている。台形領域57は、下端金属板42dを固定できる形状であれば良い。
つまり、太陽電池モジュール1では、下端部41dは、底板部30の端面32が対向する下端枠部55と、下端枠部55の内側(内壁40sの側)で上端部41uの側に位置して底板部30の平面33に対向する段差部56と、段差部56から底板部30の側へ突出した台形領域57に配置された下端金属板42dとを備え、底板部30は、下端金属板42dに対向する位置に配置された底板金属層35を備え、下端金属板42dおよび底板金属層35は、相互に溶着されている。
したがって、太陽電池モジュール1は、下端部41dに配置された下端金属板42dと底板部30に配置された底板金属層35とが相互に溶着されることから、底板部30を下端部41dに容易にかつ確実に結合して、底板部30の密閉性を向上できるので、底板部30の水密性および耐候性を向上させ、信頼性を向上させることができる。
なお、下端金属板42dは、台形領域57に配置されて底板部30の平面33(太陽電池素子10(レシーバ基板31)が配置された平面)と平行に配置されているので、底板金属層35との接合(溶接)を確実に実現できる。また、段差部56および台形領域57は、底板部30の端部(端面32)に対して空間を設けることから、底板部30の端部(端面32)に対する応力の印加を防止して、底板部30の損傷を防止することができる。
また、底板部30は、端面32が下端枠部55で位置決めされることから、高精度に太陽電池素子10を集光レンズ20に位置決めすることができる。
下端金属板42dは、板厚の方向で一部が台形領域57に埋め込まれていることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、下端金属板42dの一部が板厚の方向で下端部41dに埋め込まれていることから、下端金属板42dを下端部41dに対して高精度に位置決めして強固に固定することができる。
下端金属板42dは、枠体部40の成形時に(あるいは、枠体部40を成形した後)、台形領域57に一部が埋め込まれているので、枠体部40(台形領域57)で強固に固定される。また、下端金属板42dは、表面が露出しているので、下端金属板42dに対して底板金属層35が容易に溶接される。
枠体部40の基本構造を形成した後に下端金属板42dを台形領域57に形成(配置)する場合(埋め込む場合)の処理工程は例えば次のとおりである。
台形領域57を備える枠体部40の基本構造を成形した後、下端金属板42dを台形領域57に埋め込んで配置する場合、下端金属板42dを枠体部40に形成された直前の台形領域57に当接させて固定(位置決め)する。次に、下端金属板42dの一部を埋め込むように台形領域57の追加部分を形成する。追加部分は、下端金属板42dの周囲に金型を配置し、金型内へ高温溶融によって十分に脱泡されたポリエステル樹脂を注入し、加圧状態で室温まで冷却することによって形成される。
下端金属板42dは、銅、コバール、およびニッケルメッキしたアルミニウムの内いずれか一つの金属材料で形成されていることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、下端金属板42dを溶接性に優れた特定の材料とすることから、底板部30に形成された底板金属層35に対する溶接を容易に施すことができる。
なお、本実施の形態では、下端金属板42dとして、コバールを適用した。コバールを構成する元素(重量比)は、Fe(53.5%)、Ni(29%)、Co(17%)、Si(0.2%)、Mn(0.3%)である。
底板金属層35は、底板部30(ガラス板)への接着性を有する半田で形成されていることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、底板部30(ガラス板)への接着性を有する半田で底板金属層35を形成することから、底板部30に対して底板金属層35を確実に形成し、底板金属層35と下端金属板42dとの間の溶接性を向上させることができる。
なお、底板金属層35は、半田に超音波振動を加えることによって底板部30(ガラス板)に接着される。超音波振動によって接着された半田は、接着性、耐候性、耐湿性が極めて高い性質を有している。また、底板金属層35を構成する半田は一般のPb−Sn合金(Zn、Siなど添加)半田に酸素親和力の強い元素を添加し、構成された特殊な半田素材であり、超音波エネルギーにより、接触界面の空気層を除去し、ガラス接触面の最表面層と化学結合により、ガラスへの接着が容易となっている。
底板金属層35と下端金属板42dとの接合(溶着固定)は、超音波溶接方法、あるいはレーザ溶接方法によって実行される。例えば、超音波溶接方法とした場合の加工条件は、超音波周波数が20kHz、超音波出力が2000W程度、印加圧力が500N(ニュートン)程度である。この加工条件によって、低い温度で良好な溶接(溶着)ができた。
なお、底板金属層35と下端金属板42dとを超音波溶接で接合する場合、枠体部40の垂直方向での上下方向を反転させ、下端部41dを上方に向けた状態とした後、枠体部40(下端部41d)に底板部30(ガラス板)を嵌め込む。その後、下端金属板42dおよび底板金属層35を予め加熱状態として超音波溶接を施すことで、底板金属層35の変質を防止して確実な溶接を施すことが可能となる。
底板部30の外周(端面32)に対して、下端枠部55、段差部56、台形領域57の断面状態、更に、下端金属板42dおよび底板金属層35の断面状態は、上述したとおりの配置であるが、平面状態は、不連続あるいは連続して底板部30の外周(端面32)に沿うように配置される。なお、底板部30の外周は、段差部56に対向して平面33が露出した状態とされている。
下端金属板42dは、台形領域57に沿って連続して配置され、底板金属層35は、下端金属板42dに沿って連続して配置されていることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、底板金属層35および下端金属板42dを台形領域57(下端枠部55の内側。底板部30の外周)に沿って連続して配置することから、底板部30(ガラス板)と下端部41dとの間の接合を確実にして密封性および結合強度を向上させることができる。
あるいは、底板金属層35は、底板部30の外周に沿って連続して配置され、下端金属板42dは、底板金属層35に沿って連続して配置されていることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、底板金属層35および下端金属板42dを底板部30の外周(端面32)に沿わせて連続して配置することから、底板部30(底板金属層35)と下端部41d(下端金属板42d)との間の接合を確実にして密封性および結合強度を向上させることができる。
換言すれば、底板金属層35と下端金属板42dとは、相互に位置合わせして形成されている。また、底板金属層35および下端金属板42dを底板部30の全周に配置することで、十分な密封状態を形成することができる。
なお、底板部30(ガラス板)は、例えば硼珪酸ガラスで形成されている。また、底板部30は、約5mm程度の幅の外周部分が段差部56、台形領域57に対向している。つまり、底板金属層35は、5mmの範囲内に枠状に形成されている。
上述したとおり、太陽電池モジュール1は、機械的な締結部材を用いることなく底板部30の底板金属層35と枠体部40の下端金属板42dとを溶接して底板部30を枠体部40(下端部41d)に固定することから、底板部30と枠体部40との間の固定構造を簡略化し、底板部30と枠体部40との密着性を向上させて太陽電池素子10に対する外部の影響を防止できるので、密封性、耐候性(特には耐湿性、粉塵の内部侵入を防止する防塵性)を向上させることができる。
また、太陽電池モジュール1は、底板部30と枠体部40との間の固定構造を簡略化することから、組み立て工程を簡略化し、製造コストを低減させることができる。
太陽電池素子10は、底板部30を枠体部40に固定してから底板部30に搭載することも可能であるが、作業性を考慮すれば、予め太陽電池素子10を配置した底板部30を枠体部40に固定する方が好ましい。
太陽電池モジュール1において、枠体部40に対する透光性受光板21の固定と、枠体部40に対する底板部30の固定との作業順は、枠体部40に対する底板部30の固定を先行させることが好ましい。枠体部40に対する底板部30の固定は、種々の形態を採ることが可能であり、例えば導熱性の接着剤を利用することも可能である。
図2Bは、図2Aに示した太陽電池モジュール1の変形例1における封止部48dの形成状態を示す断面図である。
変形例1に係る太陽電池モジュール1は、底板部30の端面32と下端部41dの下端枠部55との間で、下端枠部55において内壁40sの側の頂部が面取りによる凹部とされて封止樹脂が充填された封止部48dが形成されている。
つまり、変形例1に係る太陽電池モジュール1において、下端枠部55は、底板部30の端面32に対向する内側の頂部が除去されて封止樹脂が充填された封止部48dを備える。
したがって、変形例1に係る太陽電池モジュール1は、底板部30の端面32を囲む下端枠部55(下端部41d)の内側の頂部が除去されて封止樹脂が充填された封止部48dを備えることから、底板部30と枠体部40(下端部41d、下端枠部55)との間での密着性、封止性を向上させて更に耐候性を向上させることができる。
なお、封止部48dを形成する封止樹脂は、シリコーン樹脂、あるいはウレタン樹脂であることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、容易に封止部48dを形成することが可能となり、封止部48dの信頼性、経済性を更に向上させることができる。つまり、底板部30の端面32と枠体部40(下端枠部55)との間に封止部48dを形成することから、高度な密封性を実現することができる。
図3は、図1Aに示した太陽電池モジュール1の変形例2における底板金属層35と下端金属板42dとの固定関係を示す断面図である。
変形例2に係る太陽電池モジュール1では、底板部30と底板金属層35との間に予め底板下地層36が形成されている。底板下地層36は、底板金属層35を形成する前に予め形成されている。
つまり、底板金属層35は、直接にガラス表面に形成しても良いが、コストの削減及び採算性の向上のため、半田に対して銅めっきまたは銅ペーストが底板下地層36として形成されていることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、半田の形成を容易にして半田の溶着性を向上させることができる。なお、銅めっきは、無電解めっきを適用することによって容易に形成可能である。また、銅ペーストは、適宜の塗布工程によって実施することができる。
上述したとおり、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1は、底板部30をガラス板で形成している。これと同様に、透光性受光板21をガラス板で形成することも可能であり、底板部30に加えて透光性受光板21をガラス板として底板部30と同様に枠体部40に固定することが好ましい。以下では、透光性受光板21をガラス板で形成して枠体部40に固定する場合について説明する。なお、透光性受光板21をガラス板以外のもの(例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの光学樹脂)で構成することも可能である。受光側(透光性受光板21)、底板側(底板部30)を同様な構造とすることによって生産性の向上、信頼性の向上が図れることから、より好ましい実施の形態となる。
図4Aは、図1Aに示した太陽電池モジュール1における枠体部40(上端部41u)と透光性受光板21との固定関係を断面状態で示す断面図である。
上端部41uの外側(外壁40f)には、上端枠部45が形成され、上端枠部45に透光性受光板21の端面25が挿入されている。また、上端枠部45の内側(内壁40s)には、上端金属板42u、受光板金属層22を介して透光性受光板21(平面26)を載置した台形領域47が形成されている。
つまり、太陽電池モジュール1では、上端部41uは、透光性受光板21の端面25が対向する上端枠部45と、上端枠部45の内側(内壁40sの側)で下端部41dの側に位置して透光性受光板21の平面26に対向する段差部46と、段差部46から透光性受光板21の側へ突出して上端金属板42uが配置された台形領域47とを備えている。
したがって、太陽電池モジュール1は、透光性受光板21の端面25を枠体部40の上端枠部45の内側で包囲し、上端枠部45の内側に形成されて透光性受光板21の平面26に対向する段差部46の台形領域47に上端金属板42uを配置することから、透光性受光板21の受光板金属層22と上端金属板42uとを高精度に位置合わせして強固に結合することができる。
なお、上端金属板42uは、台形領域47に配置されて透光性受光板21の平面26(太陽電池素子10に対向する内側の平面)と平行に配置されているので、受光板金属層22との接合(溶接)を確実に実現できる。また、段差部46および台形領域47は、透光性受光板21の端部(端面25)に対して空間を設けることから、透光性受光板21の端部(端面25)に対する応力の印加を防止して、透光性受光板21の損傷を防止することができる。
上端金属板42uは、板厚の方向で一部が台形領域47に埋め込まれていることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、上端金属板42uの一部が板厚の方向で上端部41u(段差部46から突出した台形領域47)に埋め込まれていることから、上端金属板42uを上端部41uに対して高精度に位置決めして強固に固定することができる。
上端金属板42uは、枠体部40の成形時に(あるいは、枠体部40を成形した後)、台形領域47に一部が埋め込まれるので、枠体部40(台形領域47)で強固に固定される。また、上端金属板42uは、表面が露出しているので、上端金属板42uに対して受光板金属層22が容易に溶接される。
枠体部40の基本構造を形成した後に上端金属板42uを台形領域47に形成(配置)する場合(埋め込む場合)の処理工程は例えば次のとおりである。
台形領域47を備える枠体部40の基本構造を成形した後、上端金属板42uを台形領域47に埋め込んで配置する場合、上端金属板42uを枠体部40に形成された直前の台形領域47に当接させて固定(位置決め)する。次に、上端金属板42uの一部を埋め込むように台形領域47の追加部分を形成する。追加部分は、上端金属板42uの周囲に金型を配置し、金型内へ高温溶融状態のポリエステル樹脂を注入し、加圧状態で室温まで冷却することによって形成される。
上端金属板42uは、銅、コバール、およびニッケルメッキしたアルミニウムの内いずれか一つの金属材料で形成されていることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、上端金属板42uを溶接性(半田に対する溶着性)に優れた特定の材料とすることから、透光性受光板21に形成された受光板金属層22に対する溶接を容易に施すことができる。
なお、本実施の形態では、上端金属板42uとして、下端金属板42dと同様、コバールを適用した。コバールを構成する元素(重量比)は、Fe(53.5%)、Ni(29%)、Co(17%)、Si(0.2%)、Mn(0.3%)である。
受光板金属層22は、透光性受光板21(ガラス板)への接着性を有する半田で形成されていることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、透光性受光板21(ガラス板)への接着性を有する半田で受光板金属層22を形成することから、透光性受光板21に対して受光板金属層22を確実に形成し、受光板金属層22と上端金属板42uとの間の溶接性を向上させることができる。
なお、受光板金属層22は、半田に超音波振動を加えることによって透光性受光板21(ガラス板)に接着される。超音波振動によって接着された半田は、接着性、耐候性、耐湿性が極めて高い性質を有している。また、受光板金属層22を構成する半田は一般のPb−Sn合金(Zn、Siなど添加)半田に酸素親和力の強い元素を添加し、構成された特殊な半田素材であり、超音波エネルギーにより、接触界面の空気層を除去し、ガラス接触面の最表面層と化学結合により、ガラスへの接着が容易となっている。
受光板金属層22と上端金属板42uとの接合(溶着固定)は、超音波溶接方法、あるいはレーザ溶接方法によって実行される。例えば、超音波溶接方法とした場合の加工条件は、超音波周波数が20kHz、超音波出力が2000W程度、印加圧力が500N(ニュートン)程度である。この加工条件によって、低い温度で良好な溶接(溶着)ができた。
なお、受光板金属層22と上端金属板42uとを超音波溶接で接合する場合、予め底板部30を枠体部40に固定し、その後、枠体部40(上端部41u)に透光性受光板21を嵌め込み、枠体部40の内部に不活性ガスを充填し、低湿度の作業環境とする。その後、上端金属板42uおよび受光板金属層22を予め加熱状態として超音波溶接を施すことで、受光板金属層22の変質を防止して確実な溶接を施すことが可能となる。
また、予め形成された集光レンズ20は、透光性受光板21に受光板金属層22を形成した後、透光性受光板21に張り付けられる。
透光性受光板21の外周(端面25)に対して、上端枠部45、段差部46、台形領域47の断面状態、更に、上端金属板42uおよび受光板金属層22の断面状態は、上述したとおりの配置であるが、平面状態は、不連続あるいは連続して透光性受光板21の外周(端面25)に沿うように配置される。なお、集光レンズ20は、透光性受光板21の外周より内側に配置されることから、透光性受光板21の外周は、集光レンズ20からはみ出し、平面26が露出した状態とされている。
上端金属板42uは、台形領域47に沿って連続して配置され、受光板金属層22は、上端金属板42uに沿って連続して配置されていることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、受光板金属層22および上端金属板42uを台形領域47(上端枠部45の内側。透光性受光板21の外周)に沿って連続して配置することから、透光性受光板21(ガラス板)と上端部41uとの間の接合を確実にして密封性および結合強度を向上させることができる。
あるいは、受光板金属層22は、透光性受光板21の外周に沿って連続して配置され、上端金属板42uは、受光板金属層22に沿って連続して配置されることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、受光板金属層22および上端金属板42uを透光性受光板21の外周(端面25)に沿わせて連続して配置することから、透光性受光板21(受光板金属層22)と上端部41u(上端金属板42u)との間の接合を確実にして密封性および結合強度を向上させることができる。
換言すれば、受光板金属層22と上端金属板42uとは、相互に位置合わせして形成されている。また、受光板金属層22および上端金属板42uを透光性受光板21の全周に配置することで、十分な密封状態を形成することができる。
なお、透光性受光板21(ガラス板)は、例えば硼珪酸ガラスで形成されている。また、透光性受光板21は、約5mm程度の幅の外周部分が平面26として露出している。つまり、受光板金属層22は、5mm程度の範囲内に枠状に形成されている。
また、太陽電池モジュール1は、集光レンズ20が配置(接着)された透光性受光板21(ガラス板)と、透光性受光板21に形成されて透光性受光板21を枠体部40に固定する受光板金属層22とを備え、枠体部40は、合成樹脂で一体成形され、透光性受光板21が固定された上端部41uと、底板部30が固定された下端部41dと、上端部41uに固定されて受光板金属層22に接合された上端金属板42uとを備え、受光板金属層22と上端金属板42uとは、溶接されている。
したがって、太陽電池モジュール1は、機械的な締結部材を用いることなく透光性受光板21の受光板金属層22と枠体部40の上端金属板42uとを溶接して透光性受光板21を枠体部40に固定することから、透光性受光板21と枠体部40との間の固定構造を簡略化し、透光性受光板21と枠体部40との密着性を向上させて太陽電池素子10に対する外部の影響を防止できるので、密封性、耐候性(特には耐湿性、粉塵の内部侵入を防止する防塵性)を向上させることができる。
また、太陽電池モジュール1では、透光性受光板21と枠体部40との間の固定構造を簡略化することから、組み立て工程を簡略化し、製造コストを低減させることができる。
図4Bは、図4Aに示した太陽電池モジュール1の変形例3における封止部48uの形成状態を示す断面図である。
変形例3に係る太陽電池モジュール1は、透光性受光板21の端面25と上端部41uの上端枠部45との間で、上端枠部45において内壁40sの側の頂部が面取りによる凹部とされて封止樹脂が充填された封止部48uが形成されている。
つまり、変形例3に係る太陽電池モジュール1において、上端枠部45は、透光性受光板21の端面25に対向する内側の頂部が除去されて封止樹脂が充填された封止部48uを備える。
したがって、変形例3に係る太陽電池モジュール1は、透光性受光板21の端面25を囲む上端部41u(上端枠部45)の内側の頂部が除去されて封止樹脂が充填された封止部48uを備えることから、透光性受光板21と枠体部40(上端部41u、上端枠部45)との間での密着性、封止性を向上させて更に耐候性を向上させることができる。
なお、封止部48uを形成する封止樹脂は、シリコーン樹脂、あるいはウレタン樹脂であることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、容易に封止部48uを形成することが可能となり、封止部48uの信頼性、経済性を更に向上させることができる。つまり、透光性受光板21の端面25と枠体部40(上端枠部45)との間に封止部48uを形成することから、高度な密封性を実現することができる。
図5は、図1Aに示した太陽電池モジュール1の変形例4における受光板金属層22と透光性受光板21との固定関係を示す断面図である。
変形例4に係る太陽電池モジュール1では、透光性受光板21と受光板金属層22との間に予め受光板下地層23が形成されている。受光板下地層23は、受光板金属層22を形成する前に予め形成されている。
つまり、受光板金属層22は、直接にガラス表面に形成しても良いが、コストの削減及び採算性の向上のため、半田に対して銅めっきまたは銅ペーストが受光板下地層23として形成されていることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、半田の形成を容易にして半田の溶着性を向上させることができる。なお、銅めっきは、無電解めっきを適用することによって容易に形成可能である。また、銅ペーストは、適宜の塗布工程によって実施することができる。
図6は、図1Aに示した太陽電池モジュール1の変形例5における内壁40sに形成された第1被覆膜51の断面状態を示す断面図である。
変形例5に係る太陽電池モジュール1では、枠体部40は、300nmないし1400nmの波長の光に対する反射率が50%以上の第1被覆膜51を内壁40sに備えることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、枠体部40の内壁40sの反射率を50%以上とすることから、枠体部40での蓄熱作用を抑制して、底板部30に搭載された太陽電池素子10が太陽光の集光によって温度上昇することを防止できる。
第1被覆膜51は、例えば、白色フッ素レジストを内壁40sに塗布して形成され、厚さは例えば5μmないし50μm程度とすることができる。
第1被覆膜51が枠体部40の内壁40sに形成してあることから、太陽光に対する追尾ズレ、集光した太陽光の位置ズレが生じた場合でも、枠体部40が損傷することを防止できる。
図7は、図1Aに示した太陽電池モジュール1の変形例6における外壁40fに形成された第2被覆膜52の断面状態を示す断面図である。
変形例5に係る太陽電池モジュール1では、枠体部40は、耐候性を有する第2被覆膜52を外壁40fに備えることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、枠体部40(外壁40f)の耐候性を向上させることから、枠体部40の信頼性を向上させることができる。つまり、枠体部40の経時変化を抑制し、長期にわたる信頼性を向上させることができる。
第2被覆膜52は、例えば、UV吸収剤を含有する有機Si(ケイ素)をプラズマコーティングして耐候性と耐傷つき性を高めたもの。厚さは5μmないし50μm程度とすることができる。したがって、合成樹脂で形成された枠体部40の屋外使用寿命を20年以上確保することができる。
第2被覆膜52は、第1被覆膜51と併用しても良く、また、第2被覆膜52のみを形成しても良い。第1被覆膜51および第2被覆膜52を併用することによって、枠体部40(合成樹脂、エンジニアリングプラスチック)の長期間での耐候性、信頼性が著しく向上する。
図8Aは、図1Aに示した太陽電池モジュール1の変形例7における枠体部40に形成された窓枠部60に配置された金属壁部61の断面状態を示す断面図である。
図8Bは、図8Aに示した太陽電池モジュール1の変形例7の全体外観を斜め上方から見た状態で示す斜視図である。
変形例7に係る太陽電池モジュール1では、枠体部40は、上端部41uと下端部41dとの間の壁58に形成された窓枠部60と、窓枠部60に配置されて壁面を形成する金属壁部61とを備えることが好ましい。この構成によって、太陽電池モジュール1は、枠体部40の壁58からの放熱性を向上させ、構造強度を向上させるので、発電効率および信頼性を向上させることができる。
なお、金属壁部61は、アルミニウム板で形成され、枠体部40を構成する合成樹脂に埋め込まれた状態とされている。金属壁部61は、枠体部40の成形時に同時に形成することが可能である。また、枠体部40の成形時に予め窓枠部60を形成しておき、その後、窓枠部60に金属壁部61を嵌め込んで周囲を枠体部40と同一の合成樹脂で充填することによって形成することもできる。
枠体部40の壁58を金属壁部61で構成することから、枠体部40を構成する合成樹脂の使用量を抑制してコスト低減を図ることができる。特に、枠体部40をエンジニアリングプラスチックで構成する場合にはコスト低減の効果が大きい。
また、放熱性が向上することによって、枠体部40(太陽電池モジュール1)の内外での温度差を低減することから、太陽電池モジュール1の内側に配置された集光レンズ20での結露防止の作用を増加させることができる。
なお、枠体部40が、炭素繊維またはガラスフィラー(例えば、窒化ホウ素フィラー)で複合化した合成樹脂で形成される場合は、高い熱伝導性を有することから、金属壁部61を省略することが可能である。
<実施の形態2>
図9を参照して、本実施の形態に係る太陽光発電ユニット2について説明する。
図9は、本発明の実施の形態2に係る太陽光発電ユニット2の全体構成の概要を側面から見た状態として示す側面図である。
本実施の形態に係る太陽光発電ユニット2は、複数の太陽電池モジュール1を支持フレーム70に搭載している。支持フレーム70は、支柱71に取り付けられた追尾機構72によって太陽を追尾する構成とされている。
太陽光発電ユニット2に搭載された太陽電池モジュール1は、実施の形態1に係るものである。したがって、太陽光発電ユニット2は、軽量化、工程簡略化が可能となり、底板部30での蓄熱を抑制して放熱性、絶縁性を向上した太陽光発電ユニット2となる。また、太陽光発電ユニット2は、耐候性、機械的強度を向上させることができる。
本実施の形態に係る太陽光発電ユニット2では、太陽電池モジュール1が軽量化されていることから、追尾機構72を小型化して追尾駆動能力を軽減することが可能となり、システム構成に必要なコストを低減することができる。
<実施の形態3>
実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の製造方法について、実施の形態3として説明する。太陽電池モジュール1は、実施の形態1で説明したとおりであるので、符号を援用し主に異なる事項について説明する。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、複数の太陽電池素子10と、太陽電池素子10のそれぞれに太陽光を集光する複数の集光レンズ20と、太陽電池素子10が搭載された底板部30と、集光レンズ20と底板部30との間隔を画定する枠体部40とを備えた太陽電池モジュール1の製造方法である。
太陽電池モジュール1の製造方法では、枠体部40は、合成樹脂で一体成形され、透光性受光板21が固定される上端部41uと、底板部30が固定される下端部41dとを備え、底板部30は、ガラス板で形成されてあり、少なくとも次の工程を備える。
つまり、太陽電池モジュール1の製造方法は、底板部30を固定する下端金属板42dを下端部41dに固定する工程と、下端金属板42dに位置合わせされた底板金属層35を底板部30に形成する工程と、底板部30に形成された底板金属層35と下端部41dに固定された下端金属板42dとを重ねる工程と、下端金属板42dと底板金属層35とを溶接する工程とを備える。
したがって、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、底板部30(ガラス板)に形成された底板金属層35と枠体部40(下端部41d)に形成された下端金属板42dとを溶接することから、締結部材を適用することなく、底板部30を枠体部40(下端部41d)へ固定できるので、密封性、耐候性、放熱性、絶縁性の高い太陽電池モジュール1を容易に製造することができる。
つまり、枠体部40を合成樹脂で一体成形する工程(射出成形工程)の後、底板金属層35に位置合わせされた下端金属板42dを下端部41dに固定する工程(金属板配置工程)と、枠体部40の下端部41dに底板部30を固定する底板金属層35を底板部30に形成する工程(金属層形成工程)と、底板金属層35と下端金属板42dとを重ねる工程(溶接部位置決め工程)と、下端金属板42dと底板金属層35とを溶接する工程(溶接工程)とを備える。
なお、射出成形工程では、射出成形機によって枠体部40が一体成形される。金属層形成工程では、超音波振動(超音波エネルギー)を半田に付加することによって半田(底板金属層35)が底板部30に接合(形成)される。また、溶接工程では、超音波溶接、あるいはレーザ溶接によって底板金属層35と下端金属板42dとが溶接される。
また、透光性受光板21においても底板部30と同様の構成とし、透光性受光板21を枠体部40に固定する場合については、少なくとも次の工程を備える。
つまり、太陽電池モジュール1の製造方法は、枠体部40の上端部41uに透光性受光板21を固定する受光板金属層22を透光性受光板21に形成する工程(金属層形成工程)と、受光板金属層22に位置合わせされた上端金属板42uを上端部41uに固定する工程(金属板配置工程)と、透光性受光板21に形成された受光板金属層22と上端部41uに形成された上端金属板42uとを重ねる工程(溶接部位置決め工程)と、上端金属板42uと受光板金属層22とを溶接する工程(溶接工程)とを備える。
したがって、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法は、透光性受光板21に形成された受光板金属層22と枠体部40に形成された上端金属板42uとを溶接することから、締結部材を適用することなく、集光レンズ20(透光性受光板21)を合成樹脂製の枠体部40(上端部41u)へ固定できるので、密封性、耐候性の高い太陽電池モジュール1を容易に製造することができる。
なお、金属層形成工程では、超音波振動(超音波エネルギー)を半田に付加することによって半田(受光板金属層22)が透光性受光板21に接合(形成)される。また、溶接工程では、超音波溶接、あるいはレーザ溶接によって受光板金属層22と上端金属板42uとが溶接される。
その他の工程として、透光性受光板21に集光レンズ20を貼り付ける工程などがある。
以上、実施の形態1ないし実施の形態3を参照して、太陽電池モジュール1、太陽電池モジュール1を複数配置した太陽光発電ユニット2、太陽電池モジュール1の製造方法について説明したが、実施の形態1ないし実施の形態3は、それぞれ他の実施の形態に対して適用することが可能である。
1 太陽電池モジュール
2 太陽光発電ユニット
10 太陽電池素子
20 集光レンズ
21 透光性受光板(ガラス板)
22 受光板金属層
23 受光板下地層
25 端面
26 平面
30 底板部(ガラス板)
31 レシーバ基板
32 端面
33 平面
35 底板金属層
36 底板下地層
40 枠体部
40f 外壁
40s 内壁
41d 下端部
41u 上端部
42u 上端金属板
42d 下端金属板
45 上端枠部
46 段差部
47 台形領域
48d 封止部
48u 封止部
51 第1被覆膜
52 第2被覆膜
55 下端枠部
56 段差部
57 台形領域
58 壁
60 窓枠部
61 金属壁部
70 支持フレーム
71 支柱
72 追尾機構

Claims (18)

  1. 複数の太陽電池素子と、前記太陽電池素子のそれぞれに太陽光を集光する複数の集光レンズと、前記太陽電池素子が搭載された底板部と、前記集光レンズと前記底板部との間隔を画定する枠体部とを備えた太陽電池モジュールであって、
    前記枠体部は、合成樹脂で一体成形され、前記集光レンズが配置された透光性受光板を固定する上端部と、前記底板部を固定する下端部とを備え、
    前記底板部は、ガラス板で形成されていること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 請求項1に記載の太陽電池モジュールであって、
    前記下端部は、前記底板部の端面が対向する下端枠部と、前記下端枠部の内側で前記上端部の側に位置して前記底板部の平面に対向する段差部と、前記段差部から前記底板部の側へ突出した台形領域に配置された下端金属板とを備え、
    前記底板部は、前記下端金属板に対向する位置に配置された底板金属層を備え、
    前記下端金属板および前記底板金属層は、相互に溶着されていること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  3. 請求項2に記載の太陽電池モジュールであって、
    前記下端金属板は、板厚の方向で一部が前記台形領域に埋め込まれていること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  4. 請求項2または請求項3に記載の太陽電池モジュールであって、
    前記下端金属板は、前記台形領域に沿って連続して配置され、
    前記底板金属層は、前記下端金属板に沿って連続して配置されていること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  5. 請求項2から請求項4までのいずれか一つに記載の太陽電池モジュールであって、
    前記下端枠部は、前記底板部の端面に対向する内側の頂部が除去されて封止樹脂が充填された封止部を備えること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  6. 請求項5に記載の太陽電池モジュールであって、
    前記封止樹脂は、シリコーン樹脂、あるいはウレタン樹脂であること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  7. 請求項2から請求項6までのいずれか一つに記載の太陽電池モジュールであって、
    前記下端金属板は、銅、コバール、およびニッケルメッキしたアルミニウムの内いずれか一つの金属材料で形成されていること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  8. 請求項2から請求項7までのいずれか一つに記載の太陽電池モジュールであって、
    前記底板金属層は、前記底板部への接着性を有する半田で形成されていること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  9. 請求項8に記載の太陽電池モジュールであって、
    前記底板金属層は、前記半田に対して銅めっきまたは銅ペーストが底板下地層として形成されていること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一つに記載の太陽電池モジュールであって、
    前記枠体部は、300nmないし1400nmの波長の光に対する反射率が50%以上の第1被覆膜を内壁に備えること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか一つに記載の太陽電池モジュールであって、
    前記枠体部は、耐候性を有する第2被覆膜を外壁に備えること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか一つに記載の太陽電池モジュールであって、
    前記枠体部は、前記下端部と前記上端部との間の壁に形成された窓枠部と、前記窓枠部に配置されて壁面を形成する金属壁部とを備えること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  13. 請求項1から請求項12までのいずれか一つに記載の太陽電池モジュールであって、
    前記枠体部を成形する前記合成樹脂は、エンジニアリングプラスチックであること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  14. 請求項13に記載の太陽電池モジュールであって、
    前記エンジニアリングプラスチックは、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、およびポリカーボネート樹脂の群から選ばれたいずれか1つ、あるいは、炭素繊維またはガラスフィラーで複合化した前記群から選ばれたいずれか1つであること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  15. 請求項1から請求項14までのいずれか一つに記載の太陽電池モジュールであって、
    前記太陽電池素子は、金属製のレシーバ基板に載置され、
    前記レシーバ基板は、前記底板部に接着されていること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  16. 請求項1から請求項15までのいずれか一つに記載の太陽電池モジュールであって、
    前記集光レンズは、50mm角以下の形状であること
    を特徴とする太陽電池モジュール。
  17. 複数の太陽電池モジュールを支持フレームに搭載した太陽光発電ユニットであって、
    前記太陽電池モジュールは、請求項1から請求項16までのいずれか一つに記載の太陽電池モジュールであることを特徴とする太陽光発電ユニット。
  18. 複数の太陽電池素子と、前記太陽電池素子のそれぞれに太陽光を集光する複数の集光レンズと、前記太陽電池素子が搭載された底板部と、前記集光レンズと前記底板部との間隔を画定する枠体部とを備えた太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記枠体部は、合成樹脂で一体成形され、前記透光性受光板が固定される上端部と、前記底板部が固定される下端部とを備え、前記底板部は、ガラス板で形成されてあり、
    前記底板部を固定する下端金属板を前記下端部に固定する工程と、
    前記下端金属板に位置合わせされた底板金属層を前記底板部に形成する工程と、
    前記底板部に形成された前記底板金属層と前記下端部に固定された前記下端金属板とを重ねる工程と、
    前記下端金属板と前記底板金属層とを溶接する工程とを備えること
    を特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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