JP2013131320A - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロ波を導入するための誘電体窓が損傷するのを防止することができるプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】プラズマ処理装置10は、マイクロ波を伝播させる導波管12と、該導波管12に接続される処理チャンバ11と、該処理チャンバ11内に配され、基板Sを載置するステージ14と、導波管12及び処理チャンバ11の間に介在し、導波管12を伝播するマイクロ波を処理チャンバ11の内部へ導入する誘電体窓15とを備え、処理チャンバ11は中心軸Cを有し、該中心軸に関して対称な半球形状を呈する。
【選択図】図1
【解決手段】プラズマ処理装置10は、マイクロ波を伝播させる導波管12と、該導波管12に接続される処理チャンバ11と、該処理チャンバ11内に配され、基板Sを載置するステージ14と、導波管12及び処理チャンバ11の間に介在し、導波管12を伝播するマイクロ波を処理チャンバ11の内部へ導入する誘電体窓15とを備え、処理チャンバ11は中心軸Cを有し、該中心軸に関して対称な半球形状を呈する。
【選択図】図1
Description
本発明は、マイクロ波を用いてプラズマを生成するプラズマ処理装置に関する。
従来、処理ガスからプラズマを生成し、該プラズマによって基板に処理を施す数々のプラズマ処理装置が用いられている。例えば、平行に配置された2つの平板状電極に高周波電力を供給することによって高周波電界を生じさせ、該電界によって加速された電子と処理ガスとが様々な反応を起こすことでプラズマを生成し、該プラズマによって基板へプラズマ処理を施す平行平板型のプラズマ処理装置が一般に用いられている。また、高周波ではなくマイクロ波を用いるプラズマ処理装置も用いられている。
図15は、マイクロ波を用いるプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
図15において、プラズマ処理装置150は、マイクロ波を導入するための開口部151を上部中心に有する真空チャンバ152と、該真空チャンバ152の内部に配置されて基板Sを載置する基板載置台153と、開口部151へマイクロ波を導入する導波管154と、該導波管154から真空チャンバ152の内部へマイクロ波を導入する誘電体窓155とを備える。
このプラズマ処理装置150では、真空チャンバ152の内部へ導入された処理ガスからマイクロ波によってプラズマが生成され、該プラズマ中のラジカルによって基板載置台153上の基板Sにおいて、例えば、ダイヤモンドを成長させる(例えば、特許文献1参照)。
真空チャンバ152の内部においてプラズマの電子密度が高まると、プラズマは誘電体窓155を透過したマイクロ波を遮断するようになる。これに加えて、高密度の不均一なプラズマ中では、電子プラズマ(角)周波数とマイクロ波周波数が一致する位置で、共鳴吸収が起こる。その結果、誘電体窓155の近傍で積極的にプラズマが生成される。比較的圧力の高い条件下でプラズマを生成すると処理ガスの温度が非常に高温となり、誘電体窓155を熱によって損傷させるおそれがあり、又、被処理体である基板S周辺に所望のプラズマを生成することができなくなるおそれがある。
本発明の目的は、マイクロ波を導入するための誘電体窓が損傷するのを防止し、且つ基板の周辺の所望の領域にプラズマを生成することができるプラズマ処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載のプラズマ処理装置は、マイクロ波を伝播させる導波管と、該導波管に接続されるプラズマ生成室と、該プラズマ生成室内に配され、基板を載置する載置台と、前記導波管及び前記プラズマ生成室の間に介在し、前記導波管を伝播する前記マイクロ波を前記プラズマ生成室の内部へ導入する誘電体窓とを備え、前記プラズマ生成室は中心軸を有し、該中心軸に関して対称な形状を呈することを特徴とする。
請求項2記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記プラズマ生成室は半球形状(半球状に近似する多面体形状や高次の関数で表される曲面で形成される空間形状を含む)を呈することを特徴とする。
請求項3記載のプラズマ処理装置は、請求項2記載のプラズマ処理装置において、前記プラズマ生成室は前記載置台と対向する部分が切除されていることを特徴とする。
請求項4記載のプラズマ処理装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記プラズマ生成室は円錐形状を呈することを特徴とする。
請求項5記載のプラズマ処理装置は、請求項4記載のプラズマ処理装置において、前記プラズマ生成室は前記載置台と対向する部分が切除されていることを特徴とする。
請求項6記載のプラズマ処理装置は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置において、前記プラズマ生成室に前記載置台と対向する突起部材が配置されていることを特徴とする。
請求項7記載のプラズマ処理装置は、請求項6記載のプラズマ処理装置において、前記突起部材は前記プラズマ生成室の中心軸からオフセットして配置されていることを特徴とする。
請求項8記載のプラズマ処理装置は、請求項6記載のプラズマ処理装置において、前記突起部材は移動可能に構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、マイクロ波が導入されるプラズマ生成室が中心軸に関して対称な形状を呈するので、プラズマ生成室内に存在する電磁波の境界条件となるプラズマ生成室の形状、例えば、半球形状の内径を適切に設定することにより、特定のモードの電磁波を励起できる。その結果、モードに応じた任意の領域で強電界領域を生じさせることができる。強電界領域は処理ガスからプラズマを生成する。したがって、誘電体窓から離れ且つ被処理体である基板の周辺の所望の領域において強電界領域を生じさせることにより、プラズマを誘電体窓から離れた領域で生成することができ、もって、誘電体窓がプラズマによって損傷するのを防止することができるとともに、基板周辺の所望の領域にプラズマを生成することができる。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、プラズマ処理装置が、マイクロ波を伝播させる導波管と、該導波管に接続されるプラズマ生成室と、該プラズマ生成室内に配され、基板を載置する載置台と、導波管及びプラズマ生成室の間に介在し、導波管を伝播するマイクロ波をプラズマ生成室の内部へ導入する誘電体窓とを備え、プラズマ生成室は中心軸を有し、該中心軸に関して対称な形状を呈すれば、プラズマ生成室の形状、例えば半球形状の内径を適切に設定することにより、特定のモードの電磁波を励起でき、当該特定のモードに応じた任意の領域で強電界領域を生じさせることができ、もって、プラズマを誘電体窓から離れた領域であって、被処理体である基板周辺の所望の領域において生成することができ、その結果、誘電体窓がプラズマによって損傷するのを防止することができるとともに、基板周辺の所望の領域にプラズマを生成することができることを見出した。本発明は、上記研究の結果に基づいてなされたものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
図1は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
図1において、プラズマ処理装置10は基板Sにプラズマ処理を施す処理チャンバ11(プラズマ生成室)と、マイクロ波ジェネレータ(図示しない)が発生させるマイクロ波を伝播させる導波管12とを備える。
処理チャンバ11は、基板Sを基板載置面14aに載置するステージ14を内部に有し、排気管(図示しない)が連結される。排気管は真空ポンプや圧力制御バルブ(ともに図示しない)に接続され、真空ポンプや圧力制御バルブは処理チャンバ11の内部の圧力を制御する。ステージ14は内部にヒータや冷却機構(ともに図示しない)を有し、載置された基板Sを適切な温度に制御する。
導波管12は、同軸管もしくは円形導波管が用いられ、円形導波管の場合、諸寸法が所定の周波数のマイクロ波、例えば、2.45GHzのマイクロ波を最低次のモードで伝播できるように設定されている。
処理チャンバ11は中心軸Cを有し、該中心軸Cに関して対称な形状を呈し、図中上端側は半球形状に形成され、図中下端側は円筒形状に形成されている。ステージ14は円筒形状を呈し、処理チャンバ11の内部において該処理チャンバ11に対して同軸に配置される。処理チャンバ11の半球形状内壁面11aとステージ14の基板載置面14aはプラズマ生成空間Gを形成する。プラズマ生成空間Gへは図示しない処理ガス導入口から処理ガスが導入される。
また、処理チャンバ11の内壁面及びステージ14の側面の間には誘電体窓15が配される(例えば、図2(A)参照。)。さらに、処理チャンバ11には図中下端の中心部において導波管12が接続される。すなわち、導波管12は処理チャンバ11の中心軸C上に配置される。
プラズマ処理装置10では、導波管12を伝播するマイクロ波が誘電体窓15によってプラズマ生成空間Gへ導入される。ここで、誘電体窓15はプラズマ生成空間Gの外周に沿って該プラズマ発生空間Gに面する、すなわち、中心軸Cに関して対称的に該プラズマ発生空間Gに面するので、マイクロ波はプラズマ生成空間Gの中心に関して対称的に導入される。
また、プラズマ生成空間Gは処理チャンバ11の半球形状内壁面11aとステージ14の基板載置面14aとによって形成されるので、中心軸Cに関して対称な半球形状を呈する。これにより、その半径を適切に設定することによって特定のモードの電磁波を励起でき、結果として空間中の任意の領域、例えば、プラズマ生成空間Gの中心の上方において強電界領域を形成できる。当該強電界領域では、マイクロ波からプラズマ中の電子へのエネルギー移行量が大きいために電子温度が高くなり、十分なエネルギーを持つ電子が処理ガス中の原子や分子と衝突を繰り返すことで高密度のプラズマが局所的に生成される。すなわち、強電界領域では他の領域よりもプラズマの生成が積極的に起こるため、強電界領域では密度の高いプラズマPが生じる。換言すれば、本実施の形態では磁界等を利用することなく、マイクロ波の導入のみで処理ガスからプラズマPを任意の領域で生じさせる。
そして、プラズマ生成空間Gで生じたプラズマPの一部はプラズマ生成空間Gに面するステージ14の基板載置面14aに載置された基板Sに到達し、該基板Sにプラズマ処理を施す。例えば、プラズマ処理装置10では、処理ガスとして、水素ガス、炭素含有ガス、例えば、メタンガス、プロパンガスやアセチレンガス、及び不純物含有ガス、例えば、ホスフィンガスやジボランガスを含む混合ガスを用い、プラズマ生成空間Gや処理チャンバ11の内部の圧力を10〜200Torrに維持し、基板Sをステージ14によって700〜1200℃に加熱することにより、処理ガスから生じたプラズマP中のラジカルによって基板S上でダイヤモンドを成長させる。
図1のプラズマ処理装置10によれば、マイクロ波が導入される処理チャンバ11の上端側が中心軸Cに関して対称な半球形状を呈し、処理チャンバ11内のプラズマ生成空間Gも中心軸Cに関して対称な半球形状を呈するので、その半径を適切に設定することによって特定のモードの電磁波を励起でき、該特定のモードに応じた任意の領域に強電界領域を生じさせることができ、もって、プラズマPを誘電体窓15から離れた領域で生成することができる。その結果、誘電体窓15がプラズマPの熱によって損傷するのを防止することができる。さらに、プラズマPを誘電体窓15から離れた領域で生成することより、誘電体窓15の表面近傍に生じるシースにおける電位勾配を弱めることができ、もって、該シースによる誘電体窓15への陽イオン等のスパッタを弱めることができる。
また、プラズマ生成空間Gが中心軸Cに関して対称な半球形状を呈するので、発生するプラズマPも中心軸Cに関して対称に分布する。これにより、プラズマの一部偏在に起因する異常放電の発生を抑制することができる。
さらに、プラズマ処理装置10では、マイクロ波が処理チャンバ11の中心軸Cに関して対称的に導入されるので、特定モードの電磁波を励起するために必要な半径の設定、及び強電界領域が生じる位置の予測が容易となり、もって、プラズマPの生成領域を容易に制御することができる。
また、プラズマ処理装置10において処理チャンバ11内のステージ14における基板載置面14aの一部を、図3(A)に示すように、図中上下方向に移動可能なリフトテーブル14bとして構成してもよい。これにより、プラズマPと基板Sとの距離を制御することができる。
さらに、図3(B)に示すように、処理チャンバ11の側壁の一部をベローズ11dで構成してもよい。この場合、ベローズ11dを伸長させることによって処理チャンバ11の半球形状を呈する上端側とステージ14に載置された基板Sとの距離を変更することができるが、強電界領域は処理チャンバ11の半球形状を呈する上端側に発生するため、結果としてプラズマPと基板Sとの距離を制御することができる。
したがって、図3(A)や図3(B)のプラズマ処理装置では、プラズマPと基板Sとの距離を制御することによってプラズマPを利用した成膜時には、基板Sにおける成膜速度や膜の厚さ分布を制御することができ、プラズマPを利用したエッチング時には、基板Sにおけるエッチングレートや該エッチングレートの分布を制御することができる。
また、図4(A)に示すように、処理チャンバ11の半球形状内壁面11aにおいて中心軸Cに沿ってステージ14と対向する突起部材(スタブ)11cを設けてもよい。通常、プラズマは突起物の先端近傍において局所的に生成される。したがって、スタブ11cの長さを調整することによってプラズマ生成空間GにおけるプラズマPの生成領域を上下に関してより細かく制御することができる。スタブ11cの先端近傍にプラズマPを局所的に生成させるためには、少なくともスタブ11cの先端がプラズマ生成空間Gに存在する必要があり、スタブ11cを構成する材料は特に制限されないが、導電体、例えば、金属が好ましい。
なお、スタブ11cは中心軸Cに沿って配置される必要はなく、図4(B)に示すように、中心軸Cからオフセットしてもよい。スタブ11cが中心軸Cからオフセットしてもスタブ11cの先端がプラズマ生成空間Gに存在する限り、該先端近傍にプラズマPを局所的に生成させることができる。したがって、スタブ11cの配置場所を調整することによってプラズマPの生成場所を制御することができる。
さらに、スタブ11cはプラズマ生成空間Gを移動可能に構成されてもよい。例えば、図4(C)に示すように、ステージ14に対向しつつ中心軸Cを中心に円運動可能に構成されてもよい。この場合も、スタブ11cの先端近傍でプラズマPが局所的に生成されるため、スタブ11cを移動させることによってプラズマPを移動させることができる。これにより、基板Sの各所におけるプラズマPへの暴露時間を制御することができ、もって、基板Sへ均一なプラズマ処理を施すことができる。
また、図5に示すように、処理チャンバ11の上端側におけるステージ14と対向する部分を切除して半球形状内壁面11aに平面状の対向面11eを設けてもよい。この場合であっても、半球形状内壁面11aには曲面部分が一部に残るため、その曲面部分の半径を適切に設定することによって特定のモードの電磁波を励起でき、該特定のモードに応じた任意の領域にプラズマPを生成することができる一方、対向面11eは図1における半球形状内壁面11aの頂部よりもステージ14の基板載置面14aに近づくため、生成されるプラズマPを基板載置面14aに載置された基板Sに近づけることができ、もって、基板Sに施すプラズマ処理の効率を向上することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
本実施の形態は、その構成、作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであるので、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
図6は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
図6において、プラズマ処理装置60は基板Sにプラズマ処理を施す処理チャンバ61(プラズマ生成室)と、導波管12とを備える。
処理チャンバ61は中心軸C1を有し、該中心軸C1に関して対称な形状を呈し、図中上端側は円錐形状に形成され、図中下端側は円筒形状に形成されている。ステージ14は、処理チャンバ61の内部において該処理チャンバ61に対して同軸に配置される。処理チャンバ61の上端側における円錐形状内壁面61aとステージ14の基板載置面14aはプラズマ生成空間G1を形成する。
また、処理チャンバ61には図中下端の中心部において導波管12が接続される。すなわち、導波管12は処理チャンバ61の中心軸C1上に配置される。このプラズマ処理装置60では、マイクロ波は誘電体窓15を介してプラズマ生成空間G1の中心に関して対称的に導入される。
プラズマ生成空間G1は処理チャンバ61の円錐形状内壁面61aとステージ14の基板載置面14aとによって形成されるので、中心軸C1に関して対称な円錐形状を呈する。当該円錐形状における円錐面の位置を適切に設定することによって特定のモードの電磁波を励起でき、該特定のモードに応じた任意の領域、例えば、プラズマ生成空間G1の上部に局所的な強電界領域を生じさせ、プラズマP1を生成する。そして、プラズマ生成空間G1で生じたプラズマP1の一部はプラズマ生成空間G1に面する基板載置面14aに載置された基板Sに到達し、該基板Sにプラズマ処理を施す。
図6のプラズマ処理装置60によれば、マイクロ波が導入される処理チャンバ61の上端側が中心軸C1に関して対称な円錐形状を呈し、処理チャンバ61内のプラズマ生成空間G1も中心軸C1に関して対称な円錐形状を呈するので、当該円錐形状における円錐面の位置を適切に設定することによって特定のモードの電磁波を励起でき、該特定のモードに応じた任意の領域で強電界領域を生じさせることができ、もって、プラズマP1を誘電体窓15から離れた領域で生成することができる。さらに、誘電体窓15の表面近傍に生じるシースにおける電位勾配を弱めることができ、もって、該シースによる誘電体窓15への陽イオン等のスパッタを弱めることができる。
また、プラズマ生成空間G1が中心軸C1に関して対称な円錐形状を呈するので、発生するプラズマP1も中心軸C1に関して対称に分布する。これにより、プラズマの一部偏在に起因する異常放電の発生を抑制することができる。
また、図7に示すように、処理チャンバ61の上端側におけるステージ14と対向する部分を切除して円錐形状内壁面61aに平面状の対向面61cを設けてもよい。この場合であっても、円錐形状内壁面61aには傾斜面が一部に残るため、当該傾斜面の位置を適切に設定することによって特定のモードの電磁波を励起でき、当該モードに応じた任意の領域でプラズマP1を生成することができる一方、対向面61cは図6における円錐形状内壁面61aの頂部よりもステージ14の基板載置面14aに近づくため、生成されるプラズマP1を基板載置面14aに載置された基板Sに近づけることができ、もって、基板Sに施すプラズマ処理の効率を向上することができる。
また、プラズマ処理装置60において処理チャンバ61内のステージ14における基板載置面14aの一部を、図8(A)に示すように、図中上下方向に移動可能なリフトテーブル14bとして構成してもよい。これにより、プラズマP1と基板Sとの距離を制御することができる。さらに、図8(B)に示すように、処理チャンバ61の側壁の一部をベローズ61dで構成してもよい。この場合も、ベローズ61dを伸長させることによってプラズマP1と基板Sとの距離を制御することができる。
なお、図4(A)に示すプラズマ処理装置10と同様に、プラズマ処理装置60の処理チャンバ61における円錐形状内壁面61aへ中心軸C1に沿ってステージ14と対向するスタブを設けてもよい。
以上、本発明について、上記各実施の形態を用いて説明したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではない。
上述した第1の実施の形態や第2の実施の形態において、プラズマ処理装置10,60のプラズマ発生空間G,G1でモードに応じた強電界領域が任意の領域で生じることの主要因は、半球形状内壁面11aを有する処理チャンバ11の上端側や円錐形状内壁面61aを有する処理チャンバ61の上端側が、中心軸Cや中心軸C1に関して対称な形状を呈し、その形状を調整することによって励起される電磁波のモードを特定できることにあると考えられる。したがって、プラズマ生成空間Gさえ適切な形状を呈していれば、プラズマ生成空間Gに対するマイクロ波の導入形態がどのようなものであろうとも、例えば、マイクロ波がプラズマ生成空間Gの中心に関して対称的に導入されていなくとも、プラズマ生成空間Gの任意の領域において概ね局所的な強電界領域を生じさせることができる。
以上の理由から、導波管12の配置には自由度があり、例えば、図1のプラズマ処理装置10のように導波管12を処理チャンバ11の中心軸C上に配置する必要はなく、図9(A)に示すように、1つの導波管12を処理チャンバ11の中心軸Cからオフセットして配置してもよい。さらに、マイクロ波は誘電体窓15を経てプラズマ生成空間Gへ導入する必要もない。例えば、図9(B)に示すように、導波管12が処理チャンバ11の上端側に直接取り付けられてもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
まず、ステージ14におけるリフトテーブル14bの上下動による局所的な強電界領域の発生形態への影響を検討するために、図3(A)のプラズマ処理装置10を想定して実施例1乃至実施例3の2次元モデルを作成し、実施例1ではリフトテーブル14bの基板載置面14aからの高さを0cmに設定し、実施例2ではリフトテーブル14bの基板載置面14aからの高さを2cmに設定し、実施例3ではリフトテーブル14bの基板載置面14aからの高さを3cmに設定した。
次いで、プラズマ生成空間G内にω>ωpeを満たすne=1016m−3の分布が一様な低密度のプラズマが既に存在し(ωはマイクロ波(角)周波数、ωpeは電子プラズマ(角)周波数、neは電子密度を示す。)、且つ運動量移行衝突周波数νmはωに等しいと仮定した上で、COMSOL社製の電磁界計算モジュールを用いて実施例1乃至実施例3における電界強度分布を計算し、その結果を図10(A)乃至図10(C)に示した。なお、図10(A)は実施例1における電界強度分布を示し、図10(B)は実施例2における電界強度分布を示し、図10(C)は実施例3における電界強度分布を示す。
図10(A)乃至図10(C)に示すように、リフトテーブル14bの高さが違っていても、プラズマ生成空間Gが中心軸Cに関して対称な半球形状を呈すれば、局所的な強電界領域を生じさせることができることが分かった。これにより、プラズマ生成空間Gの形状が局所的な強電界領域の発生の主要因であることが推察された。また、リフトテーブル14bを上下動させても局所的な強電界領域の位置が殆ど変わらないことも分かった。これにより、リフトテーブル14bを上下動させるだけで所望の成膜速度やエッチングレートを容易に実現できることが分かった。
次に、スタブ11cの長さの違いの局所的な強電界領域の発生形態への影響を検討するために、図4(A)のプラズマ処理装置10を想定して実施例4乃至実施例6の2次元モデルを作成し、実施例4ではスタブ11cの長さを1cmに設定し、実施例5ではスタブ11cの長さを2cmに設定し、実施例6ではスタブ11cの長さを3cmに設定した。
次いで、実施例1乃至実施例3と同じ条件で同じCOMSOL社製の電磁界計算モジュールを用いて実施例4乃至実施例6における電界強度分布を計算し、その結果を図11(A)乃至図11(C)に示した。なお、図11(A)は実施例4における電界強度分布を示し、図11(B)は実施例5における電界強度分布を示し、図11(C)は実施例6における電界強度分布を示す。
図11(A)乃至図11(C)に示すように、スタブ11cの長さを変えても該スタブ11cの先端の位置に対応して強電界領域が局所的に生成されることが分かった。これにより、スタブ11cの長さを変更することによってプラズマPの生成領域を制御できることが分かった。
次に、対向面11eを設けること、並びに対向面11eと基板載置面14aとの距離の違いによる局所的な強電界領域の発生形態への影響を検討するために、図5のプラズマ処理装置10を想定して実施例7乃至実施例9の2次元モデルを作成し、実施例7では対向面11eと基板載置面14aとの距離を7cmに設定し、実施例8では対向面11eと基板載置面14aとの距離を6cmに設定し、実施例9では対向面11eと基板載置面14aとの距離を5cmに設定した。
次いで、実施例1乃至実施例3と同じ条件で同じCOMSOL社製の電磁界計算モジュールを用いて実施例7乃至実施例9における電界強度分布を計算し、その結果を図12(A)乃至図12(C)に示した。なお、図12(A)は実施例7における電界強度分布を示し、図12(B)は実施例8における電界強度分布を示し、図12(C)は実施例9における電界強度分布を示す。
図12(A)乃至図12(C)に示すように、対向面11eを設けても強電界領域が局所的に生成されることが分かった。これにより、半球形状内壁面11aに曲面部分が一部に残れば、処理チャンバ11の上端側が完全な半球形状を呈していなくてもプラズマ生成空間GにおいてプラズマPを生成できることが分かった。また、対向面11eと基板載置面14aとの距離を変えても強電界領域は対向面11eの近傍に発生することが分かった。これにより、対向面11eと基板載置面14aとの距離を変化させることによってプラズマPと基板Sとの距離を制御できることも分かった。
次に、円錐形状内壁面61aの頂点とステージ14との距離の違いによる局所的な強電界領域の発生形態への影響を検討するために、図6のプラズマ処理装置60を想定して実施例10乃至実施例12の2次元モデルを作成し、実施例10では円錐形状内壁面61aの頂点とステージ14との距離を5cmに設定し、実施例11では円錐形状内壁面61aの頂点とステージ14との距離を7.5cmに設定し、実施例12では円錐形状内壁面61aの頂点とステージ14との距離を10cmに設定した。
次いで、実施例1乃至実施例3と同じ条件で同じCOMSOL社製の電磁界計算モジュールを用いて実施例10乃至実施例12における電界強度分布を計算し、その結果を図13(A)乃至図13(C)に示した。なお、図13(A)は実施例10における電界強度分布を示し、図13(B)は実施例11における電界強度分布を示し、図13(C)は実施例12における電界強度分布を示す。
図13(A)乃至図13(C)に示すように、円錐形状内壁面61aの頂点とステージ14との距離が違っていても、プラズマ生成空間G1が中心軸C1に関して対称な円錐形状を呈すれば、局所的な強電界領域を生じさせることができることが分かった。これによっても、局所的な強電界領域の発生はプラズマ生成空間Gの形状が主要因であることが推察された。また、円錐形状内壁面61aの頂点とステージ14との距離を変化させると局所的な強電界領域の発生領域も変化することが分かった。これにより、円錐形状内壁面61aの頂点とステージ14との距離を変化させることによってプラズマP1と基板Sとの距離を制御できることも分かった。
次に、対向面61cを設けること、並びに対向面61cと基板載置面14aとの距離の違いによる局所的な強電界領域の発生形態への影響を検討するために、図7のプラズマ処理装置60を想定して実施例13乃至実施例15の2次元モデルを作成し、実施例13では対向面61cと基板載置面14aとの距離を7cmに設定し、実施例14では対向面61cと基板載置面14aとの距離を6cmに設定し、実施例15では対向面61cと基板載置面14aとの距離を5cmに設定した。
次いで、実施例1乃至実施例3と同じ条件で同じCOMSOL社製の電磁界計算モジュールを用いて実施例13乃至実施例15における電界強度分布を計算し、その結果を図14(A)乃至図14(C)に示した。なお、図14(A)は実施例13における電界強度分布を示し、図14(B)は実施例14における電界強度分布を示し、図14(C)は実施例15における電界強度分布を示す。
図14(A)乃至図14(C)に示すように、対向面61cを設けても強電界領域が局所的に生成されることが分かった。これにより、円錐形状内壁面61aに傾斜面が一部に残れば、処理チャンバ61の上端側が完全な円錐形状を呈していなくてもプラズマ生成空間G1においてプラズマP1を生成できることが分かった。また、対向面61cと基板載置面14aとの距離を変えても強電界領域は対向面61cの近傍に発生することが分かった。これにより、対向面61cと基板載置面14aとの距離を変化させることによってプラズマP1と基板Sとの距離を制御できることも分かった。
G,G1 プラズマ生成空間
P,P1 プラズマ
S 基板
10,60 プラズマ処理装置
11,61 処理チャンバ
11c スタブ
11e 対向面
12 導波管
14 ステージ
14c リフトテーブル
15 誘電体窓
P,P1 プラズマ
S 基板
10,60 プラズマ処理装置
11,61 処理チャンバ
11c スタブ
11e 対向面
12 導波管
14 ステージ
14c リフトテーブル
15 誘電体窓
Claims (8)
- マイクロ波を伝播させる導波管と、
該導波管に接続されるプラズマ生成室と、
該プラズマ生成室内に配され、基板を載置する載置台と、
前記導波管及び前記プラズマ生成室の間に介在し、前記導波管を伝播する前記マイクロ波を前記プラズマ生成室の内部へ導入する誘電体窓とを備え、
前記プラズマ生成室は中心軸を有し、該中心軸に関して対称な形状を呈することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記プラズマ生成室は半球形状を呈することを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ生成室は前記載置台と対向する部分が切除されていることを特徴とする請求項2記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ生成室は円錐形状を呈することを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ生成室は前記載置台と対向する部分が切除されていることを特徴とする請求項4記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ生成室に前記載置台と対向する突起部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
- 前記突起部材は前記プラズマ生成室の中心軸からオフセットして配置されていることを特徴とする請求項6記載のプラズマ処理装置。
- 前記突起部材は移動可能に構成されていることを特徴とする請求項6記載のプラズマ処理装置。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
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KR1020147016559A KR20140104440A (ko) | 2011-12-19 | 2012-12-17 | 플라즈마 생성 장치 및 플라즈마 처리 장치 |
PCT/JP2012/083181 WO2013094716A1 (ja) | 2011-12-19 | 2012-12-17 | プラズマ生成装置及びプラズマ処理装置 |
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JP2011278436A JP2013131320A (ja) | 2011-12-20 | 2011-12-20 | プラズマ処理装置 |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013131320A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2796728C1 (ru) * | 2022-08-24 | 2023-05-29 | Общество С Ограниченной Ответственностью "Эдвансд Пропалшн Системс" | Многоканальный плазменный двигатель с полусферической газоразрядной камерой |
-
2011
- 2011-12-20 JP JP2011278436A patent/JP2013131320A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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RU2796728C1 (ru) * | 2022-08-24 | 2023-05-29 | Общество С Ограниченной Ответственностью "Эдвансд Пропалшн Системс" | Многоканальный плазменный двигатель с полусферической газоразрядной камерой |
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