JP2013130641A - 光拡散シート、表示装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】視野角特性の良い安価で汎用性のある光拡散シートを提供する。
【解決手段】厚さ方向に透過する光を拡散させる光拡散部8の出射面側に、入射光を全反射する反射面部を有する反射吸収部21を設け、当該反射吸収部21の屈折率を隣接する光拡散部8の屈折率に比して低くすると共に、当該反射吸収部21中に多孔質物質より成る光吸収体23を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】厚さ方向に透過する光を拡散させる光拡散部8の出射面側に、入射光を全反射する反射面部を有する反射吸収部21を設け、当該反射吸収部21の屈折率を隣接する光拡散部8の屈折率に比して低くすると共に、当該反射吸収部21中に多孔質物質より成る光吸収体23を設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、視野角を改善する光拡散シート、その光拡散シートを備えた表示装置およびこれを備えた電子機器に関する。
各種電子機器の表示装置は、薄型のフラットパネルディスプレイ(FPD)が広く利用されているが、その表示素子としては、液晶、発光ダイオード(LED)、有機エレクトロルミネッセンス(EL)等が一般に利用されている。
このような表示装置は、表示画面から斜めに出射する光が表示画面の正面に出射した光を見たときと同じように見えるように設計されている。すなわち、表示画面を斜めから見たときに、表示画面を正面から見たときと同じように見えるように設計されている。しかし、表示画面を正面から見たときのコントラスト特性は優れているものの、斜めから見ると正面から見たときと比べコントラスト特性が劣るなど観察する方向によって表示の見え方が異なる、すなわち視野角特性が劣るという問題があり、特に自発光ではない液晶パネルにおいてはその傾向が強い。
このような表示装置は、表示画面から斜めに出射する光が表示画面の正面に出射した光を見たときと同じように見えるように設計されている。すなわち、表示画面を斜めから見たときに、表示画面を正面から見たときと同じように見えるように設計されている。しかし、表示画面を正面から見たときのコントラスト特性は優れているものの、斜めから見ると正面から見たときと比べコントラスト特性が劣るなど観察する方向によって表示の見え方が異なる、すなわち視野角特性が劣るという問題があり、特に自発光ではない液晶パネルにおいてはその傾向が強い。
そこで、表示装置の視野角特性を向上させる方法の1つとして、表示装置の前面即ち光の出射側に光を拡散させる光拡散シートを設けることにより、斜め方向からの視認を可能にする方法が開発されている。その光拡散シートは、例えば、シート表面に凹凸処理をしたもの、或いはシート内部に光拡散性微粒子を含有させたもの等であり、屈折率の差を利用して光を多方向に屈折させる。光拡散シートによって屈折した光は、その表面から多方向に拡散して視認者側に出射されるので、あらゆる方向からの視認が可能となる。その結果、正面から見たときの映像と、斜めから見たときの映像とに差がなくなり、視野角の変化感の少ない視野角特性の良い表示装置が得られる。
しかしながら、このような光拡散シートは、その光拡散性によって映像光または外光が乱反射して多くの迷光を生じさせることになり、表示装置の表面輝度およびコントラストの低下等を招いてしまう。また、光拡散シートが全反射させることができる光には限度があり、光拡散シート(表示画面)に対する入射角が小さい光は全反射されない。そのため、映像光が拡散される度合い(光利用効率)が低く、視認性が低下してしまう。
従って、最近では、このような特性を改善した新たな光拡散シートが提案されている。
従って、最近では、このような特性を改善した新たな光拡散シートが提案されている。
例えば、図11に示す液晶表示装置1において、その光拡散シート2は透過型液晶表示パネル3の前面側に設置され、バックライト4からの光線5が当該パネル3を通過した後で、その通過光を拡散させ視野角を拡大させるものである。なお、6は表面散乱層で、外部からの迷光を減少させる役割を有する。7は上記各構成要素を外装する筐体である。
上記光拡散シート2は、図12に示すように屈折率がNp(1.49〜1.56)である光透過性樹脂例えばエポキシアクリレート等により形成された断面台形状の光拡散部8とこの光拡散部8の光出射面側に形成された断面V字状溝部に設けられた反射吸収部9とから構成されている。この光拡散部8はバックライト4側が下底8b、視認者側が上底8aとなるように形成されており、当該台形間のV字溝部分に形成された反射吸収部9は断面三角の柱形状となり、当該両者の境界面は反射面部となり表示面の法線に対して傾斜している。
上記光拡散シート2は、図12に示すように屈折率がNp(1.49〜1.56)である光透過性樹脂例えばエポキシアクリレート等により形成された断面台形状の光拡散部8とこの光拡散部8の光出射面側に形成された断面V字状溝部に設けられた反射吸収部9とから構成されている。この光拡散部8はバックライト4側が下底8b、視認者側が上底8aとなるように形成されており、当該台形間のV字溝部分に形成された反射吸収部9は断面三角の柱形状となり、当該両者の境界面は反射面部となり表示面の法線に対して傾斜している。
また、この反射吸収部9は、光拡散部8より低い屈折率の透明樹脂であるバインダー10中に多数の光吸収粒子11・・・を含んだものである。この光吸収粒子11、11…は、カーボン等の顔料又は赤、青、黄等の染料にて所定の濃度に着色された球状の小径の粒子で、例えばアクリル等の透明粒子をカーボンブラック等の黒色顔料にて染色したもの等を用いている。光吸収粒子11の平均粒径は1μm以上で反射吸収部9の三角形の底辺の長さの半分以下である。
このような構成であると、光拡散部8と反射吸収部9との屈折率の差から、反射吸収部9の外面は反射面となり、臨界角を超える光線L12は全反射して、反射吸収部9,9間の隙間すなわち光拡散部8の台形の上底8aに相当する部分から表面散乱層6を介して外部に出射する。臨界角内の光線L13は、反射面で反射されず、反射吸収部9内に入射するが、内部に存在する光吸収粒子11,11・・・により吸収されるので、外部に出射されることがない。
従って、外部に出射される迷光を低減できるので、コントラストの低下、または画像のボケ等を改善できるものである。(特許文献1参照)
従って、外部に出射される迷光を低減できるので、コントラストの低下、または画像のボケ等を改善できるものである。(特許文献1参照)
上記光拡散シート2においては、光拡散部8と反射吸収部9との境界面で光を効率よく全反射させるために当該両者の屈折率差を大きくすることが望ましい。しかし、光拡散部8の屈折率を大きくするためには、特殊な樹脂材料を用いることが必要であり、材料費が高くなる上、製造コストも高くなるので、汎用的に用いることが出来る低コストの光拡散シートを得ることは困難となる。
これに対して、反射吸収部9の屈折率を小さくして光拡散部8との屈折率差を大きくする場合、光吸収のため顔料で着色される樹脂バインダー10は顔料の濃度を高くすると屈折率が大きくなるので、高くすることが出来ず、その結果、反射吸収部9の光学濃度(OD値)が低くなって、入射した迷光をバインダー10では十分に吸収出来ない。
このため、アクリル樹脂製の黒色の光吸収粒子11、11・・・をバインダー10中に内蔵して迷光を吸収するようにしているが、この光吸収粒子11,11・・・によっても、反射吸収部9の屈折率が高くなるので、光吸収粒子11,11・・・を十分密に含ませることが出来ない。
このため、アクリル樹脂製の黒色の光吸収粒子11、11・・・をバインダー10中に内蔵して迷光を吸収するようにしているが、この光吸収粒子11,11・・・によっても、反射吸収部9の屈折率が高くなるので、光吸収粒子11,11・・・を十分密に含ませることが出来ない。
従って、光吸収粒子11,11も反射吸収部9の低屈折率を維持する程度に疎に分散内蔵しなければならず、その分散した光吸収粒子の隙間をぬって迷光の一部が外部に抜けてしまい、正面コントラストの低下、または画像のボケ等を十分には防止できていない。
なお、光吸収粒子11,11・・・を密に内蔵すると、反射吸収部9の屈折率が大きくなるばかりでなく、多数の光吸収粒子11,11・・・が境界面に接するので、逆にその接した部分の臨界角が変わり本来反射できる光線を吸収してしまい、却ってコントラストを低下させると言う問題点もある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光拡散シートに入射した光を効率良く全反射することができる光拡散シート、および当該光拡散シートを備えた表示装置、ならびに当該表示装置を備えた電子機器を提供することにある。
なお、光吸収粒子11,11・・・を密に内蔵すると、反射吸収部9の屈折率が大きくなるばかりでなく、多数の光吸収粒子11,11・・・が境界面に接するので、逆にその接した部分の臨界角が変わり本来反射できる光線を吸収してしまい、却ってコントラストを低下させると言う問題点もある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光拡散シートに入射した光を効率良く全反射することができる光拡散シート、および当該光拡散シートを備えた表示装置、ならびに当該表示装置を備えた電子機器を提供することにある。
本発明に係る光拡散シートは、光拡散シート本体の厚さ方向に透過する光を拡散させる光拡散部の出射面側に、入射光を全反射する反射面部を有する反射吸収部を設け、当該反射吸収部の屈折率を隣接する光拡散部の屈折率に比して低くすると共に、当該反射吸収部材中に光吸収粒子を設けた光拡散シートにおいて、前記光吸収粒子を多孔質物質としたことを特徴とする。
第1の局面による光拡散シートは、光吸収粒子を反射吸収部の屈折率を低く抑えることが出来る多孔質物質としたから、当該反射吸収部に入射した迷光を確実に吸収することが出来る大きさ、量の光吸収粒子を前記反射吸収部に内蔵させることが可能となる。従って、反射吸収部と光拡散部との屈折率の差を大きくして光拡散シートに入射した入射光を効率良く全反射させ且つ迷光を効果的に吸収するので、コントラストの向上、画像のボケを改善することができる。
また、多孔質物質が持っている細孔由来の空気が反射吸収部における屈折率を低く抑える作用があるので、多孔質物質の含有量を変えることによって、当該反射吸収部の屈折率を適宜調節することができる。
また、多孔質物質が持っている細孔由来の空気が反射吸収部における屈折率を低く抑える作用があるので、多孔質物質の含有量を変えることによって、当該反射吸収部の屈折率を適宜調節することができる。
また、本発明は、前記光拡散シートを設けた表示装置を提供する。前記表示装置によれば、高コストの光拡散シートを用いることなく視野角特性の良い表示装置を得ることが出来る。
更に、本発明によれば、このような表示装置を備えた各種電子機器を得ることが出来る。
このような電子機器は、視野角特性が良く、使い勝手が向上する。
このような電子機器は、視野角特性が良く、使い勝手が向上する。
本発明に係る光拡散シートは、反射吸収部の屈折率を低く抑えながら当該反射吸収部に入射した迷光を確実に吸収することが出来る大きさ、量の光吸収粒子を内蔵させることが可能であるため、光拡散部との屈折率の差を大きくして光拡散シートに入射した入射光を効率良く全反射させ且つ迷光を効果的に吸収するので、コントラストの向上、画像のボケを改善することができる。
また、多孔質物質の含有量を変えることによって、当該反射吸収部の屈折率を適宜調節することができる。
更に、光拡散部として屈折率が高い材料を用いなくとも、反射吸収部との屈折率の差を大きくすることが出来るので、光拡散部として高価な材料ではなく、汎用的な材料を用いることが可能となり、低コストの光拡散シートを得ることができる。
また、多孔質物質の含有量を変えることによって、当該反射吸収部の屈折率を適宜調節することができる。
更に、光拡散部として屈折率が高い材料を用いなくとも、反射吸収部との屈折率の差を大きくすることが出来るので、光拡散部として高価な材料ではなく、汎用的な材料を用いることが可能となり、低コストの光拡散シートを得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の光拡散シート20の要部断面図、図2は平面図である。図1、図2において、従来の光拡散シートと同じ部分は同じ符号を用いて説明を省略する。図1において、光拡散シート20の厚さ方向の断面には、V字状の反射吸収部21、21・・・が形成されており、これら反射吸収部21,21・・・は、図2(a)に示すようにX,Y平面のX方向に所定の間隔22で多数併設されている。なお、反射吸収部21は均一間隔でなくて図2(b)に示すように不均一な間隔で配置しても良い。
(実施の形態1)
図1は、本発明の光拡散シート20の要部断面図、図2は平面図である。図1、図2において、従来の光拡散シートと同じ部分は同じ符号を用いて説明を省略する。図1において、光拡散シート20の厚さ方向の断面には、V字状の反射吸収部21、21・・・が形成されており、これら反射吸収部21,21・・・は、図2(a)に示すようにX,Y平面のX方向に所定の間隔22で多数併設されている。なお、反射吸収部21は均一間隔でなくて図2(b)に示すように不均一な間隔で配置しても良い。
この光拡散シート20が従来の光拡散シート2と大きく異なる点は、反射吸収部21に含まれている光吸収粒子23がアクリル樹脂製ではなく多孔質物質から形成されていることである。多孔質物質とは、例えば、二酸化ケイ素を材質として、ほぼ均一で規則的な細孔(ナノメートルからマイクロメートルオーダーの細孔)を持つ粒子であって、メソポーラスシリカ粒子、ゼオライトなどが知られている。ゼオライトは、その構造に特に限定されないが、例えば、Y型、A型、X型、L型、ベータ型、フェリエライト型、モルデナイト型、ZSM−5型、TS−1型、またはMCM−22型が好ましい。
この多孔質物質より成る光吸収粒子23は、従来と同じ樹脂バインダー10を用いた反射吸収部21の屈折率を低く抑えることが可能であり、反射吸収部21の光学濃度(OD値)を適宜、調節することが出来る。この光吸収粒子23は、可視光線の波長よりも長い800nm以上の平均粒子径を有する球状を成し、例えば、黒色に着色されたものである。
この多孔質物質より成る光吸収粒子23は、従来と同じ樹脂バインダー10を用いた反射吸収部21の屈折率を低く抑えることが可能であり、反射吸収部21の光学濃度(OD値)を適宜、調節することが出来る。この光吸収粒子23は、可視光線の波長よりも長い800nm以上の平均粒子径を有する球状を成し、例えば、黒色に着色されたものである。
多孔質物質例えばメソポーラスシリカの微粒子(粒径約30nm)が、反射防止膜への添加量に応じて、その屈折率を低下させることは知られている。図3に1例を示す。図3のように、メソポーラスシリカの微粒子(粒径約30nm)の添加量(wt%)が多くなるほど屈折率は低下しており、実測値に基づく見積値では、屈折率を1.27近くまで低下させることが出来る。
しかし、これまではメソポーラスシリカの微粒子(粒径約30nm)の屈折率低下機能が知られているだけで、当該微粒子による光吸収作用に着目しているものはなかった。これに対して本発明は多孔質物質による光吸収作用に着目し、迷光となる可視光を効果的に吸収する作用及び反射吸収部21の光拡散部8対する屈折率の低下の両方を達成できるようにしたものである。要するに、本発明は、光拡散シート20の光吸収粒子として多孔質物質を用いると言うこれまでにはない考え方に基づいて成されたものである。
本発明によれば、上記のように反射吸収部21の屈折率は多孔質物質の存在によって小さくなり、光拡散部8の屈折率との差を大きくすることが出来るので、光拡散シート20において全反射させることができる光の臨界角度を大きくすることが出来る。その結果、当該光拡散シート20が全反射する光が増え、光の利用効率を上げることができる。
しかし、これまではメソポーラスシリカの微粒子(粒径約30nm)の屈折率低下機能が知られているだけで、当該微粒子による光吸収作用に着目しているものはなかった。これに対して本発明は多孔質物質による光吸収作用に着目し、迷光となる可視光を効果的に吸収する作用及び反射吸収部21の光拡散部8対する屈折率の低下の両方を達成できるようにしたものである。要するに、本発明は、光拡散シート20の光吸収粒子として多孔質物質を用いると言うこれまでにはない考え方に基づいて成されたものである。
本発明によれば、上記のように反射吸収部21の屈折率は多孔質物質の存在によって小さくなり、光拡散部8の屈折率との差を大きくすることが出来るので、光拡散シート20において全反射させることができる光の臨界角度を大きくすることが出来る。その結果、当該光拡散シート20が全反射する光が増え、光の利用効率を上げることができる。
本実施形態においては、この光吸収粒子23は、1個の黒色に着色された球状を成し、反射吸収部21の断面逆三角形の底面と両側面(反射面部)とに内接する大きさ(例えば、断面逆三角形底辺の半分以上の寸法)を有する。なお、上記黒色は一般的にブラックマトリックス用に用いられるカーボンブラック等の顔料を用いる。
上記光吸収粒子23を用いた光拡散シート20によれば、反射吸収部21との反射面(境界面)に臨界角を超えて入射した映像光L14は全反射されて外部に出射される。臨界角以内の映像光15は1個の光吸収粒子23に吸収される。映像光のうち、底面(水平面)と平行に近い角度で入射する光L16が、反射吸収部21の光吸収粒子23の底部よりも下側のバインダー10を透過しても、隣接する反射吸収部21の光吸収粒子23により吸収されるので、外部に出ることは殆どない。
従って、従来のアクリル樹脂製の多数の粒子11を用いる場合と比較すると、1個の光吸収粒子23により境界面の内接点以下に生じる迷光を殆ど吸収するので、従来のように光吸収粒子11,11・・・間の隙間から抜ける光線がなく、迷光を効率よく吸収することが出来る。内接点より上部のバインダー10部分を抜ける迷光は非常に限られるので、迷光は従来に比して低減できるものである。このように、バインダー10の光学濃度が低いことによる迷光の抜けを効果的に防ぐことが出来るので、正面コントラストの低下、及び画像のボケをほぼ確実に抑えることが出来る。
光吸収粒子23、23…は、反射吸収部21の全体の体積に対して10〜50体積%であることが好ましい。かかる比率を維持することによって、十分な光吸収効果を保ちつつ、容易な製造条件を与えることができる。
光を吸収する観点からは、反射吸収部21、21…の光吸収性能は目的によって適宜調整可能であるが、6μm厚さの光拡散シート20の透過率測定において、透過率が40〜70%となるように構成されていることが好ましい。透過率を40〜70%とするための手段は特に限定されるものではないが、例えば光吸収粒子23の含有量や光吸収性能を調整して適用することができる。
前記反射吸収部の光拡散シートの出射面に対する面積比は、10〜90%であることが好ましく、より好ましくは30〜60%である。反射吸収部の面積比が10%未満では、反射吸収部にて、光拡散シートへの入射光を屈折させることにより、その反射光を、光拡散シートの出射面の外側に拡散させる効果が十分に得られない。一方、反射吸収部の面積比が90%を超えると、光拡散部の光拡散シートの光出射面に対する面積比が小さくなり過ぎて、光拡散部の壁面にて、光拡散シートへの入射光を全反射させることにより、その反射光を、光拡散シートの出射面の外側に拡散させる効果が十分に得られないからである。
前記反射吸収部の光拡散シートの出射面に対する面積比は、10〜90%であることが好ましく、より好ましくは30〜60%である。反射吸収部の面積比が10%未満では、反射吸収部にて、光拡散シートへの入射光を屈折させることにより、その反射光を、光拡散シートの出射面の外側に拡散させる効果が十分に得られない。一方、反射吸収部の面積比が90%を超えると、光拡散部の光拡散シートの光出射面に対する面積比が小さくなり過ぎて、光拡散部の壁面にて、光拡散シートへの入射光を全反射させることにより、その反射光を、光拡散シートの出射面の外側に拡散させる効果が十分に得られないからである。
さらに、反射吸収部21、21…の斜辺(シート厚さ方向に延在する2つの辺)のシート面法線に対する角度θは目的に応じて変更可能であり、特に限定されるものではないが、通常の表示装置の場合、適切に外光及び映像光の反射、吸収をする観点から、0度より大きく15度以下であることが好ましく、0度より大きく10度以下であることがさらに好ましい。
光拡散部8は、光入射面側から入射した光を光出射面側まで透過させるもので、光の透過率を考慮すると透明な樹脂により形成されていることが好ましく、紫外線硬化性を有する材料であることがより好ましい。これによれば、光拡散シート20を形成する際の作業を、より簡単にすることができる。なお、上述したように、光拡散部8として屈折率の高い材料を用いなくとも、反射吸収部9の屈折率を低くすることが出来るので、屈折率の差は大きくできる。例えば、理論上は最大で、反射吸収部9を構成するバインダーの屈折率−1.27まで可能である。したがって、このような光拡散部8を構成する材料として、高屈折率を有するものではなく中程度の屈折率を有する材料を用いれば良く、例えば、Epo−Tek(登録商標)、エポキシアクリレート、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、またはポリカーボネート系樹脂等の透明樹脂等を用いることが出来る。なお、光拡散部8を構成する材料は、必ずしもこれらに限定されるわけではない。
また、反射吸収部21のバインダー10の材料としては、従来と同様のものを用いることが可能であるが、特に限定されることはなく、屈折率1.49〜1.56程度の入手し易いものを用いても良い。例えば、透明な樹脂で、電離放射線硬化作用を有する紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等が用いられる。直接に電離放射線で硬化反応するものや、触媒又は開始剤と呼ばれる反応を励起させる物質を介して硬化反応を起こさせるものもある。電離放射線硬化型樹脂としては、反応性オリゴマー(エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等)、反応性のモノマー(ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリテート等)が適宜選択される。
図4に、この光拡散シート20を液晶表示パネル3の前面に設置した表示装置19を示す。
図4に、この光拡散シート20を液晶表示パネル3の前面に設置した表示装置19を示す。
(実施の形態2)
図5は、本発明の光拡散シート20の第2の実施形態を示す断面図である。同図において、光吸収粒子23は第1実施形態の光吸収粒子と同じものである。この実施形態においては、この光吸収粒子23と反射吸収部21外面とのスペースに、当該光吸収粒子23よりも径の小さい付加用の光吸収粒子23a,23b,・・・を収容して、光透過のスペースを少なくしたものである。このようにすれば、迷光の抜け出るスペースを更に少なくすることが出来る。
図5は、本発明の光拡散シート20の第2の実施形態を示す断面図である。同図において、光吸収粒子23は第1実施形態の光吸収粒子と同じものである。この実施形態においては、この光吸収粒子23と反射吸収部21外面とのスペースに、当該光吸収粒子23よりも径の小さい付加用の光吸収粒子23a,23b,・・・を収容して、光透過のスペースを少なくしたものである。このようにすれば、迷光の抜け出るスペースを更に少なくすることが出来る。
(実施の形態3)
図6は、図1においてバインダー10の充填部分を空気10aとしたものである。この構成によれば、バインダーを用いる必要がないので製造コストが抑えられる。また、光拡散部8との境界面はバインダーの代わりに空気10aが存在するから屈折率差が大きく反射効率を高めることが出来る上、全反射されずに反射吸収部に入射した光があっても光吸収粒子によって光拡散シートの外に出射されるのを防ぐことができる。ただし、光吸収粒子は反射吸収部9内で移動しないように収納した方が良い。光拡散シートの取付方向(水平方向、垂直方向など)によって、光拡散粒子が反射吸収部9内で移動して片寄り、その光吸収作用に影響があるからである。
図6は、図1においてバインダー10の充填部分を空気10aとしたものである。この構成によれば、バインダーを用いる必要がないので製造コストが抑えられる。また、光拡散部8との境界面はバインダーの代わりに空気10aが存在するから屈折率差が大きく反射効率を高めることが出来る上、全反射されずに反射吸収部に入射した光があっても光吸収粒子によって光拡散シートの外に出射されるのを防ぐことができる。ただし、光吸収粒子は反射吸収部9内で移動しないように収納した方が良い。光拡散シートの取付方向(水平方向、垂直方向など)によって、光拡散粒子が反射吸収部9内で移動して片寄り、その光吸収作用に影響があるからである。
(実施の形態4)
反射吸収部21は、図1,2で説明したように、光拡散部8の溝部分に形成された1本の三角柱であるが、光入射面側が先細った円錐、または四角錐等の略錐体形状部24とし、図7に示すように光拡散シート20に均等に分散配置しても良い。この構成によれば、光拡散シート1枚で効率良く光を拡散し、広い視野角を実現することができる。
しかし、必ずしもこれに限定されるわけではなく、少なくとも上下左右方向に光が拡散するような形状を有していれば良い。例えば、反射吸収部21の断面における2つの斜辺は互いに対照でなくても良いし、多角形の断面を有する形状でも、また、湾曲した曲面を有する形状でも良い。また、図8のように略錐体形状部24を光拡散シート20に対して平面上に不均一に分散しても良い。
反射吸収部21は、図1,2で説明したように、光拡散部8の溝部分に形成された1本の三角柱であるが、光入射面側が先細った円錐、または四角錐等の略錐体形状部24とし、図7に示すように光拡散シート20に均等に分散配置しても良い。この構成によれば、光拡散シート1枚で効率良く光を拡散し、広い視野角を実現することができる。
しかし、必ずしもこれに限定されるわけではなく、少なくとも上下左右方向に光が拡散するような形状を有していれば良い。例えば、反射吸収部21の断面における2つの斜辺は互いに対照でなくても良いし、多角形の断面を有する形状でも、また、湾曲した曲面を有する形状でも良い。また、図8のように略錐体形状部24を光拡散シート20に対して平面上に不均一に分散しても良い。
(実施の形態5)
図2に示す上記光拡散シート20を2枚重ね合わせて、反射吸収部21を格子状にして張り合わせて利用しても良い。(図示せず)
図2に示す上記光拡散シート20を2枚重ね合わせて、反射吸収部21を格子状にして張り合わせて利用しても良い。(図示せず)
(表示装置)
図1,図2に示す光拡散シート20を用いた透過型液晶表示パネル25の断面を図9に示す。
液晶表示パネル25は、第1の偏光板26と、第1のガラス基板27と、液晶層28と、カラーフィルター29と、第2のガラス基板30と、第2の偏光板31とを備えてなり、これらが順に積層された構造をなしている。そして、粘着層(図示せず)を介して、表示パネル25の表示画面に、光拡散シート20が取り付けられている。
上記第1のガラス基板27の内面には、液晶分子の配向を決める配向膜32、透明電極33、バス電極34、TFT電極35が形成されている。一方第2のガラス基板30の内面には、配向膜36、透明電極37、カラーフィルター29が順次形成されている。上記カラー電極29は赤のカラーフィルタ38、緑のカラーフィルタ39、青のカラーフィルタ40から構成されている。なお、41はブラックマトリックスである。
図1,図2に示す光拡散シート20を用いた透過型液晶表示パネル25の断面を図9に示す。
液晶表示パネル25は、第1の偏光板26と、第1のガラス基板27と、液晶層28と、カラーフィルター29と、第2のガラス基板30と、第2の偏光板31とを備えてなり、これらが順に積層された構造をなしている。そして、粘着層(図示せず)を介して、表示パネル25の表示画面に、光拡散シート20が取り付けられている。
上記第1のガラス基板27の内面には、液晶分子の配向を決める配向膜32、透明電極33、バス電極34、TFT電極35が形成されている。一方第2のガラス基板30の内面には、配向膜36、透明電極37、カラーフィルター29が順次形成されている。上記カラー電極29は赤のカラーフィルタ38、緑のカラーフィルタ39、青のカラーフィルタ40から構成されている。なお、41はブラックマトリックスである。
上記液晶表示パネル25は、バックライト(図示せず)との間には、ルーバーと呼ばれるブラインド状に配置された線状のフィルムを配置してもよい。この線状のフィルムにより、バックライトから出射された光がコリメートされて、そのコリメート光(平行光)が、液晶パネルに照射される。あるいは、その線状のフィルムにより、バックライトから出射された光が略コリメートされて、その略コリメート光(略平行光)が、液晶表示パネルに照射される。
この液晶表示パネル25は、透明電極33,37間に印加された電圧によって液晶分子の向きを変えてバックライトからの光線の透過、不透過を制御する。透過光はカラーフィルター29を通過して所定の色となって表示面側に出射する。
この出射光は、光拡散シート20を通過する際に光を拡散し、視野角を広げることができる。すなわち、表示装置は、広い視野角を実現しつつ、光の利用効率が高く、迷光の発生を抑え、高い視認性を有するものとなる。
なお、光拡散シートとしては、本発明の実施形態に示す光拡散シートを全て適用することができる。
この出射光は、光拡散シート20を通過する際に光を拡散し、視野角を広げることができる。すなわち、表示装置は、広い視野角を実現しつつ、光の利用効率が高く、迷光の発生を抑え、高い視認性を有するものとなる。
なお、光拡散シートとしては、本発明の実施形態に示す光拡散シートを全て適用することができる。
(液晶表示装置を用いた電子機器)
図10(a)〜(d)は、上記の液晶表示パネルを有する表示装置19を表示部に備えた電子機器の例を示す図である。
図10(a)は、電子機器の一実施形態として薄型表示装置を示す概略斜視図である。
本実施形態の薄型表示装置(電子機器)200は、筐体201と、支持台202と、表示部203と、スピーカー部204と、ビデオ入力端子205とから概略構成されている。
図10(a)〜(d)は、上記の液晶表示パネルを有する表示装置19を表示部に備えた電子機器の例を示す図である。
図10(a)は、電子機器の一実施形態として薄型表示装置を示す概略斜視図である。
本実施形態の薄型表示装置(電子機器)200は、筐体201と、支持台202と、表示部203と、スピーカー部204と、ビデオ入力端子205とから概略構成されている。
図10(b)は、電子機器の一実施形態としてノート型パソコンを示す概略斜視図である。
本実施形態のノート型パソコン(電子機器)300は、本体301と、蓋用筐体302と、表示部303と、キーボード304と、外部接続ポート305と、ポインティングパッド306とから概略構成されている。
本実施形態のノート型パソコン(電子機器)300は、本体301と、蓋用筐体302と、表示部303と、キーボード304と、外部接続ポート305と、ポインティングパッド306とから概略構成されている。
図10(c)は、電子機器の一実施形態として携帯電話を示す概略斜視図である。
本実施形態の携帯電話(電子機器)400は、本体401と、表示筐体402と、表示部403と、音声入力部404と、音声出力部405と、操作キー406と、外部接続ポート407と、アンテナ408とから概略構成されている。
本実施形態の携帯電話(電子機器)400は、本体401と、表示筐体402と、表示部403と、音声入力部404と、音声出力部405と、操作キー406と、外部接続ポート407と、アンテナ408とから概略構成されている。
図10(d)は、電子機器の一実施形態としてビデオカメラを示す概略斜視図である。
本実施形態のビデオカメラ(電子機器)500は、本体501と、表示部502と、表示用筐体503と、外部接続ポート504と、リモコン受信部505と、受像部506と、バッテリー507と、音声入力部508と、操作キー509と、接眼部510とから概略構成されている。
本実施形態のビデオカメラ(電子機器)500は、本体501と、表示部502と、表示用筐体503と、外部接続ポート504と、リモコン受信部505と、受像部506と、バッテリー507と、音声入力部508と、操作キー509と、接眼部510とから概略構成されている。
図10(a)〜(d)に示した電子機器200,300,400,500は、上述の本発明の実施形態に係る表示装置19を表示部に備えているので、高輝度化かつコントラストが高い画像表示が可能な表示部を備えた電子機器となる。
1 液晶表示装置(従来)
2 光拡散シート(従来)
3 透過型液晶表示パネル
4 バックライト
5 光
6 表面散乱層
7 外装
8 光散乱部
9 反射吸収部
10 バインダー
11 光吸収粒子(従来)
20 光拡散シート(本発明)
21 反射吸収部(本発明)
22 間隔
23 光吸収粒子(本発明)
2 光拡散シート(従来)
3 透過型液晶表示パネル
4 バックライト
5 光
6 表面散乱層
7 外装
8 光散乱部
9 反射吸収部
10 バインダー
11 光吸収粒子(従来)
20 光拡散シート(本発明)
21 反射吸収部(本発明)
22 間隔
23 光吸収粒子(本発明)
Claims (16)
- 厚さ方向に透過する光を拡散させる光拡散部の出射面側に、入射光を全反射する反射面部を有する反射吸収部を設け、当該反射吸収部の屈折率を隣接する光拡散部の屈折率に比して低くすると共に、当該反射吸収部中に光吸収粒子を設けた光拡散シートにおいて、
前記光吸収粒子を多孔質物質としたことを特徴とする光拡散シート。 - 前記光吸収粒子は、平均粒子径が可視光波長領域よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の光拡散シート。
- 前記光吸収粒子は、黒色であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光拡散シート。
- 前記光吸収粒子は反射吸収部の反射面内側に内接して当該反射吸収部内に収容される単一の最大球形状であることを特徴とする請求項1−3の何れかに記載の光拡散シート。
- 前記最大球形状の光吸収粒子を収容した反射吸収部の残りの部分に、当該光吸収粒子より小径の付加光吸収粒子を設けた請求項4に記載の光拡散シート。
- 前記反射吸収部は、前記光拡散部に複数並列に形成された出射面側に向かって拡大する形状の溝部に設けられていることを特徴とする請求項1−5の何れかに記載の光拡散シート。
- 前記反射吸収部は、前記光拡散部に点在形成された、出射面側に向かって拡大する形状の凹部に設けられていることを特徴とする請求項1−5の何れかに記載の光拡散シート。
- 前記反射吸収部は錐体形状である請求項7に記載の光拡散シート。
- 前記反射吸収部は出射面の10−90%の面積比率であることを特徴とする請求項1−8の何れかに記載の光拡散シート。
- 前記反射吸収部内は空気が充填されていることを特徴とする請求項1−9の何れかに記載の光拡散シート。
- 前記反射吸収部内は樹脂性バインダーが充填されていることを特徴とする請求項1−9の何れかに記載の光拡散シート。
- 請求項1−11の何れかに記載の前記光拡散シートに用いられる多孔質物質から成る光吸収粒子。
- 請求項1−11の何れかに記載の前記光拡散シートを表示面側に設置した表示装置。
- 前記表示装置において、表示素子は平行方向に一定の間隔で多数配置され、前記光拡散シートの反射吸収部は前記間隔よりも小さい間隔で配置されていることを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
- 前記反射吸収部は一定の間隔で配置されていることを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
- 請求項12−15の何れかに記載の表示装置を備えた電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011278660A JP2013130641A (ja) | 2011-12-20 | 2011-12-20 | 光拡散シート、表示装置及び電子機器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019101435A (ja) * | 2017-12-04 | 2019-06-24 | ローランドディー.ジー.株式会社 | ポインターおよびポインターを備えたインクジェットプリンタ |
CN115685618A (zh) * | 2022-11-09 | 2023-02-03 | Tcl华星光电技术有限公司 | 一种显示面板及其制备方法 |
-
2011
- 2011-12-20 JP JP2011278660A patent/JP2013130641A/ja active Pending
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