JP2013130533A - 通線器位置推定装置及び通線器位置推定方法 - Google Patents

通線器位置推定装置及び通線器位置推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】配管に通線を行う作業に用いる通線器の先端位置推定装置を提供する。
【解決手段】通線器2の先端の移動距離をロータリエンコーダ3で計測し、通線器2の先端の傾きと方位をそれぞれ重力センサ4と地磁気センサ5で計測する。先端装置100が微小移動したとき、その移動距離がどの方向に進んだのかを計算し、計算装置7でこれら微小移動距離ごとに得られる位置座標を測定開始地点の位置情報に積算して測定開始地点からの相対的な通線器2の先端位置を特定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建物内に通信線等を配線するために予め設けられている管路(以下、配管)に通線を行う作業に用いる通線器の先端位置の推定、および建物配管の形状(取り付けルート)を推定する技術に関する。
建物配管に通線を行う作業に用いる通線器の位置を計測する従来の技術として、通線器から電波を放射し、この電波強度を計測する方法が実用化されている(非特許文献1参照)。これは、通線器から放射される電波強度が最高になる位置を探査するものである。
その他の類似技術としては、ヒトが装着したセンサによってヒトの動きを自律的に計測し計測開始地点からの相対的な位置を推定する技術がある(非特許文献2)。これは、ヒトの歩行動作の計測から歩数を検出し、ヒトの進行方向に歩幅を加算していくことで移動量を推定する手法であり、ヒトの歩数検出と進行方向の計測によって位置を推定する。
http://www.goodman-inc.co.jp/search/?m=ptr600 濱口明宏 他,"装着した3次元位置姿勢センサによるウェアラブルユーザの自己位置推定",電子情報通信学会技術研究報告,2006
しかしながら、電波強度を計測する方法では、通線器全体から電波が放射されるので、通線器の長手方向上のどの位置に置いても同様の電波強度を示すことになり、先端位置を直接検出することができない。
また、非特許文献2にあるヒトにセンサを装着させ位置を推定する方法では、ヒトの歩幅という曖昧さが内在する移動量を積算していくため、移動した総移動量が正確に分からない他、上下も含めた3次元的な移動に対しては対応できない。
本発明は、上記の事情に着目してなされたもので、壁裏や天井裏等の見えない箇所にある通線器の先端位置の特定を可能とする通線器位置推定装置及び通線器位置推定方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る通線器位置推定装置は、以下の態様で構成される。
(1)配管内に通線器を挿通させる作業に用いられ、前記通線器の先端位置の推定を行う通線器位置推定装置であって、前記通線器の先端に取り付けられ、水平面に対する進行方向の傾きと方位を検出する先端装置と、前記通線器の前記配管内へ押出した距離を測定する測距手段と、前記先端装置の傾き及び方位の検出情報、前記測距手段からの測距情報を伝送する伝送手段と、前記伝送手段を通じて前記傾き及び方位の検出情報、測距情報を入力し、その入力情報に基づいて座標計算を行って前記先端装置の位置を演算する演算処理装置と、前記演算処理装置で得られた位置情報を表示する表示装置とを具備する態様とする。
(2)(1)の構成において、前記先端装置は、前記傾きを検出するための重力センサと、前記方位を検出するための地磁気センサを備える態様とする。
(3)(1)の構成において、前記測距手段は、前記通線器の通過距離を測定するロータリエンコーダを備える態様とする。
(4)(1)の構成において、さらに、前記演算処理装置により得られた位置情報の履歴を、前記表示装置に時間毎に連続する移動情報として表示することにより、前記配管の形状の推定するための情報を提供する配管形状推定手段を備える態様とする。
(5)(1)の構成において、前記先端装置は、前記通線器の進行方向の配管内部を撮影するカメラを備え、前記伝送手段は、前記カメラで撮影された映像を前記演算処理装置に伝送し、前記演算処理装置は、前記映像を前記表示装置に表示する態様とする。
また、本発明に係る通線器位置推定方法は、以下の態様で構成される。
(6)配管内に通線器を挿通させる作業で、前記通線器の先端位置の推定を行う通線器位置推定装置に用いられ、前記通線器位置推定装置が、前記通線器の先端に取り付けられ、水平面に対する進行方向の傾きと方位を検出する先端装置と、前記通線器の前記配管内へ押出した距離を測定する測距手段と、前記先端装置の傾き及び方位の検出情報、前記測距手段からの測距情報を伝送する伝送手段と、前記伝送手段を通じて前記傾き及び方位の検出情報、測距情報を入力し、その入力情報に基づいて座標計算を行って前記先端装置の位置を演算する演算処理装置と、前記演算処理装置で得られた位置情報を表示する表示装置とを具備するとき、前記先端装置の測定開始時の位置を取得し、かつ前記測距手段の距離情報および先端装置の傾き情報と方位情報を初期化する初期化工程と、前記先端装置が移動した距離を測定する第1工程と、前記先端装置が移動した後の傾き情報と方位情報を測定する第2工程と、前記第1工程で測定した移動距離と前記第2工程で測定した傾き情報及び方位情報とから前記先端装置の移動後の位置座標を求める第3工程とを具備し、前記第3工程で求められた位置座標を前記表示装置に表示する態様とする。
(7)(6)の構成において、さらに、前記先端装置の移動距離を順次積算して得られた位置情報の履歴を、前記表示装置に時間毎に連続する移動情報として表示することにより、前記配管の形状の推定するための情報を提供する第4工程を備える態様とする。
本発明の通線器位置推定装置は、通線器先端の移動距離をロータリエンコーダで計測し、通線器先端の傾きと方位をそれぞれ重力センサと地磁気センサで計測する。装置先端が微小移動したとき、その移動距離がどの方向に進んだのかを計算し、演算処理装置でこれら微小移動距離ごとに得られる位置座標を測定開始地点の位置情報に積算して測定開始地点からの相対的な通線器先端位置を特定する。
したがって、本発明によれば、見えない箇所にある通線器の先端位置の特定可能とする通線器位置推定装置及び通線器位置推定方法を提供することができる。
本発明に係る通線器位置推定装置の実施形態を示すブロック構成図である。 図1に示す推定装置の装置先端に取り付けた重力センサと地磁気センサの3軸の向きを説明するための図である。 図1に示す推定装置の位置推定のための処理の流れを示すフローチャートである。 図1に示す推定装置の推定処理における装置先端の移動を説明するための模式図である。 図1に示す推定装置の装置先端の傾きと方位を説明するための図である。 図1に示す推定装置の装置先端位置PからPk+1の位置推定を説明するための模式図である。 図1に示す推定装置における配管形状の推定を説明するための模式図である。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明に係る通線器位置推定装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。図1において、通線器収容筐体1から引き出された通線器2の先端には先端装置100が連結される。この先端装置100には、重力センサ4と地磁気センサ5が設けられる。ここで、例えば重力センサ4と地磁気センサ5には、3軸方向の測定結果が出力されるものが用いられる。
上記重力センサ4の3軸の出力方向をx,y,z、また地磁気センサ5の3軸の出力方向をx,y,zとするとき、重力センサ4と地磁気センサ5は、図2に示すように同一平面内に設置され、両者の軸方向がそれぞれA,B,C軸に平行となるように配置される。重力センサ4と地磁気センサ5のA,B,Cの3軸から出力される値を、それぞれ(a,b,c)、(a,b,c)とする。ここで、B軸は通線器2の長手方向であり、A軸はこのB軸と直交し、かつ重力センサ4と地磁気センサ5の設置された平面と平行な軸である。
これら重力センサ4と地磁気センサ5それぞれの測定結果は、重力センサ用信号線8と地磁気センサ用信号線9を介して計算装置7に送られる。この計算装置7は、重力センサ4と地磁気センサ5から出力される値を解析し、先端装置100の傾きと方位を計算する。これにより、先端装置100が進んだ3次元空間における方向を把握することができる。
また、通線器収納筺体1付近にはロータリエンコーダ3が固定されている。このロータリエンコーダ3は、通線器2を押し込んだ際の先端装置100の移動した距離を測定するもので、その測定結果は測距装置用信号線11を介して計算装置7に送られる。
以上の構成により、先端装置100が先端に取り付けられた通線器2を挿入した配管の入り口地点から先端装置100が進んだ方向と距離を計算装置7において計算処理することにより、配管の入り口地点を基点とした先端装置100の相対的な位置を推定することが可能となる。
加えて、計算装置7に計算結果を表示する表示装置12を接続し、計算装置7において、随時、先端装置100の位置の移動軌跡をプロットし、表示装置12にその移動軌跡を表示することにより、先端装置100が進んだ軌跡の連続表示から配管の形状(取り付けられているルート)を推定することが可能となる。
さらに、先端装置100に配管内撮影用のカメラ6を設け、カメラ用信号線10を介して計算装置7に映像信号を送り、表示装置12に表示させる。これにより、配管内部のより詳細な状況把握が可能となる。例えば配管入り口での通線器2の押し込み作業中に、押し込みに過剰な抵抗を感じた場合には、先端装置100のカメラ6により撮影した配管内部の映像を観察することにより、配管内の状況を即座にかつ正確に把握することができ、通線器2の押し込み作業を継続するか否かを的確に判断をすることが可能となる。
図3は、通線器2の先端位置を推定するための処理の流れを示すフローチャートである。
まず、工程0では、初期設定として、測定開始地点情報を取得し、距離情報を初期化し、初期傾き・方位値を取得する。
工程1では、先端装置100の微小移動距離Δlの測定を行う。例えば、図4に示すような形状の配管20内を先端装置100が移動していく場合、測定開始地点Pから微小移動したPまでの微小移動距離をΔl、同様にPからPk+1までの微小移動距離をΔlk+1として測定する。これを先端装置100の移動が終了するまで繰り返し測定する。したがって、先端装置100が移動した全移動距離をlとし、先端装置100が移動を終了するまでにn回測定したとすると、全移動距離lは式(1)のように表される。
Figure 2013130533
工程2では、先端装置100の微小移動ごとの傾きθと方位φの測定を行う。ここで、先端装置100の傾きと方位について図5を用いて説明する。
図5に示す、x軸正が北、y軸正が西を指し、z軸が重力方向に平行な空間において、先端装置100が例えば図に示すような方向を向いているときのB軸がx-y平面となす角を傾きθとし、A軸をx-z平面に投影したA’軸とx軸とがなす角をロール角ωとし、B軸をx-y平面に投影したB’軸とx軸とがなす角を方位φとする。
図6に示すように、重力センサ4と地磁気センサ5が位置Pに存在する場合を想定する。位置Pで得られる重力センサ4と地磁気センサ5の3軸方向の出力値を、それぞれ(agk,bgk,cgk)、(amk,bmk,cmk)とすると、位置Pでの傾きθとロール角ωと方位φは、それぞれ次式(2),(3),(4)で表される。
Figure 2013130533
Figure 2013130533
Figure 2013130533
式(4)については、地磁気ベクトルのx-y平面内におけるx成分、y成分の象限を考慮することでx軸からの角度を360度まで求めることができる。
工程3では、測定した微小移動距離と移動方向(傾きと方位)から、先端装置100の微小移動後の位置座標を求める。具体的には、前述のx,y,z軸とから構成される3次元空間において、移動距離Δlk+1と、位置Pで取得した傾きθと方位φから、Pk+1の位置をPの位置座標を基準に一意に定める。ここで定まるPk+1の位置座標を(Δxk+1,Δyk+1,Δzk+1)とすると、その位置座標は、Δlk+1,θ,φを用いて、式(5)のように表される。
Figure 2013130533
工程4では、先端装置100の微小移動を積算し、装置先端の位置と装置先端が移動した配管の形状を推定する。具体的には、先端装置100の移動終了地点Pの移動開始地点Pを基準とした位置座標(X,Y,Z)は、式(6)として求めることができ、移動終了地点Pの移動開始地点Pからの相対的な位置座標を得ることができる。
Figure 2013130533
また、微小移動ごとの装置先端の位置座標をプロットすることにより、図7に示すような装置先端が移動した軌跡から配管の形状を推定し可視化することも可能となる。
以上の工程1から工程4により、先端装置100の移動開始位置からの位置の移動量を推測することが可能となる。
ここで、移動開始位置を基点とした相対的な位置を把握するためには、移動開始位置座標を設定しておく必要がある。そこで、工程1の実施に先がけ、測定開始地点の情報取得を行う必要があることから、工程0として、移動を行う前に通線器2の先端に設けられた先端装置100の測定開始地点情報の取得を行う。
具体的には、先端装置100の移動距離の初期化、測定開始地点の位置座標の設定、初期傾き値、初期方位値を測定する。測定開始地点の位置座標、初期傾き値および初期方位値を、それぞれ(x,y,z)、θ、φとする。測定開始地点の位置座標は任意に決定してよい。θとφに関しては、それぞれ前述の式(2)、式(4)を用いて導出する。この測定開始地点の情報を取得してから、先端装置100の移動距離、傾き値および方位値を取得し始める。測定開始地点の情報を取得後、先端装置100を配管内に押し込んで先端装置100の移動を開始させる。
最後に、先端装置100の移動が終了したかを確認する。移動が終了していなければ、上述の処理を継続する。終了していれば、通線器の先端位置を推定するための処理は終了となる。
本発明は、以上説明したような形態で実施される。通線器2の先端に設けた重力センサ4と地磁気センサ5により、進んだ移動量と方向を計測・計算し、通線器2の先端の位置特定を可能とする。
従来のビルの配線作業では、配管ルートが予想と違った場合、通線作業に多くの時間を費やしていた。本発明により通線器2の先端位置および配管形状の状況を常に把握できることから、仮に異常な状況が発生しても直ちに適切な処置が可能となる。また、測定開始地点の座標が既知であれば、既存地図と併せて絶対的な位置座標を推定することも可能となる。これにより大幅な作業時間削減効果がある。
また、本発明によれば配線作業以外のガス管、水道管等の点検調査作業においても故障破損箇所の位置を特定する際に効果を発揮することができる。
その他、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成を削除してもよい。さらに、異なる実施形態例に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…通線器収納筺体
2…通線器
3…ロータリエンコーダ
4…重力センサ
5…地磁気センサ
6…カメラ
7…計算装置
8…重力センサ用信号線
9…地磁気センサ用信号線
10…カメラ用信号線
11…測距装置用信号線
12…表示装置
20…配管および先端装置100の移動した軌跡
30…推定された配管形状
100…先端装置

Claims (7)

  1. 配管内に通線器を挿通させる作業に用いられ、前記通線器の先端位置の推定を行う通線器位置推定装置であって、
    前記通線器の先端に取り付けられ、水平面に対する進行方向の傾きと方位を検出する先端装置と、
    前記通線器の前記配管内へ押出した距離を測定する測距手段と、
    前記先端装置の傾き及び方位の検出情報、前記測距手段からの測距情報を伝送する伝送手段と、
    前記伝送手段を通じて前記傾き及び方位の検出情報、測距情報を入力し、その入力情報に基づいて座標計算を行って前記先端装置の位置を演算する演算処理装置と、
    前記演算処理装置で得られた位置情報を表示する表示装置と
    を具備することを特徴とする通線器位置推定装置。
  2. 前記先端装置は、前記傾きを検出するための重力センサと、前記方位を検出するための地磁気センサを備えることを特徴とする請求項1に記載の通線器位置推定装置。
  3. 前記測距手段は、前記通線器の通過距離を測定するロータリエンコーダを備えることを特徴とする請求項1に記載の通線器位置推定装置。
  4. さらに、前記演算処理装置により得られた位置情報の履歴を、前記表示装置に時間毎に連続する移動情報として表示することにより、前記配管の形状の推定するための情報を提供する配管形状推定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の通線器位置推定装置。
  5. 前記先端装置は、前記通線器の進行方向の配管内部を撮影するカメラを備え、
    前記伝送手段は、前記カメラで撮影された映像を前記演算処理装置に伝送し、
    前記演算処理装置は、前記映像を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の通線器位置推定装置。
  6. 配管内に通線器を挿通させる作業で、前記通線器の先端位置の推定を行う通線器位置推定装置に用いられ、
    前記通線器位置推定装置が、前記通線器の先端に取り付けられ、水平面に対する進行方向の傾きと方位を検出する先端装置と、前記通線器の前記配管内へ押出した距離を測定する測距手段と、前記先端装置の傾き及び方位の検出情報、前記測距手段からの測距情報を伝送する伝送手段と、前記伝送手段を通じて前記傾き及び方位の検出情報、測距情報を入力し、その入力情報に基づいて座標計算を行って前記先端装置の位置を演算する演算処理装置と、前記演算処理装置で得られた位置情報を表示する表示装置とを具備するとき、
    前記先端装置の測定開始時の位置を取得し、かつ前記測距手段の距離情報および先端装置の傾き情報と方位情報を初期化する初期化工程と、
    前記先端装置が移動した距離を測定する第1工程と、
    前記先端装置が移動した後の傾き情報と方位情報を測定する第2工程と、
    前記第1工程で測定した移動距離と前記第2工程で測定した傾き情報及び方位情報とから前記先端装置の移動後の位置座標を求める第3工程と
    を具備し、
    前記第3工程で求められた位置座標を前記表示装置に表示することを特徴とする通線器位置推定方法。
  7. さらに、前記先端装置の移動距離を順次積算して得られた位置情報の履歴を、前記表示装置に時間毎に連続する移動情報として表示することにより、前記配管の形状の推定するための情報を提供する第4工程を備えることを特徴とする請求項6に記載の通線器位置推定方法。
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