JP2013130020A - 階段用巾木 - Google Patents

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淳一 林
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Abstract

【課題】組付作業が簡単で、美観に優れた階段用巾木を提供する。
【解決手段】本発明の階段用巾木5において、縦巾木5は、縦巾木前部品5aと、前部品5aに対し独立する縦巾木後部品5bと、を備える。縦巾木前部品5aは、上端部が段板2の先端面に対応して配置される。縦巾木後部品5bは、上端が見返し部27に対応して配置された状態で、縦巾木前部品5aの後部表面に、後方にスライド自在に配置されるとともに、そのスライドによって、縦巾木後部品5bの後端縁が蹴込板3に接触可能に構成されている。
【選択図】図6

Description

この発明は、一般家屋のひな壇階段等の屋内階段に適用される階段用巾木および縦巾木に関する。
一般家屋の木質製屋内階段において、ひな壇階段と称されるものは、段板や蹴込板の両側端面が屋内壁面に沿わせた状態に組み立てられる。このため通常、屋内壁面と、段板および蹴込板との間の入隅部には巾木が取り付けられる。
この階段用の巾木は、段板の上面に沿って配置される横巾木と、段板先端面から蹴込板前面にかけて配置される縦巾木とを備えている。
一方、階段側の段板の裏面における蹴込板からの突出寸法(見返し寸法)は、階段の設置スペースや形状等の設置条件によって異なっている。
そこで特許文献1〜3に示す階段用巾木の縦巾木は、段板先端面から下側の段板上面に沿って配置される前部品と、その前部品における蹴込板に対応する位置に、後方にスライド自在に設けられた後部品とを備え、見返し寸法に合わせて、前部品に対し後部品を後方にスライドさせて蹴込板に接触させる。これにより、前部品と蹴込板との間を後部品によって隙間なくカバーして、良好な美観を確保するようにしている。
特開平9−221906号 特開2008−291538号 特開2010−281077号
しかしながら、上記特許文献1〜3に示す従来の階段用巾木においては、縦巾木の前部品は、後部品に対し、非壁面側(表面側)に配置されているため、階段前方から縦巾木を覗き込んだ際に、縦巾木前部品の非壁面側のほぼ全域が露出されている。このため、縦巾木前部品を釘等で固定してしまうと、釘頭が露呈し、美観上好ましくない。従って、縦巾木前部品を、釘等を用いずに、接着剤等を用いて施工することになってしまう。
このように特許文献1〜3に示す従来の階段用巾木は、縦巾木前部品の固定方法が制約されてしまい、現場の状況等に合わせて、適切な固定方法を選択できない場合があり、組付作業が困難になるという課題があった。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、良好な美観を得ることができる上さらに、組付作業を簡単に行うことができる階段用巾木および縦巾木を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]段板および蹴込板が壁面に沿った状態で設けられるとともに、段板の下面側における蹴込板の前側に見返し部が設けられた階段における壁面と段板および蹴込板との間の入隅部に設けられる階段用巾木であって、
前記入隅部のうち、段板の上面に沿う横入隅部に設けられる横巾木と、段板の先端面から蹴込板の前面にかけての縦入隅部に設けられる縦巾木と、を備え、
前記縦巾木は、縦巾木前部品と、その縦巾木前部品に対し独立する縦巾木後部品と、を備え、
前記縦巾木前部品は、裏面が壁面に接触し、かつ上端部が段板の先端面に対応して配置され、
前記縦巾木後部品は、裏面が壁面に接触し、かつ上端が見返し部に対応して配置された状態で、前記縦巾木前部品の後部表面に、後方にスライド自在に配置されるとともに、そのスライドによって、前記縦巾木後部品の後端縁が前記蹴込板に接触可能に構成されていることを特徴とする階段用巾木。
[2]前記縦巾木前部品の後部における表面側に、後方に開放する後部切欠部が設けられ、
その後部切欠部内に前記縦巾木後部品が配置されている前項1に記載の階段用巾木。
[3]前記後部切欠部の深さが、前記縦巾木後部品の厚みと同じ寸法に設定されている前項2に記載の階段用巾木。
[4]前記横巾木および前記縦巾木前部品の対応し合う端部が長さ方向に対し斜めに切断されて、互いの切り口が接合するように留め接ぎされ、
前記横巾木の裏面側に、前記切り口において開放する横巾木側接続具取付溝が形成されるとともに、
前記縦巾木前部品の裏面側に、前記切り口において開放する縦巾木側接続具取付溝が形成され、
接続具の一側部が、前記横巾木側接続具取付溝に嵌合されて固定されるとともに、その接続具の他側部が、前記縦巾木側接続具取付溝に嵌合されて固定されている前項1〜3のいずれか1項に記載の階段用巾木。
[5]前記縦巾木後部品の後部裏面側に支持凸部が設けられ、その支持凸部の先端が壁面に接触可能に構成されている前項1〜4のいずれか1項に記載の階段用巾木。
[6]段板および蹴込板が壁面に沿った状態で設けられるとともに、段板の下面側における蹴込板の前側に見返し部が設けられた階段における壁面と段板および蹴込板との間の入隅部のうち、段板の先端面から蹴込板の前面にかけての縦入隅部に設けられる階段用縦巾木であって、
縦巾木前部品と、
その縦巾木前部品に対し独立する縦巾木後部品と、を備え、
前記縦巾木前部品は、裏面が壁面に接触し、かつ上端部が段板の先端面に対応して配置され、
前記縦巾木後部品は、裏面が壁面に接触し、かつ上端が見返し部に対応して配置された状態で、前記縦巾木前部品の後部表面に、後方にスライド自在に配置されるとともに、そのスライドによって、前記縦巾木後部品の後端縁が前記蹴込板に接触可能に構成されていることを特徴とする階段用縦巾木。
発明[1]の階段用巾木によれば、縦巾木後部品を縦巾木前部品に対しスライドさせて蹴込板に接触させることによって、蹴込板前面側を隙間なく覆うことができるため、良好な美観を得ることができる。さらに、縦巾木前部品の表面側に縦巾木後部品を配置しているため、縦巾木前部品を釘止めした際に、釘頭を縦巾木後部品によって隠蔽することができる。このため、縦巾木前部品5aを釘等の固定手段や、接着剤等の貼着手段のいずれでも不具合なく固定することができる。従って、現場状況等に応じて適切な固定方法を適宜選択できて、組立作業を簡単かつ正確に行うことができる。
発明[2]の階段用巾木によれば、縦巾木前部品に形成した後部切欠部内に縦巾木後部品を配置しているため、後部品を収まり良く配置でき、美観を一層向上させることができる。
発明[3]の階段用巾木によれば、縦巾木前部品の表面と、縦巾木後部品の表面とを面一に配置できるため、前後両部品に統一感が得られて、美観をより確実に向上させることができる。
発明[4]の階段用巾木によれば、縦巾木前部品および横巾木の対応し合う端部同士が接続具を介して強固に接続されるため、両部品の各切り口の加工精度や、巾木、段板および蹴込板の取付精度等が多少悪くなったとしても、接続し合う互いの切り口全域を隙間なく接合することができ、良好な美観をより一層確実に得ることができる。
発明[5]の階段用巾木によれば、縦巾木後部品の支持凸部を壁面に接触させて固定できるため、縦巾木後部品をより一層安定した状態で固定することができる。
発明[6]の階段用縦巾木によれば、上記と同様に同様の効果を得ることができる。
図1はこの発明の実施形態である階段用巾木が適用された階段を示す斜視図である。 図2は実施形態の階段において巾木の一部を取り外した状態で示す斜視図である。 図3は実施形態の階段を示す側面断面図である。 図4は実施形態の階段に適用された横巾木および縦巾木を接続した状態で裏面側から見た斜視図である。 図5は実施形態の横巾木および縦巾木を分解した状態で裏面側から見た斜視図である。 図6は実施形態の階段における縦巾木周辺を拡大して示す水平断面図である。 図7は実施形態の縦巾木を示す側面図である。 図8は実施形態の縦巾木を示す平面図である。 図9は実施形態の縦巾木前部品を示す側面図である。 図10は実施形態の縦巾木前部品を示す平面図である。 図11は実施形態の縦巾木後部品を示す側面図である。 図12は実施形態の縦巾木後部品を示す平面図である。 図13は実施形態の階段に適用された接続具を示す図であって、同図(a)は表面図、同図(b)は一側端面図、同図(c)は他側端面図である。 図14は実施形態に階段における巾木接続部を示す断面図である。 図15は実施形態の階段における巾木接続部を分解して示す断面図である。 図16は実施形態の縦巾木を廻り階段に適用した場合の縦巾木周辺を拡大して示す水平断面図である。 図17は実施形態の縦巾木を廻り階段に適用した場合の縦巾木周辺を拡大して示す水平断面図である。 図18はこの発明の第1変形例の縦巾木後部品を示す水平断面図である。 図19はこの発明の第2変形例の縦巾木後部品を示す水平断面図である。 図20はこの発明の第3変形例である階段の縦巾木周辺を拡大して示す水平断面図である。
図1〜3はこの発明の実施形態である階段用巾木が適用された階段を示す図である。これらの図に示すように、本実施形態の階段は、室内の壁面(屋内壁面)1および支持部材15間において、斜め方向に所定の間隔おきに水平に配置される複数の段板2と、段板2の各間において垂直に配置される複数の蹴込板3と、屋内壁面1と段板2および蹴込板3との間の入隅部に沿って設けられる巾木4,5とを基本的な構成要素として備えている。
なお、本明細書において、階段という場合、段板2および蹴込板3に加えて、これらを支持する屋内壁面1および支持部材15や、巾木4,5も含むものである。さらに階段本体と言う場合には、段板2と、蹴込板3とで構成される階段の一部分を示し、屋内壁面1および支持部材15や、巾木4,5を含まないものである。
各蹴込板3は、その上側の段板2における先端(前端)位置から後方に間隔をおいて配置されて、各段板2の先端部によって段鼻26が形成されている。さらに段鼻26の下面側、つまり段板下面側における蹴込板3よりも前方の部分に見返し部27(図3参照)が設けられる。
各段板2の一端側は、その端面が屋内壁面1に対向した状態で図示しない支持部材によって支持されるとともに、他端側は、その端面が露出された状態で支持部材15に支持されている。
さらに各蹴込板3の一方側端面は、屋内壁面1に対向するように配置されるとともに、他方側端面は、露出されるように配置される。
また各段板2および各蹴込板3の露出側端面(他方側端面)は、化粧板40,50(図1参照)によって被覆されている。
図示は省略するが、本実施形態においては、階段における屋内壁面1とは反対側の開放側端部(他方側端部)には、手摺が取り付けられる。
ここで本実施形態においては、見返し部27の前後方向寸法が、見返し寸法L2(図3参照)に相当する。この見返し寸法L2は既述したように、階段の設置スペースや形状等の設置条件によって異なるものである。
一方、屋内壁面1と、段板2および蹴込板3との間の入隅部に沿って設けられる巾木は、横巾木4と、縦巾木5とを備えている。
なお本明細書では、横巾木4および縦巾木5における屋内壁面1に対向(接触)する側を壁面側または裏面側とし、その反対側を非壁面側または表面側としている。
図1〜5に示すように、横巾木4は、入隅部のうち、段板2の上面に沿って段板2の後端から段鼻26の近傍にかけての横入隅部に配置されている。
縦巾木5は、入隅部のうち、蹴込板3の前面に沿って、段鼻26の周辺から蹴込板3の下端にかけての縦入隅部に配置されている。
横巾木4は、その前端および後端が、横巾木4の長さ方向に対し斜め45°にそれぞれ留め切り(切断)されて、階段に組み付けた状態において、前端切り口41が斜め下向きに配置されるとともに、後端切り口42が斜め上向きに配置されている。
横巾木4の壁面側(裏面側)における巾方向の中間部には、横巾木4の長さ方向に連続する横巾木側接続具取付溝43が形成されている。この取付溝43の前端は、前端切り口41において前方に開放されるとともに、後端は、後端切り口42において後方に開放されている。
図4〜10に示すように、縦巾木5は、縦巾木前部品5aと、その前部品5aに対し独立している縦巾木後部品5bとを備えている。
縦巾木後部品5bは、略帯板状の形状を有している。この縦巾木後部品5bの高さ寸法は、上下に隣合う段板2,2間の垂直寸法、つまり下側の段板2の上面から上側の段板2の下面までの長さに対応して形成されている。
なお本実施形態において、最下端位置に配置される縦巾木後部品5b、つまり階下のフロアFと、1段目の段板2との間に配置される縦巾木後部品5bの高さ寸法は、フロアFの表面から1段目の段板下面までの長さに対応して形成される。
図6,12等に示すように、縦巾木後部品5bにおける後端部は、非壁面側のコーナー部が、壁面側のコーナー部よりも後方に位置するように斜め45°で直線状にカットされることにより、コーナー欠如部(後側コーナー欠如部)55bが形成されている。このコーナー欠如部55bは、後に説明するように、本発明の縦巾木5を廻り階段に適用した際に、コーナー欠如部55bに蹴込板3を配置することにより、良好な収まり具合を得るためのものである。
この縦巾木後部品5bは、その表面全域と、裏面全域とが平行に配置され、前面が表裏両面に対し直角に配置されている。従って縦巾木後部品5bは、水平断面形状が台形であり、四角形に形成されている。
この縦巾木後部品5bは、非壁面側の面(表面)と、前端面とが化粧が施された化粧面として構成されるとともに、壁面側の面(裏面)と、後端面とが、化粧が施されない非化粧面として構成されている。なお場合によっては、縦はばぎ後部品5bの前端面を非化粧面としても良い。
図4〜10に示すように、縦巾木前部品5aは、略帯板状の形状を有している。この縦巾木前部品5aの後部には、その非壁面側(表面側)が切り欠かれることにより、後方および表面側に開放した後部切欠部55aが形成されている。
この後部切欠部55aには、上記縦巾木後部品5bを前後方向にスライド自在に配置できるようになっている。
さらに後部切欠部55aの深さ寸法(巾木厚み方向の寸法)は、縦巾木後部品5bの厚み寸法に対応して形成されており、後部切欠部55aに後部品5bを配置した際には、後部品5bの表面が、縦巾木前部品5aの表面に対し同一平面内に配置されるようになっている。
図9に示すように縦巾木前部品5aの後部上端には、後部切欠部55aに相当する部分が除去されることにより、段鼻収納用切欠凹部56が形成されている。
縦巾木前部品5aは、表面側と、後部切欠部55aの内面と、前端面とが、化粧が施された化粧面として構成されるとともに、壁面側の面(裏面)と後端面とが、化粧が施されない非化粧面として構成されている。なお場合によっては、後部切欠部55aの内面を非化粧面としても良い。
また縦巾木前部品5aの上端部と、下端部における後部切欠部55aを除く部分とが、縦巾木前部品5aの長さ方向に対し斜め45°にそれぞれ留め切り(切断)されて、階段に組み付けた状態において、上端切り口51が、斜め後方に向けて配置されるとともに、下端切り口52が、斜め前方に向けて配置されている。
この縦巾木前部品5aにおける後部切欠部55aを除く部分の巾寸法(前後方向の長さ寸法)は、上記横巾木4の巾寸法(上下方向の長さ寸法)に対し同一に設定されており、縦巾木前部品5aの切り口51,52と、横巾木4の切り口41,42とを留め接ぎできるようになっている。
縦巾木前部品5aの壁面側の面(裏面)における巾方向の中間部には、縦巾木前部品5aの長さ方向に連続する縦巾木側接続具取付溝53が形成されている。この取付溝53の上端は、上端切り口51において上方に開放されるとともに、下端は、下端切り口52において下方に開放されている。
縦巾木側接続具取付溝53の溝巾は、上記横巾木側接続具取付溝43の溝巾と同じ大きさ(長さ)に形成されている。さらに横巾木4の切り口41,42を、縦巾木前部品5aの切り口51,52に留め接ぎした際には、横巾木4の接続具取付溝43と、縦巾木前部品5aの接続具取付溝53とが適合するようになっている。
ここで本実施形態において、横巾木5および縦巾木前部品5aは、接続具取付溝43,53が形成されない部分で、板厚が5mm〜15mmに設定するのが好ましい。すなわちこの板厚が薄過ぎる場合には、割れたり、欠損したりするおそれがある。逆に厚過ぎる場合には、階段に取り付けた際に見栄えが悪くなってしまう。
さらに横巾木4の幅、縦巾木前部品5aにおける後部切欠部55aを含まない部分の巾は、見栄えを考慮すると、30mm〜70mmに設定するのが良い。
また縦巾木後部品5bの板厚は、縦巾木前部品5aおよび後部品5bの強度等を考慮すると、3mm〜9mmに設定するのが良い。
また、本実施形態の巾木4,5は、木質製であるが、合成樹脂等の他の材料によって構成しても良い。巾木4,5を合成樹脂で形成する場合には、後部切欠部55a、コーナー欠如部55b、切り口41,42,51,52は、必ずしも実際に切断した部分で構成する必要はなく、型成形等によって成形された成形面によって構成するようにしても良い。
また巾木4,5の化粧面における化粧方法としては、突板や樹脂シートを貼り付けたり、巾木4,5が無垢材の場合には、着色する等の方法が好適に用いられる。
言うまでもなく、巾木4,5を階段に取り付けた状態において表出されない面にも、化粧を施すようにしても良い。
また横巾木4および縦巾木前部品5aの接続具取付溝43,53の深さは、2mm〜5mmに設定するのが良い。すなわち、この深さが深過ぎる場合には、割れてしまうおそれがある。逆に深さが浅過ぎる場合には、後述する接続具6を確実に収容できず、横巾木4および縦巾木前部品5aの施工が困難になるおそれがある。さらに接続具取付溝43,53の巾は、10mm〜50mmに設定するのが良い。この巾が狭過ぎたり、太過ぎたりする場合には、接続具6を精度良く取り付けることが困難になるおそれがある。いずれにしても、接続具取付溝43,53の深さや巾は、接続具6の厚さや巾に応じて適宜設定するのが良い。
図3〜5に示すように本実施形態においては、接合し合う横巾木4および縦巾木前部品5a間が、接続具6によって固定されている。
接続具6は、例えば硬質合成樹脂の一体成形品によって構成されている。なお接続具6は、後述するように屋内壁面1に沿って取り付けられるものであり、本明細書では、上記の巾木4,5等と同様に、壁面側の面を裏面とし、その非壁面側の面を表面としている。
図13〜15に示すように、接続具6は表面側から見た状態(図13(a)参照)で、L字型の形状を有しており、互いに直角に配置される2つの嵌合部61,61が設けられている。この接続具6における両嵌合部61,61は、仮想の直線Aを対称軸とする線対称形状(反射対象形状)の関係にあり、実質的に同じ形状(構成)を有している。
本実施形態においては、2つの嵌合部61,61のうち、一方が一側部を構成し、他方が他側部を構成するものである。
接続具6の各嵌合部61,61の巾サイズは、横巾木4および縦巾木前部品5aの接続具取付溝43,53の溝巾とほぼ同じ大きさに形成されている。
接続具6の表面側には、各嵌合部61,61の両側縁部を除く領域が凹陥形成されて、座ぐり凹部63が形成される。
さらに接続具6における各嵌合部61,61の両側端面には、突筋状の抜け止め片64が形成されている。この抜け止め片64は、両側端縁に沿って連続し、かつ並列配置に複数形成されている。
なお、本実施形態の接続具6は、合成樹脂製であるが、金属や木質材等の他の材料によって構成しても良い。
また接続具6の厚さは、座ぐり凹部63が形成されない部分で、2mm〜5mmに設定するのが好ましい。この厚さが薄過ぎる場合には、割れてしまうおそれがある。また厚過ぎる場合には、横巾木4および縦巾木前部品5aの接続具取付溝43,53の溝深さを深くする必要があり、横巾木4および縦巾木前部品5aが割れてしまうおそれがある。
接続具6の各嵌合部61,61の巾は、15mm〜50mmに設定するのが良い。この巾が狭過ぎる場合には、横巾木4および縦巾木前部品5a間の固定を十分に行えない場合がある。逆に太過ぎる場合には、横巾木4および縦巾木前部品5aへの取付作業等が困難になるおそれがある。
接続具6の各嵌合部61,61における外側の長さBは、50mm〜100mmに設定するのが良い。すなわち、この長さが短過ぎる場合には、横巾木4および縦巾木前部品5a間の固定を十分に行えない場合がある。逆に長過ぎる場合には、横巾木4および縦巾木前部品5aへの嵌合作業等が困難になるおそれがある。
また接続具6の座ぐり凹部63の深さは、1mm〜3mmに設定するのが良い。この深さが浅過ぎる場合には、後述するようにこの座ぐり凹部63にタッピングビス65をねじ込んだ際に、ビス頭部が、接続具6の表面から飛び出してしまい、接続具6を巾木4,5に取り付けることができないおそれがある。逆に凹部63が深過ぎる場合には、接続具6が割れてしまうおそれがある。
言うまでもなく、本実施形態において、接続具6における上記の厚さ、巾、長さ、凹部深さ等は、用いられる巾木4および縦巾木前部品5aのサイズに応じて適宜変更するのが良い。
なお、図14,15において、括弧抜きの符号と括弧付きの符号とが並記されている部分において、括弧抜きの符号は、縦巾木5の前部品5aにおける接続具6との接続部周辺の断面図を示し、括弧付きの符号は、横巾木4における接続具6との接続部周辺の断面図を示している。
本実施形態においては、巾木4,5を、接続具6を用いて、屋内壁面1と階段本体との間の入隅部に取り付ける場合、以下に示すように、巾木4,5を階段の上側から下側に向けて順次取り付けていくのが通例である。
なお、以下の説明では、横巾木4および縦巾木5のうち、最上段の位置に最初に横巾木4を取り付ける場合を例に挙げて説明する。
まず横巾木4を、対応する入隅部において屋内壁面1に固定する前に予め、横巾木4に接続具6を固定しておく。
すなわち横巾木4の接続具取付溝43における前端部に、接続具6の一方側の嵌合部61を嵌め込んで固定して、他方側の嵌合部61を横巾木4の前端切り口41から下方に突出するように配置しておく(図2参照)。このとき、接続具6の表面側(座ぐり凹部63が形成される側)を、横巾木4の裏面側における接続具取付溝43の底面に押し当てるようにして配置する。
この状態においては、接続具6の裏面が、横巾木4の裏面に対し同一平面内もしくは、少し内側(表面側)に配置されている。
さらにこの状態では、接続具6の一方側の嵌合部61における両側端面の抜け止め片64が、横巾木4の接続具取付溝43における両側壁内面に食い込むように係合し、これにより横巾木4に対し簡単に外れることなく所定の強さで固定されている。なお、必要であれば、接着剤や両面テープ等の貼着手段を用いて、接続具6を横巾木4に固定するようにしても良い。
こうして前端に接続具6を固定した横巾木4を、屋内壁面1に取り付けて、横巾木4を最上段の段板2と、屋内壁面1との間の横入隅部に沿って取り付ける。
横巾木4の壁面1への固定方法は、特に限定されるものではないが、例えば、釘(フィニッシュネイル等)やねじ等の固定手段を単独で用いる方法や、接着剤や両面テープ等の貼着手段を用いる方法や、これらを併用する糊釘併用方法等を好適に採用することができる。
横巾木4を壁面1に固定した状態では、既述したように、接続具6の他方側の嵌合部61が、横巾木4の前端切り口41から下方に突出し、かつ屋内壁面1に沿って配置されている。
次に図2,3等に示すように、下方に突出した接続具6の嵌合部61における座ぐり凹部63の底壁に、タッピングビス65等の固定手段を貫通させて屋内壁面1にねじ込む。これにより、接続具6を屋内壁面1に固定する。
ここで本実施形態においては、2つの部材を接続固定する際に、接着材、両面テープ、粘着剤等のように、接合面間に介在して接合するものを貼着手段と称している。さらに2つの部材を接続固定する際に、ねじ(ビス)、釘等ように、部材同士を機械的に固定するものを固定手段と称している。また貼着手段と固定手段との双方を含むものを固着手段と称している。
次に、縦巾木前部品5aを取り付けるが、その前に予め、前部品5aに接続具6を固定しておく。すなわち、縦巾木前部品5の接続具取付溝53における下端部に、接続具6の一方側の嵌合部61を嵌め込んで固定して、他方側の嵌合部61を縦巾木前部品5aの下端切り口52から前方に突出するように配置しておく。このとき、接続具6の表面側(座ぐり凹部63が形成される側)を、縦巾木前部品5aの裏面側における接続具取付溝53の底面に押し当てるようにして配置する。
この状態においては、上記と同様、接続具6の裏面が、縦巾木前部品5aの裏面に対し同一平面内もしくは、少し内側(表面側)に配置されている。
さらにこの状態では、上記と同様、接続具6の一方側の嵌合部61における両側端面の抜け止め片64が、縦巾木前部品5aの接続具取付溝53における両側壁内面に係合することによって、縦巾木前部品5aに対し簡単に外れることなく所定の強さで固定されている。なお必要であれば、接着剤や両面テープ等の貼着手段を用いて、接続具6を縦巾木前部品5aに固定するようにしても良い。
こうして接続具6が取り付けられた縦巾木前部品5aを、施工済の横巾木4の下側における縦巾木後部品5bの前側に組み付ける。すなわち縦巾木前部品5aの接続具取付溝53内にその上端切り口51から、上記横巾木4の前端において下方突出状に配置された接続具6の嵌合部61を挿入して、その嵌合部61を縦巾木側接続具取付溝53の上端部に嵌合し、縦巾木前部品5aの上端切り口51を横巾木4の前端切り口41に隙間なく接触させる。このとき言うまでもなく、縦巾木前部品5aの段鼻収納用切欠凹部56内に、対応する段板2の段鼻26を適合状態に収納しておく。これにより、縦巾木前部品5aを、縦巾木後部品5bの前側において、上側の段板2の段鼻26周辺から下側の段板2の上面にかけて取り付ける。
この縦巾木前部品5aは、必要に応じて屋内壁面1に固定する。例えば、前部品5aの後部切欠部55a内に、フィニッシュネイル等の釘を打ち込んで屋内壁面1に固定する。なお縦巾木前部品5aを固定する場合、固定手段を単独で用いる方法に限定されるものではなく、貼着手段を単独で用いる方法、これらを併用する糊釘併用方法等も採用することができる。
こうして縦巾木前部品5aを屋内壁面1に固定した状態では、既述したように、接続具6の他方側の嵌合部61が、縦巾木前部品5aの下端切り口52から前方に突出し、かつ屋内壁面1に沿って配置されている。
次に、図2,3に示すように、前方に突出した嵌合部61における座ぐり凹部63の底壁に、タッピングビス65を貫通させて屋内壁面1にねじ込む。これにより、接続具6を屋内壁面1に固定する。
次に施工済の縦巾木前部品5aにおける後部切欠部55a内に縦巾木後部品5bを配置して、その後部品5bの上端を上側の段板2における見返し部27に当接させるように配置するとともに、下端を下側の段板2の上面に当接させるように配置する。さらにその縦巾木後部品5bを後方にスライドさせて、後部品5bにおける後端縁を蹴込板3の表面に当接させる。この際、見返し寸法L2(図3,6参照)に応じてスライド量を調整することにより、見返し寸法L2が異なるあらゆる種類の階段に対し、縦巾木後部品5bによって蹴込板3の前面側に縦入隅部を確実に被覆することができる。
こうして縦巾木後部品5bを蹴込板3に当接させた状態で、縦巾木後部品5bを、例えば接着剤等の貼着手段を用いて縦巾木前部品5aの後部切欠部55aに固定する。
ここで、縦巾木前部品5aをその後部切欠部55a内において釘等の固定手段で固定していた場合には、その釘頭が縦巾木後部品5bによって覆われて隠蔽される。従って、階段前方から覗き込んだ際に、釘頭が見えず、良好な美観を得ることができる。
なお本発明においては、縦巾木後部品5bの固定方法は、貼着手段で固定する方法だけに限られず、固定手段を用いる方法、糊釘併用で固定する方法も採用することができる。さらに場合によっては、釘を縦巾木後部品5bおよび前部品5aに貫通させて屋内壁面1に打ち込むことにより、縦巾木前部品5aおよび後部品5bを同時に固定するようにしても良い。
ところで、縦巾木後部品5bを釘等の固定手段で固定すると、縦巾木後部品5bの表面に釘頭が配置されて露呈するおそれはあるが、その釘頭の位置は、見返し部27の下方となる。このため、見返し部27によって釘頭を実質的に隠蔽でき、良好な美観を維持することができる。
その後、次に施工する横巾木4の接続具取付溝43における前端部に、上記と同様に予め、接続具6の一方側の嵌合部61を嵌め込んで固定し、他方側の嵌合部61を横巾木4の前端切り口41から下方に突出するように配置しておく。
こうして前端に接続具6を固定した横巾木4を、上記施工済の縦巾木前部品5aの下端前方に取り付ける。このとき、横巾木4の接続具取付溝43内に、その後端切り口42から、上記縦巾木前部品5aの下端において前方突出状に配置された接続具6の嵌合部61を挿入して、その嵌合部61を横巾木側接続具取付溝43の後端部に嵌合し、横巾木4の後端切り口42を縦巾木前部品5aの下端切り口52に隙間なく接触させる。これにより、横巾木4を、対応する段板2の上面に沿って、段板2および屋内壁面1間の横入隅部に沿って取り付ける。
なおこの横巾木4においても、上記と同様、必要に応じて、屋内壁面1に固定するものである。
以下同様にして、縦巾木5および横巾木4を上から順に交互に取り付けていき、階段本体の表面と屋内壁面1との間の入隅部全域に巾木4,5を配置する。これにより巾木4,5の取付作業が完了する。
なお本発明において、巾木4,5の取付手順は、上記の手順に限られることなく、どのような手順で取り付けるようにしても良い。例えば下側から上方に向かって順次、巾木4,5を取り付けていくようにしても良いし、上下方向の中間位置から、上方または下方に向けて適宜、巾木4,5を取り付けるようにしても良い。
さらに上記実施形態においては、1番目に横巾木4を施工する場合を例に挙げて説明したが、言うまでもなく、施工現場の状況に応じて、1番目に縦巾木5を施工する場合もある。
また上記実施形態においては、横巾木4および縦巾木前部品5aを壁面1に固定する前に、予め接続具6を取り付けるようにしているが、この接続具6の取付作業は、階段施工現場で行っても良いし、現場搬入前に工場等で予め行っておいても良い。さらに接続具6が取り付けられていない横巾木4や、縦巾木前部品5aを壁面1に固定した後、その横巾木4や縦巾木前部品5aの切り口から接続具6の一方側嵌合部61を挿入することにより、後付けで、接続具6を横巾木4や、縦巾木前部品5aに対し取り付けるようにしても良い。
さらに横巾木4および縦巾木前部品5aを1本ずつ現場搬入前に予め工場等で接続具6を介して組み付けておいても良い。この場合、横巾木4の前端に垂下するように縦巾木前部品5aを組み付けておいても良いし、横巾木4の後端に立ち上がるように縦巾木前部品5aを組み付けておいても良い。
以上のように、本実施形態の階段によれば、段鼻部26の突出寸法(見返し寸法L2)にかかわらず、縦巾木5を階段入隅部に沿って隙間なく適合させた状態に取り付けることができる。すなわち本実施形態においては、縦巾木5を、前後2つの部品5a、5bにより構成し、前部品5aに対し後部品5bを前後方向にスライド自在に構成しているため、見返し寸法L2に合わせて後部品5bのスライド量を適宜調整することにより、前後両部品5a,5bを縦入隅部に沿って正確に適合させることができる。このため現場においては、面倒な裁断、採寸加工等を行う必要がなく、巾木4,5の長さ調整程度等の簡単な裁断加工を行うだけで確実に組み付けることができ、巾木組付作業を効率良くスムーズに行うことができる。
さらに縦巾木5の前部品5aおよび後部品5bを縦入隅部に沿って精度良く適合させることができるため、良好な美観を得ることができる。
また本実施形態においては、縦巾木前部品5aの表面側に設けた後部切欠部55aに縦巾木後部品5bを配置するものあるため、縦巾木前部品5aをその後部切欠部55aにおいて釘止めしたとしても、釘頭を縦巾木後部品5bによって隠蔽することができる。このため、縦巾木前部品5aを釘等の固定手段で固定することができる一方、言うまでもなく接着剤等の貼着手段によっても固定することができる。従って、縦巾木前部品5aを、固定手段や貼着手段のいずれを用いても不具合なく固定することができ、固定方法の選択肢が多くなる。その結果、縦巾木前部品5aを固定するに際して、現場状況等に応じて、適切な固定方法を適宜選択できて、その固定をスムーズに行うことができ、巾木の組立作業、ひいては階段の組立作業を簡単かつ正確に行うことができる。
さらに縦巾木前部品5aにおける後部切欠部55aのいずれの位置に釘を打ち込んだとしても、その釘を縦巾木後部品5bによって隠蔽することができる。このため、縦巾木前部品5aを固定するに際し、釘打ち箇所にほとんど制約がなく、自由に釘を打ち込むことができ、より一層簡単に巾木4,5を組み付けることができる。
また本実施形態においては、縦巾木前部品5aに後部切欠部55aを形成して、その後部切欠部55a内に縦巾木後部品5bを配置しているため、後部品5bを収まり良く配置でき、一層美観を向上させることができる。
しかも本実施形態においては、後部切欠部55aの深さを、縦巾木後部品5bの厚みに対し同じ寸法に設定し、縦巾木前部品5aの表面と、縦巾木後部品5bの表面とを面一に配置しているため、前後両部品5a,5bに統一感が得られて、より一層美観を向上させることができる。
また本実施形態において、縦巾木後部品5bは、帯板状の木材を、その幅方向の両側縁を平面で切断するだけのもので、形状が非常にシンプルであるため、簡単に製造できて、コストも削減することができる。
また、本実施形態の階段によれば、横巾木4および縦巾木前部品5aの対応し合う端部、例えば横巾木4の前端部と、縦巾木前部品5aの上端部とを接続具6を介して強固に接続できるため、横巾木4および縦巾木前部品5の各切り口41,42,51,52の加工精度や、巾木4,5、段板2、蹴込板3の取付精度が、許容範囲内で多少悪い場合であっても、横巾木4の切り口41,42の全域を、対応する縦巾木前部品5aの切り口51,52の全域に隙間なく接合(留め接ぎ)することができ、良好な美観を確実に得ることができる。
さらに本実施形態においては、接続具6の両嵌合部61,61における両側端面に抜け止め片64を形成しているため、嵌合部61,61を横巾木4および縦巾木前部品5の接続具取付溝43,53に嵌め込んだ際に、抜け止め片64が、接続具取付溝43,53の側壁に係合することにより、接続具6の接続具取付溝43,53からの抜け止めが図られる。つまり接続具6を接続具取付溝43,53に嵌め込むだけで簡単に、接続具6を横巾木4および縦巾木前部品5に対し固定することができる。このように接続具6の取付作業を簡単に行うことができ、ひいては巾木4,5の取付作業および階段施工作業を簡単に行うことができる。
また本実施形態においては、接続具6の他方側嵌合部61にタッピングビス65をねじ込んで壁面1に固定するものであるため、接続具6を安定状態で強固に固定することができる。
さらに本実施形態においては、接続具6の表面側に座ぐり凹部63を形成し、その凹部63にタッピングビス65をねじ込むようにしているため、ビス65の頭部が座ぐり凹部63内に収容される。このため、接続具6のビス止め部に、横巾木4および縦巾木前部品5aの端部を嵌め込んだ際に、ビス頭部が横巾木4および縦巾木前部品5aに干渉する等の不具合を確実に防止することができる。
また本実施形態においては、横巾木4および縦巾木前部品5aの一端部に予め接続具6を取り付けてから、これらの部部材4,5aを屋内壁面1に貼り付けるようにしているため、壁面1に取り付けられていないフリーな状態の横巾木4および縦巾木前部品5aに対し、接続具6を取り付けることができる。このため、接続具6を横巾木4および縦巾木前部品5aにほぼ制約なく取り付けることができ、接続具6を簡単に取り付けることができる。
さらに本実施形態においては、多数の巾木4,5を上から順に下方に施工するとともに、施工済の上側(一方の)巾木に嵌合された接続具6の他方側嵌合部61を、下側(他方の)巾木の対応端部に差し込んで固定しつつ、その下側巾木を対応の入隅部において壁面1に取り付けるようにしているため、接続具6の他方側嵌合部を、下側巾木の対応端部に差し込む作業を容易に行うことができる。
すなわち仮に巾木4,5を下から順に上方へ施工する場合、例えば下側の巾木を縦巾木前部品5aとし、上側の巾木を横巾木4としたとき、施工済の縦巾木前部品5aの上端部に固定した接続具6の他方側嵌合部61は、後方に突出するように配置されており、その後方突出状の他方側嵌合部61に、後方から横巾木4の前端部を嵌め込むことになる。その場合、横巾木4の後端部が、蹴込板3等と干渉することによって、横巾木4を、縦巾木前部品5aに固定された接続具6に嵌め込む作業が困難になるおそれがある。
これに対し本実施形態においては、巾木4,5を上から順に施工するものであるため、例えば上側の縦巾木前部品5aの下端部に、横巾木4を取り付ける場合、上側の縦巾木前部品5aの下端部に固定した接続具6の他方側嵌合部61は、前方に突出するように配置されており、その前方突出状の他方側嵌合部61に、前方から横巾木4の後端部を嵌め込むことになる。この場合、横巾木4に対し干渉する部位が存在せず、横巾木4を、縦巾木前部品5に固定された接続具6に嵌め込む作業を容易に行うことができる。
ところで、本実施形態の縦巾木5は、その後部品5bの裏面(壁面側の面)と後端面との間に、コーナー欠如部55bを形成しているため、以下に詳述するように、廻り階段にも支障なく適用することができる。
例えば図16に示すように廻り階段には、屋内壁面1に対する、蹴込板3の表面(段板2の先端面)の水平角度θ1が、鋭角となる場合がある。このような鈍角の縦入隅部においては、縦巾木後部品5bのコーナー欠如部55bの後端が蹴込板3の表面に当接する。
ここで、縦巾木後部品5bにコーナー欠如部55bが形成されず、後部品5bの後端面が表面に対し直角な平坦面に形成される場合には、縦巾木後部品5bの裏面(壁面側の面)および後端面間のコーナー部が蹴込板3の表面に当接することとなるが、その場合には、縦巾木後部品5bの表面および後端面間のコーナ部と、蹴込板3の表面との間の隙間が大きくなり、美観を損なうおそれがある。
これに対し、本実施形態のように、縦巾木後部品5bの後端内側にコーナー欠如部55bを形成しておくと、その欠如部55bに蹴込板3の表面が配置されるようになり、縦巾木後部品5bの表面および後端面間のコーナー部と、蹴込板3の表面との間の隙間を小さくでき、良好な美観を得ることができる。
また図17に示すように廻り階段には、屋内壁面1に対する、蹴込板3の表面(段板2の先端面)の水平角度θ2が、鈍角となる場合がある。このような鋭角の入隅部においては、縦巾木後部品5bの表面(非壁面側の面)および後端面間のコーナ部が蹴込板3の表面に当接する。従って縦巾木後部品5bと蹴込板3の表面との間に隙間が形成されず、良好な美観を得ることができる。
このように本実施形態の巾木4,5を、廻り階段に適用した場合であっても、入隅部に不用意な隙間が形成されることなく、良好な美観を確実に得ることができる。
言うまでもなく本発明の巾木は、折り返し型の廻り階段にも、かね折れ型の廻り階段にも適用することができる。
なお上記実施形態においては、縦巾木5に後部品5bの後端にコーナー欠如部55bを形成するようにしているが、本発明においては、コーナー欠如部を必ずしも形成する必要はない。
例えば図18に示すように、縦巾木後部品5bの後端面を、表裏両側面に対し直角な面に形成するようにしても良い。この場合には、縦巾木後部品5aの形状を、より一層シンプルに形成することができ、より一層簡単に製作することができる。
さらに本実施形態においては図19に示すように、縦巾木後部品5bの前端に、前端面と表面との間のコーナー部を欠如するような前側コーナー欠如部56bを形成するようにしても良い。
また上記実施形態においては、縦巾木後部品5bを屋内壁面1から離間させるようにしているが、それだけに限られず、縦巾木後部品5bを屋内壁面1に直接支持できるようにしても良い。例えば図20に示すように、後巾木後部品5bの後端部裏面側に壁面側に突出する支持凸部57bを形成しておき、その支持凸部57bの先端を屋内壁面1に当接して支持するようにしても良い。この場合には、支持凸部57bを屋内壁面1に固着手段によって直接固定することにより、縦巾木後部品5bをより一層安定した状態に固定することができる。
また、上記実施形態においては、横巾木4および縦巾木前部品5aの両端における切り口41,42,51,52を、巾木4および縦巾木前部品5aの長さ方向に対し45°の傾斜角度に形成しているが、この切り口の傾斜角度は必ずしも45°に設定する必要はない。例えば、横巾木4と縦巾木前部品5aとの巾サイズが異なるような場合には、その巾サイズに合わせて、各切り口の傾斜角度を45°以外に設定して、横巾木4および縦巾木5aの対応し合う切り口のサイズが等しくなるように調整すれば良い。
さらに上記実施形態においては、横巾木4および縦巾木前部品5aに形成される接続具取付溝43,53を各部材4,5aの長さ方向全域にわたって形成するようにしているが、本発明においては、接続具取付溝を、少なくとも各部材4,5aの端部のみに形成するようにすれば良い。
さらに上記実施形態においては、接続具6を、タッピングビス65によって屋内壁面に固定するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、ビス以外の固着手段によって、接続具を壁面に固定するようにしても良い。例えば釘、接着剤、両面テープ等の固着手段を用いて、固定するようにしても良い。
また巾木4,5が壁面1に確実に固定される場合には、接続具6を必ずしも壁面1に固定する必要はない。逆に、接続具6が壁面1に確実に固定されている場合には、巾木4,5を必ずしも壁面1に固定する必要はない。
また上記実施形態においては、接続具6の表面側における広範囲の領域に、座ぐり凹部63を形成するようにしているが、それだけに限られず、接続具6の一部、つまりビス止め部だけに座ぐり凹部を形成するようにしても良い。
また上記実施形態においては、接続具6を表面視L型に形成しているが、本発明において、接続具の形状は必ずしもL型に形成する必要はなく、対応する巾木の端部間を跨がることができるような形状であれば、どのような形状のものを用いても良い。
この発明の階段用巾木は、一般住宅における屋内の木質製階段に適用可能である。
1:屋内壁面(壁面)
2:段板
27:見返し部
3:蹴込板
4:横巾木
41:前端切り口
42:後端切り口
43:横巾木側接続具取付溝
5:縦巾木
5a:縦巾木前部品
55a:後部切欠部
51:上端切り口
52:下端切り口
53:縦巾木側接続具取付溝
5b:縦巾木後部品
6:接続具
61:嵌合部(一側部、他側部)

Claims (6)

  1. 段板および蹴込板が壁面に沿った状態で設けられるとともに、段板の下面側における蹴込板の前側に見返し部が設けられた階段における壁面と段板および蹴込板との間の入隅部に設けられる階段用巾木であって、
    前記入隅部のうち、段板の上面に沿う横入隅部に設けられる横巾木と、段板の先端面から蹴込板の前面にかけての縦入隅部に設けられる縦巾木と、を備え、
    前記縦巾木は、縦巾木前部品と、その縦巾木前部品に対し独立する縦巾木後部品と、を備え、
    前記縦巾木前部品は、裏面が壁面に接触し、かつ上端部が段板の先端面に対応して配置され、
    前記縦巾木後部品は、裏面が壁面に接触し、かつ上端が見返し部に対応して配置された状態で、前記縦巾木前部品の後部表面に、後方にスライド自在に配置されるとともに、そのスライドによって、前記縦巾木後部品の後端縁が前記蹴込板に接触可能に構成されていることを特徴とする階段用巾木。
  2. 前記縦巾木前部品の後部における表面側に、後方に開放する後部切欠部が設けられ、
    その後部切欠部内に前記縦巾木後部品が配置されている請求項1に記載の階段用巾木。
  3. 前記後部切欠部の深さが、前記縦巾木後部品の厚みと同じ寸法に設定されている請求項2に記載の階段用巾木。
  4. 前記横巾木および前記縦巾木前部品の対応し合う端部が長さ方向に対し斜めに切断されて、互いの切り口が接合するように留め接ぎされ、
    前記横巾木の裏面側に、前記切り口において開放する横巾木側接続具取付溝が形成されるとともに、
    前記縦巾木前部品の裏面側に、前記切り口において開放する縦巾木側接続具取付溝が形成され、
    接続具の一側部が、前記横巾木側接続具取付溝に嵌合されて固定されるとともに、その接続具の他側部が、前記縦巾木側接続具取付溝に嵌合されて固定されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の階段用巾木。
  5. 前記縦巾木後部品の後部裏面側に支持凸部が設けられ、その支持凸部の先端が壁面に接触可能に構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の階段用巾木。
  6. 段板および蹴込板が壁面に沿った状態で設けられるとともに、段板の下面側における蹴込板の前側に見返し部が設けられた階段における壁面と段板および蹴込板との間の入隅部のうち、段板の先端面から蹴込板の前面にかけての縦入隅部に設けられる階段用縦巾木であって、
    縦巾木前部品と、
    その縦巾木前部品に対し独立する縦巾木後部品と、を備え、
    前記縦巾木前部品は、裏面が壁面に接触し、かつ上端部が段板の先端面に対応して配置され、
    前記縦巾木後部品は、裏面が壁面に接触し、かつ上端が見返し部に対応して配置された状態で、前記縦巾木前部品の後部表面に、後方にスライド自在に配置されるとともに、そのスライドによって、前記縦巾木後部品の後端縁が前記蹴込板に接触可能に構成されていることを特徴とする階段用縦巾木。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015206163A (ja) * 2014-04-17 2015-11-19 株式会社飯田産業 巾木及び階段構造

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