JP2013130007A - ダム堤体の仮締切工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工時に作用する浮力に対して不具合を招くことなく抵抗可能である仮締切構造の施工方法を提供する。
【解決手段】既存ダム堤体1での貫通穴構築に際し用いる、ドーム体状の仮締切構造100が備える開口21を、貫通穴2の開口予定位置4aを囲むようにダム堤体上流面3に当接させる第1の工程と、開口21の周縁をダム堤体上流面3に沿って延長したスカート部32であって、当該スカート部32を貫通しダム堤体上流面3に打設されるアンカー60の貫通位置が、開口21より外方に離間すべく延長したスカート部32において、アンカー60に作用する荷重の影響を貫通穴2が受けないよう、複数のアンカー60を開口21の周囲を囲むように間隔をおいて貫通させ、ダム堤体上流面3に打設する第2の工程を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダム堤体の仮締切工法に関するものであり、具体的には、施工時に作用する浮力に対して不具合を招くことなく抵抗可能である仮締切構造の施工方法に関する。
ダム堤体上流側における堆積土砂の排砂経路、洪水調節容量増加を目的とした新たな放水経路、或いは、小水力発電機の設置領域などを確保する目的で、既存ダムの堤体に貫通穴を構築するケースが増えている。従来、既存のダム堤体に貫通穴を構築する場合、ダム堤体の上流側に水底まで達する大規模な仮設の締切工を実施し、締切構造内側をドライアップして貫通穴掘削を行っていた。しかし、こうした方法では仮設の締切構造が大がかりになり、施工期間及び施工費が増大するという問題点があった。そこで、小規模・低コストでダム水域の仮締切を可能とする技術として、例えば、ダム堤体の水域側の面に球面状止水壁を取り付けた仮締切構造(特許文献1)などが提案されている。
特開2004−263380号公報
上記従来の仮締切構造の技術においては、水中の半球状止水壁が水圧によりダム堤体に押圧されることで両者の間に摩擦力が発生し、これによりダム堤体への半球状止水壁の固定が図られるとの前提に立っている。一方、そうした従来の仮締切構造を実際の施工に採用した場合、内部を排水した半球状止水壁には自身の空中重量に比べて遥かに大きな浮力がかかるとの知見が、発明者らにおいて得られている。しかもこの浮力は、上述の摩擦力が十分発揮される前の、半球状止水壁の内部を排水する際に発生するものであるため、上記摩擦力により浮力に対抗することを期待するのは危険である。
他方、仮締切構造の周縁部を、貫通穴外周のダム堤体にアンカーを打設することで固定する場合、上述したような大きな浮力が仮締切構造にかかると、この浮力を受けたアンカーによる反力で、貫通穴周囲のダム堤体が損傷するといった不具合を招く懸念もある。
つまり従来技術においては、施工に際し仮締切構造にかかる浮力に対して、不具合を招くことなく抵抗できる対策が十分考慮されていなかったのである。
そこで本発明では、施工時に作用する浮力に対して不具合を招くことなく抵抗可能である仮締切構造の施工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のダム堤体の仮締切工法は、既存ダム堤体での貫通穴構築に際し用いる仮締切構造の施工方法であり、ドーム体状の仮締切構造が備える開口を、前記貫通穴の開口予定位置を囲むようにダム堤体上流面に当接させる第1の工程と、前記開口の周縁をダム堤体上流面に沿って延長したスカート部であって、当該スカート部を貫通しダム堤体上流面に打設されるアンカーの貫通位置が、前記開口より外方に離間すべく延長したスカート部において、アンカーに作用する荷重の影響を前記貫通穴が受けないよう、複数のアンカーを前記開口の周囲を囲むように間隔をおいて貫通させ、前記ダム堤体上流面に打設する第2の工程と、を含むことを特徴とする。
こうしたダム堤体の仮締切工法によれば、スカート部にてダム堤体上流面に向け所定間隔で複数打設されたアンカーが、ドーム体内空の水を排水する際に生じる浮力に対抗し、ドーム体の浮き上がりを抑止することが出来る。ドーム体のスカート部を介してダム堤体上流面に打設されたアンカーは、通常想定される長さより十分長い延長を持つスカート部を貫通することで、貫通穴の内壁面より適宜の距離だけ離間した位置でダム堤体に打設されることとなる為、上記浮力を受けたアンカーによる反力で貫通穴周囲のダム堤体が損傷するといった懸念も解消される。
なお、前記ダム堤体の仮締切工法における第2の工程において、前記スカート部の端部に前記アンカーを貫通させ、前記ダム堤体上流面に打設するとしてもよい。
こうしたダム堤体の仮締切工法によれば、通常想定される長さより十分長い延長を持つスカート部における、更にその端部をアンカーが貫通することになり、このアンカーは貫通穴の内壁面より最も離間した位置でダム堤体に打設されることになる。その為、上記浮力を受けたアンカーによる反力で貫通穴周囲のダム堤体が損傷する恐れは無くなる。またこの場合、アンカーが貫通穴の内壁面より最も離間した位置でダム堤体に打設されることから、貫通穴周辺の躯体に打設する場合のアンカーと比べ、アンカーにかかる荷重が貫通穴の壁面に悪影響を及ぼすことを回避できる。アンカー打設位置が貫通穴の内壁面より最も離間した位置となるため、このアンカーに作用する荷重の影響範囲は貫通穴の内壁面に最も及びにくくなり、上述した貫通穴周囲のダム堤体が損傷する恐れを極力減ずることができる。従ってこの場合、長いアンカーを採用して、アンカー1本当たりが負担する上記荷重を大きくし、仮締切構造全体として少ない本数のアンカーのみを打設し、施工効率やコストの低減を図ることも出来る。
また、本発明のダム堤体の仮締切工法は、既存ダム堤体での貫通穴構築に際し用いる仮締切構造の施工方法であり、ドーム体状の仮締切構造が備える開口を、前記貫通穴の開口予定位置を囲むようにダム堤体上流面に当接させる第1の工程と、前記開口の周縁をダム堤体上流面に沿って延長したスカート部であって、当該スカート部を貫通しダム堤体上流面に打設されるアンカーの数が、前記開口の端部周縁のみに配置するよりも多く配置できるようにすべく延長したスカート部において、複数のアンカーを、前記開口の周縁からの距離を少なくとも一部のアンカー間で互いに異ならせて分散配置することで、前記開口の端部周縁のみに配置するよりも多くのアンカーを前記スカート部において貫通させ、前記ダム堤体上流面に打設する第2の工程と、を含むことを特徴とする。
こうしたダム堤体の仮締切工法においては、広い範囲に多数のアンカーを打設することにより、アンカー1本当たりが負担する上記荷重を小さくする一方、短いアンカーを多数打設することで、仮締切構造全体にかかる浮力に確実に対抗し、ドーム体の浮き上がりを抑止する。短いアンカーを採用することでアンカー打設時の施工性が高まり、仮締切工法全体として施工効率も向上する。上述の通り、こうした短いアンカーがそれぞれ負担する荷重は、他の施工形態におけるアンカーのものより小さいため、そうした他の施工形態の場合よりも貫通穴の内壁面に接近してアンカーを打設しても、アンカーに作用する荷重の影響範囲が貫通穴の内壁面に及びにくくなり、上述した貫通穴周囲のダム堤体が損傷する恐れを極力減ずることができる。
また、本発明のダム堤体の仮締切工法は、既存ダム堤体での貫通穴構築に際し用いる仮締切構造の施工方法であり、ドーム体状の仮締切構造が備える開口を、前記貫通穴の開口予定位置を囲むようにダム堤体上流面に当接させる第1の工程と、前記開口の周縁をダム堤体上流面に沿って延長したスカート部において、前記開口の周縁からの距離が互いに異なる複数の環状にアンカーを配置して貫通させ、前記ダム堤体上流面に打設する第2の工程と、を含むことを特徴とする。
こうしたダム堤体の仮締切工法においては、スカート部にて開口周縁を1周する配置で打設する場合のアンカー等と比べ、長さが短いアンカーを採用し、アンカー1本当たりが負担する上記荷重を小さくする一方、そうした短いアンカーを複数周の環状に打設することで、仮締切構造全体にかかる浮力に確実に対抗し、ドーム体の浮き上がりを抑止する。短いアンカーを採用することでアンカー打設時の施工性が高まり、仮締切工法全体として施工効率も向上する。上述の通り、こうした短いアンカーがそれぞれ負担する荷重は、他の施工形態におけるアンカーのものより小さいため、そうした他の施工形態の場合よりも貫通穴の内壁面に接近してアンカーを打設しても、アンカーに作用する荷重の影響範囲が貫通穴の内壁面に及びにくくなり、上述した貫通穴周囲のダム堤体が損傷する恐れを極力減ずることができる。
したがって本発明によれば、施工時に作用する浮力に対して不具合を招くことなく抵抗可能である仮締切構造の施工が可能となる。
本発明によれば、施工時に作用する浮力に対して不具合を招くことなく抵抗可能である仮締切構造を提供できる。
本実施形態における仮締切構造の構造例を示す全体図である。 本実施形態における仮締切構造のその他の構造例を示す図である。 本実施形態におけるダム堤体の仮締切工法の施工手順1を示す図である。 本実施形態におけるダム堤体の仮締切工法の施工手順2を示す図である。 本実施形態におけるダム堤体の仮締切工法の施工手順3を示す図である。 本実施形態におけるダム堤体の仮締切工法の施工手順4を示す図である。 本実施形態におけるダム堤体の仮締切工法の施工手順5を示す図である。 本実施形態におけるダム堤体の仮締切工法の施工手順6を示す図である。 本実施形態におけるダム堤体の仮締切工法の施工手順7を示す図である。 アンカーに作用する荷重の躯体への影響範囲例を示す図である。
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態におけるダム堤体の仮締切構造の構造例を示す全体図である。本実施形態における仮締切構造100は、既存ダムの堤体1での、排砂坑などの貫通穴2の構築に際し用いる、堤体上流側の仮締切構造である。本実施形態の仮締切構造100は、図1で示すように、断面がダム堤体上流側に凸である半楕円状の構造をなすドーム体10となっている。また、このドーム体10の開口21の周縁は、ダム堤体上流面3に沿って延長したスカート部32を備えている。スカート部32は、当該スカート部32を貫通しダム堤体上流面3に打設されるアンカー60に作用する荷重の影響を貫通穴2が受けないよう、上記の開口の周縁より十分な長さ38だけ延長されている。仮締切構造へ多大な浮力がかかる点について配慮していない従来技術であれば、このスカート部32の長さ38は、単にダム堤体上流面3に仮締切構造を当接させる為の30cm程度と想定されるが、本実施形態におけるスカート部32の長さ38は少なくとも50cm以上であり、実際には1m以上の長さを採用するものとする。
このスカート部32は、ダム堤体上流面3に止水材7を介して当接する。またドーム体10の開口21は、貫通穴2の開口予定位置4aを囲むものである。このドーム体10の外周上部には、給気バルブ27とマンホール28が、また外周下部には排水バルブ29がそれぞれ備わっている。
給気バルブ27は、堤体2上の給気装置と適宜な給気経路を介して結ばれ、ドーム体10すなわち仮締切構造100の内空25に空気を導くためのバルブである。また、マンホール28は、仮締切構造100の内空25で作業を行う作業員の出入口となる開閉口である。このマンホール28は図示しないバルブを備えており、内空25とマンホール外との間の開閉が可能となっている。また、排水バルブ29は仮締切構造100の内空25から水を外部に排水するためのバルブである。
上述したドーム体10のスカート部32には、アンカー60を打設するためのアンカー打設用孔33が備わる。このアンカー打設用孔33は、図1にて示すように、スカート部32において、開口21の周方向に間隔をおいて複数設けられている。アンカー打設用孔33からダム堤体上流面3にアンカー60を打設することで、スカート部32ひいてはドーム体10とダム堤体1とを止水材7を介して水密に固定することができる。このような構造を採用してダム堤体の仮締切工法を実施すれば、仮締切構造内空の水を排水する際に生じる浮力に対し、ダム堤体上流面3に打設されたアンカー60に反力をとって仮締切構造100の浮き上がりを抑止することが出来る。
また、スカート部32は所定長38だけ開口21の周縁より延長されており、こうしたスカート部32に打設されるアンカー60は、貫通穴2の内壁面2aより適宜な距離39だけ離間した位置でダム堤体1に打設されることになる。このため、水中のドーム体10に作用する浮力を受けたアンカー60による反力で貫通穴2周囲(内壁面2aの近傍)のダム堤体1が損傷するといった懸念は生じない。
なお、アンカー60は、ドーム体10に生じる浮力に十分抗しうる本数だけスカート部32を貫いてダム堤体上流面3に打設される。図1の例では、スカート部32において1重の環状にアンカー60の打設がなされている形態を示したが、図2に示す如く、スカート部32において、開口21の周縁からの距離が互いに異なる、二重や三重の複数の環状にアンカー60を配置して貫通させ、ダム堤体上流面3に打設する形態を採用するとしてもよい。また、こうした複数の環状となるアンカー60を、貫通穴2の内壁面2aより適宜な距離39だけ離間した位置で打設すべく、スカート部32の所定長38はアンカー60の打設本数や環状配置の数に応じたものとできる。
上述のスカート部32におけるアンカー60の打設位置は、スカート部32の端部としてもよい。つまり、アンカー60を打設可能な領域を確保できる位置のうち、スカート部32の外周端35に近い位置にアンカー60を打設する施工形態を想定できる。図1の例では、アンカー60を打設可能な領域を確保できる位置のうち、スカート部32の外周端35に最も近い位置にアンカー60を打設する施工形態を示した。こうした施工形態を採用すれば、アンカー60は貫通穴2の内壁面2aより(距離39の分)最も離間した位置でダム堤体1に打設されることになる。またこの場合、外周端35よりも貫通穴2の内壁面2a寄りのスカート部32にて打設する場合のアンカーと比べ、長さが長いアンカー60の打設を行うことも出来る。アンカー打設位置が貫通穴2の内壁面2aより最も離間した位置となるため、この長いアンカー60に作用する荷重の影響範囲は貫通穴2の内壁面2aに及びにくくなり、上述した貫通穴周囲のダム堤体1が損傷する恐れを極力減ずることができる。
一方、上述のようにスカート部32の端部にて打設する場合のアンカー60などと比べ、長さが短いアンカー60を採用し、アンカー1本当たりが負担する荷重を小さくする一方、そうした短いアンカー60を多数打設することで、ドーム体10全体にかかる浮力に確実に対抗し、ドーム体の浮き上がりを抑止するとしてもよい。この場合の施工形態の一例は、図2にて既に示したように、数多いアンカー60を、スカート部32において二重や三重の環状に整列配置して貫通させ、ダム堤体上流面3に打設したものの他にも、各アンカー60における開口21の周縁からの距離を少なくとも一部のアンカー60間で互いに異ならせ、スカート部32において広く分散配置する形態も採用できる。このように、上述の1重(図1参照)に配置したアンカー60の数より本数を増加させたアンカーをスカート部32において貫通させ、ダム堤体上流面3に打設する。勿論、アンカー60の分散配置の形態は図2の例に限定されない。
このように、短いアンカー60を採用すれば、アンカー60自体の取り扱いが簡便となり、アンカー打設時の施工性が高まり、仮締切工法全体として施工効率も向上する。上述の通り、こうした短いアンカー60がそれぞれ負担する荷重は、他の施工形態におけるアンカーのものより小さいため、そうした他の施工形態の場合よりも貫通穴2の内壁面2aに接近してアンカー60を打設しても、アンカー60に作用する荷重の影響範囲が貫通穴2の内壁面2aに及びにくくなり、上述した貫通穴周囲のダム堤体1が損傷する恐れを極力減ずることができる。つまり、短いアンカー60であれば、アンカー60に作用する荷重の影響範囲が狭いため、貫通穴2に近い位置に打設することが出来る。この点を踏まえれば、同じスカート部32において、貫通穴2の近い位置に短いアンカー60を打設し、貫通穴2より十分離間した上述の端部等の位置に長いアンカー60を打設するなど、貫通穴2の内壁面2aからの距離に応じ、長さの異なるアンカー60を打設するといった施工形態を採用することも出来る。
なお、打設されたアンカー60に荷重が作用した時、その荷重が周囲の躯体1に影響を及ぼす範囲は、図10で例示するように、アンカー60の先端61を中心に延びる点線15とダム堤体上流面3とで囲まれた範囲と想定される。
上記のアンカー60は、ダム堤体1に設けた孔6に鋼材等を挿入、定着させた構造となっており、アンカー体120、引張り部130、アンカー頭部140から構成されている。このうちアンカー体120は、アンカー60にかかる引張り力をダム堤体1に直接伝達するもので、孔6へのグラウト注入によって形成される。また、引張り部130は、アンカー頭部140からの引張り力をアンカー体120に伝達する部分で、PC鋼棒、PC鋼より線、多重PC鋼より線、連続繊維補強材などを材料としたテンドン131と、テンドン131の防食と摩擦損失を防ぐ機能を担うシース132から構成されている。アンカー頭部140は、テンドン131の定着具141と、これを支えて荷重をダム堤体1に伝達する支圧板142からなっている。
貫通穴2の施工に当たっては、ドーム体10を貫通穴2における上流側の開口4の位置(開口予定位置4a)に予め設置し、スカート部32を貫く形でダム堤体上流面3に向けアンカー60を打設し、そのアンカー頭部140により仮締切構造100をダム堤体上流面3に固定した上で、ドーム体10の内空25に存在する水を排水することにより、ドーム体10をダム堤体上流面3に押しつけ、作業空間を確保する。
次に、本実施形態の仮締切構造100の施工手順について詳細に説明する。図3〜8は本実施形態におけるダム堤体の仮締切工法の各施工手順1〜7をそれぞれ示す図である。まず、図3に示すように、ドーム体10を、クレーン80で堤体上部より吊り下げて、堤体上流面3における放流管48の呑口位置となる場所(水中の仮設構台上)まで沈める(手順1)。なお、ドーム体10の内空25には放流管呑口の閉鎖ゲート扉体49(図9)等を予め載置しておくが、これ寸法、重量ともに大きく、現地まで一体で搬入することは不可能である。よってこれらは、工場での検査終了後、施工現地まで分割して輸送し、ダム堤体近傍で組立作業を行うこととする(不図示)。
手順1に続き、図4に示すように、仮締切構造100におけるドーム体10のスカート部32と堤体上流面3との間に止水材(図1での止水材7)で挟み込んだ上で、スカート部32におけるアンカー打設用孔33からダム堤体上流面3に向けたアンカー60の打設を行う(手順2)。なお、アンカー60の打設は以下のような手順で行われる。まず、アンカー挿入用の所定径の孔6をボーリングマシンでダム堤体1に削孔し、形成した孔6にテンドン131およびシース132を挿入する。テンドン131およびシース132の挿入後、アンカー体120としてグラウトを孔6に注入し、注入後のグラウトが所定強度に達した後、引張部130への緊張付加を行う。また、引張部130の上端に支圧板142を挿通させた上で定着具141により引張部130とアンカー頭部140を一体となし、アンカー60の打設が完了する。
続いて、図5に示すように、マンホール管8をクレーン81で堤体上より吊り下げて、ドーム体10のマンホール28に接続し、マンホール28に接続したマンホール管8の上端に他のマンホール管8を順次接続していく(手順3)。このマンホール管8の設置に当たっては、堤体上流側の水域に作業台船40を浮かべて作業員を配置し、クレーン81で吊下したマンホール管8の位置決め、マンホール28とマンホール管8の連結、およびマンホール管8同士の連結といった作業に当たらせる。また、マンホール管8は堤体上流面3に対し、鋼棒など適宜な転倒防止材9で一時的に固定される。
次に、図6に示すように、作業台船40上に設置したポンプ41より、給気ホース42を伸ばしてドーム体10の給気バルブ27に接続し、ドーム体10の内空25への圧力空気の給気を開始する(手順4)。また、それとともに、ドーム体10の排水バルブ29を開き、ドーム体10の内空25に存在する水を、上述の給気による空気充填に伴って排出し、内空25をドライ状態とする。上述の圧力空気の給気に際し、ドーム体10の排水バルブ29から空気泡が噴出し始めたら、内空25において完全に排水がなされたことを意味するから、排水バルブ29および給気バルブ27を閉じ、マンホール28のバルブを開放して圧力空気を徐々に逃がし、内空25を大気圧とする。こうして内空25は大気圧となって、ドーム体10は水圧によって堤体上流面3に押圧されることになり、スカート部32を介してダム堤体1に打設されたアンカー60によって水中位置に留められる。
なお、内空25の水を排水するにあたっては、内空25に予めセットしておいた水中ポンプを、上述の給気バルブ27および排水バルブ29を閉じた状態で稼働させ、マンホール管8の上端から排水を行う方法を採用しても良い。
なお、ドーム体10の内空25の排水を行った際に発生する浮力は、ドーム体10の空中重量に比べて遥かに大きくなる。例えば、水深17mの位置に直径10000mmの開口を備えたドーム体10を設置しようとした場合、凡そ18000kNの浮力がドーム体10の空中重量に勝るという知見を本出願人らは得ている。一方、水圧によってドーム体10がダム堤体上流面3に押圧されていれば、堤体上流面3とドーム体10との間に摩擦力が発生して浮力を減らすことが出来るが、この浮力は、前述の摩擦力が十分発揮される前の、内空25の水を排出する際に発生するため、上述の摩擦力により浮力に対抗することを期待するのは危険である。よって、アンカー60に関して想定する荷重は、ドーム体10にかかる全浮力分以上の大きさとする。また、この浮力対策が必要な期間はドーム体10の内空25での作業員による作業時だけであるから、仮設のアンカーとして設計する。
続いて、図7に示すように、連結したマンホール管8のうち最上部のマンホール管8の上部に、管理歩廊43を設け、堤体1の上部より移動してきた作業員がこの管理歩廊43、マンホール管8、およびマンホール28を通ってドーム体10の内空25に入る(手順5)。内空25に入った作業員は、内空25が排水完了状態である事を確認する。一方で、堤体下流側からは、ローダー85など適宜な掘削機が貫通穴2を掘削しているものとする。内空25の排水完了状態の確認の後、ローダー85は、ドーム体10の内空25と掘削済みの貫通穴2との間に残された部位の掘削を実行する。
この掘削が完了し、ドーム体10の内空25と貫通穴2とが貫通したならば、図8に示すように、閉鎖ゲート扉体用戸当り47およびベルマウス46の据え付けと空気管45の設置を行う(手順6)。この場合、ドーム体10の内空25に予め載置しておいた閉鎖ゲート扉体用戸当り47およびベルマウス46を堤体1に据え付け、また、貫通穴2において堤体下流から放流管48を搬入し、この放流管48を閉鎖ゲート扉体49およびベルマウス46と接続する。更に、閉鎖ゲート扉体49を閉鎖ゲート扉体用戸当り47およびベルマウス46に接続する。
この接続の完了後、放流管48と貫通穴2の内壁との間の空隙など所定領域にコンクリートを打設しておく。また、ドーム体10の内空25で作業を行っていた作業員を、マンホール管8を介して水上の作業台船40上又は管理歩廊43上に退出させる。
続いて、給気バルブ27、排水バルブ29を開き、ドーム体10の内空25への充水を行う。また、図9に示すように、マンホール28に連結させていたマンホール管8を順次撤去し、アンカー60におけるアンカー頭部140の取り外し等を行ってドーム体10とアンカー60との切り離しを行い、その後、ドーム体10もクレーン80によって吊り上げて撤去する(手順7)。
このように本実施形態によれば、施工時に作用する浮力に対して不具合を招くことなく抵抗可能である仮締切構造の施工が可能となる。
本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 堤体
2 貫通穴
2a 貫通穴の内壁面
3 ダム堤体上流面
4 開口
4a 貫通穴の開口予定位置
5 水底地盤
6 孔
7 止水材
8 マンホール管
10 ドーム体
21 開口
24 外周面
25 内空
27 給気バルブ
28 マンホール
29 排水バルブ
32 スカート部
33 アンカー打設用孔
45 空気管
46 ベルマウス
47 閉鎖ゲート扉体用戸当り
48 放流管
49 閉鎖ゲート扉体
60 アンカー
100 仮締切構造
120 アンカー体
130 引張り部
131 テンドン
132 シース
140 アンカー頭部
141 定着具
142 支圧板

Claims (4)

  1. 既存ダム堤体での貫通穴構築に際し用いる仮締切構造の施工方法であり、
    ドーム体状の仮締切構造が備える開口を、前記貫通穴の開口予定位置を囲むようにダム堤体上流面に当接させる第1の工程と、
    前記開口の周縁をダム堤体上流面に沿って延長したスカート部であって、当該スカート部を貫通しダム堤体上流面に打設されるアンカーの貫通位置が、前記開口より外方に離間すべく延長したスカート部において、アンカーに作用する荷重の影響を前記貫通穴が受けないよう、複数のアンカーを前記開口の周囲を囲むように間隔をおいて貫通させ、前記ダム堤体上流面に打設する第2の工程と、
    を含むことを特徴とするダム堤体の仮締切工法。
  2. 前記第2の工程において、
    前記スカート部の端部に前記アンカーを貫通させ、前記ダム堤体上流面に打設することを特徴とする請求項1に記載のダム堤体の仮締切工法。
  3. 既存ダム堤体での貫通穴構築に際し用いる仮締切構造の施工方法であり、
    ドーム体状の仮締切構造が備える開口を、前記貫通穴の開口予定位置を囲むようにダム堤体上流面に当接させる第1の工程と、
    前記開口の周縁をダム堤体上流面に沿って延長したスカート部であって、当該スカート部を貫通しダム堤体上流面に打設されるアンカーの数が、前記開口の端部周縁のみに配置するよりも多く配置できるようにすべく延長したスカート部において、複数のアンカーを、前記開口の周縁からの距離を少なくとも一部のアンカー間で互いに異ならせて分散配置することで、前記開口の端部周縁のみに配置するよりも多くのアンカーを前記スカート部において貫通させ、前記ダム堤体上流面に打設する第2の工程と、
    を含むことを特徴とするダム堤体の仮締切工法。
  4. 既存ダム堤体での貫通穴構築に際し用いる仮締切構造の施工方法であり、
    ドーム体状の仮締切構造が備える開口を、前記貫通穴の開口予定位置を囲むようにダム堤体上流面に当接させる第1の工程と、
    前記開口の周縁をダム堤体上流面に沿って延長したスカート部において、前記開口の周縁からの距離が互いに異なる複数の環状にアンカーを配置して貫通させ、前記ダム堤体上流面に打設する第2の工程と、
    を含むことを特徴とするダム堤体の仮締切工法。
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